JP2004001260A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力画像データに擬似中間調処理を施して出力用画像データを生成する擬似中間調処理部が、特定の周期構造を持たない誤差拡散法などの擬似中間調処理方法によって擬似中間調処理を行なうものであり、解像度に基づいて算出される1画素の長さをLpとし、感光体ドラム1上での照射光のビーム径をDとしたとき、D<Lpを満たす。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に関するものである。詳しくは、擬似中間調処理で得られた画像データに基づいて強度変調したビーム状の照射光を像担持体に照射して潜像を形成し、その潜像を現像して画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置として、像担持体としての感光体ドラムと、帯電手段と、露光装置と、現像装置とを備えた電子写真プロセスを用いる画像形成装置が知られている。この画像形成装置の感光体ドラムは導体の表面に感光体を塗布することによって形成され、所定方向に回転駆動される。帯電手段は、感光体の表面を所望の電位に帯電する。露光装置は、感光体を露光して所望の画像に対応する静電潜像を感光体上に形成する。現像装置は、露光装置によってつくられた静電潜像をトナーによって現像し感光体上にトナー像を形成する。感光体上のトナー像は、紙などの転写体上に転写され、定着手段で加熱されて転写体上に定着される。
【0003】
上記電子写真プロセスを用いる画像形成装置での露光装置は、光源としてのLD(レーザーダイオード)を画像データに基づいて制御し、LDから感光体に照射されるレーザー光の強度を変調する。この強度変調されたレーザー光は、コリメートレンズ、アパーチャー、シリンドリカルレンズ、ポリゴンミラー、f−θレンズを介して、感光体上に結像され、感光体上で走査される。これにより、所望の画像に対応する静電潜像を感光体上に形成することができる。
【0004】
また、スキャナー等の画像入力部で読み取られた入力画像データは画像処理部に送られる。画像処理部では入力画像データに対してフィルタ処理、γ変換処理、擬似中間調処理といった各種画像処理を行い、処理結果を出力用画像データとしてビデオ信号処理部へと受け渡す。ビデオ信号処理部では、この出力用画像データを画像信号へと変換し、所定のタイミングで上記LDを駆動させる。
【0005】
ここで、上記入力画像データは、例えば写真などのピクトリアル画像では1画素あたり8〜12bitの多値データを持つ。これに対して紙等の転写体上に出力される画像を形成する画像形成装置(電子写真方式を含む)では、1画素あたりで表現が可能な階調数は実質的には非常に少ない。このような問題を解決するために、画像形成装置では、解像度を600dpi、1200dpiなどと向上させ、複数の画素を使用して画像濃度を面積的に変調して、擬似的に中間調の画像を表示する。この入力画像データを、擬似的な中間調画像に変換する工程で施される画像処理が、擬似中間調処理である。
擬似中間調処理は、一般的にAMスクリーンとFMスクリーンに大きく分けることができる。AMスクリーンの代表的な方法としては、ディザ法がある。ディザ法の詳細の説明は省略するが、ディザ法では一定の周期で配列された網点を形成し、網点の大きさを変えることによって、中間調の表現をおこなう。ディザ法は上述したように中間調処理後の画像が、一定の周期構造を持つといった特徴をもつ。
これに対して、FMスクリーンの代表的な方法としては、誤差拡散法がある。誤差拡散法についても詳細の説明は省略するが、誤差拡散法ではトナー付着部分(レーザーによって書き込みをおこなう部分)の密度を変化させることによって面積階調をおこない、中間調の表現をおこなう。このようにトナー付着部分の密度を変化させるため、画像は一定の周期を持たず、その空間周波数のスペクトラムはブロードな山形になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電子写真方式の画像形成装置では、中間調処理方法はAMスクリーンに属するディザ方が主流である。これは、画質項目である(1)粒状性(ざらつき感)、(2)階調性、(3)色モアレ、及び(4)計算負荷から判断して、電子写真方式ではディザ法を採用した方が、画質が優れているためである。特に、誤差拡散法を電子写真方式の画像形成装置に採用した場合には、上記画質項目(1)の「粒状性(ざらつき感)」が非常に悪いことが、電子写真方式において誤差拡散法が採用されていない理由となっている。
ところが、上記電子写真方式の画像形成装置で主流となっているディザ法は、次のような問題点を有している。すなわち、▲1▼周期的構造を持つような入力画像データが入力された場合にモアレが発生する、▲2▼一定の範囲内での濃度が保存されにくく階調再現性が悪い、▲3▼カラー画像形成装置においては色モアレなどが発生する、等の問題点を有している。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものである。その目的は、モアレが発生しにくく階調再現性にも優れた誤差拡散法などの周期構造を持たない擬似中間調処理方法を採用した場合でも、「粒状性」の悪化を抑制することができる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、入力画像データに擬似中間調処理を施して出力用画像データを生成する擬似中間調処理手段と、該出力用画像データに基づいてビーム状の照射光を該像担持体に照射して潜像を形成する露光装置と、該像担持体上の潜像を現像する現像装置とを備え、該擬似中間処理手段が、特定の周期構造を持たない擬似中間調処理方法によって擬似中間調処理を行なうものである画像形成装置において、解像度に基づいて算出される1画素の長さをLpとし、該像担持体上での該照射光のビーム径をDとしたとき、D<Lpを満たすことを特徴とするものである。
請求項1の画像形成装置では、擬似中間調処理手段で特定な周期構造を持たない擬似中間調処理方法によって擬似中間処理を行ない、出力用画像データを生成することにより、次の▲1▼及び▲2▼のような効果が得られる。
▲1▼モアレが発生することのなく中間調を表現することができる。
▲2▼書き込みの位置ズレなどの影響が画像上に現れることなく中間調を表現することができる。
従来、このような効果が得られる特定な周期構造を持たない擬似中間調処理を行なった場合、「粒状性」が悪化し、本来均一であるべき画像領域においてざらついた印象を与えることが問題となっていた。特に写真などのピクトリアル画像においては画質劣化の非常に大きな原因となっていた。この画質劣化について本発明者が鋭意研究を行なった結果、画像(潜像)の空間周波数によって微視的な現像電界が変化することが関連していることがわかった。すなわち、低い空間周波数の画像部分については潜像のトナー付着予定領域のサイズが比較的大きく、像担持体の表面に沿った方向での現像電界強度の空間分布がブロードになる。その結果、低い空間周波数の画像部分では各画素におけるトナー付着面積が大きくなり、「粒状性」が悪化してざらついた画像になってしまう。このように擬似中間調処理後の画像データには本来存在しないような低周波の濃度変動が現像後の画像には発生するといった問題を引き起こす。
そこで、請求項1の画像形成装置では、上記照射光のビーム径Dを、解像度に基づいて算出される1画素の長さLpよりも小さくしている。これにより、擬似中間調処理法として、特定な周期構造を持たない擬似中間調処理方法を使用しても、上記現像電界の空間周波数依存性の影響を受けやすい低空間周波数の画像部分が発生しにくくなる。従って、低空間周波数の画像部分の発生に起因した粒状性の悪化を抑制することができる。
【0009】
請求項2の発明は、像担持体と、入力画像データに擬似中間調処理を施して出力用画像データを生成する擬似中間調処理手段と、該出力用画像データに基づいてビーム状の照射光を該像担持体に照射して潜像を形成する露光装置と、該像担持体上の潜像を現像する現像装置とを備え、該擬似中間処理手段が、特定の周期構造を持たない擬似中間調処理方法によって擬似中間調処理を行なうものであり、該露光装置における光源が複数の発光部を有するものである画像形成装置において、解像度に基づいて算出される1画素の長さをLpとし、該像担持体上での各発光部からの照射光のビーム径をDとしたとき、D<Lpを満たすことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記光源が、1チップ上に複数の発光部がアレイ状に配列された発光部材であるものである。
請求項4の発明は、像担持体と、入力画像データに擬似中間調処理を施して出力用画像データを生成する擬似中間調処理手段と、該出力用画像データに基づいてビーム状の照射光を該像担持体に照射して潜像を形成する露光装置と、該像担持体上の潜像を現像する現像装置とを備え、該擬似中間処理手段が、特定の周期構造を持たない擬似中間調処理方法によって擬似中間調処理を行なうものであり、該像担持体が、電荷発生層の上に電荷輸送層が形成された積層型の感光体である画像形成装置において、解像度に基づいて算出される1画素の長さをLpとし、該像担持体上での該照射光のビーム径をDとしたとき、D<Lpを満たすことを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記像担持体の電荷輸送層の膜厚が10μm以上、30μm以下であることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、上記特定の周期構造を持たない擬似中間調処理法が、誤差拡散法であることを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、上記解像度が600dpi以上であることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像形成装置において、各画素に対する上記照射光のデューティー比が50%以下であることを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の画像形成装置において、上記像担持体上の潜像を現像して得られた互いに異なる色の複数のトナー像を転写体に重ね合わせてカラー画像を形成することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を電子写真式のカラー画像形成装置(以下「画像形成装置」という。)に適用した実施形態について説明する。
図2は本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置7、定着装置8等を備えている。帯電装置2は、図中矢印方向に回転する感光体ドラム1の表面を所望の電位に帯電する。露光装置3は、感光体ドラム1の表面を露光して、所望の画像に対応する静電潜像を感光体ドラム1上に形成する。現像装置4は、露光装置3によって形成された静電潜像をトナーによって現像し、感光体ドラム1上にトナー像を形成する。転写装置5は、感光体ドラム1上のトナー像を不図示の搬送手段によって搬送される紙などの転写体としての記録シート6上に転写する。クリーニング装置7は、転写装置5で記録シート6上に転写されず感光体ドラム表面に残ったトナーを清掃する。転写装置5によってトナー像を転写された記録シート6は定着装置8へ搬送される。定着装置8ではトナーは加熱され、記録シート6上に定着される。
感光体ドラム1は図2中の矢印方向に回転するため、上記帯電、露光、現像、転写などの工程を繰り返すことによって記録シート6上に所望の画像が形成されていく。
【0011】
本画像形成装置の露光装置3は、いわゆるLD(レーザーダイオード)から出射したビーム状のレーザー光を出力画像に対応させて光変調を行う。このLDから発光されたレーザー光は、いわゆるコリメートレンズ、アパーチャー、シリンドリカルレンズ、ポリゴンミラー、f−θレンズを介して、感光体ドラム1上に結像するようになっている。ポリゴンミラーは、回転する多面鏡であり、この回転によってレーザー光が感光体ドラム1上を走査するようになっている。このため、感光体ドラム表面を露光して、所望の画像に対応する静電潜像を形成することができる。
【0012】
図3は画像処理部10を含む制御系の要部を示すブロック図である。画像入力部11はデジタル複写機などのスキャナーに相当し、原稿を読み取った入力画像データを画像処理部10に送る。画像処理部10のMTFフィルタ処理部101、γ変換処理部102及び擬似中間処理手段としての擬似中間処理部103では、上記入力画像データに対してフィルタ処理、γ変換処理、擬似中間調処理といった各種画像処理を行う。そして、その処理結果を出力用画像データとしてビデオ信号処理部12へと受け渡す。ビデオ信号処理部12では、この出力用画像データを画像信号へと変換し、所定のタイミングで上記露光装置3のLDを駆動させる。また、複数のLDを搭載した画像形成装置では、このビデオ信号処理部12において、使用するLDごとに画像信号を配分していく。
【0013】
次に、本実施形態の画像形成装置のより具体的な実施例について、比較例とともに説明する。
(実施例1)
実施例1の感光体ドラム1は導体(アルミニウムなど)の表面に、感光体を膜厚25μmで塗布することによって形成され、図2中の矢印方向に回転する。この感光体は、いわゆるCT層20μm、CG層1μm、UL層4μmの積層型OPCである。感光体ドラム1の直径は60mmであり、周速は230mm/secである。
帯電装置2は、いわゆる接触ローラ型の帯電装置であり、芯金上にいわゆる中抵抗の導電性をもつ弾性層(厚み3mm)が形成された構成の帯電ローラに、電源によって直流電圧(−1.21kV)を印加し、感光体を均一(−550V)に帯電する。
露光装置3は、帯電装置2で均一に帯電された感光体の表面に、目的の画像に対応した光を照射することによって、静電潜像を形成する。露光装置の光源はLD(レーザーダイオード)であり、ポリゴンミラーによって、感光体上をレーザービームで照射しながら走査していく。いわゆるビーム径は主走査方向30μm、副走査方向30μmである。
現像装置4はいわゆる2成分現像装置であり、トナー(体積平均粒径5.5μm)とキャリア(粒径35μm)をトナー濃度6.5%に混合した現像剤が現像容器内には収納されている。この現像装置4では、この現像剤を現像スリーブ4aによって、感光体−現像スリーブ対向部へと搬送する。感光体−現像スリーブ間の距離、いわゆる現像ギャップは0.3mmである。現像スリーブ4aには図示しない電源により直流電圧(−400V)が印加され、感光体上の静電潜像に対応してトナーが感光体上に付着する反転現像が行なわれる。また、現像スリーブ4aの周速は460mm/secである。感光体ドラム1の周速に対する現像スリーブ4aの周速の比(周速比)は2.0である。
転写装置5は、現像装置4で現像されたトナー像を不図示の給紙手段から搬送された記録シート6上に転写する。実施例1の転写装置5は2つのローラ5aに掛け回された転写ベルト5bと図示しない電源とからなり、電源から転写ベルト5bに電圧が印加される。印加する電圧は定電流制御とし、30μAである。
クリーニング装置7は弾性体から形成されるブレード7a等によって構成され、感光体ドラム1上の残留トナー像、いわゆる転写残トナーのクリーニングを行う。
転写装置5によっての紙等の記録シート6上に転写されたトナー像は、定着装置8に搬送され、定着装置8で加熱加圧することによってトナー像が記録紙シート6上に定着され、画像形成装置機外へと排出され、出力画像となる。
本実施例1においても、上述の帯電、露光、現像、転写、クリーニング、定着の工程を繰り返すことによって、所望の画像を記録シート上に形成することが可能になる。
【0014】
図4は実施例1の露光装置3の概略構成図である。実施例1では、2つのLD(レーザーダイオード)301を搭載している。LD301からのレーザー光は、いわゆるコリメートレンズ302、NDフィルタ303、アパーチャー304、シリンドリカルレンズ305を介して、ポリゴンミラー306へと照射される。実施例1のポリゴンミラー306は6面タイプであり、27165.4rpmの回転数で回転している。ポリゴンミラー306で反射されたレーザー光は、f−θレンズ307、310、折り返しミラー308、309を介して、感光体ドラム表面1a上で結像するようになっている。実施例1では、レーザービームの感光体ドラム表面1a上でのビーム径は、30μm(主走査方向)×30μm(副走査方向)になるように調整されている。実施例1ではf−θレンズ307、310はプラスチックを成形加工したプラスチックレンズであり、AC面(自由曲面)によってレンズ形状の設計がなされており、この結果、30μm(主走査方向)×30μm(副走査方向)というきわめて細いビーム径Dを実現している。また、レーザー光はポリゴンミラー306が回転することによって、感光体ドラム表面1a上を走査する。実施例1では、解像度600dpiの画像形成装置であり、1画素(ピクセル:pixel)の大きさは、42.3μm×42.3μmである。実施例1では、1画素あたりを33.8nsecの時間で移動しながら、感光体ドラム表面1aにレーザービームを照射していく。このとき、いわゆる画素クロックは29.6MHzであり、29.6MHzの周波数でLD301を光変調することを意味している。
また、実施例1では、上述のようにレーザー光がポリゴンミラー306の回転によって、感光体ドラム表面上を走査するが、非画像領域にレーザー光が位置するときに、図4に図示された同期検知板311に、レーザー光が入射するようになっている。この同期検知板311は、レーザービームの入射によって基準信号が発生するような機構を有する。この基準信号に基づいて、画像書き出し位置のタイミング、いわゆる画素クロックを形成するクロック信号のリセットを行うようになっている。これにより、感光体ドラム表面上の所定の位置に、光変調をなされたレーザー光を入射することができるようになっている。
また、実施例1は、1画素あたり16階調の階調表現が可能な、いわゆる4bit書きこみを行うことができるように、LD301のパルス幅を16段階で変化させて、このような多値書きこみを行っている。しかしながら、これはLD301のパルス幅変調が4bitであることを意味するものではない。実施例1では、LD発光のパルス幅は、上述の階調差を形成するほかに、LD間の積分光量の差を調整する役目を持つため、8bitでハルス幅変調が可能である。
【0015】
次に、実施例1の画像処理部10の説明を行う。実施例1の画像形成装置は、レーザープリンタタイプであるあるため、入力画像データはパソコンなどからの多値(8bit)画像であると想定する。デジタル複写機などの場合には、原稿を読み取るスキャナが付加され、このスキャナ部から入力データが送られてくると考える。
入力画像データは、図3に示す画像処理部10において、MTFフィルタ処理部101において強調処理され、次いでγ補正処理部102により濃度制御される。次いで誤差拡散処理部103により擬似中間調処理がほどこされ、出力用画像データとして、画像出力側(LD駆動側)へと引き渡される。
MTFフィルタ処理部101では、一定サイズのマトリクス内の各画素データと予め定められたフィルタ係数を用いて積和計算を行い画像中のエッジを強調する。MTFフィルタ処理は従来の技術と同一であるので、詳細の説明は省略する。
γ補正処理部102は出力画像の濃度を決める変換処理を行い、このとき濃度特性の設定は、予め用意された複数の濃度特性から選択された1種類を、システムバス13を通してγ変換処理に設定することにより行う。γ変換補正処理部102は従来の技術と同一であるので詳細な説明は省略する。
【0016】
次に、図5を用いて誤差拡散処理部103について説明する。誤差拡散処理部103は、加算部103aと量子化部103bと誤差演算部103cと誤差記憶部103dと補正値演算部103eとを備えている。
図6は、図5に示された補正値演算部103eにおける演算で用いられるウェイトマトリクスを示す図である。ここで、図6に示された数値は対応する画素における誤差の重みを意味し、Aは注目画素をあらわす。なおウェイトマトリクスにおいては様々な構成が考えられ、図6に示された構成(ウェイトマトリクスA)に限られるものではない。また、上記ウェイトマトリクスは補正値演算部103eに含まれた記憶部にあらかじめ記憶される。
まず、補正値演算部103eは誤差記憶部103dから量子化済み画素の誤差ex+j、y+jを読み出し、この誤差に対応するウェイトマトリクスを内蔵された上記記憶部から読み出す。そして、以下のようにこの誤差ex+j、y+jと対応するウェイトマトリクスとを画素毎に積算しこの画素毎積を加算するともにウェイトマトリクスの重みの和で除算して補正値Ex、yが算出される。
ここで、補正値Ex、yは例として図6に示されたウェイトマトリクスを用いて展開すると次式のようにあらわすことができる。
【数1】
【0017】
そして、次に入力画像データdx、yと補正値Ex、yが加算部103aで加算され、補正画素データDx、yが出力される。次に、量子化部103bによって補正画素データDx、yが量子化される。より具体的には、量子化部103bは実施例1では2であり、出力用画像データは0または1の値をとる。
そして、誤差演算部103cは補正画素データDx,yと出力用画像データOx、yおよびあらかじめ定められた値B(実施例1では量子化数が2であるため、255)に応じて注目画素における誤差ex、yが次式により算出される。
【数2】
【0018】
実施例1では、量子化数は2であるが別の値であっても全くかまわない。通常の多値誤差最小法では、Ox,y×Bの値は、0から入力画像データの最大値(たとえば255)の間で出力画像データOx、yの量子化数に応じて等分された値とされるが、任意の値としてもよい。その場合には出力画像画像データOx、yに応じた値を予め定められたルックアップテーブルなどが用いられる。
【0019】
上述のようにして画像処理部10において処理を施された結果は、出力用画像データとして次工程であるビデオ信号処理部12へと送られる。ビデオ信号処理部12では前述の出力用画像データを受け取り、発光部の数(実施例1では2LD)分のデータをラインメモリ上に記憶し、前述のポリゴンミラー306の回転に合わせて(いわゆる同期信号)、光変調信号としてLD駆動ドライバー部へと出力する。LD駆動ドライバー部では前述の2個のLD301を同時に駆動することによって、感光体ドラム表面1a上に所望の潜像を形成していく。
【0020】
実施例1では、上述のように擬似中間調処理方法は誤差拡散法である。誤差拡散法の詳細は上述の通りである。この誤差拡散法では、擬似中間調処理後の出力用画像データは、周期的な構造を持たない。誤差拡散法は、一般的にFMスクリーンと呼ばれる擬似中間調処理方法のひとつであり、ドットの密度(画像の空間周波数)を変化させて、画像の階調を再現している。このため、一定の周期構造を持たないといった特徴がある。
【0021】
(実施例2)
実施例1と同じ構成の画像形成装置において、感光体ドラム表面上でのビーム径を40μm(主)×40μm(副)とした。ビーム径の変更はアパーチャーを交換して行い、調整後ビームスキャン(PHOTON社製)において、ビーム径の測定を行なった。
【0022】
(比較例1)
実施例1と同じ構成の画像形成装置において、感光体ドラム表面上でのビーム径を50μm(主)×50μm(副)とした。ビーム径の変更はアパーチャーを交換して行い、調整後ビームスキャン(PHOTON社製)において、ビーム径の測定を行なった。
【0023】
(比較例2)
実施例1と同じ構成の画像形成装置において、感光体ドラム表面上でのビーム径を60μm(主)×60μm(副)とした。ビーム径の変更はアパーチャーを交換して行い、調整後ビームスキャン(PHOTON社製)において、ビーム径の測定を行なった。
【0024】
次に、実施例1〜2、比較例1〜2の画像形成装置において画像出力を行い、画質の比較を行なった結果を示す。なお、ビーム径変更のさいにアパーチャー変更により感光体ドラム表面上での光量が変化するが、適当なNDフィルタを挿入することによって、光量がすべてのビーム径にほぼ一定になるように設定した。また、ビーム径によって、感光体の光減衰特性(感度特性)がわずかに変化するため、最終的には黒ベタ書き込み時の露光後電位がすべてのビーム径条件において一致(すべて−100Vに一致)するように設定した。
また、上記画像出力実験は、擬似中間調処理法(誤差拡散法)として、実施例1に記載のウェイトマトリクスと異なるウェイトマトリクスについても行なった。具体的には、図7のウェイトマトリクスB及び図8のウェイトマトリクスCを使用して誤差拡散処理をかけた画像においても画像出力を行ない、画質(粒状度)の評価を行なった。出力画像は256段のグレースケール(8bitデータ、各パッチ15mm四方)に上記のウェイトマトリクスを使用して誤差拡散処理を施したものである。
【0025】
次に、出力画像の評価について説明する。256段のパッチのうちのあらかじめ決定した17段を使用して、この17段のパッチをスキャナーで読み込み、下記で説明する方法によって粒状度を計算・導出した。
この「粒状性」とは、一般に高画質の指標と考えられている「ドット再現性」とは異なり、次のように定義される。すなわち、「粒状性」とは、「均一であるべき画像がどれだけざらついているかを表す主観評価値」と定義され、この主観的な評価値である粒状性を客観的に表した量が粒状性の評価尺度であり、「粒状度」である。この「粒状度」として標準化されているものとして次式の「RMS粒状度」があり、ANSI PH−2.40−1985で標準化されている。
【数3】
RMS粒状度(σD)=[1/NΣ(Di−Da)2]1/2
Di:濃度分布
Da:平均濃度(Da=1/NΣDi)
【0026】
このほか、画像の濃度変動のパワースペクトラムである Winer Spectrumを用いた粒状度が定義されている。XeroxのDooleyとShawは Winer Spectrumを適用し、次式で示すように、視覚の空間周波数特性(Visual Transfer Function : VTF)とカスケードした後、積分した値を粒状度(GS)とした。(詳細は R.P.Dooley,Rshaw : Noise Perception inElectrophotography,J.Appl.Photogr.Eng.,5,4(1979),pp190−196参照)
【数4】
GS=exp(−1.8Da)∫(WS(f))1/2VTF(f)df
Da:平均濃度
f:空間周波数(c/mm)
WS(f): Winer Spctrum
VTF(f):視覚の空間周波数特性
【0027】
本実施形態における「粒状度」は、このDooleyとShawの粒状度をさらに発展させ、次の式によって定義する。
【数5】
粒状度=exp(aL+b)∫(WSL(f))1/2VTF(f)df
L:平均明度
f:空間周波数(c/mm)
WSL(f):明度変動のパワースペクロトラム
VTF(f):視覚の空間周波数特性
a:係数(=0.1044)
b:係数(=0.8944)
【0028】
この場合には、画像の濃度ではなく、明度L*を使用する。後者の方が色空間のリニアリティーに優れ、カラー画像への適応性も優れる点が特徴である。以下で記載する粒状度はこの式によって定義された粒状度である。
【0029】
粒状度はその定義からして画像のノイズ特性を表している。出力画像の粒状度を上述の手法によって測定することによって、画像のノイズ特性(ざらつき)を数値化することが可能である。粒状度の数値はその定義からも分かるように、ざらつきが良好である場合には値が小さく、ざらつきが悪くなるに従って値が大きくなる。発明者は、出力画像をスキャナー(FT−S5000:大日本スクリーン社製)で読み込んだ後に、上述の計算式にもとづき粒状度の計算行なった。
【0030】
図9が粒状度の数値化の一例を示すグラフであり、横軸が明度、縦軸が粒状度となっている。粒状度は明度ごとに与えられるものであり、明度を17水準(17段のパッチ)ごとに粒状度が数値化されている。発明者はこれら17段のパッチのうち明度値(横軸)が80、70、60、50、40にそれぞれもっとも近い5パッチを選択し、この5パッチの粒状度の値を算術平均して算出した値を、その画像出力条件での粒状度とした。以後、本実施形態での「粒状度」は、この算術平均により計算された粒状度であるとする。
【0031】
表1は、実施例1、2及び比較例1、2における画像出力及び粒状度測定の結果を示す。表1の結果から、ビーム径が大きくなるにしたがって(具体的には50μm(主)×50μm(副)以上)、粒状度の値が著しく悪化することが分かる。粒状度の値としては、0.3以下であれば、印刷をはじめとする電子写真方式以外のハードコピー機器と比較しても遜色なく、高画質の要件を十分満たすと考え、粒状度が0.3以下であることが画質上の制約であると考えた。
【表1】
【0032】
実施例1〜2、比較例1〜2はいずれも、解像度600dpiの2値誤差拡散であり、解像度に基づく1画素あたりの長さLpはLp=42.3μmである。図1に示すように、感光体ドラム表面上でのレーザビームLBのビーム径をDとしたときに、次式を満たすことが粒状度を悪化させない条件である。
【数6】
D<Lp
【0033】
上記数6に示す式の条件を満たすことによって粒状度の悪化を防止することができるメカニズムについては、後で説明することにする。
【0034】
次に、画像形成装置の解像度を400dpiにして画像の出力を行った結果を示す。解像度を600dpiから400dpiに変更した場合には、1画素あたりの長さLpは63.5μmである。解像度を400dpiに変更して画像の出力を行うためには、実施例1において画素クロックを13.3MHz、ポリゴン回転数を18110.3rpmに変更することによって実現することができる。
【0035】
(実施例3)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を40μm(主)×40μm(副)とした。解像度は上述の変更により400dpiとした。
【0036】
(実施例4)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を50μm(主)×50μm(副)とした。解像度は上述の変更により400dpiとした。
【0037】
(実施例5)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を60μm(主)×60μm(副)とした。解像度は上述の変更により400dpiとした。
【0038】
(比較例3)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を70μm(主)×70μm(副)とした。解像度は上述の変更により400dpiとした。
【0039】
表2は、実施例3〜5及び比較例3における画像出力及び粒状度測定の結果を示す。表2から、ビーム径が大きく(具体的には70μm(主)×70μm(副)以上)なると、粒状度の値が悪化することが分かる。400dpiにおいても600dpiの場合と同じくD<Lpの関係を満たすことが、粒状度を悪化させない条件であることが、表2の結果からわかる。
【表2】
【0040】
さらに、画像形成装置の解像度を1200dpiにして画像の出力を行った結果を示す。解像度を600dpiから1200dpiに変更した場合には、1画素あたりの長さLpは21.2μmである。解像度を1200dpiに変更して画像の出力を行うためには、実施例1において画素クロックを59.2MHz、ポリゴン回転数を27165.4rpmに変更し、LD数を2倍にすることによって実現することができる。4つのLDが必要となるため、光源のレイアウトの制約から1チップ上に4つのLDを配列して形成された4チャンネルLDアレイを使用した。
【0041】
(実施例6)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を20μm(主)×20μm(副)とした。解像度は上述の変更により1200dpiとした。
【0042】
(比較例4)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を30μm(主)×30μm(副)とした。解像度は上述の変更により1200dpiとした。
【0043】
(比較例5)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を40μm(主)×40μm(副)とした。解像度は上述の変更により1200dpiとした。
【0044】
表3は、解像度を1200dpiにした実施例6及び比較例4〜5における画像出力及び粒状度測定の結果を示している。表3からわかるように、やはりビーム径が大きくなると(具体的には30μm(主)×30μm(副)以上になると)、粒状度の値が著しく悪化することが分かる。1200dpiにおいても600dpiの場合と同じくD<Lpの関係を満たすことが、粒状度を悪化させない条件であることがわかる。
【表3】
【0045】
さらに、画像形成装置の解像度を800dpiにして画像の出力を行った結果を示す。解像度を600dpiから800dpiに変更した場合には、1画素あたりの長さLpは31.8μmである。解像度を800dpiに変更して画像の出力を行うためには、実施例1において画素クロックを26.6MHz、ポリゴン回転数を18110.3rpmに変更し、LD数を2倍にすることによって実現することができる。解像度800dpiの場合においてもやはり4つのLDが必要となるため、光源のレイアウトの制約から1チップ上に4つのLDを配列して形成された4チャンネルLDアレイを使用した。
【0046】
(実施例7)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を20μm(主)×20μm(副)とした。解像度は上述の変更により800dpiとした。
【0047】
(実施例8)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を30μm(主)×30μm(副)とした。解像度は上述の変更により800dpiとした。
【0048】
(比較例6)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を40μm(主)×40μm(副)とした。解像度は上述の変更により800dpiとした。
【0049】
(比較例7)
アパーチャーの交換により感光体ドラム表面上でのビーム径を50μm(主)×50μm(副)とした。解像度は上述の変更により800dpiとした。
【0050】
表4は、解像度を800dpiにした実施例7、8及び比較例6、7における画像出力及び粒状度測定の結果を示している。表4からわかるように、やはりビーム径が大きくなると(具体的には40μm(主)×40μm(副)以上になると)、粒状度の値が著しく悪化することが分かる。そして、800dpiにおいても600dpiの場合と同じくD<Lpの関係を満たすことが、粒状度を悪化させない条件であることがわかる。
【表4】
【0051】
次に、解像度に基づく1画素あたりの長さをLp、ビーム径をDとしたときに、D<Lpの関係を満たす場合に、擬似中間調処理方法として誤差拡散法を用いた場合でも粒状性の悪化が起こらない理由を説明する。
電子写真方式の画像形成装置では、通常、現像剤(トナーとキャリアとの攪拌混合物)を周囲に支持した現像スリーブを回転させながら感光体ドラム1上を摺擦するような位置に配置される。このとき、現像スリーブ−感光体ドラム基体間に電圧を印加することにより、感光体ドラム1にトナーを付着させるといった現像工程をもつ。このような電子写真方式の現像工程では、現像剤中に生成される現像電界によって、荷電したトナーが移動し、この結果として感光体ドラム1の所望の位置(レーザーによって露光された位置)にトナーが付着する。
しかし、この現像電界は空間周波数依存性を持つ。この「空間周波数依存性」は、▲1▼感光体膜厚、▲2▼現像ギャップ(感光体ドラムと現像スリーブとの距離)、▲3▼キャリアの電気的特性(誘電率、抵抗率)によって決定される。この現像電界の空間周波数依存性とは、トナーを感光体ドラム1の方向へ引き付ける力が、感光体ドラム上に形成される潜像の空間周波数に依存することである。一例を挙げると、孤立1ドットラインを現像した場合と、1ドットラインで形成した面積率50%の画像を現像した場合とでは、ライン幅を比較すると両者が一致しない場合があるが、これも現像電界の空間周波数依存性に起因する現象である。また、電子写真方式の画像形成装置では、いわゆるハイライト画像の不安定さを特徴として持つが、これも、ハイライト画像を形成した場合には、孤立1ドット画像などの空間周波数の高い画像構造を持つような画像領域が増えるためである。(これも、このときの空間周波数依存性が、孤立1ドットなどのような高周波域まで追従しないためである。)この電子写真方式での現像の空間周波数依存性は、文献「電子写真の基礎と応用」(電子写真学会偏)(コロナ社)や、富士ゼロックステクニカルレポートNo.1「磁気ブラシ現像過程と理論的研究およびその応用」(寺尾和男ほか)などである程度説明されているので、詳細の説明は省略する。
【0052】
図10は、中間調処理として誤差拡散方式を使用して出力した画像のウィナーズスペクトラムである。図10からわかるように擬似中間調処理法として誤差拡散法を使用した場合、画像データはブロードな空間周波数分布を持つようなスペクトラムとなる。図10のスペクトラムは出力画像のものであるが、潜像段階においても、周期的な構造を持っていないことは変わらない。従って、あえて空間周波数分布を考えた場合(この場合は感光体上の電荷量分布に相当する)ブロードな分布を持つと考えることができる。このようなブロードなスペクトラムをもつ潜像が、現像工程において現像された場合、図11に示したような現像電界の空間周波数依存性によって、強調される周波数領域と、鈍化される周波数領域とが現れる。このことを実際の画像上で説明する。
図12(a)及び(b)はそれぞれ、誤差拡散処理を施した画像データの説明図及び現像後の画像の説明図である。この画像は、図12(a)に示すように80/255に相当するパッチの一部を10×10画素で抽出したものである。画像の右側が比較的低周波な構造になり、左側が比較的高周波な構造を持っている。このような画像データを現像した場合には、図12(b)に示すように、現像電界の空間周波数依存性により、右側の低周波な構造を持つ部分は強調され、左側の高周波な構造を持つ部分は鈍化されてしまうようなことが起こる。このような画像を巨視的に見た場合には、低周波な濃度変動が発生しているように見え、粒状性の悪い画像となる。
【0053】
一方、中間調処理法がディザ法の場合には、ウィナーズスペクトラムはシャープな周波数分布を持つスペクトラムとなる(図13参照)。このような構造を持つ場合には、現像工程での空間周波数依存性においても潜像自体が単一(少数)のスペクトラムのため、全体的に強調されるかあるいは全体的に鈍化されるかというようになる。従って、誤差拡散法のときとは異なり、低周波の濃度変動が発生するようなことがないのである。
電子写真方式では、このように擬似中間調処理法として誤差拡散法を使用した場合には、上述の理由により、粒状性が悪化してしまう。このため、ディザ法が主に使用されるようになっている。
【0054】
そこで、本実施形態では、すでに説明したように1画素あたりの長さLpとビーム径DとがD<Lpの関係を満たすことにより、擬似中間調処理方法として誤差拡散法を使用した場合でも、粒状性が悪化することがないようにしている。この粒状性の悪化を抑制できることに関しては、次のようなメカニズムによるものであると考えられる。ビーム径の違いによって露光後の感光体上の電荷分布(現像電界に対応)は、図14(a)及び(b)のようになると考えられる。図14(a)に示すように、ビーム径が小さい場合にはシャープな電荷分布が得られ、この電荷分布によって形成される現像電界もシャープであると考えられる。一方、図14(b)に示すようにビーム径が大きい場合にはブロードな電荷分布になり、現像電界もブロードになると考えられる。このような電荷分布をもつ感光体に対して現像工程において現像電界が形成され、トナーが付着する。このとき、先ほど説明したように、現像電界での空間周波数依存性により、周囲に形成される画像によって現像電界が変化する。すなわち、低周波な画像になっていれば強調され、高周波な画像になっていれば鈍化されるようなことが起こる。このことは、微視的に現像バイアスが変化していることに対応するため、このような現像工程での空間周波数依存性によってトナーが付着する領域の面積が変化する。ビーム径が小さい場合にはトナー付着部の面積変化が小さくなる。一方、ビーム径が大きい場合にはトナー付着部の面積変化が大きくなる。この面積変化が大きいことが、従来における誤差拡散法を使用した場合での粒状性の悪いことの原因である。先述したように、ビーム径を小さくした場合には、トナー付着部の面積変化が誤差拡散法においても少ないため、低周波数の画像濃度の変動が発生せず、粒状性が悪化しないと考えることができる。
【0055】
次に、実施例1、3、6、7の画像形成装置と、その比較例8〜11の比較実験の結果を示す。実験を行ったのは、以下の擬似中間調処理である。
実施例1:誤差拡散A(600dpi(主)×600dpi(副)相当、ウェイトマトリクスA)
実施例3:誤差拡散A(400dpi(主)×400dpi(副)相当、ウェイトマトリクスA)
実施例6:誤差拡散A(1200dpi(主)×1200dpi(副)相当、ウェイトマトリクスA)
実施例7:誤差拡散A(800dpi(主)×800dpi(副)相当、ウェイトマトリクスA)
比較例8:280lpiディザ(スクリーン各45°、副走査方向への周期構造:あり:副走査方向周期6画素)
比較例9:240lpiディザ(スクリーン角53°、副走査方向への周期構造:あり:副走査方向周期25画素
比較例10:212lpiディザ(スクリーン各45°、副走査方向への周期構造:あり:副走査方向周期8画素)
比較例11:170lpiディザ(スクリーン各45°、副走査方向への周期構造:あり:副走査方向周期10画素)
【0056】
表5は、上記実験の結果である。
擬似中間調処理法として誤差拡散法を使用した実施例1、3、6、7の画像形成装置においては粒状度が十分良好であった。さらに今回異常画像として取り上げたその他(粒状度以外の項目)の項目(▲1▼複数LD間の光量差を原因とする濃度変動、▲2▼モアレ、▲3▼階調再現において階調の直線性)のすべてにおいて問題は発生しなかった。
これに対して、擬似中間調処理法としてディザ法を使用した場合には、上記の異常画像のすべてを完全に満たす条件は見つからなかった。
【表5】
【0057】
次に、本発明のさらに他の実施例について説明する。
(実施例9)
図15は、実施例9の画像形成装置における光学ユニットの概略図である。この実施例9では、前述の実施例1の光学ユニットを感光体ドラム表面に対して並列に配置したような構成になっている。このことにより、レーザービームが感光体上を走査する区間を短くすることができるため、次のようなメリットを持つ。
▲1▼幅の広い画像に対応することができる。(いわゆる広幅機)
▲2▼レーザービームの走査区間が短いためビーム径を細くしやすい。
▲3▼画素クロックを遅くできる。
その反面、図16からわかるように、レーザービームのつなぎ目が画像中央に現れてしまうという問題がある。LD間に光量差が存在する場合、画像中央部であるために、写真画像などのように中間調(中濃度)を多く含む画像などでは、このつなぎ目で濃度差が発生してしまうという問題がある。これに対しても、擬似中間調処理法として周期的な構造を持たない誤差拡散法などを用いた場合には、光量差が画像上に濃淡として現れるようなことがないため、上述の問題が発生しない画像形成装置を実現することができる。
【0058】
以上、本実施形態によれば、解像度に基づいて算出される1画素の長さをLpとし感光体ドラム表面上での照射光のビーム径をDとしたときD<Lpを満たすようにしている。これにより、上記実施例1の項で説明したように、電子写真方式を用いた画像形成装置における特有の問題を解決できる。すなわち、特定の周期構造を持たない擬似中間調処理法(たとえば誤差拡散法)を使用した場合に画質上の重要な項目である「粒状性」の悪化という問題を解決することができる。これは、ビーム径を特定の範囲内に制限することによって、現像工程での問題である現像電界の周波数依存性の影響を受けづらくなるためである。この現像の空間周波数依存性とは、現像電界が書き込みのパターン(画像の空間周波数)によって変化することを意味するものであり、そして結果として、擬似中間調処理後の画像データには本来存在しないような低周波の濃度変動が現像後の画像には発生するといった問題を引き起こす。この「粒状性」の悪化は、本来均一であるべき画像領域においてざらついた印象をあたえ、特に写真などのピクトリアル画像においては画質劣化の非常に大きな原因となる。請求項1の画像形成装置では、擬似中間調処理法として、特定な周期構造を持たない擬似中間調処理方法を使用しても、粒状性の悪化することのない電子写真方式の画像形成装置を実現することができる。
さらに、擬似中間調処理法として特定な周期構造を持たない擬似中間調処理方法を使用することにより、次の▲1▼及び▲2▼の長所を有する画像形成装置を実現することができる。
▲1▼モアレが発生することのなく中間調を表現することができる。
▲2▼書き込みの位置ズレなどの影響が画像上に現れることなく中間調を表現することができる。
【0059】
また、本実施形態によれば、誤差拡散法を用いた擬似中間調処理を行なっている。この誤差拡散法はFMスクリーンと呼ばれる擬似中間調処理法であり、ドットの密度を変化(周波数変調)させて画像の濃淡を再現する方法である。このため、周期的な構造を持たず、上記▲1▼及び▲2▼と同じ効果ををもつ。さらに、誤差拡散法は、入力画像から擬似中間調処理後画像を得る際に、各画素ごとに入力画像の値と処理後画像との差を周辺の画素に振り分けるため、平均的に見ると画像濃度の再現性が良い。
これに対して、ディザ法では入力画像と処理後画像との差が生じた場合には、この分の誤差は無視されるので、画像濃度の再現性という観点ではわずかに誤差拡散法に劣る。このほか、ブルーノイズ法なども、画像濃度の再現性という観点ではわずかに誤差拡散法に劣る。
【0060】
また、本実施形態では、実施例9で示したように複数の発光部(LD:レーザーダイオード)を有するように露光装置3の光学ユニットを構成することもできる。この場合には、各発光部での光量の差を原因とするような画像上に知覚することができるような空間周波数(50〜100lpi程度)の濃度ムラが発生するといった問題がある。各発光点の光量は、先述したとおり、▲1▼電気的クロストーク、▲2▼熱的クロストーク、▲3▼発光素子の経時劣化の違い、▲4▼発光素子の温度依存性の違い、などによって光量差が生じてしまう。このような光量差によって、先述の画像上に本来存在しないような濃度ムラが発生してしまう。この問題に対しても、擬似中間調処理法として周期的な構造をもたない擬似中間調処理方法を組み合わせることが有効である。周期的な構造をもたない擬似中間調処理方法を採用することにより、上述のようなLD間の光量差が発生するような場合であっても、異常画像が発生することのない画像形成装置を長期間に渡って実現することができる。また、環境変化の大きな使用条件下においても異常画像が発生することのない画像形成装置を実現することができるようになる。また、複数LDを使用せざるを得ないような高速の画像形成装置において、上述のような画像形成装置を実現することができるようになる。
【0061】
また、本実施形態では、露光装置3の光源として、複数の発光部が十数μm〜数十μmの間隔で1チップ上にアレイ状に配列してある発光部材を用いることができる。このような発光部材を用いた場合は、次のような効果を奏することができる。まず、発光部同士が極めて近いため、光学ユニット内を通過する各光源の光路ほぼ同じであることある。このことは、光学ユニット内に配置される光学素子(f−θレンズ、折り返しミラーなど)を上記光路が通過する位置が極めて近いことを意味する。このため、光学素子の特性が近い場所(部位)を複数の光源が使用できるようになる。従って、▲1▼感光体上でのレーザービームの露光位置が各光源について一致させやすい、▲2▼感光体上でのレーザービームのいわゆるスポット径を一致させやすい、といった長所がある。さらに、半導体レーザーダイオードの場合には、製造上の理由により、1チップ上の形成されるLDアレイでは、各発光部(発光源)から出射されるレーザ光の波長差が非常に小さいといった特徴がある。このようにレーザ光の波長差が小さくことにより、感光体ドラム表面上での露光位置が発光部(発光源)ごとにズレるといった現象が発生しにくくなる。
発光部がアレイ状に配列した発光部材では、上記のような長所がある反面、次に挙げるような欠点を併せ持つ。この種の発光部材では、先述したように各発光部間の距離が十数μm〜数十μmの間隔であるため、各発光部の発熱によって1つの発光部の光変調の影響が隣接する発光部に光量の変動として影響する。いわゆる熱的なクロストークが大きくなる傾向がある。また、LDの変調電流が隣接する発光部に電気的誘導を引き起こすような電気的なクロストークも大きい。これらの熱的なクロストークや電気的なクロストークの問題に対しても擬似中間調処理法として周期的な構造をもたない擬似中間調処理方法を組み合わせることが有効である。周期的な構造をもたない擬似中間調処理方法を採用することにより、出力画像上にはクロストークによる各発光部の光量差によって引き起こされる異常画像(副走査方向への画像濃淡)が発生しなくなる。このため、上述の発光部がアレイ状に配列した発光部材の長所のみが生かせるようになり、位置精度の高い画像形成装置を実現することができるようになる。
【0062】
また、本実施形態では、感光体ドラム1の感光体として、積層型の感光体を用いることができる。感光体としては積層感光体と単層感光体とがあるが、積層型感光体の方が▲1▼高感度を有する、▲2▼光書き込み後、電荷がキャンセルされるまでの時間が短い(応答性がよい)、といった長所がある。その反面、積層型の感光体では、感光体の底面側に電荷発生層が存在するため、フォトキャリアが電荷輸送層中を長い距離(電荷輸送層膜厚に相当する10〜30μm)を移動しなければならない。この移動の間にフォトキャリア同士のクーロン反発力によってフォトキャリアが感光体の表面方向に広がってしまうといった構造上の問題がある。このようなフォトキャリアの拡散によって、感光体上に形成される静電潜像(感光体上の電荷分布)はビーム径に比べてかなり大きなものになってしまい、また電荷のコントラストとしてもブロードな形状になってしまう。ビーム径に比べての静電潜像の広がりは、擬似中間調処理法としてディザ法などのAMスクリーンを使用した場合にはさほど大きな問題にはならない。これは、ディザ法などでは擬似中間調処理をドット集中型で行うことが多く、このような静電潜像の広がりは網点を形成するドットのうち周辺部に位置するドットのみに影響し、内部に存在するドットには影響がないためである。しかし、誤差各拡散法などのFMスクリーンを使用する場合には影響が大きい。これは、誤差拡散法などでは、ドットが離散的に形成されることが多く、すべてのドットが周辺部に存在すると考えることができる。このため、静電潜像の広がりの影響がより大きいのである。静電潜像の広がりは結果として、ビーム径の大きな条件での結果と同じであり、周期的な構造をもたない擬似中間調処理方法と組みあわせた場合には粒状性が悪化するといった問題を引き起こす。
本実施形態では、1画素の長さをLpとしレーザー光のビーム径をDとしたとき、D<Lpの関係を満たすようにしている。このため、静電潜像の広がりやすい積層型の感光体と、周期的な構造をもたない擬似中間調処理方法とを組み合わせた場合においても、粒状性の悪化を抑制することが可能となる。さらに、積層型の感光体を使用することができることにより、高感度であり、高速応答の感光体を搭載した画像形成装置を実現することができ、LD出力の低減によるLDコストの軽減や、高速化の画像形成装置の実現といった改善が可能となる。
【0063】
ここで、上記積層型の感光体の電荷輸送層の膜厚を5〜40μmの範囲で変化させて上記実施例で提示した画像形成装置において画像出力実験を行った。その結果が表6である。表6から電荷輸送層の膜厚が10μm未満の場合には、感光体の部分的な絶縁破壊によって画像上には細かな黒点が発生した。巨視的には、カブリのような異常画像のようにみえた。一方、膜厚が30μmを超えた場合には、本発明の効果が顕著ではなくなるという結果を得た。この原因は明確ではないが、電荷輸送層中でのフォトキャリアのクローン反発による静電潜像の広がりが原因であると考えるている。この結果から、積層型の感光体の電荷輸送層の膜厚を10〜30μmの範囲内にすることにより、絶縁破壊によるカブリが発生することがなく画像形成装置を実現することができる。
【表6】
【0064】
また、本実施形態の画像形成装置において、解像度は600dpi以上が好ましい。ここまで述べてきた効果については、主に画像上の中間調部分についての効果に注目したものであった。具体的には、擬似中間調処理を施した部分についての「粒状性」についてのものであった。この中間調領域の粒状性に関しては画像形成装置の解像度は400dpi以上であれば問題はなかった。しかしながら、文字部や細線のジャギーに関しては、解像度が400dpi程度では問題となる場合がある。特にトナーの体積平均粒径が小さくなった場合には、トナー像自体の凸凹がかなり円滑になりその分書き込みの解像度不足が知覚されるようになる。具体的にはトナー粒径が7.5μm以下となったような場合では、解像度が400dpiではジャギーが目立つようになり、画質上好ましくなかった。そこで、解像度を600dpiに上げることによって、このようなジャギーを解決することができ高画質化を達成することができた。特にトナー粒径が小さい場合に効果が顕著である。より具体的には、トナーの体積平均粒径が7.5μm以下である場合に効果が顕著である。
【0065】
また、本実施形態において、1画素に対する発光のデューティー比は50%以下が好ましい。この発光のデューティー比を大きくした場合には、1画素あたりの書き込み面積が大きくなってしまう。これは、レーザーが発光している間もレーザービームは感光体ドラム表面を走査しているためである。図16及び図17はそれぞれデューティー比が50%の場合と100%の場合におけるレーザービームの走査の様子を模式的にあらわしたものである。各図中の実線で表示したものは1画素に対する照射開始時及び照射終了時のレーザ光の照射スポットである。図16に示すように1画素に対する発光のデューティー比が50%の場合は、発光時間中にレーザービームが感光体ドラム表面上を走査する面積が少ない。これに対し、図17に示すように1画素に対する発光のデューティー比が100%の場合は、感光体上を走査する面積が大きくなってしまう。つまり、上記発光のデューティー比を大きくしてしまうと、レーザービームの書き込みエネルギーが集中されずに広がってしまい、ビーム径を絞ったことの効果が得られなくなってしまう。レーザービームの書き込みエネルギーが広がってしまった場合には、上述の感光体による静電潜像の広がりと同じ理由により、周期的構造をもたない中間調処理方法と組み合わせた場合には粒状性が悪化すると考えられる。
そこで、1画素に対する発光のデューティー比を50%以下にすることにより、露光エネルギーを集中させることができる。そして、周期的な構造をもたない擬似中間調処理法と組み合わせても、粒状性の悪化が発生しない画像形成装置を実現することができる。
【0066】
また、本実施形態における1画素の長さLpと照射光のビーム径Dとの関係(D<Lp)及び誤差拡散法を組み合わせる構成は、複数色のトナー像を重ね合わせた画像の出力をおこなうカラー画像形成装置において有効である。この種のカラー画像形成装置では、色重ねによる干渉を回避することが要求される。また、わずかな版ズレなどの影響が実質的に現れないようにするためにも、中間調処理方法の周期構造を、各色ごとに一致させないことが有効な対処法である。ディザ法を使用する場合には、いわゆるスクリーン角を角色ごとにずらすことがしばしば利用される。しかしながら、ディザ法を使用した場合にはモアレが発生しやすく、また、書き込み位置精度や複数LDを使用する場合にはLD光量差を原因とする濃度ムラが発生しやすいといった問題が発生しやすい。
これに対して、本実施形態における誤差拡散法などのように副走査方向に周期的な構造を持たない擬似中間調処理法を使用する画像形成装置では、上述のように、画像上に濃度ムラが載ることはない。また、上述の色重ねによる干渉ムラや版ズレによる色変わりについても、副走査方向に周期的な構造を持たない擬似中間調処理をおこなうため、問題が発生しない。その上、カラー画像上での粒状性の悪化も抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態における1画素の長さLpと照射光のビーム径Dとの関係(D<Lp)及び誤差拡散法を組み合わせる構成は、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する場合にも有効である。この場合に、擬似中間調処理としてディザ法を使用しようとするときは、4色重ねによる干渉ムラや版ズレによる色変わりを防止するために、ディザマトリクスを4枚用意し、スクリーン角をつけて組み合わせる必要ある。しかしながら、ディザ法を使用した場合にはモアレが発生しやすく、また、書き込み位置精度や複数LDを使用する場合にはLD光量差を原因とする濃度ムラが発生しやすいといった問題が発生しやすい。
これに対して、本実施形態における誤差拡散法などのように副走査方向に周期的な構造を持たない擬似中間調処理法を使用する画像形成装置では、問題としている画像上に濃度ムラがのるようなことはない。また、上述の色重ねによる干渉ムラや版ズレによる色変わりについても、副走査方向に周期的な構造を持たない擬似中間調処理をおこなうため、問題が発生しない。その上、4色のトナー像を重ね合わせたカラー画像上での粒状性の悪化も抑制することができる。
【0068】
なお、本発明を適用可能なカラー画像画像形成装置の構成は、特定の構成に限定されるものではない。例えば、本発明は、タンデムタイプ(直接転写)のカラー画像形成装置、タンデムタイプ(中間転写)のカラー画像形成装置、リボルバータイプのカラー画像形成装置等に適用することができる。
図18は、いわゆるタンデムタイプ(直接転写)のカラー画像形成装置の概略構成図である。このカラー画像形成装置は、張力ローラ15に掛け回された紙搬送ベルト16で搬送される記録シートの搬送方向に沿って、4組の画像形成部17〜20が配設されている。各画像形成部17〜20は、前述の画像形成装置(図2)と同様に、感光体ドラム1や帯電装置2等を備え、互いに異なる色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナー像を形成するものである。各画像形成部17〜20の感光体ドラム1に形成されたトナー像は、感光体ドラム1と転写ローラ21とが対応している転写位置で、記録シート6上に順次重ね合わせるように転写される。カラー画像が転写された記録シート6は、定着装置8でトナー画像が定着された後、機外に排出される。なお、紙搬送ベルト16の表面に付着している残トナー等の汚れは、ベルトクリーニング装置22でクリーニングされる。
図19は、いわゆるタンデムタイプ(中間転写)のカラー画像形成装置の概略構成図である。このカラー画像形成装置は、張力ローラ15に掛け回された中間転写体としての中間転写ベルト23の張架方向に沿って、4組の画像形成部17〜20が配設されている。各画像形成部17〜20は、前述の画像形成装置(図2)と同様に、感光体ドラム1や帯電装置2等を備え、互いに異なる色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナー像を形成するものである。各画像形成部17〜20の感光体ドラム1に形成されたトナー像は、感光体ドラム1と転写ローラ21とが対応している転写位置で、中間転写ベルト23上に順次重ね合わせるように転写される。中間転写ベルト23上に転写されたカラー画像は、2次転写用の転写ローラ24が対向する2次転写位置で記録シート6に一括転写される。カラー画像が転写された記録シート6は、定着装置8でトナー画像が定着された後、機外に排出される。なお、中間転写ベルト23の表面に付着している残トナー等の汚れは、ベルトクリーニング装置22でクリーニングされる。
図20は、いわゆるリボルバータイプのカラー画像形成装置の概略構成図である。このカラー画像形成装置は、一つの感光体ドラム1上に互いに異なる色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応する静電潜像が形成される。感光体ドラム1上の各色の静電潜像は、リボルバ現像装置40が順次回転することにより、対応する色のトナーで現像される。感光体ドラム1上に形成される各色のトナー像は、転写ローラ26が対向する転写位置で、紙搬送ドラム25に保持されている記録シート6上に順次重ね合わせて転写される。すべての色のトナー像が転写された記録シート6は、定着装置8でトナー画像が定着された後、機外に排出される。
【0069】
【発明の効果】
請求項1乃至9の発明によれば、像担持体上の照射光のビーム径Dを、解像度から算出される1画素の長さLpよりも小さくしている。これにより、モアレが発生しにくく階調再現性にも優れた誤差拡散法などの特定な周期構造を持たない擬似中間調処理方法を使用しても、現像電界の空間周波数依存性の影響を受けやすい低空間周波数の画像部分が発生しにくくなる。従って、低空間周波数の画像部分の発生に起因した粒状性の悪化を抑制するすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置における感光体ドラム表面上のレーザビームLBのビーム径Dと1画素の長さLpとの関係を示す説明図。
【図2】同画像形成装置の概略構成図。
【図3】画像処理部を含む制御系の要部を示すブロック図。
【図4】露光装置における光学ユニットの概略構成図。
【図5】画像処理部の誤差拡散処理部における処理内容の説明図。
【図6】ウェイトマトリックスAの説明図。
【図7】他のウェイトマトリックスBの説明図。
【図8】更に他のウェイトマトリックスCの説明図。
【図9】粒状度の数値化の例を示すグラフ。
【図10】誤差拡散法でのウィナーズスペクトラムを示すグラフ。
【図11】現像電界の空間周波数依存性を示すグラフ。
【図12】(a)は、誤差拡散処理を施した画像データの説明図。(b)は、現像工程後の画像の説明図。
【図13】ディザ法でのウィナーズスペクトラムを示すグラフ。
【図14】(a)は、ビーム径が小さいときのトナー付着領域の変化を説明するための説明図。(b)は、ビーム径が大きいときのトナー付着領域の変化を説明するための説明図。
【図15】実施例9で用いた光学ユニットの概略構成図。
【図16】発光のデューティー比が50%のときのレーザービームの走査の様子を示す説明図。
【図17】発光のデューティー比が100%のときのレーザービームの走査の様子を示す説明図。
【図18】本発明の実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成図。
【図19】他の実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成図。
【図20】更に他の実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
1a 感光体ドラム表面
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 記録シート
7 クリーニング装置
8 定着装置
10 画像処理部
101 MTFフィルタ処理部
102 γ処理部
103 擬似中間調処理部
301 LD(レーザーダイオード))
LB 感光体ドラム表面上のレーザービームの照射スポット
Claims (9)
- 像担持体と、入力画像データに擬似中間調処理を施して出力用画像データを生成する擬似中間調処理手段と、該出力用画像データに基づいてビーム状の照射光を該像担持体に照射して潜像を形成する露光装置と、該像担持体上の潜像を現像する現像装置とを備え、
該擬似中間処理手段が、特定の周期構造を持たない擬似中間調処理方法によって擬似中間調処理を行なうものである画像形成装置において、
解像度に基づいて算出される1画素の長さをLpとし、該像担持体上での該照射光のビーム径をDとしたとき、D<Lpを満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、入力画像データに擬似中間調処理を施して出力用画像データを生成する擬似中間調処理手段と、該出力用画像データに基づいてビーム状の照射光を該像担持体に照射して潜像を形成する露光装置と、該像担持体上の潜像を現像する現像装置とを備え、
該擬似中間処理手段が、特定の周期構造を持たない擬似中間調処理方法によって擬似中間調処理を行なうものであり、
該露光装置における光源が複数の発光部を有するものである画像形成装置において、
解像度に基づいて算出される1画素の長さをLpとし、該像担持体上での各発光部からの照射光のビーム径をDとしたとき、D<Lpを満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記光源が、1チップ上に複数の発光部がアレイ状に配列された発光部材であることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、入力画像データに擬似中間調処理を施して出力用画像データを生成する擬似中間調処理手段と、該出力用画像データに基づいてビーム状の照射光を該像担持体に照射して潜像を形成する露光装置と、該像担持体上の潜像を現像する現像装置とを備え、
該擬似中間処理手段が、特定の周期構造を持たない擬似中間調処理方法によって擬似中間調処理を行なうものであり、
該像担持体が、電荷発生層の上に電荷輸送層が形成された積層型の感光体である画像形成装置において、
解像度に基づいて算出される1画素の長さをLpとし、該像担持体上での該照射光のビーム径をDとしたとき、D<Lpを満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4の画像形成装置において、
上記像担持体の電荷輸送層の膜厚が10μm以上、30μm以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、
上記特定の周期構造を持たない擬似中間調処理法が、誤差拡散法であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、
上記解像度が600dpi以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像形成装置において、
各画素に対する上記照射光のデューティー比が50%以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の画像形成装置において、
上記像担持体上の潜像を現像して得られた互いに異なる色の複数のトナー像を転写体に重ね合わせてカラー画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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JP2002159188A JP2004001260A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 画像形成装置 |
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US7374854B2 (en) | 2005-03-24 | 2008-05-20 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Image-forming method and image-forming apparatus using the same |
US7531276B2 (en) | 2005-06-02 | 2009-05-12 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Color image forming method and color toner forming method |
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-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002159188A patent/JP2004001260A/ja active Pending
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