JPH11128989A - 製紙工程におけるスケール防止方法 - Google Patents

製紙工程におけるスケール防止方法

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JPH11128989A
JPH11128989A JP9302795A JP30279597A JPH11128989A JP H11128989 A JPH11128989 A JP H11128989A JP 9302795 A JP9302795 A JP 9302795A JP 30279597 A JP30279597 A JP 30279597A JP H11128989 A JPH11128989 A JP H11128989A
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water
crystals
substance
tank
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Shigeru Sato
茂 佐藤
Aya Sakaguchi
彩 坂口
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    • D21H21/00Non-fibrous material added to the pulp, characterised by its function, form or properties; Paper-impregnating or coating material, characterised by its function, form or properties
    • D21H21/02Agents for preventing deposition on the paper mill equipment, e.g. pitch or slime control
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F5/00Softening water; Preventing scale; Adding scale preventatives or scale removers to water, e.g. adding sequestering agents
    • C02F5/08Treatment of water with complexing chemicals or other solubilising agents for softening, scale prevention or scale removal, e.g. adding sequestering agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製紙工場の原料調製工程又は抄紙工程で発生す
るスケールの付着を効果的に防止することができる製紙
工程におけるスケール防止方法を提供する。 【解決手段】製紙工程において発生するスケール物質と
同一又は類似の結晶を原料調製工程水又は抄紙工程水に
添加し、工程水中に析出したスケール物質をそのままパ
ルプ原料と共に紙に抄き込み、スケール物質を系外に除
去することを特徴とする製紙工程におけるスケール防止
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙工程における
スケール防止方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、製紙工場の原料調製工程又は抄紙工程で発生するス
ケールの付着を効果的に防止することができる製紙工程
におけるスケール防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙の原料であるパルプは、カルシウム塩
やバリウム塩を含み、原料水中や白水中に、カルシウム
イオンやバリウムイオンが溶出する。特に、回収古紙を
原料とした古紙パルプの場合は、古紙中に無機系の填料
が多量に存在するので、カルシウムイオンの溶出が多
い。また、製紙工場の抄紙工程においては、ロジンサイ
ズの定着とpH調整を主な目的として、硫酸バンドが広く
用いられている。さらに、pH調整のために硫酸を添加す
る場合もある。これらの薬剤に由来する硫酸イオンと、
パルプ原料に由来するカルシウムイオンやバリウムイオ
ンが結合して、水に極めて難溶性の硫酸カルシウムや硫
酸バリウムのスケールが発生する。また、パルプからは
樹木に由来するシュウ酸イオンも溶出する場合があり、
シュウ酸イオンは水中のカルシウムイオンと結合し、シ
ュウ酸カルシウムがスケールとして発生する。これらの
スケールは、原料混合のミキシングチェスト、タンク、
種箱、配管、ファンポンプ、スクリーン、インレット吹
き出し口などの製紙工程の諸機器に付着して、機器の有
する本来の性能を低下させるのみならず、壁面に付着成
長したスケールの一部が脱落して紙切れを生じさせた
り、紙製品に斑点を生じさせて品質を損なうなど、生産
に大きな損失をもたらす場合がある。このような硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、シュウ酸カルシウムなどのス
ケールを防止するために、スケール防止剤の添加が検討
されている。すなわち、ポリアクリル酸塩、ホスホン酸
塩、重合リン酸塩など一般によく知られたスケール防止
剤の適用が検討されているが、これらはいずれも十分な
効果を示さない。その理由は、対象となる製紙工程水中
には、アルミニウムイオンや紙力増強剤に由来するカチ
オン性物質が多量に存在するために、従来のアニオン性
のスケール防止剤はこれら共存物質と反応し、活性を失
ってしまうためである。このように、従来のスケール防
止剤では、スケールの発生を十分に防止できないため、
多大な費用と手間をかけて付着したスケールを除去する
場合が多い。特に、硫酸カルシウムは、pHの変化によっ
ても溶解性がほとんど変化せず、極めて溶解性が悪いた
めに、手作業でかき落とす以外に方法がないのが現状で
ある。このため、これらのスケールの付着を防止するこ
とができる製紙工程におけるスケール防止方法の開発が
強く望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製紙工場の
原料調製工程又は抄紙工程で発生するスケールの付着を
効果的に防止することができる製紙工程におけるスケー
ル防止方法を提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、製紙工程におい
て発生するスケール物質と同一又は類似の結晶を原料調
製工程水又は抄紙工程水に添加して工程水中にスケール
物質を析出させ、工程水中に析出したスケール物質をそ
のままパルプ原料と共に紙に抄き込むことにより、スケ
ール物質を系外に除去してスケールの付着を防止し得る
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(1)製紙工程におい
て発生するスケール物質と同一又は類似の結晶を原料調
製工程水又は抄紙工程水に添加し、工程水中に析出した
スケール物質をそのままパルプ原料と共に紙に抄き込
み、スケール物質を系外に除去することを特徴とする製
紙工程におけるスケール防止方法、を提供するものであ
る。さらに、本発明の好ましい態様として、(2)発生
するスケール物質が硫酸カルシウムであり、スケール物
質と同一又は類似の結晶が硫酸カルシウムである第(1)
項記載の製紙工程におけるスケール防止方法、(3)ス
ケール物質と同一又は類似の結晶の平均粒径が、0.0
5〜100μmである第(1)項記載の製紙工程における
スケール防止方法、及び、(4)スケール物質と同一又
は類似の結晶の添加量が、工程水1リットル当たり0.
1〜10,000mgである第(1)項記載の製紙工程にお
けるスケール防止方法、を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のスケール防止方法は、製
紙工程におけるスケールの付着の防止に適用することが
できる。本発明方法は、製紙工程において発生するスケ
ール物質と同一又は類似の結晶を、原料調製工程水又は
抄紙工程水に添加し、工程水中に析出したスケール物質
をそのままパルプ原料と共に紙に抄き込み、スケール物
質を系外に除去するものである。本発明方法の適用の対
象となるスケール物質に特に制限はないが、製紙工程に
おいて発生するスケール物質は、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、シュウ酸カルシウム、炭酸カルシウムなどで
ある場合が多く、本発明方法は、これらのスケール物質
に対して特に好適に使用することができる。製紙工程に
おいて発生するスケール物質は、スケール物質をサンプ
リングし、化学分析とX線回折分析を行うことにより、
化学組成と結晶構造を特定することができる。製紙工程
において発生するスケール物質には、複数の種類の結晶
が含まれる場合が多いが、本発明方法においては、その
すべてと同一又は類似の結晶を添加する必要はなく、そ
の主要なもの1種又は2種以上について、同一又は類似
の結晶を添加することにより、本発明の目的を達するこ
とができる。
【0006】本発明方法において、スケール物質と同一
又は類似の結晶とは、スケール物質と同じ化学組成を有
する化合物の結晶、及び、スケール物質と化学組成は異
なるが、結晶系が同一であり、格子定数の差が10%以
下である結晶をいう。スケール物質と同一又は類似の結
晶としては、基本的には、対象となるスケール物質と格
子構造や結晶形が同一又は類似で、種晶(seed c
rystal)となり得るものであれば、エピタキシャ
ルに結晶の成長を起こし得るものを含めて、種類を問わ
ず使用することができる。例えば、製紙工程で発生する
スケール物質が硫酸カルシウムである場合、スケール物
質と同一又は類似の結晶として、スケール物質と化学組
成が同じである硫酸カルシウムの結晶を用いることがで
きる。硫酸カルシウムの結晶としては、立方晶系のI型
硫酸カルシウム無水物の結晶、斜方晶系のII型硫酸カル
シウム無水物の結晶、単斜晶系の硫酸カルシウム二水和
物の結晶などを用いることができ、また、六方晶系の硫
酸カルシウム半水和物の結晶は、水と接すると吸水して
二水和物となるが、同様に使用することができる。製紙
工程で発生するスケール物質が硫酸バリウムである場合
は、スケール物質と同一又は類似の結晶として、硫酸バ
リウムの結晶を用いることができ、製紙工程で発生する
スケール物質がシュウ酸カルシウムである場合は、スケ
ール物質と同一又は類似の結晶として、シュウ酸カルシ
ウムの結晶を用いることができる。さらに、例えば、製
紙回収工程で発生するスケール物質が、単斜晶系の硫酸
カルシウム二水和物(a=10.47Å、b=15.15
Å、c=6.51Å、β=151o33')である場合、
スケール物質と類似の結晶として、硫酸カルシウム以外
の結晶であっても、結晶系が単斜晶系であって、a=
9.42〜11.52Å、b=13.64〜16.67Å、
c=5.86〜7.16Å、β=136o24'〜166o
42'である結晶を使用することができる。
【0007】本発明方法において使用するスケール物質
と同一又は類似の結晶は、一般的には微細なものが好ま
しいが、通常は、平均粒径が0.05〜100μmであ
るものがより好ましく、平均粒径が5〜50μmである
ものがさらに好ましい。平均粒径が小さくなりすぎて
0.05μm未満であると、添加した結晶を種晶として
析出するスケール物質の結晶が小さすぎて、紙に抄き込
むことが困難となるおそれがある。平均粒径が大きくな
りすぎて100μmを超えると、添加した結晶を種晶と
して析出するスケール物質の結晶が大きすぎて、抄紙工
程に支障を生じ、あるいは、得られる紙の品質が低下す
るおそれがある。本発明方法において、スケール物質と
同一又は類似の結晶を添加する方法に特に制限はなく、
例えば、結晶をそのまま粉末状態で添加することがで
き、あるいは、結晶を水に分散させてスラリー状として
添加することもできる。これらの添加方法の中で、水分
散液として添加する方法は、注入が容易であり、粉塵が
発生するおそれがないので、好適に使用することができ
る。本発明方法において、スケール物質と同一又は類似
の結晶の添加量には特に制限はないが、通常は使用する
水量に対して、0.1〜10,000mg/リットルの割合
で添加することが好ましく、1〜100mg/リットルの
割合で添加することがより好ましい。結晶の添加量が水
量に対して0.1mg/リットル未満であると、十分なス
ケール防止効果が発現しないおそれがある。結晶の添加
量が水量に対して10,000mg/リットルを超える
と、紙の品質の安定性を損なうおそれがある。本発明方
法において、スケール物質と同一又は類似の結晶を添加
する場所には特に制限はなく、例えば、原料調製工程、
抄紙工程、白水回収工程、排水処理工程などを挙げるこ
とができる。これらの中で、抄紙工程におけるスケール
トラブルを根本から断つためには、ミキシングチェスト
やマシンチェストなどの原料調製工程において添加する
ことが好ましい。
【0008】本発明方法においては、必要に応じて、ス
ケール物質と同一又は類似の結晶に加えて、他の薬剤を
併用することができる。併用する薬剤としては、例え
ば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸と2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の共
重合体、アクリル酸と2−ヒドロキシ−3−アリロキシ
プロパンスルホン酸の共重合体などの有機ポリマー、ニ
トリロトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデン
ホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸、ヘキサメ
タリン酸ナトリウムなどのリン系化合物などの公知のス
ケール防止剤や、サイズ剤、紙力増強剤、歩留り向上
剤、ろ水向上剤、スライムコントロール剤、各種の填料
などを挙げることができる。本発明方法によれば、スケ
ール物質と同一又は類似の結晶を抄紙工程水又は原料調
製工程水に添加することにより、工程水中のスケール物
質が沈殿として析出する。析出したスケール物質は、微
細な結晶となっているので、そのままパルプなどの原料
と共に紙の中へ抄き込んでも、抄紙工程の障害となるこ
とはなく、製品である紙の品質にも悪影響を及ぼすこと
がない。また、スケール物質は、製品の紙に含まれて系
外に排出されるので、特別なスケール除去装置などを設
置する必要がなく、簡便にスケールの付着防止とスケー
ル物質の系外への除去を行うことができる。本発明方法
は、スケール物質と同一又は類似の結晶を工程水に添加
することにより、過飽和にあるスケール物質を積極的に
結晶として析出させ、スケール物質の過飽和度を下げる
ことにより、スケールの付着を防止するものである。例
えば、硫酸カルシウムのスケールを防止する場合、硫酸
カルシウムの結晶を工程水に添加することにより、過飽
和状態にあるカルシウムイオンと硫酸イオンの水中での
析出を促進させ、結果として過飽和状態を解消すること
により、スケールの付着を防止する。過飽和を解消して
役割を終えた硫酸カルシウムの結晶は、一部はスラッジ
としてスクリーンで除去されるが、大部分は紙に抄き込
まれ、系外に除去される。紙に抄き込まれても、その結
晶は微粒子であるために、紙の製造上及び品質上で何ら
問題を生ずるおそれはない。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。試験は、製紙工場の原料調製工
程を模擬した試験装置及び試験水を用いて行った。試験
装置のフローを、図1に示す。タンクAには、塩化カル
シウム3.33g/リットルと硫酸ナトリウム2.96g
/リットルを溶解した水を入れた。タンクAの水は、カ
ルシウムイオン1,200mg/リットルと硫酸イオン2,
000mg/リットルを含有し、均一に溶解している。タ
ンクBには、硫酸ナトリウムを溶解して硫酸イオン濃度
を133,340mg/リットルとした水溶液を入れた。
また、タンクCには、スケール防止用の薬剤を含む水を
入れた。タンクDは、実機のマシンチェストを模擬した
ものであり、タンクAの水が16リットル/時、タンク
Bの水溶液が60ml/時で送水され、タンクCよりスケ
ール防止用の薬剤を含む水が添加される。タンクDの水
に含まれる水の硫酸イオン濃度は2,500mg/リット
ルとなり、硫酸カルシウムの沈殿が析出する。タンクD
には、容量8リットルでオーバーフローするように、オ
ーバーフロー口Eが設けられている。タンクDの水は、
50℃の温水を通水できるステンレスチューブFを装着
したアクリルカラムGに10リットル/分で通水し、ス
テンレスチューブの伝熱面と接触したのち、タンクDに
戻る。8時間連続して通水したのち、乾燥後のステンレ
スチューブの重量増から、ステンレスチューブ表面への
スケール付着量を求めた。また、タンクDの水をサンプ
リングし、0.1μmフィルターで結晶をろ別し、その
結晶を再度メタノールに分散して、粒径分布を測定し
た。 実施例1 タンクCに、合成硫酸カルシウム(粒径20〜50μ
m、二水和物、比重2.32)の50重量%水分散液を
入れ、送液速度0.46ml/時でタンクDに送り込ん
だ。合成硫酸カルシウムの添加量は、タンクAの水とタ
ンクBの水の合計1リットル当たり20mgである。8時
間の試験後のステンレスチューブ表面へのスケール付着
量は、0.02mg/cm2であった。また、タンクDの水中
に存在する結晶の粒径は40〜60μmであった。 実施例2 タンクCに、天然硫酸カルシウム(粒径5〜10μm、
二水和物、比重2.32)の50重量%水分散液を入
れ、送液速度0.46ml/時でタンクDに送り込んだ。
天然硫酸カルシウムの添加量は、タンクAの水とタンク
Bの水の合計1リットル当たり20mgである。8時間の
試験後のステンレスチューブ表面へのスケール付着量
は、0.05mg/cm2であった。また、タンクDの水中に
存在する結晶の粒径は20〜25μmであった。 実施例3 天然硫酸カルシウムの50重量%水分散液の送液速度を
0.92ml/時とした以外は、実施例2と同じ試験を繰
り返した。天然硫酸カルシウムの添加量は、タンクAの
水とタンクBの水の合計1リットル当たり40mgであ
る。8時間の試験後のステンレスチューブ表面へのスケ
ール付着量は、0.02mg/cm2であった。また、タンク
Dの水中に存在する結晶の粒径は20〜30μmであっ
た。 比較例1 タンクCに、ポリアクリル酸ソーダ(分子量6,00
0)の20重量%水溶液を入れ、送液速度3.06ml/
時でタンクDに送り込んだ。ポリアクリル酸ソーダの添
加量は、タンクAの水とタンクBの水の合計1リットル
当たり40mgである。8時間の試験後のステンレスチュ
ーブ表面へのスケール付着量は、2.35mg/cm2であっ
た。 比較例2 タンクCに、ヘキサメタリン酸ソーダの20重量%水溶
液を入れ、送液速度2.68ml/時でタンクDに送り込
んだ。ヘキサメタリン酸ソーダの添加量は、タンクAの
水とタンクBの水の合計1リットル当たり40mgであ
る。8時間の試験後のステンレスチューブ表面へのスケ
ール付着量は、1.95mg/cm2であった。 比較例3 タンクCから薬剤を添加することなく、タンクAの水と
タンクBの水のみをタンクDに送り込んで試験を行っ
た。8時間の試験後のステンレスチューブ表面へのスケ
ール付着量は、5.25mg/cm2であった。実施例1〜3
及び比較例1〜3の結果を、第1表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】第1表に見られるように、従来のスケール
防止剤であるポリアクリル酸ソーダ又はヘキサメタリン
酸ソーダを添加した比較例1〜2の場合、スケール防止
剤を添加しない場合に比べてスケール付着量はほぼ40
%程度に減少するのに対して、本発明のスケール物質と
同一又は類似の結晶を添加した実施例1〜3において
は、スケール付着量はスケール防止剤を添加しない場合
の100分の1以下に激減していることから、本発明の
スケール防止方法が、製紙工程のスケール防止に顕著な
効果を有することが分かる。また、析出した結晶は粒径
20〜25μmないし40〜60μmの微粒子であり、
そのまま紙に抄き込んでも、製紙工程上も紙の品質上
も、なんら問題は生じないと考えられる。
【0012】
【発明の効果】本発明方法によれば、従来のスケール防
止剤を用いる方法に比べて、製紙工程において発生する
スケールの付着防止効果が大きく、また、析出した結晶
は微粒子なので、製造上及び品質上の問題を生ずること
なく、そのまま紙に抄き込んで系外に排出することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例において使用した試験装置の系
統図である。
【符号の説明】
A タンク B タンク C タンク D タンク E オーバーフロー口 F ステンレスチューブ G アクリルカラム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製紙工程において発生するスケール物質と
    同一又は類似の結晶を原料調製工程水又は抄紙工程水に
    添加し、工程水中に析出したスケール物質をそのままパ
    ルプ原料と共に紙に抄き込み、スケール物質を系外に除
    去することを特徴とする製紙工程におけるスケール防止
    方法。
JP9302795A 1997-11-05 1997-11-05 製紙工程におけるスケール防止方法 Pending JPH11128989A (ja)

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