JP2003501067A - ヘルパーウイルスを要求する組み換えウイルス産生のために有用な組成物及び方法 - Google Patents

ヘルパーウイルスを要求する組み換えウイルス産生のために有用な組成物及び方法

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Abstract

(57)【要約】 パッケージングのためにヘルパーウイルスを要求する組み換えウイルスを産生する方法が提供される。当該方法は少なくとも1カ所の希有切断制限部位(例えばI−SceIに対する)、パッケージングのためのヘルパー依存性のウイルスベクター、及び希有切断制限酵素(例えば、I−SceI)を発現することができる組み換え宿主細胞、を含むようにされた、組み換えヘルパーウイルスを使用する。当該方法は宿主細胞をヘルパーウイルス及びウイルスベクターでトランスフェクション又は感染させること並びに、アデノウイルスカプシド中にウイルスベクターの包膜化を可能にする条件下で細胞をインキュベーションすることを伴う。その後に、宿主細胞により発現されたI−SceIがヘルパーウイルスを消化し、それによりパッケージされた組み換えウイルスからの、ヘルパーウイルスの消化フラグメントの容易な分離を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は概括的に、組み換えウイルスの産生に有用な組成物及び方法に関し、
そして特に、ヘルパーウイルスの使用を必要とする方法に関する。より具体的に
は、本発明は、ヘルパーウイルスが産生に使用された培養物から容易に分離され
る形態の組み換えウイルス粒子を得るのに有用な組成物及び方法を提供する。
【0002】
【発明の背景】
伝統的なアデノウイルスベクターの有用性は細胞媒介性の強力な免疫応答の誘
導のために制約されることが多い[Yang et al., Gene Ther.,3:137-144(1996)
]。E1欠失ベクターによる以前の研究により、ウイルスの遺伝子発現がこの問
題に寄与することが示された[Yang et al.,J.Virol,70:7209-7212(1996);Yang
et al, Immunity,1:433-442(1994)]。すべてのアデノウイルスのコード領域の
完全な除去により構成された、新規に開発されたヘルパー依存性のアデノウイル
スベクター[Mitani,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92:3854-3858(1995)]は、導入遺
伝子発現の伸長及び増加した性能が数々の動物実験で試験されて以来[Fisher e
t al., Virology,217:11-22(1996); Morsy et al;, Proc.Natl.Aca.Sci.USA,95:
7866-7871(1998); Schiedner et al, Nat.Genet.,18:180-183(1998); Whittle, Trends Genet .,14:136-137(1998)]、非常に有望な遺伝子治療ベクターとなった
。しかし、これらのベクターは、ヘルパーウイルス汚染がそれらの産生を困難に
させるので、製薬学的に低品質のベクターを産生する。制御されないヘルパーウ
イルスの複製はベクター複製及びパッケージングと競合し、それも収率を減少さ
せる。一般に使用されるcre−loxP系は、減少されたヘルパーウイルスを
伴うヘルパー依存性アデノウイルスベクターを産生するために入手可能な最初の
系であった[Parks et al, Proc.Natl.Acad.Sci USA,93:13565-13570(1996); Pa
rks, J.Virol.,71:3293-3298(1997)]。
【0003】 必要なものは、ヘルパーウイルスの汚染を実質的に伴わない、組み換えウイル
スを産生する方法である。
【0004】
【発明の要約】
本発明はヘルパーウイルスから精製が容易な組み換えウイルスベクターの産生
を可能にする組成物及び方法を提供する。その方法は、希有切断制限酵素のため
の部位を少なくとも1カ所の含むようにされた組み換えヘルパーウイルス、ウイ
ルスへのパッケージングに対してヘルパー依存性であるウイルスベクター、並び
に希有切断制限酵素を発現する組み換え宿主細胞、を使用する。好ましい態様に
おいては、希有切断酵素はI−SceIである。その方法は、ヘルパーウイルス
及びウイルスベクターによる宿主細胞のトランスフェクション又は感染並びにウ
イルスベクターのパッケージングを可能にする条件下での細胞のインキュベーシ
ョンを伴う。その後、宿主細胞により発現された希有切断制限酵素がヘルパーウ
イルスを消化し、パッケージングした組み換えウイルスからのヘルパーウイルス
の消化フラグメントの容易な分離を可能にする。好ましい態様においては、制限
酵素はI−SceIであり、ウイルスベクターはアデノウイルスである。
【0005】 従って、本発明は一つのアスペクトにおいては、以下の段階を伴うヘルパー依
存性ウイルスの産生法を提供する。希有切断制限酵素(例えばI−SceI)を
発現することができる宿主細胞が提供される。宿主細胞は、選択されたタンパク
質及び、前記タンパク質の発現を調節する調節配列をコードする導入遺伝子を含
有するミニジーンを含んで成る組み換えウイルスベクターでトランスフェクショ
ンされる。次いで、宿主細胞を、希有切断制限酵素、例えばI−SceIのため
の、少なくとも1カ所の、そして好ましくは多制限部位を含むように操作された
組み換えヘルパーウイルスで感染される。次いで、組み換えウイルスベクター及
びヘルパーウイルスを伴う宿主細胞を、ウイルス粒子への組み換えウイルスベク
ターのパッケージングを可能にする条件下で培養し、そこでヘルパーウイルス及
び宿主細胞がウイルスパッケージングに必要なウイルス遺伝子を、組み換えアデ
ノウイルスベクターに提供する。
【0006】 もう一つのアスペクトにおいては、本発明は、ヘルパーウイルスから実質的に
精製される、本発明の方法により産生された組み換えウイルスを提供する。
【0007】 更にもう一つのアスペクトにおいては、本発明は、希有切断制限酵素、例えば
I−SceIを発現する、安定な哺乳動物の細胞系を提供する。
【0008】 更にもう一つのアスペクトにおいては、本発明は、組み換えウイルスベクター
のヘルパー依存性産生に有用な組み換えヘルパーウイルスを提供し、そこで前記
ヘルパーウイルスがパッケージングシグナルの下流で、希有切断制限酵素のため
の部位を含むように操作される。
【0009】 更にもう一つのアスペクトにおいては、本発明は、選択されたタンパク質及び
、前記タンパク質の発現を調節する調節配列をコードする導入遺伝子を含有する
ミニジーンを含んで成る組み換えウイルスベクターで、宿主細胞をトランスフェ
クションすることを伴う、組み換えウイルスのヘルパー依存性の産生法を提供す
る。宿主細胞は更に、希有切断酵素、例えばI−SceI、のための部位を含有
するように操作された組み換えヘルパーウイルスで感染され、そして対応する制
限酵素、例えばI−SceIが宿主細胞に送達される。次いで、宿主細胞を、ウ
イルス粒子内で組み換えウイルスベクターのパッケージングを可能にする条件下
で培養する。適切には、ヘルパーウイルス及び宿主細胞は組み換えウイルスベク
ターに、ウイルスパッケージングのために必要なウイルス遺伝子を提供し、制限
酵素は、組み換えウイルスベクターの産生後に組み換えヘルパーウイルスを開裂
する。
【0010】 更なるアスペクトにおいては、本発明は、ヘルパーウイルスを実質的に含まな
い組み換えウイルスを含んで成る細胞ライゼートを提供する。
【0011】 本発明の他のアスペクト及び利点は、本発明の下記の詳細な説明から容易に明
白になるであろう。
【0012】
【発明の詳細な記述】
本発明はヘルパーウイルスから容易に分離される組み換えウイルスベクターの
産生を可能にする組成物及び方法を提供する。従って、本発明は、組み換えウイ
ルスへのパッケージング及び/又は包膜化のための、ヘルパーウイルス依存性の
ウイルスベクターの産生に特に適している。本発明は、選択された希有切断制限
酵素のための少なくとも1カ所、そして好ましくは複数部位を含むようにされた
組み換えヘルパーウイルス及び、希有切断制限酵素を発現することができる組み
換え宿主細胞、を使用する。本明細書で使用されるヘルパーウイルスは、選択さ
れた宿主細胞と一緒に、感染性組み換えウイルスへの選択されたウイルスベクタ
ーのパッケージング及び/又は包膜化を可能にするために必要なウイルス産物を
提供するあらゆるウイルスである。
【0013】 宿主細胞は希有切断制限酵素を安定に又は一過性に発現する細胞系の可能性が
ある。当該方法は制限酵素を発現する(又は酵素を発現するように修飾されてい
る)宿主細胞にヘルパーウイルス及びウイルスベクターを送達すること並びに、
ウイルスベクターの包膜化を可能にする条件下で細胞を培養することを伴う。そ
の後、宿主細胞により発現された制限酵素がヘルパーウイルスを消化し、それに
より、パッケージされた組み換えウイルスからのヘルパーウイルスの消化フラグ
メントの容易な分離を可能にする。
【0014】 本明細書に定義される希有切断制限酵素は、選択された宿主細胞及び/又は選
択されたウイルスベクターのゲノム中に天然には存在しないか、あるいは、その
部位(及び/又は酵素)が宿主細胞又はウイルスベクター内に天然には存在しそ
うもない宿主又はウイルスの種のゲノム内にかなり希有に存在する部位を認識す
る制限酵素である。好ましい態様においては、本発明における使用に適した希有
切断酵素は制限酵素I−SceIである。
【0015】 I−SceI酵素は、18bpの非回文構造のヌクレオチド配列[I−Sce
I部位:SEQ ID NO:1:5’−tagggataa/cagggta
at]に対して高い特異性をもつ、S.cerevisiaeミトコンドリアのグループIイ
ントロンによりコードされたエンドヌクレアーゼである[L.Colleaux et al, Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA ,85:6022-6026(1988)]。約3×109ヌクレオチドをもつ
ヒトゲノム中には、一般的な制限エンドヌクレアーゼは概括的に4〜8塩基対の
ヌクレオチドの短いひもを確認し、従って、1個のヒトゲノム中には約1億のこ
れらの部位が存在するであろう。それに対し、I−SceI部位は20個のヒト
ゲノム毎に1個のみがランダムに存在する。I−SceI部位の希有性は、ウイ
ルス、バクテリヤ及び酵母菌を含む数々の生体のゲノム中にはI−SceI部位
が存在しない事実により一部確証された。本明細書に提供された情報を土台にし
て、当業者の一人は本発明における使用のために、他の適切な希有切断制限酵素
をI−SceIに容易に置き換えることができる。
【0016】 これらの希有切断制限酵素は例えば、それらの制限酵素が哺乳動物種には生来
のものでない、非哺乳動物、植物、酵母、カビ、及び/又は昆虫に生来のもので
ある様々な制限酵素の中から選択することができる。I−SceI以外の希有切
断制限酵素の例は、PspI、I−CeuI等を含む。他の適した希有切断制限
酵素は少なくとも約12〜約40ヌクレオチドの長さの、好ましくは約14〜約
20のヌクレオチドの長さの、そして最も好ましくは、少なくとも約18ヌクレ
オチドの長さの部位を確認したものから選択することができる。これらの制限酵
素は例えば、New England BioLabs、Promega及びBoehringer Mannheimを含む多
様な商業的機関から入手可能である。代替的には、これらの酵素又はそれらのコ
ード配列は合成により又は組み換え技術を使用して産生することができる。
【0017】 例えば、I−SceI酵素は商業的機関(例えば、Boehringer Mannheim, Ger
many)から購入することができる。代替的には、酵素の配列は通常の化学合成に
より産生することができる[例えば、G.Barony and R.B.Merrifield, The Pepti
des: Analysis, Synthesis & Biology, Academic Press, pp.3-285(1980)を参照
されたい]。好ましくは本酵素の天然のコード配列(又はもう1つの、選択され
た希有切断制限酵素)は好ましい宿主細胞である哺乳動物細胞中への発現を最適
化するように変更される。例えば、優先コドンを変更することにより発現を最適
化する技術は当業者に周知である。同様に、I−SceI部位及び他の選択され
た希有切断制限酵素部位の配列は合成により、組み換えにより産生し、又は他の
適切な技術を使用して得ることができる。例えば、前記に引用のBarony and Mer
rifield、 Sambrook et al, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold S
pring Harbor Laboratories, Cold Spring Harbor, New York. を参照されたい
。 I.宿主細胞 本発明はヘルパー依存性ウイルスの産生に有用な宿主細胞を提供する。一態様
においては、本発明は希有切断制限酵素を安定に発現する細胞系を提供する。も
う一つの態様においては、希有切断制限酵素をコードする配列は適切なベクター
又は他の核酸分子を介して、選択された宿主細胞にトランスに送達される。本明
細書全体を通して、便宜的にI−SceI酵素について言及される。しかし、本
明細書に定義されたもう一つの希有切断制限酵素及び/又はその制限酵素部位を
置き換えることができることは容易に理解されるであろう。 A.希有細胞制限酵素機能を発現する安定な細胞系 本発明の細胞系は、希有切断制限酵素又は、通常の技術を使用してその発現を
調節する調節配列に操作可能に結合されたその機能的フラグメント、をコードす
る、核酸分子をもつ選択された宿主細胞系を提供することにより構成することが
できる。本明細書で使用される「操作可能に結合」された配列は興味のある遺伝
子と隣接する発現調節配列及び、トランスで作用するか又は興味の遺伝子を調節
するための距離にある発現調節配列、の両方を含む。
【0018】 発現調節配列は適当な転写開始、終結、プロモーター及びエンハンサー配列、
スプライシイング及びポリアデニル酸付加(polyA)シグナルのような効率
のよいRNAプロセシングシグナル、細胞質mRNAを安定化する配列、翻訳効
率を高める配列(すなわち、コザックのコンセンサス配列)、タンパク質の安定
性を高める配列、並びに、所望される場合は、コードされた産物の分泌を高める
配列、を含む。極めて多数の発現調節配列、天然の、構成の、誘導性のそして/
又は組織特異性の配列が当該技術分野で知られ、使用することができる。
【0019】 望ましくは、希有切断制限酵素、例えばI−SceI、をコードする核酸分子
には更に、核に、I−SceI配列を標的とする核の局在化シグナルが付いてい
る。適した核局在化シグナルは当業者には知られており、本発明の制限ではない
【0020】 一態様においては、宿主細胞は構成プロモーターの制御下では希有切断制限酵
素、例えばI−SceI、を安定に発現する。これらのプロモーターの例は、制
限なしに、レトロウイルスのラウス腫瘍ウイルス(RSV)LTRプロモーター
(場合によりRSVエンハンサーを伴う)、サイトメガロウイルス(CMV)プ
ロモーター(場合によりCMVエンハンサーを伴う)[例えば、Boschart et al
,Cell, 41:521-530(1985)を参照されたい]、SV40プロモーター、ジヒドロ
葉酸レダクターゼプロモーター、β−アクチンプロモーター、ホスホグリセロー
ルキナーゼ(PGK)プロモーター、及びEF1αプロモーター[Invitrogen]
、を含む。
【0021】 もう一つの態様においては、希有切断制限酵素、例えばI−SceIは誘導可
能プロモーターの制御下で宿主細胞により安定に発現される。誘導可能プロモー
ターは、亜鉛誘導可能なヒツジのメタロチオニン(MT)プロモーター、デキサ
メタゾン(Dex)−誘導可能なマウの乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター
、T7ポリメラーゼプロモーター系[国際公開第98/10088号パンフレッ
ト]、エクジソン昆虫プロモーター[No et al, Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:33
46-3351(1996)]、テトラサイクリン−抑制系[Gossen et al, Proc.Natl.Acad. Sci.USA ,89:5547-5551(1992)]、テトラサイクリン誘導可能な系[Gossen et al
, Science,268:1766-1769(1995)、更にHarvey et al, Curr.Opin.Chem.Biol.,2:
512-518(1998)も参照されたい]、RU486−誘導可能な系[Wang et al, Nat .Biotech .,15:239-243(1997) and Wang et al, Gene Ther.,4:432-441(1997)]
及びラパマイシン−誘導可能な系[Magari et al, J.Clin.Invest.,100:2865-28
72(1997)]を含む、外来供給化合物により調節される。
【0022】 最も好ましくは、希有切断制限酵素、例えばI−SceI及び、場合によって
はその発現調節配列をコードする核酸分子による形質転換のために選択された細
胞系は、制限なく、A549、WEHI、3T3、10T1/2、BHK、MD
CK、COS1、COS7、BSC1、BSC40、BMT10、VERO、W
I38、HeLa、Saos、C2C12、L細胞、HT1080、HepG2
のような細胞並びに、ヒト、サル、マウス、ラット及びハムスターを含む哺乳動
物由来の一次(primary)繊維芽細胞、肝細胞及び筋芽細胞、を含む哺乳動物の
細胞系である。好ましい細胞は、ヒトの細胞、そして最も好ましくはアデノウイ
ルスE1機能を発現する細胞、例えば293細胞を含む。しかし、その他の細胞
系はAmerican Type Culture Collection(ATCC)又は多数の商業的及び学術
的機関から容易に入手することできる。 B.希有切断制限酵素の送達 もう一つの態様においては、本発明の方法は、選択された宿主細胞に、希有切
断制限酵素、例えばI−SceI又はその機能的フラグメントをコードする配列
をトランスに送達することにより実施される。希有切断制限酵素(例えばI−S
ceI)コード配列及び発現調節配列を担持する核酸分子は、これらの成分を宿
主細胞に移動し、好ましくは細胞核内の制限酵素の発現を許すどんな形態にあっ
てもよい。この態様においては、選択された宿主細胞は好ましくは、ヒトの細胞
系、例えば293である。しかし、その他の適した宿主細胞を当該技術分野で知
られたものから容易に選択することができる。宿主細胞についての前記の考察を
参照されたい。
【0023】 希有切断制限酵素(例えば、I−SceI)をコードする配列、並びにその発
現を調節する配列を担持する核酸分子は、トランスフェクション、エレクトロポ
レーション、リポソーム送達、膜融合法、高速DNA被覆ペレット、ウイルス感
染及びプロトプラスト融合法を含むあらゆる適した方法により宿主細胞に提供さ
れる。例えば、Sambrook et al, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Co
ld Spring Harbor Labratories, Cold Spring Harbor, New York.を参照された
い。最も適切にはこれらの配列はベクター内に含まれる。「ベクター」は制限な
く、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ビ
リオン、等のようなあらゆる遺伝因子を含む。
【0024】 一つの望ましい態様においては、制限酵素(例えば、I−SceI)コード配
列はウイルスベクターにより、そして最も好ましくは組み換え、感染性ウイルス
により送達される。酵素送達ウイルスの選択は本発明に対する制約ではない。適
した組み換え酵素(例えばI−SceI)の送達ウイルスはなかでも、アデノ随
伴ウイルス(AAV)、レトロウイルス、アデノウイルス、ハイブリッドアデノ
−AAVウイルス、レンチウイルス、バキュロウイルス、ヘルペスウイルス及び
ポックスウイルス、のようなウイルスを使用して容易に操作することができる。
【0025】 一つの最近の好ましい態様においては、酵素送達ウイルスは、宿主細胞中の酵
素(例えば,I−SceI)の発現を命令し、核を標的にする、適当な発現調節
配列に操作可能に連結された酵素コード配列を含む組み換えAAV(rAAV)
である。本発明のこのI−SceI−rAAV及び他の送達ウイルス構成物は、
本明細書に記載のようにして得た希有切断制限酵素配列を使用し、そして既知の
方法を使用して調製される。例えば、rAAVベクターの産生法が記載された[
なかでも、W.Xiao et al, J.Virol.,72:10222-10226(1998)、米国特許第5,6
58,776号、同第5,622,856号明細書を参照されたい]。
【0026】 概括的に、本発明のI−SceI−rAAVは、I−SceIをコードする配
列をフランキングしその発現を命令する、シス作用5’及び3’逆方向末端反復
(ITR)配列[例えば、B.J.Carter, in “Handbook of Parvoviruses", ed.,
P.Tijsser, CRC Press,pp.155-168(1990)を参照されたい]を使用する。ITR
配列は約145bpの長さである。これらの配列のある程度の僅かな修飾は許さ
れるが、好ましくは、ITRをコードする実質的に全配列が分子内で使用される
。これらのITR配列を修飾する能力は当該技術分野の技術の範囲内にある。[
例えば、Sambrook et al, “Molecular Cloning. A Labratory Manual.",2d edi
t., Cold Spring Harbor Labratory, New York(1989)のような教科書、前記に引
用されたCarter et al,及びK.Fisher et al.,J.Virol.,70:520-532(1996)を参照
されたい]。本発明に使用された分子のような例は、そこで、選択された導入遺
伝子の配列及び随伴調節エレメントが5’及び3’AAV ITR配列によりフ
ランキングされている導入遺伝子を含む「シス作用」プラスミドである。 AA
V ITR配列は、現在解明されたヒトのAAVタイプを含むあらゆる既知のA
AVから得ることができる。同様に、他の動物を感染させることが知られたAA
Vもまた、本発明の分子又は構成物中に使用されるこれらのITRを提供するこ
とができる。例えば、ITRはAAVタイプ1、AAVタイプ2、AAVタイプ
3、AAVタイプ4、AAVタイプ5、パルボウイルスタイプH1、MVM、L
uIIIにより、あるいはあらゆるその他のパルボウイルス又はAAV血清型によ
り提供することができる。多様なAAV株がAmerican Type Culture Collection
から入手できるか又は多様な商業機関及び研究機関から要請に応じて入手できる
。下記の例示的態様においては、AAV−2が便宜上使用されている。しかし、
これらの配列を提供するAAVの種及び血清型の選択は本出願書の説に従う当業
者の技術の範囲内にあり、下記の発明を制約しない。
【0027】 更に、酵素送達ウイルスは、本酵素送達ウイルスによりトランスフェクション
された(感染された)宿主細胞中の酵素の発現を促すのに要する制限酵素核酸配
列、核局在化シグナル、及び通常の調節エレメントを含む。これらの配列調節エ
レメントは、前記のように、構成及び誘導可能プロモーターの両方を含むプロモ
ーター、ポリA配列、等を含む。場合によっては、本酵素送達ウイルス中に存在
する他の異種核酸配列は、RNA転写の効率のよいポリアデニル酸添加に必要な
シグナルを提供する配列並びに、機能的スプライス供与体及び受容体部位を伴う
イントロンを含む。本発明に有用な酵素送達ウイルスに使用される一般的なポリ
−A配列は、パポバウイルスSV−40から由来するものである。I−SceI
−rAAV送達ウイルスにおいて、ポリ−A配列は概括的に、導入遺伝子配列の
次に、そして3’AAV ITR配列の前に挿入される。本発明に有用な酵素送
達ウイルスはまた、望ましくはプロモーター/エンハンサー配列と導入遺伝子と
の間に位置するイントロンを含むことができる。一つの可能なイントロン配列は
また、SV−40から由来し、そしてまたSV−40Tイントロン配列とも呼ば
れる。数々の一般的なベクターエレメントの選択は、通常のようであり、多数の
これらの配列は入手可能である[例えば、Sambrook et al.、及び例えばページ
3.18〜3.26及び16.17〜16.27に引用された参考文献を参照さ
れたい]。場合によっては、酵素送達ウイルスはなかでも、ハイグロマイシン又
はピューリマイシンをコードする配列のような、選択可能なマーカー又はレポー
ター配列を含むことができる。下記のレポーター配列の考察を参照されたい。
【0028】 本発明のあらゆる態様を構成するために使用された工学的方法は核酸操作にお
ける専門家に知られており、遺伝子工学、組み換え工学、及び合成技術を含む。
例えば、前記に引用されたSambrook et al,及び国際公開第95/13598号
パンフレットを参照されたい。
【0029】 適切には、I−SCeI−rAAVは約5〜約200rAAVゲノム粒子の感
染多重度(MOI)で、そして好ましくは10〜100rAAVゲノム粒子のM
OIで、選択された宿主細胞に送達することができる。その他の選択された酵素
送達ウイルスに適したMOIはこの領域内にあっても、又は当業者の一人により
所望のように調整することもできる。代替的には、I−SceIが宿主細胞を感
染させる能力をもたないベクターにより送達される場合は、ベクターは当業者に
知られたあらゆる適切な手段により約5μg〜約100μgのDNAの量で宿主
細胞に送達される。
【0030】 酵素送達担体(例えば、I−SceI−rAAV)は、宿主細胞への、ベクタ
ーの送達の前(例えば、感染又はトランスフェクションにより)、ヘルパーウイ
ルス配列の送達の前(例えばヘルパーウイルスによる感染)、あるいはこれらの
成分のいずれか又は両方の送達後、を含む細胞溶解の前のいつでも宿主細胞に提
供することができる。例えば、酵素送達担体が構成的に制限酵素(例えば、I−
SceI)を発現する場合、ウイルスベクター及びヘルパーウイルスの送達後に
宿主細胞にこの酵素送達担体を提供することが望ましい可能性がある。代替的に
は、酵素送達担体が制限酵素を誘導可能に発現する場合には、酵素の送達のタイ
ミングは重要ではない。しかし、プロモーターの選択及び、宿主細胞への酵素送
達ウイルス(又は他の核酸分子)の送達のタイミングの決定は、本明細書に提供
された情報を考慮して、当業者の一人により実施することができる。 II.組み換えベクター 本発明の組成物及び方法はヘルパーウイルス及び宿主細胞の不在下でキャプシ
ド中への包膜化を可能にするのに十分なウイルス遺伝子をもたない、組み換えウ
イルスベクターのパッケージングに特に十分に適している。それとともに、ヘル
パーウイルス及び宿主細胞は組み換えウイルスを包膜化するのに要する遺伝子機
能を提供する。本発明はパッケージングのための、ヘルパーウイルスに依存性の
あらゆるウイルスベクターのために使用することができる。これらのウイルスベ
クターは制限なく、組み換えアデノ−随伴ベクター(rAAV)、組み換えアデ
ノウイルスベクター、ハイブリッドアデノウイルス/AAVベクター、レトロウ
イルス及びレンチウイルスを含むことができる。適したウイルスベクターの選択
は本発明の制限ではない。
【0031】 一態様においては、本発明の方法は、アデノウイルスベクターのパッケージン
グに特に十分に適している。好ましい態様においては、アデノウイルスベクター
はごく最少のアデノウイルス配列を含む。一例としては、本明細書でpAdΔと
呼ばれる組み換えアデノウイルスベクターが下記に説明される。これらの組み換
えアデノウイルスの産生法は当該技術分野で知られている。例えば、国際公開第
96/13597号パンフレットを参照されたい。 A. pAdΔのアデノウイルス配列 pAdΔベクターのアデノウイルスの核酸配列は、ウイルス粒子を、ヘルパー
ウイルス及び、場合によりパッケージング細胞系の援助により産生させる最短の
アデノウイルス配列を提供する。これらの配列は生成された組み換えウイルスに
よる標的細胞への組み換え導入遺伝子ゲノムの送達を補助する。
【0032】 タイプAd5を含む数々のアデノウイルスの型のDNA配列がGenbankから入
手可能である[Genbank 入手番号 M73260]。アデノウイルス配列は2、3、4
、7、12及び40血清型のような、そして更に、あらゆる現在解明されたヒト
型[例えば、前記に引用されたHorwitzを参照されたい]を含む、あらゆる既知
のアデノウイルスの血清型から得ることができる。同様に、他の動物を感染させ
ることが知られたアデノウイルスもまた、本発明のベクター構造物に使用するこ
とができる。アデノウイルスの型の選択は、下記の発明を制限することは期待さ
れない。数々のアデノウイルス株がAmerican Type Culture Collection, Manass
as, Virginiaから入手可能であるか又は多様な商業的及び研究機関から要請に応
じて入手可能である。下記の例示的態様においては、アデノウイルス5型(Ad
5)が便宜上使用されている。
【0033】 しかし、異なるヒトアデノウイルス血清型に基づいて多様なpAdΔベクター
を得ることが望ましい。このようなプラスミド及び生成するAdΔウイルスの図
書館が、繰り返しの治療的処置の成功を改善するのみならず、細胞のそして恐ら
くは、体液の免疫を回避し、そして導入遺伝子発現の期間を延長するために、治
療計画に有用であるであろうことが期待される。更に、多様な血清型の使用は異
なる組織標的特異性をもつ組み換えウイルスを産生することが期待される。
【0034】 具体的には、pAdΔベクターはすべての機能的アデノウイルス遺伝子をコー
ドする核酸配列が欠乏している。これらの機能的遺伝子はE1、E2、E3、E
4、中間遺伝子(IVa及びIX)及び後期遺伝子(L1、L2、L3、L4、L5
)を含む。より具体的には、使用されるアデノウイルス配列は、アデノウイルス
のシス−作用5’及び3’逆方向末端反復(ITR)配列(複製の源として機能
する)並びに、線状Adゲノム及びE1プロモーターのためのエンハンサーエレ
メントをパッケージングするのに必要な配列を含む天然の5’パッケージング/
エンハンサードメインである。これらの配列は複製及びビリオンの包膜化に必要
である。例えば、P.Hearing et al, J.Virol.,61(8):2555-2558(1987)、M.Grabl
e and P.Hearing, J.Virol.,64(5):2047-2056(1990)及びM.Grable and P.Hearin
g, J.Virol.,66(2):723-731(1992)を参照されたい。
【0035】 5’ITR及びパッケージング/エンハンサー領域を含む全体のアデノウイルス
の5’配列はpAdΔベクター中の5’アデノウイルス配列として使用すること
ができる。本発明に有用なAd5ゲノムのこの左側の末端(5’)配列は、ウイ
ルスゲノムのマップ単位0−1とも呼ばれる、通常のアデノウイルスゲノムをb
p1〜約360までの長さをもつ。この配列は5’ITR及びパッケージング/
エンハンサードメインを含む。好ましくはこのアデノウイルス5’領域はその天
然の修飾されない形態でベクター中に使用される。しかし、その生物学的機能に
悪影響を与えない、この配列への欠失、置換及び添加を含むある修飾は許容でき
る。例えば1993年12月9日に開示された国際公開第93/24641号パ
ンフレットを参照されたい。これらのITR配列を修飾する能力は当業者の一人
の能力の範囲内にある。例えば、Sambrook et al, “Molecular Cloning. A Lab
oratory Manual.", 2d edit.,Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Ha
rbor, New York(1989)のような教科書を参照されたい。
【0036】 ベクターの3’アデノウイルス配列は、アデノウイルスゲノムの約bp35,
353−末端又はマップ単位〜98.4−100にわたるアデノウイルスゲノム
の右側末端(3’)ITR配列を含む。この全配列は望ましくはpAdΔベクタ
ーの3’配列として使用される。好ましくは、生のアデノウイルス3’領域は修
飾されない形態でシャトルベクター中に使用される。しかし、その生物学的機能
に悪影響を与えない、この配列へのいくらかの修飾は許容できるかも知れない。
【0037】 下記に説明されるように、本発明に使用された代表的pAdΔベクターは機能
的アデノウイルス遺伝子をコードするアデノウイルス配列をもたない。pAdΔ
ベクターは下記に説明される導入遺伝子配列のみならず、Ad5の5’及び3’
シス−エレメントを含有する。適切には、これらの5’及び3’エレメントは導
入遺伝子(例えば、5’シス−エレメント、導入遺伝子、3’シス−エレメント
)をフランキングすることができる。代替的には、これらの5’ITR及び3’
ITRは導入遺伝子の上流に配置されたヘッドからテールの形態に配向されるこ
とができる。これらのベクターは通常の遺伝子工学技術、例えば、相同性組み換
え等を使用して構成することができる。例えば、米国特許第6,001,557
号明細書を参照されたい。
【0038】 前記の情報から、当業者の一人は本発明のpAdΔベクター中に使用のための
他の同等なアデノウイルス配列を使用することができることが期待される。これ
らの配列は他のアデノウイルス株、又は僅かな修飾を伴う前記のシス−作用配列
を含むことができる。更に、当業者の一人は、本発明の方法がパッケーッジング
に必要な遺伝子機能をもたない他のウイルスベクターのために、産生培地からヘ
ルパーウイルスを分離する際の困難を克服するのに有用であることを容易に認め
るであろう。これらの他のベクターは、非アデノウイルスベクターのみならず、
E1、E2、E4、中間遺伝子及び後期遺伝子から選択された1種類以上のアデ
ノウイルス遺伝子のかけたrAdベクターを含む。産生のためにヘルパー機能を
要求する他の非アデノウイルスベクターは制限なしに、アデノ随伴ウイルスを含
むパルボウイルス及び、レンチウイルスを含むレトロウイルスを含む。当業者の
一人は本発明の使用に適した他の系を容易に選択することができる。 B.導入遺伝子 本発明の方法から生成される組み換えベクター及びウイルスの導入遺伝子の配
列は、ポリペプチド、タンパク質又は興味を引く他の産物をコードする、ウイル
ス配列に異種の核酸配列である。導入遺伝子は導入遺伝子転写を許す方法で調節
成分に操作可能に連結している。
【0039】 導入遺伝子の配列の組成は、生成するウイルスが使用されるであろう用途に左
右されるであろう。例えば、一つのタイプの導入遺伝子の配列は、発現時に検出
可能なシグナルを発生するレポーター配列を含む。これらのレポーター配列は制
限なしに、β−ラクタマーゼ、β−ガタクトシダーゼ(LacZ)、アルカリホ
スファターゼ、チミジンキナーゼ、緑蛍光タンパク質(GFP)、クロルアンフ
ェニコール・アセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ、例えば
CD2、CD4、CD8を含む膜結合タンパク質、インフルエンザヘマグルチニ
ンタンパク質並びに、それに向けられた高い親和性の抗体が存在するか又は通常
の手段により産生することができる、当該技術分野で周知のその他のタンパク質
を含む膜結合タンパク質並びに、なかでもヘマグルチニン又はMycからの抗原
タグドメインに適当に融合された膜結合タンパク質を含んで成る融合タンパク質
、をコードするDNA配列を含む。
【0040】 これらの配列は、それらの発現を促す調節エレメントと随伴する時に、酵素的
、放射線、比色、蛍光又はその他の分光器アッセイを含む通常の手段、酵素結合
イムノソルベントアッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)及
び免疫組織学を含む蛍光活性化細胞ソートアッセイ及び免疫学的アッセイにより
検出可能なシグナルを提供する。例えば、マーカー配列がLacZ遺伝子である
場合は、ヘルパーウイルスの存在はベータ−ガルクトシダーゼ活性のアッセイに
より検出される。導入遺伝子がルシフェラーゼである場合は、ヘルパーウイルス
は光度計における光の生成により測定することができる。
【0041】 しかし、望ましくは導入遺伝子は、タンパク質、ペプチド、アンチセンス核酸
(例えば、RNA)、酵素、又は触媒RNAのような、生物学及び医学で有用な
産物をコードする非マーカー配列である。導入遺伝子は、正常な遺伝子が正常よ
り低いレベルで発現される欠陥又は、機能的遺伝子産物が発現されない欠陥を含
む可能性がある、遺伝子の欠陥を是正又は改善するために使用することができる
。導入遺伝子配列の好ましい型は宿主細胞に発現される治療的タンパク質又はポ
リペプチドをコードする。本発明は更に、例えば、複数のサブユニットのタンパ
ク質により誘起された遺伝子欠陥を是正又は改善するために、複数の導入遺伝子
を使用することを含む。ある状況においては、異なる導入遺伝子をタンパク質の
各サブユニットをコードするために、又は異なるペプチドもしくはタンパク質を
コードするために使用することができる。これは、例えば、免疫グロブリン、血
小板由来増殖因子、又はジストロフィンタンパク質に対する、タンパク質サブユ
ニットをコードするDNAのサイズが大きい場合に望ましい。細胞が複数のサブ
ユニットタンパク質を産生するためには、細胞は各々の異なるサブユニットを含
む組み換えウイルスで感染される。代替的には、タンパク質の異なるサブユニッ
トが同一の導入遺伝子によりコードされる可能性がある。この場合は、各サブユ
ニットに対するDNAが内部リボザイム侵入部位(IRES)により分離されて
、単一の導入遺伝子が各サブユニットをコードするDNAを含む。これは、各サ
ブユニットをコードするDNAのサイズが小さい、例えばサブユニットをコード
するDNA及びIRESの全サイズが5キロベースより小さい場合に望ましい。
しかし、選択された導入遺伝子は研究に望ましいあらゆる産物をコードすること
ができる。導入遺伝子配列の選択は本発明の制限にはならない。
【0042】 導入遺伝子によりコードされる有用な産物は制限なしに、インスリン、グルカ
ゴン、成長ホルモン(GH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、成長ホルモン放出
因子(GRF)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、ヒ
ト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンギ
オポイエチン、アンギオスタチン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリ
スロポイエチン(EPO)、結合組織増殖因子(CTGF)、塩基性繊維芽細胞
増殖因子(bFGF)、酸性繊維芽細胞増殖因子(aFGF)、上皮増殖因子(
EGF)、トランスフォーミング増殖因子α(TGFα)、血小板由来増殖因子
(PDGF)、インスリン増殖因子I及びII(IGF−I及びIGF−II)、T
GFβ、アクチヴィン、インヒビンを含むトランスフォーミング増殖因子βスー
パーファミリーのいずれか一つ、又は骨形成タンパク質(BMP)のBMP1−
15のいずれか、増殖因子のヘレグルイン/ニューレグリン/ARIA/neu
分化因子(NDF)ファミリーのいずれか一つ、神経増殖因子(NGF)、脳由
来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィンNT−3及びNT−4/5、
毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリアル細胞系由来神経栄養因子(GDNF
)、ニュールチュリン(neurturin)、アグリン(agrin)、セマホリン/コラプ
シンのファミリーのいずれか一つ、ネトリン−1及びネトリン−2、肝細胞増殖
因子(HGF)、エフリン(ephrins)、ノギン、ソニックヘッジホッグ及びチ
ロシンヒドロキシラーゼのファミリーのいずれか一つ、を含むホルモン並びに増
殖及び分化因子を含む。
【0043】 その他の有用な導入遺伝子の産物は制限なしに、トロンボポイエチン(TPO
)、インターロイキン(IL)IL−1からIL−17、単球ケモアトラクタン
トタンパク質、白血病阻害因子、顆粒−マクロファージコロニー刺激因子、Fa
sリガンド、腫瘍壊死因子α及びβ、インターフェロンα、β及びγ、幹細胞因
子、flk−2/flt3リガンドのようなサイトカイン及びリンホカインを含
む免疫系を抑制するタンパク質を含む。免疫系により産生された遺伝子産物もま
た本発明に有用である。これらは制限なしに、免疫グロブリンIgG、IgM、
IgA、IgD及びIgE、キメラ免疫グロブリン、ヒト化抗体、一本鎖抗体、
T細胞受容体、キメラT細胞受容体、一本鎖T細胞受容体、クラスI及びクラス
IIMHC分子、並びに遺伝子操作された免疫グロブリン及びMHC分子を含む。
有用な遺伝子産物はまた、補体調節タンパク質、メンブランコファクタープロテ
イン(MCP)、崩壊促進因子(DAF)、CR1、CF2及びCD59のよう
な補体調節タンパク質を含む。
【0044】 更にその他の有用な遺伝子産物は、ホルモン、増殖因子、サイトカイン、リン
ホカイン、調節タンパク質及び免疫系タンパク質のためのいずれか一つの受容体
を含む。本発明は、低密度リポタンパク質(LDL)受容体、高密度リポタンパ
ク質(HDL)受容体、超低密度リポタンパク質(VLDL)受容体、及びスカ
ベンジャー受容体を含むコレステロール調節のための受容体を包含する。本発明
はまた、グルココルチコイド受容体及びエストローゲン受容体、ビタミンD受容
体及び他の核内受容体を含むステロイドホルモン受容体スーパーファミリーのメ
ンバーのような遺伝子産物を包含する。更に、有用な遺伝子産物は、jun os 、max、madのような転写因子、血清応答因子(SRF)、AP−1、
AP2、myb、MyoD及びミオゲニン、ETS−ボックス含有タンパク質、
TFE3、E2F、ATF1、ATF2、ATF3、ATF4、ZF5、NFA
T、CREB、HNF−4、C/EBP、SP1、CCAAT−ボックス結合タ
ンパク質、インターフェロン調節因子(IRF−1)、ウイルムス腫瘍タンパク
質、ETS結合タンパク質、STAT、GATA−ボックス結合タンパク質、例
えばGATA−3及びウイング状ヘリックスタンパク質のフォークヘッドファミ
リーを含む。
【0045】 他の有用な遺伝子産物は、カルバモイル・シンテターゼI、オルニチン・トラ
ンスカルバミラーゼ、アルギノスクシナート・シンテターゼ、アルギノスクシナ
ート・リアーゼ、アルギナーゼ、フマリルアセトアセタート・ヒドロラーゼ、フ
ェニルアラニン・ヒドロキシラーゼ、アルファ−1アンチトリプシン、グルコー
ス−6−ホスファターゼ、ポルホビリノーゲン・デアミナーゼ、VIII因子、IX因
子、シスタチオン・ベータ−シンターゼ、分枝鎖ケト酸デカルボキシラーゼ、ア
ルブミン、イソバレリル−CoAデヒドロゲナーゼ、プロピオニルCoAカルボ
キシラーゼ、メチルマロニルCoAムターゼ、グルタリルCoAデヒドロゲナー
ゼ、インスリン、ベータ−グルコシダーゼ、ピルビン酸カルボキシラート、肝性
ホスホリラーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、グリシン・デカルボキシラーゼ、H
−タンパク質、T−タンパク質、嚢胞性繊維症膜貫通調節タンパク質(CFTR
)配列、及びジストロフィンcDNA配列を含む。
【0046】 その他の有用な遺伝子産物は、挿入物、欠失物又はアミノ酸置換体を含む天然
に存在しないアミノ酸配列をもつキメラ又はハイブリッドポリペプチドのような
天然に存在しないポリペプチド、を含む。例えば、1本鎖の遺伝子操作された免
疫グロブリンはある種の免疫無防備患者に有用な可能性がある。その他の天然に
存在しない遺伝子配列の型は、遺伝子の過剰発現を減少させるために使用される
可能性がある、リボザイムのようなアンチセンス分子及び触媒性核酸を含む。そ
の他の適切な導入遺伝子は当業者の一人により容易に選択することができる。導
入遺伝子の選択は、本発明の制約であるとは考えられない。 C.調節エレメント ウイルスベクターに対する前記に解明された主要なエレメントに加えて(例え
ば、アデノウイルス配列及び導入遺伝子)、ベクターはまた、ウイルスベクター
でトランスフェクションされた細胞中で導入遺伝子の発現を促すのに必要な通常
の調節エレメントを含む。従って、ベクターは導入遺伝子に連結され、導入遺伝
子とともに、ベクターのウイルス配列の間に配置されている選択されたプロモー
ターを含む。適切なプロモーターは本明細書に考察されたもののような構成及び
誘導可能プロモーターの中から容易に選択することができる。多様な一般のベク
ターエレメントの選択は通常のことで、数々のこのような配列が入手可能である
[例えば、Sambrook et al,及びその中に引用された参考文献を参照されたい]
【0047】 導入遺伝子、プロモーター/エンハンサー、及びその他の調節ベクターエレメ
ントの組み合わせ物を本明細書では引用の容易性のために、「ミニジーン」と呼
ぶ。好ましい態様においては、ミニジーンは前記の5’及び3’シス−作用アデ
ノウイルス配列によりフランキングされている。これらのミニジーンは、ベクタ
ー中のアデノウイルスの初期及び後期遺伝子配列の欠失のために、数百の塩基対
から約30kbまでの範囲内のサイズをもつ可能性がある。従って、このウイル
スベクター(例えば、pAdΔ)系は、そのサイズに関して、ミニジーン、特に
選択された導入遺伝子の多様な成分の選択に広い範囲を許す。本発明の説に従う
と、このようなミニジーンの設計は通常の技術により実施することができる。 D.宿主細胞への組み換えベクターの送達 本発明の方法の実施において、組み換えウイルスのベクター、例えばpAdΔ
は通常の技術を使用して宿主細胞に送達される。送達は、トランスフェクション
、エレクトロポレーション、リポソーム送達、膜融合法、高速DNA−被覆ペレ
ット、ウイルス感染及びプロトプラスト融合を含むあらゆる適切な方法により実
施できる。
【0048】 最近では、トランスフェクションが宿主細胞にウイルスベクター(例えば、p
AdΔ)を送達する特に望ましい方法である。一つの適切な方法は、引用により
本明細書に取り込まれている、Fisher et al, Virol.,217:11-22(1996)に記載さ
れている。特に、pAdΔは適切な制限酵素により線状化され、トランスフェク
ションカクテル中に添加される。次いで、Cullen, in “Methods in Enzymology
", ed. S.L. Berger 及び A.R.Kimmel,Vol.152,pp.684-704, Academic Press, S
an Dieg(1987)に記載のリン酸カルシウムを基礎にした方法を使用して、トラン
スフェクションを実施する。その他の適切なトランスフェクション法が知られ、
宿主細胞へ組み換えベクターを送達するために容易に利用することができる。
【0049】 概括的に、組み換えベクター(例えばpAdΔ)をトランスフェクションによ
り送達する時には、ベクターは約1×104細胞〜約1×1013細胞、そして好
ましくは約105細胞に、約5μg〜約100μgのDNA、そして好ましくは
約10〜約50μgDNA量を送達する。しかし、宿主細胞に対するベクターD
NAの相対的量は、選択されたベクター、送達方法及び選択された宿主細胞のよ
うな因子を考慮に入れて、調節することができる。 III. ヘルパーウイルス 本発明は、そのヘルパーウイルスが希有切断制限酵素、例えばI−SceIの
ための異種制限部位を含むように遺伝子操作された、ウイルスベクターの産生の
ための組み換えヘルパーウイルスを使用する。通常、要求された遺伝子の全補体
を含むヘルパーウイルスを使用する組み換えウイルスの産生はヘルパーウイルス
の過剰産生により汚染された組み換えウイルスをもたらす。従って、汚染ヘルパ
ーウイルスからの組み換えウイルスの集中した精製が要求される。しかし、本発
明は、宿主細胞により発現された希有切断制限酵素(例えば、I−SceI)に
よるヘルパーウイルスの酵素による消化により、精製を容易にし、汚染を減少さ
せる方法を提供する。従って、本発明のヘルパーウイルスは、消化されたヘルパ
ーウイルスが組み換えウイルスから容易に区別できるほど十分小さいフラグメン
トから成るようなヘルパーウイルスのゲノム内に配置されている少なくとも1種
類のそして好ましくは複数の希有切断制限酵素部位並びに制限酵素を送達するた
めに使用されるあらゆる核酸を含む。
【0050】 概括的に、ヘルパーウイルスは、ベクターをパッケージ(又は包膜化)するに
は不十分なウイルス遺伝子を含むベクターからの組み換えウイルスの産生に使用
される。ウイルスベクター内に存在するウイルス配列の制約された量のために、
本発明のヘルパーウイルスは単独でも又はパッケージング細胞系と協力しても、
生産性ウイルス感染に必要な遺伝子配列を提供しなければならない。適切なヘル
パーウイルスは、パッケージされるウイルスベクターを考慮して、当業者の一人
により容易に選択することができる。例えば、AAVベクターは適当に、選択さ
れた血清型のrAAV又はAdヘルパーウイルスを使用して、rAAV又は、組
み換えアデノウイルス(Ad)カプシドのいずれかにパッケージされることがで
きる。しかし、他の選択されたヘルパーウイルスを使用して多様なベクターをパ
ッケージすることができる。適当には、本発明に使用されるヘルパーウイルスは
選択された宿主細胞において複製することができる。一つの望ましい態様におい
ては、ヘルパーウイルスは選択された宿主細胞内で複製コンピテントであり、他
の細胞においては複製非コンピテントであり、それは複製を許すのに必要な遺伝
子機能を提供しない。
【0051】 一つの好ましい態様においては、pAdΔベクターは、選択されたアデノウイ
ルス遺伝子配列及び、場合によっては、発現調節配列に操作可能に連結されたレ
ポーター配列を含むヘルパーウイルスを使用してアデノウイルスカプシドにパッ
ケージされる。ヘルパーウイルスを形成しているアデノウイルス配列はpAdベ
クターの考察において前記に確認された機関から得ることができる。ヘルパーウ
イルスとしての異なるAd血清型の使用は、他の血清型のアデノウイルスにより
形成されたカプシド中にpAdΔベクター配列を含む組み換えウイルスの産生を
可能にする。これらの異なるAd血清型のヘルパーウイルスの使用はまた、組み
換えウイルスの産生、安定性及びパッケージングにおける利点を示すことができ
る。
【0052】 ヘルパーウイルスは、pAdΔベクター中に存在しないか又は細胞系により提
供されない、アデノウイルスゲノムの、初期遺伝子E1、E2、E4、又はその
ままの完全遺伝子と同様な又は実質的に同様な機能を実施する遺伝子のフラグメ
ント(すなわち、機能的なフラグメント)並びにすべての残りの、後期、中期、
構造的及び非構造的遺伝子を含む、pAdΔの包膜化に必要なアデノウイルス配
列を供給する。最も適切には、ヘルパーウイルス及び細胞系は最少で、アデノウ
イルスE1a、E1b、E2a、又はそれらの機能的なフラグメントを提供する
。より好ましくは、ヘルパーウイルス及び細胞系は、E1a、E1b、E2a、
E4、及びVAI、又はこれらの遺伝子の機能的フラグメント(例えば、E4
ORF6)を提供し、そしてヘルパーウイルスはアデノウイルス遺伝子IX機能を
提供する。好ましくは組み換えウイルスがアデノウイルスであり、最も好ましく
は、選択された宿主細胞中で複製するアデノウイルスである。代替的には、その
他の適切なウイルス、例えばヘルペスウイルスをヘルパーとして使用することが
できる。
【0053】 選択されたヘルパーウイルスは少なくとも1個の、そして好ましくは複数の制
限酵素部位(例えば、I−SceI)を含むように操作される。一つの態様にお
いては、本発明に有用なヘルパーウイルスは3種の異種制限酵素部位を含む。複
数の制限酵素部位の存在は、細胞中で発現された希有切断制限酵素によりヘルパ
ーウイルスを消化させ、パッケージされた組み換えウイルス(例えば、AdΔ)
及びあらゆる残りの非パッケージウイルスベクター(例えばpAdΔ)から容易
に識別可能で、それから精製されるヘルパーウイルスの小さいフラグメントをも
たらす。
【0054】 最も望ましくは、ヘルパーウイルスは、ヘルパーウイルスが宿主細胞中で発現
された制限酵素による消化後に複製及びパッケージングを不可能にされるように
、パッケージ配列の下流に配置された制限酵素部位(例えば、I−SceI部位
)を含む。ウイルスベクターのパッケージング後にはもはや必要でない機能を破
壊しそして/又は、例えば、発現時に検出可能なシグナルを発生するマーカー(
すなわち、レポーター)配列の発現により、ヘルパーウイルスレベルの監視を可
能にするために、その他の制限酵素部位を他の適切な部位に容易に操作すること
ができる。適当なマーカー配列の例を前記に記載されている。
【0055】 一つの適切な態様においては、希有切断制限酵素部位(例えば、I−SceI
)はマーカーをコードする配列の上流に配置され、検出可能なマーカーのレベル
の減少を監視することによりそのままのヘルパーウイルスの変化しているレベル
の監視を可能にする。一つの望ましい態様においては、ヘルパーウイルスは、パ
ッケージングシグナル、第1のI−SceI部位、プロモーター、第2のI−S
ceI部位、レポーター遺伝子、第3のI−SceI部位及び追加的アデノウイ
ルス配列を含むアデノウイルス5’配列から成る。その他の適切なヘルパーウイ
ルスは本明細書に提供された情報を使用して、容易に設計及び産生することがで
きる。 IV.発明の方法 一つの態様においては、本発明は選択された希有切断制限酵素(例えば、I−
SceI)を安定に発現する、宿主細胞中へのヘルパー依存性ウイルスの産生法
を提供する。適切には、宿主細胞を、組み替えウイルスベクター、例えばpAd
Δでトランスフェクションさせ、通常の方法を使用してヘルパーウイルスで感染
させる。概括的には、前記に引用のSambrook et al,を参照されたい。更に、K.J
.Fisher et al, Virol.,217:11-22(1996)に記載の方法を参照されたい。次いで
、宿主細胞を、第1回目の増幅において組み替えウイルスベクターの包膜化を許
す適切な条件下で培養する。適切には、希有切断制限酵素発現(例えばI−Sc
eI)が誘導可能なプロモーターの制御下にある場合には、誘導剤をヘルパーウ
イルスによる細胞の感染の、6〜72時間後、好ましくは24時間後に添加する
【0056】 代替的態様においては、宿主細胞を一時的に、希有切断制限酵素(例えば、I
−SceI)をコードする配列でトランスフェクション又は感染させる。次いで
、前記のように組み替えウイルスベクター及びヘルパーウイルスの付いた宿主細
胞をウイルスカプシド中に組み替えウイルスを提供するのと同様な方法で培養す
る。 次いで、場合によっては、この第1回目のウイルス増幅により産生された
組み替えウイルスを通常の方法により回収することができる。例えば、宿主細胞
を、既知の方法、例えば3回の凍結(例えば、エタノール、ドライアイス)−解
凍(例えば、37℃)を使用して収集し、溶解することができる。次いで、細胞
ライゼートを遠心分離して細胞デブリを除去する。本発明の利点は、回収された
ウイルスと、ヘルパーウイルスが制限酵素(例えば、I−SceI)により開裂
されるフラグメント、との間のサイズの差により、回収されたウイルスがヘルパ
ーウイルスフラグメントから容易に分離される点である。所望される場合は、回
収されたウイルスは更なる精製段階にかけることができる。前記に引用されたFi
sher et al,を参照されたい。
【0057】 代替的には、回収されたライゼートは例えば、第1回目の増幅において前記に
記載の段階及び宿主細胞を使用して、第2回目の増幅にかけることができる。こ
のウイルスは当該技術分野で知られた多様な目的に有用である。
【0058】 本発明の方法に従って産生された組み換えウイルスは実質的にヘルパーウイル
ス汚染物を含まず、当業者に周知の多様な目的に有用である。
【0059】 下記の実施例は本発明の方法に有用な組成物を生成する方法及び、本発明を実
施するための方法を表すために提供されている。これらの実施例は本発明の範囲
を制約しない。当業者の一人は下記の実施例においては具体的な試薬及び条件を
概説されているが、発明の精神及び範囲により包含されることを意味する修飾を
実施することができることを認識するであろう。
【0060】
【実施例】
実施例1−SceI部位を含むヘルパーウイルスの産生) 本実施例に記載のヘルパーアデノウイルスはそのゲノム内に3カ所のI−Sc
eI部位を担持するので、Ad−3Iと名付ける。 A.pAd−リンカー−3Iの産生 I−SceIコード領域はAnagen Inc.(CA,USA)により合成され、哺乳動物の
細胞の発現を最適化させるように修飾されたコドンを含む。I−SceIに対す
るこの完全なコード配列は、
【0061】
【表1】
【0062】 である。 B.アデノウイルスのヘルパーウイルスの産生 pAd−リンカー−3Iを下記のように構成した。前記のAに記載の合成I−
SceIオリゴヌクレオチドをBg1 II及びHind IIIにおいてpAd−リン
カー1に挿入した[前記に引用のFisher et al]。このプラスミドはpBR32
2バックボーン上に位置したそのままのアデノウイルスのゲノムを含む。もう一
つのI−SceI部位はXhoIによる消化後、pCI−AATにクローン化さ
れる([Xiao et al, J.Virol.,72:10222-10226(1998)])。次いで、1個のI
−SceIをもつpCI−AATのHind III−C1aIフラグメントを、E
coRV及びC1aIによる消化後に2カ所のI−SceI部位でpAd−リン
カー1にクローン化させて、pAd−リンカー−3Iを得た。
【0063】 ヘルパーウイルスAd−3Iを他の場所で記載のように、293細胞における
pAd−リンカー−3IとアデノウイルスDNAとの間の相同的組み換えにより
構成した[Gao et al, J.Virol.,70:8934-8943(1996)]。Ad−3Iのゲノム体
制は図2に示されている。
【0064】 生成されたヘルパーウイルス、Ad−3Iは5’から3’に、アデノウイルス
5’ITR及びパッケージングシグナル、第1のI−SceI部位、CMVプロ
モーター、CMVプロモーターとα1−アンチトリプシンcDNAの間の第2の
I−SceI部位並びに、α1−アンチトリプシンと他のアデノウイルスの初期
及び後期遺伝子の間の第3のI−SceI部位を含む。E1a及びE1b遺伝子
は、細胞系により提供されるE1機能の存在下で複製する、この構成において崩
壊される。
【0065】 CMVにより促されるα1−アンチトリプシン遺伝子はこのヘルパーウイルス
中に含まれて、レポーター遺伝子として働く。第2のI−SceI部位(CMV
プロモーターとα1−アンチトリプシンcDNAとの間に位置する)の消化は、
α1−アンチトリプシン遺伝子発現の喪失をもたらす。更に、5’末端反復配列
がそれによりヘルパーアデノウイルスのゲノムから離れるので、あらゆる3カ所
のI−SceI部位の消化がAd−3Iの複製及びパッケージングを不可能にす
る。 C. Ad−3Iヘルパーウイルスの消化 I−SceIによるDNAのインビトロの消化を、提供者により推奨された条
件下で、市販のI−SceI(Boehringer Mannheim, Germany)を使用して実施
した。Ad−3IのDNAを得るために、精製されたウイルスをプロテイナーゼ
Kで消化し、エタノール沈澱の前に、CsCl勾配で精製されたアデノウイルス
からフェノール−クロロホルムで抽出した。消化DNAを0.8%アガロースゲ
ル中で電気泳動した。バンドのサイズを同定した。Ad−3Iの完全な消化は、
約34kb、1.7kb、1.1kb及び400bpのサイズの4種のフラグメ
ントをもたらす。 (実施例2−機能的I−SceI酵素を発現するヒト細胞系の産生) 酵素が、アデノウイルスDNAの複製が起こる核に到達するであろうかを確認
するために、実施例1Aに記載の合成I−SceI配列を、核トランスロケーシ
ョンシグナル(NLS)によりそのN−末端で融合させた。この融合は適切なプ
ラスミドのバックボーン中のNLSの下流にI−SceI配列を挿入することに
より実施された。次いで、BspHI及びNotIによる消化により、NLS−
I−SceIフラグメントを除去し、生成したフラグメントをプラスミド、pE
F−myc−nuc(Invitrogenから購入)にクローン化して、pEF−Sce
Iを得た。pEF−myc−nucはヒト伸長因子1αから由来した強力な構成
プロモーターを含む。293−I−SceI細胞系は、G418の200μg/
ml下で選択されたリポフェクトアミン(Gibco BRL)を使用してプラスミドp
EF−SceIを293細胞にトランスフェクションすることにより構成した。
【0066】 G418耐性クローン(22)が選択され、MOI 10においてAd−3I
で感染後、I−SceI発現につき分析された。HirtDNAを感染の36時
間後に抽出した。ヒトα1−アンチトリプシンcDNAプローブを使用してサザ
ン分析を実施した。1.7kb及び2.8kbのフラグメントを得た。1.7k
bフラグメントはAd−3Iのα1−アンチトリプシン遺伝子の前及び後のI−
SceI部位の消化からもたらされる。結果は大部分のG418の正の(positi
ve)クローンがインビボにおいてヘルパーAd−3Iゲノムを消化する能力をも
つことを示した。
【0067】 これらの細胞系は37℃の5%CO2湿度化環境において10%コウシ胎児血
清を添加されたドルベッコの修飾イーグル培地(EMEM)中に維持された。
選択された細胞クローンをスクリーニングするために感染性Ad−3Iヘルパー
ウイルスを使用した。サザンブロットに複数の小さいフラグメントを生成するA
d−3Iゲノムの消化は細胞中の活性I−SceIの指標である。ほとんどすべ
ての細胞クローンが、インプットされたアデノウイルスを消化する機能的酵素を
有した。一方、インビトロの消化で認められたものに対して、インビボの消化は
完全ではないように見える。2.8kbのフラグメントが容易に認められ、それ
はCMVプロモーターとα1−アンチトリプシンの間に配置された第2のI−S
ceI部位が100%までは消化されないことを示唆している。これは恐らく、
哺乳動物細胞の細胞的環境がインビトロの消化ほど最適化状態ではないことによ
る。 (実施例3−組み換えアデノウイルスの産生) A. ヘルパー依存性ベクターの産生 ヘルパー依存性ベクター、Ad−Δ−lacZを、本質的にFisher et al, Vi rol .,217:11-22(1996)に記載のように産生した。このベクターは、bp1〜36
0(5’逆方向末端反復(ITR)配列)を包含するAd5の左末端からの配列
、サイトメガロウイルス(CMV)の極初期エンハンサー/プロモーターの複写
調節下のlacZミニジーン、並びに、ゲノム(3’ITR)の末端にbp35
,353の長さのAd5の右末端からの配列を含む。このプラスミドは、Eco
RIによる消化がプラスミドバックボーンからAd−Δ−lacZゲノムの末端
を解放するように成っている。 B. 組み換えアデノウイルスの産生 プラスミドAd−Δ−lacZをEcoRIにより線状化し、293細胞又は
、本発明の293I−SceI発現細胞系にトランスフェクションさせた。ヘル
パーウイルスAd−31をMOI5で感染させた。細胞を完全な細胞変性効果(
CPE)で収集した。細胞を3回凍結及び解凍を繰り返した後、細胞ライゼート
を前記に引用されたFisher et al,の文献に記載のように、X−Gal染色によ
るウイルス滴定の決定に使用した。細胞ライゼートはまた、ヘルパー依存性ベク
ターAd−Δ−lacZの救助を許すために第2回目の増幅にかけ、それは本質
的に、前記に引用されたFisher et al.,に記載のように実施された。 C. I−SceI細胞系がヘルパー依存性アデノウイルス産生を高めた すべてのアデノウイルス遺伝子を欠失された組み換えアデノウイルスの産生に
おける293I−SceI細胞系の性能を図4に示している。欠失されたAdベ
クター、EcoRI−消化pAd−Δ−lacZ(10μg)を3種の細胞系、
通常の293細胞系及び2種の独立したクローン、293−I−SceI((a
)及び(b)と名付けた)、の各々の1×105の細胞にトランスフェクション
させた。トランスフェクション後に、細胞をMOI5においてAd−3Iヘルパ
ーウイルスで感染させた。細胞ライゼートを感染の96時間後に収集した。細胞
ライゼートの一部を第1回目の増幅に対するAd−Δ−lacZウイルス滴定の
滴定量を決定するために使用した。細胞ライゼートの残りを同一細胞系の第2回
目の増幅に使用した。滴定量は同一条件下で顕微鏡下でフィールド当たりlac
Z形成単位(LFU)として示した。図4を参照されたい。
【0068】 興味深いことには、ヘルパー依存性ウイルスの初期救済(initial rescue)は
293細胞において、より良好であり、他方、ヘルパーウイルスのその後の増幅
は293−I−SceI細胞系において、より良好であった。これは、適当な量
のヘルパーウイルスの初期救済段階における重要性を反映している可能性がある
。293−I−SceI細胞系においては、ヘルパーウイルスの量はI−Sce
I消化のために減少する。増幅手順においては、ヘルパーウイルスとベクターの
バランスがより重要である。
【0069】 Ad−3I−293−I−SceI系の更なる特徴付けは図5に示される。こ
の実験においては、同量のヘルパーウイルス及びEcRI−消化プラスミドAd
−Δ−lacZを同量の293細胞、293−I−SceI(a)細胞及び29
3−I−SceI(b)細胞(2種の異なるクローン)を感染させるために使用
した。ヘルパーウイルスの量は293−I−SceI細胞系において減少させた
。しかし、ヘルパーウイルスの収率は増幅の一段階において10〜100倍増加
する。 (実施例4−ヘルパー依存性組み換えアデノウイルスの産生) A. rAAVベクター発現I−SceI酵素の産生 プラスミドpAAV−SceIを、pEF−SceIからの平滑末端EF−n
uc−I−SceIカセットを、XbaI部位でpSub201にクローン化す
ることにより構成した。感染性AAV−SceIは、前記の方法[Xiao, J.Viro l .,72:10222-10226(1998)]を使用して産生した。 B. ヘルパー依存性組み換えアデノウイルスの産生 293細胞(1×105)をEcoRI−消化pAd−Δ−lacZ及びrA
AV−SceI(MOI 10)の10μgでトランスフェクションする。トラ
ンスフェクション後、細胞をMOI5においてAd−3Iで感染させる。細胞ラ
イゼートを感染の96時間後に収集する。 (実施例5−293−I−SceI細胞系及びrAAV−SceIベクターの特 徴付け 本発明のヘルパー依存性rAdウイルス産生法を更に研究するために、293
細胞、293−I−SceI細胞系、又はrAAV−EF−I−SceI(MO
I10)同時感染を伴う293細胞のいずれかからの溶媒中へのAd−3I感染
(0.1、1、10、100、200からのMOI)後のレポーター遺伝子発現
のレベル(α1−アンチトリプシン遺伝子発現)を、[Xiao et al, J.Virol.,7
2:10222-10226(1998)]により記載のように実施されたELISAにより、多様
な時点においてモニターした。
【0070】 ヒトα1−アンチトリプシンcDNAに特異的なプローブを使用して、Hir
tDNAのサザンブロットを実施した。1.7kb、2.8kb及び32kbの
DNAフラグメントを得た。これらのフラグメントはI−SceIによる消化を
示している。HirtDNAを感染の24時間後に抽出し、0.8%アガロース
ゲル中で電気泳動した。結果は明らかに、ヘルパーウイルス、Ad−3Iの複写
が、細胞系のI−SceI遺伝子発現の存在下で劇的に低下したことを示した。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 ヒト293細胞系から発現されたI−SceIを使用する組み換えアデノウイ
ルスの産生のスキームによる図である。
【図1B】 機能的I−SceI酵素を送達するために組み換えAAVベクターを使用する
組み換えアデノウイルスの産生のスキームによる図である。
【図2】 本発明の組み換えアデノウイルスヘルパーウイルス、Ad−3Iの詳細な制限
マップである。3カ所のI−SceI部位、それぞれ、CMVプロモーターの前
に位置するもの、CMVプロモーターとα1−アンチトリプシン遺伝子の間に位
置するもの及び、α1−アンチトリプシン遺伝子の後に位置するもの、が存在す
る。CMV−α1−アンチトリプシンカセットはアデノウイルスゲノムの3’末
端の直後に位置していた。
【図3】 ヒト293細胞中のI−SceI酵素の存在下でAd−3Iからの遺伝子発現
の時間的経過を提供する線グラフである。Ad−3I(MOI 10)はMOI
10において、293細胞、293−I−SceI細胞系又は、rAAV−I
−SceI随伴の293細胞のいずれかを感染された。培地中のヒトα1−アン
チトリプシンの量をグラフに示した多様な時間において、ELISAにより測定
した。
【図4】 293I−SceI細胞系がヘルパー依存性アデノウイルス産生を高めたこと
を示す棒グラフである。
【図5】 培地中に分泌されたα1−アンチトリプシンとして示された感染48時間後に
おけるヘルパーウイルスにより決定された、本発明のI−SceI細胞系の性能
を示す棒グラフである。消化されたヘルパーウイルスはα1−アンチトリプシン
を発現することはできない。同量のAd−Δ−LacZベクター及びAd−3I
混合物を使用して、同量の293、293−I−SceI(a)、293−I−
SceI(b)細胞を感染させた。ウイルスは感染の48時間後に収集された。
lacZ−形成単位(LFU)をX−Gal染色により決定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ウイルソン,ジエイムズ・エム アメリカ合衆国ペンシルベニア州19035グ ラドウイン・ノースアビニヨンドライブ 1350 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 CA04 DA03 EA02 FA02 FA10 GA11 HA09 HA17 4B065 AA93X AA95Y AC14 BA02 CA31 CA44

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウイルスパッケージングのためにヘルパーウイルスを必要と
    するベクターからのウイルスの産生方法であって、 (a) 宿主細胞に対して異種の希有切断制限酵素を発現する宿主細胞を提供す
    ること、(b) 選択されたタンパク質及び、該タンパク質の発現を命令するの
    に有用な調節配列をコードする導入遺伝子を含有するミニジーンを含んで成る組
    み換えウイルスベクターを宿主細胞中に導入すること、 (c) ヘルパーウイルスに対して異種である希有切断制限酵素のための多制限
    部位を含むように操作された組み換えヘルパーウイルスを宿主細胞中に導入する
    こと、並びに (d) ウイルス中への組み換えウイルスベクターのパッケージングを可能にす
    る条件下において、組み換えウイルスベクター及びヘルパーウイルスでトランス
    フェクションされた宿主細胞を培養すること(ここで、ヘルパーウイルス及び宿
    主細胞が組み換えウイルスベクターにウイルスパッケージングに必要なウイルス
    遺伝子を提供するものである。)、 の段階を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 細胞系が更にヘルパー機能を発現する、請求項1記載の方法
  3. 【請求項3】 制限酵素がI−SceIである、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 細胞系が核内で制限酵素を発現する、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 細胞系が誘導可能プロモーターの制御下で制限酵素を発現す
    る、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 細胞系が構成プロモーターの制御下で制限酵素を発現する、
    請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 ウイルスベクターがアデノウイルスベクター、アデノ−随伴
    ウイルスベクター、レトロウイルスベクター及びレンチウイルスベクターからな
    る群から選択される、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 ウイルスベクターが他の機能的アデノウイルス遺伝子の不在
    下で、ミニジーンをパッケージングしそして包膜化フランキングするのに必要な
    アデノウイルスの5’シス−エレメント及び3’シス−エレメントを含んで成る
    組み換えアデノウイルスベクターである、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 ウイルスベクターが、ヘッドからテールへの配向でパッケー
    ジング及び包膜化に必要なアデノウイルスの5’及び3’シス−エレメントを含
    んで成る組み換えアデノウイルスベクターである、請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 アデノウイルスの5’シス−エレメントが、5’逆方向末
    端反復配列又はそれらの機能的フラグメントを含んで成る、請求項9記載の方法
  11. 【請求項11】 アデノウイルスの3’シス−エレメントが、3’逆方向末
    端反復配列又はそれらの機能的フラグメントを含んで成る、請求項9記載の方法
  12. 【請求項12】 組み換えヘルパーウイルスが、組み換えアデノ随伴ウイル
    ス、レトロウイルス、レンチウイルス及び組み換えアデノウイルスからなる群か
    ら選択される、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 組み換えヘルパーウイルスが、3カ所のI−SceI制限
    酵素部位を含んで成る、請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 組み換えヘルパーウイルスが宿主細胞内に発現されたI−
    SceI酵素による消化後に、複製及びパッケージングを不可能にされる、請求
    項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項1の方法により産生された組み換えウイルス。
  16. 【請求項16】 細胞核内の希有切断制限酵素を発現する安定な哺乳動物の
    細胞系。
  17. 【請求項17】 制限酵素がI−SceIである、請求項16記載の細胞系
  18. 【請求項18】 細胞系がヒトの細胞系である、請求項16記載の細胞系。
  19. 【請求項19】 前記ヘルパーウイルスが、パッケージングシグナルの下流
    に希有切断の、異種の制限酵素部位を含むように操作されている、組み換えウイ
    ルスベクターのヘルパー依存性の産生に有用な組み換えヘルパーウイルス。
  20. 【請求項20】 制限酵素がI−SceIである、請求項19記載の組み換
    えヘルパーウイルス。
  21. 【請求項21】 前記ヘルパーウイルスが多I−SceI部位を含んで成る
    、請求項20記載の組み換えヘルパーウイルス。
  22. 【請求項22】 前記ヘルパーウイルスが組み換えアデノウイルスである、
    請求項19記載の組み換えヘルパーウイルス。
  23. 【請求項23】 前記ヘルパーウイルスがパッケージングシグナル、第1の
    I−SceI部位、プロモーター、第2のI−SceI部位、レポーター遺伝子
    、第3のI−SceI部位及びアデノウイルスの配列を含んで成る、請求項22
    記載の組み換えヘルパーウイルス。
  24. 【請求項24】 パッケージングのためのヘルパーウイルスを必要とするウ
    イルスベクターからのウイルスの産生方法であって、 (a) 選択されたタンパク質及び、該タンパク質の発現を命令するのに有用な
    調節配列をコードする導入遺伝子を含有するミニジーンを含んで成る組み換えウ
    イルスベクターを宿主細胞中に導入すること、 (b) ヘルパーウイルス及び宿主細胞に異種の制限酵素のための、希有切断制
    限部位を含むように操作された組み換えヘルパーウイルスを宿主細胞中に導入す
    ること、 (c) 宿主細胞に制限酵素を送達すること、並びに (d) ヘルパーウイルス及び宿主細胞が組み換えウイルスベクターに、ウイル
    スパッケージングに必要なウイルス遺伝子を提供し 制限酵素が組み換えアデノウイルスベクターの産生後に組み換えヘルパーウイ
    ルスを開裂する、 ウイルス粒子中への組み換えアデノウイルスベクターのパッケージングを可能
    にする条件下において、組み換えウイルスベクター及びヘルパーウイルスでトラ
    ンスフェクションされた宿主細胞を培養すること、 の段階を含んで成る方法。
  25. 【請求項25】 制限酵素が、宿主細胞内の制限酵素の発現を命令する調節
    配列の制御下で、制限酵素をコードする組み換えウイルスを介して宿主細胞に送
    達される、請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 制限酵素をコードする組み換えウイルスが、約100rA
    AVのゲノム粒子の感染多重度で送達される、組み換えアデノ−随伴ウイルスで
    ある、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記組み換えウイルスが完全なヘルパーウイルスは実質的
    に含まない、組み換えウイルスを含んで成る細胞ライゼート。
  28. 【請求項28】 請求項27の細胞ライセートから精製した組み換えウイル
    ス。
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