JP2003523448A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 CH重合体鎖を含む物質の処理方法及び処理設備
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部手段によって、外部と密封絶縁した雰囲気においてCH重合体鎖を含む物質の燃焼を開始する工程と;
上記雰囲気からガス状燃焼生成物を取出して該雰囲気を250mmHgに近い絶対圧力にする工程と;
雰囲気を上記圧力及び200℃に近い温度に維持しながら燃焼維持する酸化剤を供給してガスを生成する工程と;
生成したガスを凝縮し、非加圧雰囲気で凝縮体を収集する工程と;
を含むことを特徴とするCH重合体鎖を含む物質の処理方法。
【請求項2】
燃焼維持する酸化剤が酸素又はオゾンであり、そして処理物質の0.5〜1.5重重%の量で供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
凝縮体が硫黄分離処理を受けることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
凝縮体又は生成ガスが炭酸カルシウム又は炭酸水素ナトリウムで処理されて塩素を中和することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
処理すべき物質を収容するための外部と密封絶縁した反応器と;処理すべき物質を該反応器に装填する手段と;反応器内で該物質の燃焼を開始させる手段と;吸引により反応器を真空下に置く手段と;酸素又はオゾンを反応器内に供給し、酸素又はオゾンを計量する手段と;反応器から取り出したガスを凝縮する手段と;凝縮体を収集する手段と;反応器から固体残渣を放出し取出す手段とを有することを特徴とするCH重合体鎖を含む物質の処理設備。
【請求項6】
燃焼を開始させる手段がバーナーであることを特徴とする請求項5に記載のCH重合体鎖を含む物質の処理設備。
【請求項7】
上記バーナーが反応器の基部に配置されることを特徴とする請求項6に記載のCH重合体鎖を含む物質の処理設備。
【請求項8】
反応器を真空下に置く手段が反応器内で250mmHgの絶対圧力を発生するように配置されたファンから成ることを特徴とする請求項5に記載のCH重合体鎖を含む物質の処理設備。
【請求項9】
反応器内に酸素又はオゾンを供給する手段が反応器の基部に連通していることを特徴とする請求項5に記載のCH重合体鎖を含む物質の処理設備。
【請求項10】
公知型の水供給凝縮器を有することを特徴とする請求項5に記載のCH重合体鎖を含む物質の処理設備。
【請求項11】
硫黄分離手段を有することを特徴とする請求項5に記載のCH重合体鎖を含む物質の処理設備。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、焼却による固体物質の処理、特に燃焼時に高度に汚染性のガスを発生する固体物質の処理に関するものである。
【0002】
(背景技術)
この種の物質は非常に広範囲にわたっており、そして多様な合成製品、プラスチック物質及びその他の物質を含んでいる。この種の物質は、相当なエネルギーコストを伴いしかもガスの浄化にもかかわらずガス状ダイオキシン及びその他の汚染ガスを発生するという欠点をもつ焼却によって通常処理される。
【0003】
分かりやすい設備の複雑さに加えて、公知の方法は、被処理物質の酸化を伴い、そのため発熱量を使い果たし、燃料として極めて不適当なものとなる。直ちに明らかなように、このことはプロセスの経済性にかなり影響する。
【0004】
米国特許第5157176号明細書には、使用済み自動車用ゴムタイヤをリサイクルする方法が開示されており、ゴムタイヤの小さな部片が対向流型の垂直反応に漸次供給され、その際ゴム物質を分解し、揮発化するため物質徐々に反応を通って下降、下降していく物質に対して処理ガスを上向きに通す。
【0005】
容器の下方部分において反応に、酸素含有ガスが注入され、ゴム炭素の部分を燃焼させて高温の燃焼ガスを発生させ、この燃焼ガスによりゴム部片を熱分解しそのような物質を揮発させる。
【0006】
米国特許第5157176号明細書に開示された方法の結果は、凝縮した油となり、その重質フラクションはゴム化合物における可塑剤として用いられる。凝縮生成物は、発熱量が低いので、燃料として用いるのには適さない。
【0007】
米国特許第4284616号明細書には、使用済みタイヤからカーボンブラック、油及び燃料ガスを回収する方法が開示されている。この方法は、タイヤフラグメントの僅かに大気圧以下の圧力での熱分解に基づくものである。
0008
本発明の目的は、Cポリマー鎖の分解又は解重合により特に合成起源のプラスチック物質よりなる物質を処理することであり、その際、同時にエネルギーパワーの高いプロセスの得られる液体凝縮物を回収しながらの該物質の処理にある。
0009
本発明の究極でしかも重要な目的は、最近の厳しい環境条例を満たすよう排ガスの浄化を実施することにある。
0010
(発明の開示)
これらの目的は、特許請求の範囲に定義した方法及び設備によって達成される。
0011
本発明の方法では、二つの相互に作用する工程が組み合わされ、酸素やオゾンのような酸化剤の存在のもとで低温で真空雰囲気で行なわれる。
0012
処理すべき物質は、好ましくは、50mm〜300mm程度の一様な大きさの片に微粉砕され、そして反応装置(反応器)として働く容器に入れられる。容器に入れられる物質の量すなわち装填量は好ましくは容器の容量の1/4を占め、その下方では普通のボイラーに用いられた形式の通常のバーナー容器内に連通している。
0013
システムは、上記バーナーで点火される炎によって始動される。炎によって点火するのに必要な時間は1分の程度である。
0014
点火が生じると、容器全体すなわち反応装置はファンによる吸引力を受け、最初の反応ガスは排出され、そして吸引ファンは短い時間の後、望ましくない燃焼反応を防止するために容器すなわち反応装置内を減圧する。
0015
反応装置内の絶対圧力は、ほぼ250mmHgで安定化される。
0016
反応装置内の空気が欠乏すると、最初に炎で行なわれた燃焼プロセスは相当にゆっくりとなり、そして、熱分解と増々同様になっていく。この初期工程の後、反応が安定化して、通常の運転が始まり、この間、酸化剤、通常酸素が処理すべき物質の0.5〜1.5重重%の量で反応室に供給される
炎の点火で燃焼の中心が生じることにならない速度で分子分解のプロセスを促進させるように酸化剤の供給には注意が払われなければならない。全反応中、酸化剤の供給は、全プロセスを最大程度に有利とするために重合体鎖の分子分裂により発生した反応ガスの量と絶えず平衡がとられている。
0017
重合体鎖の分子分裂は、燃焼なしでしかも反応の最終結果として最大可能なガス量を得るために、重合体鎖の形成に先行してる化学パラメータを回復することを狙っている。
0018
このようにして得られた反応ガスは凝縮器に供給され、ガスを液体形態(相)に変換る。
0019
プロセスは、望ましくない物質及び副生物、主に出発物質中に存在している場合には硫黄成分の得られた液相を精製することからなる
0020
別の望ましくない成分は塩素成分であり、この塩素成分は、入口に存在する場合には、適当な除去回路を循環させ、続いてカルシウムCaCO又は炭酸水素ナトリウム2NaHCOを用いて処理することで中和することによって除去される。
0021
望ましくない成分を清浄した液体は、貯蔵と重力による生成物のさらなる清浄との二つの働きをするある容器に供給される。
0022
全システムは、運転サイクル中の加圧を止するため適当排気(ベント)を必要とする。
0023
このようにして、重合化したCH鎖の殆どから高い熱量のる量のガス及び(又は)液体が低い解重合コストで抽出される。
0024
変換され得ないこれら全ての部分は運転サイクルの終了時に放出され、プロセス残留物(残渣)として仕分けされる。
0025
上記残留物は他の可能な使用には必ずしも適当ではないが、本プロセスで適切に変換するのには適当でない。
0026
問題の残留物の性質は、それら残留物が燃焼のような分解型又は個々の重合体鎖に基く選択型の技法で再利用され得ることを意味しており、その結果、成形や押出しに適した生成物を得るように処理される。
0027
地方の条例で要求される場合には、本プロセスは排ガスの清浄化及び放出を公知の手段で含み得る。
0028
上記のプロセスは、図1に概略的に例示した設備で実施され、この設備の説明には別のプロセスラメータが含まれる。
0029
【発明の実施の形態】
上記設備は、容器すなわち反応装置1を有し、この反応装置1には密封したクロージャーハッチ2が設けられており、このクロージャーハッチ2から処理すべき物質がコンベヤー3によって装填される。処理すべき物質は反応装置1の容積の約四分の一を占め、反応装置1の基部には反応を開始させるための通常の燃料油バーナー4が取付けられている。
0030
内径1500mm、内高4500mmの反応装置内に、処理すべき物質は反応装置の容積の約四分の一に等しい容積まで装填される。
0031
反応装置1の基部には、生成物を放出するための通常のシステム5が示されている。
0032
処理すべき物質の下方で反応装置1の基部には1つ以上の導管6が連通しており,これらの導管6は蒸発器7からのび、容器8から酸素又はオゾンが物質に供給されることになる。
0033
導管6は、酸素又はオゾンを計する公知の手段、計量弁9を備えている。
0034
酸素供給に加えて又は酸素供給の別法として、空気を供給する弁10は反応装置の上方部分に設けられ得る。
0035
運転サイクル中に供給する酸素は、処理すべき物質の0.5〜1.5重量%であり、好ましくは1重量%の程度である。反応装置の頂部に近接した位置からガス収集導管11がのびており、このガス収集導管11は凝縮器の上流に位置したファン12によってガスを凝縮器13へ導き、凝縮器13においてガスは液相に還元される。
0036
プロセスの始動段階中に発生した排ガスを反応装置から空にする他に、ファンは、反応装置内の絶対圧力を通常の運転中250mmHg近くまで低減する働きもしている。
0037
酸素の同時導入で解重合の生じる温度は200℃の程度である。凝縮器(コンデンサー)13は水冷型のものであり、温度を約45℃〜50℃の範囲に低減する。
0038
凝縮器13の下流には、硫黄を分離する分離装置14及び塩素化装置15が直列に設けられ、塩素化装置15の下流で液体はタンク16に貯蔵され、このタンク16は加圧を阻止する手段、ベント17を備えている。
0039
分離装置14は、ペースト又はパルプ形態で縮合物中に存在している硫黄を保持する格子を備えた容器である。塩素化装置15は、炭カルシウムCaCO又は炭酸水素ナトリウム2NaHCOを用いて動作する通常の装置であり、この装置の内部に塩素は塩化物塩の形態で収集される。
0040
タンク16内に集められた液体は、処理物質に応じて粘性の高いまたは低い液体の形態であり、3,000〜10,000kCal/kgの範囲の発熱量を有する。処理物質に対する得られた液体の比率は約0.8リットル/kgの程度である。
0041
CH鎖に基いた装填物質の処理は、約1時間かかり、そして反応装置に供給した物質の約10%に相当する固体残留物が残る。
0042
プロセスは、一部物質の涸渇(消耗)によるが主としては反応装置内に残っているプロセス残留物から成る物質の量が少なくなりすぎることにより、生成液体の実質的な減少がめられる時には停止される。
0043
残留物質は反応装置から取出され、約10回の運転サイクルの後、新たに装填するのに十分な量の残留物質が溜まるまで、別にしておく。
0044
残留物質の処理を一回以上繰返すだけの価値はない。
0045
本プロセスはバッチ(回分)プロセスとして説明してきたが、処理すべき物質を装填する好都合な密封手段を備えた反応装置で連続プロセスとして実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による設備の概略線図。
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