JP2003528131A - カチオン性リポソーム - Google Patents

カチオン性リポソーム

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イゴー ゴンダ
リモーナ マーガレット
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Abstract

(57)【要約】 本発明のカチオン性リポソーム製剤は、リポソーム表面に共有結合したグリコサミノグリカンを有する、核酸および遺伝子産物の送達装置を提供する。グリコサミノグリカンは、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、キチンおよびヘパリンを非制限的に含む、任意のグリコサミノグリカンでありうる。好ましくは、グリコサミノグリカンはヒアルロン酸である。本発明はまた、核酸リポソーム製剤の調製方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術の分野 本発明の分野は一般に、核酸との複合体形成のためのカチオン性リポソームの
使用を対象とする。このような複合体は、核酸および/または遺伝子産物を細胞
に導入するために用いられうる。
【0002】 発明の背景 外来遺伝子のインビトロおよびインビボでの送達および発現のために、数多く
の方法が用いられてきた。これらには、化学的方法(リン酸カルシウム沈殿、DE
AE-デキストラン、ポリブレン、中性またはアニオン性のリポソーム、カチオン
性リポソームおよび標的化されたポリリジン結合物など)、物理的方法(微量注
入法、電気穿孔法および遺伝子銃法)および生物的方法(ウイルスベクター)が
含まれる(Felgner(1993)J. Liposome Res.、3:3〜16)。
【0003】 実際的にみて、理想的な遺伝子送達ベクターは以下の特徴を備えているべきで
ある:(1)DNAを保護して細胞内に効率的に送達すること、好ましくは特定の細
胞種に対する特異性がある;(2)毒性がなく免疫原性がないこと;および(3)
大量生産が容易であること。現在に至るまで、これらの条件をすべて満たすベク
ター系は存在しない。
【0004】 例えば、アデノウイルスは遺伝子導入に関して効率の優れたベクターであり、
さまざまな種類の細胞を一過的に感染させることができる。遺伝子操作されたア
デノウイルスは宿主にとって比較的安全と考えられている(Rosenfeldら(1992
)Cell、68:143〜155;Engelhardtら(1994)Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91
:6196〜6200)。他の組換えウイルスベクターと比べて、アデノウイルスは大量
生産が比較的容易である。しかし、最近の前臨床試験および臨床試験で、その免
疫原性に関して重大な懸念が提起されている。宿主における、治療に関連した炎
症、中和抗体の産生およびウイルス特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)反応は、
このウイルスベクターを高用量で用いること、または反復投与を行うことの妨げ
になる場合がある(Crystalら(1994)Nature Genetics、8:42〜51)。
【0005】 レトロウイルスおよびアデノ随伴ウイルス(AAV)は、分裂細胞および分裂し
ないと考えられる細胞に対する効率的および安定的なトランスフェクションを媒
介する(Miller(1990)Hum Gene Ther、1:5;Kotin(1994)Hum Gene Ther、5
:793〜801)。しかし、いずれの系もウイルス価が比較的低いことが大きな技術
的限界となっている。
【0006】 安全性に関する懸念、および組換えウイルスベクターを大量に入手することの
困難さのために、効率的で、免疫原性がないまたはほとんどなく、調製が容易な
非ウイルス性ベクター系の探索が促された。中でも、カチオン性リポソームおよ
び標的化されたポリリジン結合物は最も有望である(Felgnerら(1991)Nature
、349:351〜352;Curielら(1991)Proc Natl Acad Sci USA、88:8850〜8854
)。
【0007】 リポソーム核酸の送達方法は数多く記載されている。米国特許第5,908,635号
は、遺伝子治療用のカチオン性リポポリアミンおよび中性脂質のリポソーム調製
物を記載している。米国特許第5,908,777号は、核酸を核酸/ポリカチオン複合
体の形に濃縮し、続いてアニオン性脂質調製物と複合体形成して脂質ベクターを
形成させることによる、核酸送達用の脂質ベクターの作製方法を記載している。
米国特許第5,783,566号は、膜結合プロテオグリカンの量を調節し、選択的にグ
リコサミノグリカンの血漿中濃度を調節することにより、カチオン性分子種と遺
伝物質との複合体によって媒介されるトランスフェクションの効率を調節するた
めの方法を記載している。米国特許第5,827,703号は、DNA発現カセット用カチオ
ン性脂質およびコレステロールを含む脂質担体の使用を記載している。
【0008】 リポソームを用いる方法は数多く存在するが、遺伝子治療に用いられる上記の
カチオン性リポソームDNA構築物には、毒性、免疫原性、マクロファージによる
食作用、標的化能力がないことを含め、重大な欠点が多い。さらに、肺への送達
に用いた場合、このような構築物は粘液線毛クリアランスを受けやすい。
【0009】 したがって、核酸および遺伝子産物の送達のための改良されたリポソームに対
する需要が存在する。本発明は、この需要および他の需要に対処するものである
【0010】 発明の概要 本発明のカチオン性リポソーム製剤は、(1)標的細胞に対する生体接着性(b
ioadhesivity)、(2)低い免疫原性、例えば、マクロファージ食作用に対する
耐性、および(3)リポソーム表面のカチオン性脂質の「マスキング」(この結
果、リポソームの性質は、異物としてではなく部分的または完全に自己として認
識されるように変化する)を特徴とする、核酸および遺伝子産物の送達装置を提
供する。本発明の生体接着性カチオン性リポソームは、リポソーム表面に共有結
合したグリコサミノグリカンを有する。グリコサミノグリカンは、ヒアルロン酸
、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、キチンおよびヘパリンを非制限的に含む
、任意のグリコサミノグリカンでありうる。好ましくは、グリコサミノグリカン
はヒアルロン酸である。本発明はまた、核酸-リポソーム製剤の調製方法も提供
する。
【0011】 本発明の生体接着性カチオン性リポソーム送達装置は、核酸および/または遺
伝子産物を細胞内に導入するための手段を提供し、これにより、さまざまな目的
で細胞に産物を投与するための方法を提供する。これらの送達装置は、医薬製剤
として、すなわち賦形剤担体とともに投与することができる。本発明は、全身投
与に有用な核酸の送達のための医薬用リポソーム製剤を提供し、分裂細胞におけ
る所定の遺伝子の長期的発現を提供する。
【0012】 生体接着性カチオン性リポソームは任意の通常の経路を介して投与可能である
が、1つの好ましい態様では、それらはエアロゾル化され、肺を介した経路によ
って送達される。
【0013】 1つの態様において、カチオン性リポソームは、カチオン性リポソームと共有
結合した少なくとも2つの生体分子、すなわちグリコサミノグリカン、およびリ
ポソームを特定の細胞種に指向させるもう1つの分子、例えば、HER-2またはFGFR
などの膜貫通型受容体と選択的に結合するリガンド(例えば、ホルモン)を有す
る。
【0014】 本発明の1つの目的は、核酸または遺伝子産物を細胞内に導入するための生体
接着性高分子を提供することである。
【0015】 本発明のもう1つの目的は、細胞にインビボで投与した場合に免疫原性がない
リポソーム製剤を提供することである。
【0016】 本発明のさらにもう1つの目的は、標的細胞表面での濃度および滞留性の高い
リポソーム製剤を提供することである。
【0017】 利点の1つは、生体接着性カチオン性リポソームが、細胞内への核酸の導入を
促進する生体接着性を示すことである。
【0018】 さらにもう1つの利点は、生体接着性カチオン性リポソームにマクロファージ
による食作用に対する耐性があることである。
【0019】 さらにもう1つの利点は、グリコサミノグリカンがリポソーム表面に存在する
ことにより粒子表面のカチオン性脂質をマスキングすることである。
【0020】 本発明の上記および他の目的、利点および特徴は、ここに記載する本発明の詳
細を読むことによって当業者に明らかになると考えられる。
【0021】 好ましい態様の詳細な説明 本発明のリポソームの作製方法、さまざまな医学的状態の治療のためのこれら
の送達、これらとともに用いる装置および製剤について説明する前に、本発明が
特定の方法、装置および製剤には限定されず、従ってこれらは当然ながら異なっ
てもよいことが理解される必要がある。また、本明細書で用いる用語は特定の態
様のみを説明することが目的であり、本発明の範囲を制限することは意図してお
らず、これは添付する特許請求の範囲のみによって制限されることも理解される
必要がある。
【0022】 本明細書および添付する特許請求の範囲において用いる場合、単数形の「1つ
の(a)」「1つの(an)」および「その(the)」は、その文脈で別の指示が明
らかになされない限り、複数のものに関する言及も含むことに留意しなければな
らない。したがって、例えば、「1つの製剤」に対する言及は複数の異なる製剤
の混合物を含み、「1つの類似体」に対する言及は1つの類似体または複数の類似
体の混合物を含み、「治療方法」に対する言及は当業者に知られた等価の手順お
よび方法に関する言及を含み、その他も同様である。
【0023】 別に定義する場合を除き、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語
は、本発明が属する当業者が一般に理解しているものと同じ意味を持つ。本発明
の実施または検討のために本明細書に記載したものと同様または同等の方法、装
置および材料を用いることができるが、好ましい方法、装置および材料は以下に
説明するものである。本明細書で言及するすべての刊行物は、その刊行物に記載
され、今回説明する発明と関連して用いられる可能性のある装置、製剤および方
法の開示および記載を目的として、その全体が参照として本明細書に組み入れら
れる。
【0024】 本明細書で用いる「核酸」または「ポリヌクレオチド」という用語は、別に指
示する場合を除いて互換的とみなし、これにはDNA、RNA、またはDNAとRNAとの混
合物が含まれる。本発明に係る核酸には、任意の鎖構造体、例えば、一本鎖、二
本鎖もしくは三本鎖ポリヌクレオチド構造体、またはそれらの混合物も含まれう
る。また、核酸には、直線状または環状の構造体、例えば、プラスミド、ファー
ジミド、コスミドなども含まれうる。
【0025】 本明細書で用いる「遺伝子産物」という用語は、本発明の方法を用いて細胞内
または細胞に対して導入された核酸から生じたオリゴペプチド、ペプチドまたは
蛋白質のことを指す。
【0026】 「治療」「治療すること」などの用語は、本明細書では一般に、望ましい薬理
学的および/または生理学的効果を得ることを意味する。この効果は疾患もしく
はその症状を完全もしくは部分的に防止する点で予防的であってもよく、ならび
に/または、疾患および/もしくはその疾患に起因する有害効果を部分的または
完全に治癒させる点で治療的であってもよい。1つの態様において、本明細書で
用いる「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療を含み、これ
には、 (a)疾患に罹りやすい可能性はあるが、まだそれを有するとは診断されていな
い被験者における疾患の発生を予防すること; (b)疾患を阻止すること、すなわちその発症を停止させること;または (c)疾患を緩和すること、すなわち疾患を緩解させること、が含まれる。本発
明は、炎症などの細胞遊走が関与する生物プロセスに関して患者を治療すること
を目標とし、特に癌細胞の転移を治療することを目標とする。もう1つの態様に
おいて、本明細書で用いられる「治療」という用語は、卵母細胞の受精などの通
常の生物プロセスを阻害または増強するための任意の使用を含む。
【0027】 「単離された」という用語は、蛋白質がその自然な環境から分離されているこ
とを意味する。しかし、それに付随して認められる化合物のいくつかが、依然と
して「単離された」蛋白質とともに存在し続けてもよい。したがって、「単離さ
れた蛋白質」は、自然界にみられるものと同じではないが、純度が実質的には10
0%未満の蛋白質であってもよい。
【0028】 本明細書で用いる「グリコサミノグリカン」という用語は、炭水化物を含む高
分子のことを指し、これにはグリコサミノグリカンとして知られたものも、まだ
同定されていないものも含まれる。本発明に用いるためのグリコサミノグリカン
のサイズはさまざまでよく、硫酸化されたものでも硫酸化されていないものでも
よい。本発明の阻害剤および方法を用いて標的化されうるグリコサミノグリカン
には、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、キチンおよびヘパリ
ンが非制限的に含まれる。
【0029】 「特異的に結合する」とは、リポソームの特異的な細胞表面分子との高い結合
活性および/または高親和性での結合、例えば、リポソームのグリコサミノグリ
カンがCD44などの細胞表面分子と結合することを指す。リポソームの特異的な細
胞表面分子との結合は、同じリポソームの細胞表面にある他の蛋白質との結合、
または同じリポソームの他の細胞、特に標的細胞と同じ領域に存在する可能性の
ある他の細胞の表面にある関連するが異なる蛋白質との結合よりも強いことが好
ましい。細胞と特異的に結合するリポソームが、他の細胞表面分子と弱いながら
も検出可能なレベル(例えば、標的細胞表面分子に関して示された結合の10%ま
たはそれ未満)で結合可能であってもよい。このような弱い結合、またはバック
グラウンドの結合は、例えば適切な対照を用いることにより、関心対象の特異的
な結合とは容易に区別することができる。
【0030】発明の一般的な局面 本発明は、リポソームの内部に含まれる、および/またはそれに付随する核酸
の特定の細胞集団への送達効率を高めることを目的として、種々の生体接着性分
子をリポソームに効果的に結合させる効率の良い方法を提供する。本発明のリポ
ソーム送達系は、グリコサミノグリカンをリポソーム表面に結合させ、それによ
って生体接着性リポソームを形成させることによって作製される。本発明の生体
接着性リポソームは、指定した標的領域に対する特異性およびそれに対する接着
能を有しており、ひとたび標的に接着すればリポソームの治療用内容物の徐放が
得られると考えられる。
【0031】 本発明の改良された工程は、生体接着性分子をリポソームに添加すること;架
橋試薬をリポソームと生体接着性分子との混合物に添加すること;および混合物
を一定期間インキュベートして生体接着性リポソームを形成させること、を含む
。ある種の生体接着性分子をリポソーム表面に共有結合させることによって通常
のリポソームを改変することにより、生体接着性分子を、細胞動態および流体力
学とは無関係に改変リポソームを標的領域に付着および保持させるための接着剤
または粘着剤として利用することができる。形成される生成物は、核酸を含む治
療薬を含みうる、またはそれと付随しうる、複数のリポソーム-架橋物質-生体接
着性分子複合体を含む。核酸は内因性蛋白質の発現を阻害するものでもよく(例
えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)、治療的な遺伝子産物をコードおよび
発現すると思われるものでもよい。
【0032】 本発明の生体接着性カチオン性リポソームは、HAと特異的に結合するCD44など
の細胞表面分子を有する細胞を標的とする薬剤として用いることができる。これ
らの生体接着性カチオン性リポソームには、核酸およびその結果生じる遺伝子産
物のインビボでの細胞への導入に関して、数多くの利点がある。
【0033】 第1に、これらの分子は、トランスフェクション効率を改善し、用量の減らす
ことを可能にする生体接着性を示す。グリコサミノグリカンはリポソームの細胞
膜との結合を促進し、細胞への移行を促進する。これは標的細胞でのリポソーム
濃度を高めるだけでなく、標的細胞での滞留時間の改善ももたらす。リポソーム
を肺を介した経路によって送達した場合には、粘液線毛クリアランスに起因して
滞留時間も長くなる。
【0034】 第2に、生体接着性カチオン性リポソームは、マクロファージ食作用に対して
耐性があるため、免疫応答に対する耐性の改善を示す。このことは、他のリポソ
ーム送達装置に比べて、マクロファージを介したクリアランスの減少をもたらす
。加えて、これらのリポソームに対する初期免疫応答が阻害されるため、免疫原
性および毒性も低下する。免疫原性および毒性のこの低下は用量依存的である。
【0035】 第3に、リポソーム表面にグリコサミノグリカンが存在することによって粒子
表面のカチオン性脂質がマスキングされ、このためにリポソームが異物としてで
はなく、部分的に自己または自己としてインビボで認識される。
【0036】 本発明のリポソーム送達装置の上記および他の利点は、従来の非ウイルス性核
酸送達法の欠点の多くを克服する。加えて、この送達装置には、核酸および遺伝
子産物をインビボで細胞に導入する物理的またはウイルス的手段に伴う多くの欠
点がない。
【0037】 送達用の核酸構築物 本方法に従ってリポソーム架橋物質-生体接着性分子内に封入しうる、または
他の形で付随させることができる核酸には、センスまたはアンチセンスポリヌク
レオチドが含まれうる。例えば、用いるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標
的DNAの発現を選択的に阻害するものでもよい。例えば、ウイルス配列に対して
相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを封入し、肝炎、AIDSウイルス感染、
パピローマウイルス感染などの抗ウイルス治療に用いてもよい。遺伝子治療のた
めのアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用は文献中に記載されている。スタイ
ン(Stein)およびチャン(Chang)(1993)Science 261:1004を参照のこと。
また、リボゾームRNAを封入し、遺伝子発現の研究または遺伝子治療のために用
いてもよい。
【0038】 1つの態様において、本発明は、高分子量ポリヌクレオチド分子の効率的な封
入を提供する。本明細書で用いる「高分子量」ポリヌクレオチドとは、ポリヌク
レオチドが宿主細胞内に導入される場合に転写されうるような、少なくとも1つ
のコード配列を含むポリヌクレオチド分子のことを指す。この転写によってmRNA
分子が生じ、これが続いて翻訳されてポリペプチドもしくは蛋白質が産生される
ことができ、またはこれがアンチセンスRNA分子を生成することができる。HMWポ
リヌクレオチドのコード配列の転写はエンハンサー配列、オペレーター配列など
のシス作用性調節配列の制御下にあることが好ましく、ポリヌクレオチドはリボ
ソーム結合部位、開始コドンならびに転写終結シグナルおよびポリアデニル化シ
グナルも含む。このため、本明細書で用いるHMWポリヌクレオチドの定義は一般
に、このような調節配列を含むポリヌクレオチドを意味するものと解釈される。
HMVポリヌクレオチドが、トランスフェクションに用いるポリヌクレオチドに一
般に認められる複製起点などの他の要素を含んでいてもよい。
【0039】 本発明は、安定的なエピソームの維持を許容する配列がその中に機能的に組み
入れられたもの、および多重遺伝子カセットをコードするものを含む、大規模ベ
クターの効率的な封入を提供する。望ましい核酸を宿主細胞のゲノムに組み込む
ことはトランスフェクション工程に負の影響を及ぼすことがあるため、これはエ
ピソーム構築物の場合に重要である。多重遺伝子カセットに関しても、コードさ
れる遺伝子の協調的調節がより容易に実現可能となるため、これは重要である。
【0040】 本方法に従って封入される核酸のサイズは、約500塩基という小さなものから
約50キロベースまでの範囲に及ぶと思われる。1つの好ましい態様において、封
入される核酸は約1.0〜25kB、好ましくは約5〜約18kBの範囲のDNAを含むと考え
られる。
【0041】 1つの好ましい態様において、封入される核酸はエピソーム要素、例えば、標
的細胞において発現させようとする1つまたは複数の遺伝子を含むプラスミドを
含むと考えられる。宿主細胞の複製機能によって認識される複製起点を含むエピ
ソーム要素は、染色体外要素として細胞内に安定的に維持され、そのために、該
要素にコードされた遺伝子の安定的な発現が可能になると考えられる。一般にこ
れらの遺伝子は、標的細胞が異種発現産物を生成する原因、または変化した表現
型を獲得する原因になると考えられる。エピソーム要素が宿主細胞によって認識
される複製起点を含まなければ、発現産物は一過的にしか生成されないと考えら
れる。
【0042】 以上に考察した通り、封入される核酸にはDNA、RNAまたはそれらの混合物が含
まれ、さらに直線状および環状の構造体が含まれうる。また、封入される核酸は
一本鎖でも多重鎖でもよく、センスまたはアンチセンス核酸配列が含まれうる。
1つの好ましい態様において、核酸にはサイズが約5〜約18キロベースの範囲であ
るDNA構築物が含まれる。一般に、このようなDNA構築物は、標的細胞において発
現させようとする1つまたは複数の遺伝子を含むと考えられる。また、DNA構築物
は好ましくは、必要に応じてこれらのDNA構築物に標的細胞における自己複製を
もたらす配列に加えて、これらの遺伝子の発現をもたらす適した調節配列、さら
には抗生物質耐性マーカーなどの適した選択マーカーも含むと考えられる。一般
に、これらの遺伝子は調節可能なプロモーターの制御下で発現されると考えられ
る。
【0043】 最も好ましい態様において、DNA構築物は、治療的または望ましい遺伝子産物
を生成する、1つまたは複数の遺伝子を含むと考えられる。このような遺伝子産
物の例には、治療用リンホカイン、サイトカイン、ホルモン、細胞接着分子、酵
素または酵素阻害剤、受容体、イオンチャンネル、転写因子、蛋白質リン酸化酵
素、蛋白質脱リン酸化酵素、および宿主における免疫応答を生じさせるための細
胞抗原が非制限的に含まれる。または、DNA構築物は自殺遺伝子、腫瘍抑制遺伝
子、アンチセンスRNAをコードする遺伝子、または細胞アポトーシスを誘導もし
くは防止する遺伝子を含むと考えられる。
【0044】 リポソームに封入された本発明のDNA構築物によってコードさせうるリンホカ
インおよびサイトカインの例には、血小板由来増殖因子、上皮増殖因子、インタ
ーロイキン1〜14、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺
激因子、腫瘍壊死因子、白血病抑制因子、アンフィレグリン(amphiregulin)、
アンジオゲニン、ベータセルリン、カルシトニン、毛様体神経栄養因子、脳由来
神経栄養因子、ニュートロフィン3および4、神経成長因子、コロニー刺激因子-1
、内皮細胞増殖因子、エリスロポエチン、酸性および塩基性線維芽細胞増殖因子
、肝細胞増殖因子、ヘパリン結合性EGF様増殖因子、インスリン、インスリン様
増殖因子IおよびII、インターフェロンα、βおよびγ、ケラチノサイト増殖因
子、マクロファージ炎症性蛋白質αおよびβ、ミッドカイン、オンコスタチンM
、ランテス(RANTES)、幹細胞因子、トランスフォーミング増殖因子αおよびβ
、ならびに血管内皮増殖因子が非制限的に含まれる。細胞接着分子の例には、イ
ンテグリン、カドヘリン、セレクチン、ならびにVCAM、ICAM、PECAMおよびNCAM
などの免疫グロブリンスーパーファミリーの接着分子が含まれる。腫瘍抑制遺伝
子の例には、p53、DCC、RbおよびMTS1が含まれる。当業者は他の遺伝子も本発明
に用いられうることができることを認識すると考えられる。
【0045】 さらに、このDNA構築物は、構築物の細胞内での複製、さらには構築物上にコ
ードされる遺伝子の転写および翻訳をも制御しうる調節配列を含むと考えられる
。核酸のインビボ送達に用いる場合には、これらの調節配列が組織特異的である
ことが時に有用である。「組織特異的プロモーター」または「組織特異的転写調
節配列」という用語は、標的組織の細胞において他の細胞より選択的にまたは高
レベルに誘導される、または他の細胞よりも高レベルに誘導される転写調節配列
、プロモーターおよび/またはエンハンサーを指す。例えば、腫瘍細胞に特異的
なプロモーターには、特定の細胞種または腫瘍細胞において選択的に誘導される
、または他の細胞よりも高レベルに誘導されるプロモーターが含まれる。組織特
異的プロモーターは当技術分野で周知である。その例には、α-アクチンプロモ
ーター(Shani(1986)、Mol Cell. Biol.、6:2624);エラスターゼプロモー
ター(Swiftら(1984)、Cell、38:639):α-フェト蛋白質プロモーター(Kru
mlaufら(1985)、Nature、319:224〜226):β-グロビンプロモーター(Towne
sら(1985)、EMBO J.、4:1715);ヒト成長ホルモンプロモーター(Behringer
ら(1988)、Genes Dev.、2:453):インスリンプロモーター(Seldenら(1986
)、Nature、321:545)および前立腺特異的プロモーター(Allisonら(1989)
、Mol Cell. Biol.、9:2254)が含まれる。
【0046】 カチオン性リポソームの調製 一般にリポソームの調製にはさまざまな方法を用いることができ、これには例
えば、ショーカ(Szoka)ら、Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9:467(1980)、米
国特許第4,235,871号、第4,501,728号、第4,837,028号、「教科書リポソーム(t
he text Liposomes)」、マーク J オストロ(Marc J. Ostro)編、マーセル デ
ィッカー社(Marcel Dekker, Inc.)、New York、1983、第1章、およびホープ(
Hope)ら.、Chem. Phys. Lip. 40:89(1986)に記載されたものがあり、これら
はすべて参照として本明細書に組み入れられる。1つの方法により、不均一なサ
イズの多重膜小胞が生成される。この方法では、小胞を形成する脂質を、封入し
ようとする核酸とともに適した有機溶媒または溶媒系に溶解し、真空下または不
活性ガス中で乾燥を行って薄い脂質膜を形成させる。必要に応じて、フィルムを
第三級ブタノールなどの適した溶媒中に再び溶解し、その後に凍結乾燥させて、
より容易に水和される粉末状のより均一な脂質混合物を形成させてもよい。この
膜を水性緩衝液で覆い、一般には15〜60分間攪拌して水和させる。脂質をさらに
激しい攪拌条件下で水和させることにより、またはデオキシコレートなどの可溶
化界面活性剤を添加することにより、この結果得られる多重膜小胞のサイズ分布
を小さなサイズの側に移行させることができる。
【0047】 例えば、リポフェクチン(Gibco BRL、Gaithersburg、Md.)は、種々の細胞系
のインビトロでのトランスフェクションのため(Felgnerら(1987)、Proc. Nat
l. Acad. Sd. USA.、84:7413〜7417)、および成体マウスへの静脈内送達後の
全身性遺伝子発現のため(Zhuら(1993)、Science、261:209〜211)にうまく
用いられている。リポフェクチンは、カチオン性脂質DOTMAすなわちN-[1-(2,3-
ジオレイロキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド、およびDOP
Eすなわちジオレイルホスファチジルエタノールアミンを1:1のモル比で用いて
生成される。この製剤を用いて調製されたリポソームは、核酸の陰電荷とカチオ
ン性リポソームの表面の陽電荷との静電相互作用によってDNAを自然に相互作用
すると考えられている。このDNA/リポソーム複合体は組織培養細胞と融合し、
機能的DNAの細胞内への送達を促進する(FeIgnerら、前記)。
【0048】 ベール(Behr)ら(1989)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA.、86:6982〜6986
)およびバーテル(Barthel)ら(1993)、Cell Biol、12:553〜560)は最近、
DNAを培養細胞に移入するためのリポポリアミン(DOGS、スペルミン-5-カルボキ
シ-グリシンジオタデシルアミド)の使用を報告している。リポポリアミンは、
脂質と化学結合した天然ポリアミンであるスペルミンから合成される。例えば、
DOGSはスペルミンおよびジオクタデシルアミドグリシン(Behrら、前記)から生
成される。DOGSはカチオン性脂質層上にDNAを自然に濃縮させ、核脂質(nucleol
ipidic)粒子を形成させる。リポスペルミンによって覆われたこのDNAは高いト
ランスフェクション効率を示す(Barthelら、前記)。
【0049】 多価カチオン性脂質を含むカチオン性リポソームは通常、脂質を含むものより
も優れたトランスフェクション活性を示す(Behrら(1989)Proc Natl Acad Sci
USA、86:6982〜6986;Hawley-Nelsonら(1993)Focus、15:73〜79)。例えば
、リポフェクトアミン(LipofectAMINE)(GIBCO BRL、Gaithersburg、MD、USA
)は常にリポフェクチン(Lipofectin)(GIBCO BRL)よりもトランスフェクシ
ョン活性が高い(Hawley-Nelsonら、前記)。
【0050】 カチオン性脂質分子はすべて、正に荷電した頭部基、さまざまな長さのスペー
サー、リンカー結合および疎水性アンカーという4つの異なる機能ドメインを含
む。よく知られたカチオン性脂質の頭部基は、アミジン基を一つの例外として、
さまざまな程度の置換がなされた単純または多数のアミン基を含む(Ruysschaer
tら(1994)、Biochem Biophys Res Commun、179:280〜285)。アミン基は第一
級アミンからメチル基またはヒドロキシエチル基の置換を有する第四級アンモニ
ウムまでの範囲にわたる。複数の異なる種類のアミノ基が単一のカチオン性脂質
に共存する場合がある(ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド(DOGS)
および2,3-ジオレオイロキシ-N-(2(スペルミンカルボキサミド)-エチル)-N,N-ジ
メチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA))(Behrら、前
記;Hawley-Nelsonら、前記)。荷電基の数は一価から多価までさまざまである
(Felgnerら(1987)、Proc Natl Acad Sci USA、84:7413〜7417;Felgnerら(
1994)、J. Biol. Chem.、269:1550〜1561;Behrら、前記;Farhoodら(1992)
、Biochim. Biophys. Acta.、1111:239〜246;Gaoら(1991)、Biochim. Bioph
ys. Res. Commun.、179:280〜285;Zhouら(1991)、Biochim. Biophys. Acta.
、1065:8〜14;Roseら(1991)、Biotechniques、10:520〜525;Hawley-Nelso
nら、前記;Ruysschaertら、前記;Itoら(1990)、Biochem. Intl.、22:235〜
241;Leventisら(1990)、Biochem. Biophys. Acta.、1023:124〜132;Guoら
(1993)、J. Liposome Res.、3:51〜70;Akaoら(1994)、Biochem. Mol. Bio
l. Intl.、34:915〜920)。カチオン性脂質の頭部基はリポソームとDNAとの間
、およびリポソーム-DNA複合体と細胞膜または細胞の他の構成要素との間の相互
作用の原因となる。この相互作用はトランスフェクション活性に極めて重要であ
り、治療の毒性の一因にもなることがある。特定の種類の頭部基を選択すること
が重要なことが、カチオン性コレステロール誘導体を用いた本発明者らの研究で
示されている(Farhoodら、前記)。第三級アミノ基を有するカチオン性コレス
テロール化合物は、第四級アンモニウムの対応物よりも優れたトランスフェクシ
ョン活性を示し、処理した細胞に対する毒性はより低いことを示している(Farh
oodら、前記)。フェルグナー(Felgner)のグループによる別の研究では、N-(2
,3-(ジオレオイロキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOT
MA)のヒドロキシエチル置換誘導体が、親化合物よりも向上したトランスフェク
ション活性を示している(Felgnerら(1994)、前記)。ヒドロキシエチル基の
付加によって膜の水和性が高まり、リポソーム二層膜構造の安定化に役立つとい
う仮説が提唱されている。多価頭部基を有するカチオン性脂質はDNAと結合し、D
NAと一価カチオン性脂質との間で形成されるものよりも緻密度が高い複合体を形
成するが、これは少なくとも一部には、多価カチオン性脂質を含むリポソームの
トランスフェクション活性が高い一因であると思われる(Behrら、前記;Zhouら
、前記;Hawley-Nelsonら、前記)。
【0051】 いくつかのカチオン性脂質系に関しては、スペーサーアームはトランスフェク
ション活性にとってそれほど重要ではないように思われる。その例には、スペー
サーを含まないカチオン性脂質であるジメチルジオクタデシルアンモニウムブロ
ミド(DDAB)、ならびに、1原子のスペーサーしか含まない、1,2-ジオレオイロ
キシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロパン(DOTAP)、DOTMAおよびそれらの誘導
体などのカチオン性脂質が含まれる。スペーサーの長さを5〜8原子に延長しても
、DOTAPよりも優れたトランスフェクション活性を有する類似体は得られなかっ
た (Leventisら、前記)。一連の機能的コレステロール誘導体に対して行った
本発明者らの複数の研究からも、スペーサーアームの長さは3〜6原子の範囲でさ
まざまでよいことが示された(Farhoodら、前記)。これに対して、スペーサー
アームはある種のカチオン性脂質のトランスフェクション活性のための極めて重
要な因子である。例えば、脂質に固定されたスペルミン頭部基がDNAと副溝にお
いて結合するため(Leofflerら(1990)J Neurochem、54:1812〜1815)および
脂質の高いトランスフェクション活性のため(Leofflerら、前記;Remyら(1994
)Bioconjugate Chem、5:647〜654)には、スペーサーアームが重要である。よ
り長いスペーサーを有するカチオン性脂質から構成されるリポソームは、粘膜組
織の表面との相互作用の増強を示している(Guoら、前記)。イトウ(Ito)らに
よる一連のカチオン性グルタミン酸ジエステルに関する研究からは、長いスペー
サー(11原子)を含むカチオン性脂質は短いスペーサー(2〜6原子)を有するも
のよりも活性が低いように思われる(Itoら、前記)。
【0052】 リンカー結合は、カチオン性脂質の化学的安定性および生分解性を決定する重
要なパラメーターである。DOTMAおよびDDABなどのカチオン性脂質はエーテルま
たはC-N結合を含む。このような安定なリンカーは優れた化学的安定性をもたら
すが、それらが細胞内で生分解性である可能性は低い。これらの安定な結合を含
むカチオン性脂質をヒトに用いた場合の安全性には疑問があり、反復投与の場合
はなおさらである。エーテル結合を有するカチオン性脂質は生分解性が高く、こ
のため、細胞毒性が低い(Farhoodら、前記;Leventisら、前記;Guoら、前記)
。しかし、リンカーとしてエーテル結合を有するカチオン性脂質は一般に化学的
に安定でない。例えば、DOPEおよびエーテル結合を有するカチオン性コレステロ
ール誘導体から構成されるリポソームの半減期は4℃では約1日であったが、これ
では現実に用いることは難しい(Farhoodら、前記)。このため、アミドおよび
カルバモイル結合などの安定ではあるが生分解性のある結合を含む、いくつかの
カチオン性脂質が設計された(Farhoodら、前記;Gaoら、前記;Itoら、前記)
【0053】 カチオン性脂質には2種類の疎水性アンカーが用いられており、その一方は脂
肪鎖の対であり、もう一方はコレステロール環である。脂肪鎖は一般に単不飽和
型(オレオイル、C18)またはより短い飽和型(C14またはC12)であり、これは
生理的温度での十分な膜流動性および二重層内部での優れた脂質混合をもたらす
(Felgnerら(1987)、前記;Felgnerら(1994)、前記;Itoら、前記;Leventi
sら、前記)。フェルグナー(Felgner)らは最近、飽和脂肪鎖の長さが14から16
、18炭素原子へと増えるに伴い、その結果として得られるカチオン性脂質のトラ
ンスフェクション活性は徐々に低くなることを示した(Felgnerら(1994)、前
記)。これに対して、2つのパルミチル鎖(C 16、飽和)または2つのオレオイル
鎖(C18、単不飽和)のいずれかを有するリポスペルミンは高いトランスフェク
ション活性を示し(Remyら、前記)、このことから脂質アンカーの物理的特性の
重要性は多価カチオン性脂質の方が一価カチオン性脂質よりも低いことが示唆し
ている。
【0054】 コレステロール環も、種々の官能基を有する天然に存在し、かつ誘導体を容易
に入手しうることから、有用な疎水性アンカーとして役立つ(Farhoodら、前記
;Gaoら、前記;Leventisら、前記;Guoら、前記)。コレステロールには脂質を
秩序立った充填状態に維持し、このために二分子膜に剛性を付与する能力がある
ことが知られている。カチオン性コレステロール誘導体を含むリポソームは、培
地中のイオン(Leventisら、前記)または負に荷電した粘膜表面(Guoら、前記
)などの妨害物質が存在する方が安定性が高い。これに対して、カチオン性コレ
ステロール誘導体を有するカチオン性リポソームは、2重脂肪鎖を有するカチオ
ン性脂質を含むカチオン性リポソームと同等な、またはそれよりも優れた融合活
性を示す(Leventisら、前記)。コレステロールを基盤とするカチオン性脂質は
数多く報告されている(Farhoodら、前記;Gaoら、前記;Leventisら、前記;Gu
oら、前記)。第四級アンモニウム頭部基を有するコレステロール誘導体は弱い
ながらも検出可能なインビトロでのトランスフェクション活性を示した(Levent
isら、前記)。この群を用いた結果から、コレステロールの第三級誘導体は活性
のあるカチオン性脂質であるが、第四級誘導体はそうでないことが示された(Fa
rhoodら、前記)。エステル結合を介してアラニンがコレステロール環に結合し
た別の誘導体は優れた活性を示した(Guoら、前記)。本発明者らは、優れた安
定性およびトランスフェクション効率が得られるほか、生分解性であると考えら
れ、このため広く用いられているエーテル結合を有するカチオン性脂質よりも毒
性が低い、カルバモイル結合を有する第三級アミノ誘導体(3(N-(N',N'-ジメチ
ルアミノエタン)カルバモイル)-コレステロール(DC-chol))を合成するための
簡便な手順を報告している(Gaoら、前記)。
【0055】 本発明における使用に適した脂質の例には、例えば、ホスファチジルコリン(
天然物および合成調製されたものの両方)、ホスファチジン酸、リゾホスファチ
ジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィ
ンゴ脂質、ホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリン、カルジオリピン
、糖脂質、ガングリオシド、およびダイズリン脂質などのセレブロシドなどの、
小胞またはリポソームを形成する既知の化合物が含まれる。他の適した脂質には
、形成されたリポソームに望ましい特性を付与すると思われる、ステロイド、コ
レステロール、長鎖脂肪族アミンおよびカルボン酸などの脂肪族アミン、長鎖硫
酸塩およびホスフェート、ジアセチルホスフェート、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン、トコフェロール、レチノールおよびイソプレノイド化合物が含まれる。
【0056】 また、ヒドロキシル基、分枝炭素鎖、環状誘導体、芳香族誘導体、エーテル、
アミド、多価不飽和誘導体、ハロゲン化誘導体などの改変脂肪族部分、または炭
水化物、グリコール、ホスフェート、ホスファミド、第四級アミン、硫酸、スル
ホニル、カルボキシ、アミン、スルフヒドリル、イミダゾール基などの改変親水
性部分およびこのような基の組み合わせを含む合成リン脂質を、上記の脂質と置
換または混合して本発明に用いてもよい。リポソームの調製時の使用に適した脂
質は文献でよく知られており、例えば、米国特許第4,201,767号;米国特許第4,2
35,877号;米国特許第4,241,046号;米国特許第4,261,975号;および米国特許第
4,394,448号に記載されており、これらはすべてその全体が参照として本明細書
に組み入れられる。
【0057】 活性のあるカチオン性リポソーム製剤は通常、超音波処理または微小流動化に
よって調製される小型の単層リポソームである(Felgnerら(1987)前記)。単
なる激しい攪拌(Felgnerら(1994)、前記)またはエタノール溶媒からの脂質
の希釈(Behrら(1989)、前記)によって調製される多重膜リポソームにも活性
があることもある。カチオン性リポソームは通常、カチオン性両親媒性物質およ
び中性の「ヘルパー」脂質であるジオレオイルホスファチジルエタノールアミン
(DOPE)を含む。DOPEは二層膜を形成しないカチオン性脂質が安定なカチオン性
リポソームを形成するために必要である;これらには、カチオン性コレステロー
ル誘導体(Farhoodら(1992)、前記;Gaoら(1991)、前記)、リポポリリジン
(Zhouら(1991)、前記)およびいくつかの二重鎖カチオン性表面活性剤(Rose
ら(1991)、前記)が含まれる。ほとんどの二重鎖カチオン性脂質は単独でリポ
ソームを形成でき、またはDOPEもしくは他の脂質との混合物としてリポソームを
形成することができる。
【0058】 本発明は、望ましい封入効率が得られる任意の脂質または組み合わせた物の使
用を含み、これは一般に、封入のために用いた核酸の初期量の少なくとも約25%
である。1つの好ましい態様において、封入効率は好ましくは少なくとも50%で
あり、より好ましくは70%、さらにより好ましくは約70%〜約90%の範囲である
と考えられる。
【0059】 リポソームの調製後に、望ましいサイズの範囲、およびリポソームのサイズの
比較的狭い分布が実現されるようにリポソームのサイズ調整を行ってもよい。サ
イズの範囲が約0.2〜0.4ミクロンであれば、通常のフィルター、一般に0.22ミク
ロンのフィルターを通過させる濾過によってリポソーム懸濁液を滅菌することが
できる。リポソームのサイズを約0.2〜0.4ミクロンまで小さくできれば、フィル
ターによる滅菌法を高スループットな形式で行うことができる。
【0060】 リポソームのサイズを望ましいサイズに調整するために用いられうる技術はい
くつかある。サイズ調整法の一つは米国特許第4,737,323号に記載されており、
これは参照として本明細書に組み入れられる。リポソーム懸濁液に水浴中での超
音波処理またはプローブによる超音波処理を行うことにより、サイズが徐々に小
さくなり、最終的には約0.05ミクロン未満のサイズの小型の単層小胞が得られる
。もう1つの方法は均質化であり、これは剪断エネルギーによって大きなリポソ
ームを小型のものに断片化することに依拠している。典型的な均質化手順では、
選択したリポソームサイズ、一般には約0.1〜0.5ミクロンの間に至るまで、標準
的な乳濁化ホモジナイザーに多重膜小胞を再循環させる。いずれの方法において
も、粒径の分布は従来のレーザー光線による粒径の識別によってモニターするこ
とができる。
【0061】 細孔ポリカーボネート膜または非対称性セラミック膜を通してリポソームを押
し出すことも、リポソームのサイズを比較的明確に規定されたサイズ分布にまで
減少させるための有効な方法である。一般的には、望ましいリポソームサイズの
分布が得られるまで、懸濁液を膜に1回または複数回通過させる。リポソームの
サイズが徐々に減少するように、連続的に孔径が小さくなる膜を通してリポソー
ムを押し出してもよい。本発明に用いるためのリポソームのサイズは約0.05ミク
ロン〜約0.15ミクロンの範囲であることが好ましい。
【0062】 核酸を含むリポソームが生成された後には、遊離した核酸を除去するために組
成物を処理することが好ましい。これは、リポソームに悪影響を及ぼさない任意
の適した方法、例えば、リポソームをリン酸緩衝生理食塩水などの適した溶液中
で洗浄した後に遠心処理を行うことによって行いうる。このようにして生成され
た核酸含有リポソームは、直ちに用いてもよく、好ましい条件下、例えば約4℃
で保存してもよい。
【0063】 リポソームが生成された後に、既知の方法によって封入効率を確かめてもよい
。例えば、放射標識を施したプラスミドDNA構築物を含むDNA試料を用いることが
できる。これにより、リポソームに含まれる放射能と遊離放射能との相対量を決
定することが可能となる。本方法により、試料中、例えばDNAプラスミドを含む
試料中に含まれていた核酸の初期量に対して少なくとも25〜50%、より一般的に
は約70〜90%の範囲の核酸封入効率が確実に得られる。
【0064】 共有結合した生体接着分子を有するカチオン性リポソームの調製 生体接着性分子はリポソーム表面の別個の部位に共有結合する。これらの部位
の数および表面密度は、リポソーム製剤およびリポソームの種類によって指定さ
れると考えられる。リポソーム表面には非共有性の会合のための部位もあってよ
い。リポソームおよび標的部位の生体接着性対応物(生体接着性物質)が生体接
着性分子に対して競合することから、非共有結合では投与部位のリポソームから
生体接着性分子の解離が生じるおそれがあるため、共有結合は不可欠である。こ
のような解離が起こると、投与した修飾リポソームが通常の非修飾型リポソーム
に戻り、そのために修飾リポソームの投与の目的が無効になってしまうと考えら
れる。
【0065】 生体接着性分子とリポソームとの共有結合物を形成させるために、架橋試薬を
有効性および生体適合性に関して検討した。架橋試薬には、グルタルアルデヒド
(GAD)、二官能性オキシラン(OXR)、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル(EGDE)および水溶性カルボジイミド、好ましくは1-エチル-3-(3-ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド(EDC)が含まれる。このような架橋物質および使
用方法の例は、1997年2月18日に発行された米国特許第5,603,872号に記載されて
おり、これは参照として本明細書に組み入れられる。架橋の複雑な化学反応によ
り、生体接着性分子のアミン残基とリポソームとの結合が確立される。
【0066】 本発明は、カチオン性リポソーム送達装置の表面にある生体接着性分子として
の結合型グリコサミノグリカンを提供する。グリコサミノグリカン、特にヒアル
ロン酸(HA)はさまざまな生理プロセスにおける役割より、これらは生体接着性
分子としての魅力のある候補となっている。グリコサミノグリカン、特にHAは、
結合および細胞内への移行にかかわる細胞間相互作用を媒介することが知られて
いる。例えば、HIVは感染するとHAと結合することが知られているため、HAはヒ
ト免疫不全ウイルス(HIV)による哺乳動物細胞の感染に関与する。HA、および
その受容体であるCD44に対するモノクローン抗体はいずれも、単球指向性HIVに
よる単球のHIV感染を阻害することが見いだされた。レベスク(M.C. Levesque)
およびヘインズ(B.F. Haynes)、J. Immunol 156:1557〜65(1996)。さらに
、グリコサミノグリカンにはほとんど免疫原性がないことが明らかになり、グリ
コサミノグリカンを認識する抗体もごく少数ながら単離されている。
【0067】 HAは高分子量の直鎖状多糖類としてインビボに存在する二糖類である。HAは哺
乳動物の体内では主として結合組織、皮膚、軟骨および関節液中に認められるほ
か、眼の硝子体の主成分でもある。結合組織では、HAに付随する水和水によって
組織間に空隙が生じ、細胞の移動および増殖を誘導する環境が作り出される。HA
は細胞運動がかかわる生物現象に重要な役割を果たしており、これには急速発生
、再生、修復、胚形成、胚発生、創傷治癒、血管形成および腫瘍形成が含まれる
(Toole、Cell Biol. Extracell. Matrix、Hay(編)、Plenum Press、New York
、1384〜1386(1991);Bertrandら、Int. J. Cancer 52:1〜6(1992);Knuds
onら、FASEB J. 7:1233〜1241(1993))。HAレベルは腫瘍の侵略度と相関する
ことが示されており(Ozelloら、Cancer Res. 20:600〜604(1960);Takeuchi
ら、Cancer Res. 36:2133〜2139(1976);Kimataら、Cancer Res. 43:1347〜
1354(1983))、腫瘍細胞の浸潤特性の指標になる可能性がある。クヌッパー(
M.M. Knupfer)ら、Anticancer Res 18:353〜6(1998)。
【0068】 複数のグループが、HAの受容体としてCD44を同定した(例えば、Aruffoら、Ce
ll、61:1303(1990);Lesleyら、Exp. Cell. Res.、187:224(1990);Miyak
eら、J Exp. Med.、172:69(1990);Cultyら、J. Cell Biol.、111:2765(19
90)を参照)。CD44は細胞表面糖蛋白質のファミリーであり、選択的スプライシ
ングおよび翻訳後修飾によって生成される。CD44の種々のイソ型は、T細胞およ
びB細胞、顆粒球、単球、マクロファージおよびLCを含むDCなどの多くの細胞種
によって発現される。1996年には、白血球のホーミングの際におこる多くのプロ
セスの1つである、内皮細胞上の白血球の転がり現象(rolling)をHA-CD44相互
作用が媒介することが報告された(例えば、DeGrendeleら、J. Exp. Med、111:
2765(1996);Clarkら、J. Cell Biol、134:1075(1996))。HA-CD44相互作
用は今では、白血球のホーミング、腫瘍転移、組織発生、造血、サイトカイン生
成、T細胞活性化およびアポトーシスを含む、多くの生理的および病理的現象を
媒介することが知られている。
【0069】 その他の分子もグリコサミノグリカンとの生体接着性分子として役立ち、リポ
ソームを特定の細胞集団に結合させるのに役立つと思われる。このような因子は
標的細胞上の細胞表面分子と特異的に結合する。生体接着性分子には、EGF、FGF
、VEGF、インスリンなどの増殖因子、IL-1〜IL-18、特にIL-2、IL-4、IL-12およ
びIL-18を含むインターロイキン;IFN-α、IFN-β、IFN-γなどのインターフェ
ロン;ケモカイン;TNF-α、TGFβなどのサイトカインが非制限的に含まれる。
【0070】本発明のリポソームの使用 生体接着性リポソーム中に封入された核酸には、本開示を読むことによって当
業者に明らかとなるように、多くのさまざまな用途があると考えられる。例えば
、生体接着性リポソーム中に封入された核酸は、1つまたは複数の欠損遺伝子を
発現する細胞または動物を作出するために用いることができる。この結果得られ
た細胞または動物は、候補治療薬の有効性を評価するためのインビトロまたはイ
ンビボのモデルとして用いられうる。
【0071】 本発明のリポソーム中に封入された核酸のさらに別の用途は、治療用産物をコ
ードする、または内因性産物の転写を妨げる、DNAまたは構築物を細胞に導入す
ることである。治療用産物は、例えば、アンチセンスRNAもしくはリボザイムRNA
分子でもよく、または治療用蛋白質でもよい。本明細書で用いる「治療用蛋白質
」という用語は、宿主に投与した場合または宿主の細胞内で発現された場合に治
療上の利点をもたらす、ペプチド、ポリペプチドまたは蛋白質のことを指す。核
酸の送達は、リポソーム中に封入されたDNA構築物を宿主動物、好ましくはヒト
に直接導入するインビボでのものでもよく、単離した細胞にリポソーム中に封入
されたDNA構築物をまずトランスフェクトし、その後に宿主動物に再び導入する
エクスビボでのものでもよい。ヒトにおけるエクスビボ核酸送達は米国特許第5,
399,346号に記載されており、これは参照としてその全体が本明細書に組み入れ
られる。また、核酸送達に関する一般的な総説については、同じく参照としてそ
の全体が本明細書に組み入れられる、トルストシェフ(Tolstoshev)(1993)、
Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol.、33:573〜96も参照されたい。
【0072】 本発明のリポソームの薬学的製剤 本明細書で説明した生体接着性カチオン性リポソームは、従来の抗生物質を投
与するために用いられる事実上あらゆる手段によって被験者に投与しうる。生体
活性化合物の動物への送達に関する技術分野では種々の送達系が周知である。こ
れらの系には、静脈内または筋肉内または気管内注入、点鼻薬、吸入用エアロゾ
ル、および経口投与または坐薬投与が非制限的に含まれる。用いる具体的な送達
系は治療しようとする領域の位置に依存しており、位置の決定および適切な送達
系の選択を行うことは当業者の技能の範囲に十分に含まれる。1つの好ましい態
様では、リポソーム組成物を肺への導入を介して送達し、より好ましくは生体接
着性カチオン性リポソームをエアロゾル吸入装置を用いて患者に投与する。
【0073】 1つの特に好ましい態様では、本発明の製剤を、エアックス(AERx)装置(Ara
digm、Hayward、CA)などの携帯型で手持ち式の電池駆動式装置を用いて患者に
投与することが好ましい。または、本発明の製剤を、機械的(電子的でない)装
置を用いて投与することも可能と思われる。用いられうる具体的な装置の詳細は
、19996年8月13日に発行された米国特許第5,544,646号、および1995年4月11日に
発行された米国特許第5,404,871号に開示されており、これらはいずれも参照と
して本明細書に組み入れられる。
【0074】 エアロゾルは膜の細孔に薬剤を強制通過させることによって生成でき、細孔の
サイズの範囲は約0.25〜6ミクロンである。細孔がこのサイズである場合、細孔
を通過してエアロゾルとなる粒子の直径は0.5〜12ミクロンの範囲と考えられる
。薬剤粒子は、粒子をこの範囲に保つための気流を用いて放出させるとよい。小
型粒子の生成は、約800〜約4000kHの範囲の振動周波数が得られる振動装置を用
いることによって容易になると思われる。当業者は、直径が約0.5〜12ミクロン
の範囲にあるエアロゾル化された粒子を得ることが目的であることに留意しなが
ら、薬剤が放出される細孔のサイズ、振動周波数、圧力、ならびに製剤の密度お
よび粘度に基づく他のパラメーターなどのパラメーターに対してある程度の調整
を加えうることを認識すると考えられる。
【0075】 本発明の製剤は、患者の肺表面を通過して循環系へと向かうリポソームの輸送
を促進するのに有効な肺胞界面活性物質蛋白質の一定量との生体接着性カチオン
性リポソームの組み合わせを含みうる。例示的な製剤は、1991年4月9日に発行さ
れた米国特許第5,006,343号に開示されており、これは肺内送達に用いられるリ
ポソームおよびリポソームの製剤を開示する目的で参照として本明細書に組み入
れられる。
【0076】 リポソーム製剤が低粘度の液体製剤であってもよい。薬剤単独または担体と組
み合わせた場合の粘度は、好ましくは粒径が約0.5〜12ミクロンの範囲にあるエ
アロゾルを生成するために、例えば20〜200psiを用いて、開口部から製剤を強制
排出させてエアロゾルが生じうる程度に十分に低い必要がある。
【0077】 1つの態様においては、沸点が低い揮発性の高い噴霧剤を、本発明のリポソー
ムおよび薬学的に許容される賦形剤と配合する。リポソームは懸濁液または乾燥
粉末として供給可能であり、または、別の態様では、リポソームを噴霧剤中の溶
液に溶解する。これらの製剤はいずれも、唯一の開口部として弁が1つある容器
内に容易に収めることができる。噴霧剤は揮発性が高い、すなわち、沸点が低い
ため、容器の内容物には圧力がかかると考えられる。
【0078】 もう1つの製剤によれば、生体接着性カチオン性リポソームを乾燥粉末単独で
供給し、さらにもう1つの製剤によれば、生体接着性カチオン性リポソームを溶
液製剤として供給する。乾燥粉末は、各々の送達に関して計測した一定の吸気流
量および吸気量のみで吸入を行うことによって直接吸入することが可能と思われ
る。しかし、粉末を水性溶媒中に溶解して、吸入用のエアロゾルを生成するため
の多孔膜を通過する溶液を作る方が好ましい。
【0079】 吸入および肺内経路を介して患者に送達することができるエアロゾル形態の生
体接着性カチオン性リポソームを生成しうる任意の製剤を、本発明と組み合わせ
て用いることができる。エアロゾル化された送達装置と組み合わせて用いられう
る製剤に関する詳細な情報は、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmace
utical Sciences)」、ジェンナーロ(A.R. Gennaro)編(最新版)、Mack Publ
ishing Companyに記載されている。インスリン製剤に関しては、シアーラ(Scia
rra)ら(1976)、Journal of Pharmaceutical Sciences、第65巻、第4号を参照
することも有用である。低沸点噴霧剤を用いる場合には、装置の加圧缶の内部に
噴霧剤を保ち、液体状態で維持する。弁を作動させると噴霧剤が放出され、有効
成分が噴霧剤とともに缶から強制放出される。噴霧剤は周期の大気に曝露される
と「フラッシュする(flash)」、すなわち噴霧剤は直ちに気化すると考えられ
る。フラッシングは急速に起こるため、患者の肺に実際に送達されるのは本質的
には純粋な有効成分である。
【0080】 経口投与用の剤形として組成物を調製する際には、通常の医薬用媒体の任意の
ものを用いてよく、これには例えば、経口用液体製剤(例えば、懸濁剤、エリキ
シル剤および液剤など)の場合には水、グリコール、油、アルコール、着香料、
保存料、着色剤など;または、経口固形製剤(例えば、粉剤、カプセル剤、錠剤
など)の場合にはデンプンなどの担体、糖、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤
、崩壊剤などがある。投与が容易であるため、錠剤およびカプセル剤が最も有益
な経口投与剤形であり、この場合には固形の医薬用担体が明らかに用いられる。
必要に応じて、標準的な技術によって錠剤に糖衣および腸溶性コーティングを施
してもよい。
【0081】 注射による非経口的適用のための製剤は、薬学的に許容される形態のリポソー
ムを適した溶液中に含みうる。適切な液体担体、懸濁剤、等張性を調整するため
の薬剤、保存料などを用いて注射用懸濁液を調製することもできる。非経口的に
投与しうる組成物を調製するための実際の方法、および被験者への投与のために
必要な調整は、当業者には知られている、または明らかであると考えられ、その
詳細は例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Science
)」、第15版、Mack Publishing Company、Easton、PA(1980)に記載されてお
り、これは参照として本明細書に組み入れられる。
【0082】 局所投与のための担体は製剤に応じて多岐にわたる形態をとることができ、こ
れにはクリーム剤、ドレッシング剤、ゲル剤、ローション剤、軟膏または液剤で
あってもよい。
【0083】 坐薬は、リポソームをカカオ脂、カカオバター、グリセリン、ゼラチンまたは
ポリエチレングリコールなどの液体媒体と混合することによって調製する。
【0084】 治療的に用いられる組成物の有効量は、例えば、治療の目的、投与経路および
患者の状態に依存すると考えられる。したがって、最適な治療効果が得られるよ
うに、医師が投与量を微調整し、投与経路を修正することが必要であると考えら
れる。
【0085】 薬剤製剤の形態にかかわらず、吸入用のリポソーム粒子は約0.5〜12ミクロン
の範囲となるように作ることが好ましい。サイズが比較的狭い範囲にあるリポソ
ーム粒子を作ることにより、薬剤送達系の効率をさらに高め、投薬の再現性を改
善することが可能である。このため、粒径が0.5〜12ミクロンの範囲にあるだけ
でなく、患者に送達される粒子の80%またはそれ以上の粒径が平均粒径の±20%
以内、好ましくは±10%以内、より好ましくは平均粒径の±5%以内となるよう
に、平均粒径が狭い範囲に収まっていることが好ましい。
【0086】 さらに、本発明に係るリポソームを、特定の障害の治療に用いるのに適した他
の医薬品と併用してインビボに投与してもよい。例えば、リポソームが、標的細
胞に特定薬剤に対する感受性を付与する「自殺遺伝子」を含む場合には、リポソ
ームをその薬剤と同時投与することが望ましい場合がある。薬剤はリポソーム中
に封入してもよいが、必ずしもそうする必要はない。
【0087】投薬 男性の治療に関して提案する有効化合物の1日投与量は約0.5mg DNA/kg〜4mg
DNA/kgであり、これを1日1回または2回投与することが好都合と思われる。用い
る正確な用量は当然ながら、患者の年齢および状態、ならびに投与経路に依存す
ると考えられる。すなわち、吸入による投与のための適した用量は約0.5mg DNA
/kg〜2mg DNA/kgであり、経口投与の場合は約2mg DNA/kg〜5mg DNA/kgであ
り、非経口投与の場合は約2mg DNA/kg〜4mg DNA/kgである。
【0088】 これらのリポソームは、インビトロまたはインビボの双方で標的細胞への核酸
のトランスフェクションに用いられうる。標的細胞は、細胞膜が脂質二重層から
なる任意の細胞であってよく、これには一般に真核細胞、好ましくは哺乳動物細
胞、より好ましくはマウス細胞またはヒト細胞が含まれる。
【0089】 トランスフェクションをインビトロで行う場合には、適量の主題リポソームを
、標的細胞を含む細胞培養用培地に添加する。リポソーム組成物の適量は、細胞
10個当たりリポソームが約0.12〜1.2mgの範囲、または細胞10個当たり封入D
NAが約0.1〜約10μgの範囲でよい。しかし当業者は、特定の標的細胞の不安定性
、トランスフェクションに対する耐性、リポソームがより小さな核酸を含むかよ
り大きな核酸を含むか、特定の遺伝子の活性および望ましい遺伝子発現レベルな
どの要因にこの量が依存し変化することを理解すると考えられる。
【0090】 この結果得られる、リポソームにトランスフェクトした細胞はさまざまな用途
に用いられうる。例えば、取り込まれた核酸によってコードされるポリペプチド
、例えば、望ましい哺乳動物遺伝子産物を発現させるために細胞を用いてもよい
。また、取り込まれた核酸によって特定の遺伝的欠陥を発現する細胞が生じる場
合には、その特定の遺伝的欠陥に対して提唱された治療法の有効性を調べるため
のモデルとして細胞を用いることができる。または、インビトロでのリポソーム
トランスフェクションにより、何らかの遺伝的欠陥を代償する遺伝子、またはア
ンチセンスRNA、リボザイムもしくは治療用蛋白質などの部分をコードする遺伝
子が組み入れられる場合には、遺伝子治療を必要とする宿主にこれらの細胞を投
与してもよい。米国特許第5,399,346号を参照されたい。
【0091】 核酸を含むリポソームをインビボで用いようとする場合には、このような治療
を必要とする宿主にそれらを投与する。インビボでの使用に関する別の変法は、
疾患の研究に有用なトランスジェニックマウスまたは「ノックアウト」マウスな
どの遺伝的欠陥の作製を目的とする。患者における治療の一例は、ナーベル(Na
bel)ら(1993)、Proc. Natl. Acad Sci.、90:11307に記載された通り、ヒト
白血球抗原B7(HLAB7)をコードするDNA構築物を前記のリポソーム中に封入し、
皮膚黒色腫に罹患した患者の腫瘍病変に直接注射する場合のものであり、この文
献はその全体が参照として本明細書に組み入れられる。HLAB7は黒色腫細胞に対
する宿主免疫応答を刺激する。
【0092】 一般に、インビボでのリポソームの投与量は約0.2〜20mg/kg体重、好ましく
は約2mg〜10mg/kg体重の範囲であると考えられる。この量は当然ながら、具体
的な遺伝的欠陥、封入する核酸の種類、望ましい遺伝子発現レベル、リポソーム
中に含まれる核酸の量、および前記の他の要因に依存すると考えられる。
【0093】 インビボまたはインビトロでのトランスフェクションの効率は標準的な方法に
よって測定しうる。サムブルック(Sambrook)ら(1989)、「分子クローニング
:実験マニュアル(Molecular Cloning:a Laboratory Manual)」、第2版、コ
ールド スプリング ハーバー 研究所(Cold Spring Harbor Laboratory)、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照のこと。例えば、細胞にインビトロでトランスフェ
クトされたリポソーム中に封入されたDNA構築物にコードされる遺伝子の発現を
、RNA転写物の生成を測定するためのノーザンブロット法またはRNA PCR法によっ
て、および蛋白質の生成を検出および測定するためのウエスタンブロット法、免
疫沈降およびインサイチュー免疫組織化学によって検討することができる。宿主
細胞染色体へのDNAの組み込みはPCRまたはサザンブロット法によって判定しうる
。同じ方法は、インビボで治療した組織がトランスフェクトされた遺伝子を含む
か否か、またはトランスフェクトされた遺伝子の遺伝子産物を発現するか否かの
判定にも用いられる。これは、関心対象の組織の生検試料を用いて行うことが好
ましい。
【0094】 実施例 以下の実施例は、本発明の作成法および使用法に関する完全な開示および説明
を当業者に提供するために記載されており、発明とみなしているものの範囲を制
限するものではない。使用する数字(例えば、量、温度、濃度など)に関して正
確であるように努力は払っているが、ある程度の実験的誤差および偏差は許容さ
れるべきである。別に特記しない限り、各部分は総重量に占める部分重量であり
、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏温度で示され、圧力は大気圧またはほ
ぼ大気圧である。
【0095】 実施例1:DNAが封入されたカチオン性リポソームの調製 DOTMA、N-[1-(2,3-ジオレイロキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウム
クロリド、およびDOPE、ジオレイルホスファチジルエタノールアミンをDOPE/CH
EMS 1:1のモル比で含むリポソームを調製する。まず50mgの総脂質を無水クロロ
ホルム中に溶解し、続いて丸底フラスコ内で乾燥させて薄膜とする。次に脂質を
激しく攪拌することによって2.5mlの脱イオン水中に懸濁する。続いて懸濁液をp
H 8に調整し、水浴型超音波処理器で超音波処理を5分間行う。この結果得られた
リポソームのサイズ分けを光散乱によって行い、0.45μmフィルターを通す濾過
によって滅菌する。DNA/ポリリジンの重量比が1:0.75となるように、400μLの
脱イオン水に溶解した36μgのポリ-L-リジンを、400μLの脱イオン水に溶解した
48μgのプラスミドDNAと急速混合する。この結果得られたDNA/ポリリジン複合
体のアリコートを、等量の脱イオン水中にある種々の量のカチオン性リポソーム
と急速混合する。プラスミドDNAおよびポリリジンを急速に混合すると緻密な複
合体が形成された。全体的な電荷が正であっても負であってもこれらの複合体は
安定である。
【0096】 DNA/ポリリジン(1:0.75)複合体は、DOTMA、N-[1-(2,3-ジオレイロキシ)プ
ロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド、およびDOPE、ジオレイルホス
ファチジルエタノールアミンによるリポソームと急速混合すると自然に封入され
る。DNAを含むリポソームのサイズは、DNA/ポリリジン複合体とカチオン性リポ
ソームとの荷電比に依存する。
【0097】 実施例2:生体接着性分子の共有結合 HAの水溶液を、水溶性カルボジイミドEDCとのインキュベーションによってあ
らかじめ活性化しておく。成分を混合し、HAおよびEDCをそれぞれ最終濃度1.7mg
/mlとして含む調製系を作る。1N HClによる滴定を行って調製系のpHを3に調整
した。調製系を攪拌しながら37℃で3時間インキュベートする。
【0098】 プレインキュベーション期間の後に、実施例1の通りに作製した試料を添加し
、続いてpH 8.5の0.1Mホウ酸緩衝液を添加する。このリポソーム混合物を振盪浴
中にて37℃で24時間インキュベートする。超遠心および洗浄によって余分な未結
合型HAおよび試薬を除去した。
【0099】 実施例3:エアックス(AERx)エアロゾル化装置からのDNA/脂質製剤の放出量は
電解質濃度に伴って増加する エアックス(AERx)エアロゾル化装置を用いて、種々の塩濃度のDNA/脂質製
剤の放出量を検討した。エアックス(AERx)エアロゾル化装置は7×20個のノズ
ルアレイ、60 LPM、SDP(単回投与プラットフォーム)クランプを有する。塩濃
度が0%、0.05%および0.1%のDNA/脂質製剤を検討した。その結果を図1に示す
。この結果は、塩濃度の上昇に伴ってDNA/脂質製剤の放出量が増えることを示
している。ED:放出量;%LC:剤形中の放出された有効物質が総量に占める割合
【0100】 本明細書では、本発明を、最も実践的かつ好ましい態様と思われる形で示し、
説明してきた。しかし、それからの逸脱も可能であり、これは本発明の範囲に含
まれること、および、本開示を読むことによって当業者には明らかな変更が想定
されることは認識されると思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 DNA/脂質製剤の放出量に対する塩濃度の影響を示したグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/18 A61K 47/18 4G005 47/36 47/36 47/44 47/44 47/48 47/48 A61P 5/00 A61P 5/00 37/00 37/00 43/00 101 43/00 101 105 105 111 111 B01J 13/04 C12N 15/00 A C12N 15/09 B01J 13/02 A // C12N 5/10 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 CA01 DA03 EA10 FA20 GA13 HA17 4B065 AA93X AB01 AC20 BA05 BD38 BD50 CA24 CA44 4C076 AA19 AA24 AA25 AA93 AA95 BB27 BB32 CC09 CC15 CC29 CC41 CC42 DD19E DD49 DD63 EE37 EE41 EE57 EE59 FF15 FF16 FF68 GG46 4C084 AA13 MA01 MA05 MA24 MA55 NA02 NA10 NA13 NA15 ZB011 ZB021 ZB211 ZB212 ZC021 ZC412 4C086 AA01 EA16 MA02 MA03 MA05 MA13 MA24 MA56 NA02 NA10 NA13 NA15 ZB01 ZB02 ZB21 ZC02 ZC41 4G005 AA07 BA20 BB15 BB20 BB24 DB01Z DB12Z DC28X DC42X DC56X DE08X EA03

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物細胞に核酸をトランスフェクトするための組成物で
    あって、 核酸; リポソームを形成する、カチオン性脂質を含むカチオン性脂質組成物;および グリコサミノグリカン; を含み、 グリコサミノグリカンがリポソームの表面と共有結合しており、さらに核酸が
    (a)内因性核酸とハイブリダイズしてその発現を阻害する能力、および(b)活
    性のある遺伝子産物へと転写される能力、からなる群より選択される活性を有す
    る、組成物。
  2. 【請求項2】 カチオン性脂質が多価カチオン性脂質である、請求項1記載
    の組成物。
  3. 【請求項3】 グリコサミノグリカンが、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫
    酸、キチンおよびヘパリンからなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 グリコサミノグリカンがヒアルロン酸である、請求項1記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】 カチオン性脂質組成物が中性脂質をさらに含み、該カチオン
    性脂質組成物が肺胞界面活性物質蛋白質をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 カチオン性脂質をグリコサミノグリカンと連結する架橋物質
    をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 第2の細胞表面分子と結合する第2の分子をさらに含み、第2
    の分子がリポソームの表面と共有結合しており、第2の分子が細胞表面受容体と
    特異的に結合するリガンドである、請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 哺乳動物細胞をトランスフェクションする方法であって、 哺乳動物細胞表面と選択的に結合する能力を特徴とする、核酸、カチオン性脂
    質およびグリコサミノグリカンを含む組成物を哺乳動物細胞に投与する段階;な
    らびに 核酸を細胞内に移行させる段階 を含む方法。
  9. 【請求項9】 核酸が遺伝子産物をコードする、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 核酸がアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項8
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 核酸が少なくとも1つのコード領域を含む高分子量ポリヌ
    クレオチドである、請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 哺乳動物細胞に核酸をトランスフェクトするための組成物
    を作製するための方法であって、 多価カチオン性脂質および核酸を含むカチオン性脂質組成物を配合する段階; 核酸を封入するためにカチオン性脂質組成物からカチオン性のリポソームまた
    は小胞を形成する段階;ならびに グリコサミノグリカンをカチオン性リポソームの表面に共有結合させる段階 を含む方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の方法によって作製されるトランスフェクシ
    ョン用組成物。
  14. 【請求項14】 核酸を哺乳動物細胞に送達するための方法であって、細胞
    を請求項1記載の組成物と接触させることを含む方法。
  15. 【請求項15】 核酸をインビボの哺乳動物細胞に導入する、請求項14記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 細胞がヒト細胞である、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 細胞が肺細胞であり、被験者に対する組成物の肺送達を介
    して組成物を細胞に投与する、請求項15記載の方法。
  18. 【請求項18】 組成物を肺細胞に対する投与の前にエアロゾル化する、請
    求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 組成物のグリコサミノグリカンがHAであり、哺乳動物細胞
    がHAと特異的に結合する細胞表面分子を含む、請求項15記載の方法。
  20. 【請求項20】 細胞表面分子がCD44である、請求項19記載の方法。
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