JP2003525104A - 無機組成物に関係するスケーリングの防止方法およびそのための組成物 - Google Patents

無機組成物に関係するスケーリングの防止方法およびそのための組成物

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JP2003525104A
JP2003525104A JP2001503393A JP2001503393A JP2003525104A JP 2003525104 A JP2003525104 A JP 2003525104A JP 2001503393 A JP2001503393 A JP 2001503393A JP 2001503393 A JP2001503393 A JP 2001503393A JP 2003525104 A JP2003525104 A JP 2003525104A
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ファダー,ミッツィ・ケイ
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ワンシャン・フアイ
ツァン,フシャン
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Abstract

(57)【要約】 水性系においてスケール沈積物を抑制するための方法。この方法は、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約1000ppm以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中で形成することの少なくとも一方を含むことができ、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含み、上記水性系は少なくとも約9のpHを有し、そしてそのスケール形成防止剤の平均粒径は約3ミクロン以下である。この方法は、スケール形成防止剤を水性系中に加えること、およびその水性系中で形成することの少なくとも一方、および無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体を加えることを含み、この場合スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含む。上記方法のための組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、スケール形成性の水性系と接触している基材表面上でのスケール沈
積物の形成、沈積および/または付着を抑制するための方法、およびその抑制の
ための、多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩のような無機組成物に関する。
スケール沈積物は、アルカリ土類金属炭酸塩のスケール沈積物、特に炭酸カルシ
ウムのスケール沈積物またはアルカリ土類金属シュウ酸塩沈積物のようなアルカ
リ土類金属のスケール沈積物であることができる。本発明は、クラフトパルプ化
法のような多種多様な方法において、スケールを防ぐのに有利に利用することが
できる。
【0002】 背景 スケールの沈着は、冷却塔、熱交換器、蒸発器、パルプ化蒸解釜、洗浄機のよ
うな多くの工業用水系において、および原油−水混合物の製造および加工等々に
おいて重大な問題である。スケール沈積物の沈着は伝熱系の効率を下げ、流体の
流動を妨害し、腐食過程を促進し、また細菌の住むみかとなる。炭酸カルシウム
はいろいろなプロセスで生成するが、それは工業用水系で最も一般的に観察され
るスケール形成物の1つである。このスケールは多くの工業で洗浄および除去の
遅延および運転停止を引き起こす不経済な問題である。
【0003】 特に、ほとんどの工業用水は、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミ
ニウム、ストロンチウム、鉄等々のような金属イオン、およびビカーボネート、
カーボネート、スルフェート、オキサレート、ホスフェート、シリケート、フル
オリド等々のような数種のアニオンを含んでいる。これらのアニオンおよびカチ
オンの組み合わせがそれらの反応生成物の溶解度を超える濃度で存在すると、生
成物の溶解度濃度を最早越えなくなるまで沈殿物が生成する。例えば、カルシウ
ムイオンおよび炭酸イオンの濃度が反応生成物である炭酸カルシウムの溶解度を
超えると、炭酸カルシウムの固体相ができる。
【0004】 生成物は、水相の一部蒸発、pH、温度または圧力の変化、および溶液中に既
に存在するイオンと不溶性化合物を形成する追加イオンの導入のようないろいろ
な理由から、その溶解度濃度を超える。これらの反応生成物が送水系の表面に沈
殿すると、それにつれてそれら生成物はスケールまたは沈積物を形成する。
【0005】 ボイラー系および類似の熱交換系の場合、スケール形成の機構は、明らかに、
その系の加熱表面に隣接する領域で局所的に過飽和になっている溶液からスケー
ル形成性塩類が結晶化する機構である。この領域中の水の粘稠な薄膜が、この領
域外の溶液の残余部分よりも高濃度になる傾向があるのである。その結果、スケ
ール形成性塩である反応生成物がこの薄膜中でまずその溶解度を超え、結果とし
てスケールの結晶化が加熱表面上で直接起こる。これに加えて、ボイラー系中で
の一般的なスケール源は、熱の影響下において炭酸カルシウム水および二酸化炭
素を形成する重炭酸カルシウムの分解である。
【0006】 冷却塔、噴霧池、蒸発凝縮器等が水の蒸発により熱を放散する働きをする開放
式再循環冷却水系の場合、スケールの形成を促進する主要因は、水相の部分、部
分の反復蒸発によりその水の中に溶解される固体類の濃度である。かくして、一
回流通基準(once-through basis)ではスケール形成性でない水でも、通常は、
複数回濃縮されるとスケール形成性となる。
【0007】 また、ここで参照することにより開示全体が本明細書に含められる、ハンセン
(HANSEN)等に付与された米国特許第3,518,204号明細書に開示される
ように、冷却媒体として用いられる水供給材料は、しばしば、ベントナイト系ま
たはカオリナイト系鉱物のようなシルト類を含んでいる。これらの系中でそのよ
うなシルト含有水を使用すると、その使用中に、それらシルト類は、その水の中
に存在する、「硬度」と一般に称されるカルシウムおよびマグネシウムのような
他の不純物と反応または会合する。このような反応または会合の結果として沈殿
が形成され、そしてこの水が入っている系の表面に沈殿する。このような沈積物
は、その系を通る流れを低下または停止させる程度まで沈着することがあり、そ
うなるとその系をコストの高い洗浄のために運転停止しなければならない。さら
に、このような沈積が熱交換器の表面で起こると、熱交換が減少し、それに対応
してプロセス効率に損失が生ずる。
【0008】 クラフトパルプ化法でのスケーリングは、有機配位子類が存在する結果、異な
る機構で起こる。クラフトパルプ化蒸解釜中で生成する黒液は、リグニン、脂肪
/ロジン石鹸、ヘミセルロース等々のような有機化合物を非常に高い含有量で含
んでいる。パルプ化中に形成されるリグニン断片、特に芳香族環上に隣接ヒドロ
キシル基を含んでいるものには、(元々は木に由来する)カルシウムと相互作用
してその黒液中溶解度を著しく高める高い傾向がある。その温度(例えば、蒸発
器または冷却用ヒーターの管壁付近に見いだされる温度)が高くなると、特に残
留活性アルカリが低いならば、pHが低下する傾向がある。結果として、カルシ
ウムイオンがリグニンから水素イオンにより置換され、そして炭酸イオンと反応
することができるようになり、かくして炭酸カルシウムスケールが生成せしめら
れる。リグニンの外にも、黒液中でカルシウムと錯体を形成する多くの異なる有
機種が存在する。これら有機種は、いずれも、カルシウムと錯体を形成する能力
が黒液の標準pH範囲内にあるpHに依存するが、温度が上昇するにつれてイオ
ン性カルシウムを放出することによって炭酸カルシウムスケールの一因となる。
従って、上記有機化合物が存在し、かつ十分なカルシウムが利用できる限りは、
液は炭酸カルシウムスケールを沈積させる能力を有する。カルシウムおよびカー
ボネートの外にも、黒液は普通沈殿し、スケールを形成し得るナトリウムイオン
や硫酸イオンのような多数の他のイオンを含んでいる。
【0009】 製紙工業では、アルカリ蒸解液、および木材チップからの溶解固体に由来する
アルカリ性度は、黒液のアルカリ性度を高め、それは往々にして12〜13のp
Hまたはそれよりもさらに高いpHに達する。高pH条件下では、炭酸カルシウ
ムの沈殿は特に制御困難である。そのpHを下げて炭酸カルシウムのスケーリン
グを防ぐために、酸を加えることが多い。
【0010】 製紙プロセスにおいては、塩素、苛性ソーダ、二酸化塩素、次亜塩素酸塩およ
び過酸化物によるパルプの漂白/脱リグニン化中に、シュウ酸カルシウムスケー
ルがプロセス装置上に生成することが多い。通常のスケール沈着域は、洗浄機ド
ラム面のワイヤ上;洗浄機バット中;紙料ラインと同ポンプ中;濾液槽、同ライ
ンおよび同ポンプ中;排出スクリーン上;および処理塔中である。シュウ酸カル
シウムスケールの形成は、主として低下した漂白/脱リグニン化効率と、スケー
ルの除去に関連した装置の停止時間とに因る損失生産のために、工場に経済的困
難を与える。
【0011】 油工業においては、不溶性カルシウム塩類の形成は、また、水を注入井に導入
して、地下油層を通して油を採油井中で強制的に生産させる方法による、地中油
層からの油の二次回収において問題である。このタイプの方法は、通常、水攻系
と称される。
【0012】 上記の点から見て、スケールの形成および沈積は、核形成、結晶成長、および
スケール形成性粒子の凝集の機構でもたらされる。スケール発達の低下に対する
いろいろな取り組み方法に、核/結晶形成の抑制、結晶成長の制限、およびスケ
ール形成性粒子の分散がある。
【0013】 キレート化剤または金属イオン封鎖剤が、送水系中における炭酸カルシウムの
沈積、沈殿および結晶化を防ぐために一般に用いられてきた。炭酸カルシウムス
ケール抑制剤として活発に調べられてきた他のタイプの化学薬品は限界抑制剤(
threshold inhibitors)である。
【0014】 限界抑制剤として水溶性重合体、ホスホネート類およびポリホスフェート類が
挙げられる(例えば、ここで参照することにより開示全体が本明細書に含められ
る、ボッファージ(BOFFARDI)等に付与された米国特許第5,182,028号
明細書は、ヘキサメタリン酸ナトリウムおよびモノフルオロホスフェートを開示
している)。このような化学薬品は、スケール抑制剤として、化学量論的に必要
とされる量よりも相当に少ない量で有効である。
【0015】 アクリルアミド、マレイン酸、酢酸ビニル、ビニルアルコールおよびアクリル
酸から誘導される群を含めて水溶性重合体が、炭酸カルシウムの沈積を制御する
ために用いられてきた。例えば、このような重合体は、ここで参照することによ
り開示全体が本明細書に含められる、イェング(YEUNG)に付与された米国特許
第5,282,976号;ウッド(WOOD)等に付与された米国特許第5,496
,914号;ワトソン(WATSON)等に付与された米国特許第4,008,164
号;ハンセン等に付与された米国特許第3,518,204号;パーシンスキー
(PERSINSKI)等に付与された米国特許第3,928,196号および同第4,
936,987号;ボッファージ等に付与された米国特許第3,965,027
号;ハリス(HARRIS)等に付与された米国特許第5,441,602号;ギル(
GILL)に付与された米国特許第5,580,462号;およびトーゴー(TOGO)
に付与された米国特許第5,409,571号の各明細書に開示されている。
【0016】 ホスホン酸(phosphonic)、カルボン酸(carboxylic)またはスルホン酸(su
lfonic)の各基を有するポリアリルアミン類も、ここで参照することにより開示
全体が本明細書に含められる、クオ(KUO)に付与された米国特許第5,629
,385号およびシャーウッド(SHERWOOD)等に付与された米国特許第5,12
4,046号明細書に開示されるスケール制御剤として使用されている。
【0017】 さらに、ポリアクリレート類、ポリ無水マレイン酸類、アクリレート類とスル
ホネート類との共重合体およびスルホネートスチレン類の重合体のような多数の
アニオン性高分子電解質も用いられている。高分子電解質の例は、ここで参照す
ることにより開示全体が本明細書に含められる、パーシンスキー等に付与された
米国特許第4,640,793号;ブッゼ(BOOTHE)等に付与された米国特許第
4,650,591号;ローレンク(LORENC)等に付与された米国特許第4,4
57,847号;ギル等に付与された米国特許第5,407,583号;および
ヨーク(YORKE)に付与された米国特許第4,671,888号明細書に開示さ
れている。
【0018】 ここで参照することにより開示全体が本明細書に含められる、ブラウン(BROW
N)等に付与された米国特許第5,062,962号および同第5,147,5
55号明細書には、水性系中におけるスケールの形成および沈積を抑制するため
のポリエポキシこはく酸が開示されている。
【0019】 炭酸カルシウムスケールの制御剤としてホスホネート系化合物が広く使用され
ている。例を挙げると、エーテルジホスホネート(ここで参照することにより開
示全体が本明細書に含められる、リード(REED)等に付与された米国特許第5,
772,893号およびネッラー(KNELLER)等に付与された米国特許第5,6
47,995号明細書)、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミ
ノトリ(メチレンホスホン酸)、アミノメチレンホスホネート類(ここで参照す
ることにより開示全体が本明細書に含められる、ダーワン(DHAWAN)等に付与さ
れた米国特許第4,931,189号明細書)、N,N−ビス(ホスホノメチル
)−2−アミノ−1−プロパノール(ここで参照することにより開示全体が本明
細書に含められる、チェン(CHEN)等に付与された米国特許第5,259,97
4号明細書)、アミノ末端基付きオキシアルキレート類のメチレンホスホネート
類(ここで参照することにより開示全体が本明細書に含められる、クインラン(
QUINLAN)に付与された米国特許第4,080,375号明細書)、ポリエーテ
ルポリアミノメチレンホスホネート類(ここで参照することにより開示全体が本
明細書に含められる欧州特許EP第0 516 382 B1号明細書)、および
エタノールアミノN,N−ジメチレンホスホン酸(ここで参照することにより開
示全体が本明細書に含められる、ラムゼイ(RAMSEY)等に付与された米国特許第
2,917,528号および同第2,964,549号明細書)がある。
【0020】 さらに、ここで参照することにより開示全体が本明細書に含められる、フィン
ク(FINK)等に付与された米国特許第2,358,222号およびハッチ(HATC
H)に付与された米国特許第2,539,305号明細書に開示されるように、
ある種特定の無機ポリホスホネート類は、それらを金属イオン封鎖またはキレー
ト化に必要とされる濃度よりも少ない量で添加すると、沈殿を妨げることが知ら
れている。
【0021】 ここで参照することにより開示全体が本明細書に含められる、カーター(CART
ER)等に付与された米国特許第3,960,576号明細書は、有機ホスホネー
トおよびカルボキシメチルセルロースも含んでいる無機ケイ酸塩系組成物が金属
表面の腐食を抑制するのに有用であることを開示している。
【0022】 ここで参照することにより開示全体が本明細書に含められるマナハン(MANAHA
N)著・環境化学Environmental Chemistry)、第183〜213頁(1991
年)は、第193〜195頁に特に注意を向けると、硬水軟化剤としてのケイ酸
ナトリウム・アルミニウム鉱物またはゼオライトの環境化学における使用を開示
している。ケイ酸アルミニウム鉱物およびゼオライトによる硬水軟化は、それら
鉱物のイオン交換特性に基づく。水の硬度の原因である二価カチオンがそれらケ
イ酸アルミニウム中に含まれるナトリウムイオンにより置換され、次いで濾過に
よって除去される。硬水軟化で商業的に使用されてきた雲母系鉱物の一例は、海
緑石・K2(MgFe)2Al6(Si4O10)3OH12である。
【0023】 ここで参照することにより開示全体が本明細書に含められるカーク−オスマー のエンサイクロペディア・オブ・ケミカル・テクノロジー (Kirk-Othmer Encycl
opedia of Chemical Technology)、第3版、第24巻、第367〜384頁(
1984年)は、沈積物は、通常、冷却水中およびプロセス水中の分散剤および
スケール抑制剤により制御されることを開示している。言及されている分散剤の
中に、重合体および共重合体、例えばポリ(アクリル酸)およびその塩、アクリ
ルアミド/アクリル酸共重合体およびポリ(マレイン酸)がある。
【0024】 ここで参照することにより開示全体が本明細書に含められる、ザ・ペーパー・
インスティテュート・オブ・ペーパー・ケミストリー(The Paper Institute of
Paper Chemistry)、プロジェクト(Project)3234、レポート3(Report
Three)、第88〜119頁(1977年11月)の「カルシウムスケーリング
液の脱活(Deactivation of Calcium Scaling Liquors)」は、試薬級炭酸カル
シウムを、炭酸カルシウムの沈積表面としての液中種結晶として機能させるため
に、ほとんどの実験で1%装填量で、また他の少数の実験では5%および20%
の装填量で加えることを開示している。
【0025】 Pulp & Paper、第83〜89頁(1999年2月号)のアダムス(ADAMS)著
・「低コスト蒸発器の改善が性能を高め、スケーリングを低下させる(Low-Cost
Evaporator Upgrades Boost Performance, Reduce Scaling)」は、スケーリン
グを制御するために硫酸ナトリウムを加えることを含む塩使用(salting)法を
開示している。
【0026】 カナダ特許第2,229,973号明細書は、黒液を熱処理して炭酸カルシウ
ムを沈殿させる、蒸発器中で黒液を抑制する方法を開示している。この特許明細
書は、熱処理されるべき黒液に炭酸カルシウムを添加することを必要としないこ
とを開示している。
【0027】 欧州特許第0 916 622号明細書は、硫酸カルシウムスケールまたシュウ
酸カルシウムスケールの形成を防ぐ種結晶として硫酸カルシウムまたシュウ酸カ
ルシウムをそれぞれ添加する、製紙プロセスにおいてスケールの形成を防ぐ方法
を開示している。
【0028】 さらに、製紙の際に、充填材、ピッチ制御、並びに保液および排液制御のため
にタルクおよびベントナイトのようなクレーを使用することも知られている。充
填材用途では、タルクまたはベントナイトを、典型的には比較的多い量で加える
ことができる。
【0029】 ピッチ制御の用途においては、洗浄機よりも前であって、かつ蒸解釜よりも後
にタルクまたはベントナイトを加えることができる。この位置では、水性系の温
度は比較的低い。タルクおよびベントナイトのピッチ制御のための使用は、ここ
で参照することにより開示全体が本明細書に含められる、TAPPI Proceedings(
1996年)の、ボードマン(BOADMAN)著・「ピッチに似たアニオン性滓の制
御における親有機性鉱物粒体の使用(The Use of Organophilic Mineral Partic
ulates in the Control of Anionic Trash Like Pitch)」で考察されている。
この報文は、特に、トン当たり2ポンドのモンモリロナイトを使用することを開
示している。ピッチ沈積物は、ときには、炭酸カルシウムを含んでいることがあ
ることが知られている。
【0030】 保液および排液制御では、ベントナイトおよび高分子量カチオン性重合体(例
えば、分子量約1×106〜10×106)をヘッドボックスの直ぐ前で加えるこ
とができると考えられる。例えば、ベントナイト3〜10ポンド/トン・オーブ
ン乾燥繊維をヘッドボックス付近で加えることができ、これにより1重量%水性
完全紙料のための水性系に約15〜50ppmのベントナイトがもたらされること
になるだろうと考えられる。ヘッドボックスの直ぐ前の水性系は、典型的には、
約5〜8.5のpHおよび約40〜60℃の温度を有すると考えられる。一例と
して、ラングレイ(LANGLEY)等に付与された米国特許第4,753,710号
明細書は、膨潤後のベントナイトの粒径は少なくとも90%が2ミクロン未満で
あるのが好ましいことを教示している。
【0031】 発明の開示 本発明は、アルカリ土類金属スケールの沈積、特に炭酸カルシウムスケールの
沈積またはアルカリ土類金属シュウ酸塩スケールの沈積のようなスケールの形成
および/または沈積を防ぐことに関する。
【0032】 本発明は、また、スケールの形成および/または沈積を効果的に防ぐことがで
きる、多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩のような無機化合物を提供するこ
とに関する。
【0033】 本発明は、さらに、スケール形成性の水性系と接触している、金属またはプラ
スチック表面のような表面上でのスケールの形成および/または沈積を効果的に
防ぐことができる一系統の化合物を提供することに関する。
【0034】 本発明は、1つの面によれば、水性系においてスケール沈積物を抑制する方法
であって、スケール形成防止剤を、水性系に、その水性系中のスケール形成防止
剤の量が約500ppm以下となるように加えることを含み、この場合上記スケー
ル形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を
含み、そして上記水性系は少なくとも約9のpHを有する上記の方法に関する。
【0035】 もう1つの面によれば、本発明は、水性系においてスケール沈積物を抑制する
方法であって、スケール形成防止剤を、水性系に、その水性系中のスケール形成
防止剤の量が約500ppm以下となるように加えることを含み、この場合上記ス
ケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1
種を含み、そして上記水性系は約0.4ppmまでのカチオン性重合体を含んでい
る、上記の方法に関する。
【0036】 さらにもう1つの面によれば、本発明は、水性系においてスケール沈積物を抑
制する方法であって、スケール形成防止剤を、水性系に、その水性系中のスケー
ル形成防止剤の量が約500ppm以下となるように加えることを含み、この場合
上記スケール形成防止剤はケイ酸マグネシウム・アルミニウム、水和ケイ酸マグ
ネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡石、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイト、ヘク
トライト、非晶質ケイ酸マグネシウムおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含
んでいる、上記の方法に関する。
【0037】 本発明は、もう1つの面によれば、産業上の水性系においてスケール沈積物を
抑制する方法であって、核形成促進剤/開始剤を、水性系に、その水性系中の核
形成促進剤/開始剤の量が約500ppm以下となるように加えてスケール沈積物
の形成を抑制することを含み、この場合上記水性系は少なくとも約9のpHを有
する、上記の方法に関する。
【0038】 本発明は、さらなる面によれば、水性系においてスケール沈積物を抑制する方
法であって、第一カチオンを水性系に加え、そしてその水性系から第一カチオン
とは別個の第二カチオンを除去してその第二カチオンがスケール沈積物を形成す
るのを抑制し、この場合上記水性系は約70〜500℃の温度にある、上記の方
法に関する。
【0039】 もう1つの面によれば、本発明は、粉砕炭酸カルシウム;およびナトリウムモ
ンモリロナイトを含んでいる組成物に関する。 さらにもう1つの面によれば、本発明は、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム
、およびナトリウムモンモリロナイトを含んでいる組成物に関する。
【0040】 もう1つの面によれば、本発明は、木材パルプ;金属カチオン;アニオン;
および約50〜500ppmの、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、水和ケイ酸
マグネシウム・アルミニウム、サポナイト、海泡石、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイト、ヘクトライト、非晶質ケイ
酸マグネシウムおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含むスケール形成防止剤
を含んでいる水性パルプスラリーに関する。
【0041】 本発明は、1つの面によれば、水性系においてスケール沈積物を抑制する方法
であって、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約10
00ppm以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中で形
成することの少なくとも一方を含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金
属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含み、上記水性系は少
なくとも約9のpHを有し、そして上記スケール形成防止剤の平均粒径は約3ミ
クロン以下である、上記の方法に関する。
【0042】 もう1つの面によれば、本発明は、水性系においてスケール沈積物を抑制する
方法であって、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約
1000ppm以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中
で形成することの少なくとも一方、並びにその水性系に分散剤を加えることを含
み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩
の内の少なくとも1種を含み、そして上記水性系は少なくとも約9のpHを有す
る、上記の方法に関する。
【0043】 本発明は、さらにもう1つの面によれば、水性系においてスケール沈積物を抑
制する方法であって、スケール形成防止剤を、水性系中で、その水性系中のスケ
ール形成防止剤の量が約1000ppm以下となるように形成することを含み、こ
の場合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の
少なくとも1種を含み、そして上記スケール形成防止剤の平均粒径は約3ミクロ
ン以下である、上記の方法に関する。
【0044】 さらにもう1つの面によれば、本発明は、水性系においてスケール沈積物を抑
制する方法であって、スケール形成防止剤を、水性系中で、その水性系中のスケ
ール形成防止剤の量が約1000ppm以下となるように形成すること、およびそ
の水性系に分散剤を加えることを含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価
金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含んでいる、上記の
方法に関する。
【0045】 もう1つの面によれば、本発明は、パルプ工場の水性系においてスケール沈積
物を抑制する方法であって、スケール形成防止剤を、パルプ化蒸解釜よりも前の
およびパルプ化蒸解釜においての少なくとも一方において水性系中に加えること
、およびその水性系中で形成することの少なくとも一方を含み、この場合上記ス
ケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1
種を含んでいる、上記の方法に関する。
【0046】 さらにもう1つの面によれば、本発明は、パルプ工場の水性系においてスケー
ル沈積物を抑制する方法であって、スケール形成防止剤を、漂白プラント段階の
直前のおよび漂白プラント段階においての少なくとも一方において水性系中に加
えること、およびその水性系中で形成することの少なくとも一方を含み、この場
合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少な
くとも1種を含んでいる、上記の方法に関する。
【0047】 さらにもう1つの面によれば、本発明は、水性系においてスケール沈積物を抑
制する方法であって、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の
量が約1000ppm以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水
性系中で形成することの少なくとも一方を含み、この場合上記スケール形成防止
剤はケイ酸マグネシウム・アルミニウム、水和ケイ酸マグネシウム・アルミニウ
ム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡石、炭酸マグネシウム、炭酸第
一鉄、炭酸マンガン、ドロマイト、ヘクトライト、非晶質ケイ酸マグネシウムお
よび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含む、上記の方法に関する。
【0048】 本発明は、さらなる面によれば、水性系においてスケール沈積物を抑制する方
法であって、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約1
000ppm以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中で
形成することの少なくとも一方を含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価
金属炭酸塩を含み、そのスケール形成防止剤の平均粒径は約3ミクロン以下であ
る、上記の方法に関する。
【0049】 もう1つの面によれば、本発明は、水性系においてスケール沈積物を抑制する
方法であって、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約
1000ppm以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中
で形成することの少なくとも一方;並びにその水性系に分散剤を加えることを含
み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属炭酸塩を含んでいる、上記の方
法に関する。
【0050】 さらにもう1つの面によれば、本発明は、水性系においてスケール沈積物を抑
制する方法であって、スケール形成防止剤を水性系中に加えること、およびその
水性系中で形成することの少なくとも一方、並びにその水性系に少なくとも1種
の蛋白質を加えることを含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ
酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含んでいる、上記の方法に関
する。
【0051】 なおももう1つの面によれば、本発明は、多価金属ケイ酸塩および多価金属炭
酸塩の内の少なくとも1種および少なくとも1種の蛋白質を含み、そして上記の
少なくとも1種の多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の、上記の少なくとも
1種の蛋白質に対する重量比が約50:1〜1:1である組成物に関する。
【0052】 本発明は、1つの面によれば、水性系においてスケール沈積物を抑制する方法
であって、スケール形成防止剤を水性系中に加えること、およびその水性系中で
形成することの少なくとも一方、並びに無水マレイン酸とイソブチレンとの共重
合体を加えることを含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩
および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含んでいる上記の方法に関する。
【0053】 もう1つの面によれば、本発明は、多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の
内の少なくとも1種および無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体を含み、
そして上記の少なくとも1種の多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の上記共
重合体に対する重量比が約50:1〜1:1である組成物に関する。
【0054】 1つの面において、前記スケール形成防止剤はアルミノシリケート骨格を含ん
でいる。 前記スケール形成防止剤は、さらなる面において、カルボン酸基、スルホネー
ト基、スルフェート基およびホスフェート基の内の少なくとも1種から成る少な
くとも1個の官能基を含んでいる。
【0055】 もう1つの面において、前記スケール形成防止剤は、ナトリウムモンモリロナ
イト、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、水和ケイ酸マグネシウム・
アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡石、炭酸カルシウム
、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガンおよびドロマイトの内の少なく
とも1種を含んでいる。
【0056】 前記スケール形成防止剤は、さらにもう1つの面において、ナトリウムアルミ
ノシリケート、マグネシウムアルミノシリケート、ヘクトライト、非晶質ケイ酸
マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸第一鉄およ
び炭酸マンガンの内の少なくとも1種を含んでいる。
【0057】 なおももう1つの面において、前記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩を
含むものであって、ナトリウムモンモリロナイト、ケイ酸マグネシウム・アルミ
ニウム、タルク、水和ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナ
イト、サポナイト、海泡石、ナトリウムアルミノシリケート、ヘクトライトおよ
び非晶質ケイ酸マグネシウムの内の少なくとも1種を含んでいる。
【0058】 前記スケール形成防止剤は、もう1つの面において、多価金属炭酸塩を含むも
のであって、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、
ドロマイトおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる。
【0059】 さらにもう1つの面において、前記スケール形成防止剤は粉砕炭酸カルシウム
およびナトリウムモンモリロナイトを含んでいる。 なおももう1つの面において、前記スケール形成防止剤はケイ酸マグネシウム
・アルミニウムおよびナトリウムモンモリロナイトを含んでいる。
【0060】 前記スケール形成防止剤は、もう1つの面において、約10ミクロン以下の平
均粒径を有する。 さらにもう1つの面において、前記のスケール形成防止剤は約10〜1000
2/gの比表面積を有する。
【0061】 なおももう1つの面において、前記水性系は約9〜14のpHを有する。 もう1つの面において、前記スケールはアルカリ土類金属スケールを含んでい
る。そのアルカリ土類金属スケールは、炭酸カルシウムを含んでいることができ
る。
【0062】 なおももう1つの面において、前記水性系は、カルシウム、バリウム、マグネ
シウム、アルミニウム、ビカーボネート、カーボネート、スルフェートおよびホ
スフェートの内の少なくとも1種を含んでいる。
【0063】 さらにもう1つの面において、前記水性系は、スケール形成防止剤の添加前に
約10〜500ppmのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を
有する。
【0064】 なおももう1つの面において、前記の水性系は約25〜500℃の温度を有す
る。 前記水性系は、さらなる面において、約80〜1500psiの圧力にある。
【0065】 もう1つの面において、前記スケール形成防止剤は冷却塔に、熱交換器に、蒸
発器に、パルプ化蒸解釜よりも前に、パルプ化蒸解釜に、または洗浄機に加えら
れる。
【0066】 なおももう1つの面において、本発明の方法は原油−水混合物を加工すること
をさらに含んでいる。 さらにもう1つの面において、前記スケールは炭酸カルシウムを含み、前記ス
ケール形成防止剤は約10ミクロン以下の平均粒径を有し、そのスケール形成防
止剤は約10〜1000m2/gの比表面積を有し、また前記水性系は約9〜1
4のpHを有し、その水性系はスケール形成防止剤の添加前に約10〜500pp
mのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有し、そしてその
水性系は約25〜500℃の温度を有する。
【0067】 なおももう1つの面において、前記スケール形成防止剤はチップビンよりも後
に加えられる。 もう1つの面において、前記水性系中に存在する前記カチオン性重合体は約1
×106以上の分子量を有する。
【0068】 さらなる面において、粉砕炭酸カルシウム対ナトリウムモンモリロナイトの重
量比は約0.1:1〜20:1である。従って、前記スケール形成防止剤は、粉
砕炭酸カルシウムを約10〜95重量%含んでいることができる。前記スケール
形成防止剤は、また、ナトリウムモンモリロナイトを約5〜90重量%含んでい
ることができる。
【0069】 さらにもう1つの面において、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム対ナトリウ
ムモンモリロナイトの重量比は約0.1:1〜20:1である。かくして、前記
スケール形成防止剤は、ケイ酸マグネシウム・アルミニウムを約10〜95重量
%含んでいることができる。前記スケール形成防止剤は、ナトリウムモンモリロ
ナイトを約5〜90重量%含んでいることができる。
【0070】 さらなる面において、前記スケール形成防止剤は、冷却塔、熱交換器、蒸発器
、パルプ化蒸解釜、パルプ洗浄機またはパルプ漂白装置の内の少なくとも1つよ
りも前に、およびその少なくとも1つの中に加えられたものおよび形成されたも
のの内の少なくとも1つである。
【0071】 さらにもう1つの面において、前記水性系は製紙、採鉱、繊維(textile)製
造、自動車製造、食品加工、製鋼、水処理および石油加工の内の1つに関係する
【0072】 なおももう1つの面において、前記水性系に少なくとも1種の追加のスケール
形成防止剤が加えられる。 もう1つの面において、前記水性系に少なくとも1種の蛋白質が加えられる。
【0073】 もう1つの面において、前記水性系に約10ppmまでの凝集剤が加えられる。 なおももう1つの面において、前記スケール形成防止剤は、清澄器、浮上分離
槽、沈降槽、濾過器、遠心分離機および浸透圧装置の内の少なくとも1つを用い
ることによって水性系から除去される。
【0074】 一部の面において、前記水性系は約2〜12のpHを有する。もう1つの例と
して、前記水性系は約2〜14のpHを有する。 もう1つの面において、前記水性系は酸化性である。
【0075】 もう1つの面において、少なくとも1種の前記蛋白質は大豆蛋白質から成る。 さらにもう1つの面において、前記の組成物は水および木材パルプも含んでい
る。
【0076】 なおももう1つの面において、前記スケール形成防止剤対前記共重合体の重量
比は約50:1〜1:1である。 もう1つの面において、前記水性系中の前記共重合体の量は約250ppmまで
である。
【0077】 発明の詳しい説明 本明細書に示される細目は、例としてのもの、および本発明の多種多様な態様
を例示説明的に議論するためだけのものであって、何が、本発明の諸原理、およ
び着想としての諸々の面の最も有用かつ容易に理解される説明と考えられるかを
説明するために与えられる。これに関して、本発明の細部を、本発明の基本的な
理解に必要であるよりもさらに詳細に示す試みはなされないが、その説明は、こ
の技術分野の当業者に、本発明の幾つかの形を実際上どのようにすれば具体化で
きるかを明らかにする。
【0078】 この出願において、パーセントの測定値は、特に記載がなければ、全て、所定
の試料重量100%に基づく重量で測定されている。従って、例えば、30重量
%は試料100重量部中30重量部であることを表す。
【0079】 特に記載がなければ、化合物または成分に対する言及は、その化合物または成
分を自動的に含み、そしてまた、化合物の混合物のような、他の化合物または成
分との組み合わせでの上記化合物または成分も包含する。
【0080】 さらに考察する前に、次の用語の定義が本発明の理解に際して助けになるだろ
う。 「核形成開始剤/促進剤」:溶液相中で多価金属ケイ酸塩または多価金属炭酸
塩の核形成および沈殿を開始し、促進する物質。
【0081】 「水硬度」:水溶液中のマグネシウムイオンおよびカルシウムイオンの量。 「共重合体」は、2種または3種以上の異なる種類の単量体を含んでいる重合
体を意味する。
【0082】 概要として、本発明は、スケール形成性の水性系と接触している基材表面上に
おけるスケール沈積物の形成、沈積および付着を抑制するための方法、およびそ
の抑制のための無機組成物に関する。スケール沈積物は、アルカリ土類金属炭酸
塩のスケール沈積物、特に炭酸カルシウムのスケール沈積物またはアルカリ土類
金属シュウ酸塩スケールのようなアルカリ土類金属のスケール沈積物であること
ができる。
【0083】 本発明の好ましいスケール形成防止剤に、多価金属ケイ酸塩および多価金属炭
酸塩がある。多価金属ケイ酸塩または多価金属炭酸塩は結晶性であってもよいし
、或いは非晶質であってもよい。多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩は、カ
ルボン酸基、スルホネート基、スルフェート基およびホスフェート基のような官
能基を有していることができる。それら官能基は、例えば、多価金属ケイ酸塩ま
たは多価金属炭酸塩を、カルボン酸基、スルホネート基、スルフェート基および
ホスフェート基のような官能基を有する有機または無機化合物で処理することに
よって得ることができる。これら化合物の例として、ポリアクリレートおよびポ
リアクリル酸のような重合体、並びにアルキルベンゼンスルホネート、アルキル
ベンゼンスルフェートおよびアルキルベンゼンホスフェートエステルのような界
面活性剤が挙げられる。
【0084】 多価金属ケイ酸塩としてクレー類が挙げられる。クレーは、アルミニウムにつ
いてイオン置換がある2層または3層結晶構造を有する天然産の含水アルミノシ
リケートである。そのようなイオン置換元素の例として、マグネシウム、鉄およ
びナトリウムが挙げられる。アルカリ金属およびアルカリ土類金属元素もクレー
の構成成分であることができる。水素は、通常、クレー構造中にヒドロキシル基
として、また構造内部水および表面吸着水の両者として存在する。これらの置換
は、フィロケイ酸塩または層状ケイ酸塩の広い一般的種類内で、化学組成に広範
な多様性をもたらす。クレーの化学組成における比較的小さな相違が、それらの
化学的および物理的性質に大きな影響を及ぼし得ることは周知である。
【0085】 フィロケイ酸塩は、全て、ケイ酸塩またはアルミノシリケートの層を含んでお
り、その層中においては、組成Z2O5の、マグネシウム、アルミニウムおよび鉄の
イオンのような四面体配位カチオンであるZのシートが、酸素原子およびヒドロ
キシル基に八面体配位されているカチオンのシートに、共有酸素原子を介して結
合されている。1つの八面体シートが1つの四面体シートに結合されるときは、
カオリナイトにおけるように1:1の層が形成され;1つの八面体シートが2つ
の四面体シートに両側に1つずつ結合されるときは、タルクおよび葉蝋石におけ
るように2:1の層ができる。アルミノシリケート層間に見いだすことができる
構造単位は、緑泥石におけるようにヒドロキシル基と八面体配位されているカチ
オン、およびスメクタイト、ベントナイト、バーミキュライトおよび雲母におけ
るように水和されていることもあるし、水和されていないこともある個々のカチ
オンのシートである。2:1層シートのあるものは、2:1層間での分子の相互
作用により、水、エチレングリコール、および広範囲の類似化合物中において膨
潤する。
【0086】 多価金属炭酸塩として、アルカリ土類金属のような多価金属と炭酸塩との各種
組み合わせが挙げられる。多価金属の好ましい例として、カルシウム、マグネシ
ウム、鉄、マンガンおよび亜鉛が挙げられる。例えば、アルカリ土類金属炭酸塩
に炭酸マグネシウムと混合された炭酸カルシウムがある。
【0087】 多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩は合成のものでもよいし、天然産のも
のでもよい。合成の多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の例として、沈降炭
酸カルシウム、およびケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、ケイ酸マグネ
シウム・アルミニウムのようなシリカ誘導生成物等々が挙げられる。以下におい
てさらに詳細に議論されるように、多様な粒径、表面積、気孔サイズの直径およ
びイオン交換能の合成多価金属ケイ酸塩および同多価金属炭酸塩が商業的に製造
することができる。
【0088】 本発明のスケール形成防止剤の好ましい例を次の非限定リストに挙げるが、こ
のリストは全てを網羅したリストであることを意図したものではない:天然多価金属ケイ酸塩および金属炭酸塩多価金属ケイ酸塩 ナトリウムモンモリロナイト(ベントナイト) ケイ酸マグネシウム・アルミニウム スメクタイトクレー コロイド状アタパルジャイトクレー タルク(含水ケイ酸マグネシウム) 水和ケイ酸マグネシウム・アルミニウム(例えば、スメクタイトクレー) カルシウムベントナイト サポナイト(マグネシウムベントナイト) 海泡石多価金属炭酸塩 炭酸カルシウム 粉砕炭酸カルシウム 炭酸マグネシウム 炭酸第一鉄 炭酸マンガン ドロマイト合成多価金属ケイ酸塩および金属炭酸塩多価金属ケイ酸塩 ナトリウムアルミノシリケート 水和Na−Aタイプゼオライト モルデン沸石ゼオライト 合成非晶質沈降ケイ酸塩 ケイ酸マグネシウム・アルミニウム 合成ヘクトライト(合成ケイ酸マグネシウム) 非晶質ケイ酸マグネシウム多価金属炭酸塩 炭酸カルシウム 沈降炭酸カルシウム 炭酸マグネシウム 炭酸亜鉛 炭酸第一鉄 炭酸マンガン。
【0089】 本発明で有用であるだろう他のスケール形成防止剤を選択するに際し、アルミ
ノシリケート骨格を有する化合物がスケール形成防止剤として機能する傾向があ
る。
【0090】 さらに、他のスケール形成防止剤の選択は、本発明のスケール形成防止剤がど
のように機能すると想定されるかに基づくだろう。理論で縛られることを望むも
のではないが、本発明は、スケール形成防止剤のタイプに依存して次の機構の1
つまたは2つ以上に関係があるだろう。
【0091】 ある種のスケール形成防止剤では、本発明の機構は硬水軟化に関わるイオン交
換に類似したイオン交換を含むだろう。例えば、ナトリウムイオンは、水性系中
のカルシウムイオンの濃度を下げてカルシウム化合物の沈殿を減少させるように
、カルシウムイオンと交換され得ると思われる。カルシウム濃度を下げることは
、また、カルシウムに基づく結晶の成長速度を、形成されるその結晶がより小さ
く、かつより均一になる傾向を持つように遅らせると考えられる。より小さい結
晶は水性系でより安定であって、装置上に沈殿する可能性がより小さい。
【0092】 もう1つの想定される機構によれば、本発明のスケール形成防止剤は核形成開
始剤/促進剤として機能することができる。従って、本発明のスケール形成防止
剤は種結晶として機能することができる。例えば、スケール形成性化合物は、装
置上に沈殿する代わりにスケール形成防止剤の上に沈殿することができる。核形
成開始剤/促進剤は無機のものであることができる。他の化合物も核形成開始剤
/促進剤として機能することができるけれども、粉砕炭酸カルシウムが核形成促
進剤/開始剤として機能すると特に考えられる。
【0093】 さらにもう1つの想定される機構によれば、本発明のスケール形成防止剤は表
面吸着を通じて機能することができる。表面吸着は上記のイオン交換および核形
成機構に含まれている可能性もあるけれども、表面吸着は1つの独立した機構で
ある。例えば、表面吸着では、別個の固相をスケール形成防止剤の表面上に形成
させることは必要でない。
【0094】 上記の点からみて、本発明のスケール形成防止剤は、スケール形成防止剤に依
存して、イオン交換、核形成促進剤/開始剤および表面吸着剤の内の少なくとも
1つとして機能することができると想定される。
【0095】 前記で挙げたスケール形成防止剤は、互いに組み合わせて使用することもでき
る。驚くべきことに、前記で挙げたスケール形成防止剤のある種の組み合わせは
相乗作用をもたらすことが見いだされた。特に、ナトリウムモンモリロナイトと
粉砕炭酸カルシウムかケイ酸マグネシウム・アルミニウムのいずれかとの組み合
わせが、予想外の結果をもたらす。
【0096】 炭酸カルシウムとナトリウムモンモリロナイトとの組み合わせに関し、炭酸カ
ルシウム対ナトリウムモンモリロナイトの重量比は、好ましくは約0.1:1〜
20:1、さらに好ましくは約0.5:1〜7:1、最も好ましくは約1:1〜
4:1である。従って、炭酸カルシウムとナトリウムモンモリロナイトとの組み
合わせにおける炭酸カルシウムの量は、スケール形成防止剤の総量に対して、好
ましくは約10〜95重量%、さらに好ましくは約30〜90重量%、最も好ま
しくは約50〜約80重量%である。よって、炭酸カルシウムとナトリウムモン
モリロナイトとの組み合わせにおけるナトリウムモンモリロナイトの量は、スケ
ール形成防止剤の総量に対して、好ましくは約5〜90重量%、さらに好ましく
は約10〜70重量%、最も好ましくは約20〜50重量%である。
【0097】 ケイ酸マグネシウム・アルミニウムとナトリウムモンモリロナイトとの組み合
わせに関し、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム対ナトリウムモンモリロナイト
の重量比は、好ましくは約0.1:1〜20:1、さらに好ましくは約0.5:
1〜7:1、最も好ましくは約1:1〜4:1である。従って、ケイ酸マグネシ
ウム・アルミニウムとナトリウムモンモリロナイトとの組み合わせにおけるケイ
酸マグネシウム・アルミニウムの量は、スケール形成防止剤の総量に対して、好
ましくは約10〜95重量%、さらに好ましくは約30〜90重量%、最も好ま
しくは約50〜約80重量%である。よって、ケイ酸マグネシウム・アルミニウ
ムとナトリウムモンモリロナイトとの組み合わせにおけるナトリウムモンモリロ
ナイトの量は、スケール形成防止剤の総量に対して、好ましくは約5〜90重量
%、さらに好ましくは約10〜70重量%、最も好ましくは約20〜50重量%
である。
【0098】 スケール形成防止剤の粒径は小さい方が好ましい。さらに具体的に述べると、
スケール形成防止剤の平均粒径は、スケール形成防止剤に依存するが、約100
ミクロン以下が好ましく、約10ミクロン以下がさらに好ましく、約3ミクロン
以下が最も好ましく、この場合その範囲は約0.01〜10ミクロンが好ましく
、約0.1〜5ミクロンがさらに好ましく、そして約0.1〜3ミクロンが最も
好ましい。以下において説明されるように、炭酸カルシウムが現場で形成される
とき、その粒径は約0.01〜10ミクロンが好ましく、約0.01〜5ミクロ
ンがさらに好ましい。さらに、粉砕炭酸カルシウムを含めてアルカリ土類金属炭
酸塩の場合、その平均粒径は約2ミクロン以下が好ましく、約1ミクロン以下が
さらに好ましく、約0.5ミクロン以下が最も好ましく、この場合その範囲は約
0.1〜2ミクロンである。本出願では、粒径は水溶液中での25℃における動
的光散乱により測定される。
【0099】 スケール形成防止剤の粒径が小さいのがよいという1つの理由は、その比表面
積が大きくなるためである。スケール形成防止剤に依存するが、スケール形成防
止剤の比表面積は約10〜1500m2/gが好ましく、約50〜1000m2
gがさらに好ましい。例えば、オランダ(Netherlands)のゼオリスト・インタ
ーナショナル社(Zeolyst International, Delfziji)から入手できるゼオライ
トは、約400〜950m2/gの範囲の比表面積で合成されている。本出願で
は、表面積は、低温(77K)窒素吸着等温線(low temperature (77K) nitrog
en isotherm)を測定で求め、それよりBETの式を用いて表面積が計算される。
【0100】 この点に関し、本発明のスケール形成防止剤の粒径および表面積は、微粉砕ま
たは粉砕によって、或いは温度、pH、圧力、または環境中で調整されるその環
境の他の化学的/物理的パラメーターによって調節することができる。炭酸カル
シウムに関しては、微粉砕プロセス、および出発物質の石灰に加えられる分散剤
に依存して、いろいろな粒径および比表面積の粉砕炭酸カルシウム粒子を生成さ
せることができる。分散剤は、粘度、粒径を制御して、固形分が典型的には約7
5重量%である粉砕炭酸カルシウムスラリーを安定化するために用いられる。こ
の点に関し、分散剤は、粒子が一緒になり、粒径分布が低下せしめられるように
なることから粒子を安定化する。次の分散剤を用いることができるが、それらに
限定されるわけではない:アニオン性重合体(例えば、ポリアクリレート類、ポ
リスルホネート類、ポリマレエート類、リグノスルホネート類、無水マレイン酸
とイソブチレンとの共重合体)、ノニオン性重合体(例えば、ポリビニルアルコ
ール類、ポリ酢酸ビニル、エトキシレート/プロポキシレート(EO/PO)ブ
ロック共重合体)、カチオン性重合体(例えば、ポリエチレンイミン類、ポリア
ミン類)、アニオン性界面活性剤(例えば、ジアルキルスルホスクシネート類、
アルキルホスフェート類、アルキルエーテルスルフェート類)、カチオン性界面
活性剤(例えば、脂肪アミン塩類、アルキル四級アミン類)、ノニオン性界面活
性剤(例えば、ソルビタンアルカノエート、エトキシ化ソルビタンアルカノエー
ト、アルキルフェノールエトキシレート、脂肪アルコールエトキシレート)。
【0101】 本発明のスケール形成防止剤のスケール抑制効果は、上記のもののような分散
剤の存在によっても向上させることができる。分散剤は、これを、例えば微粉砕
プロセス中にスケール形成防止剤と予備混合することができるが、この分散剤は
本発明のスケール形成防止剤とは別の水性系に、本発明のスケール形成防止剤の
前後いずれかにおいて加えることもできる。例えば、pH、温度、イオン濃度に
依存するが、スケール形成防止剤と分散剤との、好ましくは約50:1〜1:1
、さらに好ましくは約20:1〜1:1、最も好ましくは約10:1〜1:1の
重量比のブレンドは、個々の成分よりも数倍有効であることが多い。
【0102】 1つの例として、以下においてさらに詳細に考察されるように、炭酸カルシウ
ムを現場で形成する場合は、上記のもののような分散剤、例えばポリアクリレー
トも加えることが好ましい。分散剤を現場形成炭酸カルシウムと共に使用すると
きは、その結果として相乗効果が生まれることが多い。例えば、pH、温度、カ
ルシウム濃度およびカーボネート濃度に依存するが、沈降炭酸カルシウムと分散
剤との、好ましくは約50:1〜1:1、さらに好ましくは約20:1〜1:1
、最も好ましくは約10:1〜1:1の重量比のブレンドは、個々の成分よりも
数倍有効であることが多い。
【0103】 もう1つの例として、無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体を本発明の
スケール形成防止剤と共に使用するとき、その結果として予想外の驚くべき相乗
効果をもたらすことができる。無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体は粉
砕炭酸カルシウム以外のスケール形成防止剤と協同して機能するだろうことは予
想されるけれども、粉砕炭酸カルシウムと無水マレイン酸/イソブチレン共重合
体との組み合わせが予想外の相乗結果をもたらすのである。pH、温度およびイ
オン濃度に依存するが、スケール形成防止剤と無水マレイン酸/イソブチレン共
重合体との、好ましくは約50:1〜1:1、さらに好ましくは約20:1〜1
:1、最も好ましくは約10:1〜1:1重量比のブレンドは、個々の成分より
も数倍有効であることが多い。本発明のスケール形成防止剤および上記共重合体
の有効性が低下するのを避けるために、既知スケール形成防止剤のpHは、本発
明のスケール形成防止剤を添加する前に、約8以上であるのが好ましく、約9以
上であるのさらに好ましく、そして約10以上であるのが最も好ましい。上記の
点を考慮して、水性系に加えられる無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体
の量は、好ましくは約250ppmまでであり、さらに好ましくは約100ppmまで
であり、そして最も好ましくは約50ppmまでであり、この場合その範囲は約3
〜250ppmであるのが好ましく、約5〜100ppmであるのがさらに好ましく、
そして約8〜50ppmであるのが最も好ましい。
【0104】 本発明のスケール形成防止剤のスケール抑制効果は、少なくとも1種の蛋白質
の存在によっても向上させることができる。蛋白質はスケール形成防止剤と予備
混合することができるけれども、蛋白質は本発明のスケール形成防止剤とは別の
水性系に、本発明のスケール形成防止剤の前後いずれかにおいて加えることもで
きる。本発明と組み合わせて用いることができる蛋白質の例としては、共にIN
州、フォート・ウエイン(Fort Wayne)のセントラル・ソイヤ社(Central Soya
)から入手できる「ソイプロテイン(Soyprotein)3230」蛋白質および「ソ
イプロテイン4950」蛋白質のような大豆蛋白質が挙げられる。酵素で30分
間処理されている「ソイプロテイン4950」蛋白質であって、IN州、フォー
ト・ウエインのセントラル・ソイヤ社から入手できる「ソイプロテイン4950
#1097−1」蛋白質は、本発明のスケール形成防止剤のスケール抑制効果を
改善し得ることが見いだされた。
【0105】 蛋白質を本発明のスケール形成防止剤と共に使用すると、その結果として予想
外の驚くべき相乗効果が生まれる。例えば、本発明のスケール形成防止剤と蛋白
質との、好ましくは約50:1〜1:1、さらに好ましくは約20:1〜1:1
、最も好ましくは約10:1〜1:1のスケール形成防止剤対蛋白質重量比のブ
レンドは、個々の成分よりも数倍有効であることが多い。例えば、粉砕炭酸カル
シウムと「ソイプロテイン3230」蛋白質か「ソイプロテイン4950#10
97−1」蛋白質のいずれかとの混合物は、個々の成分よりも数倍有効であるこ
とが多い。
【0106】 スケール形成防止剤の種類に依存するが、スケール形成防止剤のイオン交換容
量は1つの重要な変数である。スケーリングの防止にイオン交換を伴うスケール
形成防止剤、例えばゼオライトの場合、そのイオン交換容量は少なくとも約0.
1meq/gであるのが好ましく、少なくとも約0.5meq/gがさらに好ましく、
少なくとも約1.0meq/gが最も好ましく、この場合その範囲は典型的には約
0.1〜10meq/gであり、さらに典型的には約0.5〜8meq/gであり、そ
して最も典型的には約1.0〜8.0meq/gである。本発明のスケール形成防
止剤の一部のものとは著しく違って、粉砕炭酸カルシウムのイオン交換容量は、
その粉砕炭酸カルシウムが炭酸カルシウムの種結晶を作るために使用されるとき
は重要でない。
【0107】 炭酸カルシウムをスケール形成防止剤として利用するときは、粉砕炭酸カルシ
ウムを用いることが好ましい。粉砕炭酸カルシウムは、炭酸カルシウム種が、通
常、白亜、石灰石および大理石に分類される供給材料岩石の乾式粉砕か湿式粉砕
のいずれかで製造することができる。乾式法においては、供給材料岩石は、これ
を篩い分けて大きな粒子を除いた後に、回転乾燥機のような乾燥機中で乾燥し、
そしてボールミル、ローラーミルまたはハンマーミルのような微粉砕機で微粉砕
することができる。その最も微細な粒子は、典型的には、塊状物から風力分級さ
れ、その際粗粒はさらに微粉砕するために微粉砕機に戻される。この方法は、容
易に砕かれ、典型的には5〜10ミクロンの粗粒をもたらす白亜充填材用に用い
られる。石灰石および大理石からの粉砕炭酸カルシウムの製造には、湿式粉砕を
破砕およびボールミリング後に行うのがさらに一般的である。このプロセスにお
いては、汚染物を除去するために浮上分離が利用され、その結果高明度の仕上げ
製品がもたらされる。粒径中央値が2ミクロン未満である製品は、通常、媒質中
でまたはサンドミル中で湿式粉砕される。前記で議論されたもののような分散剤
は、通常、粉砕炭酸カルシウムの高固形分スラリーを生成させるために、粉砕プ
ロセス中に加えられる。粉砕炭酸カルシウム中の不純物レベルは、典型的には少
なくとも約0.5重量%、さらに典型的には少なくとも約0.8重量%、そして
最も典型的には少なくとも約1重量%であり、この場合不純物レベル範囲は、典
型的には約1〜2重量%である。
【0108】 沈降炭酸カルシウムに比較しての粉砕炭酸カルシウムによるスケーリングの抑
制は、予想外かつ驚くべきものであった。理論で縛られることは望まないが、粉
砕炭酸カルシウムの非多孔質構造が沈降炭酸カルシウムの多孔質構造よりも有効
であると思われる。水性炭酸カルシウムの沈降炭酸カルシウム上への沈殿が粉砕
炭酸カルシウムに比較して遅いので、沈降炭酸カルシウムの気孔は水性炭酸カル
シウムの沈降炭酸カルシウム表面への拡散を遅くすると考えられるのである。
【0109】 前記スケール形成防止剤の多くは商業的に入手できる。さらに、前記スケール
形成防止剤の一部は現場で形成することも可能である。例えば、炭酸カルシウム
、炭酸マグネシウム、非晶質ケイ酸アルミニウムおよび炭酸第二鉄は現場で製造
することができる。
【0110】 本発明に従ってスケール形成防止剤として機能することができる炭酸カルシウ
ムを現場で製造するのに幾つかのやり方がある。例えば、カルシウムイオンを含
んでいる水溶液、例えば蒸解液または漂白プラントの濾液にCO2をパージするこ
とができる。もう1つの例として、例えばカルシウム塩からのカルシウムイオン
を、炭酸イオンを含んでいる水溶液、例えば蒸解液または漂白プラントの濾液に
加えることもできる。さらにもう1つの例として、炭酸カルシウムはCaOと炭酸
イオンとの反応によって製造することができる;例えば炭酸カルシウムは、消石
灰(CaO)が炭酸イオン(炭酸ナトリウム経由)と反応してNaOHと炭酸カルシウ
ムを形成するクラフトパルプ工場回収系における苛性化反応によって製造するこ
とができる。
【0111】 本発明のスケール形成防止剤を現場で形成するときは、驚くべきことに、既知
のスケール形成防止剤と現場形成スケール形成防止剤とのある種の組み合わせが
、相乗作用をもたらすことが見いだされた。特に、沈降炭酸カルシウム、即ち現
場形成された炭酸カルシウムをポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸と
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体およびアクリ
ル酸と2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸との共重合体、並
びにニトリロトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシ−エチリデンホスホン酸、ホ
スホノブタントリカルボン酸およびヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン化合物
のような既知のスケール形成防止剤と組み合わせると、相乗結果が生まれる。本
発明のスケール形成防止剤の有効性が低下するのを避けるために、既知のスケー
ル形成防止剤のpHは、本発明のスケール形成防止剤を加える前に、約8以上で
あるのが好ましく、約9以上であるのがさらに好ましく、約10以上であるのが
最も好ましい。この点に関して、炭酸カルシウムのような多価金属炭酸塩は、典
型的には、7未満のpHにおいて溶解し始め、また多価金属ケイ酸塩は、低pH
においては、水素イオンのプロトン化に起因して効果が無くなる。有効性を最大
限に大きくするためには、沈降炭酸カルシウム対常用スケール形成防止剤の重量
比は約10:1〜100:1であるのが好ましく、約4:1〜8:1であるのが
さらに好ましく、約6:1であるのが最も好ましい。
【0112】 水性系に加えられるスケール形成防止剤の量は、温度、pHおよび他の化合物
の存在のような変数に依存する。温度に関し、より高い温度は、通常、より多量
のスケール形成防止剤を必要とする。必要とされるスケール形成防止剤の量に及
ぼすpH変化の影響は、スケール形成防止剤のタイプに依存する。同様に、スケ
ール形成防止剤の量に及ぼす他の化合物が存在することの影響も、そのような他
の化合物に依存する。例えば、マグネシウムおよび鉄を含んでいる化合物は、よ
り多くのスケール形成防止剤が必要となるほど毒として作用することがある。こ
れに対して、リグニンのような化合物は、必要スケール形成防止剤量がより少な
くなるほど向上剤として機能する。
【0113】 上記の点を考慮して、スケール形成防止剤は、水性系に、水硬度1ppm当たり
、好ましくは約1ppb〜10ppm、さらに好ましくは約1ppb〜7ppm、最も好まし
くは約1ppb〜5ppmの濃度で加えられる。従って、スケール形成防止剤は、水性
系に、約50ppmまで、さらに好ましくは約75ppmまで、それよりもさらに好ま
しくは約95ppmまで、それよりもさらに好ましくは約200ppmまで、それより
もさらに好ましくは約500ppmまで、最も好ましくは約1000ppmまでの濃度
で加えられ、この場合その範囲は約1〜1000ppmであるのが好ましく、約1
〜500ppmであるのがさらに好ましく、約1〜200ppmであるのが最も好まし
い。
【0114】 スケール形成防止剤が加えられる水性系は、カルシウム、バリウム、マグネシ
ウム、アルミニウム、ストロンチウム、鉄等々の各イオンような金属イオン、お
よびビカーボネート、カーボネート、オキサレート、スルフェート、ホスフェー
ト、シリケート、フルオリド等々のようなアニオンを含んでいることができる。
【0115】 本発明が防止しようとするスケールは、上記イオンの任意の化合によって形成
され得る。例えば、スケールは炭酸カルシウムとシュウ酸カルシウムとの化合に
関係するだろう。スケールは、典型的には、無機物質を少なくとも約90重量%
、さらに典型的には少なくとも約95重量%、最も典型的には少なくとも約99
重量%で含む。
【0116】 スケール形成防止剤を加えることができる、カルシウムイオンと炭酸イオンと
を含んでいる水性系中には、そのスケール形成防止剤の添加前に、[Ca+2]が通
常約10〜500ppm、さらに通常は約20〜300ppm、最も通常には約50〜
200ppmで存在する。さらに、このような系中の[CO3 -2]は、スケール形成防
止剤の添加前に、通常約100〜30,000ppm、さらに通常は約500〜2
5,000ppm、最も通常には約1000〜20,000ppmで存在する。
【0117】 スケール形成防止剤を加えることができる、カルシウムイオンとシュウ酸イオ
ンとを含んでいる水性系中には、そのスケール形成防止剤の添加前に、[Ca+2
が通常約5〜600ppm、さらに通常は約10〜500ppm、それよりもさらに通
常には約20〜500ppm、最も通常には約30〜400ppmで存在する。さらに
、このような系中の[シュウ酸イオン(オキサレート:oxalate)]は、スケー
ル形成防止剤の添加前に、通常約0.1〜10,000ppm、さらに通常は約1
〜5,000ppm、最も通常には約5〜1000ppmで存在する。
【0118】 水性系は他の添加剤および化合物も含んでいることができる。例えば、本発明
の多価金属スケール形成防止剤は、ホスフェート類、アクリレート類、ホスホネ
ート類、エポキシこはく酸無水物、スルホネート類およびマレエート類のような
、本出願の背景の欄で議論されたもののような他のスケール形成防止剤と共に使
用することができる。本発明のスケール形成防止剤と組み合わされるべき他のス
ケール形成防止剤の量は、その系の条件並びにスケール形成防止剤のタイプに依
存する。他のスケール形成防止剤の本発明スケール形成防止剤に対する重量比は
、約1:100〜100:1であるのが好ましく、約1:30〜30:1がさら
に好ましく、約1:10〜10:1が最も好ましい。これらのスケール形成防止
剤は水性系に別々に加えることができ、その場合本発明のスケール形成防止剤は
他のスケール形成防止剤の前または後に加えられるけれども、それらスケール形
成防止剤は水性系への添加前に予備混合されるのが好ましい。複数のスケール形
成防止剤を一緒に使用する方法は、混合時にそれらブレンドの物理的/化学的性
質を保っているのがよく、例えば他のスケール形成防止剤のpHは、上記の理由
から、約8以上であるのが好ましく、約9以上であるのがさらに好ましく、約1
0以上であるのが最も好ましい。
【0119】 添加剤の他の例として、界面活性剤(例えば、エポキシレート/プロポキシレ
ート(EO/PO)ブロック共重合体、アルキルフェノールエトキシレート類、
ジアルキルスルホスクシネート類、アルキルホスフェート類、アルキルエーテル
スルフェート類、エトキシ化ソルビタンアルカノエート類、脂肪アミン塩、脂肪
アルコールエトキシレートおよびシリコン系界面活性剤)、前記で議論されたも
ののような分散剤、パルプ化用助剤(例えば、AQ(アントラキノン)、ポリス
ルフィドおよび上記の界面活性剤)、漂白剤(例えば、酵素、過酸化水素、二酸
化塩素、次亜塩素酸塩、酸素、オゾン、およびEDTA(エチレンジアミン四酢酸)
のようなキレート化剤)、並びに以下においてさらに詳しく議論される系のパー
ジプログラム、例えば流出液処理装置、回収ボイラー、清澄器、濾過器、浮上分
離槽、クリーナーおよびスクリーンにおける凝集、凝固および清澄化用の重合体
が挙げられる。
【0120】 スケール形成防止剤が加えられる水性系は昇温下にある。例えば、水性系の温
度は、典型的には約25〜500℃、さらに典型的には約70〜500℃、それ
よりもさらに典型的には約80〜200℃であることができる。スケール形成防
止剤を蒸解釜に加える場合、その水性系の温度は、通常約150〜175℃であ
る。スケール形成防止剤を蒸解釜より前のチップシュートポンプにおいて加える
場合、その水性系の温度は、通常約80〜110℃である。
【0121】 本発明のスケール形成防止剤はいろいろなpH条件下で作用する。特に、本発
明のスケール形成防止剤は、好ましくは約2〜14、さらに好ましくは約3〜1
4、そして最も好ましくは約4〜14、例えば10〜14のpHで作用する。前
記のように、pHの変化はスケーリングを引き起こす。
【0122】 この点に関し、本発明のスケール形成防止剤は、シュウ酸塩スケールのような
ある種のスケール形態に対しては酸性条件下で作用する。シュウ酸塩のスケーリ
ングの場合、スケール形成防止剤が加えられる水性系は約2〜7、それよりもさ
らに通常には3〜7のような約7以下のpHを有していることが多い。例えば、
典型的な漂白プラント段階におけるpHは、通常約2〜12、さらに通常は2〜
7、それよりもさらに通常には約2.5〜5である。
【0123】 炭酸塩のスケーリングの場合は、スケール形成防止剤が加えられる水性系は、
塩基性pH、さらに通常は少なくとも約9のpHであって、通常約5〜14、さ
らに通常は約9〜14、それよりもさらに通常には約10〜13の範囲のpHを
有していることが多い。この点に関して、製紙における漂白シーケンスは、一般
に、典型的には約9〜14、さらに典型的には約10〜12のような高pHで起
こる。
【0124】 スケール形成防止剤が加えられる水性系は酸化性条件にあることができる。本
発明のスケール形成防止剤の酸化性条件下において機能するこの能力は、漂白条
件は酸化性であることが多いので重要である。さらに、酸化性条件は既知のスケ
ール形成防止剤を分解させることが多い。酸化性条件は過酸化水素または二酸化
塩素の結果であろう。過酸化水素は約100〜10,000ppm、さらに典型的
には約200〜2000ppm、それよりさらに好ましくは約240〜750ppmの
レベルで存在することができる。二酸化塩素約200〜10,000ppm、さら
に典型的には約500〜3000ppm、それよりもさらに典型的には約600〜
1100ppmのレベルで存在することができる。
【0125】 スケール形成防止剤が加えられる水性系は、大気圧条件下または加圧下にある
ことができる。例えば、圧力は、典型的には約14〜1500psi、さらに典型
的には約80〜1500psiである。水性系が製紙工場の蒸解釜を含む場合、蒸
解釜における圧力は、典型的には約125〜150psiである。水性系がボイラ
ーを含む場合、ボイラーにおける圧力は、典型的には約1500psiまでである
【0126】 スケール形成防止剤が現場で形成されない場合、スケール形成防止剤が水性系
中に十分に分散されるのを保証するために、スケール形成防止剤は水系スラリー
の形で加えられるのが好ましい。スケール形成防止剤に依存するが、水系スラリ
ーはスケール形成防止剤を約5重量%以下でも、スケール形成防止剤を約2重量
%以下でも、スケール形成防止剤を少なくとも約40重量%でも、スケール形成
防止剤を少なくとも約50重量%でも、スケール形成防止剤を少なくとも約60
重量%でも、或いはスケール形成防止剤を少なくとも約75重量%でも含んでい
ることができる。例えば、粉砕炭酸カルシウムでは、炭酸カルシウムの量が約7
5重量%以下であるならば、その粉砕炭酸カルシウムはスラリーから沈殿、析出
することがある。もう1つの例として、ベントナイトでは、ベントナイトの量が
約5重量%以上ならば、そのスラリーをポンプ給送することが困難である。
【0127】 スケール形成防止剤を加えることができる系の例に、好ましくは少なくとも約
10gpm、さらに好ましくは少なくとも約20gpm、それよりもさらに好ましくは
少なくとも約1000gpmの水処理量を有する工業用水系がある。本発明の工業
用水系の例として、冷却塔、熱交換器、蒸発器、パルプ化蒸解釜、パルプ洗浄機
およびパルプ漂白装置が挙げられる。これら工業用水系は、採鉱(例えば、アル
カリ条件下での鉱石洗浄)、繊維(例えば、冷却塔、熱交換器、洗浄プロセス)
、自動車(例えば、冷却塔、熱交換器)、食品加工(例えば、加工装置、清澄化
、エアレーション、滅菌および醸造所)、製鋼(例えば、冷却塔、熱交換器)、
水処理(例えば、純水化)、および(例えば、原油−水混合物の生産および加工
処理における)石油において必要とされるだろう。
【0128】 特に、クラフトパルプを製造する際の蒸解釜中におけるスケールの沈積が、本
発明に従って制御することができる。当然の結果として、蒸解釜の系統長さを延
ばして生産性、パルプの均一性およびエネルギー損失の低下に改善を達成するこ
とができることになる。さらに、スケール沈積物の結果として生ずる諸問題を著
しく減らし、運転効率の改善に価値のある寄与をなす。
【0129】 スケール形成防止剤の添加点は、スケールが形成される可能性のある場所また
はその前であることができる。例えば、スケール形成防止剤は、パルプ化蒸解釜
より前にまたはパルプ化蒸解釜において加えることができる。もう1つの例とし
て、スケール形成防止剤は、漂白プラント装置の直前または漂白プラントの中に
加えることができる。スケール形成防止剤をパルプ化蒸解釜よりも前に加える場
合、それは木材チップの機械的処理中またはその処理後に加えられることが多い
。例えば、スケール形成防止剤は、チップビンの後、木材チップのシュートポン
プの所、蒸解液のヒーターポンプの所、またはインライン・ドレーナーの所で加
えることができる。スケール形成防止剤を蒸解釜または他の系に直接加えるとき
、その添加点はスケール形成の防止が最も必要とされる所が的にされるだろう。
例えば、スケール形成防止剤は蒸解釜の蒸解域に加えることができる。
【0130】 本発明のスケール形成防止剤は、多くの条件下で既知のスケール形成防止性重
合体よりも性能がよい。適切なまたは改善された性能に加えて、多価金属ケイ酸
塩および多価金属炭酸塩の原料費は既知のスケール形成防止剤のそれよりも著し
く低い。従って、本発明の1つの利点はコスト効率である。
【0131】 スケール形成防止剤が一旦使用されたら、例えばパルプが蒸解釜を出た後また
は漂白プロセスが終わった後、スケール形成防止剤を系、例えば蒸解液または漂
白液から除去するのが好ましいだろう。スケール形成防止剤の除去はそのような
系に依存し、また機械的および/または化学的分離技法に関係することがある。
【0132】 機械的分離は、清澄器、浮上分離槽、沈降槽、濾過器(プレコートおよびクロ
スカバー付き)、遠心分離機および浸透圧装置のような装置によることができる
【0133】 化学的分離は清澄助剤の使用を必要とすることがある。清澄助剤は、有機また
は無機化学薬品を固体と結合または反応させて、速やかに分離する傾向がある大
きな塊を形成することを含む。高分子量の有機水溶性重合体が凝固剤として広く
使用されている。凝固剤重合体は、カチオン性(例えば、ポリジアリルジメチル
アンモニウムクロリド(ポリDADMAC)、ポリアミン類)でもよいし、アニオン性
(例えば、ポリアクリルアミド類、ポリアミド類、ポリアクリル酸類)でもよい
し、或いはノニオン性(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール
)でもよい。凝固剤重合体の量は、好ましくは約10ppmまで、さらに通常は約
5ppmまで、最も通常には約0.5ppmまでである。凝固剤重合体は約1×106
以上の分子量を有することができ、この場合通常の分子量範囲は約1×106
10×106である。明礬水酸化物および鉄水酸化物のような無機化合物も凝固
剤として使用することができる。
【0134】 本発明を次の実施例によってさらに説明することにする。これらの実施例は非
限定例であって、本発明の範囲を制限するものではない。 特に記載がない限りは、実施例に与えられる百分率、部数等々は全て重量によ
る。
【0135】 実施例1〜39並びに比較例1および2 多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の炭酸カルシウムスケールの抑制に及
ぼす効果を調べ、そしてそれらの性能を既知のスケール抑制剤と比較するために
びん試験を行った。以下においてさらに詳細に考察されるように、試験条件は7
0℃、pH12.4および緩和な攪拌を伴う1時間のインキュベーション時間で
あった。
【0136】 塩化カルシウム2.205重量%の水性硬度溶液を調製した。炭酸ナトリウム
0.18重量%および水酸化ナトリウム0.2125重量%のアルカリ性水溶液
を調製した。両溶液を100mLのガラスびんに同時に加え、続いて表1に記載
されるスケール形成防止剤を、以下の表2および3に記載される組成を有する1
00gの最終溶液を達成する割合で加えた。水酸化ナトリウムを加えることによ
り溶液のpHを12.4に調整した。表2および3に示されるように、最終溶液
は、Ca+260ppm(CaCO3として150ppm)およびCO3 -21000ppmという「緩
和な」スケーリング条件か、またはCa+2100ppm(CaCO3として250ppm)お
よびCO3 -210,000ppmという「過酷な」スケーリング条件のいずれかを伴っ
ていた。
【0137】 70℃で1時間攪拌した後、上記溶液を試験びんから取り出し、そして#4ワ
ットマンフィルター(気孔サイズ<20〜25μm)を用いて真空濾過に付した
。ワットマンフィルターの気孔サイズに関し、これらの実施例および比較例の場
合、大体の傾向として述べると、約20〜25ミクロンより小さい粒径を有する
CaCO3結晶が基材上に沈殿する傾向がより小さく、また約20〜25ミクロンよ
り大きい粒径を有する結晶は基材上に沈殿する可能性がより大きく、従ってスケ
ールとして沈殿する可能性がある。例えば、粒径と結晶化速度および沈殿との間
の関係は、ここで参照することによって開示全体が本明細書に含められる、ハン
セン等に付与された米国特許第3,518,204号明細書、第3欄において考
察されている。上記の濾液試料を2グラムの30重量%塩酸に加えてさらなる結
晶の形成/成長を妨げた。
【0138】 上記試験溶液を試験びんから取り除いた後、各試験びんについて「付着」試料
(“adherent”sample)を生成させたが、これはそのガラスびんを50グラムの
14重量%硝酸により洗浄することを含んでいた。この付着試料は、びん表面上
に試験期間中に沈積する炭酸カルシウムの量を示すものである。
【0139】 全ての液体試料を、カルシウムイオン濃度について、高周波誘導結合プラズマ
(ICP)で分析した。ICPは、サーモ・ジャッレル・アッシュ社(Thermo Jarrell
Ash Corporation)、フランクリン(Franklin)、MA州から入手できる“IRIS
-AP Duo”高周波誘導結合プラズマ分光計を用いることにより行われた。“IRIS-
AP Duo”高周波誘導結合プラズマ分光計の操作条件は次のとおりであった。排気
管を開けると、圧力ゲージは0.8〜1.2psiの圧力降下を示した。CID(char
ge injection device:電荷注入装置)温度は−70℃より低く、またFPA(Foca
l Plain Array:焦点面アレイ)温度は5℃より高かった。パージ時間は90秒
に設定された。点火パラメーターは次のとおりであった:RF(高周波)電力:
1150ワット、補助流:中、ネブライザー流量:0.55L/分及びポンプ速
度110rpm。タンクおよびメインのパージガス弁は、それぞれ4L/分および
6L/分に設定された。カメラ弁の設定は2L/分であった。分光計を上記で議
論したとおり設定した後、その分光計を、自動試料採取器を作動させる前に少な
くとも15分間加温した。
【0140】 上記のとおり、表1は本出願の実施例および比較例で用いられたスケール形成
防止剤の一覧表である。
【0141】
【表1】
【0142】
【0143】
【0144】 これら試験の条件および結果は以下の表2および3に示される。表2の場合、
試験条件は、温度70℃、pH12.5、[Ca+2]=60ppmおよび[CO3 -2]=
1000ppmであった。表2において、「抑制率・%」はスケールの形成がどの
くらい多く防がれるかの相対尺度であって、より高い値がスケール形成のより良
好な防止を反映している。パーセント抑制率は次のように計算される:
【0145】
【数1】
【0146】 未処理試料のCa濃度(CaCO3として)が、5.9ppmである比較例1のCa濃度(
CaCO3として)であることを考慮し、そして全Ca濃度(CaCO3として)が150pp
mであることを考慮すると、実施例1のパーセント抑制率は11%=(21−5
.9)/(150−5.9)である。より高い抑制率・%が好ましいけれども、
抑制率・%は少なくとも約85%であるのが好ましい。また、表2において、「
沈積率・%」は表面に沈積したCa(CaCO3として)の重量パーセントである。
【0147】
【表2】
【0148】 表2は、「緩和な」スケーリング条件(即ち、Ca+260ppmおよびCO3 -2100
0ppm)の下では、スケール形成防止剤BおよびLの外は、試験された全てのス
ケール形成防止剤が結晶の形成を抑制するか、または表面上でのスケールの沈積
を低下させるかのいずれかにおいて有効であったことを示している。パーセント
スケール沈積率は、炭酸カルシウムがこれらの多価金属ケイ酸塩および多価金属
炭酸塩、特にスケール形成防止剤C、G、IおよびN〜Uにより処理されたとき
著しく低下された。
【0149】 以下の表3において、その試験条件は、温度70℃、pH12.5、[Ca+2
=100ppmおよび[CO3 -2]=10,000ppmであった。
【0150】
【表3】
【0151】 表3は、スケール形成防止剤G、N、O、R、TおよびUも、この「過酷な」
条件(即ち、Ca+2100ppmおよびCO3 -210000ppm)の下でスケールの形成
および沈積を低下させるに当たって有効であったことを示している。
【0152】 表2および3のデータを考察するに当たっては、ケイ酸マグネシウム・アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム、マグネシウムベントナイト、カルシウムベントナ
イトおよび海泡石のような多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩は、イオン交
換特性を欠くために、硬水軟化剤としては普通使用されないことに留意されたい
。しかし、これらの多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩は、CaCO3スケール
の制御には効果的に働く。驚くべきことに、おそらく硬水軟化剤として機能する
ナトリウムアルミノシリケート類(例えば、スケール形成防止剤BおよびL)も
、CaCO3結晶形成の抑制およびスケール沈積の低下に関しては働かない。
【0153】 実施例40〜43および比較例3〜7 ナトリウムモンモリロナイト(ベントナイト)、即ちスケール形成防止剤Gの
性能を既知のスケール形成防止性重合体と比較するために、「パル(Parr:登録
商標)」ボンベ試験を行った。実験はクラフトパルプ化法の温度に模した温度で
行われた。
【0154】 試験条件は、温度170℃、pH12.4、Ca+260ppm、CO3 -21000ppm
および攪拌を伴わない1時間のインキュベーション時間であった。炭酸塩溶液を
、表4および5に記載される濃度を有する溶液を得るために、実施例1〜39並
びに比較例1および2に記載された手順を用いて混合前に70℃に予熱した。
【0155】 上記の溶液を、パル・インスツルメント社(Parr Instrument Company)、モ
ーライン(Moline)、IL州から入手できる容量125mLのパル(登録商標)
ボンベ・モデル4751に加えた後、それらボンベを、オーブン中に、170℃
で、120〜150psiの典型的な圧力において1時間入れて置いた。処理後、
それらボンベをオーブンから取り出し、1時間放冷した。得られた流体をボンベ
から取り出し、そして実施例1〜39並びに比較例1および2に記載される真空
濾過に付した。この流体をボンベから取り出した後、基材表面上の沈積炭酸カル
シウムを50グラムの14重量%硝酸で溶解することによって、各パル(登録商
標)ボンベから「付着」試料も生成させた。全ての流体試料を、実施例1〜39
並びに比較例1および2に記載された手順を用いて、高周波誘導結合プラズマ(
ICP)でカルシウムイオン濃度の分析を行った。
【0156】 以下の表4において、試験条件は、温度170℃、pH12.5、[Ca+2]=
60ppmおよび[CO3 -2]=1000ppmであった。比較例4および5は、ドロー
・ケミカル社(Draw Chemical Company)から入手できる、約2700の分子量
を有する、マレイン酸とアクリル酸(2:1モル比)の共重合体である「ドロー
ファックス(DRAWFAX)342」を含む。
【0157】
【表4】
【0158】 表4は、スケール形成防止剤G、即ちナトリウムモンモリロナイトは、結晶成
長の抑制およびスケール沈積の低下に関して、既知の重合体、即ちマレイン酸と
アクリル酸との共重合体「ドローファックス342」よりも有効であることを示
している。
【0159】 以下の表5において、試験条件は、温度170℃、pH12.5、[Ca+2]=
100ppmおよび[CO3 -2]=10,000ppmであった。
【0160】
【表5】
【0161】 表5は、スケール形成防止剤G、即ちナトリウムモンモリロナイトは、「過酷
な」条件に付されたとき、さらに良好に働いたことを示している。
【0162】 実施例44〜66および比較例8〜18 これらの実施例および比較例は、各種スケール抑制剤の有効性を調べるために
、動的チューブブロッキング試験(dynamic tube blocking test)を用いること
を含む。カーボネートおよびスケール形成防止剤を含んでいる塩基性溶液を毛管
中のカルシウム溶液と混合して、スケーリングの防止におけるスケール形成防止
剤の、毛管中の圧力増大により測定される有効性を試験した。
【0163】 上記の点を考慮して、Na2CO3を73.78g/Lで含む実施例54および55
の外は、上記塩基性溶液は: 37.09g/LのNa2CO3; 6g/LのNaOH(50重量%);および 表6および7の濃度を得る量のスケール形成防止剤 を含んでいた。この塩基性溶液を第一毛管を通して12.5mL/分の流量で供
給した。上記カルシウム溶液は0.74g/LのCaCl2・2H2Oを含むもので、第
一毛管を接合して長さ2メートルの毛管(内径0.127cm)を形成する第二
毛管を通して12.5mL/分の流量で供給された。
【0164】 その結果、上記の塩基性溶液とカルシウム溶液とは混合されて過飽和溶液を形
成した。この過飽和水溶液の組成は、20,000ppmのカーボネートを含んで
いる実施例54および55を除けば、次のとおりであった: カルシウムイオン:96ppm 炭酸イオン:10,054ppm NaOH:0.15重量%(pH=12.5) 温度:170℃。
【0165】 上記過飽和溶液は、上記の長さ2メートルの毛管を通して、温度170℃およ
び圧力55psiにおいて、25mL/分の流量で汲み上げられた。 上記の2つの溶液が毛管中で混合されるやいなや炭酸カルシウムの結晶が生成
し、沈殿した。沈殿の程度はスケール抑制剤の有効性と濃度に依存し、そしてそ
れは圧力変換器で測定される毛管前後の背圧により示された。低い差圧は効果的
な処理を示すものであった。試験は、30分間か、または1psiの圧力増加が得
られるまで行われた。1psiに達する経過時間(即ち、誘導時間)が長ければ長
いほど、その化学的処理は効果的である。
【0166】 表6および7に記載されるように、多数の多価金属ケイ酸塩および多価金属炭
酸塩を、動的チューブブロッキング試験を用いて試験し、その結果を、PESA(ポ
リエポキシこはく酸)、AMP(アミノトリ−(メチレンホスホン酸)、PBTC(2
−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸)、「ドローファックス342
」共重合体(前記)、およびパフォーマンス・プロセス社(Performance Proces
s Incorporated)、マンデレイン(Mundelein)、IL州から入手できる、分子
量3300のポリアクリル酸である「SB37105」のような既知のスケール
形成防止剤の性能と比較した。
【0167】
【表6】
【0168】 表6の結果は、PESAおよびマレイン酸共重合体は、1psiの差圧に達する誘導
時間が非常に短い(2〜6分)ことによって表されるとおり、結晶成長を抑制し
て、チューブ表面上でのスケールの沈積を減少させるに当たって有効ではなかっ
たことを示している。これに比較して、未処理の炭酸カルシウム溶液はこの差圧
に約2分で達した。
【0169】 表6は、また、スケール形成防止剤E、FおよびGは、既知のスケール形成防
止剤よりも優れていたことを示している。例えば、スケール形成防止剤Gの30
ppmにおける性能はAMPの60ppmにおける性能より効率的であった。ナトリウム
アルミノシリケートゼオライト(即ち、スケール形成防止剤A)は、カルシウム
96ppmおよびカーボネート濃度20,000ppmという条件下では十分に働かな
いだろうことは予想されたことであるが、一方実施例55はこれらの条件下でス
ケール形成防止剤Gが、CaCO3スケールの形成および沈積を依然として効果的に
制御した。
【0170】 表7は、もう1種の多価金属ケイ酸塩または多価金属炭酸塩のいずれかとブレ
ンドされたナトリウムモンモリロナイトのスケール抑制に関係する。
【0171】
【表7】
【0172】 表7は、スケール形成防止剤Fを、水性系への添加前に、スケール形成防止剤
Gと1:2重量比でブレンドしたとき、強い相乗作用が観察されたことを示して
いる。例えば、30分では、このブレンドは、10ppmという非常に低い用量に
おいても、依然として非常に低い差圧(0.3psi)を示した。これと比較して
、スケール形成防止剤G(15ppm)の場合は、1psiの差圧は10分で、またス
ケール形成防止剤F(10ppm)の場合は同じ圧力で29分で達せられた。表7
は、また、スケール形成防止剤Jとスケール形成防止剤Gとのブレンドも明らか
に相乗作用を示したことを示している。
【0173】 実施例67〜71並びに比較例19および26 炭酸カルシウムおよび既知のスケール形成防止剤の、炭酸カルシウムおよびシ
ュウ酸カルシウムスケールの抑制に及ぼす、異なるpHにおける効果を比較する
ために、びん試験を行った。以下においてさらに詳しく議論されるように、試験
条件は、70℃、および緩和な攪拌を伴う1時間のインキュベーション時間であ
った。
【0174】 最終溶液は、一般に、実施例1〜39並びに比較例1および2の手順に従って
調製された。この点に関し、各びん試験で用いられた溶液の量は100gであっ
たけれども、調製された最終溶液の量は100gより多いときもあった。各場合
においては、しかし、最終溶液はカルシウムを60ppm、カーボネートを500p
pm、およびオキサレートを100ppm有していた。カルシウムおよびカーボネー
ト源は実施例1〜39並びに比較例1および2と同じであり、またオキサレート
源はシュウ酸ナトリウムであった。溶液のpHは、水酸化ナトリウムを加えるこ
とによって、以下の表8に記載されるpHに調整された。
【0175】 上記溶液を70℃で1時間攪拌した後、試験びんから取り出し、そして#11
4ワットマンフィルター(気孔サイズ20μm)を用いて真空濾過に付した。前
記のように、大体の傾向として述べると、約20ミクロンより小さい粒径を有す
るCaCO3結晶およびシュウ酸カルシウム結晶は基材上に沈殿する傾向がより小さ
く、また約20ミクロンより大きい粒径を有する結晶は基材上に沈殿する可能性
がより大きく、従ってスケールとして沈殿する可能性がある。上記の濾液試料を
2グラムの30重量%塩酸に加えてさらなる結晶の形成/成長を妨げた。
【0176】 試験溶液を試験びんから取り除いた後、各試験びんから、実施例1〜39並び
に比較例1および2と同じようにして「付着」試料を生成させた。全ての液体試
料を、カルシウムイオン濃度について、実施例1〜39並びに比較例1および2
と同じようにして高周波誘導結合プラズマ(ICP)で分析した。
【0177】 これら試験の条件および結果は以下の表8に示される。表8の場合、試験条件
は、温度70℃、[NaCl]=0.3重量%、[Ca+2]=100ppm、[CO3 -2]=
500ppmおよび[オキサレート]=100ppmであった。表8において、SL4
560およびSL4600は、それぞれ「SL4560」スケール形成防止剤お
よび「SL4600」スケール形成防止剤であり、共にハーキュレス社(Hercul
es Incorporated)、ウイルミントン(Wilmington)、デラウエア州(Delaware
)から入手できる。「SL4560」および「SL4600」スケール形成防止
剤は、ポリカルボキシレートとリン酸塩とのハーキュレス社特製ブレンドである
【0178】
【表8】
【0179】 表8は、本発明によるスケール形成防止剤F、即ち炭酸カルシウムは、既知の
スケール形成防止剤に比較して十分よく働くことを示している。特に、本発明の
スケール形成防止剤は、一般に、より少ない用量で、より多い用量の既知スケー
ル形成防止剤と少なくとも同じくらいよく働いた。さらに、より少ない用量の本
発明のスケール形成防止剤は、より多い用量の既知スケール形成防止剤より性能
が優れていた。
【0180】 実施例72〜74および比較例27〜35 炭酸カルシウムおよび既知のスケール形成防止剤の、炭酸カルシウムおよびシ
ュウ酸カルシウムスケールの抑制に及ぼす、カルシウム、カーボネートおよびオ
キサレートの少なくとも1種の、実施例67〜71および比較例19〜26に比
較してそれより高い濃度における効果を比較するために、びん試験を行った。そ
の手順は、カルシウム、カーボネートおよびオキサレートの少なくとも1種の濃
度が以下の表9〜11に示されるとおり増加されたことを除いて、実施例67〜
71および比較例19〜26における手順と同じであった。
【0181】 試験の第一セットの条件および結果は以下の表9に示される。表9の場合、試
験条件は、温度70℃、インキュベーション時間1時間、pH=11.0、[Na
Cl]=0.3重量%、[Ca+2]=100ppm、[CO3 -2]=500ppmおよび[オ
キサレート]=100ppmであった。表9において、また表10および11にお
いても、SL4560およびSL4600は、それぞれ「SL4560」スケー
ル形成防止剤および「SL4600」スケール形成防止剤を意味し、共にハーキ
ュレス社、ウイルミントン、デラウエア州から入手でき、またAR970Aは、
ALCOケミカル社(ALCO Chemical)、チャッタノーガ(Chattanooga)、テネシー
州(Tennessee)から入手できる「AR970A」ポリアクリレートスケール形
成防止剤を意味する。表9の場合、その抑制率・%は未処理試料において回収さ
れた20ppmの炭酸カルシウムに基づくものであり、またダッシュ符号“−”は
試験されなかったことを示す。
【0182】
【表9】
【0183】 表9は、本発明の炭酸カルシウムは、記載された条件下でスケーリングを既知
のスケール形成防止剤よりも効果的に抑制したことを示している。 試験の第二セットの条件および結果は以下の表10に示される。表10の場合
、試験条件は、温度70℃、インキュベーション時間1時間、pH=11.0、
[NaCl]=0.3重量%、[Ca+2]=100ppm、[CO3 -2]=1000ppmおよ
び[オキサレート]=100ppmであった。表10の場合、その抑制率・%は未
処理試料において回収された24ppmの炭酸カルシウムに基づくものである。
【0184】
【表10】
【0185】 表10は、本発明の炭酸カルシウムは、記載された条件下でスケールを既知の
スケール形成防止剤よりも効果的に抑制したことを示している。 試験の第三セットの条件および結果は以下の表11に示される。表11の場合
、試験条件は、温度70℃、インキュベーション時間1時間、pH=11.0、
[NaCl]=0.3重量%、[Ca+2]=100ppm、[CO3 -2]=1000ppmおよ
び[オキサレート]=300ppmであった。表11の場合、その抑制率・%は未
処理試料において回収された30ppmの炭酸カルシウムに基づくものである。
【0186】
【表11】
【0187】 表11は、本発明の炭酸カルシウムは、記載された条件下でスケールを既知の
スケール形成防止剤よりも効果的に抑制したことを示している。
【0188】 実施例75〜82および比較例36〜47 炭酸カルシウムおよび既知のスケール形成防止剤の、酸化性条件下および実施
例1〜39並びに比較例1および2に比較してそれより高カルシウム濃度におけ
る炭酸カルシウムスケールの抑制に及ぼす効果を比較するために、びん試験を行
った。その手順は、以下に明記されるとおりであったことの外は、例えばカルシ
ウム濃度がより高く、pHがより低く、そしてそれら実施例の一部が過酸化水素
による酸化性条件下にあったことの外は、実施例1〜39並びに比較例1および
2における手順と同じであった。
【0189】 最終溶液は、一般に、実施例1〜39並びに比較例1および2の手順に従って
調製された。この点に関し、各びん試験で用いられた溶液の量は100gであっ
たけれども、調製された最終溶液の量は100gより多いときもあった。各場合
においては、しかし、最終溶液はカルシウムを100ppmおよびカーボネートを
1000ppm有していた。溶液のpHは、水酸化ナトリウムを加えることによっ
て11.0に調整された。
【0190】 過酸化水素を伴うそれら実施例において、その過酸化水素は次のとおりであっ
た:5000ppmの過酸化水素1gをスケール形成防止剤1gに加え、その溶液
を70℃で10分間インキュベートした。インキュベーション後に、その過酸化
水素溶液を炭酸カルシウムまたはシュウ酸カルシウムを含んでいる溶液98gに
加えた。
【0191】 上記溶液を70℃で1時間攪拌した後、試験びんから取り出し、そして#11
4ワットマンフィルター(気孔サイズ20μm)を用いて真空濾過に付した。そ
の試験溶液を試験びんから取り除いた後、各試験びんから、実施例1〜39並び
に比較例1および2と同じようにして「付着」試料を生成させた。全ての液体試
料を、カルシウムイオン濃度について、実施例1〜39並びに比較例1および2
と同じようにして高周波誘導結合プラズマ(ICP)で分析した。
【0192】 条件および結果は以下の表12に示される。表12の場合、試験条件は、温度
70℃、インキュベーション時間1時間、pH=11.0、[Ca+2]=150pp
mおよび[CO3 -2]=1000ppmであった。
【0193】
【表12】
【0194】 表12は、本発明のスケール形成防止剤Fは、より低い用量で炭酸カルシウム
スケールを既知のスケール形成防止剤よりも効果的に抑制することを示している
。表12は、また、本発明のスケール形成防止剤は、酸化性条件下で、より低い
用量において炭酸カルシウムスケールを既知のスケール形成防止剤よりも効果的
に抑制することを示している。
【0195】 実施例83〜88および比較例48〜59 炭酸カルシウムおよび既知のスケール形成防止剤の、酸化性条件下での、より
高オキサレート濃度における炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムスケール
の抑制に及ぼす効果を比較するために、びん試験を行った。その手順は、以下に
明記されるとおりであったことの外は、例えばカルシウム濃度がより低く、そし
てオキサレートが存在していたことの外は、実施例75〜82および比較例36
〜47における手順と同じであった。
【0196】 試験条件および結果は以下の表13に示される。表13の場合、試験条件は、
温度70℃、インキュベーション時間1時間、pH=11.0、[NaCl]=0.
3重量%、[Ca+2]=100ppm、[CO3 -2]=1000ppmおよび[オキサレー
ト]=300ppmであった。
【0197】
【表13】
【0198】 表13は、本発明のスケール形成防止剤は、低濃度で、そして非酸化性条件下
において、炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムのスケールを既知のスケー
ル形成防止剤よりも良好に抑制することを示している。表13は、また、本発明
のスケール形成防止剤は、低濃度で、そして酸化性条件下において、炭酸カルシ
ウムおよびシュウ酸カルシウムのスケールを既知のスケール形成防止剤よりも良
好に抑制すること、および本発明のスケール形成防止剤は、より高濃度で、そし
て酸化性条件下において、既知のスケール形成防止剤に少なくとも匹敵するスケ
ール抑制効果を奏することも示している。
【0199】 実施例89〜96および比較例60〜74 これらの実施例および比較例は、各種スケール抑制剤の炭酸カルシウムスケー
ルに対する有効性を調べるために、動的チューブブロッキング試験を用いること
を含む。これらの実施例および比較例の手順は、下記のとおりであったことの外
は、実施例44〜66および比較例8〜18における手順と同じであった。
【0200】 これらの実施例および比較例の各々において、塩基性溶液は: ・表14の濃度を得る量のNa2CO3および場合によって含まれるシュウ酸ナトリ
ウム; ・3g/LのNaOH;および ・限界濃度を決定する量のスケール形成防止剤 を含んでいた。限界濃度は、毛管圧力を35分の運転時間の間、1psi未満に保
持しておくのに必要とされる最低濃度のことであった。
【0201】 上記の塩基性溶液を第一毛管を通して12.5mL/分の流量で供給した。Ca
Cl2・2H2Oを含むカルシウム溶液を、第一毛管を接合して長さ2メートルの毛管
(内径0.127cm)を形成する第二毛管を通して12.5mL/分の流量で
供給した。上記カルシウム溶液のCaCl2・2H2Oは表14の濃度が得られる濃度で
あった。従って、上記の塩基性溶液とカルシウム溶液とは混合されて表14に示
される濃度を有する過飽和溶液を形成した。
【0202】 表14において、SL4324は、ハーキュレス社、ウイルミントン、デラウ
エア州から入手できる「SL4324」ポリアクリレート・スケール形成防止剤
である。表14において、試験条件は80℃およびpH11であった。
【0203】
【表14】
【0204】 表14は、本発明のスケール形成防止剤の最低限界濃度は、試験された条件の
全てにおいて、既知のスケール形成防止剤の最低限界濃度よりも低いことを示し
ている。
【0205】 実施例97〜116および比較例75〜78 本発明の炭酸カルシウムスケール形成防止剤、および既知のスケール形成防止
剤の、塩基性条件下にあった実施例116を除いて、酸化性条件下におけるシュ
ウ酸カルシウムスケールの抑制に及ぼす効果を比較するために、びん試験を行っ
た。その手順は、以下に明記されるとおりであったことの外は、実施例1〜39
並びに比較例1および2における手順と同じであった。
【0206】 表15に記載される濃度を有する最終溶液は、一般に、実施例1〜39並びに
比較例1および2の手順に従って調製された。この点に関し、各びん試験で用い
られた溶液の量は100gであったけれども、調製された最終溶液の量は100
gより多いときもあった。溶液のpHは、塩酸、または実施例116の場合は水
酸化ナトリウムを加えることによって、表15に記載されるpHに調整された。
【0207】 上記溶液を表15に記載される温度で1時間攪拌した後、試験びんから取り出
し、そして#114ワットマンフィルター(気孔サイズ20μm)を用いて真空
濾過に付した。その試験溶液を試験びんから取り除いた後、各試験びんから、実
施例1〜39並びに比較例1および2と同じようにして「付着」試料を生成させ
た。全ての液体試料を、カルシウムイオン濃度について、実施例1〜39並びに
比較例1および2と同じようにして、高周波誘導結合プラズマ(ICP)で分析し
た。
【0208】 条件および結果は以下の表15に示される。
【0209】
【表15】
【0210】 表15は、酸性条件下では、既知のスケール形成防止剤のみならず、本発明の
スケール形成防止剤も、スケールを抑制するのにより高い用量が必要とされたこ
とを示している。
【0211】 表15は、また、本発明のスケール形成防止剤は、表15に記載される用量で
は、温度が60℃より高く、かつpHが6以上であるときはスケールを効果的に
抑制しなかったことも示している。従って、理論で縛られることを望むものでは
ないが、シュウ酸カルシウムのスケールは、より低い温度およびより高いpHに
おいてはより速やかに生成すると考えられる。
【0212】 実施例117〜130および比較例79〜82 これらの実施例および比較例は、炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムス
ケールの形成を現場で抑制する沈降炭酸カルシウムを含めて、各種スケール抑制
剤の有効性を調べるために、動的チューブブロッキング試験を用いることを含む
。これらの実施例および比較例の手順は、下記のとおりであったことの外は、実
施例89〜96および比較例60〜74における手順と同じであった。
【0213】 塩基性溶液は: 3.50g/LのNa2CO3; 0.3g/Lのシュウ酸ナトリウム; 3g/LのNaOH;および 表16の濃度を得る量のスケール形成防止剤 を含んでいた。上記の塩基性溶液を第一毛管を通して12.5mL/分の流量で
供給した。カルシウム溶液は0.74g/LのCaCl2・2H2Oを含むもので、第一
毛管を接合して長さ2メートルの毛管(内径0.127cm)を形成する第二毛
管を通して12.5mL/分の流量で供給された。
【0214】 その結果、上記の塩基性溶液とカルシウム溶液とは混合されて過飽和溶液を形
成した。この過飽和水溶液の組成と条件は次のとおりであった: カルシウムイオン:100ppm 炭酸イオン:1000ppm シュウ酸イオン:100ppm NaOH:0.15重量%(pH=11) 温度:80℃。
【0215】 上記過飽和溶液は、上記の長さ2メートルの毛管を通して、温度80℃および
圧力55psiにおいて、25mL/分の流量で汲み上げられた。 表16において、AR808はALCOケミカル社、チャッタノーガ、テネシー州
から入手できる「AR808」ポリアクリレートを意味する。毛管中の圧力は表
16に記載される異なる時間おいて測定された。
【0216】
【表16】
【0217】 表16は、現場形成されると思われるものと類似した沈降炭酸カルシウムは、
炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウム形成系において、スケールを既知の重
合体よりも効果的に抑制することを示している。表16は、また、沈降炭酸カル
シウムと既知重合体とが水性系への添加前に予備混合されるときの相乗効果を示
している。
【0218】 実施例131〜141および比較例83〜85 本発明の炭酸カルシウムスケール形成防止剤、および既知のスケール形成防止
剤の、シュウ酸カルシウムスケールの抑制に及ぼす効果を比較するために、びん
試験を行った。その手順は、以下に明記されるとおりであったことの外は、実施
例97〜116および比較例75〜78における手順と同じであった。
【0219】 溶液のpHは水酸化ナトリウムを加えることによって11に調整された。表1
7に記載される各場合において、カルシウムイオン濃度は100ppm、シュウ酸
イオン濃度は200ppmであり、そして温度は80℃であった。
【0220】
【表17】
【0221】 表17は、沈降炭酸カルシウムは、シュウ酸カルシウムのスケールを既知の重
合体より効果的には抑制しないことを示している。表17は、また、沈降炭酸カ
ルシウムと既知の重合体とは、シュウ酸カルシウムのスケールを抑制するために
、水性系への添加前に予備混合することができることも示している。
【0222】 実施例142〜143 これらの実施例および比較例は、粉砕炭酸カルシウムの有効性を試薬級の炭酸
カルシウムと比較するために、動的チューブブロッキング試験を用いることを含
む。これらの実施例および比較例の手順は、下記のとおりであったことの外は、
実施例89〜96および比較例60〜74における手順と同じであった。
【0223】 表18において、試験条件は、170℃、NaOH2.6重量%、カルシウム35
ppmおよびカーボネート6500ppmであった。限界濃度は、毛管圧力を35分の
運転時間の間、1psi未満に保持しておくのに必要とされる最低濃度のことであ
った。
【0224】
【表18】
【0225】 表18は、粉砕炭酸カルシウムは、スケーリングを試薬級炭酸カルシウムより
も良好に抑制することを示している。
【0226】 実施例144〜149および比較例86〜88 これらの実施例および比較例は、試薬級沈降炭酸カルシウムおよび粉砕炭酸カ
ルシウムの、炭酸カルシウムスケールを抑制するに際しての有効性を調べるため
に、動的チューブブロッキング試験を用いることを含む。これらの実施例および
比較例の手順は、下記のとおりであった場合の外は、実施例117〜130およ
び比較例79〜82における手順と同じであった。
【0227】 毛管中の圧力は表19に記載される異なる時間に測定された。表19において
、各実施例および比較例は、pH11で行われた比較例88並びに実施例148
および149を除いて、2.6重量%のNaOHを加えることにより約13のpHで
行われた。
【0228】
【表19】
【0229】 表19は、粉砕炭酸カルシウムが、炭酸カルシウムスケールを沈降炭酸カルシ
ウムよりも良好に抑制したことを示している。
【0230】 実施例150〜170および比較例89〜102 これらの実施例および比較例は、炭酸カルシウムスケールの形成を現場で抑制
する沈降炭酸カルシウムを含めて、各種スケール抑制剤の有効性を調べるために
、動的チューブブロッキング試験を用いることを含む。これらの実施例および比
較例の手順は、下記のとおりであったことの外は、実施例89〜96および比較
例60〜74における手順と同じであった。
【0231】 表20において、SP3230は「ソイプロテイン3230」蛋白質を意味し
、またSP4950は「ソイプロテイン4950」蛋白質を意味し、共にセント
ラル・ソイヤ社、フォート・ウエイン、IN州から入手できる。SP4950−
1は同様にセントラル・ソイヤ社から入手できる「SP4950#1097−1
」蛋白質を意味し、これは使用に先立って酵素で30分間処理された「ソイプロ
テイン4950」蛋白質を含んでいる。S12−29は「S12−29」アニオ
ン性蛋白質を意味し、またS12−21は「S12−21」アニオン性蛋白質を
意味し、共にドンラー社(Donlar Corporation)、ベッドフォード・パーク(Be
dford Park)、IL州から入手できる。
【0232】 表20において、条件は、カルシウム90ppm、カーボネート10,000ppm
、NaOH2.6重量%および温度170℃であった。毛管中の圧力は、表20に記
載される異なる時間に測定された。
【0233】
【表20】
【0234】 表20は、粉砕炭酸カルシウム、即ちスケール形成防止剤Fは、蛋白質と組み
合わせて使用するとスケールを抑制することを示している。例えば、粉砕炭酸カ
ルシウムは、SP3230との併用するときに相乗結果を示す。
【0235】 表21において、SP4950−2は、セントラル・ソイヤ社、フォート・ウ
エイン、IN州から入手できる「SP4950#1097−2」蛋白質を意味し
、使用に先立って酵素で2時間処理された「ソイプロテイン4950」蛋白質を
含んでいる。カルプロ(Calpro)75は、カルプロ・イングレジエンツ社(Calp
ro Ingredients)、コロナ(Corona)、CA州から入手できる「カルプロ75」
乳清蛋白質を意味する。HC200は、ナショナル・カゼイン社(National Cas
ein Co.)、シカゴ(Chicago)、IL州から入手できる「カゼイン(Casein)H
C200」カゼイン蛋白質を意味する。
【0236】 表21において、条件は、カルシウム35ppm、カーボネート6500ppm、Na
OH2.6重量%および温度170℃であった。毛管中の圧力は表21に記載され
る異なる時間に測定された。
【0237】
【表21】
【0238】 表21も、粉砕炭酸カルシウム、即ちスケール形成防止剤Fは、蛋白質と併用
されるとスケールを抑制することを示している。例えば、粉砕炭酸カルシウムは
、SP4950−1と組み合わせて1:1重量比で使用されるときに相乗結果を
示す。
【0239】 実施例171〜181並びに比較例103および104 これらの実施例および比較例は、無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体
を含む粉砕炭酸カルシウムの、カルシウム90ppmおよびカーボネート10,0
00ppmを有する溶液中における有効性を調べるために、動的チューブブロッキ
ング試験を用いることを含む。カーボネート、NaOHおよびスケール形成防止剤を
含んでいる塩基性溶液を毛管中のカルシウム溶液と混合して、スケーリングの防
止におけるスケール形成防止剤の、毛管中における圧力増大により測定される有
効性を試験した。
【0240】 上記の点を考慮して、上記塩基性溶液は: 35.34g/LのNa2CO3; 52g/LのNaOH;および 表22の濃度を得る量のスケール形成防止剤 を含んでいた。上記の塩基性溶液を第一毛管を通して12.5mL/分の流量で
供給した。上記カルシウム溶液は0.675g/LのCaCl2・2H2Oを含むもので
、第一毛管を接合して長さ2メートルの毛管(内径0.127cm)を形成する
第二毛管を通して12.5mL/分の流量で供給された。
【0241】 その結果、上記の塩基性溶液とカルシウム溶液とは混合されて過飽和溶液を形
成した。この過飽和水溶液の組成は次のとおりであった: カルシウムイオン:90ppm 炭酸イオン:10,000ppm NaOH:2.6重量% 温度:170℃。
【0242】 上記過飽和溶液は、上記の長さ2メートルの毛管を通して、温度170℃およ
び圧力35psiにおいて、25mL/分の流量で汲み上げられた。 各試験は、表22に示される時間行われ、その時間において毛管圧力が測定さ
れた。
【0243】 表22に記載されるとおり、無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体と組
み合わされている粉砕炭酸カルシウムが動的チューブブロッキング試験を用いて
試験され、その結果が未処理系および粉砕炭酸カルシウム単独により処理された
系の性能と比較された。T731は、ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haa
s)、フィラデルフィア(Philadelphia)、ペンシルバニア州(Pennsylvania)
から入手できる、分子量15,000の無水マレイン酸とイソブチレンとの共重
合体である「T731」を意味する。
【0244】
【表22】
【0245】 表22に示される結果は、粉砕炭酸カルシウムと無水マレイン酸/イソブチレ
ン共重合体との、特に6:1比のブレンドは、個々の成分よりも有効であったこ
とを示している。例えば、5ppmの6:1比ブレンドは15ppmの「ハイドロカー
ブHG」粉砕炭酸カルシウムと同等であった。
【0246】 実施例182〜188および比較例105 これらの実施例および比較例は、無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体
を含む粉砕炭酸カルシウムの、カルシウム90ppmおよびカーボネート20,0
00ppmを有する溶液中における有効性を調べるために、動的チューブブロッキ
ング試験を用いることを含む。これらの実施例および比較例は、下記のとおりで
あったことの外は、実施例171〜181並びに比較例103および104と同
じようにして行われた。
【0247】 これらの実施例および比較例において、塩基性溶液は: 70.67g/LのNa2CO3; 52g/LのNaOH;および 表23の濃度を得る量のスケール形成防止剤 を含んでいた。
【0248】 過飽和水溶液の組成は次のとおりであった: カルシウムイオン:90ppm 炭酸イオン:20,000ppm NaOH:2.6重量% 結果は以下の表23に示される。
【0249】
【表23】
【0250】 表23に示される結果は、粉砕炭酸カルシウムと無水マレイン酸/イソブチレ
ン共重合体との6:1ブレンドは、10ppmにおいて、15ppmの「ハイドロカー
ブHG」粉砕炭酸カルシウムと同等であったことを示している。
【0251】 実施例189〜195並びに比較例106および107 これらの実施例および比較例は、無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体
を含む粉砕炭酸カルシウムの、カルシウム90ppmおよびカーボネート8000p
pmを有する溶液中における有効性を調べるために、動的チューブブロッキング試
験を用いることを含む。これらの実施例および比較例は、下記のとおりであった
ことの外は、実施例171〜181並びに比較例103および104と同じよう
にして行われた。
【0252】 これらの実施例および比較例において、塩基性溶液は: 28.272g/LのNa2CO3; 52g/LのNaOH;および 表24の濃度を得る量のスケール形成防止剤 を含んでいた。
【0253】 過飽和水溶液の組成は次のとおりであった: カルシウムイオン:90ppm 炭酸イオン:8000ppm NaOH:2.6重量%。
【0254】 結果は以下の表24に示される。
【0255】
【表24】
【0256】 表24に示される結果は、粉砕炭酸カルシウムと無水マレイン酸/イソブチレ
ン共重合体との6:1ブレンドは、5ppmにおいて、11.25ppmの「ハイドロ
カーブHG」粉砕炭酸カルシウムと同等であったことを示している。
【0257】 実施例196〜199および比較例108 これらの実施例および比較例は、無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体
を含む粉砕炭酸カルシウムの、カルシウム60ppmおよびカーボネート8000p
pmを有する溶液中における有効性を調べるために、動的チューブブロッキング試
験を用いることを含む。これらの実施例および比較例は、下記のとおりであった
ことの外は、実施例171〜181並びに比較例103および104と同じよう
にして行われた。
【0258】 これらの実施例および比較例において、塩基性溶液は: 28.272g/LのNa2CO3; 52g/LのNaOH;および 表25の濃度を得る量のスケール形成防止剤 を含んでいた。
【0259】 カルシウム溶液は0.45g/LのCaCl2・2H2Oを含んでいた。 過飽和水溶液の組成は次のとおりであった: カルシウムイオン:60ppm 炭酸イオン:8000ppm NaOH:2.6重量%。
【0260】 結果は以下の表25に示される。
【0261】
【表25】
【0262】 表25に示される結果は、「ハイドロカーブHG」粉砕炭酸カルシウムと無水
マレイン酸/イソブチレン共重合体との6:1ブレンドは、3ppmにおいて、1
1.25ppmの「ハイドロカーブHG」粉砕炭酸カルシウムと同等であったこと
を示している。
【0263】 実施例200〜206並びに比較例109および110 これらの実施例および比較例は、無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体
を含む粉砕炭酸カルシウムの、カルシウム60ppmおよびカーボネート10,0
00ppmを有する溶液中における有効性を調べるために、動的チューブブロッキ
ング試験を用いることを含む。これらの実施例および比較例は、下記のとおりで
あったことの外は、実施例171〜181並びに比較例103および104と同
じようにして行われた。
【0264】 これらの実施例および比較例において、塩基性溶液は: 35.34g/LのNa2CO3; 52g/LのNaOH;および 表26の濃度を得る量のスケール形成防止剤 を含んでいた。
【0265】 カルシウム溶液は0.45g/LのCaCl2・2H2Oを含んでいた。 過飽和水溶液の組成は次のとおりであった: カルシウムイオン:60ppm 炭酸イオン:10,000ppm NaOH:2.6重量% 結果は以下の表26に示される。
【0266】
【表26】
【0267】 表26に示される結果は、「カービタル(Carbital)95」粉砕炭酸カルシウ
ムと無水マレイン酸/イソブチレン共重合体とのブレンドは、個々の成分よりも
有効であったことを示している。「ハイドロカーブHG」粉砕炭酸カルシウムと
無水マレイン酸/イソブチレン共重合体との3ppmブレンドは、12ppmの「ハイ
ドロカーブHG」粉砕炭酸カルシウムと同等であった。
【0268】 実施例207〜215並びに比較例111および112 これらの実施例および比較例は、無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体
を含む粉砕炭酸カルシウムの、カルシウム60ppmおよびカーボネート20,0
00ppmを有する溶液中における有効性を調べるために、動的チューブブロッキ
ング試験を用いることを含む。これらの実施例および比較例は、下記のとおりで
あったことの外は、実施例171〜181並びに比較例103および104と同
じようにして行われた。
【0269】 これらの実施例および比較例において、塩基性溶液は: 70.67g/LのNa2CO3; 52g/LのNaOH;および 表27の濃度を得る量のスケール形成防止剤 を含んでいた。
【0270】 カルシウム溶液は0.45g/LのCaCl2・2H2Oを含んでいた。 過飽和水溶液の組成は次のとおりであった: カルシウムイオン:60ppm 炭酸イオン:20,000ppm NaOH:2.6重量%。
【0271】 結果は以下の表27に示される。
【0272】
【表27】
【0273】 表27に示される結果は、「ハイドロカーブHG」粉砕炭酸カルシウムと無水
マレイン酸/イソブチレン共重合体との6:1ブレンドは、5ppmにおいて、1
5ppmの「ハイドロカーブHG」粉砕炭酸カルシウムと同等であったことを示し
ている。
【0274】 以上、本発明を、ある特定の好ましい態様との関連で、それら態様の諸々の面
をさらに十分に理解および評価できるように説明したが、それは本発明をこれら
の特定の態様に限定しようとするものではない。一方、本発明は、添付特許請求
の範囲で定義される本発明の範囲に含めることができる変更点、修正点および均
等物を全てカバーするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 5/08 C02F 5/08 G 5/10 610 5/10 610A 620 620F 5/12 5/12 5/14 5/14 B F28F 19/01 F28F 19/00 501A (31)優先権主張番号 09/589,886 (32)優先日 平成12年6月9日(2000.6.9) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ファダー,ミッツィ・ケイ アメリカ合衆国フロリダ州32256,ジャク ソンヴィル,サウスサイド・ブールヴァー ド 8433,ナンバー2309 (72)発明者 ングイェン,デュイ・ティー アメリカ合衆国フロリダ州32256,ジャク ソンヴィル,ベイメドウズ・ウェイ 7510 (72)発明者 ワンシャン・フアイ アメリカ合衆国ジョージア州30005,アル ファレッタ,オックスフォードシャー・コ ート 12630 (72)発明者 ツァン,フシャン アメリカ合衆国フロリダ州32257,ジャク ソンヴィル,アダムズ・ウォーク・ドライ ブ 8989 Fターム(参考) 4D015 BA19 DA06 DA12 DB02 DB12 DB19 DB22 EA32 EA33 EA35 EA39

Claims (244)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって、 スケール形成防止剤を、水性系に、その水性系中のスケール形成防止剤の量が
    約1000ppm以下となるように加えることを含み、この場合上記スケール形成
    防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含み、
    そして上記水性系は少なくとも約9のpHを有する、 上記の方法。
  2. 【請求項2】 スケール形成防止剤がアルミノシリケート骨格を含んでいる
    、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 スケール形成防止剤が、カルボン酸基、スルホネート基、ス
    ルフェート基およびホスフェート基の内の少なくとも1種から成る少なくとも1
    個の官能基を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 スケール形成防止剤が、ナトリウムモンモリロナイト、ケイ
    酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、水和ケイ酸マグネシウム・アルミニウ
    ム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡石、炭酸カルシウム、炭酸マグ
    ネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、炭酸亜鉛およびドロマイトの内の少なく
    とも1種を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 スケール形成防止剤が、ナトリウムアルミノシリケート、マ
    グネシウムアルミノシリケート、ヘクトライト、非晶質ケイ酸マグネシウム、炭
    酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸第一鉄および炭酸マンガンの
    内の少なくとも1種を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 スケール形成防止剤が多価金属ケイ酸塩を含むものであって
    、ナトリウムモンモリロナイト、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、
    水和ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイト
    、海泡石、ナトリウムアルミノシリケート、ヘクトライトおよび非晶質ケイ酸マ
    グネシウムの内の少なくとも1種を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含むものであって、
    炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイトお
    よび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 スケール形成防止剤が粉砕炭酸カルシウムおよびナトリウム
    モンモリロナイトを含んでいる、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 スケール形成防止剤がケイ酸マグネシウム・アルミニウムお
    よびナトリウムモンモリロナイトを含んでいる、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含み、その多価金
    属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムから成る、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 スケール形成防止剤が約10ミクロン以下の平均粒径を有
    する、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表面
    積を有する、請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 水性系が約9〜14のpHを有する、請求項1に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請求
    項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 スケールが炭酸カルシウムを含んでいる、請求項1に記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 水性系が、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミ
    ニウム、ビカーボネート、カーボネート、スルフェートおよびホスフェートの内
    の少なくとも1種を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500pp
    mのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、請求項1
    に記載の方法。
  18. 【請求項18】 水性系が約25〜500℃の温度を有する、請求項1に記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 水性系が約80〜1500psiの圧力にある、請求項1に
    記載の方法。
  20. 【請求項20】 スケール形成防止剤が冷却塔に加えられる、請求項1に記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 スケール形成防止剤が熱交換器に加えられる、請求項1に
    記載の方法。
  22. 【請求項22】 スケール形成防止剤が蒸発器に加えられる、請求項1に記
    載の方法。
  23. 【請求項23】 スケール形成防止剤がパルプ化蒸解釜よりも前に加えられ
    る、請求項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 スケール形成防止剤がパルプ化蒸解釜に加えられる、請求
    項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】 スケール形成防止剤が洗浄機に加えられる、請求項1に記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 原油−水混合物を加工することをさらに含んでいる、請求
    項1に記載の方法。
  27. 【請求項27】 スケールが炭酸カルシウムを含み、スケール形成防止剤が
    約10ミクロン以下の平均粒径を有し、そのスケール形成防止剤が約10〜10
    00m2/gの比表面積を有し、また水性系が約9〜14のpHを有し、その水
    性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500ppmのCa+2濃度および約1
    00〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有し、そしてその水性系が約25〜500
    ℃の温度を有する、請求項1に記載の方法。
  28. 【請求項28】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって、
    スケール形成防止剤を、水性系に、その水性系中のスケール形成防止剤の量が約
    1000ppm以下となるように加えることを含み、この場合上記スケール形成防
    止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含み、そ
    して上記水性系は約0.4ppm以下のカチオン性重合体を含んでいる、上記の方
    法。
  29. 【請求項29】 カチオン性重合体が約1×106以上の分子量を有する、
    請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 スケール形成防止剤がアルミノシリケート骨格を含んでい
    る、請求項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】 スケール形成防止剤が、カルボン酸基、スルホネート基、
    スルフェート基およびホスフェート基の内の少なくとも1種から成る少なくとも
    1個の官能基を含んでいる、請求項28に記載の方法。
  32. 【請求項32】 スケール形成防止剤が、ナトリウムモンモリロナイト、ケ
    イ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、水和ケイ酸マグネシウム・アルミニ
    ウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡石、炭酸カルシウム、炭酸マ
    グネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガンおよびドロマイトの内の少なくとも1種
    を含んでいる、請求項28に記載の方法。
  33. 【請求項33】 スケール形成防止剤が、ナトリウムアルミノシリケート、
    マグネシウムアルミノシリケート、ヘクトライト、非晶質ケイ酸マグネシウム、
    炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸第一鉄および炭酸マンガン
    の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項28に記載の方法。
  34. 【請求項34】 スケール形成防止剤が多価金属ケイ酸塩を含むものであっ
    て、ナトリウムモンモリロナイト、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク
    、水和ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイ
    ト、海泡石、ナトリウムアルミノシリケート、ヘクトライトおよび非晶質ケイ酸
    マグネシウムの内の少なくとも1種を含んでいる、請求項28に記載の方法。
  35. 【請求項35】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含むものであって
    、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイト
    および炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項28に記載の方法。
  36. 【請求項36】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含み、その多価金
    属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムから成る、請求項28に記載の方法。
  37. 【請求項37】 水性系が酸性のpHを有する、請求項28に記載の方法。
  38. 【請求項38】 水性系が少なくとも約9のpHを有する、請求項28に記
    載の方法。
  39. 【請求項39】 水性系が約9〜14のpHを有する、請求項28に記載の
    方法。
  40. 【請求項40】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって、
    スケール形成防止剤を、水性系に、その水性系中のスケール形成防止剤の量が約
    1000ppm以下となるように加えることを含み、この場合上記スケール形成防
    止剤は、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、水和ケイ酸マグネシウム・アルミ
    ニウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡石、炭酸カルシウム、炭酸
    マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイト、ヘクトライト、非晶質
    ケイ酸マグネシウムおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、上記の
    方法。
  41. 【請求項41】 スケール形成防止剤が、カルボン酸基、スルホネート基、
    スルフェート基およびホスフェート基の内の少なくとも1種から成る少なくとも
    1個の官能基を含んでいる、請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 スケール形成防止剤が多価金属ケイ酸塩を含むものであっ
    て、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、水和ケイ酸マグネシウム・アルミニウ
    ム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡石、ヘクトライトおよび非晶質
    ケイ酸マグネシウムの内の少なくとも1種を含んでいる、請求項40に記載の方
    法。
  43. 【請求項43】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含むものであって
    、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイト
    および炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項40に記載の方法。
  44. 【請求項44】 スケール形成防止剤が炭酸カルシウムを含み、その炭酸カ
    ルシウムが粉砕炭酸カルシウムから成る、請求項40に記載の方法。
  45. 【請求項45】 水性系が酸性のpHを有する、請求項40に記載の方法。
  46. 【請求項46】 水性系が少なくとも約9のpHを有する、請求項40に記
    載の方法。
  47. 【請求項47】 水性系が約9〜14のpHを有する、請求項40に記載の
    方法。
  48. 【請求項48】 産業上の水性系においてスケール沈積物を抑制する方法で
    あって: 0.01〜10ミクロンの平均粒径を有する核形成促進剤/開始剤を、水性系
    に、その水性系中の核形成促進剤/開始剤の量が約1000ppm以下となるよう
    に加えてスケール沈積物の形成を抑制することを含み、この場合上記水性系は少
    なくとも約9のpHを有する、 上記の方法。
  49. 【請求項49】 核形成促進剤/開始剤が多価金属ケイ酸塩および多価金属
    炭酸塩の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項48に記載の方法。
  50. 【請求項50】 核形成促進剤/開始剤がアルミノシリケート骨格を含んで
    いる、請求項48に記載の方法。
  51. 【請求項51】 スケール形成防止剤が、カルボン酸基、スルホネート基、
    スルフェート基およびホスフェート基の内の少なくとも1種から成る少なくとも
    1個の官能基を含んでいる、請求項48に記載の方法。
  52. 【請求項52】 核形成促進剤/開始剤が粉砕炭酸カルシウムを含んでいる
    、請求項48に記載の方法。
  53. 【請求項53】 スケールが炭酸カルシウムを含み、核形成促進剤/開始剤
    が約10ミクロン以下の平均粒径を有し、その核形成促進剤/開始剤が約10〜
    1000m2/gの比表面積を有し、また水性系が約9〜14のpHを有し、そ
    の水性系が核形成促進剤/開始剤の添加前に約10〜500ppmのCa+2濃度およ
    び約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有し、そしてその水性系が約25〜
    500℃の温度を有する、請求項48に記載の方法。
  54. 【請求項54】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって:
    第一カチオンを水性系に加え、そしてその水性系から第一カチオンとは別個の第
    二カチオンを除去してその第二カチオンがスケール沈積物を形成するのを抑制し
    ;この場合上記水性系は約70〜500℃の温度にある、上記の方法。
  55. 【請求項55】 第一カチオンを加えることが、水性系中に多価金属ケイ酸
    塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を与えることを含む、請求項54
    に記載の方法。
  56. 【請求項56】 多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも
    1種が、カルボン酸基、スルホネート基、スルフェート基およびホスフェート基
    の内の少なくとも1種から成る少なくとも1個の官能基を含んでいる、請求項5
    5に記載の方法。
  57. 【請求項57】 第一カチオンを加えることが、水性系中にアルミノシリケ
    ート骨格を有する化合物を与えることを含む、請求項54に記載の方法。
  58. 【請求項58】 スケールが炭酸カルシウムを含み、第一カチオンを加える
    ことが水性系中に約10ミクロン以下の平均粒径を有する化合物を与えることを
    含み、その化合物は約10〜1000m2/gの比表面積を有し、また水性系が
    約9〜14のpHを有し、そしてその水性系が第一カチオンの添加前に約10〜
    500ppmのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、
    請求項54に記載の方法。
  59. 【請求項59】 水性系が酸性のpHを有する、請求項54に記載の方法。
  60. 【請求項60】 水性系が少なくとも約9のpHを有する、請求項54に記
    載の方法。
  61. 【請求項61】 水性系が約9〜14のpHを有する、請求項54に記載の
    方法。
  62. 【請求項62】 次の: 粉砕炭酸カルシウム;および ナトリウムモンモリロナイト を含んでいる組成物。
  63. 【請求項63】 粉砕炭酸カルシウム対ナトリウムモンモリロナイトの重量
    比が約0.1:1〜20:1である、請求項62に記載の組成物。
  64. 【請求項64】 約10〜95重量%の粉砕炭酸カルシウムを含んでいる、
    請求項62に記載の組成物。
  65. 【請求項65】 約5〜90重量%のナトリウムモンモリロナイトを含んで
    いる、請求項62に記載の組成物。
  66. 【請求項66】 次の: ケイ酸マグネシウム・アルミニウム;および ナトリウムモンモリロナイト を含んでいる組成物。
  67. 【請求項67】 ケイ酸マグネシウム・アルミニウム対ナトリウムモンモリ
    ロナイトの重量比が約0.1:1〜20:1である請求項66に記載の組成物。
  68. 【請求項68】 約10〜95重量%のケイ酸マグネシウム・アルミニウム
    を含んでいる、請求項66に記載の組成物。
  69. 【請求項69】 約5〜90重量%のナトリウムモンモリロナイトを含んで
    いる、請求項66に記載の組成物。
  70. 【請求項70】 次の: 木材パルプ; 金属カチオン; アニオン;および 約50〜500ppmの、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、水和ケイ酸マグ
    ネシウム・アルミニウム、サポナイト、海泡石、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
    ウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイト、ヘクトライト、非晶質ケイ酸マ
    グネシウムおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含むスケール形成防止剤 を含んでいる水性パルプスラリー。
  71. 【請求項71】 スケール形成防止剤が約10ミクロン以下の平均粒径を有
    する、請求項70に記載の水性パルプスラリー。
  72. 【請求項72】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表面
    積を有する、請求項70に記載の水性パルプスラリー。
  73. 【請求項73】 水性組成物が約9〜14のpHを有する、請求項70に記
    載の水性パルプスラリー。
  74. 【請求項74】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって:
    スケール形成防止剤を、水性系に、その水性系中のスケール形成防止剤の量が約
    1000ppm以下となるように加えることを含み、この場合上記スケール形成防
    止剤は多価金属炭酸塩を含んでいる、上記の方法。
  75. 【請求項75】 スケール形成防止剤が、カルボン酸基、スルホネート基、
    スルフェート基およびホスフェート基の内の少なくとも1種から成る少なくとも
    1個の官能基を含んでいる、請求項74に記載の方法。
  76. 【請求項76】 スケール形成防止剤が炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
    、炭酸亜鉛、炭酸第一鉄、炭酸マンガンおよびドロマイトの内の少なくとも1種
    を含んでいる、請求項74に記載の方法。
  77. 【請求項77】 スケール形成防止剤が粉砕炭酸カルシウムおよびナトリウ
    ムモンモリロナイトを含んでいる、請求項74に記載の方法。
  78. 【請求項78】 多価金属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムから成る、請求項7
    4に記載の方法。
  79. 【請求項79】 スケール形成防止剤が約10ミクロン以下の平均粒径を有
    する、請求項74に記載の方法。
  80. 【請求項80】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表面
    積を有する、請求項74に記載の方法。
  81. 【請求項81】 水性系が酸性のpHを有する、請求項74に記載の方法。
  82. 【請求項82】 水性系が少なくとも約9のpHを有する、請求項74に記
    載の方法。
  83. 【請求項83】 水性系が約9〜14のpHを有する、請求項74に記載の
    方法。
  84. 【請求項84】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請求
    項74に記載の方法。
  85. 【請求項85】 スケールが炭酸カルシウムを含んでいる、請求項74に記
    載の方法。
  86. 【請求項86】 水性系が、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミ
    ニウム、ビカーボネート、カーボネート、スルフェートおよびホスフェートの内
    の少なくとも1種を含んでいる、請求項74に記載の方法。
  87. 【請求項87】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500pp
    mのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、請求項7
    4に記載の方法。
  88. 【請求項88】 スケールが炭酸カルシウムを含み、スケール形成防止剤が
    約10ミクロン以下の平均粒径を有し、そのスケール形成防止剤が約10〜10
    00m2/gの比表面積を有し、また水性系が約9〜14のpHを有し、その水
    性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500ppmのCa+2濃度および約1
    00〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有し、そしてその水性系が約25〜500
    ℃の温度を有する、請求項74に記載の方法。
  89. 【請求項89】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって:
    スケール形成防止剤を、水性系に、その水性系中のスケール形成防止剤の量が約
    1000ppm以下となるように加えることを含み、この場合上記スケール形成防
    止剤は約0.01〜10ミクロンの平均粒径を有し、そのスケール形成防止剤は
    スケール沈積物を抑制するのに十分な比表面積を有し、そして上記水性系は少な
    くとも約9のpHを有する上記の方法。
  90. 【請求項90】 スケール形成防止剤がアルミノシリケート骨格を含んでい
    る、請求項89に記載の方法。
  91. 【請求項91】 スケール形成防止剤が、カルボン酸基、スルホネート基、
    スルフェート基およびホスフェート基の内の少なくとも1種から成る少なくとも
    1個の官能基を含んでいる、請求項89に記載の方法。
  92. 【請求項92】 スケール形成防止剤が、ナトリウムモンモリロナイト、ケ
    イ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、水和ケイ酸マグネシウム・アルミニ
    ウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡石、炭酸カルシウム、炭酸マ
    グネシウム、炭酸亜鉛、炭酸第一鉄、炭酸マンガンおよびドロマイトの内の少な
    くとも1種を含んでいる、請求項89に記載の方法。
  93. 【請求項93】 スケール形成防止剤が、ナトリウムアルミノシリケート、
    マグネシウムアルミノシリケート、ヘクトライト、非晶質ケイ酸マグネシウム、
    炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸第一鉄および炭酸マンガン
    の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項89に記載の方法。
  94. 【請求項94】 スケール形成防止剤が多価金属ケイ酸塩を含むものであっ
    て、ナトリウムモンモリロナイト、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク
    、水和ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイ
    ト、海泡石、ナトリウムアルミノシリケート、ヘクトライトおよび非晶質ケイ酸
    マグネシウムの内の少なくとも1種を含んでいる、請求項89に記載の方法。
  95. 【請求項95】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含むものであって
    、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイト
    および炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項89に記載の方法。
  96. 【請求項96】 スケール形成防止剤が粉砕炭酸カルシウムおよびナトリウ
    ムモンモリロナイトを含んでいる、請求項89に記載の方法。
  97. 【請求項97】 スケール形成防止剤がケイ酸マグネシウム・アルミニウム
    およびナトリウムモンモリロナイトを含んでいる、請求項89に記載の方法。
  98. 【請求項98】 スケール形成防止剤が粉砕炭酸カルシウムを含んでいる、
    請求項89に記載の方法。
  99. 【請求項99】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表面
    積を有する、請求項89に記載の方法。
  100. 【請求項100】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請
    求項89に記載の方法。
  101. 【請求項101】 スケールが炭酸カルシウムを含んでいる、請求項89に
    記載の方法。
  102. 【請求項102】 水性系が、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アル
    ミニウム、ビカーボネート、カーボネート、スルフェートおよびホスフェートの
    内の少なくとも1種を含んでいる、請求項89に記載の方法。
  103. 【請求項103】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、請求項
    89に記載の方法。
  104. 【請求項104】 スケールが炭酸カルシウムを含み、スケール形成防止剤
    が約10〜1000m2/gの比表面積を有し、また水性系が約9〜14のpH
    を有し、その水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500ppmのCa+2
    濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有し、そしてその水性系が
    約25〜500℃の温度を有する、請求項89に記載の方法。
  105. 【請求項105】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって
    、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約1000ppm
    以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中で形成するこ
    との少なくとも一方を含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸
    塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含み、上記水性系は少なくとも
    約9のpHを有し、そして上記スケール形成防止剤の平均粒径は約3ミクロン以
    下である、上記の方法。
  106. 【請求項106】 スケール形成防止剤が多価金属ケイ酸塩であって、ナト
    リウムモンモリロナイト、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、水和ケ
    イ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡
    石、ナトリウムアルミノシリケート、ヘクトライトおよび非晶質ケイ酸マグネシ
    ウムの内の少なくとも1種を含んでいる、請求項105に記載の方法。
  107. 【請求項107】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含むものであっ
    て、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイ
    トおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項105に記載の方
    法。
  108. 【請求項108】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含み、その多価
    金属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムから成る、請求項105に記載の方法。
  109. 【請求項109】 スケール形成防止剤が粉砕炭酸カルシウムおよびナトリ
    ウムモンモリロナイトを含んでいる、請求項105に記載の方法。
  110. 【請求項110】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表
    面積を有する、請求項105に記載の方法。
  111. 【請求項111】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請
    求項105に記載の方法。
  112. 【請求項112】 スケールが炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムの
    内の少なくとも1種を含んでいる、請求項105に記載の方法。
  113. 【請求項113】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、請求項
    105に記載の方法。
  114. 【請求項114】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約0.1〜10,000ppmのオキサレート濃度を有する、
    請求項105に記載の方法。
  115. 【請求項115】 水性系が約25〜500℃の温度を有する、請求項10
    5に記載の方法。
  116. 【請求項116】 水性系が約80〜1500psiの圧力を有する、請求項
    105に記載の方法。
  117. 【請求項117】 スケール形成防止剤が、冷却塔、熱交換器、蒸発器、パ
    ルプ化蒸解釜、パルプ洗浄機およびパルプ漂白装置の内の少なくとも1つの中に
    およびそれよりも前に加えられたもの、並びにその少なくとも1つの中でおよび
    それよりも前に形成されたものの少なくとも1つである、請求項105に記載の
    方法。
  118. 【請求項118】 水性系が、製紙、採鉱、繊維製造、自動車製造、食品加
    工、製鋼、水処理および石油加工の内の1つに関係するものである、請求項10
    5に記載の方法。
  119. 【請求項119】 水性系に少なくとも1種の追加のスケール形成防止剤を
    加えることをさらに含む、請求項105に記載の方法。
  120. 【請求項120】 水性系に少なくとも1種の蛋白質を加えることをさらに
    含む、請求項105に記載の方法。
  121. 【請求項121】 スケールが炭酸カルシウムを含み、スケール形成防止剤
    が約10〜1000m2/gの比表面積を有し、また水性系が約9〜14のpH
    を有し、その水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500ppmのCa+2
    濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有し、そしてその水性系が
    約25〜500℃の温度を有する、請求項105に記載の方法。
  122. 【請求項122】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって
    、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約1000ppm
    以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中で形成するこ
    との少なくとも一方、並びにその水性系に分散剤を加えることを含み、この場合
    上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なく
    とも1種を含み、そして上記水性系は少なくとも約9のpHを有する、上記の方
    法。
  123. 【請求項123】 スケール形成防止剤が多価金属ケイ酸塩であって、ナト
    リウムモンモリロナイト、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、水和ケ
    イ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡
    石、ナトリウムアルミノシリケート、ヘクトライトおよび非晶質ケイ酸マグネシ
    ウムの内の少なくとも1種を含んでいる、請求項122に記載の方法。
  124. 【請求項124】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含むものであっ
    て、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイ
    トおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項122に記載の方
    法。
  125. 【請求項125】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含み、その多価
    金属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムから成る、請求項122に記載の方法。
  126. 【請求項126】 スケール形成防止剤が粉砕炭酸カルシウムおよびナトリ
    ウムモンモリロナイトを含んでいる、請求項122に記載の方法。
  127. 【請求項127】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表
    面積を有する、請求項122に記載の方法。
  128. 【請求項128】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請
    求項122に記載の方法。
  129. 【請求項129】 スケールが炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムの
    内の少なくとも1種を含んでいる、請求項122に記載の方法。
  130. 【請求項130】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、請求項
    122に記載の方法。
  131. 【請求項131】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約0.1〜10,000ppmのオキサレート濃度を有する、
    請求項122に記載の方法。
  132. 【請求項132】 水性系が約25〜500℃の温度を有する、請求項12
    2に記載の方法。
  133. 【請求項133】 水性系が約80〜1500psiの圧力にある、請求項1
    22に記載の方法。
  134. 【請求項134】 スケール形成防止剤が、冷却塔、熱交換器、蒸発器、パ
    ルプ化蒸解釜、パルプ洗浄機およびパルプ漂白装置の内の少なくとも1つの中に
    およびそれよりも前に加えられたもの、並びにその少なくとも1つの中でおよび
    それよりも前に形成されたものの少なくとも一方である、請求項122に記載の
    方法。
  135. 【請求項135】 水性系が、製紙、採鉱、繊維製造、自動車製造、食品加
    工、製鋼、水処理および石油加工の内の1つに関係するものである、請求項12
    2に記載の方法。
  136. 【請求項136】 水性系に少なくとも1種の追加のスケール形成防止剤を
    加えることをさらに含む、請求項122に記載の方法。
  137. 【請求項137】 水性系に少なくとも1種の蛋白質を加えることをさらに
    含む、請求項122に記載の方法。
  138. 【請求項138】 スケールが炭酸カルシウムを含み、スケール形成防止剤
    が約10〜1000m2/gの比表面積を有し、また水性系が約9〜14のpH
    を有し、その水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500ppmのCa+2
    濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有し、そしてその水性系が
    約25〜500℃の温度を有する、請求項122に記載の方法。
  139. 【請求項139】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって
    、スケール形成防止剤を、水性系中で、その水性系中のスケール形成防止剤の量
    が約1000ppm以下となるように形成することを含み、この場合上記スケール
    形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含
    み、そして上記スケール形成防止剤の平均粒径は約3ミクロン以下である、上記
    の方法。
  140. 【請求項140】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって
    、スケール形成防止剤を、水性系中で、その水性系中のスケール形成防止剤の量
    が約1000ppm以下となるように形成すること;およびその水性系に分散剤を
    加えることを含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および
    多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含んでいる、上記の方法。
  141. 【請求項141】 パルプ工場の水性系においてスケール沈積物を抑制する
    方法であって: スケール形成防止剤を、パルプ化蒸解釜よりも前のおよびパルプ化蒸解釜にお
    いての少なくとも一方において水性系中に加えること、およびその水性系中で形
    成することの少なくとも一方を含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金
    属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含んでいる 上記の方法。
  142. 【請求項142】 スケール形成防止剤が多価金属ケイ酸塩であって、ナト
    リウムモンモリロナイト、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、水和ケ
    イ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡
    石、ナトリウムアルミノシリケート、ヘクトライトおよび非晶質ケイ酸マグネシ
    ウムの内の少なくとも1種を含んでいる、請求項141に記載の方法。
  143. 【請求項143】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含むものであっ
    て、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイ
    トおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項141に記載の方
    法。
  144. 【請求項144】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含み、その多価
    金属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムから成る、請求項141に記載の方法。
  145. 【請求項145】 スケール形成防止剤が粉砕炭酸カルシウムおよびナトリ
    ウムモンモリロナイトを含んでいる、請求項141に記載の方法。
  146. 【請求項146】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表
    面積を有する、請求項141に記載の方法。
  147. 【請求項147】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請
    求項141に記載の方法。
  148. 【請求項148】 スケールが炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムの
    内の少なくとも1種を含んでいる、請求項141に記載の方法。
  149. 【請求項149】 水性系に約10ppmまでの凝固剤を加えることをさらに
    含む、請求項141に記載の方法。
  150. 【請求項150】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、請求項
    141に記載の方法。
  151. 【請求項151】 水性系が約9〜14のpHを有する、請求項141に記
    載の方法。
  152. 【請求項152】 水性系が約25〜500℃の温度を有する、請求項14
    1に記載の方法。
  153. 【請求項153】 水性系が約80〜1500psiの圧力にある、請求項1
    41に記載の方法。
  154. 【請求項154】 水性系に少なくとも1種の追加のスケール形成防止剤を
    加えることをさらに含む、請求項141に記載の方法。
  155. 【請求項155】 水性系に少なくとも1種の蛋白質を加えることをさらに
    含む、請求項141に記載の方法。
  156. 【請求項156】 清澄器、浮上分離槽、沈降槽、濾過器、遠心分離機およ
    び浸透圧装置の内の少なくとも1つを用いることによって、スケール形成防止剤
    を水性系から除去する工程をさらに含む、請求項141に記載の方法。
  157. 【請求項157】 スケールが炭酸カルシウムを含み、スケール形成防止剤
    が約10〜1000m2/gの比表面積を有し、また水性系が約9〜14のpH
    を有し、その水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500ppmのCa+2
    濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有し、そしてその水性系が
    約25〜500℃の温度を有する、請求項141に記載の方法。
  158. 【請求項158】 パルプ工場の水性系においてスケール沈積物を抑制する
    方法であって、 スケール形成防止剤を、漂白プラント段階の直前のおよび漂白プラント段階に
    おいての少なくとも一方において水性系中に加えること、およびその水性系中で
    形成することの少なくとも一方を含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価
    金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含んでいる 上記の方法。
  159. 【請求項159】 スケール形成防止剤が多価金属ケイ酸塩であって、ナト
    リウムモンモリロナイト、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、水和ケ
    イ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡
    石、ナトリウムアルミノシリケート、ヘクトライトおよび非晶質ケイ酸マグネシ
    ウムの内の少なくとも1種を含んでいる、請求項158に記載の方法。
  160. 【請求項160】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含むものであっ
    て、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイ
    トおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項158に記載の方
    法。
  161. 【請求項161】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含み、その多価
    金属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムから成る、請求項158に記載の方法。
  162. 【請求項162】 スケール形成防止剤が粉砕炭酸カルシウムおよびナトリ
    ウムモンモリロナイトを含んでいる、請求項158に記載の方法。
  163. 【請求項163】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表
    面積を有する、請求項158に記載の方法。
  164. 【請求項164】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請
    求項158に記載の方法。
  165. 【請求項165】 スケールがシュウ酸カルシウムおよび炭酸カルシウムの
    内の少なくとも1種を含んでいる、請求項158に記載の方法。
  166. 【請求項166】 約10ppmまでの凝固剤を加えることをさらに含む、請
    求項158に記載の方法。
  167. 【請求項167】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約0.1〜10,000ppmのオキサレート濃度を有する、
    請求項158に記載の方法。
  168. 【請求項168】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、請求項
    158に記載の方法。
  169. 【請求項169】 水性系が約2〜12のpHを有する、請求項158に記
    載の方法。
  170. 【請求項170】 水性系が酸化性である、請求項158に記載の方法。
  171. 【請求項171】 水性系が約25〜500℃の温度を有する、請求項15
    8に記載の方法。
  172. 【請求項172】 水性系が約80〜1500psiの圧力にある、請求項1
    58に記載の方法。
  173. 【請求項173】 水性系に少なくとも1種の追加のスケール形成防止剤を
    加えることをさらに含む、請求項158に記載の方法。
  174. 【請求項174】 水性系に少なくとも1種の蛋白質を加えることをさらに
    含む、請求項158に記載の方法。
  175. 【請求項175】 清澄器、浮上分離槽、沈降槽、濾過器、遠心分離機およ
    び浸透圧装置の内の少なくとも1つを用いることによって、スケール形成防止剤
    を水性系から除去する工程をさらに含む、請求項158に記載の方法。
  176. 【請求項176】 スケールがシュウ酸カルシウムおよび炭酸カルシウムの
    少なくとも1種を含み、スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表
    面積を有し、また水性系が約2〜12のpHを有し、その水性系がスケール形成
    防止剤の添加前に約10〜500ppmのCa+2濃度を有し、その水性系がスケール
    形成防止剤の添加前に約0.1〜10,000ppmのオキサレート濃度および約
    100〜30,000ppmのCO3 -2濃度の少なくとも一方を有し、そしてその水性
    系が約25〜500℃の温度を有する、請求項158に記載の方法。
  177. 【請求項177】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって
    、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約1000ppm
    以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中で形成するこ
    との少なくとも一方を含み、この場合上記スケール形成防止剤はケイ酸マグネシ
    ウム・アルミニウム、水和ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベン
    トナイト、サポナイト、海泡石、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン
    、ドロマイト、ヘクトライト、非晶質ケイ酸マグネシウムおよび炭酸亜鉛の内の
    少なくとも1種を含む、上記の方法。
  178. 【請求項178】 スケール形成防止剤が約100ミクロン以下の平均粒径
    を有する、請求項177に記載の方法。
  179. 【請求項179】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表
    面積を有する、請求項177に記載の方法。
  180. 【請求項180】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請
    求項177に記載の方法。
  181. 【請求項181】 スケールが炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムの
    内の少なくとも1種を含んでいる、請求項177に記載の方法。
  182. 【請求項182】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、請求項
    177に記載の方法。
  183. 【請求項183】 水性系が約2〜14のpHを有する、請求項177に記
    載の方法。
  184. 【請求項184】 水性系が酸化性である、請求項177に記載の方法。
  185. 【請求項185】 水性系が約25〜500℃の温度を有する、請求項17
    7に記載の方法。
  186. 【請求項186】 水性系が約80〜1500psiの圧力にある、請求項1
    77に記載の方法。
  187. 【請求項187】 水性系に少なくとも1種の追加のスケール形成防止剤を
    加えることをさらに含む、請求項177に記載の方法。
  188. 【請求項188】 水性系に少なくとも1種の蛋白質を加えることをさらに
    含む、請求項177に記載の方法。
  189. 【請求項189】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって
    、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約1000ppm
    以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中で形成するこ
    との少なくとも一方を含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属炭酸塩
    を含み、そしてそのスケール形成防止剤の平均粒径は約3ミクロン以下である、
    上記の方法。
  190. 【請求項190】 多価金属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムを含んでいる、請
    求項189に記載の方法。
  191. 【請求項191】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請
    求項189に記載の方法。
  192. 【請求項192】 スケールが炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムの
    内の少なくとも1種を含んでいる、請求項189に記載の方法。
  193. 【請求項193】 水性系が約2〜14のpHを有する、請求項189に記
    載の方法。
  194. 【請求項194】 水性系が酸化性である、請求項189に記載の方法。
  195. 【請求項195】 水性系が約25〜500℃の温度を有する、請求項18
    9に記載の方法。
  196. 【請求項196】 水性系が約80〜1500psiの圧力にある、請求項1
    89に記載の方法。
  197. 【請求項197】 水性系に少なくとも1種の追加のスケール形成防止剤を
    加えることをさらに含む、請求項189に記載の方法。
  198. 【請求項198】 水性系に少なくとも1種の蛋白質を加えることをさらに
    含む、請求項189に記載の方法。
  199. 【請求項199】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって
    、スケール形成防止剤を、水性系中のスケール形成防止剤の量が約1000ppm
    以下となるようにその水性系中に加えること、およびその水性系中で形成するこ
    との少なくとも一方;並びにその水性系に分散剤を加える工程を含み、この場合
    上記スケール形成防止剤は多価金属炭酸塩を含んでいる、上記の方法。
  200. 【請求項200】 多価金属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムを含んでいる、請
    求項199に記載の方法。
  201. 【請求項201】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請
    求項199に記載の方法。
  202. 【請求項202】 水性系が約2〜14のpHを有する、請求項199に記
    載の方法。
  203. 【請求項203】 水性系が約25〜500℃の温度を有する、請求項19
    9に記載の方法。
  204. 【請求項204】 水性系が約80〜1500psiの圧力にある、請求項1
    99に記載の方法。
  205. 【請求項205】 水性系に少なくとも1種の追加のスケール形成防止剤を
    加えることをさらに含む、請求項199に記載の方法。
  206. 【請求項206】 水性系に少なくとも1種の蛋白質を加えることをさらに
    含む、請求項199に記載の方法。
  207. 【請求項207】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって
    、スケール形成防止剤を水性系中に加えること、およびその水性系中で形成する
    ことの少なくとも一方;並びにその水性系に少なくとも1種の蛋白質を加えるこ
    とを含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多価金属
    炭酸塩の内の少なくとも1種を含んでいる、上記の方法。
  208. 【請求項208】 水性系中のスケール形成防止剤の量が約1000ppmま
    でである、請求項207に記載の方法。
  209. 【請求項209】 スケール形成防止剤が約100ミクロン以下の平均粒径
    を有する、請求項207に記載の方法。
  210. 【請求項210】 水性系が少なくとも約9のpHを有する、請求項207
    に記載の方法。
  211. 【請求項211】 少なくとも1種の蛋白質が大豆蛋白質から成る、請求項
    207に記載の方法。
  212. 【請求項212】 次の: 多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種; 少なくとも1種の蛋白質 を含み;そして 上記の少なくとも1種の多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の、上記の少
    なくとも1種の蛋白質に対する重量比が約50:1〜1:1である、 組成物。
  213. 【請求項213】 少なくとも1種の蛋白質が大豆蛋白質から成る、請求項
    212に記載の組成物。
  214. 【請求項214】 次の: 水;および 木材パルプ をさらに含んでいる、請求項212に記載の組成物。
  215. 【請求項215】 水性系においてスケール沈積物を抑制する方法であって
    、スケール形成防止剤を水性系中に加えること、およびその水性系中で形成する
    ことの少なくとも一方;並びに無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体を加
    えることを含み、この場合上記スケール形成防止剤は多価金属ケイ酸塩および多
    価金属炭酸塩の内の少なくとも1種を含んでいる、上記の方法。
  216. 【請求項216】 スケール形成防止剤が多価金属ケイ酸塩であって、ナト
    リウムモンモリロナイト、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、タルク、水和ケ
    イ酸マグネシウム・アルミニウム、カルシウムベントナイト、サポナイト、海泡
    石、ナトリウムアルミノシリケート、ヘクトライトおよび非晶質ケイ酸マグネシ
    ウムの内の少なくとも1種を含んでいる、請求項215に記載の方法。
  217. 【請求項217】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含むものであっ
    て、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸第一鉄、炭酸マンガン、ドロマイ
    トおよび炭酸亜鉛の内の少なくとも1種を含んでいる、請求項215に記載の方
    法。
  218. 【請求項218】 スケール形成防止剤が多価金属炭酸塩を含み、その多価
    金属炭酸塩が粉砕炭酸カルシウムから成る、請求項215に記載の方法。
  219. 【請求項219】 スケール形成防止剤が粉砕炭酸カルシウムおよびナトリ
    ウムモンモリロナイトを含んでいる、請求項215に記載の方法。
  220. 【請求項220】 水性系中のスケール形成防止剤の量が約1000ppmま
    でである、請求項215に記載の方法。
  221. 【請求項221】 スケール形成防止剤の平均粒径が約100ミクロン以下
    である、請求項215に記載の方法。
  222. 【請求項222】 スケール形成防止剤が約10〜1000m2/gの比表
    面積を有する、請求項215に記載の方法。
  223. 【請求項223】 スケール形成防止剤対共重合体の重量比が約50:1〜
    1:1である、請求項215に記載の方法。
  224. 【請求項224】 水性系中の共重合体の量が約250ppmまでである、請
    求項215に記載の方法。
  225. 【請求項225】 スケールがアルカリ土類金属スケールを含んでいる、請
    求項215に記載の方法。
  226. 【請求項226】 スケールが炭酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムの
    内の少なくとも1種を含んでいる、請求項215に記載の方法。
  227. 【請求項227】 水性系が約2〜14のpHを有する、請求項215に記
    載の方法。
  228. 【請求項228】 水性系が酸化性である、請求項215に記載の方法。
  229. 【請求項229】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有する、請求項
    215に記載の方法。
  230. 【請求項230】 水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500
    ppmのCa+2濃度および約0.1〜10,000ppmのオキサレート濃度を有する、
    請求項215に記載の方法。
  231. 【請求項231】 水性系が約25〜500℃の温度を有する、請求項21
    5に記載の方法。
  232. 【請求項232】 水性系が約80〜1500psiの圧力にある、請求項2
    15に記載の方法。
  233. 【請求項233】 スケール形成防止剤が、冷却塔、熱交換器、蒸発器、パ
    ルプ化蒸解釜、パルプ洗浄機およびパルプ漂白装置の内の少なくとも1つの中に
    およびそれよりも前に加えられたもの、並びにその少なくとも1つの中でおよび
    それよりも前に形成されたものの少なくとも1つである、請求項215に記載の
    方法。
  234. 【請求項234】 スケール形成防止剤が、パルプ化蒸解釜よりも前の、お
    よびパルプ化蒸解釜においての少なくとも1つに加えられたもの、およびその少
    なくとも1つの中で形成されたものの少なくとも1つである、請求項215に記
    載の方法。
  235. 【請求項235】 スケール形成防止剤を、漂白プラント段階の直前のおよ
    び漂白プラント段階においての少なくとも一方において加えられたものおよび形
    成されたものの少なくとも1つである、請求項215に記載の方法。
  236. 【請求項236】 水性系が、製紙、採鉱、繊維製造、自動車製造、食品加
    工、製鋼、水処理および石油加工の内の1つに関係するものである、請求項21
    5に記載の方法。
  237. 【請求項237】 水性系に少なくとも1種の追加のスケール形成防止剤を
    加えることをさらに含む、請求項215に記載の方法。
  238. 【請求項238】 水性系に少なくとも1種の蛋白質を加えることをさらに
    含む、請求項215に記載の方法。
  239. 【請求項239】 少なくとも1種の蛋白質が大豆蛋白質から成る、請求項
    238に記載の方法。
  240. 【請求項240】 約10ppm以下の凝固剤を加えることをさらに含む、請
    求項215に記載の方法。
  241. 【請求項241】 清澄器、浮上分離槽、沈降槽、濾過器、遠心分離機およ
    び浸透圧装置の内の少なくとも1つを用いることによって、スケール形成防止剤
    を水性系から除去する工程をさらに含む、請求項215に記載の方法。
  242. 【請求項242】 スケールが炭酸カルシウムを含み、スケール形成防止剤
    が約10〜1000m2/gの比表面積を有し、また水性系が約9〜14のpH
    を有し、その水性系がスケール形成防止剤の添加前に約10〜500ppmのCa+2
    濃度および約100〜30,000ppmのCO3 -2濃度を有し、そしてその水性系が
    約25〜500℃の温度を有する、請求項215に記載の方法。
  243. 【請求項243】 次の: 多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の内の少なくとも1種; 無水マレイン酸とイソブチレンとの共重合体 を含み;そして 上記の少なくとも1種の多価金属ケイ酸塩および多価金属炭酸塩の上記共重合
    体に対する重量比が約50:1〜1:1である、 組成物。
  244. 【請求項244】 次の: 水;および 木材パルプ をさらに含んでいる、請求項243に記載の組成物。
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