JP2004004229A - 動作音低減装置及び動作音低減方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】HDD、放熱ファン等から発せられる動作音を簡単な構成で低減する。
【解決手段】スピーカ部16から出力されることによって、動作音発生部20から発せられる動作音を低減するように位相及び振幅が設定された動作音低減信号を、予め記憶部21に記憶させておき、所定タイミングで読み出して、放送番組の音声に多重してスピーカ部16から出力するように構成する。さらに、記憶部21から読み出された動作音低減信号の位相と振幅を、動作音発生部20から発せられる動作音が最も聞き取りにくくなるように、あるいは動作音のレベルが最小になるように調整することで、動作音を確実に低減することが可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】スピーカ部16から出力されることによって、動作音発生部20から発せられる動作音を低減するように位相及び振幅が設定された動作音低減信号を、予め記憶部21に記憶させておき、所定タイミングで読み出して、放送番組の音声に多重してスピーカ部16から出力するように構成する。さらに、記憶部21から読み出された動作音低減信号の位相と振幅を、動作音発生部20から発せられる動作音が最も聞き取りにくくなるように、あるいは動作音のレベルが最小になるように調整することで、動作音を確実に低減することが可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばスピーカから音声を出力する手段を備えると共に、モータで駆動されることによって動作時に機械的動作音を発生する電気部品を有する機器から発せられる前記動作音を、スピーカから出力される音声信号を加工することによって低減するようにした動作音低減装置及び低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機器内部にモータによって機械的に回転駆動される例えば、HDD(ハードディスクドライブ)、放熱用ファン等の部品を備えた機器においては、それら部品が動作する際に、機械的な音が発生し、これがユーザにとって耳障りとなることがある。
【0003】
すなわち、部品が動作する際に発する音は騒音となり、機器がスピーカを備えて音声を出力するように構成された機器の場合、本来の音声出力に影響を与える虞がある。
このような音声出力機器を深夜に使用する場合には、音量を絞って使うのが一般であるが、機械的騒音は常に一定のレベルで出力されるため、音量を絞ると騒音のために聞きたい本来の音声が聴き辛くなり、イヤホンあるいはヘッドホンを使わざるを得なくなり、使い勝手が悪いといった問題があった。
【0004】
このような問題を解決する提案として、雑音(動作音)音発生源からの音をマイクで拾って非線形処理を施すことで雑音成分のみ抽出してこれを逆位相で専用スピーカから出力して雑音を消音するようにした装置が、例えば特開2000−39887号によって提案されている。
【0005】
このような装置はそれなりに、効果を発揮して雑音を抑圧するが、目的を達成するために、専用のマイク、スピーカ、非線形処理回路等が必要で装置が大掛かりで複雑なものになってしまうという問題がある。
以上のように、従来、HDD、放熱用ファン等から発せられる動作音を消去しようという試みは種々なされているが、装置が大掛かりなものとなって、コストパフォーマンスの点で一般ユーザにとって満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来、機器の回転部品等から発する動作音を簡単な構成で抑圧するようにした装置の実現が要望されている。
本発明は、以上の点に対処してなされたものであって、簡単な構成で機器内部から発する動作音を抑圧することができる装置及び方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の動作音低減装置は、入力された音声信号を処理して出力する音声信号処理手段と、前記音声信号を音声として出力するスピーカと、 動作時に動作音を発生する電気部品と、前記スピーカから出力されることにより、前記電気部品の動作音を相殺効果によって低減することが可能な位相と振幅を有した動作音低減信号が予め記憶された記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された動作音低減信号を読み出して、前記音声信号に重畳して、前記スピーカに出力する手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、放送番組の音声信号を出力するスピーカを用いて動作音低減信号を、動作音を相殺するように出力するものであるため簡単な構成で目的を達成することができる。
本発明の動作音低減装置は、入力された音声信号を処理して出力する音声信号処理部と、前記音声信号を音声として出力するスピーカと、動作時に動作音を発生する電気部品と、予め動作音低減信号が記憶された記憶手段と、前記記憶手段に記憶された動作音低減信号を前記記憶手段から読出し、読み出した動作音低減信号の位相と振幅を、当該動作音低減信号が前記スピーカから出力されることで前記動作音を低減するように調整して前記音声信号に重畳する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、スピーカから出力する動作音低減信号の位相と振幅を、動作音低減効果が最も顕著に得られるように調整するように構成したため、動作音を確実に低減することができる。
本発明の動作音低減方法は、入力された音声信号を処理して出力するステップと、前記音声信号をスピーカから音声として出力するステップと、前記スピーカから出力されることにより、動作音を発生する電気部品から発する動作音を相殺効果によって低減することが可能な位相と振幅を有した動作音低減信号を当該動作音低減信号が予め記憶された記憶手段から読み出すステップと、
【0010】
前記読み出された動作音低減信号を、前記音声信号に重畳して、前記スピーカから出力するステップとを具備したことを特徴とする。
本発明によれば、放送番組の音声信号を出力するスピーカを用いて動作音低減信号を、動作音を相殺するように出力するものであるため簡単な構成で目的を達成することができる。
さらに本発明の動作音低減方法は、入力された音声信号を処理して出力するステップと、
前記音声信号をスピーカから音声として出力するステップと、予め記憶手段に記憶された動作音低減信号を読み出すステップと、前記読み出された動作音低減信号の位相と振幅を、当該動作音低減信号が前記スピーカから出力されることによって、動作音を発生する電気部品からの動作音を相殺によって低減するように調整するステップと、前記位相及び振幅が調整された動作音低減信号を前記音声に重畳して出力するステップとを具備したことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、スピーカから出力する動作音低減信号の位相と振幅を、動作音低減効果が最も顕著に得られるように調整する構成としたことにより、動作音を確実に低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の動作音低減装置の一実施の形態を示すブロック図であり、機器としてはデジタルテレビジョン受信機10である。
図1において、入力端子11には、図示しないアンテナからのデジタル放送信号が供給される。入力端子11はチューナ/復調部12に接続され、ここで放送信号は、所定のチャンネルが選局され、さらに復調されて、映像信号は映像信号処理部13でMPEG(Moving Picture Experts Group)の復号、アナログ信号への変換等の処理が施され、表示部14に供給されて表示される。
【0013】
音声信号は音声信号処理部15で処理されてスピーカ部16に供給され音声として出力される。音声信号処理部15は通常DSP(Digital Signal Processor)で構成され、MPEG音声信号の復号、アナログ信号への変換、特殊効果の付加等の処理を実行し、処理された音声信号を出力する。
【0014】
また、受像機10の動作制御あるいは機能設定のために、入力部17が設けられており、この入力部17は、図示しないリモコンハンドユニットからのリモコン信号を受信する受信手段で構成されるかあるいは、受像機10の筐体18の前面に設けられたスイッチで構成されている。
【0015】
入力部17からの信号は、制御部19に供給され、制御部19によって映像信号処理部13あるいは音声処理部15を含めた各回路、機能の制御が行われる。
受像機10には、放熱用のファンあるいはHDDで代表される動作音発生部20が設けられており、動作音発生部20が動作しているときに発生する動作音は、筐体18を介して外部に放出される。動作音発生部20は制御部19によって起動される。
【0016】
さらに、受像機10には、動作音発生部20から発せられる動作音を低減することが可能な動作音低減信号が予め記憶された記憶部21が設けられている。記憶部21に記憶された動作音低減信号は、放送番組の音声信号に重畳されてスピーカ部16から出力された際に、動作音発生部20からの動作音を相殺によって低減する働きを持つものであり、動作音と同様な周波数を有し、動作音と逆位相になるように読み出され、かつ所定の振幅を有するように設定されている。読出しのタイミングは制御部19によって制御される。
【0017】
さらにまた、受像機10は、チューナ/復調部12、映像信号処理部13、表示部14、音声信号処理部15、動作音発生部20、記憶部21に電源を供給するためのメイン電源回路22が設けられており、ユーザが入力部17を介してメイン電源をオンオフする制御信号を制御部19に供給することにより、制御部19がメイン電源回路22を制御する。
【0018】
なお、入力部17、制御部19には、メイン電源回路22とは異なる図示しない別の電源回路を介して常時電源が供給される。
以上のように構成された受像機10において、ユーザが入力部17を介して制御部19に電源をオンする信号を送ると、メイン電源回路22がオンとなって、チューナ/復調部12、映像処理部13、音声信号処理部15、表示部14に電源が供給されてそれら各部が動作を開始し、表示部14に映像が表示され、音声がスピーカ部16から出力される。
【0019】
また、動作音発生部20も制御部19からの制御信号によって起動される。同時に、記憶部21から信号が読み出され、これが音声信号処理部15に供給され、音声処理部15においてチューナ/復調部12からの音声信号に重畳されてスピーカ部16から出力される。
【0020】
記憶部21から信号を読出すタイミングは、例えば動作音発生部20の起動タイミングとの関係で、最も効果のある時期、すなわち動作音と逆相となる読出し時期を実験的に求めてプログラムとして制御部19に記憶させておくことが可能である。
【0021】
それによってスピーカ部16からは、動作音発生部20からの動作音とは逆位相でかつ所定レベルの動作音低減信号に基づく音を含んだ音声が出力されるため、動作音発生部20からの動作音が低減されるようになる。
図2は、図1に示すテレビジョン受像機10の記憶部21に動作音低減用の信号を記憶させるためのブロック図を示している。
動作音低減信号の記憶部21へ記憶は、テレビジョン受像機10の製造工程において行われるものであり、記憶させるための手段は、機器10に対する外付けの冶具として設けられる。
図2において、マイク31、動作音信号抽出処理回路32によって、動作音が抽出され、かつ振幅、位相が調整されて記憶部21に記憶される。
作業手順は次のとおりである。まず、機器10は、リモコンハンドユニット33からのリモコン信号によって、動作音信号記憶モードに設定される。この状態では受信部12と、映像信号処理部13の動作が停止され、音声処理部15は、記憶部21からの信号のみを処理してスピーカ部16から出力するように制御部19によって制御される。また、動作音発生部20は、制御部19によって起動されている。
【0022】
ここで、マイク31が通常ユーザが視聴する場所に置かれ、スピーカからの音と動作音発生部20からの音を拾い、音声信号に変換して動作音信号抽出処理回路32に供給する。動作音信号抽出処理回路32は、動作音成分を抽出して動作音低減信号を生成すると共に、その位相及び振幅を調整して端子23介して記憶部21に導出する。記憶部21に供給された動作音低減信号は即読み出されて、音声処理部15に供給され、スピーカ部16から音として出力する。動作音成分の位相及び振幅調整は、端子24を介して制御部19から供給される制御信号によって行なわれる。
【0023】
次に、リモコンハンドユニット33を操作して、入力部17から制御部19に対して、動作音信号抽出回路32で抽出した動作音低減信号の位相及び振幅をそれぞれ連続的に調整する信号を与える。そして動作音発生部20からの動作音が最も聞こえなくなった時点で、調整を終了して、終了時点の振幅、位相を有する動作音低減信号を記憶部に21に記憶させる。
【0024】
次に、制御部19によって、動作音発生部20の起動と記憶部21からの読出しタイミングが調整され、動作音低減効果の最も大きな読出しタイミングが制御部19に記憶されて、作業は終了となる。
ユーザは、以上のように設定された受像機10を購入後は、通常に電源を投入するだけで、動作音発生部20からの動作音が低減されて気にならなくなる。
図1に示したテレビジョン受像機10の動作音低減装置の動作を図3のフローチャートでさらに説明する。
ステップ3aで開始され、ステップ3bでメイン電源が投入されて、ステップ3cで動作音発生部20が起動される。さらに、ステップ3dで記憶部21から動作音低減信号が読み出されて、ステップ3eで音声処理部15で受信された番組の音声信号と重畳されて、ステップ3fでスピーカ部16から出力される。動作音低減信号は、スピーカ部16から、動作音発生部20から発せられる動作音と逆位相でかつ所定レベルで出力されることにより、動作音発生部から発せられる動作音が低減される。
【0025】
図1に示した受像機10は、表示部14とスピーカ部16を内蔵しているが、表示部14とスピーカ部16を持たない、いわゆるセットトップボックス(STB)にも本発明は適用できるものである。セットトップボックスの場合、スピーカ部の設置位置によって、動作音低減効果が充分でない場合が生じる可能性があるため、ユーザが、記憶部21から読み出した動作音低減信号の位相と振幅を調整できるように構成することが好ましい。
【0026】
図4にSTBに本発明を適用した場合の、ブロック図を示す。
図4において、図1と同一ブロックには、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。STB40は、映像信号出力端子41と音声出力端子42を備え、外付けのモニタ43と接続される。モニタ43には、表示部44とスピーカ部45が設けられており、入力端子46、47によってSTB40の出力端子41,42と接続されている。
【0027】
STB40には、動作音発生部20と、記憶部21が設けられ、さらに、記憶部21からの動作音低減信号の振幅と位相を調整するための動作音低減信号処理部48が設けられている。この、動作音低減信号処理部48は、音声信号処理部15に組み込んで、音声信号処理の過程で動作音低減信号の位相及び振幅を調整するように構成することが可能であり、実際にそのように構成して処理するのが、余分な構成を付加する必要がないので合理的であるが、ここでは、説明の便宜上、機能としてのブロックを外に出して一つの構成部として表示している。他の実施の形態でも同様である。
【0028】
ユーザの入力部17への操作によって、STB40のメイン電源回路22がオンとなり電源が投入されると、動作音発生部20も起動され、記憶部21から制御部19によって所定のタイミングで動作音低減信号が読み出される。読み出された動作音低減信号は、動作音低減信号処理部48を介して音声信号処理部15に供給されて放送番組の音声信号と重畳されて音声出力端子42から、モニタ43に供給されてそのスピーカ部45から出力される。
【0029】
ユーザは、動作音低減信号による動作音低減効果が少ないと判断した場合には、リモコンハンドユニット49を使って、入力部17から制御部19に動作音低減信号の振幅と位相を調整する信号を送り、制御部19はそれを受けて動作音低減信号処理部48で動作音低減信号の振幅と位相を個々に連続的に調整する。最も動作音が聞き取り難くなったところで、リモコンハンドユニット49によって制御中止の指令を入力部17から制御部19に送ることで、調整が終了し、動作音低減信号処理部48はそのときの振幅及び位相調整量を記憶し、以降は、最も動作音低減効果のある動作音低減信号が音声処理部15に供給されるようになる。
【0030】
リモコンハンドユニット49は、チャンネル切換、音量調整、電源オンオフ等の制御を行うために通常、セットトップボックスに設けられているものであり、特に本発明を実現するための特別な機能を追加する必要はない。すなわち、リモコンハンドユニット49から、動作音低減信号の位相及び振幅の調整を、リモコンハンドユニット49に本来設けられているカーソルキーを使って行なうように構成することができる。そのためのソフトフェを制御部19に組み込み、調整の際に案内を表示部44の画面に表示させるようにすればよい。
【0031】
図4に示すSTB40に設けられた装置の、動作を図5のフローチャートに示す。
ステップ5aで開始され、ステップ5bでメイン電源が投入されて、ステップ5cで動作音発生部20が起動され、ステップ5dで記憶部21から動作音低減信号が読み出され、ステップ5fで放送番組の音声信号と重畳されて、ステップ5gでスピーカ部45から出力される。
【0032】
さらに、ステップ5hで、動作音低減信号の位相及び振幅が、動作音発生部20からの動作音が最も聞き取り難くくなるようにユーザのリモコンハンドユニット49の操作によって調整され、ステップ5hで調整された位相、振幅情報が動作音低減信号処理部48で記憶される。
【0033】
以降は、最も動作音低減効果のある位相と振幅を持った動作音低減信号が音声処理部15に供給されるようになる。
図6は、本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。
図6において、図1と同じ個所に同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図6のテレビジョン受像機60では、動作音発生部20がいくつかの動作モードを有する。例えば、HDDでは、アクセスがしばらくない場合には回転数を落として待機させることがあり、また、放熱用のファンにおいても、受像機60内部の発熱が少ない動作状態においては、回転数を落とすように構成される場合もある。
【0034】
そのように、動作音発生部20の動作モードが複数ある場合には、動作音記録部21に記憶される動作音低減信号も、各モードに合わせたものにする必要があり、複数の動作音低減信号が記憶されることになる。
動作音発生部20の動作モードは、制御部19によって制御されるものであり、そのモードに応じた動作音低減信号を、記憶部21から読み出して、音声処理部15に供給すれば、動作モード毎に的確に動作音を低減することが可能となるものである。
【0035】
すなわち、図6では、制御部19からの制御信号が動作音発生部20に供給されてその動作モードが設定されるように構成されている。
図6の実施の形態の動作を図7のフローチャートに示す。
ステップ7aで開始され、ステップ7bでメイン電源がオンされ、次いでステップ7cで動作音発生部20を通常動作モードで動作させるか否かの判定がなされる。通常は、電源オン直後は通常動作モードが選択されるように設定されている。
動作音発生部20を通常モードで動作させる場合には、ステップ7dで動作音発生部20が通常動作モードで起動され、ステップ7eで通常動作モード用の動作音低減信号が記憶部21から読み出される。読み出された信号は、ステップ7fで放送番組の音声信号に重畳されて、ステップ7gでスピーカ部16から出力される。
【0036】
次に、ステップ7hで動作音発生部20の動作モードが変更されたか否かが判定され、変更されなければ、ステップ7eに戻って通常モード用の動作音低減信号を引き続き読み出す。
動作音発生部20の動作モードが、待機モード等非通常動作モードに変更された場合には、ステップ7iで動作音発生部20を非通常動作モードで起動し、ステップ7jで非通常動作モード用の動作音低減信号を記憶部21から読出す。読み出した動作音低減信号を、ステップ7kで放送番組の音声信号に重畳して、ステップ7lでスピーカ部16から出力する。
【0037】
次に、ステップ7mで動作モードが変更されたか否かの判定がなされ、変更されない場合は、ステップ7jに戻って非通常モード用の動作音低減信号を引き続き読み出す。変更された場合は、ステップ7dに移り、以降その繰り返しである。なお、メイン電源投入直後に、非通常動作モードで動作させるように設定されている場合は、処理の流れは逆になり、ステップ7cからステップ7iに移り、非動作モードに対応した処理がステップ7mまで行なわれ、動作モードが通常動作モードに変更されたらステップ7に移って通常動作モードに対応した処理が行なわれる。
【0038】
図4に示すSTB40の実施の形態においては、ユーザが手動で動作音低減信号の位相及び振幅を調整して動作音が最も聞こえなくなる点を探していたが、自動で行なうことも可能であり、図8にそのように構成したSTB80のブロック図を示す。図8において、図4と同一構成部分に同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0039】
図8においては、マイクロホン81と、マイクロホン81で集音された音の中から、動作音成分を抽出してそのレベルを判別する動作音抽出/レベル判別部82が設けられている。
動作音抽出/レベル判別部82で判別された動作音のレベル情報は、制御部19に供給され、制御部19は、そのレベル情報に基づいて、記憶部21から読み出される動作音低減信号の位相と振幅を、動作音低減信号処理部48で調整し、動作音抽出/レベル判別部82から動作音レベルが最も小さいことを示す情報が出力された時点でその調整を停止する。図4の実施例では、ユーザによる手動調整のため、その際の位相及び振幅情報を動作音低減信号処理部48に記憶したが、自動で行なう本実施の形態では、最も動作音レベルが低減される動作音低減信号の位相及び振幅情報を記憶することは必ずしも必要ではない。
【0040】
図8に示す動作音低減装置の動作を図9のフローチャートに示す。
ステップ9aで開始され、ステップ9bでメイン電源がオンとなり、ステップ9cで動作音発生部20が起動され、ステップ9dで記憶部21から動作音低減信号が読み出される。
読み出された動作音低減信号は、ステップ9eで、位相と振幅が調整され、ステップ9fで、放送番組の音声信号と重畳されて出力端子42から出力され、ステップ9gでスピーカ部45から出力される。
次にステップ9hで、STB80から発せられる音をマイクロホンで集音して、ステップ9iで動作音の抽出とそのレベルの判別が行なわれ、ステップ9jで動作音レベルが最も小さくなったか否かが判別され、最小レベルでなかったらステップ9eに戻って、動作音低減信号の位相と振幅の調整が継続される。
【0041】
ステップ9jで動作音が最小レベルになったことが判別されたら、ステップ9kで動作音低減信号の位相と振幅の調整を終了する。
なお、図4と図8はいずれもSTBに本発明を適用した例を示しており、スピーカ部46を備えるモニタ43の設置場所によって動作音低減効果が違ってくる可能性があるので、効果的であるが、スピーカ部を内蔵しているテレビジョン受像機にも本実施の形態を適用できることは述べるまでもない。
【0042】
すなわち、動作音発生部が経年変換によって、発する動作音の特性が変動することが考えられ、動作音低減信号の位相及び振幅の調整機能を備えていれば、そのような変動にも容易に対処することが可能である。
以上のように本発明によれば、動作音発生部を備えた機器において、スピーカから出力された際に、動作音を相殺して低減するような位相と振幅で出力される動作音低減信号を、予め記憶部に記憶させておき、それを所定のタイミングで読み出して、放送番組の音声信号に重畳して、スピーカ部から出力するようにしたので、専用のスピーカ等を必要とせず、簡単な構成で動作音発生部からの動作音を低減することができるものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、動作音発生部からの動作音を、スピーカから出力することで相殺する機能を持った信号によって、低減するようにしたものであり、簡単な構成で、動作音発生部からの動作音を低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、動作音低減装置の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】本発明に係る、動作音低減装置を製造する工程を説明するためのブロック図。
【図3】図1に示す装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明に係る、動作音低減装置の他の実施の形態を示すブロック図。
【図5】図4に示す装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明に係る、動作音低減装置の他の実施の形態を示すブロック図。
【図7】図7に示す装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図8】本発明に係る、動作音低減装置のさらに他の実施の形態を示すブロック図。
【図9】図8に示す装置の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
11…入力端子
12…受信/復調部
13…映像信号処理部
14,44…表示部
15…音声信号処理部
16,45…スピーカ部
17…入力部
18…筐体
19…制御部
20…動作音発生部
21…記憶部
22…メイン電源回路
43…モニタ
46…動作音低減信号処理部
47…リモコンハンドユニット
81…マイクロホン
82…動作音抽出/レベル判別部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばスピーカから音声を出力する手段を備えると共に、モータで駆動されることによって動作時に機械的動作音を発生する電気部品を有する機器から発せられる前記動作音を、スピーカから出力される音声信号を加工することによって低減するようにした動作音低減装置及び低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機器内部にモータによって機械的に回転駆動される例えば、HDD(ハードディスクドライブ)、放熱用ファン等の部品を備えた機器においては、それら部品が動作する際に、機械的な音が発生し、これがユーザにとって耳障りとなることがある。
【0003】
すなわち、部品が動作する際に発する音は騒音となり、機器がスピーカを備えて音声を出力するように構成された機器の場合、本来の音声出力に影響を与える虞がある。
このような音声出力機器を深夜に使用する場合には、音量を絞って使うのが一般であるが、機械的騒音は常に一定のレベルで出力されるため、音量を絞ると騒音のために聞きたい本来の音声が聴き辛くなり、イヤホンあるいはヘッドホンを使わざるを得なくなり、使い勝手が悪いといった問題があった。
【0004】
このような問題を解決する提案として、雑音(動作音)音発生源からの音をマイクで拾って非線形処理を施すことで雑音成分のみ抽出してこれを逆位相で専用スピーカから出力して雑音を消音するようにした装置が、例えば特開2000−39887号によって提案されている。
【0005】
このような装置はそれなりに、効果を発揮して雑音を抑圧するが、目的を達成するために、専用のマイク、スピーカ、非線形処理回路等が必要で装置が大掛かりで複雑なものになってしまうという問題がある。
以上のように、従来、HDD、放熱用ファン等から発せられる動作音を消去しようという試みは種々なされているが、装置が大掛かりなものとなって、コストパフォーマンスの点で一般ユーザにとって満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来、機器の回転部品等から発する動作音を簡単な構成で抑圧するようにした装置の実現が要望されている。
本発明は、以上の点に対処してなされたものであって、簡単な構成で機器内部から発する動作音を抑圧することができる装置及び方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の動作音低減装置は、入力された音声信号を処理して出力する音声信号処理手段と、前記音声信号を音声として出力するスピーカと、 動作時に動作音を発生する電気部品と、前記スピーカから出力されることにより、前記電気部品の動作音を相殺効果によって低減することが可能な位相と振幅を有した動作音低減信号が予め記憶された記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された動作音低減信号を読み出して、前記音声信号に重畳して、前記スピーカに出力する手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、放送番組の音声信号を出力するスピーカを用いて動作音低減信号を、動作音を相殺するように出力するものであるため簡単な構成で目的を達成することができる。
本発明の動作音低減装置は、入力された音声信号を処理して出力する音声信号処理部と、前記音声信号を音声として出力するスピーカと、動作時に動作音を発生する電気部品と、予め動作音低減信号が記憶された記憶手段と、前記記憶手段に記憶された動作音低減信号を前記記憶手段から読出し、読み出した動作音低減信号の位相と振幅を、当該動作音低減信号が前記スピーカから出力されることで前記動作音を低減するように調整して前記音声信号に重畳する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、スピーカから出力する動作音低減信号の位相と振幅を、動作音低減効果が最も顕著に得られるように調整するように構成したため、動作音を確実に低減することができる。
本発明の動作音低減方法は、入力された音声信号を処理して出力するステップと、前記音声信号をスピーカから音声として出力するステップと、前記スピーカから出力されることにより、動作音を発生する電気部品から発する動作音を相殺効果によって低減することが可能な位相と振幅を有した動作音低減信号を当該動作音低減信号が予め記憶された記憶手段から読み出すステップと、
【0010】
前記読み出された動作音低減信号を、前記音声信号に重畳して、前記スピーカから出力するステップとを具備したことを特徴とする。
本発明によれば、放送番組の音声信号を出力するスピーカを用いて動作音低減信号を、動作音を相殺するように出力するものであるため簡単な構成で目的を達成することができる。
さらに本発明の動作音低減方法は、入力された音声信号を処理して出力するステップと、
前記音声信号をスピーカから音声として出力するステップと、予め記憶手段に記憶された動作音低減信号を読み出すステップと、前記読み出された動作音低減信号の位相と振幅を、当該動作音低減信号が前記スピーカから出力されることによって、動作音を発生する電気部品からの動作音を相殺によって低減するように調整するステップと、前記位相及び振幅が調整された動作音低減信号を前記音声に重畳して出力するステップとを具備したことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、スピーカから出力する動作音低減信号の位相と振幅を、動作音低減効果が最も顕著に得られるように調整する構成としたことにより、動作音を確実に低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の動作音低減装置の一実施の形態を示すブロック図であり、機器としてはデジタルテレビジョン受信機10である。
図1において、入力端子11には、図示しないアンテナからのデジタル放送信号が供給される。入力端子11はチューナ/復調部12に接続され、ここで放送信号は、所定のチャンネルが選局され、さらに復調されて、映像信号は映像信号処理部13でMPEG(Moving Picture Experts Group)の復号、アナログ信号への変換等の処理が施され、表示部14に供給されて表示される。
【0013】
音声信号は音声信号処理部15で処理されてスピーカ部16に供給され音声として出力される。音声信号処理部15は通常DSP(Digital Signal Processor)で構成され、MPEG音声信号の復号、アナログ信号への変換、特殊効果の付加等の処理を実行し、処理された音声信号を出力する。
【0014】
また、受像機10の動作制御あるいは機能設定のために、入力部17が設けられており、この入力部17は、図示しないリモコンハンドユニットからのリモコン信号を受信する受信手段で構成されるかあるいは、受像機10の筐体18の前面に設けられたスイッチで構成されている。
【0015】
入力部17からの信号は、制御部19に供給され、制御部19によって映像信号処理部13あるいは音声処理部15を含めた各回路、機能の制御が行われる。
受像機10には、放熱用のファンあるいはHDDで代表される動作音発生部20が設けられており、動作音発生部20が動作しているときに発生する動作音は、筐体18を介して外部に放出される。動作音発生部20は制御部19によって起動される。
【0016】
さらに、受像機10には、動作音発生部20から発せられる動作音を低減することが可能な動作音低減信号が予め記憶された記憶部21が設けられている。記憶部21に記憶された動作音低減信号は、放送番組の音声信号に重畳されてスピーカ部16から出力された際に、動作音発生部20からの動作音を相殺によって低減する働きを持つものであり、動作音と同様な周波数を有し、動作音と逆位相になるように読み出され、かつ所定の振幅を有するように設定されている。読出しのタイミングは制御部19によって制御される。
【0017】
さらにまた、受像機10は、チューナ/復調部12、映像信号処理部13、表示部14、音声信号処理部15、動作音発生部20、記憶部21に電源を供給するためのメイン電源回路22が設けられており、ユーザが入力部17を介してメイン電源をオンオフする制御信号を制御部19に供給することにより、制御部19がメイン電源回路22を制御する。
【0018】
なお、入力部17、制御部19には、メイン電源回路22とは異なる図示しない別の電源回路を介して常時電源が供給される。
以上のように構成された受像機10において、ユーザが入力部17を介して制御部19に電源をオンする信号を送ると、メイン電源回路22がオンとなって、チューナ/復調部12、映像処理部13、音声信号処理部15、表示部14に電源が供給されてそれら各部が動作を開始し、表示部14に映像が表示され、音声がスピーカ部16から出力される。
【0019】
また、動作音発生部20も制御部19からの制御信号によって起動される。同時に、記憶部21から信号が読み出され、これが音声信号処理部15に供給され、音声処理部15においてチューナ/復調部12からの音声信号に重畳されてスピーカ部16から出力される。
【0020】
記憶部21から信号を読出すタイミングは、例えば動作音発生部20の起動タイミングとの関係で、最も効果のある時期、すなわち動作音と逆相となる読出し時期を実験的に求めてプログラムとして制御部19に記憶させておくことが可能である。
【0021】
それによってスピーカ部16からは、動作音発生部20からの動作音とは逆位相でかつ所定レベルの動作音低減信号に基づく音を含んだ音声が出力されるため、動作音発生部20からの動作音が低減されるようになる。
図2は、図1に示すテレビジョン受像機10の記憶部21に動作音低減用の信号を記憶させるためのブロック図を示している。
動作音低減信号の記憶部21へ記憶は、テレビジョン受像機10の製造工程において行われるものであり、記憶させるための手段は、機器10に対する外付けの冶具として設けられる。
図2において、マイク31、動作音信号抽出処理回路32によって、動作音が抽出され、かつ振幅、位相が調整されて記憶部21に記憶される。
作業手順は次のとおりである。まず、機器10は、リモコンハンドユニット33からのリモコン信号によって、動作音信号記憶モードに設定される。この状態では受信部12と、映像信号処理部13の動作が停止され、音声処理部15は、記憶部21からの信号のみを処理してスピーカ部16から出力するように制御部19によって制御される。また、動作音発生部20は、制御部19によって起動されている。
【0022】
ここで、マイク31が通常ユーザが視聴する場所に置かれ、スピーカからの音と動作音発生部20からの音を拾い、音声信号に変換して動作音信号抽出処理回路32に供給する。動作音信号抽出処理回路32は、動作音成分を抽出して動作音低減信号を生成すると共に、その位相及び振幅を調整して端子23介して記憶部21に導出する。記憶部21に供給された動作音低減信号は即読み出されて、音声処理部15に供給され、スピーカ部16から音として出力する。動作音成分の位相及び振幅調整は、端子24を介して制御部19から供給される制御信号によって行なわれる。
【0023】
次に、リモコンハンドユニット33を操作して、入力部17から制御部19に対して、動作音信号抽出回路32で抽出した動作音低減信号の位相及び振幅をそれぞれ連続的に調整する信号を与える。そして動作音発生部20からの動作音が最も聞こえなくなった時点で、調整を終了して、終了時点の振幅、位相を有する動作音低減信号を記憶部に21に記憶させる。
【0024】
次に、制御部19によって、動作音発生部20の起動と記憶部21からの読出しタイミングが調整され、動作音低減効果の最も大きな読出しタイミングが制御部19に記憶されて、作業は終了となる。
ユーザは、以上のように設定された受像機10を購入後は、通常に電源を投入するだけで、動作音発生部20からの動作音が低減されて気にならなくなる。
図1に示したテレビジョン受像機10の動作音低減装置の動作を図3のフローチャートでさらに説明する。
ステップ3aで開始され、ステップ3bでメイン電源が投入されて、ステップ3cで動作音発生部20が起動される。さらに、ステップ3dで記憶部21から動作音低減信号が読み出されて、ステップ3eで音声処理部15で受信された番組の音声信号と重畳されて、ステップ3fでスピーカ部16から出力される。動作音低減信号は、スピーカ部16から、動作音発生部20から発せられる動作音と逆位相でかつ所定レベルで出力されることにより、動作音発生部から発せられる動作音が低減される。
【0025】
図1に示した受像機10は、表示部14とスピーカ部16を内蔵しているが、表示部14とスピーカ部16を持たない、いわゆるセットトップボックス(STB)にも本発明は適用できるものである。セットトップボックスの場合、スピーカ部の設置位置によって、動作音低減効果が充分でない場合が生じる可能性があるため、ユーザが、記憶部21から読み出した動作音低減信号の位相と振幅を調整できるように構成することが好ましい。
【0026】
図4にSTBに本発明を適用した場合の、ブロック図を示す。
図4において、図1と同一ブロックには、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。STB40は、映像信号出力端子41と音声出力端子42を備え、外付けのモニタ43と接続される。モニタ43には、表示部44とスピーカ部45が設けられており、入力端子46、47によってSTB40の出力端子41,42と接続されている。
【0027】
STB40には、動作音発生部20と、記憶部21が設けられ、さらに、記憶部21からの動作音低減信号の振幅と位相を調整するための動作音低減信号処理部48が設けられている。この、動作音低減信号処理部48は、音声信号処理部15に組み込んで、音声信号処理の過程で動作音低減信号の位相及び振幅を調整するように構成することが可能であり、実際にそのように構成して処理するのが、余分な構成を付加する必要がないので合理的であるが、ここでは、説明の便宜上、機能としてのブロックを外に出して一つの構成部として表示している。他の実施の形態でも同様である。
【0028】
ユーザの入力部17への操作によって、STB40のメイン電源回路22がオンとなり電源が投入されると、動作音発生部20も起動され、記憶部21から制御部19によって所定のタイミングで動作音低減信号が読み出される。読み出された動作音低減信号は、動作音低減信号処理部48を介して音声信号処理部15に供給されて放送番組の音声信号と重畳されて音声出力端子42から、モニタ43に供給されてそのスピーカ部45から出力される。
【0029】
ユーザは、動作音低減信号による動作音低減効果が少ないと判断した場合には、リモコンハンドユニット49を使って、入力部17から制御部19に動作音低減信号の振幅と位相を調整する信号を送り、制御部19はそれを受けて動作音低減信号処理部48で動作音低減信号の振幅と位相を個々に連続的に調整する。最も動作音が聞き取り難くなったところで、リモコンハンドユニット49によって制御中止の指令を入力部17から制御部19に送ることで、調整が終了し、動作音低減信号処理部48はそのときの振幅及び位相調整量を記憶し、以降は、最も動作音低減効果のある動作音低減信号が音声処理部15に供給されるようになる。
【0030】
リモコンハンドユニット49は、チャンネル切換、音量調整、電源オンオフ等の制御を行うために通常、セットトップボックスに設けられているものであり、特に本発明を実現するための特別な機能を追加する必要はない。すなわち、リモコンハンドユニット49から、動作音低減信号の位相及び振幅の調整を、リモコンハンドユニット49に本来設けられているカーソルキーを使って行なうように構成することができる。そのためのソフトフェを制御部19に組み込み、調整の際に案内を表示部44の画面に表示させるようにすればよい。
【0031】
図4に示すSTB40に設けられた装置の、動作を図5のフローチャートに示す。
ステップ5aで開始され、ステップ5bでメイン電源が投入されて、ステップ5cで動作音発生部20が起動され、ステップ5dで記憶部21から動作音低減信号が読み出され、ステップ5fで放送番組の音声信号と重畳されて、ステップ5gでスピーカ部45から出力される。
【0032】
さらに、ステップ5hで、動作音低減信号の位相及び振幅が、動作音発生部20からの動作音が最も聞き取り難くくなるようにユーザのリモコンハンドユニット49の操作によって調整され、ステップ5hで調整された位相、振幅情報が動作音低減信号処理部48で記憶される。
【0033】
以降は、最も動作音低減効果のある位相と振幅を持った動作音低減信号が音声処理部15に供給されるようになる。
図6は、本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。
図6において、図1と同じ個所に同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図6のテレビジョン受像機60では、動作音発生部20がいくつかの動作モードを有する。例えば、HDDでは、アクセスがしばらくない場合には回転数を落として待機させることがあり、また、放熱用のファンにおいても、受像機60内部の発熱が少ない動作状態においては、回転数を落とすように構成される場合もある。
【0034】
そのように、動作音発生部20の動作モードが複数ある場合には、動作音記録部21に記憶される動作音低減信号も、各モードに合わせたものにする必要があり、複数の動作音低減信号が記憶されることになる。
動作音発生部20の動作モードは、制御部19によって制御されるものであり、そのモードに応じた動作音低減信号を、記憶部21から読み出して、音声処理部15に供給すれば、動作モード毎に的確に動作音を低減することが可能となるものである。
【0035】
すなわち、図6では、制御部19からの制御信号が動作音発生部20に供給されてその動作モードが設定されるように構成されている。
図6の実施の形態の動作を図7のフローチャートに示す。
ステップ7aで開始され、ステップ7bでメイン電源がオンされ、次いでステップ7cで動作音発生部20を通常動作モードで動作させるか否かの判定がなされる。通常は、電源オン直後は通常動作モードが選択されるように設定されている。
動作音発生部20を通常モードで動作させる場合には、ステップ7dで動作音発生部20が通常動作モードで起動され、ステップ7eで通常動作モード用の動作音低減信号が記憶部21から読み出される。読み出された信号は、ステップ7fで放送番組の音声信号に重畳されて、ステップ7gでスピーカ部16から出力される。
【0036】
次に、ステップ7hで動作音発生部20の動作モードが変更されたか否かが判定され、変更されなければ、ステップ7eに戻って通常モード用の動作音低減信号を引き続き読み出す。
動作音発生部20の動作モードが、待機モード等非通常動作モードに変更された場合には、ステップ7iで動作音発生部20を非通常動作モードで起動し、ステップ7jで非通常動作モード用の動作音低減信号を記憶部21から読出す。読み出した動作音低減信号を、ステップ7kで放送番組の音声信号に重畳して、ステップ7lでスピーカ部16から出力する。
【0037】
次に、ステップ7mで動作モードが変更されたか否かの判定がなされ、変更されない場合は、ステップ7jに戻って非通常モード用の動作音低減信号を引き続き読み出す。変更された場合は、ステップ7dに移り、以降その繰り返しである。なお、メイン電源投入直後に、非通常動作モードで動作させるように設定されている場合は、処理の流れは逆になり、ステップ7cからステップ7iに移り、非動作モードに対応した処理がステップ7mまで行なわれ、動作モードが通常動作モードに変更されたらステップ7に移って通常動作モードに対応した処理が行なわれる。
【0038】
図4に示すSTB40の実施の形態においては、ユーザが手動で動作音低減信号の位相及び振幅を調整して動作音が最も聞こえなくなる点を探していたが、自動で行なうことも可能であり、図8にそのように構成したSTB80のブロック図を示す。図8において、図4と同一構成部分に同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0039】
図8においては、マイクロホン81と、マイクロホン81で集音された音の中から、動作音成分を抽出してそのレベルを判別する動作音抽出/レベル判別部82が設けられている。
動作音抽出/レベル判別部82で判別された動作音のレベル情報は、制御部19に供給され、制御部19は、そのレベル情報に基づいて、記憶部21から読み出される動作音低減信号の位相と振幅を、動作音低減信号処理部48で調整し、動作音抽出/レベル判別部82から動作音レベルが最も小さいことを示す情報が出力された時点でその調整を停止する。図4の実施例では、ユーザによる手動調整のため、その際の位相及び振幅情報を動作音低減信号処理部48に記憶したが、自動で行なう本実施の形態では、最も動作音レベルが低減される動作音低減信号の位相及び振幅情報を記憶することは必ずしも必要ではない。
【0040】
図8に示す動作音低減装置の動作を図9のフローチャートに示す。
ステップ9aで開始され、ステップ9bでメイン電源がオンとなり、ステップ9cで動作音発生部20が起動され、ステップ9dで記憶部21から動作音低減信号が読み出される。
読み出された動作音低減信号は、ステップ9eで、位相と振幅が調整され、ステップ9fで、放送番組の音声信号と重畳されて出力端子42から出力され、ステップ9gでスピーカ部45から出力される。
次にステップ9hで、STB80から発せられる音をマイクロホンで集音して、ステップ9iで動作音の抽出とそのレベルの判別が行なわれ、ステップ9jで動作音レベルが最も小さくなったか否かが判別され、最小レベルでなかったらステップ9eに戻って、動作音低減信号の位相と振幅の調整が継続される。
【0041】
ステップ9jで動作音が最小レベルになったことが判別されたら、ステップ9kで動作音低減信号の位相と振幅の調整を終了する。
なお、図4と図8はいずれもSTBに本発明を適用した例を示しており、スピーカ部46を備えるモニタ43の設置場所によって動作音低減効果が違ってくる可能性があるので、効果的であるが、スピーカ部を内蔵しているテレビジョン受像機にも本実施の形態を適用できることは述べるまでもない。
【0042】
すなわち、動作音発生部が経年変換によって、発する動作音の特性が変動することが考えられ、動作音低減信号の位相及び振幅の調整機能を備えていれば、そのような変動にも容易に対処することが可能である。
以上のように本発明によれば、動作音発生部を備えた機器において、スピーカから出力された際に、動作音を相殺して低減するような位相と振幅で出力される動作音低減信号を、予め記憶部に記憶させておき、それを所定のタイミングで読み出して、放送番組の音声信号に重畳して、スピーカ部から出力するようにしたので、専用のスピーカ等を必要とせず、簡単な構成で動作音発生部からの動作音を低減することができるものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、動作音発生部からの動作音を、スピーカから出力することで相殺する機能を持った信号によって、低減するようにしたものであり、簡単な構成で、動作音発生部からの動作音を低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、動作音低減装置の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】本発明に係る、動作音低減装置を製造する工程を説明するためのブロック図。
【図3】図1に示す装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明に係る、動作音低減装置の他の実施の形態を示すブロック図。
【図5】図4に示す装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明に係る、動作音低減装置の他の実施の形態を示すブロック図。
【図7】図7に示す装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図8】本発明に係る、動作音低減装置のさらに他の実施の形態を示すブロック図。
【図9】図8に示す装置の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
11…入力端子
12…受信/復調部
13…映像信号処理部
14,44…表示部
15…音声信号処理部
16,45…スピーカ部
17…入力部
18…筐体
19…制御部
20…動作音発生部
21…記憶部
22…メイン電源回路
43…モニタ
46…動作音低減信号処理部
47…リモコンハンドユニット
81…マイクロホン
82…動作音抽出/レベル判別部
Claims (7)
- 入力された音声信号を処理して出力する音声信号処理手段と、
前記音声信号を音声として出力するスピーカと、
動作時に動作音を発生する電気部品と、
前記スピーカから出力されることにより、前記電気部品の動作音を相殺効果によって低減することが可能な位相と振幅を有した動作音低減信号が予め記憶された記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された動作音低減信号を読み出して、前記音声信号に重畳して、前記スピーカに出力する手段と、
を具備したことを特徴とする動作音低減装置。 - 入力された音声信号を処理して出力する音声信号処理部と、
前記音声信号を音声として出力するスピーカと、
動作時に動作音を発生する電気部品と、
予め動作音低減信号が記憶された記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された動作音低減信号を前記記憶手段から読出し、読み出した動作音低減信号の位相と振幅を、当該動作音低減信号が前記スピーカから出力されることで前記動作音を低減するように調整して前記音声信号に重畳する制御手段とを備えたことを特徴とする動作音低減装置。 - 前記制御手段は、前記動作音低減信号の位相と振幅を、リモコンハンドユニットからのリモコン信号によって調整するように構成された請求項2に記載の動作音低減装置。
- さらに、前記電気部品から発する動作音を集音するマイクロホンと、該マイクロホンで集音された音から前記動作音成分を抽出し、抽出した動作音のレベルを判別する手段を備え、前記制御手段は、前記動作音レベル判別手段で判別される動作音レベルが最も小さくなるように前記動作音低減信号の位相と振幅を調整するものであることを特徴とする請求項2に記載の動作音低減装置。
- 前記電気部品は、複数の動作モードを有し、前記記憶手段は、前記電気部品の複数の動作モードに対応した複数の動作音低減信号を記憶し、制御手段は、前記電気部品の動作モードに応じて、前記動作音記憶手段から動作音低減信号を読み出すものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の動作音低減装置。
- 入力された音声信号を処理して出力するステップと、
前記音声信号をスピーカから音声として出力するステップと、
前記スピーカから出力されることにより、動作音を発生する電気部品から発する動作音を相殺効果によって低減することが可能な位相と振幅を有した動作音低減信号を当該動作音低減信号が予め記憶された記憶手段から読み出すステップと、
前記読み出された動作音低減信号を、前記音声信号に重畳して、前記スピーカから出力するステップと、
とを具備したことを特徴とする動作音低減方法。 - 入力された音声信号を処理して出力するステップと、
前記音声信号をスピーカから音声として出力するステップと、
予め記憶手段に記憶された動作音低減信号を読み出すステップと、
前記読み出された動作音低減信号の位相と振幅を、当該動作音低減信号が前記スピーカから出力されることによって、動作音を発生する電気部品からの動作音を相殺によって低減するように調整するステップと、
前記位相及び振幅が調整された動作音低減信号を前記音声に重畳して出力するステップと
を具備したことを特徴とする動作音低減方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011227219A (ja) * | 2010-04-19 | 2011-11-10 | Buffalo Inc | 情報システム、動作音を相殺するためのプログラム、および動作音相殺方法 |
CN105810187A (zh) * | 2014-12-29 | 2016-07-27 | 联想(北京)有限公司 | 一种噪声消除方法及装置 |
US10593370B1 (en) * | 2018-11-06 | 2020-03-17 | Western Digital Technologies, Inc. | Reducing vibration of data storage device in a data storage system |
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2002
- 2002-05-31 JP JP2002158837A patent/JP2004004229A/ja active Pending
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