JP2003531881A - トラマドールのシストランスジアステレオマーの分離法 - Google Patents
トラマドールのシストランスジアステレオマーの分離法Info
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C213/00—Preparation of compounds containing amino and hydroxy, amino and etherified hydroxy or amino and esterified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton
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Abstract
(57)【要約】
トランス(RR,SS)およびシス(RS,SR)トラマドールの混合物を分離する方法は、古典的な塩分割であって、酒石酸およびその誘導体およびマンデル酸から選択されるキラル分割剤を用いるものを含む。ただし、分割剤は、実質上単一のエナンチオマー、ジ−O,O−トルオイル酒石酸ではない。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、トラマドールのジアステレオマーの分離法に関する。
(発明の背景)
2−[(ジメチルアミノ)メチル]−1−(3−メトキシフェニル)シクロヘキサノ
ールは、以下でそれぞれトランストラマドールおよびシストラマドールと呼ぶ、
トランス(RR,SS)およびシス(RS,SR)ジアステレオマーの混合物として存
在するキラル化合物である。トランスジアステレオマーは、高い効能の鎮痛剤と
して用いられる。 文献においてトランストラマドールおよびシストラマドールの命名法は混乱し
ている場合があり、一般においてはトラマドールの名称は該化合物の実質上純粋
なトランス型を意味するのに用いられるので、さらに混乱する。本出願の文脈に
おいてはしかし、トラマドールのトランス型ならびにトラマドールのシス型およ
びそのエナンチオマーは、以下のスキーム1の1aから1dとして示すものであ
る。
ールは、以下でそれぞれトランストラマドールおよびシストラマドールと呼ぶ、
トランス(RR,SS)およびシス(RS,SR)ジアステレオマーの混合物として存
在するキラル化合物である。トランスジアステレオマーは、高い効能の鎮痛剤と
して用いられる。 文献においてトランストラマドールおよびシストラマドールの命名法は混乱し
ている場合があり、一般においてはトラマドールの名称は該化合物の実質上純粋
なトランス型を意味するのに用いられるので、さらに混乱する。本出願の文脈に
おいてはしかし、トラマドールのトランス型ならびにトラマドールのシス型およ
びそのエナンチオマーは、以下のスキーム1の1aから1dとして示すものであ
る。
【0002】
現在、トラマドールは典型的には、以下のスキーム1に示すように3−メトキ
シフェニルマグネシウムブロマイドと2−[(ジメチルアミノ)メチル]シクロヘキ
サノン(2)のグリニャール反応により調製される。これより、シストラマドール
遊離塩基およびトランストラマドール遊離塩基の混合物が得られる。所望のトラ
ンスジアステレオマーを得るためのこの混合物の分離は、時間のかかる結晶化法
により達成することができる。US−A−3830934においては、ジオキサ
ンがこの分離のために溶媒として選択されている。この方法は、工程に必要な時
間が長いためコストがかかり、高い毒性の溶媒、ジオキサン(OSHAによるカ
テゴリー1の発癌物質)の使用は理想的でない。
シフェニルマグネシウムブロマイドと2−[(ジメチルアミノ)メチル]シクロヘキ
サノン(2)のグリニャール反応により調製される。これより、シストラマドール
遊離塩基およびトランストラマドール遊離塩基の混合物が得られる。所望のトラ
ンスジアステレオマーを得るためのこの混合物の分離は、時間のかかる結晶化法
により達成することができる。US−A−3830934においては、ジオキサ
ンがこの分離のために溶媒として選択されている。この方法は、工程に必要な時
間が長いためコストがかかり、高い毒性の溶媒、ジオキサン(OSHAによるカ
テゴリー1の発癌物質)の使用は理想的でない。
【0003】
トランスジアステレオマーを分離する他の方法が文献に開示されている。例え
ば、US−A−5414129では低分子量のアルコール中のグリニャール混合
物からトランストラマドールヒドロクロライドを結晶化している。しかし、この
方法は、不要なシスジアステレオマーを完全に除去するのに、結晶化を数回行わ
なければならない。同様に、US−A−5874620では無水酢酸などの求電
子試薬を用いて選択的にシスジアステレオマーと反応させ、次いで、所望のトラ
ンストラマドールを反応混合物から結晶化している。他の方法がUS−A−58
77351に開示されており、そこでは、臭化水素水を用いてトランストラマド
ールヒドロブロマイドを選択的に結晶化している。これは次いでヒドロクロライ
ド塩への変換を要する。
ば、US−A−5414129では低分子量のアルコール中のグリニャール混合
物からトランストラマドールヒドロクロライドを結晶化している。しかし、この
方法は、不要なシスジアステレオマーを完全に除去するのに、結晶化を数回行わ
なければならない。同様に、US−A−5874620では無水酢酸などの求電
子試薬を用いて選択的にシスジアステレオマーと反応させ、次いで、所望のトラ
ンストラマドールを反応混合物から結晶化している。他の方法がUS−A−58
77351に開示されており、そこでは、臭化水素水を用いてトランストラマド
ールヒドロブロマイドを選択的に結晶化している。これは次いでヒドロクロライ
ド塩への変換を要する。
【0004】
本願出願人は、同じく出願中のWO−A−0032554パンフレットに示し
ているように、O,O−ジ−p−トルオイル酒石酸(DTTA)の実質上単一のエ
ナンチオマーがトラマドールのジアステレオマーを分離するのに有効であり、実
際、全4つの可能なエナンチオマーの混合物からトランストラマドールの単一の
エナンチオマーを分離することができることを見出している。これは、先行文献
で開示されている方法よりも能率がよく、かつ経済的な方法であって、時間のか
かる結晶化によりトランスおよびシストラマドールを初期段階で分離することを
要しない方法を提供するものである。
ているように、O,O−ジ−p−トルオイル酒石酸(DTTA)の実質上単一のエ
ナンチオマーがトラマドールのジアステレオマーを分離するのに有効であり、実
際、全4つの可能なエナンチオマーの混合物からトランストラマドールの単一の
エナンチオマーを分離することができることを見出している。これは、先行文献
で開示されている方法よりも能率がよく、かつ経済的な方法であって、時間のか
かる結晶化によりトランスおよびシストラマドールを初期段階で分離することを
要しない方法を提供するものである。
【0005】
(発明の概要)
驚くべきことに、O,O−ジ−p−トルオイル酒石酸が、トラマドールのジア
ステレオマーを分離するのに有効な唯一のキラル分割剤ではないことが今回見出
された。つまり、本発明の一態様によれば、トランス(RR,SS)トラマドール
およびシス(RS,SR)トラマドールを分離する方法は、古典的な塩分割であっ
て、酒石酸ならびにその誘導体およびマンデル酸から選択されるキラル分割剤、
ただし、該分割剤は実質上単一のエナンチオマー、ジ−O,O−ジ−p−トルオ
イル酒石酸ではない、を用いるものを含む。
ステレオマーを分離するのに有効な唯一のキラル分割剤ではないことが今回見出
された。つまり、本発明の一態様によれば、トランス(RR,SS)トラマドール
およびシス(RS,SR)トラマドールを分離する方法は、古典的な塩分割であっ
て、酒石酸ならびにその誘導体およびマンデル酸から選択されるキラル分割剤、
ただし、該分割剤は実質上単一のエナンチオマー、ジ−O,O−ジ−p−トルオ
イル酒石酸ではない、を用いるものを含む。
【0006】
本発明のさらなる態様によれば、請求項に記載するように、トランストラマド
ールおよびシストラマドールの混合物のジアステレオマー過剰率(DE)を増す方
法およびトランストラマドールのエナンチオマーを分離する方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、トラマドールの新規ジアステレオマー塩が提
供される。
ールおよびシストラマドールの混合物のジアステレオマー過剰率(DE)を増す方
法およびトランストラマドールのエナンチオマーを分離する方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、トラマドールの新規ジアステレオマー塩が提
供される。
【0007】
(発明の記載)
トランストラマドールおよびシストラマドールの混合物を分離する方法におい
て、分割剤はラセミ体の形態で用いられても、実質上単一のエナンチオマーの形
態で用いられてもよい。 酒石酸およびその誘導体が本発明において特に有用であることが見出された。
好ましい分割剤には、O,O−ジベンゾイル酒石酸(DBTA)、酒石酸(TA)お
よびジベンゾイル酒石酸モノ(ジエチルアミド)(DBTAM)が含まれる。ラセミ
体のO,O−ジ−p−トルオイル−酒石酸も、トラマドールのジアステレオマー
を分離するのに有用であり得る。
て、分割剤はラセミ体の形態で用いられても、実質上単一のエナンチオマーの形
態で用いられてもよい。 酒石酸およびその誘導体が本発明において特に有用であることが見出された。
好ましい分割剤には、O,O−ジベンゾイル酒石酸(DBTA)、酒石酸(TA)お
よびジベンゾイル酒石酸モノ(ジエチルアミド)(DBTAM)が含まれる。ラセミ
体のO,O−ジ−p−トルオイル−酒石酸も、トラマドールのジアステレオマー
を分離するのに有用であり得る。
【0008】
O,O−ジベンゾイル酒石酸および酒石酸はそれぞれ、トランストラマドール
のエナンチオマーを分離するのに有効であるとして、先行文献に開示されている
。例えば、US−A−5723668は、トランスジアステレオマーを分割する
ためのL−(+)−酒石酸の使用を示す。しかし、WO−A−0032554に記
載しているように、出願人の試験によれば、US−A−5723668に示され
ている結果は再現されなかった。さらに、US−A−3830934はトランス
トラマドールのための分割剤としてのO,O−ジベンゾイル−D−酒石酸の使用
を開示するが、この分割剤または酒石酸のいずれに関しても、それがトランスジ
アステレオマーおよびシスジアステレオマーの混合物を分割するのに有用である
との示唆はない。
のエナンチオマーを分離するのに有効であるとして、先行文献に開示されている
。例えば、US−A−5723668は、トランスジアステレオマーを分割する
ためのL−(+)−酒石酸の使用を示す。しかし、WO−A−0032554に記
載しているように、出願人の試験によれば、US−A−5723668に示され
ている結果は再現されなかった。さらに、US−A−3830934はトランス
トラマドールのための分割剤としてのO,O−ジベンゾイル−D−酒石酸の使用
を開示するが、この分割剤または酒石酸のいずれに関しても、それがトランスジ
アステレオマーおよびシスジアステレオマーの混合物を分割するのに有用である
との示唆はない。
【0009】
本発明に有用な他のキラル酸はマンデル酸(MAN)である。マンデル酸を用い
るトランストラマドールのエナンチオマーの分割は、Elsing et al, Arch. Phar
m. (1991) 324,719により最初に開示されているが、用いられる反応条件の詳細
については記載されていない。次いで、Itov et al, Org. Proc. Res. Dev. (20
00) 4: 291-294は、Elsingらの仕事は再現性がないことを報告した。代わりに、
Itovらは、トラマドールエナンチオマーを完全に分離するためにはマンデル酸塩
を形成した後分解し、3回以上塩を再形成しなければならないことを見出した。
これは理想的ではない。加えて、マンデル酸がトラマドールのトランスジアステ
レオマーおよびシスジアステレオマーの分離に有用である可能性があることは示
唆されていない。
るトランストラマドールのエナンチオマーの分割は、Elsing et al, Arch. Phar
m. (1991) 324,719により最初に開示されているが、用いられる反応条件の詳細
については記載されていない。次いで、Itov et al, Org. Proc. Res. Dev. (20
00) 4: 291-294は、Elsingらの仕事は再現性がないことを報告した。代わりに、
Itovらは、トラマドールエナンチオマーを完全に分離するためにはマンデル酸塩
を形成した後分解し、3回以上塩を再形成しなければならないことを見出した。
これは理想的ではない。加えて、マンデル酸がトラマドールのトランスジアステ
レオマーおよびシスジアステレオマーの分離に有用である可能性があることは示
唆されていない。
【0010】
用いる分割剤により、異なる結果が得られる。分割剤が酒石酸またはO,O−
ジベンゾイル酒石酸モノ(ジ−エチルアミド)である場合、分割剤がラセミ体形態
で用いられるか、エナンチオマー形態で用いられるかに関わらず、結晶化により
ジアステレオマー塩形態で(+/−)−トランストラマドールがラセミ体の(+/
−)−シストラマドールから分離する。酒石酸の場合、経済的理由から、L−酒
石酸を分割剤として用いることが好ましい。
ジベンゾイル酒石酸モノ(ジ−エチルアミド)である場合、分割剤がラセミ体形態
で用いられるか、エナンチオマー形態で用いられるかに関わらず、結晶化により
ジアステレオマー塩形態で(+/−)−トランストラマドールがラセミ体の(+/
−)−シストラマドールから分離する。酒石酸の場合、経済的理由から、L−酒
石酸を分割剤として用いることが好ましい。
【0011】
得られるジアステレオマー塩、またはこの塩を分解して得られるラセミ体のト
ランストラマドール遊離塩基は次いで、常套法のいずれかにより、または以下に
記載する他の分割剤の一つを用いることにより、エナンチオマーのトランストラ
マドールに分離することができる。 これらの分割剤(すなわち、TAおよびDBTAM)のそれぞれは、トランスト
ラマドールおよびシストラマドールの混合物のジアステレオマー過剰率を増すの
にも有用である。
ランストラマドール遊離塩基は次いで、常套法のいずれかにより、または以下に
記載する他の分割剤の一つを用いることにより、エナンチオマーのトランストラ
マドールに分離することができる。 これらの分割剤(すなわち、TAおよびDBTAM)のそれぞれは、トランスト
ラマドールおよびシストラマドールの混合物のジアステレオマー過剰率を増すの
にも有用である。
【0012】
O,O−ジ−p−トルオイル酒石酸同様、実質上単一のエナンチオマーO,O−
ジベンゾイル酒石酸は、全4つの可能なエナンチオマーの混合物からトランスト
ラマドールの単一エナンチオマーを分離するのに有効である。実質上単一のエナ
ンチオマーO,O−ジベンゾイル−D−酒石酸を分割剤として用いる場合、(+)
−トランストラマドール(スキーム1の1a)が他の3つのエナンチオマーから分
離する。実質上単一のエナンチオマーO,O−ジベンゾイル−L−酒石酸を分割
剤として用いる場合、(−)−トランストラマドール(スキーム1の1b)が分離す
る。ラセミ体のO,O−ジベンゾイル酒石酸を用いる場合、(+/−)−トランス
トラマドールが分離する。
ジベンゾイル酒石酸は、全4つの可能なエナンチオマーの混合物からトランスト
ラマドールの単一エナンチオマーを分離するのに有効である。実質上単一のエナ
ンチオマーO,O−ジベンゾイル−D−酒石酸を分割剤として用いる場合、(+)
−トランストラマドール(スキーム1の1a)が他の3つのエナンチオマーから分
離する。実質上単一のエナンチオマーO,O−ジベンゾイル−L−酒石酸を分割
剤として用いる場合、(−)−トランストラマドール(スキーム1の1b)が分離す
る。ラセミ体のO,O−ジベンゾイル酒石酸を用いる場合、(+/−)−トランス
トラマドールが分離する。
【0013】
マンデル酸は、O,O−ジベンゾイル酒石酸と同様の様式で作用する。ラセミ
体のマンデル酸を用いる場合、結果として、シストラマドールジアステレオマー
からトランストラマドールジアステレオマーが分離する。しかし、マンデル酸の
実質上単一のエナンチオマーのいずれかを用いる場合には、単一のトランストラ
マドールエナンチオマーが、可能な全4つのエナンチオマーから分離し得る。例
えば、分割剤として実質上単一のエナンチオマー(−)マンデル酸を用いると、(
−)トランストラマドール.(−)−マンデル酸塩の沈殿が生じ、母液に反対のトラ
ンスエナンチオマーが残る。本分割により、本レベルの光学純度を得るのに4回
以上の結晶化が必要とされるItovらにより報告されている分割法に比して、2回
の結晶化で、99%以上のエナンチオマー過剰率でトラマドールを得ることがで
きる。
体のマンデル酸を用いる場合、結果として、シストラマドールジアステレオマー
からトランストラマドールジアステレオマーが分離する。しかし、マンデル酸の
実質上単一のエナンチオマーのいずれかを用いる場合には、単一のトランストラ
マドールエナンチオマーが、可能な全4つのエナンチオマーから分離し得る。例
えば、分割剤として実質上単一のエナンチオマー(−)マンデル酸を用いると、(
−)トランストラマドール.(−)−マンデル酸塩の沈殿が生じ、母液に反対のトラ
ンスエナンチオマーが残る。本分割により、本レベルの光学純度を得るのに4回
以上の結晶化が必要とされるItovらにより報告されている分割法に比して、2回
の結晶化で、99%以上のエナンチオマー過剰率でトラマドールを得ることがで
きる。
【0014】
O,O−ジベンゾイル酒石酸およびマンデル酸のそれぞれの実質上単一のエナ
ンチオマーは、トランストラマドールの単一のエナンチオマーを全4つの可能な
エナンチオマーの混合物から分離するのに有効であるので、これらの分割剤は、
トランストラマドールのエナンチオマーを分離しなければならない方法、例えば
トランスおよびシストラマドールジアステレオマーがこれまで他の方法により分
離されていた方法においてさらに有用である。
ンチオマーは、トランストラマドールの単一のエナンチオマーを全4つの可能な
エナンチオマーの混合物から分離するのに有効であるので、これらの分割剤は、
トランストラマドールのエナンチオマーを分離しなければならない方法、例えば
トランスおよびシストラマドールジアステレオマーがこれまで他の方法により分
離されていた方法においてさらに有用である。
【0015】
本発明によれば、分割剤の組み合わせを用いることも可能であり、例えば、こ
れにより経済的観点において利点が得られる。特に、マンデル酸は、トラマドー
ルジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーを分離するのに有用であると
我々が認めている他の分割剤と比較して、相対的に安価な物質である。特に有益
である可能性のある分割剤の一の可能な組み合わせは、O,O−ジ−p−トルオ
イル酒石酸の後にマンデル酸を用いるものである。例えば、(+)−O,O−ジ−
p−トルオイル酒石酸を用いてジアステレオマーのトランストラマドールまたは
エナンチオマーのトランストラマドールを分割して、(+)−トランストラマドー
ル.(+)−ジトルオイル酒石酸塩の沈殿を得てよい。(−)−トランストラマドー
ルエナンチオマーに富む母液を次いで分留し、次いで(−)−マンデル酸で処理し
て、種晶添加にて(−)−トランストラマドール.(−)−マンデル酸塩を得てもよ
い。分割剤の他の組み合わせも考慮してよい。
れにより経済的観点において利点が得られる。特に、マンデル酸は、トラマドー
ルジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーを分離するのに有用であると
我々が認めている他の分割剤と比較して、相対的に安価な物質である。特に有益
である可能性のある分割剤の一の可能な組み合わせは、O,O−ジ−p−トルオ
イル酒石酸の後にマンデル酸を用いるものである。例えば、(+)−O,O−ジ−
p−トルオイル酒石酸を用いてジアステレオマーのトランストラマドールまたは
エナンチオマーのトランストラマドールを分割して、(+)−トランストラマドー
ル.(+)−ジトルオイル酒石酸塩の沈殿を得てよい。(−)−トランストラマドー
ルエナンチオマーに富む母液を次いで分留し、次いで(−)−マンデル酸で処理し
て、種晶添加にて(−)−トランストラマドール.(−)−マンデル酸塩を得てもよ
い。分割剤の他の組み合わせも考慮してよい。
【0016】
分離工程は極めて単純である。典型的な例では、粗ラセミ体トランス/シスト
ラマドール、すなわち他のジアステレオマーが混入したものを、選択した分割剤
と適当な有機溶媒中で混合する。所望により、次いで、選択した分割剤由来の対
イオンを持つトラマドールのジアステレオマー塩を、該液体混合物に種晶として
添加してよい。そうでなければ、結晶化は自発的に進行する。マンデル酸を分割
剤して用いる場合、最適の結果が種晶添加により得られ、それゆえ、種晶添加は
好ましい。
ラマドール、すなわち他のジアステレオマーが混入したものを、選択した分割剤
と適当な有機溶媒中で混合する。所望により、次いで、選択した分割剤由来の対
イオンを持つトラマドールのジアステレオマー塩を、該液体混合物に種晶として
添加してよい。そうでなければ、結晶化は自発的に進行する。マンデル酸を分割
剤して用いる場合、最適の結果が種晶添加により得られ、それゆえ、種晶添加は
好ましい。
【0017】
典型的には、該工程を行う温度は用いる溶媒の沸点に依存する。しかし、通常
は、該工程を50℃から100℃、好ましくは50℃から80℃の範囲の温度で
行った後、生じた沈殿を単離するために、例えば25℃前後または25℃未満の
温度へと冷却する。反応混合物に種晶を添加する場合、これは典型的にはトラマ
ドールを分割剤と混合した直後に行い、その結果、高い温度で結晶の成長が達成
される。
は、該工程を50℃から100℃、好ましくは50℃から80℃の範囲の温度で
行った後、生じた沈殿を単離するために、例えば25℃前後または25℃未満の
温度へと冷却する。反応混合物に種晶を添加する場合、これは典型的にはトラマ
ドールを分割剤と混合した直後に行い、その結果、高い温度で結晶の成長が達成
される。
【0018】
沈殿した塩のジアステレオマー過剰率は、リスラリーおよびその後の再沈殿に
よりさらに高めることができる。さらに実質上単一のエナンチオマーO,O−ジ
ベンゾイル酒石酸またはマンデル酸のいずれを分割剤として用いる場合にも、所
望により、他のジアステレオマーを他のトランストラマドールエナンチオマーと
共に、母液のエバポレーションにて結晶化してもよい。
よりさらに高めることができる。さらに実質上単一のエナンチオマーO,O−ジ
ベンゾイル酒石酸またはマンデル酸のいずれを分割剤として用いる場合にも、所
望により、他のジアステレオマーを他のトランストラマドールエナンチオマーと
共に、母液のエバポレーションにて結晶化してもよい。
【0019】
分離後、単離したジアステレオマー塩は、遊離塩基、塩酸塩、またはいずれか
の他の医薬上許容される塩に、所望により常套法のいずれかにより変換してもよ
い。 本質的には、分離する、または濃縮する混合物に関わらず、同じ方法を用いる
。
の他の医薬上許容される塩に、所望により常套法のいずれかにより変換してもよ
い。 本質的には、分離する、または濃縮する混合物に関わらず、同じ方法を用いる
。
【0020】
本出願の文脈において、実質上単一のエナンチオマーは、典型的には、キラル
化合物の一のエナンチオマーが他のエナンチオマーに比べて少なくとも70重量
%の過剰率、好ましくは少なくとも90重量%の過剰率、およびより好ましくは
少なくとも95重量%の過剰率であることを意味する。 本出願において示す知見は、同出願人の同じく出願中のWO−A−00325
54パンフレットに開示されているものと合わせて、特定の適用のために所望さ
れるものによって、トラマドールの単一のジアステレオマーまたは単一のエナン
チオマーを得ることを可能とする分離法の範囲を規定するものである。
化合物の一のエナンチオマーが他のエナンチオマーに比べて少なくとも70重量
%の過剰率、好ましくは少なくとも90重量%の過剰率、およびより好ましくは
少なくとも95重量%の過剰率であることを意味する。 本出願において示す知見は、同出願人の同じく出願中のWO−A−00325
54パンフレットに開示されているものと合わせて、特定の適用のために所望さ
れるものによって、トラマドールの単一のジアステレオマーまたは単一のエナン
チオマーを得ることを可能とする分離法の範囲を規定するものである。
【0021】
本発明を以下の実施例を用いてさらに説明する。
実施例
実施例1 O,O−ジベンゾイル−L−酒石酸を用いる、イソプロパノール中で
の(+/−)−トランス/シストラマドールの分割 US−A−3830934に開示している方法に従い得られ、かつ82.7:1
7.3の比率でトランストラマドールおよびシストラマドールジアステレオマー
から成ることが示されている5.0gのラセミ体トラマドール遊離塩基(0.01
90mol)を10mlのイソプロパノールに取り分けた。この黄色溶液を、O,
O−ジベンゾイル−L−酒石酸((L)−(−)−DBTA)7.15g(0.0190
mol)のイソプロパノール溶液40mlに70℃にて添加した。(−)−トラン
ストラマドール.(L)−(−)−DBTAの種晶サンプルを添加し、50℃へと冷
却して結晶化を行った。分割物を25℃へと徐々に冷却し、約15時間以上置い
て結晶を熟成させた。
の(+/−)−トランス/シストラマドールの分割 US−A−3830934に開示している方法に従い得られ、かつ82.7:1
7.3の比率でトランストラマドールおよびシストラマドールジアステレオマー
から成ることが示されている5.0gのラセミ体トラマドール遊離塩基(0.01
90mol)を10mlのイソプロパノールに取り分けた。この黄色溶液を、O,
O−ジベンゾイル−L−酒石酸((L)−(−)−DBTA)7.15g(0.0190
mol)のイソプロパノール溶液40mlに70℃にて添加した。(−)−トラン
ストラマドール.(L)−(−)−DBTAの種晶サンプルを添加し、50℃へと冷
却して結晶化を行った。分割物を25℃へと徐々に冷却し、約15時間以上置い
て結晶を熟成させた。
【0022】
形成された多量の白色沈殿を濾過により集め、20mlのイソプロパノールで
洗浄した。これにより、乾燥後、2.50g(20.6%)の(−)−トランストラマ
ドール.ジ−ベンゾイル−L−酒石酸塩を90.0%のDE(キラルHPLC)で、
98.2:1.8のトランス/シス比で得た。この塩を12.5mlのイソプロパノ
ール中でリスラリーし、98.6%のDEで、2.11gの(−)−トランストラマ
ドール含有塩を84.4%の収率で得た。MP=146.4−148.1℃(DSC
)。 該分割からの母液をエバポレーションして、濃縮された(+)−トランストラマ
ドール.ジ−ベンゾイル−L−酒石酸塩(DE=44.6%、キラルHPLC)およ
び(+/−)−シストラマドール.ジ−ベンゾイル−L−酒石酸塩の、79.4:2
0.4のトランス:シス比での混合物から成るわずかに着色したオイル9.65g(
79.4%)を得た。
洗浄した。これにより、乾燥後、2.50g(20.6%)の(−)−トランストラマ
ドール.ジ−ベンゾイル−L−酒石酸塩を90.0%のDE(キラルHPLC)で、
98.2:1.8のトランス/シス比で得た。この塩を12.5mlのイソプロパノ
ール中でリスラリーし、98.6%のDEで、2.11gの(−)−トランストラマ
ドール含有塩を84.4%の収率で得た。MP=146.4−148.1℃(DSC
)。 該分割からの母液をエバポレーションして、濃縮された(+)−トランストラマ
ドール.ジ−ベンゾイル−L−酒石酸塩(DE=44.6%、キラルHPLC)およ
び(+/−)−シストラマドール.ジ−ベンゾイル−L−酒石酸塩の、79.4:2
0.4のトランス:シス比での混合物から成るわずかに着色したオイル9.65g(
79.4%)を得た。
【0023】
実施例2−(D)−(−)−酒石酸を用いる、エタノール/エチル酢酸中での(+/
−)−トランス/シストラマドールの分割 実施例1に記載したラセミ体のトラマドール遊離塩基(0.0114mol)3.
0gを10mlの無水エタノールに取り分けた。この黄色溶液を、(D)−(−)−
酒石酸1.71g(0.0114mol)のエチル酢酸溶液25ml中に75℃にて
添加した。(+/−)−トランストラマドール.(D)−(−)−酒石酸の種晶サンプ
ルを添加し、40℃へと冷却して結晶化を行った。分割混合液を徐々に25℃へ
と冷却し、約1時間半以上置いて結晶を熟成させた。
−)−トランス/シストラマドールの分割 実施例1に記載したラセミ体のトラマドール遊離塩基(0.0114mol)3.
0gを10mlの無水エタノールに取り分けた。この黄色溶液を、(D)−(−)−
酒石酸1.71g(0.0114mol)のエチル酢酸溶液25ml中に75℃にて
添加した。(+/−)−トランストラマドール.(D)−(−)−酒石酸の種晶サンプ
ルを添加し、40℃へと冷却して結晶化を行った。分割混合液を徐々に25℃へ
と冷却し、約1時間半以上置いて結晶を熟成させた。
【0024】
形成された多量の白色沈殿を濾過により集め、10mlのエチル酢酸で洗浄し
た。これにより、乾燥後、1.58g(33.5%)の(+/−)−トランストラマド
ール.(D)−(−)−酒石酸塩を<5.0%(キラルHPLC)のDEで、91.7:8
.3のトランス:シス比で得た。この塩を20mlのエチル酢酸中でリスラリーし
、1.24g(78.5%収率)の(+/−)−トランストラマドール含有塩を<5.
0%のDEおよび94.1:5.9のトランス:シス比で得た。これはMP=117
.1−129.2℃(DSC)であった。前記分割からの母液をエバポレーションし
て、わずかに着色したオイル3.13g(66.5%)を得た。
た。これにより、乾燥後、1.58g(33.5%)の(+/−)−トランストラマド
ール.(D)−(−)−酒石酸塩を<5.0%(キラルHPLC)のDEで、91.7:8
.3のトランス:シス比で得た。この塩を20mlのエチル酢酸中でリスラリーし
、1.24g(78.5%収率)の(+/−)−トランストラマドール含有塩を<5.
0%のDEおよび94.1:5.9のトランス:シス比で得た。これはMP=117
.1−129.2℃(DSC)であった。前記分割からの母液をエバポレーションし
て、わずかに着色したオイル3.13g(66.5%)を得た。
【0025】
実施例4 O,O−ジベンゾイル−L−酒石酸モノ(ジエチルアミド)を用いる、
エチル酢酸中での(+/−)−トランス/シストラマドールの分割 US−A−3830934に開示されている方法に従い得られ、かつ82.7:
17.3の比率のトランス型およびシス型から成ることが示されている5.0gの
ラセミ体トラマドール遊離塩基(0.0190mol)を45mlのエチル酢酸に
取り分けた。この黄色溶液を、ジベンゾイル−L−酒石酸モノ(ジエチルアミド)
((L)−(−)−DBTA)7.32g(0.0190mol)のエチル酢酸溶液45m
lに70℃にて添加した。(−)−トランストラマドール.(L)−(−)−DBTA
の種晶サンプルを添加し、40℃へと冷却して結晶化を行った。分割物を25℃
へと徐々に冷却し、約2時間以上置いて結晶を熟成させた。
エチル酢酸中での(+/−)−トランス/シストラマドールの分割 US−A−3830934に開示されている方法に従い得られ、かつ82.7:
17.3の比率のトランス型およびシス型から成ることが示されている5.0gの
ラセミ体トラマドール遊離塩基(0.0190mol)を45mlのエチル酢酸に
取り分けた。この黄色溶液を、ジベンゾイル−L−酒石酸モノ(ジエチルアミド)
((L)−(−)−DBTA)7.32g(0.0190mol)のエチル酢酸溶液45m
lに70℃にて添加した。(−)−トランストラマドール.(L)−(−)−DBTA
の種晶サンプルを添加し、40℃へと冷却して結晶化を行った。分割物を25℃
へと徐々に冷却し、約2時間以上置いて結晶を熟成させた。
【0026】
形成された多量の白色沈殿を濾過により集め、20mlのエチル酢酸で洗浄し
た。これにより、乾燥後、97.7:2.3のトランス/シス比で2.50g(20.
6%)の(−)−トラマドール.ジ−ベンゾイル−L−酒石酸モノ(ジエチルアミド)
を<5.0%のDE(キラルHPLC)で、97.7:2.3のトランス:シス比で得
た。該分割からの母液をエバポレーションして、(+)−トラマドール.ジ−ベン
ゾイル−L−酒石酸モノ(ジエチルアミド)から成るわずかに着色したオイル9.
65g(79.4%)をDE=60.8%(キラルHPLC)および31.8:68.2
のトランス:シス比で得た。
た。これにより、乾燥後、97.7:2.3のトランス/シス比で2.50g(20.
6%)の(−)−トラマドール.ジ−ベンゾイル−L−酒石酸モノ(ジエチルアミド)
を<5.0%のDE(キラルHPLC)で、97.7:2.3のトランス:シス比で得
た。該分割からの母液をエバポレーションして、(+)−トラマドール.ジ−ベン
ゾイル−L−酒石酸モノ(ジエチルアミド)から成るわずかに着色したオイル9.
65g(79.4%)をDE=60.8%(キラルHPLC)および31.8:68.2
のトランス:シス比で得た。
【0027】
実施例5 (D)−(−)−マンデル酸を用いる、イソ−プロピル酢酸中での(+/
−)−トランス/シストラマドールの分割 US−A−3830934に開示されている方法に従い得られ、かつ82.3:
17.7の比率のトランスおよびシストラマドールから成ることが示されている
6.64gのラセミ体トラマドール遊離塩基(0.0190mol)を30mlのイ
ソプロピル酢酸に取り分けた。この黄色溶液を、(D)−(−)マンデル酸((D)−(
−)−MAN)7.32g(0.0190mol)のイソプロピル酢酸溶液30mlに
70℃にて添加した。(−)−トラマドール.(D)−(−)−MANの種晶サンプル
を添加し、35℃へと冷却して結晶化を行った。該分割液を15℃へと徐々に冷
却し、約16時間以上置いて結晶を熟成させた。
−)−トランス/シストラマドールの分割 US−A−3830934に開示されている方法に従い得られ、かつ82.3:
17.7の比率のトランスおよびシストラマドールから成ることが示されている
6.64gのラセミ体トラマドール遊離塩基(0.0190mol)を30mlのイ
ソプロピル酢酸に取り分けた。この黄色溶液を、(D)−(−)マンデル酸((D)−(
−)−MAN)7.32g(0.0190mol)のイソプロピル酢酸溶液30mlに
70℃にて添加した。(−)−トラマドール.(D)−(−)−MANの種晶サンプル
を添加し、35℃へと冷却して結晶化を行った。該分割液を15℃へと徐々に冷
却し、約16時間以上置いて結晶を熟成させた。
【0028】
形成された多量の白色沈殿を濾過により集め、10mlのイソプロピル酢酸で
洗浄した。これにより、乾燥後、3.61g(35.3%)の(−)−トラマドール.(
D)−(−)マンデル酸塩を93.6%のDE(キラルHPLC)で、97.8:2.2
のトランス:シス比で得た。 該分割からの母液をエバポレーションして、(+)−トランストラマドール.ジ
−ベンゾイル−L−酒石酸モノ(ジエチルアミド)から成るわずかに着色したオイ
ル6.61g(64.7%)を、DE=33.4%(キラルHPLC)および72.6:
27.4のトランス:シス比で得た。この塩を遊離塩基に分解し、4.18gの黄
色オイルを得た。これを40mlのイソプロピル酢酸に取り分け、この溶液に2
.42gの(L)−(+)−マンデル酸を50℃にて添加した。20℃へと冷却し、(
+)−トラマドール.(L)−(+)−マンデル酸塩のサンプルを種晶添加して、結晶
化を行った。分割物を15℃へと冷却し、次いで16時間攪拌した。形成した沈
殿を濾過により集め、10mlのイソ−プロピル酢酸で洗浄した。これにより、
3.32g(50.3%)の(+)−トラマドール.(L)−(+)マンデル酸塩を、DE
=90.6%(キラルHPLC)、95.7:4.3のトランス:シス比で得た。
洗浄した。これにより、乾燥後、3.61g(35.3%)の(−)−トラマドール.(
D)−(−)マンデル酸塩を93.6%のDE(キラルHPLC)で、97.8:2.2
のトランス:シス比で得た。 該分割からの母液をエバポレーションして、(+)−トランストラマドール.ジ
−ベンゾイル−L−酒石酸モノ(ジエチルアミド)から成るわずかに着色したオイ
ル6.61g(64.7%)を、DE=33.4%(キラルHPLC)および72.6:
27.4のトランス:シス比で得た。この塩を遊離塩基に分解し、4.18gの黄
色オイルを得た。これを40mlのイソプロピル酢酸に取り分け、この溶液に2
.42gの(L)−(+)−マンデル酸を50℃にて添加した。20℃へと冷却し、(
+)−トラマドール.(L)−(+)−マンデル酸塩のサンプルを種晶添加して、結晶
化を行った。分割物を15℃へと冷却し、次いで16時間攪拌した。形成した沈
殿を濾過により集め、10mlのイソ−プロピル酢酸で洗浄した。これにより、
3.32g(50.3%)の(+)−トラマドール.(L)−(+)マンデル酸塩を、DE
=90.6%(キラルHPLC)、95.7:4.3のトランス:シス比で得た。
【0029】
実施例中、トラマドールのトランス:シス比はPhenomenex Luna2 C18(100×4.6
mm)5μmカラムにてHPLCを用いて測定した。勾配系を、210nmでの検
出と共に用いた。サンプルは、10mlのジクロロメタン中に〜20mgの該ジ
アステレオマーを溶解し、ついで2NのNAOHの間に分配することにより調製
した。有機相を取り出し、水で洗浄し、次いでMgSO4にて乾燥させた。ジク
ロロメタン溶液を乾燥状態まで濃縮し、次いで生じたサンプルを20:80のア
セトニトリル:水に回収した。 DEは、Chiralpak AC(250×4.6mm)5μmカラム、移動層95:5イソプロパ
ノール:0・1%ジエチルアミドのヘプタン溶液を1分当たり1mlの流速およ
び273nmにおける検出で用いて、分解した塩に関してキラルHPLCにより
測定した。
mm)5μmカラムにてHPLCを用いて測定した。勾配系を、210nmでの検
出と共に用いた。サンプルは、10mlのジクロロメタン中に〜20mgの該ジ
アステレオマーを溶解し、ついで2NのNAOHの間に分配することにより調製
した。有機相を取り出し、水で洗浄し、次いでMgSO4にて乾燥させた。ジク
ロロメタン溶液を乾燥状態まで濃縮し、次いで生じたサンプルを20:80のア
セトニトリル:水に回収した。 DEは、Chiralpak AC(250×4.6mm)5μmカラム、移動層95:5イソプロパ
ノール:0・1%ジエチルアミドのヘプタン溶液を1分当たり1mlの流速およ
び273nmにおける検出で用いて、分解した塩に関してキラルHPLCにより
測定した。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I
T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF
,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,
ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G
M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ
,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,
MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,
AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B
Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE
,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,
GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK
,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,
MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P
T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL
,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,
UZ,VN,YU,ZA,ZW
Claims (19)
- 【請求項1】 古典的な塩分割であって、酒石酸ならびにその誘導体および
マンデル酸から選択されるキラル分割剤、ただし、分割剤は実質上単一のエナン
チオマーO,O−ジ−p−トルオイル酒石酸ではない、を用いるものを含む、ト
ランス(RR,SS)およびシス(RS,SR)トラマドールの混合物の分離法。 - 【請求項2】 分割剤として実質上単一のエナンチオマーを用いる、請求項
1記載の方法。 - 【請求項3】 分割剤が酒石酸である、請求項1または請求項2記載の方法
。 - 【請求項4】 分割剤がO,O−ジベンゾイル酒石酸である、請求項1また
は請求項2記載の方法。 - 【請求項5】 O,O−ジベンゾイル−L−酒石酸を分割剤として用いる請
求項4記載の方法。 - 【請求項6】 O,O−ジベンゾイル−D−酒石酸を分割剤として用いる請
求項4記載の方法。 - 【請求項7】 ジ−ベンゾイル酒石酸モノ(ジエチルアミド)を分割剤として
用いる請求項1または請求項2記載の方法。 - 【請求項8】 マンデル酸を分割剤として用いる請求項1または請求項2記
載の方法。 - 【請求項9】 実質上単一のエナンチオマー(−)−マンデル酸を分割剤とし
て用いる、請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 実質上単一のエナンチオマー(+)−マンデル酸を分割剤と
して用いる、請求項8記載の方法。 - 【請求項11】 古典的な塩分割であって、請求項3または請求項7に示す
分割剤を用いるものを含む、トランス(RR,SS)およびシス(RS,SR)トラマ
ドールの混合物のジアステレオマー過剰率を増す方法。 - 【請求項12】 請求項3または請求項7に示す方法を行ってラセミ体のト
ランストラマドールおよびラセミ体のシストラマドールを分離し、次いでラセミ
体のトランストラマドールをその個々のエナンチオマーに分割することを含む、
トランス(RR,SS)トラマドールの実質上単一のエナンチオマーを調製する方
法。 - 【請求項13】 古典的な塩分割であって請求項4〜6および8のいずれか
に示す分割剤を用いるものを含む、トランス(RR,SS)トラマドールのエナン
チオマーを分離する方法。 - 【請求項14】 分割剤としてマンデル酸を用いる古典的塩分割であって、
トランストラマドールまたはシストラマドールおよびマンデル酸の混合物に、ト
ラマドール.マンデル酸ジアステレオマー塩を種晶添加することを含むものを含
む、トランス(RR,SS)トラマドールのエナンチオマーを分離する方法。 - 【請求項15】 (i)分割剤としてO,O−ジ−p−トルオイル酒石酸を用い
、次いで生じた沈殿を母液から分離する、第一の古典的塩分割; (ii)母液を分留してトラマドール遊離塩基を得ること; (iii)分割剤としてマンデル酸を用い、次いで生じた沈殿を回収する、分留した
母液の第二の古典的塩分割 を含む、トランス(RR,SS)およびシス(RS,SR)トラマドールの混合物を分
離する方法。 - 【請求項16】 ステップ(iii)の第二の古典的塩分割が母液をマンデル酸
と混合し、次いで生じた混合物にトラマドール.マンデル酸ジアステレオマー塩
を種晶添加することを含む、請求項15記載の方法。 - 【請求項17】 ステップ(i)および(iii)それぞれにおいて、実質上単一の
エナンチオマーO,O−ジ−p−トルオイル酒石酸および実質上単一のエナンチ
オマーマンデル酸を用いる、請求項15または請求項16に記載の方法。 - 【請求項18】 ステップ(i)の古典的塩分割において(+)−O,O−ジ−p
−トルオイル酒石酸を分割剤として用いて、沈殿として(+)−トラマドール.(+
)−O,O−ジ−p−トルオイル酒石酸塩を得、ステップ(iii)の古典的塩分割に
おいて、(−)−マンデル酸を分割剤として用いて、沈殿として(−)−トラマドー
ル.(−)−マンデル酸塩を得る、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。 - 【請求項19】 請求項1に示した分割剤により提供される対イオンを有す
るトラマドールのジアステレオマー塩。
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GBGB0010437.2A GB0010437D0 (en) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | Process |
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PCT/GB2001/001194 WO2001083422A1 (en) | 2000-04-28 | 2001-03-19 | Process for the separation of the cis trans diastereoisomers of tramadol |
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JP2010508240A (ja) * | 2006-07-24 | 2010-03-18 | グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | (1r,2r)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)−フェノールの製造方法 |
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ES2264378B1 (es) * | 2005-05-09 | 2007-11-01 | Ragactives, S.L. | Procedimiento para la resolucion de 2-amino-6propilamino-4,5,6,7-tetrahidrobenzotiazol y compuestos intermedios. |
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EP2024349B1 (en) | 2006-05-31 | 2017-08-02 | AbbVie Inc. | Compounds as cannabinoid receptor ligands and uses thereof |
US8841334B2 (en) | 2006-05-31 | 2014-09-23 | Abbvie Inc. | Compounds as cannabinoid receptor ligands and uses thereof |
EP2142522A1 (en) | 2007-03-28 | 2010-01-13 | Abbott Laboratories | 1, 3-thiazol-2 (3h) -ylidene compounds as cannabinoid receptor ligands |
US7872033B2 (en) | 2007-04-17 | 2011-01-18 | Abbott Laboratories | Compounds as cannabinoid receptor ligands |
JP2010527929A (ja) | 2007-05-18 | 2010-08-19 | アボット・ラボラトリーズ | カンナビノイド受容体リガンドとしての新規な化合物 |
US9193713B2 (en) | 2007-10-12 | 2015-11-24 | Abbvie Inc. | Compounds as cannabinoid receptor ligands |
US8846730B2 (en) | 2008-09-08 | 2014-09-30 | Abbvie Inc. | Compounds as cannabinoid receptor ligands |
PE20110804A1 (es) | 2008-09-16 | 2011-11-30 | Abbott Lab | Compuestos novedosos como ligandos de receptores de cannabinoides |
PA8854001A1 (es) | 2008-12-16 | 2010-07-27 | Abbott Lab | Compuestos novedosos como ligandos de receptores de canabinoides |
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IL116281A (en) * | 1995-12-07 | 1999-06-20 | Chemagis Ltd | Process for the purification of (rr,ss)-2-dimethylaminomethyl-1-(3-methoxyphenyl) cyclohexanol and its salts |
GB9826540D0 (en) * | 1998-12-02 | 1999-01-27 | Darwin Discovery Ltd | Process |
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