JP2004001867A - 詰め替え用パウチ - Google Patents

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Abstract

【課題】詰め替え用パウチ等に好適に使用できるパウチであって、狭い幅の注出口部を備え、しかも注出口部の開口性と保形性がよく、口径の小さなボトルに対しても内容物を安全且つ容易に移し替えることのできる詰め替え用パウチを提供する。
【解決手段】詰め替え用パウチを、例えば自立袋形式で形成し、上部のコーナー部に、外縁部が注出口部シール部7で封止され、両側の切り欠き部8a,8b により斜め上方に突出する注出口部10を設けると共に、該注出口部10の両側のヒートシール部の内側ラインが、先端側から基部にかけて平行または先細り角度が10°以下の傾斜をもつように形成し、更に注出口部の基部で外側に折り返され一方はパウチの上端に、もう一方はパウチの側端に向けて、いずれも折り返し角度βが45〜65°の鋭角をなす形状に形成し、更に少なくとも注出口部の通液路を含む領域の積層フィルム1,1 ′に外側に膨らむ膨らみ部Sを設けて構成する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体など流動性を有する内容物を密封包装し、使用時に内容物を他の容器に移し替えて使用する詰め替え用パウチに関し、更に詳しくは、内容物をボトルなど口径の小さな容器にも安全且つ容易に移し替えられるよう、パウチ上部のコーナー部に幅が狭く且つ開口性のよい注出口部を設けると共に、移し替えの開始時に内容物が飛び出すこともなく、また、注出の途中で注出口部が閉塞することもないという使用適性に優れた詰め替え用パウチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液状などの流動性を有する内容物を密封包装する詰め替え用パウチとしては、自立性があり立体容器としての特徴も一部備えているスタンディングパウチが主に採用され、且つ、開封時に内容物を外にこぼすことなく他の容器に安全に移し替えられるよう、開口部をパウチ上部全体ではなく、コーナー部など一部分を切り取って形成するとか、或いは、パウチ上部の一部に幅を狭くした注出口部を設ける方法、更には、プラスチック成形物などによる別体の注出口をパウチ上部の一部に熱接着して取り付ける方法などが採られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パウチの開口部をパウチ上部の全体ではなく、コーナー部など一部分を切り取って形成する方法は、簡便ではあるが、内容物の注出方向が安定しにくく、特に、移し替える容器がボトルなど口径の小さな容器の場合は、注出の途中でパウチの開口部が容器の口部からずれ易く、内容物を外にこぼすことがあり、移し替えの容易性、安全性の点で問題があった。
【0004】
また、プラスチック成形物による別体の注出口をパウチ上部の一部に取り付ける方法は、移し替えの安全性、容易性には優れているが、製造工程が増え、注出口自体にも費用がかかり、また、注出口を取り付けた空パウチは、厚さが増すため、保管や運搬の費用も割高となり、更に、内容物の充填の際にも、例えば充填機のフィーダー部への空パウチの積み込み数が大幅に減少するため、オペレーターが頻繁に空パウチの供給を行う必要を生じるなど、全体としてコストアップと工程及び作業の煩雑さが増す問題があった。
【0005】
そして、パウチ上部の一部に幅を狭くした注出口部を設ける方法でも、内容物を他の容器に移し替える際の操作性、安全性は、ある程度は改善できるが、内容物の注出に際して、注出口部の口が開きにくく、また、注出中に流れが安定せず、特に残量が少なくなった場合、パウチの注出口部が閉じ易く、パウチを圧迫して押し出すと、内容物が勢いよく飛び出して外にこぼすことがあり、移し替えの容易性、安全性の点ではなお問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、成形物などによる別体の注出口を必要とせず、通常のパウチと同様な工程で生産性よく製造でき、内容物の充填も容易で、しかも使用時には、パウチ上部のコーナー部に設けられた狭い幅の注出口部の先端部を切り取ることにより、自然に注出口部を開口させることができ、その保形性もよく、注出の途中で注出口部が閉塞するようなこともなく、また、口部の内径が20mm程度の口径の小さなボトルなどに対しても、内容物を外にこぼすことなく安全且つ容易に最後まで移し替えることができるという、安価で使用適性に優れた詰め替え用パウチを生産性よく提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、積層フィルムを袋状にヒートシールして形成され、上部のコーナー部に、外縁部がヒートシールされ両側に切り欠き部が設けられ斜め外側上方に向く狭い巾の注出口部が設けられたパウチにおいて、該注出口部の両側のヒートシール部の内側ラインが、注出口部の先端側から基部にかけて通液路の両側で平行または先細り角度(α)が10°以下の傾斜をもつように形成され、更に、注出口部の基部で外側に折り返され一方はパウチの上端に向けて、もう一方はパウチの側端に向けて、いずれも折り返し角度(β)が45°〜65°の鋭角をなす形状に形成され、また、両側の積層フィルムの少なくとも注出口部の通液路を含む領域に外側に凸状となる膨らみ部が設けられていることを特徴とする詰め替え用パウチからなる。
【0008】
上記先細り角度(α)は、注出口部の両側のヒートシール部の内側ラインを注出口部の先端方向に延長して両者を交差させた際の両者のなす角度を意味するものである。
この先細り角度(α)が10°を超える場合は、内容物を注出する際、開口した注出口部の先端部が閉じやすくなり、また、口径の小さな容器の口部に注出口部を深く差し込むことが難しくなるため好ましくない。
また、注出口部の両側のヒートシール部の内側ラインが注出口部の基部で外側にV字状に折り返される折り返し角度(β)は、開口させた注出口部の保形性をよくする点で、45°〜65°が好ましく、55°が更に好ましい。
この折り返し角度(β)が45°未満の場合、または65°を超える場合は、いずれも、内容物を注出する際、注出口部とその両側、即ち、注出口部とパウチ側辺の間、および注出口部とパウチ上辺の間の3個所でパウチが前後に膨らみ、各膨らみの間には注出口部の基部からパウチの中心部方向に向かって谷部が形成されるが、この谷部同士が接近する結果、注出口部の両側のヒートシール部が接近して注出口部に閉塞する傾向が生じるため好ましくない。特に折り返し角度(β)が65°を超える場合は、注出口部上側のヒートシール部の折り返しラインが長くなり、パウチ上部の内容物の充填口のスペースが狭くなる点でも好ましくない。
【0009】
このような構成を採ることにより、パウチ上部のコーナー部には、斜め外側上方に向く狭い幅の注出口部が、その先端側から基部にかけて、通液路の両側が平行または先細り角度(α)が10°以下の平行に近い形状に設けられ、また、注出口部の両側には切り欠き部が設けられているので、注出口部の外形も平行または先細り角度(α)が10°以下の平行に近い形状で狭い幅にすることができる。従って、パウチに充填された内容物を他の容器に移し替える際、容器が口径の小さなボトルの場合でも、注出口部全体の幅を調節することにより、ボトルの口部に十分な深さで差し込むことができる。
【0010】
そして、両側の積層フィルムの少なくとも注出口部の通液路を含む領域に外側に凸状となる膨らみ部が設けられ、また、注出口部の両側のヒートシール部の内側ラインが、注出口部の基部で外側に折り返され、一方がパウチの上端に向けて、もう一方がパウチの側端に向けて、いずれも折り返し角度(β)が45°〜65°の鋭角をなす形状に形成され、その外側に必要なシール幅を残して同様な形状の切り欠き部が設けられているので、内容物を注出する際、注出口部の先端部を切り取ることにより、注出口部が膨らみ部により容易に開口し、注出口部を容器の口部に差し込んでパウチを傾けることにより内容物がパウチ上部に流動し、その内圧で注出口部を含むパウチ上部が前後に広げられ、前記折り返し角度(β)が45°〜65°のヒートシール部により、注出口部とその両側の3個所でパウチが前後に膨らみ、各膨らみの間に注出口部の基部からパウチの中心部方向に向かって形成された谷部により、注出口部の開口が保形性よく保たれる。従って、注出の途中で注出口部が閉塞することがなく、内容物を最後まで安全且つ容易に移し替えることができる。
【0011】
請求項2に記載した発明は、前記注出口部が、該注出口部の中心線(C)とパウチの底辺とのなす角度(γ)が32°〜60°の範囲で斜め外側上方に向くように設けられていることを特徴とする請求項1記載の詰め替え用パウチからなる。
【0012】
パウチに充填された内容物を他の容器に移し替える際、特に内容物の粘度が低い場合には、移し替えの最初の段階で内容物が飛び出しやすく、容器の外にこぼす問題があり、これを防ぐためには前記注出口部の中心線とパウチの底辺とのなす角度を小さくすることが好ましく、また、内容物の粘度が高い場合には、注出口部の中心線とパウチの底辺とのなす角度を小さくすると、注出速度が低下し、移し替えに時間がかかりすぎるため、むしろ前記角度を大きくすることが好ましい。
従って、内容物の粘度に関係なく、移し替えの最初の段階での内容物の飛び出しを防止でき、且つ、内容物の移し替えに時間がかかりすぎることもなく適度の注出速度で内容物を移し替えるためには、上記注出口部の中心線(C)とパウチの底辺とのなす角度(γ)を32°〜60°の範囲として、斜め外側上方に向くように注出口部を設けることが好ましい。
【0013】
このような構成を採ることにより、前記請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、パウチに充填された内容物を他の容器に移し替える際、内容物の粘度に関係なく、内容物を外にこぼすことがなく、また、移し替えに時間がかかりすぎることもなく、一層安全且つ容易に移し替えることができる。
【0014】
請求項3に記載した発明は、前記膨らみ部が、注出口部の通液路の先端部近傍から、注出口部の基部を結ぶ線よりも長く、注出口部の基部を結ぶ線から15mmを超えない長さで設けられ、且つ、その膨らみ部の高さ方向の断面形状が、両側から内折り部と外折り部とを複数繰り返して設けて形成される多段形式の山状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の詰め替え用パウチからなる。
【0015】
上記注出口部の通液路を含む領域の両側の積層フィルムに設ける膨らみ部は、注出口の開口を確実にするために設けるものであり、通液路の幅に沿う形状に設けることが好ましく、その高さは最高部で2〜6mm程度が適当である。
只、本発明では、注出口部を、前述したように、狭い幅で且つ注出口部の両側のヒートシール部の内側ラインが平行または先細り角度(α)が10°以下の傾斜をもつように設けているため、通液路の開口を確保するために、膨らみ部は、注出口部の先端部近傍から注出口部の基部を結ぶ線よりも長く、注出口部の基部を結ぶ線から15mmを超えない長さで設けることが好ましい。
このような膨らみ部は、通液路の幅に近い幅を有するため、膨らみ部の長さが、注出口部の基部を結ぶ線から15mmを超えると、むしろパウチ上部の自由な広がりを妨げるため好ましくない。只、前記15mmを超える部分で膨らみ部の高さを小さくして、パウチ上部の広がりに対応する形状の膨らみ部として設けることは構わない。
【0016】
このような構成を採ることにより、前記請求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、注出口部の先端部を切り取って開封することにより、注出口部が膨らみ部により自動的に保形性よく開口し、通液路が確保される。
また、前記膨らみ部の高さ方向の断面形状が、両側から内折り部と外折り部とを複数繰り返して設けて形成される多段形式の山状に形成されているので、スプリングバック性がよく、圧縮により潰されても容易に復元し膨らみ部の前記作用効果を一層確実なものにすることができる。
【0017】
請求項4に記載した発明は、前記注出口部に開封手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の詰め替え用パウチである。
【0018】
上記開封手段は、印刷で表示された切り取り線などの開封指示線や開封指示マークであってもよく、また、実際の引き裂きによる開封操作を容易にする以下のような易開封性手段であってもよい。更にこれらの複数を適宜組み合わせて設けたものであってもよい。
上記易開封性手段としては、例えば、通常のパウチでも多用されるノッチを設ける方法のほか、レーザー光照射などによるハーフカット線を設ける方法、或いは、パウチの積層フィルム中に一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向が注出口部の開封方向と一致するように用いる)などがあり、これらは単独で用いてもよく、また、例えば、ノッチと、ハーフカット線または一軸延伸フィルムの積層などのように適宜組み合わせて用いることもできる。
【0019】
前記ノッチは、通常、一字形やV字形などのノッチが利用されているが、形状は特に限定されず、切り取り方向に鋭角部分を有する形状であれば何でも使用することができる。
また、ハーフカット線を設ける場合も、直線状のハーフカット線に限らず、ミシン目状など断続的なハーフカット線で設けることもできる。
更に、このようなハーフカット線は、1本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数本のハーフカット線を平行または中心のハーフカット線に収斂する形状などに設けることもできる。
特に、本発明の詰め替え用パウチのように、注出口部の開封位置に膨らみ部が設けられるような場合、引き裂きの方向性が不安定になり易いため、前記のような開封手段、易開封性手段を組み合わせて用いることが一層好ましい。
【0020】
このような構成を採ることにより、前記請求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、注出口部を開封する際、所望の位置で容易に注出口部の先端部を切り取って注出口部を開封することができ、それにより自然に注出口部が保形性のよい状態で開口されるようになる。
【0021】
そして、請求項5に記載した発明は、前記注出口部のヒートシール部を含む幅が、内容物充填前の状態で、最大部で13〜35mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の詰め替え用パウチである。
【0022】
このような構成を採ることにより、前記請求項1乃至4のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、内容物の粘度に影響されることなく適当な速さで注出することができ、また、内容物の移し替えを行う容器の口径に対応して、注出口部を容易に差し込めるよう適宜の幅に設定することができる。
前記注出口部の幅が13mm未満の場合は、注出速度が低下し内容物の移し替えに時間がかかりすぎるため好ましくなく、また、前記注出口部の幅が35mmを超える場合は、移し替えを行う容器の口径が小さい場合、注出口部を容器の口部に差し込みにくくなるため好ましくない。
例えば、口部の内径が15mmのボトルに対して、クリアランスを持たせるために注出口部の最大部の幅をボトルの内径より2mm小さくして13mmにした場合、注出口部の先細り角度αは10°以下であり、ボトルの口部に当たりにくく注出口部を深く差し込むことができ、且つ通液路を最大限に確保できる。
また、詰め替えを行うボトルとして、一般的な口部の内径が20mmのボトルに対して、クリアランスを持たせるために注出口部の最大部の幅をボトルの口部の内径より2mm小さくして18mmにした場合でも、注出口部の先細り角度αは10°以下であるので、ボトルの口部に当たりにくく注出口部を深く差し込むことができ、且つ通液路を最大限に確保できる。
口部の内径が更に大きな24mmや37mmのボトルに対しても、同様な理由で注出口部の最大部の幅を、22mm、35mmにすることができる。
尚、ボトルの口部の内径と注出口部の最大部の幅とのクリアランスは、通液路を最大限に確保する観点から、できるだけ小さいほうが望ましいが、排出速度が低下する中粘度以上の内容物の場合など、内容物の物性(粘度)により、注出口部の最大部の幅をボトルの口部の内径よりも大きくせざるを得ない場合でも、膨らみ部を組み合わせることで立体的な通液路が形成されるようになっているので、消費者が手で注ぎ口を整えるなどすれば、注出口部をボトルに差し込んで内容物を詰め替えることも可能である。
【0023】
そして、請求項6に記載した発明は、前記詰め替え用パウチが、自立性を有する形式に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の詰め替え用パウチからなる。
【0024】
上記自立性を有する形式は、特に限定はされずパウチに自立性を付与できる形式であれば何でもよい。代表的な自立性を付与できる形式としてスタンディングパウチ形式があり、これはパウチの底部を、両側壁面の積層フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して挿入して形成されるガセット形式で形成し、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍にはスポット状などの底面フィルム切り欠き部を設けておいて、そのガセット部を内側が両側から中央部にかけて湾曲線状などで凹状となる船底形などのシールパターンでヒートシールして形成するものである。パウチの底部をこのように形成することにより、内容物を充填した際、パウチの底部が前後に大きく広がりフラットに近い底面が形成されると共に、底部の外周にはヒートシール部による脚部が形成されるので、パウチに優れた自立性を付与することができる。
【0025】
このような構成を採ることにより、前記請求項1乃至5のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、パウチに自立性が付与されるので取り扱いが容易になるほか、容量の割にコンパクトに包装することができ、外観にも優れた詰め替え用パウチを提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の詰め替え用パウチの製造に用いる積層フィルム、およびパウチの製造方法など実施の形態について説明する。
本発明の詰め替え用パウチの製造に用いる積層フィルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、特に限定はされず、例えば、各種液体用パウチに用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用できる。
これらの中から、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適するものを自由に選択して使用することができる。
好ましく使用できる積層フィルムの構成の代表的な例として、以下のような構成が挙げられる。
【0027】
(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(2) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(3) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(4) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(5) ONフィルム(シリカまたはアルミナまたはアルミニウム蒸着層)/接着剤/一軸延伸または二軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(6) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層はL・LDPE層)
(7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(8) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(9) PETフィルム/接着剤/(シリカまたはアルミナまたはアルミニウム蒸着層)ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(10)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(11)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(12)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(13)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
【0028】
上記において、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレン、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルムを指すものである。
また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
【0029】
前記の積層フィルムの構成において、最外層のONフィルム、PETフィルムは、基材フィルムとしてパウチに機械的強度や耐熱性、印刷適性を付与し、中間層の一軸延伸HDPEフィルム、一軸延伸PPフィルムは、その延伸方向をパウチの注出口部を開封する際の引き裂き方向と一致、または、できるだけ一致するように用いることにより、易開封性手段の一つとして、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。
また、中間層に二軸延伸HDPEフィルムまたは二軸延伸PPフィルムを用いた場合は、積層フィルムの強度および透湿度を向上させることができる。中間層のONフィルムは主に機械的強度を向上させるものであり、特に低温の条件でも強度低下が少ないため、低温の条件下で使用される場合に適している。
そして、アルミニウム箔、シリカまたはアルミナまたはアルミニウム蒸着層、EVOHフィルムなどは、主にガスバリヤー性を付与するために積層するものである。
【0030】
シーラント層としては、L・LDPEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げたが、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の包装用に適している。
シーラント層には上記のほか、充填される内容物に応じて、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂なども適宜選択して使用することができる。
【0031】
特に、エチレン・αオレフィン共重合体でメタロセン系触媒などシングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、特にスタンディングパウチのようなヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のあるパウチのシーラント層には、シール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
更に、前記共重合体にオレフィン系エラストマーをブレンドしたものを用いることにより、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差によるピンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
【0032】
次に、以上のような積層フィルムを用いて製造する本発明の詰め替え用パウチの製造方法について説明する。
本発明の詰め替え用パウチは、上部のコーナー部に設けた前記注出口部の構成に大きな特徴を有するものであり、その本体部の形式は特に限定はされず、例えば、三方シール形式、四方シール形式などの平パウチのほか、スタンディングパウチなどの自立袋形式を採ることができる。
【0033】
従って、基本的にはパウチ本体部の形式に応じて、三方シール形式、四方シール形式のパウチの製袋機、或いはスタンディングパウチ用の製袋機を利用して、これに注出口部の形成に必要なヒートシール装置、注出口部の両側に切り欠き部を設けるための打ち抜き装置、注出口部に易開封性手段としてノッチやハーフカット線を設ける場合は、その打ち抜き装置、レーザー光照射装置、そして、膨らみ部を設けるための熱エンボス装置もしくは熱プレス装置などを追加付設するか、或いは、一部を別ラインとして用意することにより、容易に製造することができる。
【0034】
【実施例】
以下に、図面を用いて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を超えない限り、これらの図面に限定されるものではない。
図1、図2、図5、図6、図8は、それぞれ本発明の詰め替え用パウチの一実施例の構成を示す正面図である。
また、図3は、図1に示した詰め替え用パウチの注出口部の拡大図であり、図4は、図3に示した注出口部のA−A線における拡大断面図である。
【0035】
図1は、本発明の詰め替え用パウチの第1の実施例の構成を示す正面図である。
図1に示した詰め替え用パウチ100は、その本体部がスタンディングパウチ形式に製袋されており、底部が常法に従って、両側壁面の積層フィルム1、1′の下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して底面フィルム折り返し部4まで挿入してなるガセット部2を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍には、この場合、半円形の底面フィルム切り欠き部3、3が設けられ、ガセット部2が、内側が両側から中央部にかけて湾曲線状に凹状となる船底形の底部シール部5でヒートシールされて形成されている。
また、パウチ100の胴部は、前後両側壁面の積層フィルム1、1′の両側端縁部を側部シール部6、6でヒートシールして形成されている。
【0036】
そして、パウチ100の上部のコーナー部には、斜め外側上方に向く注出口部10が、その外縁部が注出口部シール部7でヒートシールされて形成され、その両側に切り欠き部8a 、8b が設けられ、突出する形状に設けられている。
【0037】
この注出口部10は、その通液路が、両側の注出口部シール部7の内側ラインにより平行となるように形成されており、更に両側の内側ラインは、注出口部の基部で外側に折り返され、上側の内側ラインはパウチの上端に向けて、下側の内側ラインはパウチの側端に向けて、いずれも折り返し角度βが45°〜65°(図では55°)の鋭角をなす形状に形成されている。
また、注出口部10は、その向きが、注出口部10の中心線Cとパウチ100の底辺とのなす角度γが32°〜60°(図では45°)で斜め外側上方を向くように設けられている。
【0038】
そして、注出口部10の通液路を含む領域の両側の積層フィルム1、1′には、外側に凸状となる膨らみ部Sが、注出口部の通液路の先端部近傍から、通液路の形状に沿い注出口部10の基部を結ぶ線Bよりも長く、基部を結ぶ線Bから15mmを超えない長さで、その高さ方向の断面形状が、図4の拡大断面図に示すように、両側から内折り部14と外折り部15とを複数繰り返して設けて形成される多段形式(図では3段形式)の山状に設けられている。
上記膨らみ部Sの形状は、図4では各段を形成する内折り部14と外折り部15とがシャープに形成された形状で示したが、積層フィルムの材質構成や熱成形加工の条件などにより、成形の戻りが生じるため、各内折り部14と外折り部15は必ずしも明瞭な折り線状とはならず角部にRの付いた形状、即ち、角部が丸みをもつ形状となるが、それぞれの内折り部14と外折り部15の間は面状に形成されるので膨らみ部Sによる注出口部の開口性の向上や折れ曲がり防止などの作用効果自体は十分に得ることができる。
【0039】
また、注出口部10の先端側には、注出口部10を開封するための開封手段として、ハーフカット線11とその端部にV字形のノッチ12が設けられており、更に、注出口部シール部7の先端側の上側の側部には、上記開封手段で注出口部10を開封する際に、注出口部10の先端部を手で摘みやすくするための摘み部9が設けられて構成されている。
尚、パウチ上部の注出口部10が設けられた部分を除く部分は、内容物の充填口に使用し、内容物の充填後に、脱気シールなどの方法で上部シール部13をヒートシールして密封するものである。
尚、注出口部10のヒートシール部を含む幅は、前述したように、内容物充填前の状態で、最大部で13〜35mmの範囲が好ましく、更に、その長さは、開封時の突出長さ、即ち、注出口部10の両側の切り欠き部8a 、8b の基部を結ぶ線から開封端(例えばハーフカット線11)までの長さで、5〜50mmの範囲が好ましく、10〜30mmの範囲が更に好ましい。
注出口部10の上記長さが5mm未満の場合は、注出口部10を十分な深さで容器の口部に差し込むことができず、内容物を外にこぼしやすくなるため好ましくない。また、上記長さが50mmを超える場合は、既に十分な長さがありその必要性がなく、むしろ注出速度を低下させ、また注出の途中で注出口部が折れ曲がって閉塞しやすくなるため好ましくない。
【0040】
このような構成を採ることにより、未シールの上部シール部13は十分な幅があるので、この部分から内容物を容易に充填し、脱気シールして密封することができる。そして、内容物を充填した詰め替え用パウチ100は、自立性があり、取り扱い易く、外観にも優れている。
内容物を他の容器に移し替える際には、注出口部10の先端部をノッチ12とハーフカット線11を利用して容易に切り取って開封することができる。そして、開封された注出口部10は膨らみ部Sにより自動的に保形性よく開口する。
次いで、パウチ100を手で持ち上げて、注出口部10を例えばボトルの口部に差し込んで傾けることにより、注出口部10が前記角度γで斜め外側上方を向き、且つ狭い幅で平行に形成されているので、内容物が飛び出すこともなく十分な深さに差し込むことができ、また、内容物が注出口部を含むパウチ上部に流動し、その内圧により、自然に注出口部10と共にその両側が、注出口部シール部7の前記折り返し形状により前後に膨らみ、注出口部10から内容物が注出される。
【0041】
この時、注出口部10とその両側の膨らみの間には谷部が注出口部10の基部からパウチ100の内部方向に形成され、開口した注出口部10の保形性が一層向上される。また、注出口部の通液路を含む領域に設けた膨らみ部Sが、注出口部10の通液路の先端部近傍から、注出口部の基部を結ぶ線Bよりも長く、注出口部の基部を結ぶ線Bから15mmを超えない長さで、且つ多段形式の山状に設けられているので、膨らみ部S自体がスプリングバック性に優れ、圧縮により潰されても容易に復元し、また、注出口部10がその基部の内側近辺で折れ曲がって閉塞することも防止でき、最後まで安全且つ容易に内容物を移し替えることができる。
【0042】
図2は、本発明の詰め替え用パウチの第2の実施例の構成を示す正面図である。
図2に示した詰め替え用パウチ200は、前記図1に示した詰め替え用パウチ100の構成において、注出口部10の傾斜角度、即ち、注出口部10の中心線Cとパウチ200の底辺とのなす角度γを45°から37°に小さくし、また、注出口部10の通液路を平行から先細り角度αが10°となるように、即ち、注出口部10の両側のヒートシール部の内側ラインのうち、上側の内側ラインと注出口部10の中心線Cとのなす先細り角度α1 を5°とし、下側の内側ラインと注出口部10の中心線Cとのなす先細り角度α2 を5°として、両者を合わせて先細り角度(α=α1 +α2 )が10°となるように変更し、それに伴って膨らみ部Sの平面形状も通液路に沿って若干先細り形状となるように変更して構成したものであり、上記変更点以外は図1に示した詰め替え用パウチ100と同様に形成して構成したものである。
【0043】
このような構成を採ることにより、前記図1に示した構成の詰め替え用パウチ100と対比して、注出口部10の傾斜角度、即ち、注出口部10の中心線Cとパウチ200の底辺とのなす角度γを45°から37°に小さくすることにより、注出口部10が一層横方向に寝た形状となるので、特に内容物が粘度の低いものであっても、移し替えの最初の段階での内容物の飛び出しを一層効果的に防止することができる。
【0044】
そして、注出口部10の両側のヒートシール部の内側ラインを平行から先細り角度αが10°の傾斜を付けた形状に変更し、それに伴って膨らみ部Sの平面形状を若干先細り形状に変更した点については、注出口部10の基部、即ち、通液路の入口側の幅を若干大きくできるので、注出口部10の初期の開口が一層容易になるが、それ以外は大きな差はなく図1に示した詰め替え用パウチ100と同様な作用効果を得ることができる。
また、上記変更点以外は、図1に示した詰め替え用パウチ100と同じ構成であるため、図1に示した詰め替え用パウチ100で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
【0045】
次に、図5は、本発明の詰め替え用パウチの第3の実施例の構成を示す正面図である。
図5に示した詰め替え用パウチ300は、前記図1に示した詰め替え用パウチ100の構成において、注出口部10の通液路を、図2に示した詰め替え用パウチ200と同様に、平行ではなく、注出口部10の中心線Cと注出口部10の両側のヒートシール部のそれぞれの内側ラインとのなす角度、即ち、α1 とα2 をそれぞれ5°として、両者を合わせた先細り角α(α=α1 +α2 )が10°となるように変更し、それに伴って膨らみ部Sの平面形状も通液路に沿って若干先細り形状となるように変更すると共に、注出口部10の両側に設けた切り欠き部8a 、8b のうち、上側の切り欠き部8a に関して、ノッチ12を設ける位置を切り欠き部8a の注出口部10の先端側の切り欠き線と略一致する位置に変更して設け、そのノッチ12に合わせてハーフカット線11を設けて構成したものであり、上記変更点以外の構成、例えば、注出口部10の傾斜角度、即ち、注出口部10の中心線Cとパウチ300の底辺とのなす角度γは45°とし、また、注出口部10の通液路を形成する注出口部シール部7の両側の内側ラインがその基部で外側に折り返す折り返し角度βは、両者共55°として構成し、その他パウチ300の胴部および底部の構成についても、前記図1に示した詰め替え用パウチ100と同様に形成して構成したものである。
【0046】
このような構成を採ることにより、前記注出口部10の先細り角度αを10°とした点については、前記図2に示した詰め替え用パウチ200で説明したように、注出口部10の基部である通液路の入口側の幅を若干大きくできるので、注出口部10の初期の開口が一層容易になり、また、前記ノッチ12とハーフカット線11の位置変更については、V字形のノッチ12の一方の切断線を切り欠き部8a の注出口部10の先端側の切り欠き線と略一致するラインで形成できるので、切り欠き部8a 、8b とノッチ12を同時に打ち抜く際も、その切断刃のノッチ12用の小さな折れ曲がり部を少なくすることができ、耐久性のよいシェアーカット方式(鋏のように両側の刃の摺り合わせで切断する方式)の打ち抜き刃の作製が容易になり、それにより詰め替え用パウチ300の生産性を向上させることができる。
そして、前記変更点以外は、図1に示した詰め替え用パウチ100と同じ構成であるため、図1に示した詰め替え用パウチ100で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
【0047】
図6は、本発明の詰め替え用パウチの第4の実施例の構成を示す正面図であり、図6に示した詰め替え用パウチ400は、前記図5に示した詰め替え用パウチ300の構成において、注出口部シール部7のシールパターンの注出口部の両側の基部から外側に折り返して、パウチの上端またはパウチの側端に向かう両側のヒートシール部のうち、下側のヒートシール部、即ち、注出口部の基部からパウチの側端に向かうヒートシール部の幅W1 を、通常のシール強度に必要な幅3〜6mm程度よりも広くして構成したものである。
また、このヒートシール部の幅W1 は、パウチの側端から注出口部の基部に向かって同じ幅広であってもよく、また、パウチの側端から注出口部の基部に向かって徐々に幅を広くするようにしてもよい。その一例としては、図7に示すような注出口部シール部7のシールパターンとすることができる。
【0048】
これは、パウチの積層フィルムの厚み、剛性とも関係するが、パウチに充填された内容物を、注出口部10からボトルなどの他の容器に移し替える際、時たま注出口部にねじれを発生することがあり、ねじれが発生すると通液路が狭くなり内容物の移し替えに余分な時間がかかるようになる。
この問題の解決策を種々研究した結果、注出口部シール部7のシールパターンの注出口部の両側の基部から外側に折り返して、パウチの上端またはパウチの側端に向かう両側のヒートシール部のうち、いずれか一方、または両方のヒートシール部の幅を、少なくとも注出口部の基部の近傍のシール幅を通常のシール幅3〜6mm程度よりも広くして、8〜15mm程度とすることにより、他の必要な機能を損なうことなく、また、コストアップすることもなく、注出口部のねじれ発生を防止できることを見出し、前記のような構成を採ったものである。
従って、前記のような構成を採ることにより、前記図5に示した詰め替え用パウチ300で説明した作用効果に加えて、注出口部に時たま発生していたねじれ現象を防止することができるので、パウチに充填された内容物の移し替えを一層容易に且つ安定して行うことができる。
【0049】
図8は、本発明の詰め替え用パウチの第5の実施例の構成を示す正面図であり、図8に示した詰め替え用パウチ500は、前記図5に示した詰め替え用パウチ300の構成において、注出口部シール部7のシールパターンの注出口部の両側の基部から外側に折り返して、パウチの上端またはパウチの側端に向かう両側のヒートシール部のうち、注出口部の基部からパウチの側端に向かうヒートシール部の幅W1 と、注出口部の基部からパウチの上端に向かうヒートシール部の幅W2 の両方を、通常のシール強度に必要なシール幅3〜6mm程度よりも広くして構成したものである。
この場合も、上記ヒートシール部の幅W1 、W2 は、パウチの側端または上端から注出口部の基部に向かって同じ幅広であってもよく、また、パウチの側端または上端から注出口部の基部に向かって徐々に幅を広くするようにしてもよい。その一例としては、図9に示すような注出口部シール部7のシールパターンとすることができる。
このような構成は、前記図6に示した詰め替え用パウチ400と同様に、注出口部に時たま発生するねじれを防止するために採ったものであり、注出口部の基部の両側のヒートシール部の幅W1 、W2 は、いずれも8〜15mm程度とすることができる。
このような構成を採ることにより、前記図5に示した詰め替え用パウチ300で説明した作用効果に加えて、注出口部のねじれ現象を一層確実に防止できるので、内容物の移し替えを一層容易に且つ安定して行うことができる。
【0050】
以上のような本発明の詰め替え用パウチは、内容物をボトルなど口径の小さな他の容器に移し替えて使用する詰め替え用のパウチとして特に適しているが、パウチを自立袋形式に形成することにより、詰め替え用の用途に限らず、自立性と注出口部の機能を生かして、内容物を小出しに注出して使用する醤油やソース、ドレッシング、酢、料理酒などの調味料用などのパウチとしても好適に使用できるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、成形物などによる別体の注出口を必要とせず、通常のパウチと略同様な工程で生産性よく製造でき、内容物の充填も容易で、且つ、パウチ本体をスタンディングパウチと同様な形式で形成することにより、優れた自立性を付与することができ、取り扱いやすく外観にも優れたものにすることができる。
また、充填された内容物を他の容器に移し替える際には、パウチ上部のコーナー部に設けられた注出口部の先端部を容易に切り取って開封することができ、それにより自動的に保形性に優れた注出口が開口され、粘度の低い内容物でも注出の開始時に飛び出して外にこぼすようなことがなく、また、注出の途中で注出口部が折れ曲がったり閉塞することもなく、口径の小さなボトルなどに対しても、注出口部をボトルの口部に十分な深さで差し込むことができ、内容物を最後まで安全且つ容易に移し替えることができるという安価で使用適性に優れた詰め替え用パウチを生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の詰め替え用パウチの第1の実施例の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の詰め替え用パウチの第2の実施例の構成を示す正面図である。
【図3】図1に示した詰め替え用パウチの注出口部の拡大図である。
【図4】図3に示した注出口部のA−A線における拡大断面図である。
【図5】本発明の詰め替え用パウチの第3の実施例の構成を示す正面図である。
【図6】本発明の詰め替え用パウチの第4の実施例の構成を示す正面図である。
【図7】図6に示した詰め替え用パウチの注出口部シール部の異なる一例のシールパターンを示す部分拡大図である。
【図8】本発明の詰め替え用パウチの第5の実施例の構成を示す正面図である。
【図9】図8に示した詰め替え用パウチの注出口部シール部の異なる一例のシールパターンを示す部分拡大図である。
【符号の説明】
1、1′ 積層フィルム
2 ガセット部
3 底面フィルム切り欠き部
4 底面フィルム折り返し部
5 底部シール部
6 側部シール部
7 注出口部シール部
8a 、8b  切り欠き部
9 摘み部
10 注出口部
11 ハーフカット線
12 ノッチ
13 上部シール部
14 内折り部
15 外折り部
B 注出口部の基部を結ぶ線
C 注出口部の中心線
S 膨らみ部
α 先細り角度(α=α1 +α2 
β 折り返し角度
γ 注出口部の中心線(C)とパウチ底辺とのなす角度
1 注出口部シール部下側折り返し部の幅
2 注出口部シール部上側折り返し部の幅
100、200、300、400、500 詰め替え用パウチ

Claims (6)

  1. 積層フィルムを袋状にヒートシールして形成され、上部のコーナー部に、外縁部がヒートシールされ両側に切り欠き部が設けられ斜め外側上方に向く狭い巾の注出口部が設けられたパウチにおいて、該注出口部の両側のヒートシール部の内側ラインが、注出口部の先端側から基部にかけて通液路の両側で平行または先細り角度(α)が10°以下の傾斜をもつように形成され、更に、注出口部の基部で外側に折り返され一方はパウチの上端に、もう一方はパウチの側端に向けて、いずれも折り返し角度(β)が45°〜65°の鋭角をなす形状に形成され、また、両側の積層フィルムの少なくとも注出口部の通液路を含む領域に外側に凸状となる膨らみ部が設けられていることを特徴とする詰め替え用パウチ。
  2. 前記注出口部が、該注出口部の中心線(C)とパウチの底辺とのなす角度(γ)が32°〜60°の範囲で斜め外側上方に向くように設けられていることを特徴とする請求項1記載の詰め替え用パウチ。
  3. 前記膨らみ部が、注出口部の通液路の先端部近傍から、注出口部の基部を結ぶ線よりも長く、注出口部の基部を結ぶ線から15mmを超えない長さで設けられ、且つ、その膨らみ部の高さ方向の断面形状が、両側から内折り部と外折り部とを複数繰り返して設けて形成される多段形式の山状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の詰め替え用パウチ。
  4. 前記注出口部に開封手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の詰め替え用パウチ。
  5. 前記注出口部のヒートシール部を含む幅が、内容物充填前の状態で、最大部で13〜35mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の詰め替え用パウチ。
  6. 前記詰め替え用パウチが、自立性を有する形式に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の詰め替え用パウチ。
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JP2014104992A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Dainippon Printing Co Ltd 詰め替え袋
JP2019048674A (ja) * 2016-11-07 2019-03-28 東洋製罐株式会社 スパウト付きパウチ

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