JP2004001913A - エレベータの昇降用ロープ - Google Patents
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Abstract
【課題】昇降路の大型化を招いたり、複雑な昇降路設計を強いられることなく、通信ケーブルや給電ケーブルが他部材と干渉する問題を解決する。
【解決手段】一端が昇降路の内壁側に固定され、他端がエレベータのかご若しくはカウンターウエイトに連結される昇降用ロープ1のロープ本体9内に、通信ケーブル10や給電ケーブル11を配置する。これにより、昇降路内に通信ケーブル10や給電ケーブル11を引き回すための専用のスペースを確保することなく、かごやカウンターウエイトに対する信号通信や電力供給を実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】一端が昇降路の内壁側に固定され、他端がエレベータのかご若しくはカウンターウエイトに連結される昇降用ロープ1のロープ本体9内に、通信ケーブル10や給電ケーブル11を配置する。これにより、昇降路内に通信ケーブル10や給電ケーブル11を引き回すための専用のスペースを確保することなく、かごやカウンターウエイトに対する信号通信や電力供給を実現できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、エレベータに用いられる昇降用ロープに関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータの昇降装置は、多くの場合、昇降ロープが用いられ、昇降ロープの送りを駆動滑車等で操作することにより、かごを昇降作動させるようになっている。この種の昇降装置のロープの掛け渡しには、一端を昇降路の内壁に固定したロープをカウンターウエイトと昇降路上部の各滑車に掛け回して、そのロープの他端をかごに連結したものや、同様に一端を昇降路の内壁に固定したロープをかごと昇降路上部の各滑車に掛け回して、そのロープの他端をカウンターウエイトに連結したもの等の種々のものがある。
【0003】
また、この昇降装置は、上記の昇降ロープとは別に信号や電力をかごやカウンターウエイトに伝達するための伝達ケーブルが別途設けられ、その伝達ケーブルが昇降路の内壁側の配電盤や制御盤からかごやカウンターウエイトに向かって引き出されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような昇降装置においては、上記の伝達ケーブルを周囲の部材と干渉しないように設置スペースを確保しなければないために昇降路の大型化の原因となり易く、また、地震や強い風の吹き込み等によるケーブルの揺れ等にも対処しなければならないことから、昇降路内の設計が難しいという不具合がある。
【0005】
そこでこの出願の発明は、昇降路の大型化を招いたり、複雑な昇降路設計を強いられることなく、伝達ケーブルが他部材と干渉する問題を解決することのできるエレベータの昇降用ロープを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための手段として、この出願の発明は、一端が昇降路の内壁側に固定され、他端がエレベータのかご若しくはカウンターウエイトに連結されるエレベータの昇降用ロープにおいて、ロープ本体内に、通信や給電のための伝達ケーブルを配置するようにした。
【0007】
この発明の場合、充分な強度を持ち昇降路内で常に張りをもった状態で配策される昇降用ロープの内部に伝達ケーブルが配置されるため、昇降路内に伝達ケーブルを引き回すための専用のスペースを確保することなく、昇降路の内壁側とかごやカウンターウエイトとの間の信号通信や電力供給を実現できる。
【0008】
ロープ本体はワイヤー撚り線によって構成し、そのワイヤー撚り線の内側に強度保護材を介して前記伝達ケーブルを配置するようにしても良い。この場合には、滑車その他の機器を一般ロープ用のものをそのまま用いることができるため、昇降装置全体の製造コストの高騰を抑えることができる。さらに、この場合、製造時のロープ本体のワイヤ撚り工程で伝達ケーブルが劣化するのを強度保護材によって防止することができる。
【0009】
また、ロープ本体は、金属または合成繊維から成る芯材が合成樹脂内に埋設されて成る断面偏平状のフラットロープによって構成し、そのロープ本体の合成樹脂内に前記伝達ケーブルを埋設するようにしても良い。この場合、フラットロープの特性上、内部に捩れが生じにくいため、経時使用によっても伝達ケーブルに劣化が生じにくい。また、フラットロープは複数種の伝達ケーブルを幅方向に充分に離間して配置することが可能であるため、伝達ケーブル相互が悪影響を及ぼす不具合を招くことなくより多数のケーブルを埋設することができる。
【0010】
このとき、芯材を埋設する合成樹脂の少なくとも外皮部分を絶縁性を有する材料によって形成するようにすれば、伝達ケーブルに対する外部からのノイズの侵入を確実に防止することができる。
【0011】
さらに、ロープ本体をフラットロープで構成する場合には、ロープ本体の芯材を金属線材によって構成し、その芯材自体を前記伝達ケーブルとして用いても良い。この場合、ロープ本体の芯材と別に専用の伝達ケーブルを埋設する必要がないため、昇降用ロープの構造を簡素化し、断面も小型化することができる。
【0012】
また、このときには芯材の周囲を絶縁材で被覆して前記合成樹脂内に埋設することが好ましい。このようにした場合には、隣接する芯材相互間のノイズの影響を確実に無くすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、この出願の発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
最初に、図1,図2に示す第1の実施形態について説明する。図2は、この出願の発明にかかる昇降用ロープ1を採用したエレベータの昇降装置を示すものであり、同図において、2は、昇降路、3は、この昇降路2内を昇降作動するエレベータのかごである。昇降用ロープ1はその一端が昇降路2の上部壁4に固定されており、その上部壁4から下方に延びたロープ1の第1の折り返し部1Aにカウンターウエイト5が滑車6を介して吊り下げられると共に、さらにその折り返し部1Aから上方に延びたロープ1の第2の折り返し部1Bが昇降路2の上部壁4の案内滑車7と駆動滑車8に掛け回され、その第2の折り返し部1Bに続くロープ1の他端にエレベータのかご3が連結されている。したがって、この昇降装置の場合、昇降路2の内壁とかご3が昇降ロープ1によって連結されると共に、その昇降ロープ1の途中に、カウンターウエイト5がかご3の移動距離の2分の1だけ昇降するように吊り下げられている。
【0015】
昇降用ロープ1は、図1に示すように、複数の金属ワイヤーを丸形断面状に撚ったワイヤー撚り線によってロープ本体9が構成されており、このロープ本体9の内部に伝達ケーブルとしての通信ケーブル10と給電ケーブル11が配置されている。給電ケーブル11は、複数本の通信ケーブル10の束の中心部に同軸に配置され、通信ケーブル10の束の外周側は絶縁材12によって被覆されている。この絶縁材12の外周側には、ロープ本体9の前記金属ワイヤーが周囲を取り囲むように配置されている。
【0016】
通信ケーブル10と給電ケーブル11は、昇降路2の内壁側において図外の制御盤と配電盤に夫々接続され、エレベータのかご3に対して各種の信号通信と電力供給を行うようになっている。
【0017】
昇降用ロープ1は、以上のように荷重伝達を担うロープ本体9の軸心部に通信ケーブル10と給電ケーブル11を配置した構造とされているため、昇降路2内に通信ケーブル10や給電ケーブル11を配策するための専用のスペースを何等確保することなく、かご3に対する各種の信号通信と電力供給を実現することができる。
【0018】
とりわけ、昇降用ロープ1は、ロープ本体9自体が充分な強度を持ち、常時一定以上の張りをもった状態で昇降路2の内壁側とかご3の間に配策されているため、かご3の昇降時にロープ1と周囲の部材が干渉する心配がなく、しかも、地震や強い風の吹き込み等によってロープ1が他の部材に干渉する心配もない。したがって、昇降路2の大型化を招いたり、昇降路2内の複雑な設計を強いられることなく、通信ケーブル10や給電ケーブル11が周囲の部材と干渉する問題を完全に解決することができる。
【0019】
また、この実施形態の昇降用ロープ1は、ロープ本体9と通信ケーブル10の間に絶縁材12を配置したため、通信ケーブル10に対する外部からのノイズの侵入を確実に防止することができる。
【0020】
図3は、上記の昇降用ロープ1をさらに改良した第2の実施形態を示すものであり、この実施形態の昇降用ロープ21は基本構成は第1の実施形態とほぼ同様であるが、給電ケーブル11の周囲を絶縁材15で被覆した点と、通信ケーブル11の外周の絶縁材12とロープ本体9の間に強度保護材16を介装した点で第1の実施形態のものと異なっている。
【0021】
この昇降用ロープ21の場合、絶縁材15によって給電ケーブル11から通信ケーブル10へのノイズの侵入を確実に防止することができると共に、ロープ本体9の製造時における通信ケーブル10や給電ケーブル11の劣化を強度保護材16によって防止することができる。即ち、この昇降用ロープ21の場合、ロープ本体9のワイヤー撚り線の撚り作業によってロープ本体9の内部に大きな負荷が作用するが、その負荷によってロープ本体9内のケーブル10,11が潰されたり、捩られるのを強度保護材16によって確実に阻止することができる。
【0022】
また、通信ケーブル10や給電ケーブル11の構造は種々のものが採用可能であるが、例えば、通信ケーブル10を複数の金属素線を束ねた構造とする場合には、図4に示す第3の実施形態の昇降用ロープ31のように複数の金属素線10aの中心部に補強線17を入れるようにしても良い。
【0023】
図5は、ロープ本体40の構造の異なる第4の実施形態の昇降用ロープ41を示すものである。
【0024】
この昇降用ロープ41のロープ本体40は、金属やアラミド繊維等の合成繊維から成る芯材42が合成樹脂43内に埋設されて成る断面偏平状のフラットロープによって構成されている。このロープ本体40の隣接する芯材42,42間には、通信ケーブル10と給電ケーブル11が適宜配置され、それらのケーブル10,11が芯材42と共に合成樹脂43内に埋設されている。この合成樹脂43は絶縁性を有するものが用いられている。
【0025】
この昇降用ロープ41の場合も、上記の実施形態のものと同様に通信ケーブル10と給電ケーブル11がロープ本体40内に配置された構造であるため、昇降路内にケーブル10,11を配策するための専用のスペースを確保しなくて良い等の同様の利点を有する。ただし、フラットロープの特性上、ロープ本体40の内部に捩れが生じにくいため、捩れによるケーブル10,11の劣化を防止できる、というさらなる利点がある。また、フラットロープの場合、一方向に充分な幅があり、複数種のケーブル10,11を互いに悪影響が及ばないように充分に離間して配置することができるため、ロープ本体40内に配置するケーブル10,11の種類や数を増加するうえでより有利となる。
【0026】
図5に示す実施形態の場合、各ケーブル10,11は複数の金属素線を単純に束ねたものであるが、図6に示す第5の実施形態のように複数の金属素線10aの中心部に補強線17を配置するようにしても良い。
【0027】
図7は、第6の実施形態を示すものであり、この実施形態の昇降用ロープ61は、ロープ本体60の芯材62に鋼等の金属線を用い、その芯材62自体を通信ケーブルや給電ケーブルとして用いるようにしたものである。また、芯材62を埋設する合成樹脂63は、少なくとも表皮部分が絶縁性を有する材料によって形成され、外部から芯材62(通信ケーブル)へのノイズの侵入を防止するようになっている。
【0028】
この昇降用ロープ61の場合、芯材62と別に通信ケーブルや給電ケーブルを埋設しないため、ロープ構造を簡素化して製造コストの低減を図ることができると共に、ロープ断面を小型化して昇降装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0029】
また、図8はこの昇降用ロープをさらに改良した第7の実施形態を示すものであり、この実施形態の昇降用ロープ71は通信ケーブルや給電ケーブルとして利用する芯材62の周囲をアルミ等の絶縁材74によって被覆して合成樹脂63の内部に埋設するようにしたものである。この昇降用ロープ71の場合、ロープ本体60内の近接する芯材62,62相互のノイズの影響を無くすことができる。
【0030】
尚、この出願の発明の実施形態は以上で説明したものに限るものではなく、例えば、以上では一端を昇降路側に固定したロープの他端をかごに連結するタイプの昇降装置にこの出願の発明にかかる昇降用ロープを適用したが、ロープの他端をカウンターウエイトに連結する昇降装置に同様に適用することも可能である。また、ロープ本体の内部に配置する伝達ケーブルは、通信ケーブルと給電ケーブルを必ずしもセットにして用いる必要はなく、いずれか一方のみを配置するようにしても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上のようにこの出願の発明は、昇降用ロープのロープ本体の内部に伝達ケーブルを配置することで、昇降路内に伝達ケーブルを引き回すための専用のスペースを確保する必要がなくなるため、昇降路の大型化を招いたり、複雑な昇降路設計を強いられる問題を解決することができると共に、製造コストの削減と設置作業の容易化をも併せて図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の第1の実施形態を示す斜視図。
【図2】同実施形態を示す昇降装置全体の模式的な側面図。
【図3】この出願の発明の第2の実施形態を示す断面図。
【図4】この出願の発明の第3の実施形態を示す断面図。
【図5】この出願の発明の第4の実施形態を示す斜視図。
【図6】この出願の発明の第5の実施形態を示す斜視図。
【図7】この出願の発明の第6の実施形態を示す斜視図。
【図8】この出願の発明の第7の実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1,21,31,41,61,71…昇降用ロープ
9,40,60…ロープ本体
10…通信ケーブル(伝達ケーブル)
11…給電ケーブル(伝達ケーブル)
16…強度保護材
42,62…芯材
43,63…合成樹脂
74…絶縁材
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、エレベータに用いられる昇降用ロープに関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータの昇降装置は、多くの場合、昇降ロープが用いられ、昇降ロープの送りを駆動滑車等で操作することにより、かごを昇降作動させるようになっている。この種の昇降装置のロープの掛け渡しには、一端を昇降路の内壁に固定したロープをカウンターウエイトと昇降路上部の各滑車に掛け回して、そのロープの他端をかごに連結したものや、同様に一端を昇降路の内壁に固定したロープをかごと昇降路上部の各滑車に掛け回して、そのロープの他端をカウンターウエイトに連結したもの等の種々のものがある。
【0003】
また、この昇降装置は、上記の昇降ロープとは別に信号や電力をかごやカウンターウエイトに伝達するための伝達ケーブルが別途設けられ、その伝達ケーブルが昇降路の内壁側の配電盤や制御盤からかごやカウンターウエイトに向かって引き出されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような昇降装置においては、上記の伝達ケーブルを周囲の部材と干渉しないように設置スペースを確保しなければないために昇降路の大型化の原因となり易く、また、地震や強い風の吹き込み等によるケーブルの揺れ等にも対処しなければならないことから、昇降路内の設計が難しいという不具合がある。
【0005】
そこでこの出願の発明は、昇降路の大型化を招いたり、複雑な昇降路設計を強いられることなく、伝達ケーブルが他部材と干渉する問題を解決することのできるエレベータの昇降用ロープを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための手段として、この出願の発明は、一端が昇降路の内壁側に固定され、他端がエレベータのかご若しくはカウンターウエイトに連結されるエレベータの昇降用ロープにおいて、ロープ本体内に、通信や給電のための伝達ケーブルを配置するようにした。
【0007】
この発明の場合、充分な強度を持ち昇降路内で常に張りをもった状態で配策される昇降用ロープの内部に伝達ケーブルが配置されるため、昇降路内に伝達ケーブルを引き回すための専用のスペースを確保することなく、昇降路の内壁側とかごやカウンターウエイトとの間の信号通信や電力供給を実現できる。
【0008】
ロープ本体はワイヤー撚り線によって構成し、そのワイヤー撚り線の内側に強度保護材を介して前記伝達ケーブルを配置するようにしても良い。この場合には、滑車その他の機器を一般ロープ用のものをそのまま用いることができるため、昇降装置全体の製造コストの高騰を抑えることができる。さらに、この場合、製造時のロープ本体のワイヤ撚り工程で伝達ケーブルが劣化するのを強度保護材によって防止することができる。
【0009】
また、ロープ本体は、金属または合成繊維から成る芯材が合成樹脂内に埋設されて成る断面偏平状のフラットロープによって構成し、そのロープ本体の合成樹脂内に前記伝達ケーブルを埋設するようにしても良い。この場合、フラットロープの特性上、内部に捩れが生じにくいため、経時使用によっても伝達ケーブルに劣化が生じにくい。また、フラットロープは複数種の伝達ケーブルを幅方向に充分に離間して配置することが可能であるため、伝達ケーブル相互が悪影響を及ぼす不具合を招くことなくより多数のケーブルを埋設することができる。
【0010】
このとき、芯材を埋設する合成樹脂の少なくとも外皮部分を絶縁性を有する材料によって形成するようにすれば、伝達ケーブルに対する外部からのノイズの侵入を確実に防止することができる。
【0011】
さらに、ロープ本体をフラットロープで構成する場合には、ロープ本体の芯材を金属線材によって構成し、その芯材自体を前記伝達ケーブルとして用いても良い。この場合、ロープ本体の芯材と別に専用の伝達ケーブルを埋設する必要がないため、昇降用ロープの構造を簡素化し、断面も小型化することができる。
【0012】
また、このときには芯材の周囲を絶縁材で被覆して前記合成樹脂内に埋設することが好ましい。このようにした場合には、隣接する芯材相互間のノイズの影響を確実に無くすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、この出願の発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
最初に、図1,図2に示す第1の実施形態について説明する。図2は、この出願の発明にかかる昇降用ロープ1を採用したエレベータの昇降装置を示すものであり、同図において、2は、昇降路、3は、この昇降路2内を昇降作動するエレベータのかごである。昇降用ロープ1はその一端が昇降路2の上部壁4に固定されており、その上部壁4から下方に延びたロープ1の第1の折り返し部1Aにカウンターウエイト5が滑車6を介して吊り下げられると共に、さらにその折り返し部1Aから上方に延びたロープ1の第2の折り返し部1Bが昇降路2の上部壁4の案内滑車7と駆動滑車8に掛け回され、その第2の折り返し部1Bに続くロープ1の他端にエレベータのかご3が連結されている。したがって、この昇降装置の場合、昇降路2の内壁とかご3が昇降ロープ1によって連結されると共に、その昇降ロープ1の途中に、カウンターウエイト5がかご3の移動距離の2分の1だけ昇降するように吊り下げられている。
【0015】
昇降用ロープ1は、図1に示すように、複数の金属ワイヤーを丸形断面状に撚ったワイヤー撚り線によってロープ本体9が構成されており、このロープ本体9の内部に伝達ケーブルとしての通信ケーブル10と給電ケーブル11が配置されている。給電ケーブル11は、複数本の通信ケーブル10の束の中心部に同軸に配置され、通信ケーブル10の束の外周側は絶縁材12によって被覆されている。この絶縁材12の外周側には、ロープ本体9の前記金属ワイヤーが周囲を取り囲むように配置されている。
【0016】
通信ケーブル10と給電ケーブル11は、昇降路2の内壁側において図外の制御盤と配電盤に夫々接続され、エレベータのかご3に対して各種の信号通信と電力供給を行うようになっている。
【0017】
昇降用ロープ1は、以上のように荷重伝達を担うロープ本体9の軸心部に通信ケーブル10と給電ケーブル11を配置した構造とされているため、昇降路2内に通信ケーブル10や給電ケーブル11を配策するための専用のスペースを何等確保することなく、かご3に対する各種の信号通信と電力供給を実現することができる。
【0018】
とりわけ、昇降用ロープ1は、ロープ本体9自体が充分な強度を持ち、常時一定以上の張りをもった状態で昇降路2の内壁側とかご3の間に配策されているため、かご3の昇降時にロープ1と周囲の部材が干渉する心配がなく、しかも、地震や強い風の吹き込み等によってロープ1が他の部材に干渉する心配もない。したがって、昇降路2の大型化を招いたり、昇降路2内の複雑な設計を強いられることなく、通信ケーブル10や給電ケーブル11が周囲の部材と干渉する問題を完全に解決することができる。
【0019】
また、この実施形態の昇降用ロープ1は、ロープ本体9と通信ケーブル10の間に絶縁材12を配置したため、通信ケーブル10に対する外部からのノイズの侵入を確実に防止することができる。
【0020】
図3は、上記の昇降用ロープ1をさらに改良した第2の実施形態を示すものであり、この実施形態の昇降用ロープ21は基本構成は第1の実施形態とほぼ同様であるが、給電ケーブル11の周囲を絶縁材15で被覆した点と、通信ケーブル11の外周の絶縁材12とロープ本体9の間に強度保護材16を介装した点で第1の実施形態のものと異なっている。
【0021】
この昇降用ロープ21の場合、絶縁材15によって給電ケーブル11から通信ケーブル10へのノイズの侵入を確実に防止することができると共に、ロープ本体9の製造時における通信ケーブル10や給電ケーブル11の劣化を強度保護材16によって防止することができる。即ち、この昇降用ロープ21の場合、ロープ本体9のワイヤー撚り線の撚り作業によってロープ本体9の内部に大きな負荷が作用するが、その負荷によってロープ本体9内のケーブル10,11が潰されたり、捩られるのを強度保護材16によって確実に阻止することができる。
【0022】
また、通信ケーブル10や給電ケーブル11の構造は種々のものが採用可能であるが、例えば、通信ケーブル10を複数の金属素線を束ねた構造とする場合には、図4に示す第3の実施形態の昇降用ロープ31のように複数の金属素線10aの中心部に補強線17を入れるようにしても良い。
【0023】
図5は、ロープ本体40の構造の異なる第4の実施形態の昇降用ロープ41を示すものである。
【0024】
この昇降用ロープ41のロープ本体40は、金属やアラミド繊維等の合成繊維から成る芯材42が合成樹脂43内に埋設されて成る断面偏平状のフラットロープによって構成されている。このロープ本体40の隣接する芯材42,42間には、通信ケーブル10と給電ケーブル11が適宜配置され、それらのケーブル10,11が芯材42と共に合成樹脂43内に埋設されている。この合成樹脂43は絶縁性を有するものが用いられている。
【0025】
この昇降用ロープ41の場合も、上記の実施形態のものと同様に通信ケーブル10と給電ケーブル11がロープ本体40内に配置された構造であるため、昇降路内にケーブル10,11を配策するための専用のスペースを確保しなくて良い等の同様の利点を有する。ただし、フラットロープの特性上、ロープ本体40の内部に捩れが生じにくいため、捩れによるケーブル10,11の劣化を防止できる、というさらなる利点がある。また、フラットロープの場合、一方向に充分な幅があり、複数種のケーブル10,11を互いに悪影響が及ばないように充分に離間して配置することができるため、ロープ本体40内に配置するケーブル10,11の種類や数を増加するうえでより有利となる。
【0026】
図5に示す実施形態の場合、各ケーブル10,11は複数の金属素線を単純に束ねたものであるが、図6に示す第5の実施形態のように複数の金属素線10aの中心部に補強線17を配置するようにしても良い。
【0027】
図7は、第6の実施形態を示すものであり、この実施形態の昇降用ロープ61は、ロープ本体60の芯材62に鋼等の金属線を用い、その芯材62自体を通信ケーブルや給電ケーブルとして用いるようにしたものである。また、芯材62を埋設する合成樹脂63は、少なくとも表皮部分が絶縁性を有する材料によって形成され、外部から芯材62(通信ケーブル)へのノイズの侵入を防止するようになっている。
【0028】
この昇降用ロープ61の場合、芯材62と別に通信ケーブルや給電ケーブルを埋設しないため、ロープ構造を簡素化して製造コストの低減を図ることができると共に、ロープ断面を小型化して昇降装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0029】
また、図8はこの昇降用ロープをさらに改良した第7の実施形態を示すものであり、この実施形態の昇降用ロープ71は通信ケーブルや給電ケーブルとして利用する芯材62の周囲をアルミ等の絶縁材74によって被覆して合成樹脂63の内部に埋設するようにしたものである。この昇降用ロープ71の場合、ロープ本体60内の近接する芯材62,62相互のノイズの影響を無くすことができる。
【0030】
尚、この出願の発明の実施形態は以上で説明したものに限るものではなく、例えば、以上では一端を昇降路側に固定したロープの他端をかごに連結するタイプの昇降装置にこの出願の発明にかかる昇降用ロープを適用したが、ロープの他端をカウンターウエイトに連結する昇降装置に同様に適用することも可能である。また、ロープ本体の内部に配置する伝達ケーブルは、通信ケーブルと給電ケーブルを必ずしもセットにして用いる必要はなく、いずれか一方のみを配置するようにしても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上のようにこの出願の発明は、昇降用ロープのロープ本体の内部に伝達ケーブルを配置することで、昇降路内に伝達ケーブルを引き回すための専用のスペースを確保する必要がなくなるため、昇降路の大型化を招いたり、複雑な昇降路設計を強いられる問題を解決することができると共に、製造コストの削減と設置作業の容易化をも併せて図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の第1の実施形態を示す斜視図。
【図2】同実施形態を示す昇降装置全体の模式的な側面図。
【図3】この出願の発明の第2の実施形態を示す断面図。
【図4】この出願の発明の第3の実施形態を示す断面図。
【図5】この出願の発明の第4の実施形態を示す斜視図。
【図6】この出願の発明の第5の実施形態を示す斜視図。
【図7】この出願の発明の第6の実施形態を示す斜視図。
【図8】この出願の発明の第7の実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1,21,31,41,61,71…昇降用ロープ
9,40,60…ロープ本体
10…通信ケーブル(伝達ケーブル)
11…給電ケーブル(伝達ケーブル)
16…強度保護材
42,62…芯材
43,63…合成樹脂
74…絶縁材
Claims (6)
- 一端が昇降路の内壁側に固定され、他端がエレベータのかご若しくはカウンターウエイトに連結されるエレベータの昇降用ロープにおいて、
ロープ本体内に、通信や給電のための伝達ケーブルを配置したことを特徴とするエレベータの昇降用ロープ。 - ロープ本体をワイヤー撚り線によって構成し、そのワイヤー撚り線の内側に強度保護材を介して前記伝達ケーブルを配置したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの昇降用ロープ。
- ロープ本体を、金属または合成繊維から成る芯材が合成樹脂内に埋設されて成る断面偏平状のフラットロープによって構成し、そのロープ本体の合成樹脂内に前記伝達ケーブルを埋設したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの昇降用ロープ。
- 芯材を埋設する合成樹脂の少なくとも外皮部分を絶縁性を有する材料によって形成したことを特徴とする請求項3に記載のエレベータの昇降用ロープ。
- ロープ本体の芯材を金属線材によって構成し、その芯材自体を前記伝達ケーブルとしたことを特徴とする請求項3または4に記載のエレベータの昇降用ロープ。
- 芯材の周囲を絶縁材で被覆して前記合成樹脂内に埋設したことを特徴とする請求項5に記載のエレベータの昇降用ロープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002157246A JP2004001913A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | エレベータの昇降用ロープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002157246A JP2004001913A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | エレベータの昇降用ロープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004001913A true JP2004001913A (ja) | 2004-01-08 |
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ID=30428390
Family Applications (1)
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JP2002157246A Withdrawn JP2004001913A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | エレベータの昇降用ロープ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004001913A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012012172A (ja) * | 2010-07-01 | 2012-01-19 | Nippon Otis Elevator Co | エレベータ用フラットロープ |
-
2002
- 2002-05-30 JP JP2002157246A patent/JP2004001913A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012012172A (ja) * | 2010-07-01 | 2012-01-19 | Nippon Otis Elevator Co | エレベータ用フラットロープ |
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