JP2003526482A - 経皮的医療デバイス用のドレッシングおよびその使用方法 - Google Patents

経皮的医療デバイス用のドレッシングおよびその使用方法

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JP2003526482A JP2001566740A JP2001566740A JP2003526482A JP 2003526482 A JP2003526482 A JP 2003526482A JP 2001566740 A JP2001566740 A JP 2001566740A JP 2001566740 A JP2001566740 A JP 2001566740A JP 2003526482 A JP2003526482 A JP 2003526482A
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ファ・キン・イン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、患者の皮膚を穿孔するとともに皮膚から一部が突出した状態とされる例えば経皮カテーテルといったような経皮的医療デバイスと一緒に使用するための経皮デバイス用ドレッシングおよび方法に関するものである。ドレッシングは、フレキシブル材料から形成されているとともに上面と底面とを有している、上ドレッシングおよび下ドレッシングを具備している。下ドレッシングは、1つのエッジから内方側へと延在し下ドレッシング内の終点にまで延在して形成されたスリットを有している。下ドレッシングの上面および底面と、上ドレッシングの少なくとも底面と、には、接着剤を使用することなく抗菌性材料が付与されている。皮膚からの医療デバイスの突出部分に対して、上下から、抗菌性材料の抗菌活性を作用させ得るようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、経皮的医療デバイス用のドレッシングに関するものであり、また、
その製造方法や、感染を制御するに際しての使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
経皮的医療デバイスとは、皮膚を通して導入されるとともにある所定時間にわ
たって体内に滞在するような、カテーテルやピンやインプラント等である。経皮
的医療デバイスの例としては、中心静脈カテーテルや、末梢静脈カテーテルや、
肺用スワン−ガンツカテーテルや、中枢神経系インプラント(例えば、心室外部
ドレナージ、および、心室リザーバ)や、例えば連続携行式腹膜灌流や連続サイ
クル式腹膜灌流のための腹膜透析カテーテルや、血液透析カテーテルや、静脈経
由式ペースメーカーリードや、一時的整形外科的ピン、がある。これらすべての
経皮的医療デバイスは、所定位置に配置されたときには、体外に位置した部分を
有している。すなわち、皮膚から突出したままの状態とされる部分を有している
。このような突出部分は、感染の原因となり得る。
【0003】 経皮的感染によって感染を引き起こすというリスクは、非常に大きい。例えば
、カテーテルに関連した血流感染を引き起こすというリスクは、0.9〜8%に
及ぶ。院内での血流感染は、20%以上という死亡確率を引き起こしかねず、感
染時の病院コストは、数千ドルも増加することとなる。あるいは、入院が1週間
延びた場合、ICU内の患者1人あたりに、病院コストが、数万ドル増加するこ
ととなる。腹膜透析の場合、最も典型的な病院において、今日、15〜25患者
数×月あたりに1例の腹膜炎が発症している。このような感染における主要なバ
クテリア源は、周囲の皮膚である。
【0004】 経皮的医療デバイスに関連した感染を防止するために、例えばアルコールやヨ
ウ素といったような局所的抗菌性溶液を挿入部材に対して初期的に適用するとい
ったものも含めた、挿入部材の防腐処理が公知である。例えばネオマイシンやポ
リミキシンやバクトラシンを含む軟膏といったような、デバイスの挿入後に適用
される局所的な軟膏は、カテーテルによる集落形成/感染を防止することが示さ
れているけれども、真菌類による感染というリスクを増大させてしまう。軟膏は
、また、複数回にわたっての塗布が必要であって、不便でもある。また、カテー
テルに対して、抗菌性薬剤を含浸させたカフを取り付けるという試みもなされて
いる。抗菌性薬剤によってカテーテルをコーティングするという試みも、公知で
ある。しかしながら、いずれの試みも、診療現場において完全にはうまくいって
いない。現在のところ、病院内で使用されている最も一般的なカテーテル用ドレ
ッシングは、殺菌されたガーゼやポリウレタンフィルムを備えているものの、感
染制御特性には限界がある。
【0005】 感染部位を視覚的にチェックし得るよう、ガーゼを透明フィルムドレッシング
によって代替するという最近の試みが公知であり、例えば、Davis 氏に対して1
994年12月3日付けで付与された米国特許第5,372,589号明細書を
参照することができる。抗菌性薬剤を使用しない制御が、そのようなドレッシン
グに関して紹介されている。Johnson & Johnson Medical Inc.社は、BIOPATCHと
いう商標名の製品を市販している。この製品は、クロルヘキシジングルコネート
を含浸させたカテーテル用パッチである。また、ヨードフォア付きの透明ドレッ
シングも、提案されている。しかしながら、今日までにおいて、経皮的医療デバ
イスと一緒に使用するための、完全に有効な抗菌性デバイスは、知られていない
【0006】 Buttaravoli 氏に対して1975年11月11日付けで付与された米国特許第
3,918,446号明細書には、生体に対して経管デバイスを固定するための
固定デバイスが開示されている。この固定デバイスは、経管デバイスを挟み付け
つつ固定するための上パッドと下パッドとを備えている。この固定デバイスの機
能が、経管デバイスを生体に対して固定することであることにより、下パッドの
底面や上パッドの底面に接着材料を適用することが、開示されている。抗菌剤を
含有した接着剤を適用することに言及がなされている。この固定デバイスは、抗
菌剤を有した接着剤を使用していることのために、抗菌剤の有効性や長期継続性
の限界があって、不利である。さらに、接着剤は、皮膚に対して刺激性であり、
剥がし時には皮膚に損傷を与えるとともに不快感をもたらし、さらに、固定デバ
イスの取外しや交換を阻害する。さらに、多くの接着剤は、湿気に対するバリア
として機能し、抗菌剤の有効性を制限してしまう。最後に、この特許文献におけ
る固定デバイスは、ドレッシングをなす下パッドにおいて、経管ニードルやカテ
ーテルが配置されたときにこれら経管デバイスの直下に位置し経管デバイスが皮
膚と接触状態でいることを可能とするための、スリットを有している。このため
、固定デバイスの感染制御性が制限されてしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
広範な見地において、本発明は、患者の皮膚を穿孔するとともに皮膚から一部
が突出した状態とされる経皮的医療デバイスと一緒に使用するための経皮デバイ
ス用ドレッシングであって、フレキシブル材料から形成されているとともに上面
と底面とを有している、上ドレッシングおよび下ドレッシングを具備してなり、
底面が、ドレッシングの使用時に皮膚を向く面とされ、下ドレッシングが、1つ
のエッジから内方側へと延在し下ドレッシング内の終点にまで延在して形成され
たスリットを有し、下ドレッシングの上面および底面と、上ドレッシングの少な
くとも底面と、には、接着剤を使用することなく抗菌性材料が付与されており、
使用時には、下ドレッシングが、皮膚に隣接して配置され、スリットは、下ドレ
ッシングの底面が皮膚に接触した状態で、かつ、下ドレッシングの上面が皮膚か
らの医療デバイスの突出部分に接触した状態で、下ドレッシングが穿孔部位の周
囲に位置することを可能とし、さらに、使用時には、上ドレッシングは、上ドレ
ッシングの底面が皮膚からの医療デバイスの突出部分に接触した状態で、穿孔部
位の上方に位置し、これにより、皮膚からの医療デバイスの突出部分に対して、
上下から、抗菌性材料の抗菌活性を作用させ得るようになっているような、ドレ
ッシングを提供する。
【0008】 他の広範な見地においては、本発明は、患者の皮膚からの経皮的医療デバイス
の突出部分からのおよび周囲皮膚からの微生物による感染を抑制し得るよう、経
皮的医療デバイスによる穿孔部位を覆うための方法であって、フレキシブル材料
から形成されているとともに上面と底面とを有している、上ドレッシングおよび
下ドレッシングを具備してなり、底面が、ドレッシングの使用時に皮膚を向く面
とされ、下ドレッシングが、1つのエッジから内方側へと延在し下ドレッシング
内の終点にまで延在して形成されたスリットを有し、下ドレッシングの上面およ
び底面と、上ドレッシングの少なくとも底面と、には、接着剤を使用することな
く抗菌性材料が付与されているような、経皮デバイス用ドレッシングを準備し;
下ドレッシングが終点において穿孔部位の周囲に配置されることを可能とするス
リットを使用して、下ドレッシングをスライドさせて皮膚に対して隣接配置し、
この場合、下ドレッシングの底面が穿孔部位の周囲の皮膚に対して接触している
とともに、下ドレッシングの上面が皮膚からの医療デバイスの突出部分に対して
接触しているようにし;上ドレッシングの底面が皮膚からの医療デバイスの突出
部分に接触しているようにして、下ドレッシングの上方に上ドレッシングを配置
し;抗菌性材料に応じて、アルコールまたは水性ベースの電解質をドレッシング
に対して供給し、これにより、抗菌性材料を放出させ;皮膚に対して上ドレッシ
ングおよび下ドレッシングを固定する;という方法を提供する。
【0009】 本発明による経皮デバイス用ドレッシングは、配置が容易であるという利点を
有しており、さらに、経皮デバイスの下にフラットな態様で配置されるディスク
タイプのドレッシングよりも、ずっと有効であることが実証された。ディスクタ
イプのドレッシングの場合には、皮膚からの医療デバイスの突出部分に対して、
典型的にはドレッシングの厚さ(3mm未満)といったような限られた部分でし
か接触することができない。
【0010】 好ましくは、本発明によるドレッシングは、上ドレッシングと下ドレッシング
とが、単一のドレッシング材料から形成されているとともに、使用時には折り重
ねられる。スリットは、好ましくは、下ドレッシングのエッジから、折畳みライ
ンに対して平行に形成される。ドレッシングは、好ましくは、複数の層をなす互
いにラミネートされた複数のドレッシング材料から形成される。抗菌性材料は、
好ましくは、抗菌性金属からなる薄膜とされ、最も好ましくは、有効な抗菌効果
をもたらし得るよう、また、R.E.Burrell および R.J.Precht という発明者名で
1998年9月24日付けで発行された国際特許出願公開明細書第98/410
95号に記載されているように、インジケーターとしての干渉色を形成し得るよ
う、原子的不規則性を有して形成されている。
【0011】 本発明によるドレッシングは、例えば、スチールやアルミニウムやこれらの合
金のような金属や、ラテックスや、ナイロンや、シリコーンや、ポリエステルや
、ポリウレタンや、他のプラスチックやゴム、といったような様々な材料から形
成されたような、例えば上述したような様々な経皮的医療デバイスに対して応用
することができる。このようなデバイスは、通常、生体不活性材料または生体適
合性材料から形成されている。デバイスは、ロッド形状やチューブ形状も含めた
様々な形状とすることができ、中空とも中実ともすることができ、さらに、用途
に応じて、剛直ともフレキシブルともすることができる。
【0012】 本明細書および特許請求の範囲において使用されている下記の用語および語句
は、以下に記載の意味を有する。
【0013】 『金属』または『複数の金属』は、実質的に純粋な金属、あるいは、例えば酸
化物や窒化物やホウ化物や硫化物やハロゲン化物や水素化物といったような合金
または化合物、という形態にかかわらず、1つまたは複数の金属を意味している
【0014】 『抗菌性金属』は、そのイオンが抗菌性作用を有する金属である。好ましくは
、この金属も、また、生体適合性である。好ましい抗菌性金属には、Ag、Au
、Pt、Pd、Ir(すなわち貴金属)、Sn、Cu、Sb、Bi、および、Z
nがあり、Agが最も好ましい。
【0015】 『生体適合性』は、目的とする用途に対して無毒であることを意味している。
したがって、ヒトへの使用の場合には、生体適合性とは、ヒトまたはヒトの組織
に対する無毒であることを意味する。
【0016】 『抗菌効果』は、抗菌性金属からなる原子、イオン、分子、または、クラスタ
ー(以下、抗菌性金属からなる『種』と称す)が、材料の近傍においてバクテリ
ア(または他の微生物)の増殖を抑制し得るような十分な濃度で材料が接触する
アルコールまたは電解質中へと放出されることを意味する。抗菌効果を測定する
最も普通の方法は、材料をバクテリア培地上に配置した場合に生成される抑制ゾ
ーン(ZOI、zone of inhibition)を測定することである。ZOIが比較的小
さいか(例えば1mm以下)または無いことは、有効な抗菌性が無いことを示し
、一方、大きいZOI(例えば5mm以上)は、大いに有効な抗菌性を示す。Z
OI試験の1つの手順は、後述の実験例中に記載している。
【0017】 『持続する放出』または『持続性』は、時間または日で測定される期間にわた
って連続する抗菌性金属の原子、分子、イオンまたはクラスターの放出を規定す
るために使用される。これにより、このような金属種の放出を、抗菌効果を達成
するには小さすぎる速度および濃度で金属種を放出するようなバルク金属からの
金属種の放出と区別している。また、アルコールまたは電解質と接触した際に銀
イオンを連続的にではなく実質的に瞬間的に放出するような、例えば硝酸銀とい
ったような抗菌性金属の大いに可溶性の塩から金属種の放出と区別している。
【0018】 『原子的不規則性』は、例えば転位や格子間原子やアモルファス領域や結晶粒
界や副結晶粒界等といったような、正常な規則性を有した結晶状態に対しての点
欠陥や空位や線欠陥が高濃度であることを意味している。原子的不規則性は、ナ
ノメータースケールにおける、表面トポグラフィー(表面微細構造)の不規則性
や構造の不均一性をもたらす。
【0019】 『正常な規則性を有した結晶状態』は、鋳造や鍛造やメッキした金属製品とし
て形成された際のバルク金属材料や合金や化合物中において通常的に見られる結
晶性を意味している。このような材料は、例えば空位や結晶粒界や転位といった
ような原子的不規則性を、小さな濃度でしか含有していない。
【0020】 『拡散』は、原子的不規則性を生成したり保持したりするプロセス内における
拡散限定を記述するために使用した場合にはすなわち原子的不規則性を凍結する
状態を記述するために使用した場合に、形成されている材料の表面上またはマト
リックス中における原子および/または分子の拡散を意味する。
【0021】 『アルコールまたは水性ベースの電解質』は、本発明の抗菌性材料がその中で
活性化される(すなわち抗菌性金属の種を放出させる)ために接触するあらゆる
アルコールまたは水性ベースの電解質を含むことを意味する。この用語は、アル
コール、水、ゲル、流体、溶媒、体液(例えば血液や尿や唾液)も含めた組織含
有水、および、身体組織(例えば皮膚や筋肉や骨)も含めたものを意味している
【0022】 『色変化』は、単色光下での光の強度の変化、および、2つ以上の波長を含む
白色光からの色調の変化、を意味している。
【0023】 『干渉色』は、破壊的干渉により除去される光の波長に対する正しい関係を備
える距離により隔てられた2枚またはそれ以上の部分的に反射性の表面上に光が
入射すると発生する。
【0024】 『部分的に反射性』は、ベース層材料および上層材料を記述するために使用し
たときには、材料が入射光の一部を反射しつつも入射光の一部を透過する表面を
有することを意味する。反射は、入射光の光線が2種の媒体の間の屈折率の変化
により特性づけられる境界または界面に遭遇した場合に発生する。本発明による
抗菌性材料の上層においては、界面は、空気との界面である。ベース層において
は、界面は、上層との界面である。ベース層および上層の反射率は、干渉色を発
生するようにバランスさせている。
【0025】 『部分的に光透過性』は、上層材料をなす薄膜を記述するために使用したとき
には、薄膜が、入射可視光の少なくとも一部を薄膜を通して透過させ得ることを
意味する。
【0026】 『検出可能』は、色変化を記述するために使用したときには、例えば分光光度
計といったような装置によって変化を検出してるかあるいは人の眼によって変化
を検出しているかにかかわらず、反射光の支配的波長の、観測可能なシフトを意
味する。支配的波長とは、観測される色に対応した波長である。
【0027】
【発明の実施の形態】
[経皮的デバイス用ドレッシング] 本発明によるドレッシングは、例えば低温熱融着や縫付やあるいは最も好まし
くは超音波溶接といったような公知手段によって互いにラミネートされた、少な
くとも1層をなす、好ましくは、少なくとも2層または3層をなす、医療用ドレ
ッシング材料を備えている。本発明による3層構成ドレッシングは、図1におい
て全体的に符号(10)によって示されており、使用時に皮膚に対向することと
なる第1層(12)と、好ましくは吸収性コアを形成する第2層(14)と、第
3層(16)と、を備えているものとして図示されている。各層(12,14,
16)は、ドレッシング(10)を通しての各場所における超音波溶接(18)
によって互いにラミネートされているものとして図示されている。
【0028】 図2は、ドレッシング(10)が、上ドレッシング(20)と、3層(12,
14,16)から形成された下ドレッシング(22)と、を備えていることを示
している。図2においては、上ドレッシング(20)および下ドレッシング(2
2)は、折畳みライン(24)に沿って連接されていて、これにより、一体型ド
レッシング(10)が形成されている。しかしながら、本発明においては、上ド
レッシング(20)および下ドレッシング(22)は、互いに同じ医療用ドレッ
シング材料からまたは互いに異なる医療用ドレッシング材料から、互いに個別的
に形成することができる。上ドレッシング(20)と下ドレッシング(22)と
が互いに個別的なものとされる場合には、上ドレッシング(20)は、ドレッシ
ング(10)を所定に固定するとともに抗菌性材料の活性化のための湿気を保持
し得るよう、例えば接着フィルム(図示せず)といったような閉塞性のまたは半
閉塞性の層を有することができる。下ドレッシング(22)には、スリット(2
6)が形成されている。スリット(26)は、好ましくは、下ドレッシング(2
2)のうちの、折畳みライン(24)と平行とされたエッジから延在していると
ともに、好ましくは下ドレッシング(22)のほぼ中央ポイントとされた終点(
28)において終端している。
【0029】 ドレッシング(10)は、図3においては、患者の皮膚(30)に対して所定
に当接した状態で示されている。この場合、カテーテル(32)は、貫通部位(
34)において、皮膚(30)から突出している。ドレッシングは、例えば接着
テープやポリウレタンフィルムからなるものといったような閉塞性層または半閉
塞性層(36)を、皮膚に対して所定に当接させた状態で、保持されている。ド
レッシングは、貫通部位のごく近傍に位置した皮膚領域を除いて、カテーテル(
32)のうちの、皮膚(30)からの突出部分の大部分をカバーし得るようなサ
イズとされている。このことは、感染防止を補助する。それは、カテーテル(3
2)に沿ってのバクテリアの移動を防止できるからである。最小のドレッシング
サイズであっても、カテーテル(32)の突出部分の少なくとも5mmを被覆で
きることが好ましく、1〜5cmを被覆できることがさらに好ましい。
【0030】 経皮的医療デバイスのサイズに応じて、スリット(26)の終点(28)は、
医療デバイスをドレッシングに対して適応させ得るとともに終点近傍部分が皮膚
と医療デバイスの突出部分との双方に対して緊密接触していることをなおも維持
し得るよう、好ましくはクロスカット(あるいは、貫通切込ライン)や貫通孔(
図示せず)といったような付加的な切込部分を有することができる。
【0031】 図4〜図6は、カテーテル(32)回りにおけるドレッシング(10)の配置
手順を示している。この場合、下ドレッシング(22)の底面(36)(図2)
が患者の皮膚(図示せず)に対して接触し、かつ、下ドレッシング(22)の上
面(38)が皮膚からのカテーテル(32)の突出部分に対して接触するように
、下ドレッシング(22)が、カテーテル(32)の下方においてスライドさせ
ることによって設置される。下ドレッシング(22)上へと上ドレッシング(2
0)を折り畳んだときには、上ドレッシング(20)の底面(40)(図2)は
、皮膚からの、カテーテル(32)の突出部分に対して接触する。その後、上ド
レッシング(20)の上面(42)は、図3に示すように、閉塞性層または半閉
塞性層(36)によって被覆される。図4および図5に示すように、ドレッシン
グ(10)が一体型ドレッシングとして形成されている場合には、上ドレッシン
グ(20)の底面(40)と下ドレッシング(22)の上面(40)とは、図1
において層(16)として示しているような、1つの同一層である。
【0032】 下ドレッシング(22)の底面(38)および上面(40)と、上ドレッシン
グ(20)の少なくとも底面(42)とには、感染を制限するために、抗菌性材
料が付与されている。医療用ドレッシング材料に対して使用可能な抗菌性材料は
、当該技術分野においては周知である。抗菌性材料は、ドレッシング(10)を
なす1つまたは複数の層内に含浸させることができる。しかしながら、抗菌性材
料は、より好ましくは、上ドレッシング(20)および下ドレッシング(22)
がなす面のうちの、ドレッシングの配置後に皮膚に対向することとなるような面
またはカテーテルに対向することとなるような面上に、抗菌性金属からなる薄い
層として設けることができる。これに代えて、抗菌性材料は、当該技術分野にお
いては周知なように、抗生物質とすることも、また、抗菌性金属から形成された
組成物とすることも、できる。
【0033】 層(12,14,16)の好ましい組成および代替可能な組成について、また
、好ましい抗菌性金属コーティングについて、以下、詳細に説明する。
【0034】 [ドレッシング材料] ドレッシング(10)の第1層(12)は、穴開けされた好ましくは非接着性
材料から形成されている。穴を通して、一方向にまたは双方向に流体が透過した
り拡散したりできるようになっている。穴開き材料は、織布または不織布から形
成することができ、不織布は、例えばコットンといったような織物や、ガーゼや
、例えばポリエチレンやナイロンやポリプロピレンやポリエステルからなるよう
なポリマーネットまたはポリマーメッシュや、例えばポリウレタンやポリブタジ
エンエラストマーといったようなエラストマーや、例えば開放気泡型ポリウレタ
ン発泡体といったような発泡体、とされることが好ましい。ドレッシングとして
有効な穴開き非接着性材料の例としては、例えば米国デラウェア州 Middletown
所在の Applied Extrusion Technologies, Imc. 社によって押出プロセスおよび
エンボスプロセスおよび配向プロセスを経て製造された高密度ポリエチレン製不
織ベールである DELNET(登録商標)P530 といったような不織メッシュがある。
この同じ製品は、米国ニューヨーク州 Bronx 所在の Frass Survival Systems,
Inc.社による巻取ドレッシングロール(非接着性)製品の一部をなす Exu-Dry
CONFORMANT 2(登録商標)巻取ベールとしても、利用可能である。他の有効な不
織メッシュには、Carolina Formed Fabrics Corp. から市販されている CARELLE
(登録商標)または NYRON 90(登録商標)や、米国テキサス州 Richardson 所
在の Winfield Laboratories, Inc.社から市販されている N-TERFACE(登録商標
)、がある。織布メッシュは、例として、ガラスファイバやアセテートやコット
ンガーゼから形成することができる。親水性ポリウレタン発泡体の例としては、
米国ニューヨーク州ニューヨーク所在の W.R.Grace & Co.社から市販されている
HYPOL(登録商標)がある。
【0035】 ラミネートのための超音波溶接を容易とするために、第1層(12)および第
2層(14)の少なくとも一方は、超音波溶接に適したポリマー材料から形成さ
れていることが好ましい。すなわち、局所加熱によって溶融するとともにその後
の冷却時には層どうしを融着させるようなポリマー材料から形成されていること
が好ましい。
【0036】 吸収性の第2層(14)は、皮膚に近接して十分な量の湿気を保持し得るよう
な吸収性材料から形成されている。これにより、抗菌性金属コーティングを活性
化させることができる。すなわち、抗菌性金属からなるイオンや分子や原子やク
ラスターを放出させることができて、抗菌効果を発揮させることができる。好ま
しくは、吸収性材料は、例えばカナダ国オンタリオ州 Mississauga 所在の
Dupont Canada 社によって市販されているレーヨンとポリエステルとの70/3
0ブレンドである SONTARA(登録商標)といったような、吸収性のニードルパン
チされた不織レーヨン/ポリエステルコアメッシュである。この製品は、アメリ
カンホワイトクロス殺菌ガーゼパッドとして National Patent Medical社によっ
て販売されている。しかしながら、他の適切な吸収性材料は、織布または不織布
とすることができ、不織布は、例えば、レーヨンや、ポリエステルや、レーヨン
/ポリエステルや、ポリエステル/コットンや、コットンや、セルロースファイ
バといったようなファイバから形成されることが好ましい。例としては、被覆さ
れたセルロース詰め物や、エア含有パルプファイバからなるエアフェルトや、コ
ットンや、ガーゼや、医療ドレッシングとして適切であるような他の周知の吸収
性材料がある。
【0037】 ドレッシング(10)の第3層(16)は、好ましくは、第1層(12)にお
いて使用されているのと同様の、穴開き非接着性材料から形成されている。これ
により、抗菌性金属コーティングを活性化させ得るよう、殺菌水等の湿気を透過
させることができる。
【0038】 当該技術分野においては周知なように、第1層(12)と第2層(14)と第
3層(16)との間にはまたは上には、付加的な複数の層(図示せず)を設ける
ことができる。よって、本明細書中における第1層(12)・第2層(14)・
第3層(16)という用語の使用は、このような付加的な複数の層の設置を排除
することを意味したものではない。
【0039】 各層(12,14,16)は、超音波溶接(18)によってドレッシング(1
0)を通しての複数の分散箇所において互いにラミネートされた。超音波溶接は
、キルティング分野においては公知技術である。よって、ここでは詳細な説明は
省略する。要約すれば、(超音波的に生成された)熱と、圧力とが、超音波ホー
ンを通して、複数の局所的スポットにおいてドレッシング(10)の両面に対し
て印加される。これにより、第1層(12)および第2層(14)をなすプラス
チック材料の少なくとも一方が溶融し、その後の冷却時には、層どうしを互いに
結合させる。複数の溶接箇所は、局所的な複数の円形スポットの形態をなし、好
ましくは、直径が0.5cm未満とされる。第3層(16)が存在する場合には
、ドレッシングのどちらかの面において超音波溶接を行うことができ、3つの層
(12,14,16)のすべてを結合することができる。
【0040】 互いに離間した複数の分散箇所において層どうしの超音波溶接を行うことは、
層(12,14)の吸収性および湿気透過性を維持しつつもドレッシングの一体
性を維持することができて、有利である。エッジにおいて縫合したり縫い付けた
り接着したりすることは、ドレッシングの1つまたは複数の所望特性を妨害する
こととなることにより、好ましくない。さらに、ドレッシングを通しての複数の
分散箇所において溶接箇所(18)どうしを離間させることにより、ラミネート
を阻害することなく、必要に応じてドレッシング(10)を小さなサイズへとカ
ットすることができる。溶接箇所どうしを約2.5cmという離間間隔とするこ
とが好ましく、この離間間隔であると、少なくとも1つの溶接箇所によって層ど
うしのラミネートを確保しつつ、ドレッシングを約2.5cmサイズへとカット
することができる。
【0041】 [抗菌性コーティング] 本発明によるドレッシング(10)は、好ましくは、抗菌性金属から形成され
た抗菌性コーティングを備えている。このコーティングは、層(12,14,1
6)のうちの1つまたは複数の層に対して適用される。しかしながら、最も好ま
しくは、第1層(12)と第3層(16)とに対しては少なくとも適用される。
これにより、皮膚と、上ドレッシング(20)および下ドレッシング(22)の
間に保持されている経皮的医療デバイスと、の双方に対して、抗菌効果をもたら
すことができる。
【0042】 抗菌性コーティングは、最も好ましくは、上述したような手順に従った、およ
び、共に本発明者である Burrell他による米国特許第5,454,886号明細
書および国際特許出願第98/41095号に記載されている手順に従った、原
子的不規則性を有して形成されている。最も好ましくは、コーティングは、後述
するように、干渉色を形成し得るよう、上層とベース層とを有した多層型抗菌性
コーティングとして形成される。これにより、コーティングは、感染を制限する
ための抗菌効果をもたらすだけでなく、ドレッシングの活性化のインジケータと
しても機能する。コーティングの上層が、例えば殺菌水やアルコールといったよ
うなアルコールまたは水性ベースの電解質によって活性化されたときには、抗菌
性金属のわずかな溶解であってさえも、検出可能な色変化が起こり、抗菌効果が
もたらされたことが、知らされる。色変化がない場合には、水を添加することに
よって、色変化が検出されるまで、ドレッシングに対してさらなる湿気が追加さ
れる。活性化後には、ドレッシングは、必要に応じた殺菌水の添加によって、湿
潤条件に維持されるべきである。
【0043】 [殺菌] 原子的不規則性によって形成された抗菌性金属からなる抗菌性コーティングを
有したドレッシング(10)は、好ましくは、原子的不規則性をアニールによっ
て低減させてしまいその結果抗菌効果の有効性を減少させたり消滅させたりして
しまうような過度の熱エネルギー印加を行うことなく、殺菌される。米国特許第
5,454,886号明細書に開示されているように、このようなドレッシング
の殺菌に際しては、ガンマ線放射が好ましい。
【0044】 原子的不規則性を有した抗菌性金属からなる抗菌性コーティングを備えた、ド
レッシングをなす各層どうしをラミネートするに際して超音波溶接を使用するこ
とが、複数の局所的スポットにおける結合をもたらすことによりまたドレッシン
グの幅広い部分に対しての熱印加を避けられることにより、有利であることを理
解されたい。そのため、原子的不規則性をアニールによって低減させてしまうこ
とによる抗菌効果の大幅な減少を回避することができる。
【0045】 殺菌されたドレッシングは、光透過を防止して抗菌性コーティングの付加的な
酸化を防止し得るよう、パッケージング内においてシールされるべきである。ポ
リエステル製の開封可能なパウチが好ましい。このようにしてシールされた抗菌
性ドレッシングの貯蔵寿命は、1年以上である。
【0046】 [経皮デバイスに対してのドレッシングの使用方向] 例えばフレキシブルなカテーテルといったような経皮デバイスと一緒に、ドレ
ッシング(10)は、カテーテル(32)がスリット(26)を貫通した状態で
もってカテーテル(32)の周囲において、皮膚上に配置される。必要に応じて
、ドレッシング(10)は、スリット(26)がカテーテル(32)の長さ方向
軸に対して大まかに垂直となるように、回転させられる。これにより、カテーテ
ル(32)のうちの、皮膚から突出した部分が、下ドレッシング(22)の上面
(40)に対して、確実に接触することとなる。上ドレッシング(20)は、上
ドレッシング(20)の底面(42)がカテーテル(32)の皮膚からの突出部
分に対して接触するように、下ドレッシング(22)上へと折り畳まれる(ある
いは、上ドレッシングと下ドレッシングとが別体である場合には、下ドレッシン
グの上へと配置される)。抗菌性材料が抗菌性金属とされている場合には、ドレ
ッシングは、殺菌水または70%アルコールによって湿される。これにより、抗
菌性コーティングが活性化され、抗菌性金属種が放出される。その後、ドレッシ
ング(10)は、ドレッシングを湿潤雰囲気に維持するための例えば接着フィル
ムといったような閉塞性層または半閉塞性層(36)によって所定位置に固定さ
れる。
【0047】 経皮デバイスが、例えば一時的整形外科的ピンといったように剛直なものであ
る場合には、下ドレッシング(22)は上述と同様にして配置されるものの、上
ドレッシング(20)は、ピンが通常は皮膚表面に対して角度を有して突出して
いることにより、皮膚からのピン突出部分の周囲に対して、テントを張るような
態様で、折り畳まれて固定される。
【0048】 実験例3において詳細に後述するように、原子的不規則性を有した銀によって
形成された2層式抗菌性コーティングを備えて上述のようにして製造された本発
明によるドレッシングを動物に対して適用することにより、感染の制御に際して
の優秀な結果が示された。使用時には、ドレッシングは、相対湿度が100%と
いう湿潤状態に維持された。抗菌性金属コーティングを活性化するために初期的
に殺菌水を添加することが必要とされ、その後は、ドレッシングを湿潤条件に維
持するために、殺菌水を添加することが必要とされた。ドレッシングは、観察や
洗浄のために必要とされた場合には、交換することができる。しかしながら、7
日ごとに1回交換するといったようにそれほど頻繁に交換する必要はなく、かな
りの長期にわたった抗菌効果をもたらすことができる。
【0049】 [干渉色を有した多層式抗菌性材料] ドレッシングは、好ましくは、ベース層とこのベース層上に位置した上層とい
う少なくとも2つの金属層を有して形成された抗菌性金属コーティングを備えて
いる。これにより、国際特許出願第98/41095号に記載されているように
干渉色を生成することができる。双方の層は、部分的に反射性である。上層は、
部分的に光透過性である。上層は、十分な原子的不規則性を有して形成された少
なくとも1つの抗菌性金属を含有した薄いフィルムとされている。このため、上
層がアルコールまたは水性ベースの電解質と接触したときには、上層は、支持さ
れている基体上において局所的な抗菌効果をもたらし得るに十分な濃度でもって
、抗菌性金属からなるイオンや原子や分子やクラスターを放出する。このように
、上層においては、アルコールまたは水性ベースの電解質と接触したときには、
いくらかの溶解を原因とした厚さ変化によってあるいは上層上において新たに形
成されることとなる薄い層の組成変化を原因とした屈折率変化によって、光学経
路長さが変化する。これら原因の一方または双方は、検出可能な色変化を引き起
こすには十分なものである。すなわち、上層が活性化されることは、インジケー
ターとして機能する。
【0050】 ベース層と上層との双方は、部分的に反射性の材料から形成されている。この
場合、入射光の少なくとも一部が、層表面において反射され、入射光の残部が、
層を透過する。上層は、部分的に光透過性であり、入射光を、ベース層との境界
にまで到達させることができる。よって、当該技術分野においては周知なように
、上層は、例えば純粋なAlやAgといったようなほぼ100%反射のものとす
ることはできない。それは、干渉色を生成できないからである。上層のための材
料およびベース層のための材料は、干渉色を生成し得るよう、反射率において平
衡化させるべきである。一般に、上層は、干渉色を生成し得るような適切な透過
率を維持するような厚さを有した薄いフィルムとして成膜される。さらに、上層
とベース層とをなす各材料の反射率は、互いに相違するものとされる。これは、
実際の組成または実効的組成を相違させることによって得られる。例えば、2つ
の層をなす材料を相違させることにより、互いの反射率が、実際に相違すること
となる。しかしながら、両層を互いに同じ材料から形成することが要望されたと
きには、両層を、互いに異なる空隙率でもってあるいは原子的不規則性に関して
互いに異なるレベル/タイプでもって、成膜することができ、これにより、実効
的組成を互いに相違するものとして、互いに異なる反射率を得ることができる。
【0051】 このようにして、入射光は、ベース層と上層との境界において反射される。入
射光は、上層と空気との間の境界において反射され、この反射光が、ベース層と
の境界において反射された光と干渉する。これにより、『干渉色』が形成される
。生成される特定の色およびその輝度は、各層の性質に依存し、最も重要には、
各層の組成に依存し、また、各層の厚さに依存する。各層の組成は、それぞれの
層の透過特性と吸収特性と反射率とを決定する。一般的には、内部反射の数を最
小化するようにベース層と上層との厚さを制限することによって、一次および二
次の干渉色を生成することが望ましい。一次および二次の干渉色は、三次および
四次等の干渉色よりも輝度が大きく、見た目に美しいものであり、製造に関して
再現性が高く、上層の微小量の溶解時であっても厚さ変動に基づく検出可能な色
変化を発現しやすいものである。
【0052】 生成される特定の色を決定する性質は、上層の実効的光学厚さである。この実
効的光学厚さは、上層をなす材料の屈折率と上層の実際厚さとの積である。よっ
て、上層の実際厚さを変更することによりまたは上層の屈折率を変更することに
より、所望の色を得ることができる。
【0053】 好ましくは、ベース層中の材料は、反射性金属とされる。このような金属は、
当該技術分野においては公知であり、このような金属には、例えばTaやNbや
TiやZrやHfといったような例えば1つまたは複数のバルブ金属や、例えば
AuやAgやPtやPdやSnやCuやVやWやMoといったような遷移金属や
、金属Al、がある。より好ましくは、ベース材料は、Ag、Au、Pt、Pd
、Cu、Ta、Alの中から形成される。例えばタンタルといったような金属を
ベース層として使用することは、上層をなす材料内に含有されている酸化物の減
少を引き起こしかねない。これを避けるために、Ta金属からなる上面の少なく
とも一部を陽極酸化することによって形成された例えば酸化タンタルといったよ
うなバリア層(図示せず)を、タンタル層上に設けるべきである。ベース層とし
て好ましい材料には、抗菌性金属であるAu、Ag、Pt、Pd、Sn、Cuが
ある。Au、Pt、Agが、より好ましく、部分的に反射形態とされたAgが最
も好ましい。
【0054】 ベース層は、例えば気相蒸着技術や物理的気相蒸着技術といったような公知技
術によって形成することができる。好ましくは、ベース層は、後述するようにま
た米国特許第5,454,889号明細書に開示されているように、物理的気相
蒸着により原子的不規則性を有した薄いフィルムとして、形成される。これによ
り、ベース層が最終的にアルコールや水性ベースの電解質に対して曝されたとき
には、抗菌効果を発揮することができる。ベース層の厚さは、部分的に反射性で
ある限りにおいては、一般的には重要ではない。好ましい厚さは、材料組成や所
望の色に応じて大幅に異なる。しかしながら、ベース層が好ましくは物理的気相
蒸着方によって形成された薄いフィルムであることを考慮すれば、有効な色を形
成するためには、少なくとも約25nmという厚さであるべきである。一次およ
び二次の干渉色を形成するためには、また、抗菌効果をもたらすためには、ベー
ス層の厚さは、60nmよりも大きいべきであり、より好ましくは300〜25
00nmであり、最も好ましくは600〜900nmである。
【0055】 上層は、部分的に反射性のかつ部分的に光透過性の薄いフィルムであるととも
に、原子的不規則性を有して形成された少なくとも1つの抗菌性金属を含有した
薄いフィルムから形成される。これにより、アルコールや水性ベースの電解質に
対して曝されたときには、抗菌効果を発揮できるとともに、色変化を形成するこ
とができる。抗菌性金属は、好ましくは、部分的に反射性かつ部分的に光透過性
とされたAg、Au、Pt、Pd、Ir、Sn、Cu、Sb、Bi、Znの中の
1つまたは複数である。より好ましくは、抗菌性金属は、Ag、Au、Pt、P
d、または、Cuである。このような金属から形成された上層の厚さは、好まし
い光透過レベルを維持し得るよう、400nm未満とされることが好ましい。所
望の厚さは、上層の組成や、所望の色や、所望の色変化、に応じて相違する。一
次および二次の干渉色を形成するためには、厚さは、一般的には約400nm未
満とされる。より好ましくは、厚さは、5〜210nmとされ、最も好ましくは
10〜100nmとされる。
【0056】 上層は、ベース層と同じ材料から形成された薄いフィルムとすることができ、
例えば成膜条件を変更することによって各層内における空隙率や組成や原子的不
規則性度合いを互いに異なったものとすることにより、屈折率が相違するものと
して形成することができる。
【0057】 ベース層自体が、原子的不規則性を有した抗菌性金属から形成されている場合
には、上層は、アルコールや水性ベース電解質との接触時の厚さ変化や組成変化
のために、インサイテュ形成された上層として形成することができる。これによ
り、ベース層の初期色とは異なる干渉色を形成することができる。
【0058】 最も好ましくは、上層は、後述するように、マトリクス内において原子的不規
則性を形成するように、マトリクスをなす抗菌性金属と、これとは異なる材料を
なす原子または分子と、を順次的に堆積させることによりまたは反応的に共堆積
させることにより形成された、複合材料からなる薄いフィルムとされる。そのよ
うな異なる材料は、a)生体適合性金属、b)酸素、窒素、水素、ホウ素、硫黄
、または、ハロゲン、あるいは、c)抗菌性金属および生体適合性金属の一方ま
たは双方の酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、ハロゲン化物、硫化物、または
、水素化物、の中から選択される。最も好ましくは、上層をなす材料は、銀と;
銀がなすマトリクス中に拘束されたまたは吸収された、酸化銀、および、酸素を
含有した原子または分子のうちの一方または双方と;を含有した複合材料である
。『酸化銀』という用語は、銀の酸化物からなるような、任意の酸化物または任
意の混合物を包含することを意味している。しかしながら、上層は、好ましくは
、AgOおよび/またはAg2O だけから形成されるわけではない。それは、こ
れら材料の溶解度が、有効な抗菌効果をもたらすには小さいからである。
【0059】 [原子的不規則性を有した抗菌性材料] 少なくとも上層は、好ましくはベース層も、抗菌効果をもたらし得るよう、原
子的不規則性を有した抗菌性金属からなる結晶形態で形成される。物理的気相蒸
着法による原子的不規則性の形成は、米国特許第5,454,886号明細書に
開示されているものであって、以下、概略的に説明する。
【0060】 抗菌性金属は、気相蒸着法によって、ドレッシング(10)の1つまたは複数
の面上に、薄い金属フィルムとして成膜される。当該技術分野においては周知な
ように、物理的気相蒸着法においては、すべてにおいて金属を蒸気から、一般的
には原子単位で、基体表面上に成膜する。この技術には、真空またはアーク蒸着
、スパッタリング、マグネトロンスパッタリング、および、イオンプレーティン
グ、がある。成膜は、上記に定義したようにコーティング内に原子的不規則性を
生成するようにして行われる。原子的不規則性を生成することに関連した様々な
条件が有効である。これら条件は、薄膜成膜方法においては一般的に避けるべき
ものとされていたものである。それは、大部分の薄膜成膜の目的が、欠陥がなく
かつ円滑でありさらに稠密なフィルムを形成することであるからである(例えば
、J.A. Thornton 参照、上記)。そのような条件は、当該技術分野において研究
されていたものの、本出願以前においては、このようにして製造されたコーティ
ングの溶解度を向上させることには利用されていなかった。
【0061】 成膜プロセス時に原子的不規則性を生成するために使用される有利な条件には
、以下のものがある。 −低い基体温度。すなわち、コーティング対象をなす表面を、金属の融点(絶
対温度)に対しての基体温度の比を約0.5未満とするように、より好ましくは
約0.35未満とするように、最も好ましくは約0.3未満とするように、維持
すること。場合により下記の一方または双方を併用する。 −通常よりも大きな動作(あるいは雰囲気)ガス圧力。すなわち、真空蒸着に
関し、電子ビーム蒸着やアーク蒸着に対しては、0.01mT(ミリトール)以
上、また、ガス散乱蒸着(加圧プレーティング)または反応性アーク蒸着に対し
ては、20mT以上;スパッタリングに対しては:75mT以上;マグネトロン
スパッタリングに対しては、約10mT以上;および、イオンプレーティングに
対しては、約200mT以上;というガス圧力の使用。 −コーティング対象をなす表面上へのコーティングフラックスの入射角度を、
約75°未満に、好ましくは約30°未満に、維持すること。
【0062】 コーティングに使用される金属は、上記のように抗菌効果を有するイオン等を
放出することが公知のものである。多くのドレッシングに対して、金属は、生体
適合性でなければならない。有利な金属には、貴金属であるAg、Au、Pt、
Pd、Irや、Sn、Cu、Sb、Bi、Znや、あるいは、これらの金属また
は他の金属の合金または化合物、がある。最も好ましくは、Ag、または、Au
、または、これら金属の一方または双方の合金または化合物である。
【0063】 経済的な観点から、薄い金属フィルムは、適切な期間にわたって持続的なベー
上スで金属イオンの放出をもたらすのに必要な厚さ、かつ、希望する干渉色を発
生するために必要な厚さ、を超えないような厚さを有している。上記の好ましい
厚さの範囲内において、厚さは、コーティング内の特定の金属(溶解度および耐
摩耗性が異なる)に応じて、および、コーティング内の原子的不規則性の程度(
したがって、溶解度)に応じて、変化する。厚さは、目的とする用途に関しての
デバイスの寸法許容度またはフレキシブルさをコーティングが妨げないように、
十分に薄いものとされる。
【0064】 このようにして作製した材料の抗菌効果は、コーティングをアルコールまたは
水性電解質に対して接触させこれにより金属イオンや原子や分子やクラスターを
放出させた場合に、得られる。抗菌効果を発生するために必要な金属種の濃度は
、金属種ごとに異なる。一般に、抗菌効果は、例えば血漿や血清や尿といったよ
うな体液中において、約0.5〜5μg/ml未満という濃度で得られる。
【0065】 持続的なベース上へのコーティングからの金属原子やイオンや分子やクラスタ
ーの放出能力は、例えば組成や構造や溶解度や厚さといったようなコーティング
特性、および、デバイスを使用する環境の性質、といったような多数の要因によ
って決定される。原子的不規則性の程度が大きくなるにつれて、単位時間あたり
に放出される金属種の量が増加する。例えば、T/Tm<0.5および約7mT
orrという動作ガス圧力という条件下においてマグネトロンスパッタリングに
より成膜した銀製金属フィルムは、同様の条件下でただし30mTorrでもっ
て成膜したフィルムと比較して、約1/3の銀イオンを10日間で放出する。中
間的な構造(例えば、低い圧力、小さい入射角度、など)として作製したフィル
ムは、生物学的検定により測定して、これらの値の中間的なAg放出値を有する
。よって、このことは、放出性が制御された金属コーティングの作製方法を提供
する。徐放性コーティングは、不規則性の程度が低いようにして作製し、一方、
迅速放出性コーティングは、不規則性の程度が高いようにして作製する。
【0066】 連続的かつ一様なコーティングに対して、完全な溶解のための所要時間は、フ
ィルム厚さ、および、曝されている環境の性質の関数である。厚さに関する関係
は、ほぼ線形である。すなわち、フィルム厚さの2倍に増加したときには、完全
溶解までの寿命は、約2倍となる。
【0067】 また、コーティングからの金属放出を、変性させた構造(あるいは、変調した
構造)を有する薄膜コーティングを形成することによって、制御することも可能
である。例えば、動作圧力が、成膜時間の50%の間は小さくし(例えば15m
Torr)かつ残りの成膜時間では大きくする(例えば30mTorr)という
ようにしてマグネトロンスパッタリングにより成膜したコーティングは、初期的
には金属イオンを迅速に放出し、その後は、長い期間にわたってゆっくりと放出
する。このタイプのコーティングは、即効的な抗菌濃度が得られるよう初期的に
は迅速な放出が必要とされかつその後は数週間にわたって金属イオン濃度を維持
し得るよう遅い放出速度が要求されるような、例えば尿道カテーテルといったよ
うなデバイスにおいて、極めて有効である。
【0068】 気相蒸着時に使用する基体温度は、コーティングが大気温度または使用する温
度(例えば体温)へと暖められたときにコーティングのアニーリングまたは再結
晶が起こってしまうほど、低いものであってはならない。この許容温度差(ΔT
)、すなわち成膜時の基体温度と最終使用温度との間の温度差は、金属ごとに異
なる。最も好ましい金属であるAgおよびAuに対しては、好ましい基体温度と
して、−20〜200℃を使用し、より好ましい基体温度として、−10〜10
0℃を使用する。
【0069】 また、原子的規則性は、ベース層および上層の一方または双方において、複合
金属材料を形成することによっても、すなわち、抗菌性金属とは異なる原子また
は分子を含む金属マトリクス中に1つまたは複数の抗菌性金属を含有した材料を
形成することによっても、得ることができる。
【0070】 複合材料を形成するための好ましい方法は、(1つまたは複数の)抗菌性金属
と、Ta、Ti、Nb、Zn、V、Hf、Mo、Si、Alおよびこれらの金属
の合金または典型的には他の遷移金属といったような他の金属元素から選択され
た1つまたは複数の他の不活性かつ生体適合性金属と、逐次的成膜または共成膜
である。このような不活性金属は、抗菌性金属のものとは異なる原子半径を有し
ており、これが成膜時に原子的不規則性となる。この種の合金は、原子拡散を低
下させようにも機能し、これにより、不規則な構造を安定化する。抗菌性金属お
よび不活性金属のそれぞれの配置のための複数のターゲットを有する薄膜成膜装
置が、好ましくは使用される。各層を逐次的に成膜する場合には、(1つまたは
複数の)不活性金属からなる1つまたは複数の層は、例えば抗菌性金属からなる
マトリクス内の複数のアイランドといったような、不連続なものであるべきであ
る。不活性金属に対しての抗菌性金属の最終的な比は、約0.2よりも大きいも
のであるべきである。最も好ましい不活性金属は、Ti、Ta、Zn、および、
Nbである。また、所望の原子的不規則性が得られるよう、1つまたは複数の抗
菌性金属および/または1つまたは複数の不活性金属の酸化物、炭化物、窒化物
、硫化物、ホウ化物、ハロゲン化物、または、水素化物から、抗菌性コーティン
グを形成することも可能である。
【0071】 他の複合材料は、物理的気相蒸着による反応性共成膜または逐次成膜により、
反応した材料を、抗菌性金属からなる薄膜内に形成する。反応した材料は、抗菌
性および/または不活性金属の酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、硫化物、水
素化物またはハロゲン化物であり、成膜チャンバ内へと適当な反応性物質やその
ような反応性物質を含有した気体(例えば、空気、酸素、水、窒素、水素、ホウ
素、硫黄、ハロゲン)を導入することにより、インサイテュで(その場で)形成
される。これらの気体をなす原子または分子は、また、金属フィルム内に吸収ま
たは捕捉されて原子的不規則性を生成する。反応性物質は、共成膜時には連続的
に供給することができ、また、逐次成膜時にはパルス状で供給することができる
。反応生成物に対しての1つまたは複数の抗菌性金属の最終的な比は、約0.2
よりも大きいものでなければならない。空気、酸素、窒素、および、水素が、特
に好ましい反応性物質である。
【0072】 複合コーティングを形成するための上記成膜技術は、上述したような低い基体
温度という条件や大きな動作気体圧力という条件や小さな入射角という条件を併
用する場合であってもまた併用しない場合であっても、使用することができる。
これらの条件の1つまたは複数は、コーティング内に生成される原子的不規則性
の量を維持するにはおよび増加させるには、有利である。
【0073】 [実験例] [実験例1] この実験例は、ドレッシング材料上の2層式抗菌性銀コーティングを作製する
ことを示している。高密度ポリエチレン製のドレッシング材料である、DELNET(
登録商標)または CONFORMANT 2(登録商標)を、銀製ベース層と、銀/酸化物
からなる上層と、によってコーティングし、これにより、指示値を有する有色抗
菌性コーティングを形成した。コーティング層は、表1記載の条件下でマグネト
ロンスパッタリングにより形成された。
【表1】
【0074】 得られたコーティングは、外観が青色であった。指先を接触することによって
、十分に、黄色へと変色させることができた。ベース層の厚さは、約900nm
であり、上層の厚さは、100nmであった。
【0075】 抑制ゾーン試験を行った。ミュラー・ヒントン寒天培地をペトリ皿内に分布さ
せた。まず最初に、寒天培地プレートの表面を乾燥させ、その後、黄色ブドウ球
菌(Staphylococcus aureus)ATCC#25923 の群生を植え付けた。植付
原は、メーカーの指定により再構成したバクトロール・ディスクス〔Bactrol
Discs (Difco,M)〕から作製した。植付の直後に、試験対象をなすコーティング
済み材料を、寒天培地の表面に置いた。皿を24時間にわたって37℃でもって
培養した。この培養期間の後に、抑制ゾーンを算出した(修正済み抑制ゾーン=
抑制ゾーン−寒天培地と接触していた試験材料の直径)。結果は、約10mmと
いう、修正済み抑制ゾーン(修正済みZOI)を示した。
【0076】 コーティングを、硝酸消化および原子吸光分析により分析したところ、高密度
ポリエチレン1mgあたりに、銀を0.24±0.04mg含有していることが
わかった。コーティングは、二次イオン質量分光分析に基づき、銀(>97%)
と酸素との二元合金であって不純物量は無視できる程度であることがわかった。
SEMにより観察すると、コーティングは、多孔性が大きく、粗い柱状構造中に
配列した等軸ナノ結晶からなり、10nmという平均粒径であった。銀放出試験
から、銀は、約66mg/Lという平衡濃度に達するまでは(原子吸光により測
定された)コーティングから連続的に放出され、バルク銀金属から予想されるも
の(溶解度≦1mg/L)よりも50〜100倍高いレベルであることが示され
た。
【0077】 上層に関するコーティング条件を、スパッタリング時間を2分15秒に延長す
るように変化させると、黄色のコーティングが形成された。上層は、厚さが約1
40nmであり、指先の接触により紫色へと変化した。同様に、スパッタリング
時間を1分間に短縮すると、上層の厚さが約65nmとなり、紫色のコーティン
グが得られた。指先の接触によって黄色へと変色した。
【0078】 [実験例2] 本実験例は、本発明による多層式経皮デバイス用ドレッシングを示すためのも
のである。高密度ポリエチレン製のメッシュドレッシング材料、DELNET(登録商
標)または CONFORMANT 2(登録商標)ドレッシング材料を、表1のスパッタリ
ング条件を使用して、実験例1の場合と同様にして、2層式青色抗菌性コーティ
ングによって被覆した。このコーティング済みドレッシング材料をなす2層を、
ニードルパンチしたレーヨン/ポリエステル(SONTARA(登録商標) 8411)から
形成した吸収性コア材料の上下に配置した。第1層および第3層の双方上に銀コ
ーティングがある場合には、ドレッシングは、青色コーティング面を皮膚に対向
させた状態でも、また、銀面を皮膚に対向させた状態でも、使用することができ
る。指示値のために、青色コーティングを見えるようにして配置することが好ま
しい。3層を一緒にして超音波溶接を用いてラミネートし、これにより、ドレッ
シング表面にわたって約2.5cmの間隔ですべての3層の間にわたる溶接点を
形成した。この場合、小さいドレッシングが必要とされたときにドレッシングを
約2.5cmの大きさへとカットすることができ、その場合であっても、約2.
5cmという大きさの部分内に少なくとも1個の溶接点を存在させることができ
る。
【0079】 コーティングしたドレッシングを、25kGyという滅菌照射強度のガンマ線
照射を用いて滅菌した。完成したドレッシングを、互いに個別的にシールされか
つ互いに切り離し可能とされた複数のポリエステル製パウチ内にパッケージング
した。この態様においては、貯蔵寿命が1年よりも長いことが示された。コーテ
ィング済みドレッシングは、パッケージング前に、例えば5.1×10.2cm
ストリップといったような使用サイズへと容易にカットすることができ、さらに
、スリットを形成しておくことができる。これに代えて、ドレッシングは、ドレ
ッシングのカット方法や医療デバイスのためのスリットの所定長さを記載した医
者向け注意書きを同封して、パッケージングすることができる。
【0080】 [実験例3] 本実験例においては、プロトタイプをなす4つのカテーテル用ドレッシングを
、動物実験によって評価した、4つのカテーテル用ドレッシングの中の1つは、
上記実験例2に従って形成されたものとした。他のカテーテル用ドレッシングは
、互いにラミネートされた複数のドレッシング材料からなる3cmの円形形状カ
テーテル用ドレッシングとした。この場合、ドレッシング材料は、厚さが約1m
mよりも薄いものであるとともに、直下にカテーテルを適合させるよう中心にま
で延在するスリットが形成されており、さらに、実験例1に従って成膜された銀
コーティングによってコーティングされている。銀コーティングは、上記実験例
2,3の場合と同じ性質を有したコーティングをもたらすような条件でもって、
フルスケールのロールコーティング機において形成した。
【0081】 プロトタイプをなすドレッシングは、以下のようなものである。 1.カテーテル用銀コーティングドレッシング。これは、実験例2に従って形成
したものであって、5.1×5.1cmというサイズの上ドレッシングと下ドレ
ッシングとを備えており、下ドレッシングには、本発明に基づいて2.6cmの
スリットが形成されている。 2.銀コーティングディスク1。これは、実験例2に従って形成したドレッシン
グ材料からなる3cmのディスクであって、カテーテルの直下に位置するフラッ
トディスクだけを使用する(すなわち、上ドレッシングが存在しない)。 3.銀コーティングディスク2。これは、実験例1に基づいて形成したような銀
コーティング済みDELNETからなる第1層が、ポリウレタンフィルム上に100%
レーヨンからなる層が形成されてなる STATEX, AET, 8.0NP2-A/QW に対して、ラ
ミネートされてなるドレッシング材料からなる3cmのディスクである。カテー
テルの直下に位置するフラットディスクだけを使用する(すなわち、上ドレッシ
ングが存在しない)。 4.銀コーティング発泡体ディスク3。これは、実験例1に基づいて形成したよ
うな銀コーティング済み高密度ポリエチレンからなる層と、米国メーン州 Bootbay 所在の Rynel Ltd. 社から L-00562-6 Medical Form という商標名で市
販されているポリウレタン製発泡体からなる2つの層と、からなる3つの層から
形成された3cmのディスクである。カテーテルの直下に位置するフラットディ
スクだけを使用する(すなわち、上ドレッシングが存在しない)。
【0082】 体重が2.6〜2.9kgの健康な15匹のニュージーランド産ホワイトラビ
ットを使用した。セグメント化された複数のポリウレタンカテーテル(米国ペン
シルベニア州 Reading 所在の Arrow International Inc. 社から市販されてい
るポリウレタン製埋設用中心静脈カテーテル16Gaを、5cmの長さにカット
したもの)を、ラビットの背中へと経皮的に導入した。ラビットをハロタンによ
って麻酔した(Calgary 大学 Life & Environmental Sciences Animal Resource
Centre における標準的手順(LESARC SOP)の中のA6)。背中から胸さらには
腹を押さえて、殺菌用石鹸で洗浄した。手術用メスを使用して、皮膚に切込を形
成した。そして、5cm長さのカテーテルセグメントを、脊椎に対して垂直に皮
下組織空間内へと挿入した。ラビット1匹あたりにつき、6本のカテーテルを導
入した。複数のカテーテル部分を、プロトタイプをなす各カテーテル用ドレッシ
ングによってまた対照用ガーゼによって、被覆した。この場合、カテーテルの突
出部分が、ディスクすなわちドレッシングのスリットを貫通するようにした。本
発明によるドレッシングをなすカテーテル用銀コーティングドレッシングの場合
、上ドレッシングをカテーテルの上に配置し、皮膚から突出しているカテーテル
部分を上ドレッシングによって覆うようにして押さえつけた。カテーテルを、皮
膚に対して縫い付けた。3匹のラビットについては、各タイプのドレッシングお
よび対照用ドレッシングによって被覆した。
【0083】 バクテリア懸濁液に浸漬したガーゼをドレッシング上に配置することによって
、各カテーテル導入箇所に対してのバクテリア検査を行った。この接種法におい
ては、使用したガーゼは、試験用ドレッシングよりも大きいものとするとともに
、ドレッシングから上方へと突出しているカテーテルヘッドに対して接触させた
。これにより、ガーゼは、周囲皮膚に対してのまたカテーテル用ドレッシングに
対してのまたカテーテルヘッドに対しての、バクテリア源をなす。5mlのバク
テリア懸濁液(黄色ブドウ球菌ATCC25923、TSB(tryptic soy
broth,トリプシンの大豆培養液)中で一晩にわたって成長させ、PBS(リン酸
緩衝生理的食塩水)によって洗浄し、PBS内において再懸濁させ、107 CF
U(群形成ユニット数)/mlという濃度へと調整した)を、各カテーテル箇所
に接種した。その後、閉塞性テープをドレッシング上に配置し、内部環境が湿潤
性であることを確保した。
【0084】 ラビットを7日間にわたって観測し、7日目に安楽死させた。皮膚を切り裂い
て、カテーテル内部を注意深く露出させた。基端部から皮膚の入口にかけてのカ
テーテル部分(基端部位)(1cm)および先端部から皮膚の入口にかけてのカ
テーテル部分(先端部位)(1cm)をカットし、2mlのSTS(0.4%の
ナトリウムチオグリコレート、0.85%の塩化ナトリウム、1%の Tween(登
録商標)20)を含有したチューブ内に収集した。超音波処理および遠心分離によ
って、カテーテルの基端部位および先端部位から、付着しているバクテリアを回
収した。ドロッププレート法を使用して溶液をTSAプレート上に広げ、バクテ
リアのカウント数を記録した。
【0085】 試験期間のすべてにわたって、すべてのドレッシングやディスクは、所定位置
に保持した。ただし、ディスク1タイプをなす3層ディスクにおいては、いくら
かの湾曲や曲がりが発生した。群生率に関する結果、および、埋設カテーテルの
基端部位および先端部位におけるバクテリアカウント数に関する結果を、表2に
示す。表2には、試料の平均数n(括弧書きで示されている)も示している。群
生率の右側に括弧書きで記載されている数字は、群生カテーテル数/全カテーテ
ル数を示している。
【表2】
【0086】 データは、対照用ガーゼ(あるいは、対照用ドレッシング)においては、94
.4%のカテーテルが汚染され、バクテリアカウント数の平均が104 CFU/
cmであったことを示している。本発明によるカテーテル用銀コーティングドレ
ッシングに関しては、バクテリアの群生が完全に防止できた。ディスクタイプの
ドレッシングをなすディスク1,2,3は、カテーテル汚染を、それぞれ38.
8%、47%、33.3%へと低減させた。これらディスクタイプのドレッシン
グ材料においては、同じ材料からなる上ドレッシングを本発明に基づいて使用し
たならば、カテーテル汚染を満足できる程度にまで低減させるであろうことが、
予想できる。
【0087】 本明細書に記載のすべての文献は、本発明の属する技術分野における当業者の
指標である。すべての文献は、それぞれ個別の文献が個別に組み込まれているの
と同様の程度で、参考のため、ここに組み込まれる。
【0088】 本明細書中の用語および表現は、特に断らない限り、説明の用語として使用さ
れ、限定するものではない。かかる用語および表現の使用にあたって、図示およ
び記載された特徴の等価物を除外する意図はなく、本発明の範囲は、特許請求の
範囲によってのみ定義かつ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による、3層構成とされた経皮的医療デバイス用ドレッシ
ングを概略的に示す図である。
【図2】 上ドレッシングおよび下ドレッシングを形成するように中央ライ
ンに沿って折り畳まれた3層構成をなす経皮的医療デバイス用ドレッシングを概
略的に示す斜視図であって、経皮的医療デバイスの周囲に配置されるスリットを
示している。
【図3】 患者の皮膚を貫通したカテーテルに対しての所定位置に配置され
た折畳み構成をなす経皮的医療デバイス用ドレッシングを概略的に示す断面図で
ある。
【図4】 本発明による経皮的医療デバイス用ドレッシングを示す平面図で
あって、下ドレッシングにおけるスリットを示している。
【図5】 カテーテルのうちの、皮膚から突出する部分に対して下ドレッシ
ングが接触するようにしつつ、カテーテルに対しての所定位置へとスライド設置
された経皮的医療デバイス用ドレッシングを示す平面図である。
【図6】 カテーテルのうちの、皮膚から突出する部分に対して上ドレッシ
ングが接触するようにして折り畳まれた経皮的医療デバイス用ドレッシングを示
す平面図である。
【符号の説明】
10 ドレッシング 12 第1層 14 第2層 16 第3層 20 上ドレッシング 22 下ドレッシング 24 折畳みライン 26 スリット 28 終点 30 患者の皮膚 32 カテーテル(経皮的医療デバイス) 34 貫通部位(穿孔部位) 36 閉塞性層または半閉塞性層 38 底面 40 上面 42 底面 44 上面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ファ・キン・イン カナダ・アルバータ・T8H・1P3・シ ャーウッド・パーク・デイヴィー・クレセ ント・24 Fターム(参考) 4C058 AA12 AA14 AA15 AA28 AA30 BB07 CC02 EE22 EE26 JJ02 JJ03 JJ04 JJ05 JJ06 JJ07 JJ08 JJ21 JJ23 JJ28 4C167 AA33 BB05 BB06 BB12 BB13 BB22 BB26 BB31 BB32 CC01 CC07 CC08 CC29 DD01 GG01 GG06 GG08 GG36 HH10

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の皮膚を穿孔するとともに皮膚から一部が突出した状態
    とされる経皮的医療デバイスと一緒に使用するための経皮デバイス用ドレッシン
    グであって、 フレキシブル材料から形成されているとともに上面と底面とを有している、上
    ドレッシングおよび下ドレッシングを具備してなり、 前記底面が、前記ドレッシングの使用時に皮膚を向く面とされ、 前記下ドレッシングが、1つのエッジから内方側へと延在し該下ドレッシング
    内の終点にまで延在して形成されたスリットを有し、 前記下ドレッシングの前記上面および前記底面と、前記上ドレッシングの少な
    くとも前記底面と、には、接着剤を使用することなく抗菌性材料が付与されてお
    り、 使用時には、前記下ドレッシングが、皮膚に隣接して配置され、前記スリット
    は、前記下ドレッシングの前記底面が皮膚に接触した状態で、かつ、前記下ドレ
    ッシングの前記上面が皮膚からの前記医療デバイスの前記突出部分に接触した状
    態で、前記下ドレッシングが前記穿孔部位の周囲に位置することを可能とし、 さらに、使用時には、前記上ドレッシングは、該上ドレッシングの前記底面が
    皮膚からの前記医療デバイスの前記突出部分に接触した状態で、前記穿孔部位の
    上方に位置し、 これにより、皮膚からの前記医療デバイスの前記突出部分に対して、上下から
    、前記抗菌性材料の抗菌活性を作用させ得るようになっていることを特徴とする
    ドレッシング。
  2. 【請求項2】 患者の皮膚からの経皮的医療デバイスの突出部分からのおよ
    び周囲皮膚からの微生物による感染を抑制し得るよう、経皮的医療デバイスによ
    る穿孔部位を覆うための方法であって、 フレキシブル材料から形成されているとともに上面と底面とを有している、上
    ドレッシングおよび下ドレッシングを具備してなり、前記底面が、前記ドレッシ
    ングの使用時に皮膚を向く面とされ、前記下ドレッシングが、1つのエッジから
    内方側へと延在し該下ドレッシング内の終点にまで延在して形成されたスリット
    を有し、前記下ドレッシングの前記上面および前記底面と、前記上ドレッシング
    の少なくとも前記底面と、には、接着剤を使用することなく抗菌性材料が付与さ
    れているような、経皮デバイス用ドレッシングを準備し; 前記下ドレッシングが前記終点において前記穿孔部位の周囲に配置されること
    を可能とする前記スリットを使用して、前記下ドレッシングをスライドさせて皮
    膚に対して隣接配置し、この場合、前記下ドレッシングの前記底面が前記穿孔部
    位の周囲の皮膚に対して接触しているとともに、前記下ドレッシングの前記上面
    が皮膚からの前記医療デバイスの前記突出部分に対して接触しているようにし; 前記上ドレッシングの前記底面が皮膚からの前記医療デバイスの前記突出部分
    に接触しているようにして、前記下ドレッシングの上方に前記上ドレッシングを
    配置し; 抗菌性材料に応じて、アルコールまたは水性ベースの電解質をドレッシングに
    対して供給し、これにより、抗菌性材料を放出させ; 皮膚に対して前記上ドレッシングおよび前記下ドレッシングを固定する; ことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のドレッシングまたは方法において、 前記上ドレッシングと前記下ドレッシングとが、単一のドレッシング材料から
    形成されているとともに、折畳みラインに沿って互いに連接されかつ区分されて
    いることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のドレッシングまたは方法において、 前記抗菌性材料が、前記下ドレッシングの前記上面および前記底面と前記上ド
    レッシングの少なくとも前記底面とに対して付与された抗菌性金属からなるコー
    ティングであることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のドレッシングまたは方法において、 前記スリットが、前記下ドレッシングの前記エッジから、前記折畳みラインに
    対して平行に形成されていることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のドレッシングまたは方法において、 前記上ドレッシングおよび前記下ドレッシングが、複数の層をなす互いにラミ
    ネートされた複数のドレッシング材料から形成されていることを特徴とするドレ
    ッシングまたは方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のドレッシングまたは方法において、 前記上ドレッシングおよび前記下ドレッシングが、 穴開けされた非接着性材料から形成され、皮膚に対向する層をなす第1層と; 該第1層に対してラミネートされ、吸収性材料から形成された第2層と; 前記第1層と前記第2層との一方または双方に対してラミネートされた第3層
    と; から形成されていることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のドレッシングまたは方法において、 前記抗菌性金属コーティングが、前記第1層および前記第3層上に形成されて
    いることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のドレッシングまたは方法において、 前記上ドレッシングおよび前記下ドレッシングが、皮膚からの前記医療デバイ
    スの前記突出部分に対しての被覆長さが少なくとも約5mmとなるような、サイ
    ズとされていることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のドレッシングまたは方法において、 前記抗菌性金属コーティングが、少なくとも1つの抗菌性金属を含有した薄膜
    であり、 前記少なくとも1つの抗菌性金属が、アルコールまたは水性ベースの電解質と
    接触したときに前記薄膜が前記抗菌性金属からなるイオン・原子・分子またはク
    ラスターを前記アルコールまたは前記水性ベースの電解質中に持続的に局所的抗
    菌作用をもたらすのに十分な濃度でもって放出し得るよう、十分な原子的不規則
    性を有して形成されていることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のドレッシングまたは方法において、 前記抗菌性金属コーティングが、 部分的に反射性かつ部分的に光透過性の上層によって被覆された場合には干渉
    色を発現し得るような、部分的に反射性の材料からなるベース層と; 該ベース層上に形成されるとともに、少なくとも1つの抗菌性金属を含有した
    部分的に反射性かつ部分的に光透過性の薄膜であって、一次および二次の干渉色
    が発生するような厚さを有し、さらに、前記ベース層とは異なる屈折率を有した
    、上層と、 を備え、 前記抗菌性金属は、前記上層がアルコールまたは水性ベースの電解質と接触し
    たときに前記上層が前記抗菌性金属からなるイオン・原子・分子またはクラスタ
    ーを前記アルコールまたは前記水性ベースの電解質中に持続的に局所的抗菌作用
    をもたらすのに十分な濃度でもって放出し得るよう、十分な原子的不規則性を有
    して形成されていることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のドレッシングまたは方法において、 前記ベース層内の材料が、部分的に反射性とされた、Ag、Au、Pt、Pd
    、Cu、Ta、Al、および、これら金属の1つまたは複数を含む合金または化
    合物からなるグループの中から選択された金属であり、 前記上層内の前記抗菌性金属が、Ag、Au、Pt、Pd、Ir、Sn、Cu
    、Sb、Bi、Zn、および、これら金属の1つまたは複数を含む合金または化
    合物からなるグループの中から選択されていることを特徴とするドレッシングま
    たは方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のドレッシングまたは方法において、 前記ベース層内の材料および前記上層内の前記抗菌性金属が、部分的に反射性
    とされた、Au、Ag、Pt、Pd、および、Cuからなるグループの中から選
    択された金属であり、前記上層がアルコールまたは水性ベースの電解質と接触し
    たときに前記上層が前記抗菌性金属からなるイオン・原子・分子またはクラスタ
    ーを前記アルコールまたは前記水性ベースの電解質中に持続的に局所的抗菌作用
    をもたらすのに十分な濃度でもって放出し得るよう、十分な原子的不規則性を有
    して気相蒸着により形成されていることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のドレッシングまたは方法において、 前記ベース層および前記上層内の前記金属が、Ag、Pt、または、Auであ
    ることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のドレッシングまたは方法において、 前記上層が、マトリクス中に原子不規則性を生成するために、異なる材料の原
    子または分子を有するマトリクス内への気相蒸着により前記抗菌性金属を共成膜
    または逐次成膜または反応性成膜することによって形成された複合材料からなる
    薄膜であり、 前記異なる材料は、生体適合性金属、酸素、窒素、水素、ホウ素、硫黄、また
    は、ハロゲン、または、抗菌性金属または生体適合性金属の一方または双方の酸
    化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、ハロゲン化物、硫化物、または、水素化物か
    らなるグループの中から選択されていることを特徴とするドレッシングまたは方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のドレッシングまたは方法において、 前記生体適合性金属が、Ta、Ti、Nb、V、Hf、Zn、Mo、Si、お
    よび、Alからなるグループの中から選択されていることを特徴とするドレッシ
    ングまたは方法。
  17. 【請求項17】 請求項15記載のドレッシングまたは方法において、 前記抗菌性金属が銀であり、 前記異なる材料が、酸化銀、および、前記マトリクス中に捕捉または吸収され
    ている酸素を含む原子または分子の一方または双方であることを特徴とするドレ
    ッシングまたは方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載のドレッシングまたは方法において、 前記上層の厚さが、400nm未満とされ、 前記ベース層の厚さが、少なくとも25nmとされていることを特徴とするド
    レッシングまたは方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載のドレッシングまたは方法において、 前記上層の厚さが、5〜210nmとされ、 前記ベース層の厚さが、少なくとも60nmとされていることを特徴とするド
    レッシングまたは方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載のドレッシングまたは方法において、 前記上層の厚さが、約40〜160nmとされ、 前記ベース層の厚さが、少なくとも約300nmとされていることを特徴とす
    るドレッシングまたは方法。
  21. 【請求項21】 請求項10または20記載のドレッシングまたは方法にお
    いて、 前記第1層および付加的な前記第3層が、不織布状でありかつ穴開きの非接着
    性の高密度ポリエチレン材料から形成されていることを特徴とするドレッシング
    または方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載のドレッシングまたは方法において、 前記第2層が、不織布状でありかつ吸収性のレーヨン/ポリエステル材料から
    形成されていることを特徴とするドレッシングまたは方法。
  23. 【請求項23】 請求項2記載の方法において、 前記ドレッシングを、該ドレッシングを湿潤条件に維持する閉塞性層または半
    閉塞性層を使用して所定位置に固定することを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の方法において、 前記閉塞性層または前記半閉塞性層を、接着フィルムとすることを特徴とする
    方法。
JP2001566740A 2000-03-13 2001-03-09 経皮的医療デバイス用のドレッシングおよびその使用方法 Withdrawn JP2003526482A (ja)

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