JP2004002021A - シート分配収容装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録シート束の複数箇所にステープリングを施すシート分配収容装置において、記録シート束を収容するビントレイを、ステープリングが終了したものと全く行われていないものとに二分する。
【解決手段】ステープル手段3 のステープル針6 が所定の残数に達したことを検知する針残数検知手段7 、既に行われたステープリング処理数n を記憶する処理数記憶手段8 、並びに検知されたステープル針6 の残数及びその時までのステープリング処理数n とから一ツの記録シート1 に対する全てのステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数N を演算する演算手段9 を設ける。更に処理可能ビントレイ数N と既にステープリング処理をおこなったビントレイ2 の数とを比較し、これに基づいて一連のステープリング処理を行うビントレイの数を制限する制御手段10を備えた構成とする。
【選択図】 図6
【解決手段】ステープル手段3 のステープル針6 が所定の残数に達したことを検知する針残数検知手段7 、既に行われたステープリング処理数n を記憶する処理数記憶手段8 、並びに検知されたステープル針6 の残数及びその時までのステープリング処理数n とから一ツの記録シート1 に対する全てのステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数N を演算する演算手段9 を設ける。更に処理可能ビントレイ数N と既にステープリング処理をおこなったビントレイ2 の数とを比較し、これに基づいて一連のステープリング処理を行うビントレイの数を制限する制御手段10を備えた構成とする。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像記録装置から排出される記録シートを分配して収容するシート分配収容装置に係り、詳細には、ビントレイに収容した記録シート束の複数箇所に対してステープリング処理を施すことが可能なシート分配収容装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビントレイに収容した記録シート束の複数箇所に対してステープリング処理を施すことが可能なシート分配収容装置(以下ソータ)は、例えば、特開平4−69288号公報に開示されている。このソータでは、シート分配ステージでの記録シートの分配タイミングに応じて、複数段積み重ねられたビントレイが順次シート分配ステージに移動し、各ビントレイへ記録シートのソーティング処理が行われる。また、上記シート分配ステージと異なる後処理ステージには複数のステープラが配設されており、ソーティング処理が終了したビントレイを順次後処理ステージに移動させて、各ビントレイに収容された記録シート束に対するステープリング処理が行われる。上記ステープラは、記録シート束のコーナー部にステープル針を打ち込むコーナー用ステープラ及び記録シート束の一側縁部にステープル針を打ち込む2台のデュアル用ステープラの計3台から構成される。そして、デュアルステープリングモードでは上記デュアル用ステープラが記録シート束の2箇所に対して同時にステープリング処理を施す。
【0003】
また、特開平4−82793号公報には、上記コーナー用ステープラ及びデュアル用ステープラを1 台のステープラで兼用したソータが開示されている。このソータにおいては、後処理ステージに位置したビントレイの周囲を巡るようにしてガイドレールが配設されており、ステープラは上記ガイドレールに沿って移動する可動台車に搭載されている。そして、上記ステープラは予め設定されたコーナステープリング位置あるいは2 箇所のデュアルステープリング位置に移動し、且つ、当該位置でステープル針を記録シート束に打ち込むようになっている。従って、このソータにおいても、デュアルステープリングモードでは記録シート束の2 箇所に対してステープリング処理が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように記録シート束の一側縁部の複数箇所に対してステープリング処理を施す場合には、ステープリング処理中にステープル針が空になった際の対応が問題となる。例えば前者(特開平4−69288号公報)のソータにあっては、デュアルステープリング処理の実行中に2台のデュアル用ステープラのうちのいずれか一方のステープル針が空になると、当該ステープラは空打ち状態となるので、デュアルステープリング処理であるにも拘わらず1箇所のみしかステープル止めされていない記録シート束が発生してしまう。また、後者(特開平4−82793号公報)のソータにあっては、1 台のステープラが2箇所のデュアルステープリング位置に順次移動してデュアルステープリング処理がなされるので、当該処理の実行中にステープル針が空になると、やはり1箇所のみしかステープル止めされていない記録シート束が発生してしまう。
【0005】
このようにデュアルステープリング処理が不完全な記録シート束に対しては、当該束をビントレイから取り出した後に手作業で残りのステープリング処理を行わなければならないが、ソータによるステープル針と手作業によるステープル針とが違うものとなったり、ステープル針の打ち込み位置が不揃いになったりといった不都合が発生し、ステープリング処理の品質低下を避けることができなかった。
【0006】
このような問題点に関し、後者のソータでは1台のステープラでデュアルステープリング処理を行っているので、ステープル針が空になった時点でステープリング処理を一旦中止し、ステープル針の補給後に中止位置から再度ステープリング処理を開始することも可能である。しかし、ステープル針を補給するためにはステープラを一旦補給位置に設定し直し、その後に処理中止位置へ復帰させる必要があるので、この方法ではステープラの移動制御が複雑高価なものとなってしまう。
【0007】
ところで、ソータにおけるステープリング処理は必ずしもソーティング処理と一連のものではなく、近年では電動ステープラとしての機能も兼ね備えたソータも提案されている。従って、ステープリング処理が全く行われていない記録シート束については、ステープル針を補給した後に上記電動ステープラ機能を用いて改めてステープリング処理を行うことも可能である。つまり、ステープル針が空になってデュアルステープリング処理が途中終了する場合には、ビントレイに収容されている全ての記録シート束が、デュアルステープリング処理が完全に終了している記録シート束とステープリング処理が全く行われていない記録シート束とに二分されていることが望ましい。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、記録シート束の複数箇所に対してステープリング処理を施すことが可能なシート分配収容装置において、記録シート束を収容する全てのビントレイを、ステープリング処理が完全に終了したビントレイとステープリング処理が全く行われていないビントレイとに二分することが可能なシート分配収容装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは検討を重ねた結果、ステープリング処理の手順等が異なる以下の3つのシート分配収容装置を案出するに至った。先ず、本発明の第1のシート分配収容装置は、図1 に示すように、丁合された記録シート1を収容する複数のビントレイ2,2,…と、各ビントレイ2に分配収容された記録シート1の複数箇所に対してステープリング処理を行う複数のステープル手段3,3,…とを備え、一のビントレイ2に収容された記録シート1に対する全てのステープリング処理が完了した後に、次のビントレイ2に収容された記録シート1のステープリング処理を開始するシート分配収容装置に関するものであり、ステープル針が所定の残数に達したこと又は空になったことを検知する針無し検知手段4を各ステープル手段3に設けると共に、上記針無し検知手段4からの情報に基づき、いずれか一のステープル手段3のステープル針が空になった時点で全てのステープル手段3におけるステープリング処理を終了する制御手段5を設けたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明の第2のシート分配収容装置は、図2に示すように、丁合された記録シート1を収容する複数のビントレイ2,2,…と、上記ビントレイ2の周囲の一部を移動可能に配設され、各ビントレイ2に分配収容された記録シート1の複数箇所に対してステープリング処理を行う一のステープル手段3とを備え、上記ビントレイ2に収容された記録シート1 に対する一連のステープリング処理は、一のステープリング処理位置毎にビントレイ2,2,…の配列方向に沿って行われるシート分配収容装置に関するものであり、上記ステープル手段3のステープル針6が所定の残数に達したことを検知する針残数検知手段7と、既に行われたステープリング処理数nを記憶する処理数記憶手段8と、検知されたステープル針6の残数及びその時までのステープリング処理数nとから一の記録シート1に対する全てのステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数Nを演算する演算手段9と、上記処理可能ビントレイ数Nと既にステープリング処理をおこなったビントレイ2の数とを比較し、この比較結果に基づいて一連のステープリング処理を行うビントレイの数を制限する制御手段10とを備えたことを特徴としている。
【0011】
また更に、本発明の第3のシート分配収容装置は、図3に示すように、丁合された記録シート1 を収容する複数のビントレイ2,2,…と、上記ビントレイ2の周囲の一部を移動可能に配設され、各ビントレイ2に分配収容された記録シート1の複数箇所に対してステープリング処理を行う一のステープル手段3とを備え、一のビントレイ2に収容された記録シート1に対する全てのステープリング処理が完了した後に、次のビントレイ2に収容された記録シート1のステープリング処理を開始するシート分配収容装置を前提とし、更に上記ステープル手段3のステープル針6が所定の残数に達したことを検知する針残数検知手段7と、既に行われたステープリング処理数nを記憶する処理数記憶手段8と、検知されたステープル針6の残数及びその時までのステープリング処理数nとから一の記録シート1に対する全てのステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数Nを演算する演算手段9と、上記処理可能ビントレイ数分のステープリング処理が終了した時点で一連のステープリング処理を終了する制御手段11とを備えたものである。
【0012】
【作用】
上記第1の技術的手段によれば、複数のステープル手段が一のビントレイに収容された記録シートに対して同時にステープリング処理を実行するに当たり、いずれか一のステープル手段のステープル針が空になった時点で全てのステープリング処理が終了するので、ステープリング処理がなされた記録シート束に関しては複数箇所のステープリング処理の全てが完了する。従って、中途半端にステープリング処理のなされたビントレイが発生せず、全てのビントレイをステープリング処理が完全に終了したビントレイとステープリング処理が全く行われていないビントレイとに二分することができる。
【0013】
また、上記第2の技術的手段では、図2に示すように、一のステープル手段がビントレイの配列方向に沿ってステープリング処理をなし、これを複数のステープリング処理位置毎に繰り返して一連のステープリング処理が行われる。このように一のステープル手段を用いて記録シートの複数箇所にステープリング処理を行う場合、ステープリング処理を完全に終了することができるビントレイの数は、ステープリング処理が始まった際のステープル針の数から算出される。従って、この第2の技術的手段では、針残数検知手段で検知されたステープル針の残数と処理数記憶手段によるその時までのステープル処理数との和から、ステープリング処理を完全に終了することができる処理可能ビントレイ数を演算し、処理可能ビントレイ数と既にステープリング処理を行ったビントレイの数との比較からステープリング処理を行うビントレイの数を制限している。すなわち、処理可能ビントレイ数が既処理ビントレイ数よりも小さいのであれば、処理可能ビントレイ数に対応する数のビントレイに対してだけステープリング処理を行う。また、処理可能ビントレイ数が既処理ビントレイ数よりも大きいのであれば、既処理ビントレイに対してだけステープリング処理を行う。これにより中途半端にステープリング処理のなされたビントレイの発生が可及的に防止される。
【0014】
更に、上記第3の技術的手段では、図3に示すように、一のビントレイに対する全てのステープリング処理が完了した後に次のビントレイに対するステープル処理が開始され、これを繰り返すことで一連のステープリング処理が行われる。この技術的手段においても、ステープリング処理を完全に終了することができる処理可能ビントレイ数は、上記第2 の技術的手段と同様にして演算される。従って、この第3の技術的手段では、処理可能ビントレイ数に対応する数のビントレイに対してだけステープリング処理が完了した時点で一連のステープル処理を終了する。これにより中途半端にステープリング処理のなされたビントレイの発生が完全に防止される。
【0015】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて本発明の各技術的手段に対応する3つのシート分配収容装置( 以下、ソータ) を詳細に説明する。
図4は、各技術的手段に共通するソー20の基本構成を示すものであり、同図においてソータ20は図示外のADF付の複写機本体10に付設されている。
【0016】
同図において、符号21はソータ20のハウジングである。ハウジング21複写機本体10と相反する側にはハウジン21の内部に通じる開24が上下方向に沿って形成され、この開口24からは複数段(この実施例では20段)のビントレイ40が上下動可能に突出配置されている。一方、上記ハウジング21の頂部には、ソーティング処理不要時において使用されるノンソート用トレイ25が配置されている。
【0017】
上記複写機本体10のシート排出口11に対応するハウジングプレート21aにはシート導入口26が開設されており、このシート導入口26から導入された記録シー12はシート搬送系30を介して各ビントレイ40若しくはノンソート用トレイ25のいずれかに搬送されるようになっている。上記シート搬送系30は、ビントレイ40へ記録シート12を排出するためのシート分配ステージS1に通じる第一のシート搬送路32と、上記ノンソート用トレイ25に通じる第二のシート搬送路33とから構成され、シート導入口26の近傍に配設された切り換えゲート39によってがいずれか一方のシート搬送路が切り換え選択される。
【0018】
また、上記シート搬送30下方のハウジング21内にはステープラ100が配設されており、このステープラ100に対向する後処理ステージS2において、ビントレイ40に収容された記録シート12に対するステープリング処理が実行される。尚、このソータ20において、後処理ステージS2はシート分配ステージS1の下方に隣接している。
【0019】
一方、上記ビントレイ40は、平板状のトレイベース41の端縁に位置決めフランジ42を備え、ハウジングの開口24側に向かって斜め下方に所定角度で傾斜配置されている。また、上記トレイベース41の縁部の三箇所(コーナ部、中央部を挟んだ二箇所)には、ステープル手段100によるステープリング処理用の切欠部が形成されている。そして、これらビントレイ40は図示外のビントレイ移動系にて順次上下方向へ送られ、最上限位置では最下段のビントレイ40がシート分配ステージS1に設定される一方、最下限位置では最上段のビントレイ40が後処理ステージS2に設定される。
【0020】
また、上記ステープラ100は図示外の進退移動系に搭載されている。そして、ステープル動作時に退避位置からステープリング処理実行位置へ進出して対応するビントレイ40の切欠部内に設定される一方、ステープル動作後はビントレイ40の移動を妨げることがないように再び元の退避位置へ後退する(以下、この一連の動作をステープリング基本動作と記す)。更に、ステープラ100には針残数センサー(図示せず)が取り付けられている。この針残数センサは、ステープル針の残数が所定の本数(この実施例においては10本)以下になった際に、ON信号を出力する。
【0021】
また、図5はこのソータ20においてソーティング処理及びステープリング処理の実行、操作パネル表示部への各種操作メッセージの表示等を司る装置制御系を示している。この装置制御系は、CPU171、ROM172及びRAM173からなるマイクロコンピュータシステムで構成され、各種センサあるいはスイッチからの入力信号に基づき所定の制御信号を作成し、これを各制御機器に対して出力する。ここで上記各種センサあるいはスイッチとは、ビントレイ40が上限位置若しくは下限位置に設定されたことを検出する上限位置センサ65及び下限位置センサ66、ビントレイ40内の記録シート12の有無を検出するシート有無センサ160、ステープル手段100が退避位置あるいは処理実行位置へ設定されたことを検出するステープラ位置センサ121,122、第一のシート搬送路32から記録シート12が排出されたことを検出するシート出口センサ38、ステープリング処理のスタートスイッチ181、ステープリングモードの選択スイッチ182等であり、これらセンサ等からの入力信号が入力インターフェイス回路174を介して上記CPU171に取り込まれる。また、上記各種制御機器とは、シート搬送系30の各ローラを駆動するフィードモータ183、切換ゲート39を駆動するためのソレノイド184、ビントレイ移動系のビン駆動モータ58、ステープル手段100を処理実行位置へ設定するための進退用駆動モータ115等であり、CPU171からの制御信号が出力インターフェイス回路174を介してこれら制御機器へ出力される。
【0022】
尚、このソータ20のビントレイ移動系、ステープラ100の進退移動系、ソーティング処理についての詳細は、本願発明者らが先に出願し既に出願公開された特開平4−69288号公報と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0023】
[第一実施例]
図6は本発明の第一の技術的手段に対応するステープラ100の構成を示している。この実施例においてステープラ100は、記録シート12束の一側縁部に沿った二箇所をステープリングする一対のデュアル用ステープラ100a,100bと、記録シート12束のコーナ部をステープリングするコーナ用ステープラ100cとから構成されている。そして、デュアル用ステープラ100a,100bはビントレイ40の切欠部44,45に対向した箇所に固定的に配設される一方、コーナ用ステープラ100cは切欠部43に対向した箇所に固定的に配設されている。
【0024】
以下、図7に示すフローチャートに基づいて、この実施例におけるステープリング処理の制御手順を説明する。
ソーティング処理が完了し、且つ、CPU171がステープリング処理の実行を要すると判断した場合には、ステープリング処理がスタートする。ステープリング処理のスタートに伴い、CPU171はビントレイ40を1ピッチ分だけ下降移動させ、最上段のビントレイ40若しくはソーティング数に対応した段数目のビントレイ40が後処理ステージS2に位置するように、ビントレイ40をステープリング初期位置に設定する(ステップ(以下ST)1)。ここで選択されたステープリング処理がデュアルモードであれば、一対のデュアル用ステープラ100a,100bがステープリング基本動作を行う一方、コーナモードであれば、コーナ用ステープラ100cがステープリング基本動作を行う(ST2)。この後、CPU171はステープリング対象が最終ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST3)、最終ビントレイ40でなければ針残数センサがONであるか否かをチェックする(ST4)。このチェックの結果、針残数センサがONでなければビントレイ40を1ピッチ分だけ上昇若しくは下降移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットする(ST5)。以後、ステープリング対象が最終ビントレイ40になるまでST2〜ST5 までの処理を繰り返す。例えばステープリング処理がデュアルモードである場合、ST4におけるチェックはデュアル用ステープラ100a,100bの双方ついて行い、双方の針残数センサがONでない場合にのみST5へ移行する。そして、最終ビントレイ40に対するステープリング処理がなされた段階において、ステープリング処理が完了したと判断する(ST6)。
【0025】
一方、ST4において針残数センサがONである場合、CPU171はステープル針が空になった否かをチェックし(ST7)、空でなければ針残数センサがONで無い場合と同様にST5へ進む。このST7において、ステープル針が空か否かのチェックは、針残数センサがONした段階からステープリング基本動作を行ったビントレイ40の段数をRAM173が記憶しておくことでなされる。更に、ST7においてステープル針が空であれば、CPU171はステープリング処理を途中終了し(ST8)、その旨をソータ20の操作パネル表示部あるいは複写機本体10の操作パネル表示部に表示する。
【0026】
従って、例えばステープリング処理が20段のビントレイ40に対するデュアルモードであり、5段目のビントレイ40にステープリング処理を行った時点でデュアル用ステープラ100aの針残数検知センサがONになったとする。この場合のステープリング処理は、譬えもう一方のデュアル用ステープラ100bが15本以上のステープル針を残している時であっても、デュアル用ステープラ100aが残りのステープル針10本を打ち尽くした時点で終了する。
【0027】
つまり、この第一実施例によれば、デュアルモードにおいてステープラ100a,100bのいずれか一方のステープル針がステープリング処理の実行中に空になる場合であっても、ステープリング処理がなされたビントレイについては記録シートの一側縁部の二箇所に対するステープル針の打ち込みが完了しており、一箇所にのみステープル針の打ちこまれた記録シート束が発生しない。
【0028】
尚、この第一実施例においては、上記針残数センサに代えて、ステープル針が空になったことを検出する針無しセンサを各ステープラ100a、100b、100cに取り付けても良い。この場合において、ステープリング処理の実行中に当該センサの一つがONになると、その時点でステープリング処理が終了する。
【0029】
[第二実施例]
図8は本発明の第二の技術的手段に対応するステープラ100の構成を示している。この実施例においてステープラ100は、後処理ステージS2に対向して配設された一のステープラ100dと、ビントレイ40の切欠部44〜46に対応するデュアルステープル位置P1,P2あるいはコーナステープル位置P0へ上記ステープラ100dを移動させるための処理位置移動系125とから構成されている。
【0030】
この実施例におけるステープリング処理は、上記第一実施例と同様に、コーナモード及びデュアルモードから任意の処理モードを選択することにより実行される。選択されたステープリング処理がコーナモードであれば、ステープラ100dはコーナステープリング位置P0に設定される一方、デュアルモードであれば、ステープラ100dはデュアルステープリング位置P1及びP2に順次設定される。以下にこの第二実施例におけるステープリング処理の制御手順について説明するが、コーナモードに関しては上記第一実施例と何ら違いがないので、ここではデュアルモードについてのみ説明する。
【0031】
図9乃至図12はデュアルモードにおけるステープリング処理の制御手順を示すフローチャートである。先ず、ステープリング処理がスタートすると、CPU171はビントレイ40をステープリング初期位置に設定すると共に、ステープラ100dをデュアルステープリング位置P1に設定し(ST1)、ステープリング基本動作を行う(ST2)。この後、CPU171は針残数センサがONであるか否かをチェツクし(ST3)、ONでなければステープリング対象が最終ビントレイ40であるか否かをチェックする(ST4)。そして、最終ビントレイ40でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ上昇若しくは下降移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットする (ST5)。以後、ステープリング対象が最終ビントレイ40になるまでST2〜ST5までの処理を繰り返す。
【0032】
最終ビントレイ40に対するステープリング処理がなされた段階において、CPU171はステープラ100dをデュアルステープリング位置P2に再設定し(ST6)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST7)。この後に、CPU171はステープリング対象が処理位置P1における処理開始ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST8)、処理開始ビントレイ40でなければ針残数センサがONであるか否かをチェツクする(ST9)。そして、針残数センサがONでなければビントレイ40を1ピッチ分だけ移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットし(ST10)、以後、ステープリング対象が処理開始ビントレイ40になるまでST7〜ST10までの処理を繰り返す。また、CPU171は、ST8においてステープリング対象が処理開始ビントレイ40であると判断すれば、この段階でステープリング処理が完了したと判断する(ST10)。
【0033】
次に、ステープリング処理の最中に針残数センサがONになった場合について説明する。ST3において針残数センサがONになった場合、CPU171はデュアルステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数Nを演算する(ST12)。処理可能ビントレイ数Nは、針残数センサがONする迄に行われたステープリング基本動作の数nと、針残数センサがONした時点におけるステープル針の残数mとから演算される。例えば、5段目のビントレイ40に対してステープリング基本動作を行った後に針残数センサがONしたとすれば、この時点でのステープル針の残数は10本であるから、ステープリング処理に使用されるステープル針の総数は15本であり、デュアルステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数Nは15/2=7.5より、N=7である。演算に必要なステープリング基本動作数nはRAM173によってステープリング処理の開始時からカウントされる一方、演算プログラム及び針残数センサ動作時のステープル針の残数はROM172に予め格納されている。次いで、CPU171はこの処理可能ビントレイ数Nと既にステープリング処理を行った既処理ビントレイ数Tとを比較し(ST13)し、N>Tであるならばビントレイ40を1ピッチ分だけ移動させ(ST14)、新たなビントレイ40に対してデュアルステープリング位置P1でステープリング基本動作を行う(ST15)。この後、CPU171はステープリング対象が処理可能ビントレイ数Nに合致したN番目ビントレイであるか否かをチェックし(ST16)、ステープリング対象がN番目ビントレイ40になるまでST14〜ST16までの処理を繰り返す。
【0034】
ST16においてステープリング対象がN番目ビントレイ40であれば、CPU171はステープラ100dをデュアルステープリング位置P2に再設定し (ST17)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST18)。次いで、CPU171はステープリング対象が処理位置P1における処理開始ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST19)、処理開始ビントレイ40でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットし(ST20)、以後、ステープリング対象が処理開始ビントレイ40になるまでST18〜ST20までの処理を繰り返す。そして、ST19においてステープリング対象が処理開始ビントレイ40であればステープリング処理は終了する。しかし、処理対象である全てのビントレイに対してステープル針を打ち込むことが出来なかったので、実行されたステープリング処理は途中終了したと判断され(ST21)、CPU171はその旨をソータ20の操作パネル表示部あるいは複写機本体10の操作パネル表示部に表示する。
【0035】
一方、ST13においてN>Tでないならば、ステープラ100dは直ちにデュアルステープリング位置P2へ再設定され(ST22)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST23)。例えば、14段目のビントレイ40に対してステープリング基本動作を行った後に針残数センサがONしたと場合(処理可能ビントレイ数N=12)や、9段目のビントレイ40に対してステープリング基本動作を行った後に針残数センサがONしたと場合(処理可能ビントレイ数N=9)がこれに該当する。この後、CPU171はステープリング対象が処理開始ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST24)、処理開始ビントレイ40でなければステープル針が空か否かをチェックする(ST25)。このときステープル針が空でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ移動させ(ST26)、ステープル針が空になるまでST23〜ST26を繰り返す。そして、ST24においてステープル針が空であると判断されると、CPU171はステープリング処理が途中終了したと判断する(ST21)。また、ST24においてステープリング対象が処理開始ビントレイ40であると判断された場合にも、装置制御系はステープリング処理が途中終了したと判断する(ST21)。
【0036】
この制御手順において、ST25からST21を経由してステープリング処理が途中終了する場合は、演算した処理可能ビントレイ数Nが既処理ビントレイ数Tよりも小さい場合(N<T)であり、また、ST24からST21を経由してステープリング処理が途中終了する場合は、演算した処理可能ビントレイ数Nが既処理ビントレイ数Tと等しい場合(N=T)である。また、後者の場合には、ステープル針を1本余らせてステープリング処理が途中終了することもある。
【0037】
また、ステープラ100dがデュアルステープリング位置P2に設定された後に針残数センサがONした場合、すなわちST9において針残数センサがONであると判断された場合、CPU171はステープル針が空であるか否かをチェックし(ST27)、ステープル針が残っているならばビントレイ40を1ピッチ移動させる(ST10)。この後、ST8においてステープリング対象が処理開始ビントレイであると判断され、あるいはST27においてステープル針が空であると判断される迄はST7〜ST9、ST27、ST10を繰り返す。そして、ST8においてステープリング対象が処理開始ビントレイであると判断された場合、CPU171はステープリング処理が完了したと判断する(ST11)。一方、ST27においてステープル針が空であると判断された場合、CPU171はステープリング処理が途中終了したと判断する(ST21)。
【0038】
以上説明した第二実施例のデュアルモードによれば、ステープラ100dがデュアルステープリング位置P1でステープリング処理を実行している最中に針残数センサが作動した場合、演算された処理可能ビントレイ数Nと既処理ビントレイ数との比較に基づき、ステープラ100dがデュアルステープリング位置P2へ移動するビントレイを決定している。従って、針残数センサ作動後のステープリング処理の実行中にステープル針が空になる場合であっても、記録シート12の一側縁部の一箇所にのみステープル針の打ちこまれた記録シート束の発生を可及的に防止することができる。
【0039】
[ 第三実施例]
次に、本発明の第三の技術的手段の具体的実施例について説明する。この実施例におけるステープラ100は、第二実施例と同様、一のステープラ100dと、このステープラ100dを各処理位置P0,P1,P2へ移動させるための処理位置移動系125とから構成されている。
【0040】
この実施例におけるステープリング処理は、上記第二実施例と同様に、ステープラ100dをコーナステープリング位置P0あるいはデュアルステープリング位置P1及びP2に設定して行われる。従って、コーナモードについては第二実施例と全く同じであるが、デュアルモードについてはその制御手順が第二実施例とは異なる。先ず、デュアルモードでのステープリング処理がスタートすると、CPU171はビントレイ40をステープリング初期位置に設定すると共に、ステープラ100dをデュアルステープリング位置P1に設定し(ST1)、ステープリング基本動作を行う(ST2)。次いで、CPU171はステープラ100dをデュアルステープリング位置P2に設定し(ST3)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST4)。この後、CPU171はステープリング対象が最終ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST5)、最終ビントレイ40でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ上昇若しくは下降移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットする(ST6)。そして、今度はそのままのデュアルステープリング位置P2においてステープリング基本動作を行った(ST7)後に、ステープラ100dをデュアルステープリング位置P1に設定し(ST8)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST9)。しかる後、CPU171は再度ステープリング対象が最終ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST10)、最終ビントレイ40でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ上昇若しくは下降移動させる(ST11)。以降は、ST5あるいはST10においてステープリング対象が最終ビントレ40イであると判断される迄、CPU171は上記ST1〜ST11を繰り返す。そして、ST5あるいはST10においてステープリング対象が最終ビントレイ40であると判断されれば、CPU171はステープリング処理が完了したと判断する。
【0041】
また、CPU171は、ステープリンク基本動作が行われる毎に針残数センサがONであるか否かをチェックする。そして、針残数センサがONであると確認された場合には、上記第二実施例と同様にして処理可能ビントレイ数Nを演算する。処理可能ビントレイ数Nが演算された後、CPU171はST5あるいはST10においてステープリング対象がN番目ビントレイ40であるか否かをチェックする。そして、N番目ビントレイ40であると判断された場合には、その時点でステープリング処理を途中終了し、その旨をソータ20の操作パネル表示部あるいは複写機本体10の操作パネル表示部に表示する。
【0042】
例えば、5段目のビントレイ40の処理位置P1に対してステープリング基本動作を行った後に針残数センサがONしたとすれば、それまでのステープリング基本動作数n=9であり、この時点でのステープル針の残数は10本であるから、処理可能ビントレイ数Nは19/2=9.5より、N=9である。従って、ST5においてステープリング対象が9番目ビントレイ40であると判断された時に、ステープル針を1本残してステープリング処理は途中終了する。
【0043】
つまり、この第三実施例のデュアルモードにおいても、ステープリング処理の実行中にステープル針が空になる場合であっても、ステープリング処理がなされたビントレイについては記録シートの一側縁部の二箇所に対するステープル針の打ち込みが完了しており、一箇所にのみステープル針の打ちこまれた記録シート束が発生しない。
【0044】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の第一のシート分配収容装置によれば、複数のステープル手段が一のビントレイに収容された記録シートに対して同時にステープリング処理を実行するに当たり、いずれか一のステープル手段のステープル針が空になった時点で一連のステープリング処理が終了するので、中途半端にステープリング処理のなされたビントレイが発生せず、処理対象のビントレイをステープリング処理が完全に終了したビントレイとステープリング処理が全く行われていないビントレイとに二分することができる。
【0045】
また、本発明の第二のシート分配収容装置によれば、一のステープラをビントレイの配列方向に移動させながら記録シートの複数箇所にステープリング処理実行するに当たり、ステープル針が所定の残数に達した時点でステープリング処理を完全に終了することができる処理可能ビントレイ数を演算し、処理可能ビントレイ数と既にステープリング処理を行ったビントレイの数との比較からステープリング処理を行うビントレイの数を制限しているので、中途半端にステープリング処理のなされるビントレイの発生を可及的に防止することができる。
【0046】
更に、本発明の第三のシート分配収容装置によれば、一のステープラをビントレイの面方向に移動させながら記録シートの複数箇所にステープリング処理実行するに当たり、ステープル針が所定の残数に達した時点でステープリング処理を完全に終了することができる処理可能ビントレイ数を演算し、処理可能ビントレイ数に対応する数のビントレイに対してだけステープリング処理を実行するようにしているので、中途半端にステープリング処理のなされるビントレイの発生を完全に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一のシート分配収容装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第二のシート分配収容装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第三のシート分配収容装置を示す概略構成図である。
【図4】第一実施例〜第三実施例に共通するシート分配収容装置の基本構成を示す断面図である。
【図5】第一実施例〜第三実施例に共通するシート分配収容装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】第一実施例に係るステープラの構成を示す平面図である。
【図7】第一実施例に係るステープリング処理を示すフローチャートである。
【図8】第二実施例及び第三実施例に係るステープラの構成を示す平面図である。
【図9】第二実施例に係るステープリング処理を示すフローチャート1である。
【図10】第二実施例に係るステープリング処理を示すフローチャート2である。
【図11】第二実施例に係るステープリング処理を示すフローチャート3である。
【図12】第二実施例に係るステープリング処理を示すフローチャート4である。
【符号の説明】
1…記録シート、2…ビントレイ、3…ステープル手段、4…針無し検知手段、5,10,11…制御手段、6…ステープル針、7…針残数検知手段、8…処理数記憶手段、9…演算手段
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像記録装置から排出される記録シートを分配して収容するシート分配収容装置に係り、詳細には、ビントレイに収容した記録シート束の複数箇所に対してステープリング処理を施すことが可能なシート分配収容装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビントレイに収容した記録シート束の複数箇所に対してステープリング処理を施すことが可能なシート分配収容装置(以下ソータ)は、例えば、特開平4−69288号公報に開示されている。このソータでは、シート分配ステージでの記録シートの分配タイミングに応じて、複数段積み重ねられたビントレイが順次シート分配ステージに移動し、各ビントレイへ記録シートのソーティング処理が行われる。また、上記シート分配ステージと異なる後処理ステージには複数のステープラが配設されており、ソーティング処理が終了したビントレイを順次後処理ステージに移動させて、各ビントレイに収容された記録シート束に対するステープリング処理が行われる。上記ステープラは、記録シート束のコーナー部にステープル針を打ち込むコーナー用ステープラ及び記録シート束の一側縁部にステープル針を打ち込む2台のデュアル用ステープラの計3台から構成される。そして、デュアルステープリングモードでは上記デュアル用ステープラが記録シート束の2箇所に対して同時にステープリング処理を施す。
【0003】
また、特開平4−82793号公報には、上記コーナー用ステープラ及びデュアル用ステープラを1 台のステープラで兼用したソータが開示されている。このソータにおいては、後処理ステージに位置したビントレイの周囲を巡るようにしてガイドレールが配設されており、ステープラは上記ガイドレールに沿って移動する可動台車に搭載されている。そして、上記ステープラは予め設定されたコーナステープリング位置あるいは2 箇所のデュアルステープリング位置に移動し、且つ、当該位置でステープル針を記録シート束に打ち込むようになっている。従って、このソータにおいても、デュアルステープリングモードでは記録シート束の2 箇所に対してステープリング処理が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように記録シート束の一側縁部の複数箇所に対してステープリング処理を施す場合には、ステープリング処理中にステープル針が空になった際の対応が問題となる。例えば前者(特開平4−69288号公報)のソータにあっては、デュアルステープリング処理の実行中に2台のデュアル用ステープラのうちのいずれか一方のステープル針が空になると、当該ステープラは空打ち状態となるので、デュアルステープリング処理であるにも拘わらず1箇所のみしかステープル止めされていない記録シート束が発生してしまう。また、後者(特開平4−82793号公報)のソータにあっては、1 台のステープラが2箇所のデュアルステープリング位置に順次移動してデュアルステープリング処理がなされるので、当該処理の実行中にステープル針が空になると、やはり1箇所のみしかステープル止めされていない記録シート束が発生してしまう。
【0005】
このようにデュアルステープリング処理が不完全な記録シート束に対しては、当該束をビントレイから取り出した後に手作業で残りのステープリング処理を行わなければならないが、ソータによるステープル針と手作業によるステープル針とが違うものとなったり、ステープル針の打ち込み位置が不揃いになったりといった不都合が発生し、ステープリング処理の品質低下を避けることができなかった。
【0006】
このような問題点に関し、後者のソータでは1台のステープラでデュアルステープリング処理を行っているので、ステープル針が空になった時点でステープリング処理を一旦中止し、ステープル針の補給後に中止位置から再度ステープリング処理を開始することも可能である。しかし、ステープル針を補給するためにはステープラを一旦補給位置に設定し直し、その後に処理中止位置へ復帰させる必要があるので、この方法ではステープラの移動制御が複雑高価なものとなってしまう。
【0007】
ところで、ソータにおけるステープリング処理は必ずしもソーティング処理と一連のものではなく、近年では電動ステープラとしての機能も兼ね備えたソータも提案されている。従って、ステープリング処理が全く行われていない記録シート束については、ステープル針を補給した後に上記電動ステープラ機能を用いて改めてステープリング処理を行うことも可能である。つまり、ステープル針が空になってデュアルステープリング処理が途中終了する場合には、ビントレイに収容されている全ての記録シート束が、デュアルステープリング処理が完全に終了している記録シート束とステープリング処理が全く行われていない記録シート束とに二分されていることが望ましい。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、記録シート束の複数箇所に対してステープリング処理を施すことが可能なシート分配収容装置において、記録シート束を収容する全てのビントレイを、ステープリング処理が完全に終了したビントレイとステープリング処理が全く行われていないビントレイとに二分することが可能なシート分配収容装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは検討を重ねた結果、ステープリング処理の手順等が異なる以下の3つのシート分配収容装置を案出するに至った。先ず、本発明の第1のシート分配収容装置は、図1 に示すように、丁合された記録シート1を収容する複数のビントレイ2,2,…と、各ビントレイ2に分配収容された記録シート1の複数箇所に対してステープリング処理を行う複数のステープル手段3,3,…とを備え、一のビントレイ2に収容された記録シート1に対する全てのステープリング処理が完了した後に、次のビントレイ2に収容された記録シート1のステープリング処理を開始するシート分配収容装置に関するものであり、ステープル針が所定の残数に達したこと又は空になったことを検知する針無し検知手段4を各ステープル手段3に設けると共に、上記針無し検知手段4からの情報に基づき、いずれか一のステープル手段3のステープル針が空になった時点で全てのステープル手段3におけるステープリング処理を終了する制御手段5を設けたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明の第2のシート分配収容装置は、図2に示すように、丁合された記録シート1を収容する複数のビントレイ2,2,…と、上記ビントレイ2の周囲の一部を移動可能に配設され、各ビントレイ2に分配収容された記録シート1の複数箇所に対してステープリング処理を行う一のステープル手段3とを備え、上記ビントレイ2に収容された記録シート1 に対する一連のステープリング処理は、一のステープリング処理位置毎にビントレイ2,2,…の配列方向に沿って行われるシート分配収容装置に関するものであり、上記ステープル手段3のステープル針6が所定の残数に達したことを検知する針残数検知手段7と、既に行われたステープリング処理数nを記憶する処理数記憶手段8と、検知されたステープル針6の残数及びその時までのステープリング処理数nとから一の記録シート1に対する全てのステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数Nを演算する演算手段9と、上記処理可能ビントレイ数Nと既にステープリング処理をおこなったビントレイ2の数とを比較し、この比較結果に基づいて一連のステープリング処理を行うビントレイの数を制限する制御手段10とを備えたことを特徴としている。
【0011】
また更に、本発明の第3のシート分配収容装置は、図3に示すように、丁合された記録シート1 を収容する複数のビントレイ2,2,…と、上記ビントレイ2の周囲の一部を移動可能に配設され、各ビントレイ2に分配収容された記録シート1の複数箇所に対してステープリング処理を行う一のステープル手段3とを備え、一のビントレイ2に収容された記録シート1に対する全てのステープリング処理が完了した後に、次のビントレイ2に収容された記録シート1のステープリング処理を開始するシート分配収容装置を前提とし、更に上記ステープル手段3のステープル針6が所定の残数に達したことを検知する針残数検知手段7と、既に行われたステープリング処理数nを記憶する処理数記憶手段8と、検知されたステープル針6の残数及びその時までのステープリング処理数nとから一の記録シート1に対する全てのステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数Nを演算する演算手段9と、上記処理可能ビントレイ数分のステープリング処理が終了した時点で一連のステープリング処理を終了する制御手段11とを備えたものである。
【0012】
【作用】
上記第1の技術的手段によれば、複数のステープル手段が一のビントレイに収容された記録シートに対して同時にステープリング処理を実行するに当たり、いずれか一のステープル手段のステープル針が空になった時点で全てのステープリング処理が終了するので、ステープリング処理がなされた記録シート束に関しては複数箇所のステープリング処理の全てが完了する。従って、中途半端にステープリング処理のなされたビントレイが発生せず、全てのビントレイをステープリング処理が完全に終了したビントレイとステープリング処理が全く行われていないビントレイとに二分することができる。
【0013】
また、上記第2の技術的手段では、図2に示すように、一のステープル手段がビントレイの配列方向に沿ってステープリング処理をなし、これを複数のステープリング処理位置毎に繰り返して一連のステープリング処理が行われる。このように一のステープル手段を用いて記録シートの複数箇所にステープリング処理を行う場合、ステープリング処理を完全に終了することができるビントレイの数は、ステープリング処理が始まった際のステープル針の数から算出される。従って、この第2の技術的手段では、針残数検知手段で検知されたステープル針の残数と処理数記憶手段によるその時までのステープル処理数との和から、ステープリング処理を完全に終了することができる処理可能ビントレイ数を演算し、処理可能ビントレイ数と既にステープリング処理を行ったビントレイの数との比較からステープリング処理を行うビントレイの数を制限している。すなわち、処理可能ビントレイ数が既処理ビントレイ数よりも小さいのであれば、処理可能ビントレイ数に対応する数のビントレイに対してだけステープリング処理を行う。また、処理可能ビントレイ数が既処理ビントレイ数よりも大きいのであれば、既処理ビントレイに対してだけステープリング処理を行う。これにより中途半端にステープリング処理のなされたビントレイの発生が可及的に防止される。
【0014】
更に、上記第3の技術的手段では、図3に示すように、一のビントレイに対する全てのステープリング処理が完了した後に次のビントレイに対するステープル処理が開始され、これを繰り返すことで一連のステープリング処理が行われる。この技術的手段においても、ステープリング処理を完全に終了することができる処理可能ビントレイ数は、上記第2 の技術的手段と同様にして演算される。従って、この第3の技術的手段では、処理可能ビントレイ数に対応する数のビントレイに対してだけステープリング処理が完了した時点で一連のステープル処理を終了する。これにより中途半端にステープリング処理のなされたビントレイの発生が完全に防止される。
【0015】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて本発明の各技術的手段に対応する3つのシート分配収容装置( 以下、ソータ) を詳細に説明する。
図4は、各技術的手段に共通するソー20の基本構成を示すものであり、同図においてソータ20は図示外のADF付の複写機本体10に付設されている。
【0016】
同図において、符号21はソータ20のハウジングである。ハウジング21複写機本体10と相反する側にはハウジン21の内部に通じる開24が上下方向に沿って形成され、この開口24からは複数段(この実施例では20段)のビントレイ40が上下動可能に突出配置されている。一方、上記ハウジング21の頂部には、ソーティング処理不要時において使用されるノンソート用トレイ25が配置されている。
【0017】
上記複写機本体10のシート排出口11に対応するハウジングプレート21aにはシート導入口26が開設されており、このシート導入口26から導入された記録シー12はシート搬送系30を介して各ビントレイ40若しくはノンソート用トレイ25のいずれかに搬送されるようになっている。上記シート搬送系30は、ビントレイ40へ記録シート12を排出するためのシート分配ステージS1に通じる第一のシート搬送路32と、上記ノンソート用トレイ25に通じる第二のシート搬送路33とから構成され、シート導入口26の近傍に配設された切り換えゲート39によってがいずれか一方のシート搬送路が切り換え選択される。
【0018】
また、上記シート搬送30下方のハウジング21内にはステープラ100が配設されており、このステープラ100に対向する後処理ステージS2において、ビントレイ40に収容された記録シート12に対するステープリング処理が実行される。尚、このソータ20において、後処理ステージS2はシート分配ステージS1の下方に隣接している。
【0019】
一方、上記ビントレイ40は、平板状のトレイベース41の端縁に位置決めフランジ42を備え、ハウジングの開口24側に向かって斜め下方に所定角度で傾斜配置されている。また、上記トレイベース41の縁部の三箇所(コーナ部、中央部を挟んだ二箇所)には、ステープル手段100によるステープリング処理用の切欠部が形成されている。そして、これらビントレイ40は図示外のビントレイ移動系にて順次上下方向へ送られ、最上限位置では最下段のビントレイ40がシート分配ステージS1に設定される一方、最下限位置では最上段のビントレイ40が後処理ステージS2に設定される。
【0020】
また、上記ステープラ100は図示外の進退移動系に搭載されている。そして、ステープル動作時に退避位置からステープリング処理実行位置へ進出して対応するビントレイ40の切欠部内に設定される一方、ステープル動作後はビントレイ40の移動を妨げることがないように再び元の退避位置へ後退する(以下、この一連の動作をステープリング基本動作と記す)。更に、ステープラ100には針残数センサー(図示せず)が取り付けられている。この針残数センサは、ステープル針の残数が所定の本数(この実施例においては10本)以下になった際に、ON信号を出力する。
【0021】
また、図5はこのソータ20においてソーティング処理及びステープリング処理の実行、操作パネル表示部への各種操作メッセージの表示等を司る装置制御系を示している。この装置制御系は、CPU171、ROM172及びRAM173からなるマイクロコンピュータシステムで構成され、各種センサあるいはスイッチからの入力信号に基づき所定の制御信号を作成し、これを各制御機器に対して出力する。ここで上記各種センサあるいはスイッチとは、ビントレイ40が上限位置若しくは下限位置に設定されたことを検出する上限位置センサ65及び下限位置センサ66、ビントレイ40内の記録シート12の有無を検出するシート有無センサ160、ステープル手段100が退避位置あるいは処理実行位置へ設定されたことを検出するステープラ位置センサ121,122、第一のシート搬送路32から記録シート12が排出されたことを検出するシート出口センサ38、ステープリング処理のスタートスイッチ181、ステープリングモードの選択スイッチ182等であり、これらセンサ等からの入力信号が入力インターフェイス回路174を介して上記CPU171に取り込まれる。また、上記各種制御機器とは、シート搬送系30の各ローラを駆動するフィードモータ183、切換ゲート39を駆動するためのソレノイド184、ビントレイ移動系のビン駆動モータ58、ステープル手段100を処理実行位置へ設定するための進退用駆動モータ115等であり、CPU171からの制御信号が出力インターフェイス回路174を介してこれら制御機器へ出力される。
【0022】
尚、このソータ20のビントレイ移動系、ステープラ100の進退移動系、ソーティング処理についての詳細は、本願発明者らが先に出願し既に出願公開された特開平4−69288号公報と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0023】
[第一実施例]
図6は本発明の第一の技術的手段に対応するステープラ100の構成を示している。この実施例においてステープラ100は、記録シート12束の一側縁部に沿った二箇所をステープリングする一対のデュアル用ステープラ100a,100bと、記録シート12束のコーナ部をステープリングするコーナ用ステープラ100cとから構成されている。そして、デュアル用ステープラ100a,100bはビントレイ40の切欠部44,45に対向した箇所に固定的に配設される一方、コーナ用ステープラ100cは切欠部43に対向した箇所に固定的に配設されている。
【0024】
以下、図7に示すフローチャートに基づいて、この実施例におけるステープリング処理の制御手順を説明する。
ソーティング処理が完了し、且つ、CPU171がステープリング処理の実行を要すると判断した場合には、ステープリング処理がスタートする。ステープリング処理のスタートに伴い、CPU171はビントレイ40を1ピッチ分だけ下降移動させ、最上段のビントレイ40若しくはソーティング数に対応した段数目のビントレイ40が後処理ステージS2に位置するように、ビントレイ40をステープリング初期位置に設定する(ステップ(以下ST)1)。ここで選択されたステープリング処理がデュアルモードであれば、一対のデュアル用ステープラ100a,100bがステープリング基本動作を行う一方、コーナモードであれば、コーナ用ステープラ100cがステープリング基本動作を行う(ST2)。この後、CPU171はステープリング対象が最終ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST3)、最終ビントレイ40でなければ針残数センサがONであるか否かをチェックする(ST4)。このチェックの結果、針残数センサがONでなければビントレイ40を1ピッチ分だけ上昇若しくは下降移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットする(ST5)。以後、ステープリング対象が最終ビントレイ40になるまでST2〜ST5 までの処理を繰り返す。例えばステープリング処理がデュアルモードである場合、ST4におけるチェックはデュアル用ステープラ100a,100bの双方ついて行い、双方の針残数センサがONでない場合にのみST5へ移行する。そして、最終ビントレイ40に対するステープリング処理がなされた段階において、ステープリング処理が完了したと判断する(ST6)。
【0025】
一方、ST4において針残数センサがONである場合、CPU171はステープル針が空になった否かをチェックし(ST7)、空でなければ針残数センサがONで無い場合と同様にST5へ進む。このST7において、ステープル針が空か否かのチェックは、針残数センサがONした段階からステープリング基本動作を行ったビントレイ40の段数をRAM173が記憶しておくことでなされる。更に、ST7においてステープル針が空であれば、CPU171はステープリング処理を途中終了し(ST8)、その旨をソータ20の操作パネル表示部あるいは複写機本体10の操作パネル表示部に表示する。
【0026】
従って、例えばステープリング処理が20段のビントレイ40に対するデュアルモードであり、5段目のビントレイ40にステープリング処理を行った時点でデュアル用ステープラ100aの針残数検知センサがONになったとする。この場合のステープリング処理は、譬えもう一方のデュアル用ステープラ100bが15本以上のステープル針を残している時であっても、デュアル用ステープラ100aが残りのステープル針10本を打ち尽くした時点で終了する。
【0027】
つまり、この第一実施例によれば、デュアルモードにおいてステープラ100a,100bのいずれか一方のステープル針がステープリング処理の実行中に空になる場合であっても、ステープリング処理がなされたビントレイについては記録シートの一側縁部の二箇所に対するステープル針の打ち込みが完了しており、一箇所にのみステープル針の打ちこまれた記録シート束が発生しない。
【0028】
尚、この第一実施例においては、上記針残数センサに代えて、ステープル針が空になったことを検出する針無しセンサを各ステープラ100a、100b、100cに取り付けても良い。この場合において、ステープリング処理の実行中に当該センサの一つがONになると、その時点でステープリング処理が終了する。
【0029】
[第二実施例]
図8は本発明の第二の技術的手段に対応するステープラ100の構成を示している。この実施例においてステープラ100は、後処理ステージS2に対向して配設された一のステープラ100dと、ビントレイ40の切欠部44〜46に対応するデュアルステープル位置P1,P2あるいはコーナステープル位置P0へ上記ステープラ100dを移動させるための処理位置移動系125とから構成されている。
【0030】
この実施例におけるステープリング処理は、上記第一実施例と同様に、コーナモード及びデュアルモードから任意の処理モードを選択することにより実行される。選択されたステープリング処理がコーナモードであれば、ステープラ100dはコーナステープリング位置P0に設定される一方、デュアルモードであれば、ステープラ100dはデュアルステープリング位置P1及びP2に順次設定される。以下にこの第二実施例におけるステープリング処理の制御手順について説明するが、コーナモードに関しては上記第一実施例と何ら違いがないので、ここではデュアルモードについてのみ説明する。
【0031】
図9乃至図12はデュアルモードにおけるステープリング処理の制御手順を示すフローチャートである。先ず、ステープリング処理がスタートすると、CPU171はビントレイ40をステープリング初期位置に設定すると共に、ステープラ100dをデュアルステープリング位置P1に設定し(ST1)、ステープリング基本動作を行う(ST2)。この後、CPU171は針残数センサがONであるか否かをチェツクし(ST3)、ONでなければステープリング対象が最終ビントレイ40であるか否かをチェックする(ST4)。そして、最終ビントレイ40でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ上昇若しくは下降移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットする (ST5)。以後、ステープリング対象が最終ビントレイ40になるまでST2〜ST5までの処理を繰り返す。
【0032】
最終ビントレイ40に対するステープリング処理がなされた段階において、CPU171はステープラ100dをデュアルステープリング位置P2に再設定し(ST6)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST7)。この後に、CPU171はステープリング対象が処理位置P1における処理開始ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST8)、処理開始ビントレイ40でなければ針残数センサがONであるか否かをチェツクする(ST9)。そして、針残数センサがONでなければビントレイ40を1ピッチ分だけ移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットし(ST10)、以後、ステープリング対象が処理開始ビントレイ40になるまでST7〜ST10までの処理を繰り返す。また、CPU171は、ST8においてステープリング対象が処理開始ビントレイ40であると判断すれば、この段階でステープリング処理が完了したと判断する(ST10)。
【0033】
次に、ステープリング処理の最中に針残数センサがONになった場合について説明する。ST3において針残数センサがONになった場合、CPU171はデュアルステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数Nを演算する(ST12)。処理可能ビントレイ数Nは、針残数センサがONする迄に行われたステープリング基本動作の数nと、針残数センサがONした時点におけるステープル針の残数mとから演算される。例えば、5段目のビントレイ40に対してステープリング基本動作を行った後に針残数センサがONしたとすれば、この時点でのステープル針の残数は10本であるから、ステープリング処理に使用されるステープル針の総数は15本であり、デュアルステープリング処理を完了することが可能な処理可能ビントレイ数Nは15/2=7.5より、N=7である。演算に必要なステープリング基本動作数nはRAM173によってステープリング処理の開始時からカウントされる一方、演算プログラム及び針残数センサ動作時のステープル針の残数はROM172に予め格納されている。次いで、CPU171はこの処理可能ビントレイ数Nと既にステープリング処理を行った既処理ビントレイ数Tとを比較し(ST13)し、N>Tであるならばビントレイ40を1ピッチ分だけ移動させ(ST14)、新たなビントレイ40に対してデュアルステープリング位置P1でステープリング基本動作を行う(ST15)。この後、CPU171はステープリング対象が処理可能ビントレイ数Nに合致したN番目ビントレイであるか否かをチェックし(ST16)、ステープリング対象がN番目ビントレイ40になるまでST14〜ST16までの処理を繰り返す。
【0034】
ST16においてステープリング対象がN番目ビントレイ40であれば、CPU171はステープラ100dをデュアルステープリング位置P2に再設定し (ST17)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST18)。次いで、CPU171はステープリング対象が処理位置P1における処理開始ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST19)、処理開始ビントレイ40でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットし(ST20)、以後、ステープリング対象が処理開始ビントレイ40になるまでST18〜ST20までの処理を繰り返す。そして、ST19においてステープリング対象が処理開始ビントレイ40であればステープリング処理は終了する。しかし、処理対象である全てのビントレイに対してステープル針を打ち込むことが出来なかったので、実行されたステープリング処理は途中終了したと判断され(ST21)、CPU171はその旨をソータ20の操作パネル表示部あるいは複写機本体10の操作パネル表示部に表示する。
【0035】
一方、ST13においてN>Tでないならば、ステープラ100dは直ちにデュアルステープリング位置P2へ再設定され(ST22)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST23)。例えば、14段目のビントレイ40に対してステープリング基本動作を行った後に針残数センサがONしたと場合(処理可能ビントレイ数N=12)や、9段目のビントレイ40に対してステープリング基本動作を行った後に針残数センサがONしたと場合(処理可能ビントレイ数N=9)がこれに該当する。この後、CPU171はステープリング対象が処理開始ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST24)、処理開始ビントレイ40でなければステープル針が空か否かをチェックする(ST25)。このときステープル針が空でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ移動させ(ST26)、ステープル針が空になるまでST23〜ST26を繰り返す。そして、ST24においてステープル針が空であると判断されると、CPU171はステープリング処理が途中終了したと判断する(ST21)。また、ST24においてステープリング対象が処理開始ビントレイ40であると判断された場合にも、装置制御系はステープリング処理が途中終了したと判断する(ST21)。
【0036】
この制御手順において、ST25からST21を経由してステープリング処理が途中終了する場合は、演算した処理可能ビントレイ数Nが既処理ビントレイ数Tよりも小さい場合(N<T)であり、また、ST24からST21を経由してステープリング処理が途中終了する場合は、演算した処理可能ビントレイ数Nが既処理ビントレイ数Tと等しい場合(N=T)である。また、後者の場合には、ステープル針を1本余らせてステープリング処理が途中終了することもある。
【0037】
また、ステープラ100dがデュアルステープリング位置P2に設定された後に針残数センサがONした場合、すなわちST9において針残数センサがONであると判断された場合、CPU171はステープル針が空であるか否かをチェックし(ST27)、ステープル針が残っているならばビントレイ40を1ピッチ移動させる(ST10)。この後、ST8においてステープリング対象が処理開始ビントレイであると判断され、あるいはST27においてステープル針が空であると判断される迄はST7〜ST9、ST27、ST10を繰り返す。そして、ST8においてステープリング対象が処理開始ビントレイであると判断された場合、CPU171はステープリング処理が完了したと判断する(ST11)。一方、ST27においてステープル針が空であると判断された場合、CPU171はステープリング処理が途中終了したと判断する(ST21)。
【0038】
以上説明した第二実施例のデュアルモードによれば、ステープラ100dがデュアルステープリング位置P1でステープリング処理を実行している最中に針残数センサが作動した場合、演算された処理可能ビントレイ数Nと既処理ビントレイ数との比較に基づき、ステープラ100dがデュアルステープリング位置P2へ移動するビントレイを決定している。従って、針残数センサ作動後のステープリング処理の実行中にステープル針が空になる場合であっても、記録シート12の一側縁部の一箇所にのみステープル針の打ちこまれた記録シート束の発生を可及的に防止することができる。
【0039】
[ 第三実施例]
次に、本発明の第三の技術的手段の具体的実施例について説明する。この実施例におけるステープラ100は、第二実施例と同様、一のステープラ100dと、このステープラ100dを各処理位置P0,P1,P2へ移動させるための処理位置移動系125とから構成されている。
【0040】
この実施例におけるステープリング処理は、上記第二実施例と同様に、ステープラ100dをコーナステープリング位置P0あるいはデュアルステープリング位置P1及びP2に設定して行われる。従って、コーナモードについては第二実施例と全く同じであるが、デュアルモードについてはその制御手順が第二実施例とは異なる。先ず、デュアルモードでのステープリング処理がスタートすると、CPU171はビントレイ40をステープリング初期位置に設定すると共に、ステープラ100dをデュアルステープリング位置P1に設定し(ST1)、ステープリング基本動作を行う(ST2)。次いで、CPU171はステープラ100dをデュアルステープリング位置P2に設定し(ST3)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST4)。この後、CPU171はステープリング対象が最終ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST5)、最終ビントレイ40でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ上昇若しくは下降移動させ、次のステープリング対象のビントレイ40を後処理ステージS2へセットする(ST6)。そして、今度はそのままのデュアルステープリング位置P2においてステープリング基本動作を行った(ST7)後に、ステープラ100dをデュアルステープリング位置P1に設定し(ST8)、当該位置でステープリング基本動作を行う(ST9)。しかる後、CPU171は再度ステープリング対象が最終ビントレイ40であるか否かをチェックし(ST10)、最終ビントレイ40でなければビントレイ40を1ピッチ分だけ上昇若しくは下降移動させる(ST11)。以降は、ST5あるいはST10においてステープリング対象が最終ビントレ40イであると判断される迄、CPU171は上記ST1〜ST11を繰り返す。そして、ST5あるいはST10においてステープリング対象が最終ビントレイ40であると判断されれば、CPU171はステープリング処理が完了したと判断する。
【0041】
また、CPU171は、ステープリンク基本動作が行われる毎に針残数センサがONであるか否かをチェックする。そして、針残数センサがONであると確認された場合には、上記第二実施例と同様にして処理可能ビントレイ数Nを演算する。処理可能ビントレイ数Nが演算された後、CPU171はST5あるいはST10においてステープリング対象がN番目ビントレイ40であるか否かをチェックする。そして、N番目ビントレイ40であると判断された場合には、その時点でステープリング処理を途中終了し、その旨をソータ20の操作パネル表示部あるいは複写機本体10の操作パネル表示部に表示する。
【0042】
例えば、5段目のビントレイ40の処理位置P1に対してステープリング基本動作を行った後に針残数センサがONしたとすれば、それまでのステープリング基本動作数n=9であり、この時点でのステープル針の残数は10本であるから、処理可能ビントレイ数Nは19/2=9.5より、N=9である。従って、ST5においてステープリング対象が9番目ビントレイ40であると判断された時に、ステープル針を1本残してステープリング処理は途中終了する。
【0043】
つまり、この第三実施例のデュアルモードにおいても、ステープリング処理の実行中にステープル針が空になる場合であっても、ステープリング処理がなされたビントレイについては記録シートの一側縁部の二箇所に対するステープル針の打ち込みが完了しており、一箇所にのみステープル針の打ちこまれた記録シート束が発生しない。
【0044】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の第一のシート分配収容装置によれば、複数のステープル手段が一のビントレイに収容された記録シートに対して同時にステープリング処理を実行するに当たり、いずれか一のステープル手段のステープル針が空になった時点で一連のステープリング処理が終了するので、中途半端にステープリング処理のなされたビントレイが発生せず、処理対象のビントレイをステープリング処理が完全に終了したビントレイとステープリング処理が全く行われていないビントレイとに二分することができる。
【0045】
また、本発明の第二のシート分配収容装置によれば、一のステープラをビントレイの配列方向に移動させながら記録シートの複数箇所にステープリング処理実行するに当たり、ステープル針が所定の残数に達した時点でステープリング処理を完全に終了することができる処理可能ビントレイ数を演算し、処理可能ビントレイ数と既にステープリング処理を行ったビントレイの数との比較からステープリング処理を行うビントレイの数を制限しているので、中途半端にステープリング処理のなされるビントレイの発生を可及的に防止することができる。
【0046】
更に、本発明の第三のシート分配収容装置によれば、一のステープラをビントレイの面方向に移動させながら記録シートの複数箇所にステープリング処理実行するに当たり、ステープル針が所定の残数に達した時点でステープリング処理を完全に終了することができる処理可能ビントレイ数を演算し、処理可能ビントレイ数に対応する数のビントレイに対してだけステープリング処理を実行するようにしているので、中途半端にステープリング処理のなされるビントレイの発生を完全に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一のシート分配収容装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第二のシート分配収容装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第三のシート分配収容装置を示す概略構成図である。
【図4】第一実施例〜第三実施例に共通するシート分配収容装置の基本構成を示す断面図である。
【図5】第一実施例〜第三実施例に共通するシート分配収容装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】第一実施例に係るステープラの構成を示す平面図である。
【図7】第一実施例に係るステープリング処理を示すフローチャートである。
【図8】第二実施例及び第三実施例に係るステープラの構成を示す平面図である。
【図9】第二実施例に係るステープリング処理を示すフローチャート1である。
【図10】第二実施例に係るステープリング処理を示すフローチャート2である。
【図11】第二実施例に係るステープリング処理を示すフローチャート3である。
【図12】第二実施例に係るステープリング処理を示すフローチャート4である。
【符号の説明】
1…記録シート、2…ビントレイ、3…ステープル手段、4…針無し検知手段、5,10,11…制御手段、6…ステープル針、7…針残数検知手段、8…処理数記憶手段、9…演算手段
Claims (2)
- 丁合された記録シートを収容する複数のビントレイと、各ビントレイに分配収容された記録シートの一側縁部の2カ所に対して同時にステープリング処理を行う一対のデュアル用ステープラとを備えたシート分配収容装置において、
ステープル針が所定の残数に達したこと又は空になったことを検知する針無し検知手段を一対のデュアル用ステープラの夫々に対して設けると共に、これら針無し検知手段からの情報に基づき、いずれか一方のデュアル用ステープラのステープル針が空になったと判断された場合に、全てのステープラにおけるステープリング処理を終了する制御手段を設けたことを特徴とするシート分配収容装置。 - 丁合された記録シートを収容する複数のビントレイと、各ビントレイに分配収容された記録シートの一側縁部の二カ所に対してステープリング処理を行うデュアル用ステープラと、各ビントレイに分配収容された記録シートのコーナ部に対してステープリング処理を行うコーナ用ステープラとを備えたシート分配収容装置において、
ステープル針が所定の残数に達したこと又は空になったことを検知する針無し検知手段を前記デュアル用ステープラ及びコーナ用ステープラの双方に設けると共に、これら針無し検知手段からの情報に基づき、デュアル用ステープラ又はコーナ用ステープラのいずれか一方のステープル針が空になったと判断された場合に、全てのステープラにおけるステープリング処理を終了する制御手段を設けたことを特徴とするシート分配収容装置。
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2003
- 2003-05-12 JP JP2003132562A patent/JP2004002021A/ja active Pending
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JP2012025499A (ja) * | 2010-07-20 | 2012-02-09 | Fuji Xerox Co Ltd | 用紙処理装置および画像形成装置 |
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