JP2004001806A - 包装箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】運搬時等の振動や衝撃から袋体の角部を保護して損傷を防止する。
【解決手段】包装箱11は、四方を囲繞する周壁16と、この周壁を構成する4つの壁面16a,16b,16c,16dの上下端から突出して底部及び天部を構成するフラップ17a,17b,17c,17dとを備え、底部1a側に角部1bを有する袋体1をその内部に格納する。底側から上向に突出し、袋体1の底部1aをその上端に支持する底支持部20A,20Bが設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】包装箱11は、四方を囲繞する周壁16と、この周壁を構成する4つの壁面16a,16b,16c,16dの上下端から突出して底部及び天部を構成するフラップ17a,17b,17c,17dとを備え、底部1a側に角部1bを有する袋体1をその内部に格納する。底側から上向に突出し、袋体1の底部1aをその上端に支持する底支持部20A,20Bが設けられている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、底側に角部を有する袋体の包装に使用される包装箱に関する。この種の袋体としては、例えば、人工透析用補液が収容された袋、いわゆるレトルトパック等の流動物が収容された袋体等がある。
【0002】
【従来の技術】
図25は、人工透析用補液が収容された袋(以下、補液袋1という。)を格納するための従来の包装箱2を示している。図26に拡大して示すように、補液袋1は、人工透析用補液が収容され、透析用機器に接続するためのコネクタ3aを備える樹脂製の内袋3と、この内袋3が収容された樹脂製の外袋4とからなる。内袋3は上下に二つ折りの状態で外袋4内に収容されている。補液袋1は全体として扁平な直方体状であり、その底部1aの両端には角部1bが形成されている。
【0003】
包装箱2は、箱本体5と、この箱本体5内に配置される枠体状の仕切材6とを備えている。仕切材6は、補液袋1の厚み方向(図26においてTで示す。)の位置を規制する複数の前後仕切板7A〜7Fと、これら複数の前後仕切板7A〜7Fの両端が間隔を隔てて取り付けられ、補液袋1の側部を保持して幅方向(図26において符号Wで示す。)の位置を規制する一対の側部仕切板8A,8Bとを備えている。前後仕切板7A〜7Fの対と一対の側部仕切板8A,8Bとによりそれぞれ1個の補液袋1が格納される袋体格納室9が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
補液袋1の角部1bでは、外袋4に折れ目が付いてエッジが形成されている。また、角部1bは内袋3の折り曲げ箇所の端部に相当するので、内袋3にもエッジが形成されている。図25に示す従来の包装箱2では、補液袋1の角部1bは箱本体の底と接触ないしは干渉している。また、補液袋1の角部1bは側部規制板8A,8Bの内面とも接触ないしは干渉している。そのため、運搬時等の振動や衝撃が角部1bに作用し、内袋3や外袋4が損傷してピンホールが発生する場合がある。内袋3は損傷していないとしても、外袋4にピンホールが生じると人工透析補液は衛生上使用することができず、破棄せざるを得ない。また、内袋3にピンホールが生じると人工透析補液が漏れ出す。
【0005】
そこで、本発明は、運搬時等の振動や衝撃から袋体の角部を保護して損傷を防止することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明は、四方を囲繞する周壁と、この周壁の上下端を閉鎖する天部及び底部を備え、底側に角部を有する袋体をその内部に格納する包装箱であって、底部側から上向に突出し、前記袋体の底をその上端に支持する底支持部を備える、包装箱を提供する。
【0007】
袋体の底は包装箱の底部から上向に突出する底支持部の上端に支持されるので、袋体の角部は包装箱の底から離隔された状態、すなわち宙に浮いた状態で保持される。従って、包装箱の底部との干渉により袋体の角部にピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、底支持部により袋体の幅方向の移動が規制される。従って、運搬時等の振動により袋体が幅方向に移動し、袋体の角部が包装箱の周壁と干渉して損傷するのを防止することができる。
【0008】
第2の発明は、四方を囲繞する周壁と、この周壁の上下端を閉鎖する天部及び底部を備え、底側に角部を有する袋体をその内部に格納する包装箱であって、前記袋体の両側部を保持し、その下端から上方に向けて前記袋体の角部が挿通される切抜孔が形成され、かつ前記周壁に対して間隔を隔てて配置された一対の側部保持部を備える、包装箱を提供する。
【0009】
側部保持部は周壁に対して間隔を隔てて配置され、側部保持部の切抜孔に袋体の角部が挿通されるので、袋体の角部と箱本体の周壁との間に隙間が確保される。従って、袋体の角部が包装箱の周壁と干渉して損傷するのを防止することができる。
【0010】
第3の発明は、四方を囲繞する周壁と、この周壁の上下端を閉鎖する天部及び底部を備え、底側に角部を有する袋体をその内部に格納する包装箱であって、底部側から上向に突出し、前記袋体の底をその上端に支持する底支持部と、前記袋体の両側部を保持し、その下端から上端に向けて前記袋体の角部が挿通される切抜孔が形成され、かつ前記周壁に対して間隔を隔てて配置された一対の側部保持部とを備える、包装箱を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示す本発明の実施形態について詳細に説明する。以下、図26を参照して説明した補液袋1を格納する包装箱を例に説明するが、本発明は底部に角部を有する袋体を格納するための包装箱に適用することができる。この種の袋体としては例えばいわゆるレトルトパック等の他の流動物が収容された袋体がある。また、図面において同一の要素には同一の符号を付している。
【0012】
(第1実施形態)
図1から図10は、本発明の第1実施形態を示している。これらの図面のうち、図1は包装箱11を示す斜視図、図2は包装箱11の分解斜視図、図3は仕切材の斜視図、図4は仕切材の平面図、図5は仕切材の分解斜視図、図6は前後仕切板の正面図、図7は側部仕切板の正面図、図8は底支持板の正面図、図9は図1のIX−IX線での断面図、図10は図1のX−X線での断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、包装箱11は箱本体12と、この箱本体12内に配置される仕切材13とを備えている。本実施例では、箱本体12と仕切材13はいずれもダンボール紙からなるが、例えば厚紙のような他の板材からなるものであってもよい。
【0014】
箱本体12は、四方を囲繞する周壁16と、この周壁16を構成する4つの壁面16a,16b,16c,16dの上下端から突出したフラップを備えている。図1及び図2には壁面16a〜16dの上端から突出して天フラップ(天部)を構成する4個のフラップ17a,17b,17c,17dのみが図示されているが、壁面16a〜16dの下端からも同様に底フラップ(底部)を構成する4個のフラップが突出している。
【0015】
図3から図5に示すように、仕切材13は、6枚の前後仕切板18A,18B,18C,18D,18E,18F、一対の側部仕切板(側部保持部)19A,19B、及び一対の底支持板(底支持部)20A,20Bを備え、これらを組み付けて全体として格子状の枠体としている。
【0016】
図5及び図6に示すように、前後仕切板18A〜18Fには、幅方向の両端付近に下端から上方へ向けて延びる差込溝18a,18bが設けられている。これらの差込溝18a,18bは側部仕切板19A,19Bとの組み付けのために設けられている。また、前後仕切板18A〜18Fには、差込溝18a,18bよりも幅方向の中央寄りに下端から上方へ向けて延びる差込溝18c,18dが設けられている。これらの差込溝18c,18dは底支持板20A,20Bとの組み付けのために設けられている。さらに、前後仕切板18A〜18Fの上端には、補液袋1の出し入れの際に補液袋1を手で容易に把持できるようにするための凹部18eが設けられている。
【0017】
図5及び図7に示すように、側部仕切板19A,19Bには、上端から下方へ向けて延びる直線状の6本の差込溝19a,19b,19c,19d,19e,19fが一定間隔を隔てて設けられている。また、側部仕切板19A,19bには、差込溝19a〜19fの対に挟まれた部分に下端から上方へ向けて切抜孔21A,21B,21C,21D,21Eが形成されている。これらの切抜孔21A〜21Eは、幅一定の矩形部21aと、矩形部21aの上端にある半円部21bとを備えている。切抜孔21A〜21Eの矩形部21aの幅方向両側から上向に延びる一対のスリット22a,22bが設けられている。このスリット22a,22bにより、上端側が固定端24aであり切抜孔21A〜21Eの半円部21bに臨む下端側が自由端部24bである舌状可撓部24が形成されている。切抜孔21A〜21E、スリット22a,22b及び舌状可撓部24の機能については後述する。
【0018】
図5及び図8に示すように、底支持板20A,20Bには、上端から下方に向けて延びる直線上の6本の差込溝20a,20b,20c,20d,20e,20fが一定間隔を隔てて設けられている。また、底支持板20A,20Bには、その上端を一定間隔で円弧状に切り抜いてなる5個の支持凹部20g,20h,20i,20j,20kが設けられている。底支持板20A,20Bの機能については後述する。
【0019】
図3及び図4に示すように、側部仕切板19A,19Bの差込溝19a〜19fと、前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a〜18bとを互いに差し込むことにより、側部仕切板19A,19Bと前後仕切板18A〜18Fが平面で格子状に組み付けられる。また、各前後仕切板18A〜18Fの差込溝18c,18dに、底支持板20A,20Bの差込溝20a〜20fを差し込むことにより、底支持板20A,20Bが前後仕切板18A〜18Fに対して取り付けられる。底支持板20A,20Bの下端面と前後仕切板18A〜18Fの下端面とは、ほぼ同一面上にある。
【0020】
箱本体12に収容された仕切材13は、その下面が箱本体12の底に達している。換言すれば、前後仕切板18A〜18F、側部仕切板19A,19B、及び底支持板20A,20Bの下端面が箱本体12の底に当接している。前後仕切板18A〜18Fの幅は、箱本体12の対向する一対の壁面16b,16dの間隔に対応して設定されている。また、側部仕切板19A,19Bの幅は、箱本体12の他の対向する一対の壁面16a,16cの間隔に対応して設定されている。従って、箱本体12に収容されている状態において、各前後仕切板18A〜18Fの両側部の端面と側部仕切板19A,19Bの両側部の端面が箱本体12の周壁16の内面に当接している。
【0021】
前後仕切板18A〜18Fの対と側部仕切板19A,19Bによりそれぞれ1個の補液袋1が格納される5個の袋体格納室26a,26b,26c,26d,26eが形成される。例えば、前後仕切板18A,18Bと側部仕切板19A,19Bとにより囲まれた空間が1個の袋体格納室26aとなっている。図1及び図4を参照すれば明らかなように、袋体格納室26a〜26eに格納された補液袋1は、厚み方向Tの位置が前後仕切板18A〜18Fの対により規制され、幅方向Wの位置が側部規制板19A,19Bにより規制される。すなわち、補液袋1は、その前後面が前後仕切板18A〜18Fにより保持され、その側部が側部規制板19A,19Bにより保持される。
【0022】
前述のように、前後仕切板18A〜18Fの両側部の端面が箱本体12の周壁16の内面に当接している。一方、図3及び図4に示すように、各前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a,18bよりも幅方向外側の部分は側部仕切板19A,19Bの外側に突出している。従って、箱本体12の壁面16b,16eと側部規制板19A,19Bとの間には間隔が存在する。
【0023】
図9に最も明瞭に示されているように、底支持板20A,20Bは箱本体12の底フラップから上向に突出している。図4に最も明瞭に示されているように、底支持板20A,20Bは前後仕切板18A〜18Fの配置方向に、すなわち各袋体格納室26a〜26eに収容された補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延びている。また、各袋体格納室26a〜26eに、底支持板20A,20Bの支持凹部20g〜20kが1個ずつ配置されている。図9に示すように、各袋体格納室26a〜26eに格納された補液袋1はその底部1aが底支持板20A,20Bの上端により支持される。詳細には支持凹部20g〜20kに嵌まり込んだ状態で、補液袋1が底支持板20A,20Bにより支持される。さらに詳細には、補液袋1の内袋3には液体が収容されているので、底支持板20A,20Bはその上端が補液袋1の底部1aに対してわずかに食い込んで状態で補液袋1を支持している。
【0024】
袋体格納室26a〜26eに格納された補液袋1は前記底支持板20A,20Bにより、箱本体12の底から離隔された状態、すなわち宙に浮いた状態で保持される。従って、箱本体12の底と干渉により角部1bにピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、補液袋1は底支持板20A,20Bにより幅方向Wの移動が規制される。従って、運搬時等の振動により補液袋1が幅方向に移動し、箱本体12の周壁16の内面と干渉して損傷するのを防止することができる。特に、、底支持板20A,20Bは補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延び、かつ底支持板20A,20Bはその上端が補液袋1の底部1aに対してわずかに食い込んでいるので、補液袋1の幅方向Wの移動を確実に規制することができる。
【0025】
図9及び図10に示すように、補液袋1の角部1bは切抜孔21A〜21Eから袋体格納室26a〜26eの外側に突出している。前述のように側部仕切板19A,19Bと箱本体12の周壁16の内面との間には間隔が設けられているので、袋体格納室26a〜26eから突出した補液袋1の角部1bと箱本体12の周壁16の内面との間には隙間が確保される。従って、これによっても補液袋1の角部1bと箱本体12の周壁16の内面との干渉を防止することができる。
【0026】
補液袋1を袋体格納室26a〜26eに格納する際に、切抜孔21A〜21Eに向けて降下する補液袋1の角部1bによって舌状可撓部24が押圧され、図5において矢印Aで示すように外向きに撓む。また、補液袋1を袋体格納室26a〜26eから取り出す際にも、切抜孔21A〜21Eから上昇する補液袋1の角部1bによって舌状可撓部24が押圧されて外向きに撓む。従って、補液袋1を袋体格納室26a〜26eに出し入れする際に角部1bに作用する摩擦力が低減され、より確実に袋体の角部1bを保護して損傷を防止することができる。
【0027】
図11(A)に示すように、底支持板20A,20Bの差込溝19a〜19f(図8参照)をなくし、単に底支持板20A,20Bの上端を前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a〜18bに差し込むことにより、底支持板20A,20Bを前後仕切板18A〜18Fに対して取り付けてもよい。これとは逆に、前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a,18bをなくし、底支持板20A,20Bの差込溝20a〜20fに前後仕切板18A〜18Fの下端を差し込むことにより、底支持板20A,20Bを前後仕切板18A〜18Fに対して取り付けもよい。
【0028】
図11(B)に示すように、底支持板20A,20Bは差込溝20a〜20fも支持凹部20g〜20kも備えていない単なる細長い長方形状であってもよい。この場合、底支持板20A,20Bは、上端を前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a,18bに差し込むことにより前後仕切板18A〜18Fに対して取り付けられる。この底支持板20A,20Bには支持凹部20g〜20kを設けていないが、上端が補液袋1の底部1aにわずかに食い込むので、補液袋1の幅方向Wの移動を規制することができる。底支持板は1個でもよく、3個以上であってもよい。
【0029】
図12(A)に示すように、側部仕切板19A,19Bの切抜孔21の形状を正面から見て二等辺三角形状としてもよい。図12(B)に示す構造を採用してもよい。この例では、スリット22a,22bのみを設けて切抜孔21A〜21Eを設けておらず、舌状可撓部24が側部仕切板19A,19Bの下端まで延びている。舌状可撓部24にはスリット22a,22bと交差する方向の複数の折り曲げ線を設けており、舌状可撓部24が容易に外向きに撓むようにしてある。補液袋1を袋体格納室26a〜26eから出し入れする際に角部1bは舌状可撓部24の内面に接触した状態を維持したままで昇降するが、舌状可撓部24は容易に外向きに撓むので角部1bには殆ど摩擦力が作用せず、損傷を防止することができる。
【0030】
図13は、第1実施形態の変形例の包装箱11を示している。前後仕切板18A〜18Fに対して2対の側部仕切板19A,19B,19C,19Dが組み付けられており、仕切材13によって補液袋1の幅方向に2列の袋体格納室26が形成されている。また、図示されていないが、袋体格納室の各列に毎に2本の底支持板20A,20B(図3及び図4参照)が設けられている。3対以上の側部仕切板を設け、3列以上の袋体格納室を形成してもよい。
【0031】
(第2実施形態)
図14から図18は、本発明の第2実施形態を示している。これらの図面のうち、図14は包装箱11の分解斜視図、図15は図14のXV−XV線での断面図、図16は底部トレー32の展開図、図17は底部トレー32の斜視図、図18は側部保持板33A,33Bの展開図である。
【0032】
図14に示すように、包装箱11は、箱本体12と、前後仕切板18A〜18F及び側部仕切板19A,19Bを有する仕切材13と、保持材31とを備えている。箱本体12の構造は第1実施形態と同一である。
【0033】
仕切材13は一対の側部仕切板19A,19Bの間隔が第1実施形態と異なる。第1実施形態では、図9に示すように側部仕切板19A,19Bの間隔は補液袋1の幅に対応して設定しており、側部仕切板19A,19Bにより補液袋1の幅方向Wの位置が規制される。これに対して、第2実施形態では、図15に示すように、側部仕切板19A,19Bの間隔は補液袋1との間に十分な間隔が確保されるように広く設定している。また、側部仕切板19A,19Bには切抜孔21A〜21F及びスリット22a,22b(いずれも図7参照)は設けられていない。
【0034】
保持材31は、袋体格納室26a〜26fの底に配置される底部トレー32と、下端が底部トレー32の端部に嵌め込まれて袋体格納室26a〜26f内を上方に向けて延びる一対の側部保持板(側部保持部)33A,33Bとを備えている。図14では1組の保持材31のみが図示されているが、すべての袋体格納室26a〜26fにそれぞれ保持材31が配置される。底部トレー32は、上方が開口した細長い直方体状であり、平面視での外形は袋体格納室26a〜26fの平面視での形状に対応している。
【0035】
図16及び図17に示すように、底部トレー32は、折り曲げ線(図16において点線で示す)を介して連結され、四方を囲繞する周壁34を構成する4つの壁面34a,34b,34c,34dを備えている。図14に示すように、4つの壁面34a〜34dのうち、壁面34a,34cが袋体格納室26a〜26fに格納された補液袋1の幅方向Wに延び、壁面34b,34dが袋体格納室26a〜26fに格納された補液袋1の厚み方向Tに延びている。壁面34b,34dには折り曲げ線を介して底フラップの一部を構成する外フラップ35a,35bの一端が連結されている。この外フラップ35a,35bの他端には折り曲げ線を介して底支持部36a,36bが設けられている。底支持部36a,36bの先端には半円状に切り抜いた支持凹部37が形成されている。
【0036】
壁面34a,34cには折り曲げ線を介して底フラップの一部を構成する内フラップ38a,38b,38c,38dが設けられている。また、壁面34a,34cには折り曲げ線を介して一対の中央フラップ39a,39bが設けられている。これら中央フラップ39a,39bの先端にはそれぞれ段部40が設けられている。さらに、壁面34aの端部には折り曲げ線を介して糊付け用のタブ41が設けられている。
【0037】
図15から図17を参照すれば明らかなように、底部トレー32は、タブ41を壁面34dに糊付けすることにより4つの壁面34a〜34dからなる周壁34を形成し、それらの先端を段部40によって互い係合させて中央フラップ39a,39bと、折り曲げられた内フラップ38〜38dとの間に外フラップ35a,35bに連接された底支持部36a,36bを差し込むことにより形成されている。従って、図14及び図15に示すように、底支持部36a,36bは底部トレー32の底から上向に突出している。また、底支持部36a,36bは袋体格納室26a〜26fに格納された補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延びている。底支持部36a,36bの上向の姿勢は中央フラップ39a,39bと内フラップ38a〜38dにより底支持部36a,36bが挟み込まれることにより保持されている。
【0038】
図14及び図18に示すように、側部保持板33A,33Bは全体として細長い長方形状であり、本体33aの両端に折り曲げ線を介して一対のスペーサ部33b,33cが設けられている。これらのスペーサ部33b,33cは本体33aに対して同方向に折り曲げられている。このスペーサ部33b,33cにより、側部保持板33A,33Bの本体33aと底部トレー32の周壁34の内面との間に間隔が確保されている。
【0039】
側部保持板33A,33Bの本体33aには、下端から上方に向けて切抜孔43が形成されている。この切抜孔43は、幅一定の矩形部43aと、矩形部43aの上端にある半円部43bを備えている。切抜孔43の矩形部43aの幅方向両側から上向に延びる一対のスリット44a,44bが設けられている。このスリット44a,44bにより、上端側が固定端46aであり切抜孔43の半円部43bに臨む下端側が自由端部46bである舌状可撓部46が形成されている。
【0040】
図15に示すように、各袋体格納室26a〜26fに格納された補液袋1は、その前後面が前後仕切板18A〜18Fにより保持され、その側部が側部保持板33A,33Bにより保持される。また、補液袋1は、その底部1aが支持凹部37に嵌まり込んだ状態で、底支持部36a,36bにより支持される。底支持部36a,36bはその上端が補液袋1の底部1aに対してわずかに食い込んで状態で補液袋1を支持している。従って、補液袋1は底部トレー32の底に対して浮いた状態で保持されるので、底部トレー32の底との干渉により角部1bにピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、補液袋1は底支持部36a,36bにより幅方向Wの移動が規制されるので、底部トレー32の周壁34の内面との干渉によって角部1bが損傷するのを防止することができる。特に、底支持部36a,36bは補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延び、かつその上端が補液袋1の底部1aにわずかに食い込んでいるので、補液袋1の幅方向Wの移動を確実に規制することができる。
【0041】
図15に示すように、補液袋1の角部1bは各側部保持板33A,33Bの切抜孔43から外側に突出している。前述のように側部保持板33A,33Bと底部トレー32の周壁34の内面との間には間隔が設けられているので、袋体格納室26a〜26fから突出した補液袋1の角部1bと底部トレー32の周壁34の内面との間には隙間が確保される。従って、これによっても補液袋1の角部1bと底部トレー32の周壁34の内面との干渉を防止することができる。
【0042】
補液袋1を袋体格納室26a〜26fから出し入れする際には、補液袋1の角部1bは舌状可撓部45を外向きに撓ませつつ、切抜孔43に対して出入りする。従って、補液袋1を袋体格納室26a〜26fに出し入れする際に角部1bに作用する摩擦力が低減され、より確実に袋体の角部1bを保護して損傷を防止することができる。
【0043】
図19及び図20は、底部トレー32の他の例を示している。図16及び図17に示す底部トレー32では、一対の中央フラップ39a,39bの先端を係合させる構成としていた。これに対して、この図19及び図20に示す底部トレー32は、折り曲げ線を介して周壁34の壁面34cに一端が連接された単一の中央フラップ39を備えている。この中央フラップ39には、幅方向に延びる複数本(この例では2本)の折り曲げ線が設けられている。図20に示すように、底支持部36a,36bは、折り曲げ線で僅かに折り曲げた状態の中央フラップ39と内フラップ38a〜38dとの間に挟み込まれることにより、上向に突出した姿勢が保持される。底支持部36a,36bを外フラップ35a,35bとの間の折り曲げ線で折り曲げようとする力は、前記僅かに折り曲げられた中央フラップ39により確実に支承される。従って、補液袋1の重量が比較的重い場合でも、底支持部36a,36bは上向に突出した姿勢を確実に維持する。図19及び図20に示す底部トレー32のその他の構造は、図16及び図17に示すものと同一である。
【0044】
(第3実施形態)
図21から図24は、本発明の第3実施形態を示している。これらの図面のうち、図21は包装箱11の斜視図、図22はXXII−XXII線での断面図、図23は箱本体の展開図、図24は側部保持板の展開図である。
【0045】
第1実施形態及び第2実施形態の包装箱11は、いずれも仕切材13によって箱本体12に複数の袋体格納室26a〜26eを設け、複数の補液袋1を格納可能な構造である。これに対して、第3実施形態の包装箱11は、単一の補液袋1を格納するためのものであり、箱本体51と、一対の側部保持板53A,53Bとを備えている。
【0046】
箱本体51は、第2実施形態における底部トレー32(図16及び図17参照)の周壁34の高さを高く設定してその中に1個の補液袋1を格納可能としたものである。詳細には、箱本体51は、折り曲げ線(図16において点線で示す)を介して連結され、四方を囲繞する周壁54を構成する4つの壁面54a,54b,54c,54dを備えている。図21に示すように、4つの壁面54a〜54dのうち、壁面54a,54cが箱本体51内に格納された補液袋1の幅方向Wに延び、壁面54b,54dが箱本体51内に格納された補液袋1の厚み方向Tに延びている。壁面54b,54dの一方側には折り曲げ線を介して底フラップ(底部)の一部を構成する外フラップ55a,55bの一端が連結されている。この外フラップ55a,55bの他端には折り曲げ線を介して底支持部56a,56bが設けられている。底支持部56a,56bの先端は半円状に切り抜いて支持凹部57が形成されている。また、壁面54b,54dの他方側には折り曲げ線を介して天フラップ(天部)を構成する内フラップ58a,58bが設けられている。
【0047】
壁面54a,54cの一方側には折り曲げ線を介して底フラップの一部を構成する内フラップ59a,59b,59c,59dが設けられている。また、壁面54a,54bの一方側には折り曲げ線を介して一対の中央フラップ61a,16bが設けられている。これら中央フラップ61a,61bの先端にはそれぞれ段部62が設けられている。壁面54cの他方側には、折り曲げ線を介して天フラップの一部を構成する外フラップ63が設けられている。さらに、壁面54aの端部には折り曲げ線を介して糊付け用のタブ64が設けられている。
【0048】
図21から図23を参照すれば明らかなように、箱本体51は、タブ64を壁面54dに糊付けすることにより4つの壁面54a〜54dからなる周壁54を形成し、それらの先端を段部62によって互い係合させて中央フラップ61a,61bと、折り曲げられた内フラップ59a〜59dとの間に外フラップ55a,55bに連接された底支持部56a,56bを差し込むことにより形成されている。従って、図22に示すように、底支持部56a,56bは箱本体51の底から上向に突出している。また、底支持部56a,56bは箱本体51に格納された補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延びている。底支持部56a,56bの上向の姿勢は中央フラップ61a,61bと内フラップ59a〜59dにより底支持部56a,56bが挟み込まれることにより保持されている。図19及び図20に示す折り曲げ線を設けた単一の中央フラップ39を採用してもよい。
【0049】
箱本体51の周壁54を構成する壁面54a〜54dのうち、壁面54a,54bが補液袋1の前後面を保持して厚み方向Tの位置を規制する。一方、壁面54c,54dは補液袋1の幅方向Wの両側部に対応している。
【0050】
側部保持板53A,53Bは、第2実施形態と同様の構造である。図22及び図24に示すように、側部保持板53A,53Bは全体として細長い長方形状であり、本体53aの両端に折り曲げ線を介して一対のスペーサ部53b,53cが設けられている。これらのスペーサ部53b,53cは本体53aに対して同方向に折り曲げられている。このスペーサ部53b,53cにより、補液袋1の側部を保持する側部保持板53A,53Bの本体53aと箱本体51の周壁54の内面との間に間隔が確保されている。
【0051】
側部保持板53A,53Bの本体53aには、下端から上方に向けて切抜孔66が形成されている。この切抜孔66は、幅一定の矩形部66aと、矩形部66aの上端にある半円部66bとを備えている。切抜孔66の矩形部66aの幅方向両側から上向に延びる一対のスリット67a,67bが設けられている。このスリット67a,67bにより、上端側が固定端68aであり切抜孔66の半円部66bに臨む下端側が自由端部68bである舌状可撓部68が形成されている。
【0052】
図22に示すように、箱本体51に格納された補液袋1は、その底部1aが支持凹部57に嵌まり込んだ状態で、底支持部56a,56bにより支持される。底支持部56a,56bはその上端が補液袋1の底部1aに対してわずかに食い込んで状態で補液袋1を支持している。従って、補液袋1は箱本体51の底に対して浮いた状態で保持されるので、箱本体51の底との干渉により角部1bにピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、底支持部56a,56bにより補液袋1の幅方向Wの移動が規制される。従って、箱本体51の周壁54の内面との干渉によって角部1bが損傷するのを防止することができる。特に、補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延び、かつその上端が底部1aに対してわずかに食い込んでいるので、補液袋1の幅方向Wの移動が確実に規制される。
【0053】
図22に示すように、補液袋1の側部は側部保持板53A,53Bに当接して保持され、側部保持板53A,53Bにより補液袋1の幅方向Wの位置が規制される。補液袋1の角部1bは各側部保持板53A,53Bの切抜孔66から外側に突出している。前述のように側部保持板53A,53Bと箱本体51の周壁54の内面との間には間隔が設けられているので、補液袋1の角部1bと箱本体51の周壁54の内面との間には隙間が確保される。従って、これによっても補液袋1の角部1bと箱本体51の周壁54の内面との干渉を防止することができる。
【0054】
補液袋1を箱本体51から出し入れする際には、補液袋1の角部1bは舌状可撓部68を外向きに撓ませつつ、切抜孔66に対して出入りする。従って、補液袋1を箱本体51に出し入れする際に角部1bに作用する摩擦力が低減され、より確実に袋体の角部1bを保護して損傷を防止することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、袋体の底は包装箱の底側から上向に突出する底支持部の上端に支持されるので、袋体の角部は包装箱の底から離隔された状態、すなわち宙に浮いた状態で保持される。従って、包装箱の底との干渉により袋体の角部にピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、底支持部により袋体の幅方向の移動が規制される。従って、運搬時等の振動により袋体が幅方向に移動し、袋体の角部が包装箱の周壁と干渉して損傷するのを防止することができる。さらに、側部保持部は周壁に対して間隔を隔てて配置され、側部保持部の切抜孔に袋体の角部が挿通されるので、袋体の角部と箱本体の周壁との間に隙間が確保され、袋体の角部が包装箱の周壁と干渉して損傷するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す分解斜視図である。
【図3】仕切材を示す斜視図である。
【図4】仕切材を示す平面図である。
【図5】仕切材を示す分解斜視図である。
【図6】(A)及び(B)は前後仕切板を示す正面図である。
【図7】側部仕切板を示す正面図である。
【図8】底支持板を示す正面図である。
【図9】図1のIX−IX線での断面図である。
【図10】図1のX−X線での断面図である。
【図11】(A)及び(B)は底支持板の他の例を示す正面図である。
【図12】(A)及び(B)は側部仕切板の他の例を示す断面図である。
【図13】本発明の第1実施形態の変形例に係る包装箱を示す斜視図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る包装箱を示す分解斜視図である。
【図15】図14のXV− XV線での断面図である。
【図16】底部トレーの展開図である。
【図17】底部トレーを底面側から見た斜視図である。
【図18】側部保持板の展開図である。
【図19】底部トレーの他の例を示す展開図である。
【図20】底部トレーの他の例を底面側から見た斜視図である。
【図21】本発明の第3実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【図22】図21のXXII−XXII線での断面図である。
【図23】箱本体の展開図である。
【図24】側部保持板の展開図である。
【図25】従来の包装箱を示す分解斜視図である。
【図26】補液袋を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 補液袋
1a 底部
1b 角部
3 内袋
4 外袋
11 包装箱
12 箱本体
13 仕切材
16 周壁
17a,17b,17c,17d フラップ
18A,18B,18C,18D,18E,18F 前後仕切板
19A,19B,19C,19D 側部仕切板
20A,20B 底支持板
20g,20h,20i,20j,20k 支持凹部
21A,21B,21C,21D,21E 切抜孔
21a 矩形部
21b 半円部
22a,22b スリット
24 舌状可撓部
24a 固定端
24b 自由端
26a,26b,26c,26d,26e 袋体格納室
31 保持材
32 底部トレー
33A,33B 側部保持板
33a 本体
33b,33c スペーサ部
34 周壁
36a,36b 底支持部
37 支持凹部
43 切抜孔
43a 矩形部
43b 半円部
44a,44b スリット
45 舌状可撓部
46a 固定端
46b 自由端
51 箱本体
53A,53B 側部保持板
53a 本体
53b,53c スペーサ部
54 周壁
56a,56b 底支持部
57 支持凹部
66 切抜孔
66a 矩形部
66b 半円部
67a,67b スリット
68 舌状可撓部
68a 固定端
68b 自由端
T 厚み方向
W 幅方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、底側に角部を有する袋体の包装に使用される包装箱に関する。この種の袋体としては、例えば、人工透析用補液が収容された袋、いわゆるレトルトパック等の流動物が収容された袋体等がある。
【0002】
【従来の技術】
図25は、人工透析用補液が収容された袋(以下、補液袋1という。)を格納するための従来の包装箱2を示している。図26に拡大して示すように、補液袋1は、人工透析用補液が収容され、透析用機器に接続するためのコネクタ3aを備える樹脂製の内袋3と、この内袋3が収容された樹脂製の外袋4とからなる。内袋3は上下に二つ折りの状態で外袋4内に収容されている。補液袋1は全体として扁平な直方体状であり、その底部1aの両端には角部1bが形成されている。
【0003】
包装箱2は、箱本体5と、この箱本体5内に配置される枠体状の仕切材6とを備えている。仕切材6は、補液袋1の厚み方向(図26においてTで示す。)の位置を規制する複数の前後仕切板7A〜7Fと、これら複数の前後仕切板7A〜7Fの両端が間隔を隔てて取り付けられ、補液袋1の側部を保持して幅方向(図26において符号Wで示す。)の位置を規制する一対の側部仕切板8A,8Bとを備えている。前後仕切板7A〜7Fの対と一対の側部仕切板8A,8Bとによりそれぞれ1個の補液袋1が格納される袋体格納室9が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
補液袋1の角部1bでは、外袋4に折れ目が付いてエッジが形成されている。また、角部1bは内袋3の折り曲げ箇所の端部に相当するので、内袋3にもエッジが形成されている。図25に示す従来の包装箱2では、補液袋1の角部1bは箱本体の底と接触ないしは干渉している。また、補液袋1の角部1bは側部規制板8A,8Bの内面とも接触ないしは干渉している。そのため、運搬時等の振動や衝撃が角部1bに作用し、内袋3や外袋4が損傷してピンホールが発生する場合がある。内袋3は損傷していないとしても、外袋4にピンホールが生じると人工透析補液は衛生上使用することができず、破棄せざるを得ない。また、内袋3にピンホールが生じると人工透析補液が漏れ出す。
【0005】
そこで、本発明は、運搬時等の振動や衝撃から袋体の角部を保護して損傷を防止することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明は、四方を囲繞する周壁と、この周壁の上下端を閉鎖する天部及び底部を備え、底側に角部を有する袋体をその内部に格納する包装箱であって、底部側から上向に突出し、前記袋体の底をその上端に支持する底支持部を備える、包装箱を提供する。
【0007】
袋体の底は包装箱の底部から上向に突出する底支持部の上端に支持されるので、袋体の角部は包装箱の底から離隔された状態、すなわち宙に浮いた状態で保持される。従って、包装箱の底部との干渉により袋体の角部にピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、底支持部により袋体の幅方向の移動が規制される。従って、運搬時等の振動により袋体が幅方向に移動し、袋体の角部が包装箱の周壁と干渉して損傷するのを防止することができる。
【0008】
第2の発明は、四方を囲繞する周壁と、この周壁の上下端を閉鎖する天部及び底部を備え、底側に角部を有する袋体をその内部に格納する包装箱であって、前記袋体の両側部を保持し、その下端から上方に向けて前記袋体の角部が挿通される切抜孔が形成され、かつ前記周壁に対して間隔を隔てて配置された一対の側部保持部を備える、包装箱を提供する。
【0009】
側部保持部は周壁に対して間隔を隔てて配置され、側部保持部の切抜孔に袋体の角部が挿通されるので、袋体の角部と箱本体の周壁との間に隙間が確保される。従って、袋体の角部が包装箱の周壁と干渉して損傷するのを防止することができる。
【0010】
第3の発明は、四方を囲繞する周壁と、この周壁の上下端を閉鎖する天部及び底部を備え、底側に角部を有する袋体をその内部に格納する包装箱であって、底部側から上向に突出し、前記袋体の底をその上端に支持する底支持部と、前記袋体の両側部を保持し、その下端から上端に向けて前記袋体の角部が挿通される切抜孔が形成され、かつ前記周壁に対して間隔を隔てて配置された一対の側部保持部とを備える、包装箱を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示す本発明の実施形態について詳細に説明する。以下、図26を参照して説明した補液袋1を格納する包装箱を例に説明するが、本発明は底部に角部を有する袋体を格納するための包装箱に適用することができる。この種の袋体としては例えばいわゆるレトルトパック等の他の流動物が収容された袋体がある。また、図面において同一の要素には同一の符号を付している。
【0012】
(第1実施形態)
図1から図10は、本発明の第1実施形態を示している。これらの図面のうち、図1は包装箱11を示す斜視図、図2は包装箱11の分解斜視図、図3は仕切材の斜視図、図4は仕切材の平面図、図5は仕切材の分解斜視図、図6は前後仕切板の正面図、図7は側部仕切板の正面図、図8は底支持板の正面図、図9は図1のIX−IX線での断面図、図10は図1のX−X線での断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、包装箱11は箱本体12と、この箱本体12内に配置される仕切材13とを備えている。本実施例では、箱本体12と仕切材13はいずれもダンボール紙からなるが、例えば厚紙のような他の板材からなるものであってもよい。
【0014】
箱本体12は、四方を囲繞する周壁16と、この周壁16を構成する4つの壁面16a,16b,16c,16dの上下端から突出したフラップを備えている。図1及び図2には壁面16a〜16dの上端から突出して天フラップ(天部)を構成する4個のフラップ17a,17b,17c,17dのみが図示されているが、壁面16a〜16dの下端からも同様に底フラップ(底部)を構成する4個のフラップが突出している。
【0015】
図3から図5に示すように、仕切材13は、6枚の前後仕切板18A,18B,18C,18D,18E,18F、一対の側部仕切板(側部保持部)19A,19B、及び一対の底支持板(底支持部)20A,20Bを備え、これらを組み付けて全体として格子状の枠体としている。
【0016】
図5及び図6に示すように、前後仕切板18A〜18Fには、幅方向の両端付近に下端から上方へ向けて延びる差込溝18a,18bが設けられている。これらの差込溝18a,18bは側部仕切板19A,19Bとの組み付けのために設けられている。また、前後仕切板18A〜18Fには、差込溝18a,18bよりも幅方向の中央寄りに下端から上方へ向けて延びる差込溝18c,18dが設けられている。これらの差込溝18c,18dは底支持板20A,20Bとの組み付けのために設けられている。さらに、前後仕切板18A〜18Fの上端には、補液袋1の出し入れの際に補液袋1を手で容易に把持できるようにするための凹部18eが設けられている。
【0017】
図5及び図7に示すように、側部仕切板19A,19Bには、上端から下方へ向けて延びる直線状の6本の差込溝19a,19b,19c,19d,19e,19fが一定間隔を隔てて設けられている。また、側部仕切板19A,19bには、差込溝19a〜19fの対に挟まれた部分に下端から上方へ向けて切抜孔21A,21B,21C,21D,21Eが形成されている。これらの切抜孔21A〜21Eは、幅一定の矩形部21aと、矩形部21aの上端にある半円部21bとを備えている。切抜孔21A〜21Eの矩形部21aの幅方向両側から上向に延びる一対のスリット22a,22bが設けられている。このスリット22a,22bにより、上端側が固定端24aであり切抜孔21A〜21Eの半円部21bに臨む下端側が自由端部24bである舌状可撓部24が形成されている。切抜孔21A〜21E、スリット22a,22b及び舌状可撓部24の機能については後述する。
【0018】
図5及び図8に示すように、底支持板20A,20Bには、上端から下方に向けて延びる直線上の6本の差込溝20a,20b,20c,20d,20e,20fが一定間隔を隔てて設けられている。また、底支持板20A,20Bには、その上端を一定間隔で円弧状に切り抜いてなる5個の支持凹部20g,20h,20i,20j,20kが設けられている。底支持板20A,20Bの機能については後述する。
【0019】
図3及び図4に示すように、側部仕切板19A,19Bの差込溝19a〜19fと、前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a〜18bとを互いに差し込むことにより、側部仕切板19A,19Bと前後仕切板18A〜18Fが平面で格子状に組み付けられる。また、各前後仕切板18A〜18Fの差込溝18c,18dに、底支持板20A,20Bの差込溝20a〜20fを差し込むことにより、底支持板20A,20Bが前後仕切板18A〜18Fに対して取り付けられる。底支持板20A,20Bの下端面と前後仕切板18A〜18Fの下端面とは、ほぼ同一面上にある。
【0020】
箱本体12に収容された仕切材13は、その下面が箱本体12の底に達している。換言すれば、前後仕切板18A〜18F、側部仕切板19A,19B、及び底支持板20A,20Bの下端面が箱本体12の底に当接している。前後仕切板18A〜18Fの幅は、箱本体12の対向する一対の壁面16b,16dの間隔に対応して設定されている。また、側部仕切板19A,19Bの幅は、箱本体12の他の対向する一対の壁面16a,16cの間隔に対応して設定されている。従って、箱本体12に収容されている状態において、各前後仕切板18A〜18Fの両側部の端面と側部仕切板19A,19Bの両側部の端面が箱本体12の周壁16の内面に当接している。
【0021】
前後仕切板18A〜18Fの対と側部仕切板19A,19Bによりそれぞれ1個の補液袋1が格納される5個の袋体格納室26a,26b,26c,26d,26eが形成される。例えば、前後仕切板18A,18Bと側部仕切板19A,19Bとにより囲まれた空間が1個の袋体格納室26aとなっている。図1及び図4を参照すれば明らかなように、袋体格納室26a〜26eに格納された補液袋1は、厚み方向Tの位置が前後仕切板18A〜18Fの対により規制され、幅方向Wの位置が側部規制板19A,19Bにより規制される。すなわち、補液袋1は、その前後面が前後仕切板18A〜18Fにより保持され、その側部が側部規制板19A,19Bにより保持される。
【0022】
前述のように、前後仕切板18A〜18Fの両側部の端面が箱本体12の周壁16の内面に当接している。一方、図3及び図4に示すように、各前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a,18bよりも幅方向外側の部分は側部仕切板19A,19Bの外側に突出している。従って、箱本体12の壁面16b,16eと側部規制板19A,19Bとの間には間隔が存在する。
【0023】
図9に最も明瞭に示されているように、底支持板20A,20Bは箱本体12の底フラップから上向に突出している。図4に最も明瞭に示されているように、底支持板20A,20Bは前後仕切板18A〜18Fの配置方向に、すなわち各袋体格納室26a〜26eに収容された補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延びている。また、各袋体格納室26a〜26eに、底支持板20A,20Bの支持凹部20g〜20kが1個ずつ配置されている。図9に示すように、各袋体格納室26a〜26eに格納された補液袋1はその底部1aが底支持板20A,20Bの上端により支持される。詳細には支持凹部20g〜20kに嵌まり込んだ状態で、補液袋1が底支持板20A,20Bにより支持される。さらに詳細には、補液袋1の内袋3には液体が収容されているので、底支持板20A,20Bはその上端が補液袋1の底部1aに対してわずかに食い込んで状態で補液袋1を支持している。
【0024】
袋体格納室26a〜26eに格納された補液袋1は前記底支持板20A,20Bにより、箱本体12の底から離隔された状態、すなわち宙に浮いた状態で保持される。従って、箱本体12の底と干渉により角部1bにピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、補液袋1は底支持板20A,20Bにより幅方向Wの移動が規制される。従って、運搬時等の振動により補液袋1が幅方向に移動し、箱本体12の周壁16の内面と干渉して損傷するのを防止することができる。特に、、底支持板20A,20Bは補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延び、かつ底支持板20A,20Bはその上端が補液袋1の底部1aに対してわずかに食い込んでいるので、補液袋1の幅方向Wの移動を確実に規制することができる。
【0025】
図9及び図10に示すように、補液袋1の角部1bは切抜孔21A〜21Eから袋体格納室26a〜26eの外側に突出している。前述のように側部仕切板19A,19Bと箱本体12の周壁16の内面との間には間隔が設けられているので、袋体格納室26a〜26eから突出した補液袋1の角部1bと箱本体12の周壁16の内面との間には隙間が確保される。従って、これによっても補液袋1の角部1bと箱本体12の周壁16の内面との干渉を防止することができる。
【0026】
補液袋1を袋体格納室26a〜26eに格納する際に、切抜孔21A〜21Eに向けて降下する補液袋1の角部1bによって舌状可撓部24が押圧され、図5において矢印Aで示すように外向きに撓む。また、補液袋1を袋体格納室26a〜26eから取り出す際にも、切抜孔21A〜21Eから上昇する補液袋1の角部1bによって舌状可撓部24が押圧されて外向きに撓む。従って、補液袋1を袋体格納室26a〜26eに出し入れする際に角部1bに作用する摩擦力が低減され、より確実に袋体の角部1bを保護して損傷を防止することができる。
【0027】
図11(A)に示すように、底支持板20A,20Bの差込溝19a〜19f(図8参照)をなくし、単に底支持板20A,20Bの上端を前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a〜18bに差し込むことにより、底支持板20A,20Bを前後仕切板18A〜18Fに対して取り付けてもよい。これとは逆に、前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a,18bをなくし、底支持板20A,20Bの差込溝20a〜20fに前後仕切板18A〜18Fの下端を差し込むことにより、底支持板20A,20Bを前後仕切板18A〜18Fに対して取り付けもよい。
【0028】
図11(B)に示すように、底支持板20A,20Bは差込溝20a〜20fも支持凹部20g〜20kも備えていない単なる細長い長方形状であってもよい。この場合、底支持板20A,20Bは、上端を前後仕切板18A〜18Fの差込溝18a,18bに差し込むことにより前後仕切板18A〜18Fに対して取り付けられる。この底支持板20A,20Bには支持凹部20g〜20kを設けていないが、上端が補液袋1の底部1aにわずかに食い込むので、補液袋1の幅方向Wの移動を規制することができる。底支持板は1個でもよく、3個以上であってもよい。
【0029】
図12(A)に示すように、側部仕切板19A,19Bの切抜孔21の形状を正面から見て二等辺三角形状としてもよい。図12(B)に示す構造を採用してもよい。この例では、スリット22a,22bのみを設けて切抜孔21A〜21Eを設けておらず、舌状可撓部24が側部仕切板19A,19Bの下端まで延びている。舌状可撓部24にはスリット22a,22bと交差する方向の複数の折り曲げ線を設けており、舌状可撓部24が容易に外向きに撓むようにしてある。補液袋1を袋体格納室26a〜26eから出し入れする際に角部1bは舌状可撓部24の内面に接触した状態を維持したままで昇降するが、舌状可撓部24は容易に外向きに撓むので角部1bには殆ど摩擦力が作用せず、損傷を防止することができる。
【0030】
図13は、第1実施形態の変形例の包装箱11を示している。前後仕切板18A〜18Fに対して2対の側部仕切板19A,19B,19C,19Dが組み付けられており、仕切材13によって補液袋1の幅方向に2列の袋体格納室26が形成されている。また、図示されていないが、袋体格納室の各列に毎に2本の底支持板20A,20B(図3及び図4参照)が設けられている。3対以上の側部仕切板を設け、3列以上の袋体格納室を形成してもよい。
【0031】
(第2実施形態)
図14から図18は、本発明の第2実施形態を示している。これらの図面のうち、図14は包装箱11の分解斜視図、図15は図14のXV−XV線での断面図、図16は底部トレー32の展開図、図17は底部トレー32の斜視図、図18は側部保持板33A,33Bの展開図である。
【0032】
図14に示すように、包装箱11は、箱本体12と、前後仕切板18A〜18F及び側部仕切板19A,19Bを有する仕切材13と、保持材31とを備えている。箱本体12の構造は第1実施形態と同一である。
【0033】
仕切材13は一対の側部仕切板19A,19Bの間隔が第1実施形態と異なる。第1実施形態では、図9に示すように側部仕切板19A,19Bの間隔は補液袋1の幅に対応して設定しており、側部仕切板19A,19Bにより補液袋1の幅方向Wの位置が規制される。これに対して、第2実施形態では、図15に示すように、側部仕切板19A,19Bの間隔は補液袋1との間に十分な間隔が確保されるように広く設定している。また、側部仕切板19A,19Bには切抜孔21A〜21F及びスリット22a,22b(いずれも図7参照)は設けられていない。
【0034】
保持材31は、袋体格納室26a〜26fの底に配置される底部トレー32と、下端が底部トレー32の端部に嵌め込まれて袋体格納室26a〜26f内を上方に向けて延びる一対の側部保持板(側部保持部)33A,33Bとを備えている。図14では1組の保持材31のみが図示されているが、すべての袋体格納室26a〜26fにそれぞれ保持材31が配置される。底部トレー32は、上方が開口した細長い直方体状であり、平面視での外形は袋体格納室26a〜26fの平面視での形状に対応している。
【0035】
図16及び図17に示すように、底部トレー32は、折り曲げ線(図16において点線で示す)を介して連結され、四方を囲繞する周壁34を構成する4つの壁面34a,34b,34c,34dを備えている。図14に示すように、4つの壁面34a〜34dのうち、壁面34a,34cが袋体格納室26a〜26fに格納された補液袋1の幅方向Wに延び、壁面34b,34dが袋体格納室26a〜26fに格納された補液袋1の厚み方向Tに延びている。壁面34b,34dには折り曲げ線を介して底フラップの一部を構成する外フラップ35a,35bの一端が連結されている。この外フラップ35a,35bの他端には折り曲げ線を介して底支持部36a,36bが設けられている。底支持部36a,36bの先端には半円状に切り抜いた支持凹部37が形成されている。
【0036】
壁面34a,34cには折り曲げ線を介して底フラップの一部を構成する内フラップ38a,38b,38c,38dが設けられている。また、壁面34a,34cには折り曲げ線を介して一対の中央フラップ39a,39bが設けられている。これら中央フラップ39a,39bの先端にはそれぞれ段部40が設けられている。さらに、壁面34aの端部には折り曲げ線を介して糊付け用のタブ41が設けられている。
【0037】
図15から図17を参照すれば明らかなように、底部トレー32は、タブ41を壁面34dに糊付けすることにより4つの壁面34a〜34dからなる周壁34を形成し、それらの先端を段部40によって互い係合させて中央フラップ39a,39bと、折り曲げられた内フラップ38〜38dとの間に外フラップ35a,35bに連接された底支持部36a,36bを差し込むことにより形成されている。従って、図14及び図15に示すように、底支持部36a,36bは底部トレー32の底から上向に突出している。また、底支持部36a,36bは袋体格納室26a〜26fに格納された補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延びている。底支持部36a,36bの上向の姿勢は中央フラップ39a,39bと内フラップ38a〜38dにより底支持部36a,36bが挟み込まれることにより保持されている。
【0038】
図14及び図18に示すように、側部保持板33A,33Bは全体として細長い長方形状であり、本体33aの両端に折り曲げ線を介して一対のスペーサ部33b,33cが設けられている。これらのスペーサ部33b,33cは本体33aに対して同方向に折り曲げられている。このスペーサ部33b,33cにより、側部保持板33A,33Bの本体33aと底部トレー32の周壁34の内面との間に間隔が確保されている。
【0039】
側部保持板33A,33Bの本体33aには、下端から上方に向けて切抜孔43が形成されている。この切抜孔43は、幅一定の矩形部43aと、矩形部43aの上端にある半円部43bを備えている。切抜孔43の矩形部43aの幅方向両側から上向に延びる一対のスリット44a,44bが設けられている。このスリット44a,44bにより、上端側が固定端46aであり切抜孔43の半円部43bに臨む下端側が自由端部46bである舌状可撓部46が形成されている。
【0040】
図15に示すように、各袋体格納室26a〜26fに格納された補液袋1は、その前後面が前後仕切板18A〜18Fにより保持され、その側部が側部保持板33A,33Bにより保持される。また、補液袋1は、その底部1aが支持凹部37に嵌まり込んだ状態で、底支持部36a,36bにより支持される。底支持部36a,36bはその上端が補液袋1の底部1aに対してわずかに食い込んで状態で補液袋1を支持している。従って、補液袋1は底部トレー32の底に対して浮いた状態で保持されるので、底部トレー32の底との干渉により角部1bにピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、補液袋1は底支持部36a,36bにより幅方向Wの移動が規制されるので、底部トレー32の周壁34の内面との干渉によって角部1bが損傷するのを防止することができる。特に、底支持部36a,36bは補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延び、かつその上端が補液袋1の底部1aにわずかに食い込んでいるので、補液袋1の幅方向Wの移動を確実に規制することができる。
【0041】
図15に示すように、補液袋1の角部1bは各側部保持板33A,33Bの切抜孔43から外側に突出している。前述のように側部保持板33A,33Bと底部トレー32の周壁34の内面との間には間隔が設けられているので、袋体格納室26a〜26fから突出した補液袋1の角部1bと底部トレー32の周壁34の内面との間には隙間が確保される。従って、これによっても補液袋1の角部1bと底部トレー32の周壁34の内面との干渉を防止することができる。
【0042】
補液袋1を袋体格納室26a〜26fから出し入れする際には、補液袋1の角部1bは舌状可撓部45を外向きに撓ませつつ、切抜孔43に対して出入りする。従って、補液袋1を袋体格納室26a〜26fに出し入れする際に角部1bに作用する摩擦力が低減され、より確実に袋体の角部1bを保護して損傷を防止することができる。
【0043】
図19及び図20は、底部トレー32の他の例を示している。図16及び図17に示す底部トレー32では、一対の中央フラップ39a,39bの先端を係合させる構成としていた。これに対して、この図19及び図20に示す底部トレー32は、折り曲げ線を介して周壁34の壁面34cに一端が連接された単一の中央フラップ39を備えている。この中央フラップ39には、幅方向に延びる複数本(この例では2本)の折り曲げ線が設けられている。図20に示すように、底支持部36a,36bは、折り曲げ線で僅かに折り曲げた状態の中央フラップ39と内フラップ38a〜38dとの間に挟み込まれることにより、上向に突出した姿勢が保持される。底支持部36a,36bを外フラップ35a,35bとの間の折り曲げ線で折り曲げようとする力は、前記僅かに折り曲げられた中央フラップ39により確実に支承される。従って、補液袋1の重量が比較的重い場合でも、底支持部36a,36bは上向に突出した姿勢を確実に維持する。図19及び図20に示す底部トレー32のその他の構造は、図16及び図17に示すものと同一である。
【0044】
(第3実施形態)
図21から図24は、本発明の第3実施形態を示している。これらの図面のうち、図21は包装箱11の斜視図、図22はXXII−XXII線での断面図、図23は箱本体の展開図、図24は側部保持板の展開図である。
【0045】
第1実施形態及び第2実施形態の包装箱11は、いずれも仕切材13によって箱本体12に複数の袋体格納室26a〜26eを設け、複数の補液袋1を格納可能な構造である。これに対して、第3実施形態の包装箱11は、単一の補液袋1を格納するためのものであり、箱本体51と、一対の側部保持板53A,53Bとを備えている。
【0046】
箱本体51は、第2実施形態における底部トレー32(図16及び図17参照)の周壁34の高さを高く設定してその中に1個の補液袋1を格納可能としたものである。詳細には、箱本体51は、折り曲げ線(図16において点線で示す)を介して連結され、四方を囲繞する周壁54を構成する4つの壁面54a,54b,54c,54dを備えている。図21に示すように、4つの壁面54a〜54dのうち、壁面54a,54cが箱本体51内に格納された補液袋1の幅方向Wに延び、壁面54b,54dが箱本体51内に格納された補液袋1の厚み方向Tに延びている。壁面54b,54dの一方側には折り曲げ線を介して底フラップ(底部)の一部を構成する外フラップ55a,55bの一端が連結されている。この外フラップ55a,55bの他端には折り曲げ線を介して底支持部56a,56bが設けられている。底支持部56a,56bの先端は半円状に切り抜いて支持凹部57が形成されている。また、壁面54b,54dの他方側には折り曲げ線を介して天フラップ(天部)を構成する内フラップ58a,58bが設けられている。
【0047】
壁面54a,54cの一方側には折り曲げ線を介して底フラップの一部を構成する内フラップ59a,59b,59c,59dが設けられている。また、壁面54a,54bの一方側には折り曲げ線を介して一対の中央フラップ61a,16bが設けられている。これら中央フラップ61a,61bの先端にはそれぞれ段部62が設けられている。壁面54cの他方側には、折り曲げ線を介して天フラップの一部を構成する外フラップ63が設けられている。さらに、壁面54aの端部には折り曲げ線を介して糊付け用のタブ64が設けられている。
【0048】
図21から図23を参照すれば明らかなように、箱本体51は、タブ64を壁面54dに糊付けすることにより4つの壁面54a〜54dからなる周壁54を形成し、それらの先端を段部62によって互い係合させて中央フラップ61a,61bと、折り曲げられた内フラップ59a〜59dとの間に外フラップ55a,55bに連接された底支持部56a,56bを差し込むことにより形成されている。従って、図22に示すように、底支持部56a,56bは箱本体51の底から上向に突出している。また、底支持部56a,56bは箱本体51に格納された補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延びている。底支持部56a,56bの上向の姿勢は中央フラップ61a,61bと内フラップ59a〜59dにより底支持部56a,56bが挟み込まれることにより保持されている。図19及び図20に示す折り曲げ線を設けた単一の中央フラップ39を採用してもよい。
【0049】
箱本体51の周壁54を構成する壁面54a〜54dのうち、壁面54a,54bが補液袋1の前後面を保持して厚み方向Tの位置を規制する。一方、壁面54c,54dは補液袋1の幅方向Wの両側部に対応している。
【0050】
側部保持板53A,53Bは、第2実施形態と同様の構造である。図22及び図24に示すように、側部保持板53A,53Bは全体として細長い長方形状であり、本体53aの両端に折り曲げ線を介して一対のスペーサ部53b,53cが設けられている。これらのスペーサ部53b,53cは本体53aに対して同方向に折り曲げられている。このスペーサ部53b,53cにより、補液袋1の側部を保持する側部保持板53A,53Bの本体53aと箱本体51の周壁54の内面との間に間隔が確保されている。
【0051】
側部保持板53A,53Bの本体53aには、下端から上方に向けて切抜孔66が形成されている。この切抜孔66は、幅一定の矩形部66aと、矩形部66aの上端にある半円部66bとを備えている。切抜孔66の矩形部66aの幅方向両側から上向に延びる一対のスリット67a,67bが設けられている。このスリット67a,67bにより、上端側が固定端68aであり切抜孔66の半円部66bに臨む下端側が自由端部68bである舌状可撓部68が形成されている。
【0052】
図22に示すように、箱本体51に格納された補液袋1は、その底部1aが支持凹部57に嵌まり込んだ状態で、底支持部56a,56bにより支持される。底支持部56a,56bはその上端が補液袋1の底部1aに対してわずかに食い込んで状態で補液袋1を支持している。従って、補液袋1は箱本体51の底に対して浮いた状態で保持されるので、箱本体51の底との干渉により角部1bにピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、底支持部56a,56bにより補液袋1の幅方向Wの移動が規制される。従って、箱本体51の周壁54の内面との干渉によって角部1bが損傷するのを防止することができる。特に、補液袋1の幅方向Wと交差する方向に延び、かつその上端が底部1aに対してわずかに食い込んでいるので、補液袋1の幅方向Wの移動が確実に規制される。
【0053】
図22に示すように、補液袋1の側部は側部保持板53A,53Bに当接して保持され、側部保持板53A,53Bにより補液袋1の幅方向Wの位置が規制される。補液袋1の角部1bは各側部保持板53A,53Bの切抜孔66から外側に突出している。前述のように側部保持板53A,53Bと箱本体51の周壁54の内面との間には間隔が設けられているので、補液袋1の角部1bと箱本体51の周壁54の内面との間には隙間が確保される。従って、これによっても補液袋1の角部1bと箱本体51の周壁54の内面との干渉を防止することができる。
【0054】
補液袋1を箱本体51から出し入れする際には、補液袋1の角部1bは舌状可撓部68を外向きに撓ませつつ、切抜孔66に対して出入りする。従って、補液袋1を箱本体51に出し入れする際に角部1bに作用する摩擦力が低減され、より確実に袋体の角部1bを保護して損傷を防止することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、袋体の底は包装箱の底側から上向に突出する底支持部の上端に支持されるので、袋体の角部は包装箱の底から離隔された状態、すなわち宙に浮いた状態で保持される。従って、包装箱の底との干渉により袋体の角部にピンホール等の損傷が生じるのを防止することができる。また、底支持部により袋体の幅方向の移動が規制される。従って、運搬時等の振動により袋体が幅方向に移動し、袋体の角部が包装箱の周壁と干渉して損傷するのを防止することができる。さらに、側部保持部は周壁に対して間隔を隔てて配置され、側部保持部の切抜孔に袋体の角部が挿通されるので、袋体の角部と箱本体の周壁との間に隙間が確保され、袋体の角部が包装箱の周壁と干渉して損傷するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す分解斜視図である。
【図3】仕切材を示す斜視図である。
【図4】仕切材を示す平面図である。
【図5】仕切材を示す分解斜視図である。
【図6】(A)及び(B)は前後仕切板を示す正面図である。
【図7】側部仕切板を示す正面図である。
【図8】底支持板を示す正面図である。
【図9】図1のIX−IX線での断面図である。
【図10】図1のX−X線での断面図である。
【図11】(A)及び(B)は底支持板の他の例を示す正面図である。
【図12】(A)及び(B)は側部仕切板の他の例を示す断面図である。
【図13】本発明の第1実施形態の変形例に係る包装箱を示す斜視図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る包装箱を示す分解斜視図である。
【図15】図14のXV− XV線での断面図である。
【図16】底部トレーの展開図である。
【図17】底部トレーを底面側から見た斜視図である。
【図18】側部保持板の展開図である。
【図19】底部トレーの他の例を示す展開図である。
【図20】底部トレーの他の例を底面側から見た斜視図である。
【図21】本発明の第3実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【図22】図21のXXII−XXII線での断面図である。
【図23】箱本体の展開図である。
【図24】側部保持板の展開図である。
【図25】従来の包装箱を示す分解斜視図である。
【図26】補液袋を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 補液袋
1a 底部
1b 角部
3 内袋
4 外袋
11 包装箱
12 箱本体
13 仕切材
16 周壁
17a,17b,17c,17d フラップ
18A,18B,18C,18D,18E,18F 前後仕切板
19A,19B,19C,19D 側部仕切板
20A,20B 底支持板
20g,20h,20i,20j,20k 支持凹部
21A,21B,21C,21D,21E 切抜孔
21a 矩形部
21b 半円部
22a,22b スリット
24 舌状可撓部
24a 固定端
24b 自由端
26a,26b,26c,26d,26e 袋体格納室
31 保持材
32 底部トレー
33A,33B 側部保持板
33a 本体
33b,33c スペーサ部
34 周壁
36a,36b 底支持部
37 支持凹部
43 切抜孔
43a 矩形部
43b 半円部
44a,44b スリット
45 舌状可撓部
46a 固定端
46b 自由端
51 箱本体
53A,53B 側部保持板
53a 本体
53b,53c スペーサ部
54 周壁
56a,56b 底支持部
57 支持凹部
66 切抜孔
66a 矩形部
66b 半円部
67a,67b スリット
68 舌状可撓部
68a 固定端
68b 自由端
T 厚み方向
W 幅方向
Claims (3)
- 四方を囲繞する周壁と、この周壁の上下端を閉鎖する天部及び底部を備え、底側に角部を有する袋体をその内部に格納する包装箱であって、
底部側から上向に突出し、前記袋体の底をその上端に支持する底支持部を備える、包装箱。 - 四方を囲繞する周壁と、この周壁の上下端を閉鎖する天部及び底部を備え、底側に角部を有する袋体をその内部に格納する包装箱であって、
前記袋体の両側部を保持し、その下端から上方に向けて前記袋体の角部が挿通される切抜孔が形成され、かつ前記周壁に対して間隔を隔てて配置された一対の側部保持部を備える、包装箱。 - 四方を囲繞する周壁と、この周壁の上下端を閉鎖する天部及び底部を備え、底側に角部を有する袋体をその内部に格納する包装箱であって、
底部側から上向に突出し、前記袋体の底をその上端に支持する底支持部と、
前記袋体の両側部を保持し、その下端から上端に向けて前記袋体の角部が挿通される切抜孔が形成され、かつ前記周壁に対して間隔を隔てて配置された一対の側部保持部と
を備える、包装箱。
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-05-30 JP JP2002157718A patent/JP2004001806A/ja active Pending
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