JP2003525253A - 抗ニューロトロフィン剤を用いる癌の治療方法 - Google Patents

抗ニューロトロフィン剤を用いる癌の治療方法

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Abstract

(57)【要約】 治療上有効な量の最低1種の抗ニューロトロフィン剤を哺乳動物に投与することによる癌の治療もしくは予防方法を記述する。抗ニューロトロフィン剤は、好ましくは抗ニューロトロフィン抗体、ニューロトロフィンに向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを結合する小型の有機分子、もしくはニューロトロフィンを結合するtrkレセプターの優性ネガティブ変異体である。本方法は前立腺もしくは膵癌の治療にとりわけ好ましい。抗ニューロトロフィン剤はNGF、BDNF、NT−3、NT−4/5、NT−6もしくはNT−7を中和し、かつ、ヒト化抗体ならびにそれらのフラグメントを包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は腫瘍学の分野に関し、かつ、癌、とりわけ前立腺および膵癌の治療も
しくは予防方法に向けられる。本発明はまた、ニューロトロフィンの領域、なら
びに癌および/もしくは疼痛の治療もしくは予防における例えば抗体のような抗
ニューロトロフィン剤の使用にも関する。
【0002】 (発明の背景) ニューロトロフィン(NT)は4種の公知の構造的におよび機能的に関係した
タンパク質、すなわち神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF
)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、ニューロトロフィン−4/5(NT
−4/5)を包含する特定の神経栄養因子の一サブファミリーである。最近、2
種の付加的なNT、すなわちニューロトロフィン−6(NT−6)およびニュー
ロトロフィン−7(NT−7)が発見された。ニューロトロフィンは、チロシン
キナーゼ活性を有する特定の細胞表面膜レセプターに結合しかつ活性化する。こ
れらのレセプターはtrkレセプターとして知られており、そして3種のサブタ
イプtrkA、trkBおよびtrkCに従って分類されている。各trkレセ
プターサブタイプは1種もしくはそれ以上のNTに優先的に結合する(NGFは
trkAに、BDNFおよびNT−4/5はtrkBに、そしてNT−3はtr
kCに)。しかしながら、NTの交差反応性がレセプターサブタイプ間に存在す
ることが既知である。NTによるtrkレセプターの活性化は、レセプターのオ
リゴマー化および特定の細胞内物質のチロシンホスホリル化をもたらす。trk
レセプターに加え、第二の型の細胞表面膜レセプターがNTを結合することが既
知である。このレセプターは低親和性神経成長レセプターp75NTR(p75)
であり、より高親和性のtrkレセプターへの結合に対するNTの親和性および
/もしくは利用可能性の調節に関与していると考えられている。しかしながら、
レセプターp75の特別の生理学的役割は論争中のままである。
【0003】 中枢および末梢神経系の細胞の成長、分化および生存でNTが不可欠の役割を
演じていることは広く認識されている。しかしながら、NTは神経系の外で腫瘍
の生物学にもまた寄与しているという最近の証拠が存在する。ニューロトロフィ
ンおよびそれらのレセプターのサブタイプは、前立腺、乳房、甲状腺、結腸およ
び肺癌を包含する多様な癌、ならびに悪性黒色腫、膵カルチノイドおよび膠芽腫
に関与している。とりわけ、trkレセプターA、BおよびCの異常な発現が膵
管腺癌(PDAC)で見出されており、そしてNTはこの腫瘍型の侵襲性に影響
する可能性がある(Miknyoczkiら、Int.J.Cancer、19
99、81、417)。加えて、NGFはPDACに関連する神経周囲の侵襲お
よび疼痛と相互に関連づけられている(Zhuら、J.Clin.Oncol.
、1999、17、2419)。trkAはまた前立腺の上皮組織中で発現され
ることも知られており、そして対応するニューロトロフィンNGFは前立腺癌の
増殖の刺激に関与している。NGFに対する免疫反応性は、ヒト前立腺癌(De
Schryver−Kecskemetiら、Arch.Pathol.、1
987、111、833)および腫瘍由来の細胞系(MacGroganら、J
.Neurochem.、1992、59、1381)で立証されており、この
癌におけるNGFの可能な有糸分裂促進もしくは生存の役割を示唆している。さ
らに、前立腺癌細胞は、インビトロでNGFに応答して走化性(Djakiew
ら、Cancer Res.、1993、53、1416)かつ侵襲性(Gel
dofら、J.Cancer Res.Clin.Oncol.、1997、1
23、107)であることが示されている。
【0004】 trkは、前立腺癌(Delsiteら、J.Androl.、1996、1
7、481、Pflugら、Endocrinology、1995、136、
262、Pflugら、Cancer Res.、1992、52、5403、
Djakiewら、Cancer Res.、1991、51、3304、Pa
ssanitiら、Int.J.Cancer、1992、51、318、Ma
cGroganら、J.Neurochem.、1992、59、1381、G
eldofら、J.Cancer Res.Clin.Oncol.1997、
123、107、Pflugら、Mol.Carcin.、1998、12、1
06およびGeorgeら、The Prostrate、1998、36、1
72)ならびに膵癌(Oikawaら、Int.J.Pancreat.、19
95、18、15、Ohtaら、J.Pathol.、1997、181、40
5、Mirallesら、J.Endocrinology、1998、156
、431、およびMiknyoczkiら、Crit.Rev.Oncogen
esis、1996、7、89)の双方である役割を演じていることが示されて
いる。
【0005】 ある種の癌の発生および進行におけるtrkの活性の可能な役割により、NT
−trk軸の選択的破壊が可能な治療手段として標的を定められている。とりわ
け、trkレセプターを阻害する能力を示す小分子が開発かつ試験されている(
Ruggeriら、Current Medicinal Chemistry
、1999、6、845)。グリコシル化されたインドロカルバゾールアルカロ
イドK−252aおよびK−252bは、NGFおよび他のニューロトロフィン
の生物学的作用を阻害することが知られている。K−252aは、低いナノモル
濃度でtrkAならびにtrkBおよびtrkC、ならびに他の関係するニュー
ロトロフィンレセプターの自己リン酸化を特異的に阻害することが報告されてい
る(Hashimoto、Cell Biol.、1988、107、1531
;Bergら、J.Biol.Chem.、1992、267、13;Tarp
leyら、Oncogene、1992、7、371;Ohmichiら、Bi
ochemistry、1992、31、4034;Muroyaら、Bioc
him.Biophys.Acta.、1992、1135、353;およびN
yeら、Mol.Biol.Cell、1992、3、677)。K−252a
の糖部分の修飾により、2種の付加的な強力なtrk阻害剤が開発された。とり
わけ、K−252aのヒドロキシメチル誘導体CEP−751が、trkA(E
LISAで3nMのIC50)、trkBおよびtrkCの強力な阻害剤であるこ
とが見出されている。ジペプチド誘導体CEP−2563もまた合成され、これ
は類似の活性および向上された水溶解性を示した。別の関連化合物CEP−70
1もまた良好なtrkA阻害活性を有することが見出され、4nMのIC50を示
した。CEP−751およびCEP−701の双方が、前臨床モデルでヒトおよ
びラットの前立腺癌を有意に阻害することが示されている(Dionneら、C
lin.Cancer Res.、1998、4、1887およびGeorge
ら、Cancer Research、1999、59、2395)。CEP−
751が、神経芽腫および神経髄芽腫の異種移植片(Evansら、Clin.
Cancer Res.、1999、5、3594)、ならびに卵巣癌および黒
色腫モデルで抗腫瘍活性を表すこともまた示されている。さらに、ヒト膵管腺癌
の前臨床異種移植モデルにおけるCEP−701による有意の抗腫瘍活性もまた
示されている(Miknyoczkiら、Clin.Cancer Res.、
1999、5、2205)。CEP−701は現在ヒト臨床試験を受けている。
【0006】 これらの小分子trk阻害剤を前立腺、膵および他の癌を治療するための手段
として使用することができるとは言え、特定の標的分子に対する特異性をもつ小
分子を開発することは困難である。小分子に対する一般的な主な懸念の1つは標
的のレセプターもしくはレセプター経路に対する非特異性であり、他のレセプタ
ーの望ましくない活性化もしくは不活性化、および可能な毒性につながる。例え
ば、K−252aはtrkおよびタンパク質キナーゼC阻害活性とともに神経栄
養活性を包含する複数の生化学的特性を有することが示されている(Kanek
oら、J.Med.Chem.、1997、40、1863)。従って、trk
レセプター活性に関与する生物学的標的に対する高い特異性をもつ治療薬が、前
立腺、膵および他の癌の治療のための潜在的な薬物候補として望ましい。この目
的のためには、特定のtrkレセプターに向けられた抗体が小分子より少なく望
ましいことが示されている(LeSauteurら、Nature Biote
ch.、1996、14、1120)。本発明は、哺乳動物に最低1種の中和ニ
ューロトロフィン抗体を投与することによる、例えば膵もしくは前立腺癌のよう
なtrkレセプターに媒介される癌の治療方法を提供する。該抗体治療は、小分
子が実際に提供しないかもしれないずっと望ましい特異性を提供する。
【0007】 (発明の要約) 本発明は、治療上有効な量の最低1種の抗ニューロトロフィン剤を哺乳動物に
投与することを含んで成る、癌の治療もしくは予防方法に向けられる。抗ニュー
ロトロフィン剤は、好ましくは、抗ニューロトロフィン抗体、ニューロトロフィ
ンに向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを結合する小型の有機分
子、およびニューロトロフィンを結合するtrkレセプターの優性ネガティブ変
異体のいずれかである。本方法は前立腺もしくは膵癌の治療にとりわけ好ましい
。抗ニューロトロフィン剤は、NGF、BDNF、NT−3およびNT−4/5
に向けられたものを包含し、かつ、ヒト化抗体ならびにそれらのフラグメントを
包含する。
【0008】 好ましい一態様において、癌の治療もしくは予防方法は、前立腺もしくは膵の
腫瘍への治療上有効な量の以下の中和ニューロトロフィン抗体、すなわちNGF
、BDNF、NT−3およびNT−4/5の最低1種の送達を必要とする。
【0009】 本発明の別の局面は、腫瘍を最低1種の抗ニューロトロフィン剤と接触させる
ことを含んで成る、前立腺もしくは膵腫瘍の体積の低下方法に向けられる。
【0010】 本発明のさらなる一局面は、腫瘍を最低1種の抗ニューロトロフィン剤と接触
させることを含んで成る、前立腺もしくは膵腫瘍の増殖速度の低下方法を必要と
する。
【0011】 本発明の別の局面は、最低1種の抗ニューロトロフィン剤を哺乳動物に投与す
ることを含んで成る、疼痛(pain)の低下方法に向けられる。
【0012】 (好ましい態様の記述) 本発明の方法は、治療上有効な量の最低1種の抗ニューロトロフィン剤を哺乳
動物に投与することによる、哺乳動物中の癌の治療および/もしくは予防に向け
られる。抗ニューロトロフィン剤は、好ましくは、抗ニューロトロフィン抗体、
ニューロトロフィンに向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを結合
する小型の有機分子、およびニューロトロフィンを結合するtrkレセプターの
優性ネガティブ変異体のいずれかである。抗ニューロトロフィン剤はニューロト
ロフィンに高い特異性を伴い結合し、従って活性化するニューロトロフィンリガ
ンドの中和によるtrkレセプターの阻害につながる。
【0013】 本文書を通じて多様な定義を行う。大部分の語は当業者によりそれらの語に帰
すことができる意味を有する。下もしくは本文書の別の場所のいずれかで特に定
義される語は、全体として本発明の情況で提供される、また、当業者により典型
的に理解されるところの意味を有する。
【0014】 本明細書で使用されるところの「抗ニューロトロフィン剤」という句は、ニュ
ーロトロフィンの合成を予防するかもしくはその合成の量を低下させるいかなる
分子、またはニューロトロフィンの生物活性を阻害するもしくは低下させるいか
なる分子も指すことを意味する。抗ニューロトロフィン剤の好ましい例は、限定
されるものでないが、抗ニューロトロフィン抗体、ニューロトロフィンに向けら
れたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを結合する小型の有機分子、および
ニューロトロフィンを結合するtrkレセプターの優性ネガティブ変異体を挙げ
ることができる。
【0015】 本明細書で使用されるところの「癌」という用語は生物学的生物体中のいずれ
かの組織の持続性の新生物を指すことを意味する。新生物は、一般に、悪性、も
しくは悪性になることがあるらしい、潜在的に侵襲性、または新たな部位に転移
することがあるらしいことを特徴とする。本発明の好ましい癌は、限定されるも
のでないが前立腺および膵癌を挙げることができるニューロトロフィンレセプタ
ーおよびニューロトロフィンの発現を伴うものを包含するである。
【0016】 本明細書で使用されるところの「腫瘍」という用語は、存在する組織から生じ
、それが生じた組織に比較して異常な速度で増殖し、そして正常な生理学的機能
を提供しない増殖を指すことを意味する。増殖は悪性であってももしくはなくて
もよいが、しかししばしば癌性もしくは前癌性状態と関連するかもしくはそれを
暗示する。
【0017】 本明細書で使用されるところの「哺乳動物」という用語は、癌に苦しめられて
いる、以前に癌に苦しめられた、もしくは癌の素因を作られたヒトもしくは非ヒ
トのいずれかの生存する生物体を指すことを意味する。
【0018】 本明細書で使用されるところの「治療上有効な量」という句は、本発明の一態
様に適切であるとみられるニューロトロフィン抗体のような治療的もしくは予防
的抗ニューロトロフィン剤の量を指すことを意味し、それは所望の治療レジメン
に従って投与される場合に所望の治療的もしくは予防的効果もしくは応答を導き
出すことができる。
【0019】 本明細書で使用されるところの「抗体」という用語は、完全な無傷の抗体、な
らびにそのF(ab)フラグメントおよびF(ab)2フラグメントを指すこと
を意味する。完全な無傷の抗体は、マウスモノクローナル抗体のようなモノクロ
ーナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、および前述の全部
の誘導体を包含する。
【0020】 本明細書で使用されるところの「ニューロトロフィン」もしくは「NT」とい
う用語は、限定されるものでないが、天然の供給源から精製されたか、組換えD
NA技術もしくは化学合成の方法またはこれらもしくは他の方法のいずれかの組
み合わせにより製造されたかのどちらかのNGF、BDNF、NT−3、NT−
4/5、NT−6およびNT−7、ならびにそれらの機能的誘導体もしくは同等
物を挙げることができる、いかなる天然のもしくは非天然のニューロトロフィン
も指すことを意味する。
【0021】 本明細書で使用されるところの「中和」という用語は一般に無効にすることを
意味し、そして、抗体を記述するのに使用される場合は、それが結合する分子を
無効にする抗体をさらに意味する。本発明の好ましい態様において、「中和」抗
体は特定のリガンドに結合し、そしてそのレセプターへのリガンドの結合を予防
もしくは妨害する。
【0022】 本明細書で使用されるところの「接触させること」という用語は、1種もしく
はそれ以上の分子を別のものと直接にもしくは間接的にのいずれかで一緒にして
それにより分子間相互作用を助長することを意味する。接触させることはインビ
トロ、エクスビボもしくはインビボで起こってよい。
【0023】 本明細書で使用されるところの「ニューロトロフィンレセプター」という用語
はニューロトロフィンリガンドを結合するレセプターを指すことを意味する。好
ましい態様において、ニューロトロフィンレセプターは、細胞表面上に発現され
る「trk」レセプターもしくは「trks」と一般に称されるレセプターのチ
ロシンキナーゼファミリーの1メンバーである。trkファミリーは、限定され
るものでないがtrkA、trkB;およびtrkCを挙げることができる。他
の態様において、ニューロトロフィンレセプターは、p75もしくは低親和性神
経成長因子レセプターともまた呼ばれるp75NTRである。これらのレセプター
はいかなる動物種(例えばヒト、マウス、ウサギ、ブタ、ウマ、など)からであ
ってもよく、そして完全長のレセプター、選択的スプライシングおよび/もしく
は挿入により生じるもののようなそれらの短縮されたおよび変異体の形態、なら
びに天然に存在する対立遺伝子変異体、ならびにこうしたレセプターの機能的誘
導体を包含する。
【0024】 好ましい一態様において、本発明は前立腺もしくは膵癌の治療もしくは予防方
法に向けられる。trkレセプターのようなニューロトロフィンレセプターの発
現を特徴とする可能性のある他の腫瘍性疾患状態は、本方法により治療もしくは
予防可能であるかもしれない。ニューロトロフィンレセプターを発現する新生物
は、限定されるものでないが、乳房、甲状腺、結腸、肺、卵巣、皮膚、筋、腎、
生殖器官、血液、免疫系組織(例えば脾、胸腺および骨髄)、ならびに脳および
末梢神経系組織に関連する癌を挙げることができる。
【0025】 他の好ましい態様において、非悪性腫瘍、前癌性損傷、前癌性腫瘍、またはニ
ューロトロフィンレセプターの発現を伴うもしくは前述の腫瘍性疾患状態を伴う
他の前癌状態もまた、本発明の方法により治療もしくは予防することができる。
こうした治療は、差し迫った癌の臨床的徴候もしくは癌の素因を伴う患者におけ
る癌の予防に寄与するとみられる。
【0026】 本発明の好ましい哺乳動物は、前立腺もしくは膵癌に対する感受性もしくはそ
の臨床診断をもつヒトである。もちろん、前立腺もしくは膵癌に苦しめられてい
る非ヒトの哺乳動物もまた本発明の範囲内に入る。さらに、前立腺および膵癌以
外の上に列挙された新形成に苦しめられているヒトおよび非ヒトの双方が本発明
に包含される。哺乳動物は、癌に苦しめられるようになることの素因を作られる
ヒトもしくは非ヒトもまた包含する。例は、既知の発癌物質に曝露されたヒト、
もしくは前立腺癌を発症する危険の年齢の雄性ヒトを包含する。癌の家族歴をも
つ、もしくはある型の癌の発症に対し遺伝的に素因をつくられている患者もまた
包含される。
【0027】 本発明のいくつかの態様において、抗ニューロトロフィ剤はニューロトロフィ
ンに向けられたアンチセンス分子である。ニューロトロフィンのヌクレオチド配
列は以下のとおりである。すなわち、NGF(Borsaniら、Nuc.Ac
ids Res.、1990、18、4020;受託番号NM002506)、
BDNF(Maisonpierreら、Genomics、1991、10、
558;受託番号M61181)、NT−3(Jonesら、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA、1990、87、8060;受託番号M377
63;およびMaisonpierreら、Genomics、1991、10
、558;受託番号M61180)、NT−4(Ipら、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA、1992、89、3060;受託番号M86528
)ならびにNT−5(Ipら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
、1992、89、3060およびBerkemeierら、Somat.Ce
ll Mol.Genet.、1992、18、233;受託番号NM0061
79)(参考文献のそれぞれはそっくりそのまま引用することにより本明細書に
組み込まれる)。当業者は、他のポリヌクレオチドと交差反応することなく特定
のニューロトロフィンを特異的に結合することができるアンチセンスオリゴヌク
レオチド分子を製造することができる。好ましいターゲッティング部位は、限定
されるものでないが開始コドン、5’調節領域、コーディング配列および3’非
翻訳領域を挙げることができる。オリゴヌクレオチドは好ましくは長さが10な
いし100ヌクレオチド、より好ましくは長さが15ないし50ヌクレオチド、
そしてより好ましくは長さが18ないし25ヌクレオチドである。オリゴヌクレ
オチドは、例えばホスホロチオエート結合、および当業者に公知の2’−O糖修
飾のようなバックボーンの修飾を含んでもよい。オリゴヌクレオチドは、腹腔内
に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、クモ膜下に、心室内に、経口で、腸内に、非
経口で、鼻内にもしくは皮膚に投与することができる。
【0028】 本発明の他の態様において、抗ニューロトロフィン剤はニューロトロフィンに
向けられた小型の有機分子である。当業者は、他のポリペプチドを結合すること
なく特定のニューロトロフィンを特異的に結合することができる小型の有機分子
を製造することができる。好ましいターゲッティング部位は、限定されるもので
ないがニューロトロフィンレセプターに結合するニューロトロフィンの部分、お
よびレセプター結合領域に隣接しかつ部分的にレセプター結合部分の正しい三次
元の形状の原因であるニューロトロフィン分子の部分を挙げることができる。小
型の有機分子は、好ましくは100ないし20,000ダルトン、より好ましく
は500ないし15,000ダルトン、およびより好ましくは1000ないし1
0,000ダルトンの分子量を有する。小型の有機分子のライブラリーが商業的
に入手可能である。小型の有機分子は、腹腔内に、静脈内に、筋肉内に、皮下に
、クモ膜下に、心室内に、経口で、腸内に、非経口で、鼻内にもしくは皮膚に投
与することができる。
【0029】 本発明の他の態様において、抗ニューロトロフィン剤はtrkレセプターの優
性ネガティブ変異体である。当業者は、レセプターが天然に存在するニューロト
ロフィンを結合しそして従ってニューロトロフィンを捕捉するための「たまり(
sink)」として作用することができるような特定のtrkレセプターの優性
ネガティブ変異体を製造することができる。しかしながら、優性ネガティブ変異
体はニューロトロフィンへの結合に際してtrkレセプターの正常な生物活性を
有しないことができる。好ましい優性ネガティブ変異体は、限定されるものでな
いが以下、すなわちLiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、
1998、95、10884;Eideら、J.Neurosci.、1996
、16、3123;Liuら、J.Neurosci、1997、17、874
9;Kleinら、Cell、1990、61、647;Valenzuela
ら、Neuron、1993、10、963;Tsoulfasら、Neuro
n、1993、10、975;およびLamballeら、EMBO J.、1
993、12、3083(そのそれぞれはそっくりそのまま引用することにより
本明細書に組み込まれる)に記述される変異体を挙げることができる。優性ネガ
ティブ変異体は、タンパク質の形態で、もしくは突然変異体のtrkレセプター
がインビボで発現されるような発現ベクターの形態で投与することができる。タ
ンパク質もしくは発現ベクターは、腹腔内に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、ク
モ膜下に、心室内に、経口で、腸内に、非経口で、鼻内に、もしくは皮膚に投与
することができる。当業者は、インビボで外因性のタンパク質の発現を得るため
の発現ベクターの投与を熟知している。
【0030】 本発明のいくつかの態様において、抗ニューロトロフィン剤は最低1種の中和
ニューロトロフィン抗体を含んで成る。好ましい抗体は、限定されるものでない
が抗NGF(カタログ番号500−P85、ペプロ テック インク(Pepr
o Tech Inc.);カタログ番号AF−256−NA、R&D システ
ムズ インク(R&D Systems,Inc.))、抗BDNF(カタログ
番号500−P84、ペプロ テック インク(Pepro Tech Inc
.);カタログ番号MAB248、R&D システムズ インク(R&D Sy
stems,Inc.))、抗NT−3(カタログ番号500−P82、ペプロ
テック インク(Pepro Tech Inc.);カタログ番号AF−2
67−NA、R&D システムズ インク(R&D Systems,Inc.
))、抗NT4(カタログ番号500−P83、ペプロ テック インク(Pe
pro Tech Inc.);カタログ番号AF−268−NA、R&D シ
ステムズ インク(R&D Systems,Inc.))、抗NT−4/5、
抗NT−6および抗NT−7、ならびにそれらの機能的同等物を挙げることがで
きる全部の現在知られているニューロトロフィン抗体を包含する。好ましくは、
これらの抗体は親和性精製された形態で使用する。2種もしくはそれ以上の異な
る中和抗体の混合物もまた本発明の範囲内にある。例えば、1以上の型のニュー
ロトロフィンレセプターを発現する膵管腺癌のような癌は、1種以上のレセプタ
ーに対する抗体の混合物を用いてより効果的に治療してよい。
【0031】 本発明の抗体は、ペプロ テック インク(Pepro Tech,Inc.
)(ニュージャージー州ロッキーヒル)、R&D システムズ インク(R&D
Systems,Inc.)(ミネソタ州ミネアポリス)のような商業的供給
元から得てよいか、もしくは標準的手順に従って生成させてよい。商業的に入手
可能な中和ニューロトロフィン抗体は、ウサギ抗血清からの抗ヒトb−NGF、
抗ヒトBDNF、抗ヒトNT−4および抗ヒトNT−3を包含する。
【0032】 抗体の生成および精製は、Ausubelら、1999、Short Pro
tocols in Molecular Biology、第4版、グリーン
アンド ワイリー インターサイエンス(Greene and Wiley
−Interscience)、ニューヨーク、およびCurrent Pro
tocols in Molecular Biology、1999、ジョン
ワイリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)、ニュー
ヨーク(それらのそれぞれはそっくりそのまま引用することにより本明細書に組
み込まれる)に記述される標準的手順に従って実験室で実施してもまたよい。
【0033】 ニューロトロフィンもしくはそのフラグメントに特異的な抗体(例えばモノク
ローナルおよびポリクローナル抗体、一本鎖抗体、キメラ抗体、二官能性/二特
異性抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、ならびに本発明のポリペプチドを特異的に認
識する相補性決定領域(CDR)配列を包含する化合物を包含するCDR移植(
grafted)抗体)もまた本発明により包含される。Fab、Fab’、F
(ab’)2およびFvを包含する抗体フラグメントもまた本発明により提供され
る。本発明の抗体の結合特異性を決定するためのスクリーニングアッセイは公知
であり、そして当該技術分野で慣例に実施される。こうしたアッセイの包括的論
考については、Harlowら(編)、Antibodies A Labor
atory Manual、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(
Cold Spring Harbor Laboratory)、ニューヨー
ク州コールドスプリングハーバー(1998)、第6章(そっくりそのまま引用
することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。ニューロトロフィン
のフラグメントを認識かつ結合する抗体もまた企図される。本発明の抗体は、公
知かつ当該技術分野で慣例に実施されるいずれの方法を使用しても製造すること
ができる。
【0034】 例えば、組換えもしくは天然に存在するニューロトロフィン、またはそのフラ
グメントを使用して、モノクローナル抗体の生成のためにマウスもしくは他の適
する動物を(またはポリクローナル抗体のためにウサギのようなより大きな哺乳
動物を)免疫化することができる。抗原性を増大させるために、ペプチドを、製
造元の推奨に従ってキーホールリンペットヘモシアニン(ピアース(Pierc
e))に結合することができる。最初の注入のため、フロイントの完全アジュバ
ントを用いて抗原を乳化させ、そして皮下に注入することができる。2ないし3
週の間隔で、ニューロトロフィン抗原の追加のアリコートをフロイントの不完全
アジュバントで乳化し、そして皮下に注入することができる。最後の追加抗原注
入前に、免疫化したマウスから血清サンプルを採取しそしてウェスタンブロット
によりアッセイして、ニューロトロフィンと免疫反応する抗体の存在を確認する
ことができる。免疫化された動物からの血清をポリクローナル抗血清として使用
することができるか、もしくは、ニューロトロフィンを認識するポリクローナル
抗体を単離するのに使用することができる。あるいは、マウスを殺すことができ
、そしてモノクローナル抗体の生成のためそれらの脾を取り出すことができる。
【0035】 モノクローナル抗体を生成させるためには、脾を10mlの血清を含まないR
PMI 1640中に入れることができ、そして2mM L−グルタミン、1m
Mピルビン酸ナトリウム、100単位/mlペニシリンおよび100μg/ml
ストレプトマイシンで補充された血清を含まないRPMI 1640(RPMI
)(ギブコ(Gibco)、カナダ)中で脾をすりつぶすことにより、単一細胞
懸濁液を形成させる。細胞懸濁液を濾過することができ、そして遠心分離により
洗浄しかつ血清を含まないRPMIに再懸濁することができる。3匹の薬物投与
を受けたことのないBalb/cマウスから採取された胸腺細胞を、類似の様式
で調製し、そして供給層(feeder layer)として使用する。融合前
3日間、10%ウシ胎児血清(FBS)(ハイクローン ラボラトリーズ イン
ク(Hyclone Laboratories,Inc.)、ユタ州ローガン
)を含むRPMI中で対数期に保たれたNS−1骨髄腫細胞を、同様に遠心分離
かつ洗浄する。
【0036】 ハイブリドーマ融合物を製造するために、免疫化されたマウスからの脾細胞を
NS−1細胞と組み合わせかつ遠心分離し、そして上清を吸引する。チューブを
軽くたたくことにより細胞ペレットを移動させ、そして2mlの37℃のPEG
1500(75mM HEPES、pH8.0中50%)(ベーリンガー−マ
ンハイム(Boehringer−Mannheim))をペレット中に攪拌し
、次いで血清を含まないRPMIを添加する。その後、細胞を遠心分離し、15
%FBS、100μMヒポキサンチンナトリウム、0.4μMアミノプテリン、
16μMチミジン(HAT)(ギブコ(Gibco))、25単位/ml IL
−6(ベーリンガー マンハイム(Boehringer−Mannheim)
)および1.5×106個の胸腺細胞/mlを含有するRPMIに再懸濁し、そ
して10枚のコーニング(Corning)平底96穴組織培養プレート(コー
ニング(Corning)、ニューヨーク州コーニング)にプレート培養する。
【0037】 融合後第2、4および6日に、100μlの培地を融合プレートのウェルから
除去しそして新鮮培地で置き換える。第8日に、融合をELISAによりスクリ
ーニングして、ニューロトロフィンに結合するマウスIgGの存在について試験
する。選択された融合ウェルを、抗ニューロトロフィン抗体を産生するモノクロ
ーナル培養物が得られるまで、希釈によりさらにクローン化する。
【0038】 非ヒト抗体は当該技術分野で既知の方法のいずれかによりヒト化してよい。一
方法において、非ヒトCDRを、ヒト抗体もしくはコンセンサス抗体枠組み配列
(consensus antibody framework sequen
ce)中に挿入する。その後、親和性もしくは免疫原性を調節するように抗体枠
組みにさらなる変化を導入することができる。以下は、ヒト宿主中でそれらの血
清の半減期を向上させかつそれらをより少なく免疫原性にするため(すなわち非
ヒト抗ニューロトロフィン抗体に対するヒト抗体の応答を予防するため)モノク
ローナル抗体を「ヒト化する」ことによりヒトにおける治療薬としての抗ニュー
ロトロフィンモノクローナル抗体の利用性を向上させるためのプロトコルである
【0039】 ヒト化の原理は文献に記述されており、そして抗体タンパク質のモジュールの
配置により促進される。補体を結合する可能性を最小限にするためにはIgG4
アイソタイプのヒト化抗体が好ましい。
【0040】 例えば、ヒト抗体分子の定常ドメインとともに目的の非ヒト抗体タンパク質の
可変ドメインを含んで成るキメラ抗体を生成させることにより、あるレベルのヒ
ト化が達成される。(例えば、Morrisonら、Adv.Immunol.
、1989、44、65−92(そっくりそのまま引用することにより本明細書
に組み込まれる)を参照されたい)。ニューロトロフィンを中和する抗ニューロ
トロフィン抗体の可変ドメインは、B細胞ハイブリドーマのゲノムDNAもしく
は目的のハイブリドーマから単離されたmRNAから生成されたcDNAからク
ローン化する。V領域の遺伝子フラグメントを、ヒト抗体の定常ドメインをコー
ドするエキソンに連結し、そして結果として生じる構築物を、適する哺乳動物宿
主細胞(例えば骨髄腫もしくはCHO細胞)中で発現させる。
【0041】 より高レベルのヒト化さえ達成するためには、非ヒトモノクローナル抗体遺伝
子の抗原結合相補性決定領域(「CDR」)をコードする可変領域の遺伝子フラ
グメントのそれらの部分のみを、ヒト抗体配列中にクローン化する。(例えば、
Jonesら、Nature、1986、321、522−525、Riech
mannら、Nature、1988、332、323−327、Verhoe
yenら、Science、1988、239、1534−36、およびTem
pestら、Bio/Technology、1991、9、266−71(そ
れらのそれぞれはそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる
)を参照されたい)。必要な場合は、CDR3領域を取り巻くヒト抗体のβ−シ
ートの枠組みもまた、元のモノクローナル抗体の抗原結合ドメインの三次元構造
をより緊密に再現するように調節する。(Kettleboroughら、Pr
otein Engin.、1991、4、773−783、およびFoote
ら、J.Mol.Biol.、1992、224、487−499(それらのそ
れぞれはそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照
されたい)。
【0042】 代替の一アプローチにおいて、目的の非ヒトモノクローナル抗体の表面を、非
ヒト抗体の内部および接触残基の全部を保持しつつ、例えば部位特異的突然変異
誘発により非ヒト抗体の選択された表面残基を変えることによりヒト化する。P
adlan、Molecular Immunol.、1991、28、489
−98(そっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照
されたい。
【0043】 本発明の抗体は多様な方法での哺乳動物への投与のため処方してよい。いくつ
かの態様において、抗体は滅菌水性溶液もしくは血清のような生物学的液体中に
ある。水性溶液は緩衝されてももしくはされなくてもよく、また、付加的な活性
もしくは不活性成分を有する。付加的な成分は、イオン強度を調節するための塩
、限定されるものでないが抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤などを挙げることがで
きる保存剤、ならびにブドウ糖、D−ブドウ糖、ビタミンおよびミネラルを包含
する栄養素を包含する。あるいは、抗体は固体の形態での投与のため調製しても
よい。抗体は、限定されるものでないが;微晶質セルロース、トラガカントガム
もしくはゼラチンのような結合剤;デンプンもしくは乳糖のような賦形剤;アル
ギン酸、プリモゲル(Primogel)もしくはトウモロコシデンプンのよう
な分散剤;ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素
のような滑り剤(glidant);ショ糖もしくはサッカリンのような甘味料
;またはペパーミントもしくはサリチル酸メチルのような着香料を挙げることが
できる多数の不活性の担体もしくは賦形剤と組み合わせてよい。
【0044】 抗体もしくはそれらの製剤は、病気の組織に抗体を送達させるのに有効ないず
れかの手段により哺乳動物に投与してよい。こうした手段は、限定されるもので
ないが、腹腔内、静脈内、筋肉内、皮下、クモ膜下、心室内(intraven
tricular)、経口、腸内、非経口、鼻内もしくは皮膚を挙げることがで
きる。とりわけ、抗体もしくは抗体製剤は、液体製剤の非経口注入、または丸剤
、錠剤、カプセル剤中のような固体製剤もしくは乳剤および溶液のような液体製
剤の摂取により投与してよい。他の薬物送達系は、ヒドロゲル、ヒドロキシメチ
ルセルロース、マイクロカプセル、リポソーム、マイクロエマルジョン、ミクロ
スフェアなどを包含する。腫瘍のような病気の組織へ直接の抗体の局所的な注入
が、本発明の抗体の好ましい一投与方法である。リン酸緩衝生理的食塩水(PB
S)は注入可能な製剤の好ましい担体である。
【0045】 製薬学的に有効な量の治療薬を得るための抗体の投与は多様な因子に依存する
。例えば、患者の年齢、感受性、耐容性および他の特徴が投与量に影響を及ぼす
ことができる。新形成もしくは腫瘍の型、疾患の段階および腫瘍体積もまた投薬
量に影響を及ぼすことができる。さらに、使用された抗体の血漿レベルおよび半
減期、ならびにそれらの認識部位に対する親和性、ならびに主治医により慣例に
考慮される他の類似の因子を、有効な投与のため考慮する必要がある。ニューロ
トロフィン抗体の全身投与のため、約0.05mg/kg患者/日から約500
mg/kg患者/日までの範囲にわたる用量を使用することができるが、とは言
え範囲の下端の投薬量が単純に投与の容易さおよび費用効率のため好ましい。投
薬量は、例えば抗体の特定の一血漿レベルを提供するために例えば約5−30m
g/ml、より好ましくは約10−15mg/mlの範囲で、また、そのレベル
を例えばある時間の期間の間もしくは臨床結果が達成されるまで維持するために
調節してよい。よりゆっくりと排泄されることを期待することができるキメラお
よびヒト化抗体は、有効血漿レベルを維持するのにより低い投薬量を必要とする
とみられる。また、ニューロトロフィンに対する高親和性を有する抗体は、好ま
しくはより小さい親和性をもつ抗体より少なく頻繁にもしくはより低用量で投与
される。抗体の治療上有効な投薬量は、治療のクールの間に、腫瘍体積の低下、
腫瘍の成長速度の低下、もしくは理想的には癌性の疾患状態の完全な消失を示す
ことにより決定することができる。前立腺もしくは膵癌の段階の有効な測定もし
くは評価手段は、血中の前立腺特異的抗原(PSA)を測定すること、膵癌につ
いて生存時間を測定すること、前立腺および膵双方の癌について転移性の拡がり
の遅延もしくは阻害を測定すること、膵癌の組織学的格付けを測定すること、な
らびに膵癌についてCTによる。こうした手順は当業者に既知である。
【0046】 本発明はまた、腫瘍を最低1種の抗ニューロトロフィン剤と接触させることに
よる前立腺もしくは膵の腫瘍体積の低下方法も企図する。本発明はまた、腫瘍を
最低1種の抗ニューロトロフィン剤と接触させることによるさらなる腫瘍増殖の
予防方法もしくは腫瘍の増殖速度の低下方法も包含する。腫瘍部位への作用物質
の送達は、好ましくは腫瘍部位のもしくはその近くの組織中への直接の局所的な
注入により達成する。しかしながら、上に論考された手段による作用物質の全身
投与もまた本発明の範囲内にある。腫瘍の部位での局所注入は腫瘍内にもしくは
腫瘍周囲に、または双方の組み合わせで起こってよい。
【0047】 腫瘍部位での直接注入のためには、作用物質の投薬量は、他の変数のなかでも
腫瘍の型、腫瘍の段階および腫瘍体積を包含するいくつかの因子に依存する。腫
瘍体積による作用物質の典型的な治療的用量は、1注入あたり約0.01mg/
mm3から約10mg/mm3までの範囲にわたってよく、また、注入は必要とさ
れるくらい頻繁に投与してよい。例えば、腫瘍もしくは疾患状態が存在する時間
の間1日1回の注入は適切であるかもしれないが、しかし、癌の型、疾患の経過
および患者によって変動することができる。治療の治療的有効性は、治療のクー
ルの間の腫瘍体積の低下、もしくは腫瘍の増殖速度の阻害のいずれかにより示さ
れる。腫瘍の寸法からの腫瘍体積の測定は当業者に公知である。腫瘍体積の算出
は、以下の式:V(mm3)=0.5236×長さ(mm)×幅(mm)[長さ
(mm)+幅(mm)/2]で行うことができる。
【0048】 特定の治療の有効性の別の評価方法は、当該技術分野で公知の手段によりニュ
ーロトロフィンレセプターの阻害を評価することである。例えば、trkAは、
Angelesら、Anal.Biochem.、1996、236、49(そ
っくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)に示されるところ
のELISAに基づく酵素アッセイを使用して活性について試験することができ
る。別の評価方法はラット基底前脳におけるChAT活性を測定することである
【0049】 本発明の他の態様において、抗ニューロトロフィン剤は疼痛を予防するもしく
は低下させるために哺乳動物に投与される。作用物質、量およびその投与は上述
されている。
【0050】 当業者は、本発明の好ましい態様に対し多数の変更および改変を行うことがで
きること、ならびにこうした変更および改変は本発明の技術思想から離れること
なく行うことができることを認識するであろう。従って、付属として付けられる
請求の範囲は、本発明の真の技術思想および範囲内にあるところの全部のこうし
た同等の変形物を包含することを意図している。
【0051】 以下の実施例は全部実際であり、そして本発明の範囲を制限することを意図し
ていない。 実施例 実施例1:抗NGFによるtrkレセプターの中和 CEP−751に応答することが以前に示されている(Dionneら、Cl
in.Canc.Res.、1998、4、187−1898)PC−3および
/もしくはTSU−pr1異種移植片に抗体を注入した。以下の実験を実施して
抗ニューロトロフィン抗体の中和能力を確認した。
【0052】 抗NGF抗体はNIH3T3−trkA細胞中でtrkのリガンドに刺激され
る自己リン酸化を低下させる。NGF(10ng/ml)を、6mlの組織培地
中で変動する濃度の抗体とともに前インキュベートした。NGF/抗体混合物を
NIH3T3−trkA細胞に添加した。pan−Trk抗体CEP−21を用
いてTrkタンパク質をライセートから免疫沈降させ、そして、抗ホスホチロシ
ン抗体4G10を用いてイムノブロット上でサンプルをプロービングした。デン
シトメーター走査値(積分されたOD単位)は以下のとおりであった(NGF(
10ng/ml)/抗NGF(μg/ml)として示される:−/−レーン、0
.3;+/−レーン、6.5;0.001mg/ml、5.0;0.01mg/
ml、4.5;0.1mg/ml、2.5;1.0mg/ml、3.1;10.
0mg/ml、2.1;100mg/ml、1.1)。従って、100μg/m
lの抗NGF(ペプロテック インク(PeproTech,Inc.)、50
0−P85)は、10ng/mlのNGFで5分間処理された細胞中で、抗NG
F処理なしに関してtrkリン酸化をおよそ80%低下させる。 実施例2:抗NT−3によるtrkレセプターの中和 抗NT−3抗体はNIH3T3−trkC細胞中でtrkのリガンドに刺激さ
れる自己リン酸化を低下させる。NT−3(10ng/ml)を、6mlの組織
培地中で変動する濃度の抗体とともに前インキュベートした。NT−3/抗体混
合物をNIH3T3−trkC細胞に添加した。pan−Trk抗体CEP−2
1を用いてTrkタンパク質をライセートから免疫沈降させ、そして、抗ホスホ
チロシン抗体4G10を用いてイムノブロット上でサンプルをプロービングした
。デンシトメーター走査値(積分されたOD単位)は以下のとおりであった(N
T−3(10ng/ml)/抗NT−3(μg/ml)として示される:−/−
レーン、0.1;+/−レーン、4.0;IgG、7.5;0.001mg/m
l、6.2;0.01mg/ml、4.0;0.1mg/ml、3.6;1.0
mg/ml、7.8;10.0mg/ml、1.2)。従って、10μg/ml
の抗NT−3(ペプロテック(PeproTech)500−P82)は、10
ng/mlのNT−3で5分間処理された細胞中で、抗NGF処理なしに関して
trkリン酸化をおよそ70%低下させる。
【0053】 以下の実施例は本発明の抗体の抗腫瘍活性についての実験の結果を示す。これ
らの実験で使用された腫瘍モデルは、好ましい前臨床動物モデルとして当業者に
公知であるヌードマウスでの前立腺癌および膵癌異種移植片であり、これらはイ
ンビボの臨床結果と相関する。対応するヒト疾患へのこれらの異種移植片モデル
の特定の関連性を示す現在の参考文献は、Plonowskiら、Cancer
Res.、1999、59、1947、Josephら、Cancer Re
s.、1997、57、1054、Pinskiら、Int.J.Cancer
、1993、55、963、Gaoら、Cancer Res.、1998、5
8、1391およびTanら、Tumour Biology、1985、6、
89を包含する。 実施例3:ニューロトロフィン抗体によるPC−3前立腺癌異種移植片の増殖の
阻害 以下のニューロトロフィン抗体を使用した。すなわち、抗NGF(ペプロテッ
ク(PeproTech)500−P85)、抗BDNF(ペプロテック(Pe
proTech)500−P84)、抗NT−3(ペプロテック(PeproT
ech)500−P82)および抗NT4/5(ペプロテック(PeproTe
ch)500−P83)。抗NGFおよび抗NT3抗体は、培養された細胞のニ
ューロトロフィン処理後にtrkAおよびtrkC自己リン酸化を封鎖する。該
抗体のそれぞれは、バイオアッセイ(ChAT活性をラット基底前脳細胞培養物
中で測定する)でそのコグネイトのニューロトロフィンの活性を封鎖することが
示されている。
【0054】 PC−3ヒト前立腺腫瘍細胞(5×106個の細胞/マウス)を、8ないし1
0週齢の雌性無胸腺ヌードマウス(nu/nu;チャールズリバー(Charl
es River)、ノースカロライナ州ローリー)の横腹に皮下に注入した。
マウスは、腫瘍埋植の日に22〜25グラムの間の体重があった。異種移植片が
100〜500mm3に達した際に、マウスを無作為化し、そして実験群に分割
した。いくつかの実験群には、滅菌1×PBS(100μlの総容積)中のニュ
ーロトロフィン抗体のカクテル(抗NGF、BDNF、NT−3およびNT4/
5の各4×25μgもしくは各4×100μg)または正常ウサギIgG(10
0μgもしくは400μg;ペプロテック(PeproTech)500−P0
0)を投与した。全部の抗体は、5注入部位で腫瘍内に(50μl)また、5注
入部位で腫瘍周囲に皮下に(50μl)投与した。実験1において、マウスは第
1、3、5、8、10、12および15日に1日1回抗体の注入を受領した。第
15日の後は抗体を投与しなかった。実験2において、マウスは第1、3、6、
8、10、13日に1日1回抗体の注入を受領した。4×100μgのニューロ
トロフィン抗体を受領する1匹のマウスが、第13日に説明できない原因で死亡
した。腫瘍の長さおよび幅を2ないし3日ごとに測定した。CEP−751を、
異なる機関で増殖されたPC−3異種移植片について以前に示されたとおり腫瘍
がCEP−751に応答性であったことを確かめるための対照として別個の実験
群に投与した。マウスは、22日間、1週あたり7日、ベヒクル(40%ポリエ
チレングリコール、10%ポビドンC30および2%ベンジルアルコール;10
0μl)もしくはベヒクル(100μl)中のCEP−751(10mg/kg
s.c.1日2回)を受領した。腫瘍の長さおよび幅を2ないし3日ごとに測
定した(第1、3、5、8、10、12、15、17、19および22日)。
【0055】 腫瘍体積は、(長さ×幅(長さ+幅)/2))×0.526(Isaacs、
Canc.Res.、1989、49、6290−6294(そっくりそのまま
引用することにより本明細書に組み込まれる))として算出した。腫瘍体積の平
均および標準誤差を算出した(SigmaStat、ジャンデル サイエンティ
フィック(Jandel Scientific)、カリフォルニア州サンラフ
ェル)。分析の最終日の腫瘍体積の平均から2標準偏差より大きいだけ逸脱した
分析の最終日の腫瘍体積を伴ういかなるマウスも、すべてのデータ点での分析か
ら除去した。相対腫瘍体積を(平均vt/平均vo)として算出し、ここでvt
所定の日の腫瘍体積を指し、かつ、voは投与の開始時(第1日)の同一の腫瘍
の体積である。分析の最終日の相対腫瘍体積の平均から2標準偏差より大きいだ
け逸脱した分析の最終日の相対腫瘍体積を伴ういかなるマウスも、すべてのデー
タ点での分析から除去した。確率値はMann−Whitney順位和検定(S
igmastat)により算出した。
【0056】 実験1 ニューロトロフィン抗体の投与は、IgG対照で処理された腫瘍に関
してPC−3腫瘍の増殖を阻害した。ニューロトロフィン抗体で処理された腫瘍
の相対的体積は、第3日までにIgG対照群より有意により小さくなり(p≦0
.05)、そして第22日の実験の終了までより小さいまま留まった(p≦0.
05、第5日、p≦0.01、第8日;p≦0.001、第10−22日)。腫
瘍の有意の退縮は第10(35%;p≦0.001)および12日(25%;p
≦0.05)で観察された。中和抗体処理を中止した(第15日)後、腫瘍の再
増殖が第22日までに観察された(0.95の相対腫瘍体積、第22日対0.7
7の相対腫瘍体積、第15日)。IgG対照群と比較したニューロトロフィン抗
体で処理された腫瘍の絶対的体積は第15日まで有意により小さくなり(p≦0
.05)、実験の終了までより小さいまま留まり(p≦0.05、第17日;p
≦0.01、第19および22日)、そして第17日に0.33の最小のT/C
に達した。
【0057】 CEP−751の投与は、ベヒクル対照に関してPC−3腫瘍の増殖を阻害し
た。CEP−751で処理された腫瘍の相対的体積は、第12(p≦0.05)
、17(p≦0.01)、19(p≦0.05)および22日(p≦0.01)
にベヒクル対照群より有意により小さかった。CEP−751で処理された腫瘍
の絶対的体積は、第17日(p≦0.01)および第22日(p≦0.05)に
ベヒクル対照群に比較して有意により小さく、また、第19日までに0.44の
最小のT/Cに達した。
【0058】 実験2 抗体(抗NGF、BDNF、NT−3およびNT4/5の各4×25
μgもしくは各4×100μg)の投与はIgG対照で処理された腫瘍に関して
PC−3腫瘍の増殖を阻害した。ニューロトロフィン抗体で処理された腫瘍の相
対的体積は、第3日までにIgG対照群より有意により小さくなり(p≦0.0
5;100mgニューロトロフィンカクテル対100μg正常IgG;400μ
gニューロトロフィンカクテル対400μg正常IgG)、そして実験の終了ま
でより小さいまま留まった。腫瘍の有意の退縮(400μgニューロトロフィン
カクテル対400μg正常IgG)が、第10日(31%;p≦0.05)およ
び第13日(19%;p≦0.05)に観察された。IgG対照群に比較したニ
ューロトロフィン抗体で処理された腫瘍の絶対的体積は、第8日(100μgニ
ューロトロフィンカクテル対100μg正常IgG)および第6日(400μg
ニューロトロフィンカクテル対400μg正常IgG)までに有意により小さく
なり(p≦0.05)、実験の終了までより小さいまま留まり(p≦0.005
、100μgニューロトロフィンカクテル対100μg正常IgGおよび400
μgニューロトロフィンカクテル対400μg正常IgGの双方について第10
、13、15日)、そして第15日に0.26の最小のT/C(100μgニュ
ーロトロフィンカクテル対100μg正常IgG)もしくは第13日に0.17
の最小のT/C(400μgニューロトロフィンカクテル対400μg正常Ig
G)に達した。 実施例4:ニューロトロフィン抗体によるTSU−Pr1前立腺癌異種移植片の
増殖の阻害 実験1 以下のニューロトロフィン抗体を使用した。すなわち、抗NGF(ペ
プロテック(PeproTech)500−P85)、抗BDNF(ペプロテッ
ク(PeproTech)500−P84)、抗NT−3(ペプロテック(Pe
proTech)500−P82)および抗NT4/5(ペプロテック(Pep
roTech)500−P83)。
【0059】 TSU−Pr1ヒト前立腺腫瘍細胞を、雌性無胸腺ヌードマウス(nu/nu
;5×106個の細胞/マウス)の横腹に皮下に注入した。異種移植片が100
〜500mm3に達した際に、マウスを無作為化し、そして4実験群に分割した
。一群にはニューロトロフィン抗体(抗NGF、BDNF、NT−3およびNT
4/5)のカクテルを投与した。抗体カクテル(100μl)の各用量は100
μgの各ニューロトロフィン抗体を含有した。第二の実験群には対照として正常
ウサギIgG(400μg/100μl;ペプロテック(PeproTech)
500−P00)を投与した。全部の抗体を、5注入部位で腫瘍内に(50μl
)および5注入部位で腫瘍周囲に(50μl)投与した。マウスは1週あたり3
日、第1、3、5、8、10および12日に1日1回の抗体の注入を受領した。
腫瘍の長さおよび幅を2ないし3日ごとに測定した(第1、3、5、8、10、
12および15日)。
【0060】 第三の実験群は、14日間、1週あたり5日、ベヒクル(40%ポリエチレン
グリコール、10%ポビドンC30および2%ベンジルアルコール)中のCEP
−701、10mg/kg scを1日2回受領した。第四の実験群は、第三の
実験群の投与スケジュールに従ってベヒクルのみ(100μl)を受領した。腫
瘍の長さおよび幅を2ないし3日ごとに測定した(第1、3、5、8、10、1
2および15日)。
【0061】 腫瘍体積を上述されたとおり算出した。腫瘍体積の平均および標準誤差を上述
されたとおり算出した。腫瘍体積の平均から2標準偏差より大きいだけ逸脱した
腫瘍体積を伴ういかなるマウスも、すべてのデータ点での分析から除去した。相
対腫瘍体積について、所定のマウスの各データ点を、投与の開始時(第1日)の
そのマウスの腫瘍体積に対し正規化した。確率値は上述されたとおり算出した。
実験群のいずれにおいても死亡もしくは病的状態は観察されず、CEP−701
および中和抗体がこれらの動物で良好に耐えられることを示した。
【0062】 ニューロトロフィン抗体の投与は、IgG対照群における腫瘍体積に関してよ
り小さい相対腫瘍体積をもたらした。ニューロトロフィン抗体で処理された腫瘍
の相対的腫瘍体積は、第5日までにIgG処理された対照群での相対腫瘍体積よ
り有意により小さくなり(p≦0.0001)、そして実験の残余の間中、より
小さいまま留まった(p≦0.01 第8および10日;p≦0.0001 第
12および15日)。IgG対照群と比較したニューロトロフィン抗体で処理さ
れた腫瘍の絶対的体積は第10日までに有意により小さくなり(p≦0.05)
、実験の終了までより小さいまま留まり(p≦0.001、第12日;p≦0.
01、第15日)、そして第15日に0.41の最小のT/Cに達した。
【0063】 CEP−701の投与はベヒクル対照群での腫瘍体積に関してより小さい相対
腫瘍体積をもたらした。CEP−701で処理された腫瘍の相対腫瘍体積は、第
3日までにベヒクル処理された対照群より有意により小さくなり(p≦0.05
)、そして実験の終了までより小さいまま留まった(p≦0.01、第5日;p
≦0.05、第8日;p≦0.01 第10および12日;p≦0.001 第
15日)。CEP−701で処理された腫瘍の絶対的体積は、第8日にベヒクル
対照群に比較して有意により小さく(p≦0.05)、実験の終了までより小さ
いまま留まり(p≦0.05、第10日;p≦0.001 第12および15日
)、そして第12および15日に0.29の最小のT/Cに達した。
【0064】 正常IgGで処理された腫瘍は、CEP−701のベヒクルで処理されたもの
よりゆっくりと増殖していたようであるが;しかしながら、実験の間のいかなる
時点でも、これら二群間の腫瘍体積もしくは相対腫瘍体積の有意の(p≦0.0
5)差異は存在しなかった。
【0065】 この実験は、ニューロトロフィン抗体がTSU−Pr1異種移植片の増殖を阻
害することを立証する。中和抗体で処理された腫瘍の相対腫瘍体積は、第5日(
p≦0.0001)、第8および10日(p≦0.01)ならびに第12および
15日(p≦0.0001)に正常IgG処理された対照群より有意により小さ
かった。ニューロトロフィン抗体が正常IgGに関して腫瘍増殖を阻害したため
、ニューロトロフィン抗体の効果は、腫瘍中へのIgGの注入からの一般的効果
に反して、trkニューロトロフィンレセプターによるニューロトロフィンシグ
ナル伝達を封鎖することによりことがありそうである。
【0066】 実験2 以下のニューロトロフィン抗体を使用した。すなわち、抗NGF(ペ
プロテック(PeproTech)500−P85)、抗BDNF(ペプロテッ
ク(TeproTech)500−P84)、抗NT−3(ペプロテック(Pe
proTech)500−P82)および抗NT4/5(ペプロテック(Pep
roTech)500−P83)。
【0067】 TSU−Pr1ヒト前立腺腫瘍細胞を、雌性無胸腺ヌードマウス(nu/nu
;5×106個の細胞/マウス)の横腹に皮下に注入した。異種移植片が100
〜500mm3に達した際に、マウスを無作為化し、そして6実験群に分割した
。第一群には、用量あたり抗NGF(100μg)+正常ウサギIgG(300
μg)を投与した。第二群には、用量あたり抗NT−3(100μg)+正常ウ
サギIgG(300μg)を投与した。第三群には、用量あたり抗NT4/5(
100μg)+正常ウサギIgG(300μg)を投与した。第四群には、用量
あたり抗BDNF(100μg)+正常ウサギIgG(300μg)を投与した
。第五群にはニューロトロフィン抗体のカクテル(抗NGF、BDNF、NT−
3およびNT4/5(用量あたり100μgの各抗体))を投与した。第六の実
験群には対照として正常ウサギIgG(用量あたり400μg;ペプロテック(
PeproTech)500−P00)を投与した。各用量(100μl PB
Sあたり400μgの総タンパク質)は、1週あたり3日、第1、3、6、8、
10および13日に1日1回、5注入部位で腫瘍内に(50μl)および5注入
部位で腫瘍周囲に(50μl)注入した。腫瘍の長さおよび幅を2ないし3日ご
とに測定した(第1、3、6、8、10、13および15日)。
【0068】 腫瘍体積を上述されたとおり算出した。腫瘍体積の平均および標準誤差もまた
上述されたとおり算出した。腫瘍体積の平均から2標準偏差より大きいだけ逸脱
した腫瘍体積を伴ういかなるマウスも、すべてのデータ点での分析から除去した
。相対腫瘍体積について、所定のマウスの各データ点を投与の開始時(第1日)
のそのマウスの腫瘍体積に対して正規化した。確率値は上述されたとおり算出し
た。実験群のいずれにおいても死亡もしくは病的状態は観察されず、中和抗体が
これらの動物で良好に耐えられることを示した。
【0069】 ニューロトロフィン抗体のカクテル(抗NGF、抗NT−3、抗BDNFおよ
び抗NT−4/5)、抗NGFもしくは抗NT−3は、正常ウサギIgGに関し
て腫瘍増殖を阻害した。抗NT−4/5も抗BDNFも正常ウサギIgGに関し
て腫瘍増殖に対する有意の効果を有しなかった。ニューロトロフィン抗体カクテ
ルを受領した群の相対腫瘍体積は、第3日(p≦0.01)および第8日(p≦
0.05)までにIgG対照群の相対腫瘍体積より有意に小さくなり、その後実
験の残余の間中、より小さいまま留まった(p≦0.01 第10、13および
15日)。抗NGFで処理された腫瘍の相対腫瘍体積は、第3日までに、IgG
処理された対照群での相対腫瘍体積より有意により小さくなり(p≦0.001
)、そして実験の残余の間中、より小さいまま留まった(p≦0.001 第6
日;p≦0.01 第8日;p≦0.001 第10日;p≦0.01 第13
日;p≦0.001 第15日)。抗NT−3で処理された腫瘍の相対腫瘍体積
は、第6日までにIgG対照群での腫瘍より有意により小さくなり(p≦0.0
5)、そして実験の残余の間中、より小さいまま留まった(p≦0.01 第8
日;p≦0.001 第10日;p≦0.01 第13日;p≦0.001 第
15日)。
【0070】 ニューロトロフィン抗体カクテル群の絶対腫瘍体積は、IgG処理された対照
群に比較して有意により小さくなり(p≦0.05、第8日;p≦0.01、第
10、13および15日)、そして第13日に0.52の最小のT/Cに達した
。抗NGFを受領した群の絶対腫瘍体積は、IgG処理された対照群に比較して
有意により小さくなり(p≦0.05、第3日;p≦0.001、第6、8、1
0、13日;およびp≦0.01 第15日)、そして第13日までに0.34
の最小のT/Cに達した。退縮が第3日(20%、p≦0.001)、第6日(
31%、p≦0.01)、第8日(35%、p≦0.001)、第10日(35
%、p≦0.01)および第13日(37%、p≦0.01)に抗NGF群で観
察された。抗NT−3を受領した群の絶対腫瘍体積は、IgG処理された対照に
比較して有意により小さくなり(p≦0.05、第6日;p≦0.01 第8、
10、13および15日)、そして第13日までに0.38の最小のT/Cに達
した。退縮が第8日(16%、p≦0.001)、第10日(33%、p≦0.
001)および第13日(29%、p≦0.01)に抗NT−3群で観察された
【0071】 ニューロトロフィン抗体カクテルに関する抗NGFもしくは抗NT−3の効果
の比較は、これらの個々のニューロトロフィン抗体のそれぞれがニューロトロフ
ィン抗体カクテルより効果的に腫瘍増殖を一時的に阻害したことを立証した。抗
NGF群の相対および絶対腫瘍体積は、第8日(p≦0.01)および第10日
(p≦0.05)にニューロトロフィン抗体カクテル群より有意により小さかっ
た。抗NGFは第8および10日に正常ウサギIgGに関して腫瘍増殖をそれぞ
れ57および64パーセントだけ阻害した一方、ニューロトロフィン抗体カクテ
ルは第8および10日に正常ウサギIgGに関して増殖をそれぞれ32および4
3パーセントだけ阻害した。抗NT−3群の相対腫瘍体積は、第10日(p≦0
.05)にニューロトロフィン抗体カクテル群より有意により小さかった。抗N
T−3は第10日に正常ウサギIgGに関して腫瘍増殖を60パーセントだけ阻
害した一方、ニューロトロフィン抗体カクテルは第10日に正常ウサギIgGに
関して増殖を43パーセントだけ阻害した。この実験からの結果は、抗NGFも
しくは抗NT−3が、ニューロトロフィン抗体カクテル(抗NGF、抗NT−3
、抗BDNFおよび抗NT−4/5)と同じくらい良好に、そして一時的にはそ
れより良好にTSU−Pr1異種移植片の増殖を阻害することを立証する。
【0072】 100μgの用量では、抗NT−4/5も抗BDNFもヌードマウス中でのT
SU−Pr1腫瘍の増殖に対し有意の効果を有しなかったとは言え、異なるNT
−4/5もしくはBDNF中和抗体、またはこれらの抗体の異なる濃度が腫瘍増
殖に対する有意な効果をもたらすことができることが可能である。TSU−Pr
1細胞中でのtrkB発現を分析する以前のデータは、trkBがこの細胞系で
発現されていないことを示した(Dionneら、1998)。BDNFおよび
NT−4/5は主としてtrkBによりシグナル伝達する(Barbacid、
1995;Ibanez、1995)ため、われわれの実験で観察された効果の
欠如はレセプターの非存在と矛盾しない。 実施例5:ニューロトロフィン抗体によるAsPC−1膵癌異種移植片の増殖の
阻害 以下のニューロトロフィン抗体を使用した。すなわち、抗NGF(ペプロテッ
ク(PeproTech)500−P85)、抗BDNF(ペプロテック(Pe
proTech)500−P84)、抗NT−3(ペプロテック(PeproT
ech)500−P82)および抗NT4/5(ペプロテック(PeproTe
ch)500−P83)。
【0073】 AsPC−1ヒト膵腫瘍細胞を、雌性無胸腺ヌードマウス(nu/nu;5×
106個の細胞/マウス)の横腹に皮下に注入した。異種移植片が100〜50
0mm3に達した際に、マウスを無作為化し、そして4実験群に分割した。一群
にはニューロトロフィン抗体のカクテル(抗NGF、BDNF、NT−3および
NT4/5)を投与した。抗体カクテルの各用量(100μl)は各ニューロト
ロフィン抗体100μgを含有した。第二の実験群には対照として正常ウサギI
gG(400μg/100μl;ペプロテック(PeproTech)500−
P00)を投与した。全部の抗体は、5注入部位で腫瘍内に(50μl)および
5注入部位で腫瘍周囲に(50μl)投与した。マウスは、1週あたり3日、第
1、3、5、8、10および12日に1日に1回抗体の注入を受領した。腫瘍の
長さおよび幅を2ないし3日ごとに測定した(第1、3、5、8、10、12お
よび15日)。第三の実験群は、14日間、1週あたり5日、ベヒクル(40%
ポリエチレングリコール、10%ポビドンC30および2%ベンジルアルコール
)中のCEP−701、10mg/kg scを1日2回受領した。第四の実験
群は、第三の実験群の投与スケジュールに従ってベヒクルのみ(100μl)を
受領した。腫瘍の長さおよび幅を2ないし3日ごとに測定した(第1、3、5、
8、10、12および15日)。
【0074】 腫瘍体積を上述されたとおり算出した。腫瘍体積の平均および標準誤差もまた
上述されたとおり算出した。腫瘍体積の平均から2標準偏差より大きいだけ逸脱
した腫瘍体積を伴ういかなるマウスも、すべてのデータ点で分析から除去した。
相対腫瘍体積について、所定のマウスの各データ点を投与の開始時(第1日)の
そのマウスの腫瘍体積に対し正規化した。確率値は上述されたとおり算出した。
実験群のいずれでも死亡もしくは病的状態は観察されず、CEP−701および
中和抗体がこれらの動物で良好に耐えられることを示した。
【0075】 ニューロトロフィン抗体の投与は、IgG対照群での腫瘍体積に比較してより
小さい相対腫瘍体積をもたらした。ニューロトロフィン抗体で処理された腫瘍の
相対腫瘍体積は、IgG処理された対照群より第5、10、12および15日に
有意により小さかった(p≦0.05)。IgG対照群と比較したニューロトロ
フィン抗体で処理された腫瘍の絶対的体積は、第5日までに有意により小さくな
り(p≦0.01)、実験の終了までより小さいまま留まり(p≦0.01、第
8、10、12および15日)、そして第15日に0.43の最小のT/Cに達
した。
【0076】 CEP−701の投与はベヒクル対照群での腫瘍体積に比較してより小さい相
対腫瘍体積をもたらした。CEP−701で処理された腫瘍の相対腫瘍体積は、
第3日までにベヒクル処理された対照群より有意により小さくなり(p≦0.0
1)、そして実験の終了までより小さいまま留まった(p≦0.001、第5日
;p≦0.01、第8日;p≦0.001 第10日、p≦0.01 第12日
;およびp≦0.001 第15日)。CEP−701で処理された腫瘍の絶対
的体積は、第5日にベヒクル対照群と比較して有意により小さく(p≦0.05
)、実験の終了までより小さいまま留まり(p≦0.05、第8、10、12お
よび15日)、そして第15日に0.27の最小のT/Cに達した。
【0077】 この実験は、ニューロトロフィン抗体がAsPC−1異種移植片の増殖を阻害
することを立証する。ニューロトロフィン抗体は正常IgGに関して腫瘍増殖を
阻害したため、ニューロトロフィン抗体の効果は、腫瘍中へのIgGの注入から
の一般的効果に反して、trkニューロトロフィンレセプターによるニューロト
ロフィンのシグナル伝達を封鎖することによることがありそうである。正常Ig
Gで処理された腫瘍は、CEP−701のベヒクルで処理されたものよりゆっく
りと増殖していたようであるが;しかしながら、実験の間のいずれの時点でも、
これら2群間に腫瘍体積もしくは相対腫瘍体積に有意の(p≦0.05)差異は
存在しなかった。 実施例6:ニューロトロフィン抗体で処理されたCFPAC膵腫瘍異種移植片の
比較の結果 以下のニューロトロフィン抗体を使用した。すなわち、抗NGF(ペプロテッ
ク(PeproTech)500−P85)、抗BDNF(ペプロテック(Pe
proTech)500−P84)、抗NT−3(ペプロテック(PeproT
ech)500−P82)および抗NT4/5(ペプロテック(PeproTe
ch)500−P83)。
【0078】 ヒト膵癌細胞系AsPC−1およびCFPACを、10%ウシ胎児血清(アト
ランタ バイオロジカルズ(Atlanta Biologicals)、ジョ
ージア州ノーコス)を含有するそれぞれRPMIもしくはDMEM培地(セルグ
ロ/メディアテック(Cellgro/Mediatech)、ワシントンDC
)中、95%空気/5% CO2雰囲気をもつ加湿インキュベーター中37℃で
増殖させた。細胞がマイコプラズマおよびげっ歯類ウイルスを含まないことを決
定した(MAP試験)。指数的に増殖する細胞を、トリプシン/EDTA(ギブ
コBRL(GibcoBRL)、メリーランド州ロックビル)を使用して収穫し
、そしてトリパンブルー(フィッシャー サイエンティフィック(Fisher
Scientific)、フィラデルフィア州マルバーン)を使用して計数し
た。細胞をマトリゲル(Matrigel)(フィッシャー サイエンティフィ
ック(Fisher Scientific))と1:1で適切な増殖培地に再
懸濁した。
【0079】 雌性無胸腺nu/nuマウス(8〜10週齢;チャールズリバー(Charl
es River)、ノースカロライナ州ローリー)を、マイクロアイソレータ
ー装置中でケージあたり5匹で維持した。動物に商業的飼料および水を随意に与
え、48±2%湿度および22±2℃で収容し、そして明−暗周期を12時間間
隔に設定した。マウスを実験操作の前、最低1週間検疫した。マウスは腫瘍細胞
の接種の日に22と25gとの間の体重があった。上述されたとおり培養した指
数的に増殖する細胞を収穫し、そしてヌードマウスの右横腹に注入(5×106
個の細胞/マウス)した。接種後10日の100〜400mm3(AsPC−1
)もしくは100〜900mm3(CFPAC)の腫瘍を担持する動物を適切な
群に無作為化した。ニューロトロフィン中和抗体のカクテル(抗NGF、抗BD
NF、抗NT−3および抗NT4/5;100μlの総容量中各抗体100μg
、腫瘍内に50μlおよび腫瘍周囲に50μl)もしくは正常ウサギIgG(4
00μg/100μl、腫瘍内に50μlおよび腫瘍周囲に50μl)で処理を
開始した。マウスは、抗体もしくは正常ウサギIgGの注入を、1週あたり3日
、第1、3、5、8、10および12日に1日1回受領した。
【0080】 腫瘍はノギスを使用して2〜4日ごとに測定した。腫瘍体積を上述されたとお
り算出した。腫瘍体積の平均および標準誤差もまた上述されたとおり算出した。
分析の最終日の腫瘍体積の平均から2標準偏差より大きいだけ逸脱した分析の最
終日の腫瘍体積をもついかなるマウスも、すべてのデータ点での分析から除去し
た。統計学的解析は上述されたとおり算出し、p≦0.05を有意と考えた。
【0081】 AsPC−1異種移植片へのニューロトロフィン抗体(抗NGF、抗BDNF
、抗NT−3および抗NT4/5)の投与は、IgG対照群での腫瘍体積に比較
してより小さい相対腫瘍体積をもたらした。ニューロトロフィン抗体で処理され
た腫瘍の相対腫瘍体積は、第5日に開始してIgG処理された対照群より有意に
より小さくなり(p≦0.05)、そして第10日から実験の終了までより小さ
いまま留まった。IgG処理された対照動物と比較したニューロトロフィン抗体
で処理された腫瘍の絶対的体積は、第5日までに有意により小さくなり(p≦0
.01)、実験の終了までより小さいまま留まり、そして第15日に腫瘍増殖の
最大の55パーセントの阻害に達した。
【0082】 ニューロトロフィン中和抗体の投与は、IgG対照で処理された腫瘍に関して
CFPAC腫瘍の増殖を阻害しなかった。ニューロトロフィン中和抗体による阻
害の欠如は、これらの異種移植片が増殖についてニューロトロフィンに依存しな
いことを示唆する。CFPACの非応答性は、CFPAC腫瘍の増殖がpan−
trk阻害剤CEP−701での処理に非感受性であった一方、AsPC−1腫
瘍の増殖がCEP−701により阻害されたという以前に発表されたデータと矛
盾しない。
【0083】 実験群において中和抗体に関連した病的状態の兆候もしくは死亡は明らかでな
く、また、体重は中和抗体で処理された動物と正常ウサギIgGで処理された動
物との間で比較可能であった(表2および4)。これらのデータは、中和抗体が
、有意の抗腫瘍の有効性が観察された用量で、動物により良好に耐えられたこと
を示す。
【0084】
【表1】
【0085】 ASPC1腫瘍を担持するヌードマウスを、中和抗体(100μgの各抗体/1
00μl、第1、3、5、8、10および12日に腫瘍内および腫瘍周囲に1日
1回)もしくは滅菌PBS中の正常ウサギIgG(100μg/100μl、第
1、3、5、8、10および12日に腫瘍内および腫瘍周囲に1日1回)で処理
した。腫瘍体積を2〜3日ごとに測定した。値は相対腫瘍体積の平均±SEであ
る。カッコ内の値は実際の腫瘍体積の平均±SE(mm3)である。*p≦0.0
5、**p≦0.01(Mann−Whitney順位和検定による)。
【0086】
【表2】
【0087】 ASPC1腫瘍を担持するヌードマウスを、中和抗体(100μgの各抗体/1
00μl、第1、3、5、8、10および12日に腫瘍内および腫瘍周囲に1日
1回)もしくは滅菌PBS中の正常ウサギIgG(100μg/100μl、第
1、3、5、8、10および12日に腫瘍内および腫瘍周囲に1日1回)で処理
した。値は体重の平均±SEである。
【0088】
【表3】
【0089】 CFPACを担持するヌードマウスを、中和抗体(100μgの各抗体/100
μl、第1、3、5、8、10、12日に腫瘍内および腫瘍周囲に1日1回)も
しくは滅菌PBS中の正常ウサギIgG(400μg/100μl、第1、3、
5、8、10および12日に腫瘍内および腫瘍周囲に1日1回)で処理した。腫
瘍体積を3〜4日ごとに測定した。値は相対腫瘍体積の平均±SEである。カッ
コ内の値は実際の腫瘍体積の平均±SE(mm3)である。
【0090】
【表4】
【0091】 CFPACを担持するヌードマウスを、中和抗体(100μgの各抗体/100
μl、第1、3、5、8、10、12日に腫瘍内および腫瘍周囲に1日1回)も
しくは滅菌PBS中の正常ウサギIgG(400μg/100μl、第1、3、
5、8、10および12日に腫瘍内および腫瘍周囲に1日1回)で処理した。体
重を3〜4日ごとに測定した。値は体重の平均±SE(g)である。 実施例7:個々に算出された腫瘍体積および体重 上述されたとおり培養した指数的に増殖する細胞を収穫し、そしてヌードマウ
スの右横腹に注入した(5×106個の細胞/マウス)。100〜500mm3
大きさの腫瘍を担持する動物を、適切な群、ならびにニューロトロフィン(抗N
GF、抗BDNF、抗NT−3および抗NT−4/5)中和抗体のカクテル(1
00μlの総容積中100μgの各抗体、腫瘍内に50μlおよび腫瘍周囲に5
0μl)もしくは正常ウサギIgG(400μg/100μl、腫瘍内に50μ
lおよび腫瘍周囲に50μl)を使用することを用いる投与に無作為化した。マ
ウスは、1週あたり3日、第1、3、5、8、10および12日に1日1回抗体
の注入を受領した。
【0092】 腫瘍はノギスを使用して2〜3日ごとに測定した。腫瘍体積、腫瘍体積の平均
および標準誤差もまた上述されたとおり算出した。相対腫瘍体積は以下の式、す
なわち平均vt/平均voを使用してすべてのデータ点で決定し、ここでvtは所
定の日の腫瘍体積を指し、また、voは投与の開始時(第1日)の腫瘍体積を指
す。分析の最終日の腫瘍体積の平均から2標準偏差より大きいだけ逸脱した分析
の最終日の腫瘍体積を伴ういかなるマウスも、すべてのデータ点での分析から除
去した。統計学的解析は上述されたとおり算出し、p≦0.05を有意と考えた
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
【表7】
【0096】
【表8】
【0097】
【表9】
【0098】
【表10】
【0099】
【表11】
【0100】
【表12】
【0101】
【表13】
【0102】
【表14】
【0103】
【表15】
【0104】
【表16】
【0105】
【表17】
【0106】
【表18】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年6月10日(2002.6.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 前記ニューロトロフィンがNGF、BDNF、NT−3、N
T−4/5、NT−6もしくはNT−7である、請求項1記載の方法。
【請求項】 前記抗体がヒト化抗体、キメラ抗体、F(ab)フラグメン
トもしくはF(ab)2フラグメントである、請求項記載の方法。
【請求項】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項記載の方法
【請求項】 前記哺乳動物がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項】 腫瘍を治療上有効な量の最低1種の中和ニューロトロフィン
抗体と接触させることを含んで成り、前記ニューロトロフィンがNGF、BDN
F、NT−3、NT−4/5、NT−6およびNT−7より成る群から選択され
る、前立腺もしくは膵腫瘍の治療方法。
【請求項】 腫瘍を、抗ニューロトロフィン抗体、ニューロトロフィンに 向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを結合する小型の有機分子、 およびニューロトロフィンを結合するtrkレセプターの優性ネガティブ変異体 より成る群から選択される 最低1種の抗ニューロトロフィン剤と接触させること
を含んで成る、前立腺もしくは膵腫瘍の体積の低下方法。
【請求項】 前記抗ニューロトロフィン剤が抗ニューロトロフィン抗体 ある 、請求項記載の方法。
【請求項】 前記ニューロトロフィンがNGF、BDNF、NT−3、N
T−4/5、NT−6もしくはNT−7である、請求項記載の方法。
【請求項10】 前記抗体がヒト化抗体、キメラ抗体、F(ab)フラグメ
ントもしくはF(ab)2フラグメントである、請求項記載の方法。
【請求項11】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項記載の方
法。
【請求項12】 腫瘍を、抗ニューロトロフィン抗体、ニューロトロフィン に向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを結合する小型の有機分子 、およびニューロトロフィンを結合するtrkレセプターの優性ネガティブ変異 体より成る群から選択される 最低1種の抗ニューロトロフィン剤と接触させるこ
とを含んで成る、前立腺もしくは膵腫瘍の増殖速度の低下方法。
【請求項13】 前記抗ニューロトロフィン剤が抗ニューロトロフィン抗体 である 、請求項12記載の方法。
【請求項14】 前記ニューロトロフィンがNGF、BDNF、NT−3、
NT−4/5、NT−6もしくはNT−7である、請求項12記載の方法。
【請求項15】 前記抗体がヒト化抗体、キメラ抗体、F(ab)フラグメ
ントもしくはF(ab)2フラグメントである、請求項13記載の方法。
【請求項16】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項13記載の
方法。
【請求項17】 治療上有効な量の最低1種の抗ニューロトロフィン剤を哺
乳動物に投与することを含んで成る、癌に関連する疼痛の治療方法。
【請求項18】 前記抗ニューロトロフィン剤が、抗ニューロトロフィン抗
体、ニューロトロフィンに向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを
結合する小型の有機分子、およびニューロトロフィンを結合するtrkレセプタ
ーの優性ネガティブ変異体より成る群から選択される、請求項17記載の方法。
【請求項19】 前記ニューロトロフィンがNGF、BDNF、NT−3、
NT−4/5、NT−6もしくはNT−7である、請求項17記載の方法。
【請求項20】 前記抗体がヒト化抗体、キメラ抗体、F(ab)フラグメ
ントもしくはF(ab)2フラグメントである、請求項17記載の方法。
【請求項21】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項18記載の
方法。
【請求項22】 前記哺乳動物がヒトである、請求項17記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/18 A61P 1/18 13/08 13/08 25/04 25/04 35/00 35/00 43/00 111 43/00 111 C12N 5/06 C12N 5/00 E (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ミクニオツキ,シーラ・ジエイ アメリカ合衆国ペンシルベニア州18045イ ーストン・ヒツコリーレーン701 (72)発明者 ラジエリ,ブルース・エイ アメリカ合衆国ペンシルベニア州19301パ オリ・サンセツトドライブ66 Fターム(参考) 4B065 AA93X BD39 CA44 4C084 AA02 AA13 AA17 BA35 BA44 MA52 MA59 MA60 MA63 MA65 MA66 NA14 ZA082 ZA662 ZA812 ZB262 ZC412 4C085 AA13 AA14 AA16 BB07 BB24 BB41 BB43 CC02 CC05 CC13 DD23 DD63 DD86 DD88 EE01 EE03 FF03 FF20 GG02 GG03 GG04 GG06 GG08 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA04 MA13 MA17 MA22 MA23 MA24 MA28 MA35 MA37 MA38 MA52 MA59 MA60 MA63 MA66 NA14 ZA08 ZA66 ZA81 ZB26 ZC41

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 治療上有効な量の最低1種の抗ニューロトロフィン剤を哺乳
    動物に投与することを含んで成る、癌の治療もしくは予防方法。
  2. 【請求項2】 前記抗ニューロトロフィン剤が、抗ニューロトロフィン抗体
    、ニューロトロフィンに向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを結
    合する小型の有機分子、およびニューロトロフィンを結合するtrkレセプター
    の優性ネガティブ変異体より成る群から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記癌が前立腺もしくは膵癌である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ニューロトロフィンがNGF、BDNF、NT−3、N
    T−4/5、NT−6もしくはNT−7である、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記抗体がヒト化抗体、キメラ抗体、F(ab)フラグメン
    トもしくはF(ab)2フラグメントである、請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項2記載の方法
  7. 【請求項7】 前記哺乳動物がヒトである、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記腫瘍を治療上有効な量の最低1種の中和ニューロトロフ
    ィン抗体と接触させることを含んで成り、前記ニューロトロフィンがNGF、B
    DNF、NT−3、NT−4/5、NT−6およびNT−7より成る群から選択
    される、前立腺もしくは膵腫瘍の治療方法。
  9. 【請求項9】 前記腫瘍を最低1種の抗ニューロトロフィン剤と接触させる
    ことを含んで成る、前立腺もしくは膵腫瘍の体積の低下方法。
  10. 【請求項10】 前記抗ニューロトロフィン剤が、抗ニューロトロフィン抗
    体、ニューロトロフィンに向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを
    結合する小型の有機分子、およびニューロトロフィンを結合するtrkレセプタ
    ーの優性ネガティブ変異体より成る群から選択される、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ニューロトロフィンがNGF、BDNF、NT−3、
    NT−4/5、NT−6もしくはNT−7である、請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記抗体がヒト化抗体、キメラ抗体、F(ab)フラグメ
    ントもしくはF(ab)2フラグメントである、請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項10記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 前記腫瘍を最低1種の抗ニューロトロフィン剤と接触させ
    ることを含んで成る、前立腺もしくは膵腫瘍の増殖速度の低下方法。
  15. 【請求項15】 前記抗ニューロトロフィン剤が、抗ニューロトロフィン抗
    体、ニューロトロフィンに向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを
    結合する小型の有機分子、およびニューロトロフィンを結合するtrkレセプタ
    ーの優性ネガティブ変異体より成る群から選択される、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記ニューロトロフィンがNGF、BDNF、NT−3、
    NT−4/5、NT−6もしくはNT−7である、請求項14記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記抗体がヒト化抗体、キメラ抗体、F(ab)フラグメ
    ントもしくはF(ab)2フラグメントである、請求項15記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項15記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 治療上有効な量の最低1種の抗ニューロトロフィン剤を哺
    乳動物に投与することを含んで成る、疼痛の治療方法。
  20. 【請求項20】 前記抗ニューロトロフィン剤が、抗ニューロトロフィン抗
    体、ニューロトロフィンに向けられたアンチセンス分子、ニューロトロフィンを
    結合する小型の有機分子、およびニューロトロフィンを結合するtrkレセプタ
    ーの優性ネガティブ変異体より成る群から選択される、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記ニューロトロフィンがNGF、BDNF、NT−3、
    NT−4/5、NT−6もしくはNT−7である、請求項19記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記抗体がヒト化抗体、キメラ抗体、F(ab)フラグメ
    ントもしくはF(ab)2フラグメントである、請求項19記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項20記載の
    方法。
  24. 【請求項24】 前記哺乳動物がヒトである、請求項19記載の方法。
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