JP2004000977A - 接着複合体の解体方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着複合体の接着部分のみを効率的に加熱することにより、解体時におけるエネルギー、時間および労力を省力化することができる、接着複合体の解体方法を提供する。
【解決手段】誘電加熱接着用樹脂組成物を含有し、高周波電圧を印加することにより加熱溶融するホットメルト接着剤と、このホットメルト接着剤により接合部において接着された被接着材と、を備えた接着複合体の解体方法であって、この接合部に対してこの高周波電圧を印加することにより、このホットメルト接着剤を加熱溶融させるステップと、この被接着材をこの接合部において剥離するステップと、を備える、接着複合体の解体方法。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着複合体の解体方法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、ガラス、セラミックス、金属、樹脂、よりなる群から選ばれた同種または異種材料同士をホットメルト接着剤により結合して得られる接着複合体を、加熱炉を使用することなく短時間高周波電圧を印加することにより加熱溶融することにより容易に短時間で解体することができる、接着複合体の解体方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、接着剤の機能の進歩は目覚しく、電気、機械、土木、建築、木材、紙、繊維、化学などの多くの分野で接着剤が利用されている。また、接着剤の機能の高度化に伴い、従来は副資材的な使われ方をしてきた接着剤が、最近は重要な構造部分の主用資材の接着にも用いられるようになりつつある。たとえば、自動車のブレーキライニング間の接着、航空機の軽量強化策のハニカム構造の接着など、信頼性を必要とする個所にも接着剤が多く使われている。
【0004】
従来から汎用的に使用されてきたネジ、釘、溶接などの接着技術に代えて接着剤を利用すると、製造工程を簡略化することができ、大幅なコストの削減を実現できる場合が多く、また、接着剤を利用すると製品を軽量化することができる。そして、この接着剤による軽量化が、自動車、鉄道車両、航空機などに応用されると、動力エネルギーの省力化に間接的に寄与することとなり、さらに間接的に地球環境問題の原因となり得る二酸化炭素の排出量削減に寄与することとなる。そのため、各産業分野で接着剤の重要性はますます高まりつつある。
【0005】
上記のように、自動車、鉄道用車両、航空機の製造、あるいは、土木や建築などの分野で用いられるような、大きなガラス、セラミックス、金属、樹脂、よりなる群から選ばれた同種または異種材料同士を接着する場合、従来は、接着性および/またはその結合の耐久性の改善のために、接着剤を塗布する前に被接着材の表面にプライマーを塗布し、当該プライマーの乾燥および/または硬化後に、当該プライマーの塗膜の表面に接着剤を塗布し、当該接着剤を乾燥および/または硬化させて被接着材同士を接着させることが多かった。
【0006】
しかし、プライマーを用いて被接着材の化学的前処理を行なった場合には、プライマーおよび/または接着剤の含有する溶剤の乾燥や、プライマーおよび/または接着剤の硬化反応に長時間がかかるという問題があり、また溶剤の使用による作業環境および地球環境への悪影響という問題があった。
【0007】
そこで、上記の問題を解決するために、最近では、ホットメルト接着剤が工業的に広く利用されてきている。ホットメルト接着剤は、溶剤をほとんど含有しないか、あるいは溶剤を全く含有しないため、作業環境および地球環境に悪影響を与えることが少なく、引火の危険性が低く、常温で固形のため取扱いが簡単であるなどの特徴を有し、さらに溶融接着後放置するとすぐに固化するので自動化による高速大量加工処理に適した接着剤ということができる。
【0008】
しかし、一般的なホットメルト接着剤には、高温下での接着強度が低く要求の性能が得られない場合が多いという難点がある。また、高温タイプのホットメルト接着剤を使用する場合、当該接着剤の融点が高いため大きな加熱炉が必要であるため製造コストがその分高くならざるを得ない。また、ホットメルト接着剤を使用する場合には、加熱工程と冷却工程のサイクルが必要であり、工業化にあたっては大きな障害があり、実用化には困難が伴わざるを得ない。
【0009】
そこで、上記のようなホットメルト接着剤の長所を有し、かつ上記のような短所を克服した接着剤を得ようとして、現在各方面でホットメルト接着剤の開発に多くの努力が払われている。本発明における誘電加熱接着用樹脂組成物を含有する接着剤は、ホットメルト接着剤の一種であり、当該接着剤を被接着材間に介在させた状態で高周波電圧を印加することによって加熱溶融され、その後冷却されて固化することにより被接着材同士を接着させる機能を有する。本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を含有する接着剤を用いる場合は、大きな加熱炉を有するアプリケーターなどを必要としないため、従来のホットメルト接着剤を用いる場合よりも、さらに被接着材同士の接着工程を簡便なものにすることができる。そのため、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を含有する接着剤を用いることにより生産性の大幅な向上が可能となる。
【0010】
ここで、これまで高周波発熱は、分子の極性化に基づく分子摩擦による発熱によるものと考えられており、一般に熱可塑性樹脂の高周波電圧の印加による発熱効率は、誘電率(ε)、誘電正接(tanδ)およびこれらの積である誘電損失係数{(ε)×(tanδ)}が大きいほど優れていると考えられている。そして、熱可塑性樹脂の中でも、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などの炭化水素結合を主体とするポリオレフィン系樹脂は、無極性であるので誘電率(ε)および誘電正接(tanδ)が小さく高周波加熱には適さないと考えられている。
【0011】
反面、ポリオレフィン系樹脂は、靭性、耐衝撃性、柔軟性、加工性、透明性、耐酸性、耐アルカリ性、水に対する低透過性、熱安定性、電気的絶縁性などに優れており、融点以上で高い粘性を示すため、接着剤用のバインダ樹脂として適した性質を備えているといえる。また、ポリオレフィン系樹脂は、世界で最も大量に生産されている樹脂であるため、入手が容易かつ低価格であるという面でも優れている。そのため誘電加熱可能なホットメルト接着剤のバインダ樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いることを可能にする技術の開発が強く望まれている。
【0012】
実際、ポリオレフィン系樹脂の有する優れた特性を生かしながら上記の問題点を克服するために、ポリオレフィン系樹脂にポリ塩化ビニル樹脂のような極性の高い樹脂を混合する技術や、熱可塑性樹脂に誘電損失係数の大きい無機物質を配合する技術(たとえば、特許文献1参照。)や、熱可塑性樹脂に強誘電体を配合する技術(たとえば、特許文献2参照。)も提案されているが、いずれの技術も発熱不足のため加熱に時間が掛かり過ぎ実用的ではない。また、ポリ塩化ビニル樹脂については、ポリオレフィン樹脂よりも比重が重いため施工時に取扱いが難しく、焼却処理することによりダイオキシンをはじめとする人体や地球環境に悪影響を与える物質を生成する可能性があるという問題がある。
【0013】
また、高周波電圧を印加する誘電加熱では発熱量が全く不足することから、強磁性体を配合して高周波コイルによる導電体の誘導加熱を使用した電磁誘導加熱を利用することもなされている(たとえば、特許文献3参照。)が、このような複合体の誘導加熱は効率が低いため接着剤の熱容量に比較して被接着材の熱容量が不足する場合、接着剤を接着に必要な温度まで上げるには長時間を要するため生産性が低く、現在のところ実用化できる段階にはない。
【0014】
さらに、ポリオレフィン系樹脂などの無極性樹脂のフィルムにフェライトなどの電磁波吸収体を配合あるいは塗布したフィルムが開示されている(たとえば、特許文献4参照。)。また、熱可塑性樹脂100質量部に、無機他孔質粉末2〜20質量部に液状の極性物質3〜30質量部を吸着させた高周波またはマイクロ波増感剤を加えた熱可塑性樹脂組成物が開示されている(たとえば、特許文献5参照。)。しかし、これらの技術を用いても、ポリオレフィン系樹脂を十分短い時間で加熱溶融することができ、十分に強い接着性を有する誘電加熱接着用樹脂組成物として用いることは未だにできないのが現状である。
【0015】
そして、超高分子量ポリエチレンに、酸化亜鉛、ベントナイト、およびアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルミノケイ酸塩などの無線周波増感剤と、無線周波感度の向上に適する物質とを加える技術が開示されている(たとえば、特許文献6参照。)。また、熱可塑性ポリマーに、N−エチルトルエンスルホンアミドを4〜10質量%配合した組成物からなる無線周波エネルギー増感剤を加える技術が開示されている(たとえば、特許文献7参照。)。さらに、ポリオレフィン樹脂100質量部に、結晶水を有する無機粉末を20〜200質量部配合する技術が開示されている(たとえば、特許文献8参照。)。また、Q.X.Nguyen, R. Gauvin, Y. Belanger; ANTEC ’91, p2245−2247に開示されているように、超高分子量ポリエチレンにアルミノケイ酸ナトリウムを加える技術は一般によく知られている。また、市販のマイクロ波増感剤としては、STRUKTOL社(米国)製、FREQUON(商品名)などがよく知られている。しかし、これらの技術を用いても、やはりポリオレフィン系樹脂を十分に短い時間で加熱溶融することができ、十分に強い接着性を有する誘電加熱接着用樹脂組成物として用いることは未だにできないのが現状である。
【0016】
さらに、ポリオレフィン系樹脂のうちエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−メチルアクリレート共重合体などの極性基を有するエチレン系共重合体は高温融着が可能であることはよく知られている。そして、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体に、ポリアミド、ビニル重合体、ポリエステルまたはポリウレタンを混合する技術が開示されている(たとえば、特許文献9参照。)。
【0017】
また、プロピレン系重合体と、エチレンおよび不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸誘導体からなるエチレン系共重合体とを配合する樹脂組成物が開示されている(たとえば、特許文献10参照。)。しかし、これらの共重合体は、接着性および加熱に要する時間の面でも不十分なものであるのが現状である。
【0018】
ここで、上記のように、被接着材の接着工程の時間短縮のために、ホットメルト接着剤を用いて急激な加熱を行なう接着方法を選ぶと、ホットメルト接着剤のみならず被接着材も軟化あるいは溶融し、その被接着材の再硬化に時間がかかるため、実用化に問題があった。特に、ホットメルト接着剤の熱容量に比較して被接着体の熱容量が不足する場合には、ホットメルト接着剤を接着に必要な温度まで上げるには長時間を要するため、生産性が低くなり実用的でない。
【0019】
そのため、上記のようにホットメルト接着剤の加熱速度が加速化するに伴い、一方では被接着材に対しても高速な加熱や固化に耐える材質の開発の要求が高まってきた。そのため、近年、未だ実例は少ないが、幾つかの企業等がこのようなホットメルト接着剤用の被接着材の開発に取組み始めている。
【0020】
たとえば、ドアトリムなどの基材に対して、ホットメルト接着剤により高い接着性を持って貼着されるポリエチレンテレフタレートからなるパッキング樹脂層を備える内装材についての技術が開示されている(たとえば、特許文献11参照。)。しかし、この技術は、一般的なホットメルト接着剤との接着性を向上させることのみを目的としており、この文献には、高周波誘電加熱可能なホットメルト接着剤についての記載は無い。
【0021】
また、これまで、自動車業界、家電業界を始めとして、従来公知の接着剤を用いて組立てられた各種部品の廃棄物は、接着部分の剥離が難しいため、粉砕した上で廃棄されてきた。このため、あらゆる産業においてリサイクルの促進が求められているにも関わらず、各種部品の廃棄物を構成する各種材質を分別して、再使用や再生ができなかった。
【0022】
このような問題を克服するため、一部の部品においては、ホットメルト接着剤の使用が試みられ、ホットメルト接着剤を加熱溶融して被接着材を剥離することにより、リサイクルの促進に一応の成果を挙げてきた。しかし、従来公知のホットメルト接着剤を使用して組立てられた部品においては、組立てられた部品全体を加熱炉の中で高温処理することが必要であるため、大きな加熱炉が必要なことによるコストの増加や、加熱によるリサイクル部品の材質の劣化などのため、再利用を促進する効果にも一定の限界があった。
【0023】
また、従来公知のホットメルト接着剤により組立てられた部品を解体するには、加熱工程と冷却工程のサイクルが必要であり、接着部分以外の部位まで加熱しなければならず加熱効率も悪いことから、工業化に大きな障害となる。そのため、従来公知のホットメルト接着剤により組立てられた部品の解体方法は、本格的には実用化されてこなかった。
【0024】
そこで、このような問題を克服するために、高周波誘導で発熱する発熱体を含有する熱可塑性樹脂組成物を含有するホットメルト接着剤で接着された部品を誘導加熱して被接着材を剥離させる解体方法が開発されてきている(たとえば、特許文献12参照。)。しかし、発熱体としてあらかじめ熱可塑性樹脂組成物に金属を挿入しておく必要があり、加熱効率も十分であるとは言えないため、実用化に至っていないのが現状である。
【0025】
【特許文献1】
特開昭52−68273号公報
【0026】
【特許文献2】
特開昭54−161645号公報
【0027】
【特許文献3】
特開昭62−132983号公報
【0028】
【特許文献4】
特開平6−182876号公報
【0029】
【特許文献5】
特開平6−228368号公報
【0030】
【特許文献6】
特公平5−42982号公報
【0031】
【特許文献7】
特開平2−182419号公報
【0032】
【特許文献8】
特開平2−129243号公報
【0033】
【特許文献9】
特公平8−193150号公報
【0034】
【特許文献10】
特開平10−273568号公報
【0035】
【特許文献11】
特開2001−58382号公報
【0036】
【特許文献12】
特開2002−144341号公報
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
上記の現状に基づき、本発明の課題は、接着複合体の接着部分のみを効率的に加熱することにより、解体時におけるエネルギー、時間および労力を省力化することができる、接着複合体の解体方法を提供することである。
【0038】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の接着複合体の解体方法を提供するには、ポリオレフィン系樹脂に導電物質を含有させて、ポリオレフィン系樹脂の誘電正接を高めた誘電加熱接着用樹脂組成物を含有するホットメルト接着剤を用いた接着複合体を高周波加熱により解体すればよいとの着想を得、さまざまな導電物質を用いて鋭意検討を重ねた。そして、検討の末に、体積抵抗率が10−2Ω・cm以下である導電物質を含有することにより、ポリオレフィン系樹脂の誘電正接を高めることができ、このようなポリオレフィン系樹脂を含有するホットメルト接着剤を用いた接着複合体は、高周波加熱により容易に解体できることを見出し、本発明の接着複合体の解体方法を完成させた。
【0039】
すなわち、本発明の接着複合体の解体方法は、ホットメルト接着剤と、このホットメルト接着剤により接合部において接着された被接着材とを備えた接着複合体であって、このホットメルト接着剤は、誘電加熱接着用樹脂組成物を含有し、高周波電圧を印加することにより加熱溶融するホットメルト接着剤であり、この誘電加熱接着用樹脂組成物は、融点が60〜200℃の範囲にあるポリオレフィン系樹脂と、体積抵抗率が10−2Ω・cm以下である導電物質とを含有し、40MHzの周波数における23℃条件下の誘電正接が0.03以上である、誘電加熱接着用樹脂組成物であり、この導電物質のこの誘電加熱接着用樹脂組成物中の含有量は1〜30容量%の範囲にある、高周波電圧を印加することにより解体可能な、接着複合体の解体方法であって、この接合部に対してこの高周波電圧を印加することにより、このホットメルト接着剤を加熱溶融させるステップと、この被接着材をこの接合部において剥離するステップと、を備える、接着複合体の解体方法である。
【0040】
ここで、この加熱溶融させるステップは、この接合部に対して、周波数が1〜5000MHzの範囲にあり、高周波出力0.1〜100kWの範囲にあるこの高周波電圧を、1〜1000秒間の範囲で印加するステップを含むことが好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。
【0042】
<誘電加熱接着用樹脂組成物>
最初に、誘電加熱接着用樹脂組成物について説明することとする。
【0043】
ここで、本明細書において、誘電加熱接着用樹脂組成物とは、高周波電圧を印加することにより加熱溶融し、その後冷却することにより凝固して、被接着材同士を接着させる性質を有するホットメルト接着剤のバインダとして好適に使用し得る樹脂組成物を指すものとする。
【0044】
次に、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物の誘電正接(tanδ)について説明することとする。
【0045】
ここで、誘電正接(tanδ)とは、複素誘電率の損失係数(tanδ)を指し、一般に熱可塑性樹脂の高周波電圧の印加による発熱効率は、誘電率(ε)、誘電正接(tanδ)およびこれらの積である誘電損失係数{(ε)×(tanδ)}が大きいほど優れていると考えられている。
【0046】
そして、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物の40MHzの周波数における23℃条件下の誘電正接(tanδ)(以下、単に本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物の(tanδ)と呼称する)は0.03以上である必要があり、0.1以上であれば好ましい。本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物の誘電正接(tanδ)が0.03未満の場合には、発熱が乏しくホットメルト接着剤が溶融しないか、長時間の加熱が必要であるという問題が生じるためである。
【0047】
次に、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物に用いられるポリオレフィン系樹脂(以下、単に本発明に用いるポリオレフィン系樹脂と呼称する)について説明することとする。
【0048】
ここで、一般にオレフィンとは、1個の炭素間二重結合を有し反応性の高い不飽和炭化水素のことを示し、エチレンやプロピレンなどが代表例である。また、一般にポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン単量体の重合反応により製造される樹脂を示し、ポリエチレンやポリプロピレンなどが代表例である。
【0049】
そして、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂としては、要求される特性を満たす限り特に限定されるものではなく、従来公知のポリオレフィン系樹脂およびジエン系樹脂を使用可能である。ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン共重合系樹脂、ポリプロピレン共重合系樹脂、エチレン−プロピレン共重合系樹脂、エチレン−αオレフィン共重合系樹脂などが挙げられる。
【0050】
ここで、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂としては、前述のポリオレフィン系樹脂の一種または二種以上を同時に混合して使用可能である。また、ジエン系樹脂はポリオレフィン系樹脂に含まれないのではないかという疑義も生じ得るが、本明細書においてポリオレフィン系樹脂と称する際には、説明の都合上、ジエン系樹脂を含むものとする。
【0051】
また、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂は、酢酸ビニル、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸塩などを、ポリオレフィン系樹脂全体の3〜50モル%の範囲で共重合成分として含有することが好ましい。単量体成分の含有量が3モル%未満の場合には接着性が低下する傾向があり、単量体成分の含有量が50モル%を超える場合にはポリオレフィン系樹脂の有する耐熱性が失われてしまう場合がある。
【0052】
そして、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂は、無水カルボン酸基、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、シラノール基などを含む単量体を共重合成分やグラフト重合成分として含有することが好ましい。前述の単量体の中でも、共重合成分としては不飽和カルボン酸やメタクリル酸グリシジルが特に好ましく、グラフト重合成分としては無水マレイン酸が特に好ましい。
【0053】
前述の官能基を本発明に用いるポリオレフィン系樹脂に導入することにより、本発明に用いるホットメルト接着剤の被接着材が強化熱可塑性樹脂である場合には、本発明に用いるホットメルト接着剤と当該強化熱可塑性樹脂との接着性を改善することができる。
【0054】
そして、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂の融点は80〜200℃の範囲にある必要があり、90℃〜180℃の範囲にあればさらに好ましい。融点が80℃未満の場合には、当該ポリオレフィン系樹脂を含有する接着剤の高温での接着強度が不足するという問題があり、融点が200℃を超える場合には、当該ポリオレフィン系樹脂を含有する接着剤を溶融するまでに時間がかかりすぎるという問題がある。
【0055】
ここで、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物中の上記のポリオレフィン系樹脂の含有量は70〜99容量%の範囲にあることが好ましく、75〜95容量%の範囲にあればさらに好ましい。ポリオレフィン系樹脂の含有量が70容量%未満の場合には成形時の流れ性が低下したり接着強度が低下するという傾向があり、ポリオレフィン系樹脂の含有量が99容量%を超える場合には高周波加熱で溶融しないという傾向がある。
【0056】
続いて、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物に用いられる導電物質(以下、単に本発明に用いる導電物質と呼称する)について説明することとする。ここで、本明細書において、導電物質とは導電性を有する物質の総称であり、その材質は問わないものとする。
【0057】
ここで、一般に、誘導加熱は電磁誘導により被加熱体である導体にランダムなうず電流を発生させ抵抗により発熱させるのに対して、誘電加熱は不導体に電圧を印加して分子の分極による内部摩擦熱を利用する。そして、一般に前述の内部摩擦の程度は誘電正接(tanδ)の形で評価されるものである。
【0058】
本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物中に体積抵抗率(ρ)が10−2Ω・cm以下である導電物質を配合すると、高周波電圧の印加に対しての当該樹脂組成物の誘電正接(tanδ)が0.03以上に大きくなり、誘電正接(tanδ)と誘電率(ε)との積である誘電損失係数{(ε)×(tanδ)}も大きくなる。
【0059】
ここで、体積抵抗率(ρ)が10−2Ω・cm以下と大変小さく、したがって誘電正接(tanδ)も0.0001以下と非常に小さい導電物質を、一般に誘電正接(tanδ)が0.01〜0.03のポリオレフィン系樹脂に配合して、その誘電正接(tanδ)が0.03以上に高まることは、従来の技術常識からは予測されなかった結果であるといえる。
【0060】
そして、高周波加熱では誘電損失係数{(ε)×(tanδ)}が大きいと発熱量も大きくなるため、体積抵抗率(ρ)が10−2Ω・cm以下の導電物質を含有することにより誘電正接(tanδ)が0.03以上に高まった本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物においては、高周波電圧の印加に対しての昇温速度が速くなる。その結果、当該樹脂組成物を含有する本発明に用いるホットメルト接着剤の溶融に要する時間も短縮されることとなる。
【0061】
ここで、本発明に用いる導電物質の体積抵抗率(ρ)は、10−2Ω・cm以下である必要があり、10−4Ω・cm以下であれば好ましい。導電物質の体積抵抗率(ρ)が10−2Ω・cmを超えると、誘電正接はほとんど上昇せず、加熱に時間がかかるという問題が生じるためである。
【0062】
本発明に用いる導電物質の材質は、特に限定されるものではなく、導電性を有し、かつ体積抵抗率(ρ)が10−2Ω・cm以下である物質であれば用いることができる。本発明に用いる導電物質の材質の具体例としては、体積抵抗率(ρ)が10−2Ω・cm以下である鉄、銅、銀、鉄を主成分とする合金(以下、単に鉄系合金と呼称する)、銅を主成分とする合金(以下、単に銅系合金と呼称する)、銀を主成分とする合金(以下、単に銀系合金と呼称する)、炭素、炭素を主成分とする無機化合物(以下、単に炭素系化合物と呼称する)などが挙げられる。
【0063】
また、前述の導電物質の中では、α鉄、β鉄、γ鉄、炭素鋼などの鉄または鉄系合金や、炭素繊維やカーボンブラックなどの炭素または炭素系化合物などが、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物中に含有される樹脂へ与える影響や経済性の面からは特に好ましい。さらに、前述の導電物質は、一種または二種以上を混合して同時に使用してもよい。
【0064】
本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物全体に対する本発明に用いる導電物質の含有量(以下、単に本発明に用いる導電物質の含有量と呼称する)は、1〜30容量%の範囲にある必要があり、5〜25容量%の範囲にあれば好ましく、7〜20容量%の範囲にあればさらに好ましい。
【0065】
ここで、本発明に用いる導電物質の含有量が1容量%未満では、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を含有するホットメルト接着剤の高周波電圧印加条件下における発熱量が不足して接着可能な温度までの上昇に長時間を必要とし、本発明に用いる導電物質の含有量が30容量%を超えると、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を含有するホットメルト接着剤の接着力が不足する。
【0066】
また、本発明に用いる導電物質の形状は、特に限定されず、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物中に含有し得る形状であればよく、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を含有するホットメルト接着剤に適用される接着工法にふさわしい形状より選ばれる。本発明に用いる導電物質の形状の具体例としては、粉末状、粒状、顆粒状、針状、繊維状、鱗片状、網状、薄膜状、紐状、棒状などが挙げられる。ここで、本発明に用いる導電物質の形状は、前述の形状のうち、一種または二種以上を同時に用いるものであってもよい。
【0067】
前述の粉末状、粒状、顆粒状、針状、繊維状、鱗片状などの形状は、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物への練りこみに使用される本発明に用いる導電物質の形状として採用される場合が多い。この際、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を含有するホットメルト接着剤を高周波電圧を印加することにより均一に加熱するためには、前述の導電物質は当該樹脂組成物中に均一に分散した状態で含有されていることが好ましい。
【0068】
本発明に用いる導電物質が、粉末状、粒状、顆粒状、針状、繊維状、鱗片状よりなる群から選ばれる一種または二種以上である場合には、当該導電物質の平均粒径は1〜500μmの範囲にあることが好ましく、2〜300μmの範囲にあればさらに好ましい。当該導電物質の平均粒径が10μm未満の場合には、接着剤に配合するとき分散不良を起こす傾向があり、当該導電物質の平均粒径が500μmを超える場合には、接着強度が低下する傾向がある。
【0069】
前述の網状、薄膜状、紐状、棒状などの形状は、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物中にインサート(埋込み)される本発明に用いる導電物質の形状として使用することが推奨される。この際、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を含有するホットメルト接着剤を高周波電圧を印加することにより均一に加熱するためには、前述の導電物質は当該樹脂組成物中に均一に分布した状態で含有されていることが好ましい。
【0070】
また、前述の網状、薄膜状、紐状、棒状などの形状を有する本発明に用いる導電物質を含有する層と、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂を含有する層とを積層するという構造で用いることも推奨される。この際、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を含有するホットメルト接着剤を高周波電圧を印加することにより均一に加熱するためには、本発明に用いる導電物質を含有する層は薄いシート状であることが望ましく、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂を含有する層とはできるだけ広い面積で接触していることが好ましい。
【0071】
また、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物の形状は、特に限定されるものではなく、用途に応じてふさわしい形状を用いることができるが、一般的には、取扱いが容易であり、製造方法が簡便であり、多種多様な形状の被接着材に対応可能であるという面で、薄膜状の形状を有していることが好ましい。
【0072】
さらに、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物に含有され得る他の成分についても説明することとする。
【0073】
本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物は、シラノール基および/または反応性官能基を持つことが好ましい。また、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物は、シラノール基および/または反応性官能基を持つ架橋剤を用いて変性されることにより、含有する樹脂の末端にシラノール基および/または反応性官能基を有することがさらに好ましい。このように、シラノール基および/または反応性官能基を持つことにより、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物とガラスとの接着性を向上させることができる。
【0074】
前述の架橋剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0075】
また、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物は、用途に応じて、本発明の効果を損ねない範囲で、従来公知の熱安定剤、耐候剤、耐加水分解剤、顔料などの各種添加剤を含有していてもよい。
【0076】
前述の熱安定剤の具体例としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、ホスフェイト系酸化防止剤などの酸化防止剤やこれらの組合せが挙げられる。また、前述の耐候剤の具体例としては、カーボンブラックなどの体質顔料や、ベンゾフェノン、トリアゾール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤などの酸化防止剤などが挙げられる。さらに、前述の耐加水分解剤の具体例としては、カルボジイミド化合物、ビスオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などが挙げられる。そして、前述の顔料の具体例としては、ポリオレフィン系樹脂などの従来公知の耐熱顔料などが好適に使用可能である。
【0077】
<誘電加熱接着用樹脂組成物の製造方法>
本発明に用いる導電物質が前述の粉末状、粒状、顆粒状、針状、繊維状、鱗片状などの形状の場合には、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂に、本発明に用いる導電物質およびその他の成分を加えて、押出機、ニーダー、ロールなどを用いて、当該ポリオレフィン系樹脂が溶融するまで加熱した条件下で混練した後、従来公知の樹脂の成形方法を用いて任意の形状に成形することにより、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を得ることができる。
【0078】
また、本発明に用いる導電物質が前述の網状、薄膜状、紐状、棒状などの形状の場合には、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂に、本発明に用いる導電物質およびその他の成分を加えて、押出機、ニーダー、ロールなどを用いて加熱条件下で溶融混練した後、当該導電物質を含有する当該ポリオレフィン系樹脂を任意の形状の金型内にインサートして、従来公知の射出成形の方法を用いて成形することによっても、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を得ることができる。
【0079】
さらに、本発明に用いる導電物質が前述の網状、薄膜状、紐状、棒状などの形状の場合には、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂に、本発明に用いる導電物質およびその他の成分を加えて、押出機、ニーダー、ロールなどを用いて加熱条件下で溶融混練した後、当該導電物質を含有する層と、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂を含有する層とを、従来公知の樹脂の成形方法を用いて積層あるいはサンドイッチ成形することによっても、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を得ることができる。
【0080】
<ホットメルト接着剤>
本発明に用いるホットメルト接着剤は、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を含有することを特徴とする。すなわち、本発明に用いるホットメルト接着剤においては、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物はバインダとしての機能を発揮することとなる。
【0081】
ここで、本明細書においては、ホットメルト接着剤とは、加熱することにより溶融し、その後冷却することによって凝固して接着性を発揮する接着剤のことを指すものとする。
【0082】
また、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物は、本発明に用いるホットメルト接着剤としてそのまま用いることもできる。しかし、本発明に用いるホットメルト接着剤は、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物以外にも、用途に応じて本発明の効果を損ねない範囲で、他の成分を含有してもよい。
【0083】
さらに、本発明に用いるホットメルト接着剤は、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物を30〜100質量%の範囲で含有することが好ましく、45〜100質量%の範囲にあればさらに好ましい。本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物の含有量が30質量%未満の場合には十分な発熱が得られず、加熱に長時間を必要とする傾向がある。
【0084】
そして、本発明に用いるホットメルト接着剤が適用される被接着材としては、特に限定されるものではなく、一般に被接着材として用い得るものであれば好適に使用可能である。本発明に用いるホットメルト接着剤が適用される被接着材の具体例としては、ガラス、セラミックス、金属、樹脂、木材、紙などが挙げられる。
【0085】
ただし、高周波電圧を印加して本発明に用いるホットメルト接着剤を加熱溶融するには、被接着材は水分を含まないものが望ましい。また、金属を被接着材として用いる場合には、接着面の両側に金属を含む被接着材を用いると、高周波電圧を印加して本発明に用いるホットメルト接着剤を加熱溶融することが困難となるため好ましくない。
【0086】
さらに、樹脂を被着材として用いる場合には、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のいずれについても被接着材として使用可能である。本発明に用いるホットメルト接着剤を適当な被着材と組合わせて用いれば、接着層のみが高周波電圧の印加により選択的に加熱されるので、融点が200℃以下の熱可塑性樹脂を被接着材とする場合にも本発明は好適に応用され得る。また、被接着材の材質によっては、高周波電圧の印加による加熱の際に、本発明に用いるホットメルト接着剤中に含有されるポリオレフィン系樹脂と被接着材の材質とが反応し、当該ポリオレフィン系樹脂に官能基が導入される場合があるが、このような反応は接着強度を増すために好ましいといえる。
【0087】
<ホットメルト接着剤を用いた被接着材の接着方法>
本発明に用いるホットメルト接着剤を用いて被接着材を接着する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知のホットメルト接着剤を用いた接着方法を用いることができる。すなわち、Tダイを使用してシート状に押出す、または金型を用いてプレートを射出成形する、またはシートをプレス成形するなどの方法で、本発明に用いるホットメルト接着剤をまず成形する。この時、ロールや金型の温度は65℃以下に調節することが好ましい。
【0088】
ただし、本発明に用いるホットメルト接着剤を用いて被接着材を接着する方法としては、被接着材に挟まれた本発明に用いるホットメルト接着剤に高周波電圧を印加して加熱溶融し、その後冷却することにより当該ホットメルト接着剤を凝固させる工程を含有する接着方法を用いることが好ましい。このような接着方法を用いることにより、加熱炉などを必要とせず製造工程を簡略化できるため、生産性を向上させることができる。
【0089】
本発明に用いるホットメルト接着剤を用いて被接着材を接着する方法の具体例としては、下記の一連の工程が挙げられる。
【0090】
(i)ガラス板/本発明に用いるホットメルト接着剤/熱可塑性樹脂成形品、ガラス板/本発明に用いるホットメルト接着剤/ガラス板、セラミック板/本発明に用いるホットメルト接着剤/熱可塑性樹脂成形品、熱可塑性樹脂成形品/本発明に用いるホットメルト接着剤/熱可塑性樹脂成形品、よりなる群から選ばれる被接着材/接着剤/被接着材の組合わせを重ね合わせて、高周波電圧印加装置の上部電極と下部電極間に加圧して置く工程。
【0091】
(ii)当該電極間に高周波電圧印加装置の高周波発振器から高周波電圧をかけて、本発明に用いるホットメルト接着剤を誘電発熱させる工程。当該工程中において、時間の経過と共に当該ホットメルト接着剤の温度が上昇し、当該ホットメルト接着剤の融点以上になると、当該ホットメルト接着剤は流動して被接着材と接着する。
【0092】
(iii)ホットメルト接着剤と被接着材とが接着した状態で高周波電圧を切り、放冷またはエアーブローなどで、被接着材/接着剤/被接着材からなる複合体を冷却する。
【0093】
このようにして、本発明に用いるホットメルト接着剤の融点以上の加熱条件下で接着されて接合された複合体は、当該ホットメルト接着剤の融点以下の温度条件下で使用されることとなる。
【0094】
ここで、前述の工程(ii)においては、高周波電圧の高周波出力が0.1〜100kWの範囲にあることが好ましく、0.5〜20kWの範囲にあればさらに好ましい。高周波電圧の高周波出力が0.1kW未満の場合には、発熱不足で加熱に時間がかかるため、接着剤が溶融せず接着できない傾向があり、高周波電圧の高周波出力が100kWを超える場合には、接着剤が過度に発熱し熱分解する傾向があるからである。
【0095】
また、前述の工程(ii)においては、接着層に印加される高周波電圧の周波数は、1〜5000MHzの範囲であることが好ましく、5〜1000MHzの範囲であればさらに好ましい。高周波電圧の周波数が1MHz未満の場合には、溶融不足で接着強度が得られない傾向があり、高周波電圧の周波数が5000MHzを超える場合には、接着剤が過度に発熱し熱分解する傾向があるからである。
【0096】
さらに、前述の工程(ii)においては、接着層に印加される高周波電圧の印加時間は、1〜1000秒間の範囲であることが好ましく、10〜500秒間の範囲であればさらに好ましい。高周波電圧の印加時間が10秒間未満の場合には、接着状態が安定しない傾向があり、高周波電圧の印加時間が1000秒間を超える場合には、接着剤が過度に発熱し、熱分解する傾向があるからである。
【0097】
本発明に用いるホットメルト接着剤に高周波電圧を印加すると、高周波誘電加熱により接着層のみが加熱されるので、被接着材全体を加熱炉の中で処理する必要がなく、大きな被接着材を接着する際に特に有効である。また、高周波電圧を印加することにより、接着層のみを選択的に加熱できるので、被接着材の一部に耐熱性が低い部品を含む製品の組立て工程にも、本発明に用いるホットメルト接着剤の使用は有効である。
【0098】
それゆえ、本発明に用いるホットメルト接着剤を接着剤として使用した部材は、自動車、電気機器、産業機械、事務用機器、情報処理用機器、土木建築材料、紙製品、衣料品、化学製品などの製造工程において好適に使用され、当該製品の生産性の向上および製造コストの低減に寄与し得る。
【0099】
<被接着用樹脂組成物>
ホットメルト接着剤の被接着材として用いられる、本発明に用いる被接着用樹脂組成物は、融点が150〜350℃の範囲にあり、この融点と、降温速度が10℃/分の条件における溶融状態からの降温過程における結晶化発熱ピーク温度と、の差が0〜70℃の範囲にある結晶性熱可塑性樹脂を含有し、かつ23℃における曲げ強度が100〜400MPaの範囲にある必要がある。
【0100】
ここで、融点(Tm)と結晶化発熱ピーク温度(Tc)とは、示差走査熱量計を使用して測定される。窒素雰囲気下で20℃/分の昇温速度で加熱し、融解吸熱のピーク温度をTm(℃)として、Tmより30℃高い温度まで昇温し、その温度で5分間保持する。その後10℃/分の降温速度で降温し、結晶化発熱ピーク温度をTc(℃)とした。このTmとTcとの差が小さいほど、過冷却度が小さくても結晶化が開始し、結晶化速度が速いことを表している。
【0101】
また、このTmとTcとの差は、当然に0℃以上であり、Tmを超える温度に加熱されるとホットメルト接着剤と被接着用樹脂組成物との界面が部分溶融して固化するため接着強度が改善される。さらに、このTmとTcとの差は、70℃以下である必要があり、50℃以下であることが好ましい。この差が70℃を超えると、溶融した部分の被接着用樹脂組成物が再結晶化し固化するのに長時間を必要とするので、ホットメルト接着剤に対する被接着材の材質として用いるには好ましくない。
【0102】
そして、このTmは、150℃以上である必要があり、160℃以上であることが好ましく、特に200℃以上であればより好ましい。また、このTmは、耐熱性の結晶性熱可塑性樹脂を用いる場合には350℃以下である必要があり、通常の結晶性熱可塑性樹脂を用いる場合には270℃以下であることが好ましい。このTmが150℃未満の場合には、被接着用樹脂組成物の耐熱性が不足する場合がある。また、このTmが350℃を超えると、汎用の成形機で成形することが困難になる場合がある。
【0103】
そして、本発明に用いる被接着用樹脂組成物の40MHzの周波数における23℃条件下の誘電正接は、当然に0以上ではあるが、0.1以下であることが好ましく、特に0.05以下であればより好ましい。誘電正接が0.1以下の被接着用樹脂組成物は、高周波電圧を印加されても加熱されにくいため、高周波誘電加熱される本発明に用いるホットメルト接着剤との温度差を大きくできるので、加工条件幅が広がり好ましい。
【0104】
<被接着用樹脂組成物に使用する結晶性熱可塑性樹脂>
また、本発明に用いる被接着用樹脂組成物は、結晶性熱可塑性樹脂として、ポリエステル系樹脂を含有することが好ましい。なぜなら、ポリエステル系樹脂は、強度、剛性が高く、寸法変化の安定性が高いからである。また、ポリエステル系樹脂は吸水率が低く、誘電正接が低いためでもある。
【0105】
さらに、本発明に用いる被接着用樹脂組成物は、結晶性熱可塑性樹脂として、ポリエステル系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂とを含有することが好ましい。ポリエステル系樹脂に加えてポリオレフィン系樹脂を含有することにより、ホットメルト接着剤との接着性が飛躍的に向上する傾向があるためである。
【0106】
なお、本発明に用いる被接着用樹脂組成物中における結晶性熱可塑性樹脂の含有率は、60質量%以上であることが好ましく、特に65質量%以上であればより好ましい。また、この含有率は、99質量%以下であることが好ましく、特に98質量%以下であればより好ましい。この含有率が60質量%未満の場合には、強度、剛性の低下が大きく、使用時に変形したり破壊されやすくなる傾向があり、この含有率が99質量%を超えると、接着強度が低下する傾向があるためである。
【0107】
なお、本発明の結晶性熱可塑性樹脂中におけるポリエステル系樹脂の含有率は、60質量%以上であることが好ましく、特に70質量%以上であればより好ましい。また、この含有率は、99質量%以下であることが好ましく、特に98質量%以下であればより好ましい。この含有率が60質量%未満の場合には、強度、剛性の低下が大きく、使用時に変形したり破壊されやすくなる傾向があり、この含有率が99質量%を超えると、接着強度が低下する傾向があるためである。
【0108】
そして、本発明の結晶性熱可塑性樹脂中におけるポリオレフィン系樹脂の含有率は、1質量%以上であることが好ましく、特に2質量%以上であればより好ましい。また、この含有率は、40質量%以下であることが好ましく、特に30質量%以下であればより好ましい。この含有率が1質量%未満の場合には、接着力が低下する傾向があり、この含有率が40質量%を超えると、剛性や強度が低下する傾向があるためである。
【0109】
ここで、本発明において使用される結晶性熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂に限定されるわけではなく、融点が150〜350℃の範囲にあり、この融点と、降温速度が10℃/分の条件における溶融状態からの降温過程における結晶化発熱ピーク温度と、の差が0〜70℃の範囲にある結晶性熱可塑性樹脂であればよい。
【0110】
本発明において使用される結晶性熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂が挙げられる。これらの樹脂を用いる場合には、結晶核剤を添加した樹脂組成物が好ましい。
【0111】
さらに好ましい具体例としては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンナフタレート系樹脂、ポリアミド6系樹脂、ポリアミド66系樹脂、ポリアミドMXD6系樹脂、ポリアセタール系樹脂、変性ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂やこれらの共重合体系樹脂などが挙げられる。
【0112】
これらの中でも、特にポリアセタール系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、誘電正接が低く好ましい。とりわけポリブチレンテレフタレート系樹脂やその共重合体系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とポリエチレンテレフタレート系樹脂のポリマーアロイなどが、強度が高く結晶化速度が速く、また他の樹脂よりも誘電正接が低く、誘電接着時の被接着体の温度上昇が抑制され、取扱いやすいので最も好ましい。
【0113】
また、これらの樹脂を用いた場合には、ボトル回収品を使用しても本発明の目的の達成が十分可能であり、循環型社会を推進していく社会的要請面からも好ましい。なお、本発明に用いる樹脂の形状は、バージン材のフレークやペレットであってもよいが、ボトル回収品を粉砕したフレークや、フレークを押出機にて溶融してペレット化したものなどであってもよく、形状は限定されない。
【0114】
ここで、本発明に使用される結晶性熱可塑性樹脂に含有されるポリエステル系樹脂の共重合成分のうちグリコール成分としては、特に限定されるものではないが、たとえば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリラクトンなどが挙げられる。
【0115】
また、本発明に使用される結晶性熱可塑性樹脂に含有されるポリエステル系樹脂の共重合成分のうち酸成分としては、テレフタル酸を主要な成分として用いることが好ましい。しかし、テレフタル酸以外の公知の酸成分、たとえば、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などを、テレフタル酸に加えて、好適に用いることもできる。なお、これらのテレフタル酸以外の公知の酸成分が20モル%を超えると本発明に使用される結晶性熱可塑性樹脂の結晶性が低減して、成形性や剛性が低下するので好ましくない。
【0116】
さらに、本発明に使用される結晶性熱可塑性樹脂に含有されるポリエステル系樹脂としては、末端酸価の高いポリエステル系樹脂や、極性基を有する酸成分やグリコール成分が共重合されたポリエステル系樹脂も好適に使用される。
【0117】
なお、本発明に用いる被接着用樹脂組成物の40MHzの周波数における23℃条件下の誘電正接を0〜0.1の範囲とするためには、本発明に使用される結晶性熱可塑性樹脂に含有されるポリエステル系樹脂の誘電正接は0.2以下であることが好ましい。この場合には、本発明に使用される結晶性熱可塑性樹脂に含有されるポリエステル系樹脂は、高周波電圧を印加されても加熱されにくいため、高周波誘電加熱される本発明に用いるホットメルト接着剤との温度差を大きくできるので、加工条件幅が広がり好ましい。
【0118】
<被接着用樹脂組成物の曲げ強度>
本発明に用いる被接着用樹脂組成物の23℃における曲げ強度は、100MPa以上であることが必要であり、150MPa以上であれば好ましい。また、この曲げ強度は、一般的には300MPa以下であることが通常である。この曲げ強度が100MPa以下の場合には、接着時の荷重や熱で被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材が変形して本発明の目的が達成されない。
【0119】
そのため、本発明に用いる被接着用樹脂組成物は、被接着材の曲げ強度および耐衝撃性の向上のために、繊維状強化材および/またはミネラル強化材を含有することが好ましく、特に繊維状強化材および/またはミネラル強化材に加えてさらにカップリング剤を含有すればより一層好ましい。
【0120】
上記の繊維状強化材としては、特に限定するものではないが、たとえば、ガラス繊維、炭素繊維、針状ワラストナイト、およびチタン酸カルシュームや硼酸アルミニュームなどのウイスカーをはじめとする無機繊維や、アラミド繊維やポリフェニレンサルファイド繊維などをはじめとする耐熱有機繊維などが挙げられる。なお、これらの繊維状強化材の中でも、ガラス繊維や針状ワラストナイト、アラミド繊維などが特に好ましい。さらに、これらの繊維状強化材の繊維径としては1〜30ミクロンのものが好ましく、特に6〜20ミクロンのものがより好ましい。
【0121】
さらに、上記のミネラル強化材としては、特に限定するものではないが、たとえば、タルク、クレイ、ワラストナイト、シリカ、炭酸カルシューム、マイカなどが挙げられる。
【0122】
また、上記のカップリング剤としては、特に限定するものではないが、たとえば、エポキシ系カップリング剤、アクリル系カップリング剤、ウレタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などが挙げられる。特に、ホットメルト接着剤がポリエステル系樹脂を含有する場合には、該ポリエステル系樹脂との接着性改良のため、本発明に用いる被接着用樹脂組成物は、エポキシ系カップリング剤、アクリル系カップリング剤、ウレタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤を含有し、これらのカップリング剤によって処理されることにより、ポリエステル系樹脂と繊維状強化材および/またはミネラル強化材とが化学結合された構造を形成していることが好ましい。
【0123】
これらの強化材の配合量は、本発明に用いる被接着用樹脂組成物に使用する結晶性熱可塑性樹脂100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、特に10質量部以上であればより好ましい。また、この配合量は、150質量部以下であることが好ましく、特に100質量部以下であればより好ましい。この配合量が5質量部未満の場合には、強度改善効果が小さい傾向があり、この配合量が150質量部を超えると、被接着用樹脂組成物中の樹脂分率が減少してホットメルト接着剤との接着性が低下する傾向がある。
【0124】
<結晶核剤>
本発明に用いる被接着用樹脂組成物は、結晶核剤を含有することが好ましい。結晶核剤を含有することにより、本発明に用いる被接着用樹脂組成物に含有される結晶性熱可塑性樹脂のTmとTcとの差を小さくすることができるため、結晶化速度を早めることができるからである。本発明に好適に用いることのできる結晶核剤としては、特に限定するものではないが、たとえば、脂肪酸金属塩、安息香酸塩、ソルビトール系結晶核剤、タルク、クレイなどが挙げられる。
【0125】
本発明に用いる被接着用樹脂組成物に含有される結晶核剤の、被接着用樹脂組成物全体100質量部に対する含有量は、0.1質量部以上であることが好ましく、特に0.5質量部以上であればより好ましい。また、この含有量は、50質量部以下であることが好ましく、特に40質量部以下であればより好ましい。この含有量が0.1質量部未満の場合には、結晶核剤による結晶化促進効果が小さい傾向があり、この含有量が50質量部を超えると、被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材の強度や接着強度が低下する傾向がある。
【0126】
さらに、本発明に用いる被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材の接着に好適に用いることのできるホットメルト接着剤は、高周波誘電加熱により融解するホットメルト接着剤であり、このホットメルト接着剤と本発明に用いる被接着用樹脂組成物との接着強度は、1.0以上であることが好ましく、一般的な条件では10MPa以下であることが通常である。この接着強度が1.0MPa未満の場合には、使用時に接着剥離を起こす傾向がある。
【0127】
<被接着用樹脂組成物に対するホットメルト接着剤>
本発明に用いる被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材の接着に好適に用いることのできるホットメルト接着剤としては、特に限定されず、従来公知のホットメルト接着剤を用いることができるが、上述した本発明に用いるホットメルト接着剤を用いることが、非常に短時間の高周波電圧の印加により加熱溶融させることができ、比較的高温でも優れた接着強度を有するために好ましい。
【0128】
また、上述した本発明に用いるホットメルト接着剤の中でも、特定の範囲の融点を有するポリオレフィン系樹脂を含有するホットメルト接着剤を用いることが、本発明に用いる被接着用樹脂組成物を加熱により変形あるいは変性させずに優れた接着強度を実現するためには好ましい。ここで、上記の特定の範囲の融点は、80℃以上であることが好ましく、特に90℃以上であることがより好ましい。また、この特定の範囲の融点は、150℃以下であることが好ましく、特に145℃以下であればより好ましい。
【0129】
本発明に用いる被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材の接着に好適に用いることのできるホットメルト接着剤に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。本発明に用いる被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材の接着には、これらのホットメルト接着剤の中でも、ポリオレフィン系樹脂であって、極性基や反応性官能基を含む共重合ポリオレフィン系樹脂のポリマーアロイ品を含有するホットメルト接着剤が特に好ましい。
【0130】
<被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材>
また、本発明に用いる被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材は、異種材料の接着に好適に使用される。相手材としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ガラス、金属、木材、熱硬化性樹脂成形品などが挙げられる。これらの中でも、特にガラス、金属、木材などが相手材として好適に使用される。
【0131】
本発明に用いる被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材の接着に好適に用いることのできる、従来公知のホットメルト接着剤あるいは本発明に用いるホットメルト接着剤の加熱による溶着方法として、スピン溶着、震動溶着、超音波溶着など摩擦熱による加熱を用いる場合や、誘電加熱あるいは誘導加熱など高周波加熱を用いる場合には、被接着材も部分的に加熱されるから、部分溶融後の再硬化を短時間で行なうことが要求される。そのため、このような溶着方法を用いる場合には、特に本発明に用いる被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材を用いることが有効である。
【0132】
さらに、本発明に用いる被接着用樹脂組成物には、従来公知の添加剤を必要に応じて、本発明の特性を損なわない範囲で添加してもよい。このような添加剤としては、特に限定されず、たとえば、耐熱安定剤、耐侯剤、耐加水分解剤、顔料などが挙げられる。上記の耐熱安定剤としては、たとえば、ヒンダードフェノール系安定剤、チオエーテル系安定剤、ホスファイト系安定剤や、これらの組合わせを挙げることができる。上記の耐侯剤としてはカーボンブラック、ベンゾフェノン系耐候剤、トリアゾール系耐候剤、ヒンダードアミン系耐候剤などを挙げることができる。また、上記の耐加水分解剤としては、カルボジイミド、ビスオキサゾリン、エポキシ、イソシアネート化合物などを挙げることができる。また、上記の顔料としては、たとえば、エンジニアリングプラスチックス系重合体において常用される耐熱顔料などを好適に使用することができる。
【0133】
そして、本発明に用いる被接着用樹脂組成物は、上記の各構成成分を、単軸押出機、2軸押出機やニーダーなどの装置を用いて混練することにより製造することができる。ここで用いる混練機の種類や混練条件についての制限は特にない。
【0134】
また、上記の製造方法などによって得られた本発明に用いる被接着用樹脂組成物を被接着材に成形する方法としては、特に制限されるものではないが、射出成形によるのが一般的である。射出成形の場合の金型温度は、30〜150℃の範囲が好ましい。なお、被接着材の形状は特に制限されない。
【0135】
<接着複合体>
上述した本発明に用いるホットメルト接着剤を用いて、ホットメルト接着剤と被接着材とを備えた接着複合体を製造した場合、該接着複合体は、高周波電圧を印加することにより、容易に分解することが可能な接着複合体となる。なぜなら、本発明に用いるホットメルト接着剤は、非常に短時間の高周波電圧の印加により加熱溶融させることができる性質を有するためである。
【0136】
すなわち、本発明に用いる接着複合体は、本発明に用いるホットメルト接着剤と、このホットメルト接着剤により接合部において接着された被接着材とを備え、このホットメルト接着剤が、誘電加熱接着用樹脂組成物を含有し、高周波電圧を印加することにより加熱溶融するホットメルト接着剤であり、この誘電加熱接着用樹脂組成物が、融点が60〜200℃の範囲にあるポリオレフィン系樹脂と、体積抵抗率が10−2Ω・cm以下である導電物質とを含有し、40MHzの周波数における23℃条件下の誘電正接が0.03以上である、誘電加熱接着用樹脂組成物であり、この導電物質のこの誘電加熱接着用樹脂組成物中の含有量が1〜30容量%の範囲にあるため、高周波電圧を印加することにより解体可能である。
【0137】
なお、本発明に用いる接着複合体においては、上記の被接着材が複数の場合には、少なくともその一つは、本発明に用いる被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材であることが好ましい。なぜなら、本発明に用いる被接着用樹脂組成物を材質とする被接着材は、ホットメルト接着剤による接着の際に、ホットメルト接着剤の加熱により溶融あるいは軟化し難く、かつ短時間に再硬化して優れた接着性を示すため、接着複合体の解体が容易となり、加えて、分解された被接着材の再利用が容易となるからである。
【0138】
<接着複合体の解体方法>
本発明の接着複合体の解体方法は、図1に示すように、上記接着複合体の接合部に対して上記高周波電圧を印加することにより、上記ホットメルト接着剤を加熱溶融させるステップ(S101)と、上記被接着材をこの接合部において剥離するステップ(S102)とを備える。
【0139】
また、この加熱溶融させるステップ(S101)は、この接合部に対して、周波数が1〜5000MHzの範囲にあり、高周波出力0.1〜100kWの範囲にあるこの高周波電圧を、1〜1000秒間の範囲で印加するステップ(S103)を含む。
【0140】
ここで、本発明の接着複合体の解体方法を用いて本発明に用いる接着複合体を解体する場合には、加熱方法が局部加熱であるため大きな加熱炉を必要とせず、また機械的な力がかからないので被接着材が破損しやすい材質や大きな形状であっても破損する可能性を低減できる。そのため、本発明に用いる接着複合体および本発明の接着複合体の解体方法を共に用いることにより、接着複合体の解体方法にかかるコストを低減でき、作業性やリサイクル率を向上させることができる。
【0141】
そして、本発明の接着複合体の解体方法は、被接着材が複数の場合において、少なくともその一つがガラスやセラミックを材質とする被接着材である場合に特に有効である。この場合には、本発明に用いる接着複合体に備わる本発明に用いるホットメルト接着剤を構成する成分である本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物に含有される樹脂に、シラン基、チタネート基などが導入されることにより、ガラスを材質とする被接着材と本発明に用いるホットメルト接着剤との接着性がさらに向上し、かつ本発明に用いる接着複合体の解体性に低下させることもないため好ましい。
【0142】
上記のシラン基、チタネート基などを含む単量体としては、たとえば、シラン化合物やチタネート化合物などが挙げられ、具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アシレート系チタネート、ホスフェート系チタネート、アルコラート系チタネートなどが挙げられる。
【0143】
ここで、本発明の接着複合体の解体方法は、特に限定するものではないが、たとえば、次のような構造からなる本発明に用いる接着複合体の解体に好適に利用される。具体的には、ガラス板、セラミック板、樹脂組成物成形品、金属板、木板からなる群より選ばれる任意の1種以上の組合を本発明に用いるホットメルト接着剤により接着して得られる本発明に用いる接着複合体の解体に利用できる。
【0144】
さらに例示すると、ガラス板/本発明に用いるホットメルト接着剤/ガラス板、ガラス板/本発明に用いるホットメルト接着剤/樹脂組成物成形品、ガラス板/本発明に用いるホットメルト接着剤/金属板、熱可塑性樹脂組成物成形品/本発明に用いるホットメルト接着剤/樹脂組成物成形品、金属板/本発明に用いるホットメルト接着剤/金属板、金属板/本発明に用いるホットメルト接着剤/樹脂組成物成形品などの組合せからなる本発明に用いる接着複合体の解体に利用される。
【0145】
本発明の接着複合体の解体方法の具体的な手法としては、特に限定するものではないが、たとえば、最初に、本発明に用いる接着複合体の接合部を電極間に置いて、該電極間に高周波の交流電界を印加させることにより、本発明に用いるホットメルト接着剤中の発熱体(導電物質)を誘電加熱させる。すると、時間の経過と共に本発明に用いるホットメルト接着剤の温度が上昇し、その融点以上になると本発明に用いるホットメルト接着剤は流動した状態となり、被接着材同士は剥離する。そして、このように剥離した状態で交流電流を切るか、あるいは本発明に用いる接着複合体から剥離した被接着材を電界の外に取出し、移動放冷するか、またはエアーなどで冷却することにより、本発明に用いる接着複合体を解体することができる。なお、本発明の接着複合体の解体方法は、本発明に用いるホットメルト接着剤の融点以上であり、かつ被接着材の融点あるいは分解温度以下の温度において、本発明に用いるホットメルト接着剤を溶融させることにより行われることが好ましい。
【0146】
ここで、本発明の接着複合体の解体方法を利用すると、高周波誘電加熱により本発明に用いる接着複合体の接合部のみが加熱される。そのため、本発明に用いる接着複合体全体を加熱炉の中で処理する必要がなく、解体時に消費するエネルギーを少なくすることが可能となる。
【0147】
本発明の接着複合体の解体方法を利用すると、また、本発明に用いる接着複合体の接合部のみを選択的に加熱できる。そのため、本発明に用いる接着複合体が大きな形状の場合や、本発明に用いる接着複合体に備わる被接着材の一部に耐熱性が低い部分を含む場合に、本発明の接着複合体の解体方法は特に有効である。また、本発明の接着複合体の解体方法は、本発明に用いるホットメルト接着剤により被接着材を接着することにより組立てられた部材であるため、自動車、電気、OA機器、建材などに使用された後に回収された場合にも、被接着材の変形および変性を最小限に留めつつも、容易に解体して再利用することができる。
【0148】
【実施例】
<誘電加熱接着用樹脂組成物、ホットメルト接着剤、被接着材の接着方法>
以下、参考例を挙げて本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物、ホットメルト接着剤、被接着材の接着方法をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0149】
<参考例1>
まず、表1に示すポリオレフィン系樹脂および導電性粉体を、表1に示す配合割合で予備混合した。次に、バレルをホッパー側から170−180−180℃に温度調節した2軸押出機PCM30φ(池貝鉄工社製)のホッパーに、当該予備混合物を供給し、スクリュー回転数60rpmにて溶融混合した。そして、2軸押出機から押出されたストランドを水浴にて冷却後、切断して導電性物質を含むホットメルト接着剤のペレットを得た。
【0150】
<参考例2〜12>
まず、それぞれ表1に示すポリオレフィン系樹脂および導電性粉体を、それぞれ表1に示す配合割合で予備混合した。次に、それぞれ参考例1と同様にして、予備混合物からホットメルト接着剤のペレットを得た。
【0151】
<比較例1〜4>
まず、それぞれ表2に示すポリオレフィン系樹脂および導電性粉体を、それぞれ表2に示す配合割合で予備混合した。次に、それぞれ参考例1と同様にして、予備混合物からホットメルト接着剤のペレットを得た。
【0152】
【表1】
Figure 2004000977
【0153】
【表2】
Figure 2004000977
【0154】
ここで、表1および表2において、
*1:PO−1は、シラン変性G197(ポリエチレン共重合ブレンド物からなるポリオレフィン系樹脂、クレハエラストマー(株)製、融点105℃)を表わす。
*2:PO−2は、シラン変性G1019(ポリエチレン共重合ブレンド物からなるポリオレフィン系樹脂、クレハエラストマー(株)製、融点120℃)を表わす。
*3:Fe100は、ASC100(鉄粉、ヘガネス社製、平均粒径100μm、体積抵抗率(ρ)1.4×10−5Ω・cm)を表わす。
*4:Fe200は、KIP300(鉄粉、川崎製鉄(株)製、平均粒径200μm、体積抵抗率(ρ)1.6×10−6Ω・cm)を表わす。
*5:Cu100は、CE−6(銅粉、福田金属箔粉工業(株)製、平均粒径100μm、体積抵抗率(ρ)1.7×10−6Ω・cm)を表わす。
*6:CFは、HTA(炭素繊維、東邦レーヨン(株)製、平均長さ3mm、体積抵抗率(ρ)1.5×10−3Ω・cm)を表わす。
*7:PO−3は、エバフレックスEEA A709(エチレンエチルアクリレート樹脂からなるポリオレフィン系樹脂、三井・デュポンポリケミカル(株)製、融点56℃)を表わす。
*8:PO−4は、TPX(ポリメチルペンテンからなるポリオレフィン系樹脂、三井石油化学(株)製、融点265℃)を表わす。
*9:SGF05は、日東紡績(株)製の体積抵抗率1012Ω・cmのミルドファイバーを表わす。
【0155】
<分析および評価用サンプルの作製>
まず、参考例1〜12および比較例1〜4において得られたホットメルト接着剤のペレットを用いて、下記の成形方法を用いてそれぞれ接着剤プレートを作製し、また特性分析および性能評価に必要となる被接着材プレートを下記の成形方法を用いて作製した。
【0156】
(i)接着剤プレートの成形
参考例1〜12および比較例1〜4において得られたホットメルト接着剤のペレットを、バレルをホッパー側から180−200−200℃に温度調節した射出成形機に投入して、40℃に温度調節されたテストピース金型に射出し、それぞれ100×100×1mm、100×100×3mmの二種類のサイズの接着剤プレートを得た。
【0157】
(ii)被接着材プレートの成形
140℃にて3時間乾燥した30質量%ガラス繊維強化変性ポリブチレンテレフタレート(東洋紡績(株)製、EMC430)のペレットを、バレルをホッパー側から250−260−260℃に温度調節した射出成形機のホッパーに投入して、ASTM D638記載のTYPE I(厚み3.2mmのダンベル型)の引張テストピースを成形した。
【0158】
<特性分析と性能評価>
次に、上記のようにして得られた、参考例1〜12および比較例1〜4のホットメルト接着剤からなる接着剤プレート、上記の被接着材プレートおよび表3に示すその他の各種被接着材プレートを用いて、下記の分析方法および評価方法に従って、参考例1〜12および比較例1〜4において得られたホットメルト接着剤の性能評価を行なった。結果を表1〜表3に示す。
【0159】
(i)誘電正接および誘電損失係数の測定
まず、参考例1〜12および比較例1〜4のホットメルト接着剤からなる接着剤プレートのうち、100×100×3mmのサイズの接着剤プレートから8×8×3mmのサイズの試験片を切り出した。次に、高周波誘電加熱装置(パール工業(株)製、インピーダンスアナライザー)に接続された端子面積Dsが5cmの導体端子間に、当該試験片を挟んで固定した。そして、当該試験片に周波数40MHzの高周波電荷Qを23℃条件下で与えて端子間の電位差Vを測定し、端子間の電位差Vから静電容量Csと誘電正接(tanδ)を測定した。
【0160】
また、真空中の誘電率εを8.85×10−14F/cmとして下記の式(I)より誘電損失係数ε・tanδを求めた。
ε・tanδ=Cs×Ds/(ε×S)・・・(I)
(ii)接着強度
上記のようにして得られたガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート樹脂成形品(東洋紡績(株)製、EMC430)からなる被接着材プレートを、長さ方向の中央にて切断し、12.7×25.4×3.2mmの被接着材プレート片を得た。
【0161】
次いで、参考例1〜12および比較例1〜4のホットメルト接着剤からなる接着剤プレートのうち、100×100×1mmのサイズの接着剤プレートから12.7×25.4×3mmのサイズの試験片を切出して、当該被接着材プレート片の直線部分に重ね合わせた。
【0162】
そして、図2に示すように、得られた接着剤プレート3a,3b−被接着材プレート5a,5bの複合体を重ねて、33×100×3mmのガラス板1の両端に直線状に、軸を合わせた状態で固定し、当該接着強度評価用複合体100を得た。
【0163】
続いて、高周波誘電加熱装置(パール工業(株)製、商品名インピーダンスアナライザー)に接続された端子面積Dsが5cmの導体端子間に、当該接着強度評価用複合体100を挟んで固定した。そして、当該接着強度評価用複合体を20mmφのエアシリンダーで2kg/cm加圧した状態で、当該接着強度評価用複合体に、発振時間としてそれぞれ表1〜3において選ばれる1分、5分または20分間にわたり周波数40MHzの高周波電圧を印加して当該接着強度評価用複合体を加熱後、エアブローで1分冷却して接着強度評価用試験片とした。
【0164】
こうして得られた接着強度評価用試験片を23℃、50%RHに調節された試験室に5時間以上放置した。そして、図2に示すように、50℃に温度調節された恒温槽を備えた万能引張試験機UTMI型((株)オリエンテック製)のチャックに、接着強度評価用複合体100を引張剪断変形軸が垂直になるような状態で固定し、5mm/分の変形速度で引張方向7a,7bに引張剪断することにより、当該接着強度評価用試験片の50℃における接着強度を測定した。
【0165】
表1〜表2に示される結果から、参考例1〜12のホットメルト接着剤は、融点が80〜200℃の範囲にあるポリオレフィン系樹脂と、体積抵抗率が10−2Ω・cm以下の導電物質とを含有しており、樹脂組成物全体に対する当該導電物質の含有量が1〜30容量%の範囲にあるため、誘電正接が0.03以上となっており、その結果50℃と比較的高温における接着強度も比較例1〜4のホットメルト接着剤に比べて優れていることがわかる。
【0166】
<参考例13〜18>
本発明に用いるホットメルト接着剤について、他の被接着材との接着強度を調べるために、実施例3のホットメルト接着剤から得られる上記の接着剤プレートを、表3に示した各種被接着材プレート上面側と下面側との間に挿置して、上記の特性分析と性能評価の項目における(ii)接着強度の測定方法と同様にして、実施例3のホットメルト接着剤と他の被接着材との接着強度およびを測定した。結果を表3に示す。
【0167】
【表3】
Figure 2004000977
【0168】
ここで、表3において、セラミック板は東芝セラミックス(株)製電磁調理器用セラミックス板、アルミ板は古河アルミニウム工業(株)製サッシ用アルミニウム板、ポリアミド樹脂板は東洋紡績(株)製東洋紡ナイロンT−402(ガラス繊維強化ポリアミド樹脂)からなる板、PPS板は東洋紡績(株)製東洋紡PPSTS401(ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド樹脂)からなる板を表わす。また、サイズはいずれも12×150×5mmである。
【0169】
表3に示される結果より、参考例3のホットメルト接着剤は、ガラスおよびガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート樹脂のみならず、幅広い被接着材に対して優れた接着強度を有することがわかる。
【0170】
<被接着用樹脂組成物>
以下、別の実施例を挙げて本発明に用いる被接着用樹脂組成物をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0171】
<参考例21〜34、比較例21〜30>
まず、表4および表5に示す樹脂、改質材、無機充填材の組合せに基づいて、それらの所定量(質量部)を計量後、予備混合した。この予備混合体を、それぞれシリンダー温度をTm+30℃に調節した直径30mmφの同方向2軸押出機のホッパーに投入し、スクリュー回転数100rpmにて溶融混練してペレットを得た。得られた各々のペレットのうち、ポリエステル系樹脂および/またはポリフェニレンサルファイド系樹脂を含有するペレットは140℃で3時間、ポリアミド系樹脂を含有するペレットは120℃で2時間、ポリアセタール系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を含有するペレットは80℃で1時間乾燥し、評価用サンプルを得た。
【0172】
そして、下記の特性分析と性能評価の方法により得られた評価用サンプルの性能を評価した。その結果を併せて表4および表5に示す。
【0173】
【表4】
Figure 2004000977
【0174】
【表5】
Figure 2004000977
【0175】
表4および表5中の略号は次の通りである。
PBT:ポリブチレンテレフタレート(東洋紡績(株)製、バイロペットEMC700、1MHzにおける誘電正接:0.04、40MHzにおける誘電正接:0.03)
PET:ポリエチレンテレフタレート(東洋紡績(株)製、バイロペットEMC500−01、1MHzにおける誘電正接:0.03、40MHzにおける誘電正接:0.03)
POM:ポリオキチメチレン(ポリプラスチックス(株)製、ジュラコンM90S、1MHzにおける誘電正接:0.006、40MHzにおける誘電正接:0.005)
PA6:ポリアミド6(東洋紡績(株)製、東洋紡ナイロンT800、1MHzにおける誘電正接:0.09、40MHzにおける誘電正接:0.08)
PP:ポリプロピレン((株)グランドポリマー製、E7000、1MHzにおける誘電正接:0.002、40MHzにおける誘電正接:0.003)
RA:エポキシ変性ポリエチレン(日本ポリオレフィン(株)製、レキスパールRA3150)
MP:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(グランドポリマー(株)製、MMP006)
ガラス繊維:旭ファイバーグラス(株)製、03JA429
ウイスカー:6チタン酸カリウム(大塚化学(株)製、テイスモーD)
MW:タルク(林化成(株)製、#5000A)
IO:アイオノマー樹脂(三井・デユポンポリケミカル(株)製、ハイミラン1707)
MD:アルキルジベンジリデンソルビトール(新日本理化(株)、ゲルオールMD)
<特性分析と性能評価>
次に、上記のようにして得られた、参考例21〜34および比較例21〜30の被接着用樹脂組成物のペレットを用いて、下記の分析方法および評価方法に従って、参考例21〜34および比較例21〜30において得られた被接着用樹脂組成物のペレットの性能評価を行なった。結果を表4および表5に示す。
【0176】
(i)融点および結晶化温度
まず、被接着用樹脂組成物のペレットから10mgサンプルを切削採取しアルミパンに封入する。次いで、切削採取したサンプルをDSC(示差走査熱量計)の試料容器にセットする。そして、窒素ガス60cm/分を流しながら、20℃/分の昇温速度にて昇温するのに必要な熱量の標準側との差を自動記録した。得られた記録に基づいて、吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。その後、Tmより30℃高い温度まで昇温して5分間保持した。続いて、10℃/分の降温速度にて降温し、標準側との熱量差を自動記録し、発熱ピーク温度を結晶化発熱ピーク温度(Tc)とした。
【0177】
(ii)曲げ強度
溶融樹脂温度がTm+20℃になるように設定された射出成形機により被接着用樹脂組成物のペレットを溶融した後に、表面温度が50℃に温度調節された金型を使用して、厚さ6.4mm×幅12.7mm×長さ127mmの短冊をエッジゲートにより、射出時間15秒、冷却15秒にて射出成形後、140℃で1時間熱処理をして曲げ試験片とした。
【0178】
この試験片を23℃、RH50%の試験室にて20時間保管後、スパン長100mm、クロスヘッド速度3mm/minに設定した万能引張試験機によりASTM D790に準じて曲げ試験を行い、曲げ強度を計算により求めた。
【0179】
(iii)接着強度
溶融樹脂温度がTm+20℃になるように設定された射出成形機により被接着用樹脂組成物のペレットを溶融した後に、表面温度が50℃に温度調節された試験片金型を使用して、ASTM D638規定のTYPE 1成形品を射出時間15秒、冷却15秒にて射出成形後、140℃で1時間熱処理して被接着材プレートを得た。この被接着材プレートを長さ方向の中央部で切断した。
【0180】
そして、図2に示すように、この切断された被接着材プレート5a,5bの直線部分12.7mm×25.4mmに、100mm×100mm×1mmのホットメルト接着剤プレートから12.7mm×25.4mmの接着剤プレート3a,3bをカットして重合わせた。このラップ部分を、33mm×100mm×3mmのガラス板1の両端に直線状にセットした。
【0181】
そして、これを20mmφのエアシリンダーで0.2MPa加圧した状態で、高周波誘電加熱装置(パール工業(株)製)にて1分間加熱後、0〜3分間の範囲で冷却時間を変えた試験片を作製し、接着強度評価用複合体100とした。
【0182】
次いで、接着強度評価用複合体100を23℃、50%RHに調節された試験室に5時間以上放置した。続いて、図2に示すように、万能引張試験機UTMI型((株)オリエンテック製)のチャックに、ガラス板1の両端に接着した、被接着材プレート5a,5b−接着剤プレート3a,3bからなる接着強度評価用複合体100をセットし、5mm/分の変形速度で引張方向7a,7bに向け引張せん断することにより、50℃における接着強度を測定した。
【0183】
そして、接着後の冷却過程でのズレが発生すると、被接着材間の密着性が低下し接着強度が低下する現象に基づき、接着強度の冷却時間変化からズレが発生しない必要冷却時間を判断した。
【0184】
表4および表5に示されるように、参考例21〜34の被接着用樹脂組成物においては、短時間の冷却時間で、ホットメルト接着剤との優れた接着強度が得られているのに対し、比較例21〜30の被接着用樹脂組成物においては、長時間の冷却時間を設けても、ホットメルト接着剤との優れた接着強度が得られないことがわかる。
【0185】
<接着複合体およびその解体方法>
以下、実施例を挙げて本発明に用いる接着複合体および本発明の接着複合体の解体方法をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0186】
<各種実験材料の作製>
実施例および比較例中における各種材料は以下の方法により作製した。
【0187】
(i)被接着材プレートの作製
30%質量のガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート(東洋紡績(株)製、EMC430)を加工して、厚さ3.2mm ASTM D638 TYPE1の被接着材プレートを作製した。
【0188】
(ii)ガラス板の作製
厚さ3.4mmの自動車の窓用ガラスを30mm×80mmに切断し、試験用ガラス板を作製した。
【0189】
(iii)ポリオレフィン系接着剤Iの作製
シラン変性G197(ポリエチレン共重合ブレンド物からなるポリオレフィン系樹脂、クレハエラストマー(株)製、融点105℃)に、粒径100μmの鉄粉(ヘガネス社製、ASC100)を60質量%配合して作製した。
【0190】
(iv)ポリオレフィン系接着剤IIの作製
シラン変性G197(ポリエチレン共重合ブレンド物からなるポリオレフィン系樹脂、クレハエラストマー(株)製、融点105℃)に、炭素繊維(東邦レーヨン(株)製、HTA、平均長さ3mm)を10質量%配合して作製した。
【0191】
(v)ポリオレフィン系接着剤IIIの作製
シラン変性G197(ポリエチレン共重合ブレンド物からなるポリオレフィン系樹脂、クレハエラストマー(株)製、融点105℃)をそのまま用いた。
【0192】
(vi)接着剤シートの作製
上記のポリオレフィン系接着剤I、II、IIIのバレルを、それぞれホッパー側から180−200−200℃に温度調整した射出成形機に投入して、40℃に温度調節されたテストピース金型に射出し、それぞれ100mm×100mm×1mm、100mm×100mm×3mmの二種類のサイズの接着剤シートを作製した。
【0193】
<実施例41〜43、比較例41〜45>
表6および表7に示す組合せからなる、実施例41〜43、比較例41〜45の接着複合体を作製し、それぞれの接着複合体の有する特性と性能について、下記の特性分析と性能評価の方法により測定した。その結果を、表6および表7に併せて示す。
【0194】
ここで、比較例41〜45については、誘電加熱により解体することができなかった。そのため、比較のために、比較例42〜45の加熱炉140℃における解体時間を表7に示した。
【0195】
【表6】
Figure 2004000977
【0196】
【表7】
Figure 2004000977
【0197】
<特性分析と性能評価>
次に、上記のようにして得られた、実施例41〜43および比較例41〜45の接着複合体を用いて、下記の分析方法および評価方法に従って、実施例41〜43および比較例41〜45において得られた接着複合体の性能評価を行なった。結果を表6および表7に示す。
【0198】
(i)誘電正接の測定
まず、100mm×100mm×3mmのポリオレフィン系接着剤I、II、IIIのシートから8mm×8mm×3mmのサイズの試験片を切出した。次に、高周波誘電加熱装置(パール工業(株)製、インピーダンスアナライザー)に接続された端子面積Dsが5cmの導体端子間に、当該試験片を挟んで固定した。そして、当該試験片に周波数40MHzの高周波電荷Qを23℃条件下で与えて端子間の電位差Vを測定し、端子間の電位差Vから誘電正接を測定した。
【0199】
(ii)接着強度の測定
図2に示すように、被接着材プレート5a,5bの直線部分の12.7mm×25.4mmに、厚さ1mmのポリオレフィン系接着剤I、II、IIIのシートから12.7mm×25.4mmの接着剤プレート3a,3bをカットして重合わせた。このラップ部分を30mm×80mmのガラス板1の両端に直線状にセットした。これをクリップ((株)ライオン事務器製、NO.111)に挟み、140℃で20分間処理して、接着強度評価用複合体100を作製した。
【0200】
次いで、図2に示すように、加熱炉付テンシロンUTM1型のチャックに、上記の接着強度評価用複合体100をセットし、5mm/分の速度で引張方向7a,7bの方向に引張せん断することにより接着強度を測定した。なお、試験温度は23℃にて実施した。
【0201】
(iii)誘電加熱解体時間および140℃解体時間の測定
誘電加熱解体時間は、高周波誘電加熱装置(パール工業(株)製、インピーダンスアナライザー)に接続された、端子面積が5cmの導体端子間に、表6および表7に示した各種接着複合体を挿入し、周波数40MHzの高周波電圧を23℃条件下で、いろいろな発振時間で印加し、接着層を溶融させ、被接着材を剥離するまでの時間を測定して求めた。また、140℃解体時間は、表7に示した各種接着複合体を140℃の高温槽に設置して、接着層を溶融させ、被接着材を剥離するまでの時間を測定して求めた。
【0202】
表6および表7に示されるように、実施例41〜43の接着複合体は、優れた接着強度を有する一方で、短時間の誘電加熱解体時間で接着層を溶融させ被接着材を剥離可能であるのに対し、比較例41〜45の接着複合体は、140℃の高温で処理しても、非常に長時間の誘電加熱解体時間を経てようやく接着層を溶融させ被接着材を剥離可能であることがわかる。すなわち、従来の加熱炉140℃における解体に比較し、本発明の実施例による接着複合体の解体時間は大幅に短縮されていることがわかる。
【0203】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0204】
【発明の効果】
上記の結果より、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物は、非常に短時間の高周波電圧の印加により加熱溶融させることができ、比較的高温でも優れた接着強度を有する。そのため、本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂組成物は、高周波電圧を印加することにより加熱溶融する性質を有するホットメルト接着剤のバインダとして好適に使用可能である。
【0205】
また、本発明に用いるホットメルト接着剤は、非常に短時間の高周波電圧の印加により加熱溶融させることができ、比較的高温でも優れた接着強度を有する。そのため、本発明に用いるホットメルト接着剤を用いることにより、従来のホットメルトタイプ接着剤では必要とされていた加熱炉を用いる必要がなく、ホットメルト接着剤を用いる製品の製造設備のコンパクト化、製造工程の簡略化が可能となり、製造ラインの生産性を著しく高めることができる。また、本発明に用いるホットメルト接着剤をシート状に成形して用いることにより、大型部材同士の接着工程においても、非常に短時間の高周波電圧の印加により均一で優れた接着強度を得ることができる。
【0206】
そして、本発明に用いる被接着材同士の接着方法は、非常に短時間の高周波電圧の印加により優れた接着強度を実現することができる。そのため、本発明に用いる被接着材同士の接着方法を用いることにより、従来のホットメルトタイプ接着剤を用いた接着方法では必要とされていた加熱炉を用いる必要がなく、ホットメルト接着剤を用いた接着方法により製造される製品の製造設備のコンパクト化、製造工程の簡略化が可能となり、製造ラインの生産性を著しく高めることができる。また、本発明に用いる被接着材同士の接着方法を用いることにより、大型部材同士の接着工程においても、非常に短時間の高周波電圧の印加により均一で優れた接着強度を得ることができる。
【0207】
また、上記の結果より、本発明に用いる被接着用樹脂組成物は、ホットメルト接着剤による接着の際に、ホットメルト接着剤の加熱により溶融あるいは軟化し難く、かつ短時間に再硬化して優れた接着性を示す、ホットメルト接着剤の被接着材として用いられる被接着用樹脂組成物である。
【0208】
さらに、上記の結果より、本発明に用いる接着複合体は、加熱炉を使用することなく高周波電圧の印加により短時間に解体ができ、被接着体の材質が良好に再使用できる、高周波電圧を印加することにより解体可能な、接着複合体である。
【0209】
そして、上記の結果より、本発明の接着複合体の解体方法は、上記の接着複合体の接着部分のみを効率的に加熱することにより、解体時におけるエネルギー、時間および労力を省力化することができる、接着複合体の解体方法である。
【0210】
したがって、本発明の接着複合体の解体方法は、加熱炉を使用せず、また短時間に解体が可能なうえに、接着層のみが選択的に加熱溶融されるため、解体に要するエネルギーの省力化が実現できる。また、本発明の接着複合体の解体方法は、材料の破損や劣化の度合いが低いため、大型部材の回収が可能となり、産業界に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着複合体の解体方法の概略を示すステップ図である。
【図2】接着複合体の接着強度の測定方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ガラス板、3a,3b 接着剤プレート、5a,5b 被接着材プレート、7a,7b 引張方向、100 接着強度評価用複合体。

Claims (2)

  1. ホットメルト接着剤と、前記ホットメルト接着剤により接合部において接着された被接着材とを備えた接着複合体であって、前記ホットメルト接着剤は、誘電加熱接着用樹脂組成物を含有し、高周波電圧を印加することにより加熱溶融するホットメルト接着剤であり、前記誘電加熱接着用樹脂組成物は、融点が60〜200℃の範囲にあるポリオレフィン系樹脂と、体積抵抗率が10−2Ω・cm以下である導電物質とを含有し、40MHzの周波数における23℃条件下の誘電正接が0.03以上である、誘電加熱接着用樹脂組成物であり、前記導電物質の前記誘電加熱接着用樹脂組成物中の含有量は1〜30容量%の範囲にある、高周波電圧を印加することにより解体可能な、接着複合体の解体方法であって、
    前記接合部に対して前記高周波電圧を印加することにより、前記ホットメルト接着剤を加熱溶融させるステップと、
    前記被接着材を前記接合部において剥離するステップと、
    を備える、接着複合体の解体方法。
  2. 前記加熱溶融させるステップは、前記接合部に対して、周波数が1〜5000MHzの範囲にあり、高周波出力0.1〜100kWの範囲にある前記高周波電圧を、1〜1000秒間の範囲で印加するステップを含む、請求項1に記載の接着複合体の解体方法。
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