JP2009173714A - 複合材料および複合材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い強度や剛性を得るために重要な、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させた複合材料を提供する。
【解決手段】本発明に係る複合材料1は、竹2を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料であって、前記竹2と、前記竹2と結合してマトリックスを形成するマトリックス樹脂3と、前記竹2と前記マトリックス樹脂3との結合を強固なものとするために、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下であり、前記マトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量で含有される有機物添加剤4と、を含むことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、竹を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料および複合材料の製造方法に関する。
ポリエチレンやポリエステル、ポリプロピレンなどの合成樹脂や生分解性樹脂といったマトリックスとなるマトリックス樹脂と、麻や亜麻、稲の藁などの天然繊維と、を用いた複合材料は、天然繊維の価格が合成繊維と比較すると低廉であるため、これを用いた製品のトータルコストを低減することができる。
このような複合材料を用いた製品としては、例えば、自動車用の製品としてはドアライナー、トランクライナー、パッケージトレー、スピーカ棚、アンダーボディパネルや弱音材などの構造的な強度への要求があまり厳しくないものや、家具、床デッキ、フェンスといった製品が挙げられる。
このような複合材料に関する技術として、以下のようなものがある。
例えば、特許文献1には複合材料として、生分解性樹脂からなるバインダー繊維と、表面上に加水分解防止剤、好ましくは、カルボジイミドを被覆した天然繊維とを混合してなる繊維複合材が記載されている。
例えば、特許文献2には複合材料の製造方法として、ポリ乳酸からなるバインダーと、バイオプラスチック繊維とを混合し、この混合物を堆積させ、加熱することを含むバイオプラスチック繊維複合材の製造方法であって、前記バイオプラスチック繊維が芯部と鞘部からなり、この芯部および鞘部はともにバイオプラスチックより構成され、芯部を構成するバイオプラスチックの融点が鞘部を構成するバイオプラスチックの融点よりも低い芯鞘型複合バイオプラスチック繊維を用いたバイオプラスチック繊維複合材の製造方法が記載されている。
また、例えば、特許文献3には複合材料として、蒸煮または爆砕処理したリグノセルロース系材料を加熱加圧成形して製造する合成板であって、前記リグノセルロース系材料を加熱加圧成形する前、または加熱加圧成形した後に、該リグノセルロース系材料に、アルデヒドキャッチャ剤の有効成分である有機アミド系複合物を、該リグノセルロース系材料に対して0.02重量%以上、0.65重量%以下となるように付着させた合成板が記載されている。
さらに、例えば、特許文献4には複合材料として、蒸煮または爆砕処理したリグノセルロース系材料を加熱加圧成形して製造する合成板であって、前記リグノセルロース系材料を加熱加圧成形する前に、または加熱加圧成形した後に、該リグノセルロース系材料をアルカリ水溶液にて処理した合成板が記載されている。
また、最近では、図4に示すように、天然繊維として竹20を用い、マトリックス樹脂30としてテフロン(登録商標)、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレンなどを用いた複合材料10についても開発が進められている。なお、図4は、竹とマトリックス樹脂のみを用いた複合材料の様子を説明する説明図である。
特開2004−232153号公報 特開2005−9028号公報 特開2006−255991号公報 特開2006−255992号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術には、カルボジイミドに水分が付加されることにより、容易に尿素誘導体を形成してしまうため不安定であり、かつ自然界には稀にしか存在しないため扱いが困難であるという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術には、バイオプラスチック繊維の芯部を構成するバイオプラスチックの融点が鞘部を構成するバイオプラスチックの融点よりも低い芯鞘型複合バイオプラスチック繊維を用いなければならず、製造方法や製品形状が制限されるという問題がある。
特許文献3に記載の技術には、アルデヒドを吸着して分解するための合成板であるため、複合化しても機械的特性が向上しないという問題がある。
特許文献4に記載の技術には、有機酸類、トルエン、キシレン、およびエチルベンゼンを吸着して分解するための合成板であるため、複合化しても機械的特性が向上しないという問題がある。
そして、天然繊維として竹20を用いた複合材料10には、マトリックス樹脂30として用いるテフロン(登録商標)、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレンなどがマイナスに帯電しやすい一方で、天然繊維として用いる竹20が帯電しにくいために、これらを粉末状またはシート状にして混合あるいは混練して複合する際にマトリックス樹脂30の粉末やシートの表面に静電気が発生する。発生した静電気によって、マトリックス樹脂30の粉末やシートが飛散したり、凝集したりしてしまい、竹20とマトリックス樹脂30の粉末やシートを均一に混合することができないため、竹20とマトリックス樹脂30の界面密着度が低くなってしまうという問題がある。
このように竹20とマトリックス樹脂30の界面密着度が低くなってしまうと、竹20とマトリックス樹脂30を強固に結合させることができないので、複合則を満たすような強度や剛性を発揮することなく、竹20とマトリックス樹脂30の界面が剥離して破断してしまうという問題がある。つまり、高い強度や剛性を得ることができないという問題がある。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、高い強度や剛性を得るために重要な、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させた複合材料および複合材料の製造方法を提供することを課題とする。
(1)前記課題を解決した本発明に係る複合材料は、竹を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料であって、前記竹と、前記竹と結合してマトリックスを形成するマトリックス樹脂と、前記竹と前記マトリックス樹脂との結合を強固なものとするために、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下であり、前記マトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量で含有される有機物添加剤と、を含むことを特徴としている。
このようにすれば、かかる有機物添加剤の有するルイス酸として働く官能基が、マイナスに帯電するマトリックス樹脂の電子を受容するので、官能基を介して有機物添加剤とマトリックス樹脂とを強固に結合するとともに、かかる有機物添加剤によって、マトリックス樹脂に対する静電気を緩和する効果(静電気緩和効果)を奏することができる。そのため、竹とマトリックス樹脂を複合する際に両者を均一に混合させることができる。また、かかる有機物添加剤は、水素結合を発現し得る特性基を有しているため、竹のセルロースに含まれる水酸基などの極性基と水素結合させることができ、両者の界面を十分に結合させることが可能となる。したがって、高い強度や剛性を得るために重要な、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させることができる。
(2)本発明においては、前記官能基が、アミノ基カチオンおよびカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましく、(3)前記有機物添加剤が、酸性アミノ酸および中性アミノ酸の中から選択される少なくとも1種であるのが好ましく、(4)前記有機物添加剤が、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミンおよびグルタミン酸の中から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
このようにすれば、有機物添加剤がルイス酸として働く官能基を有しているので、前記したようなマトリックス樹脂に対する静電気緩和効果を確実に奏することができる。そのため、竹とマトリックス樹脂を複合する際に両者をより均一に混合させることができるだけでなく、水素結合を発現し得る特性基を有しているので、両者の界面をより確実に結合させることが可能となり、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を確実に向上させることができる。
(5)本発明においては、前記マトリックス樹脂が、ポリエチレン、ポリエステルおよびポリプロピレンのうちの少なくとも一つ、またはこれらから選択される少なくとも一つを主成分とするポリマーアロイであるのが好ましい。
このようにすれば、通常は、竹と複合しても高い界面密着度を得ることができないこれらのマトリックス樹脂であっても、前記した有機物添加剤が混合されているので、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させることができる。
(6)本発明においては、前記竹は、アスペクト比が5以上100未満の繊維または粒子であるのが好ましい。
このようにすれば、竹とマトリックス樹脂の混合、混練が容易かつ確実に行うことができるので、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を確実に向上させることができる。
(7)そして、本発明に係る複合材料の製造方法は、竹を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料の製造方法であって、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下である有機物添加剤を、前記竹と結合してマトリックスを形成するマトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量で混合する混合工程と、前記有機物添加剤を混合したマトリックス樹脂と前記竹とを複合する複合工程と、を含むことを特徴としている。
このようにすれば、(1)から(6)に記載した複合材料を製造することができる。すなわち、本発明で規定する有機物添加剤を混合することによって、高い強度や剛性を得るために重要な、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させた複合材料を製造することができる。
(8)本発明に係る複合材料の製造方法は、竹を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料の製造方法であって、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下である有機物添加剤を、前記竹と結合してマトリックスを形成するマトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量となるように調整した上で前記竹に含浸させる含浸工程と、前記有機物添加剤を含浸させた前記竹と、前記マトリックス樹脂とを複合する複合工程と、を含むことを特徴としている。
このようにしても、(1)から(6)に記載した複合材料を製造することができる。すなわち、本発明で規定する有機物添加剤を混合することによって、高い強度や剛性を得るために重要な、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させた複合材料を製造することができる。
(9)本発明においては、前記官能基が、アミノ基カチオンおよびカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましく、(10)前記有機物添加剤が、酸性アミノ酸および中性アミノ酸の中から選択される少なくとも1種であるのが好ましく、(11)前記有機物添加剤が、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミンおよびグルタミン酸の中から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
このようにすれば、有機物添加剤がルイス酸として働く官能基を有しているので、前記したようなマトリックス樹脂に対する静電気緩和効果を確実に奏することができる。そのため、竹とマトリックス樹脂を複合する際に両者をより均一に混合させることができるだけでなく、水素結合を発現し得る特性基を有しているので、両者の界面をより確実に結合させることが可能となり、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させた複合材料を製造することができる。
(12)本発明においては、前記マトリックス樹脂が、ポリエチレン、ポリエステルおよびポリプロピレンのうちの少なくとも一つ、またはこれらから選択される少なくとも一つを主成分とするポリマーアロイであるのが好ましい。
このようにすれば、通常は、竹と複合しても高い界面密着度を得ることができないこれらのマトリックス樹脂であっても、前記した有機物添加剤が混合されているので、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させた複合材料を製造することができる。
(13)本発明においては、前記竹は、アスペクト比が5以上100未満の繊維または粒子であるのが好ましい。
このようにすれば、竹とマトリックス樹脂の混合、混練が容易かつ確実に行うことができるので、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させた複合材料を製造することができる。
本発明の複合材料によれば、ルイス酸として働く官能基と水素結合を発現し得る特性基を有する有機物添加剤を混合することによって、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させることができる。
また、本発明の複合材料の製造方法によれば、ルイス酸として働く官能基と水素結合を発現し得る特性基を有する有機物添加剤を混合することによって、竹とマトリックス樹脂の界面密着度を向上させた複合材料を製造することができる。
まず、図1を参照して、本発明に係る複合材料を実施するための最良の形態について説明する。
なお、図1は、本発明に係る複合材料について説明した説明図であって、(a)は、pHが5以上8以下の有機物添加剤で処理した様子を示す説明図であり、(b)は、pHが5未満の有機物添加剤で処理した様子を示す説明図であり、(c)は、有機物添加剤で処理して複合された本発明に係る複合材料を示す説明図である。
図1の(a)から(c)に示すように、本発明に係る複合材料1は、竹2を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料であって、竹2と、竹2と結合してマトリックスを形成するマトリックス樹脂3と、竹2とマトリックス樹脂3との結合を強固なものとするために、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下であり、マトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量で含有される有機物添加剤4とを含んでいる。なお、図1の(a)から(c)においては、マトリックス樹脂3を粒子として示している。
ここで、本発明で用いることのできる竹2としては、イネ科(Poaceae)タケ亜科(Bambusioideae)に属するものであればどのようなもの竹でも用いることができる。例えば、マダケ(Phyllostachys bambusoides)を用いることができるがこれに限定されるものではない。なお、本発明においては、竹2を前記したように強化繊維または強化粒子として用いるが、繊維とは短辺と長辺の比率として表されるアスペクト比が2以上のものをいい、粒子とは短辺と長辺の比率として表されるアスペクト比が2未満のものをいうものとする。
また、竹2は、長辺が100mm未満の繊維として用いるか、または平均粒径が0.5mm程度若しくはそれ以下の大きさの粒子として用いるのが好ましい。
繊維として用いた竹2の長辺が100mm以上であると、マトリックス樹脂3との混合、混練が困難となるため、これらが均一に混合せず、竹2とマトリックス樹脂3の界面密着度が低くなるおそれがある。
また、粒子として用いた竹2の平均粒径が0.5mmを超えるとマトリックス樹脂3との混合、混練が困難となるため、これらが均一に混合せず、竹2とマトリックス樹脂3の界面密着度が低くなるおそれがある。
マトリックス樹脂3は、前記したように、竹2と結合してマトリックスを形成する合成樹脂である。
このようなマトリックス樹脂3としては、ポリエチレン、ポリエステルおよびポリプロピレンのうちの少なくとも一つを好適に用いることができる。これらの樹脂は比較的廉価であるため、複合材料1の低廉化を図ることができる。なお、これらの樹脂は、繊維や粉末として用いるとマイナスに帯電するため静電気が発生してしまい、竹2と均一に混合することが非常に困難となるが、後記する有機物添加剤4を添加することによって容易に均一に混合することができるようになり、竹2とマトリックス樹脂3の界面密着度を向上させることが可能となる。なお、本発明で用いることのできるマトリックス樹脂3としては、これに限定されるものではなく、竹2と結合してマトリックスを形成することのできる樹脂として、ポリエステルの一種であるポリヒドロキシブチレート(PHB)や、その他の合成樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリロニトリルスチレン、アクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミドイミドなども用いることができる。
また、マトリックス樹脂3は、ポリエチレン、ポリエステルおよびポリプロピレンから選択される少なくとも一つを主成分とし、他の成分を、例えば、前記したポリエステルの一種であるPHB、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリロニトリルスチレン、アクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミドイミドなどとしたポリマーアロイも好適に用いることができる。
なお、かかるマトリックス樹脂3の中には、タルク、クレイなどの結晶化核剤や相溶化剤、架橋剤、加水分解防止剤、ゴムやエラストマーなどの添加剤を所望の特性を得ることのできる必要量が添加されていてもよい。
有機物添加剤4は、前記したように、竹2とマトリックス樹脂3との結合を強固なものとするために添加される添加剤である。
まず、このような効果を奏するために、本発明で用いる有機物添加剤4は、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有することが必要となる。図1の(a)(b)に示すように、このルイス酸として働く官能基を有することによって、マイナスに帯電したマトリックス樹脂3の電子対を受け取ることができ、当該マトリックス樹脂3の静電気緩和効果を得ることが可能となるからである。このようなルイス酸として働く官能基としては、例えば、アミノ基(−NH)を挙げることができる。アミノ基は、溶液やマトリックス樹脂3中でアミノ基カチオン(−NH )を形成し、これがルイス酸として機能する。また、カルボキシル基(−COOH)もルイス酸として働く官能基として挙げることができる。このように、本発明においてはルイス酸として働く官能基としてアミノ基カチオンおよびカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種を好適に挙げることができる。なお、本発明における、ルイス酸として働く官能基はこれに限定されるものではなく、電子対を受け取ることができる他の官能基、例えば、カルボニル基(>C=O)、水酸基(−OH)、アミド基(−C=O−NH−)、イミド基(−CONHCO−)、スルフィド基(−S−)なども用いることができる。
また、ルイス酸として働く官能基とともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有することが必要である。図1の(a)(b)に示すように、かかる特性基によって竹2のセルロース(下記[化1]参照)の六員環に結合している水素(−H(下記式1には図示せず))や水酸基(−OH)などと水素結合することによって、竹2とマトリックス樹脂3の界面を強固に結合することが可能となる。このような特性基としては、例えば、有機物添加剤4の有するカルボキシル基(−COOH)やカルボニル基(>C=O)などを挙げることができる。なお、本発明における特性基はこれに限定されるものではなく、竹2のセルロースと水素結合することのできる他の官能基、例えば、水酸基(−OH)なども用いることができる。
Figure 2009173714
また、有機物添加剤4のpHが8以下、好ましくはpHが5以上8以下、より具体的にはpHが5.5±0.5以上7.5±0.5以下であることが必要である。この場合において、水溶液などの溶媒に有機物添加剤4が含まれる場合は、かかる溶媒等のpHも含めて、そのpHを前記した範囲に規制する必要があることはいうまでもない。有機物添加剤4のpHが8よりも大きいと、前記したルイス酸として働く官能基が、ルイス酸として働きにくくなる。例えば、アミノ基の場合は、下記[化2]に示すように本発明の複合材料1の中で−NH2⇔−NH3 +が平衡状態となり可逆的に変化し得るのがpHが5以上8以下の間であり、pHが8よりも大きいと下記[化2]に示すように−NH2側に偏り、pHが5未満であると、下記[化2]に示すように−NH3 +側に偏り非平衡となる。また、カルボニル基においても−COOH⇔−COOの平衡状態は、アミノ基と同様にpHが5以上8以下の間である。なお、下記[化2]のR,Rは水素原子または側鎖を示す。
Figure 2009173714
そして、この有機物添加剤4は、マトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量で含有されていることが必要である。有機物添加剤4の含有量がマトリックス樹脂100質量部に対して0.01質量部未満であると、マトリックス樹脂3に対する静電気緩和効果や、竹2とマトリックス樹脂3の強固な結合といった効果を得ることができない。また、有機物添加剤4の含有量がマトリックス樹脂100質量部に対して30質量部を超えると、複合材料1とした場合の特性、例えば、強度や剛性が低下するおそれがある。なお、有機物添加剤4の含有量の下限値は、マトリックス樹脂100質量部に対して0.1質量部以上とするのがより好ましく、1質量部以上とするのがさらに好ましい。また、有機物添加剤4の含有量の上限値は、マトリックス樹脂100質量部に対して20質量部以下とするのがより好ましく、10質量部以下とするのがさらに好ましい。
このような有機物添加剤4としては、酸性アミノ酸および中性アミノ酸の中から選択される少なくとも1種であるのが好ましく、中でも、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミンおよびグルタミン酸の中から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。このようなアミノ酸を用いれば、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下であるため、含有量を適切に制御することによって、確実に竹2とマトリックス樹脂3の界面密着度を向上させることができる。
また、このような有機物添加剤4を使用すると、複合材料1の廃棄や埋め立て、燃焼時における環境負荷を低減することができる。また、そのため、当該有機物添加剤4には、その溶媒も含めて金属を含まないものを使用することが好ましい。
なお、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどのイオン結合性無機化合物に代表されるブレンステッド酸であっても、プロトン(H)をマイナスに帯電したマトリックス樹脂3に与えることができるので静電気緩和効果を期待することはできるが、プロトンが与えられたマトリックス樹脂3が竹2のセルロースの水素や水酸基と水素結合等しないので、竹2とマトリックス樹脂3を強固に結合させることができない。
次に、図2および図3を参照して、本発明に係る複合材料の製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、図2は、本発明に係る複合材料の製造方法の第1実施形態を示すフローチャートである。図3は、本発明に係る複合材料の製造方法の第2実施形態を示すフローチャートである。
なお、以下の説明において、前記した内容と重複する内容、例えば、pHや有機物添加剤の含有量の限定意義等や有機物添加剤、マトリックス樹脂の好適材料を選択することの意義等についてはその説明を省略するものとする。また、以下の説明においては、重複する事項には同一の符号を付して説明することとする。
本発明に係る複合材料の製造方法の第1実施形態は、竹を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料1の製造方法であって、図2に示すように、混合工程S11と、複合工程S12と、を含んでなる。
混合工程S11は、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下である有機物添加剤4をマトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量で混合する工程である。
かかる混合工程S11は、通常用いられる混合装置や混練装置、積層装置などの手段によって行うことができる。なお、かかる混合工程S11は、竹2の繊維または粒子と、マトリックス樹脂3とを均一に混合できればどのような条件によって行ってもよい。混合条件について特に限定されるものではない。
複合工程S12は、混合工程S11で有機物添加剤4を混合したマトリックス樹脂3と竹2とを複合する工程である。
かかる複合工程S12は、例えば、有機物添加剤4を混合したマトリックス樹脂3と竹2とを加熱し、冷却するなどの手段によって行うことができる。なお、竹2と有機物添加剤4が混合されたマトリックス樹脂3とを複合することができればどのような条件によって行ってもよく、複合条件について特に限定されるものではないが、その中でも、特に生産効率が良く、成形加工性に優れる樹脂組成物が得られることから、押出材のダイから吐出する溶融樹脂の温度がマトリックス樹脂3の融点〜融点+30℃の間になるように温度設定した混練機を用いて製造することが好ましい。なお、この場合の温度が融点未満であるとマトリックス樹脂3が溶融せず、逆にこの場合の温度が融点+30℃を超えるとマトリックス樹脂3の溶融粘度が下がりすぎて、先にマトリックス樹脂3だけが押し出されてしまい、竹2の体積分率が不均一となる。このような混練機としては、例えば、同方向二軸押出機、コニカル二軸押出機、平行二軸押出機などの異方向二軸押出機や、ミキシングエレメントを取り入れた単軸押出機、バンバリーミキサーや加圧ニーダーなどのバッチ式混合機、ロール混練機が例示される。
なお、本発明に係る複合材料の製造方法の第1実施形態で製造された複合材料1を用いて成形品を作製した場合、当該成形品を作製した後に、マトリックス樹脂3を結晶化させるため、マトリックス樹脂3の結晶化開始温度(Tx)−30℃から結晶化開始温度(Tx)の温度範囲で熱処理を行なうのが好ましい。
次に、本発明に係る複合材料の製造方法の第2実施形態について説明する。
本発明に係る複合材料の製造方法の第2実施形態も、竹を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料1の製造方法であって、図3に示すように、含浸工程S21と、複合工程S22と、を含んでなる。
含浸工程S21は、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下である有機物添加剤4を竹2に含浸させる工程である。この場合、かかる有機物添加剤4は、マトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量となるように調整した上で竹2に含浸させる必要がある。
このような含浸工程S21は、用いる竹2の繊維や粒子が大きい場合であっても、あらかじめ竹2の表面を有機物添加剤4によって表面処理しておくため、竹2とマトリックス樹脂3との界面密着度を確実に向上させることができる。
なお、含浸工程S21においては、有機物添加剤4の含有量が前記した数値範囲内となるよう予め試験等を行って、有機物添加剤4の使用量や含浸時間などを確認しておくのが好ましい。用いる有機物添加剤4の種類や、竹2の状態、すなわち繊維とするか粒子とするかで、適切な条件が変わってくる可能性があるからである。
そして、複合工程S22は、含浸工程S21で有機物添加剤4を含浸させた竹2と、マトリックス樹脂3とを複合する工程である。なお、複合工程S22は、前記した複合工程S12と同様であるのでその説明を省略する。
なお、本発明に係る複合材料の製造方法の第2実施形態で製造された複合材料1を用いて成形品を作製した場合も、前記と同様、当該成形品を作製した後にマトリックス樹脂3を結晶化させるため、マトリックス樹脂3の結晶化開始温度(Tx)−30℃から結晶化開始温度(Tx)の温度範囲で熱処理を行なうのが好ましいことはいうまでもない。
複合材料1のマトリックス樹脂3中における竹2の分散性は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)や目視によって確認することができる。
また、複合材料1の強度や剛性は、例えば、熱機械分析装置を用いて、Nガス雰囲気中、10mNの等圧縮応力下で300〜523Kまで5K/minで昇温し、収縮変形開始温度を測定することによって測定することができる。そして、例えば、当該熱機械分析装置によって示される等圧縮応力下における収縮変形開始温度が、添加剤を添加していないものよりも5K以上上回っているものを強度や剛性が高いと判断することができる。
次に、本発明の効果を確認した実施例について説明する。
マトリックス樹脂は、以下のものを用いた。
1)住友精化社製ポリエチレン粉末(平均粒径約10μm)
2)サンプラテック社製ポリエチレン・フィルムシート軟質(厚さ約0.3mm)
3)住友精化社製ポリプロピレン粉末(平均粒径約10μm)
4)東レ社製ポリプロピレン・フィルムシート軟質(厚さ約0.3mm)
5)ティアナン社(中華人民共和国)製PHB(ポリエステルの一種)粉末(平均粒径約10μm)
6)ティアナン社(中華人民共和国)製PHBをシート状に成形したもの(厚さ約0.3mm)
を用いた。
また、強化繊維または強化粒子として用いる竹は、以下のものを用いた。
11)マダケ(Phyllostachys bambsoides)の粉末(平均粒径約0.5mm)
12)マダケ(Phyllostachys bambsoides)の短繊維(平均長さ約10〜100mm(アスペクト比10〜100程度))
13)マダケ(Phyllostachys bambsoides)の長繊維(平均長さ100mm以上(アスペクト比100以上))
を用いた。
さらに、有機物添加剤は、以下のものを用いた。
21)グルタミン
22)アスパラギン酸
23)グルタミン酸
24)アルギニン
ならびにこれらのアミノ酸を混合して、
25)pH5.5±0.5としたもの
26)pH6.5±0.5としたもの
27)pH7.5±0.5としたもの
28)pH8.5±0.5としたもの
およびこれらのアミノ酸の混合物をマトリックス樹脂100質量部に対して10質量部となるように溶解して、
29)pH5.5±0.5としたもの
30)pH6.5±0.5としたもの
31)pH7.5±0.5としたもの
32)pH8.5 ±0.5としたもの
を用いた。
なお、いずれのアミノ酸も関東化学社製のものを用いた。
また、比較添加剤として以下のものを用いた。なお、下記の含有量は、下記の比較添加剤を水溶液に溶解した質量%で示している。
41)NaHCO(炭酸水素ナトリウム)
42)NaHCOの10質量%水溶液
43)NaCO(炭酸ナトリウム)
44)NaCOの10質量%水溶液
を用いた。
前記したマトリックス樹脂、竹および添加剤を下記表1および表2に示す組み合わせで組合せ、混合または積層し、混合時または積層時のマトリックス樹脂の帯電性ならびに竹とマトリックス樹脂の分散性を目視または走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。
なお、マトリックス樹脂1)、3)、5)、竹11)、12)および任意の添加剤を用いたマトリックス樹脂の粉末と竹の混合による複合は、それぞれを所定量秤量し、撹拌脱泡機シンキーAR−250((株)シンキー製)を用いて自転速度800rpm、公転速度2000rpm、5分間の条件で撹拌することにより行った。
また、マトリックス樹脂2)、4)、6)、竹13)および任意の添加剤を用いたマトリックス樹脂のシートと竹の積層による複合は、竹13)を金属容器中に敷き並べ、これに前記添加剤を溶解した蒸留水を均一に流し入れて揺動し、含浸させた後に送風乾燥機内で絶乾し、マトリックス樹脂2)、4)、6)の上に、前記添加剤を含浸させた竹を均一に敷き並べて金型内に設置し、2)は180℃、4)は220℃、6)は185℃でホットプレスすることにより行った。
表1および表2に、マトリックス樹脂、竹および添加剤の組み合わせとともに、マトリックス樹脂の帯電性(表1においては「混合時の帯電」と表示し、表2においては「積層時の帯電」と表示している。)および竹とマトリックス樹脂の分散性(表1においては「竹の分散性」と表示し、表2においては「樹脂シート−竹」と表示している。)を示す。なお、竹の分散性が悪かったものを「悪」と表示し、竹の分散性が良かったものを「良」と表示した。そして、これを効果1の欄に「○」または「×」で明記した。
Figure 2009173714
Figure 2009173714
表1および表2に示すように、有機物添加剤および比較添加剤のいずれも添加されていないもの、有機物添加剤が添加されていてもその含有量が少ないもの、および、比較添加剤が添加されているものについては、混合時に帯電し、そのために竹の分散性が悪い(効果1について「×」)という結果となった。
その他のものは、混合時の帯電性がなく、そのために竹の分散性が良い(効果1について「○」)という結果となった。
次いで、表1および表2に示す組み合わせで効果が認められた5)または6)のマトリックス樹脂と、12)または13)の竹とを用意し、これに添加する添加剤として24)、26)あるいは30)の有機物添加剤、または42)の比較添加剤を用意して、下記表3に示す組み合わせで組合せた。添加剤の含有量は、0.01〜35質量部の範囲(なお、42)については10質量%水溶液)とした。また、比較対象とするため、マトリックス樹脂のもの、マトリックス樹脂と竹のみのものも用意した。
そして、表3に示す組み合わせにおいて、5)のマトリックス樹脂(PHB)の粉末を用いた場合は、当該マトリックス樹脂と、任意の添加剤とを混合した後、これに竹の粒子を混合して昇温し、さらに混練しながら複合して、φ10mm×10mmほどの円柱状の試験片に成形した後、冷却した。
また、表3に示す組み合わせにおいて、6)のマトリックス樹脂(PHB)のシートを用いた場合は、任意の添加剤を含浸させた竹の繊維と当該マトリックス樹脂とを積層して複合し、これを185℃に昇温しつつプレス成形を行った後、冷却したものを用いてφ10mm×10mmほどの円柱状の試験片を作製した。
そして、これらのようにして作製された試験片を用いて、熱機械分析装置であるSII TMA/S6300(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて、Nガス雰囲気中、10mNの等圧縮応力下で300〜523Kまで5K/minで昇温し、収縮変形開始温度(K)を測定した。なお、その際に、膨張開始温度(K)も測定した。
表3に、マトリックス樹脂、竹および添加剤の組み合わせとともに、添加剤のpH、混合時の静電気の発生の有無、膨張開始温度および等圧縮応力下における収縮変形開始温度を示す。なお、等圧縮応力下における収縮変形開始温度が、マトリックス樹脂のもの(433K)よりも5K以上上回っているものを、有意差ありとして効果2の欄に「○」で明記し、5K未満のものを有意差なしとして「×」で明記した。
Figure 2009173714
表3に示すように、有機物添加剤や竹を含有しないもの、有機物添加剤を含有してもそのpHが8.5±0.5となるもの、有機物添加剤の含有量が多いもの、および、比較添加剤を含有するものについては、混合時に静電気が発生し、そのために等圧縮応力下における収縮変形開始温度に有意差が認められないという結果となった(効果2について「×」)。また、これらは膨張開始温度もマトリックス樹脂のみのものと変わらなかった。
その他のものは、本発明の要件を満たしていたので、混合時に静電気が発生せず、等圧縮応力下における収縮変形開始温度に有意差が認められた(効果2について「○」)。また、これらは膨張開始温度についてもマトリックス樹脂のみのものより高い温度となった。
以上、本発明の複合材料および複合材料の製造方法について、発明を実施するための最良の形態および実施例により詳細に説明したが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならないことはいうまでもない。
本発明に係る複合材料について説明した説明図であって、(a)は、pHが5以上8以下の有機物添加剤で処理した様子を示す説明図であり、(b)は、pHが5未満の有機物添加剤で処理した様子を示す説明図であり、(c)は、有機物添加剤で処理して複合された本発明に係る複合材料を示す説明図である。 本発明に係る複合材料の製造方法の第1実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係る複合材料の製造方法の第2実施形態を示すフローチャートである。 竹とマトリックス樹脂のみを用いた複合材料の様子を説明する説明図である。
符号の説明
1 複合材料
2 竹
3 マトリックス樹脂
4 有機物添加剤
S11 混合工程
S12 複合工程
S21 含浸工程
S22 複合工程

Claims (13)

  1. 竹を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料であって、
    前記竹と、
    前記竹と結合してマトリックスを形成するマトリックス樹脂と、
    前記竹と前記マトリックス樹脂との結合を強固なものとするために、分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下であり、前記マトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量で含有される有機物添加剤と、
    を含むことを特徴とする複合材料。
  2. 前記官能基が、アミノ基カチオンおよびカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料。
  3. 前記有機物添加剤が、酸性アミノ酸および中性アミノ酸の中から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合材料。
  4. 前記有機物添加剤が、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミンおよびグルタミン酸の中から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複合材料。
  5. 前記マトリックス樹脂が、ポリエチレン、ポリエステルおよびポリプロピレンのうちの少なくとも一つ、またはこれらから選択される少なくとも一つを主成分とするポリマーアロイであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複合材料。
  6. 前記竹は、アスペクト比が5以上100未満の繊維または粒子であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の複合材料。
  7. 竹を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料の製造方法であって、
    分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下である有機物添加剤を、前記竹と結合してマトリックスを形成するマトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量で混合する混合工程と、
    前記有機物添加剤を混合したマトリックス樹脂と前記竹とを複合する複合工程と、
    を含むことを特徴とする複合材料の製造方法。
  8. 竹を強化繊維または強化粒子として用いた複合材料の製造方法であって、
    分子内にルイス酸として働く官能基を1つ以上有するとともに、水素結合を発現し得る特性基を1つ以上有し、かつpHが8以下である有機物添加剤を、前記竹と結合してマトリックスを形成するマトリックス樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の含有量となるように調整した上で前記竹に含浸させる含浸工程と、
    前記有機物添加剤を含浸させた前記竹と、前記マトリックス樹脂とを複合する複合工程と、
    を含むことを特徴とする複合材料の製造方法。
  9. 前記官能基が、アミノ基カチオンおよびカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の複合材料の製造方法。
  10. 前記有機物添加剤が、酸性アミノ酸および中性アミノ酸の中から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
  11. 前記有機物添加剤が、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミンおよびグルタミン酸の中から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
  12. 前記マトリックス樹脂が、ポリエチレン、ポリエステルおよびポリプロピレンのうちの少なくとも一つ、またはこれらから選択される少なくとも一つを主成分とするポリマーアロイであることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
  13. 前記竹は、アスペクト比が5以上100未満の繊維または粒子であることを特徴とする請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
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CN109824980A (zh) * 2019-02-21 2019-05-31 福建工程学院 一种还原氧化石墨烯改性竹纤维/聚丙烯复合材料的制备方法

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