JP2004001062A - 部品供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】部品供給装置100は、センターロッド9およびシリンダロッド11と、センターロッド9の外周面とシリンダロッド11の内周面との間に形成される圧力逃がし通路14とを備える。センターロッド9およびシリンダロッド11は、流体圧を受け、通常は一体となって前進及び後退し、前進時にセンターロッド9の先端部9aに部品400を係合して溶接場所203に供給し、前進時、センターロッド9の先端部9aが障害物に衝突したとき、センターロッド9とシリンダロッド11とが互いに分離することによって圧力逃がし通路14が開放され、センターロッド9およびシリンダロッド11の前進駆動流体圧が圧力逃がし通路14を介して減圧される。
【選択図】図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナットなど部品を溶接場所に供給する部品供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
抵抗溶接機の下部電極にセットされたワーク(金属板など)の上に部品(ナット、ワッシャー、ボルトなど)を自動供給する部品供給装置は、特公昭47−41655号公報、実公昭53−26422号公報などに記載されるようによく知られているが、通常、抵抗溶接機の作動範囲および部品供給装置の作動範囲は作業域として確保され、溶接機の作動中にこの作業域に立ち入ることは禁止されている。そして、この作業域へ侵入すると自動的に抵抗溶接機が停止する構成がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、全ての工場において、上記作業域が確保されているわけではなく、主に自動停止機構の経費節減の観点から、自動停止機構を設けていない装置も存在しているのが現状である。
【0004】
そのような装置の場合、作業者等が作業域に侵入すると、部品供給装置の部品供給ロッドの作動線上で身体などにロッドが接触し、身体にロッドの衝撃力が加わり怪我をするおそれがある。
【0005】
本発明は、このような自動停止機構を備えていない装置において、簡素かつ安価な構成によって、作業者等が作業域に侵入し部品供給ロッドが身体に接触した場合に、身体を怪我から守ることができる装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る部品供給装置は、ナットなど部品を溶接場所に供給する部品供給装置において、同心円状に配されかつ前後方向へ互いに分離可能なセンターロッドおよびシリンダロッドと、前記シリンダロッドの端部に固着した前記センターロッド用のガイドと、前記センターロッドの外周面と前記シリンダロッドの内周面との間に形成される圧力逃がし通路とを備え、前記センターロッドおよび前記シリンダロッドは、流体圧を受け、通常は一体となって前進及び後退し、前進時にセンターロッドの先端部に前記部品を係合して前記溶接場所に供給し、前進時、前記センターロッドの先端部が障害物に衝突したとき、該センターロッドと前記シリンダロッドとが互いに分離することによって前記圧力逃がし通路が開放され、前記センターロッドおよび前記シリンダロッドの前進駆動流体圧が前記圧力逃がし通路を介して減圧されることを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る部品供給装置によると、センターロッドの前進時に作業者等の身体などが接触すると、前進駆動流体圧が減圧されるようになるため、センターロッドから身体などに加わる衝撃力が十分に弱くなり、作業者等を怪我から守ることが可能になる。
【0008】
また、請求項2に係る部品供給装置は、前記前進駆動流体圧の減圧を検出する圧力スイッチを備え、該圧力スイッチが前記減圧を検出したとき、前記前進駆動流体圧の印加を停止する。このため、前進駆動流体圧の減圧をより急速に行うことができるようになる。
【0009】
請求項3に係る部品供給装置は、前記シリンダロッドの後退時に、該シリンダロッドに対し後退駆動流体圧を作用する圧力室を備えるとともに、前記前進駆動流体圧による前記シリンダロッドの前進時、該シリンダロッドの前進によって前記圧力室から排出される圧力流体の流量を検出する流量センサを備え、該流量センサにより前記圧力流体の流量が所定範囲以下になったことが検出されたとき、前記前進駆動流体圧の印加を停止する。このため、流体圧回路の供給圧自体の変動(低下)によって圧力スイッチが誤動作するような場合であっても、流量センサの信号に基づいて供給圧の低下を検出できるため、この検出をランプ等で作業者に知らせることにより、作業者は、その後の適切な処置(流体圧回路の点検等)を迅速にとることができるようになる。
【0010】
請求項4に係る部品供給装置は、前記シリンダロッドの前進端を検出する前進端センサと、前記シリンダロッドの後退端を検出する後退端センサとを備え、前記圧力スイッチ及び前記流量センサは、前記後退端センサがオフした後、前記前進端センサがオンするまでの期間に限り動作可能となる。このため、シリンダロッドの前進時における作業者等との接触と流体回路の供給異常とを明確に認識可能になる。
【0011】
請求項5に係る部品供給装置によると、前進時、前記シリンダロッド及び前記ガイドを励磁することにより、部品がガイドの端面に磁気吸着され、部品を確実に供給できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、第1実施形態に係る部品供給装置の断面図、図2は、図1図示II部の拡大図、図3は、図1図示III部の拡大図、図4は、図1図示IV部の拡大図、図5は、図1図示V−V断面図、図6は、図1図示VI矢視図、図7は、流体圧(空気圧)回路の基本構成図、図8は、異常発生時の要部断面図をそれぞれ示す。また、図9は、第2実施形態に係る部品供給装置の断面図、図10は、流体圧(空気圧)回路の基本構成図、図11は、流量センサのスイッチ特性図をそれぞれ示す。
【0014】
[A]第1実施形態
図1〜図8において、部品供給装置100は、抵抗溶接機200に付設される。図1図示の抵抗溶接機200は、下部電極201と昇降可能な上部電極202とを備え、下部電極201の上にセットされた金属板などワーク300の上面に、部品供給装置100によって供給されてきたナットなど部品400を位置決めピン203によって位置決めしてセットし、上部電極202を下降させ、ワーク300と部品400を加圧して通電することによってワーク300に部品400を溶着させる動作を行う。また、図1図示とは上下逆の構成とし、上部電極202を固定側に、下部電極201を可動側とする方法も行うことできる。この場合、ワーク300と部品400の位置関係も逆のセッティングとなる。
【0015】
部品供給装置100は、図示しないナットフィーダーなど部品搬送装置によって一列に整列されて供給されてくる部品400を、各々のワーク300に対する溶接に同期させて一個ずつ溶接場所としての位置決めピン203に向けて供給するものである。
【0016】
部品供給装置100は、概念的には、部品搬送装置から供給されてくる部品400を待機させる部品プール部100Aと、前後方向(溶接場所203に向かう方向)へ往復移動可能で前進時に部品プール部100Aに待機している部品400を先端部に係合して溶接場所203に供給するロッド部100Bと、このロッド部100Bを前後方向へ移動可能に収容するとともに、ロッド部100Bに駆動力を与える流体圧(空気圧)が印加される圧力室を形成するハウジング部100Cと、このハウジング部100Cに配設されロッド部100Bの前進時にロッド部100Bの先端部に部品400を磁気吸着させるための励磁をする励磁部100Dと、ハウジング部100Cの圧力室に流体圧(空気圧)を印加する流体圧回路(空気圧回路)100Eとから構成される。
【0017】
部品プール部100Aは、ホース継ぎ手1によって部品供給ホース2に連結されたシュート3を備え、このシュート3は、部品搬送装置から部品供給ホース2内を自重により流下してくる部品400を縦一列に整列する。シュート3の下端はベース板4で塞がれており、先頭の部品400はこのベース板4に当接して待機状態となる。この待機状態の部品400は、その貫通孔400aの方向がロッド部100Bの移動方向と一致した状態で待機する。また、シュート3における部品貫通孔400aの前方および後方に位置する部位には、それぞれ部品400を係合したロッド部100Bの先端部の通過を許容するロッド挿通孔3a,3bが形成されている。図2及び図6に示すように、前方側のロッド挿通孔3aの前方には、前方へ回動可能にヒンジ板5を配置している。ヒンジ板5は、ブラケット6に固定されたピン7に固定されており、ブラケット6は、ハウジング部100Cの前面に固定されている。ピン7には、ばね8が取り付けられており、ばね8の一端はヒンジ板5の前面に、他端はシュート3の前面にそれぞれ位置している。ヒンジ板5は、通常時は、ばね8の付勢力によって図2に実線で示すように上記ロッド挿通孔3aを閉塞状態に保ち、ロッド部100Bの前進時には、部品400を係合したロッド部100Bの先端部から押圧力を受けると、図2に二点鎖線で示すように前方へ回動しロッド挿通孔3aを開放する。
【0018】
ロッド部100Bは、非磁性材からなるセンターロッド9を中心に有しており、センターロッド9は、前進時に、待機状態にある部品400の貫通孔400aに挿通可能な先端部9aを有する。センターロッド9の後端には、センターロッド9の外径よりも大径のロッドプレート10が固定されている。センターロッド9の外周には、センターロッド9の外径よりも大きな内径を有する円筒状の磁性材からなるシリンダロッド11が配置されている。シリンダロッド11の先端には、センターロッド9の軸心を保ちながら前後方向の往復移動を案内する円筒状の磁性材からなるガイド12が固着されている。シリンダロッド11の後端部外周には、円環状のピストン13が固着されている。ピストン13の後端面には、ロッドプレート10を収容する凹部13aが形成されている。上記のようにシリンダロッド11の内径はセンターロッド9の外径よりも大きいため、図5に示すように、センターロッド9の外周面とシリンダロッド11の内周面との間に空間14が形成される。この空間14は、後述するように圧力逃がし通路を構成している。シリンダロッド11の先端側の適宜位置には、図5に示すように、圧力逃がし通路14に連通する貫通孔11aが形成されている。
【0019】
ハウジング部100Cは、ピストン13を前後方向へ摺動可能に収容するとともに圧力室(空気圧室)15を形成する非金属材または非磁性材からなるシリンダ16を有する。図4に示すように、シリンダ16の後端部には、ロッド部100Bの後退移動を規制するストッパー面17が形成されている。また、シリンダ後端部には、ロッドプレート10の後面10aによって閉塞される小さな圧力室(空気圧室)18が形成されている。また、シリンダ後端部には、小さな圧力室18と、流体圧(空気圧)回路100Eの配管との間を連通する第1の入出力ポート19が穿設されている。図3に示すように、シリンダ16の前端部には、圧力室15と、流体圧回路100Eの配管との間を連通する第2の入出力ポート20が穿設されている。また、シリンダ16の前端部には、シリンダ16の位置決め用の接続金具21が固着されており、接続金具21にガイド30の円筒状後部がねじ結合されている。図2に示すように、ガイド30の前部は、コア22の円筒状後部に固着されている。コア22の円筒状後部の凹部を形成する底面及び周面と、ガイド30の前端面とで形成される空間23には、励磁部100Dが収容されている。
【0020】
励磁部100Dは、外部から電流の供給を受けるコイル24を有し、コイル24の通電時にシリンダロッド11及びガイド12を励磁する。
【0021】
流体圧回路100Eは、図7に概略的に示すように、圧力源25と、圧力源25に接続されたマスターバルブ26と、入力側がマスターバルブ26に、出力側が第1、第2の入出力ポート19,20にそれぞれ接続された駆動バルブ27と、第1の入出力ポート19側の圧力異常を検出し、異常検出時に回路電源を遮断する圧力スイッチ28とから構成される。
【0022】
次に、上記のように構成された部品供給装置100及び抵抗溶接機200の操作方法を説明する。
【0023】
(1)正常時
i) 回路電源を投入する。回路電源が投入されると、マスターバルブ26はオン状態となり、駆動バルブ27側に圧力流体が供給されるようになる。このとき、駆動バルブ27はオフ状態であり、圧力流体は第2の入出力ポート20を経て圧力室15内に供給され、ピストン13は後退位置まで後退する。ピストン13が後退位置にあるとき、ロッドプレート10は凹部13aに収容された状態にあり、センターロッド9の外周面とシリンダロッド11の内周面との間に形成される空間14のロッドプレート10側開口端は、ロッドプレート10の前面10bによって閉塞状態に保持される。
【0024】
ii)抵抗溶接機200の下部電極201の位置決めピン203にワーク300をセットする。
【0025】
iii) 抵抗溶接機200を起動する。抵抗溶接機200が駆動されると、駆動バルブ27がオンし、圧力流体が第1の入出力ポート19を経て小さな圧力室18内に供給され、ロッドプレート10の後面10aが流体圧を受け、センターロッド9とシリンダロッド11が一体となって前進し、センターロッド9の先端部9aが部品プール部100Aに待機している部品400の貫通孔400aに侵入する。この前進時、コイル24への通電を行い、シリンダロッド11及びガイド12を励磁する。この励磁により、ガイド12の端面で部品400が磁気吸着保持される。また、この前進時、センターロッド先端部9aに係合された部品400はヒンジ板5を押し、ヒンジ板5はばね8の付勢力に抗してピン7を支点として前方に回動し、ロッド挿通孔3aを開放する。
【0026】
iv)センターロッド9及びシリンダロッド11の前進によりセンターロッド先端部9aの最先端が位置決めピン203の真上まで前進してきたとき、ピストン13が圧力室15の前端面と当接することによって前進が停止する。この前進停止時、シリンダ16に予め配設した前進端センサ29がピストン13を検出するようになり、この検出信号(オン信号)によりコイル24への通電が停止され、シリンダロッド11及びガイド12の励磁が解除され部品400への磁気吸着力が消失する。この磁気吸着力の消失により、センターロッド先端部9aに係合している部品400は重力及び慣性によって前方へ飛び出し、位置決めピン203に嵌り、ワーク300の上に乗る。
【0027】
v)センサ29作動後、所定時間が経過した時点で駆動バルブ27をオフへスイッチングする。駆動バルブ27がオフ状態になると、圧力流体が第2の入出力ポート20を経て圧力室15内に供給され、ピストン13の前面が流体圧を受け、シリンダロッド11とセンターロッド9が一体となって後退する。同時に、抵抗溶接機200が作動し、上部電極202が下降して下部電極201との間でワーク300及び部品400を加圧通電し両者300,400を溶接する。
【0028】
vi)溶接完了後は、上部電極202を上昇させ、ワーク300をアンロードする。
【0029】
(2)異常発生時
部品400がガイド12の端面に磁気吸着された状態でセンターロッド先端部9aが前進しているときに、その前方に何らかの障害物が入り、センターロッド先端部9aが障害物に接触すると、センターロッド9に後退方向の力が作用し、図8に示すように、センターロッド9がシリンダロッド11から分離するようになる。つまり、ロッドプレート10がピストン凹部13aから抜け出て、圧力逃がし通路14のロッドプレート10側開口端が開放されるようになる。このため、小さな圧力室18側の圧力室15A内の圧力流体は圧力逃がし通路14を経てシリンダロッド貫通孔11aから大気に放出されるようになり、センターロッド9への前進駆動流体圧が減圧する。また、圧力室15A内の流体圧の減圧により圧力スイッチ28がオンする。圧力スイッチ28のオンにより、回路電源がオフし、マスターバルブ26及び駆動バルブ27がオフする。これにより、センターロッド9及びシリンダロッド11はフリーな状態つまり安全な状態になる。
【0030】
以上説明したように、第1実施形態の部品供給装置100は、ナットなど部品400を溶接場所(位置決めピン203)に供給する部品供給装置において、同心円状に配されかつ前後方向へ互いに分離可能なセンターロッド9およびシリンダロッド11と、シリンダロッド11の端部に固着したセンターロッド9用のガイド12と、センターロッド9の外周面とシリンダロッド11の内周面との間に形成される圧力逃がし通路14とを備え、センターロッド9およびシリンダロッド11は、流体圧を受け、通常は一体となって前進及び後退し、前進時にセンターロッド9の先端部9aに部品400を係合して溶接場所203に供給し、前進時、センターロッド9の先端部9aが障害物に衝突したとき、センターロッド9とシリンダロッド11とが互いに分離することによって圧力逃がし通路14が開放され、センターロッド9およびシリンダロッド11の前進駆動流体圧が圧力逃がし通路14を介して減圧される。
【0031】
第1実施形態によると、センターロッド9の前進時に作業者等の身体などが接触すると、前進駆動流体圧が減圧されるようになるため、センターロッド9から身体などに加わる衝撃力が十分に弱くなり、作業者等を怪我から守ることが可能になる。
【0032】
また、前進駆動流体圧の減圧を検出する圧力スイッチ28を備え、圧力スイッチ28が上記減圧を検出したとき、前進駆動流体圧の印加を停止することにより、前進駆動流体圧の減圧をより急速に行うことができるようになる。
【0033】
また、前進時、シリンダロッド11及びガイド12を励磁することにより、ガイド12の端面に部品400が磁気吸着されるため、確実に部品400を溶接場所まで供給できる。
【0034】
[B]第2実施形態
図9において、第2実施形態に係る部品供給装置100は、図1に示した第1実施形態に係る部品供給装置100に、シリンダロッド11の後退端を検出するための後退端センサ31を設けて構成される。この後退端センサ31は、後述する如く、流量センサ32及び圧力スイッチ28の動作可能な期間をシリンダロッド11の前進時つまり後退端から前進端までの移動の間のみに限定するために、シリンダロッド11の後退端を検出するものである。
【0035】
また、図10において、第2実施形態に係る部品供給装置100の流体圧(空気圧)回路は、図7に示した第1実施形態に係る流体圧(空気圧)回路に、シリンダロッド11の前進時に圧力室15から排出される圧力流体の流量を検出するための流量センサ32を設けて構成される。この圧力室15は、シリンダロッド11の後退時に、シリンダロッド11に対し後退駆動流体圧を作用する室である。
【0036】
流量センサ32は、図11に示すようなスイッチ特性を有しており、このスイッチ特性は、圧力流体の流量がオン設定値以上に増大したときオン状態へスイッチングし、また、圧力流体の流量がオフ設定値以下に減少したときオフ状態へスイッチングするよう設定してあり、ヒステリシスをもたせている。そして、流量センサ32は、流体圧回路の供給圧が正常であるときには、シリンダロッド11が所定の移動速度で前進し、圧力室15から排出される圧力流体の流量が正常範囲内(オン設定値以上)にあることから、オン状態を保持する。一方、流体圧回路の供給圧が変動(低下)し、シリンダロッド11の前進移動速度がゼロもしくは遅くなり、圧力室15から排出される圧力流体の流量が低下して正常範囲外(オフ設定値以下)になると、オフ状態へスイッチングする。流量センサ32がオフ状態へスイッチングすると、上記の如き圧力スイッチ28がオンしたときと同様、回路電源がオフし、マスターバルブ26及び駆動バルブ27がオフし、センターロッド9及びシリンダロッド11はフリーな状態つまり安全な状態になる。なお、流量センサ32がオフ状態へスイッチングしたことを作業者に知らせるランプ等を設けておくと、作業者は、回路電源のオフ原因が供給圧不足によるものであると容易に認識できるようになり、その後の適切な処置(流体圧回路の点検等)を迅速にとることが可能になる。流量センサ32は、シリンダロッド11の前進時つまり後退端から前進端までの移動の間のみに動作可能とされており、後退端は後退端センサ31からのオン信号により、また、前進端は前進端センサ29からのオン信号によって検出される。また、圧力スイッチ28も、流量センサ32と同様、シリンダロッド11の前進時つまり後退端から前進端までの移動の間のみに動作可能とされる。なお、その他の構成及び動作は、上述した第1実施形態と同様である。
【0037】
このように、第2実施形態に係る部品供給装置は、シリンダロッド11の後退時に、シリンダロッド11に対し後退駆動流体圧を作用する圧力室15を備えるとともに、前進駆動流体圧によるシリンダロッド11の前進時、シリンダロッド11の前進によって圧力室15から排出される圧力流体の流量を検出する流量センサ32を備え、流量センサ32により圧力流体の流量が所定範囲以下になったことが検出されたとき、前進駆動流体圧の印加を停止する。このため、流体圧回路の供給圧自体の変動(低下)によって圧力スイッチ28が誤動作するような場合であっても、流量センサ32の信号に基づいて供給圧の低下を検出できるため、この検出をランプ等で作業者に知らせることにより、作業者は、その後の適切な処置(流体圧回路の点検等)を迅速にとることができるようになる。
【0038】
また、シリンダロッド11の前進端を検出する前進端センサ29と、シリンダロッド11の後退端を検出する後退端センサ31とを備え、圧力スイッチ28及び流量センサ32は、後退端センサ31がオフした後、前進端センサ29がオンするまでの期間に限り動作可能となる。このため、シリンダロッド11の前進時における作業者等との接触と流体圧回路の供給異常とを明確に認識可能になる。
【0039】
なお、上述した各実施形態は、部品供給装置を自動操作モードで動作させているときを説明したが、作業者が部品供給装置を手動操作モードで動作させるときにも作業者の身体を怪我から守ることができる。
【0040】
つまり、部品供給装置の初期設定をする場合(センターロッド9を下部電極201に対して位置合わせなどする場合)、あるいは、作業中に何らかの理由で装置の作動を確認するような場合、作業者は、装置を手動操作モードに切替え、操作スイッチ(行程スイッチ)をオンしてセンターロッドを前進させる。このセンターロッド9の前進は、上述した自動操作モード時と同様、駆動バルブ27をオンして圧力室15Aに圧力流体を供給することによって行なわれる。この前進時に、作業者の手等がセンターロッド9に接触した場合には、自動操作モード時と同様、圧力スイッチ28がオンすることによってマスターバルブ26及び駆動バルブ27がオフし、センターロッド9及びシリンダロッド11がフリーな状態となり、作業者の身体を怪我から守ることができる。なお、操作スイッチをオンすると、前進端センサ29はオフ状態に維持されるため、センターロッド9が前進端まで前進したとき駆動バルブ27がオフにスイッチングせず、センターロッド9は後退しなくなる。このため、センターロッド9を後退させるために、作業者は、操作スイッチを元の状態に戻し、自動操作モードに切替える操作を行なう。
【0041】
【発明の効果】
本発明の部品供給装置によると、自動停止機構を備えていない装置において、簡素かつ安価な構成によって、作業者等が作業域に侵入し部品供給ロッドが身体に接触した場合に、身体を怪我から守ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る部品供給装置の断面図である。
【図2】図1図示II部の拡大図である。
【図3】図1図示III部の拡大図である。
【図4】図1図示IV部の拡大図である。
【図5】図1図示V−V断面図である。
【図6】図1図示VI矢視図である。
【図7】流体圧(空気圧)回路図である。
【図8】異常発生時の要部断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る部品供給装置の断面図である。
【図10】流体圧(空気圧)回路の基本構成図である。
【図11】流量センサのスイッチ特性図である。
【符号の説明】
100 部品供給装置
400 部品
203 溶接場所(位置決めピン)
9 センターロッド
9a 先端部
11 シリンダロッド
12 ガイド
14 圧力逃がし通路
28 圧力スイッチ
29 前進端センサ
31 後退端センサ
32 流量センサ
Claims (5)
- ナットなど部品を溶接場所に供給する部品供給装置において、
同心円状に配されかつ前後方向へ互いに分離可能なセンターロッドおよびシリンダロッドと、
前記シリンダロッドの端部に固着した、前記センターロッド用のガイドと、
前記センターロッドの外周面と前記シリンダロッドの内周面との間に形成される圧力逃がし通路とを備え、
前記センターロッドおよび前記シリンダロッドは、流体圧を受け、通常は一体となって前進及び後退し、前進時にセンターロッドの先端部に前記部品を係合して前記溶接場所に供給し、
前進時、前記センターロッドの先端部が障害物に衝突したとき、該センターロッドと前記シリンダロッドとが互いに分離することによって前記圧力逃がし通路が開放され、前記センターロッドおよび前記シリンダロッドの前進駆動流体圧が前記圧力逃がし通路を介して減圧されることを特徴とする部品供給装置。 - 前記前進駆動流体圧の減圧を検出する圧力スイッチを備え、該圧力スイッチが前記減圧を検出したとき、前記前進駆動流体圧の印加を停止することを特徴とする請求項1記載の部品供給装置。
- 前記シリンダロッドの後退時に、該シリンダロッドに対し後退駆動流体圧を作用する圧力室を備えるとともに、前記前進駆動流体圧による前記シリンダロッドの前進時、該シリンダロッドの前進によって前記圧力室から排出される圧力流体の流量を検出する流量センサを備え、該流量センサにより前記圧力流体の流量が所定範囲以下になったことが検出されたとき、前記前進駆動流体圧の印加を停止することを特徴とする請求項2記載の部品供給装置。
- 前記シリンダロッドの前進端を検出する前進端センサと、前記シリンダロッドの後退端を検出する後退端センサとを備え、前記圧力スイッチ及び前記流量センサは、前記後退端センサがオフした後、前記前進端センサがオンするまでの期間に限り動作可能となることを特徴とする請求項3記載の部品供給装置。
- 前進時、前記シリンダロッド及び前記ガイドを励磁することを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか記載の部品供給装置。
Priority Applications (1)
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