JP2003534099A - ベッド用の調節可能なプラットホーム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明のプラットホームは、背部分（２）、尻部分（１５）、大腿部分（１４）およびふくらはぎ部分（１８）からなる。背もたれ（２）および大腿部分（１４）は、背部分（２）および大腿部分（１４）を上げ下げするためにベッドフレーム（１）に旋回可能に連結される。背もたれおよび大腿部分の旋回部は、背部分および大腿部分が、水平から高い位置に上昇されるにつれて、互いに離れるようにフレームに沿って長手方向に移動可能である。架橋プレート（１３、２０）は、各々、背部分（２）および大腿部分（１４）の移動から生じる間隔をカバーする。背部分はまた、さらなるパネル（６）を有し、このパネル（６）は、背部分が上昇されるにつれて、背部分に沿って上向きにスライドするように配置され、これが、座っている間、このプラットホーム表面を、人の皮膚の接触路の長さと同じ量を伸長させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、ベッド、寝椅子、台車または類似のプラットホームに関し、特に、
人の脚および胴の種々の状態に対応する形状を提供するよう旋回するパネルのセ
ットから形成されたプラットホームに関する。

【０００２】 種々の形のベッド、台車または寝椅子が、使用者に快適性を提供するために開
発されている。これは、寝たきりの人々に特にあてはまる。快適性を維持するた
めの動く能力を有さずに、長期間寝たきり状態にある場合、合併症（例えば、褥
瘡）を発症し得る。動けない患者に適応するように種々の方向および形状に動か
し得るプラットホームを備えるベッドを提供することが、知られている。これら
の各々は、人の胴を支持する背部分および人の股関節部を支持する尻部分、人の
大腿を支持する大腿部分および脚を支持するためのふくらはぎ部分を提供する。

【０００３】 これらのベット上では、仙尾骨（ｓａｃｒｏ／ｃｏｘｘｙｇｅａｌ）および殿
部領域にかかる人の体重の割合が、背部分の角度と共に顕著に上昇する。これは
、支持体表面をスライドするその人の身体と、大腿部分および膝部分もまた上昇
するときの「圧迫（ｐｉｎｃｈｉｎｇ）」作用との組み合わせに起因する。これ
は、この領域の軟性組織の圧力および剪断力に起因した変形を増大させ、これが
次いで、圧迫性潰瘍の形成の危険性を増大する。

【０００４】 スライドおよび「圧迫」の程度は、ベッドの形状および支持体表面（例えば、
人とベッド表面との間のマットレス）の厚さの両方に関連する。一般的に言えば
、支持体表面の厚さがより大きいほど、人のスライドの程度がより大きく、そし
て人の関節の位置に対するベッドのヒンジ点の「適合」がより乏しい。この事実
の重要性は、増大している。なぜなら、現在の良好な看護業務は、厚く、軟らか
い、圧力減少性のマットレスのより頻繁な使用に関連し、このマットレスは、背
もたれの角度が増加する場合に、身長方向の人の移動を生じる傾向がある。さら
に、人の下肢の長さが増加するにつれて、不適合の程度が増大する。

【０００５】 ヒトの身体を半横臥位の体勢に曲げる基本的局面は、背部に沿った皮膚の接触
路の長さが伸長される（代表的には、１５０ｍｍ）（特に、仙尾骨領域において
）ことであるが、一方で支持体表面の長さが伸長可能で無く、そしてしばしば、
連接するベッド部分によって拘束された領域における自己圧縮に起因して減少さ
れる。このことは、既に高い局所的接触圧を受けている領域において、背もたれ
の角度が増加するにつれて人の骨盤をマットレス内にさらに押し込む効果を有す
る。

【０００６】 従って、「圧迫」作用を最小化し、そしてその上で支持される人の身体の関節
部と密接に一致する種々のベッド部分のヒンジ点を有する、プラットホームを提
供することが、本発明の目的である。

【０００７】 従って、本発明は、ベッド用の支持体プラットホームを提供し、このプラット
ホームは、フレーム上で支持されそして背部分、尻部分、大腿部分およびふくら
はぎ部分を有し、少なくとも背部分および大腿部分が、このフレームに旋回可能
に連結され、この背部分および大腿部分の旋回軸の各々が、フレームに沿って長
手方向に移動可能であるように配置され、その結果、この背部分および大腿部分
が、個々にまたは一緒にのいずれかで水平状態から傾斜状態に旋回されるにつれ
て、各背部分および大腿部分の旋回軸が移動され、尻部分は、この尻部分に旋回
可能に取り付けられた第１のパネルを備えそして背部分と協動し、その結果、こ
の背部分が、背部分の角度を上昇しながら、この尻部分からフレームに沿って長
手方向に移動されるにつれて、第１のパネルが、尻部分と背部分との間に生じる
間隔を架橋する。好ましくは、類似の第２のパネルが、この尻部分のもう一方の
端部に取り付けられて、尻部分と大腿部分との間隔を架橋し得る。このように、
この第１および第２の架橋パネルは、プラットホーム上に支持されるマットレス
が、その間隔中に落ち込まずそして改善された圧力分散を減少しないことを確実
にする。上記の伸縮する背部分および大腿部分は、「圧迫」作用を最小化し、接
触面の圧力のより良好な分散、より快適な休息姿勢、腹部の圧力の低下、および
より良好な呼吸（横隔膜に対する圧力の減少に起因する）を生じ得る。好ましく
は、背部分の移動は、大腿部分の対応する移動を生じ、快適な「揺りかご」効果
を提供する。

【０００８】 好ましくは、背部分は、この背部分が傾斜状態に旋回するにつれて、この背部
分に沿って上向きにスライドするように配置された、第３のパネルを備える。こ
の第３のパネルの移動は、背部分の角度の増加に伴い、マットレスの表面を、人
の背部上の皮膚の接触路の長さと同じ量を伸長するのを可能にし、これによって
、仙尾骨領域における骨盤の圧迫および剪断を最小化し、これが、組織の変形の
低下および「圧迫」作用のさらなる減少を生じる。

【０００９】 さらに好ましくは、この大腿部分は、異なる身長の人物に適応するために、伸
長可能である。この大腿部分は、プラットホーム部分をその上に横たわる人物に
対してより密にフィットさせるように、伸長し得る。その結果として、ベッド部
分のヒンジ点は、（特に、上に支持される人物の下肢への）より良好な圧力の分
布のために、ヒトの関節の位置と一致するように再度位置決めされる。同様に、
ふくらはぎ部分は、ベッド部分を異なる身長の人物に対してより密に合わせるた
めに、伸長可能であり得る。

【００１０】 本発明を、ここで、添付の図面を参照して、例としてのみ記載する。

【００１１】 図１を参照すると、プラットホームは、いくつかの部分２、１４、１５、１８
を備え、これらは、人物の身体の周囲の輪郭にされて、臨床的および／または心
地の観点からのこの人物の要求に適合し得る。

【００１２】 図２に示すように、背部分アセンブリの１つの実施形態は、パネル２を備え、
このパネルは、リンク３およびアクチュエータ４を介してフレーム１に接続され
る。アクチュエータ４が伸長するにつれて、背部分パネル２の下端が、スライド
ブロック５によってフレーム１に沿ってスライドする。このスライドブロックは
、主要フレーム部材のチャネルフォーム中をスライドする。背部分パネル２は、
フレーム１に対して旋回するリンク３の影響下で、その旋回点の周りで上方に回
転する。

【００１３】 ずれパネル６が、線状スライド７を介して背部分パネル２に設置される。背部
分がフレームに沿って外向きにスライドするにつれて、ずれパネル６は、ベルト
８の作用によって、上方に引かれる。ベルト８は、その下端においてフレームに
固定され、そしてその上端においてずれパネル６に固定される。ベルト８は、自
由回転滑車９および１０の周囲を通過し、これらの滑車は、背部分パネル２に取
り付けられる。これによって、背部分がフレームに沿って外向きにスライドする
結果として、背部分ずれパネル６が、背部分パネル２に対して上方に移動する。

【００１４】 アクチュエータ４が収縮するにつれて、背部分は、スライドブロック５によっ
てフレームに沿って内向きに引かれ、そして背部分は、リンク３の作用下で、そ
の旋回点の周りで下方に回転する。背部分が下向きに回転し、そして内向きにス
ライドするにつれて、ベルト１１が背部分ずれパネル６を背部分パネル２に対し
て下向きに引く。このことは、ベルト１１がその先端においてフレームに固定さ
れ、背部分パネル２に取り付けられた円滑車１２を通過し、次いで背部分ずれパ
ネル６の中点に取り付けられることの結果である。

【００１５】 背部分が上昇する際に背部分ずれパネル６と不動の尻部分１５との間の上に生
じる間隔は、ブリッジパネル１３で塞がれる。ブリッジパネル１３は、先端２４
において尻部分１５にヒンジ式に取り付けられ、そして背部分ずれパネル６のリ
ベート（ｒｅｂａｔｅ）に入る。背部分ずれパネル６が尻部分１５から離れて移
動するにつれて、ブリッジパネル１３はその下端の周りでヒンジ式に動き、そし
てずれパネル６のリベートに沿ってスライドする。従って、背部分アセンブリが
不動の尻部分１５から離れて移動する際に、ブリッジパネル１３は、尻部分１５
と背部分ずれパネル６との両方と接触したままであり、この領域においてマット
レスおよび人物に対する支持を提供する。

【００１６】 図３に示すように、背部分の別の実施形態は、ベルト１１をスライドリンク２
６および押し棒２７と置き換える。スライドリンク２６は、背もたれずれプレー
ト６の下端に取り付けられ、そしてアクチュエータ４が伸長するにつれて、この
スライドリンク２６は、ベッドの軸に沿って引かれる。このスライドリンク２６
の他端には、押し棒２７が取り付けられ、この押し棒もまた、ずれパネル６の下
端に接続される。アクチュエータ４が伸長するにつれて、押し棒７は、ずれパネ
ル６の、背もたれパネル２に対する上方へのスライドを引き起こす。ブリッジパ
ネル１３は、ずれパネル６と重なり、従って、背もたれが上昇しそして収縮する
につれて、このブリッジパネル１３は、その通常の平坦な位置から上昇し、そし
てベッドプラットホームの背もたれずれパネル６と尻部分パネル２との間に上方
に空く間隔を架橋する。

【００１７】 大腿部分アセンブリは、パネル１４を備え、このパネルは、リンク４５および
アクチュエータ１６を介して主要フレーム１に接続される。アクチュエータ１６
が伸長するにつれて、大腿パネル１４の下端は、スライドブロック５によって、
フレームに沿ってスライドし、そしてリンク４５（これは、その端部において自
由に旋回する）の影響下で、その旋回点の周りで上方に回転する。大腿部分１４
の動きは、「揺りかご」効果を提供するように、背部分２の任意の運動と同時で
あり得る。大腿部分１４はまた、独立して移動し得る。

【００１８】 ふくらはぎ部分１８は、その一端において、大腿部分１４にヒンジ式に取り付
けられ、そしてその他端において、アクチュエータ１９によって支持される。大
腿部分１４が上昇するにつれて、ふくらはぎ部分１８の上昇が引き起こされる。
水平面に対するふくらはぎ部分１８の角度は、アクチュエータ１９（これは、そ
の両端において自由に旋回する）の伸長／収縮によって制御される。

【００１９】 大腿部分１４およびふくらはぎ部分１８の頂部表面には、大腿／ふくらはぎ支
持パネル１７が固定される。これは、大腿部分とふくらはぎ部分との間のヒンジ
点の周りで屈曲することを可能とするように、その幅を横切る一連の可撓性ヒン
ジ接合を用いて、１部品として作製され得る。

【００２０】 大腿部分１４が上昇する際に大腿部分１４と不動の尻部分１５との間の上に生
じる間隔は、ブリッジパネル２０によって塞がれる。ブリッジパネル２０は、先
端２１において尻部分１５にヒンジ式に取り付けられ、そして大腿／ふくらはぎ
支持パネル１７のリベートに入る。大腿部分１４が尻部分１５から離れて移動す
るにつれて、ブリッジパネル２０はその下端の周りで旋回し、そして支持パネル
１７のリベートに沿ってスライドする。従って、大腿部分１４アセンブリが不動
の尻部分１５から離れて移動する際に、ブリッジパネル２０は尻部分１５と大腿
／ふくらはぎ支持パネル１７との両方に接触したままであり、この領域でマット
レスおよび人物に対する支持を提供する。

【００２１】 大腿パネル１４およびふくらはぎパネル１８は、可撓性部分２５によって接続
され得る。

【００２２】 大腿パネル１４およびふくらはぎ部分パネル１８は、両方とも、構成が入れ子
状であり得る（それぞれ３１、３２）。アクチュエータ２２および必要に応じて
２３を使用して、それぞれ大腿部分１４およびふくらはぎ部分１８の長さを制御
し得る。アクチュエータ２２を伸長させ、そして同じ量だけアクチュエータ２３
を収縮させることによって、大腿部分とふくらはぎ部分とがヒンジ式に取り付け
られる点が、ベッドの足側の方へとさらに移動する；ベッドプラットホームの全
体の長さを増加させることなく、大腿部分１４を効果的に長くする。大腿部分１
４とふくらはぎ部分１８との間の可撓性部分２５は、大腿／ふくらはぎの組み合
わせが、最小設定と最大設定との間の任意の点でヒンジ式に動くことを可能にす
る。類似の様式で、アクチュエータ２２が収縮し、そして同じ量だけアクチュエ
ータ２３が伸長するにつれて、ベッドプラットホームの全体の長さに影響を与え
ることなく、大腿部分１４の有効長さが減少する。あるいは、アクチュエータ２
２を伸縮させることによって、大腿部分の長さのみが、変化する。

【００２３】 尻部分１５ならびに２つのブリッジパネル１３および２０は、可撓性のヒンジ
を備える単一の成型物であり得る。アクチュエータ１９は、気体ばね（ｇａｓ
ｓｐｒｉｎｇ）によって交換され得る。

【００２４】 本発明をベッドに関して記載したが、このプラットホームは、台車、寝椅子、
テーブルまたは上に支持される人物のための類似の多部分平坦支持体に組み込ま
れ得ることが、明らかに理解される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本発明によるプラットホームの１つの実施形態の概略図である。

【図２】 図２は、図１の背部分の正面図である。

【図３】 図３は、本発明による背部分の別の実施形態の概略図である。

【図４】 図４は、本発明による大腿部分およびふくらはぎ部分の概略図である。

【図５】 図５は、本発明によるプラットホームの平面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＯ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ， ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ， ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，Ｐ Ｔ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ， ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ヘイズ， スティーブン イギリス国 ディーワイ３ ３エイエフ ウエスト ミッドランズ， ダッドレイ， ローアー ゴーナル， ストレイツ， ワロウズ ウッド 46 (72)発明者 ホリーオーク， スティーブン イギリス国 ディーワイ６ ８エスジェイ ウエスト ミッドランズ， キングスウ インフォード， オレゴン クローズ 42 Ｆターム(参考） 4C040 AA03 AA05 BB06 CC10 DD05 EE04

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッド用の支持体プラットホームであって、該プラットホー
   ムは、フレーム上で支持されそして背部分、尻部分、大腿部分およびふくらはぎ
   部分を有し、少なくとも該背部分は、該フレームに旋回可能に連結され、該背部
   分の旋回軸が、該フレームに沿って長手方向に移動可能であるように配置され、
   その結果、該背部分が水平状態から傾斜状態に旋回されるにつれて、該旋回軸が
   該フレームに沿って長手方向に移動され、該尻部分は、該尻部分に旋回可能に取
   り付けられた第１のパネルを備えそして該背部分と協動し、その結果、該背部分
   が、背部分の角度を上昇しながら、該尻部分から該フレームに沿って長手方向に
   移動されるにつれて、該第１のパネルが、該尻部分と背部分との間に生じる間隔
   を架橋する、ベッド用の支持体プラットホーム。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の支持体プラットホームであって、ここで、
   前記大腿部分もまた、前記フレームに旋回可能に連結され、該大腿部分の旋回軸
   が、該大腿部分が水平状態から傾斜状態に旋回されるにつれて、前記背部分から
   離れるように長手方向に移動されるように配置され、前記尻部分は、該大腿部分
   に隣接する該尻部分の端部に旋回可能に取り付けられた第２のパネルを備えそし
   て該大腿部分と協動し、その結果、該大腿部分が、該尻部分から該フレームに沿
   って長手方向に、大腿部分の角度を上昇しながら移動されるにつれて、該第２の
   パネルが、該尻部分と大腿部分との間に生じる間隔を架橋する、ベッド用の支持
   体プラットホーム。
3. 【請求項３】 前記背部分の移動が、対応する前記大腿部分の移動を生じる
   、請求項２に記載の支持体プラットホーム。
4. 【請求項４】 前記背部分が、該背部分が傾斜状態に旋回するにつれて、該
   背部分に沿って上向きにスライドするように配置された、第３のパネルを備える
   、請求項１、２または３に記載の支持体プラットホーム。
5. 【請求項５】 前記尻部分ならびに第１のパネルおよび第２のパネルが、単
   一の成形物を含む、請求項１〜４のいずれか１項に記載の支持体プラットホーム
   。
6. 【請求項６】 前記大腿部分が、異なる身長の人々に適合するよう伸長可能
   である、請求項１〜５のいずれか１項に記載の支持体プラットホーム。
7. 【請求項７】 前記ふくらはぎ部分が、異なる身長の人々に適合するよう伸
   長可能である、請求項１〜６のいずれか１項に記載の支持体プラットホーム。
8. 【請求項８】 前記大腿部分およびふくらはぎ部分が、可撓性パネルによっ
   て連結される、請求項６または７に記載の支持体プラットホーム。