JP2004003235A - 道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手及び道路橋の埋設型ジョイント - Google Patents
道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手及び道路橋の埋設型ジョイント Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】連続舗装27,29の下に継手1を埋設する。埋設継手1は、ゴム層2と、ゴム層2の上面に固着された上横プレート3a〜3cと、ゴム層2の中間に埋設された中間横プレート5a〜5cとによって構成し、上横プレート3a〜3c及び中間横プレート5a〜5cの各々は、橋軸方向に間隙4,6をおいて並設する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手及び道路橋の埋設型ジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
埋設型ジョイントは、主として伸縮量の比較的小さな道路橋に適用され、連続舗装された舗装材の変形によって道路橋本体の伸縮を吸収するものとして知られている。その基本的な構造は図8に示されている。すなわち、道路橋遊間aの両側において、道路橋本体bの端部に段部cが形成され、遊間aに目地材dが詰められ、目地材dを覆うように段部c,cの上に弾性コンパウンドeが打設され、その上から防水シートfが敷かれて、その上に舗装gが施されている。
【0003】
また、特公昭60−39801号公報には、埋設型ジョイントに関して、上記弾性コンパウンドを用いずに、工場製作されたプレハブ舗装部材を連続舗装の下に埋設することが記載されている。このプレハブ舗装部材は、上層には舗装材層が設けられ、下層には間隙を存して左右に分離した一対の支承板が設けられているものであり、一対の支承板の各々を遊間両側の道路橋本体に固定するようになっている。
【0004】
また、特公昭60−9605号公報には、埋設型ジョイントの舗装下にゴム板と鋼板とを接着してなる埋設継手を埋設することが記載されている。すなわち、この埋設継手は、上層には一枚物の鋼板が設けられ、下層には左右に分離した一対のゴム板が設けられているものであり、一対のゴム板の各々を遊間両側の道路橋本体に固定するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記埋設型ジョイントによれば、道路橋継目部で舗装が途切れることなく連続しているから、自動車の走行性がよく、振動・騒音が少なくなるが、弾性コンパウンドeの流動により舗装が波打ち状態になったり、遊間を存して相対する道路橋本体の相対的な上下変位や道路橋本体の伸縮に起因して遊間上の舗装にクラックを生じ易いという問題がある。このクラックは、遊間長手方向(橋軸と交差する方向)に延びたものになるから、自動車の走行性が悪くなる。さらに、舗装が自動車通過時の衝撃でクラック部分から欠けていき、クラック部分が徐々に大きな溝になって走行性が益々悪くなっていくとともに、騒音・振動が大きくなり、走行安全性も損なわれてくる。
【0006】
また、上記弾性コンパウンドeは、ゴム、アスファルト及び砕石の混合物によって形成されているので、道路橋本体の伸縮吸収性や応力分散性が悪い。また、施工に際しては、現場においてまず固形ゴム及びアスファルト(又はシート状のゴム入りアスファルト)の必要量を溶解槽にて加熱溶解し、この溶解物をさらに砕石と共にミキサーに投入して再度加熱混合する必要があり、現場における準備が大掛かりになり且つ面倒であるとともに、手間と時間がかかる。また、上記段部cに打設した後も、弾性コンパウンドeが冷めて固化するまでは防水シートfの施工及び舗装gをすることができない。このため、工事時間が長くなって、1回の夜間工事又は昼間工事のみで施工を完了することができず、早朝又は夕方に工事を中断し、アスファルト合材を舗装厚さ分仮詰めしたり、覆工板を道路橋継目部に被せて仮復旧し(道路交通を可能にし)、改めて次の夜又は昼に続きの工事をしなければならなくなる。従って、工事のために交通規制をする期間が倍加して費用が嵩むとともに、交通の安全に支障を来す。
【0007】
これに対して、特公昭60−39801号公報に記載されているプレハブ舗装部材を用いれば、上記弾性コンパウンドの有する問題は解消されるが、この舗装部材の舗装材層は上記弾性コンパウンドと同様に伸縮性が殆どない。このため、道路橋本体の伸縮によって遊間が拡大・縮小すると、左右の支承板間で舗装材層にクラックを生じ、このクラックが舗装部材の上の舗装に波及してしまうという問題がある。
【0008】
また、特公昭60−9605号公報に記載されている一対のゴム板と鋼板とからなる埋設継手の場合、ゴム板が道路橋本体の伸縮を許容するものの、鋼板によって道路橋本体の伸縮が妨げられ、この鋼板の両側において舗装にクラックを発生するという問題がある。
【0009】
本発明の課題は、このような埋設型ジョイントにおける上記舗装のクラック発生を抑制することにある。
【0010】
また、本発明の課題は、埋設型ジョイントを、今まではその適用が考えられなかった伸縮量の大きな道路橋にも適用できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題に対して、ゴムと鋼板等の剛性プレートとを積層して埋設継手を構成するにあたり、ゴムを橋軸方向に連続させる一方、剛性プレートについては橋軸方向に不連続にすることにより、荷重支持性を損なうことなく、橋軸方向の伸縮性を高めるようにした。
【0012】
すなわち、請求項1に係る発明は、道路橋継目部の遊間両側の道路橋本体に、又は遊間両側の道路橋本体と橋台とに跨るように架設され、且つ舗装下に埋設される道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手であって、
上記遊間両側の道路橋本体に、又は上記遊間両側の道路橋本体と橋台とに跨るように設けられるゴム層と、
上記ゴム層の上面に固着され又は上記ゴム層の中間に埋設され、且つ橋軸方向に間隔をおいて設けられた複数の剛性横プレートとを備えてなることを特徴とする。
【0013】
従って、上記埋設継手はゴムと剛性横プレートとを積層してなるから、耐荷力が高く、且つ塑性流動することがないから、通行車両の輪荷重によって舗装面に凹みを生じたり、轍ぼりを生じたりすることが防がれる。また、道路橋本体の伸縮による遊間の拡大・縮小変形や道路橋本体同士(又は道路橋本体と橋台との間)の相対的な上下変位は、埋設継手の弾性的な変形によって吸収され、道路橋継目部の舗装に大きな応力が作用することが防がれる。
【0014】
そうして、本発明において重要な点は、橋軸方向に間隔をおいて設けられた複数の剛性横プレートとゴムとが積層されてなるから、ゴム層の変形に伴って、橋軸方向に間隔をおいて隣り合う剛性横プレート同士が相対的に変位する点である。
【0015】
すなわち、剛性横プレートが一枚ものであれば、その下に設けられているゴム層はせん断変形のみを生ずることになるが、本発明の場合は、複数の剛性横プレートが橋軸方向に間隔をおいて設けられているから、そのプレート間でゴム層の伸縮変形が許容されることになり、さらに、隣り合う剛性横プレートは上下に相対変位することができる。また、複数の剛性横プレートのプレート間でゴム層の変形が許容されるということは、道路橋本体の伸縮に伴って道路橋継目部に生ずる応力が埋設継手の両側部位だけでなく、プレート間の部位にも分散されるということである。つまり、応力の分散性が高いということになる。
【0016】
このように、本発明の場合、埋設継手の弾性変形の自由度が高くなっているから、道路橋継目部の舗装に対して局部的に大きな応力が作用することが防がれ、従って、舗装にクラックを生ずることを防止する上で有利になる。
【0017】
また、施工にあたって、従来の弾性コンパウンドのような現場における加熱混合の手間は不要であり、また、埋設継手を施工した後は直ちに舗装の施工に取りかかることができるから、工事を短時間に完了することができ、交通事故の防止、工費節減に有利になる。
【0018】
橋軸方向に間隔をおいて設ける剛性横プレートの数は2枚でもよいが、3枚以上を並設することが好ましい。
【0019】
請求項2に係る発明は、道路橋継目部の遊間両側の道路橋本体に、又は遊間両側の道路橋本体と橋台とに跨るように架設され、且つ舗装下に埋設される道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手であって、
上記遊間両側の道路橋本体に、又は上記遊間両側の道路橋本体と橋台とに跨るように設けられるゴム層と、
上記ゴム層の上面に固着され且つ橋軸方向に間隔をおいて設けられた複数の上剛性横プレートと、
上記ゴム層の中間に埋設され且つ橋軸方向に間隔をおいて設けられた複数の中間剛性横プレートとを備え、
上記中間剛性横プレートのプレート間の上に上記上剛性横プレートが配置されていることを特徴とする。
【0020】
従って、本発明によれば、請求項1に係る発明と同様の作用効果が得られるだけでなく、上剛性横プレートと中間剛性横プレートとの組合せにより耐荷力がさらに高まり、通行車両の輪荷重を支持する上で有利になる。しかも、中間剛性横プレートのプレート間と上剛性横プレートのプレート間の各々が応力の分散箇所となり、その分散性が高くなり、舗装にクラックが発生することを防止する上でさらに有利になる。
【0021】
請求項3に係る発明は、道路橋継目部の遊間両側の道路橋本体に、又は遊間両側の道路橋本体と橋台とに道路橋本体の上面よりも低くなった段部が形成され、
上記遊間両側の段部に跨るように請求項1又は請求項2に記載の埋設継手が架設され、
上記埋設継手の上に連続舗装がされていることを特徴とする道路橋の埋設型ジョイントである。
【0022】
従って、本発明によれば、請求項1,2に係る発明の説明で明らかなように、舗装にクラックや凹凸が発生することを防止する上で有利になる。
【0023】
請求項4に係る発明は、道路橋継目部の遊間両側の道路橋本体に、又は遊間両側の道路橋本体と橋台とに道路橋本体の上面よりも低くなった段部が形成され、上記遊間両側の段部に跨るように請求項1又は請求項2に記載の埋設継手が架設され、
上記埋設継手の下に、上記道路橋本体の伸縮を許容し且つ当該埋設継手を上記遊間上で下から支える伸縮継手が設けられ、
上記埋設継手の上に連続舗装がされていることを特徴とする道路橋の埋設型ジョイントである。
【0024】
従って、本発明の場合は、埋設継手が伸縮継手によって遊間上に支持されているから、遊間が広い場合でも埋設継手の遊間への落ち込みが防止され、伸縮量の大きな道路橋に適用する上で有利になる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜3に係る発明によれば、橋軸方向に間隔をおいて設けられた複数の剛性横プレートをゴム層の上面に固着し又は該ゴム層の中間に埋設したから、通行車両の輪荷重が剛性横プレートで支持され、舗装の遊間への陥没や舗装の波打ちが防止されるとともに、道路橋本体の伸縮による遊間の拡大・縮小変形や道路橋本体同士(又は道路橋本体と橋台との間)の相対的な上下変位が埋設継手の変形によって効率良く吸収され、道路橋継目部の舗装にクラックが発生することを防止する上で有利になり、しかも、施工時間を大幅に短縮することができる。
【0026】
特に請求項2に係る発明の場合は、上剛性横プレートと中間剛性横プレートとを組合せたから、耐荷力を高めて通行車両の輪荷重を支持する上でさらに有利になるとともに、道路橋本体の伸縮に伴って道路橋継目部に生ずる応力の分散性が高くなり、舗装にクラックが発生することを防止する上でさらに有利になる。
【0027】
請求項4に係る発明によれば、請求項1〜3に係る発明の効果に加えて、埋設継手を伸縮継手によって遊間で支持するようにしたから、伸縮量の大きな道路橋に適用する上で有利になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
<実施形態1>
本実施形態については図1〜図3に示されている。
【0030】
(埋設継手)
図1及び図2には道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手1が示されている。この埋設継手1において、2はゴム層であり、ゴム層2の上面には3枚の上横プレート3a,3b,3cが橋軸方向に間隙4,4をおいて固着されている。ゴム層2の中間には3枚の中間横プレート5a,5b,5cが橋軸方向に間隙6,6をおいて埋設されている。ゴム層2の下面には該ゴム層2に埋設した適宜数のナット7のねじ孔が開口している。
【0031】
ゴム層2は、例えば硬度40〜50゜程度の軟質ゴムによって形成されている。また、横プレート3a〜3c,5a〜5cは、鋼、プラスチック等の剛性を有する材料によって形成されている。
【0032】
上記横プレート3a〜3c,5a〜5cの各々には図2にも示すように複数の孔8,9が適宜の間隔をおいて形成されている。これらの孔8,9及び上記プレート間隙4,6にはゴムが詰まっている。従って、上横プレート3a〜3cと中間横プレート5a〜5cとの間に設けられている上ゴム層2aと、中間横プレート5a〜5cの下側に設けられている下ゴム層2bとは、中間横プレート5a〜5cの間隙6及び孔8,9を介して繋がっている。また、両側の中間横プレート5a,5cの両外側でも上ゴム層2aと下ゴム層2bとは繋がっている。また、上ゴム層2a及び下ゴム層2bの下面には継目長手方向(後述する遊間の延びる方向)切れ目10が橋軸方向に間隔をおいて形成されている。
【0033】
中央の上横プレート3bは、図2に示すように、継目長手方向(後述する遊間の延びる方向)の中央部が橋軸方向の両側へ山形に突出しており、そのため、上横プレート3a〜3cの間隙4,4は、継目長手方向に略「く」の字に折れ曲がって延びている。一方、中間横プレート5a〜5cの間隙6,6は継目長手方向に直線状に延びている。
【0034】
但し、中間横プレート5a〜5cの間隙6,6は、上横プレート3a〜3cの間隙4,4の両外側に配置されている。すなわち、中間横プレート5a〜5cの間隙6,6の上に両側の上横プレート3a,3cが配置されている。なお、上横プレート3a〜3cの間隙4,4と、中間横プレート5a〜5cの間隙6,6とが平面視で交差する関係になるようにしてもよい。
【0035】
また、上横プレート3a〜3cの各々の継目長手方向両端の下面には縦板状のスペーサ11が固定されている。このスペーサ11は、埋設継手1を製作するときに上横プレート3a〜3cと中間横プレート5a〜5cとの間に上ゴム層2aを設けるためのスペースを形成するものである。
【0036】
すなわち、埋設継手1の製作にあたっては、上横プレート3a〜3cをスペーサ11が上になるように下型にセットし、この上横プレート3a〜3cの上に生ゴムを載せ、その上に中間横プレート5a〜5cを載せ、更にその上に生ゴムを載せて上型を被せ、加熱加圧することによって生ゴムを上横プレート3a〜3c及び中間横プレート5a〜5cに加硫接着させるようにすればよい。これにより、上横プレート3a〜3cと中間横プレート5a〜5cとの間隔が一定になった埋設継手1を得ることができる。
【0037】
スペーサ11は、図1に破線で示すように中央に窓を有する門形に形成されて中間横プレート5a〜5cに対する当たり面が少なくなるようにされている。これは、仮にスペーサ11と中間横プレート5a〜5cとの間に隙間を生じ、埋設継手1の道路橋継目部への設置後に、輪荷重によってスペーサ11が中間横プレート5a〜5cを叩くことがあっても、その叩き音が大きくならないようにするためである。また、上ゴム層2aはスペーサ11の部分で分断されるが、窓を介してスペーサ11の両側のゴムが繋がるため、上ゴム層2aとスペーサ11との結合性が高まる。埋設継手1の厚さは40mm〜150mm、橋軸方向の幅は400mm〜800mmとすることが好ましい。
【0038】
(道路橋の埋設型ジョイント)
図3は上記埋設継手1を用いた埋設型ジョイントを示す。同図において、21は道路橋本体、22は道路橋本体21の伸縮を許容する遊間である。遊間22の両側では道路橋本体21に切欠き部が形成され、この切欠き部に超速硬セメント、樹脂コンクリート等の不陸調整材24が塗布されて、道路橋本体1の上面よりも低くなった段部25が形成されている。
【0039】
そうして、上記遊間22の両側の段部25,25に跨るように埋設継手1が架設されている。埋設継手1の上面は道路橋本体21の上面に略面一になっている。埋設継手1は、上記ナット7にねじ結合したアンカー32によって道路橋本体21に固定されている。また、埋設継手1と切欠き部の側面との隙間には液状ゴムシール材等の充填材36が充填されている。
【0040】
道路橋本体21の上面及び埋設継手1の上には舗装のクラック防止及び防水を兼ねた第1シート26が設けられ、その上に基層アスファルト舗装27が形成されている。基層アスファルト舗装27の上には舗装のクラック防止及び防水を兼ねた第2シート28が設けられ、その上に表層アスファルト舗装29が設けられている。埋設継手1の下の遊間22には、スポンジ、発泡スチロール等によるバックアップ材30が詰められ、その上にゴムシール材31が設けられている。
【0041】
(埋設型ジョイントの施工方法)
新しい道路橋に上記埋設型ジョイントを施工する場合は、以下の手順で行なうことができる。
A.道路橋本体21,21の端部に箱抜き工法等により形成された切欠き部の底面を平坦にする(荒仕上げ)。
B.遊間22にバックアップ材30を詰め、その上に液状ゴムシール材を流し込んでシール材31を形成する。
C.切欠き部にアンカー32のための孔33を穿つ。
D.アンカー用孔33にアンカー固定材34を充填するとともに、切欠き部の底面に不陸調整材24を塗布することにより、段部25を形成する。アンカー固定材34には不陸調整材24と同じ材料を使用することができる。
E.予め埋設継手1のナット7にアンカー32をねじ結合しておき、このアンカー32をアンカー用孔33のアンカー固定材34に没入させていって埋設継手1を段部25,25に設置する。埋設継手1は必要数を継目長手方向に突き合わせて設置していく。
F.埋設継手1と切欠き部の側面との隙間に充填材36を充填する。
G.次いで、道路橋本体21の上面及び埋設継手1の上に第1シート26を貼り、その上に基層アスファルト舗装27を施し、その上に第2シート28を貼り、その上に表層アスファルト舗装29を施す。
【0042】
既設の道路橋伸縮装置を撤去して本発明の埋設型ジョイントに代える場合(所謂補修の場合)は、コンクリートカッターにより既設伸縮装置に沿ってその両側の路面に切れ目を入れ、この両切れ目の内側のコンクリートを崩して当該伸縮装置を撤去する。そうして、遊間の両側に埋設継手1の厚さに匹敵する深さの段部を形成し、後は新設の場合と同様に上記B〜Gを行なえばよい。
【0043】
(作用効果)
従って、以上のような埋設型ジョイントであれば、埋設継手1がゴム層2a,2bと剛性横プレート3a〜3c,5a〜5cとを積層してなるものであるから、耐荷力が高いものになり、通行車両の輪荷重による舗装27,29の凹みや轍ぼりが防止される。
【0044】
また、道路橋本体21の伸縮による遊間の拡大・縮小変形や道路橋本体21,21同士の相対的な上下変位は、埋設継手1の弾性的な変形によって吸収され、道路橋継目部の舗装27,29に大きな応力が作用することが防がれる。
【0045】
すなわち、道路橋本体1の伸縮に伴う遊間22の拡大・縮小変形は、ゴム層2a,2bの伸縮変形によって吸収される。その際、上横プレート3a〜3c及び中間横プレート5a〜5cの各々のプレート間隙4,6でゴム層2a,2bの伸縮変形が許容されることになる。また、ゴム層2a,2bはその下面の切れ目10によって変形し易くなっている。なお、この変形性を高める手段としては、切れ目10に代えて、上下方向の孔を前後左右に適宜の間隔をおいて多数形成するというものであってもよい。
【0046】
また、プレート間隙4,6でゴム層2a,2bの変形が許容されるということは、道路橋本体21の伸縮に伴って道路橋継目部に生ずる応力が埋設継手1の両側部位(プレートが設けられていないゴムのみの部位、並びに充填材36の部位)だけでなく、プレート間隙4,6の部位にも分散されるということである。そうして、上側のプレート間隙4及び下側のプレート間隙6は、それぞれ橋軸方向に間隔をおいた2箇所に設けられ、且つこの上下のプレート間隙4,6は互いに橋軸方向にずれた位置に形成されているから、結局、上記応力は橋軸方向に間隔をおいた4箇所のプレート間隙部分に分散されることになる。
【0047】
このように、上記埋設継手1は、プレート間隙4,6を設けたことにより、伸縮性が高くなっており、しかも応力の分散性が高くなっているから、道路橋本体1の伸縮を無理なく吸収することができ、舗装27,29にクラックが発生することを防止する上で有利である。
【0048】
また、道路橋本体21,21間での上下の相対変位は、上横プレート3a〜3c及び中間横プレート5a〜5cの各々がゴム層2a,2bの変形に伴って傾斜し或いはプレート間隙4,6の部位で上下に相対変位することによって吸収される。換言すれば、プレート間隙4,6の存在により、横プレート3a〜3c,5a〜5cの各々が傾斜し上下に相対変位をすることができるから、ゴム層2a,2bの変形の自由度が高くなっているものであり、そのためにゴム層2a,2bが道路橋本体21,21の相対的な上下変位を吸収し易くなっている。
【0049】
そうして、道路橋本体21,21の上下変位の影響が舗装27,29に対して最終的に現れるのは、上横プレート3a〜3cの間隙4に対応する部位であるが、この間隙4は橋軸方向に間隔をおいた2箇所に設けられているから、その影響も2箇所に分散され、舗装27,29にはクラックを生じ難い。
【0050】
仮に、上記道路橋本体1の伸縮や上下変位によって、上横プレート3a〜3cの間隙4,4に対応する部位で舗装27,29に微小クラックを生ずることがあっても、そのクラックは当該間隙形状に対応して橋軸に対して斜めに延びたものになるから、自動車のタイヤはクラックを斜めに横切ることになり、良好な走行性確保の面で有利になる。
【0051】
なお、図3に鎖線で示すように、中間横プレート5a〜5cの下面に下ゴム層2bの厚さよりも若干短めの荷重受け材35を突設し、通行車両の輪荷重を中間横プレート5a〜5cから荷重受け材35を介して段部25に伝えるようにしてもよい。
【0052】
<実施形態2>
本実施形態については、図4〜図6に示されており、埋設継手1の下に、道路橋本体1の伸縮を許容し且つ埋設継手1を上記遊間2の上で下から支える伸縮継手41が設けられている点に特徴がある。
【0053】
埋設継手1は、基本的には実施形態1と同じであるが、図5に示すように、上横プレートは符号3a〜3eで示す5枚で構成され、中間横プレートも符号5a〜5eで示す5枚で構成され、各プレート間には間隙4,6が形成されている。
【0054】
伸縮継手41は、継目長手方向に平行に延びる一対の縦板42,42の上に横板43,43が設けられてなるものである。図6に示すように、横板43は、縦板42の両側各々に、橋軸方向に出入りのある凹部と凸部とが継目長手方向において交互に形成された両側歯形板である。両側の横板42,42は、互いの凸部と凹部とが対向し、それによって継目長手方向にジグザグになって延びる波形遊隙44が形成されている。また、縦板42の背面からはアンカー45が突設し、横板43の外側(縦板42の背部の側)の下面にもL字状のアンカー45が設けられている。
【0055】
この伸縮継手41は、図4に示すように、その横板43,43の上面を段部25と面一にして、アンカー45によって道路橋本体21に固定され、横板43,43の内側の凹凸部分が遊間22に突出している。伸縮継手41の両横板43,43の上には薄いステンレス製カバープレート47が被せられている。
【0056】
上記カバープレート47の上に埋設継手1が設置され、実施形態1と同様にアンカー32によって道路橋本体21,21に固定されている。また、埋設継手1と切欠き部の側面との隙間には液状ゴムシール材等の充填材36が充填されている。道路橋本体21の上面及び埋設継手1の上には第1シート26が設けられ、その上に基層アスファルト舗装27が形成され、その上に第2シート28が設けられ、その上に表層アスファルト舗装29が設けられている。
【0057】
埋設継手1の構造は実施形態1と同じであるが、橋軸方向の幅は実施形態1の埋設継手1の1.5〜3倍程度になっている。但し、埋設継手1はその厚さを大きくすると、それだけ伸縮吸収性が高まるので、橋軸方向の幅を狭くすることができる。
【0058】
すなわち、本実施形態2は、伸縮量の大きな道路橋に適用するものであり、そのために、埋設継手1の橋軸方向の幅を大きくしている。また、このような道路橋では遊間22が広いことから、埋設継手1を遊間22に落ち込まないように伸縮継手41を設けて埋設継手1を支持している。
【0059】
<実施形態3>
本実施形態については図7に示されている。すなわち、本実施形態の埋設継手1では、ゴム層2の下部に、継目長手方向に直線状に延び且つ橋軸方向に間隙52をおいて配置された2枚の下横プレート51,51が埋設されており、さらに、この下横プレート51,51の下面にゴムが被っている。また、下横プレート51には前後左右に適宜の間隔をおいてナット孔が形成されていて、このナット孔にナット7が嵌められて下横プレート51に溶接されている。ナット7のねじ孔は当該埋設継手1の下面に開口している。
【0060】
ゴム層2の上面に3枚の上横プレート3a,3b,3cが橋軸方向に間隙4,4をおいて固着されている点、並びにゴム層2の中間には3枚の中間横プレート5a,5b,5cが橋軸方向に間隙6,6をおいて埋設されている点は実施形態1と同じである。
【0061】
本実施形態の場合、実施形態1と同様の作用効果が得られるとともに、上横プレート3a,3b,3c及び中間横プレート5a,5b,5cだけでなく、下横プレート51,51を設けたから、上からの荷重による埋設継手1の圧縮変形が僅かになり、輪荷重による舗装の撓みが少なくなり、該舗装のクラック発生が抑制される。
【0062】
なお、本実施形態では横プレートが上・中間・下の3層になっているが、ゴム層と横プレートとを交互に積層して横プレートが4層以上になるようにしてもよい。
【0063】
また、以上の各実施形態は道路橋本体同士の継目部に本発明を適用したものであるが、本発明が道路橋本体と橋台との継目部にも同様に適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る埋設継手の断面図。
【図2】同埋設継手の平面図。
【図3】同実施形態の埋設型ジョイントを示す一部省略した断面図。
【図4】本発明の実施形態2に係る埋設型ジョイントを示す一部省略した断面図。
【図5】同実施形態に係る埋設継手の平面図。
【図6】同実施形態の伸縮継手及びカバープレートを示す平面図。
【図7】本発明の実施形態3に係る埋設継手の断面図。
【図8】従来の道路橋継目部構造の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 埋設継手
2 ゴム層
2a 上ゴム層
2b 下ゴム層
3a〜3c 上横プレート
4 プレート間隙
5a〜5c 中間横プレート
6 プレート間隙
21 道路橋本体
22 遊間
25 段部
27,29 舗装
51 下横プレート
52 プレート間隙
Claims (4)
- 道路橋継目部の遊間両側の道路橋本体に、又は遊間両側の道路橋本体と橋台とに跨るように架設され、且つ舗装下に埋設される道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手であって、
上記遊間両側の道路橋本体に、又は上記遊間両側の道路橋本体と橋台とに跨るように設けられるゴム層と、
上記ゴム層の上面に固着され又は上記ゴム層の中間に埋設され、且つ橋軸方向に間隔をおいて設けられた複数の剛性横プレートとを備えてなることを特徴とする道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手。 - 道路橋継目部の遊間両側の道路橋本体に、又は遊間両側の道路橋本体と橋台とに跨るように架設され、且つ舗装下に埋設される道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手であって、
上記遊間両側の道路橋本体に、又は上記遊間両側の道路橋本体と橋台とに跨るように設けられるゴム層と、
上記ゴム層の上面に固着され且つ橋軸方向に間隔をおいて設けられた複数の上剛性横プレートと、
上記ゴム層の中間に埋設され且つ橋軸方向に間隔をおいて設けられた複数の中間剛性横プレートとを備え、
上記中間剛性横プレートのプレート間の上に上記上剛性横プレートが配置されていることを特徴とする道路橋の埋設型ジョイント用の埋設継手。 - 道路橋継目部の遊間両側の道路橋本体に、又は遊間両側の道路橋本体と橋台とに道路橋本体の上面よりも低くなった段部が形成され、
上記遊間両側の段部に跨るように請求項1又は請求項2に記載の埋設継手が架設され、
上記埋設継手の上に連続舗装がされていることを特徴とする道路橋の埋設型ジョイント。 - 道路橋継目部の遊間両側の道路橋本体に、又は遊間両側の道路橋本体と橋台とに道路橋本体の上面よりも低くなった段部が形成され、
上記遊間両側の段部に跨るように請求項1又は請求項2に記載の埋設継手が架設され、
上記埋設継手の下に、上記道路橋本体の伸縮を許容し且つ当該埋設継手を上記遊間上で下から支える伸縮継手が設けられ、
上記埋設継手の上に連続舗装がされていることを特徴とする道路橋の埋設型ジョイント。
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