JP2003534430A - 低揮発性uv吸収性化合物を含むカーボネートポリマー組成物 - Google Patents

低揮発性uv吸収性化合物を含むカーボネートポリマー組成物

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JP2003534430A
JP2003534430A JP2001587049A JP2001587049A JP2003534430A JP 2003534430 A JP2003534430 A JP 2003534430A JP 2001587049 A JP2001587049 A JP 2001587049A JP 2001587049 A JP2001587049 A JP 2001587049A JP 2003534430 A JP2003534430 A JP 2003534430A
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carbonate
alkyl
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ヌフェル,クラウデ ティ イー バン
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ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に戸外の用途に適切なUV保護(例えば、外観の安定性)を有する改良されたカーボネートポリマー組成物及び改良された成形物、成型物またはそれ以外の製造物の提供。 【解決手段】 (a)カーボネートポリマー、(b)(i)ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体、(ii)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、または(iii)これらの混合物から選ばれる少なくとも400g/モルの分子量を有する1種以上のUV吸収性化合物、(c)ホスファイトタイプ安定剤、(d)ヒンダードフェノールタイプ安定剤、及び(e)ラクトンタイプ安定剤からなるカーボネートポリマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低揮発性UV吸収剤、ホスファイトタイプ安定剤、ヒンダードフェ
ノールタイプ安定剤及びラクトンタイプ安定剤を含むカーボネートポリマー組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、透明性、剛性、寸法安定性及び熱抵抗性について性
質のバランスに優れている。これらの性質は、ポリカーボネートを、多くのタイ
プの成形品、またはそれ以外の製造品(特につや出し及び他の戸外の用途に使用
されるシートまたは他の構造物及び部品を含む)の用途に理想的な選択をするこ
とになる。しかし、ポリカーボネートは、ほとんどの有機ポリマーと同じく、そ
れらが紫外線(UV)に曝されるとき、劣化する。ポリカーボネートは、顕著な
量のエネルギーの光を吸収しそして劣化を始めるため、黄色になりそして曇り始
めさらにその剛性を失うことが知られている。ポリカーボネートは、それらの優
れた光学的性質即ち薄い色及び高い透明性からそれらの価値及び有用性を引き出
しているので、UVに対する保護は、極めて重要である。
【0003】 ポリマーの安定化における種々のタイプのUV吸収剤の使用は、周知である。
例えば、以下を参照。
【0004】
【特許文献1】 米国特許A32157225(ビスシアノベンゾトリアゾ
ールジフェニルベンゾトリアゾール−アクリル酸エステル)
【0005】
【特許文献2】 米国特許4812498(ビスベンゾトリアゾール)
【0006】
【特許文献3】 米国特許A5288778、英国特許2290745及び
ヨーロッパ特許A825226(トリアジン化合物)
【0007】
【特許文献4】 米国特許5821380(多官能性2−シアノアクリル酸
エステル)
【0008】
【特許文献5】 ヨーロッパ特許A68327(ベンゾオキサジノンとも呼
ばれる環状イミノエステル)
【0009】
【特許文献6】 ヨーロッパ特許A110221(ベンゾフェノン及びベン
ゾトリアゾール)。
【0010】 これらの安定剤は、入射するUV照射を吸収し、そして非破壊的なやり方で吸
収したエネルギーを分散することにより機能する。ポリマーのUV劣化を防ぐそ
れらの全体の有効性は、多数のファクター(吸収率、相溶性、安定性及びポリマ
ー内の分布を含む)に依存する。それらのUV吸収の有効性は、ポリマー特に表
面付近のそれらの濃度の関数である。ポリマーの表面付近のUV吸収剤の濃度は
、UV光線の浸透を防ぐのに非常に望ましく、そしてポリマーの本体全体のUV
吸収剤の分散よりも有効かつ経済的であると考えられる。
【0011】 そのため、有効な濃度のUV吸収剤を表面の近くに加工後そして長期間有する
ことが、ポリマーの有効なUV安定化のために必須である。UV吸収剤の化学的
及び物理的の両方の損失は、ポリマー中のUV吸収剤の濃度に影響するだろう。
化学的な損失は、化合物それら自体を不活性化するかまたは消費する熱、光酸化
及び酸化の反応から生ずる。UV吸収剤の物理的損失は、ポリマー本体からの拡
散により表面層におけるその置換によって相殺されない蒸発または溶解による表
面からの物質の除去を含む。
【0012】 UV吸収剤がポリマーから物理的に失われるとき、これは、望ましくない影響
、例えばシート押し出しにおける蒸発及びプレート・アウトまたは射出成形中の
濡れ及び型の結露を導く。これらの現象のすべては、装置の頻繁な必要な清掃操
作のために、樹脂中のUV吸収剤の濃度を低下させそして生産率を低下させる。
UV吸収剤の改良された保持は、望ましい末端用途でより有効な安定化をもたら
し、さらに低下した蒸発、プレート・アウト、型の結露、濡れなどの点でより良
い加工性をもたらす。
【0013】 種々の方法が、ポリカーボネート(PC)のUV−安定性を改善するのに使用
されてきている。普通のアプローチは、ポリカーボネートにおける添加物として
UV吸収剤を使用することであり、さらにUV照射がPCシートの最も厚い部分
にさらに深く浸透しそして劣化させることを防ぐために、 層または他の表面の
処理を適用してUV吸収剤が表面または外側の層に濃縮される構造を製造するこ
とである。多数の方法及び技術が、ポリマー物質の表面でまたはその付近でUV
吸収剤を濃縮するのに開発されてきている。これらは、以下のものを含む。表面
の含浸(例えば、以下の文献を参照)、
【0014】
【特許文献7】 米国特許A3309220、3043709、48616
64及び4937026
【0015】 熱可塑性樹脂及びUV吸収剤を含む溶液によるプラスッチク物品のコーティング
(例えば、以下の文献を参照)、
【0016】
【特許文献8】 米国特許A4668588及び4353965
【0017】 フィルム層の熱結合(例えば、以下の文献を参照)、
【0018】
【特許文献9】 日本特許07−9560
【0019】 並びに共押し出し(例えば、以下の文献を参照)、
【0020】
【特許文献10】 ヨーロッパ特許A110221、247480、320
632、339355及び825226、英国特許2290745及び米国特許
A4264680及び米国特許A5108835。
【0021】 これら及び他の共押し出しの文献では、もし共押し出し表面層においてより高
濃度で使用されるならば、より高い分子量及びより低い揮発性化合物の使用が強
調されている。
【0022】 加工及び末端用途中、ポリマー及び最終の物品の変色を防ぐために、ポリカー
ボネート組成物中に種々の他のタイプの追加の安定剤を配合することも一般に周
知である。
【0023】
【特許文献11】 米国特許A4812498、5288778及び582
1380及び英国特許2290745
【0024】 特許文献11は、すべて多数の共安定剤の使用を教示している。トリアジン−
タイプUV吸収剤と組み合わされたホスファイト安定剤に使用は、特許文献14
に記載されている。
【0025】
【特許文献12】 ヨーロッパ特許A825226
【0026】
【特許文献13】 日本特許10−044356、10−044357及び
10−044358
【0027】 特許文献15は、ポリカーボネート樹脂に添加または適用されるトリアジン−
タイプUV吸収剤、ホスファイト及びヒンダードフェノール性安定剤の組み合わ
せの使用を教示している。
【0028】
【特許文献14】 日本特許04−103626、04−159354及び
10−138435
【0029】 特許文献14は、ポリカーボネート樹脂に添加または適用されるベンゾトリア
ゾール−タイプUV吸収剤、ホスファイト及びヒンダードフェノール性安定剤の
組み合わせの使用を教示している。
【0030】
【特許文献15】 英国特許2322861
【0031】 特許文献15は、広い範囲の種々の異なるタイプの追加の共安定剤を任意に使
用するベンゾフラン−2−オンラクトン−タイプ添加物によるポリカーボネート
の安定化を教示している。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、高いレベルのUV吸収剤を含む、ポリカーボネート処方物そして特に
共押し出し可能な組成物の場合には、物理的性質、加工性及び外観の性質の改善
された組み合わせを有することが常に望まれる。安定剤がより少なく蒸発しそし
て加工中またはその後に組成物及び物品中により良く維持される、このような改
善された樹脂、改善された安定化物品及び改善された方法を有することが特に望
まれる。
【0033】 従って、特に戸外の用途に、適切なUV保護(例えば、外観の安定性)を有す
る改良されたカーボネートポリマー組成物及び改良された成形物、成型物または
それ以外の製造物を提供するのが本発明の目的である。また、これらの改良され
た成形物、成型物またはそれ以外の製造物を製造する改良された方法を提供する
のが目的である。
【0034】
【課題を解決するための手段】
1つの態様では、本発明は、ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体、ヒドロキ
シフェニルトリアジン誘導体、またはこれらの混合物から選択される少なくとも
400g/モルの分子量を有する1種以上のUV吸収性化合物、ホスファイトタ
イプ安定剤、ヒンダードフェノールタイプ安定剤及びラクトンタイプ安定剤から
なる改良されたカーボネートポリマー組成物に関する。
【0035】 他の態様では、本発明は、上記のカーボネートポリマー組成物を製造する改良
された方法である。
【0036】 他の態様では、本発明は、上記のようにして製造した改良したカーボネートポ
リマー組成物を押し出しまたは成型(例えば、熱成形、吹き込み成形、射出成形
など)し、そして改良された押し出し品または成型品に押し出しまたは成形する
方法を含む。
【0037】 さらに他の態様では、本発明は、上記の改良されたカーボネートポリマー組成
物の押し出し品または成型品を含む。
【0038】 製造できる改良されたカーボネートポリマー組成物及び改良された物品は、U
V照射に対して優れた抵抗性を有しそして基本色及び色安定性の改良された組み
合わせを提供することが見いだされている。また、本発明により添加されたUV
吸収剤が、最終のカーボネートポリマー組成物/物品の色または黄色化のレベル
を低下させることが見いだされている。これは、高いレベルのUV吸収剤が、樹
脂中に配合されて共押し出すことのできる表面層として使用されるとき、または
一緒に積み重ねられるかまたは整列される複数の厚さの押し出しシートまたは他
の物品が存在するとき、樹脂顆粒において特に注目される。
【0039】 本発明が、プレート・アウト、蒸発、型の濡れ及び/または結露のレベルが低
いこれらの物品を製造する改良された方法を提供することも分かった。
【0040】 すべてのタイプのカーボネートポリマーは、一般に、本発明の組成物、物品及
び方法に使用して好適である。多くのタイプの好適なカーボネートポリマーは周
知であり、そして市販されている。好適なタイプのカーボネートポリマーは、線
状及び分枝カーボネートポリマー並びにそれらのブレンドを含む。上記のように
、本発明は、成形品、成型品またはそれら以外の製造物を製造するのに直接使用
できるカーボネートポリマー(「バルク安定化樹脂」)に基づく処方物、並びに
同じまたは異なるタイプのカーボネートポリマーまたはいくつかの他のポリマー
樹脂とのカーボネートポリマーである基体の物品または芯の層を保護するために
、表面または外部のコーティングまたは層として使用できるカーボネートポリマ
ー(「キャップストック(capstock)樹脂」)に基づく処方物の両者に
関する。
【0041】 本発明のカーボネートポリマーは、任意の周知のポリカーボネートの重合方法
を使用して製造でき、界面法、溶液法またはエステル交換カーボネートポリマー
重合法の溶融または固相の進歩したやり方を含む。
【0042】 一般に、これらのカーボネートポリマーは、多価化合物例えばジフェノールを
カーボネートプレカーサ例えばホスゲン、ハロホルメートまたはカーボネートエ
ステル例えば炭酸ジフェニルまたはジメチルと反応させることにより1種以上の
多価成分から製造される。芳香族カーボネートポリマーが好ましく、そして芳香
族ジフェノールが、多価化合物の少なくとも一部として使用するのに好ましく、
そして好ましいジフェノールは、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プ
ロパン(ビスフェノールA)、フェノール、4、4´−(9−H−フルオレン−
9−イルイデン)ビス(ビスヒドロキシフェニルフルオレン)、4、4´−チオ
ジフェノール(TDP)、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェ
ニルエタン(ビスフェノールAP)、フェノールフタレイン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルメタン、テトラブロモビスフェノールA(TBBA)
、及びテトラクロロビスフェノールA(TCBA)を含むがこれらに限定されな
い。これらのカーボネートポリマーは、またカーボネートコポリマーまたはヘテ
ロポリマーが望まれる場合には、2種以上の異なる二価フェノールから、または
二価フェノールとグリコールまたはヒドロキシ−または酸−末端ポリエステルま
たはジカルボン酸との混合物から製造される芳香族カーボネートポリマーも含む
【0043】 本発明で使用するのに好適な線状及び分枝カーボネートポリマーは、また、カ
ーボネートコポリマーまたはヘテロポリマーが望ましい場合には、2種以上の異
なるマルチヒドロキシ化合物好ましくはジヒドロキシ化合物そして好ましくはフ
ェノールから、またはマルチヒドロキシ化合物例えばジフェノールとグリコール
またはヒドロキシ−または酸−末端ポリエステルまたはジカルボン酸との混合物
から製造されるカーボネートポリマーも含む。多官能性カルボン酸特に芳香族カ
ルボン酸を使用し、そしてポリ(エステル−カーボネート)樹脂例えば周知の芳
香族ポリ(エステルカーボネート)を製造することもできる。周知の珪素含有カ
ーボネートモノマーも使用できて、本発明で使用して好適な珪素含有カーボネー
トポリマーを製造できる。
【0044】 好適なタイプ及び量の連鎖停止剤(代表的にはモノフェノール化合物)、そし
て分枝ポリカーボネートの場合には、分枝剤(代表的には3つ以上のヒドロキシ
基を有するフェノール)を使用して、高分子量の分枝化合物において望ましい分
子量及び分枝度を得ることができる。
【0045】 好適な分枝剤は、一般に、以下のものの1種以上である。フロログリシン;フ
ロログルシド;2、6−ジメチル−2、4、6−トリ(4−ヒドロキシフェニル
)ヘプタン−3;4、6−ジメチル−2、4、6−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン−2;4、6−ジメチル−2、4、6−トリ(4−ヒドロキシフェ
ニル)ペンテン−2;4、6−ジメチル−2、4、6−トリ(4−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタン;1、3、5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン;1
、3、5−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール;1、1、1−トリ(4
−ヒドロキシフェニル)エタン;2、6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベ
ンジル)−4−メチルフェノール;テトラ(4−ヒドロキシ−フェニル)メタン
;トリスフェノール;ビス(2、4−ジヒドロキシフェニル)ケトン;1、4−
ビス(4、4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン;α、α´、α´´
−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−1、3、5−トリ−イソプロピルベンゼン
;3、3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール;イサチンビスフ
ェノール;5−クロロイサチン;5、7−ジクロロイサチン;5−ブロモイサチ
ン;トリメリット酸;ピロメリット酸;ベンゾフェノンテトラカルボン酸;そし
て適切な化合物として、これらの酸塩化物または他の縮合反応性誘導体。特に好
ましい分枝剤は、フロログルシン;フロログルシド;1、1、1−トリ(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン;トリメリット酸;ピロメリット酸;ベンゾフェノン
テトラカルボン酸及びこの酸塩化物;2、6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルベンジル)−4−メチルフェノール及び1、3、5−トリ(4−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゼンを含む。
【0046】 本発明で使用される分枝カーボネートポリマー成分中の分枝剤のレベルが、ジ
ヒドロキシ化合物の1モルあたり0.005−1.0モルの範囲の分枝剤、好ま
しくは0.01−0.8モルそしてさらに好ましくはジヒドロキシ化合物の1モ
ルあたり0.1−0.6モルの分枝剤でなければならない。
【0047】 一般に、それが製造される製造技術がなんであれそしてそれがどんなタイプで
あれ、カーボネートポリマーは、加工の特徴(メルトフローレート、溶融強さ、
及びせん断感度)と物理的性質(剛性、及び表面の性質)との間の周知の兼ね合
いに従って、これらの所望のバランスをもたらす分子量を有しなければならない
。一般に、ポリカーボネート樹脂は、少なくとも18000、好ましくは少なく
とも20000そしてより好ましくは少なくとも21000、さらに42000
以下、好ましくは41000以下そしてより好ましくは40000以下の重量平
均分子量を有しなければならない。
【0048】 一般に、分枝カーボネートポリマーは市販されており、そして少なくとも22
000、好ましくは少なくとも25000そしてより好ましくは27000の重
量平均分子量を有しなければならない。最低のレベルのゲルと分枝した成分の他
の有用な効果を有する分枝ポリマーを得るために、分枝ポリマーの重量平均分子
量は、39000以下、好ましくは38000以下、最も好ましくは37000
以下でなければならない。この範囲では、分枝カーボネートポリマーが、300
℃及び1.2kg質量(300℃/1.2kg)の条件下で測定して、少なくと
も2g/10分、好ましくは少なくとも2.5kg/10分、そして最も好まし
くは少なくとも3.0g/10分のメルトフローレート(MFR)を有しなけれ
ばならないことが分かっている。分枝カーボネートポリマーが、好ましくは30
g/10分以下、好ましくは15g/10分以下そして最も好ましくは12g/
10分以下のメルトフローレートを有しなければならないことが分かっている。
【0049】 一般に、カーボネートポリマーブレンド組成物中の分枝カーボネートポリマー
の配合によるせん断感度における変化を測定することにより、分枝カーボネート
ポリマーに充分な程度の分枝が存在するかどうかを直接測定できる。せん断感度
のこれらの測定は、動的機械的分光法による標準の技術によりまたは毛管レオメ
トリーにより行うことができる。
【0050】 好適な線状のカーボネートポリマーは、文献において周知でありそして市販さ
れている。所望の剛性及びクラック抵抗性を得る目的で、線状のカーボネートポ
リマー化合物が、少なくとも18000、好ましくは少なくとも20000そし
て最も好ましくは少なくとも21000の重量平均分子量を有しなければならな
い。所望のレベルのポリマーメルトフロー及び加工性を保つために、線状のカー
ボネートポリマー成分が、42000以下、好ましくは41000以下、最も好
ましくは40000以下の重量平均分子量を有しなければならないことが分かっ
た。この範囲では、線状カーボネートポリマーが、少なくとも2g/10分、好
ましくは少なくとも2.5g/10分そして最も好ましくは少なくとも3.0g
/10分のメルトフローレートを有しなければならないことが分かった。線状カ
ーボネートポリマーが、80g/10分以下、好ましくは40g/10分以下そ
して最も好ましくは35g/10分以下のメルトフローレートを有しなければな
らないことが分かった。
【0051】 本発明に関して、分枝カーボネートポリマー及び線状のカーボネートポリマー
成分からなるブレンド組成物が使用される。本発明により使用して好適なカーボ
ネートポリマーが、重合法から直接得られる単一の成分のカーボネートポリマー
であることが理解される。一方、カーボネートポリマーは、また、所望の中間の
メルトフローレートの生成物を得るためにブレンドされる異なる分子量及びメル
トフローレートの同じタイプの2種の成分の混合物に基づくことができる。
【0052】 以下にリストされるのは、いくつかの好ましいカーボネートポリマーの例であ
る。CALIBRE(商標)ブランドポリカーボネート樹脂は、The Dow
Chemical Companyから市販されている。成分の分子量は、ゲ
ル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。メルトフローレートの
値は、ASTM D−1238(300℃/1.2kg)に従って測定され、そ
してg/10分で報告される。他に指示されていない限り、本明細書での「分子
量」とは、ビスフェノールAポリカーボネート標準品によるゲル浸透クロマトグ
ラフィーを使用して、カーボネートポリマーについて測定した重量平均分子量(
Mw)をいう。種々の言及が、「粘度平均」分子量(Mv)についてなされるが、
それは「重量平均」分子量とは同じではないがMw値に補正または転換できる。
分子量分布(MWD)は、重量平均分子量対数平均分子量(Mw/Mn)の比であ
る。
【0053】 好ましいカーボネートポリマーは、以下の通りである。
【0054】カーボネートポリマー MFR M MWD タイプ CALIBRE 600-3 3 36500 13700 2.66 分枝 CALIBRE 200-3 3 38700 14200 2.72 線状 CALIBRE 200-15 15 26400 10500 2.52 線状
【0055】 本発明によるカーボネートポリマー組成物、物品及び方法は、ヒドロキシベン
ゾトリアゾール誘導体、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、またはこれらの
混合物から選ばれる1種以上のUV吸収剤の使用に基づくものであり、本発明の
すべてのUV吸収性化合物は、400g/モル以上の分子量を有する。
【0056】 本発明で使用して好適なヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体は、式1
【0057】
【化3】
【0058】 (式中、R及びRは、同じでも異なってもよく、H、ハロゲン、C−C アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C13アラルキル、C−C14 アリール、ORまたはCOOR(但し、RはHまたはC−Cアル
キルを表す)を表し、R及びRは、また同じでもまたは異なってもよく、そ
してH、C−Cアルキル、CまたはCシクロアルキル、ベンジル、C −C14アリールを表し、mは1、2または3を表しそしてnは1、2、3また
は4を表す) により表される。
【0059】 Rは、好ましくはH、ClまたはCHを表し、そしてRは、好ましくは
H、C−C10アルキル、シクロヘキシル、C−Cアラルキル、フェニル
またはナフチルを表す。R及びRは、好ましくはHまたはC−Cアルキ
ルを表し、mは、好ましくは1を表し、そしてnも好ましくは1を表す。
【0060】 特に好ましいヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体(1)は、 RがHを表
し、そしてRがHまたはC−Cアルキルを表し、RがHを表し、R
Hを表し、mが1を表しそしてnが1を表すものである。
【0061】 本発明のヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体の最も好ましい例は、以下の構
造式2
【0062】
【化4】
【0063】 により表さられる2、2´−メチレン−ビス−(6−{2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル}−4−{1、1、3、3−テトラメチル−ブチル}−フェノール
)である。
【0064】 これらの高分子量ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体は、UV安定化の性能
の領域における最適な利点及び性質、改善された加工性(減少した揮発性、低下
したプレート・アウト、及び低下した結露)及び最終製品の性能及び外観をもた
らすように選択される。一般に、これらの化合物は、400g/モル以上、好ま
しくは500g/モル以上、より好ましくは550g/モル以上そして最も好ま
しくは600g/モル以上の分子量を有しなければならない。一般に、より高い
分子量で、ポリカーボネートにおける低下した溶解度及び増加するコストが存在
し、そしてこれらの化合物の分子量は、2500g/モル以下、好ましくは20
00g/モル以下、より好ましくは1800g/モル以下そして最も好ましくは
1600g/モル以下の分子量を有しなければならない。
【0065】 本発明で使用して好適なヒドロキシフェニルトリアジン誘導体は、米国特許A
5288778及びヨーロッパ特許A825226に教示されている。これらの
化合物は、一般に、以下の式3
【0066】
【化5】
【0067】 ( 式中、Rは、水素、C−C18アルキルであるかまたはハロゲンにより或
いはC−C12アルコキシにより置換されたC−Cアルキルであるかまた
はベンジルであり、そしてR、R及びRは、同じでもまたは異なってもよ
く、H、ハロゲン、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、C −C13アラルキル、C−C14アリール、ORまたはCOOR(但し、
はHまたはC−Cアルキルを表す)を表し、 mは1、2または3を表
しそしてn及びpは1、2、3、4または5を表す) により表さられる。
【0068】 Rは、好ましくは水素を表し、そしてR及びRは、同じでもまたは異な
ってもよく、好ましくはH、C−C10アルキル、シクロヘキシル、C−C アラルキル、フェニルまたはナフチルそして最も好ましくはHまたはC−C10 アルキルを表し、mは好ましくは1を表し、そしてn及びpは、同じでもま
たは異なってもよく、好ましくは1または2を表す。
【0069】 本発明のヒドロキシフェニルトリアジン誘導体の最も好ましい例は、以下の構
造式4
【0070】
【化6】
【0071】 により表さられる2−(4、6−ジフェニル−1、3、5−トリアジン−2−イ
ル)−5−ヘキシルオキシフェノールである。
【0072】 これらの高分子量ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体は、 UV安定化の性
能の領域における最適な利点及び性質、改善された加工性(減少した揮発性、低
下したプレート・アウト、及び低下した結露)及び最終製品の性能及び外観をも
たらすように選択される。一般に、これらの化合物は、400g/モル以上そし
て最も好ましくは425g/モル以上の分子量を有しなければならない。一般に
、より高い分子量で、ポリカーボネートにおける低下した溶解度及び増加するコ
ストが存在し、そしてこれらの化合物の分子量は、2500g/モル以下、好ま
しくは2000g/モル以下、より好ましくは1800g/モル以下そして最も
好ましくは1600g/モル以下の分子量を有しなければならない。
【0073】 本発明によるカーボネートポリマー組成物に含まれるべきUV吸収剤の量は、
それらが安定化されるべきカーボネートポリマーの最も厚い部分全部または本体
にわたって「標準」のレベルで使用されるべきか、または比較的薄い層の厚さで
基体物品または層においてUVの透過をブロックするために比較的高い濃度が使
用される、濃縮されたキャップストックまたは表面コーティングタイプの樹脂で
使用されるべきかに依存して変化する。一般に、カーボネートポリマーにUV吸
収保護をもたらすために、これらの化合物は、その中に化合物が配合されている
カーボネートポリマーの重量に基づいて少なくとも0.05重量%、好ましくは
少なくとも0.10重量%、より好ましくは少なくとも0.15重量%そして最
も好ましくはカーボネートポリマーの重量に基づいて少なくとも0.20重量%
の「標準」のレベルで使用できる。もし濃縮樹脂、キャップストック樹脂または
他のタイプの表面コーティングを製造するならば、これらの化合物は、カーボネ
ートポリマーの重量に基づいて、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも1
.5重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、さらにより好ましくは少なく
とも2.5重量%そして最も好ましくは少なくとも3重量%のレベルで使用でき
る。一般に、より高い濃度のレベルでは、UV保護の利益は低下し、これらの化
合物のレベルは、カーボネートポリマーの重量に基づいて、15重量%以下、好
ましくは12重量%以下、より好ましくは10重量%以下そして最も好ましくは
8重量%以下でなければならない。
【0074】 さらに、本発明による組成物/物品/方法は、また、1個以上のフェニル基あ
たり少なくとも2個の置換基が存在しそしてモノ−またはジホスファイトである
、追加のフェニルホスファイト熱安定剤を使用する。これらの化合物は、一般に
周知であり、日本特許10−044356、10−044357及び10−04
4358に教示されている。これらの化合物は、以下の構造式により一般に表示
される。
【0075】 モノホスフェートでは、以下の構造式5により一般に表さられる化合物;
【0076】
【化7】
【0077】 (式中、R置換基は、同じでもまたは異なってもよく、互いに独立して、H、C −C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20アラルキル、
−C14アリール、−ORまたは−COOR(但し、Rは、H、C −C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20アラルキルまた
はC−C14アリールである)であり、但し5R基ではフェニル環1個あたり
少なくとも2個はHとは異なっていなければならず、nは1から3好ましくは3
であり、そしてpは3−nである)、または
【0078】
【化8】
【0079】 (式中、R置換基は、同じでもまたは異なってもよく、互いに独立して、H、C −C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20アラルキル、
−C14アリール、−OR12または−COOR12(但し、R12は、H
、C−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20アラルキ
ルまたはC−C14アリールである)であり、但し5R基ではフェニル環1個
あたり少なくとも2個はHとは異なっていなければならない)。
【0080】 ジホスファイトでは、以下の構造式7
【0081】
【化9】
【0082】 (式中、R、R、R及びR置換基は、同じでもまたは異なってもよく、
互いに独立して、H、C−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C −C20アラルキル、C−C14アリール、−ORまたは−COOR
但し、Rは、H、C−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C −C20アラルキルまたはC−C14アリールである)であり、但し5R基で
はフェニル環1個あたり少なくとも2個はHとは異なっていなければならず、R は2価であってC−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C
20アラルキルまたはC−C14アリール、または式8
【0083】
【化10】
【0084】 (式中、R及びR置換基は、同じでもまたは異なってもよく、互いに独立し
て、H、C−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20
ラルキル、C−C14アリール、−ORまたは−COOR(但し、R
、H、C−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20アラ
ルキルまたはC−C14アリールである)であり、そしてR及びR置換基
は、また式9
【0085】
【化11】
【0086】 (式中、R10置換基は、同じでもまたは異なってもよく、互いに独立して、H
、C−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20アラルキ
ル、C−C14アリール、−OR11または−COOR11(但し、R11
、H、C−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20アラ
ルキルまたはC−C14アリールであり、但し5R基ではフェニル環1個あた
り少なくとも2個はHとは異なっていなければならない) により一般に表示される化合物、または以下の構造式10
【0087】
【化12】
【0088】 (式中、R− R10置換基は、同じでもまたは異なってもよく、互いに独立
して、H、C−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20 アラルキル、C−C14アリール、−OR11または−COOR11(但し、
11は、H、C−C15アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C20 アラルキルまたはC−C14アリールであり、但し5R基ではフェニル環
1個あたり少なくとも2個はHとは異なっていなければならない) により一般に表示されるジホスファイト化合物。
【0089】 好適かつ好ましいホスファイト化合物の選択は、UV安定性、色の低下、色の
安定性、プレート・アウトの低下及び結露の減少への驚くべき寄与とともに、そ
れらの周知の二次抗酸化性(ポリカーボネートのさらなる劣化を防ぐヒドロペル
オキシドとの反応)の最適な組み合わせを提供することに基づく。
【0090】 好ましいホスファイト安定剤の1つは、以下の構造式11
【0091】
【化13】
【0092】 により表示されるトリス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイ
トであり、Ciba Geigyから商品名IRGAFOS(商標)168の下
に市販されている。
【0093】 他の好ましいフェニルホスファイト安定剤は、ALKANOX(商標)P−2
4としてGreat Lakes Chemicalから市販されている式
【0094】
【化14】
【0095】 のビス(2、4−ジ−tert−ブチル−フェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ADK STAB PEP−36として旭電化工業から市販されて
いる式
【0096】
【化15】
【0097】 のビス(2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、 ALKANOX28としてGreat Lakes
Chemicalから市販されそしてDOVERPHOS(商標)S−9228
としてDover Chemical Corpから市販されている式
【0098】
【化16】
【0099】 のビス(2、4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
IRGAFOS P−EPQとしてCiba Specialty Chemi
calsから市販されそしてALKANOX24−44としてGreat La
kes Chemicalから市販されている式
【0100】
【化17】
【0101】 のテトラキス(2、4−ジ−tert−ブチル−フェニル)4、4´−ビフェニ
レン−ジホスホナイト、並びにADK STAB HP−10として旭電化工業
から市販されている式
【0102】
【化18】
【0103】 の2、2´−メチレンビス(4、6−ジ−tert−ブチル−フェニル)オクチ
ル−ホスファイトである。
【0104】 本発明によるカーボネートポリマー組成物に含まれるべきホスファイト安定剤
の量は、性質及びコストの上記の組み合わせの所望のバランスに依存して変化す
る。一般に、顕著な安定化の効果及び利点をもたらすために、ホスファイト安定
剤は、そのなかに化合物が配合されているカーボネートポリマーの重量に基づい
て、百万部あたり少なくとも20部(ppm)、好ましくは少なくとも30pp
mそして最も好ましくは少なくとも50ppmのレベルで使用しなければならな
い。一般に、より高い濃度レベルでは、有利さが低下し、そしてこれら化合物の
レベルは、3000ppm以下、好ましくは2000ppm以下そして最も好ま
しくは1500ppm以下でなければならない。
【0105】 ホスファイト安定剤に加えて、ヒンダードフェノール及びラクトンタイプ安定
剤を含むことも望ましい。
【0106】 そのため、本発明による組成物は、またヒンダードフェノール−タイプ安定剤
を使用する。これらの安定剤及びこれらの製法は、一般に周知でありそして市販
されている。これらの化合物は、一般に以下の構造式17
【0107】
【化19】
【0108】 (式中、RからRは、H、C−C15アルキル、C−C10シクロアル
キル、C−C20アラルキル、C−C14アリールから選ばれそして互いに
独立し、但し少なくともR及びRはHとは異なっていなければならない) により表さられる少なくとも1つの基を含む。ヒンダードフェノール化合物が、
モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−フェノールであり、そしてこれらの2種以上
の組み合わせを含むことに注目すべきである。
【0109】 好適かつ好ましいヒンダードフェノール−タイプ安定剤の選択は、一次抗酸化
(PCの自触媒劣化を低下させるペルオキシドとの反応)の周知の利益、並びに
UV安定性、色の低下、色の安定性、プレート・アウトの低下及び結露の減少へ
の驚くべき寄与をもたらすことに基づく。
【0110】 好ましいヒンダードフェノールは、 Ciba Specialty Che
micals Inc.から商品名IRGANOX(商標)1076として市販
されておりそして以下の構造式18
【0111】
【化20】
【0112】 により一般に表示されるオクタデシル3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ヒドロシンナメートである。
【0113】 他の好ましいヒンダードフェノールは、指示されている式により表示されそし
て以下の商品名の下で市販されているものを含む。 モノフェノール例えばIRGANOX1135:
【0114】
【化21】
【0115】 ジ−フェノール例えばIRGANOX245:
【0116】
【化22】
【0117】 及びIRGANOX259:
【0118】
【化23】
【0119】 トリ−フェノール例えばIRGANOX1330:
【0120】
【化24】
【0121】 テトラ−フェノール例えばIRGANOX1010:
【0122】
【化25】
【0123】 一般に、顕著な安定化の利点をもたらすために、ヒンダードフェノール−タイ
プ安定剤は、そのなかに化合物が配合されているカーボネートポリマーの重量に
基づいて、少なくとも10ppm、好ましくは少なくとも15ppmそして最も
好ましくは少なくとも25ppmのレベルで使用しなければならない。一般に、
より高い濃度レベルでは、有利さが低下し、そしてこれら化合物のレベルは、2
000ppm以下、好ましくは1500ppm以下そして最も好ましくは100
0ppm以下でなければならない。
【0124】 本発明による組成物は、またベンゾフラン−2−オンタイプ(ラクトン−タイ
プ)安定剤を使用する。これらの安定剤及びそれらの製法は、一般に周知であり
そして英国特許2322861、並びに米国特許A4325863、51753
12、5252643、5216052、5369159、5488177、5
356966、5367008、5428162、5428177、55169
20に教示されている。
【0125】 好ましくは、以下の記述によるベンゾフラン−2−オン(ラクトン)タイプ安
定剤が使用される。
【0126】
【化26】
【0127】 (式中、R、R及びRは水素であり、R及びRは、互いに独立して水
素またはC−Cアルキルであり、RからR10は、互いに独立して水素、
−Cアルキル、C−Cアルコキシまたは−OCHCH−O−R (但し、R11はC−Cアルカノイルである)であり、但しRからR の少なくとも2つは水素である)。
【0128】 好適かつ好ましいラクトン−タイプ安定剤の選択は、最終の処方物にもたらさ
られるUV安定性、色の低下、色の安定性、プレート・アウトの低下及び結露の
減少への予想されない寄与とともに、遊離基捕捉(遊離基の形成はPCの自触媒
劣化を導く最初の段階である)の最適な組み合わせを提供することに基づく。
【0129】 好ましいベンゾフラン−2−オンタイプまたはラクトン−タイプ安定剤は、
Ciba Specialty Chemicals Inc.から商品名IR
GANOX HP−136の下で市販されそして以下の構造式25
【0130】
【化27】
【0131】 により一般に表示されている2(3H)−ベンゾフラノン、5、7−ビス(1、
1−ジメチルエチル)−3−(3、4−ジメチルフェニル)である。
【0132】 一般に、顕著な効果/利益をもたらすために、ラクトン−タイプ安定剤は、そ
のなかに化合物が配合されているカーボネートポリマーの重量に基づいて、少な
くとも5ppm、好ましくは少なくとも10ppmそして最も好ましくは少なく
とも15ppmのレベルで使用しなければならない。一般に、より高い濃度レベ
ルでは、有利さが低下し、そしてこれら化合物のレベルは、1000ppm以下
、好ましくは750ppm以下そして最も好ましくは500ppm以下でなけれ
ばならない。
【0133】 これらの3種のタイプの安定剤(ホスファイト、ヒンダードフェノール及びラ
クトン)の予め処方された混合物は、3種の成分の指示された比(重量)で以下
に指示されているようにCiba Specialty Chemicals
Inc.から市販されている。 IRGANOX HP2215:比2/4/1 IRGANOX1010:IRGAFOS 168:HP−136、 IRGANOX HP2225:比3/3/1 IRGANOX1010:IRGAFOS 168:HP−136、 IRGANOX HP2251:比3/2/1 IRGANOX1010:IRGAFOS 168:HP−136、 IRGANOX HP2921:比2/3/1 IRGANOX1076:IRGAFOS 168:HP−136、 IRGANOX XP420:比3/2/1 IRGANOX1010:IRGAFOS P−EPQ:HP−136、 IRGANOX XP490:比3/2/1 IRGANOX1076:IRGAFOS P−EPQ:HP−136。
【0134】 本発明のカーボネートポリマー組成物は、このタイプのカーボネートポリマー
組成物で普通に使用される他の周知の安定剤及び量を含むことができ、例えば抗
酸化剤、光安定剤、金属不活性剤または工程安定剤(例えば米国特許A5288
778に記載されている)がある。
【0135】 本発明によるカーボネートポリマー組成物に含まれるべき1種以上の安定剤の
タイプ及び量は、性質及びコストの組み合わせの所望のバランスに依存して変化
する。一般に、顕著な安定化の効果/利益をもたらすために、1種以上の安定剤
は、そのなかに化合物が配合されているカーボネートポリマーの重量に基づいて
、少なくとも5ppm、好ましくは少なくとも25ppm、より好ましくは少な
くとも50ppmそして最も好ましくは少なくとも100ppmのレベルで使用
しなければならない。一般に、より高い濃度レベルでは、有利さが低下し、そし
てこれら化合物のレベルは、5000ppm以下、好ましくは3000ppm以
下そして最も好ましくは2000ppm以下でなければならない。
【0136】 UV吸収剤及び他の安定剤に加えて、本発明によるカーボネートポリマー組成
物は、カーボネートポリマー中にしばしば配合される標準のタイプ及び量の付加
物−タイプ成分を有利に含むことができる。これらの成分は、点火抵抗性添加物
、充填剤(即ちガラス繊維、タルク、粘土など)、顔料、染料、離型剤、衝撃変
性剤、帯電防止剤、及びカーボネートポリマー組成物で普通に使用される他の添
加物を含むことができる。
【0137】 本発明による樹脂は、また、任意に衝撃変性成分(例えば、アクリロニトリル
、ブタジエン及びスチレンコポリマー(ABS)またはアクリロニトリル、エチ
レン−プロピレン及びスチレンコポリマー(AES))を含む他のポリマー樹脂
例えばモノビニリデン芳香族ポリマーとのブレンド組成物で有利に使用される。
【0138】 本発明のカーボネートポリマー組成物の製造は、当業者に周知の任意の好適な
混合手段により達成され、ローラー、ニーダー、1軸または多軸スクリュー押し
出し機を含む。個々の成分は、ドライブレンドされ、次にされ次に最終の製品(
例えば、押し出しシート)を製造するのに使用される押し出し機で直接溶融混合
されるか、または別の押し出し機(例えば、Banburyミキサー)で予備混
合されるかの何れかで溶融混合される。組成物のドライブレンドは、また予備溶
融混合なしに直接射出成形できる。
【0139】 好ましくは、本発明のカーボネートポリマー組成物は、熱可塑性である。本発
明は、また、上記のようなカーボネートポリマー組成物の使用を含んで、以下の
広範囲の改良された方法を提供する。成型品、成形品またはそれら以外の製造物
並びに改良された物品(UV照射に対する保護、色及び色安定性及び加工中の低
下したプレート・アウト挙動の改善された組み合わせを有する)を製造する方法
。カーボネートポリマー組成物のための押し出し、吹き込み成形、熱成形及び射
出成形の方法は、当業者に周知であり、そして広い範囲の部品及び構造物の製造
に工業的に実施されている。周知のように、シート、プロフィル及び同様な構造
物を製造する押し出し法は、溶融工程、溶融したポリマーをダイに押し込む工程
、もし必要ならば較正する工程及び冷却工程を含む。周知のように、瓶、容器、
装置のパネル及び同様な構造物を製造する吹き込み法は、膨脹可能なパリソンを
押し出すかまたは射出成形する工程、パリソンを膨脹または吹き込んで所望の形
状にする工程及び冷却工程を含む。周知のように、トレイ、容器、チョコレート
の型及び同様な構造物を製造する熱成形法は、熱成形可能なシートまたは予備的
成形品を製造する工程、所望の形状の型または形に隣接してシートまたは予備的
成型品を加熱する工程、型または形中でシートまたは予備的成型品を適切な形状
に圧力(空気圧または物理的力)または吸引をかける工程及び冷却工程を含む。
周知のように、レンズ、ヘッドランプ、ランプカバー及び同様な構造物を製造す
る射出成形法は、溶融工程、溶融したポリマーを型に押し込む工程及び冷却工程
を含む。
【0140】 本発明による樹脂、方法及び物品並びに構造物における改善は、改良されたU
V抵抗性、改良された色及び色安定性及びプレート・アウト及び結露の低下した
傾向により、標準の樹脂に対して改善された生産性をもたらす。
【0141】
【実施例】
以下の実験は、UV安定性、UV吸収剤の熱損失の防止及び改善されたベース
カラー及び色安定性の点で、本発明によるカーボネートポリマー組成物の利点を
示す。これらの実験は、本発明をさらに説明するために示され、その範囲を制限
するものと考えてはならない。
【0142】ポリカーボネート すべての実験で使用されるポリカーボネート樹脂は、CALIBRE200−
15ポリカーボネート樹脂である。この樹脂は、線状のポリカーボネートであり
、26400のMw(GPCにより測定)を有し、そして15g/10分のメル
トフロー(300℃/1.2kgの条件下でASTM D−1238に従って測
定)を有する。
【0143】添加物 以下のUV吸収剤が実験で使用される。 ヒドロキシベンゾトリアゾール−Adeka Argusからの商品名LA−3
1(LA−31)、 分子量:662g/モル、化学名:2、2´−メチレン−ビス−(6−{2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル}−4−{1、1、3、3−テトラメチルブチ
ル}−フェノール); ヒドロキシフェニルトリアジン−Ciba Geigyからの商品名TINUV
IN(商標)1577(1577) 分子量:429g/モル、化学名:2−(4、6−ジフェニル−1、3、5−
トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール;並びに ベンゾオキサジノン−Cytec Industriesからの商品名CYAS
ORB(商標)3638 分子量:368g/モル、化学名:2、2´−(1、4−フェニレン)ビス−
[4H−3、1−ベンゾキサジン−4−オン]。
【0144】 以下の安定剤が、以下の実験で使用される。 ホスファイトタイプ− Ciba Specialty Chemicals
Inc.からの商品名IRGAFOS168(P168) 分子量:646g/モル、化学名:トリス(2、4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、 ヒンダードフェノールタイプ−Ciba Specialty Chemica
ls Inc.からの商品名IRGANOX1076(1076) 分子量:530g/モル、化学名:オクタデシル3、5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシヒドロシンナメート、並びに ラクトンタイプ−Ciba Specialty Chemicals Inc
.からの商品名IRGANOX HP−136(HP−136) 分子量:354g/モル、化学名:2(3H)−ベンゾフラノン、5、7−ビ
ス(1、1−ジメチルエチル)−3−(3、4−ジメチルフェニル)。
【0145】最初のベースカラー及び色安定性の測定 この評価の目的で、UV吸収剤は、UV吸収剤は、ZSK−252軸スクリュ
ー共回転Werner and Pfleiderer押し出し機で、1500
及び4500ppm(0.15及び4.55重量%)のレベルでポリカーボネー
ト原料と混合される。押し出し機で使用される温度プロフィルは、240℃、2
50℃、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃及び300℃であ
る。
【0146】 混合前に、ポリカーボネートを4時間120℃で乾燥する。最初のベースカラ
ーを、Hunterlab COLORQUEST(商標)Colorimet
erを使用して製造した顆粒で測定する。顆粒を、50mm×50mm×50m
mの石英のセルに入れ、そして色を反射モードで測定する。色を、黄色指数(Y
I)D1925並びにCIE Lab L、a及びb値を使用して表示す
る。各測定を少なくとも5回繰り返し、平均を計算する。
【0147】 ポリカーボネート顆粒は、次にArburg 800−325ALLROUN
DER(商標)370CMD射出成形機で、カラーチップに射出成形される。色
は、Hunterlab COLORQUEST(商標)Colorimete
rを使用して3.0mmのプラークで測定される。透明なポリカーボネートでは
、測定は透過モードでなされる。色のデータとして、YI並びにCIE Lab
、a及びb値を記録する。各測定は、少なくとも5回繰り返され、平
均を計算する。
【0148】 射出成形の条件は、最初の色及び色安定性について種々の樹脂の感度を評価す
るために変えられる。特に、UV吸収剤のレベルが1重量%より少ないときには
、ダイにおける320℃及び380℃の射出成形温度を使用する。より多いUV
吸収剤のレベルでは、ダイにおける280℃の射出成形温度を使用する。すべて
の他の成形パラメータを一定に保つ。
【0149】 ホッパからダイへの上昇する温度プロフィルを使用する。ゾーンについては、
10℃の増分が設定される。例えば、380℃のダイ設定温度では、340℃、
350℃、360℃、370℃及び380℃の温度プロフィルが使用される。簡
単さのために、ダイ設定温度のみが実験で述べられる。
【0150】 バレル滞留時間は、40秒に機械サイクル時間を調節することにより一定nさ
れる。バレルの体積及び部分の重量を考慮して、これは、5分間の全バレル滞留
時間に相当する。5段階の保持圧力プロフィルが各ケースで使用される。段階で
は、保持圧は100バールで低下する。代表的な保持圧プロフィルは、1200
、1100、1000、900及び800バールであった。成形中、部分の重量
は、連続的にモニターされる。偏りが生ずると、これは保持圧を調節することに
より補正される。補正の作用は、全保持圧プロフィルを通して100バールの段
階でなされる。
【0151】 380℃のダイ温度において測定された色(YI(380℃))と320℃の
それ(YI(320℃))との差(△YI)は、ポリカーボネート材料の熱安定
性の基準とされる。
【0152】UV安定性テスト 熱安定性の研究(条件320℃)で成形されたような射出成形されたプラーク
は、313nmのランプ及び60℃のUV照射4時間のサイクルを使用し次に5
0℃の水凝縮(空気及び水蒸気の加熱された飽和混合物中−ASTM G53−
88)への4時間の露出を使用してQUV−Bテストで評価される。
【0153】 320℃で成形されたプラークに関する700時間のQUV−B露出前(YI
(320℃))とその後(UV YI(320℃))との色の差(UV△YI)
は、ポリカーボネート材料のUV安定性の基準とされる。
【0154】UV添加物の損失の測定 ポリマープラークの実験からのUV吸収剤の損失は、以下のようになされる。
これらの評価の目的で、上記のようにして製造されたUV添加物を含むカーボネ
ートポリマー組成物の顆粒をとり、そして260℃の温度でAkila圧縮成形
プレスで圧縮成形して、50mm×50mmそして0.5mmの厚さを有する正
方形のプラークを得る。
【0155】 これらのプラークについて、最初のUV吸収剤含量を、HPLC分析技術を使
用して測定する。これらのプラークを、種々の滞留時間で空気循環オーブンに入
れる。オーブンでの露出後、UV吸収剤の含量を再び測定しそして最初の含量と
比較する。
【0156】 UV吸収剤含量の低下は、シート構造物の射出成形または(共)押し出しのよ
うな材料の加工中経験する、結露及びプレート・アウトの程度の基準とされる。
UV吸収剤の損失は、カーボネートポリマー組成物中のUV吸収剤の最初の重量
に基づく重量%損失及び%損失として報告される。
【0157】 実施例1及び2並びに比較例A−Gは、上記の混合条件を使用してポリカーボ
ネート200−15及び種々のUV吸収剤及び安定剤添加物から製造される。ベ
ースカラー(YI)、色安定性(△YI)及びUV安定性(UV△YI)は、上
記の技術に従って評価される。UV吸収剤の量及び性能の性質は、表1に示され
、ppmはカーボネートポリマー組成物の重量に基づく。
【0158】
【表1】
【0159】 実施例4及び5並びに比較例H−Qは、上記の混合条件を使用してポリカーボ
ネート200−15及び種々のUV吸収剤及び安定剤添加物から製造される。ペ
レット(YI)と280℃で成形されたプラーク(YI(280℃))とのベー
スカラーは、上記の技術に従って評価される。UV吸収剤の量並びにYI及びY
I(280℃)の性能の性質は、表2に示され、重量%はカーボネートポリマー
組成物の重量に基づく。
【0160】
【表2】
【0161】 実施例4及び5並びに比較例H−Qに関するUV吸収剤の損失は、80分の時
間にわたって240℃−280℃の温度範囲にわたって測定され、そして結果は
表3−14で提供される。
【0162】
【表3】
【0163】
【表4】
【0164】
【表5】
【0165】
【表6】
【0166】
【表7】
【0167】
【表8】
【0168】
【表9】
【0169】
【表10】
【0170】
【表11】
【0171】
【表12】
【0172】
【表13】
【0173】
【表14】
【0174】 これらのデータから、ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体、ヒドロキシフェ
ニルトリアジン誘導体、またはこれらの混合物から選択される少なくとも400
g/モルの分子量を有する1種以上のUV吸収性化合物、ホスファイトタイプ安
定剤、ヒンダードフェノールタイプ安定剤及びラクトンタイプ安定剤からなる本
発明のカーボネートポリマー組成物が、ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体、
ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、またはベンゾオキサジノン化合物単独或
いはそれとホスファイトタイプ安定剤との組み合わせ、或いはそれとホスファイ
ト安定剤及びヒンダードフェノールタイプ安定剤との組み合わせ、またはホスフ
ァイトタイプ安定剤、ヒンダードフェノールタイプ安定剤及びラクトンタイプ安
定剤との組み合わせのベンゾオキサジノンを使用するコントロールと比較したと
き、ベースカラー、色安定性、UV安定性及びUV吸収剤の最良のバランスを生
ずることが結論できる。
【0175】 本発明によるカーボネートポリマー組成物、物品及び製造物の技術が、UV照
射に対する抵抗性、色及び色安定性、及び加工中樹脂中のUV吸収剤の維持の改
良された組み合わせをもたらして、無視できるレベルの結露、プレート・アウト
、型の濡れ、蒸発などを確実にすることが分かる。本発明が、特に押し出しシー
ト構造物、吹き込み成形品、熱成形品、射出成形品、射出吹き込み成形品、射出
圧縮成形品、フィルム吹き込み成型品または発泡部品または構造物の改良された
製造方法を提供することが分かった。本発明による得られる部品または構造物が
、記述されたカーボネートポリマー組成物の使用により驚くほど改善され、そし
て成形、成型またはそれら以外に製造された物品が、工業的な適用において生産
率をまったく低下させるプレート・アウト、結露、型の濡れ及び蒸発の問題を生
ずるUV吸収剤の熱的損失の問題を生ずることなく、特に改善されたUV抵抗性
、色、色安定性、クラッキング抵抗性及び表面の性質を含む物理的性質及び外観
の性質の改善された組み合わせを有することが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/3475 C08K 5/3475 5/3492 5/3492 5/524 5/524 // B29K 69:00 B29K 69:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CR,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4F071 AA50 AC11 AC15 AC19 AE05 AF57 BB05 BB06 4F207 AA28 AG03 KA01 KA17 KB11 4J002 CG011 EJ068 EL079 EU176 EU186 EW067 FD037 FD039 FD046 FD078

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カーボネートポリマー、 (b)(i)ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体、 (ii)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、 または (iii)これらの混合物 から選ばれる少なくとも400g/モルの分子量を有する1種以上のUV吸収性
    化合物、 (c)ホスファイトタイプ安定剤、 (d)ヒンダードフェノールタイプ安定剤、 及び (e)ラクトンタイプ安定剤 からなることを特徴とするカーボネートポリマー組成物。
  2. 【請求項2】 (b)UV吸収性化合物が0.05−15重量%の量で存在
    し、 (c)ホスファイトタイプ安定剤が20−3000ppmの量で存在し、 (d)ヒンダードフェノールタイプ安定剤が10−2000ppmの量で存在し
    、そして (e)ラクトンタイプ安定剤が5−1000ppmの量で存在する 請求項1のカーボネートポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 カーボネートポリマーの重量に基づいて少なくとも2重量%
    のUV吸収性化合物を含む請求項2のカーボネートポリマー組成物。
  4. 【請求項4】 (b)(i)ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体が、式1 【化1】 (式中、R及びRは、同じでも異なってもよく、H、ハロゲン、C−C アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C13アラルキル、C−C14 アリール、ORまたはCOOR(但し、RはHまたはC−Cアル
    キルを表す)を表し、R及びRは、また同じでもまたは異なってもよく、そ
    してH、C−Cアルキル、CまたはCシクロアルキル、ベンジル、C −C14アリールを表し、mは1、2または3を表しそしてnは1、2、3また
    は4を表す) により表さられる請求項1のカーボネートポリマー組成物。
  5. 【請求項5】 (b)(ii)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体が、式
    3 【化2】 (式中、Rは、水素、C−C18アルキルであるかまたはハロゲンにより或い
    はC−C12アルコキシにより置換されたC−Cアルキルであるかまたは
    ベンジルであり、そしてR、R及びRは、同じでもまたは異なってもよく
    、H、ハロゲン、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、C
    13アラルキル、C−C14アリール、ORまたはCOOR(但し、R はHまたはC−Cアルキルを表す)を表し、 mは1、2または3を表し
    そしてn及びpは1、2、3、4または5を表す) により表さられる請求項1のカーボネートポリマー組成物。
  6. 【請求項6】 (b)(i)が、2、2´−メチレン−ビス−(6−{2H
    −ベンゾトリアゾール−2−イル}−4−{1、1、3、3−テトラメチルブチ
    ル}−フェノール)であり、そして(b)(ii)が2−(4、6−ジフェニル
    −1、3、5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールである
    請求項1のカーボネートポリマー組成物。
  7. 【請求項7】 (a)カーボネートポリマー、 (b)(i)ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体、 (ii)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、 または (iii)これらの混合物 から選択される少なくとも400g/モルの分子量を有する1種以上のUV吸収
    性化合物、 (c)ホスファイトタイプ安定剤、 (d)ヒンダードフェノールタイプ安定剤 及び (c)ラクトンタイプ安定剤 を組み合わせる工程からなることを特徴とするカーボネートポリマー組成物を製
    造する方法。
  8. 【請求項8】 (A)(a)カーボネートポリマー、 (b)(i)ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体、 (ii)ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体、 または (iii)これらの混合物 から選択される少なくとも400g/モルの分子量を有する1種以上のUV吸収
    性化合物、 (c)ホスファイトタイプ安定剤、 (d)ヒンダードフェノールタイプ安定剤 及び (c)ラクトンタイプ安定剤 を組み合わせる工程からなるカーボネートポリマー組成物を製造する工程、 及び (B)押し出し品または成型品にカーボネートポリマー組成物を押し出しまたは
    成形する工程 からなることを特徴とするカーボネートポリマー組成物の押し出し品または成型
    品を製造する方法。
  9. 【請求項9】 成型品または押し出し品の形の請求項1の組成物。
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