JP2004000532A - 移載装置、移載装置連結体、およびその収納装置 - Google Patents

移載装置、移載装置連結体、およびその収納装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小さな動力によって作動可能であり、作動のためのスペースをそれほど必要とすることなく、かつ、安全に患者等の移載対象物の移載を行うことができる移載装置を提供する。
【解決手段】この移載装置1は、上下方向に積み重ねるようにして組み合わされた上部機構10と下部機構20とを備えており、上部機構10と下部機構20とのそれぞれは、互いに独立して正逆方向に周回させられる無端状のベルト101,202を備えている。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する分野】
本願発明は、ベッドとストレッチャ間の患者の移載等に用いると好適な移載装置、移載装置連結体、およびその収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
歩行不可能あるいは歩行困難な状態となった患者の病院内での移動には、ストレッチャと呼ばれる移動台が用いられる。このストレッチャは、キャスタ付きの脚上に患者を載せるに必要十分な幅と長さを有する載置台をベッド面とほぼ同等の高さにおいて支持したものである。ストレッチャは、ベッドに横付けされ、ベッドとストレッチャ間の患者の移載が行われる。
【0003】
上記の患者の移載は、通常、シーツの端を複数人で引き上げるようにして患者を持ち上げて行うが、このような作業は人手を要する上に重労働であり、また、点滴装置等の医療器具を装着したままの患者を移載するにあたっては、きわめて慎重な作業が必要である。このようなことが、ベッドとストレッチャ間の患者の移載作業をきわめて困難なものにしている。
【0004】
上記のような問題を軽減するため、動力を利用して患者の移載を行うようにした移載装置が種々提案されている。
【0005】
たとえば、特許文献1には、フォーク・リフトに近似した機構をもつ装置によって、載置プレートをベッド面と患者との間に挿入して患者を持ち上げ、方向を反転して載置プレート上の患者をストレッチャ上に移すようにした移載装置が提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、ベッドとストレッチャ間に位置させた支柱上にラック・ピニオン機構等によってベッド上に延伸した状態とストレッチャ上に延伸した状態とを選択できる載置プレートを設け、併せて載置プレートにベルトを巻き掛けた構成の移載装置が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−104378号公報
【特許文献2】
特開平10−33593号公報
【0008】
特許文献2の移載装置は、載置プレートをベッド上に延伸する方向に移動させる際にこの移動速度の2倍の速度でベルトを逆方向に走行させることにより、ベルト面と患者との間の相対移動なく載置プレートをベッド面と患者との間に挿入することができる。こうして載置プレート上に載せられた患者は、載置プレートがストレッチャ上に延伸する方向に移動することによってストレッチャ上に移送される。このとき、ベルトは、移動する載置プレートとの間の相対移動が0となるように駆動される。次に、載置プレートは、再びベッド面上に延伸する方向に移動させられるとともに、ベルトは、載置プレートの移動速度の2倍の速度で逆方向に走行させられる。これにより、ベルトと患者との間の相対移動なく、載置プレートを患者とストレッチャとの間から引き抜くことができ、ベッドからストレッチャへの患者の移載が完了する。ストレッチャからベッドへの患者の移載は、上記と逆の手順で行うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1に提案されたフォーク・リフト近似の移載装置は、患者の重量を持ち上げるための大きな動力が必要であるし、載置プレートを患者とベッドとの間に挿入し、あるいは患者とストレッチャとの間から引き抜く際に載置プレートと患者との間に相対移動が生じるため、患者が不用意に落下しないようにするなど、安全上の配慮が必要である。また、載置プレートに患者を載せた状態で方向転換をする必要があり、適正な動作のためには広いスペースを確保せねばならない。
【0010】
また、上記特許文献2に提案された移載装置は、載置プレートを患者とベッドとの間に挿入する際、あるいは患者とストレッチャとの間から載置プレートを引き抜く際に、患者とベルトとの間の相対動をなくしている点において、上記特許文献1に提案された移載装置に比較して優れた点が見受けられる。しかしながら、ベルトは、載置プレートの周囲を摺動させられており、また、載置プレートを患者とベッドとの間に挿入するにあたっては、ベッドとベルトとの間に載置プレート挿入速度の倍の相対動が生じる。そのため、載置プレートとベルトとの間の抵抗、および、ベルトとベッド面との間の抵抗に抗して載置プレートおよびベルトを駆動せねばならず、大型の動力源を必要とする問題がある。
【0011】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、上記した従来の移載装置の欠点を解消し、小さな動力によって作動可能であり、作動のためのスペースをそれほど必要とすることなく、かつ、安全に患者等の移載を行うことができる移載装置を提供することをその課題とする。
【0012】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の各技術的手段を採用した。
【0013】
本願発明の第1の側面によって提供される移載装置は、上下方向に積み重ねるようにして組み合わされた上部機構と下部機構とを備えており、
上部機構と下部機構とのそれぞれは、互いに独立して正逆方向に周回させられる無端状のベルトを備えていることを特徴としている。
【0014】
上部機構と下部機構とは、好ましくは、それぞれ可能な限り薄型に構成される。この移載装置は、たとえば、次のように取り扱ってベッド上の患者をストレッチャ上に移載することができる。
【0015】
まず、上部機構のベルトと下部機構のベルトとを互いに逆方向の第1の方向に同じ速度で周回させると、下部機構のベルトは、いわゆるキャタピラのような作用をし、上部機構と下部機構との重合体からなる移載装置を自走させることができる。これにより、移載装置は、ベッド面からストレッチャ上へ、あるいは逆に、ストレッチャ上からベッド面へ移動することができる。このとき、上部機構のベルトは、下部機構のベルトと同じ速度で逆方向に周回しているので、上部機構のベルトとベッド面との間の相対動は生じない。したがって、上部機構と下部機構とからなる重合体からなる移載装置は、たとえばベッドと患者との間に容易に潜り込むことができる。このとき、ベッド上で、移載装置上、すなわち、上部機構のベルト上に患者を載せた状態が形づくられる。次に、下部機構のベルトのみを上記と逆方向に周回させる。そうすると、移載装置は、患者を載せたまま、たとえばストレッチャに向けて自走することができる。移載装置がストレッチャ上に到達すると、上部機構と下部機構のベルトを、互いに逆方向の第2の方向に同じ速度で周回させる。この場合においても、上部機構のベルトとストレッチャとの間の相対動なく移載装置がベッド方向に戻るように自走するので、移載装置は容易にストレッチャと患者との間から抜け出ることができる。これにより、ベッドからストレッチャへの患者の移載が完了する。この移載装置は、患者を持ち上げるための動力が基本的に不要であるし、ベルトと患者、あるいはベルトとベッド面またはストレッチャとの相対摺動がないので、駆動のための動力も最小限で済む。また、患者が不用意に落下するといった事態も基本的には起こらないので、安全性も確保される。
【0016】
好ましい実施の形態においては、上部機構と下部機構とのそれぞれは、厚み方向に所定の寸法を有し、所定幅を有するフレームと、このフレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1主ローラと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2主ローラと、上記フレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに揺動可能に連結された第1アームと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに揺動可能に連結された第2アームと、上記第1アームの先端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1副ローラと、上記第2アームの先端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2副ローラとを備えており、上記ベルトは、上記第1主ローラの一面、上記第1副ローラ、上記第1主ローラの他面、上記第2主ローラの他面、上記第2副ローラ、および上記第2主ローラの一面を掛け回されて周回するように構成されている。
【0017】
他の好ましい実施の形態においては、上部機構は、厚み方向に所定の寸法を有し、所定幅を有するフレームと、このフレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1主ローラと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2主ローラと、上記フレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに揺動可能に連結された第1アームと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに揺動可能に連結された第2アームと、上記第1アームの先端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1副ローラと、上記第2アームの先端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2副ローラとを備えており、上記ベルトは、上記第1主ローラの一面、上記第1副ローラ、上記第1主ローラの他面、上記第2主ローラの他面、上記第2副ローラ、および上記第2主ローラの一面を掛け回されて周回するように構成されている一方、下部機構は、厚み方向に所定の寸法を有し、所定幅を有するフレームと、このフレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1主ローラと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2主ローラと、を備えており、上記ベルトは、上記第1主ローラと上記第2主ローラを掛け回されて周回するように構成されている。
【0018】
好ましい実施の形態においてはまた、上記第1主ローラおよび第2主ローラとは、フレームの厚み方向寸法とほぼ対応した径を備えている一方、上記第1副ローラおよび第2副ローラは、上記第1主ローラおよび第2主ローラよりも小径とされている。
【0019】
このような構成によれば、ベルトは、複数のローラに掛け回された状態で周回するので、ベルト駆動抵抗がさらに減じられ、モータの負担が減り、あるいはモータの軽量、小型が可能となる。また、各副ローラは小径であり、かつ、各副ローラを支持するアームはフレームに対して揺動可能であるので、移載装置が患者とベッドとの間に入り込むに際して、装置先端部分の上下厚みが小さくなり、より容易に移載装置が患者とベッドとの間に入り込むことができるようになる。
【0020】
好ましい実施の形態においてはさらに、上記上部機構における第1アームおよび第2アームは、それぞれ、上記下部機構における第1アームおよび第2アームよりも長くしてある。
【0021】
このような構成よれば、たとえば、上部機構の第1アームと下部機構の第1アームとが重合するようにして患者とベッドとの間に入り込もうとする場合において、両第1アームの先端の各第1副ローラが上下に重ならず、上部機構の第1副ローラが下部機構の第1副ローラよりも前方に変位する格好となるので、移載装置が患者とベッドとの間に入り込むに際して、装置先端部の上下厚み寸法がさらに小さくなり、さらに容易に移載装置が患者とベッドとの間に入り込むことができるようになる。
【0022】
好ましい実施の形態においては、上記第1アームおよび第2アームは、それぞれ下向きに揺動するように弾力付勢されている。
【0023】
このような構成によれば、上部機構の第1アームと下部機構の第1アームとが重合するようにして、あるいは、上部機構の第1アームのみが患者とベッドとの間に入り込もうとする場合において、第1アームの先端の第1副ローラがベッド面に沿うようにして前進するので、第1副ローラが患者にぶつかって違和感を与えたり、患者をベッドの向こう側に押したりするといったことがなくなり、装置先端部がより円滑に患者とベッドとの間に入り込むことができる。
【0024】
好ましい実施の形態においてはさらに、上記上部機構における上記第1アームおよび第2アームには、それぞれ上記第1副ローラおよび第2副ローラの下面を覆う橇部材が取付けられている。
【0025】
上述したように、装置がベッドと患者の間に入り込むべく自走するとき、上部機構のベルトは下部機構のベルトと逆方向に同速度で周回しているため、上部機構における第1アームの副ローラの下面を掛け回るベルトは装置の走行速度の2倍の速度で逆方向に走行する。したがって、このような副ローラの下面を掛け回るベルトがベッド面に接触すると、装置の走行の抵抗となり、また、シーツを患者側に捲くれさせるといったことが懸念されるが、この構成においては、副ローラの下面を覆う橇部材が設けられているため、上記した問題は解消される。
【0026】
好ましい実施の形態においてはまた、上記フレームの厚み方向の内部には、上記ベルトの一部が掛け回され、かつモータによって駆動される駆動ローラが設けられている。
【0027】
好ましい実施の形態においては、上記フレームの厚み方向の内部には、上記ベルトの一部が掛け回され、かつ一方向に移動するように付勢されたテンションローラが設けられている。
【0028】
好ましい実施の形態においてはまた、上記上部機構および下部機構において、互いに対向する面を走行するベルトの一部をフレーム内に引き込み、このベルトの引き込み部位が上記駆動ローラおよびテンションローラに掛け回されている。
【0029】
これらの構成によれば、ベルト駆動機構を都合よくフレームの厚み範囲内に収容することができるとともに、ベルトに適度なテンションを付与することができ、ベルトを適正に周回させることができる。
【0030】
好ましい実施の形態においてはさらに、上記上部機構と下部機構とは、離接機構を介して、互いに対向する面を走行するベルトが接触しないように相互に厚み方向に離間する状態を選択できるように組み合わされている。この場合において、上記離接機構は、上部機構と下部機構の一方において、モータ駆動によって他方側に向かって立ち上がるカムと、上部機構と下部機構の他方において、上記立ち上がり状態のカムが当接させられる当接体とによって構成することができる。
【0031】
このように構成することにより、上部機構のベルト上に患者を載せた状態において、下部機構のベルトのみを周回させて移載装置を自走移動させる場合、上部機構のベルトと下部機構のベルトが相互摺動接触しない状態を選択できるので、ベルト駆動の摩擦抵抗が減り、移載装置をより円滑に自走移動させることができる。また、患者を載せていない状態においては、上部機構と下部機構とが接触重合した状態を選択することができる。この場合、両ベルトを逆方向に周回させることによって、両機構の対向部において両ベルトが接触しても、両ベルト間の相対移動は生じないので、移載装置の自走にはなんら差し支えなく、また、この状態での移載装置の厚み寸法も小さくなるので、上述したような患者とベッドとの間への移載装置のもぐり込みを容易に行える。なお、移載装置の上下方向の寸法が許容されれば、上部機構と下部機構のベルトどうしが常時接触しないようにしつつ、これら上部機構と下部機構とを組み合わせてもよい。
【0032】
好ましい実施の形態においてはまた、各フレームの両側部に、連結手段が設けられており、複数の移載装置が幅方向に複数連結できるようになっている。
【0033】
このように構成することにより、各単位移載装置のモータを小型化しつつ、全体として、長尺状の対象物のための移載装置を容易に構成することができる。
【0034】
本願発明の第2の側面によって提供される移載装置連結体は、上記本願発明の第1の側面によって提供される移載装置が幅方向に複数連結されている移載装置連結体であって、この移載装置連結体の両端部には、複数の係合突起が形成されていることを特徴としている。
【0035】
このような移載装置連結体によれば、全体として長尺であるにもかかわらず、収納等の取り扱いが容易になる。
【0036】
本願発明の第3の側面によって提供される移載装置連結体の収納装置は、上記本願発明の第2の側面に係る移載装置連結体のための収納装置であって、上記移載装置連結体を縦にして収納するに十分な内部空間を有し、上記複数の係合突起のいずれかが載るように係合するフックを備えて昇降する1または複数の昇降機構を備えることを特徴としている。
【0037】
好ましい実施の形態において、この収納装置は、上記移載装置連結体を上記複数の係合突起を介して係止保持するとともに外部に取り出すための第1の昇降機構と、外部での作業を終えた移載装置連結体を上記複数の係合突起のいずれかを介して係止保持しつつ内部に収納するための第2の昇降機構とを備える。
【0038】
このような構成によれば、移載装置連結体を縦方向に収納して、収納のための平面的なスペースを節約することができるとともに、固定手段を用いずに移載装置連結体を収納できるので、収納および取り出し操作が容易に行える。
【0039】
本願発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0041】
まず、本願発明に係る移載装置1の第1の実施形態の基本構成を図1ないし図6を参照して説明する。図1は、上記移載装置1の外観を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。同図から判るように、この移載装置1は、上部機構10と下部機構20とが上下方向に積み重ねられた格好で組み合わされている。そして、図2は、上部機構10のベルトを外した状態を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は中央縦断面図である。図3は、図2中に示される駆動部30を取り出して示した平面図、図4は中央縦断面図である。また、図5は、上部機構10についてのベルトの装着手順の説明図である。図6は、この移載装置1の上部機構10と下部機構20との組み合わせ状態を説明するための断面図であり、(a)は上部機構10と下部機構20とが接触重合した状態を、(b)は上部機構10と下部機構20とが所定のすきまを介して離間させられた状態を示す。
【0042】
図1から理解されるように、この移載装置1を構成する上部機構10と下部機構20とは、各機構の両端部においてベルト101,202が巻き掛かるアーム40,50の寸法のみが異なり、その余は共通するので、以下、上部機構10の構成を中心に説明する。
【0043】
図2に良く表れているように、上部機構10は、所定の上下寸法を有する両側板115,116と、この両側板間を掛け渡す前後方向2箇所のクロスメンバ117,118とからなるフレーム100を有する。このフレーム100の両端部には、第1主ローラ124と第2主ローラ134とが、両側板115,116間をフレーム幅方向に掛け渡す軸120,130を中心として、それぞれ回転自由に支持されている。フレーム100の両端部には、さらに、上記各軸120,130を中心として揺動可能な第1アーム40と第2アーム50とがそれぞれ連結されている。
【0044】
これら第1アーム40と第2アーム50とは、基端において上記両側板の上下寸法と同等の上下寸法を有し、かつ先端に向かうにつれて上下寸法が縮小する両側板41,42,51,52と、この両側板の先端において両側板間を掛け渡す軸122,132を中心として回転自由に支持された第1副ローラ123と第2副ローラ133とを有する。各副ローラ123,133は各主ローラ124,134よりも小径となっており、これにより、各アーム40,50は、全体として、側面視において先細状になっている。各アーム40,50にはまた、両側板41,42,51,52の上縁近傍間を掛け渡すようにして、後記するベルト101の裏面を支持するためのバックアップ板121,131が設けられている。
【0045】
フレーム100にはさらに、図2(c)に表れているように、両側板115,116の上縁近傍間を掛け渡すようにして、後記するベルト101の裏面を支持するためのバックアップ板119が設けられている。また、第2主ローラ134により近い部位において、両側板115,116の下縁近傍を掛け渡す軸141に、アイドルローラ142が回転可能に支持されている。
【0046】
上記フレーム100には、このフレームとは別体に構成した図3および図4に示す駆動部30が組み込まれる。この駆動部30は、全体として上記フレーム100の上下寸法よりも小の上下寸法と、フレーム100の両側板115,116の内面間寸法と同等の幅寸法を有しており、かつ、両側板301,302と、これら両側板間を掛け渡すクロスメンバ303とからなる副フレーム300を有している。この副フレーム300における上記第1主ローラ124により近い部位において、両側板301,302間を掛け渡す軸310が固定的に設けられており、この軸310には、左右のベルト駆動ローラ311,312が一体的に回転しうるように支持されている。同軸310にはまた、ベルト駆動ローラ311,312と一体的に回転するプーリ313が支持されている。クロスメンバ303には、ブラケット304を介してベルト駆動用のモータ314が支持されており、このモータ314の出力軸に取付けられたプーリ315と上記のプーリ313との間には、タイミングベルト316が掛け回されている。これにより、ベルト駆動用モータ314を正逆に回転させることにより、ベルト駆動ローラ311,312が正逆方向に回転駆動される。
【0047】
上記副フレーム300における上記第2主ローラ134により近い部位において、両側板301,302の内面には、前後方向にのみ移動可能に拘束支持されたスライドブロック330,330が設けられており、両スライドブロックは、バネ331,331により、常時外方、すなわち、第2主ローラ134の方向に弾力付勢されている。そして、両スライドブロック330,330間を掛け渡すように固定的に設けられた軸332には、テンションローラ333が回転自由に支持されている。
【0048】
上記副フレーム300にはまた、上記両スライドブロック330,330の近傍において、両側板301,302間を掛け渡すようにして固定的に設けられた軸320に対し、筒状体321が回転自由に套嵌されている。この筒状体321の両端部には、下方に向けて延出する2つのカム323,323が取り付けられている。この筒状体321の中間部には、プーリ322が固定的に設けられている。上記クロスメンバ303にブラケット305を介して支持されたカム駆動用モータ324の出力軸には、プーリ325が設けられており、このプーリ325と上記プーリ322との間には、タイミングベルト326が掛け回されている。これにより、カム駆動用モータ324を正逆に回転させることにより、上記カム323,323が副フレーム300の下縁から突出する状態と、突出しない状態とを選択できる。
【0049】
上記副フレーム300にはまた、上記ベルト駆動ローラ311,312の近傍において、両側板301,302の下縁付近どうしを掛け渡すようにして、カム受け板306が設けられている。上記カム323,323とカム受け板306とは、図6に示すように、上部機構10と下部機構20とを組み合わせた場合に、上部機構10と同等の構成を有する下部機構20のカム受け板306とカム323とに対向させられ、上部機構10と下部機構20とに、相互に重合接触する状態(図6(a))と、相互に離間する状態(図6(b))とをとらせるように機能する。
【0050】
上記副フレーム300における上記ベルト駆動ローラ311,312の近傍であって、上記カム受け板306よりも外方の部位には、両側板301,302に対して着脱可能なブラケット340,340を介して、アイドルローラ342が回転自由に支持されている。すなわち、ブラケット340,340間には、軸341が固定的に掛け渡されており、この軸341には、アイドルローラ342が回転自由に支持されている。
【0051】
上記構成の駆動部30は、次のようにして、フレーム100に対して装着されると同時に、無端状のベルト101が装着される。
【0052】
すなわち、図5(a)に示すように、ブラケット340を副フレーム300から外してベルト101の一部がベルト駆動ローラ311,312とアイドルローラ342間を通る状態を作った後に上記ブラケット340を副フレーム300に連結する。そして、駆動部30の副フレーム300を図5(a)の矢印に示すようにフレーム100に挿入して図5(b)に示す状態を作り、駆動部30の副フレーム300をボルト等でフレーム100に固定する。これにより、ベルト101は、第1主ローラ124の下側、第1副ローラ123、第1主ローラ124の上側、第2主ローラ134の上側、第2副ローラ133ないし第2主ローラ134の下側を掛け回され、この上部機構10の下側、すなわち、下部機構20と対向する面において、両アイドルローラ342,142間の部位がフレーム100内に引き込まれ、テンションローラ333とベルト駆動ローラ311,312とを掛け回されることになる。テンションローラ333は、無端ベルト101の全体に張力を付与するとともに、ベルト駆動ローラ311,312に対する強い密着力をベルト101に与える。こうしてベルト101に張力が付与されていることから、第1アーム40と第2アーム50とは、図5(b)に示すように、水平状態で安定する。上記ベルト101における第1副ローラ123と第1主ローラ124との間を走行する部位、第1主ローラ124と第2主ローラ134との間を走行する部位、および、第2主ローラ134と第2副ローラ133間を走行する部位の裏面は、それぞれ、第1アーム40、フレーム100および第2アーム50にそれぞれ設けた上述のバックアップ板121,119,131にそれぞれ支持されて、ベルト101の上に載せられた移載対象物の重量を支持する。
【0053】
上述したように、下部機構20は、第1アーム40および第2アーム50の長さが異なる点においてのみ上記構成の上部機構10と異なる。すなわち、フレーム100、駆動部30ないしベルト202の掛け回し構成は、上部機構10と同じである。下部機構20は、上記構成の上部機構10を180°反転したようにしつつ図6に示すように上部機構10と組み合わされて、移載装置1を構成する。
【0054】
図1に戻って、下部機構20のフレーム200の両側板203,204には、連結プレート211,212が取付けられており、この連結プレート211,212の上部機構10の側部に延出する部位には、上下方向に長い長穴211a,212aが形成され、この長穴に、上部機構10の側壁に突設したピン111,112が係合させられている。これにより、上部機構10と下部機構20とは、上記長穴211a,212a内をピン111,112が移動を許される範囲において、相互に接離可能となる。
【0055】
また、下部機構20のフレーム200の両側板203,204には、その下縁に沿って、連結板215,216,217,218が2箇所ずつ設けられている。ただし、一方の側板203に設けられる連結板215,216と、他方の側板204に設けられる連結板217,218とは、互いに高さ位置が違えてあり、これにより、移載装置1を複数並列させた状態において、互いに重なる連結板215,217および216,218間をボルト等を使って連結することにより、隣接する移載装置1どうしを連結して、図20および図21に示すような移載装置連結体1Aを構成することができるようになっている。
【0056】
次に、図7〜図19を参照し、上記第1の実施形態に係る移載装置1の動作例を説明する。
【0057】
図7〜図11は、移載装置1が自走しつつ、たとえばベッド等の移載元にある患者等の移載対象物Xの下にもぐり込み、移載装置1上に移載対象物Xを載せるまでの作動を示す。移載装置1を構成する上部機構10と下部機構20とは、それぞれのカム323が退避していて、互いに接触重合している。両機構10,20のベルト駆動モータ314を互いに逆方向の第1の方向に等速で回転させると、両機構10,20のベルト101,202は、同じ速度で逆方向に周回する。下部機構20において周回するベルト202がキャタピラのように作用し、移載装置1全体を自走させる。上部機構10と下部機構20の対向面において両ベルト101,202が接触しているが、両ベルトはこの部位において同方向に等速で移動するので、両者間に相対動は生じない。
【0058】
やがて移載装置1は、その先端部が移載対象物Xに接触するに至る(図8)。本実施形態では、上部機構10の第1アーム40のほうが下部機構20の第1アーム40よりも長いので、上部機構10の第1副ローラ123に掛け回るベルト101が必ず移載対象物に接触する。この第1副ローラ123に掛け回るベルトの走行方向は図8に表れているように上向きであるので、移載対象物Xの表面上をベルト101によって自走するようにして第1アーム40が下方に揺動し、その先端部が移載対象物Xの下にもぐり込もうとする。このような上部機構10の第1アーム40の作動に押されるようにして、下部機構20の第1アーム40もまた、その下面がベッド面に接触するように下方に揺動する(図9)。これにより、下部機構20のベルト202のベッド面に対する接触面積が増大し、移載装置1の自走駆動力が増す。
【0059】
上部機構10の第1アーム40のほうが下部機構20の第1アーム40よりも長いので、図9に表れるように、上部機構10の第1副ローラ123は、下部機構20の第1副ローラ123に重なることなく、より前方に位置するようになり、上部機構10の第1アーム40の先端の上下寸法に相当する薄型化された装置先端部が移載対象物Xとベッド面との間に容易にもぐり込むことができる。
【0060】
移載装置1はさらに同方向に自走し、両第1アーム40のくさび効果によってさらに移載対象物Xとベッド面との間に入り込む(図10)。このとき、移載対象物Xと接触する上部機構10のベルト101は、下部機構20のベルト202と同速度で逆方向に周回しているので、上部機構10のベルト101の移載対象物Xに対する接触部分とベッド面との相対動はない。したがって、このことによっても、移載装置1の先端部分が移載対象物Xとベッド面との間に容易に入り込むことができるし、また、移載装置1が移載対象物Xをベッドの外方に押して移載対象物Xがベッドから不用意に落下するといった事態は、基本的に起こりにくい。このようにして、図11に示すように、移載対象物Xが移載装置1の上面、すなわち、上部機構10のベルト101上に載せられた状態が得られる。
【0061】
次に、図12および図13に示すように、上部機構10と下部機構20のカム323を起立させ、両者が離間した状態とする。この状態においては、上部機構10のベルト101と下部機構20のベルト202とは両機構10,20の対向部位での相互接触状態が解除されるので、各ベルト101,202の個別駆動が可能となる。そして、下部機構20のベルト202を停止させたまま、上部機構10のベルト101を第1の方向に駆動し、上部機構10のフレーム100の一端部から他端部まで移載対象物Xを移動させる。なお、このとき、移載装置1は、依然として移載対象物Xが置かれていたベッド上にある。
【0062】
次に、図14に示すように、上部機構10と下部機構20とを相互離間状態としたまま、上部機構10のベルト101を停止し、下部機構20のベルト202を上記とは逆の第2の方向に駆動する。これにより、移載装置1は、その上面の定位置に記載対象物Xを載せたまま、たとえばストレッチャ等の移載先に向けて自走により移動することができる。こうして、移載装置1がストレッチャ上に至ると、下部機構20のベルト202の駆動が停止させられ、次いで、図15に示すように、上部機構10と下部機構20とが、両者のカム323を退避させることにより、再び接触重合状態とされる。
【0063】
図16〜図19は、たとえば、ストレッチャ等の移載先に到達した移載装置1が自走しつつ移載対象物Xとストレッチャとの間から抜け出し、移載対象物Xの移載先への移載を完了するまでの作動を示す。
【0064】
両機構10,20のベルト101,202は、互いに逆方向の第2の方向に等速で周回させられる。下部機構20において周回するベルト202は、キャタピラのように作動し、移載装置全体をストレッチャからベッドの方向へ抜け出るように自走させる。上部機構10と下部機構20の対向面においてベルト101,202が接触しているが、両ベルトは同方向に等速で移動するので、両者間に相対動は生じない。
【0065】
上部機構10のベルト101上に載る移載対象物Xは、このベルト101の移動にしたがって移載装置1上を相対的に移動させられるが、この上部機構10のベルト101とストレッチャとの相対移動は生じないから、移載対象物Xは、ストレッチャ上の平面的な移動なく、ストレッチャ上まで位置を下げるようになる(図17)。また、このとき、移載対象物Xがストレッチャの幅方向の外力を受けることもない。このとき、図17に表れているように、上部機構10の第2アーム50と下部機構20の第2アーム50とは、移載対象物Xの重量によって下方に揺動しつつ、互いに重ねられるようになる。また、上部機構10の第2アーム50は下部機構20の第2アーム50よりも長くしてあるので、上部機構10の第2副ローラ133が下部機構20の第2副ローラ133と上下に重なることなく、さらに外方に位置させられる。したがって、この上部機構10の第2アーム50上をベルト101に載って相対的に移動する移載対象物Xは、それほどの段差なく、円滑にストレッチャ上に移載される(図17)。
【0066】
移載対象物Xがストレッチャ上に移載された後は、この移載装置1は、ストレッチャ上に移載対象物Xを残して離れる(図18,図19)。このとき、上部機構10の第2アーム50は、その先端の第2副ローラ133およびこれを周回するベルト101が移載対象物Xの表面に接触しつつ水平の安定状態に戻るが、この場合においても、ベルト101は移載対象物Xの表面に対して相対動をせずに移行するので、摩擦抵抗等を生じることはなく、また、移載対象物Xたる患者に違和感を与えることもない。
【0067】
図20ないし図22は、本願発明に係る移載装置の第2の実施形態を示している。この実施形態において、上記した第1の実施形態と異なる点は、上部機構10における第1アーム40および第2アーム50が、常時下方向に向けて弾力付勢されている点、および、上記第1アーム40および第2アーム50には、それぞれ、第1副ローラ123および第2副ローラ133の下面を覆う橇部151が取付けられている点である。
【0068】
図21および図22に表れているように、第1主ローラ124および第2主ローラ134を回転可能に支持する軸120(130)にコイル部が套嵌されたバネ部材153の一端がフレーム100に弾接させられるとともに、他端が第1アーム40および第2アーム50に設けたピン152にそれぞれ係止されることにより、これら第1アーム40および第2アーム50は、常時下方向に向けて付勢されている。上記バネ部材153の弾力は、上部機構10の第1アーム40および第2アーム50が下部機構20の第1アーム40および第2アーム50を押し下げながら、適度な圧力で先端部がベッド面に接触する程度に設定される。
【0069】
一方、上記橇部材151は、第1アーム40および第2アーム50の各両側面に固定された左右のブラケット部151a間を掛け渡す橇板部151bを備えており、この橇板部151bは、第1アーム40および第2アーム50のそれぞれの下面に沿って前方に延出するとともに、その先端は、各副ローラ123,133の下面に沿うようにして、やや上方に湾曲させられている。その余の点は、第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0070】
この第2の実施形態においては、上部機構10の第1アーム40および第2アーム50がそれぞれ下方に向けて付勢されているので、下部機構20の第1アーム40および第2アーム50を下方に押しつけながら、各アーム40,50の先端部が常時ベッド面等に適度な圧力で弾接させられる。したがって、この移載装置1が患者Xとベッドとの間に入り込もうとするとき、上部機構10の第1アーム40の先端はベッド面に沿うようにして進行するので、この第1アーム40の先端が患者Xの側部に当たって患者に違和感を与えたり、患者Xをベッドの向こう側に押しやったりするといったことがなくなる。
【0071】
また、移載装置1を患者Xとベッドとの間にもぐり込ませるべく、ベッド上を患者Xに向けて自走移動するとき、上記したように、上部機構10の上面のベルト101とベッド面との相対動をなくす関係上、上部機構10の副ローラ123の下面を掛け回るベルトは、装置の進行速度の2倍の速度で逆方向に運動するが、この実施形態では、上記のように副ローラ123においてその下面のベルトを覆う橇部材151が設けられているので、このベルト101がベッド面に接触して装置の移動抵抗となったり、シーツを捲れあがらせたりするといった不具合の発生を回避することができる。
【0072】
このようなことから、この第2の実施形態に係る移載装置は、よりスムーズに患者Xとベッドとの間にもぐり込むことができる。
【0073】
なお、この第2の実施形態において、上部機構10の第1アーム40および第2アーム50に加え、下部機構20の第1アーム40および第2アーム50についても、同様にして常時下方に向けて弾力付勢しておいてもよい。
【0074】
図23は、本願発明に係る移載装置の第3の実施形態を示している。この実施形態は、上記した第2の実施形態の構成に比較し、下部機構20の第1アームおよび第2アームを省略し、下部機構20のベルト201が第1主ローラ124と第2主ローラ134の周囲に巻き掛かるようにした点が異なり、その余の点は、上記第2の実施形態と同様である。すなわち、この第3の実施形態においても、上部機構10の第1アーム40および第2アーム50は、常時下方に向けて弾力付勢されているとともに、これら第1アーム40および第2アーム50には、それらの先端の副ローラ123,133の下面を覆う橇部材151が取付けられている。この実施形態においても、第2の実施形態について上述したのと同様の利点を享受できることは、容易に理解できるであろう。
【0075】
図24および図25は、上記第1の実施形態にかかる移載装置1を前述したように幅方向に複数連結した移載装置連結体1Aを示す。なお、このような移載装置連結体1Aは、第2の実施形態または第3の実施形態に係る移載装置1を用いても同様に形成することができるし、また、第1、第2および第3の実施形態に係る移載装置1を適宜組み合わせることによって形成することもできる。
【0076】
移載装置1をベッドとストレッチャ間の患者の移載のために用いる場合には、ベッド長を考慮して、このような移載装置連結体1Aが構成される。この場合、各移載装置1は、ベルト101,202の駆動およびカム323の駆動において、同期して作動させられる。もちろん、この移載装置1は、移載対象物Xの長さや移載元あるいは移載先の寸法に応じて、適宜数が連結されて使用される。
【0077】
図26〜図37は、上記移載装置連結体1AについてのベッドBとストレッチャS間の患者の移載装置としての応用例を模式的に示しており、以下、これらの図について簡単に説明する。
【0078】
ベッドBの側部には、上記移載装置連結体1Aの収容装置500が横付けされている(図26)。患者Xは、ベッドB上のシーツの上に横たわっている。蓋を開けた収容装置500を挟んでベッドBの側方にストレッチャSが横付けされ(図27)、収容装置500の所定の操作スイッチを押すと、移載装置連結体1Aを係止保持する第1の昇降部材が上昇し、移載装置連結体1Aが上方に引き出される(図28)。移載装置連結体1Aは、手動によってストレッチャS上に移され(図29)、第1の昇降機構は下降する(図30)。そして、移載装置連結体1Aを上記のようにして作動させてベッドBに向けて自走させることにより、移載装置連結体1AはベッドB上で患者との間にもぐり込み、この移載装置連結体1A上に患者Xを載せた状態がつくり出される(図30、図31)。このとき、シーツの一端をあらかじめ移載装置連結体1Aの一側縁に被せるようにしておくとよい。このようにすることにより、移載装置連結体1Aが直接的に患者Xに接触することがなく、以下の作動において、安全性がより高まる。
【0079】
次に、患者Aを載せた移載装置連結体1Aを、上記のようにして作動させて自走によってストレッチャS上まで移動させる(図32、図33)。
【0080】
そして、移載装置連結体1Aを上記のようにして患者XとストレッチャSとの間から抜け出させる(図34)。これにより、ベッドBからストレッチャSへの患者の移載が完了する。
【0081】
収納装置500の付近にある移載装置連結体1Aは、収納装置500内の第2の昇降機構が上昇することによってこの第2の昇降機構に係止保持され(図35)、この第2の昇降機構が下降することによって収納装置500内に収納される(図36、図37)。
【0082】
なお、ストレッチャからベッドへの患者の移載は、上記と逆の手順によって行うことができる。
【0083】
図39〜図42は、図26〜図37に示した収納装置500をより具体的に示しており、以下、説明する。
【0084】
この収納装置500を用いる前提として、図38に示すように、上記移載装置連結体1Aの両端部には、それぞれ、2本の係止棒401,402,411,412が設けられている。すなわち、下部機構20のフレーム200の一端側、すなわち、第1主ローラ124の位置に相当する部位に比較的短い第1係止棒411,412が、上部機構10のフレーム100の他端側、すなわち、第2主ローラ134の位置に相当する部位に比較的長い第2係止棒401,402がそれぞれ設けられている。
【0085】
図39〜図42に表れているように、収納装置500は、上記の移載装置連結体1Aを縦方向に収納するに十分な収納空間を有する収納ボックス500a内に、2基の昇降機構50A,50Bを装備して構成されている。第1の昇降機構50Aは、収納ボックス500aの一方の内壁にそって設けられたスライドガイド501,502と、このスライドガイド501,502に上下方向にスライド移動可能に案内支持されたスライド体503とを備えている。これらスライドガイド501,502は、収納ボックス500aの長手方向の両端部に、一対設けられている。スライド体503は、このスライド体の下部に設けられた雌ねじ体506と、この雌ねじ体506に螺合しつつ軸転駆動可能な縦方向の送りねじ504,505からなる送り機構によって昇降させられるようになっている。送りねじ504,505は、ベベルギア機構508,510を介して駆動モータ512に連携されている。
【0086】
上記スライド体503の上部には、ブラケット518を介して、移載装置連結体1Aの第2係止棒401,402の基部に下方から係合可能なフックアーム520が回動可能に設けられている。このフックアーム520は、その回動に一定の抵抗が与えられていることが望ましく、図42に示すように、手動回動操作の便宜のためにハンドル520aが延出形成されている。このスライド体503の下部にはまた、上記移載装置連結体1Aの第1係止棒411,412を下から受け止めることができるフック514が設けられている。
【0087】
第2の昇降機構50Bは、収納ボックス500aの他方の内壁にそって設けられたスライドガイド521と、このスライドガイド521に上下方向にスライド移動可能に案内支持されたスライド体523とを備えている。これらスライドガイド521とスライド体523は、上記第1の昇降機構50Aと同様、収納ボックス500aの長手方向の両端部に、一対設けられている。スライド体523は、このスライド体523の下部に設けられた雌ねじ体526と、この雌ねじ体526に螺合しつつ軸転駆動可能な縦方向の送りねじ524,525からなる送り機構によって上下方向に移動させられるようになっている。送りねじ524,525は、ベベルギア機構528,530を介して駆動モータ532に連携されている。
【0088】
この第2の昇降機構50Bのスライド体523の上部には、移載装置連結体1Aの第2係止棒401,402の先端部を下から受け止めることができるフック534が設けられている。
【0089】
たとえば、図41および図42に示すように、移載装置連結体1Aの収納状態においては、移載装置連結体1Aの第1係止棒411,412が第1の昇降機構50Aのフック514に載るように係合させられているとともに、第2係止棒401,402がフックアーム520に係合させられている。すなわち、移載装置連結体1Aは、その重量が第1係止棒411,412を介して上記のフック514によって支持され、上記フックアーム520によって倒れが抑止される。同時に、第1係止棒411,412は第2の昇降機構50Bのフック534にも係合させられており、このフック534は、移載装置連結体1Aの重量の一部を支持し、かつ、移載装置連結体1Aの倒れを防止する。
【0090】
第1の昇降機構50Aのスライド体503を上昇させると、図43に示すように、移載装置連結体1Aは、第1係止棒411,412が下部のフック514に、第2係止棒401,402が上部のフックアーム520にそれぞれ係合した状態を維持しつつ、上昇させられる。フックアーム520を操作してその第2係止棒401,402に対する係合を解除すると、図44に示すように、移載装置連結体1Aは上記の下部フック514に載る第1係止棒411,412を支点として水平状態まで回動することができ、これにより、移載装置連結体1AをたとえばストレッチャS上に載った状態でスタンバイさせることができる(図45)。
【0091】
一方、移載対象物Xの移載を終えた移載装置連結体1Aは、図46に示すように、その第2係止棒401,402がちょうど第2の昇降機構50Bのフック534の上方に位置づけられ、この状態において、第2の昇降機構50Bのスライド体523を上昇させる。そうすると、図47に示すように、このスライド体523の上部のフック534が上記第2係止棒401,402を下から引っかけ、さらにスライド体523が上昇させられることによって、図48および図49に示すように、移載装置連結体1Aが吊り下げ状に保持される。
【0092】
次に、図50および図51に示すように、第2の昇降機構50Bのスライド体523を下降させると、第2係止棒401,402および第1係止棒411,412がそれぞれ第1の昇降機構50Aのフックアーム520および下部フック514に係合し、移載装置連結体1Aは収納ボックス500a内に収納される。
【0093】
このように、上記構成の移載装置ないしは移載装置連結体は、患者等の移載対象物を持ち上げるための動力が基本的に不要であるし、ベルトと移載対象物、あるいはベルトとベッド面またはストレッチャとの相対摺動がないので、駆動のための動力も最小限で済む。また、患者等の移載対象物が不用意に落下するといった事態も基本的には起こらないので、安全性も確保される。
【0094】
また、上記構成の収納装置は、上記した構成の移載装置連結体を都合よく収納し、または取り出すことができ、移載装置連結体を縦にして収納することができるので、設置スペースが節約される。
【0095】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本願発明の範囲に含まれる。
【0096】
実施形態では、上部機構10と下部機構20とを第1アーム40および第2アーム50の長さを除き、同一のものを同一面を対向させて組み合わせたが、必ずしも、同一のものを用いる必要はない。要は、上部機構10と下部機構20とのそれぞれのベルト101,202が、個別に正逆方向に周回駆動できるようになっておればよい。
【0097】
また、実施形態では、上部機構10と下部機構20とを、接触重合状態と、離間状態とをカム323を用いた離接機構によって選択できるようにしたが、上部機構10と下部機構20のベルト101,202の相互接触摺動が回避できれば、両機構を固定状に連結してもよい。
【0098】
また、実施形態では、上部機構10の第1アーム40および第2アーム50を、下部機構20の第1アーム40および第2アーム50よりも長くしているが、これらのアームの長さをどのように設定するかは、設計事項である。
【0099】
さらに、実施形態では、上部機構10および下部機構20の各アームをフレームに対して揺動可能としているが、固定的なアームとしてもよいし、必要に応じて、下部機構のアームを省略してもよい。すなわち、上部機構10の第1アーム40および第2アーム50として、その先端の副ローラが移載元あるいは移載先の面の近くに位置するように、フレームから下方傾斜状に延出させておく一方、下部機構20については、アームおよび副ローラを省略し、第1主ローラと第2主ローラ間にベルト202を掛け回すようにするだけでもよい。
【0100】
さらに、実施形態では、上部機構10と下部機構20を周回するベルト101,202の走行抵抗を減じるために、主ローラ、副ローラおよびアイドルローラを設けたが、ベルトの裏面とフレーム構成物との間の摩擦抵抗を著しく低減できる材質が選択できるのであれば、このようなローラを用いることなく、あるいはローラの数を減らし、部分的に摺動によってベルトが周回するようにしてもよい。
【0101】
また、上記の説明では、移載対象物として、ベッド上の患者を、移載元あるいは移載先として、ベッドあるいはストレッチャを想定したが、移載対象物、移載元、あるいは移載先は、いかなるものであってもよいことは、もちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る移載装置の第1の実施形態の外観を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図2】図1に示す移載装置のベルトおよび部品の一部を外した状態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は中央縦断面図である。
【図3】図1に示す移載装置に組み込まれる駆動部の平面図である。
【図4】図1に示す移載装置に組み込まれる駆動部の縦断面図である。
【図5】図3および図4に示す駆動部の組み付け手順の説明図である。
【図6】図1に示す移載装置に組み込まれる離接機構の作動説明図である。
【図7】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図8】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図9】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図10】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図11】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図12】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図13】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図14】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図15】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図16】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図17】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図18】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図19】図1に示す移載装置の作動説明図である。
【図20】本願発明に係る移載装置の第2の実施形態の側面縦断面図である。
【図21】図20に示す移載装置の部分平面図である。
【図22】図20に示す移載装置の上部機構の第1アームの側面図である。
【図23】本願発明に係る移載装置の第3の実施形態の側面縦断面図である。
【図24】図1に示す移載装置を複数連結してなる移載装置連結体の正面図である。
【図25】図24に示す移載装置連結体の平面図である。
【図26】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図27】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図28】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図29】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図30】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図31】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図32】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図33】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図34】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図35】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図36】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図37】図24に示す移載装置連結体の使用例の説明図である。
【図38】図24に示す移載装置連結体の変形例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図39】図38に示す移載装置連結体を収納するための収納装置の平面図である。
【図40】図39のA−A線断面図である。
【図41】図39のB1−B1線断面図である。
【図42】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB2−B2線断面に相当する図である。
【図43】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB2−B2線断面に相当する図である。
【図44】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB2−B2線断面に相当する図である。
【図45】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB2−B2線断面に相当する図である。
【図46】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB1−B1線断面に相当する図である。
【図47】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB1−B1線断面に相当する図である。
【図48】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB1−B1線断面に相当する図である。
【図49】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB1−B1線断面に相当する図である。
【図50】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB1−B1線断面に相当する図である。
【図51】図39に示す収納装置の作動説明図であり、図39のB1−B1線断面に相当する図である。
【符号の説明】
1    移載装置
1A   移載装置連結体
10   上部機構
20   下部機構
30   駆動部
40   第1アーム
50   第2アーム
50A  第1昇降機構
50B  第2昇降機構
100  フレーム(上部機構の)
101  ベルト(上部機構の)
111  ピン
112  ピン
123  第1副ローラ
124  第1主ローラ
133  第2副ローラ
134  第2主ローラ
142  アイドルローラ
151  橇部材
153  バネ部材
200  フレーム(下部機構の)
202  ベルト(下部機構の)
211  連結プレート
212  連結プレート
300  副フレーム(駆動部の)
306  カム受け体
311  ベルト駆動ローラ
312  ベルト駆動ローラ
314  ベルト駆動モータ
324  カム駆動モータ
333  テンションローラ
342  アイドルローラ
401  第2係止棒
402  第2係止棒
411  第1係止棒
412  第1係止棒
500  収納装置
500a 収納ボックス
B    ベッド
S    ストレッチャ
X    移載対象物

Claims (17)

  1. 上下方向に積み重ねるようにして組み合わされた上部機構と下部機構とを備えており、
    上部機構と下部機構とのそれぞれは、互いに独立して正逆方向に周回させられる無端状のベルトを備えていることを特徴とする、移載装置。
  2. 上部機構のそれぞれは、厚み方向に所定の寸法を有し、所定幅を有するフレームと、このフレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1主ローラと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2主ローラと、上記フレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに揺動可能に連結された第1アームと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに揺動可能に連結された第2アームと、上記第1アームの先端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1副ローラと、上記第2アームの先端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2副ローラとを備えており、上記ベルトは、上記第1主ローラの一面、上記第1副ローラ、上記第1主ローラの他面、上記第2主ローラの他面、上記第2副ローラ、および上記第2主ローラの一面を掛け回されて周回するように構成されている、請求項1に記載の移載装置。
  3. 上部機構は、厚み方向に所定の寸法を有し、所定幅を有するフレームと、このフレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1主ローラと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2主ローラと、上記フレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに揺動可能に連結された第1アームと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに揺動可能に連結された第2アームと、上記第1アームの先端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1副ローラと、上記第2アームの先端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2副ローラとを備えており、上記ベルトは、上記第1主ローラの一面、上記第1副ローラ、上記第1主ローラの他面、上記第2主ローラの他面、上記第2副ローラ、および上記第2主ローラの一面を掛け回されて周回するように構成されている一方、
    下部機構は、厚み方向に所定の寸法を有し、所定幅を有するフレームと、このフレームの一端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第1主ローラと、上記フレームの他端部において、幅方向に延びる軸周りに回転可能に支持された第2主ローラと、を備えており、上記ベルトは、上記第1主ローラと上記第2主ローラを掛け回されて周回するように構成されている、請求項1に記載の移載装置。
  4. 上記第1主ローラおよび第2主ローラは、フレームの厚み方向寸法とほぼ対応した径を備えている一方、上記第1副ローラおよび第2副ローラは、上記第1主ローラおよび第2主ローラよりも小径とされている、請求項2または3に記載の移載装置。
  5. 上記上部機構における第1アームおよび第2アームは、それぞれ、上記下部機構における第1アームおよび第2アームよりも長くしてある、請求項4に記載の移載装置。
  6. 上記第1アームおよび第2アームは、それぞれ下向きに揺動するように弾力付勢されている、請求項3または5に記載の移載装置。
  7. 上記上部機構における上記第1アームおよび第2アームには、それぞれ上記第1副ローラおよび第2副ローラの下面を覆う橇部材が取付けられている、請求項6に記載の移載装置。
  8. 上記上部機構と下部機構の上記フレームの厚み方向の内部には、上記ベルトの一部が掛け回され、かつモータによって駆動される駆動ローラが設けられている、請求項2ないし7のいずれかに記載の移載装置。
  9. 上記フレームの厚み方向の内部には、上記ベルトの一部が掛け回され、かつ一方向に移動するように付勢されたテンションローラが設けられている、請求項8に記載の移載装置。
  10. 上記上部機構および下部機構において、互いに対向する面を走行するベルトの一部をフレーム内に引き込み、このベルトの引き込み部位が上記駆動ローラおよびテンションローラに掛け回されている、請求項9に記載の移載装置。
  11. 上記上部機構と下部機構とは、離接機構を介して、互いに対向する面を走行するベルトが接触しないように相互に厚み方向に離間する状態を選択できるように組み合わされている、請求項1ないし10のいずれかに記載の移載装置。
  12. 上記離接機構は、上部機構と下部機構の一方において、モータ駆動によって他方側に向かって立ち上がるカムと、上部機構と下部機構の他方において、上記立ち上がり状態のカムが当接させられるカム受け体とによって構成されている、請求項11に記載の移載装置。
  13. 上記上部機構と下部機構とは、互いに対向する面を走行するベルトが接触しないように相互に組み合わされている、請求項1ないし10のいずれかに記載の移載装置。
  14. 各フレームの両側部に、連結手段が設けられており、複数の移載装置が幅方向に複数連結できるようになっている、請求項1ないし13いずれかに記載の移載装置。
  15. 請求項14に記載の移載装置が幅方向に複数連結されている移載装置連結体であって、この移載装置連結体の両端部には、複数の係合突起が形成されていることを特徴とする、移載装置連結体。
  16. 請求項15に記載の移載装置連結体のための収納装置であって、上記移載装置連結体を縦にして収納するに十分な内部空間を有し、上記複数の係合突起のいずれかが載るように係合するフックを備えて昇降する1または複数の昇降機構を備えることを特徴とする、移載装置連結体の収納装置。
  17. 上記移載装置連結体を上記複数の係合突起を介して係止保持するとともに外部に取り出すための第1の昇降機構と、外部での作業を終えた移載装置連結体を上記複数の係合突起のいずれかを介して係止保持しつつ内部に収納するための第2の昇降機構とを備える、請求項16に記載の移載装置連結体の収納装置。
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