JP2003531245A

JP2003531245A - 有機セタン向上剤

Info

Publication number: JP2003531245A
Application number: JP2001577382A
Authority: JP
Inventors: エル．ジョーダンフレデリック
Original assignee: オリックスエナージーインターナショナル，インコーポレイティッド
Priority date: 2000-04-14
Filing date: 2001-04-12
Publication date: 2003-10-21
Also published as: US20020194778A1; CN1483071A; BR0110033A; AU2001257607B2; MXPA02009999A; AU5760701A; US6638324B2; EP1290113A4; EP1290113A1; CN1215151C; CA2406489A1; ZA200209245B; WO2001079398A1

Abstract

(57)【要約】ここで記載される本発明の実施態様は、燃料中のセタンの量を増加させる。不活性雰囲気中で調製されたβ−カロテンを含むセタン向上剤と同様に、そのような組成物を調製する方法も記載される。好ましい組成物は、セタン向上剤を含むNo. 2ディーゼル燃料であり、このセタン向上剤は不活性雰囲気中で調製されたβ−カロテンを含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】発明の分野本発明は、一般に、燃料中のセタンの量を増加させるための組成物及び方法に
関する。より具体的には、不活性雰囲気中で調製されたβ−カロテンを含む燃料
添加剤を混合させることにより、燃料中のセタンの量を増加させることができる
ことが発見された。

【０００２】発明の背景我々の天然資源が減少し、燃料のコストが上がり続けるにつれて、燃料効率を
改善することへの関心は大きくなってきている。燃料効率は、燃料添加剤を加え
ることにより改善されることができる。存在する燃料添加剤のいくつかは、燃料
効率を増加させることで知られており、例えば、特許文献１、２及び３（米国特
許番号4,274,835、5,826,369および6,193,766）は燃焼を改善する燃料添加剤に
ついて記載している。これらの発明の成功にも関わらず、燃焼を改善する燃料添
加剤の必要性はまだ残っている。

【０００３】

【特許文献１】米国特許番号4,274,835

【０００４】

【特許文献２】米国特許番号5,826,369

【０００５】

【特許文献３】米国特許番号6,193,766

【０００６】発明の概要ここで記載される本発明の実施態様は、燃料中のセタンの量を増加させる燃料
添加剤及びその使用方法に関する。１つの実施態様において、例えば、燃料中の
セタンの量を改善する方法は、不活性雰囲気中で前記燃料に溶解させたβ−カロ
テンを加えるステップを含む。他の実施態様において、セタン向上剤は、不活性
雰囲気中で溶解させたβ−カロテンを提供すること、硝酸アルキルを提供するこ
と、及び該β−カロテンを該硝酸アルキルと混合することにより製造される。こ
の後者の実施態様の局面において、該硝酸アルキルは硝酸２−エチルへキシルで
あり、又は不活性雰囲気は窒素である。さらに、この後者のセタン向上剤を作る
方法は、該β−カロテンを該硝酸アルキルと混合させる前に、トルエンと該β−
カロテンを混合させるステップをさらに含むことができる。

【０００７】本発明の組成物は、例えば、上記の方法の１つにより作られたセタン向上剤、
又は酸素化されていない（non-oxygenated）β−カロテンを含むセタン向上剤を
含むことができる。これらのセタン向上剤実施態様は、硝酸アルキル及び／又は
トルエンを含むこともできる。さらに、いくつかの組成物において、該硝酸アル
キルは硝酸２−エチルへキシルである。本発明の好ましい実施態様は、上記のセ
タン向上剤の１つを含むＮｏ．２ディーゼル燃料である。

【０００８】発明の記載ここで記載される発明は、燃料中のセタンの量を増加させるための組成物及び
方法に関する。１つの実施態様において、セタン向上剤は、不活性雰囲気下で調
製されたβ−カロテンを含む。予想外に、不活性雰囲気中で溶解されたβ−カロ
テンは、慣用の方法により調製されたβ−カロテンより、Ｎｏ．２ディーゼル燃
料中のセタンのレベルをより効率良く上げ、上昇したセタンレベルをより長く維
持することが発見された。好ましい実施態様において、セタン向上剤は、不活性
雰囲気中で溶解させたβ−カロテンとトルエンキャリアおよび硝酸アルキル（例
えば、硝酸２−エチルへキシル）を混合させることにより調製される。ここで記
載された方法により調製された好ましいセタン向上剤は、Ｎｏ．２ディーゼル燃
料中のセタンレベルを相乗的に増加させた。

【０００９】好ましい形態において、セタン向上剤は、次の方法により処方されることがで
きる。不活性雰囲気下（例えば、窒素、ヘリウム、又はアルゴン）、４グラムの
β−カロテン（１グラム当りビタミンＡ活性の国際単位160万）を3.785リットル
の液体炭化水素キャリアトルエン中に加熱及び撹拌しながら溶解させる。溶解し
た、そうでなければ不活性雰囲気下で調製されたβ−カロテンを“酸素化されて
いないβ−カロテン”と呼ぶ。酸素化されていないβ−カロテンとトルエンの混
合物を、“Ｂ／Ｃ−トルエン溶液”と呼ぶ。およそ、946ミリリットルのＢ／Ｃ
−トルエン溶液が除去される。次に、およそ946ミリリットルの、硝酸２−エチ
ルへキシル（“２−ＥＨＮ”とも呼ばれる）100％溶液を、3.785リットルの全体
積を得るように、2.839リットルのＢ／Ｃ−トルエン溶液に加える。つまり、Ｂ
／Ｃ−トルエンの最初の体積のおよそ25％が除去され、同じ体積の硝酸２−エチ
ルへキシルにより置き換えられる。

【００１０】純粋な２−ＥＨＮが望ましいが、多様な硝酸アルキル及び品質もまた適してい
る。さらに、当業者は、他の硝酸アルキルは２−ＥＨＮと同等であり、従って置
き換えられることができると認識するであろう。望ましくは、セタン向上剤の多
くの異なる処方が作られ、そのそれぞれの処方が異なる硝酸アルキル又は１つよ
り多い硝酸アルキル及び／又は不活性雰囲気下で溶解させたβ−カロテンと相対
的なその割合を有する。これらの処方は、下記の方法により、Ｎｏ．２ディーゼ
ル燃料中のセタンレベルを上げるその能力を評価される。上記の実施態様におい
て、上記の順序で該原料を加えることが望ましい。しかしながら、他の実施態様
において、加える順序は多様であることができる。

【００１１】該Ｂ／Ｃ−トルエン−２−ＥＨＮ溶液は“濃縮セタン向上剤”の１つの実施態
様であり、“ＯＲ−ＣＴ”とも呼ばれる。Ｎｏ．２ディーゼル燃料中のセタンレ
ベルを改善するために、およそ0.1 ml〜35 mlの濃縮セタン向上剤が、Ｎｏ．２
ディーゼル燃料１ガロン当りに加えられる。好ましくは、Ｎｏ．２ディーゼル燃
料１ガロンに加えられる濃縮セタン向上剤の量は、約0.3 mlから約30 ml、より
望ましくは約0.5 mlから約25 ml、もっとより好ましくは、約0.75 mlから約20 m
l、さらにより好ましくは約1 mlから約15 ml、及び最も好ましくは約2 mlから約
12 mlの範囲にある。下記の実施例は、最初のセタンレベルにより測定される様
々な質のベースライン燃料に関し、よく認められているASTM D-613方法に従って
行われた試験の結果を与える。このデータは、ここで記載されたセタン向上剤は
、相乗的にＮｏ．２ディーゼル燃料中のセタンのレベルを改善することを実証し
ている。

【００１２】実施例１処方セタンレベルベースライン燃料No. 2ディーゼル 40.5 1057¹ ppm 2-EHN⁶のみを有するNo. 2ディーゼル 44.98 1057¹ ppm OR-CT³のみを有するNo. 2ディーゼル 43.04 528.5² ppm 2-EHN⁶ + 528.5² ppm OR-CT³混合物を有するNo. 2ディーゼル 45.39（+0.41）

【００１３】実施例２処方セタンレベルベースライン燃料No. 2ディーゼル 46.8 1057¹ ppm 2-EHN⁶のみを有するNo. 2ディーゼル燃料 52.75 1057¹ ppm OR-CT³のみを有するNo. 2ディーゼル燃料 50.81 528.5² ppm 2-EHN⁶ + 528.5² ppm OR-CT³混合物を有するNo. 2ディーゼル燃料 54.02（1.27）

【００１４】実施例３処方セタンレベルベースライン燃料No. 2ディーゼル 48.79 1057¹ ppm 2-EHN⁶のみを有するNo. 2ディーゼル燃料 53.18 1057¹ ppm OR-CT³のみを有するNo. 2ディーゼル燃料 51.13 528.5² ppm 2-EHN⁶ + 528.5² ppm OR-CT³混合物を有するNo. 2ディーゼル燃料 54.52（+1.34）

【００１５】実施例４処方セタンレベルベースライン燃料No. 2ディーゼル 40.5 300⁴ ppm 2-EHN⁶のみを有するNo. 2ディーゼル燃料 43.02 300⁴ ppm OR-CT³のみを有するNo. 2ディーゼル燃料 41.48 150⁵ ppm 2-EHN⁶ + 150³ppm OR-CT³混合物を有するNo. 2ディーゼル燃料 43.34（+0.32） ¹ ＝１ガロン当り４ミリリットル² ＝１ガロン当り２ミリリットル³ ＝１ｘ１０⁶IU β−カロテン⁴ ＝１ガロン当り1.14ミリリットル⁵ ＝１ガロン当り0.57ミリリットル⁶ ＝硝酸２−エチルへキシル

【００１６】本発明は、実施態様と実施例を参照しながら記載されているが、本発明の精神
から離れることなしに様々な修飾がなされることができることは、理解されるべ
きである。従って、本発明は、上記請求項のみにより制限される。ここで引用さ
れた参考文献全ては、これにより、言及されたことにより、それら全体で明白に
組み込まれている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】燃料中のセタンの量を改善する方法であって、不活性雰囲
気中で前記燃料に溶解させたβ−カロテンを加えるステップを含む、方法。
【請求項２】不活性雰囲気中で溶解させたβ−カロテンを提供すること
；硝酸アルキルを提供すること；及び該β−カロテンを該硝酸アルキルと混合することを含む、セタン向上剤の作製方法。
【請求項３】硝酸アルキルが硝酸２−エチルへキシルである請求項２の
方法。
【請求項４】不活性雰囲気が窒素である請求項２の方法。
【請求項５】該β−カロテンを該硝酸アルキルと混合させる前に、該β
−カロテンをトルエンと混合させるステップをさらに含む請求項２の方法。
【請求項６】請求項２の方法により製造されたセタン向上剤。
【請求項７】酸素化されていない（non-oxygenated）β−カロテンを含
むセタン向上剤。
【請求項８】さらに硝酸アルキルを含む請求項７のセタン向上剤。
【請求項９】さらにトルエンを含む請求項７又は８のセタン向上剤。
【請求項１０】硝酸アルキルが硝酸２−エチルへキシルである請求項８又
は９のセタン向上剤。
【請求項１１】請求項７のセタン向上剤を含むＮｏ．２ディーゼル燃料。