JP2003534246A - RARα選択的レチノイド化合物と他の抗腫瘍剤との併用による腫瘍の処置 - Google Patents

RARα選択的レチノイド化合物と他の抗腫瘍剤との併用による腫瘍の処置

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Abstract

(57)【要約】 RARβ受容体およびRARγ受容体よりもRARα受容体に特異的または選択的なアゴニストである化合物、特に式(I): 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は、RARα特異的または選択的レチノイド化合物とインターフェロンお
よび他の抗腫瘍剤との併用に関する。より具体的には、本発明は、RARα特異的
または選択的レチノイド化合物をインターフェロンおよび他の抗腫瘍剤と組み合
わせて乳癌の処置に使用することに関する。さらに具体的には、本発明は、4-[
(4-クロロ-3-ヒドロキシ-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタ
レン-2-カルボニル)アミノ]-2,6-ジフルオロ安息香酸およびその類縁物質とイ
ンターフェロンおよび他の抗腫瘍剤との併用に関し、特に4-[(4-クロロ-3-ヒ
ドロキシ-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボニ
ル)アミノ]-2,6-ジフルオロ安息香酸およびその類縁化合物をインターフェロ
ンおよび他の抗腫瘍剤と組み合わせて乳癌の処置に使用することに関する。
【0001】 (背景技術) レチノイドと総称される天然レチノイン酸およびその類縁化合物は、生物薬剤
分野、医学分野および関連分野で、悪性細胞増殖の予防および阻害を含む重要な
生物学的活性を持つことが知られている。レチノイド化合物の合成、レチノイド
化合物の生物学的活性、ならびにヒトおよび他の生体システムにおけるレチノイ
ドの様々な作用様式の発見を目指すインビボおよびインビトロの研究は、数多く
の特許文献および科学文献に記載されている。
【0002】 具体的に述べると、細胞増殖抑制または腫瘍抑制の分野で、1または複数のレ
チノイド様化合物を活性成分として含む医薬組成物が、皮膚の過剰増殖障害なら
びに他の前癌性および悪性過剰増殖疾患、例えば乳癌、皮膚癌、前立腺癌、子宮
頚癌、子宮癌、大腸癌、膀胱癌、食道癌、胃癌、肺癌、喉頭癌、口腔癌、血液お
よびリンパ系の癌、化生、異形成、新形成、粘膜の白斑症および乳頭腫の処置お
よび予防に有用であり、カポジ肉腫の処置にも有用であることは、当技術分野で
は広く受け入れられている。しかし、レチノイドによる哺乳動物の処置の欠点と
して、有効量のレチノイドを使って局所的または全身的処置を行うと、90%を超
える患者で皮膚粘膜毒性が現れることが広く知られている。
【0003】 また現在、大きく分けて2タイプのレチノイド受容体が哺乳動物(および他の
生物)中に存在することも、当技術分野では周知である。これら2つの主要な受
容体タイプまたは受容体ファミリーは、それぞれRARおよびRXRと呼ばれている。
各タイプにはサブタイプが存在する。RARファミリーでは、サブタイプはRARα、
RARβおよびRARγと呼ばれ、RXRのサブタイプはRXRα、RXRβおよびRXRγである
。これら2つの主要なレチノイド受容体タイプおよびいくつかのサブタイプの分
布が哺乳類生物の様々な組織および器官で均一でないことも、当技術分野では立
証されている。さらに、皮膚粘膜毒性をはじめとするレチノイドの数多くの望ま
しくない副作用が1または複数のRAR受容体サブタイプによって媒介されることも
、当技術分野では広く受け入れられている。Standevenらの論文Toxicology Lett
ers 92(1997)231-240には、RARα選択的レチノイドでマウスを処置すると、RA
Rβアゴニスト活性が強いレチノイド、また特にRARγアゴニスト活性が強いレチ
ノイドで処置した場合と比較して、皮膚刺激(皮膚粘膜毒性)が有意に低下する
ことが開示されている。
【0004】 米国特許第5,965,606号にはRARα特異的または選択的レチノイドによる腫瘍の
処置方法が開示されており、そのようなレチノイドの合成はこの特許にも米国特
許第5,856,490号にも記載されている。米国特許第5,965,606号の重要なRARα選
択的化合物(この特許文献の化合物32)を下に示す。
【0005】 腫瘍の処置を目的とするレチノイドと他の薬剤との併用に関して、当技術分野
では、いくつかの乳癌細胞培養物で、ある種のレチノイド化合物が他の既知の抗
腫瘍化学療法剤、例えばインターフェロンおよび他の薬剤などと相加的に作用し
、さらに一部は相乗的に作用して、癌細胞の増殖を抑制または阻害することが公
表されている。Fanjulらの論文Cancer Research 56,1571-1577(1996)には、
この論文でSRI11220と呼ばれている化合物を含むいくつかのレチノイド化合物を
、いくつかの癌細胞株に対してインターフェロンと併用したアッセイが記載され
ており、一部の細胞株では化合物SRI11220およびインターフェロンの抗増殖活性
が相乗的であったと述べられている。この先行技術化合物SRI11220の構造を下に
示す。しかし重要なことに、Fanjulらの文献は、選択的レチノイドとインターフ
ェロンとによる乳癌細胞の阻害を、RARγ受容体の潜在的役割に起因するものと
考えている。実際、この文献では、化合物SRI11220はRARγアゴニストとして開
示されている。
【0006】
【化4】
【0007】 Tomaらの論文International Journal of Oncology 10:597-607(1997)には
、MCF-7ヒト乳癌細胞株における他のレチノイド、例えば全トランスレチノイン
酸(tRA)と、α-インターフェロン(αIFN)との相乗効果、およびタモキシフ
ェン(TAM)などの他の化学療法剤との相乗効果が記載されている。本発明のさ
らなる背景として、Kurbacherらの論文Cancer Letters 103(1996)183-189には
、MCF-7およびMDA-MB231ヒト癌細胞株におけるビタミンCと、ある種の化学療法
抗腫瘍剤との相乗作用が記載されている。
【0008】 米国特許第5,856,490号には、概ねRARα特異的レチノイドであるテトラヒドロ
ナフタレン類のアリールまたはヘテロアリールアミドが開示されている。この文
献で好ましい実施態様として具体的に記載されている化合物には、上に構造を示
した2,6-ジフルオロ-4-[3'-ヒドロキシ-4'-ブロモ-5',6',7',8'-テトラヒドロ-
5'5',8',8'-テトラメチルナフタレン-2'-イル)カルバモイル]安息香酸が含ま
れている。米国特許第5,856,490号ではこの化合物は化合物36と呼ばれている。
【0009】 (発明の開示) 本発明は、悪性腫瘍または悪性状態の処置を必要とする哺乳動物において当該
処置を行うためのRARα特異的または選択的レチノイドと他の抗腫瘍剤との併用
に関する。RARα特異的または選択的レチノイドは通例、医薬的に許容できる賦
形剤と、活性成分としてのRARα特異的または選択的レチノイドとを含む医薬組
成物の形で、上述の処置を必要とする哺乳動物に投与される。この併用療法の他
の抗腫瘍剤は、同じ医薬組成物として、または別個の医薬組成物として投与する
ことができる。
【0010】 さらに本発明は、式1:
【化5】 R=Hまたは炭素数1〜6の低級アルキル 式1 [式中、RはHまたは炭素数1〜6の低級アルキルである] の化合物および前記化合物の医薬的に許容できる塩に関し、また、悪性腫瘍また
は悪性状態の処置を必要とする哺乳動物において当該処置を行うための式1の化
合物と他の抗腫瘍剤との併用に関する。
【0011】 さらに本発明は、悪性腫瘍または悪性状態の処置を必要とする哺乳動物におい
て当該処置を行うための医薬組成物であって、1または複数の式1の化合物を活性
成分とする医薬組成物に関する。1または複数の式1の化合物を活性成分として含
むこのような医薬組成物は、1または複数の他の抗腫瘍剤と併用すると、悪性腫
瘍または悪性状態の処置を必要とする哺乳動物における当該処置に有利である。
【0012】 本発明で使用されるRARα特異的または選択的化合物、選択性を確定するための
アッセイ RARα特異的またはRARα選択的化合物は、例えば米国特許第5,856,490号およ
び第5,965,606号(これら米国特許の明細書は参照により本明細書に組み込まれ
るものとする)に記載されている方法で得ることができる。これらの文献には、
これらの化合物が実際にRARα特異的または選択的アゴニストであることを示す
データも掲載されている。化合物を試験してその化合物がRARα特異的または選
択的アゴニストであるかどうかを確定することができるアッセイは当技術分野で
は知られており、数多くの先行技術刊行物および特許に記載されている。例えば
、RARα、RARβ、RARγ、RXRα受容体サブタイプのアゴニスト様活性を調べるア
ッセイであって、Feigner P.L.およびHolm M.(1989)Focus,112に公表された
研究に基づくキメラ受容体トランス活性化アッセイは、米国特許第5,455,265号
に詳述されている。米国特許第5,455,265号の明細書はこの参照により本明細書
に組み込まれるものとする。
【0013】 本発明化合物のアンタゴニスト/アゴニスト様活性またはいくつかのレチノイ
ド受容体サブタイプへの結合能をそれぞれ測定するホロ受容体トランス活性化ア
ッセイおよびリガンド結合アッセイは、1993年6月24日に公開されたPCT出願公開
番号WO93/11755(特に30〜33頁および37〜41頁)(このPCT出願の明細書も参照
により本明細書に組み込まれるものとする)に記載されている。本明細書でもリ
ガンド結合アッセイについて以下に説明する。
【0014】 リガンド結合アッセイ 結合アッセイは全て同じような方法で行った。6つの受容体タイプは全て、バ
キュロウイルスで発現させた発現型受容体タイプ(RARα、β、γおよびRXRα、
β、γ)に由来する。化合物の原液は全て10mMエタノール溶液として調製し、1
:1 DMSO:エタノールへの連続希釈を行った。6つの受容体アッセイのいずれに
ついても、アッセイ緩衝液の組成は次の通りとした:8%グリセロール、120mM K
Cl、8mM Tris、5mM CHAPS、4mM DTTおよび0.24mM PMSF、室温でpH7.4。
【0015】 受容体結合アッセイは全て同じ方法で行った。最終アッセイ体積は250μlであ
って、アッセイしようとする受容体に応じて10〜40μgの抽出タンパク質と、5nM
の[3H]-全トランスレチノイン酸または10nMの[3H]-9-シスレチノイン酸およ
び0〜10-5Mの濃度範囲にある様々な濃度の競合リガンドとを含んだ。これらのア
ッセイは96穴ミニチューブシステム形式にした。平衡に達するまで4℃でインキ
ュベーションを行った。非特異的結合は、1000nMの適当な非標識レチノイン酸異
性体の存在下で残存している結合と定義した。インキュベーション期間が終了し
たら、適当な洗浄緩衝液に入れた6.25%ヒドロキシアパタイト50μlを加えた。
洗浄緩衝液は100mM KCl、10mM Trisおよび5mM CHAPS(RXRα、β、γ)または0.
5%Triton X-100(RARα、β、γ)からなった。混合物をボルテックスし、4℃
で10分間インキュベートし、遠心分離し、上清を除去した。ヒドロキシアパタイ
トを適当な洗浄緩衝液でさらに3回洗浄した。受容体-リガンド複合体はこのヒド
ロキシアパタイトに吸着された。ヒドロキシアパタイトペレットの液体シンチレ
ーション計数によって受容体-リガンド複合体の量を決定した。
【0016】 非特異的結合について補正した後、IC50値を決定した。IC50値は、特異的結合
を50%減少させるのに必要な競合リガンドの濃度と定義される。IC50値はデータ
の対数(loglogit)プロットからグラフ的に決定した。Kd値は、IC50値、標識リガ
ンド濃度および標識リガンドのKdにCheng-Prussofの式を適用することによって
決定した。 リガンド結合アッセイの結果はKd値として表す(参照により本明細書に組み込
まれるChengら,Biochemical Pharmacology,第22巻の3099〜3108頁を参照され
たい)。
【0017】 ホロ受容体トランス活性化の詳細な実験手順は、参照により明細書に組み込ま
れるHeymanら,Cell 68,397-406(1992)、Allegrettoら,J. Biol. Chem. 268
,26625-26633、およびMangelsdorfら「The Retinoids:Biology,Chemistry an
d Medicine」(Raven Press Ltd.(ニューヨーク))の319〜349頁に記載されて
いる。このアッセイで得られた結果は、キメラ受容体トランス活性化アッセイの
結果と同様に、EC50値で表される。
【0018】 キメラトランス活性化アッセイにおいて、本発明の化合物2は、RARα受容体に
対して75%の有効性で180nMのEC50値を示し、リガンド結合アッセイにおけるKd
値は5nMであることがわかった。RARβおよびRARγ受容体に対しては、化合物2は
アゴニストとしては不活性であり、EC50値は104nMを超えることがわかった。
【0019】 「PGRアッセイ」というさらにもう一つのトランス活性化アッセイが、参照に
より本明細書に組み込まれる刊行物Kleinら,J. Biol. Chem. 271,22692-22696
(1996)に記載されており、本明細書でも以下に詳述する。PGRアッセイの結果
もEC50値(ナノモル濃度)で表される。
【0020】 RAR-P-GRホロ受容体トランス活性化アッセイ 前掲のKleinら,J. Biol. Chem. 271,22692に記載されているように、12穴プ
レートでリン酸カルシウム沈殿法(Chenら(1987)Mol. Cell. Biol. 7,2745-2
752)によって、CV-1細胞(4×105細胞/ウェル)に、4コピーのR5GレチノイドDN
A応答配列を含むルシフェラーゼレポータープラスミドMTV-4(R5G)-Luc(0.7μ
g/ウェル)を、RXRα発現プラスミドpRS-hRXRα(0.1μg/ウェル)およびRAR-P-
GR発現プラスミドの一つ(0.05μg/ウェル)と共に、一過性にトランスフェクト
した。3種類のRAR-P-GR発現プラスミドpRS-RARα-P-GR、pcDNA3-RARβ-P-GRおよ
びpcDNA3-RARγ-P-GRは、DNA結合ドメインの改変により各「Pボックス」がグル
ココルチコイド受容体のものに変更されているRARα、RARβおよびRARγ受容体
をそれぞれ発現させる。これらのRAR-P-GR受容体は、RXRとのヘテロ二量化複合
体としてDNAに結合する。具体的に述べるとRAR-P-GR受容体はR5Gと呼ばれるレチ
ノイン酸応答配列を結合する。R5Gは5塩基対によって隔てられた2つのRARハーフ
サイト(ヌクレオチド配列5'-GGTTCA-3')からなり、その3'-ハーフサイトがグ
ルココルチコイド受容体ハーフサイトのもの5'-AGAACA-3'に変更されている。ト
ランスフェクション効率が変動することを考慮して、β-ガラクトシダーゼ発現
プラスミド(0.01μg/ウェル)を内部対照として使用した。もう一つの選択肢と
して、各ウェルに1/5量のDNA-リン酸カルシウム沈殿物(100μlではなく20μl)
を適用した点以外は上記と同じ方法で、アッセイを96穴マイクロタイタープレー
ト形式(5000細胞/ウェル)でも行った。
【0021】 DNA沈殿物を導入した18時間後に、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)ですすぎ、
10%活性炭抽出処理済みウシ胎仔血清(Gemini Bio-Products)を含むD-MEM(Gi
bco-BRL)を加えた。細胞を図中に示す化合物で18時間処理した。PBSですすいだ
後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ活性をde Wet(1987)Mol. Cell. Biol. 7,
725-737に記載の方法で測定した。ルシフェラーゼ値はβ-ガラクトシダーゼ活性
に標準化した三重測定の平均±SEMを表す。
【0022】 本発明で使用する好ましいRARα選択的アゴニスト化合物 現時点で好ましい本発明のRARα特異的または選択的化合物は米国特許第5,965
,606号に開示されているものである。最も好ましい本発明のRARα特異的または
選択的化合物を式1に示す。これらの化合物は新しい合成物でもあり、それ自体
が新規であり発明性があると考えられる。式1に包含される本発明化合物の好ま
しい態様は、式1のR基がHまたは炭素数1〜3の低級アルキル基である化合物また
は前記化合物の医薬的に許容できる塩である。最も好ましい本発明の化合物はR
がHである化合物または医薬的に許容できるその塩である。ちなみに、医薬的に
許容できる塩とは、親化合物の活性を保っていて、投与対象および投与状況に、
有害な作用を何も与えない塩である。
【0023】 医薬的に許容できる塩は有機塩基または無機塩基から誘導することができる。
塩は一価または多価イオンであることができる。特に興味深いものは無機イオン
、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムである。有機塩はアミ
ン類、特にアンモニウム塩、例えばモノ-、ジ-およびトリ-アルキルアミンまた
はエタノールアミンなどを使って製造することができる。塩はカフェイン、トロ
メタミンなどの類似な分子を使って形成させることもできる。
【0024】 一般に式1の化合物は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,856,4
90号に記載の合成法によって得ることができる。RがHである好ましい本発明化合
物および対応するエチルエステルを製造するための現時点で好ましい合成法は下
に詳しく述べる。
【0025】 本発明化合物の抗増殖効果 本発明化合物の抗増殖効果は、当技術分野で十分に受け入れられているアッセ
イ方法によって立証される。これらのアッセイは、好ましい本発明化合物である
化合物2(AGN195183ともいう)を、当技術分野で周知の抗腫瘍剤であるヒト組換
えα-、β-およびγ-インターフェロンと組み合わせた場合および組み合わせな
い場合に行う(AGN番号は、本発明の譲受人の研究所で化合物に恣意的に割り当
てられる数字である)。材料およびアッセイ方法を以下に詳述する。
【0026】 アッセイに使用したSKBR-3およびT47-D細胞培養もよく知られており、当技術
分野で周知の供給源から入手することができる。具体的に述べると、知られてい
るように、T-47Dはエストロゲン受容体陽性(ER)のヒト乳癌細胞株であり、S
K-BR-3はエストロゲン受容体陰性(ER)のヒト乳癌細胞株である。アッセイ方
法自体は当技術分野でよく知られており、このアッセイ方法では細胞への5-ブロ
モ-2'-デオキシウリジン(BrdU)の取込み量を測定する。知られているように、
BrdUの取込み量が少ないことは細胞増殖が少ないこと(細胞増殖の阻害)を表す
。このアッセイは、当技術分野では、アッセイしようとする1または複数の薬剤
の抗増殖活性または抗腫瘍活性の尺度として受け入れられている。
【0027】 2またはそれ以上の抗増殖剤または抗増殖剤候補の組合わせをアッセイした場
合、その結果は、個々の薬剤の効果が相加されると仮定したものより低い増殖阻
害を示すかもしれないし、その効果は2つの薬剤の予想される効果の数学的な和
に相当するかもしれない(相加的阻害)。あるいは、実際に実験的に観察される
阻害は、2つの薬剤の効果の単なる和として予想されるものより大きいかもしれ
ない。このような相乗的抗腫瘍または抗増殖効果は極めて望ましく、後述するよ
うに、本発明の化合物2をヒト組換えインターフェロンと併用した場合に、いく
つかのアッセイで観察された。腫瘍、特に乳癌の処置における本化合物とインタ
ーフェロンとのこの相乗効果は先行技術からは予期されず、非自明であり驚くべ
きことである。材料およびアッセイ方法ならびに相乗効果を決定する数学的判定
基準を以下に説明する。
【0028】 材料、アッセイ方法、および相乗性を決定する判定基準 試薬 ヒト組換えインターフェロンα(IFN-α)およびヒト組換えインターフェロン
β(IFN-β)はSigma Chemicals Co(ミズーリ州セントルイス)から購入した。
ヒト組換えインターフェロンγ(IFN-γ)はRoche Diagnostics(インディアナ
州インディアナポリス)から購入した。IFN-α、IFN-βおよびIFN-γの原液は−
70℃、4℃および−20℃でそれぞれ保存した。IFN作用液は使用前に培地で希釈す
ることによって調製した。化合物2(AGN195183)の5mM原液をDMSO中に調製し、
それを表示した最終濃度まで培地で希釈した。
【0029】 好ましい化合物の合成(反応式1)
【化6】
【0030】2,6-ジフルオロ-4-[(3-メトキシメトキシ-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テ トラヒドロナフタレン-2-カルボニル)アミノ]-安息香酸メチル (化合物A) 無水塩化メチレン6mlに溶解した3-メトキシメトキシ-5,5,8,8-テトラメチル-5
,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸(米国特許第5,856,490号に記載
の化合物K、112mg、0.38mmol)に、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP、100m
g、0.46mmol)、2,6-ジフルオロ-4-アミノ安息香酸メチル(米国特許第5,856,49
0号に記載の化合物H1、77mg、0.38mmol)および1-(3-ジメチルアミノプロピル
)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、110mg、0.57mmol)を加えた。反応混
合物を室温で終夜撹拌した後、濃縮乾固した。残渣を酢酸エチル:ヘキサン(1
:9)によるカラムクロマトグラフィーで精製したところ、標題の化合物を無色
の油状物として得た。1 H NMR CDCl3 δ 8.18(s,1H)、7.38(s,1H)、7.35(s,1H)、7.10(s,1H
)、5.39(s,2H)、3.94(s,3H)、3.59(s,3H)、1.70(s,4H)、1.31(s
,3H)、1.30(s,3H)。
【0031】2,6-ジフルオロ-4-[(3-ヒドロキシ-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒ
ドロナフタレン-2-カルボニル)アミノ]安息香酸 (化合物B) メタノール6mlおよび濃塩酸3滴に溶解した2,6-ジフルオロ-4-[(3-メトキシ
メトキシ-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボニ
ル)アミノ]安息香酸メチル(化合物A、113mg、0.26mmol)を室温で終夜撹拌し
た後、濃縮乾固した。固体をエチルエーテル:ヘキサンから再結晶したところ、
標題の化合物を白色固体として得た。1 H NMR アセトン-d6 δ 10.2(bs,1H)、7.94(s,1H)、7.56(s,1H)、7.53
(s,1H)、6.94(s,1H)、1.69(s,4H)、1.27(s,6H)。
【0032】2,6-ジフルオロ-4-[(3-ヒドロキシ-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒ
ドロナフタレン-2-カルボニル)アミノ]安息香酸エチル (化合物C) アセトン4mlに溶解した2,6-ジフルオロ-4-[(3-ヒドロキシ-5,5,8,8-テトラ
メチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボニル)アミノ]安息香酸(化
合物B、56mg、0.13mmol)に炭酸カリウム(36mg、0.26mmol)およびヨードエタ
ン(0.012ml、0.14mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した後、濃縮
し、酢酸エチル:ヘキサン(1:9)によるカラムクロマトグラフィーで精製した
ところ、標題の化合物を白色固体として得た。1 H NMR CDCl3 δ 8.00(s,1H)、7.38(s,1H)、7.35(s,1H)、6.95(s,1H
)、4.40(q,J=7.1Hz,2H)、1.70(s,4H)、1.41(t,J=7.2Hz,3H)、1.31
(s,3H)、1.29(s,3H)。
【0033】2,6-ジフルオロ-4-[(3-ヒドロキシ-4-クロロ-5,5,8,8-テトラメチル-5 6 7,8- テトラヒドロナフタレン-2-カルボニル)アミノ]安息香酸エチル (化合物1) 無水ジクロロメタン10mlに溶解した2,6-ジフルオロ-4-[(3-ヒドロキシ-5,5,
8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボニル)アミノ]安
息香酸エチル(化合物C、227mg、0.52mmol)に窒素下25℃で塩化スルフリル(0.
0413ml、0.57mmol)および無水エチルエーテル(0.054ml、0.52mmol)を加えた
1H NMRでモニターしたところ、反応は25℃で即座に起こった。反応混合物を飽
和NaHCO3でクエンチした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および塩水で洗
浄し、Na2SO4で乾燥した。酢酸エチル:ヘキサン(1:9)によるカラムクロマト
グラフィーにより、標題の化合物を白色固体として得た。1 H NMR CDCl3 δ 9.33(b,1H)、8.56(b,1H)、7.90(s,1H)、7.36(d,J
=9.83Hz,2H)、4.39(q,J=7.1Hz,2H)、1.75(m,2H)、1.65(m,2H)、1.
53(s,6H)、1.39(t,J=7.2Hz,3H)、1.32(s,6H)。
【0034】2,6-ジフルオロ-4-[(3-ヒドロキシ-4-クロロ-5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8- テトラヒドロナフタレン-2-カルボニル)アミノ]安息香酸 (化合物2) EtOH 6mlに溶解した4-[(4-クロロ-3-ヒドロキシ-5,5,8,8-テトラメチル-5,6
,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-カルボニル)アミノ]-2,6-ジフルオロ安息香
酸エチル(化合物1、150mg、0.32mmol)に2M NaOH水溶液2mlを加えた。反応系を
室温で12時間撹拌した後、10%HClでpH=5に酸性化した。過剰のアルコールを回
転式装置で蒸発させることによって除去し、水層を酢酸エチル(10ml×3)で抽
出した。合わせた有機層を水および塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒の留
去によって標題の化合物を粗製物の形で得て、それを酢酸エチル/ヘキサンから
再結晶したところ、純粋な標題化合物(AGN195183)を明黄色固体として得た。
1HNMR アセトン-d6 δ 7.97(s,1H)、7.53(d,J=10.2Hz,2H)、1.75(m,2
H)、1.65(m,2H)、1.54(s,6H)、1.31(s,6H)。
【0035】 乳癌細胞株の培養 エストロゲン受容体陽性(ER)細胞株T-47DおよびER細胞株SK-BR-3は、10
%ウシ胎仔血清(HyClone(ユタ州ローガン))、2mM L-グルタミンおよび1%抗
生物質/抗真菌剤(Gibco BRL)を補足したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、
Gibco BRL(メリーランド州ゲーサーズバーグ))で培養した。細胞株はAmerica
n Type Culture Collection(ATCC;メリーランド州ロックビル)から入手した
(T47-DおよびSKBR-3はそれぞれHTB-133およびHTB-30である)。細胞は5%CO2
含む湿潤雰囲気中37℃で培養した。
【0036】 細胞増殖アッセイ 癌細胞株の増殖は、市販の細胞増殖キット(Roche Diagnostics)を使用し、
基本的に製造者の説明に従って決定した。細胞を96穴組織培養プレート(Cornin
g Incorporated(ニューヨーク州コーニング))に3000細胞/ウェルの濃度で播
種した。24時間後に細胞を化合物2(AGN195183)および/またはインターフェロ
ン(IFN)または溶媒のみで処理した。この研究で使用した適当な濃度の化合物2
(AGN195183)は10-11M〜10-6Mだった。IFN濃度は25〜1000単位/mlとした。培地
は72時間毎に交換した。7日後に、10μlの5-ブロモ-2'-デオキシウリジン(BrdU
)を各ウェルに加えた。BrdUとのインキュベーションは、各ウェルに100μlの抗
BrdU抗体を加えることによって、24時間後に停止した。増殖する細胞のDNAに取
り込まれたBrdUの量は、450nmで吸光度を測定することによって評価した。各実
験は三重に実施した。
【0037】 相乗性の判定基準 本発明の化合物2(AGN195183)とインターフェロン(IFN)との組み合わせに
よる処置の結果として細胞培養物に観察される増殖阻害を、相乗効果および相加
効果について解析した。相乗効果は、相加的相互作用を仮定した場合に予想され
る細胞増殖のパーセンテージと、両薬剤を併用したときに実際に観察される細胞
増殖との比を計算することによって決定した(1を超える値は相乗作用を示す)
。相乗効果の統計的有意性は両側スチューデントt検定を用いて決定した。
【0038】 Aaproら,Cancer Chemother. Pharmacol.,10:161-166,1983およびMarthら
,J. Natl. Cancer Inst.,77:1197-1202,1986(これらの文献は共に参照によ
り本明細書に組み込まれるものとする)の教示するところに従って、 相乗性は%A×%B>%ABと定義し、 相加性は%A×%B=%ABと定義した。 ここで、AおよびBは個々の薬剤の効果であり、ABは併用の効果である。
【0039】 アッセイによって決定した抗増殖効果 以下、図1〜図12のグラフを参照して述べると、これらのグラフはそれぞれ上
述したアッセイで得た結果を表している。これらのアッセイでは、それぞれSKBR
-3およびT47-D細胞を、本発明の化合物2とヒト組換えインターフェロン(IFN)
α、βおよびγとの各組合わせで処理した。図13のグラフは、これら2つの細胞
培養物を、他の抗腫瘍剤を何も使用せずに本発明の化合物2だけで処理した結果
を表している。これらの各グラフでは、5-ブロモ-2'-デオキシウリジン(BrdU)
の取込みをY(縦)軸上にプロットし、本発明の化合物2またはIFNα、IFNβもし
くはIFNγの濃度をそれぞれX(横)軸上にプロットしている。インターフェロン
の濃度は当技術分野で受け入れられている国際単位で表す。一方、化合物2はモ
ル濃度を対数目盛でプロットする。図13のグラフを除く各グラフには、1剤のみ
で得た結果の曲線、2剤(化合物2およびそれぞれのインターフェロン)の併用に
よって得た実際の実験結果の曲線、および2つの薬剤の効果が単純に相加的であ
ると仮定して上記のように計算した理論曲線を描く。BrdUの取込みは、各グラフ
における濃度可変の薬剤を使用しなかった場合に対する百分率としてプロットす
る(濃度0は取込み率100%に対応する)。
【0040】 図1のグラフについて具体的に述べると、このグラフに示すSKBR-3細胞におけ
るアッセイでは、化合物2の濃度は10nMとし、IFNαの濃度を変化させた。このグ
ラフでは、実験的に(すなわち実際に)観察された細胞増殖の阻害がIFNα単独
の場合よりも有意に大きく(BrdU取込み量がより少なく)、理論上相加的な曲線
よりも有意に大きいことから、化合物2とIFNαとの相乗効果を示していることが
わかる。図2および3のグラフも同様に、化合物2の濃度を10nMの一定値に保ち、
それぞれIFNβまたはIFNγの濃度を変化させた場合のSKBR-3細胞におけるアッセ
イ結果を表している。図2および3のグラフも各併用処置の有意な相乗効果を示し
ている。
【0041】 図4、5および6のグラフは、それぞれIFNα、IFNβおよびIFNγの濃度を100国
際単位/ml(U/ml)の一定値に保ち、本発明の化合物2の濃度を変化させた場合の
SKBR-3細胞におけるアッセイの結果を表す。これらのグラフも有意な相乗効果を
示し、インターフェロンと化合物2との併用が、これら2つの薬剤の個別の効果か
ら予想されるよりも有意に強く細胞増殖を阻害することを表している。
【0042】 図7、8および9のグラフは、一定濃度(100nM)の化合物2と様々な濃度のIFNα
、IFNβおよびIFNγとの各組合わせで処理することによって得たT47-D細胞にお
けるアッセイ結果を表す。図7のグラフから、IFNαを使用した場合、この細胞株
では併用による阻害は相加的であることがわかる。しかしIFNβおよびIFNγを使
用すると、観察された阻害は有意に相乗的だった。
【0043】 図10、11および12は、それぞれIFNα、IFNβまたはIFNγの濃度を100国際単位
/ml(U/ml)の一定値に保ち、本発明の化合物2の濃度を変化させた場合のT47-D
細胞におけるアッセイ結果を表す。組合わせにIFNαを使用した場合(図10)は
併用はあまり効果的でなく相加的であるに過ぎなかったが、IFNβおよびIFNγを
使用した場合は、やはり相乗的阻害が観察された。ただしIFNγとの併用処理で
は、化合物2濃度が高い場合だけに相乗的阻害が観察された。
【0044】 本発明の化合物とヒト組換えインターフェロンとのこれら2つの癌細胞株に対
する抗増殖効果に関する上述の結果、特に相乗性は、予想外の驚くべき結果であ
り、RARα特異的またはRARα選択的化合物、特に本発明の好ましい化合物が、悪
性細胞増殖を伴う疾患、例えば癌、特に乳癌の処置に役立つことを示している。
事実、前述のアッセイは、エストロゲン受容体陽性である乳癌細胞株(T-47D)
でも、エストロゲン受容体陰性であるヒト乳癌細胞株(SK-BR-3)でも、RARα特
異的またはRARα選択的化合物、特に本発明の好ましい化合物がインターフェロ
ンとの併用療法に有用であることを示している。
【0045】 処置方法および投与様式 RARα特異的またはRARα選択的化合物、特に本発明の好ましい化合物は、本発
明にしたがって、例えば処置すべき状態、部位特異的処置の必要性、薬剤の投与
量、その他多くの事項を考慮した上で、全身的投与または局所投与することがで
きる。乳癌の処置および他の多くの悪性腫瘍の処置を行う場合、該化合物は、腫
瘍の化学療法に関する技術分野で周知の賦形剤または不活性成分を含む医薬組成
物として、全身的投与されることが多いだろう。より具体的に述べると、化合物
を全身的投与する場合は、散剤、丸剤、錠剤などとして調合するか、経口投与に
適したシロップ剤またはエリキシル剤として調合することができる。静脈内投与
または腹腔内投与の場合、化合物は、注射による投与が可能な溶液または懸濁液
として調製しうる。ある場合には、注射によるこれらの化合物の製剤化が有益で
ありうる。また別の場合には、これらの化合物を坐剤の形で、または皮下デポジ
ット用徐放性製剤として、または筋肉内注射用として製剤化することが有益であ
りうる
【0046】 RARα特異的またはRARα選択的化合物、特に本発明の好ましい化合物は、腫瘍
を処置するための化学療法剤として、有効な処置量で投与しうる。有効な処置量
は状態ごとに異なり、場合によって、処置しようとする状態の重症度および処置
に対する患者の感受性によって変化しうる。したがって単一の用量が一様に有効
なわけではなく、処置しようとする腫瘍または悪性腫瘍の個別の事情に応じて変
更する必要がありうる。そのような用量は定型的な実験によって決定することが
できる。固形腫瘍、特に乳癌の処置を行う場合は、その必要がある患者に、腫瘍
の増殖を停止もしくは減速し、または腫瘍を消失させるのに有効な用量で、化合
物を約1〜8週間投与することが考えられる。好ましくは化合物を経口投与し、そ
の日用量は好ましくは約50〜500mg/日の範囲としうる。最も好ましくは処置には
本発明の化合物2を使用しうる。
【0047】 好ましくは、RARα特異的またはRARα選択的化合物、特に本発明の好ましい化
合物、最も好ましくは化合物2を、本発明に従い、インターフェロン(好ましく
はヒト組換えインターフェロン)などの他の化学療法剤または他の既知の腫瘍化
学療法剤と組み合わせて投与しうる。併用療法で本発明化合物と併用しうる他の
化学療法剤はタモキシフェンおよびタキソールである。インターフェロンを用い
ることにより、またはある種の他の化学療法剤を用いることにより、上記の細胞
培養アッセイ法に示すように、相乗的抗腫瘍効果が得られうる。そのような化合
物を併用療法で使用する場合も、有効な処置量は状態ごとに異なり、場合により
、処置しようとする状態の重症度および処置に対する患者の感受性によって変化
しうる。したがって必要量は、腫瘍の化学療法学では常法となっている定型的な
実験によって決定しうる。
【0048】 通例、併用療法において乳癌などの固形腫瘍の処置を行う場合、本化合物の日
用量は約50〜500mg/日の範囲としうる。本発明の化合物と併用される他の化学療
法剤の日用量は、該化学療法剤の性質に依存し、当技術分野で通常実施される定
型的な実験によって決定することができる。例えば乳癌などの固形腫瘍にインタ
ーフェロンを、RARα特異的またはRARα選択的化合物(特に本発明の好ましい化
合物)と共に併用する場合、インターフェロンの日用量は約100万〜900万国際単
位/日の範囲としうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 SKBR-3細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とα-
インターフェロン(IFNα)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すグラ
フ。
【図2】 SKBR-3細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とβ-
インターフェロン(IFNβ)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すグラ
フ。
【図3】 SKBR-3細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とγ-
インターフェロン(IFNγ)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すグラ
フ。
【図4】 SKBR-3細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とα-
インターフェロン(IFNα)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すもう
一つのグラフ。
【図5】 SKBR-3細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とβ-
インターフェロン(IFNβ)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すもう
一つのグラフ。
【図6】 SKBR-3細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とγ-
インターフェロン(IFNγ)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すもう
一つのグラフ。
【図7】 T47-D細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とα-イ
ンターフェロン(IFNα)とを併用した場合の抗増殖効果を表すグラフ。
【図8】 T47-D細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とβ-イ
ンターフェロン(IFNβ)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すグラフ
【図9】 T47-D細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とγ-イ
ンターフェロン(IFNγ)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すグラフ
【図10】 T47-D細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とα-
インターフェロン(IFNα)とを併用した場合の抗増殖効果を表すもう一つのグ
ラフ。
【図11】 T47-D細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とβ-
インターフェロン(IFNβ)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すもう
一つのグラフ。
【図12】 T47-D細胞に対して本発明の化合物AGN195183(化合物2)とγ-
インターフェロン(IFNγ)とを併用した場合の抗増殖効果の相乗性を表すもう
一つのグラフ。
【図13】 SKBR-3細胞およびT47-D細胞に対する本発明の化合物AGN195183
(化合物2)の効果を表すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61K 37/66 E (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 リチャード・エル・ビアード アメリカ合衆国92660カリフォルニア州ニ ューポート・ビーチ、アジャー・アベニュ ー2341番 (72)発明者 ロシャンタ・エイ・チャンドララトナ アメリカ合衆国92653カリフォルニア州ラ グーナ・ヒルズ、バックスキン25241番 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA17 BA44 CA53 DA50 DA51 DA52 MA02 NA14 ZB262 4C206 AA01 AA02 AA03 DA17 DB15 DB43 KA01 MA01 MA02 MA04 NA14 ZB26 4H006 AA01 AA03 AB20 AB28 BJ50 BM30 BM71 BM72 BN30 BS30 BT32 BV74

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [式中、RはHまたは炭素数1〜6の低級アルキルである] で示される化合物または前記化合物の医薬的に許容できる塩。
  2. 【請求項2】 Rが炭素数1〜3の低級アルキルである請求項1に記載の化合物
  3. 【請求項3】 RがHである請求項1に記載の化合物または前記化合物の医薬
    的に許容できる塩。
  4. 【請求項4】 哺乳動物の悪性疾患または悪性状態を処置するための医薬組
    成物であって、医薬的に許容できる賦形剤と、式: 【化2】 [式中、RはHまたは炭素数1〜6の低級アルキルである] で示される化合物または前記化合物の医薬的に許容できる塩の処置有効量とを含
    む医薬組成物。
  5. 【請求項5】 前記化合物の式においてRが炭素数1〜3の低級アルキルであ
    る請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 前記化合物の式においてRがHであるかまたは前記化合物の医
    薬的に許容できる塩である請求項4に記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態の処置に有効な化学
    療法剤をさらに含む請求項4に記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態の処置に有効な化学
    療法剤をさらに含む請求項5に記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態の処置に有効な化学
    療法剤をさらに含む請求項6に記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態の処置に有効な化
    学療法剤がインターフェロンである請求項7に記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態の処置に有効な化
    学療法剤がインターフェロンである請求項8に記載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態の処置に有効な化
    学療法剤がインターフェロンである請求項9に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 日用量約50〜500mgの前記化合物を含む請求項4に記載の医
    薬組成物。
  14. 【請求項14】 乳癌の処置に適した請求項4に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態の処置に有効な化
    学療法剤が、ヒト組換えインターフェロンα、ヒト組換えインターフェロンβ、
    またはヒト組換えインターフェロンγである請求項9に記載の医薬組成物。
  16. 【請求項16】 乳癌の処置に適した請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】 悪性疾患または悪性状態の処置を必要とする哺乳動物にお
    いて当該処置を行うための併用処置の方法であって、 医薬的に許容できる賦形剤と、式: 【化3】 [式中、RはHまたは炭素数1〜6の低級アルキルである] で示される化合物または前記化合物の医薬的に許容できる塩の治療有効量とを含
    む医薬組成物を、前記哺乳動物に投与すること、および 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態の処置に有効な他の化学療法剤を、前
    記哺乳動物に併せて投与すること を含む方法。
  18. 【請求項18】 前記化合物の式においてRが炭素数1〜3の低級アルキルで
    ある請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記化合物の式においてRがHであるかまたは前記化合物の
    医薬的に許容できる塩である請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 日用量約50〜500mgの前記化合物を哺乳動物に投与する請
    求項17に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態が乳癌である請求
    項17の方法。
  22. 【請求項22】 他の化学療法剤がインターフェロンである請求項17に記載
    の方法。
  23. 【請求項23】 他の化学療法剤がインターフェロンである請求項21に記載
    の方法。
  24. 【請求項24】 悪性疾患または悪性状態の処置を必要とする哺乳動物にお
    いて当該処置を行うための併用処置の方法であって、 医薬的に許容できる賦形剤と、RARβ受容体およびRARγ受容体よりもRARα受
    容体に特異的または選択的なアゴニストである化合物の処置有効量とを含む医薬
    組成物を、前記哺乳動物に投与すること、および 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態の処置に有効な他の化学療法剤を、前
    記哺乳動物に併せて投与すること を含む方法。
  25. 【請求項25】 日用量約50〜500mgのRARα特異的または選択的化合物を哺
    乳動物に投与する請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態が乳癌である請求
    項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 他の化学療法剤がインターフェロンである請求項24に記載
    の方法。
  28. 【請求項28】 前記哺乳動物の悪性疾患または悪性状態が乳癌であり、他
    の化学療法剤がインターフェロンであり、日用量約50〜500mgのRARα特異的また
    は選択的化合物を哺乳動物に投与する請求項24に記載の方法。
JP2001572454A 2000-04-04 2001-04-02 RARα選択的レチノイド化合物と他の抗腫瘍剤との併用による腫瘍の処置 Pending JP2003534246A (ja)

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