JP2003523180A - 多重のパッケージングシグナルを用いる組み換えアデノウイルスのパッケージングおよび収量を増加するための組成物および方法 - Google Patents

多重のパッケージングシグナルを用いる組み換えアデノウイルスのパッケージングおよび収量を増加するための組成物および方法

Info

Publication number
JP2003523180A
JP2003523180A JP2001542523A JP2001542523A JP2003523180A JP 2003523180 A JP2003523180 A JP 2003523180A JP 2001542523 A JP2001542523 A JP 2001542523A JP 2001542523 A JP2001542523 A JP 2001542523A JP 2003523180 A JP2003523180 A JP 2003523180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adenovirus
vector
packaging
recombinant
recombinant adenovirus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001542523A
Other languages
English (en)
Inventor
ガオ,グアング−ピング
ウイルソン,ジエイムズ・エム
Original Assignee
ザ・トラステイーズ・オブ・ザ・ユニバーシテイ・オブ・ペンシルベニア
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ・トラステイーズ・オブ・ザ・ユニバーシテイ・オブ・ペンシルベニア filed Critical ザ・トラステイーズ・オブ・ザ・ユニバーシテイ・オブ・ペンシルベニア
Publication of JP2003523180A publication Critical patent/JP2003523180A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • C12N15/86Viral vectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2710/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA dsDNA viruses
    • C12N2710/00011Details
    • C12N2710/10011Adenoviridae
    • C12N2710/10311Mastadenovirus, e.g. human or simian adenoviruses
    • C12N2710/10341Use of virus, viral particle or viral elements as a vector
    • C12N2710/10343Use of virus, viral particle or viral elements as a vector viral genome or elements thereof as genetic vector

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 多重アデノウイルスパッケージングドメインを有する組み換えアデノウイルスベクターが提供される。このベクターは、アデノウイルスキャプシド中へのプラスミドベクターのパッケージングにおいて慣用のアデノウイルスベクター以上の利点を有する。このベクターの作成および使用方法が記述される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、国立保健研究所(the National Institute
of Health)の補助金No.P01 HD32649からの資金援助
により作成された。米国政府は本発明におけるある種の権利を有する。
【0002】 発明の背景 本発明は、一般に、遺伝子送達において有用なアデノウイルスベクターの分野
および同ベクターの作成方法に関する。
【0003】 アデノウイルスは、選ばれた宿主細胞中への治療遺伝子の送達のために有用な
ウイルスベクターとして記述されてきた。送達媒介物(vehicle)として
のアデノウイルスへの関心により、数グループは、ウイルスキャプシド中へのア
デノウイルス(Ad)ゲノムの選択的パッケージングを可能にするメカニズムを
研究してきた。
【0004】 Adゲノムの左端内において、シス作用パッケージングドメインが同定された
[M.Grable and P.Hearing,J.Virol.64:2
047−2056(May 1990)]。この領域を欠如しているAd血清型
5(Ad5)の変異株は生存不能であるが、ウイルスゲノムの右端における左末
端355ntの挿入によってレスキューすることができる。Ad5パッケージン
グドメインは、逆方向において機能することが見い出され、そしてウイルス収量
を低下することなくその本来の場所から数百塩基対内に移動することができる[
P.Hearing et al.,J.Virol.61:2555−255
8(Aug.1987)]。
【0005】 Ad5パッケージングドメインは、機能的に重複している少なくとも7個の要
素からなる。最初の5要素のうち4個は、Aリピートと呼ばれるATリッチの反
復する配列モチーフを含有する。第5の要素は、それがATリッチであるという
事実以外はAリピートに対するいかなる明白な1次配列相同性も含まない。Ad
5の公表された配列によれば、AリピートIはnt240−248内に位置し;
AリピートIIはnt260−268内に位置し;AリピートIIIはnt30
2−311内に位置し;AリピートIVはnt313−321内に位置し;Aリ
ピートVはnt337−346内に位置し;AリピートVIはAd5のnt36
3−368内に位置し;AリピートVIIはAd5のnt370−375内に位
置する[M.Grable and P.Hearing,J.Virol.6 (2):723−731(Feb.1992)]。文献は、ビリオン中へのア
デノウイルスDNAをパッケージするのに要求されるパッケージングドメインの
最小部分を決定する試みを報告している。このアプローチは、ベクターの安全性
を最大にし、同時にアデノウイルスベクターによって送達される異種遺伝子配列
のためにウイルスゲノムにおいて十分な空間を提供するための進展中の作業と合
致する。
【0006】 研究は、アデノウイルスベクターの生産および収量を最適化する方法を探求す
べく継続している。
【0007】 発明の概要 本発明は、組み換えアデノウイルスを効率よくパッケージし、そしてその高い
収量を生産するために有用な組成物および方法を提供する。本発明は、多重の機
能性アデノウイルスパッケージングドメインを含有するよう組み換えアデノウイ
ルスを工作することを含む。適当には、これらのベクターは、重複して、アデノ
ウイルスパッケージングドメインの「A」反復要素を少なくとも5個含有する。
もっとも好ましくは、ベクターは、少なくとも1個の元のままのアデノウイルス
パッケージングドメインおよび少なくとも5個の「A」反復要素を含有する第2
のアデノウイルスパッケージングドメインを含有する。
【0008】 かくして、1つの態様では、本発明は、(a)アデノウイルス5’逆方向末端
反復、(b)第1のアデノウイルスパッケージングドメイン、(c)第2のアデ
ノウイルスパッケージングドメイン;(d)トランスジーンの発現を導く調節配
列の制御下の選ばれたトランスジーン、および(e)3’逆方向末端反復を提供
する。適当には、第2のパッケージングドメインは、本来のE1領域および選ば
れたトランスジーンに対して5’に位置する。
【0009】 その他の態様では、本発明は、本発明の組み換えアデノウイルスおよび生理的
に適合しうるキャリヤーを含んでなる製薬組成物を提供する。
【0010】 なおその他の態様では、本発明は、本発明の組み換えアデノウイルスを選ばれ
た宿主細胞に感染させることによって該細胞にトランスジーンを送達する方法を
提供する。
【0011】 さらなる態様では、本発明は、選ばれた組み換えアデノウイルスのパッケージ
ングおよび収量を増加する方法を提供する。方法は、少なくとも2個のアデノウ
イルスパッケージングドメインを含有するよう選ばれた組み換えアデノウイルス
ベクターを工作することを含む。
【0012】 なおさらなる態様では、本発明は、機能性アデノウイルスの初期、中期および
後期遺伝子を欠如している組み換えアデノウイルスを作成する方法を提供する。
方法は、(a)多重のアデノウイルスパッケージングドメインおよび選ばれたト
ランスジーンを含有する組み換えアデノウイルスプラスミドであって、機能性ア
デノウイルスの初期、中期および後期遺伝子を欠如している該プラスミド;およ
び(b)ヘルパーウイルスを、宿主細胞において同時培養することを含む。宿主
細胞とももにrAdプラスミドおよびヘルパーウイルスは、アデノウイルスキャ
プシド中への組み換えアデノウイルスプラスミドのパッケージングを可能にする
のに十分なアデノウイルス遺伝子機能を提供する。
【0013】 本発明の他の態様および利点は、次の本発明の詳細な記述を考慮して容易に明
らかになるであろう。
【0014】 発明の詳細な記述 本発明は、本明細書で定義されるように、少なくとも2個のアデノウイルスパ
ッケージングドメインを含有するアデノウイルスベクターを提供する。これらの
ベクターは、本来のパッケージングシグナルを含有するウイルスベクターに比較
して、増強したパッケージング能および収量を特徴とする。かくして、本発明は
、組み換えアデノウイルスベクターの作成において有意な利点を有する組成物お
よび方法を提供する。
【0015】 I. 組み換えアデノウイルスベクター 本発明の組み換えアデノウイルスベクターは、最少でも、アデノウイルス5’
逆方向末端反復配列(ITR)、第1のアデノウイルスパッケージングドメイン
、第2のアデノウイルスパッケージングドメイン、選ばれたトランスジーン、お
よびアデノウイルス3’ITRからなる。本明細書で使用されるように、用語ベ
クターは、限定されることなく、すべての遺伝要素、例えばプラスミド、ファー
ジ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ビリオンなどを含む。
【0016】 本発明において有用なアデノウイルスの要素を備え、そしてアデノウイルス遺
伝子をコードしているDNA配列は、現在同定されている41種のヒト型を含む
、いかなる既知のアデノウイルス型の中から選ばれてもよい[参照、例えば先に
引用されたHorwitz]。同様に、他の動物に感染することが知られている
アデノウイルスが遺伝子配列を供給してもよい。各アデノウイルスの要素または
遺伝子配列のためのアデノウイルス型の選択は本発明を限定しない。アデノウイ
ルス血清型5の配列を含む多くのアデノウイルス(Ad)血清型についての配列
はGenBankデータベースから利用できる[参照、例えば、GenBank
,受理番号NC−001406(ヒトAd5、完全ゲノム);NC−00146
0.1(完全ゲノムヒトAd12);NC−001405(完全ゲノムヒトAd
2);AF0865670(完全cds、ヒトAd15);AF086571.
1(完全cds、ヒトAd9);AF086570(完全cds、ヒトAd8)
;AF086569(完全cds、ヒトAd37);AF086568(完全c
ds、ヒトAd19)、その他]。様々なアデノウイルス株がアメリカン・タイ
プ・カルチャー・コレクション、マナッサス、バージニアから入手できるし、あ
るいは様々な市販および研究起源から請求によって入手できる。本発明のベクタ
ーにおいて使用されるアデノウイルス配列は、1種以上の野生型アデノウイルス
または変異アデノウイルスから得られてもよい。
【0017】 A. アデノウイルスITR 5’および3’アデノウイルス逆方向末端反復(ITR)は、それぞれアデノ
ウイルスゲノムの5’および3’最末端に位置している。5’および3’ITR
は、本発明の組み換えアデノウイルスベクターの最末端またはその近辺に同様に
位置している。これらのITRは、前記いずれのアデノウイルス血清型から得ら
れてもよいし、あるいは人工配列、例えば本来のITRと同様または等しいパッ
ケージング機能を有する合成または変異配列であってもよい。
【0018】 B. アデノウイルスパッケージングドメイン 本明細書に使用されるように、用語「アデノウイルスパッケージングドメイン
」は、キャプシドタンパク質中にアデノウイルスベクターをパッケージするため
に要求されるアデノウイルスの反復要素の核酸配列を指す。Ad5のパッケージ
ングドメインは、もっとも研究されているヒト血清型に属する[参照、先に引用
されたGrable and Hearing(1992)]が、本発明はその
ように限定されるものではない。他のアデノウイルス血清型の反復配列は、本発
明において容易に置き換えられる。さらに、当業者は1種以上のA反復配列の機
能性フラグメントを置換することができる。さらに、反復要素および/またはそ
れらの機能性フラグメントは慣用の方法を用いて合成により作成されてもよい。
【0019】 さらに、同定された特定のAリピートに加えて、さらなる配列が、本発明のベ
クターにおいて使用されるアデノウイルスパッケージングドメイン中に含まれて
もよい。便利には、A反復要素を含有することに加えて、さらにアデノウイルス
E1aエンハンサー配列を含有する、元のままか、または一部本来のアデノウイ
ルスパッケージングドメインを利用することができる。かくして、パッケージン
グドメインのアデノウイルス配列は、機能性反復要素を越えて3’および/また
は5’に広がってもよい。例えば、1つの適当なアデノウイルスパッケージング
ドメインは、リピートI−Vを包含するAd5のnt218−354を含有して
もよい。その他の例では、適当なアデノウイルスパッケージングドメインは、リ
ピートI−VIを包含し、そして部分的なリピートVIIを含有するnt186
−371を含有してもよい。あるいはまた、アデノウイルスパッケージングドメ
インは、アデノウイルスパッケージングドメインのリピートから個々の反復要素
および/またはの5’ITRを分離するのに役立ち、そして/または多重のアデ
ノウイルスパッケージングドメインを分離するのに役立つ他の配列をさらに含有
してもよい。例えば、個々の反復要素を分離するために使用される場合は、その
ような配列は、長さ5bp〜200bp、10bp〜100bp、20bp〜6
0bp、または30bp〜50bpであってもよい。しかしながら、これらの配
列の長さは、便宜上必要に応じて容易に調節できる。これらの配列は、自然にお
けるウイルス性でもよいし、または他の組み換えもしくは合成手段より得られて
もよく、そしてアデノウイルスパッケージングドメインのパッケージング機能を
有意には損なわない。
【0020】 本発明のアデノウイルスベクターは、多重のパッケージングドメインを含有す
る(すなわち、少なくとも2個のパッケージングドメイン、および場合によって
は3、4、5、6もしくはそれ以上)。適当には、アデノウイルスベクターは、
A反復要素I〜Vを含有する第1アデノウイルスパッケージングドメインおよび
第2アデノウイルスパッケージングドメインを含有する。好ましくは、第2のア
デノウイルスパッケージングドメインは、少なくとも5個のA反復要素、そして
もっとも好ましくは、A反復要素I〜Vを含有する。しかしながら、第2パッケ
ージングドメインはそのように限定されず、そして当業者は、第2アデノウイル
スパッケージングドメインがI〜VIIから選ばれるA反復要素2、3もしくは
4個くらい少なく含有するように、アデノウイルスベクターを容易に設計できる
。1つの好適な態様では、第1アデノウイルスパッケージングドメインはA反復
要素I〜VIIを含有し、そして第2アデノウイルスパッケージングドメインは
、少なくともA反復要素I〜Vを含有する。例えば、そのようなベクターがAd
5パッケージングドメインを用いて作成される場合、ベクターは、他のベクター
要素とともにnt240−346の2個のパッケージングドメインを含有する。
あるいはまた、アデノウイルスベクターは、nt240−375(リピートI−
VII)の第1パッケージングドメインおよび他のベクター要素とともにnt2
40−346(リピートI−V)の第2のパッケージングドメインを含有する。
【0021】 本発明のアデノウイルスベクターは、互いの後に直接位置するが、1つの完全
なアデノウイルスパッケージングドメイン内に位置する、選ばれた反復要素の多
重コピーを含有してもよい。例えば、本発明のアデノウイルスベクターは、リピ
ートI−Vを包含する配列、リピートI−Vを包含する第2パッケージングドメ
イン、続いてリピートVIとVIIを包含する配列を含有してもよい。その他の
例として、本発明のアデノウイルスベクターは、リピートI−VIを包含する配
列、リピートI−VIを包含する第2パッケージングドメイン、続いてリピート
VIIを包含する配列を含有してもよい。あるいはまた、本発明のアデノウイル
スベクターは、縦に並んで位置する多重のパッケージングドメインを含有しても
よい。例えば、本発明のアデノウイルスベクターは、リピートI−VIIを包含
する配列、続いてリピートI−Vを包含する配列を含有してもよい。
【0022】 本発明によれば、両第1および第2アデノウイルスパッケージングドメインは
、アデノウイルスベクターの左端から100bp〜400bp内で、そしてE1
配列が元のまま存在する場合、E1配列に対して5’に位置している。かくして
、第1および第2アデノウイルスパッケージングドメインは、好ましくは、アデ
ノウイルスゲノムのマップ単位0−1内に位置している。さらに、第1および第
2アデノウイルスパッケージングドメインは、トランスジーン配列に対して5’
に位置している。好ましくは、少なくとも1個のアデノウイルスパッケージング
ドメインは、その本来の場所に、すなわち、アデノウイルス5’ITR配列に対
して3’で、そしてアデノウイルスベクターの左端から375bp内に位置して
いる。1つの好適な実施態様では、5’ITRおよび第1アデノウイルスパッケ
ージングドメインは、両方それらの本来の場所に存在し、そして第2アデノウイ
ルスパッケージングドメインが、第1アデノウイルスパッケージングドメインか
ら20〜200bp3’内に存在するよう工作される。場合によっては、アデノ
ウイルスパッケージングドメインは、正方向または逆方向のいずれにおいても本
発明の構築物中に存在できる。好ましくは、少なくとも2個の多重アデノウイル
スパッケージングドメインは同方向において存在する。
【0023】 本発明のアデノウイルスベクターおよびウイルスは、両治療およびワクチン用
途を含む種々の目的で宿主細胞に遺伝子を送達するために有用である。アデノウ
イルスパッケージングドメインは、比較的小さく(すなわち、約100−190
bpの範囲)、そして組み換えアデノウイルスのキャプシドは、本来のアデノウ
イルスゲノムの大きさの105%までのベクター(〜36kb)をパッケージで
きるので、第2のアデノウイルスパッケージングドメインを適応させるいかなる
アデノウイルスの遺伝子も欠失する必要はない。その結果、第2アデノウイルス
パッケージングドメインは、E1遺伝子がベクター中に存在する場合でさえ、E
1領域に対して5’に工作されてもよい。
【0024】 C. 任意のアデノウイルスの要素 本発明は、ベクター中に存在するアデノウイルス遺伝子によって制約されず、
そして最小の欠失(例えば、宿主細胞において発現される生産物をコードしてい
る配列の挿入に必要であるそれらのアデノウイルス配列が不在である場合)を含
有してもよく、あるいは1個または全アデノウイルス遺伝子の機能的欠失を含有
してもよい。かくして、当業者は、多重のアデノウイルスパッケージングドメイ
ン、および必要または所望される他の適当なアデノウイルス要素を含有する本発
明の組み換えアデノウイルスベクターを作成することができる。
【0025】 本明細書で定義されるように、「機能性フラグメント」は、必要または所望さ
れる機能を提供するために要求されるコーディング配列または遺伝子産物の領域
である。そのような改変物は、ある方法で遺伝子産物の機能を増強するために慣
用の遺伝子技術または変異形成技術にしたがって計画的に導入されてもよい。核
酸配列(例えば遺伝子)またはその機能的な部分のいかなる天然に存在する対立
遺伝子変異体または改変体も、同様に含まれる。しかしながら、アデノウイルス
配列の機能的欠失の包含に加えて、本発明は、さらに、所望の遺伝子機能を消滅
しないアデノウイルス配列の欠失を包含する。例えば、適当な「非機能的」欠失
は、E4 ORF6遺伝子産物をコードしているそれらの配列以外の全E4配列
の欠失を包含してもよい。
【0026】 例えば、宿主細胞への遺伝子の送達で使用するために、組み換えアデノウイル
スを複製欠陥にすることがしばしば所望される。かくして、1つの適当な実施態
様では、本発明のアデノウイルスベクターは、機能性E1遺伝子の不在によって
複製欠陥にされる(そのようなウイルスは、必要なE1遺伝子産物、E1aおよ
びE1bの外部起源の不在下では複製することができない)。場合によっては、
1種以上のE1遺伝子(E1a,E1b)、E2遺伝子(E2a,E2b)、E
3,E4,中期遺伝子IX,IXa,および後期遺伝子L1−L5において機能
的欠失を含有する本発明の組み換えアデノウイルスが作成されてもよい。
【0027】 最小のアデノウイルス配列のみを含有する代表的ベクターは△Adベクターと
呼ばれる。このベクターは、E1、E2、E3,E4,中期遺伝子IX,IXa
、および後期遺伝子L1,L2,L3,L4およびL5を含む全機能性アデノウ
イルス遺伝子を欠く。しかしながら、好適な実施態様では、アデノウイルスベク
ターは、前記多重パッケージングドメインおよび最小アデノウイルス配列に加え
て、機能的なアデノウイルスE2,E4およびIX遺伝子を含有している。その
他の適当な実施態様では、アデノウイルスベクター中のアデノウイルスの配列は
、5’および3’シス要素、多重パッケージングドメイン、機能性E2およびE
4遺伝子、中期遺伝子IXおよびIXa、および後期遺伝子L1〜L5を含む。
しかしながら、アデノウイルスベクターは、必要な最小配列を考慮して、当業者
によって容易に工作でき、そしてこれらの代表的実施態様には限定されない。適
当には、アデノウイルスベクターが全アデノウイルスの機能性遺伝子を欠く場合
は、IX配列がヘルパーウイルスによってトランスで与えられる。トランスジー
ンは、トランスジーンの転写を可能にする方式でベクターの調節構成分に操作可
能に結合される。
【0028】 D. トランスジーン トランスジーン配列は、Ad配列にとって異種の核酸配列であって、関心のあ
るポリペプチドまたはタンパク質をコードしている。トランスジーン配列は、ア
デノウイルス配列にとって異種の核酸配列であって、関心のあるポリペプチド、
タンパク質または他の生産物をコードしている。トランスジーン配列の組成は、
得られる本発明のrAdの意図する用途により異なる。例えば、トランスジーン
配列の1つのタイプは、発現に応じて、検出しうるシグナルを生じるレポーター
またはマーカー配列を含有する。そのようなレポーターまたはマーカー配列は、
限定されることなく、β−ラクタマーゼ、β−ガラクトシダーゼ(LacZ)、
アルカリホスファターゼ、チミジンキナーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、
クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ
、例えばCD2,CD4,CD8を含む膜結合タンパク質、およびインフルエン
ザ血球凝集素タンパク質、ならびに他の当該技術分野において既知のものを含む
。有利には、中でも血球凝集素またはMyc由来の抗原タグドメインに適当に融
合された膜結合タンパク質を含有する融合タンパク質のように、そのようなタン
パク質に対する高い親和力の抗体が存在しているし、またはルーチンに作成する
ことができる。これらの配列は、それらの発現を導く調節要素と組み合わせた場
合、慣用の方法によって検出できるシグナルを提供する。そのような慣用の手段
は、酵素的、放射能的、比色的、蛍光的または他の分光的アッセイ、蛍光活性化
細胞ソーティングアッセイ、およびELISA、RIAおよび免疫組織化学を含
む免疫的アッセイを含む。例えば、トランスジーンがLacZ遺伝子である場合
、rAdの存在は、β−ガラクトシダーゼ活性のアッセイによって検出される。
同様に、トランスジーンがルシフェラーゼである場合、rAdは、ルミノメータ
ーにおける発光によって測定できる。
【0029】 しかしながら、望ましくは、トランスジーンは、本発明のrAdを介して細胞
または動物に送達することができる非マーカー遺伝子である。トランスジーンは
、生物学および薬学において有用な広範な遺伝子産物、例えばタンパク質、アン
チセンス核酸(例えばRNA)または触媒的RNAから選ばれてもよい。 本発明のrAdは、免疫応答を誘発する遺伝子産物の送達のため、例えばワクチ
ン用途のために有用である。適当な遺伝子産物は、ウイルス、ならびに単細胞お
よび多細胞寄生虫を含む原核および真核生物由来の免疫原性タンパク質およびポ
リペプチドの中から当業者によって容易に選ぶことができる。
【0030】 その他では、本発明のrAdは、研究のために望ましいいかなる生産物をもコ
ードしているトランスジーンの送達に有用である。トランスジーン配列の選択は
本発明の限定とはならない。トランスジーン配列の選択は、本出願の技術にした
がえば当該技術の熟達者には容易である。
【0031】 1つの特に望ましい実施態様では、本発明のrAdベクターは、正常な遺伝子
が正常なレベル未満でしか発現されない遺伝子欠失を矯正または改善するために
有用である。また、rAdベクターは、機能性遺伝子産物が発現されない遺伝子
欠陥を矯正または改善するために使用されてもよい。トランスジーン配列の好適
な種類は、宿主細胞において所望の遺伝子産物が発現される治療遺伝子である。
これらの治療核酸配列は、典型的には、発現に応じて、遺伝性または非遺伝性遺
伝子欠陥を矯正または補足するか、あるいは後成の障害または疾病を治療するこ
とができる。
【0032】 かくして、本発明は、多サブユニットタンパク質によって惹起される遺伝子欠
陥を矯正または改善するために使用できるrAdベクターの作成方法を含む。あ
る場合には、異なるトランスジーンが、タンパク質の各サブユニットをコードす
るために使用されてもよい。このことは、タンパク質サブユニットをコードして
いるDNAのサイズが大きい場合、例えば、免疫グロブリンまたは血小板由来増
殖因子レセプターには望ましい。細胞が多サブユニットタンパク質を生産するた
めに、細胞は、種々のサブユニットの各々を含有するrAdにより感染される。
あるいはまた、タンパク質の種々のサブユニットが同じトランスジーンによって
コードされてもよい。この場合、単一トランスジーンは、内部リボソーム侵入部
位(internal ribosome entry site)(IRES)によって分けられる各サブユニ
ットのためのDNAとともに、サブユニットの各々をコードしているDNAを含
む。これは、サブユニットおよびIRESをコードしているすべてのDNAが5
キロベース未満であるような、サブユニットの各々をコードしているDNAのサ
イズが小さい場合に望ましい。
【0033】 有用な遺伝子産物は、限定されることなく、次のものを含むホルモンならびに
成長および分化因子を含む:インシュリン、グルカゴン、成長ホルモン(GH)
、副甲状腺ホルモン(PTH)、成長ホルモン放出因子(GRF)、濾胞刺激ホ
ルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、ヒトコリオゴナンドトロピン(
hCG)、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンギオポイエチン、アンギオスタ
チン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリトロポイエチン(EPO)、
結合組織増殖因子(CTGF)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、酸性
繊維芽細胞増殖因子(aFGF)、表皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミ
ング増殖因子α(TGFα)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インシュリン
様成長因子IおよびII(IGF−IおよびIGF−II)、TGFβ、アクチ
ビン、インヒビンを含むトランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)サブファ
ミリーのいずれか1つ、または骨形態形成タンパク質(BMP)BMP1−15
のいずれか、成長因子のヘレグリン/ノイレグリン/ARIA/neu分化因子
(NDF)ファミリーのいずれか1つ、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄
養因子(BDNF)、ニューロトロフィンNT−3およびNT−4/5、繊毛神
経栄養因子(CNTF)、グリア細胞系由来神経栄養因子(GDNF)、ニュー
ルツリン、アグリン、セマホリン/コラプシン、ネトリン−1およびネトリン−
2のファミリーのいずれか1つ、肝細胞増殖因子(HGF)、エフリン、ノギン
、ソニックヘッジホグ(sonic hedghog)およびチロシンヒドロキ
シラーゼ。
【0034】 他の有用な遺伝子産物は、限定されることなく、次のものを含む免疫系を調節
するタンパク質を含む:サイトカインおよびリンホカイン、例えばトロンボポイ
エチン(TPO)、インターロイキン(IL)IL−1α、IL−1β、IL−
2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9
、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15
、IL−16およびIL−17、単球化学誘引(chemoattractan
t)タンパク質(MCP−1)、白血病抑制因子(LIF)、顆粒球−マクロフ
ァージコロニー刺激因子(GM−CSF)、Fasリガンド、腫瘍壊死因子αお
よびβ(TNFαおよびTNFβ)、インターフェロン(IFN)IFN−α、
IFN−βおよびIFN−γ、幹細胞因子、flk−2/flt3リガンド。ま
た、免疫系によって産生される遺伝子産物も本発明によって包含される。これら
は、限定されることなく、次のものを含む:免疫グロブリンIgG,IgM,I
gA,IgDおよびIgE、キメラ免疫グロブリン、ヒト化抗体、一本鎖抗体、
T細胞受容体、キメラT細胞受容体、一本鎖T細胞受容体、クラスIおよびクラ
スII MHC分子、ならびに一本鎖MHC分子を含む工作されたMHC分子。
また、有用な遺伝子産物は、補体調節タンパク質、例えばメンブランコファクタ
ータンパク質(MCP)、崩壊促進因子(DAF)、CR1,CR2およびCD
59。
【0035】 なおその他の有用な遺伝子産物は、ホルモン、成長因子、サイトカイン、リン
ホカイン、調節タンパク質および免疫系タンパク質のための受容体のいずれか1
つを含む。本発明は、LDL受容体、HDL受容体、VLDL受容体およびスカ
ベンジャー受容体を含むコレステロール調節のための受容体を包含する。また、
本発明は、グルココルチコイド受容体およびエストロゲン受容体を含むステロイ
ドホルモン受容体スーパーファミリー、ビタミンD受容体および他の核受容体の
ような遺伝子産物も包含する。さらに、有用な遺伝子産物は、転写因子、例えば
jun,fos,max,mad、血清応答因子(SRF)、AP−1,AP−
2,myb,MRG1,CREM,Alx4,FREAC1,NF−κB、ロイ
シンジッパーファミリーのメンバー、Zif268,EGR1,EGR2を含む
C2H4ジンクフィンガータンパク質、グルココルチコイドおよびエストロゲン
受容体を含むC6ジンクフィンガータンパク質、Pit1に代表されるPOUド
メインタンパク質、HOX−1を含むホメオドメインタンパク質、myc,My
oDおよびミオゲニンを含む塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックスタンパク質
、ETS−ボックス含有タンパク質、TFE3,E2F,ATF1,ATF2,
ATF3,ATF4,ZF5,NFAT,CREB,HNF−4,C/EBP,
SP1、CCAAT−ボックス結合タンパク質、インターフェロン調節因子(I
RF−1)、Wilms腫瘍タンパク質、ETS結合タンパク質、STAT,G
ATA−ボックス結合タンパク質、例えばGATA−3、およびウイングヘリッ
クスタンパク質のフォークヘッドファミリーを含む。
【0036】 他の有用な遺伝子産物は、カルバモイルシンテターゼI、オルニチントランス
カルバミラーゼ、アルギノコハク酸シンテターゼ、アルギノコハク酸リアーゼ、
アルギナーゼ、フマリルアセト酢酸ヒドロラーゼ、フェニルアラニンヒドロキシ
ラーゼ、α−1抗トリプシン、グルコース−6−ホスファターゼ、低密度リポタ
ンパク質受容体、ポルホビリノーゲンデアミナーゼ、VIII因子、IX因子、
シスタチオンβ−シンターゼ、分枝鎖ケト酸デカルボキシラーゼ、アルブミン、
イソバレリル−CoAデヒドロゲナーゼ、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ
、メチルマロニルCoAムターゼ、グルタリルCoAデヒドロゲナーゼ、インシ
ュリン、β−グルコシダーゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、肝ホスホリラーゼ
、ホスホリラーゼキナーゼ、グリシンデカルボキシラーゼ(またP−タンパク質
と呼ばれる)、H−タンパク質、T−タンパク質、Menkes病タンパク質、
腫瘍サプレッサー(例えば、p53)、嚢胞性繊維症トランスメンブランレギュ
レーター(CFTR)およびWilson病遺伝子PWDを含む。
【0037】 他の有用なトランスジーンは、天然に存在しないポリペプチド、例えばキメラ
またはハイブリッドポリペプチド、または挿入、欠失もしくはアミノ酸置換を含
有する天然に存在しないアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。例えば、一
本鎖に工作された免疫グロブリンは、ある種の免疫妥協(immunocomp
romised)患者において有用である。他の種類の天然に存在しない遺伝子
配列は、アンチセンス分子および触媒核酸、例えばリボザイムを含み、これらは
遺伝子の過剰発現を低下させるために使用できる。
【0038】 E. 他のベクター要素 哺乳動物細胞および宿主における発現のためのトランスジーンの設計は、その
発現を促進するために関心のある遺伝子に操作可能に結合される適当な配列を含
むべきである。「操作可能に結合される」配列は、関心のある遺伝子に接してい
る発現調節配列ならびに関心のある遺伝子を制御するためにイン・トランスか、
一定距離において作用する発現調節配列の両方を含む。そのような発現調節配列
が、トランスジーンと併せてより詳細に議論される。
【0039】 発現調節配列は、適当な転写開始、終止、プロモーターおよびエンハンサー配
列;細胞質mRNAを安定化する配列;翻訳効率を増進する配列(すなわち、K
ozak共通配列);タンパク質安定性を増強する配列;および所望されれば、
タンパク質分泌を増進する配列を含む。大多数の発現調節配列−−本来の、構成
的、誘導的および/または組織特異的−−は、当該技術分野において既知であり
、そして所望される発現形式に応じて、トランスジーンの発現を導くために利用
されてもよい。真核細胞では、発現調節配列は、典型的には、プロモーター、エ
ンハンサー、例えば免疫グロブリン遺伝子由来のもの、SV40、サイトメガロ
ウイルスなど、ならびにスプライスドナーおよびアクセプター部位を含んでもよ
いポリアデニル化配列を含む。ポリアデニル化配列は、一般に、トランスジーン
配列に続いて、そして3’Ad ITR配列の前に挿入される。また、本発明の
rAdベクターは、望ましくは、プロモーター/エンハンサー配列とトランスジ
ーン間に位置するイントロンを含有してもよい。また、1つの可能なイントロン
配列は、SV−40から得られ、そしてSV−40 Tイントロン配列と呼ばれ
る。使用できるその他のベクター要素は、内部リボソーム侵入部位(IRES)
である。IRES配列は、単一遺伝子転写物からポリペプチドを1個以上生産す
るために使用される。IRES配列は、ポリペプチド鎖1個以上を含有するタン
パク質を生産するために使用できる。これらおよび他の共通のベクター要素の選
択は慣例的であり、そして多くのそのような配列が利用できる[例えば、Sam
brook et al,および本明細書に引用される文献、例えば3.18−
3.26および16.17−16.27ページ、ならびにAusubel et
al.,Current Protocols in Molecular Biology ,John Wiley & Sons,New Yoak,1
989、参照]。
【0040】 1つの実施態様では、高レベルの構成的発現が望まれるであろう。そのような
プロモーターの例は、限定されることなく、レトロウイルス・ラウス肉腫ウイル
ス(RSV)LTRプロモーター(場合によってはRSVエンハンサーとともに
)、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(場合によってはCMVエン
ハンサーとともに)[参照、例えば、Borshart et al.,Cel l,41 :521−530(1985)]、SV−40プロモーター、ジヒドロ
葉酸レダクターゼプロモーター、β−アクチンプロモーター、ホスホグリセロー
ルキナーゼ(PGK)プロモーター、およびEF1αプロモーター[Invit
rogen]を含む。誘導プロモーターは、亜鉛誘導ヒツジメタロチオニン(M
T)、デキサメタソン(Dex)誘導マウス乳腫瘍ウイルス(MMTV)プロモ
ーター、T7ポリメラーゼプロモーター系[WO 98/10088];エクジ
ソン昆虫プロモーター[No et al,Proc.Natl.Acad.S ci.USA,93 :3346−3351(1996)]、テトラサイクリン抑
制系[Gossen et al,Proc.Natl.Acad.Sci.U SA89:5547−5551(1992)]、テトラサイクリン−誘導系[
Gossen et al,Science,268:1766−1769(1
995)、また参照、Harvey et al,Curr.Opin.Che m.Biol.,2 :512−518(1998)]、RU486−誘導系[W
ang et al,Nat.Biotech.,15:239−243(19
97)およびWang et al,Gene Ther.,4:432−44
1(1997)]およびラパマイシン−誘導系[Magari et al, .Clin.Invest.,100 :2865−2872(1997)]を含
む外因的に供給される化合物によって調節される。本文脈上有用である他のタイ
プの誘導プロモーターは、特定の生理的状態、例えば、温度、急性期、細胞の特
定の分化状態によって、または複製細胞のみにおいて調節されるプロモーターで
ある。
【0041】 その他の実施態様では、トランスジーンの本来のプロモーターが使用できる。
本来のプロモーターは、トランスジーンの発現が本来の発現を模倣することが望
まれる場合に好適であろう。本来のトランスジーンは、トランスジーンの発現が
、一過性または発生的に、または組織特異的方式で、または特異的転写刺激への
応答において調節されねばならない場合に使用されてもよい。さらなる実施態様
では、他の本来の発現調節要素、例えばエンハンサー要素、ポリアデニル化部位
またはKozak共通配列が、また、本来の発現を模倣するために使用されても
よい。
【0042】 トランスジーンのその他の実施態様は、組織特異的プロモーターに操作可能に
結合されたトランスジーンを含む。例えば、骨格筋における発現が望まれる場合
には、筋肉において活性のあるプロモーターが使用されるべきである。これらは
、骨格のα−アクチン、ミオシン軽鎖2A、ジストロフィン、筋肉クレアチンキ
ナーゼをコードしている遺伝子からのプロモーター、ならびに天然に存在するプ
ロモーター以上の活性をもつ合成筋肉プロモーター[参照、Li et al.
Nat.Biotech.,17:241−245(1999)]を含む。組
織特異的であるプロモーターの例は、肝臓[アルブミン、Miyatake e
t al,J.Virol.,71:5124−32(1997);B型肝炎ウ
イルス・コアプロモーター、Sandig et al,Gene Ther. ,3 :1002−9(1996);α−フェトプロテイン(AFP)、Arbu
thnot et al.,Hum.Gene Ther.,7:1503−1
4(1996)]、骨[オステオカルシン、Stein et al.,Mol .Biol.Rep.,24 :185−96(1997);骨シアロプロテイン
、Chen et al.,J.Bone Miner.Res.,11:65
4−64(1996)]、リンパ球[CD2、Hansal et al., .Immunol.,161 :1063−8(1998);免疫グロブリン重鎖
;T細胞受容体α鎖]、ニューロン[ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)プ
ロモーター、Andersen et al.,Cell.Mol.Neuro biol.,13 :503−15(1993);神経フィラメント軽鎖遺伝子、
Piccioli et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U SA,88 :5611−5(1991);ニューロン特異的vgf遺伝子、Pi
ccioli et al.,Neuron,15:373−84(1995)
];その他について知られている。
【0043】 もちろん、すべてのベクターおよび発現調節配列が、本発明のトランスジーン
のすべてを発現するのに等しく良好に機能できるわけではない。しかしながら、
当業者は、本発明の範囲から逸脱することなくこれらの発現調節配列の中から選
択をすることができる。適当なプロモーター/エンハンサー配列は、本出願によ
って提供されるガイダンスを用いて当業者によって選択されるであろう。そのよ
うな選択は日常的方法であり、そして分子または構築物の制約にはならない。例
えば、1種以上の発現調節配列を選択し、配列を関心のあるトランスジーンに操
作可能に結合させ、そして発現調節配列およびトランスジーンを含有する「ミニ
ジーン」をAdベクター中に挿入することができる。本明細書において教示され
るかまたは当該技術分野において教示されるように、rAdをパッケージする方
法の1つにしたがった後、適当な細胞をイン・ビトロまたはイン・ビボで感染す
ることができる。細胞におけるトランスジーンの多数のコピーは、サザンブロッ
ティングまたは定量的PCRによってモニターされてもよい。RNA発現のレベ
ルは、ノザンブロッティングまたは定量的RT−PCRによってモニターされて
もよい。タンパク質の発現レベルは、ウエスタンブロッティング、免疫組織化学
、ELISA、RIA、またはトランスジーンの遺伝子産物の生物活性の試験に
よってモニターされてもよい。かくして、容易に、特定の発現調節配列が特定の
トランスジーンに適当であるか否かをアッセイし、そして所望のトランスジーン
の発現についてもっとも適当である発現調節配列を選択することができる。
【0044】 II. 組み換えアデノウイルスベクターの作成 慣用の技術が、本発明のアデノウイルスベクターおよび他の核酸分子の構築の
ために利用できる。参照、一般に、Sambrook et al,Molec
ular Cloning:A Laboratory Manual,Col
d Spring Harbor Laboratories,Cold Sp
ring Harbor,New York。所望のアデノウイルスベクター(
例えばプラスミド)が構築されると、それは、いずれか適当な方法によってウイ
ルスキャプシド中へのパッキングのために宿主細胞に導入できる。そのような方
法は、例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、リポソーム送
達、膜融合技術、高速DNA被覆ペレット、ウイルス感染およびプロトプラスト
融合を含む。その後、細胞が標準方法にしたがって培養される。
【0045】 哺乳動物宿主細胞自体は、例えば限定されることなく、CHO,BKH,MD
CKのような細胞、ならびにマウス細胞、例えば10T1/2およびWEHI細
胞、アフリカミドリサル細胞、例えば種々のVERO,COS1,COS7,B
SC1,BSC40およびBMT10、およびヒト細胞、例えばW138,MR
C5,A549,ヒト胎児性網膜芽細胞(HER)、ヒト胎児性腎(HEK)、
ヒト胎児性肺(HEL)およびTH1080細胞を含む、いずれかの哺乳動物種
、例えばヒト細胞タイプから選ばれてもよい。好適な実施態様では、適当な細胞
は、293細胞(アデノウイルスE1aおよびE1bタンパク質を発現するヒト
胎児性腎細胞)、911、PER.C6細胞(アデノウイルスE1を発現するヒ
ト胎児性網膜芽細胞;参照WO 97/19463)、GH329細胞(アデノ
ウイルスE1を発現する細胞系);27−18細胞、84−31細胞(アデノウ
イルスE1a、E1bおよびE4を発現する293に基づく細胞[G,Gao, J.Virol .,70(12):8934−8943(1996)])、10
−3細胞(アデノウイルスE1a、E1bおよびE4ORF6を発現する293
に基づく細胞[G,Gao,J.Virol.(1996)])、3T3細胞(
マウス胎児性繊維芽細胞系)、NIH3T3細胞(3T3細胞のサブライン)、
HepG2細胞(ヒト肝がん細胞系)、Saos−2細胞(ヒト骨原発性がん腫
細胞系)、HuH7細胞またはHeLa細胞(ヒトがん腫細胞系)を含む。細胞
を提供する哺乳動物種の選択または哺乳動物細胞のタイプは、いずれも本発明の
限定とはならない。
【0046】 適当には、選ばれた組み換えベクターが機能性E1欠失を含む場合、ベクター
は、慣用の技術、例えば当該技術分野において既知のトランスフェクション技術
を用いてE1補足細胞に導入され、そして培養される[参照、K.Kozars
ky et al,Som.Cell and Molec.Genet.,1 (5):449−458(1993)]。その後、トランスフェクション後に
、組み換えアデノウイルスが単離され、そして精製される。選ばれた組み換えベ
クターが、アデノウイルス遺伝子における機能的欠失を含有する場合、これらの
アデノウイルス遺伝子(またはその機能性フラグメント)は、ヘルパーウイルス
、パッケージング細胞またはそれらの組み合わせ物によって補足される。例えば
、本発明の組み換えベクター構築物がE1およびE4遺伝子における機能的欠失
を含む場合、ベクターは、E1/E4補足細胞系(例えば84−31、27−1
8または10−3細胞)における細胞を培養することによってウイルスキャプシ
ド中にパッケージされてもよい。あるいはまた、ベクターは、E4機能を供給す
るヘルパーウイルスの存在下でE1補足細胞系における細胞を培養することによ
ってパッケージされてもよい。同様に、アデノウイルス遺伝子において機能的欠
失を含有している本発明の他の組み換えベクターは、宿主細胞がすべての必要な
アデノウイルス遺伝子機能を供給しない場合、場合によってはヘルパーウイルス
の存在下で、選ばれた宿主細胞においてパッケージできる。宿主細胞およびいず
れかのヘルパーウイルスの選択は、当業者の能力で十分可能である。
【0047】 これらの宿主細胞およびヘルパーウイルスは当該技術分野において既知である
が、本発明の構築物は、そのような系において有意な利点を提供する。そのよう
な利点は、ヘルパーウイルスが生産のために要求される場合に多分もっとも容易
に認識される。また、ヘルパーウイルスを含有している培養物から所望のパッケ
ージされた組み換えアデノウイルスを分離することは、長い間、当該技術分野に
おいて示された問題であった。例えば、本発明の組み換えベクターが、すべてア
デノウイルス遺伝子の機能的欠失を含む場合、ヘルパーウイルスは、アデノウイ
ルス遺伝子IX機能を補足するために必要であり、そしていかなるアデノウイル
ス遺伝子の機能も宿主細胞によっては提供されない。1つの実施態様では、宿主
細胞系はE1補足細胞系(例えば293細胞)であり、そしてヘルパーウイルス
は、E2,E3,E4、中期遺伝子IXaおよび後期遺伝子L1−L5を提供す
る。本発明の組成物は、そのような欠陥アデノウイルスの生産において先行技術
の方法以上の有意な利点を提供する。特に、本発明の組み換えアデノウイルスは
、他の組み換えアデノウイルス以上にパッケージングおよび増殖における利点を
有する。かくして、本発明の組み換えアデノウイルスは、この生産方法において
使用されるヘルパーウイルスを有意に凌ぐ(outgrow)。
【0048】 本発明の組み換えアデノウイルスベクターは、当業者には周知の方法を用いて
培養物から容易に精製することができる。ヘルパーウイルスは、Cre−Lox
系[参照、WO 98/10086]、制限酵素系[”Composition
s and Methods Useful for Production
of Recombinant Viruses Which Require
Helper Viruses”について、2000年1月7日出願の国際特
許出願PCT/US00/00415]を含む種々の既知の系のいずれかを用い
て培養物から除去されてもよい。ウイルスは、プラーク精製にかけられ、そして
溶解物が塩化セシウム遠心分離にかけられて精製ウイルスを得てもよい。細胞は
2〜3回凍結−融解にかけられる。得られる溶解物が回収のために遠心分離にか
けられ、そして上澄液が回収される。慣用の精製技術、例えば塩化物濃度勾配遠
心またはカラムクロマトグラフィーが、溶解物中の細胞タンパク質からrAdを
濃縮するために使用される。
【0049】 III. トランスジーンを宿主細胞に送達する方法 本発明によるアデノウイルスは、イン・ビトロ、エクス・ビボおよびイン・ビ
ボの種々の使用に適している。
【0050】 本発明の組み換えアデノウイルスベクターは、いずれか適当な手段によって宿
主細胞に、選ばれたトランスジーンを送達するために使用されてもよい。1つの
実施態様では、ベクターおよび細胞がイン・ビトロで混合され、そして感染され
た細胞が慣用の方法を用いて培養される。
【0051】 あるいはまた、組み換えアデノウイルスベクターは、好ましくは生理学的に適
合しうるキャリヤー中に懸濁されて、ヒトまたは非ヒト哺乳動物患者に投与され
る。適当なキャリヤーは、例えば治療的かまたは予防接種かいずれか、ベクター
が向けられる徴候に鑑みて当業者によって容易に選択することができる。例えば
、1つの適当なキャリヤーは食塩水を含み、これは種々のバッファー溶液ととも
に製剤化されてもよい(例えば、リン酸バッファー食塩水)。他の代表的キャリ
ヤーは、無菌食塩水、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、ゼラチン、
デキストラン、寒天、ペクチン、ピーナツ油、ゴマ油および水を含む。キャリヤ
ーの選択は、本発明の制約にはならない。
【0052】 場合によっては、本発明の組成物は、組み換えアデノウイルスベクターおよび
キャリヤーに加えて、他の慣用の製薬成分、例えば保存剤、化学安定剤、または
ワクチン用途ではアジュバントを含有してもよい。適当な代表的保存剤は、クロ
ロブタノール、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、二酸化硫黄、没食子酸プロピ
ル、パラベン、エチルバニリン、グリセリン、フェノールおよびパラクロロフェ
ノールを含む。適当な化学安定剤は、ゼラチンおよびアルブミンを含む。適当な
代表的アジュバントは、中でも、免疫刺激複合体(ISCOMS)、3−O−デ
アシル化モノホスホリルリピドA(Ribi Immunochem Rese
arch,Inc.;Hamilton,MT)を含むLPS類似体、鉱油およ
び水、水酸化アルミニウム、Amphigen,Avirdine,L121/
スクアレン、ムラミルペプチド、およびサポニン、例えばQuilAを含む。
標的器官、組織または部位への直接送達、経鼻、静脈内、筋肉内、皮下、皮内お
よび経口投与を含む、いかなる適当な投与経路が使用されてもよい。投与経路は
、反復治療または免疫化の経過内で組み合わされてもよい。
【0053】 1つの実施態様では、アデノウイルスは、一過性トランスジーン発現が治療的
である適用(例えば、がんにおけるp53遺伝子移入および心疾患におけるVE
GF遺伝子移入)のために適するとみなされてきた。しかしながら、アデノウイ
ルスは、一過性トランスジーン発現が望まれる場合の使用に限定されるものでは
ない。アデノウイルスは、選ばれたトランスジーンの送達および発現が望まれる
種々の状況のために有用である。
【0054】 E1欠失アデノウイルスの適当な用量は、治療されている症状、家畜およびヒ
ト患者の健康、年令および体重、および他の関連するファクターに依存して、当
業者によって容易に決定することができる。しかしながら、一般に、適当な用量
は、体重約80kgを有する成人では、1用量当たり1010〜1018、好ましく
は約1013〜1016ウイルス粒子の範囲内であってもよい。この用量は、生理的
に適合しうるキャリヤー約0.01ml〜約1mlに懸濁され、そしていずれか
適当な手段によって送達される。用量は、必要または所望により、毎日、毎週、
毎月、または他の選ばれた間隔で繰り返されてもよい。
【0055】 かくして、多重アデノウイルスパッケージングドメインを含有する本発明の組
み換えアデノウイルスベクターは、慣用のアデノウイルスベクターについて当該
技術分野において既知であるいずれの種々の遺伝子送達適用にも有用である。し
かしながら、これらの本発明の組み換えアデノウイルスは、本発明の構築物が、
慣用のアデノウイルスベクターに較べて、パッケージングを改善し、そしてより
高い収量の組み換えアデノウイルスを生成する点で有意な利点を提供する。
【0056】 次の実施例は、本発明の組み換えアデノウイルスベクターの作成およびその使
用を具体的に説明するために提供される。これらの実施例は本発明の範囲を限定
するものではない。当業者は、特定の構築物、試薬および条件が、次の実施例に
おいて略記されるが、本発明の精神および範囲によって包含されると考えられる
改変物が作成されることを理解できる。
【0057】 実施例1− 多重パッケージング部位を含む組み換えE1欠失アデノウイルス のためのクローニングベクターの作成 組み換えアデノウイルスは、プラスミドシャトルベクターおよびE1領域に欠
失をもつAd5ウイルス骨格間の相同組み換えをとおしてE1補足細胞において
生成される。
【0058】 重複のアデノウイルスパッケージングドメインを生成するために、慣用のポリ
メラーゼ連鎖反応技術が使用され、続いて挿入が正しいことを配列決定によって
確認できる。あるいはまた、重複アデノウイルスパッケージングドメインは、分
子クローニング技術を用いる生成されてもよい。
【0059】 次の実施例は、いずれか(a)Ad5’ITR、反復要素I−Vを含む本来の
Adパッケージング/エンハンサー配列(nt218−354)、Ad5配列2
18−354のリピート、および元のままの反復要素VIとVIIを含む残りの
本来のAdパッケージング/エンハンサー配列を有するか、あるいは(b)Ad
5’ITR、反復要素I−VI+を含む本来のAd5パッケージング/エンハン
サー配列(nt186−371)、Ad5配列186−371のリピート、およ
び元のままの反復要素VIIを含む残りの本来のAdパッケージング/エンハン
サー配列を有する、ウイルス分離株H5.001CBhOTCからクローニング
ベクターを生成する。
【0060】 A. 第2パッケージングドメインとして反復要素I−Vを含む組み換えAd クローニングベクター 前記のように5’ITRおよび重複する本来のAd5パッケージングドメイン
要素I−Vを含有するアデノウイルス分離株が得られた。ITRおよび重複パッ
ケージングドメインを含有するフラグメントは、アデノウイルス分離株からBa
mHI消化後の約1kbフラグメントとして得られ、そしてフラグメントがEc
oRI−BamHI部位においてpBluescript中にクローン化された
。続いて、Ad5マップ単位(m.u.)0−1に対応する領域(重複Adパッ
ケージングドメインを含む)が、PstI−HincII消化においてこの新ク
ローンから除去され、そしてクローンがポリメラーゼで埋められた。多重パッケ
ージングドメインを含むクローニングAdベクターのための改変pAdLink
[Gil Hong Parl et al,Korean J.Bioche m.,27 :91−97(1995)]を生成するために、pAdLink(本
来のAd5mu0−1、ポリクローニング部位およびAd5m.u.9−16を
含有する)が、NheIおよびEcoRVにより消化されて本来のAd5m.u
.0−1が除去され、そしてポリメラーゼで埋められた。続いて、重複パッケー
ジングドメインを含むAd5m.u.0−1を含有するクローンが、NheIお
よびEcoRV部位中に挿入されて改変pAdLinkが生成された。この改変
pAdLink(I−V)は、ここに、 (a)Ad5’ITR、反復要素I−Vを含む本来のAdパッケージング/エン
ハンサー配列(nt218−354)、Ad5配列(nt218−354)のリ
ピート、および元のままの反復要素VIとVIIを含む残りの本来のAdパッケ
ージング/エンハンサー配列を含む、Ad5m.u.0−1; (b)ポリクローニング部位;および (c)Ad5m.u.9−16:を含有する。1〜9間のAd5m.u.の欠失
はE1領域における欠失に対応する。
【0061】 組み換えAdベクターを作成するためには、所望のプロモーターを含有するミ
ニカセット、トランスジーン配列およびポリA部位が、改変pAdLink(I
−V)ベクターのポリクローニング部位中にサブクローン化された。
【0062】 B. 第2パッケージングドメインとして反復要素I−VIIを含む組み換え Adクローニングベクター 改変pAdLinkは、ウイルス分離株H5.001CBhOTCから得られ
たAd5マップ単位0−1が、前記のように重複する本来のAd5パッケージン
グドメイン要素I−VI+を含有する以外は、本質的には上記パートAに記述さ
れるように構築された。改変pAdLink(I−VI+)は、ここに、 (a)Ad5’ITR、反復要素I−VI+を含む本来のAdパッケージング/
エンハンサー配列(nt186−371)、Ad5配列(nt186−371)
のリピート、および元のままの反復要素VIIを含む残りの本来のAdパッケー
ジング/エンハンサー配列を含む、Ad5m.u.0−1; (b)ポリクローニング部位;および (c)Ad5m.u.9−16:を含有する。1〜9間のAd5m.u.の欠失
はE1領域における欠失に対応する。
【0063】 組み換えAdベクターを作成するためには、所望のプロモーターを含有するミ
ニカセット、トランスジーン配列およびポリA部位が、改変pAdLink(I
−VI)ベクターのポリクローニング部位中にサブクローン化された。
【0064】 実施例2− 多重パッケージングドメインを含む組み換えE1欠失アデノウイ ルスの生産 A. 重複アデノウイルスパッケージングドメイン要素I−Vを含む組み換え Ad プラスミドシャトルベクターが、前記改変pAdLink(I−V)から得ら
れる。SalI部位は、プラスミド、pCMVβ[Clontech,Palo
Alto,CA]中にこのプラスミドのフラグメントの単離を可能にする技術
を用いて導入されたが、このプラスミドは、CMVプロモーター/エンハンサー
、LacZ遺伝子およびポリA部位を含有するミニジーン含んでいて、ミニジー
ンは既に一端においてSalI部位と接している。その後、ミニジーンが,Sa
lI消化によって改変pCMVβプラスミドから得られ、そしてpAdLink
(I−V)中にクローン化されて、組み換えアデノウイルスの作成に有用なプラ
スミドシャトルベクターが生成された。プラスミドシャトルベクターは、5’か
ら3’まで: (a)Ad5’ITR、反復要素I−Vを含む本来のAdパッケージング/エン
ハンサー配列(nt218−354)、Ad5配列(nt218−354)のリ
ピート、および元のままの反復要素VIおよびVIIを含む残りの本来のAdパ
ッケージング/エンハンサー配列を含む、Ad5m.u.0−1; (b)LacZトランスジーンの発現を制御するCMVプロモーター/エンハン
サー、およびポリA配列を含有する、レポーターミニジーン;および (c)Ad5m.u.9−16:を含有する。1〜9間のAd5m.u.の欠失
はE1領域における欠失に対応する。
【0065】 このプラスミドシャトルベクターが、ClaI制限Ad5骨格[ATCC]と
ともに、慣用のリン酸カルシウム技術[B.Cullen,Meth.Enzy mol.,152 :684−704(1987)]を用いて293細胞(アデノ
ウイルスタンパク質E1aおよびE1bを発現する)中にトランスフェクション
される。相同組み換えをとおして、ベクターは、Ad5キャプシド中にパッケー
ジされて、E1領域に欠失を含むシャトルベクターから要素(a)〜(c)を含
有する組み換えアデノウイルスが生産される。
【0066】 組み換えE1欠失アデノウイルスは、慣用の技術、例えば音波処理および凍結
融解技術を用いて細胞ペレットから得られ、場合によっては続いてセシウム−塩
化物段階勾配によって精製される。多重パッケージングドメインの存在によって
提供される利点のために、Ad5骨格を与えるウイルスに較べて、本発明の組み
換えアデノウイルスの有意に高い収量が得られる。
【0067】 B. 重複の反復要素I−VIIを含む組み換えAd その他の組み換えアデノウイルスが、pCMVLink(I−VI+)プラス
ミドが使用される以外は、類似の操作を用いて構築された。得られる組み換えア
デノウイルスは、5’から3’まで: (a)Ad5’ITR、反復要素I−VI+を含む本来のAdパッケージング/
エンハンサー配列(nt186−371)、Ad5配列(nt186−371)
のリピート、および元のままの反復要素VIIを含む残りの本来のAdパッケー
ジング/エンハンサー配列を含む、Ad5m.u.0−1; (b)LacZトランスジーンの発現を制御するCMVプロモーター/エンハン
サー、およびポリA配列を含有する、レポーターミニジーン;および (c)Ad5m.u.9−16:を含有し、これらがAd5キャプシド中にパッ
ケージされる。
【0068】 実施例3− 多重パッケージング部位を含む組み換えE1/E4欠失アデノウ イルスの生産 組み換えアデノウイルスは、プラスミドシャトルベクターと、E4領域に1.
9kbの欠失を含むClaI制限Ad5変異ウイルス骨格、dl1004[Br
idge and G.Katner,J.Virol.,63:6031−6
038(1989)]との間の相同組み換えをとおしてE1/E4補足細胞にお
いて生成される。重複反復要素I−Vを含むプラスミドシャトルベクターは、5
’から3’まで: (a)Ad5’ITR、反復要素I−Vを含む本来のAdパッケージング/エン
ハンサー配列(nt218−354)、Ad5配列(nt218−354)のリ
ピート、および元のままの反復要素VIおよびVIIを含む残りの本来のAdパ
ッケージング/エンハンサー配列を含む、Ad5m.u.0−1; (b)CMVエンハンサーおよびニワトリβ−アクチンプロモーター配列の制御
下で発現するヒト・オルニチントランスカルバミラーゼ、およびポリA配列を含
有する、レポーターミニジーン;および (c)Ad5m.u.9−16:を含有する。
【0069】 プラスミドシャトルベクターは、dl1004とともに、リン酸カルシウム技
術によって84−31細胞(E1a、E1bおよびE4タンパク質を発現する)
中に導入される。相同組み換えをとおして、プラスミドシャトルベクターは、A
d5キャプシド中にパッケージされて、E1領域(△m.u.1−9)およびE
4領域(△m.u.〜91.9−97.1)に欠失を含むシャトルベクターから
要素(a)〜(c)を含有する組み換えアデノウイルスが生産される。
【0070】 予備研究(データ未掲載)は、重複するパッケージングシグナルを有する組み
換えアデノウイルスでは、パッケージングおよび増殖の利点が存在することを示
した。この初期の研究は、ウイルスパッケージング配列の重複をとおして、E1
/E4欠失アデノウイルスベクター(重複アデノウイルスパッケージングドメイ
ンを含む)が、E1欠失ベクターのレベルに類似するレベルまで、E1/E4補
足細胞系において複製できることを示した。かくして、多重パッケージングドメ
インを含むこれらのE1/E4欠失ベクターは、先行技術の構築物を超えるベク
ター収量における2−3倍の増大を有する。類似の結果が、上記組成物により期
待される。
【0071】 実施例4− 多重パッケージング部位を含む組み換えE3欠失アデノウイルス の生産 組み換えアデノウイルスは、2種のプラスミドシャトルベクター間の相同組み
換えをとおしてE1補足細胞において生成される。
【0072】 第1のプラスミドシャトルベクターは、本来の5’ITRおよび本来のAd5
パッケージング/エンハンサードメイン、およびAdのnt240−346[反
復要素I−Vを含有する]にわたる第2のパッケージングドメインを含む、アデ
ノウイルスマップ単位0−16に対応するアデノウイルス配列を含有する。これ
らの配列は、本来のAd5反復要素I−Vの増幅から得られたPCRフラグメン
トとして元のままのE1領域を含有するプラスミド中にクローン化された。
【0073】 第2のプラスミドシャトルベクターは、機能がパッケージング細胞によって与
えられるE1領域(m.u.1−9)を除いては、パッケージングを可能にする
べく残りの必要なアデノウイルス配列を含有する。したがって、この第2のプラ
スミドシャトルベクターは、E3欠失の部位(m.u.78.3−m.u.85
.8)に挿入されたミニジーン(Adm.u.9−78.3、CMVプロモータ
ー/エンハンサー配列の制御下で発現するレポーター遺伝子、LacZ、および
ポリA配列を含む)を含有する。
【0074】 2種のプラスミドシャトルベクターが、293細胞(E1aおよびE1bを発
現する)中にトランスフェクションされ、標準条件下で培養される。相同組み換
えをとおして、重複AdパッケージングドメインおよびE3領域における欠失部
位(m.u.78.3−m.u.85.8)に位置するレポーターミニジーンを
含む、Ad5m.u.0−36を含有する組み換えアデノウイルスが得られた。
E1が元のままのアデノウイルスは、慣用の凍結融解技術を用いて培養物から得
られ、そしてセシウム−塩化物勾配による精製にかけられる。
【0075】 場合によっては、本発明の組み換えアデノウイルスは、他の2重シャトルプラ
スミドベクター系を用いて生産されてもよい。1つのそのような系では、第1の
プラスミドシャトルベクターは、5’ITR、多重パッケージングドメイン、お
よび3’ITRを除く実質的にすべてのアデノウイルス遺伝子を含有する。第2
のプラスミドシャトルベクターは、元のままの3’ITRおよび効率的な相同組
み換えを可能にするのに十分なアデノウイルス配列を備え、そして5’ITR、
パッケージング/エンハンサー領域および元のままのE1領域を欠如している。
当業者によって容易に設計できるこれと他の2種プラスミド系は、本明細書に記
述される方法、および当業者に周知の方法を用いて本発明による組み換えアデノ
ウイルスを生産するために有用である。
【0076】 本明細書に引用される全公表物は、引用によって本明細書に組み入れられてい
る。本発明は、特定の好適な実施態様に関して記述されているけれども、本発明
の精神から逸脱することなく、改変物が作成されることは理解されるであろう。
そのような改変物は付随する請求項の範囲内にはいることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ウイルソン,ジエイムズ・エム アメリカ合衆国ペンシルベニア州19035グ ラドウイン・ノースアビニヨンドライブ 1350 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 DA02 EA02 FA15 GA11 HA17 4B065 AA95X AA95Y AA99Y AB01 BA02 CA44 4C084 AA13 4C086 AA01 EA16 MA01 MA04 NA13 NA14 4C087 AA01 BC83 NA13

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重のアデノウイルスパッケージングドメインを含んでなる
    組み換えアデノウイルスベクター。
  2. 【請求項2】 該ベクターがプラスミドである、請求項1記載のアデノウイ
    ルスベクター。
  3. 【請求項3】 該ベクターがウイルスである、請求項1記載のアデノウイル
    スベクター。
  4. 【請求項4】 該ベクターが、(a)アデノウイルス5’逆方向末端反復配
    列(ITR)、(b)第1のアデノウイルスパッケージングドメイン、(c)第
    2のアデノウイルスパッケージングドメイン;(d)トランスジーンの発現を導
    く調節配列の制御下の選ばれたトランスジーン、および(e)アデノウイルス3
    ’ITRを含んでなる、請求項1記載のアデノウイルスベクター。
  5. 【請求項5】 該パッケージングドメインが、5’逆方向末端反復に対して
    3’に直接位置する、請求項4記載の組み換えアデノウイルスベクター。
  6. 【請求項6】 組み換えベクターが、アデノウイルスパッケージングドメイ
    ンのリピートI−Vにわたるアデノウイルス領域の2コピーを含有する、請求項
    4記載の組み換えアデノウイルスベクター。
  7. 【請求項7】 組み換えアデノウイルスベクターが、Ad5の塩基対218
    −354にわたるアデノウイルス領域の2コピーを含有する、請求項4記載の組
    み換えアデノウイルスベクター。
  8. 【請求項8】 組み換えアデノウイルスベクターが、Ad5の塩基対186
    −371にわたるアデノウイルス領域の2コピーを含有する、請求項4記載の組
    み換えアデノウイルスベクター。
  9. 【請求項9】 組み換えアデノウイルスベクターが、アデノウイルス初期遺
    伝子E1a,E1b、E2a,E2b、E3,E4,中期遺伝子IX,中期遺伝
    子IXa,および後期遺伝子L1,L2,L3,L4およびL5のうちの1以上
    において機能的欠失を含有する、請求項1記載の組み換えアデノウイルスベクタ
    ー。
  10. 【請求項10】 組み換えアデノウイルスベクターが、本来のアデノウイル
    スE1領域において欠失を含有する、請求項1記載の組み換えアデノウイルスベ
    クター。
  11. 【請求項11】 組み換えアデノウイルスベクターが、E4領域において機
    能的欠失をさらに含有する、請求項10記載の組み換えアデノウイルスベクター
  12. 【請求項12】 組み換えアデノウイルスベクターが、E1a,E1b、E
    2a,E2b、E3およびE4から選ばれる遺伝子において変異を含有する、請
    求項10記載の組み換えアデノウイルスベクター。
  13. 【請求項13】 組み換えアデノウイルスベクターが、 (a)本質的に、(i)アデノウイルス5’逆方向末端反復配列(ITR)、(
    ii)AリピートI−Vを含んでなる第1のアデノウイルスパッケージングドメ
    イン、(iii)AリピートI−Vを含んでなる第2のアデノウイルスパッケー
    ジングドメイン;(iv)3’アデノウイルスITR;およびアデノウイルス遺
    伝子E1、E2、E3、E4、中期遺伝子IX、中期遺伝子IXa、および後期
    遺伝子L1,L2,L3およびL5の各々における機能的欠失;からなるアデノ
    ウイルス配列、ならびに (b)トランスジーンの発現を導く調節配列の制御下の選ばれたトランスジーン
    : を含有する、請求項1記載の組み換えアデノウイルスベクター。
  14. 【請求項14】 (a)多重パッケージングドメインおよびトランスジーン
    の発現を導く調節配列の制御下の選ばれたトランスジーン;ならびに (b)生理的に適合しうるキャリヤー: を含んでなる製薬組成物。
  15. 【請求項15】 多重パッケージングドメインおよびトランスジーンの発現
    を導く調節配列の制御下の選ばれたトランスジーンを含んでなる組み換えアデノ
    ウイルスを宿主細胞に感染させる段階を含んでなる、該宿主細胞に選ばれたトラ
    ンスジーンを送達する方法。
  16. 【請求項16】 少なくとも2個のアデノウイルスパッケージングドメイン
    を含んでなる組み換えアデノウイルスベクターを宿主細胞に提供し、そしてウイ
    ルスキャプシド中への該ベクターのパッケージングを可能にする条件下で該宿主
    細胞を培養する段階を含む、選ばれた組み換えアデノウイルスのパッケージング
    および収量を増進する方法。
  17. 【請求項17】 該組み換えアデノウイルスがE1領域において欠失を含有
    する、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 (a)2個のアデノウイルスパッケージングドメインおよ
    び選ばれたトランスジーンを含有する組み換えアデノウイルスプラスミドであっ
    て、機能性アデノウイルスの初期、中期および後期遺伝子を欠如している該プラ
    スミド;および(b)宿主細胞とともに、アデノウイルスキャプシド中への該組
    み換えアデノウイルスプラスミドのパッケージングを可能にするのに十分なアデ
    ノウイルス遺伝子機能を提供するヘルパーウイルスを; 選ばれた宿主細胞において同時培養する段階を含む、機能性アデノウイルスの初
    期、中期および後期遺伝子を欠如している組み換えアデノウイルスを作成する方
    法。
  19. 【請求項19】 該2個のアデノウイルスパッケージングドメインの少なく
    とも1個が、A反復要素I−VIIからなる少なくとも1個の元のままの本来の
    アデノウイルスパッケージングドメインを含有する、請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 該2個のアデノウイルスパッケージングドメインの少なく
    とも1個が、アデノウイルス配列のA反復要素I−Vを含有する、請求項19記
    載の方法。
JP2001542523A 1999-12-03 2000-11-27 多重のパッケージングシグナルを用いる組み換えアデノウイルスのパッケージングおよび収量を増加するための組成物および方法 Withdrawn JP2003523180A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16902599P 1999-12-03 1999-12-03
US60/169,025 1999-12-03
PCT/US2000/032235 WO2001040455A2 (en) 1999-12-03 2000-11-27 Compositions and methods for increasing packaging and yields of recombinant adenoviruses using multiple packaging signals

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003523180A true JP2003523180A (ja) 2003-08-05

Family

ID=22613973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001542523A Withdrawn JP2003523180A (ja) 1999-12-03 2000-11-27 多重のパッケージングシグナルを用いる組み換えアデノウイルスのパッケージングおよび収量を増加するための組成物および方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1234048A2 (ja)
JP (1) JP2003523180A (ja)
AU (1) AU1796801A (ja)
CA (1) CA2392537A1 (ja)
WO (1) WO2001040455A2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6759237B1 (en) 1998-11-05 2004-07-06 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Adeno-associated virus serotype 1 nucleic acid sequences, vectors and host cells containing same
AU2002314820B2 (en) 2001-05-26 2008-01-24 One Cell Systems, Inc. Secretion of Molecules by Encapsulated Cells
AU2002331669A1 (en) 2001-08-23 2003-03-10 The Wistar Institute Of Anatomy And Biology An organotypic intestinal culture and methods of use thereof
EP1310571B1 (en) 2001-11-13 2006-02-15 The Trustees of The University of Pennsylvania A Method of identifying unknown adeno-associated virus (AVV) sequences and a kit for the method
JP4769417B2 (ja) 2001-12-17 2011-09-07 ザ・トラステイーズ・オブ・ザ・ユニバーシテイ・オブ・ペンシルベニア アデノ随伴ウイルス(aav)血清型9の配列、それを含むベクターおよびその使用
DK2359869T3 (en) 2001-12-17 2019-04-15 Univ Pennsylvania Sequences of adeno-associated virus (AAV) serotype 8, vectors containing these, and uses thereof
CA2939950C (en) 2014-03-09 2023-08-22 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Compositions useful in treatment of ornithine transcarbamylase (otc) deficiency

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002506355A (ja) * 1998-04-15 2002-02-26 ザ・リサーチ・ファンデーション・オブ・ステート・ユニバーシティ・オブ・ニューヨーク アデノウィルス生産の選択的制御

Also Published As

Publication number Publication date
EP1234048A2 (en) 2002-08-28
CA2392537A1 (en) 2001-06-07
AU1796801A (en) 2001-06-12
WO2001040455A2 (en) 2001-06-07
WO2001040455A3 (en) 2002-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7056502B2 (en) Recombinant aav vectors with AAV5 capsids and AAV5 vectors pseudotyped in heterologous capsids
ES2607029T3 (es) Adenovirus que comprende una proteína hexónica de la cápside del adenovirus E de simio SAdV-39 y usos de la misma
JP4769417B2 (ja) アデノ随伴ウイルス(aav)血清型9の配列、それを含むベクターおよびその使用
US7115391B1 (en) Production of recombinant AAV using adenovirus comprising AAV rep/cap genes
CN102575232B (zh) 猿腺病毒41及其应用
CN102016011B (zh) 猿猴腺病毒sadv-36、-42.1、-42.2和-44及其应用
CN102131920B (zh) 猿猴亚家族C腺病毒SAdV-40、-31和-34及其应用
US20030092161A1 (en) Compositions and methods for production of recombinant viruses, and uses therefor
JP5889514B2 (ja) 改変アデノウイルスヘキソンタンパク質およびその用途
EP1064393B1 (en) Compositions and methods for helper-free production of recombinant adeno-associated viruses
JP4754480B2 (ja) キメラアデノウイルスの作成法およびそのようなキメラアデノウイルスの使用
JP4693244B2 (ja) 組換えアデノ随伴ウイルスのヘルパー無しの生産のための組成物および方法
CN101883857B (zh) 猿猴亚家族B腺病毒SAdV-28、-27、-29、-32、-33和-35及其应用
CN105473723A (zh) 亚家族e猿腺病毒a1302、a1320、a1331和a1337及其用途
JP2003501067A (ja) ヘルパーウイルスを要求する組み換えウイルス産生のために有用な組成物及び方法
US20030013189A1 (en) Compositions and methods useful for non-invasive delivery of therapeutic molecules to the bloodstream
JP2012507296A (ja) サルアデノウイルスSAdV−43、−45、−46、−47、−48、−49および−50ならびにそれらの用途
JPH09509051A (ja) 組換えアデノ関連性ウイルス(aav)の調製方法およびそれらの使用
US6821512B1 (en) Compositions and methods for increasing packaging and yield of recombinant adenoviruses using multiple packaging signals
JP2003511037A (ja) AAVrep/cap遺伝子を含むアデノウイルスを使用する組換えAAVの産生
JP2003523180A (ja) 多重のパッケージングシグナルを用いる組み換えアデノウイルスのパッケージングおよび収量を増加するための組成物および方法
JP2003501042A (ja) 非哺乳動物ウイルス由来のキャリアベクターを使用する、組換えウイルスの産生のための組成物および方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071119

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080313

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090120