JP2003527346A - 合成オリゴマンノシド並びにその調製および使用 - Google Patents

合成オリゴマンノシド並びにその調製および使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、化学合成により調製されるオリゴマンノシドに関するものである。当該オリゴマンノシドは、酵母,真菌,ウイルス,細菌のような感染性若しくは病原性生物またはその変異体の外膜のオリゴマンノシドに相同である。また本発明は、前記の合成オリゴマンノシドの調製、および、感染を診断または予防するためのそれらの使用に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は、合成オリゴマンノシド、それらの調製及び抗体の検出と感染の予防
におけるそれらの使用に関する。
【0001】 (発明の開示) すべての真菌と同様に、日和見真菌Candida albicans(カン
ジダアルビカンス)においては、代謝のかなりの部分が、その機構が細胞の環境
への適応を微細に調節する細胞壁多糖類の合成に当てられる。多くのグループが
、カンジダ症の病態生理学におけるC.albicansのマンナンの非常な重
要性を確認している。同様に、宿主の体液及び細胞成分とマンナンの様々な相互
作用は、酵母によって合成される一連のオリゴマンノシドに依存する特異性に基
づくことが示された。感染の予後を方向づける相互作用の性質を決定するのは、
マンノース残基の結合のアノマー性(anomerie)とオリゴマンノシド鎖
の長さである。これらのオリゴマンノシドの生物学的特性と構造、そして言うま
でもなくこれらの感染の診断又は予防方法の開発に関する研究作業は、多大のオ
リゴマンノシドを使用することを必要とする。ところで、C.albicans
菌株からの天然オリゴマンノシドの生成は複雑であり、費用がかかる。糖類の性
質は、培地、温度、酸素付加、培養時間、等々に密接に依存するので、当然なが
ら極めて標準化された条件下で菌株を使用し、保存し、発酵槽で培養することが
重要である。C.albicansの発酵槽での培養には、微生物学の分野にお
ける豊富な経験知識と非常な慎重さが求められる。それに続いて、マンナンのロ
ットを培養から回収し、それらの抗原性について、特に化学的に特徴づけねばな
らない。そのためには、マンナンの解重合と遊離した糖類のNMR(核磁気共鳴
)による分析が必要である。
【0002】 これらの天然オリゴマンノシドは、当然ながら、C.albicansによる
感染の免疫学的診断試験の調製のために使用される。ところで、マンナン抗原に
よるプレートの感作は、種々の生産ロットに関して、そして適用する量(qua
nititee deposee)を調節することができないプロトコールに従
って実施される。また多数の試験が、カンジダ症(Sendid,B.ら、19
99、J.Clin.Microbiol.37(5):1510−7)及びク
ローン病(Sendid,B.ら、1996、Clin.Diag.Lab.I
mmunol.3(2):219:26)の診断のために酵母の天然マンナンを
使用する。これらの試験は、C.albicans及びS.cerevisia
eのマンナン中に存在する一連のオリゴマンノシドの混合物に対する抗体を検出
するものである。
【0003】 上述したような難点を克服するため、発明者は、天然マンナンに好都合に取っ
て代わることができる、酵母の細胞エンベロープのオリゴマンノシドの類似体、
以下合成オリゴマンノシドと称する、を大量且つ再現可能に化学合成によって生
成するに至った。実際に、これらの合成オリゴマンノシドに関して実施した研究
試験は、それらが、特に抗原性、及び哺乳類の細胞及び分子への接着性、及び細
胞刺激に関して、C.albicansの天然糖類の生物学的特性を模倣するこ
とを示した。そこで発明者は、合成オリゴマンノシドが、診断上及び予後におけ
る意味が異なる各々の構造の特異的抗体の検出を目標として、共有結合によるマ
イクロタイトレーションプレートの感作のために成功裏に使用できるこを明らか
にした(Jouault,T.,1997、Clin.Diag.Lab.Im
munol.4(3):328−33)。
【0004】 さらに発明者は、これらの合成オリゴマンノシドが、カンジダ症の予防と治療
のためにそれらを使用することを可能にする、C.albicansによるコロ
ニー形成の著明な阻害特性を備えることを明らかにした。
【0005】 本発明は、それ故、感染性又は病原性生物の壁のオリゴマンノシドに相同な、
化学合成によって生成されるオリゴマンノシドを対象とする。より特定すると、
上記生物は、その細胞エンベロープがオリゴマンノシドを含む酵母、真菌、ウイ
ルス、細菌である。細胞エンベロープとは、細胞の膜、壁、莢膜も意味する。本
発明は、中でも特に酵母、明細にはCandida albicans(カンジ
ダアルビカンス)又はSaccharomyces cerevisiae(ビ
ール酵母菌)に関する。
【0006】 相同とは、本発明の合成オリゴマンノシドが、酵母、特にCandida a
lbicans又はSaccharomyces cerevisiaeの天然
オリゴマンノシドと同じα又はβ結合の連鎖に従ったマンノースの同じモチーフ
(1‐2)、(1‐3)、(1‐6)を備えるが、先行技術で述べられている天
然オリゴマンノシドに不可避に結びつく他の細胞成分、特にたんぱく質、糖類、
脂質を含まないことを意味する。
【0007】 本発明のオリゴマンノシドの誘導体とは、1個又はそれ以上の官能基が、例え
ば保護基によって置換されているオリゴマンノシド、又はマイクロタイトレーシ
ョンプレートのような保持体への固定のために、コネクターとも称される結合基
に複合されている合成オリゴマンノシドを意味する。
【0008】 本発明は、より特定すると、次の一般式: [Manα(1‐3)]p[Manα(1‐2)]q[Manβ(1‐2)]
r(α又はβ)‐Man‐OR [式中、 ‐Rは、水素原子、C1‐C20、好ましくはC15‐C20アルキル、場合によっ
て、例えば発色団又は蛍光基で標識されたコネクター基、又は後述するように、
オリゴマンノシドを免疫原性にすることができる物質を表わし、 ‐p、q及びrは0から19まで、好ましくは0から11までの整数であって
、p+q+rの合計が1から19まで、好ましくは1から11までであり、 ‐ポリマー[Manα(1‐3)]p[Manα(1‐2)]q[Manβ(
1‐2)]rの3つの部分は逆位にする又は反復することができる] に対応する合成オリゴマンノシドに関する。
【0009】 上記の合成オリゴマンノシドの中で、本発明は特にテトラマンノシド、明細
には次の合成テトラマンノシドに関する: ・次の式(I):
【0010】
【化7】
【0011】 [式中、Rは、水素原子、C1‐C20、好ましくはC15‐C20アルキル、又は場
合によって標識されたコネクター基、又はオリゴマンノシドを免疫原性にするこ
とができる物質、又はヒドロキシル基の1個又はそれ以上が置換されているその
誘導体を表わす] に対応する、下記ではMβ‐1‐2‐テトラマンノシドとも称される、C.al
bicansの、 D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐
Man。
【0012】 ・次の式(II):
【0013】
【化8】
【0014】 [式中、Rは式(I)と同じ意味を表わす] に対応する、下記ではMα‐1‐2‐テトラマンノシドとも称される、C.al
bicansの、 D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐
Man。
【0015】 ・次の式(III):
【0016】
【化9】
【0017】 [式中、Rは式(I)と同じ意味を表わす] に対応する、S.cerevisiaeの、 D‐Manα(1‐3)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐
Manα(1‐2)。
【0018】 コネクターを表わすR基の存在は、C.albicansによる感染又は腸の
慢性炎症性疾患、特に後述するようなクローン病の診断のために、被験者におい
てある種のオリゴマンノシドに特異的な抗体の存在を検出するための試験の調製
にとって有用である。
【0019】 コネクターは、好ましくは共有結合によって、若しくは例えば疎水型の他の何
らかの結合によって、マイクロタイトレーションプレートのような保持体に合成
オリゴマンノシドを結合することができるあらゆる化学基でありうる。共有結合
は、強固で免疫学的分析試験に適合した表面を使用するという利点を提供し、合
成オリゴマンノシドのより良好な方向づけを可能にすると共に、より高密度のエ
ピトープを使用することができ、また抗原性部位が非常にアクセスしやすいため
抗体の認識という問題が回避される。
【0020】 合成オリゴマンノシドと反応するためにそれ自体が活性化された表面上で結合
のために活性化することができるカルボン酸官能基を備えるコネクターが好まし
い。コネクターの例として、式中、Rが式:−CH2−(CH27−CO2Hの基
を表わす、R.U.Lemieux(Lemieux,R.U.ら、1975、
J.Am.Chem.Soc.97,4076−4083)のコネクターが挙げ
られる。
【0021】 保持体の表面で第一アミン基とアミド結合を形成することができる活性エステ
ルを得るため、R.U.Lemieuxのコネクターのような、カルボン酸基を
担うコネクターをカルボジイミドによって活性化することができる。スルホ‐N
‐ヒドロキシスクシニミド(スルホ‐NHS:N‐ヒドロキシスクシニミド)の
存在下で合成オリゴマンノシドの‐COOH基を活性化するため水溶性カルボジ
イミド(EDC:1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド)を使用する。スルホ‐NHSは活性化された産物の加水分解を有効に阻止
して、‐NH2基によって既に感作されたプレートの表面への合成オリゴマンノ
シドの固定を可能にする。
【0022】 本発明の合成オリゴマンノシドは、好ましくはジブロック(dibloc)に
よる戦略に従って保護されたジマンノシドの縮合により、保護された単糖類又は
二糖類を縮合することによって調製できる。
【0023】 本発明に従ったオリゴマンノシドの調製のためのジブロック戦略の1つの好ま
しい実施態様は: a)‐2個のブロックのうちの少なくとも1個が、出発官能基によって活性化
される他のジブロックとの縮合に必要なものを除いて、各々の単糖類の遊離ヒド
ロキシル官能基が同じか又は異なる1個又はそれ以上の保護基によって置換され
ている中間ブロックであり、 ‐2個のブロックのうちの少なくとも1個が、他のジブロックとの縮合に必要
なもの及び場合によって保持体へのオリゴマンノシドの固定のための結合基で置
換されているものを除いて、各々の単糖類の遊離ヒドロキシル官能基が同じか又
は異なる1個又はそれ以上の保護基によって置換されている末端ブロックである
ジブロックを調製し、 b)上記ジブロックを縮合し、次いでそのようにして調製したオリゴマンノシ
ドを脱保護する ことから成る。
【0024】 上記の工程を実施するためのジマンノシドManα(1‐2)Manの例は、
次の式(IV):
【0025】
【化10】
【0026】 [式中、 ‐Rは永久保護基である。永久保護基とは、オリゴマンノシドの合成開始時に
導入され、合成終了時に除去される保護基を意味する。そのような永久保護基の
例として、ベンジル基が挙げられる、 ‐R1は一時保護基である。一時保護基とは、縮合を生じさせるために取り除
かれる保護基を意味する。そのような一時保護基の例として、アセテート基が挙
げられる、 ‐R2は: 中間ブロックの場合には出発基であり、この場合ブロックはα又はβとしてポ
リマーの残りの部分に結合していてもよい:そのような出発基の例として、−O
−C(NH)−CCL3又はPhSが挙げられる、 末端ブロックの場合には、α又はβとして、アルキル基、ベンジル基、又はコ
ネクター基から選択される基である、 に対応する。
【0027】 上記の工程を実施するためのジマンノシドManβ(1‐2)Manの例は、
次の式(V):
【0028】
【化11】
【0029】 [式中、 ‐R1は一時保護基である;そのような一時保護基の例として、テルブチルジ
メチルシリル基が挙げられる、 ‐R2は: 中間ブロックの場合には出発基であり、この場合ブロックはα又はβとしてポ
リマーの残りの部分に結合していてもよい;そのような出発基の例として、SP
h又はSOPhが挙げられる、 末端ブロックの場合には、アルキル基、ベンジル基、又はα又はβとしてコネ
クター基から選択される基である、 に対応する。
【0030】 上記の工程を実施するためのジマンノシドManα(1‐3)Manの例は、
次の式(VI):
【0031】
【化12】
【0032】 [式中、 ‐Rは永久保護基である;そのような永久保護基の例として、ベンジル基が挙
げられる、 ‐R1は一時保護基である;そのような一時保護基の例として、アセテート基
が挙げられる、 ‐R2は: 中間ブロックの場合には出発基であり、この場合ブロックはαとしてポリマー
の残りの部分に結合していてもよい;そのような出発基の例として、チオフェニ
ル(SPh)基が挙げられる、 末端ブロックの場合には、α又はβとして、アルキル基、ベンジル基、又はコ
ネクター基から選択される基である、 に対応する。
【0033】 上記のジマンノシドは、本発明のテトラマンノシドの調製のために使用できる
【0034】 式(I)のテトラマンノシドD‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)
D‐Manβ(1‐2)D‐Manは、式(V)の2個のブロックManβ(1
‐2)から調製することができ、そのうちの1個は、R2が出発基、例えばR2
=−SOPhであって、β結合を形成する中間ジブロックであり、他の1個は、
R2が例えばSPhである末端ジブロックである。
【0035】 式(II)のテトラマンノシドD‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2
)D‐Manα(1‐2)D‐Manは、式(IV)のブロックManα(1‐
2)Manから調製することができ、そのうちの1個は、R2が出発基である、
例えばR2が−C(NH)−CCl3を表わす中間ジブロックであり、他の1個
は、R2が‐SPhである末端ジブロックである。
【0036】 式(III)のテトラマンノシドD‐Manα(1‐3)D‐Manα(1‐
2)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)は、式(VI)の1個のジ
ブロックManα(1‐3)Manと式(IV)の1個のジブロックManα(
1‐2)Manから調製することができ、中間ジブロックは、R2が出発基であ
る、例えばR2が−SPhである式(VI)のManα(1‐3)Manであり
、末端ジブロックは、R2が式(III)で定義されるR基を表わすManα(
1‐2)Manである。
【0037】 上述したように、本発明の合成オリゴマンノシドは、感染性又は病原性生物、
特にその細胞エンベロープがオリゴマンノシドを含む酵母、真菌、ウイルス、細
菌による感染の存在を患者のサンプルに関してインビトロで検出するために有用
である。そのような方法は、好都合にはあらかじめ保持体上に固定した、上記で
定義した少なくとも1個の合成オリゴマンノシドを、感染性又は病原性生物に対
する抗体を含む可能性がある生物学的サンプルと接触させ、その後何らかの適切
な手段によって抗原‐抗体複合体を検出することから成る。本発明は、特にC.
albicans及びS.cerevisiaeによる感染の診断、又はクロー
ン病の症例において抗S.cerevisiae抗体の存在を明らかにすること
に関する。
【0038】 そこで発明者は、式(I)のテトラマンノシドD‐Manβ(1‐2)D‐M
anβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐Man及び式(II)のテトラマ
ンノシドD‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2
)D‐Manが、C.albicansによる感染の特異的検出、従ってカンジ
ダ症の診断を可能にすることを明らかにした。
【0039】 同様に、発明者は、(III)のテトラマンノシドD‐Manα(1‐3)D
‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)が抗S.
cerevisiae抗体の特異的検出を可能にし、クローン病の診断のための
ASCA試験において好都合に利用できることを明らかにした。
【0040】 発明者はさらに、意外にも式(III)のテトラマンノシドD‐Manα(1
‐3)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)
が、ウイルス性肝炎、自己免疫疾患又は炎症性疾患の診断又は予測のためにAS
CA試験の枠内で使用できることを示した。
【0041】 それ故本発明は、上述した合成オリゴマンノシドの少なくとも1個を生物学的
サンプルと接触させることを特徴とする、感染性及び/又は炎症性疾患の診断又
は予測のための抗オリゴマンノシド抗体の検出方法を対象とする。
【0042】 より特定すると、本発明は、上述した合成オリゴマンノシドの少なくとも1個
を生物学的サンプルと接触させることを特徴とする、クローン病又はウイルス性
肝炎の診断のための抗S.cerevisiae抗体の検出方法に関する。
【0043】 好都合には、合成オリゴマンノシドは、式(III)のテトラマンノシドD‐
Manα(1‐3)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Man
α(1‐2)である。
【0044】 本発明はさらに、感染性又は病原性生物、特にその細胞エンベロープがオリゴ
マンノシド診断するためのキットに関する。そのようなキットは、好都合にはE
LISAプレートのような保持体上に固定された、上記で定義した少なくとも1
個の合成オリゴマンノシド、抗原‐抗体複合体の形成を検出するための手段、及
び場合によって対照試薬を備える。
【0045】 本発明の枠内で実施した研究試験から、上記で定義した合成オリゴマンノシド
が、その膜がオリゴマンノシドを含む感染性又は病原性因子によるコロニー形成
を抑制するために使用できることが発見された。実際に、カンジダ属の酵母は、
宿主の細胞、すなわち膣又は消化管の細胞に接着するために自らの壁の表面の糖
類を利用する。それ故発明者は、特に酵母の糖類が、感染、特にC.albic
ansによって、さらには同じ糖類、例えばSalmonella(サルモネラ
属)、E.coli(大腸菌)のLPSを発現する他の微生物によって決定され
る感染から防護することを明らかにするに至った。
【0046】 より特定すると、発明者は、膣カンジダ症のモデルにおいて、式(I)のテト
ラマンノシドD‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1
‐2)D‐Manが、C.albicansによるコロニー形成を極めて有意に
低下させることを示した。同様に、式(I)のテトラマンノシドD‐Manβ(
1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐Manは、C.a
lbicansによる消化管コロニー形成の実験モデルにおいて強力な防護作用
を示した。
【0047】 その結果として、本発明は、上述した合成オリゴマンノシド、又は例えば破傷
風トキソイドのような、糖類を免疫原性にすることができる物質に結合した合成
オリゴマンノシドから形成されるコンジュゲート、ならびに前記コンジュゲート
に対して特異的なモノクローナル又はポリクローナル抗体の治療適用に関する。
これらの抗体は、研究ツールとしてのみならず、診断ツールの開発のためにも有
用である。
【0048】 それ故本発明はまた、組成物において製薬上許容される賦形剤と組み合わせた
、複合した又は複合していない、上記で定義した少なくとも1個の合成オリゴマ
ンノシドを有効成分として備える製薬組成物に関する。これらの製薬組成物は、
認められる感染の種類に応じて、コロニー形成の抑制又は局所又は全身性免疫に
よる防護をもたらすように、局所的又は全身的に適用することができる。
【0049】 本発明は、より明細には、D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D
‐Manβ(1‐2)D‐Man殻形成されるコンジュゲートを考慮する。
【0050】 また意外にも、発明者は、特にC.albicansによる腸コロニー形成の
症例及び膣カンジダ症の症例において、非複合オリゴマンノシドの阻害特性を明
らかにした。
【0051】 本発明の他の利点及び特徴は、本発明のオリゴマンノシドの調製、及び感染の
診断、予防及び治療のためのそれらの使用に関する下記の実施例において明らか
になるであろう。下記の実施例においては、次のような添付の図面を参照する。
【0052】 (発明を実施するための最良の形態) (実施例1)式(I)のD−Manβ(1−2)D−Manβ(1−2)D−
Manβ(1−2)D−Man I−反応図について 添付資料の図1は、式(1)のD−Man β(1−2)D−Man β(1−2)
D−Man β(1−2) D−Manの調製の反応図を表す。
【0053】 −式1化合物(Stutz, A.ら、1985年、Carbohydr.Res. 第137号,第2
82−290頁)は、HBF4Et2Oの存在下に、DMF中におけるフェニル
1−チオ−α−D−マンノピラノシド(Maity, S.K.ら、1994年、Tetrahedr
on, 第50号,第6965−6974頁)に対するPhCH(OMe)2の反応に
より調製される。選択的ベンジル化により化合物2が産生される。この化合物2
は、シリル化および酸化されて化合物4になる。
【0054】 反応(a)は次の条件で行われる。すなわち、BnBr、Bu2SnO、NB
4Br、トルエン、110℃。
【0055】 反応(b)は次の条件で行われる。すなわち、TBDMSOTf、Et3N、
CH2Cl2
【0056】 反応(c)は次の条件で行われる。すなわち、MCPBA、CH2Cl2、−4
0℃。
【0057】 チオフェニルを含むジサッカリドおよびテトラサッカリドは、まず化合物2お
よび4を縮合して調製される。2と4との縮合によりジサッカリド5となり、こ
れはスルホキシドにより活性化されて化合物7に、または位置2’の保護が除去
されて、受容体6となる。化合物6および7を縮合すると重要なテトラサッカリ
ド8ができる。
【0058】 反応(d)は次の条件で行われる。すなわち、Tf2O、2,6−ジテルブチル
−ピリジンまたは2,6−ジテルブチル−4−メチルピリジン(DBMP)、C
2Cl2、−78℃。
【0059】 反応(e)は次の条件で行われる。すなわち、b)NBu4F・3H2O、TH
F。
【0060】 反応(f)は次の条件で行われる。すなわち、MCPBA、−40℃、CH2
Cl2
【0061】 反応(g)は次の条件で行われる。すなわち、Tf2O、DBMP、CH2Cl 2 、−0℃。
【0062】 8−メトキシカルボニルオクタノルはコネクターとして選択されている。これ
はLemieux(Lemieux,R.U.ら、1975,J.Am.Che
m.Soc.,97,4076−4083)に従って、アゼライン酸から、また
はより良くはオレイン酸メチルのオゾン分解および、NaBH4により形成され
たアルデヒドのin situで還元により調製されてもよい(Gerlach
、H.ら、1978,Helv.Chim.Acta,61,1226−123
1)。
【0063】 この化合物8は次に、NBSの存在下の水との反応である、NBu4NFによ
るシリルの除去によって9に変換され、式(I)(式中、Rはベンジルおよびベ
ンジリデンの脱保護によるHである)に変換される。
【0064】 化合物8の8−メトキシカルボニルオクタノルとのクリコシル化により化合物
10となり、脱保護の後、式(I)(式中、Rは−(CH26−CO2Meであ
る)テトラマンノシドになる。
【0065】 反応(h)は次の条件で行われる。すなわち、NBu4F.3H2O、THF、
次いでNBS、H2O、アセトン。
【0066】 反応(i)は次の条件で行われる。すなわち、NBS、TfOH、8−メトキ
シカルボニルオクチノル、4オングストロームモレキュラーシーブ、CH2Cl2
【0067】 反応(j)は次の条件で行われる。すなわち、H2、Pd/C、MeOH、A
cOEt。
【0068】 反応(k)は次の条件で行われる。すなわち、1−NBu4NF.3H2O、T
HF、2−H2、Pd/C、MeOH、AcOEt、3−NaOH、THF、H2 O。
【0069】 II−実験実施要領 1)概論 溶解点をBuchi510毛細管装置で測定し、修正は行わなかった。 旋光能を、Perkin−Elmer241偏光計により室温で測定した。化学
イオン化法(アンモニア)における質量スペクトルはNermagR10−10
により得られた。実験分析は、ピエールおよびマリー・キュリー大学(パリ6区
)のマイクロ分析機関により行われた。プロトンのスペクトルRMNが、重水化
されたクロロホルム内の溶液状態において、250または400MHzのBru
ker装置で記録された。化学移動がTMSに対してppmで示され、使用され
た略語は次の通りである。s(一電子結合)、se(拡大一電子結合)、d(二
電子結合)、de(拡大二電子結合)、t(三電子結合)、q(四電子結合)、
m(多電子結合)、by(ベンジリデン)。薄層クロマトグラフィーがシリカプ
レートMerck60 F254上で行われ、濃縮された硫酸アルコール溶液(
20%v/v)の気化および加熱により顕現された。カラムクロマトグラフィー
(flash)はシリカゲル60(230〜400メッシュ、Merck)に対
して行われた。
【0070】 1)フェニル3−o−ベンジル−4,6−o−ベンジリデン−1−チオ−α−
D−マンノピラノシド(2) この化合物は次の文献、Z Szurmai.Balatoni,A.Lip
tak、Carbohydr.Res.254(1994)301−309およ
びT Oshitari、S Kobayasi、Tetrahedron L
ett(1995)1089−92に記載されている。下記の記述は、大量な場
合に使用可能な合成に関する(二つの異なる溶媒に関する二つの異なる方法)。
【0071】
【化13】
【0072】 −方法1(溶媒はトルエンである) 無水トルエン295mL中における1の溶液(公知の化合物、すなわち有利に
はR.Albert、K Dax、R.Pleschko、A Stutz,C
arbohydr.Res.137(1985)282−290)により調製さ
れたH Franzyk,M Medal,H Paulsen,K Bock
J.Chem Soc.Perkin Trans I,(1995)288
3−98)(10g、28mmol)に、酸化ジブチルスズ7.59gを加える
。混合物を、Dean Stark装置でトルエンの還流に一晩かける。ヨウ化
テトラブチルアンモニウム(6.59g)、次いで臭化ベンジル4.3mL)を
加える。還流下に撹拌を3時間行い、室温に戻した後(シクロヘキサン/酢酸エ
チル=3/1のコントロール)、真空下に混合物を濃縮する。得られた残滓をカ
ラムクロマトグラフィーにより精製して(溶離、シクロヘキサン/酢酸エチル=
4/1)、生成物2(11g、89%)を得る。
【0073】 −方法2(溶媒はアセトニトリル) 丸底フラスコに化合物1(9.05g、25.11mmol)および無水アセ
トニトリル450mLを導入する。アルゴン下にCH3CNの還流にかけて加熱
する(化合物1は加熱されたアセトニトリル中に溶解する)。溶液が透明になっ
たら、粉末状の4Åモレキュラーシーブ23.53g、Bu2SnO7.51g
を添加し、6時間還流にかける。そのまま放置して室温に戻す。NBu4N+B
-8.10g(1等量)、臭化ベンジル6.3mL(2.3等量)を加え、4
5℃で一晩撹拌する。セライトで被覆された焼結漏斗により濾過して、固体をジ
クロロメタンで濯いで、真空下に濃縮する。得られた残滓をカラムクロマトグラ
フィー(溶離、シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)により精製して、生成物
2(10.2g、90%)を得る。
【0074】 1H-RMN : (250MHz,CDCl3) : δ : ?5.55(s,1H,By); 5.52 (s,1H,H-1); 4.82(
d,1H, J gem=11.79Hz, CHPh); 4.67(d,1H,J gem=11.75Hz, CHPh); 4.27(ddd,1H,
H-5); 4.21(d,1H, J 2-3=3.54Hz,H-2); 4.14(dd,1H,J 6a-6b=9.73Hz and J 6a-5
=4.80Hz,H-6a); 4.11(t,1H,H-4); 3.89(dd,1H,J 3-4=9.50Hz and J 3-2=3.37Hz,
H-3); 3.78(t,1H, J 6b-5=10.18Hz and J 6b-5=10.18Hz,H-6b); 2.79(s,1H,O-H)
【0075】 2)フェニル2−0−tert−ブチルジメチルシリル−3−ベンジル−4,6−
ベンジリデン−1−チオ−α−D−マンノピラノシド(3)
【0076】
【化14】
【0077】 アルゴンの雰囲気下に、丸底フラスコ内に化合物2(5.51g、12.23
mmol)および無水ジクロロメタン55mLを導入する。撹拌下にトリエチル
アミン5.3mL(3.1等量)、三フタル酸第三(テル)ブチルジメチルシリ
ル4.65mL(1.65等量)を添加する。室温で一晩撹拌する。CCM(溶
離、シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)により反応の進捗状態を調整する)
。NaHCO3水性溶液により中和する。有機相をカラムクロマトグラフィーに
より濃縮して、残滓を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離、シクロヘキ
サン/酢酸エチル=3/1)により精製して、生成物3(6.2g、90%)を
産出する。参考、(シクロヘキサン/AcOEt=96/4):0.43。[α
D=+122(c1.2、CHCl31H-RMN (250MHz,CDCl3) : δ : 5.55(s,1H,By); 5.24(d,1H,J1-2=1.4Hz,H-1);
4.69(dd,2H,CHPh); 4.26-4.08(massif,4H); 3.83-3.65(massif,2H); 0.81(s,9H
,Si-tBu); 0.00(s,3H,Si-Me); -0.4(s,3H,Si-Me). Analyse pour C32H40O5SSi(564.821) : 計算値 C:68.04 H:7.14 実測値 C:68.
15 H:7.27。
【0078】 3)フェニル(2−0−tert−ブチルジメチルシリル−3−O−ベンジル−4
.6−O−ベンジリデン−α−D−マンノピラノシド)スルホキシド(4)
【0079】
【化15】
【0080】 アルゴンの雰囲気下に、丸底フラスコ内に、化合物3(6.2g、10.97
mmol)および無水アセトニトリル125mLを導入する。−78℃に冷却し
た丸底フラスコ内に、3−クロロ過ベンゾイル酸(12.06mmol)をジク
ロロメタン26mL中の溶液として添加する。−78℃を5分間維持して、次い
でゆっくりと−30℃に戻す。過剰の過酸を除去するために、(CH32Sを添
加する。NaHCO3の飽和溶液で中和して、NaClの飽和溶液で洗浄し、ジ
クロロメタンにより水性相を抽出する。有機相を乾燥し(NgSO4)、濾過し
て、濃縮する。残滓を得て、カラムクロマトグラフィー(溶離、シクロヘキサン
/酢酸エチル=5/1)により精製して、化合物4(5.04g、79%大半が
ジアステレオイソメール)を精製する。クロマトグラフィー時に、ごく僅かな別
のジアステレオイソメール(<5%)を回収する。
【0081】 大半イソメールの特徴:[α]D=−67(c1.0、CHCl3) 1H-RMN : (400MHz,CDCl3) : 7,70-7,20(m,15H,arom); 5.69(s,1H,By); 4.93 a
nd 4;82(2d,2H,CHPh); 4.73(dd,1H,J1,2=1,2,J2,3 2.3Hz,H-2); 4.39(d,1H,H-1)
; 4.30(dd,1H,J3,4=9,9;J4,5 9,9Hz;H-4); 4.28(dd,1H,H-3); 4.26(dd, 1H, J6a
,6b 10.3; J6b,5=5,8Hz, H-6b); 4.14( ddd, 1H, J5,6a=120,1Hz, H-5); 3.79(d
d, 1H, H-6a); 0.88 (s, 9H, tBu); 0.072 and -0.046 ( 2s, 6H, MeSi); 質量スペクトル:m/z598(M+NH4+
【0082】 C32406SSi(564.821)に対する分析:計算値C:66.17
H:6.94実測値C:66,30 H:7.06。
【0083】 4)フェニル 2−O−(3−O−ベンジル−4,6−O 2−O−tert
ブチルジメチルシリル−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,
6−O−ベンジリデン−1−チオ−α−D−マンノピラノシド(5).
【0084】
【化16】
【0085】 4を7.1g(12.22mmol、1等量)および2.6−ジtert−ブ
チルピリジンを9.06mL(40.3mmol、3.3等量)を、無水ジクロ
ロメタン200mL中に溶解し、アルゴンの雰囲気下に置く。溶液を−78℃に
冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸を2.27mL(13.44mmo
l、1.1等量)を添加する。−78℃で5分間撹拌した後、無水ジクロロメタ
ン100mL中であらかじめ希釈した2を11g(24.4mmol、2等量)
、一滴ずつ添加する。温度を−78℃で1時間維持し、ゆっくりと0℃に上昇す
るまで放置する。次に反応媒質を炭酸水素ナトリウム溶液で中和する。さらに有
機相をNaCl水性により洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空下に濾
過、気化を行う。未処理物のシルカゲル上クロマトグラフィー(溶離:シクロヘ
キサン/酢酸エチル=96/4)により、白い泡状の5(7.97g、72%)
を得ることができる。pf:81−83℃(ヘキサン);[α]D +12.5
(c 1.02,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.58-7.34(m, 25H, arom.), 5.66 and 5.65
(2s, 2H, by), 5.56(d, 1H, J 1-2=1Hz, H-1A), 4.85(2d, 2H, J gem=12Hz, CH
Ph), 4.8(d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.75(d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.53(d
d, 1H, J 2-1=1Hz and J 2-3=3.3Hz, H-2A), 4.52(se, 1H, H-1B), 4.45-4.4(m,
1H, H-5A), 4.37(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.5Hz, H-4A), 4.31(dd, 1H, J 6b-6a=1
0Hz and J 6b-5=4.3Hz, H-6Ab), 4.26(dd, 1H, J 6b-6a=10.3Hz and J 6b-5=4.8
Hz, H-6Bb), 4.21(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.5Hz, H-4B), 4.19(de, 1H, J 2-3=2.7
Hz, H-2B), 4(dd, 1H, J 3-2=2.7Hz and J 3-4=9.5Hz, H-3A), 3.91(t, 1H, J 6
a-6b=J 6a-5=10Hz, H-6Aa), 3.84(t, 1H, J 6a-6b=J 6a-5=10.2Hz, H-6Ba), 3.5
9(dd, 1H, J 3-2=2.7Hz and J 3-4=9.5Hz, H-3B), 3.35(dt, 1H, J 5-4=J 5-6a=
10.2Hz and J 5-6=4.8Hz, H-5B), 1.0(s, 9H, SiC(CH3)3), 0,30 and 0,23(2s,
6H, Si(CH3)2). 13C R.M.N. (100 MHz) : 138.55, 138.3, 137.5, 137.4, 133.6(5 C arom.), 1
31.8-126.06(25 CH arom), 101.6(CH by), 101.4(CH by), 99.8(1JCH=157Hz, C-
1B), 86.7(1JCH=166Hz, C-1A), 78.7(C-4B), 78.2(C-4A), 77.5(C-3B), 76.4(C-
2A), 74(C-3A), 72.2(CH2Ph), 71.7(C-2B), 70.7(CH2Ph), 68.5(C-6B), 68.47(C
-6A), 67.7(C-5B), 65.2(C-5A), 26(C(CH3)3), 18.5(C(CH3)3), -4(SiCH3), -4.
5(SiCH3). 質量スペクトル:m/z 922(M+NH4)+
【0086】 C526010SSi (905.199)についての分析:計算値 C:68
.99 H:6.68 実測値 C:68.82 H:6.69。
【0087】 5) フェニル 2−O−(3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−
β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−
1−チオ−α−D−マンノピラノシド(6)。
【0088】
【化17】
【0089】 生成物5を3.8g(4.2mmol、1等量)およびフッ化テトラブチルア
ンモニウム三水和物を6.6g(21mmol、5等量)を、テトラヒドロフラ
ン60mL中に溶解する。室温に1時間放置した後、媒質をジクロロメタンによ
り希釈し、有機相を水で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧
下に濾過、気化する。シリカゲル上クロマトグラフィー(溶離:シクロヘキサン
/酢酸エチル=3/1)により、白い粉末状の6(3.0g、90%)を得る。
pf:79−81℃(ヘキサン);[α]D +30(c 0.33,クロロホ
ルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.54-7.30(m, 25H, arom.), 5.59 and 5.51
(2s, 2H, by), 5.54(d, 1H, J 1-2=1Hz, H-1A), 4.89 (d, 1H, J gem=12.2Hz, C
HPh), 4.86 (d, 1H, J gem=11.8Hz, CHPh), 4.82 (d, 1H, J gem=11.8Hz, CHPh)
, 4.8 (d, 1H, J gem=12.2Hz, CHPh), 4.77 (d, 1H, J 1-2=0.8Hz, H-1B), 4.66
(dd, 1H, J 2-1=1Hz and J 2-3=3.3Hz, H-2A), 4.33 (dt, 1H,J 5-4=9.7Hz and
J 5-6a=J 5-6b=4.9Hz, H-5A), 4.32 (t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.3Hz, H-4B), 4.26
(dd, 1H, J 6b-6a=10.5Hz and J 6b-5=4.9Hz, H-6Bb), 4.3 (dd, 1H, J 6b-6a=
10Hz and J 6b-5=5Hz, H-6Ab), 4.24 (t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.7Hz, H-4A), 4.19
(de, 1H, J 2-3=3.9Hz, H-2B), 4.04 (dd, 1H, J 3-2=3.3Hz and J 3-4=9.7Hz,
H-3A), 3.8 (m, 2H, H-6Aa and H-6Ba), 3.72 (dd, 1H, J 3-2=3.9Hz and J 3-
4=9.2Hz, H-3B), 3.43 (dt, 1H, J 5-4=J 5-6a=9.5Hz and J 5-6b=4.9Hz, H-5B)
, 3.2 (br, 1H, OH). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 138, 137.8, 137.3, 137.29, 131.7 (5 C arom.),
129.2-1 27.7 (25 CH arom), 101.4 (CH by), 101.2 (CH by), 97.4 (1JCH=163Hz, C-1B)
, 86.4 (1JCH=167Hz, C-1A), 78.5 (C-4A), 78.4 (C-4B), 76.1 (C-3B), 74.4 (
C-3A), 74.35 (C-2A), 72.4 (CH2Ph), 72.3 (CH2Ph), 69.4 (C-2B), 68.5 (C-6B
), 68.25 (C-6A), 66.8 (C-5B), 65.2 (C-5A). 質量スペクトル:m/z 808(M+NH4)+
【0090】 C464610S (790.93)についての分析:計算値 C:69.85
H:5.86 実測値 C:69.76 H:6.01。
【0091】 6)フェニル[2−O−(3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−2
−O−tertブチルジメチルシリル−β−D−マンノピラノシル)−3−O−
ベンジル−4,6−O−ベンジリデン α−D−マンノピラノシル]スルホキシ
ド(7)。
【0092】
【化18】
【0093】 5を3.0g(3.31mmol、1等量)を無水ジクロロメタン40mL中
に溶解する。反応媒質を−78℃に冷却した後、ジクロロメタン15mL中にあ
らかじめ溶解した3−クロロペロキシ安息香酸0.97g(5.5.mmol、
1.7等量)をカニューレにより添加する。−78℃で15分間撹拌した後、温
度が30℃に上がるまで放置して、ジメチル硫化物を数滴添加する。有機相を炭
酸水素ナトリウム溶液、水性Nacl溶液で洗浄し、真空下に濾過、気化を行う
。未処理物のシルカゲル上クロマトグラフィー(溶離:シクロヘキサン/酢酸エ
チル=3/1)により、白い泡状の第1ジアステレオマーを2.8g(91%)
、およびやはり白い泡状の第2ジアステレオマーを71mg(2%)得る。
【0094】 大半ジアステレオマーの特徴、pf:89−91℃(ヘキサン);[α]D
99(c 1,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.65-7.4(m, 25H, arom.), 5.63 and 5.62(
2s, 2H, by), 4.89(1d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.85(d, 1H, J gem=12.4Hz, C
HPh), 4.81(dd, 1H, J 2-1=1.1Hz and J 2-3=3.4Hz, H-2A), 4.78(d, 1H, J gem
=12.4Hz, CHPh), 4.76(1d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.42(d, 1H, J 1-2=1.1Hz,
H-1A), 4.37(t, 1H, J 4-3=J 4-5=10.1Hz, H-4A), 4.33(dd, 1H, J 3-2=3.4Hz
and J 3-4=10.1Hz, H-3A), 4.28(dd, 1H, J 6b-6a=10.2Hz and J 6b-5=4.8Hz, H
-6Ab), 4.26(se, 1H, H-1B), 4.18-4.10(m, 3H, H-5A, H-6Bb and H-4B), 4.08(
de, 1H, J 2-3=2.8Hz, H-2B), 3.75(t, 1H, J 6a-6b=J 6a-5=10.1Hz, H-6Aa), 3
.74(dd, 1H, J 6b-6a=J 6b-5=10.2Hz, H-6Ba), 3.52(dd, 1H, J 3-2=2.8Hz and
J 3-4=9.7Hz, H-3B), 3.18(dt, 1H, J 5-4=J 5-6a=9.8Hz and J 5-6=4.8Hz, H-5
B), 1(s, 9H, SiC(CH3)3), 0.22 and 0.17(2s, 6H, Si(CH3)2). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 141.3, 138.4, 138.3, 137.5, 137(5 C arom), 13
1.8-124.3(25 CH arom), 101.7(CH by), 101.4(CH by), 99.8(1JCH=156Hz, C-1B
), 97.5(1JCH=163Hz, C-1A), 78.7(C-4B), 77.5(C-3B), 77.1(C-4A), 74.2(C-3A
), 72.4(CH2Ph), 71.7(C-2B), 71.4(C-2A), 70.9(CH2Ph), 70.1(C-5A), 68.4(C-
6B), 68.1(C-6A), 67.5(C-5B), 26(C(CH3)3), 18.5(C(CH3)3), -4(SiCH3), -4.5
(SiCH3). C464610S(921.198)についての分析:計算値C :67.8
H:6.56 実測値 C:67.68 H:6.90。
【0095】 7)フェニル 2−O−(2−O−(2−O−(3−O−ベンジル−4,6−
O−ベンジリデン−2−O−tertブチルジメチルシリル−β−D−マンノピ
ラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−マンノピ
ラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−マンノピ
ラノシル)−3−O−ベンジル4,6−O−ベンジリデン−1−チオ−α−D−
マンノピラノシド(8)。
【0096】
【化19】
【0097】 実験実施要領は、ジサッカリド5の合成要領に同じである。6(1.140g
、2等量)および7(0.664g、1等量)から、シルカゲル上クロマトグラ
フィー(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=85/15)後に、白い泡状の化
合物8(580mg、55%)を得る。pf:111−114℃(ヘキサン);
[α]D −53.5(c 0.6,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.5-7.15(m, 45H, arom.), 5.615*2, 5.61
and 5.6(4s, 4H, by), 5.53(d, 1H, J 1-2=1.1Hz, H-1A), 5.35(se, 1H, H-1B),
5.03(se, 1H, H-1C), 4.82(d, 1H, J gem=12.8Hz, CHPh), 4.76(s, 2H, CH2Ph)
, 4.73(d, 1H, J gem=12.8Hz, CHPh), 4.72(se, 1H, H-1D), 4.72(d, 1H, J gem
=11.6Hz, CHPh), 4.67(d, 1H, J gem=17.7Hz, CHPh), 4.57(d, 1H, J gem=11.6H
z, CHPh), 4.58-4.57(m, 1H, H-2A), 4.57(de, 1H, J 2-3=3.2Hz, H-2B), 4.57(
2de, 2H, J 2-3=3.2Hz, H-2C and H-2D), 4.42-4.37(m, 1H, H-5A), 4.39-4.35(
m, 2H, H-6Db and H-6Bb), 4.38(d, 1H, J gem=11.7Hz, CHPh), 4.29(dd, 1H, J
6b-6a=10.2 and J 6b-5=4.8Hz, H-6Ab), 4.24(dd, 1H, J 4-3=10 and J 4-5=9.
6Hz, H-4B), 4.16(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.7Hz, H-4C), 4.13(dd, 1H, J 6b-6a=1
0.2 and J 6b-5=4.7Hz, H-6Cb), 4.05(t, 1H, J 4-3=J 4-5=10Hz, H-4A), 4.02(
t, 1H, J 4-3=J 4-5=10Hz, H-4D), 4.05-4.02(m, 1H, H-3A), 4(t, 1H, J 6a-6b
=J 6a-5=10.3Hz, H-6Ba), 3.89(t, 1H, J 6a-6b=J 6a-5=10.2Hz, H-6Da), 3.8(t
, 1H, J 6a-6b=J 6a-5=10.2Hz, H-6Aa), 3.79(t, 1H, J 6a-6b=J 6a-5=10.2Hz,
H-6Ca), 3.69(dd, 1H, J 3-2=3.2Hz and J 3-4=9.9Hz, H-3D), 3.58(dd, 1H, J
3-2=2.7Hz and J 3-4=9.7Hz, H-3C), 3.55(dd, 1H, J 3-2=3.2Hz and J 3-4=10H
z, H-3B), 3.49(ddd, 1H, J 5-4=9.6Hz and J 5-6b=10.3Hz and J 5-6a=4.8Hz,
H-5B), 3.42(ddd, 1H, J 5-4=9.8Hz and J 5-6b=4.8Hz and J 5-6a=10.2Hz, H-5
D), 3.31(ddd, 1H, J 5-4=9.7Hz and J 5-6b=4.75Hz and J 5-6a=10.1Hz, H-5D)
, 0.95(s, 9H, SiC(CH3)3), 0.25 and 0.14(2s, 6H, Si(CH3)2). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 138.6, 138.4, 138.1, 138, 137.7, 137.4, 136.
95, 136.93, 133.2(9 C arom), 131.65-126(45 CH arom), 103.1(1JCH=159Hz, C
-1C), 102.05(CH by), 102.02(CH by), 101.6(CH by), 101.2(CH by), 101.19(1
JCH=158.5Hz, C-1B), 99(1JCH=167Hz, C-1A), 85.4(1JCH=159.2Hz, C-1D), 79.7
(C-3C), 79.05(C-4C), 78.9(C-4A), 78.5(C-4D), 77.6(C-4B), 76.9(C-3B), 75.
8(C-3D), 75.3(C-2B), 75.2(C-2A), 74.4(C-3A), 73.1(C-2C or C-2D), 72.8(CH
2Ph), 71.9(CH2Ph), 71.2(C-2C or C-2D), 70.9(CH2Ph), 70.1(CH2Ph), 68.8(C-
6A), 68.7(C-6D and C-6B), 68.5(C-6C), 68.1(C-5B), 67.8(C-5C), 67.7(C-5D)
, 65.1(C-5A), 26.1(C(CH3)3), 18.5(C(CH3)3), -3.7(SiCH3), -4.7(SiCH3). 質量スペクトル:m/z 1602(M+NH4)+。 C9210020SSi (1585.956)についての分析:計算値 C:6
9.67 H:6.35 実測値 C:69.57 H:6.41。
【0098】 8)8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(2−O−(2−O−(3−
O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−2−O−tertブチルジメチルシ
リル−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリ
デン−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリ
デン−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリ
デン−D−マンノピラノシド(10)。
【0099】
【化20】
【0100】 8を562mg(354μmol、1等量)およびメトキシダルボニルオクタ
ン(H.Gerlach,P.Kunzler,K.Oertle,Helv
Chim.Acta,61(1978),1226−1231.に従って調製)
を166mg(885μmol、2.5等量)および粉末状の4Åモレキュラー
シーブを700mgを、無水ジクロロメタン10mL中に懸濁する。全体をアル
ゴンの雰囲気下に置き、30分間撹拌する。溶液を−20℃まで冷却し、N−ブ
ロモサクシンイミド126mg(709μmol、2等量)およびトリフルオロ
メタンスルホン酸6.3μL(7.08μmol、0.2等量)をそこへ加える
。−20℃で1時間放置した後、炭酸水素ナトリウム溶液を添加する。全体をセ
ライト床上で濾過する。有機相をチオ硫酸ナトリウム溶液および水性NaCl溶
液で洗浄する。次にこれを硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空下に濾過、気化す
る。未処理物をシルカゲル上クロマトグラフィー(溶離:シクロヘキサン/酢酸
エチル=3.5/1)にかけ、白い泡状の分離不可能な化合物10(α/β=1
/6)を412g(70%)得る。
【0101】 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) du produit β-O-connecteur : δ7.48-7.16(m,
40H, arom.), 5.64, 5.62 and 5.6, 5.34(4s, 4H, by), 5.34(s, 1H, H-1A), 5.
16(s, 1H, H-1B), 4.86(d, 1H, J gem=12.3Hz, CHPh), 4.84(s, 1H, H-1C), 4.8
2(d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.79(d, 1H, J gem=12.4Hz, CHPh), 4.74(d, 1H,
J 2-3=3.2Hz, H-2C), 4.73(d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.68(d, 1H, J gem=12
.3Hz, CHPh), 4.67(d, 1H, J gem=11.8Hz, CHPh), 4.65(d, 1H, J 2-3=3.4Hz, H
-2A), 4.63(d, 1H, J gem=12.4Hz, CHPh), 4.56(d, 1H, J gem=11.8Hz, CHPh),
4.51(d, 1H, J 2-3=3.2Hz, H-2B), 4.47(s, 1H, H-1D), 4.41(dd, 1H, J 6b-6a=
10.4Hz and J 6b-5=4.8Hz, H-6Cb), 4.36(dd, 1H, J 6b-6a=10.3Hz and J 6b-5=
4.8Hz, H-6Ab), 4.32(dd, 1H, J 6b-6a=10.3Hz and J 6b-5=4.5Hz, H-6Db), 4.2
8(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.6Hz, H-4A), 4.23(dd, 1H, J 6b-6a=10.4Hz and J 6b-
5=4.6Hz, H-6Bb), 4.21(d, 1H, J 2-3=3.15Hz, H-2D), 4.17(t, 1H, J 4-3=J 4-
5=9.3Hz, H-4B), 4.01(t, 1H, J 6a-6b=J 6a-5=10.3Hz, H-6Aa), 3.99(t, 1H, J
4-3=J 4-5=9.5Hz, H-4C), 3.91(t, 1H, J 6a-6b=J 6a-5=10.4Hz, H-6Ca), 3.95
-3.88(m, 1H, -O-CH-CH2-), 3.88(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.8Hz, H-4D), 3.85(t,
1H, J 6a-6b=J 6a-5=10.4Hz, H-6Ba), 3.69(s, 3H, -C:O-OCH3), 3.64(dd, 1H,
J 3-2=3.2Hz and J 3-4=9.5Hz, H-3C), 3.6(dd, 1H, J 3-2=3.4Hz and J 3-4=9.
6Hz, H-3A), 3.59(dd, 1H, J 3-2=3.15Hz and J 3-4=9.8Hz, H-3D), 3.60-3.57(
m, 1H, H-6Da), 3.54(dd, 1H, J 3-2=3.2Hz and J 3-4=9.3Hz, H-3B), 3.5-3.27
(m, 5H, H-5A, H-5B, H-5C, H-5D and -O-CH-CH2-), 2.31(t, 2H, J 3-2=7.5Hz,
-CH2C:O-OCH3),1.64-1.58, 1.34-1.31(m, 12H, -CH2-), 0.94(s, 9H, SiC(CH3)
3), 0.25 and 0.14(2s, 6H, Si(CH3)2). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 138.5, 138.4, 138.39, 138.2, 137.7, 137.5, 1
37.1, 137.08(8 C arom), 129-126(40 CH arom), 103.9(159.7C-1C), 102.7(1JC
H=160Hz, C-1D), 101.8(CH by), 101.6(CH by), 101.58(1JCH=155Hz, C-1A), 10
1.5(CH by), 101.35(1JCH=158.5Hz, C-1B), 101.2(CH by), 79.9(C-3B), 78.97(
C-4B), 78.46(C-4D), 78.4(C-4C), 77.9(C-4A), 77.6(C-2D), 76.29(C-3D), 76.
27(C-3C), 76.23(C-3A), 75.22(C-2A), 72.83(C-2C), 72.8(CH2Ph), 71.9(CH2Ph
), 71.16(C-2B), 70.62(CH2Ph), 70.14(-O-CH2-), 69.8(CH2Ph), 68.87, 68.82*
2, 68.5(C-6A, C-6B, C-6C and C-6D), 67.88(C-5B), 67.83(C-5C), 67.7(C-5A)
, 67.4(C-5D), 34(-CH2-C:O-O-CH3), 29.5, 29.2, 29.1, 29, 25.5, 24.8(-CH2-
), 25.9(C(CH3)3), 18.5(C(CH3)3), -3.7(SiCH3), -4.7(SiCH3). 質量スペクトル:m/z 1663.7(M+H)+. C9611423Si(1664.03)についての分析:計算値 C:69.
29 H:6.905 実測値 C:69.13 H:7.06 9)8−カルボキシルオクチル2−O−(2−O−(2−O−(β−D−マン
ノピラノシル)−β−D−マンノピラノシル)−β−D−マンノピラノシル)−
D−マンノピラノシド(I、R=コネクター)。
【0102】
【化21】
【0103】 工程1:脱シリル化 化合物10を305mg(183μmol、1等量)およびフッ化テトラブチ
ルアンモニウム三水和物を、テトラヒドロフラン10mL中に溶解する。60℃
で12時間加熱した後、反応媒質をジクロロメタンにより希釈し、水で洗浄する
。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濾過して、気化する。シルカ
ゲル上の未処理物のクロマトグラフィーにより、白い泡状の脱シリル化された生
成物230mgを得る。
【0104】 工程2:鹸化 先の生成物140mg(85μmol)をテトラヒドロフラン5mL中に溶解
する。これに水酸化ナトリウム4.5mL(0.1N)を添加する。全体を60
℃で一晩加熱する。溶液を塩酸溶液(1M)で酸性化し、ジクロロメタンで3回
抽出を行う。有機相をMgSO4上で乾燥し、真空下で濾過、気化を行う。シル
カゲル上での未処理物のクロマトグラフィーで、白い泡状の生成物115mg(
82%)を得る。
【0105】 工程3:水素化分解 先の生成物66mg(42μmol)をメタノール2mL中に溶解し、触媒量
としてPd/C(10%)の存在下に、2水素の雰囲気下(1.4バール)に、
(I、R=コネクター)(29.3mg、83%)になるよう撹拌し、凍結乾燥
後、撹拌して非晶質の粉末になるようにする。
【0106】 1H-R.M.N. (400MHz, D2O) du produit β-O-connecteur : δ 4.99(se, 1H, H
-1A), 4.89(se, 1H, H-1B), 4.84(se, 1H, H-1C), 4.68(se, 1H, H-1D), 4.36(d
, 1H, J 2-3=3Hz, H-2A), 4.28(d, 1H, J 2-3=3.2Hz, H-2C), 4.18(d, 1H, J 2-
3=3.19Hz, H-2D), 4.11(d, 1H, J 2-3=3.2Hz, H-2B), 3.9-3.84(m, 5H, H-6Ab,
H-6Bb, H-6Cb, H-6Db and -O-CH-CH2), 3.73-3.65(m, 4H, H-6Aa, H-6Ba, H-6Ca
, H-6Da), 3.63(dd, 1H, J 3-2=3.19Hz and J 3-4=9.7Hz, H-3D), 3.62-3.57(m,
2H, -O-CH-CH2 and H-3C), 3.59(dd, 1H, J 3-2=3Hz and J 3-4=10.3Hz, H-3A)
, 3.57(dd, 1H, J 3-2=3.2Hz and J 3-4=9.7Hz, H-3B), 3.55(t, 1H, J 4-3=J 4
-5=10.3Hz, H-4A), 3.51(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.7Hz, H-4B), 3.46(t, 1H, J 4-
3=J 4-5=9.7Hz, H-4C), 3.44(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.7Hz, H-4D), 3.36-3.3(m,
4H, H-5A, H-5B, H-5C and H-5D), 2.25(t, 2H, J CH2-CH2=7.4Hz, -CH2-COOH),
1.6-1.52 and 1.3-1.28(m, 12H, -CH2-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 181.7(COOH), 101.58, 101.46, 101.26, 100.32(
C-1A, C-1B, C-1C, C-1D), 79.5, 79.3, 78.7, 76.6, 76.5*3, 73.2, 72.6, 72.
3*2, 70.7, 67.8, 67.4, 67.2, 67.1, 61.5, 61.06, 61.02, 60.9(20 CH cycle)
, 70.4(-O-CH2-), 34(-CH2-CO2H), 29, 28.7, 28.65, 28.6, 25.7, 25.5(6 -CH2
-)。
【0107】 質量スペクトル(FAB)m/z計算値 C335823Na:845.32,
実測値845.24。
【0108】 10)2−O−(2−O−(2−O−(3−O−ベンジル−4,6−O−ベン
ジリデン−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベン
ジリデン−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベン
ジリデン−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベン
ジリデン−D−マンノピラノース(9)。
【0109】
【化22】
【0110】 工程1:脱シリル化 実験実施要領については、化合物1(R=コネクター)の工程1を参照のこと
【0111】 フッ化テトラブチルアンモニウムにより8(235mg)を処理し、シルカゲ
ル上のクロマトグラフィー後、およびメタノール中の再結晶化後に、白い泡状の
2−O−(2−O−(2−O−(3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン
−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン
−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン
−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン
−1−チオ−α−D−マンノピラノシド(202mg、92%)が得られる。
【0112】 pf:133〜136℃(メタノール)、[α]D−42(c0.5クロロホ
ルム) 1H-R.M.N.(400MHz,CDCl3) : δ 7.57-7.32(?m,45H,arom.), 5.73, 5.71, 5.6
7 and 5.66(4s,4H,by), 5.64(s,1H,H-1A), 5.36(s,1H,H-1B), 4.92(s,1H,H-1D),
4.86(d,1H, J gem=12.1Hz,CHPh), 4.83(d,1H, J gem=11.8Hz,CHPh), 4.79(s,1H
,H-1C), 4.78(s,2H,CH2Ph), 4.77(2d,2H,2CHPh), 4.71(d,1H,J2-3=3.2Hz,H-2A),
4.69(d,1H,J gem=11.8Hz,CHPh), 4.64(d,1H,J gem=11.8Hz,CHPh), 4.61(d,1H,J
2-3=3Hz,H-2B), 4.53(d,1H,J2-3=3.4Hz,H-2C), 4.51-4.46(m,1H,H-5A), 4.47(dd
,1H,J6b-6a=10.3Hz and J6b-5=4.8Hz,H-6Bb), 4.41-4.36(m,4H,H-6Ab,H-6Cb,H-6
Db,H-2D), 4.36(t,1H,J4-3=J4-5=9.7Hz,H-4D), 4.32(t,1H,J4-3=J4-5=9.8Hz,H-4
B), 4.21(t,1H,J4-3=J4-5=9.7Hz,H-4C), 4.13-4.11(m,2H,H-4A and H-3A), 4.08
(t,1H,J6a-6b=J6a-5=10Hz,H-6Ba), 3.98(dd,1H,J6a-6b=10.4 and J6a-5=9.7Hz,H
-6Ca), 3.95(dd,1H,J6a-6b=10.1J6a-5=9.7Hz,H-6Da), 3.91(t,1H,J6a-6b=J6a-5=
10.2Hz,H-6Aa), 3.75(dd,1H,J3-2=3.4Hz and J3-4=9.7Hz,H-3C), 3.65(dd,1H,J3
-2=3Hz and J3-4=9.8Hz,H-3B), 3.56(ddd,1H, J5-4=9.8Hz and J5-6b=4.8Hz and
J5-6a=9.8Hz,H-5B), 3.53(dd,1H,J3-2=3.1Hz and J3-4=9.6Hz,H-3D), 3.44(ddd
,1H, J5-4=9.7Hz and J 5-6b=9.7Hz and J 5-6a=4.7Hz, H-5C), 3.35(ddd, 1H,
J 5-4=9.7Hz and J 5-6b=9.7Hz and J 5-6a=4.9Hz, H-5D), 3.28(se, 1H, OH). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 138.2*2, 137.9, 137.8, 137.5, 137.2, 137.04,
136.8, 133.05(9 C arom.), 131.5-125.9(45 CH arom), 102.1(CH by), 101.5(
CH by), 101.48(C-1D), 101.26(CH by), 101.15(CH by), 101(C-1B), 98.2(C-1C
), 85.14(C-1A), 78.98(C-4A), 78.4(C-4D), 78(C-4B), 77.98(C-4C), 77.7(C-3
B), 76.9(C-3D), 75.3(C-3C), 74.6(C-3A), 74.4(C-2A), 74.3(C-2C), 74.1(C-2
B), 72.4(CH2Ph), 71.8*2(CH2Ph), 71(CH2Ph), 68.9(C-2D), 68.6(C-6D), 68.5(
C-6A), 68.4(C-6B), 68.25(C-6C), 67.8(C-5B and C-5C), 66.8(C-5D), 64.9(C-
5A). 質量スペクトル:m/z1488(M+NH4+。 C868620S.1CH3OH(1503.67)に対する分析:計算値C:6
9.49H:6.03 実測値C:69.28 H:5.92。
【0113】 工程2:チオフェニルの加水分解 先の化合物175mg(119μmol、1等量)を溶媒アセトン/水=4.
5mL/0.5mLの混合液中に溶解する。全体を0℃に冷却する。これにN−
ブロモサクシンイミド106mg(0.595mmol、5等量)を添加する。
炭酸水素ナトリウム溶液を0℃で30分撹拌した後、丸底フラスコに注ぐ。アセ
トンを真空下に気化する。残滓をジクロロメタンにより再び溶解し、チオ硫酸ナ
トリウムおよびNaClの水性溶液で洗浄する。次に有機相を硫酸マグネシウム
上で乾燥し、濾過し、気化する。未処理物をシルカゲル上でクロマトグラフィー
(溶離、シクロヘキサン/酢酸エチル=1.8/1、次いで1.5/1)にかけ
、白い泡状の構造α/β(2.6/1)混合物の化合物9を138mg(Rdt
=84%)を得る。
【0114】 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) du produit α-OH: δ 5.52(s, 1H, H-1B), 5.22
(de, 1H, J 1-OH=3Hz, H-1A), 4.78(s, 1H, H-1D), 4.63(s, 1H, H-1C). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 101.7(C-1D), 101.1(C-1B), 99.2(C-1C), 92.09
(C-1A)グリコーンとしてチオフェノールを有するC−1Aの85.14ppmの
特徴的最大値分布。
【0115】 質量スペクトル:m/z1396.8(M+NH4+808221(1379.529)に対する分析:計算値C:69.65 H
:5.99 実測値C:69.46 H:6.11。
【0116】 11)2−O−(2−O−(2−O−(β−D−マンノピラノシル)−β−D
−マンノピラノシル)−β−D−マンノピラノシル)−D−マンノピラース(I
、R=H)。
【0117】
【化23】
【0118】 実験実施要領については、化合物Iの工程3を参照のこと(R=コネクター)
111.4mg(80.7μmol)の化合物9は、凍結乾燥後、非晶質粉末
の化合物I(R=H)46mg(85%)になる。
【0119】 1H-R.M.N. (400MHz, D2O) du produit α-OH : δ 5.24(d, 1H, J 1-2=1.64Hz
, H-1A), 4.91(s, 1H, H-1C), 4.89(s, 1H, H-1D), 4.81(se, 1H, H-1B), 4.39(
d, 1H, J 2-3=3.2Hz, H-2C), 4.22(d, 1H, J 2-3=3.27Hz, H-2B), 4.11(d, 1H,
J 2-3=3.1Hz, H-2D), 4.08(dd, 1H, J 2-1=1.64Hz and J 2-3=3.02Hz, H-2A). 13C R.M.N.(100 MHz) : δ 101.53, 101.29, 99.46, 92.4(C-1A, C-1B, C-1C,
C-1D), 79.7, 79, 78.7, 76.6, 76.5, 76.4, 73.2, 72.67, 72.5, 72.2, 70.7,
69.4, 67.7, 67.4, 67.26, 67.1, 61.5, 61.1, 60.84, 60.7(20 CH cycle). 質量スペクトル(FAB)m/z:計算値C244221Na:実測値689.
21:689.32。
【0120】 (実施例2)式(II)のD−Manα(1−2)D−Manα(1−2)D
−Manα(1−2)D−Manの調製 I−反応図について 添付資料の図2は、式(II)のD−Manα(1−2)D−Manα(1−
2)D−Manα(1−2)D−Manの反応の仕組みを表す。実施例1のよう
に、ブロックによる戦略が使われた。チオフェニル基はアノマー炭素を中間で保
護する。化合物11は、行われる反応により、化合物12または13に導かれ、
いずれも縮合されてジサッカリド14になる。
【0121】 反応(a’)は次の条件で行われる。すなわち、CH3COOH、H2O(80
/20)、次にCCl3CN、DBU、CH2Cl2、0℃。
【0122】 反応(b’)は次の条件で行われる。すなわち、PhSH、HgBr2、CH3 CN、80℃、次いでCHBONa、CH3OH。
【0123】 反応(c’)は次の条件で行われる。すなわち、TMSOTf、4Åモレキュ
ラーシーブ、CH2Cl2
【0124】 ジサッカリド14はジサッカリド15および16に変換され、いずれも縮合さ
れてキーとなるテトラサッカリド17が得られる。
【0125】 反応(d’)は次の条件で行われる。すなわち、NBS、水、アセトン、次い
でCCl3CN、DBU、CH2Cl2
【0126】 反応(e’)は次の条件で行われる。すなわち、MeONa、MeOH。
【0127】 反応(f’)は次の条件で行われる。1)BF3・Et2O、4Åモレキュラー
シーブ、CH2Cl2、2)MeONa/MeOH。
【0128】 キーとなるテトラサッカリド17は、化合物18または19のいずれか一つに
機能化されてもされなくてもよく、脱保護の後、式(II)(式中、RはHまた
は−(CH2)8−CO2Meである)のテトラマンノシドが得られる。
【0129】 反応(g’)は次の条件で行われる。すなわち、NBS、TfOH、8−メト
キシカルボニルオクタノール、4Åモレキュラーシーブ、CH2Cl2、−15℃
【0130】 反応(h’)は次の条件で行われる。すなわち、NBS、水、アセトン。
【0131】 反応(i’)は次の条件で行われる。すなわち、1−NaOH、THF、水、
2−H2、Pd/C、MeOH。
【0132】 反応(j’)は次の条件で行われる。すなわち、H2、Pd/C、MeOH。
【0133】 II−実験実施要領 化合物12(F Yamazaki,S Sato,T Nukuda,Y.
Ito,T Ogawa,Carbohydr.Res.201(1990)3
1−50)および13(Y−M.Zhang、J.−M.Mallet、P.S
inay.Carbohydr.Res.236,(1992),73−88)
は、文献に従って、オルトエステル11(N.E.Franks R Mont
ogomery,Carbohydr.Res.6(1968)286−89)
から調製される。
【0134】 1)フェニル2−O−(2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル
−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−1−チオ−
α−D−マンノピラノシド(14)。
【0135】
【化24】
【0136】 無水ジクロロメタン100mL中の12(F Yamazaki,S Sat
o,T Nukuda,Y.Ito,T.Ogawa,Carbohydr.R
es.201(1990)31−50)(9.7g,15.24mmol,1.
2等量)と13(Y−M.Zhang,J.−M.Mallet,P.Sina
y.Carbohydr.Res.236,(1992),73−88)(6.
88g,12.7mmol,1等量)と4Åモレキュラーシーブ17gとの混合
物をアルゴンの雰囲気下に撹拌する。30分撹拌を行った後、反応媒質を−10
℃まで冷却する。トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.44m
L、1.9mmol、0.15等量)を30分後に加え、溶液を炭酸水素ナトリ
ウムの水溶液で中和する。次に有機相を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾
燥して、濾過および濃縮する。シルカゲル上での未処理物のクロマトグラフィー
により無色のシロップ形態の14(9.3g、72%)を得る。[α]D +9
3(c 0.55,クロロホルム) 1H-R.M.N.(400MHz,CDCl3) : δ 7.48-7.25(m, 35H, arom.), 5.69(d,1H, J1-2
=1.62Hz, H-1A), 5.58(dd, 1H, J2-1=1.7Hz and J2-3=3.3Hz, H-2B), 5.13(d,1H
, J1-2=1.7Hz,H-1B), 4.94(d,1H, J gem=10.8Hz,CHPh), 4.87(d,1H, J gem=10.8
Hz,CHPh), 4.79(d,1H, J gem=11.8Hz,CHPh), 4.75(d,1H, J gem=11.8Hz,CHPh),
4.71(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.69(d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.64(d,
1H, J gem=10.8Hz, CHPh), 4.6(d, 1H, J gem=12.3Hz, CHPh), 4.52(d, 1H, J g
em=12Hz, CHPh), 4.47(d, 1H, J gem=10.8Hz, CHPh), 4.45(d, 1H, J gem=10.9H
z, CHPh), 4.43(d, 1H, J gem=12.3Hz, CHPh), 4.33(ddd, 1H, J 5-4=9.3Hz, J
5-6a=1.7Hz and J 5-6b=5.2Hz, H-5A), 4.28(dd, 1H, J 2-1=1.62Hz and J 2-3=
2.8Hz, H-2A), 4.03(dd, 1H, J 3-2=3.3Hz and J 3-4=9.4Hz, H-3B), 4.03-3.97
(m, 1H,H-5B), 3.99(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.3Hz, H-4A), 3.94(dd, 1H, J 3-2=2
.8Hz and J 3-4=9.3Hz, H-3A), 3.88(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.4Hz, H-4B), 3.88(
dd, 1H, J 6b-6a=11.1Hz and J 6b-5=5.2Hz, H-6Ab), 3.77(dd, 1H, J 6b-6a=11
.1Hz and J 6b-5=1.7Hz, H-6Aa), 3.74(dd, 1H, J 6b-6a=10.6Hz and J 6b-5=4.
5Hz, H-6Bb), 3.77(dd, 1H, J 6b-6a=10.6Hz and J 6b-5=1.7Hz, H-6Ba), 2.19(
s, 3H, -C:O-OCH3). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 170.2(-C:O-OCH3), 138.4, 138.3, 138.27, 138,
137.98, 137.9, 131.6(7 C arom), 129-127.3(35 CH arom), 99.7(1JCH=169.2H
z, C-1B), 87.1(1JCH=168.8Hz, C-1A), 79.89(C-3A), 78(C-3B), 76.6(C-2A), 7
5.2(CH2Ph), 75(CH2Ph), 74.7(C-4A), 74.3(C-4B), 73.1(2 CH2Ph), 72.8(C-5A)
, 72.2(CH2Ph), 71.9(CH2Ph), 71.9(C-5B), 69.1(C-6A), 68.7(C-2B), 68.5(C-6
B), 21.1(-C:O-OCH3). 質量スペクトル:m/z 1034.4(M+NH4+. C62641lS(1017.256)についての分析 : 計算値 C:73
.20 H:6.35 実測値 C:72.98 H:6.65。
【0137】 2)O−[2−O−(2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−
α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マン
ノピラノシルおよびβ−D−マンノピラノシル]トリクロロアセトイミデート(
15).
【0138】
【化25】
【0139】 14(3g、2.95mmol、1等量)をアセトン/水:95/5混合物1
50mL中に溶解する。この溶液に、N−ブロモサクシンイミド2.6g(11
.8mmol、4等量)。15分間の撹拌後、炭酸水素ナトリウムを添加し、ア
セトンを真空下に気化する。残滓をジクロロメタンにより再び溶解し、塩水によ
り洗浄する。未処理物のシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより、
無色の油性形態下の、還元位置におけるフリーOH生成物2.37g(Rdt=
87%)を得る。このようにして得られたこの油を無水クロロメタン10mL中
に溶解する。トリクロロアセトニトリル3.08mL(12等量)を加えて、溶
液を0℃まで冷却し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エ
ンを115μL(0.3等量)を媒質に加える。20分後、溶液を直接シルカゲ
ル(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)上に注入し、このようにして
無色の油性形態である、大部分の化合物15α(α/β=92/8)を2.2g
(2工程に対してRdt=81%)得る。
【0140】 1H-R.M.N.(400MHz,CDCl3) du produit α-O-Imidate : δ 8.55(s, 1H, C=NH)
, 7.39-7.25(m, 30H, arom.), 6.36(d, 1H, J 1-2=1.95Hz, H-1A), 5.67(dd, 1H
, J 2-1=1.6Hz and J 2-3=3.4Hz, H-2B), 5.2(d, 1H, J 1-2=1.6Hz, H-1B), 4.9
5(d, 1H, J gem=10.6Hz, CHPh), 4.89(d, 1H, J gem=10.8Hz, CHPh), 4.81(d, 1
H, J gem=11.9Hz, CHPh), 4.75(d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.73(d, 1H, J gem
=11.9Hz, CHPh), 4.71(d, 1H, J gem=10.8Hz, CHPh), 4.7(d, 1H, J gem=12.6Hz
, CHPh), 4.65(d, 1H, J gem=10.6Hz, CHPh), 4.55(d, 1H, J gem=12.6Hz, CHPh
), 4.52(d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.51(d, 1H, J gem=10.8Hz, CHPh), 4.45(
d, 1H, J gem=10.8Hz, CHPh), 4.13(dd, 1H, J 2-1=1.95Hz and J 2-3=3.3Hz, H
-2A), 4.09(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.7Hz, H-4A), 4.08-3.97(m, 5H, H-5A, H-5B,
H-3A, H-3B and H-4B), 3.89(dd, 1H, J 6b-6a=11.5Hz and J 6b-5=3.6Hz, H-6
Ab), 3.86(dd, 1H, J 6b-6a=11.6Hz and J 6b-5=4.1Hz, H-6Bb), 3.78(dd, 1H,
J 6b-6a=11.5Hz and J 6b-5=1.1Hz, H-6Aa), 3.75(dd, 1H, J 6b-6a=11.6Hz and
J 6b-5=1Hz, H-6Ba), 2.2(s, 3H, -C:O-OCH3). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 170.25(-C:O-OCH3), 159.98(-C=NH), 138.4, 138
.3, 138.15, 138.07, 137.9, 137.88(6 C arom.), 128.4-127.4(30 CH arom), 9
9.5(C-1B), 96.7(C-1A), 78.5(C-3A), 78.1(C-3B), 75.4(CH2Ph), 75.1(CH2Ph),
74.7(C-5B), 74.1(C-4B), 73.8(C-4A), 73.3(CH2Ph), 73.2(CH2Ph), 73(C-2A),
72.4(CH2Ph), 71.97(CH2Ph), 71.9(C-5A), 68.62(C-2B), 68.58(C-6B), 68.51(
C-6A), 21.15(-C:O-OCH3)。
【0141】 これら安定性に乏しい化合物に対する基本分析はない。
【0142】 3)フェニル2−O−(3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピ
ラノシル)3,4,6−トリ−O−ベンジル−1−チオ−α−D−マンノピラノ
シド(16)。
【0143】
【化26】
【0144】 14(6g、5.9mmol)を、トルエン/メタノール:1/1混合物40
mL中に溶解する。これにナトリウム(触媒)を添加する。15分後、溶液を樹
脂AmberliteIR120(H+)により中和し、濾過および濃縮する。
未処理物のシルカゲル上(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)クロマ
トグラフィーにより、無色シロップ形態の16(5.45g、95%)を得る。
[α]D +93.6(c 0.51,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.5-7.2(m, 35H, arom.), 5.76(d, 1H, J 1
-2=1.6Hz, H-1A), 5.22(d, 1H, J 1-2=1.6Hz, H-1B), 4.95(d, 1H, J gem=10.7H
z, CHPh), 4.85(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.77(s, 2H, CH2Ph), 4.75(d, 1
H, J gem=12Hz, CHPh), 4.66(d, 1H, J gem=10.7Hz, CHPh), 4.65(d, 1H, J gem
=11.3Hz, CHPh), 4.6(d, 1H, J gem=11.3Hz, CHPh), 4.57(d, 1H, J gem=12.4Hz
, CHPh), 4.55(d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.52(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh),
4.45(d, 1H, J gem=12.4Hz, CHPh), 4.37-4.33(m, 1H, H-5A), 4.34(dd, 1H, J
2-1=1.6Hz and J 2-3=2.7Hz, H-2A), 4.21-4.18(m, 1H, H-2B), 4.01(t, 1H, J
4-3=J 4-5=9.3Hz, H-4A), 4.03-3.98(m, 1H,H-5B), 3.96(dd, 1H, J 3-2=2.7Hz
and J 3-4=9.3Hz, H-3A), 3.95(dd, 1H, J 6b-6a=11.2Hz and J 6b-5=4.6Hz, H
-6Ab), 3.93(dd, 1H, J 3-2=3.1Hz and J 3-4=9.4Hz, H-3B), 3.87(t, 1H, J 4-
3=J 4-5=9.4Hz, H-4B), 3.8(dd, 1H, J 6b-6a=11.2Hz and J 6b-5=1.6Hz, H-6Aa
), 3.71(dd, 1H, J 6b-6a=10.6Hz and J 6b-5=4.9Hz, H-6Bb), 3.64(dd, 1H, J
6b-6a=10.6Hz and J 6b-5=1.9Hz, H-6Ba), 2.53(d, 1H, J OH-2=1.6Hz, OH). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 138.5, 138.3, 138.2, 138, 137.9, 137.86, 131
.5(7 C arom), 128.9-127.3(35 CH arom), 101.2(C-1B), 87.2(C-1A), 79.99(C-
3A), 79.9(C-3B), 76.5(C-2A), 75.1(CH2Ph), 75(CH2Ph), 74.8(C-4A), 74.2(C-
4B), 73.13(CH2Ph), 73.1(CH2Ph), 72.8(C-5A), 72.3(CH2Ph), 72.1(CH2Ph), 71
.6(C-5B), 69.1(C-6A), 68.5(C-6B), 68.47(C-2B). 質量スペクトル: m/z 992.6(M+NH4+. C606210S (975.218)についての分析 : 計算値 C:7
3.89 H:6.408 実測値 C:74.15 H:6.90。
【0145】 4)フェニル2−O−(2−O−(2−O−(3,4,6−トリ−O−ベンジ
ル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−
マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノ
シル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−1−チオ−α−D−マンノピラノシ
ド(17)。
【0146】
【化27】
【0147】 無水ジクロロメタン6mL中、16(200mg、187μmol、1等量)
と15(364mg、374μmol、2等量)と4Åモレキュラーシーブ60
0mgとの化合物をアルゴンの雰囲気下に30分間撹拌し、−10℃に冷却する
。次いで三フッ化ホウ素エーテラート71μL(3等量)添加する。−10℃で
40分間おいた後、全体を炭酸水素ナトリウムで中和する。セライト床上での濾
過の後、有機相を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥して、濾過後、真空
下で濃縮する。残滓をクロマトグラフィーにかけ(溶離:シクロヘキサン/酢酸
エチル=6/1)、無色の油を211mg(Rdt=60%)を得る。1H−R
.M.Nによる分析により、二つの生成物、一方は新規に創られた結合レベルに
おける立体化学α、もう一方はβの存在が示される。これらは残念ながらシリカ
ゲル上クロマトグラフィーによっては分離することができない。さらに混合物を
トルエン/メタノール混合物中に溶解し、そこへナトリウム(触媒)を添加する
。15分後、溶液を樹脂AmberliteIR120(H+)により中和し、
真空下に濾過、気化を行う。残滓をクロマトグラフィー(溶離:シクロヘキサン
/酢酸エチル=5/1)にかけ、生成物17(153mg、71%)を得る。 17の特徴:[α]D +48.7 (c 0.36,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.51-7.23(m, 60H, arom.), 5.83(d, 1H, J
1-2=1.4Hz, H-1A), 5.35(d, 1H, J 1-2=1.4Hz, H-1B or H-1C), 5.3(d, 1H, J
1-2=1.6Hz, H-1B or H-1C), 5.21(d, 1H, J 1-2=1.5Hz, H-1D), 4.91(d, 1H, J
gem=10.7Hz, CHPh), 4.9(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.89(d, 1H, J gem=10.
6Hz, CHPh), 4.84(d, 1H, J gem=10.8Hz, CHPh), 4.71(2d, 2H, J gem=12.2Hz,
2 CHPh), 4.69(d, 1H, J gem=11.3Hz, CHPh), 4.67(d, 1H, J gem=11.3Hz, CHPh
), 4.65(s, 2H, CH2Ph), 4.64(d, 1H, J gem=11.3Hz, CHPh), 4.61(d, 1H, J ge
m=10.9Hz, CHPh), 4.59(d, 1H, J gem=12.3Hz, CHPh), 4.56(3d, 3H, 3 CHPh),
4.54(d, 1H, J gem=12.2Hz, CHPh), 4.53(d, 1H, J gem=11.3Hz, CHPh), 4.51(d
, 1H, J gem=10.8Hz, CHPh), 4.49(d, 1H, J gem=11.9Hz, CHPh), 4.47(d, 1H,
J gem=12.2Hz, CHPh), 4.46(d, 1H, J gem=12.8Hz, CHPh), 4.36(d, 1H, J gem=
11.9Hz, CHPh), 4.36-4.34(m, 2H, H-2A and H-5A, B, C or D), 4.24(d, 1H, J
gem=12.3Hz, CHPh), 4.21(m, 1H, H-2D), 4.19(dd, 1H, J 2-1=1.6Hz and J 2-
3=2.4Hz, H-2B or H-2C), 4.17(dd, 1H, J 2-1=1.4Hz and J 2-3=2.4Hz, H-2B o
r H-2C), 4.04-3.95(m, 6H, H-3D, H-3B or H-3C, H-4A, B, C or D, 3*H-5A, B
, C u D), 3.97-3.88(m, 4H, H-3A, H-3B or H-3C and 2*H-4A, B, C or D), 3.
83-3.56(m, 5H, H-4A, B, C or D, H-6A, H-6B, H-6C and H-6D), 2.47(d, 1H,
J OH-2=2.25Hz, OH). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 138.47*2, 138.44, 138.4*2, 138.32*2, 138.29,
138.2, 138.05, 138, 137.9, 134.2(13 C arom), 128.8-127.2(60 CH arom), 1
01.4(C-1B or C-1C, 1JCH=171.7Hz or 1JCH=170.9Hz), 101(C-1B or C-1C and C
-1D, 1JCH=171.7Hz or 1JCH=170.9Hz), 87.1(C-1A, 1JCH=169.1Hz), 80, 79.6,
79.4, 79(4*C-3), 77.3(C-2A), 75.5(C-2B or C-2C), 75.1(CH2Ph), 75.07(C-2B
or C-2C), 74.94(CH2Ph), 74.85*2, 74.77, 72(4*C-4), 73.26(CH2Ph), 73.18(
CH2Ph), 73.1(CH2Ph), 72.8(CH2Ph), 72.6, 72.26, 72.22, 71.5(4*C-5), 72.3(
CH2Ph), 72(CH2Ph), 71.8(CH2Ph), 69.4, 69.2, 68.9, 68.7(4*C-6), 68.4(C-2D
). 質量スペクトル : m/z 1861.9 (M+Na)+. Cn114Hn11820S(1840.258)についての分析 計算値 C:
74.4 H:6.463 実測値 C:74.3 H:6.54 5)8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(2−O−(2−O−(3,
4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ
−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジ
ル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−
マンノピラノシド(18a)および8−メトキシカルボニルオクチル2−O−(
2−O−(2−O−(3,4,6−トリ−O−ベンジル−aD−マンノピラノシ
ル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−3,4
,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−
O−ベンジルβ−D−マンノピラノシド(18b)。
【0148】
【化28】
【0149】 実験実施要領については、化合物10を参照のこと。
【0150】 268mg(146μmol)の化合物17から、シリカゲル上クロマトグラ
フィー(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)後に、二つのジアステレ
オマー18aα−O−コネクタ(101mg、36%)および18bβ−O−コ
ネクタ(100mg、36%)を、α/β=1/1の割合で得る。 18aα−O−コネクタの特徴:[α]D +35 (c 0.2,クロロホル
ム)、 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.36-7.23(m, 55H, arom.), 5.3(d, 1H, J
1-2=1.2Hz, H-1B or H-1C), 5.27(d, 1H, J 1-2=1.6Hz, H-1B or H-1C), 5.18(d
, 1H, J 1-2=1.4Hz, H-1D), 4.99(d, 1H, J 1-2=1.4Hz, H-1A), 4.89(2d, 2H, J
gem=10.9Hz, 2 CHPh), 4.86(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.82(d, 1H, J gem
=10.5Hz, CHPh), 4.72(2d, 2H, 2 CHPh), 4.67(d, 1H, J gem=12.2Hz, CHPh), 4
.63-4.58(m, 8H, 8 CHPh), 4.56(d, 1H, J gem=12.3Hz, CHPh), 4.55(d, 1H, J
gem=10.9Hz, CHPh), 4.54(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.49(d, 1H, J gem=10
.5Hz, CHPh), 4.48(d, 1H, J gem=11.5Hz, CHPh), 4.47(d, 1H, J gem=11.2Hz,
CHPh), 4.4(d, 1H, J gem=12.2Hz, CHPh), 4.35(d, 1H, J gem=11.5Hz, CHPh),
4.21(d, 1H, J gem=12.3Hz, CHPh), 4.2-4.19(m, 1H, H-2D), 4.185(dd, 1H, J
2-1=1.6Hz and J 2-3=2.5Hz, H-2B or H-2C), 4.15(dd, 1H, J 2-1=1.2Hz and J
2-3=2.1Hz, H-2B or H-2C), 4.03(dd, 1H, J 2-1=1.4Hz and J 2-3=2.5Hz, H-2
A), 4.01-3.89(m, 9H, 4*H-3, 3*H-5A, B, C or D, 2*H-4A, B, C or D), 3.84-
3.72(m, 5H, 2*H-4A, B, C or D, 1*H-5A, B, C or D, 2*H-6A, B, C or D), 3.
71(s, 3H, -C:O-OCH3), 3.67-3.51(m, 2H, 2*H-6A, B, C or D), 3.60(dt, 1H,
J CH-CH2=6.8Hz and J gem=9.5Hz, -O-CH-CH2-), 3.28(dt, 1H, J CH-CH2=6.6Hz
and J gem=9.5Hz, -O-CH-CH2-), 2.44(br, 1H, OH), 2.34(t, 2H, J 3-2=7.6Hz
, -CH2C:O-OCH3), 1.69-1.62(m, 2H, -CH2-), 1.55-1.48(m, 2H, -CH2-), 1.37-
1.27(m, 8H, -(CH2)4-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 174.2(-C:O-OCH3), 138.6, 138.55, 138.5*4, 13
8.44, 138.36*2, 138.3, 138.1, 138(12 C arom.), 128.4-127.26(55 CH arom),
101.1(C-1B or C-1C, 1JCH=171.7Hz or 1JCH=172.9Hz), 100.9(C-1B or C-1C a
nd C-1D, 1JCH=171.7Hz or 1JCH=172.9Hz), 98.7(C-1A, 1JCH=168.5Hz), 80, 79
.4*2, 79.1(4*C-3), 75.8(C-2A), 75.6(C-2B or C-2C), 75.13(C-2B or C-2C),
75.1(2*CH2Ph), 74.96(CH2Ph), 73.9*2, 74.8, 74.3(4*C-4), 73.3(CH2Ph), 73.
2(CH2Ph), 73.18(2*CH2Ph), 72.33(2*CH2Ph), 72.3, 72, 71.76, 71.73(4*C-5),
72(CH2Ph), 71.76(CH2Ph), 71.73(CH2Ph), 69.6, 69.5, 63.35, 68.8(4*C-6),
68.5(C-2D), 67.65(-O-CH2-), 69.8(CH2Ph), 51.4(-C:O-OCH3), 34(-CH2-C:O-O-
CH3), 29.4, 29.2, 29.1, 29, 26, 24.9(-CH2-) 質量スペクトル:m/z 1934.8(M+NH4+. C118l3223(1918.35)についての分析 : 計算値 C:73.
88 H:6.93 実測値 C:73.76 H:7.12。
【0151】 18bβ−O−コネクタの特徴:[α]D +2 (c 0.2,クロロホル
ム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.38-7.25(m, 55H, arom.), 5.39(d, 1H, J
1-2=1.5Hz, H-1B or H-1C), 5.34(d, 1H, J 1-2=1.5Hz, H-1B or H-1C), 5.23(
d, 1H, J 1-2=1.45Hz, H-1D), 4.9(d, H, J gem=10.6Hz, CHPh), 4.89(d, 1H, J
gem=10.9Hz, CHPh), 4.87(d, 1H, J gem=10.6Hz, CHPh), 4.82(d, H, J gem=12
.3Hz, CHPh), 4.81(d, 1H, J gem=10.1Hz, CHPh), 4.79(d, 1H, J gem=11.5Hz,
CHPh), 4.69(d, 1H, J gem=12.2Hz, CHPh), 4.68-4.55(m, 11H, 11 CHPh), 4.54
(d, 1H, J gem=11.7Hz, CHPh), 4.52(d, 1H, J gem=10.6Hz, CHPh), 4.51(d, 1H
, J gem=11.5Hz, CHPh), 4.48(d, 1H, J gem=10.1Hz, CHPh), 4.41-4.38(m, 1H,
H-5B or H-5C), 4.38(d, 1H, J gem=12.2Hz, CHPh), 4.3(s, 1H, H-1A), 4.27(
d, 1H, J gem=12.4Hz, CHPh), 4.25-4.24(m, 2H, H-2B and H-2C), 4.2-4.19(m,
1H, H-2D), 4.13(d, 1H, J 2-3=2.3Hz, H-2A), 4.09(dd, 1H, J 3-2=2.8Hz and
J 3-4=9.6Hz, H-3B or H-3C), 4.05(dd, 1H, J 3-2=2.8Hz and J 3-4=9.1Hz, H
-3B or H-3C), 4.047-3.88(m, 7H, H-3D, 3*H-4B, B or D, 3*H-5B, C or D), 3
.92-3.89(m, 1H, -O-CH-CH2-), 3.8-3.5(m, 8H, H-4A, 4*H-6A, B, C and D, -C
:O-OCH3), 3.48(dd, 1H, J 3-2=2.5Hz and J 3-4=9.4Hz, H-3A), 3.44-3.39(m,
2H, H-5A and -O-CH-CH2-), 2.44(br, 1H, OH), 2.34(t, 2H, J 3-2=7.6Hz, -CH
2C:O-OCH3), 1.67-1.57(m, 4H, -(CH2)2-), 1.39-1.28(m, 8H, -(CH2)4-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 174.2(-C:O-OCH3), 138.9, 138.77, 138.66, 138
.65, 138.56*2, 138.37, 138.35, 138.12*2, 138.07, 137.9(12 C arom), 128.4
-127.2(55 CH arom), 100.8(C-1D), 100.5(C-1B or C-1C), 99.9(C-1A), 99.5(C
-1B or C-1C), 82.3(C-3A), 80(C-3D), 79.7(C-3B or C-3C), 79.5(C-3B or C-3
C), 75.6(C-5A), 75.3(C-2B or C-2C), 75.02(CH2Ph), 75*2(CH2Ph), 74.93(C-4
A), 74.9(C-2B or C-2C), 74.88, 74.84, 74.2(C-4B, C-4C, C-4D), 73.35(CH2P
h), 73.23(CH2Ph), 73.21(CH2Ph), 73.17(CH2Ph), 73.12(CH2Ph), 72.5(C-2A),
72.34(CH2Ph), 72.2, 71.6, 71.5(C-5B, C-5C, C-5D), 72.1(CH2Ph), 72(CH2Ph)
, 71.8(CH2Ph), 69.7, 69.4, 63.37, 69.2(4*C-6), 68.48(-O-CH2-), 68.46(C-2
D), 51.4(-C:O-OCH3), 34(-CH2-C:O-O-CH3), 29.6, 29.2, 29.16, 29.1, 26, 24
.9(-CH2-) 質量スペクトル:m/z 1934.95(M+NH4+. C118l3223(1918.35)についての分析 : 計算値 C:73.
88 H:6.93 実測値 C:73.84 H:7.1 6)8−カルボキシルオクチル 2−O−(2−O−(2−O−(α−D−マ
ンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシル)
−α−D−マンノピラノシドおよびβ−D−マンノピラノシド(II,R=コネ
クター)。
【0152】 二つの異性体18aおよび18bから、二つの化合物(IIR=コネクター)
を調製した。
【0153】
【化29】
【0154】 −化合物 α−アグリコン 工程1:鹸化 実験実施要領については、I(R=コネクター)の工程2を参照のこと。
【0155】 18a(90mg、47μmol)により、シリカゲル上クロマトグラフィー
(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1)後に−O−(2−O−(2−O
−(3,4,6−トリ−O−ベンジル−_−D−マンノピラノシル)−3,4,
6−トリ−O−ベンジル−_−D−マンノピラノシル)3,4,6−トリ−O−
ベンジル−_−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−−
D−マンノピラノシド:[_]D+17(c 1,クロロホルム) 1H-R.M.N.(400MHz,CDC13) : 7.36-7.23(m,55H,arom.), 5.3(d,1H, J 1-2=1.2H
z, H-1B またはH-1C), 5.27(d,1H, J 12=1.6Hz, H-1BまたはH-1C), 5.18(d,1H,
J 1-2=1.4Hz,H-1D), 4.99(d,1H, J 1-2=1.4Hz,H-1A),メチルエステルのメチルの
特徴的最大値の欠如。
【0156】 質量スペクトル: m/z 1920.86 (M+NH4+)+。 C11713023 (1904.32)についての分析 : 計算値 C:73.
79 H:6.88 実測値 C:73.36 H:7.12 工程2:水素化分解 実験実施要領については、I(R=コネクタ)の工程3を参照のこと。
【0157】 前駆体48mg(25mol)から、化合物−O−コネクタII(R=コネク
タ)を20mg(Rdt=95%)が得られる。
【0158】 1H-R.M.N. (400MHz, D2O) du compose -O-connecteur: 5.25(d, 1H, J 1-2=1.
6Hz, H-1B or H-1C), 5.24(d, 1H, J 1-2=1.5Hz, H-1B or H-1C), 5.04(d, 1H,
J 1-2=1.3Hz, H-1D), 4.99(d, 1H, J 1-2=2Hz, H-1A), 3.69-3.63(m, 1H, -O-CH
-CH2-), 3.48(dt, 1H, J CH-CH2=6.2Hz and J gem=9.9Hz, -O-CH-CH2-), 2.22(t
, 2H, J 3-2=7.5Hz, -CH2COOH), 1.58-1.48(m, 4H, -(CH2)2-), 1.3-1.24(m, 8H
, -(CH2)4-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 102.5, 100.96, 100.91, 98.29(4 C-1). 質量スペクトル(FAB):計算値 C335823Na : 実測値m/z
845.32 :845.37 −加工物 β−アグリコン 工程1:鹸化 実験実施要領については、I(R=コネクタ)の工程2を参照のこと。 18b(89mg、46.4μmol)から、8−カルボキシルオクチル 2−
O−(2−O−(2−O−(3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノ
ピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)
3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−
トリ−O−ベンジルss−D−マンノピラノシド: [α]D+19(c 1,
クロロホルム)を64mg(72%)得る。
【0159】 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.38-7.25(m, 55H, arom.), 5.39(d, 1H, J
1-2=1.5Hz, H-1B or H-1C), 5.34(d, 1H, J 1-2=1.5Hz, H-1B or H-1C), 5.23(
d, 1H, J 1-2=1.45Hz, H-1D), 4.3(s, 1H, H-1A), メチルエステルのメチルの特
徴的最大値の欠如。 質量スペクトル: m/z 1920.9 (M+NH4+)+. C11713023 (1904.32)についての分析 : 計算値 C:73.
79 H:6.88 実測値 C:73.37 H:7.28 工程2:水素化分解 実験実施要領については、I(R=コネクタ)の工程3を参照のこと。
【0160】 18mg(92%)のII(R=コネクタ)β−O−コネクタが、45mg(
23.6μmol)から得られる: 1H-R.M.N. (400MHz, D2O) du compose β-O-connecteur: δ 5.33(d, 1H, J 1
-2=1.3Hz, H-1B or H-1C), 5.24(d, 1H, J 1-2=1.8Hz, H-1B or H-1C), 4.98(d,
1H, J 1-2=1.9Hz, H-1D), 4.63(s, 1H, H-1A), 3.84-3.79(m, 1H, -O-CH-CH2-)
, 3.53(dt, 1H, J CH-CH2=5.8Hz and J gem=9.9Hz, -O-CH-CH2-), 2.22(t, 2H,
J 3-2=7.5Hz, -CH2COOH), 1.59-1.49(m, 4H, -(CH2)2-), 1.3-1.24(m, 8H, -(CH
2)4-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 102.5, 100.95, 100.91, 99.99(4 C-1). 質量スペクトル(FAB):計算値 C335823Na:実測値m/z 84
5.32 : 845.4 7)2−O−(2−O−(2−O−(3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−
D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピ
ラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−
3,4,6−トリ−O−ベンジル−D−マンノピラノース(19)。
【0161】
【化30】
【0162】 実験実施要領については、I(R=H)の工程2を参照。
【0163】 105mg(57μmol)の化合物17から、溶離:シクロヘキサン/酢酸
エチル=3/1次いで2/1によるシルカゲル上クロマトグラフィー後に、化合
物19(α/β=87/13)を84mg(85%)得る。
【0164】 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) du compose : δ 7.4-7.27(m, 60H, arom.), 5.3
8-5.37(m, 1H, H-1A), 5.34(d, 1H, J 1-2=1.5Hz, H-1B or H-1C), 5.32(d, 1H,
J 1-2=1.7Hz, H-1B or H-1C), 5.23(d, 1H, J 1-2=1.6Hz, H-1D), 2.83(br, 1H
, OH), 2.51 (br, 1H, OH). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 100.94(C-1D), 100.9(C-1B or C-1C), 100.85(C-
1B or C-1C), 93.3(C-1A). 質量スペクトル:m/z 1769.54(M+Na)+
【0165】 C1l7l3023(1748.1)についての分析:計算値 C:74.2 H
:6.57 実測値 C:74.15 H:6.7 8)2−O−(2−O−(2−O−(α−D−マンノピラノシル)−α−D−
マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシル)−D−マンノピラノース I
I (R=H).
【0166】
【化31】
【0167】 実験実施要領については、化合物I(R=コネクタ)の工程3を参照のこと。
先の化合物30mg(18μmol)から、凍結乾燥後に、化合物II(R=H
)を18mg(Rdt=95%)を得る。
【0168】 1H-R.M.N. (400MHz, D2O) du compose α-OH: δ ?5.23(s, 1H, H-1A), 5.15
(se, 2H, H-1B and H-1C), 4.91(d, 1H, J1-2=1.6Hz, H-1D). 質量スペクトル:計算値 C244221Na:実測値m/z 689.21
689.41。
【0169】 (実施例3)式(III)のD−Man α(1−3) D−Man α(1
−2) D−Man α(1−2) D−Man α(1−2)の調製 I−反応図について 添付資料の図3は、式(III)の D−Man α(1−3) D−Man
α(1−2) D−Man α(1−2) D−Man α(1−2)の調製
の反応図である。この化合物は出発基SPhおよびブロック(1−2)(このう
ちの一つは下記の反応(a”’)〜(d”’)に準拠したコネクタを伴う)によ
るブロックα(1−3)の縮合により調製される。
【0170】 反応(a”’)は次の条件で行われる。すなわち、TfOTMS、4Åモレキ
ュラーシーブ、CH2Cl2、−20℃。
【0171】 反応(b”’)は次の条件で行われる。すなわち、MeONa、MeOH。
【0172】 反応(c”’)は次の条件で行われる。すなわち、NIS、TfOH、4Åモ
レキュラーシーブ、CH2Cl2、−20℃。
【0173】 反応(d”’)は次の条件で行われる。すなわち、1−NaOH、THF、水
、2−H2、Pd/C、MeOH、AcOEt。
【0174】 II−実験実施要領 化合物22(Y−M. Zhang, J.−M.Mallおよび,P.Si
nay.Carbohydr.Res.236,(1992),73−88.)
および21(P.J.Garegg,H.Hultberg,TNorberg
,Carbohydr.Res.96(1981)59−64)を文献の実施要
領に従って調製する。
【0175】 1)8−メトキシカルボニルオクチル2−O−(2−O−ベンゾイル−3,4
,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−
O−ベンジル−α−Dマンノピラノシド(23)。
【0176】
【化32】
【0177】 フェニル 2−O−ベンゾイル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−1−チオ
−α−D−マンノピラノシド(22)(Y−M.Zhang,J.−M.Mal
lおよび,P.Sinay.Carbohydr.Res.236,(1992
),73−88.)を430mg(665μmol、1等量)と8−メトキシカ
ルボニル3,4,6−トリ−O−ベンジル−1−α−D−マンノピラノシド(2
1)(P.J.Garegg,H.Hultberg,T Norberg,C
arbohydr.Res.96(1981)59−64)を412mg(1等
量)と、モレキュラーシーブ1gとを無水ジクロロメタン9mL中に、アルゴン
の雰囲気下に懸濁する。室温で30分間撹拌を行った後、溶液を−20℃に冷却
する。そこへN−イオドサクシンイミド306mg(2.2等量)およびトリフ
ルオロメタンスルホン酸11.7μL(0.2等量)を連続的に加える。30分
後、−20℃で、反応媒質を炭酸水素ナトリウム溶液により中和する。全体をセ
ライト床上で濾過し、有機相をチオ硫酸ナトリウム溶液およびNaCl水性溶液
により洗浄する。次にこれを硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下に濾過、濃縮
を行う。未処理物のクロマトグラフィー(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=
4/1)により、無色の油である生成物23を615mg(80%)得る。[α
D +5.2 (c 0.56,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 8.15-7.25(m, 35H, arom.), 5.85(dd, 1H,
J 2-1=1.8Hz and J 2-3=3.3Hz, H-2B), 5.27(d, 1H, J 1-2=1.8Hz, H-1B), 4.96
(d, 1H, J 1-2=1.66Hz, H-1A), 4.93(d, 1H, J gem=10.7Hz, CHPh), 4.92(d, 1H
, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.83(d, 1H, J gem=11.1Hz, CHPh), 4.78(d, 1H, J ge
m=12Hz, CHPh), 4.76(s, 2H, CH2Ph), 4.74(d, 1H, J gem=12.2Hz, CHPh), 4.62
(d, 1H, J gem=12.2Hz, CHPh), 4.62(d, 1H, J gem=10.7Hz, CHPh), 4.58(d, 1H
, J gem=12Hz, CHPh), 4.57(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.51(d, 1H, J gem=
11.1Hz, CHPh), 4.19(dd, 1H, J 3-2=3.3Hz and J 3-4=9Hz, H-3B), 4.12-4.09(
m, 2H, H-5B and H-4B), 4.07(dd, 1H, J 2-1=1.66Hz and J 2-3=2.9Hz, H-2A),
4(dd, 1H, J 3-2=2.9Hz and J 3-4=9.2Hz, H-3A), 3.94(dd, 1H, J 6b-6a=10.5
Hz and J 6b-5=3Hz, H-6Bb), 3.92(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.2Hz, H-4A), 3.85-3.
77(m, 4H, H-6A, H-6Ba and H-5A), 3.71(s, 3H, -C:O-OCH3), 3.67(dt, 1H, J
gem=9.5Hz and J CH-CH2=6.7Hz, -O-CH-CH2-), 3.35(dt, 1H, J gem=9.5Hz and
J CH-CH2=6.7Hz, -O-CH-CH2-), 2.36(t, 2H, J CH2-CH2=7.5Hz, -CH2-CO2CH3),
1.69-1.65, 1.57-1.54 and 1.35-1.33(m, 12H, -CH2-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 174.2(-C:O-OCH3), 165.4(-O-C:O), 138.5, 138.
4, 138.32, 138.3, 138.26, 137.98, 129.9(7 C arom), 133-127.35(35 CH arom
), 99.5(C-1B), 98.6(C-1A), 79.73(C-3A), 78.07(C-3B), 75.2(C-2A), 75.1(CH
2Ph), 75(CH2Ph), 74.6(C-4B), 74.3(C-4A), 73.3(CH2Ph), 73.2(CH2Ph), 72.1(
CH2Ph), 71.9(C-5B), 71.7(C-5A), 71.6(CH2Ph), 69.2(C-6A), 69.15(C-6B), 68
.98(C-2B), 67.64(-O-CH2-), 51.4(-C:O-OCH3), 34(-CH2-COOCH3), 29.36, 29.1
7, 29.11, 29, 26, 24.9(-CH2-). 質量スペクトル:m/z 1174.5(M+NH4+。 C718014(1157.40)についての分析:計算値 C:73.68 H
:6.96 実測値 C:73.61 H:7.11 2)8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(3,4,6−トリ−O−ベ
ンジル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−
D−マンノピラノシド(24)。
【0178】
【化33】
【0179】 化合物23を540mg(467μmol)、メタノール溶媒/ジクロロメタ
ン=1/1の混合液5mL中に溶解する。ここでナトリウム(触媒)を添加する
。室温に1時間おいた後、溶液を樹脂AmberliteIR12(H+)によ
り中和する。全体を真空下で濾過、濃縮する。未処理物のクロマトグラフィー(
溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=2.75/1)により、無色の油である生
成物24を442mg(Rdt=90%)を得る。 [α]D +34(c 0
.71,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.4-7.3(m, 30H, arom.), 5.21(d, 1H, J 1
-2=1.45Hz, H-1B), 4.95(d, 1H, J 1-2=1.75Hz, H-1A), 4.89(d, 1H, J gem=10.
6Hz, CHPh), 4.87(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.75(d, 1H, J gem=12.2Hz, C
HPh), 4.75(d, 1H, J gem=11.6Hz, CHPh), 4.71(d, 1H, J gem=11.6Hz, CHPh),
4.69(d, 1H, J gem=12.1Hz, CHPh), 4.64(d, 1H, J gem=11.4Hz, CHPh), 4.59(d
, 1H, J gem=10.6Hz, CHPh), 4.59(d, 1H, J gem=12.2Hz, CHPh), 4.58(d, 1H,
J gem=11.4Hz, CHPh), 4.56(d, 1H, J gem=12.1Hz, CHPh), 4.54(d, 1H, J gem=
10.9Hz, CHPh), 4.2-4.17(m, 1H, H-2B), 4.08(dd, 1H, J 2-1=1.75Hz and J 2-
3=2.9Hz, H-2A), 4.03-3.99(m, 1H, H-5B), 3.99(dd, 1H, J 3-2=2.9Hz and J 3
-4=9.3Hz, H-3A), 3.93(dd, 1H, J 3-2=3.2Hz and J 3-4=9.1Hz, H-3B), 3.89(t
, 1H, J 4-3=J 4-5=9.3Hz, H-4A), 3.86(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.1Hz, H-4B), 3.
86(dd, 1H, J 6b-6a=11.1Hz and J 6b-5=4.95Hz, H-6Ab), 3.82-3.75(m, 4H, H-
6Aa, H-6B and H-5A), 3.71(s, 3H, -C:O-OCH3), 3.65(dt, 1H, J gem=9.5Hz an
d J CH-CH2=6.8Hz, -O-CH-CH2-), 3.3(dt, 1H, J gem=9.5Hz and J CH-CH2=6.8H
z, -O-CH-CH2-), 2.51(d, 1H, J OH-2=1.9Hz, OH), 2.34(t, 2H, J CH2-CH2=7.6
Hz, -CH2-CO2CH3), 1.7-1.63, 1.56-1.49 and 1.37-1.27(m, 12H, -CH2-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 174.3(-C:O-OCH3), 138.5, 138.35, 138.3, 138.
25, 138.1, 137.9(6 C arom), 128.4-127.3(30 CH arom), 101(C-1B), 98.7(C-1
A), 79.92(C-3B), 79.79(C-3A), 75.1(CH2Ph), 74.95(CH2Ph), 74.93(C-2A), 74
.76(C-4A), 74.3(C-4B), 73.3(CH2Ph), 73.2(CH2Ph), 72.8(CH2Ph), 72(CH2Ph),
71.7(C-5B), 71.7(C-5A), 69.2(C-6A), 69(C-6B), 68.45(C-2B), 67.63(-O-CH2
-), 51.4(-C:O-OCH3), 34(-CH2-COOCH3), 29.4, 29.2, 29.1, 29, 26, 24.9(-CH
2-). 質量スペクトル:m/z 1070.5 (M+NH4+。 C647613(1053.30)に対する分析:計算値 C:72.98 H:
7.27 実測値 C:72.89 H:7.43。
【0180】 3)フェニル 2−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデン−1−チオ−α
−D−マンノピラノシド(25)。
【0181】
【化34】
【0182】 フェニル 4,6−O−ベンジリデン−1−チオ−α−D−マンノピラノシド
1を2g(5.5mmol、1等量)および10−DL−カンファースルホン酸
を292mg(1.2mmol、0.2等量)を、トリエチルオルト酢酸塩10
mL中に溶解する。室温で30分放置した後、あらかじめ0℃に冷却した溶液に
、酢酸80%を14.4mLを添加する。1時間放置して室温に温度を上げた後
、全体を濃縮して、シリカゲル上クロマトグラフィー(溶離:シクロヘキサン/
酢酸エチル=2/1)にかける。溶媒を気化させた後、白い粉末状の化合物25
を1.67g(75%)得る。pf:157−158℃;[α]D +169(
c 1.05,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.56-7.3(m, 10H, arom.), 5.66(s, 1H, by
), 5.52(s, 1H, H-1), 5.51(dd, 1H, J 2-1=1.3Hz and J 2-3=3.3Hz, H-2), 4.4
1(ddd, 1H, J 5-4=9.7Hz, J 5-6a=10.3Hz and J 5-6b=4.9Hz, H-5), 4.29(dd, 1
H, J 6b-6a=10.3Hz and J 6b-5=4.9Hz, H-6b), 4.28-4.25(m, 1H, H-3), 4.04(t
, 1H, J 4-3=J 4-5=9.7Hz, H-4), 3.89(t, 1H, J 6b-6a=J 6b-5=10.3Hz, H-6a),
2.65(d, 1H, J OH-3=3.5Hz, OH), 2.21(s, 3H, O-C:O-CH3). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 170.3(-O-C:O-CH3), 136.9, 133(2 C arom.), 13
2-126.2(10 CH arom.), 102.2(by), 86.8(C-1), 79(C-4), 73.5(C-2), 68.3(C-6
), 67.7(C-3), 64.5(C-5A), 20.9(-O-C:O-CH3). 質量スペクトル:m/z 403.2(M+H)+
【0183】 C21226S(402.46)についての分析:計算値 C:62.67
H:5.509 実測値 C:62.66 H:5.54。
【0184】 4)フェニル 3−O−(2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジ
ル−α−D−マンノピラノシル)−2−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデ
ン−1−チオ−α−D−マンノピラノシド(26)。
【0185】
【化35】
【0186】 O−(2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノ
ピラノース)トリクロロアセトイミダート(12)を731mg(1.15mm
ol、1.1等量)と化合物25を420mg(1.044mmol、1等量)
とモレキュラーシーブを1.3gとを、無水ジクロロメタン12mL中に懸濁し
、アルゴンの雰囲気下に維持する。室温で30分間撹拌した後、溶液を−20℃
まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル22μL(0.1
等量)を注入する。1時間撹拌した後、全体を炭酸水素ナトリウム溶液で中和し
て、セライト上で濾過し、分離された有機相をNaCl水性溶液で洗浄して、硫
酸マグネシウム上で乾燥した後、真空下で濾過、濃縮する。未処理物をシリカゲ
ル上クロマトグラフィー(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)にかけ
、このようにして白い泡状の化合物26を626mg(Rdt=68%)得る。
pf:58−59℃;[α]D +119(c 0.55,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.47-7.25(m, 25H, arom.), 5.69(s, 1H, b
y), 5.55(dd, 1H, J 2-1=1.8Hz and J 2-3=2.7Hz, H-2D), 5.52(dd, 1H, J 2-1=
1.3Hz and J 2-3=3.4Hz, H-2C), 5.49(d, 1H, J 1-2=1.3Hz, H-1C), 5.34(d, 1H
, J 1-2=1.8Hz, H-1D), 4.89(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.77(d, 1H, J gem
=12.2Hz, CHPh), 4.74(d, 1H, J gem=11.4Hz, CHPh), 4.56(d, 1H, J gem=12.2H
z, CHPh), 4.56(d, 1H, J gem=11.4Hz, CHPh), 4.54(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHP
h), 4.42(ddd, 1H, J 5-4=9.8Hz, J 5-6b=4.9Hz and J 5-6a=10.3Hz, H-5C), 4.
4(dd, 1H, J 3-2=3.4Hz and J 3-4=9.8Hz, H-3C), 4.3(dd, 1H, J 6b-6a=10.3Hz
and J 6b-5=4.9Hz, H-6Cb), 4.2(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.8Hz, H-4C), 3.97-3.8
7(m, 4H, H-5D, H-4D, H-3D and H-6Ca), 3.86(dd, 1H, J 6b-6a=12Hz and J 6b
-5=3.9Hz, H-6Db), 3.78(dd, 1H, J 6a-6b=12Hz and J 6a-5=3.3Hz, H-6Da), 2.
21 and 2.16(2s, 6H, 2 O-C:O-CH3). 13C R.M.N.(100 MHz) : δ 170.1 and 169.7(2 -O-C:O-CH3), 138.4, 138.2,
137.9, 136.9, 133(C arom.), 132-125.9(25 CH arom.), 101.3(by), 98.8(C-1D
), 86.8(C-1C), 78.9(C-4C), 75.6, 74.1 and 72.1(C-3D, C-4D and C-5D), 74.
9(CH2Ph), 73.4(CH2Ph), 73.1(C-2C), 71.7(CH2Ph), 70.8(C-3C), 68.6(C-6D),
68.4(C-2D), 68.2(C-6C), 64.6(C-5C), 21 and 20.8(2 -O-C:O-CH3). 質量スペクトル:m/z 894.3(M+NH4)+505212S (877.02)についての分析:計算値 C:68.47
H:5.976 実測値 C:68.36 H:6.15。
【0187】 5)8−メトキシカルボニルオクチル2−O−(2−O−(3−O−(2−O
−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−
2−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデン−α−D−マンノピラノシル)−
3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−3,4,6−
トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド(27).
【0188】
【化36】
【0189】 化合物26を158mg(180μmol、1等量)と化合物24を186m
g(1等量)とモレキュラーシーブ500mgとを無水ジクロロメタン5mL中
に溶解し、アルゴンの雰囲気下に維持する。30分間撹拌した後、溶液を−20
℃まで冷却して、N−ヨードこはく酸イミド81mg(2等量)およびトリフル
オロメタンスルホン酸4μL(0.3等量)を媒質に加える。30分間撹拌した
後、全体を炭酸水素ナトリウムで中和し、セライト床上で濾過する。次に有機相
をチオ硫酸ナトリウム溶液、NaCl水性溶液により洗浄し、硫酸マグネシウム
上で乾燥して、減圧下に濾過、濃縮する。未処理物をシリカゲル上クロマトグラ
フィー(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=5/1)にかけ、このようにして
、無色油である生成物27を236mg(Rdt=72%)を単離する。[α] D +29(c 0.85,クロロホルム) 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.38-7.25(m, 50H, arom.), 5.66(s, 1H, b
y), 5.56(dd, 1H, J 2-1=1.5Hz and J 2-3=3Hz, H-2D), 5.44(dd, 1H, J 2-1=1.
3Hz and J 2-3=3.5Hz, H-2C), 5.32(se, 1H, H-1D), 5.2(se, 1H, H-1B), 5.04(
se, 1H, H-1C), 4.94(se, 1H, H-1A), 4.88(d, 1H, J gem=10.6Hz, CHPh), 4.88
(d, 1H, J gem=10.7Hz, CHPh), 4.87(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.75(d, 1H
, J gem=12.4Hz, CHPh), 4.75(d, 1H, J gem=11.2Hz, CHPh), 4.72(s, 2H, CH2P
h), 4.67(d, 1H, J gem=12.3Hz, CHPh), 4.67(d, 1H, J gem=12Hz, CHPh), 4.61
(d, 1H, J gem=12.4Hz, CHPh), 4.6(d, 1H, J gem=10.6Hz, CHPh), 4.6(d, 1H,
J gem=12Hz, CHPh), 4.58(s, 2H, CH2Ph), 4.57(d, 1H, J gem=11.2Hz, CHPh),
4.53(d, 1H, J gem=10.9Hz, CHPh), 4.52(d, 1H, J gem=10.7Hz, CHPh), 4.33(d
, 1H, J gem=12.3Hz, CHPh), 4.43(dd, 1H, J 3-2=3.5Hz and J 3-4=9.3Hz, H-3
C), 4.21(dd, 1H, J 6b-6a=10.4Hz and J 6b-5=4.5Hz, H-6Cb), 4.14-4.12(m, 1
H, H-2B), 4.09(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.3Hz, H-4C), 4.07-4.04(m, 1H, H-5C),
4.03(t, 1H, J 4-3=J 4-5=9.9Hz, H-4D), 4.01-4(m, 1H, H-2A), 3.98-3.96(m,
1H, H-3B), 3.93(dd, 1H, J 3-2=3Hz and J 3-4=9.9Hz, H-3D), 3.88-3.85(m, 1
H, H-5D), 3.71(s, 3H, -C:O-OCH3), 3.62-3.59(m, 1H, H-6Da), 3.6-3.56(m, 1
H, -O-CH-CH2-), 3.25(dt, 1H, J gem=9.4Hz and J CH-CH2=6.6Hz, -O-CH-CH2-)
, 2.34(t, 2H, J CH2-CH2=7.5Hz, -CH2-CO2CH3), 2.14 and 2.13(2s, 6H, 2 O-C
:O-CH3), 1.7-1.62, 1.54-1.47 and 1.35-1.25(m, 12H, -CH2-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 174.3(-C:O-OCH3), 170.1 and 169.5(2 -O-C:O-C
H3), 138.6, 138.55, 138.3*2, 138.29*2, 138.23, 138.2, 137.98, 137(10 C a
rom.), 128.7-125.9(50 CH arom.), 101.2(by), 100.6(C-1B, 1JCH=171.3Hz), 9
9.8 (C-1C, 1JCH=172.2Hz), 98.8(C-1D, 1JCH=174Hz), 98.6(C-1A, 1JCH=170.5H
z), 79.3(C-3B), 78.9(C-4C), 77.7(C-3D), 75.56(C-2A), 75.4(C-2B), 75.13(C
H2Ph), 75.06(CH2Ph), 74.87(CH2Ph), 73.9(C-4D), 73.24(CH2Ph), 73.22(CH2Ph
), 73.2(CH2Ph), 72.17(CH2Ph), 72.09(CH2Ph), 72(C-5D), 71.7(CH2Ph), 71.4(
C-2C), 70.8(C-3C), 68.05(C-2D), 68.4(C-6C), 67.63(-O-CH2-), 51.4(-C:O-OC
H3), 34(-CH2-COOCH3), 29.4, 29.2, 29.1, 29, 26, 24.9(-CH2-), 21 and 20.8
(2 -O-C:O-CH3). 質量スペクトル:m/z 1836.5(M+NH4)+. C108l2225(1820.026)についての分析:計算値 C:71.2
7 H:6.75 実測値 C:71.08 H:6.94。
【0190】 6)8−カルボキシルオクチル 2−O−(2−O−(3−O−(α−D−マ
ンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシル)
−α−D−マンノピラノシドIII。
【0191】
【化37】
【0192】 工程1:鹸化 200mg(110μmol、1等量)の前駆体27を、テトラヒドロフラン
/水酸化ナトリウム溶液(0.1N)混合液(1/1)10mL中に溶解する。
一晩還流を行った後、全体を酸性化して、ジクロロメタンにより3回抽出を行う
。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空下で濾過、濃縮を行う。未処理生
成物をシルカゲル上クロマトグラフィー(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=
1.5/1)にかけ、このようにして無色の油性形態の化合物を155mg(R
dt=82%)を単離する。 8−カルボキシルオクチル 2−O−(2−O−(3−O−(3,4,6−トリ
−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−4,6−O−ベンジリデン−α
−D−マンノピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノ
ピラノシル)−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド[
α]D +33.3 (c 0.52,クロロホルム)。
【0193】 1H-R.M.N. (400MHz, CDCl3) : δ 7.5-7.25(m, 50H, arom.), 5.6(s, 1H, by)
, 5.21(d, 1H, J 1-2=1.3Hz, H-1B), 5.16(d, 1H, J 1-2=1.45Hz, H-1D), 5.12(
d, 1H, J 1-2=1.1Hz, H-1C), 4.97(d, 1H, J 1-2=1.2Hz, H-1A), 4.42-4.41(m,
1H, H-2C), 4.18-4.17(m, 1H, H-2B), 4.08(m, 1H, H-2D), 4(dd, 1H, J 2-1=1.
2Hz and J 2-3=3.1Hz, H-2A), 3.6(dt, 1H, J gem=9.5Hz and J CH-CH2=6.5Hz,
-O-CH-CH2-), 3.27(dt, 1H, J gem=9.5Hz and J CH-CH2=6.5Hz, -O-CH-CH2-), 2
.35(t, 2H, J CH2-CH2=7.5Hz, -CH2-CO2H), 1.7-1.6, 1.54-1.47 and 1.35-1.25
(m, 12H, -CH2-).エステルのメチルに相当する三つの最大値の欠如。
【0194】 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 178.5(-CO2H), 102.3(C-1C), 101.7(by), 100.9(
C-1B), 99.8(C-1D), 98.5(C-1A), 75.7(C-2A), 74.8(C-2B), 69.65(C-2C), 68.5
(C-2D), 67.6(-O-CH2-), 33.8(-CH2-COOH), 29.3, 29, 28.9, 28.7, 25.9, 24.
5(-CH2-), 21 and 20.8(2 -O-C:O-CH3). 質量スペクトル:m/z 1738.9(M+NH4)+
【0195】 C103ll623 (1722.059)についての分析:計算値 C:71.
84 H:6.789 実測値 C:71.73 H:6.91 工程2 実験実施要領については、化合物I(R=コネクター)の工程3を参照のこと
。 先の化合物100mg(58μmol)から、凍結乾燥後に白い粉末状の化合物
IIIを40mg(Rdt=83%)を得る。
【0196】 1H-R.M.N. (400MHz, D2O) : δ 5.25(d, 1H, J 1-2=1.2Hz, H-1B), 5.1(d, 1H
, J 1-2=1.3Hz, H-1D), 5.05(d, 1H, J 1-2=0.8Hz, H-1A), 4.99(d, 1H, J 1-2=
1.4Hz, H-1C), 4.19(dd, 1H, J 2-1=1.42Hz and J 2-3=3Hz, H-2C), 4.07(dd, 1
H, J 2-1=1.2Hz and J 2-3=3.1Hz, H-2B), 4.03(dd, 1H, J 2-1=1.3Hz and J 2-
3=3.3Hz, H-2D), 3.9-3.88(m, 1H, H-2A), 3.92(dd, 1H, J 3-2=3.1Hz and J 3-
4=9.6Hz, H-3B), 3.91(dd, 1H, J 3-2=3Hz and J 3-4=9.4Hz, H-3C), 3.72-3.65
(m, 1H, -O-CH-CH2-), 3.49(dt, 1H, J gem=10Hz and J 1a-CH2=6.2Hz-O-CH-CH2
-), 2.32(t, 2H, J CH2-CH2=7.4Hz, -CH2-CO2H), 1.6-1.5 and 1.33-1.26(m, 12
H, -CH2-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 178.3(-CO2H), 102.5(C-1D), 102.49(C-1C), 100
.99(C-1B), 98.3(C-1A), 79.3(C-2A), 78.9(C-2B), 78.2(C-3C), 73.66, 73.6*2
, 73(4*C-5), 70.63(C-3D), 70.61(C-3A), 70.34(C-2D), 70.28(C-3B), 69.9(C-
2C), 68.3(-O-CH2-), 67.4, 67.24, 67.2, 66.5(4*C-4), 61.4*2, 61.3, 61.2(4
*C-6), 34.6(-CH2-COOH), 28.7, 28.56, 28.55, 28.48, 25.6, 24.6(-CH2-). 質量スペクトル (マイナス FAB):計算値 C335723:m/z 8
21.32 実測値 821.32 (実施例4)ジマンノシドVIIIの合成 添付資料の表4は下記の実施要領の反応図を表している。
【0197】 1)2−O−(3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−マン
ノピラノシル)3−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−D−マンノピラ
ノシド(28).
【0198】
【化38】
【0199】 実験実施要領については、化合物9の工程2を参照のこと。
【0200】 6(200mg、252μmol、1等量)から、シルカゲル上クロマトグラ
フィー(溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=1.5/1)後に白い泡状の化合
物28(α/β)を160mg(Rdt=90%)得る。
【0201】 化合物α−OHおよびβ−OHの1H-R.M.N.(250MHz,CDCl3) : δ 7.46-7.16(m
,20H,arom.), 5.49*3および5.43(2s,4H,4*by), 5.21(se,1H,H-1), 4.89-4.59(m,
11H,3*H-1および4*CH2Ph), 4.35-3.55(m,20H,4*H-2,4*H-3,4*H-4および4*H-6),
3.4-3.21(m,4H,4*H-5). 質量スペクトル:m/z 716(M+NH4)+
【0202】 C404211 (698.77)についての分析:計算値 C:68.75
H:6.058 実測値 C:68.50 H:6.26。
【0203】 1)2−O−(β−D−マンノピラノシル)−D−マンノピラノース(IV,
R=H)。
【0204】
【化39】
【0205】 実験実施要領については、化合物(I、R=コネクター)の工程3を参照のこ
と。
【0206】 28(130mg、35μmol)から、凍結乾燥後に白い非晶質粉末を56
.7mg(Rdt=85%)を得る。
【0207】 1H-R.M.N. (400MHz, D2O) du compose α-OH : δ 5.27(d, 1H, J 1-2=1.7Hz,
H-1A), 4.76(s, 1H, H-1B), 4.11(dd, 1H, J 2-1=1.7Hz and J 2-3=3.3Hz, H-2
A), 4.03(d, 1H, J 2-3=3.1Hz, H-2B), 3.84(dd, 1H, J 3-2=3.3Hz and J 3-4=9
.7Hz, H-3A), 3.63(dd, 1H, J 3-2=3.1Hz and J 3-4=9.5Hz, H-3B). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 99.01(C-1B), 92.25(C-1A), 78.30(C-2A), 71.13
(C-2B). 1H-R.M.N. (400MHz, D2O) du compose β-OH : δ 4.97(s, 1H, H-1A), 4.81(
s, 1H, H-1A), 4.17(d, 1H, J 2-3=3Hz, H-2A), 4.16(d, 1H, J 2-3=3.3Hz, H-2
B), 3.65-3.61(m, 2H, H-3A and H-3B). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 101.18(C-1B), 93.99(C-1A), 79.68(C-2A), 70.6
3(C-2B). 質量スペクトルHRMS:計算値(M−OH+NH3):実測値 342.1
400:計算値 342.1391(M+NH4+:実測値 360.1506
:360.1517。
【0208】 2)8−メトキシカルボニルオクチル 2−O−(3−O−ベンジル−4,6
−O−ベンジリデン−β−D−マンノピラノシル)−3−O−ベンジル−4,6
−O−ベンジリデン−D−マンノピラノシド(29)。
【0209】
【化40】
【0210】 実験実施要領については、化合物10を参照のこと。
【0211】 6(250mg、316μmol)から、シルカゲル上クロマトグラフィー(
溶離:シクロヘキサン/酢酸エチル=1.5/1)後に、無色のオイルである化
合物29(α/β=1/1、分離不可)を得る。
【0212】 1H-R.M.N. (250MHz, CDCl3) : δ 7.45-7.18(m, 20H, arom.), 5.51*2, 5.49
and 5.43(2s, 4H, 4*by), 4.86(s, 1H, H-1), 4.80-4.67(m, 10H, 2*H-1 and 4*
CH2Ph), 4.41(s, 1H, H-1), 4.31-3.53(m, 28H, 4*H-2, 4*H-3, 4*H-4, 4*H-6,
2*-C:O-O-CH3 and 2*-O-CH2-), 3.42-3.21(m, 6H, 4*H-5 and 2*-O-CH2-), 2.26
-2.18(m, 4H, 2*-CH2-CO2CH3), 1.54-1.18(m, 24H, -O-CH2-(CH2)6-CH2-C:O-) 質量スペクトル:m/z 886(M+NH4)+. C506013 (869.028)に対する分析:計算値 C:69.10
H:6.959 実測値 C:68.55 H:7.41。
【0213】 3)8−カルボキシルオクチル2−O−(β−D−マンノピラノシル)−D−
マンノピラノシド(VII,R=コネクター)。
【0214】
【化41】
【0215】 −工程1:実験実施要領については、化合物(I、R=コネクター)の工程2
を参照のこと。
【0216】 60mg(69μmol)の前駆体29から、溶離:シクロヘキサン/酢酸エ
チル=1/1のシリカゲル上クロマトグラフィー後に、白い粉末を42mg(R
dt=72%)得る。
【0217】 1H-R.M.N. (250MHz, CDCl3) : δ 7.45-7.18(m, 20H, arom.), 5.51*2, 5.49
and 5.43(2s, 4H, 4*by).メチルエステルのメチルの特徴的最大値の欠如。
【0218】 質量スペクトル HRMS:計算値 m/z :実測値 855.3956:
855.3958 C404211 (855.0008)についての分析:計算値 C:68.8
3 H:6.837 実測値 C:68.64 H:7.10 工程2:実験実施要領については、化合物(I、R=コネクター)の工程3を
参照のこと。
【0219】 先の中間体30mg(35μmol)から、凍結乾燥後に非晶質粉末(VII
、R=コネクター)15mg(Rdt=92%)を回収する。
【0220】 化合物α−O−コネクターの1H-R.M.N. (400MHz, D2O) : δ 4.97(s, 1H, H-1
A), 4.75(s, 1H, H-1B), 4.12(d, 1H, J 2-3=3Hz, H-2A), 4.03(d, 1H, J 2-3=2
.9Hz, H-2B), 3.91-3.87(m, 1H, -O-CH-), 3.81(dd, 1H, J 3-2=3Hz and J 3-4=
9.8Hz, H-3A), 3.65-3.61(m, 1H, -O-CH-), 3.62-3.59(m, 1H, H-3B), 2.3(t, 2
H, J CH2-CH2=7.4Hz, -CH2-CO2H), 1.63-1.56(m, 4H, -(CH2)2-), 1.35-1.29(m,
8H, -(CH2)4-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 98.94(C-1B, 1JC-H=155Hz), 97.83(C-1A, 1JC-H=
170Hz), 77.58(C-2A), 71.1(C-2B). 化合物β−Oコネクターの1H-R.M.N. (400MHz, D2O) : δ 4.83(s, 1H, H-1B),
4.72(s, 1H, H-1A), 4.24(d, 1H, J 2-3=2.9Hz, H-2A), 4.11(d, 1H, J 2-3=2.9
Hz, H-2B), 3.77-3.72(m, 1H, -O-CH-), 3.66-3.61(m, 2H, H-3A and H-3B), 3.
57-3.51(m, 1H, -O-CH-), 2.3(t, 2H, J CH2-CH2=7.4Hz, -CH2-CO2H), 1.63-1.5
6(m, 4H, -(CH2)2-), 1.35-1.29(m, 8H, -(CH2)4-). 13C R.M.N. (100 MHz) : δ 101.04(C-1B, 1JC-H=161.8Hz), 100.45(C-1A, 1J
C-H=157.5Hz), 78.4(C-2A), 70.7(C-2B). 質量スペクトル HRMS:計算値(M−OH+NH3):実測値 498.
2551 :計算値 498.2531 (M+NH4)+ :実測値 516
.2656 :516.2671。
【0221】 (実施例5)本発明による合成オリゴマンノシドの共有結合の手順 これには次の有利点がある。
【0222】 −頑丈で、免疫分析テストに適合した表面 −生体分子の選りすぐれた配向 −エピトープにおけるより高い密度 −抗体の認識問題が少ない、すなわち抗原部位を獲得しやすい カルボジイミドの使用: この方法は、カルボジイミドに対して生体分子自身のカルボキシル酸基を活性
化して、活性エステル、さらに表面の第1アミン基とのアミド結合形成に至らせ
る(Nunc TechNote Vol.4 No 27−28)。カルボジ
イミド(EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド)は、スルホ−N−ヒドロキシサクシンアミド(スルホ−NHS:N−ヒド
ロキシサクシンアミド)の存在下に、生体分子の−COOH基を活性化するため
に使用される(Timkovich,R.,1977,Anal.Bioche
m.79:139−143;Staros,J.V.,ら,1986,Anal
.Biochem.156:220−222;Rasmussen,S.E.,
1990,Ann.Biol.Clin.48:647−50)。スルホ−NH
Sは活性化された生成物の加水分解を有効に阻止し、すでにNH2基により免疫
を活性化させたプレートの表面への合成糖の固定を可能にする。
【0223】 1)材料 すべての結合反応体を蒸留水中に溶解する。反応体の残りを脱ミネラル水の中
で再生する。
【0224】 −CovaLink NH2 C8(触媒Polylabo.No N708
97)。
【0225】 −8個の炭素原子鎖につながったテトラマンノース合成糖類:200mg。
【0226】 −スルホ−NHS:スルホ−N−ヒドロキシサクシンアミド、PIERCE
触媒 No 24510。
【0227】 EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド
、PIERCE No 01−62−0011。
【0228】 −PBS 0.15M Na+、pH7.2、シグマ。
【0229】 −PBS/Tween PBS,0.05%、Tween20、シグマ。
【0230】 −PBS/Tween/BSA:PBS/Tween、0.5% BSA −脱脂牛乳。
【0231】 2)実施要領: 合成テトラマンノシドを、二つの異なるプレートの上で使用する。
【0232】 0.8mg/mlの糖母液から、割合2の6種類の希釈を行い、蒸留水中に範
囲40〜1.25μg/mlの各濃度を得た。
【0233】 その場で下記の溶液を調製した。
【0234】 NHS 3.48mg/ml EDC 3.07mg/ml 白および検査用のウエルを複数用意する(結合反応体なしの糖類、共役用比較
標本)。
【0235】 活性化および結合: −以下のウエル毎に100μlの割合の糖液を連続的に置いていく。
【0236】 NHS 50μl/ウエル EDC 50μl/ウエル −プレートをプラスチックフィルムで覆う。
【0237】 −静かに撹拌しながら、室温で一晩プレートをインキュベートする。
【0238】 洗浄および飽和: 水(300μl/ウエル)で3回洗浄。
【0239】 300μl/ウエルの緩衝液PBS中5%の脱脂牛乳溶液により飽和。
【0240】 室温で1時間のインキュベーション 300μl/ウエルの割合のPBS−Tween20(0.05%)により5
回洗浄。
【0241】 ELISA法による検出: −このようにして結合された糖類は、PBS−Tween−BSA溶液中に2
50分の1の割合で希釈されたモノクローナル抗体5B2により検出することが
でき、次いで100μL/ウエルを沈殿させる。
【0242】 −PBS/Tween溶液で5回洗浄 顕現(発色): −PBS−tween−BSA溶液中の共役100μL/ウエル(たとえば、
5BSを顕現させるために、500分の1に希釈したラットIgM抗体)を沈殿
させ、室温で1時間インキュベートする。
【0243】 −PBS−Tween(300μl/ウエル)5回洗浄 −テトラメチルベンジリデン(TMB)をベースにした色原体基質の添加によ
る発色: −TMB200μl(発色キット、Sanofi Diagnostics
Pasteur,Marnes−La−Coquette) −室温で30分間各プレートをインキュベートする。
【0244】 −H2SO4 2N溶液により、100μL/ウエル毎の反応を停止する。
【0245】 読取り: −450nmの読取りフィルター −620nmの基準フィルター。
【0246】 (実施例6)天然オリゴマンノシドに対して生成された抗体に対する合成オリ
ゴマンノシドの反応性 1)Candida種の酵母菌の天然オリゴマンノシドの抗原活性をまねる合
成オリゴマンノシド a)ポリクローナル抗体 Iatron社から市販されている単植性ポリクローナル抗体は、全酵母菌に
よるウサギの免疫化により調製され、さらに異性種の酵母により吸着されている
。群として使用することで、ヒト病理学に関連する主要Candida種の凝集
により識別が可能である。これらの「因子」のそれぞれは、日本で行われた一連
の免疫化学研究により明らかにされた特定エピトープと共に反応を起こす。これ
らの研究結果はS.Suzukiによる刊行物(Suzuki,S.ら,199
7,Curr.Top.Med.Mycol.8:57−70)に総括されてい
る。
【0247】 図5および6は、β−1,2オリゴマンノシドに特異的なファクター5(□)
、およびアノマーαおよびβ−1,2の合成マンノテトラオースに対するα−1
,2オリゴマンノシドと反応するファクター1(■)に対して行われたテストを
示したものである。
【0248】 図5および6は観察を行った反応の特異性を証明するものである。
【0249】 b)モノクロール抗体 C.albicansのβ−1,2オリゴマンノシドと反応させるために、文
献には複数のモノクロール抗体が記載されている。図7は、これらモノクロール
抗体のうちいくつかとのD−Man β(1−2)D−Man β(1−2)D
−Man β(1−2)D−Manの反応性を報告したものである。
【0250】 抗体5B2(Cailliez,J.C.ら、1988,Ann.Inst.
Pasteur.Microbiol.139:171−88;Hopwood
,V.ら、1986,Infect.Immun.54:222−227;Po
ulain,D.ら、1991,Mycoses 34:221−226;Tr
inel,P.A.,1992,Infect.Immun.60:3845−
3851)は我々のチーム(Dr.Poulain)により生成された。この抗
体はC.albicansに感染した動物および患者の血清中を循環するオリゴ
マンノシドを検出する。
【0251】 抗体AF1はA.Cassoneにより生成された(De Bernardi
s,F.ら,1993,J.Clin.Microbiol.31:31423
146;De Bernardis,F.ら、1994,Infect.Imm
un.62:509−519;Girmenia,C.ら,1997,J.Cl
in.Microbiol.35:903−906;Torosantucci
,A.ら,1990,J.Gen.Microbiol.136:2155−2
263)。この抗体は膣カンジダ症の実験モデルにおける雌ラットを保護する。
【0252】 抗体10GおよびB6.1はJ.Cutlerにより生成された(Li,R.
ら,1991,J.Gen.Microbiol.137:455 464;L
i,R.ら,1993,J.Biol.Chem.268:18293−8;K
anbe,T.ら,1994,Infect.Immun.62:1662−8
;Han,Y.ら,1995,Infect.Immun.63:2714−9
;Han,Y.ら,1997,J.Infect.Dis.175:1169−
75;Han,Y.ら,1997,Infect.Immun.65:4100
−7;Han,Y.ら,1998,Infect.Immun.66:5771
−6;Zhang,M.X.ら,1998,Infect.Immun.66:
6027−9)。これらの抗体はC.albicansの接着に対して反応し、
播種性カンジダ症の実験モデルにおけるハツカネズミを保護する。
【0253】 比較標本として、Sanofi−Diagnostic Pasteurによ
り生成され、シーケンスα−1,2マンノースを認識する、CA1と名付けられ
たモノクロール抗体を使用した(Jacquinot,P.M.ら,1998,
FEMS Microbiol.Lett.169:131−8;Poulai
n,D.ら、1991,Mycoses 34:221−226;Trinel
,P.A.,1992,Infect.Immun.60:3845−3851
)。
【0254】 図7の結果は、合成糖が、予期されたように、これらモノクロール抗体と反応
し、従って病態生理学においてすべてが大きな重要性をもつ抗原をまねる。
【0255】 2)Saccharomyces種の酵母の天然オリゴマンノシドの抗原性活
性をまねる合成オリゴマンノシド。
【0256】 クローン病に罹った患者のASCA応答が導かれる主要エピトープの一つが式 Man α−1,3 Man α−1,2 Man α−1,2 Manのマ
ンノテトラオースであることが証明された(Sendid,B.ら,1996,
Clin.Diagn.Lab.Immunol.3:219−26;Youn
g,M.ら,1998,Glycoconj.J.15:815−22)。
【0257】 a)動物のポリクローナル抗体 Iatron血清をコントロールとした免疫化学研究に基づき、この構造は因
子34と共に反応するはずである(Suzuki,S.ら,1997,Curr
.Top.Med.Mycol.8:57−70)。図8は観察結果が予期され
たものに一致することを示している。
【0258】 b)患者の抗体 図9は、ASCAテストを標準化するために役立つ、患者の血清プールを使用
することで、これらの抗体が、プレートを免疫活性化させるために使用される合
成抗原用量に依存する反応に従って固定されることが証明されたことを報告した
ものである。
【0259】 (実施例7)雌ラットの実験に基づく膣カンジダ症モデルにおける‘コロニー
形成’の阻害(F.de Bernardisら、Infection and
Immunity 1998,66:3317−3325)。
【0260】 卵巣を切除した雌ラットを、全実験中にわたり、2日毎に安息香酸エストラジ
オールを0.5mgを皮下注射することにより偽発情の状態を維持させた。
【0261】 これらの動物に、酵母107の溶液0.1mLを接種する。感染の動態を膣分
泌物中の酵母数を測定することで追跡する。分泌物1μLを、目盛り検定が行わ
れているプラスチック製の匙により採取し、抗生物質を加えた寒天sabour
aoud箱上に広げ、28℃で48時間インキュベーションを行った後、コロニ
ーを形成している各単位を計数する。
【0262】 図10のグラフは、それぞれ雌ラット5匹から成る4組について観察を行った
結果を表している。1:β−1,2マンノテトラオース(100μg)を接種の
1時間前に投与した。2:接種の1時間後。3:接種の1時間、2時間、48時
間後。
【0263】 (実施例8)合成β−1,2オリゴマンノシドによる、C.albicans
の腸管コロニー形成阻害。
【0264】 浸透性カンジダ症の拡大は、医療環境における大きな医学的、経済的問題であ
る。これらのカンジダ症は、自然の生息地がヒトの消化器官である酵母によって
主に測定される。ヒトの40〜80%が、この類ではもっとも病因性である二つ
の種のC.albicansまたはC.glabrataの保菌者であると考え
られている。系統的カンジダ症の場合、一般に保菌者である患者の株からまき散
らされる。臨床蘇生患者または臨床血液病の患者ではコロニー形成の強度が、系
統的カンジダ症の進行には依存しない危険因子として論証されている。
【0265】 C.albicansによる腸管コロニー形成の原因となる配位子−レセプタ
ーシステムの性質はいまだ明らかにされていない。
【0266】 本発明人は、C.albicansの側壁表面の特殊な糖類、β−1,2オリ
ゴマンノシドがgalectine−3を介してマクロファージ細胞に固定され
ることを証明することができた。β−1,2オリゴマンノシドは、マンナン、マ
ンノプロテイン、糖脂質、PLMなどの複数のタイプの分子に結合する隔壁(細
胞壁)表面に大量に発現する。galectine−3は特に極性上皮細胞上に
発現するレクチンとして知られている。したがって、これらの結果は、gale
ctine−3がβ−1,2オリゴマンノシドを介して腸へのC.albica
ns固定の原因である得ると推測させる。
【0267】 平行して、β−1,2オリゴマンノシドがカンジダ症の病原性においておそら
く役割を担っているだろうことが間接的に論証された。実際、これらの残滓に特
異的な抗体は、α位置に連結する、はるかにより偏在的なマンノース残滓に対し
て導かれる抗体に反してプロテクターとして振る舞う。保護の元となるメカニズ
ムは明らかにされていない。今日まで、β−1,2オリゴマンノシドの表面の表
現型発現と、C.albicans株の病原性との間の関係分析に関する研究は
行われてこなかった。しかし、C.albicansの抗グリコプロテインモノ
クロール抗体を使った以前の研究では、この抗体が、腐性位置に単離された株よ
りも病原性位置に単離された株とはるかに多く反応することが証明されている。
ところで、この抗体がβ−1,2オリゴマンノシドエピトープと特異的に反応す
ることが後になって証明された。
【0268】 これらを基礎に、腸内コロニー形成におけるβ−1,2オリゴマンノシドの役
割を探るために行われた実験モデルでは、まずβ−1,2オリゴマンノシドのさ
まざまな表現型発現レベルを示すために選択された各C.albicans株を
関与させること、次いで、腸内コロニー形成に対するβ−1,2オリゴマンノシ
ドの投与の効果を調べることが目標とされた。
【0269】 各株は、雌ラットおよびハツカネズミでの、二つの系統的疾患実験モデルにお
ける各C.albicans株から、繁殖可能病原性の差違を証明した研究を基
に選択された。酵母と、複数のモノクロール抗体抗β−1,2オリゴマンノシド
により免疫活性を与えたラテックス粒子との共凝集から、もっとも毒性のある株
が、その表面により多くのβ−1,2オリゴマンノシドを発現するということを
証明することができた。用いられた腸内コロニー形成モデルは、Coleらによ
り育成された新生児ハツカネズミのモデルであった。2つの株がそこに取り入れ
られ、その一つは《毒性のない》株よりもより多く表面にβ−1,2オリゴマン
ノシドを発現する《毒性のある》株である。フンの試験に基づき、毒性株は、β
−1,2オリゴマンノシドを発現するのが少ない株よりも消化器系コロニー形成
を強度にかつ持続的に維持できることが明らかになった。そこでこの強いコロニ
ー形成を阻害する試みが企てられた。この目的において、本発明に従って化学的
合成により得られたβ−1,2オリゴマンノシドが、株を接種する前に、子ネズ
ミに投与された。この方法を用いることで、生物学的材料を長時間かけて精製す
る必要がなく、純粋な生成物を大量に確保することができる。予防として合成β
−1,2オリゴマンノシドを投与することで、比較標本として使用される合成α
−1.2テトラマンノシドにより治療されないまたはされた動物と比較して、便
内に見いだされる酵母数の大幅な減少およびそれに依存する容量の減少を可能に
した。これらの結果は、C.albicansにより、その自然宿主の細胞およ
び内因性レクチンに特異的に存在するβ−1,2オリゴマンノシドの生体病理学
的重要性について得られていた情報を強化するものである。これはまた、C.a
lbicansの天然生成物の類似性に基づき、危険率の高い患者の消化管を除
染することを目指した予防措置の発展を予見させるものである。
【0270】 I−材料および方法 1)C.albicans株 血清型AのC.albicansの7株が用いられた。これらに対しては先の
実験で、ラットおよびハツカネズミの系統的カンジダ症モデルにおいて病原性の
違いを明らかにすることができた(Schmidt,1996 #2553)。
これは非毒性3株がATCC44831、ATCC18804、ATCC102
31、毒性3株が44505、ATCC62342、ATCC10261、およ
び中間毒性株のATCC32354である。
【0271】 2)モノクロール抗体抗β−1,2オリゴマンノシドにより免疫活性化された
ラテックス粒子による凝集 二つのモノクロール抗体がラテックス粒子を免疫活性化させるために使われた
。A Cassone教授から提供されたモノクロール抗体AF1[Casso
ne,1988 #3333]、およびM.Borg−von−Zepelin
博士から提供されたモノクロール抗体DF9−3[Borg−von−Zepe
lin,1993 #283]である。これらのモノクロール抗体はβ−1,2
オリゴマンノシドエピトープに特異的である。これらは、一方で、新糖脂質に転
換され、マイクロタイトレーションプレートを免疫活性化するために使用される
、マンナンから派生するβ−1,2オリゴマンノシドエピトープと、他方で、こ
のエピトープ型しか発現しないC.albicansのPLMと特異的に反応す
る[Trinel,1992 #3603 ;Trinel,1993 #32
92;Trinel,1999 #3692]。
【0272】 上記の方法により免疫活性化されたラテックス粒子はbichro−late
x(登録商標)タイプである。これらは着色され、読取りしやすくする追加の着色
がされた、酵母の自然凝集を阻止する溶液を含む緩衝液の中に懸濁される。[Q
uindos,1997 #3321]。テストの実施の際、sabourau
d培地で24℃で48時間培養した後に得られた1mL当たり106酵母浮遊液
(マクファーランド度数)15μLがBichro−latex15μL存在下
に置かれ、撹拌機Klineにより撹拌される。凝集スコアは、度数0.5〜2
、および累積度数に従って、撹拌1分後、2分後、3分後に肉眼により評価を行
った。この方法により、優れた繁殖性が証明された。凝集はSchmidtによ
り提供された株に対して任意の数で無差別に行った。結果は後に示す。
【0273】 3)動物 母ネズミおよびそれらの胎児(一腹当たり子ネズミ10〜15匹)が生後4日
目に届けられた(CDl(登録商標)系統(Crl:CD−1(登録商標)(ICR
)BR,Charles River,Saint Aubin les El
beuf,フランス)。動物への接種は生後6日目に行われた。強制投与の前の
3時間の母ネズミからの分離、接種後1時間の待機を常に観察した。
【0274】 4)株 C.albicansの二つの株が使用された。株4276はその表面でβ−
1,2オリゴマンノシドエピトープをほとんど発現せず、株4277は大量に発
現する。それぞれの使用前に、各株は、PBS−グリセロール40%内で−80
℃で貯蔵されていた培地から、Sabouraud−クロラムフェニコール(S
C)寒天上に移植された。35℃で24時間インキュベートした後、殺菌生理水
(NaCl0.9%、水φ)により3回洗浄し、浮遊液を2×109/mlに調
節した。接種体の生存率を、ペトリ箱における寒天SC上酵母浮遊液を適切に希
釈したものを播種して、実験毎に確認を行った。
【0275】 5)合成糖類による処理 いくつかの実験に対して、合成糖類(β1−2オリゴマンノシド(βMan)
およびα1−2オリゴマンノシド(αMan)を、接種1時間前に強制投与した
。糖類は50μL中で所望の濃度が得られるように、殺菌水中に希釈されている
(結果を参照)。二つの実験が別々に行われた。第1の実験では、株4277に
より感染させた4腹の子ネズミを、水(第1腹)、βMan50μg(第2腹)
、βMan150μg(第3腹)、またはαMan150μg(第4腹)をそれ
ぞれ投与した後、比較を行った。第2の実験では、4腹を、水(第1および3腹
)またはβMan50μg(第2および4腹)で処理した後、株4276(第1
および2腹)、あるいは4277(第3および4腹)で感染させた。
【0276】 6)感染の監視 −死亡率:檻を1日一回監視して、子ネズミの数を記録する。
【0277】 −消化器系コロニー形成:接種後から連続して、各子ネズミからフンを採取し
て、殺菌水100μl中で1.5mlのエッペンドルフチューブに合わせた小型
ピストンを使って粉砕し、全量をペトリ箱の寒天SC上に播種した。30℃で2
4時間インキュベートした後、コロニーを形成する単位の数を数えた。UFCの
密度が計数を妨げた場合は、統計的比較が可能なように、培地の外観に従って、
2または1000UFC、3または10,000UFC、4または100,00
0UFCのようにスコア(点数)が割り与えられた。
【0278】 7)統計的分析 感染株によるおよび接種前の処理による消化器系コロニー形成を、マッキント
ッシュ用Statview4.5ソフトを用いて、非パラメータテスト(グルー
プ数による、Mann−Whitney ou Kruskall−Walli
sテスト)により比較した。1日目の陽性培地または死亡率のパーセンテージを
、Fisher exactテストで比較した。
【0279】 II−結果 1)C.albicansの血清型A株の毒性によるβ−1,2オリゴマンノ
シドの面発現。
【0280】 モノクロール抗体抗−β−1,2オリゴマンノシドにより免疫活性化されたb
ichro−latex粒子による、血清型Aの7株に対して観察した凝集スコ
アは、系統的カンジダ症の実験モデルで観察されたそれらの毒性に応じて、表1
に示している。毒性のない株はすべて、毒性のある、または中間毒性のある株に
比べて凝集スコアが低かった。
【0281】 下記の表1は、C.albicans株の毒性に応じて、抗体DF9−3およ
びAF1により免疫活性化させたbichro−latex粒子を使うことで、
凝集スコアを示している。
【0282】
【表1】
【0283】 2)非毒性株よりも多くのβ−1,2オリゴマンノシドを発現する毒性株のハ
ツカネズミへの接種により観察された死亡率および消化器系コロニー形成の差違
【0284】 a)死亡率 それぞれ独立した3つの実験で得られたデータを重ね合わせることで、株10
261の接種後の早期死亡率(1日目)は、株10231の接種後に観察された
死亡率よりも高いことが分かった(3/63対1/62、p=0.059 Fi
sher exactテスト)。
【0285】 b)消化器系コロニー形成 存在するUFC数は、子ネズミが株2476を接種された場合よりも、株42
77が接種された場合の方が有意に高く、これは監視を行ったいずれの時間でも
同様であった(表1)。さらにコロニー形成は、有意に、より長期に持続した(
感染後33日目にまだ感染フンであるのが、株10231を接種された子ネズミ
が僅か5/11に対して、株10261で感染させた子ネズミは11/11であ
った。p=0.006 Fisher exactテスト)。
【0286】 3)消化器系コロニー形成に対するアノマーaまたはb−1、2合成テトラマ
ンノシドの予防効果。
【0287】 病原性株4277の接種に先だって合成テトラマンノシドを投与することで、
使用する糖類の連結アノマーに従って異なる結果が得られた。結果は表2および
図11に示した。
【0288】 下記の表2は感染性の株の変化に応じた消化器管の動態を表したものである。
【0289】
【表2】
【0290】 株10261の接種前のαManの投与では消化器系コロニー形成の度合いを
変化させることはなかった(UFCの中央値=258対196)が、βManの
投与では、有意に、かつ用量が多ければ多いほどより大きくこれを現象させた(
50μgでは比較標本に対し、UFCの中央値=48.5、p<0.02、15
0μgでは比較標本に対し5、p<0.0001)(図1)。
【0291】 III−討議 消化器系コロニー形成は、入院患者のカンジダ症系統的疾患が非常に制御しに
くい原因と考えられている。ヒトのC.albicansによる自然コロニー形
成の生物学的および医学的重要性にもかかわらず、その詳しい分子メカニズムは
未知のままである。Galectine−3がβ−1,2オリゴマンノシドに対
して特異的レセプターの役割をするヒトの内因性レクチンであるという最近の思
いがけない発見は、この分野での新しい展望を開くものである。galecti
ne−3は大半が腸細胞上で発現するレクチンだからである。平行してβ−1,
2オリゴマンノシドはカンジダ症病原性にかかわる分子としてますます出現して
きているが、株の病原性と関係するそれらの表現型発現分析に関する研究はまっ
たく行われていない。この研究において、系統的カンジダ症モデルにおけるC.
albicans株の間で観察された毒性の差違は、β−1,2オリゴマンノシ
ドの表面発現レベルに関係することが今回証明された。第二段階で、新生子ネズ
ミに、経口で、異なる毒性およびオリゴマンノシド発現レベルの二つの株に由来
する酵母を同量接種した。β−1,2オリゴマンノシドをより多く発現する毒性
株は、子ネズミのより高い死亡率ならびにより密度の高いかつより持続的なコロ
ニー形成をもたらした。これらの結果から、酵母株の細胞表面に存在するβ−1
,2オリゴマンノシドの毒性および/または量は子ネズミを死亡に至らせる、ま
たより強度にかつより長期にコロニー形成させるそれらの能力に関係すると考え
られる。腸内コロニー形成におけるβ−1,2オリゴマンノシドの役割の仮説を
検証すべく、予防としてこれらの残滓を、もっとも毒性の強い株を接種する前に
投与した。C.albicansの接種前に、子ネズミにβ−1,2オリゴマン
ノシドを強制投与すると、投与用量に依存するコロニー形成が減少した。β−1
,2オリゴマンノシドを150μg投与してほとんど全面的な減少が観察された
のに対して、α−1.2テトラマンノシドが同じ条件で投与された場合には観察
されなかった。これらの結果は、入院中に系統的カンジダ症を進行させる恐れの
ある患者の消化管でのコロニー形成を阻止することを目指す措置を実現可能にす
るものである。これは、集中的化学治療、骨髄移植、人工臓器手段を受ける患者
、または経腸投与を受ける可能性のある医学的蘇生患者に関するものである。現
在まで、消化器官の脱コロニー形成を目標とする予防方法が幾度も試みられてき
た。消化器官のバリアを通らない、アンホテリシンBの経口投与では実際の確か
な結果は得られていない。最近、抗C.albicans免疫グロブリンの投与
もまた提案されたが、既知のエピトープの性質もこの方法の本当の効果もまだ未
知である。S.boulardii(S.cerevisiae)の投与は、腸
内生態的地位におけるC.albicansと競合する可能性のあるプロバイト
ティックの使用に対して長年知られてきた方法に一致するものである。その有効
性に関するデータには矛盾があり、S.boulardiiにより測定される敗
血症の幾例かは−しかし治療を受けた患者の数に対してまれであるが−この予防
のあり方が再び問われる恐れがある。β−1,2オリゴマンノシドのような接着
における役割をもつ酵母分子を使用することは、プロバイトティック療法の範囲
に入るものである。これらのβ−1,2オリゴマンノシドは、自らの表面に自然
にβ−1,2オリゴマンノシドを発現させる酵母と共に本来腸の中に存在し、し
たがって通常有機体により容認される分子である。現在までのところ、これらの
残滓の生物学的役割に対する研究は、生物学材料の調製すなわち汚染する可能性
のあるあらゆる危険を伴って、長期にわたる手順を行って酵母から生物化学的に
調製した材料を使用することで行われてきた。この研究の独創性の一つは、C.
albicans株の構造に完全に類似した構造の合成糖類を使用することにあ
る。この合成に用いられる手順により大量獲得が容易にできる。多くの問題合成
のβ−1,2オリゴマンノシドによる、C.albicansのコロニー形成阻
止の本質的なメカニズム、ならびに化学的構成の用量の最適化に関するものであ
る。それでもこの研究が、生物学の面において、C.albicansにより自
然宿主の細胞および内因性レクチンに特異的に存在するβ−1,2オリゴマンノ
シドの生体病理学重要性について得られている情報を強化するものであることに
変わりはない。同時に、C.albicansの天然生成物の類似を基にした革
新的なものであり、危険な状態にある患者の消化器系コロニー形成の除染を目指
した予防措置の発展を予見させるものである。この戦略は、すでに実施されてい
る他の方法を補って、感染力が、患者のホメオスタシスに影響を与える内外科技
術の進展と共に増大している日和見性因子の、入院患者の消化器官内での自然の
存在に関連した大きな感染問題の解決に貢献することができるであろう。
【0292】 (実施例9)膣カンジダ症に対する合成β−1,2オリゴマンノシドの治療
効果 膣カンジダ症は、害を及ぼさない限りは酵母である、C.albicansに
より主に引き起こされる日和見感染症である。その本来の生息地はヒトの消化器
官(およそヒトの50%)および女性の10%の膣である。酵母は病気の症状を
まったく示さずに膣の中で増殖する。しかしこれらの存在は女性の生理的状態に
関係がある。たとえば、妊娠中には、膣がC.albicansによりコロニー
形成される女性のパーセンテージは30%にまで増大する。 これらの関連以外に、C.albicans表面における単純な繁殖が膣の中心
に広がり、かゆみ、痛み、白帯下を伴う非常に厄介な感染を引き起こすことがあ
る。それらが突発する原因は明らかではない。メカニズムは複雑であり、感染の
症状は防衛反応により増幅されることがかなり確実である。
【0293】 現在、女性の75%がその生涯のうち少なくとも一度は膣カンジダ症の症状に
苦しんでいるとされている。そのうち20%以上には理論的に非常に有効とされ
る抗真菌薬にもかかわらず、治療の難しい再発が起こっている。これらの再発は
、女性人口の予想外に多くの割合に肉体的、精神的影響を与えている。これは本
来の意味では性的に伝染しうる病気ではないが、数百万の女性および夫婦の生活
に影響を与えているものである。
【0294】 本発明人は、酵母の、腐性、無害および病原性の各形態間の変化の際に機能す
るメカニズムを研究した。病因論にかかわるC.albicansの主な生物学
的特性は、宿主の細胞に接着して、組織内に侵入し、防衛反応をかわすことがで
きることである。
【0295】 C.albicansの変化をその病原性との関連において分析をすることで
、本発明人は、C.albicansが細胞に接着する仲立ちをし、免疫反応を
調製することのできる分子を突き止めることができた。これらの分子は、ある種
のカンジダ種、より詳細にはC.albicansに特別な糖:β−1,2オリ
ゴマンノシドを発現すると言う共通点がある。
【0296】 C.albicansから精製されたこれらの糖類を使った複数の研究で、こ
れらがヒトの細胞に固定されること、特別なレセプターにより行われるこの固定
がターゲットとなる細胞の反応を引き起こすことが証明された。
【0297】 一方でカンジダ症の病原性におけるβ−1,2オリゴマンノシドの重要性、他
方で酵母からこれらを大量に得ることの困難さが、本発明による化学的合成によ
り得られる相同を調製し使用することに至らせることになった。
【0298】 調査作業により、膣分泌物内のβ−1,2オリゴマンノシドの存在はC.al
bicansの病原性挙動の優れた標識であることを証明することができた。
【0299】 したがって、β−1,2オリゴマンノシドを識別する抗体抗マンナンおよびA
F1と呼ばれるモノクロール抗体は雌ラットを膣カンジダ症から守ることが証明
された。
【0300】 これらの結果から、Candia albicansによるβ−1,2オリゴ
マンノシドの産出は、カンジダ症の病原性プロセスにおいて重要な要素であると
考えることができる。したがって、合成β−1,2オリゴマンノシドを(酵素と
して)投与することで、C.albicansが相互作用を行う膣細胞の配位子
を飽和にすることができ、このようにして、特異的相互作用部位から酵母を除く
ことができると考えられた。
【0301】 国際社会で認められており、もっとも的確な動物実験が今日まで行われてきて
いる膣カンジダ症モデルが用いられた。
【0302】 二つの一連の試験で得られた結果は完全に一致した。接種後1時間、24時間
、48時間の合成β−1,2オリゴマンノシドの投与によるコロニー形成/感染
阻止と用量の関係が証明された。最大用量であっても、比較標本として同じ方法
で投与されたα−1,2オリゴマンノシドは、下記の表3にあるように何の効果
も示さなかった。したがって、β−1,2オリゴマンノシドを投与された動物は
、投与の第1日目から半分近くまでコロニー形成が減少し、実験の終了時にはC
.albicansはもはや保菌するものはなかった。
【0303】
【表3】
【0304】 したがって、たとえば、女性の卵細胞に含まれる天然物に完全に類似した無害
の糖類により、C.albicansによる感染を阻止することが可能と思われ
る。
【0305】 (産業上の利用可能性) これらの結果は、たとえば従来の抗真菌薬治療を補うものとして、医学的にか
つ経済的に重要な影響及ぼすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】式(I)のD‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐M
anβ(1‐2)D‐Manの調製の反応概要を示す。
【図2】式(II)のD‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐
Manα(1‐2)D‐Manの調製の反応概要を示す。
【図3】式(III)のD‐Manα(1‐3)D‐Manα(1‐2)D
‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)の調製の反応概要を示す。
【図4】ジマンノシドManα(1‐2)Manの調製の反応概要を示す。
【図5】および
【図6】は、アノマーα及びβ‐1,2の合成マンノテトラ
オースに関して、β‐1,2オリゴマンノシドに特異的な第5因子及びα‐1,
2オリゴマンノシドと反応する第1因子についてそれぞれD‐Manα(1‐2
)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)及び
D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐M
anで実施した試験を報告するものである。
【図7】D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1
‐2)D‐Manのいくつかのモノクローナル抗体との反応性を示す。
【図8】合成マンノテトラオースD‐Manα(1‐3)D‐Manα(1
‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Manの抗原性因子34に対する抗原反応性
を示す。
【図9】クローン病を発症した患者の血清プールの合成マンノテトラオース
に対する血清反応性を示す。
【図10】雌性ラットの実験的膣カンジダ症モデルにおける、本発明のテト
ラマンノシドによるコロニー形成の阻害を報告している。
【図11】合成糖の事前投与に応じた菌株10261による消化管コロニー
形成の比較を示す。水(コントロール)、50μg(50β)又は150μg(
150β)のβMan、若しくは150μgのαMan(150α)を摂取した
マウスについて、CFU/フンの測定により接種後7日目に消化管コロニー形成
を評価した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 レイナルド シェバリエ カナダ国 トロント エム5アール 3ピ ー6 95 プリンス アーサー アベニュ ー アパートメント 819 (72)発明者 ジャン−フレデリック コロンベル フランス国 エフ−59110 ラ マドレー ヌ リュー フェデルブ 52 (72)発明者 ジャン−モーリス マレー フランス国 エフ−94270 ル クレムリ ン−ビセール リュー ダントン 44 (72)発明者 ブアレム センディ フランス国 エフ−59120 ルース リュ ー ジャン−ジャック ルソー 91 (72)発明者 ティエリー ジュオー フランス国 エフ−59650 ビルヌーブ ダスク アレ デ コクリコ 19 (72)発明者 ダニエル プラン フランス国 エフ−59242 タンプルーブ 4 カリエール サン−ジョゼフ (72)発明者 ピエール−アンドレ トリネル フランス国 エフ−59650 ビルヌーブ ダスク リュー ジュル ゲスド 291 Fターム(参考) 4C057 AA03 BB04 4C085 AA14 CC33 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA01 MA01 NA14 ZA81 ZB35 ZC54

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学合成によって調製されるオリゴマンノシドであって、感染
    性若しくは病原性生物またはその変異体の外膜のオリゴマンノシドに相同である
    ことを特徴とするオリゴマンノシド。
  2. 【請求項2】その細胞エンベロープがオリゴマンノシドを含む酵母、真菌、
    ウイルス、細菌の外膜のオリゴマンノシドに相同であることを特徴とする、請求
    項1に記載の合成オリゴマンノシド。
  3. 【請求項3】カンジダアルビカンス(Candida albicans)又はサッカロマイ
    セスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の細胞エンベロープのオリゴマン
    ノシドに相同であることを特徴とする、請求項1または2に記載の合成オリゴマ
    ンノシド。
  4. 【請求項4】官能基の1つがマーカー基又はコネクター基で置換されている
    ことを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の合成オリゴマンノシド。
  5. 【請求項5】次式: [Manα(1‐3)]p[Manα(1‐2)]q[Manβ(1‐2)]
    r(αまたはβ)‐Man‐OR [式中、 Rは、水素原子、C1〜C20、好ましくはC15〜C20アルキル、又は場合によ
    って標識されたコネクター基、又はオリゴマンノシドを免疫原性にすることがで
    きる物質を表わし、 p、q及びrは0〜19まで、好ましくは0〜11までの整数であって、p+
    q+rの合計が1〜19まで、好ましくは1〜11までであり、 ポリマー[Manα(1‐3)]p[Manα(1‐2)]q[Manβ(1
    ‐2)]rの3つの部分は逆位にする又は反復することができる] に対応することを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の合成オリゴマン
    ノシド。
  6. 【請求項6】次式(I): 【化1】 [式中、Rは、水素原子、C1〜C20、好ましくはC15〜C20アルキル、又は
    場合によって標識されたコネクター基、又はオリゴマンノシドを免疫原性にする
    ことができる物質、又はヒドロキシル基の1個又はそれ以上が置換されているそ
    の誘導体を表わす] に対応することを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の合成オリゴマン
    ノシド。
  7. 【請求項7】次式(II): 【化2】 [式中、Rは式(I)と同じ意味を表わす] に対応することを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の合成オリゴマン
    ノシド。
  8. 【請求項8】次式(III): 【化3】 [式中、Rは式(I)と同じ意味を表わす] に対応することを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の合成オリゴマン
    ノシド。
  9. 【請求項9】コネクターが、好ましくは共有結合によって、合成オリゴマン
    ノシドをマイクロタイトレーションプレートのような保持体に結合することがで
    きる化学基であることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の合成オリゴ
    マンノシド。
  10. 【請求項10】コネクターが、それ自体が活性化された表面上で結合のため
    に活性化することができるカルボン酸官能基を備えるタイプであることを特徴と
    する請求項9に記載の合成オリゴマンノシド。
  11. 【請求項11】保護された単糖類又は二糖類を、好ましくはジブロック(di
    bloc)による戦略に従って保護されたジマンノシドの縮合によって、縮合するこ
    とから成ることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の合成オリゴマン
    ノシドの調製方法。
  12. 【請求項12】a)-2個のブロックのうちの少なくとも1個が、出発官能
    基によって活性化される他のジブロックとの縮合に必要なものを除いて、各々の
    単糖類の遊離ヒドロキシル官能基が同じか又は異なる1個又はそれ以上の保護基
    によって置換されている中間ブロックであり、 -2個のブロックのうちの少なくとも1個が、他のジブロックとの縮合に必要
    なもの及び場合によって保持体へのオリゴマンノシドの固定のための結合基で置
    換されているものを除いて、各々の単糖類の遊離ヒドロキシル官能基が同じか又
    は異なる1個又はそれ以上の保護基によって置換されている末端ブロックである
    ジブロックの調製、 b)上記ジブロックを縮合し、次いでそのようにして調製したオリゴマンノシ
    ドを脱保護することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】ステップ(a)で、次式(IV): 【化4】 [式中、 ‐Rは永久保護基であり、 ‐R1は一時保護基であり、 ‐R2は: ・中間ブロックの場合には出発基であり、この場合ブロックはα又はβとして
    ポリマーの残りの部分に結合していてもよく、 ・末端ブロックの場合には、α又はβとして、アルキル基、ベンジル基、又は
    コネクター基から選択される基である] の少なくとも1個のジマンノシドManα(1‐2)Manを調製することを
    特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】ステップ(a)で、次式(V): 【化5】 [式中、 ‐R1は一時保護基であり、 ‐R2は: ・中間ブロックの場合には出発基であり、この場合ブロックはα又はβとして
    ポリマーの残りの部分に結合していてもよく、 末端ブロックの場合には、α又はβとして、アルキル基、ベンジル基、又はコ
    ネクター基から選択される基である] の少なくとも1個のジマンノシドManβ(1‐2)Manを調製することを
    特徴とする請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】ステップ(a)で、次式(VI): 【化6】 [式中、 ‐Rは永久保護基であり、 ‐R1は一時保護基であり、 ‐R2は: ・中間ブロックの場合には出発基であり、この場合ブロックはαとしてポリマ
    ーの残りの部分に結合していてもよく、 ・末端ブロックの場合には、α又はβとして、アルキル基、ベンジル基、又は
    コネクター基から選択される基である] の少なくとも1個のジマンノシドManα(1‐3)Manを調製することを
    特徴とする請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】式(V)の2個のブロックManβ(1‐2)を縮合し、そ
    のうちの1個が、R2が出発基であり、β結合を形成する中間ジブロックであっ
    て、他の1個が、R2が‐SPh基である末端ジブロックであることを特徴とす
    る、式(I)のテトラマンノシドD‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2
    )D‐Manβ(1‐2)D‐Manの調製方法。
  17. 【請求項17】式(IV)の2個のブロックManα(1‐2)Manを縮
    合し、そのうちの1個が、R2が出発基である中間ジブロックであり、他の1個
    が、R2が‐SPh基である末端ジブロックであることを特徴とする、請求項1
    3に記載の式(II)のテトラマンノシドD‐Manα(1‐2)D‐Manα
    (1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Manの調製方法。
  18. 【請求項18】式(VI)の1個のジブロックManα(1‐3)Manと
    式(IV)の1個のジブロックManα(1‐2)Manを縮合し、中間ジブロ
    ックが、R2が出発基である式(VI)のManα(1‐3)Manであり、末
    端ジブロックが、R2が式(III)で定義されるR基を表わすManα(1‐
    2)Manであることを特徴とする、式(III)のテトラマンノシドD‐Ma
    nα(1‐3)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(
    1‐2)の調製方法。
  19. 【請求項19】感染性又は病原性生物、特にその膜がオリゴマンノシドを含
    む酵母、真菌、ウイルス、細菌による感染の存在を患者のサンプルに関してイン
    ビトロで検出する方法であって、好都合にはあらかじめ保持体上に固定した、請
    求項1〜10のいずれかに記載の少なくとも1個の合成オリゴマンノシドを、感
    染性又は病原性生物に対する抗体を含む可能性がある生物学的サンプルと接触さ
    せ、その後抗原‐抗体複合体の形成を検出することを特徴とする検出方法。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の、特にカンジダ症の診断のための、C.
    albicansによる感染の特異的検出方法であって、式(I)のテトラマン
    ノシドD‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)D‐Manβ(1‐2)
    D‐Man及び式(II)のテトラマンノシドD‐Manα(1‐2)D‐Ma
    nα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Manの少なくとも1個を生物学的
    サンプルと接触させることを特徴とする検出方法。
  21. 【請求項21】請求項19に記載の、感染性及び/又は炎症性疾患の診断又
    は予測のための抗オリゴマンノシド抗体の検出方法であって、請求項1〜10の
    いずれかに記載の合成オリゴマンノシドの少なくとも1個を生物学的サンプルと
    接触させることを特徴とする検出方法。
  22. 【請求項22】クローン病又はウイルス性肝炎の診断のための抗S.cer
    evisiae抗体の検出方法であって、請求項1〜10のいずれかに記載の合
    成オリゴマンノシドの少なくとも1個を生物学的サンプルと接触させることを特
    徴とする検出方法。
  23. 【請求項23】合成オリゴマンノシドが式(III)のテトラマンノシドD
    ‐Manα(1‐3)D‐Manα(1‐2)D‐Manα(1‐2)D‐Ma
    nα(1‐2)であることを特徴とする、請求項19〜22のいずれかに記載の
    方法。
  24. 【請求項24】好都合には保持体上に固定された、請求項1〜10のいずれ
    かに記載の少なくとも1個の合成オリゴマンノシド、抗原‐抗体複合体の形成を
    検出するための手段、及び場合によって対照試薬を備えることを特徴とする、請
    求項19〜23のいずれかに記載の方法を実施するためのキット。
  25. 【請求項25】糖類を免疫原性にすることができる物質に結合した請求項1
    〜10のいずれかに記載の合成オリゴマンノシドから形成されるコンジュゲート
    (conjugate)。
  26. 【請求項26】請求項25に記載のコンジュゲートに対するポリクローナル
    又はモノクローナル抗体。
  27. 【請求項27】好都合には組成物において製薬上許容される賦形剤と組み合
    わせた、請求項1〜10のいずれかに記載の少なくとも1個の合成オリゴマンノ
    シド又は請求項25に記載のコンジュゲートを有効成分として備えることを特徴
    とする製薬組成物。
  28. 【請求項28】その膜がオリゴマンノシドを含む感染性又は病原性因子によ
    るコロニー形成を抑制するために使用される、請求項27に記載の組成物。
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