JP2003521395A - 天然重合体に基づく材料およびその材料に基づく製品の処理 - Google Patents

天然重合体に基づく材料およびその材料に基づく製品の処理

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Abstract

(57)【要約】 天然高分子材料を含んでいる基材を変性して、その基材の他の材料との相互作用を改善する方法。この方法は、A.天然高分子材料を含む基材を、有機官能性カップリング剤および多官能性アミン含有有機化合物より成る群から選ばれる変性剤により処理し;そしてB.場合によって、上記の天然高分子材料を含んでいる基材を:i)上記基材を上記変性剤による処理前または処理中に溶媒による抽出に付して、上記天然高分子材料関連の可抽出性物質の含有量を低下させる処理;ii)上記変性剤による処理前、処理中または処理後のいずれかにおける、静的物理場、高周波交番物理場およびそれらの2つ以上の組み合わせから選ばれる物理場による処理;およびiii)上記変性剤による処理前または処理中の、上記天然高分子材料の少なくとも一部の酸化処理より成る群から選ばれる1つ以上の処理に暴露する工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、天然高分子材料を変性してそれら高分子材料の他の材料との相互作
用能力を改善する方法に関する。
【0002】 発明の背景 天然の高分子材料は、生物系からの、または生物系から誘導された高分子材料
である。天然高分子材料の例に、セルロース系材料および澱粉系材料のような多
糖類;蛋白質系材料;生物系で生ずるが、合成法を用いて製造される単量体から
誘導された重合体;および微生物によって産生された重合体がある。
【0003】 多糖類は植物の構造材料の主要部分を構成するもので、これにはセルロースお
よびその誘導体、澱粉類、ペクチン類およびヘミセルロース類がある。セルロー
スは最も豊富な多糖類であって、多年生植物の重量の半分を構成する。植物材料
、木材、木材製品および木材に基づく製品、紙、および天然セルロース系繊維を
含んでいる他の物質のようなセルロース系材料は最も重要な材料源の1つであり
、建造物と外装材/羽目板のようなそれらの構成部材、窓枠、ドアとドア枠、敷
板および他の板材料、家具、衣料および紙製品を含めて広範囲の目的物で使用さ
れる。木材はその未加工形態で使用されるばかりでなく、繊維、ストランドの形
でも使用され、またはチップ化された木材はパルプ紙、繊維板、合板、配向スト
ランド板、積層板、ペレット、天然または合成高分子マトリックスまたは無機マ
トリックスのいずれか、および/またはバインダーとの複合材料、並びにこの技
術分野の当業者に知られている他の製品を製造するのに使用される。
【0004】 ペイント、接着剤、合成樹脂、金属塗料、導電性または電荷移動材料、UV−
、IR−またはMV吸収性材料、インキ、防腐剤および複合構成部材のような、
他のタイプの有機および/または無機材料の、天然高分子材料に対する効率的か
つ耐久性の結合および接触は、多数の重要な工業用途において、これら製品の性
能および寿命にとって決定的に重要である。これらの用途において、それらはこ
れら製品の表面または大部分に適用することができる。
【0005】 セルロース系材料のような天然重合体に基づく植物製品は、湿潤および結合さ
せるのが困難なことが多い。多くの他の特定機能におけるそれらの使用も、低表
面エネルギー、不相溶性、化学的不活性、または汚染物および弱い境界層の存在
の故に問題がある。基材/接着剤および/または強化材/マトリックス界面に十
分な接着性がないことが、材料性能を不良にし、これら材料を用いて製造される
製品の可能な用途を制限していることが多い。製品または複合材の、制御され、
または最大化された性能、およびペイント、接着剤、機能性塗料、生物活性材料
または他の材料との制御された接着性レベルを達成するためには、上記諸困難の
1つ以上を克服するのに効果的な表面処理がしばしば必要とされる。
【0006】 特定の用途の1例は、有機溶媒系または水系ペイントまたは粉末被覆に適した
ペイントを必要とする、セルロース系基材上における静電塗装法である。静電塗
装法には、80%以下の少ないペイントが使用され、そして少ないペイントを使
用するとそのVOCを著しく低下させることができるので、慣用の塗装法を越える
利点がある。静電塗装の必要条件を満たすには、重合体系材料の表面/界面層が
、導電性、および基材とペイントとの双方に対して良好な接着性を有していなけ
ればならない。
【0007】 木材の性質は、その木材のペイントおよび他の材料との結合能力に著しい影響
を及ぼす。晩材−早材界面における寸法変化は、このゾーンにおけるフィルム形
成性仕上剤中に亀裂を引き起こす可能性がある。晩材上のペイント破壊はこれら
の亀裂から始まることが多い。晩材の年輪が成長の遅い木の場合のように十分に
狭いならば、その応力は小さくなり、従ってペイントが亀裂または剥離を起こす
傾向は広い晩材年輪上におけるよりも小さい。広い晩材年輪は、普通、四つ割り
されたヒマラヤスギおよびセカイヤメスギにはなく、これら種の塗装性が改善さ
れている。軟材での広い晩材年輪は被覆または塗装するか、または他のタイプの
仕上げ処理ができるようにすることが困難な表面を与えることは十分に立証され
ている。
【0008】 水もペイントの剥離を引き起こす。たとえ他の因子が関係しているとしても、
水はペイントの接着性劣化を加速する。木材が塗装されるときに、木材の水分率
が20%を超えるならば、膨れや剥離の危険が増す。
【0009】 屋外暴露による木材表面の腐食は遅いプロセスではあるけれども、機械加工木
材の貯蔵または屋外暴露で数週間以内に起こる化学変化は、その貯蔵または屋外
暴露表面に引き続き適用された接着剤またはペイントの接着性を劇的に減少させ
る可能性がある。過度に長い期間貯蔵されたか、または劣悪な状況で屋外暴露さ
れた木材は、接着性ペイントを非常によい状態に保持しておくことはできない。
しかし、ほんの2,3週間の期間であっても、木材は無傷で、無暴露木材と全く
同じように見えることがあるが、1、2、4、8または16週間にわたって予備
屋外暴露され、次いで接着結合または塗装されている板にかんなを掛けて滑らか
にすると、4週間の予備屋外暴露後に接着剤またはペイントは接着強さを劇的に
失うパネルでは、1週間だけの予備屋外暴露でそのペイントは無屋外暴露木材よ
りも速く剥離し始めることがある。
【0010】 ペイントの適用は、特に、木材基材の表面浅割れが起こると性能不良になりや
すい。これらの浅割れは塗膜の亀裂および剥離を開始させる。キルン乾燥はこの
状態を劇的に減少させるが、必ずしも、望ましいものでも、或いは便利なもので
もない。
【0011】 多くの実際的な用途では、天然高分子表面の湿潤性を変えることが望ましい。
天然高分子材料およびそれらの複合材物品の表面も、有機および/または無機の
液体またはこれら液体の蒸気によるある特定レベルの湿潤性または傾斜湿潤性を
示すことが必要とされることがある。特定の最終用途に依存するが、その液相ま
たは縮合物には、均一な膜(水性組成物には親水性膜が必要とされる)を形成す
ることが必要になり、或いはまた不湿潤性液体撥水表面(水性組成物には疎水性
表面)上で玉になることが必要になるだろう。また、ある場合には、中間レベル
の湿潤性が望ましいこともあり得る。規定のまたは明確に定義された湿潤性を持
つ表面/界面は、重合体表面の再構成および連続洗浄サイクルの悪影響を克服し
て、有効性を留めておくようにしなければならない。
【0012】 セルロース系材料は、また、マトリックスまたはバインダーとしての、また場
合によっては他の充填材材料としての合成樹脂若しくは天然重合体系樹脂または
無機材料との、シート、粒子または繊維、ストランド、織物の形をした複合材の
製造においても使用される。このような製品には、特に水分の存在下で、また温
度の変動で分解する傾向がある。
【0013】 高湿度、温度変動およびUV照射に付される固体材料または複合材系の製品ま
たは集成体に対する接着耐久性は、これらの製品が建築工業または自動車工業で
使用される無塗装または塗装外側部材のような屋外用途用であるとき、決定的な
ほど非常に重要である。その界面/中間層の熱水安定性が、表面変性プロセスの
成功および最終的な製品性能を決めることが多い。
【0014】 天然または合成重合体系材料には、しばしば、他の材料に対する良好な接着ま
たは化学的結合のような表面特性を与え、同時に、強さ、可撓性または弾性、不
活性または反応性、導電性または熱伝導性、UVまたはIRエネルギー吸光性、
水分または蒸気バリヤー性、殺生物または殺カビ機能、或いは各種用途のための
湿潤性のような多種多様な範囲の物理化学的性質を与えることが求められる。
【0015】 有機、無機および金属塗料、接着剤、防腐剤、または天然高分子材料、特にセ
ルロース系材料に対する、天然および/または合成重合体並びにそれら重合体の
無機相当物に基づく強化用樹脂のような材料の性能および接着性が、従って、重
要な研究および開発の主題であった。
【0016】 本発明者は、セルロース系材料のような天然高分子材料に対する材料の結合は
、その天然重合体系材料をある種特定の化学薬品を用いて変性することによって
実質的に改善できることをここに見いだした。
【0017】 概要 本発明は、天然高分子材料を含んでいる基材を変性してその基材の他の材料と
の相互作用を改善する方法であって; A.天然高分子材料を、有機官能性カップリング剤および多官能性アミン含有
有機化合物より成る群から選ばれる変性剤により処理し;そして B.場合によって、上記高分子材料を、次の: i)上記基材を溶媒、好ましくは水系溶媒による抽出に付して、上記天然高 分子材料関連の可抽出性物質の含有量を低下させる処理; ii)静的および交番物理場に対する暴露処理;および iii)上記天然高分子材料の少なくとも一部の酸化処理 より成る群から選ばれる1つ以上の処理法により処理する工程を含む上記の方法
を提供するものである。
【0018】 この明細書の説明および特許請求の範囲全体を通じて、語「含む(comprise)
」並びに “comprising(含む)”および “comprises(含む)”のような上記
語の変化形は、他の添加剤、または成分、または完全体、または工程を排除する
ことを意図しない。
【0019】 説明 天然高分子材料は表面変性剤、好ましくは多官能性アミン含有化合物、有機官
能性カップリング剤およびそれらの混合物より成る群から選ばれる表面変性剤に
より処理される。この変性剤は、スプレイ、冷たい若しくは熱い蒸気、エーロゾ
ルを形成するように、または飽和剤として、周囲圧力下および/または昇圧下、
または周囲圧力未満の圧力(例えば、真空)下で、室温から、上記変性剤または
その成分のいずれかの沸点まで、およびその沸点より高い温度までの範囲の任意
の温度において適用することができる。
【0020】 本発明者は、また、少なくとも1種の架橋性化合物をポリアミン含有化合物ま
たは有機官能性カップリング剤と組み合わせて使用し、そして天然高分子材料上
に適用して架橋した網状構造を与えるときは、界面接着性の長期耐久性が顕著に
改善されることも見いだした。この発明は、また、天然高分子材料基材の表面を
活性化して化学的にさらに反応性の基を導入し、表面の注文通りの仕上げを容易
にする方法も提供する。架橋ポリアミン網状構造の形成には、本発明者は、架橋
構造は表面に生成される化学的官能基の安定性を改善する際により有効であるこ
とを見いだしているので、従来技術を越える著しい利点がある。本発明の1つの
態様においては、重合体系材料に対して満足できる接着性、および各種用途で必
要とされるかもしれない多種多様な範囲の他の物理化学的性質を有する表面層を
与えるために、官能性分子および/または充填材を上記架橋性ポリアミン配合物
に加えることができる。
【0021】 天然高分子材料に対する変性剤の総合的な接着性を改善するには、天然高分子
基材を、次の処理の1つ以上に暴露することが望ましい。 (i)上記基材を溶媒、好ましくは水系溶液媒体による抽出に付して、その天
然高分子材料関連の可抽出性物質の含有量を低下させる処理; (ii)上記基材を静的および/または交番物理場に対して暴露する処理;お
よび (iii)上記天然高分子材料の少なくとも一部の酸化処理。
【0022】 工程(i)について、この処理法は、好ましくはセルロース系材料を溶媒また
は水系媒体による抽出に付して、そのセルロースの表面に付いている、フェノー
ル誘導体、ガム類、リグニン、その他の可抽出性物のような非セルロース系物質
の含有量を低下させることによるセルロース系材料の準備を含む。この抽出プロ
セスはアルカリ水溶液に基づく侵出処理を含むのが好ましく、またこの操作の効
率を高めるのを助ける他のプロセスを含んでいることもできる。セルロース系材
料、特に双子葉植物からのセルロース系材料の抽出による処理は、そのセルロー
ス系材料と変性剤との間に望まれる相互作用を顕著に改善することが見いだされ
た。望むならば、上記処理剤の混合物を用いてもよい。
【0023】 非セルロース系の樹脂状物質の抽出は、そのセルロース系材料を高圧スチーム
、および/または水および/または他の適切な溶媒を含んでいる水系溶液に暴露
することによって促進することができる。抽出剤は、典型的には、セルロースフ
ィブリルの表面および/または内部に存在するリグニン、フェノール系ガム類、
その他の可抽出性物質の1種以上を少なくとも一部は抽出できる適切な化学薬品
を含む。この抽出プロセスは、熱エネルギー、および/または、限定されるもの
ではないが、例としてマイクロ波場、高周波場また超音波場を挙げることができ
る高周波交番物理場のような静的および/または交番物理場の適用によって効果
的に促進することができる。抽出はアルカリ水溶液を用いるのが最も好ましく、
そしてそれは少なくとも30℃、さらに好ましくは少なくとも80℃の昇温され
た温度にあることができる。
【0024】 工程(i)の抽出プロセスを増強し、或いは変性剤と天然高分子基材との間の
反応を増すために、静的または交番外部場を適用することもできる。 天然重合体に基づく材料またはセルロース系材料の表面を酸化する工程は、コ
ロナ放電、火炎処理、プラズマ処理、UV線、電子線、オゾン、エキシマーレー
ザーまたは化学的酸化のような方法を利用することができる。
【0025】 1つの好ましい態様において、本発明は、従って、次の: 天然高分子材料を、(a)上記高分子材料と反応性である、ポリアミンが第一
および第二アミン基から選ばれる少なくとも2個のアミン基を含めて少なくとも
4個のアミン基を含むものであるポリアミン含有化合物または有機官能性カップ
リング剤、および(b)上記ポリアミンと反応性である架橋剤と接触させて、上
記天然高分子材料上にクラフトされた架橋構造を与える ことを含む、天然高分子材料の変性方法を提供する。
【0026】 天然高分子材料を、上記ポリアミンまたは有機官能性カップリング剤と反応性
である官能基を与えるように処理することが特に好ましい。反応性官能基は、抽
出、静的および/または交番物理場に対する暴露、酸化またはこれら工程の2つ
以上を含めて上記で言及した処理工程の1つ以上によって与えることができる。
【0027】 表面酸化は本発明のこの面において特に好ましい処理法である。従って、この
好ましい態様においては、本発明は、天然高分子材料を含む基材の表面を変性す
る方法であって、天然高分子材料の表面を酸化してその表面に官能基を与え、そ
してその表面を、(a)上記官能基と反応性であるポリアミン含有化合物または
有機官能性カップリング剤、および(b)上記ポリアミン含有化合物または有機
官能性カップリング剤と反応性である架橋剤と接触させて、上記天然高分子材料
にグラフトされた架橋構造を与えることを含む上記の方法を提供する。
【0028】 表面は、それをポリアミンまたは有機官能性カップリング剤および架橋剤で順
次処理してもよいし、或いは変性剤と架橋剤との混合物で処理してもよい。 架橋剤は、ポリアミンまたは有機官能性カップリング剤が表面官能基と反応す
る前にポリアミンと反応できることは理解されるだろう。従って、本発明は、ポ
リアミンまたは有機官能性カップリング剤および架橋剤を反応させて、表面を接
触させる際に使用されるそれらの反応生成物を形成する態様を包含する。
【0029】 天然高分子材料 この発明のために使用される天然高分子材料に多糖類があり、その最も重要な
例の内の2種がセルロース系および澱粉系の材料である。両者は植物系物質に由
来するものであり、そしてこのような材料の場合、植物系材料中で自然に生ずる
他の物質も存在し得る。蛋白質系重合体も本発明に包含される。例えば、限定さ
れるものではないが、カゼイン生成物またはコムギグルテン生成物に基づく材料
がある。天然高分子材料は、また、生物系中に見いだされる単量体に基づくこと
ができるが、その材料は合成で製造されもので、その1例は乳酸に基づく重合体
または共重合体である。この発明に包含されるもう1つ別のタイプの天然高分子
材料は、微生物によって産生されるものである。このような材料の例は、限定さ
れるものではないが、ポリヒドロキシブタレート、ポリヒドロキシバレレート、
またはヒドロキシアルカン酸を含む共重合体のようなポリヒドロキシアルカノエ
ート類である。
【0030】 天然高分子材料は、繊維、粒状物、シート(例えば、紙)、プレート、ボード
または成形物品を包含する多数の形に分類することができる。 セルロース系材料は、リグニンのような他の天然物質と関連があるグルコース
から誘導されている重合物質の材料であるか、またはそのような重合物質を含ん
でいる材料である。セルロース系材料には、植物起源の天然繊維、並びにこれら
天然材料から、用材、仕上げ加工用材、厚板、平形シート、フィルム、複雑な成
形物品、粒状体、テクスタイル、織物、不織布、コード、ブラシ、マット、紙、
個々の繊維、およびそれらの混合物のような形に加工することによって形成され
た製品がある。これらは固体の単一材料、積層製品または混成材料であることが
できる。セルロース繊維または木材チップは、複合材または再構成木材製品、パ
ーティクルボード、積層品、木材複合物、レーヨンおよび植物繊維において使用
することができる。処理することができる植物繊維の例に、ケンプ、黄麻、亜麻
、ケナフ、ラミー、サンヘンプ、カディッロ(cadillo)、綿およびカポックの
ような種子毛繊維、チャボトウジュロ繊維、サイザル麻およびピアサバがある。
【0031】 好ましいセルロース系材料は、木材のような多年生植物からの製品または木材
に基づく製品、或いはセルロースに基づく任意のタイプの繊維、またはそれら繊
維の他の合成または天然重合体との配合物である。これら高分子材料は、それら
自体の材料として、或いはまた複合材または集成体の一部として使用することが
できる。例えば、セルロース系材料の層は、重合体、金属、セラミック、有機若
しくは無機または金属塗料、或いは任意のタイプの基材材料のような任意の材料
を含む多層積層サンドイッチの最上層部分をなすことができる。例えばマトリッ
クスとして用いられる用語「合成重合体」は、任意の熱硬化性若しくは熱可塑性
材料或いはそれらの混合物またはブレンドであることができる。
【0032】 セルロースに基づく好ましい基材の例を挙げると、限定されるものではないが
、軟材、硬材、マニラ麻、カンタラ、カロア繊維(caroa)、ヘネッケン繊維、
イスツル繊維(istle:総称)、モーリシャス麻、ニュウサイラン繊維、サンセ
ベリア麻およびサイザル麻のような葉(硬)繊維;チャイナ黄麻のような靭皮(
軟)繊維;亜麻、大麻、黄麻、ケナフ、ラミー、ローゼル繊維、サンヘンプおよ
びカルディッロ(cardillo);綿およびカポックのような種子毛繊維;エニシダ
の根(植物の地下部)のような種々雑多な繊維;コイア(ココナツの包皮繊維)
、チャボトウジュロ繊維(ヤシの葉のじょう嚢)、ピアサバ(ヤシの葉の基部繊
維);ビスコース繊維(コード)および軟材クラフトがある。
【0033】 軟材の典型的な例を挙げると、限定されるものではないが、ベイスギ、アリゾ
ナイトスギ、カセイヤメスギ、ストローブマツ、ポンデローサマツ、ラジアータ
マツ、コロラドモミ、アメリカツガ、トウヒ、アメリカトガサワラおよびサウザ
ーン黄色材マツがある。硬材の典型的な例には、イースターンハコヤナギ、モク
レン属花木、ユリノキ、ロカン(Locan:合板)、キハダカンバ、ゴムノキ、ア
メリカスズカケノキ、アメリカニレ、ホワイトオーク、ノーザーンアカガシワ、
ナナカマド、スポッテドガム(Spotted Gum)、並びにユーカリノキ、マホガニ
ーゴムノキ、その他の科に属する他の種類の硬材がある。
【0034】 セルロース系材料は、セルロースの誘導体、例えばセルロースエーテル、およ
び一部または完全にアセチル化されたセルロースを含めて酢酸セルロース繊維の
ようなセルロースエステルを包含する。 人造セルロース系材料、特にレーヨン繊維の構造および性質を取り扱っている
、多年にわたって公刊された多数の研究論文が存在している。
【0035】
【表1】 セルロースは植物繊維全ての必須成分である。
【0036】 セルロースは、数種の細菌、動物および真菌によっても産生される、緑色の陸
生および海生植物の主要な繊維細胞膜材料であり、従って最も豊富な天然材料で
ある(木材中で〜40%、篩部および葉繊維中で70%超、綿中で95%、緑藻
のバロニア・ベントリコサ(Valonia ventricos)の細胞膜中で70%)。
【0037】 セルロースは、一部は配向性(結晶性)、また一部は無配向(非晶質)であり
、それは、多分、元素構成内およびマイクロフィブリル内に規則性および不規則
性の領域が存在する結果であろう。セルロースの接近は比較的容易であって、そ
れによってヒドロキシル基には反応体が近づくことができる。非晶質領域は極め
て接近しやすく、容易に反応するが、これに対して密接充填および水素結合を有
する結晶性領域は相対的に接近しがたい。
【0038】 セルロースは、また、幾つかの多形体で存在する。本来のセルロース、即ちセ
ルロースIは、セルロース繊維が12〜18%のNaOH溶液で再生または処理され
ると(マーセル化)セルロースIIに、またある種特定の化学的処理または熱に
付されるとセルロースIIIおよびセルロースIVに転化される。
【0039】
【化3】 立体配座が異なっているセルロースは異なる性質を示す。結晶化度もセルロー
スの調製法に依存する。1種のセルロースではなく、多数のセルロースが存在す
る。それは化合物ではなく、有用性がセルロースをその最終使用の前に全ての工
程でどのように変性したかに依存する材料である。
【0040】 セルロースは純粋な形では決して生ぜず、代わって、セルロースは、通常、木
材(よく発達したマトリックス)および綿(大きさがほとんどなくなっているマ
トリックス)中に見いだされるような繊維の細胞膜を構成しているリグノセルロ
ース(ヘミセルロースおよびリグニン含有配向セルロースの非晶質マトリックス
)中に埋め込まれている。ヘミセルロースは、通常はリグノセルロースからアル
カリで抽出することができる各種糖類およびある種のウロン酸類の、通常は分枝
している多糖類である。リグニンは、それらの形成がラジカル縮合によるので、
規則的な繰返単位を持たない高度に架橋した芳香族重合体である。工業的に有用
な繊維は、テキスタイル繊維:篩部または茎部繊維(亜麻、黄麻、大麻、ラミー
)、葉繊維(サイザル麻、マニラ麻)および種子および果実の繊維(綿、カポッ
ク);および非テキスタイル繊維(主に硬材および軟材由来)である。繊維膜中
におけるマイクロフィブリルの配置の形態は、物理的性質に、従ってこれら繊維
の使用に著しい影響を及ぼす。
【0041】
【表2】 セルロースの分子構造はその超分子構造に因るものであり、これはまたその化
学的および物理的性質の多くを決定する。完全に伸びきった分子では、隣接する
鎖単位は、それらの平均の面によって互いに180°の角度で配向されている。
従って、セルロース中の繰返単位はアンヒドロセルビオース単位であり、そして
分子1個当たりの繰返単位数はDPの半分である。これは本来のセルロースでは
14000ほどに高い可能性があるが、精製処理が、通常、それを2500のオ
ーダーのある値まで下げる。
【0042】 重合度は、重合体鎖の長さが天然繊維のタイプに依存して変わることを示して
いる。 天然繊維の機械的性質はそのセルロースのタイプに依存する。各タイプのセル
ロースはそれ自体の細胞形態を有し、その形態上の条件が機械的性質を決定する
からである。
【0043】 本発明において使用されるセルロース系材料として、エーテルおよびエステル
タイプの誘導体のようなセルロース誘導体を挙げることができる。エーテル化(
アルカリによる)およびエステル化(酸による)の両処理においては、セルロー
スの予備膨潤が必要である。セルロースの最重要な膨潤性錯体は水酸化ナトリウ
ムとのもので、それらはアルカリとセルロースとの間に所定の化学量論関係を有
する化合物である。このアルカリセルロースは、原セルロースに比較して顕著に
向上した反応性を示す。この膨潤セルロースには試薬がより容易に浸透し、そし
てヒドロキシル基と反応することができる。アルカリセルロースの製造(マーセ
ル化と呼ばれる)は、セルロース変性セルロース材料を製造する際の1つの好ま
しい工程である。
【0044】
【表3】 ヘミセルロースの構成成分は植物毎に大幅に異なる。それらの主要単量体単位
は今だ完全には分かっていないが、色々な仕方で一緒に結合されている各種環置
換フェニル−プロパン類である。構造の細部は供給源によって異なる。機械的性
質はセルロースの機械的性質より低い。4Gpaという値においては、等方性リグ
ニンの機械的性質はセルロースのそれらよりも明確に低い。
【0045】 ペクチンはヘテロ多糖類の集合名で、それはポリガラクツロン酸より本質的に
成る。ペクチンは、アルカリまたは水酸化アンモニウムによる部分中和の後だけ
水に溶ける。
【0046】 天然高分子材料は、また、複合体としてか、共重合体としてか、その天然重合
体を合成重合体で含浸してか、または積層してかのいずれかで、合成重合体との
組み合わせで見いだすことができる。本発明により引き続き表面変性するための
天然高分子材料で含浸し、またはその天然高分子材料と積層し、或いはその天然
高分子材料と組成物を製造するのに適した合成高分子材料の例を挙げると、低密
度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)
、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のようなポリオレフィン;ポリオレフィン
と他の重合体若しくはゴムとの、または無機充填材とのブレンド;ポリオキシメ
チレン(アセタール)のようなポリエーテル;ポリ(ヘキサメチレンアジパミド
)(ナイロン66)のようなポリアミド;ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレン−プロピレン共重合体
(FEP)およびポリ塩化ビニル(PVC)のようなハロゲン化重合体;ポリスチレン
(PS)のような芳香族重合体;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のようなケ
トン重合体;ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなメタクリレート重合体
;ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステル;ポリウレタン;
エポキシ樹脂;シアノアクリレート樹脂;並びにABSおよびエチレンプロピレン
ジエン(EPDM)のような共重合体がある。
【0047】 繊維、粒状物または多孔性の天然若しくは人造製品の形をしたセルロースに基
づく、および他の天然重合体に基づく固体強化材料を含浸、コーティングまたは
結合するのに適した粘度を示す天然重合体も、本発明に従って使用することがで
きる。
【0048】 本発明の変性剤配合物の適用に適した天然または合成重合体表面は、また、バ
ルク変性法(bulk modification)により導入されたカルボン酸基、ヒドロキシ
ル基、無水物基、ケトン基、エステル基およびエポキシ基のタイプの表面反応性
基を含んでいる重合体、およびこれらの官能基を含んでいる重合体とのブレンド
も包含する。バルク変性法には、限定されるものではないが、グリシジル(メタ
)アクリレート、無水マレイン酸、マレイン酸、(メタ)アクリレートエステル
のような不飽和基含有単量体によるバルクグラフト法、またはそれら単量体との
重合体の反応押出法がある。好ましい重合体は、無水マレイン酸若しくはマレイ
ン酸およびグリシジル(メタ)アクリレートでクラフトされたポリオレフィン、
例えばポリプロピレン−グラフト−無水マレイン酸、ポリエチレン−グラフト−
無水マレイン酸、ポリ(エチレン−コ−グリシジルメタクリレート)の市販製品
である。典型的な重合体ブレンドには、マレエート化ポリオレフィン、グリシジ
ル(メタ)アクリレートまたは無水マレイン酸の単独重合体または共重合体とブ
レンドされた重合体、例えばポリ(エチレン−交互(alt)−無水マレイン酸)
、ポリ(イソブチル−交互−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニ
ル)−グラフト−無水マレイン酸の市販製品がある。
【0049】 本発明の方法は、天然高分子物品の表面を変性して、内部特性を実質的に変え
ずにその物品の表面特性を変えるために使用してもよいし、或いはまた、天然に
産するかまたは人造のいずれかの多孔性材料内部表面の処理のために使用しても
よい。本発明のこの態様においては、天然高分子物品の表面は、変性剤と接触さ
せる前、接触中または接触後に用いられる前記随意工程(i)、(ii)、(i
ii)またはそれらの組み合わせの1つ以上に付される。表面の全体をこのよう
にして処理してもよいし、或いはまた変性された性質を与えることが望まれる表
面の一部分を処理してもよい。例えば、結合する予定になっている材料と接触せ
しめされるべき天然高分子物品の一部分だけを処理することが望ましいことがあ
る。
【0050】 もう1つ別の態様では、天然高分子物品は、変性剤が物品全体または物品の実
質的な部分を通して浸透できるように処理される。浸透は、天然高分子材料の構
造を開放する方法によって高めることができる。例えば、アルカリ、比較的強力
な酸化剤またプラズマによる処理は、セルロース系材料の構造のさらに完全な浸
透をもたらす傾向がある。
【0051】 1つの態様において、本発明の方法は、(i)天然高分子材料の可溶性成分の
抽出、(ii)静的および/または交番物理場による処理、および(iii)天
然高分子材料の酸化の少なくとも1つを含むことができる。酸化された表面は、
次に、熱エネルギーを含めて交番物理場および/または静的物理場の存在下で変
性剤に暴露することができる。表面変性剤は、一般に、天然高分子材料の表面上
にある酸化された基に対して強い結合を形成する。表面変性剤は、第一アミン、
第二アミン、カップリング剤およびそれらの混合物より成る群から選ばれる少な
くとも1個の官能基を含んでいるのが好ましい。
【0052】 変性剤 表面変性剤(1種以上)の官能性は、表面変性された材料と接触せしめられる
接着剤、ペイント、金属塗料または他の材料の表面化学反応性となじむ表面化学
反応性を与えるのみならず、天然高分子材料との良好な接着性を与えるように選
ばれる。
【0053】 このプロセスは、広範囲の表面官能基の、高分子基材の表面上への連続的な、
費用の掛からない組み込みを、工場プラントおよび設備の比較的小さな改造で可
能にする。これは、表面設計加工済み基材と接着剤、ペイント、印刷インキまた
は他の材料との間の接着性を最適なものにするために、天然高分子材料の表面化
学を、その内部特性を変えずに注文通りに仕上げる可能性を提供する。
【0054】 本発明の方法は、広範囲の接着剤被覆組成物およびラッカーに対する接着性を
改善するために利用することができる。本発明に従って変性された天然高分子材
料と共に使用するための樹脂の例に、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、ウレタ
ン樹脂、シアノアクリレート樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂および尿素ホ
ルムアルデヒド樹脂がある。
【0055】 本発明は、ペイントとラッカー、マトリックス材料の形をした色々な樹脂、防
腐用および必要な製品性能を与える他の媒体に対するセルロース系材料の接着性
を改善する際に有用である。適したペイントおよびラッカーに、重合体ラテック
ス、アルキド樹脂およびポリメタン系ラッカーがある。
【0056】 変性剤は、限定されるものではないが、有機チタネート類、有機シラン類、有
機ジルコネート類および有機アルミネート類から選ばれるもののようなカップリ
ング剤であることができる。特に好ましいカップリング剤は式XaSiYbを有するも
のである:但し、上記の式において、Xは非加水分解性の有機官能性アルキル基
であり、Yは加水分解性基であり、aは1〜3の整数であり、そしてbは4−a
である。特に好ましい群において、その有機官能性シランは構造XaSi(OR)bを有
する:但し、上記の式において、Xはケイ素に安定な共有結合により結合されて
いる非加水分解性の有機官能性基であり、Rは任意、適当なアルキル基、好まし
くはメチルまたはエチルであり、aは1〜3の整数であり、そしてbは4−aで
ある。上記アルコキシ基の加水分解後に得られるシラノール基は、重合体の表面
に導入されたヒドロキシル基および/または他の官能基と反応することができる
。有機官能性カップリング剤の化学構造中で利用できる他の官能性化学基も、基
材の表面に存在するか、または導入された表面官能基と反応することができる。
【0057】 もう1つの好ましい変性剤群は、多官能性アミン含有有機化合物である。この
ような化合物は、第一または第二アミノ基、並びに第一アミノ、第二アミノ、ア
ルコール、フェノール、糖類の各基または複数のそれら基、カルボン酸、アルデ
ヒド、ケトン、アミド、エーテル、エステル、ニトリル、ニトロ、チオール、リ
ン酸、スルホン酸、ハロゲンおよび不飽和基の各基のような1個以上の他の官能
基を含む。この群の好ましい変性剤を挙げると、2個以上のアミン基を含んでい
るC2〜C36の線状、分枝鎖状または環状化合物;多数のアミン基を含んでいる
数平均分子量300〜3,000,000の重合体;C2〜C36のペルフルオロ
アミン類;C2〜C36のアミノアルコール類/フェノール類;C2〜C36のアミノ
酸類;C2〜C36のアミノアルデヒド類/ケトン類;C2〜C36のアミノアミド類
;C2〜C36のアミノエーテル類;C2〜C36のアミノエステル類;C2〜C36
アミノニトロ化合物;C2〜C36のアミノニトリル類;C2〜C36のアミノリン酸
類;C2〜C36のアミノスルホン酸類;C2〜C36のアミノハロゲン類;C2〜C3 6 のアミノアルケン類;C2〜C36のアミノアルキン類;多数のアミン基および非
アミン官能基を含んでいる数平均分子量300〜3,000,000の重合体;
アミノ多糖類等々より成る群から選ばれる多官能性アミン含有化合物である。適
切なカップリング剤および多官能性アミン類の特定の例は、本発明者の米国特許
第5,879,757号、同第5,872,190号明細書およびオーストラリ
ア特許第680,716号明細書に記載されている。
【0058】 最も好ましい変性剤は多官能性アミン類である。この面に従って使用されるポ
リアミン化合物は、4個以上のアミン基を、第一または第二アミンであるこれら
アミン基の内の少なくとも2個と共に含んでいる任意の化合物であることができ
る。ここで、第一アミンは一般式NH2Rを有し、また第二アミンは一般式NHR2を有
し、この場合Rはアルキル、アリール、ビニル、置換アルキル、置換アリール、
置換ビニルまたはこれら基の任意の混合基等々のような任意の有機断片である。
【0059】 ポリアミン化合物は高分子化合物であってもよいし、非高分子化合物であって
もよい。高分子ポリアミノ化合物は、少なくとも4個であるが、多数のアミン基
を、第一または第二アミンであるこれらアミン基の内の少なくとも2個であるが
、好ましくは3個以上と共に含んでいるのがよい。これら重合体の分子量は20
0〜2,000,000である。この発明の1つの好ましい態様では、このポリ
アミノ重合体は、エチレンイミン、アリルアミン、ビニルアミン、4−アミノス
チレン、アミン化アクリレート/メタクリレートという単量体を含んでいる単独
重合体、またはこれら単量体の組み合わせから製造された共重合体、或いはこれ
ら単量体の少なくとも1種を、エチレン、プロピレン、アクリレート/メタクリ
レートおよびエチレンオキシドのような他の任意、適切な単量体と共に含んでい
る共重合体であることができる。
【0060】 線状および炭素環状マルチアミン化合物を包含する非高分子化合物も使用する
ことができる。これらの化合物は、4個以上のアミン基を、第一か第二アミンの
いずれかであるこれらアミン基の内の少なくとも2個と共に有する。このような
化合物の例は、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサアミンおよびベンゼンテトラ
アミンである。
【0061】 上記のポリアミン化合物は、単一のポリアミン成分として、または上記ポリア
ミン化合物の組み合わせとして使用することができる。この発明の1つの好まし
い態様は、ポリエチレンイミン類、即ち200〜750,000の分子量範囲を
有する、線状または分枝鎖状のPEI化合物の使用であり、そのPEI化合物の例はル
パソール(Lupasol)FC、ルパソールWFまたはルパソールPS(BASF社)で
ある。
【0062】 変性剤の濃度は0.000001〜50重量%、好ましくは0.001〜5重
量%であり、この場合最も有用な濃度範囲は0.01〜1重量%である。 変性剤は、水、アルコールまたは他の溶媒のような適切な溶媒中の溶液として
使用してもよい。この溶液の濃度は多くの場合非常に希薄であることができる。
例えば、0.000001もの低い濃度のものが使用できるが、0.001〜1
0%の濃度のものが好ましい。変性剤は、酸化、抽出および静的および/または
交番物理場の適用のような処理工程のいずれかの時点において、およびその工程
に続いて、利用可能ないかなる手段によっても、例えば蒸気スプレイ、エーロゾ
ルによって適用することができる。
【0063】 変性剤は適切な化合物の混合物であってもよい。本発明の1つの好ましい態様
では、酸化された重合体の表面は、相対的に低い分子量(例えば、100〜10
000)を有する第一変性剤、および相対的に高い分子量を有する第二変性剤と
接触せしめられる。相対的に高い分子量の化合物は、上記低分子量化合物よりも
1〜8桁大きい範囲の分子量を有することができる。
【0064】 別法として、天然高分子材料の表面は、上記の低および高分子量変性剤で逐次
的に処理することもできる。 その表面を低分子量変性剤と接触させ、次いでそのグラフトされた低分子量変
性剤の遊離官能基によってその低分子量変性剤と反応させることができる高分子
量変性剤と接触させるのが好ましい。
【0065】 低分子量変性剤と高分子量変性剤との組み合わせを使用するときは、低分子量
変性剤の量は比較的高分子量の化合物より多い、好ましくは1〜6桁多いことが
好ましい。
【0066】 変性剤は、他の望ましい性質を与える官能基を含んでいることができる。これ
ら官能基の例は、例えば本来的に導電性の基、またはドープ状態、自己ドーピン
グ状態または不ドープ状態の基若しくは部分のクラスター;UV吸収性および/
またはIRおよび/または他のエネルギー吸収性基または同分子;電荷含有およ
び/またはイオン交換性基若しくは同分子、または生物官能性基であることがで
きる。或いはまた、任意、適当な、本来的に官能性の、例えば導電性、感光性の
化合物;電荷含有化合物;UVおよび/またはIR吸収性化合物、または他の低
分子量か高分子量のいずれかの化合物、或いは多官能性アミン含有化合物または
シランと予備反応せしめられて、低分子量または高分子量の、線状および/また
は分枝鎖状の、および/または超分枝鎖状化合物のいずれかを生成させる重合体
の誘導体もグラフトのために用いることができる。
【0067】 ポリアミンまたは有機官能性カップリング剤による処理に続いて、本発明の方
法は、天然高分子表面を、その天然高分子材料の表面で網状構造を形成するため
に、架橋剤または他の物質と反応させることをさらに含むことができる。架橋の
程度は、ある一定割合の反応性基を未架橋のまま残してペイントまたは接着剤に
対する結合を与えることができるように制御することができる。
【0068】 本発明の態様の1つは、変性基材の酸−塩基特性の、任意の加工処理段階にお
ける制御、好ましくは変性剤の適用前または適用後における制御を可能にする。
この操作は、基材の酸化表面に対する変性剤分子の結合中におけるそれら変性剤
の分子の配向制御を容易にする。この方法の1例は、火炎処理基材の酸−塩基特
性の制御であり、その火炎処理基材は、ある場合には、火炎酸化中に僅かに酸性
の特性を獲得する。この基材の酸度は、多官能性アミン化合物の結合およびその
後の反応に有益である。
【0069】 ビ−アミノ官能性シランの結合の場合、ある場合には、1個のアミノ官能性末
端を上記酸性基材に結合させることが望ましく、これは、その基材表面において
利用可能な僅かに酸性のカルボン酸基とそのアミノシランのアミノ基との間の好
ましい酸−塩基相互作用のために、比較的容易に成し遂げられる。
【0070】 ある場合には、しかし、表面ヒドロキシル基とケイ素原子との間の反応を促進
する様式でシラン分子を配向させることが望ましい。ある場合には、上記アミノ
官能性シランを、適切な酸−塩基特性を示す溶液から、表面−OH基とSiとの間に
おける望ましい結合の形成に有利に働く様式でシラノール分子が基材に結合され
るように適用することが有益であることがある。酸化された基材の表面は、これ
を、基材表面に対するアミノ基の結合を伴う反応を促進する代わりに、上記反応
を有利にするために、上記アミノ官能性シランの適用に先立って、適切な化学試
剤と接触させることもできる。
【0071】 ポリアミノ変性剤のための架橋剤 この発明では、ポリアミノ変性剤が使用されるときに架橋網状構造を与えるた
めに、架橋剤を使用することができる。架橋剤は、少なくとも2個の官能基を、
ポリアミノ化合物と架橋剤との間に安定な結合が形成されるように、ポリアミノ
化合物のアミノ基と反応し得るこれら基の少なくとも1個と共に含んでいる化合
物または重合体と定義される。架橋剤上の他の官能基は、少なくとも2個のポリ
アミノ分子を、もう1つのポリアミノ分子のアミノ基との反応か、または少なく
とも2個の架橋性分子と結合を形成し得る化合物と定義される共架橋性化合物と
の反応のいずれかによって、結合させることができるべきである。ポリアミノ基
との初期反応に適した官能基を挙げると、限定されるものではないが、エポキシ
ド基、無水物基、酸クロリド基、スルホニルクロリド基、ケトン基、アルデヒド
基、カルボン酸基、エステル基、イソシアネート基、アクリレート基、メタクリ
レート基、アクリルアミド基、ハロゲン化アルキル基、アルキン基類等々のよう
なマイケル付加反応を受けやすいビニル基がある。最終架橋工程の原因となる他
の官能基は、シラン基、エポキシド基、無水物基、酸クロリド基、スルホニルク
ロリド基、ケトン基、アルデヒド基、カルボン酸基、イソシアネート基、アクリ
レートまたはメタクリレートエステル基、ハロゲン化アルキル基等々であること
ができる。
【0072】 好ましくは、ポリアミノ化合物対架橋剤の質量比は100:1〜1:100で
あり、約10:1〜1:10が好ましい。 架橋剤上の官能基のタイプと組み合わせは、使用される架橋剤が架橋を高分子
基材の表面で生起させることができるようにすべきであり、かつ適用前の架橋は
最小限となるべきであるという理由から重要である。架橋反応は、次のいずれか
の場合の系を設計することによって制御することが可能である: A.ポリアミノ分子との初期反応は速いが、架橋工程は遅い; B.架橋反応は遅いが、ポリアミノ/架橋剤配合物が酸化高分子材料上で濃縮
されるとはるかに速くなるように、希薄溶液が用いられている; C.溶液中では架橋を抑制する試薬が用いられているが、架橋剤配合物が表面
に適用されると直ぐにその抑制剤は除去される; D.ポリアミノ化合物と架橋剤との混合が高分子表面上への適用に先立って起
こる; E.高分子基材に対する適用直前にポリアミノ化合物の架橋を誘発する試薬ま
たは触媒が、配合物に加えられている; F.ポリアミノ化合物および架橋剤が2つの工程で加えられる; G.これら方策の組み合わせが用いられる。
【0073】 シラン架橋剤 本発明の1つの好ましい態様は、アミンと反応するための少なくとも1個の有
機官能基、および水を添加すると他のシラン基と縮合し、架橋のためのSi-O-Si
を形成するシラン基を含んでいる官能化されたシラン類を使用する態様である。
この架橋性シランの一般式はX-Si-R1(R2)2であり、この場合: 1.Xは、次の基;即ちエポキシド、無水物、酸クロリド、クロロホルメート
、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、イソシアネート、アクリレートまたはメタ
クリレートエステル、アクリルアミドまたはアルキルハリドの内の少なくとも1
種を含み、かつ3〜60個の炭素原子を含んでいる任意の有機断片である; 2.R1は、1〜30個の炭素原子を含んでいるアルコキシド、クロリドまた
は1〜30個の炭素原子を含んでいるカルボキシレートのような加水分解感受性
基である; 3.R2も、また、1〜30個の炭素原子を含んでいるアルコキシド、クロリ
ドまたは1〜30個の炭素原子を含んでいるカルボキシレートより成る群から選
ばれるもののような加水分解感受性基であることができ、R2は、また、1〜4
0個の炭素原子を含んでいる、アルキル、アリール、ビニル、置換アルキル、置
換ビニル、置換アリールまたはこれら基の任意の組み合わせの群から選ぶことも
できる;R2は、また、次の基・エポキシド、無水物、酸クロリド、クロロホル
メート、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、イソシアネート、アクリレートまた
はメタクリレートエステル、アクリルアミドまたはアルキルハリド基の内の少な
くとも1種を含み、かつ3〜60個の炭素原子を含んでいる任意の有機断片であ
ることができる。
【0074】 この発明において使用することができるシランには数多くのものがあり、そし
てこの発明の1つの好ましい態様では、そのシランはX-R1-Si-R2(R3)2と定義さ
れるものであり、この場合: 1.R1は、一般式CnH2n(式中、n=0〜12である)を持つアルケン基また
は式CH2C6H4を持つベンジル基である; 2.Xは、基・メタクリルオキシ、アクリルオキシ、アセトキシ、クロリド、
ブロミド、ヨージッド、グリシドキシ、カルボメトキシ、4−クロロスルホニル
フェニル、イソシアネート、クロロホルメート、カルボクロリド、3,4−エポ
キシシクロヘキシルまたはウレイドから由来する; 3.R2は、クロリド、一般式OCnH2n+1(式中、n=1〜12である)を持つ
アルコキシまたは一般式O2CCnH2n+1(式中、n=1〜11である)のカルボキシ
レートのいずれかである; 4.R3は、基・クロリド、一般式OCnH2n+1(式中、n=1〜12である)を
持つアルコキシ、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチルおよび一般式CnH2 n+1 (式中、n=1〜12である)のアルキルに由来する。
【0075】 この発明の架橋性シランは、水に対する暴露後に予想される一部または完全に
加水分解された状態のみならず、任意の組み合わせで用いることができる。また
、1種以上の共架橋性シランをポリアミノシラン架橋性配合物に加えることもで
きる。共架橋性シランは、架橋プロセス中に、その共架橋性シランが、ポリアミ
ノ化合物に直接結合した架橋性シランとのSi-O-Si結合を介して、グラフトされ
た中間層に組み込まれるときに、その架橋性シラン自体をポリアミノ化合物に直
接結合させることが必要である。共架橋性シランは、一般式SiR1R2R3R4によって
定義される1個以上のシラン基を含んでいる化合物であり、この場合: 1.R1およびR2は、一般式OCnH2n+1(式中、n=1〜12である)を持つア
ルコキシド、クロリド、または一般式O2CCnH2n+1(式中、n=1〜12である)
を持つカルボキシレートのような加水分解性基である; 2.R3、R4も、一般式OCnH2n+1(式中、n=1〜12である)を持つアルコ
キシド、クロリド、または一般式O2CCnH2n+1(式中、n=1〜12である)を持
つカルボキシレートのような加水分解性基であることができる;R3、R4は、ま
た、1〜40個の炭素原子を含んでいる、アルキル、アリール、ビニル、置換ア
ルキル、置換ビニル、置換アリールまたはこれら基の任意の組み合わせであるこ
ともできる。
【0076】 架橋剤としてのアルドール縮合生成物 もう1つの好ましい態様において、有機架橋剤は、アルドール縮合法で重合す
ることができ、その結果として得られるオリゴマーまたは重合体がポリアミノ化
合物の架橋剤として作用することができるアルデヒド若しくはケトン官能基また
はそれらの組み合わせを含んでいることができる。このような架橋剤の例は、グ
ルタルアルデヒド、メチルまたはエチルピルベート、ピルビンアルデヒド、メチ
ルまたはエチルレブネート(levunate)である。また、アルデヒド類とケトン類
との混合物も用いることができ、例えばホルムアルデヒド、グリオキサールまた
はグルタルアルデヒドを、一般式CnH2n+1COCmH2m+1(式中、n=1〜6であり、
またm=0〜6である)を有するケトン類または他のアルデヒドと混合すること
ができる。架橋剤はこれら化合物のいかなる組み合わせに由来することもでき、
そしてその架橋剤を形成する縮合反応はポリアミノ化合物と混合すると起こるこ
ともできるし、或いは、それらは、ポリアミノ化合物の添加前に、アルドール縮
合反応に適した任意、公知の酸、塩基または金属触媒を用いて製造することもで
きる。
【0077】 メチロール架橋剤 この架橋剤群は反応性メチロール基を含むものである。それらは、2モル当量
以上のホルムアルデヒドと、次のもの、即ち置換フェノール、メラミン、尿素、
ベンゾグアナミンまたはグルコウリル(glycouril)の内の1種との反応から得
られる。このような架橋剤は製造可能であって、この分野で周知の酸または塩基
触媒の助けを借りて架橋剤として使用することができる。[ヘンク・バン・ディ
ジュク(Henk van Dijk)著「アミノ架橋剤またはアミノプラストの化学とその
応用(The Chemistry and Application of Amino Crosslinking Agents or Amin
o-plasts)」、ジョン・ワイレイ・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons)
、1999年、並びにT.ブルクハート(T Brukhart)、P.オベレッシ(P Ob
erressi)およびP.K.T.オルドリング(P. K. T. Oldring)共著「フェノ
ール樹脂またはフェノプラストの化学とその応用(The Chemistry and Applicat
ion of Phenolic Resins or Phenoplasts)」、ジョン・ワイレイ・アンド・サ
ンズ社、1998年を参照されたい。]このメチロール架橋剤は、単量体形、或
いは自己縮合オリゴマー形または重合体形をしていることができる。この発明の
1つの好ましい態様においては、メチロール架橋剤はポリアミノ化合物の希薄溶
液(<5%)に加えられる。
【0078】 少なくとも2個のオキシラン基を含んでいる架橋剤 この群に属する適した架橋剤は、少なくとも2個のオキシラン基を含んでいる
有機化合物である。これらには、2個以上のオキシラン基を含んでいる化合物、
およびポリ−オキシラン基を含んでいる単独重合体または共重合体がある。アル
キル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールであることができる有機断片
が、これらオキシランを結合していることができる。
【0079】 2個以上のオキシラン基を含んでいる適した化合物は、限定されるものではな
いが、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ジオールまたはポリオールのジまたはポ
リグリシジルエーテル、ポリカルボン酸のグリシジルエステル、ジまたはポリグ
リシジル脂肪族または芳香族アミン、或いは不飽和化合物の過酸化から得られる
エポキシ化合物、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体または共重合体
である。特定の例は、ビスフェノールAエポキシ、ブタンジオールジグリシジル
エーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、4,4’−メチレンビス−(N,
N−ジグリシジルアニリン)、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエ
ーテル、ジグリシジル 1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、N,N’
−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ポリ(プロピレングリコール
)ジグリシジルエーテル、ポリ(フェニルグリシジルエーテル)−コ−ホルムア
ルデヒド)、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、4−ビニル−
1−シクロヘキセンジエポキシド、ジグリシジル レゾルシノールエーテル、1
,2,3,4−ジエポキシブタン、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,
3−ジグリシジルグリセロールエーテル、ノボラックエポキシ樹脂、ポリ(ジメ
チルシロキサン)ジグリシジルエーテル末端基付きポリ[ジメチルシロキサン−
コ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]メチルシロキサン]、
ポリグリシジルメタクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリ(エチレン
−コ−メチルアクリレート−コ−グリシジルメタクリレート)、ポリ(エチレン
−コ−グリシジルメタクリレート)より成る。
【0080】 ポリアミン配合物には、エポキシとアミンとの間の反応に適切な促進剤または
触媒を加えることができる。適した促進剤はルイス酸または同塩基であって、そ
の例は、限定されるものではないが、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビ
シクロ[2.2.2]オクタン)、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、
トリエタノールアミンエトキシレート、トリプロピルアミン、トリフルオロボロ
ンモノエチルアミン(三フッ化ホウ素−エチルアミン錯体)、第三アミン、ピリ
ジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメ
チルアミン、ピペリジン、N−ヒドロキシエチルピペラジン、N,N’−ジメチ
ルアミノフェノール、トリフェニルホスフィン、およびそれらの2種以上の混合
物である。これらの触媒はこの発明において用いられる任意のオキシラン含有架
橋剤に対して使用することができる。
【0081】 少なくとも1個のオキシラン基および1個のアクリレート(メタクリレート)
基を含んでいる架橋剤 この群に属する適した化合物は、少なくとも1個のオキシラン基と1個のアク
リレート(メタクリレート)基を含んでいる有機化合物である。アクリレート基
とオキシラン基とは、アルキル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールで
あることできる有機断片によって結合されていることができる。この化合物はマ
ルチまたはポリ(メタ)アクリレート基およびオキシラン基を含んでいることが
できる。アクリレート基およびオキシラン基を含んでいる化合物が、アクリレー
トとアミンとの化学反応性がオキシランよりも高く、そのためオキシラン基を含
んでいるポリアミンを配合し、そして酸化された重合体表面上でさらに架橋させ
ることができるのでより好ましい。
【0082】 このような化合物は、例えば上記で言及されたもののようなエポキシ化合物を
1種の(メタ)アクリル酸と反応させるか、またはヒドロキシル基若しくはカル
ボキシル基を有する(メタ)アクリレートを含んでいる化合物をエピハロヒドリ
ン類と縮合させることによって得られる。特定の例は、限定されるものではない
が、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAの
エポキシアクリレート、2−ヒドロキシ−3−(4−オキシラニルメトキシブト
キシ)−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−[4−[1−メチル]−
1−(4−オキシラニルメトキシフェニル)エチル−フェノキシ]プロピルアク
リレート、シェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)からのエポン樹脂(
EPON Resin)8021、8101、8111、8121および8161並びにエ
ポキシアクリレート・エベクリル(Epoxyacrylate Ebecryl)3605(UCB社か
ら)のような芳香族エポキシアクリレートである。
【0083】 少なくとも2個のアクリレート(メタクリレート)基を含んでいる架橋剤 この群の適した架橋剤は、少なくとも2個の(メタ)アクリレート基を含んで
いる有機化合物である。(メタ)アクリレート基は、アルキル、アリール、置換
アルキルまたは置換アリールであることできる有機断片によって結合されている
。1個のアクリレート基と1個以上のメタクリレート基を含んでいる化合物が好
ましい。アクリレートおよびメタクリレートとアミン類との間の反応の速度差が
、長いポットライフを有する配合物を可能にするからである。典型的な配合物で
は、アミンとアクリレートとの初期反応が速く、一方メタクリレートとの反応は
それより遅く、従って溶液中における最終架橋工程をより遅くする。
【0084】 これら架橋剤の特定の例は、限定されるものではないが、2−(アクリルオキ
シ)エーテルメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールA ジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、アルコキシ化脂肪族ジ(メタ)アクリレートエステル、トリ
ス(2−ヒドロキシルエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロポキシレート
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジまたはトリ(メタ
)アクリレート・メタクリレートエステル、ジまたはトリ(メタ)アクリレート
・アクリレートエステル、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、および芳香族
ウレタン(メタ)アクリレートである。
【0085】 1個以上のハロゲン、および基・オキシラン、(メタ)アクリレート、アルデ
ヒド、イソシアネートおよび無水物から選ばれる1個以上の基を含んでいる架橋
剤 この群の適した架橋剤は、少なくとも1個以上のハロゲン、および基・オキシ
ラン、(メタ)アクリレート、アルデヒド、イソシアネートおよび無水物から選
ばれる1個の官能基を含んでいる化合物である。ハロゲン(1個以上)およびそ
の他の基は、アルキル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールであること
できる有機断片によって結合されている。
【0086】 適した化合物の例は、限定されるものではないが、エピクロロヒドリン、エピ
ブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、2−ブロモメチルアクリレート、3−ブ
ロモプロピルアクリレート、4−ブロモブチルアクリレート、6−ブロモヘキシ
ルアクリレート、7−ブロモヘプチルアクリレート、8−ブロモオクチルアクリ
レート、9−ブロモノニルアクリレート、11−ブロモウンデシルアクリレート
、12−ブロモドデシルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−(
2−クロロエトキシ)エチルアクリレート、2−[2−(2−クロロエトキシ)
エトキシ]エチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−クロロシ
クロヘキシルアクリレート、10−クロロデシルアクリレート、6−クロロヘキ
シルアクリレート、3−クロロ−2,2−ジメチルプロピルアクリレート、1−
クロロ−2−メチル−2−プロピルアクリレート、8−クロロオクチルアクリレ
ート、3−クロロプロピルアクリレート、2−ブロモエチルイソシアネート、2
−クロロエチルイソシアネート、4−クロロブチルイソシアネート、トリクロロ
アセチルイソシアネート、2−ヒドロキシ−3−(2−クロロエトキシ)プロピ
ルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−(4−クロロブトキシ)プロピルアクリ
レートである。
【0087】 ハロゲン含有架橋剤の場合、無機酸、有機酸または両者の混合物をポリアミン
配合物に加えて、その溶液のポットライフを長くすることができる。有機酸はポ
リアミン配合物に、その配合物が1日より長く貯蔵することが求められるならば
そのpHが6未満となるように加えられるのが好ましい。適した酸に、限定され
るものではないが、塩酸、蟻酸、酢酸および蓚酸がある。
【0088】 1個以上のハロヒドリン基、およびオキシラン、(メタ)アクリレートから選
ばれる1個の他の基を含んでいる架橋剤 この群の適した架橋剤は、少なくとも1個以上のハロヒドリン基、およびオキ
シラン、(メタ)アクリレート、アルデヒドから選ばれる1個の官能基を含んで
いる化合物である。ハロヒドリン(1個以上)および他の基は、アルキル、アリ
ール、置換アルキルまたは置換アリールであることできる有機断片によって結合
されている。適した化合物は、エピハロヒドリンと(メタ)アクリレートヒドロ
キシル化合物、(メタ)アクリル酸化合物との付加物、またはハロゲン水素化物
と部分的に反応しているエポキシ化合物の付加物、またはエポキシアクリレート
化合物とハロゲン水素化物との付加物である。例は、限定されるものではないが
、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−(3−クロロ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−
エチルアクリレート、2−(3−ブロモ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−エチル
アクリレート、3−(3−クロロ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−プロピルアク
リレート、3−(3−ブロモ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−プロピルアクリレ
ート、4−(3−クロロ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−ブチルアクリレート、
4−(3−ブロモ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−ブチルアクリレート、2−(
3−クロロ−2−ヒドロキシプロポキシカルボニル)エチルアクリレート、2−
(3−ブロモ−2−ヒドロキシプロポキシカルボニル)エチルアクリレートであ
る。
【0089】 少なくとも2個の無水物基を含んでいる架橋剤 さらにもう1つの好ましい態様では、架橋剤は少なくとも2個の無水物官能基
を含んでいることができる。無水物基は、アルキル、アリール、置換アルキルま
たは置換アリールによって結合されていることができる。無水物は、限定される
ものではないが、ピロメリット酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物の
ような個別の分子である。無水物架橋剤は、また、限定されるものではないが、
エチレン、プロピレンとの無水マレイン酸共重合体または無水マレイン酸がグラ
フトした重合体であることもできる。これらの重合体は、エチレン、プロピレン
、イソプレン、ブタジエン、メタクリレート、エチルアクリレートメタクリレー
ト、ブチルアクリレートを含めて多くのタイプの単量体単位から造られている単
独重合体または共重合体であることができる。
【0090】 架橋剤は、好ましくは、5重量%未満、好ましくは0.001〜5重量%、最
も好ましくは0.01〜1重量%の濃度で溶液中に存在している。 本発明では、任意、適当な溶媒または溶媒混合物が用い得るが、ポリアミンお
よび架橋剤と相溶性である溶媒が選ばれるべきである。好ましい溶媒は、特に業
務上の安全性および環境上の考慮という理由から、水、特にPEIと一緒の水であ
るが、但し架橋剤の溶解性も考慮されるべきである。
【0091】 架橋したポリアミン含有層の天然高分子表面上での形成 ポリアミノ架橋表面/界面の一般的形成法には2つの方法がある。これらの方
法は次のものである: A.ポリアミノ化合物と架橋剤とを予備混合する方法。ポリアミノ化合物と架
橋剤とを適切な条件下で予備混合する。酸化された基材に対する適用前に架橋剤
を抑制することが不可欠である。これは、グルタルアルデヒドのようなアルデヒ
ド架橋をPEIと共に使用する場合がその事例であるが、ポリアミノ架橋性混合物
を希薄溶液として調製することによって達成することができる。求められていな
い架橋を防ぐもう1つの方法は、外部投入進行試剤(external input to procee
d)、例えばシラン系架橋剤の場合の水のような化学的開始剤または触媒、また
は物理的投入手段(physical input)、例えばマレエート化無水物架橋剤のため
の熱を必要とする架橋剤を使用する方法である。また、架橋は、官能基の反応性
を変えることによって、例えば比較的反応性の高いアクリレート官能基とそれよ
り反応性の低いメタクリレート基またはエポキシド基との組み合わせを用いるこ
とによって制御することもできる。ポリアミノ化合物と架橋剤とを天然高分子表
面との接触直前に混合することによって、溶液中での架橋程度を最小限に抑える
こともできる。
【0092】 B.ポリアミノ化合物と架橋剤との段階的添加法。この方法は、酸クロリドま
たはイソシアネートのような反応性が非常に高い官能基に頼る架橋剤に特に適し
ている。ポリアミノ化合物をまず表面に適用し、その後で架橋剤を適用すること
ができる。
【0093】 ポリアミノ/架橋用溶液は、スプレイコーティング法、浸漬法、ロールコーテ
ィング法、メニスカスコーティング法、回転コーティング法、グラビアコーティ
ング法等々を含めて、但しいかなる点でもこれらに限定されない、多くの標準的
な方法で適用することができる。溶液を適用してしまえば、その溶媒は、周囲条
件下か、またはオーブン、赤外線若しくは他の一般的方法を使用しての昇温下の
いずれかで蒸発、除去することができる。他方、過剰の溶液は、きれいな水また
は他の溶媒で洗浄することによって除去するか、または圧縮空気のような高圧ガ
スを用いて吹き飛ばすことができる。グラフト溶液と高分子基材との接触と乾燥
との間の所要時間は、0.001秒〜4時間である。浸漬コーティング法を用い
る場合、浸漬中に超音波のような外部物理場を適用して、ポリアミノ化合物のグ
ラフトを向上させることができる。ポリアミノ化合物が表面に吸着された後に、
熱、IR、マイクロ波等々のような適切な物理場を使用して、ポリアミノ化合物
の架橋反応を開始または増すようにすることができる。
【0094】 ポリアミンおよび架橋剤は、基材表面に、表面積1平方メートル当たりポリア
ミンと架橋剤との合計で2g未満の割合で適用されるのが好ましい。一般に、架
橋網状構造の厚さは3ミクロン未満である。
【0095】 天然高分子材料を抽出に付す工程[工程i] 本発明の方法は、天然高分子材料を抽出に付して、その材料中の可抽出性物質
の含有量を低下させる工程を含むことができる。この抽出プロセスは、変性剤に
よる処理に先立って行われるのが好ましい。
【0096】 天然高分子材料を抽出に付す工程は、天然高分子材料がセルロース系材料であ
るときに特に好ましく、そしてセルロース系材料が軟材の形をしている場合に最
も好ましい。
【0097】 天然セルロース系材料は、ペクチン、ワックス質物質、および繊維細胞膜の外
表面を覆っている天然油類のようなリグニン含有物質を除去するために、化学処
理することができる。これは、そのフィブリルを露出させて、繊維に粗表面形態
を与える。アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム(NaOH)が、植物繊維
の表面をきれいにし、樹脂質を抽出するための最も好ましい化学薬品である。こ
の抽出工程は、マーセル化として知られるプロセスによって本来のセルロースI
の微細構造をセルロースIIに変えることもできる。水酸化ナトリウムとセルロ
ースとの反応は、次のとおり表すことができる:
【0098】
【化4】 マーセル化は本来のセルロースIの分子構造を解重合させ、長さの短い微結晶
を生成させることができる。マーセル化は、植物繊維を強塩基の水溶液の作用に
付すプロセスと定義することができ、そして膨潤を引き起こし、結果として微細
構造、寸法、形態および機械的性質を変化させることができる。
【0099】 アルカリ金属水酸化物の最適濃度および他の加工パラメーターは、使用温度お
よびセルロース繊維の起源のような因子に依存する。濃度は、一般に、0.05
〜50%である。植物繊維をマーセル化すると、繊維の表面形態およびそれら繊
維の結晶学的構造が効果的に変化せしめられる。ある種の繊維ではある特定のNa
OH濃度で耐熱性が低下してしまうので、マーセル化用のアルカリ金属水酸化物の
濃度を選択するに当たっては、注意を払わなければならない。
【0100】 マーセル化は、フィブリルの膨潤を伴い、そして、ときには、化学薬品の浸透
をさらに利用できるようにするという利点がある結晶の充填秩序を改善する、結
晶変性を引き起こす変性剤への反応部位の接近容易性を改善する。反応性部位お
よびフィブリルの膨潤の存在は、繊維内部に架橋をもたらすのに好ましい。セル
ロースに基づく繊維は、水分を吸収して可逆的および不可逆的な両膨潤を引き起
こす。複合材製品においては、この膨潤は望ましくない寸法変化をもたらす可能
性がある。
【0101】 植物繊維上の表面不純物の除去は、機械的絡み合い、および変性剤のような化
学薬品に対してヒドロキシル基が暴露されることに因る結合反応が共に容易にな
るので、繊維対マトリックスの接着性にとっては長所となろう。
【0102】 セルロース系材料から、求められていない生成物を抽出するために用いられる
溶媒は、昇温下において、そしてその沸点までの、またはその沸点を超える温度
においてさえ適用することができる。スチームの使用、場合によってはアルカリ
の存在下におけるその使用が、ある種のセルロース系材料では有利であることが
ある。
【0103】 抽出プロセスでアルカリを用いるとき、その処理されたセルロース系材料はこ
れを中和してもよい。その最終pHは、セルロース系材料の表面に存在する電荷
を制御するために利用することができる。
【0104】 抽出プロセスで使用される化学薬品による天然セルロース系材料の浸透を増す
ために、静的および/または交番物理場の適用を利用することができる。 静的および/または交番物理場の適用[工程ii] 本発明は、静的および/または高周波交番物理場の適用を含むことができるし
、それが好ましい。この物理場は変性剤の使用前、使用中または使用後に適用す
ることができ、そしてそれは他の工程でもたらされる結果を高めるために使用す
ることができる。物理場は、例えば、天然高分子材料(特にセルロース系材料の
場合)と抽出化学薬品との間の相互作用を改善することによって溶媒抽出を高め
るために利用することができる。これら場の例に、超音波場、マイクロ波場、高
周波場および熱エネルギーがある。好ましい超音波場は1〜500kHzの範囲の
周波数を有する。好ましいマイクロ波場は1〜300GHzのエネルギー範囲を有
する。好ましい高周波場は10kHz〜1GHzの範囲の周波数を有する。好ましい温
度は少なくとも30℃、さらに好ましくは50〜150℃の範囲である。
【0105】 天然高分子基材の変性[工程iii] 天然高分子材料の少なくとも一部を変性してその高分子材料のポリアミノ化合
物との相互作用を改善するのに、多くの適切な方法が利用し得る。最も好ましい
処理は重合体表面の酸化であるが、三酸化硫黄ガスによるスルホン化、またはハ
ロゲン化のような他の表面変性法も、ポリアミノ化合物のグラフトに適した表面
をもたらすことができる。この発明に用いることができる酸化法として、例えば
コロナ放電、火炎処理、大気プラズマ処理、非沈積(non-depositing)プラズマ
処理、化学的酸化、空気、酸素(O2)、オゾン(O3)、二酸化炭素(CO2)、ヘ
リウム(He)、アルゴン(Ar)および/またはこれらガスの混合物のような酸化
性雰囲気の存在下におけるUV照射および/またはエキシマーレーザー処理が挙
げられる。しかし、本発明の技術には、電気放電、例えばコロナ放電または大気
プラズマ、火炎処理、オゾン、UV処理、クロム酸処理、ハロゲン化またはそれ
らの組み合わせが好ましい。
【0106】 適したコロナ放電エネルギーは0.1〜5000mJ/mm2の範囲であるが
、2〜800mJ/mm2がさらに好ましい。コロナ放電処理は、次の雰囲気:
空気、酸素(O2)、オゾン(O3)、二酸化炭素(CO2)、ヘリウム(He)、アル
ゴン(Ar)および/またはこれらガスの混合物の存在下で行うことができる。適
した処理時間および放電エネルギーは、次式:
【0107】
【数1】 t=電極の下における処理の1回通過のための処理時間 d=電極の直径 E=放電エネルギー P=電力エネルギー n=電極の下を移動する処理された基材のサイクル数 l=処理用電極の長さ v1=処理用テーブルの速度 v2=コンベヤーテープの速度(即ち、連続処理) この発明による単量体または高分子形の表面変性剤は、蒸気、エーロゾル、懸
濁物の単独、またはそれらの組み合わせのいずれかとして電気放電ゾーン中に存
在するすることができる。
【0108】 非沈積プラズマグロー放電処理を用いる場合、適したエネルギーの範囲は、0
.1秒〜30分の時間で5〜5000ワットであるが、1〜60秒の時間で2〜
60ワットがさらに好ましい。好ましいガスは空気、酸素、水またはこれらガス
の混合物である。
【0109】 別法として、天然高分子材料の表面の少なくとも一部を初めに酸化するのに、
公知のいずれの火炎処理も用いることができる。火炎処理に適したパラメーター
の範囲は次のとおりである:燃焼後の検出可能酸素比率(%):0.05〜5%
、好ましくは0.2〜2%;処理速度:0.1〜2000m/分、好ましくは1
0〜100m/分;処理距離:1〜500mm、好ましくは5〜100mm。数
多くのガスが火炎処理に適している。これらガスに、限定されるものではないが
、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、水素等々のような純粋な可燃性ガス、
または異なる可燃性ガスの混合物がある。燃焼混合物は、また、空気、純酸素ま
たは酸素含有ガスも含んでいる。
【0110】 この発明による単量体または高分子形の表面変性剤は、火炎酸化に使用される
可燃性ガス若しくは空気またはこれらの混合物との混合物として存在することが
でき、そして燃焼中に蒸気、スプレイ、エーロゾルまたは懸濁物の形で存在する
ことができるか、或いはまた、燃焼中に、火炎付近に、そのような燃焼ガス混合
物の成分のいずれか若しくは全ての完全若しくは部分的蒸発、または本発明によ
る変性剤の蒸気、スプレイ、エーロゾル若しくは懸濁物の完全若しくは部分的蒸
発を可能にするような距離で存在することができる。
【0111】 オゾンおよび/または他の酸化性ガス、UV線、電子線、エキシマーレーザー
および/または他の形の放射線によって、表面または内部酸化を行うこともでき
る。
【0112】 天然高分子基材の少なくとも一部の化学的酸化は、同様に、クロム酸、塩素酸
カリウム−硫酸混合物、塩素酸塩−過塩素酸混合物、過マンガン酸カリウム−硫
酸混合物、硝酸、硫酸、ペルオキソ二硫酸塩水溶液、三酸化クロム若しくは重ク
ロム酸塩水溶液、リン酸に溶解された三酸化クロム、および硫酸水溶液等々のよ
うな、公知の、任意の標準的なエッチング溶液を用いて行うことができる。クロ
ム酸処理を用いるのがさらに好ましい。この処理プロセスの完了に要する時間は
5秒と3時間の間で変えることができ、またそのプロセス温度は室温から100
℃まで変わることができる。
【0113】 変性剤が有機シランである場合、酸化工程が含まれることが特に好ましい。 別法として、基材のポリアミノ化合物との相互作用を改善するために、ハロゲ
ン化剤によるハロゲン化を用いて天然高分子基材の少なくとも一部を変性するこ
とができる。ハロゲン化処理は、重合体が天然または合成ゴムである場合により
好ましい。適したハロゲン化剤は、水性若しくは非水性溶媒または混合溶媒中の
無機および/または有機ハロゲン化剤である。
【0114】 適した無機ハロゲン化剤の例に、純粋なガスとしての、または窒素、酸素、ア
ルゴン、ヘリウムとの任意の混合物としての、或いは溶液および酸性化次亜塩素
酸塩溶液の形をしたフッ素、塩素、ヨウ素および臭素がある。適した有機ハロゲ
ン化剤を挙げると、限定されるものではないが、N−ハロヒダントイン類、N−
ハロイミド類、N−ハロアミド類、N−クロロスルホンアミド類とその関連化合
物、N,N’−ジクロロベンゾイレン尿素、並びにジクロロイソシアヌル酸ナト
リウムおよび同カリウムがある。特定の例は、1,3−ジクロロ−5,5−ジメ
チルヒダントイン;1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン;1,3
−ジクロロ−5−メチル−5−イソブチルヒダントイン;1,3−ジクロロ−5
−メチル−5−ヘキシルヒダントイン;N−ブロモアセトアミド、テトラクロロ
グリコールウリル、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、モ
ノ−、ジ−およびトリ−クロロイソシアヌル酸である。トリクロロイソシアヌル
酸が特に好ましい。ハロゲン化は、室温または昇温下において、気相または溶液
中で、超音波エネルギーを用いまたは用いずに行うことができる。さらに特定の
処理条件は、米国特許第5,872,190号明細書および関連従来技術に言及
されている。
【0115】 天然高分子材料は物品であるのが好ましく、そして酸化技術および酸化法は任
意の表面変性を与えるか、または物品全体を通じてその天然高分子材料を変性す
るように選ぶことができる。天然高分子材料に基づく物品の内部特性を保持しつ
つ他の材料に対する結合を改善することが望まれる場合は、選択的表面変性が好
ましい。
【0116】 官能性架橋中間相−界面系、および塗料の接着性 この発明は、予め規定された多官能性界面/中間相の調製を可能にするもので
、その多官能性界面/中間相は各種官能性塗料または分子との特定の相互作用を
最適なものにするように設計することができる。これらの塗料は単分子層〜数ミ
リメートルオーダーの厚さを有することができ、そして、この発明の1つの好ま
しい態様においては、官能性塗料は天然高分子基材の表面に変性剤がグラフトさ
れた後に適用される。官能性中間相/界面系および塗料は、基材上に多くの異な
る性質を付与することができる。この性質に次のものがあるが、それらに限定さ
れない: ・導電性かイオン伝導性のいずれかの伝導性 ・制御された表面湿潤性 ・接着剤、有機、無機および金属塗料、並びに合成および天然樹脂の改善され た接着性 ・バリヤー性 ・生物官能性、例えば撥蛋白質性、殺生物/殺カビ性 ・改善された表面硬度 ・滑り性向上または滑り性低下 ・UV−可視光、IR、MWまたはRFの吸収性または反射性 ・光起電性。
【0117】 ペイント、ワニス、ラッカーおよび印刷インキのような塗料は、装飾機能およ
び/または情報提供機能を有することもできる。塗料は、処理された重合体基材
の他の材料に対する接合用の接着剤であることもできる。
【0118】 この技術分野で経験を積んだ人の場合、ある塗料の成分の知識が、どのタイプ
のポリアミノ/架橋剤が最適の相互作用を与えるかを決定するのに用いることが
できる。例えば、ポリビニルアルコール(PVOH)は、包装材料についてガス類お
よび蒸気類の透過を妨げるバリヤー塗料として使用できることは周知である。PV
OHの好結果での使用を支配する主要な因子は、基材に対するその接着性である。
アルデヒド類がポリビニルアルコール類に結合し、従ってグルタルアルデヒドに
より架橋されたポリアミノ網状構造は遊離アルデヒド基を提供し、それらアルデ
ヒド基がPVOH系塗料との結合形成をもたらすことも周知である。
【0119】 この発明のもう1つの利点は、シラン類により架橋された、グラフトされたポ
リアミノ化合物が、今日では多くの市販配合物において一般的な状況であるが、
塗料、接着性またはシーラントの配合物中に存在するシラン類と強い結合を形成
するということである。多くの市販配合物中のもう1つの一般的な成分は、メラ
ミン、尿素、ベンゾグアナミンまたはグリコウリルであり、かくしてアルデヒド
含有架橋剤はそのような配合物と相溶性であると思われる。
【0120】 もう1つの重要な応用領域は、天然高分子に基づく基材と、アルミニウム、銅
、白金、銀、金等々のような金属塗料との間の相互作用を改善する領域である。
この発明によれば、アミノ基と金属塗料との間に強い相互作用が期待される色々
なポリアミノ架橋配合物を用いると、天然重合体基材/金属塗料界面に改善され
た接着性が得られる。架橋表面変性剤、例えばポリアミノ化合物または有機官能
性カップリング剤表面と、アルミニウム、ニッケル、クロム、銅、白金、銀また
は金のような金属塗料との間の相互作用は、架橋構造中に硫黄化合物が存在して
いればさらに改善することができると思われ、そしてこれはシランで架橋された
ポリアミノ系、およびメルカプトプロピルトリメトキシシランまたはビス[(ト
リエトキシシリル)プロピル]テトラスルファンのような硫黄基を含んでいるシ
ラン共架橋剤を用いると、容易に達成することができると思われる。
【0121】 また、架橋剤が、例えばシラン類、またはピルビン酸メチルが架橋剤として使
用されているとすれば存在するだろう周知の金属結合基であるベータ−ジケトン
類を含んでいるならば、無機酸化物または無機塩の天然重合体上における接着性
は、これを本発明によって向上させることができる。
【0122】 もう1つの態様において、この発明は、天然高分子材料上に、特定の物理化学
的性質を有する分子の多段工程表面カップリングに対して反応性の極めて高い官
能基を含む架橋表面を設計加工する、非常に有用かつコスト効果のある方法を提
供する。利用可能な基を挙げると、ポリアミンまたは有機官能性カップリング剤
からのアミン基若しくは他の官能基、並びに架橋剤および共架橋剤からの他の官
能基がある。多段工程表面カップリングに適した化合物は、酸性基(カルボン酸
、スルホン酸、リン酸/ホスホン酸基)、(メタ)アクリレート、エポキシ、ア
ルデヒド、ヒドロキシル、チオ、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物
、ハリドから選ばれる反応性基を含んでいる分子である。これらの化合物は、2
〜60個の炭素原子を有する小さな分子、または数百から数百万の範囲の分子量
を有する高分子であることができる。それらは、また、金属塩、酸化物またはキ
レート錯体のような無機の種であることもできる。
【0123】 この多段工程表面グラフト法は: A)適当な酸化法によって官能性を有する天然高分子系物品の表面を与え、 B)上記の表面をポリアミンまたは有機官能性カップリング剤配合物と接触さ
せ、 C)興味のある分子を上記表面と接触させる ものである。
【0124】 天然高分子基材上の高水湿潤性表面は、「工程C」中に、基材表面をイオン性
および非イオン性の水溶性高分子を含んでいる溶液と接触させることによって形
成することができる。興味ある高分子に、多糖類、アクリル酸、ビニルスルホン
酸または4−スチレンスルホン酸、ポリメタリン酸、ポリビニルアルコールまた
はアミノ酸から製造されている単独重合体または共重合体がある。この高分子は
、変性デキストラン、ポリアクリル酸、変性ポリビニルアルコール、ポリ(アク
リル酸−コ−アクリルアミド)のようなアクリレート基またはアルデヒド基およ
びカルボン酸基を含んでいるものであるのがよい。酸性基含有分子の化学的カッ
プリングを改善するために、カルボジイミド、N−ヒドロキシ−スクシミジルの
ような酸基の活性化用触媒を用いることができる。
【0125】 防汚性および/または抗菌性表面は、「工程C」中に、表面をポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ペプチド類、リゾチームを含んでいる溶
液と接触させることによって形成することができる。好ましい化合物は、ポリエ
チレングリコールモノまたはジアクリレート、ポリエチレングリコールモノまた
はジグリシジルおよびポリエチレングリコールモノまたはジアルデヒドである。
【0126】 重合体の生物活性/生体適合性は、「工程C」中に、重合体表面を生物活性/
生体適合性分子と接触させることによって改善することができる。ポリグルタル
アルデヒドがアミノ基を共有結合することができることは周知であり、かくして
過剰のグルタルアルデヒドを含んでいるポリアミノ/グルタルアルデヒド架橋系
は、ペプチド類、蛋白質または酵素のような生物活性分子を結合するのに卓越し
た表面であると思われる。防腐剤として一般に知られている他の物質も、本発明
に従って使用できる。
【0127】 基材のUVまたはレーザー損傷を減少させ、そして放射線を吸収するかまたは
反射させるのに有効な方法を提供するために、UV/IR抑制剤、吸収剤または
蛍光性化合物を、「工程C」中に、表面にグラフトさせることができる。
【0128】 本発明を、今度は、次の実施例を参照して説明することにする。ここで理解さ
れるべきは、それら実施例は本発明の例示説明として与えられるものであること
、そしてそれらはいかなる点でも決して本発明の範囲に限定を加えるものではな
いことである。 実施例1 この実施例は、材木に対する結合を改善するための本発明の利用を証明するも
のである。
【0129】 木材製品の例は、次のステーションを含む処理ラインを用いて処理することが
できる: 1.約15〜70m/分での火炎処理 2.アミノ飽和有機シラン水溶液のスプレイとしての適用 3.IRまたは熱空気を使用しての、80℃におけるエアナイフの使用。
【0130】 火炎酸化は、酸素を0.2〜2%過剰で与える空気/プロパン混合物を使用し
た。処理速度は20〜150m/分であることができる。 処理された材木は、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン、PVC
またはエポキシ樹脂接着剤のような一般的に使用される材木用接着剤により改善
された接着性を示す。上記シラン溶液は、使用24時間前に調製された1:3モ
ル比混合物(シラン:水)であった。この加水分解シランを水またはイソプロパ
ノールで希釈して0.05〜1%溶液を得る。 実施例2 実施例1の方法を、火炎酸化に代えてコロナ放電またはUV線若しくはオゾン
を用いて繰り返した。コロナ放電処理の条件は次のとおりであった: 電力出力 最大1kw 周波数 13〜30kZ2 速度 0.1〜70m/分。
【0131】 基材と電極との間の距離は2.5mmであった。 UV線およびオゾン暴露は、UV源(ヒュージョン[Fusion]UV)の使用に
よって達成され、それらはコロナ放電処理に代えて用いられた。UVおよびオゾ
ン処理の処理速度は2m/分であった。 実施例3 この実施例は、色々なタイプの木材種の表面変性の、表面エネルギーの成分(
分散性または極性)のような表面特性に及ぼす影響を説明するものであり、ここ
で後者の極性成分は接着性の質に関連がある。種々の貯蔵条件下で2週間という
期間貯蔵したときの、これら処理の表面特性の保持に及ぼす影響も説明される。
【0132】 木材種のタイプ: −マツ −ナナカマド −オーク −メランチ。
【0133】 処理: 1.受け取ったまま 2.火炎処理のみ 3.1%NaOHによる80℃での侵出処理 4.1%NaOHによる80℃での侵出処理+火炎処理 5.処理(2)+0.25%PEI(Mw=50,000) 6.処理(3)+0.25%PEI(Mw=50,000) 7.処理(4)+0.25%PEI(Mw=50,000)。
【0134】 PEIは水系溶液として使用された。
【0135】
【表4】 表Aの結果を解析すると、次のことが観察、結論される。
【0136】 1.火炎処理による木材表面の酸化は、木材の表面極性を増加させる。 2.木材表面の1%NaOH溶液による侵出処理は、未侵出木材に比較して表面極
性を改善する。これは、セルロース繊維表面からの可溶性物質および可抽出性物
質の除去に原因がある。
【0137】 3.侵出処理木材の火炎による表面酸化は、その結果として、無処理または侵
出処理されただけの木材に比較して処理木材の表面極性を増加させる。 4.木材表面に対する多官能性アミン類(PEI)の表面グラフトは、セルロー
スの表面を官能化する。これは変性された木材の表面極性(約10〜14mJ/
2)によって表されるもので、その表面極性は表面グラフトPEIの固有の特定極
性を反映している。
【0138】 5.表面変性木材の貯蔵時における安定性は、次のようにランク付けすること
ができる: −受け取ったまま: 非常に貧弱 −NaOH侵出木材の火炎処理: 中度 −PEIによる表面グラフト: 非常に良好 実施例4 この実施例では、ペイントの接着性の質に及ぼす木材表面処理タイプの影響が
証明される。
【0139】 木材のタイプ: −マツ −ナナカマド ペイント:アクリル系の「ポンデローズ・プライム(Ponderose Prime)」 処理タイプ: 1.無処理 2.火炎処理のみ 3.火炎処理+0.25%PEI(Mw=50,000) 4.侵出処理(1%NaOH)+火炎処理+0.25%PEI PEIは水系溶液として使用された。
【0140】 ペイントの接着性について表面処理の質を測定するために、木材試料を処理1
〜4に続いて塗装した。ペイント接着性は、ASTM D 4541-89に従って、アルミニ
ウムドリーの塗装表面に対する予備接着結合を評価し、そして引き離し試験を行
った。接着強さ[Mpa]および凝集木材破壊(%CF)の[%]を評価した。ペ
イント接着性は、乾燥状態で、および60℃の水中に8日間浸漬することによっ
て達成された人工模擬老化後に評価された。
【0141】
【表5】 実施例Bに与えられた結果は次のことを証明している。
【0142】 (a)木材の火炎処理は「乾燥」ペイント接着強さを増加させないが、水に対
する暴露(浸漬)時のペイントの接着性能を少しばかり改善する; (b)酸化された木材表面に対する多官能性アミン(PEI)の表面グラフトは
、次のことをもたらす: −軟材および硬材の両材で、湿潤状態におけるペイント接着性の耐久性につい て顕著な改善; −軟材上における乾燥および湿潤ペイント接着性について中度の改善; −硬材に対する乾燥ペイント接着性について顕著な改善; (c)侵出され、酸化された木材に対する多官能性アミンの表面グラフトは、
軟材および硬材の両木材タイプで、「乾燥」および「湿潤」の両ペイント接着強
さについて卓越した改善をもたらす。 実施例5 この実施例は、この発明による表面処理後の表面変性された木材および紙につ
いてのUV安定性の改善を証明するものである。
【0143】 次の基材が使用された: −フォトコピー用紙−白色(レフレックス[Reflex]) −極性ベニア板(厚さ0.5mm) 上記基材をこのコロナ適用処理で酸化し、そして2つのタイプのグラフト用化
学薬品: 1.PEI(水中2%) 2.(i)塩化ダンシル(DC)分子が結合されているPEI(2%) (ii)ルシファー・イエロー(Lucifer Yellow)(CH)分子が結合さ
れている上記のPEI と接触させた。
【0144】 上記に続いて、基材をUV球(ヒュージョンUVコーニング社[Fusion UV Co
rning])に暴露し、そしてコンベヤーで遅い速度で通過させた。UV球と基材
との間の距離は65mmであった。この発明による表面変性に由来するUV保護
の有効性を、通常はUV線に対して暴露したときの基材の色変化の評価によって
評価した。
【0145】 結果は表Cに記載される。
【0146】
【表6】 実施例6 この実施例は、セルロース系基材の表面に次の性質: 1.導電性および電荷移動性 2.表面帯電防止性 3.制御された表面電荷 を与えることに関する本発明の有効性を証明するものである。
【0147】 次の材料が使用された: 基材:白色のフォトコピー用紙(レフレックス) セルロース/炭酸カルシウム充填人工紙(ポリプロピレンマトリック ス) 次の表面処理が用いられた: 1.無処理基材 2.火炎処理だけ 3.火炎処理+0.1%でのPEI(Mw=800) 4.火炎処理+ビ−アミノシラン=0.5%(ダウ・コーニング社[Dow Corning]Z−6020) 5.火炎処理+トリ−アミノシラン=0.5%(ウィットコ社[Whittco] A1130) 6.火炎処理+PEI(Mw=800):0.5% 7.火炎処理+PEI(Mw=800):2.0% 8.火炎処理+(0.5%PEI/Mw=800)+0.02M H3PO4(H3PO4 はPEIプロトン化度の制御に使用) 9.火炎処理+(0.5%PEI/Mw=800)+0.04M H3PO4(H3PO4 はPEIプロトン化度の制御に使用);但し、0.04M H3PO4が使用され た。
【0148】 グラフト用化学薬品は全て水系溶液として使用された。 基材の表面伝導度についての結果は表Dに記載される。
【0149】
【表7】 表Dに与えられた結果は、ジ−およびトリアミノシランおよびPEIのようなポ
リアミノ官能性グラフト用化学薬品の、およびセルロース含有材料の導電性、電
荷伝導性および表面プロトン化度を本発明に従って与え、制御するのに適した材
料としての有効性を証明している。上記の性質は、限定されるものではないが、
可撓性フィルム、織物、硬質基材および他の基材を含めて、セルロースに基づく
、または他の天然重合体に基づく製品の表面伝導性または帯電防止性を与えるの
に効果的に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B27K 5/06 B27K 5/06 B 9/00 9/00 S Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ラッセル,リー・ジョイ オーストラリア国ヴィクトリア 3039,ム ーニー・ポンズ,マクファーソン・ストリ ート 65 (72)発明者 ビリク,アレグザンダー オーストラリア国ヴィクトリア 3104,ベ ントリー,ホイートリー・ロード 37 (72)発明者 フービン,パメラ・マリー オーストラリア国ヴィクトリア 3149,マ ウント・ウェイバリー,ブルース・ストリ ート 39 (72)発明者 リ,シェン オーストラリア国ヴィクトリア 3150,ホ イラーズ・ヒルズ,アーノット・コート 6 (72)発明者 フィリッポー,コン オーストラリア国ヴィクトリア 3161,コ ールフィールド,ナロング・ロード ユニ ット 4/40 (72)発明者 スパイサー,マーク オーストラリア国ヴィクトリア 3198,シ ーフォード,ハリファックス・ストリート 62 Fターム(参考) 2B230 AA08 AA12 AA15 BA01 BA06 BA20 CB10 CB23 CB25 CC01 CC04 CC25 DA02 EA05 EA19 EB07 EB08 EB14 EB25 EB36 EB40

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然材料を含む基材を変性してその基材の他の材料との相互
    作用を改善する方法であって; A.天然高分子材料を含む基材を、有機官能性カップリング剤および多官能性
    アミン含有有機化合物より成る群から選ばれる変性剤により処理し;そして B.上記天然高分子材料含有基材を、次の: i)上記基材を、上記変性剤による処理前または処理中に、溶媒による抽出 に付して、上記天然高分子材料関連の可抽出性物質の含有量を低下させ る処理; ii)上記変性剤による処理前、処理中または処理後のいずれかにおける、 静的物理場、高周波交番物理場およびそれらの2つまたは3つの組み合 わせから選ばれる物理場による処理;および iii)上記変性剤による処理前、処理中または処理後の、上記天然高分子 材料の少なくとも一部の酸化処理 より成る群から選ばれる処理の内の少なくとも1つに暴露する工程を含む上記の
    方法。
  2. 【請求項2】 天然高分子材料がセルロース系材料である、請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 セルロース系材料が非セルロース系の可抽出性成分を含み、
    そして方法が基材を抽出に付して非セルロース系物質の含有量を低下させる工程
    を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 可抽出性物質が、リグニン、フェノール系誘導体、ペクチン
    、ワックス類、ガム類および低分子量成分より成る群から選ばれる1種以上の物
    質を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 方法が、溶媒を含む抽出剤によるセルロース系材料の抽出を
    含む、請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 方法が、アルカリ性水溶液によるセルロース系材料の抽出を
    含む、請求項4または5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 基材をアルカリ金属水酸化物の水溶液で抽出する、請求項6
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 方法が、天然高分子系材料の少なくとも一部の、コロナ放電
    、火炎処理、プラズマ処理、化学的酸化、UV処理、オゾン、電子線およびエキ
    シマーレーザーより成る群から選ばれる方法による酸化、または液体、気体若し
    くは蒸気によるハロゲン化を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 天然高分子材料を変性剤による処理前または処理中に酸化す
    る、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 基材を超音波場、マイクロ波場、高周波場、熱エネルギー
    およびそれらの2つ以上の組み合わせより成る群から選ばれる物理場に暴露する
    、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 変性剤が有機チタネート類、有機シラン類、有機ジルコネ
    ート類および有機アルミネート類より成る群から選ばれる、請求項1に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 変性剤が式XaSiYb(式中、Xは非加水分解性の有機官能性
    アルキル基であり、Yは加水分解性基であり、aは1〜3の整数であり、そして
    bは4−aである)を有するものであって、特に好ましい群においてはこの有機
    官能性シランは構造XaSi(OR)b(式中、Xはケイ素に安定な共有結合により結合
    されている非加水分解性の有機官能基であり、Rは任意、適当なアルキル基、好
    ましくはメチルまたはエチルであり、aは1〜3の整数であり、そしてbは4−
    aである)を有するものである、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 変性剤が、2個以上のアミン基を含んでいるC2〜C36
    線状、分枝鎖状または環状化合物;多数のアミン基を含んでいる数平均分子量3
    00〜3,000,000の重合体;C2〜C36のペルフルオロアミン類;C2
    36のアミノアルコール類/フェノール類;C2〜C36のアミノ酸類;C2〜C36 のアミノアルデヒド類/ケトン類;C2〜C36のアミノアミド類;C2〜C36のア
    ミノエーテル類;C2〜C36のアミノエステル類;C2〜C36のアミノニトロ化合
    物;C2〜C36のアミノニトリル類;C2〜C36のアミノリン酸類;C2〜C36
    アミノスルホン酸類;C2〜C36のアミノハロゲン類;C2〜C36のアミノアルケ
    ン類;C2〜C36のアミノアルキン類;多数のアミン基および非アミン官能基を
    含んでいる数平均分子量300〜3,000,000の重合体;アミノ多糖類等
    々より成る群から選ばれる多官能性アミン含有化合物である、請求項1に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 多官能性アミン含有化合物が、第一および第二アミン基か
    ら選ばれる少なくとも2個のアミン基を含めて、少なくとも4個のアミン基を含
    んでいるポリアミンである、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 ポリアミン化合物が、分子量が200〜2,000,00
    0の範囲にあるポリアミン重合体および6〜30個の炭素原子を含んでいる非高
    分子重合体より成る群から選ばれる、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 ポリアミンが、単量体であるエチレンイミン、アリルアミ
    ン、ビニルアミン、4−アミノスチレン、アミン化アクリレート/メタクリレー
    トを含んでいる単独重合体としての、またはこれら単量体の組み合わせからでき
    ている共重合体としての、或いはこれらアミン含有単量体の少なくとも1種を、
    エチレン、プロピレン、アクリレート/メタクリレート、エチレンオキシドタイ
    プの非アミン単量体、またはトリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチ
    ル)アミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンおよびベン
    ゼンテトラアミンより成る群から選ばれる非高分子化合物と共に含んでいる共重
    合体としてのポリアミン重合体より成る群から選ばれる、請求項14に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 ポリアミンが分子量200〜750,000のポリエチレ
    ンイミン、ポリビニルアミンまたはポリアリルアミンである、請求項14に記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 セルロース系材料が多年生植物に由来する、請求項2に記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 セルロース系材料が、硬材、軟材、綿、ジュート、亜麻、
    大麻、ラミー、サイザル麻、コイヤー、ビスコース、軟材クラフト、およびセル
    ロース繊維を含んでいる複合材より成る群から選ばれる、請求項18に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 変性剤を、0.000001〜50重量%の範囲の濃度の
    溶媒中溶液として、天然重合体基材または多糖類含有材料に適用する、請求項1
    に記載の方法。
  21. 【請求項21】 変性剤の濃度が0.01〜5重量%の範囲である、請求項
    20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 変性剤が天然重合体または多糖類系材料と反応性のポリア
    ミン化合物であり、かつ第一および第二アミン基から選ばれる少なくとも2個の
    アミン基を含めて少なくとも4個のアミン基を含み、そして方法が上記ポリアミ
    ンと反応性の架橋剤による、上記天然高分子材料にグラフトされた架橋網状構造
    を与える処理をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  23. 【請求項23】 架橋剤が、ポリアミンのアミノ官能基と反応性の第一官能
    基、およびそのポリアミンまたは架橋剤中に存在する官能基と反応性の第二官能
    基を含めて少なくとも2個の官能基を有する、請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】 架橋剤が、アミンと反応するための有機官能基、およびシ
    ラン基にして、水の存在下で他のシラン基と縮合してSi-O-Si結合を形成するよ
    うにされているそのようなシラン基を有する有機官能性シラン類;アルコール縮
    合試薬およびその生成物;メチロール架橋剤;少なくとも2個のオキシラン基を
    含んでいる架橋剤;少なくとも1個のオキシラン基および少なくとも1個のアク
    リレート基またはメタクリレート基を含んでいる化合物;アクリレート、メタク
    リレート、メタアクリルアミド/アクリルアミドから独立に選ばれる少なくとも
    2個の基を含んでいる化合物;1個以上のハロゲン基、およびオキシラン、メタ
    クリレート、アクリレート、アルデヒド、ケトン、イソシアネートおよび無水物
    より成る群から選ばれる1個以上の基を含んでいる化合物;ハロヒドリン、およ
    びオキシラン、アクリレートおよびメタクリレートより成る群から選ばれる他の
    官能基を含んでいる化合物;並びに少なくとも2個の無水物基を含んでいる化合
    物より成る群から選ばれる、請求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】 架橋剤が式: 【化1】 を有するシランである、請求項24に記載の方法:但し、上記の式において、 Xは、オキシラン、無水物基、酸クロリド、クロロホルメート、スルホニルク
    ロリド、ケトン、アルデヒド、カルボキシ、イソシアネート、アクリレート、メ
    タクリレート、アクリルアミドおよびアルキルハリドより成る群から選ばれる少
    なくとも1個の基を含んでいる炭素原子3〜60個の任意の有機断片であり; R1は加水分解感受性基であり;そして R2は、加水分解感受性基、並びに基・アルキル、アリール、ビニル、置換ア
    ルキル、置換アリールおよび置換ビニルから独立に選ばれる。
  26. 【請求項26】 シランが式: 【化2】 を有するものである、請求項24に記載の方法:但し、上記の式において、 R4は式CnH2n(式中、nは0〜12である)の基または式CH2C6H4のベンジル
    基であり; Yは、メタクリルオキシ、アクリルオキシ、アセトキシ、ハロゲン、カルボメ
    トキシ、4−クロロスルホニルフェニル、イソシアネート、クロロホルメート、
    カルボクロリド、3,4−エポキシシクロヘキシルおよびウレイドより成る群か
    ら選ばれ; R2は、クロロ、C1〜C12のアルコキシおよび式O2CCnH2n+1(式中、nは1〜
    11の整数である)のカルボキシレートより成る群から選ばれ;そして R3は、クロロ、C1〜C12のアルコキシ、フェニル、シクロヘキシル、シクロ
    ペンチル、C1〜C12のアルキルおよび式O2CCnH2n+1(式中、nは1〜11の整
    数である)のカルボキシレートより成る群から選ばれる。
  27. 【請求項27】 架橋剤が: グルタルアルデヒド、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビンアルデ
    ヒド、レブリン酸メチル、レブリン酸エチル、並びにホルムアルデヒド、グリオ
    キサールおよびグルタルアルデヒドの内の少なくとも1種と式CnH2n+1CO-CmH2m+ 1 (式中、nおよびmは0〜6から独立に選ばれる)を有する1種以上のケトン
    との混合物より成る群から選ばれるアルドール縮合生成物; 2モル当量以上のホルムアルデヒドと、フェノールまたは置換フェノール、メ
    ラミン、尿素、ベンゾグアナミンおよびグルコウリルより成る群から選ばれる少
    なくとも1種の化合物との反応によって与えられるメチロール架橋剤; ビスフェノールAエポキシ樹脂;ジオールおよびポリオールのジおよびポリグ
    リシジルエーテル;ポリカルボン酸のグリシジルエステル;ジまたはポリグリシ
    ジル脂肪族または芳香族アミン;不飽和化合物の過酸化から得られるエポキシ化
    合物;グリシジルメタクリレートの単独重合体および共重合体;グリシジルアク
    リレートの単独重合体および共重合体;エポキシアクリレートおよびエポキシメ
    タクリレート化合物より成る群から選ばれるオキシラン類; 2−(アクリルオキシ)エーテルメタクリレート;エトキシ化ビスフェノール
    Aジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;
    1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート;プロポキシ化ネオペンチ
    ルグリコールジ(メタ)アクリレート;アルコキシ化脂肪族ジ(メタ)アクリレ
    ートエステル;トリス(2−ヒドロキシルエチル)イソシアヌレートトリ(メタ
    )アクリレート;ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート;グリセロー
    ルプロポキシレート・トリ(メタ)アクリレート;ペンタエリトリトールテトラ
    (メタ)アクリレート;ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート;
    ジまたはトリ(メタ)アクリレート・メタクリレートエステル;ジまたはトリ(
    メタ)アクリレート・アクリレートエステル;脂肪族ウレタン(メタ)アクリレ
    ート;および芳香族ウレタン(メタ)アクリレートより成る群から選ばれるポリ
    不飽和化合物; エピクロロヒドリン;エピブロモヒドリン;エピヨードヒドリン;2−ブロモ
    エチルアクリレート;3−ブロモプロピルアクリレート;4−ブロモブチルアク
    リレート;6−ブロモヘキシルアクリレート;7−ブロモヘプチルアクリレート
    ;8−ブロモオクチルアクリレート;9−ブロモノニルアクリレート;11−ブ
    ロモウンデシルアクリレート;12−ブロモドデシルアクリレート;2−クロロ
    エチルアクリレート;2−(2−クロロエトキシ)エチルアクリレート;2−[
    2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エチルアクリレート;4−クロロブチル
    アクリレート;2−クロロシクロヘキシルアクリレート;10−クロロデシルア
    クリレート;6−クロロヘキシルアクリレート;3−クロロー2,2−ジメチル
    プロピルアクリレート;1−クロロー2−メチル−2−プロピルアクリレート;
    8−クロロオクチルアクリレート;3−クロロプロピルアクリレート;2−ブロ
    モエチルイソシアネート;2−クロロエチルイソシアネート;4−クロロブチル
    イソシアネートおよびトリクロロアセチルイソシアネートより成る群から選ばれ
    るハロゲン含有化合物; 少なくとも1個のハロヒドリン基、並びにこのハロヒドリン基に炭化水素結合
    基によって結合されているオキシラン、アクリレート、メタクリレートおよびア
    ルデヒドより成る群から選ばれる少なくとも1個の基を含んでいる化合物;およ
    び ピロメリット酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無
    水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、および無水マレ
    イン酸を含んでいる重合体より成る群から選ばれる2個以上の無水物基を含んで
    いる化合物 から選ばれる、請求項24に記載の方法。
  28. 【請求項28】 ポリアミン対架橋剤の重量比が1:100〜100:1の
    範囲内である、請求項22に記載の方法。
  29. 【請求項29】 ポリアミン対架橋剤の重量比が1:10〜10:1の範囲
    内である、請求項22に記載の方法。
  30. 【請求項30】 変性剤および架橋剤の少なくとも一方が、導電性基、UV
    吸収性基、IR吸収性基、高周波吸収性基、電荷含有基およびイオン交換基より
    成る群から選ばれる官能基を含む、請求項22に記載の方法。
  31. 【請求項31】 方法が、処理済みの天然重合体または多糖類に基づく材料
    を、官能性分子、接着剤、有機、無機または金属塗料より成る群から選ばれるさ
    らなる材料と接触させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  32. 【請求項32】 処理された天然重合体または多糖類に基づく材料を、多糖
    類、ポリアクリル酸類、ポリエチレングリコール類、金属酸化物、金属ハロゲン
    化物および金属錯体より成る群から選ばれる官能性材料と接触させる、請求項3
    1に記載の方法。
  33. 【請求項33】 処理された天然重合体または多糖類に基づく材料を、イン
    キ、ペイント、ワニス、ラッカー、金属塗料、無機酸化物塗料、導電性または磁
    性塗料、生物機能性塗料、線形または非線形光学塗料、硬質塗料、UV、可視、
    IR、MWまたはRF吸収性または反射性塗料、バリヤー塗料および通気性塗料
    より成る群から選ばれる塗料と接触させる、請求項30に記載の方法。
  34. 【請求項34】 天然高分子材料が、蛋白質、若しくは生物系に見いだされ
    る単量体に、または微生物を用いている製剤から誘導される、請求項1に記載の
    方法。
  35. 【請求項35】 有機チタネート類、有機シラン類、有機ジルコネート類ま
    たは有機アルミネート類より成る群から選ばれる有機官能性カップリング剤が、
    第一および第二アミン基から選ばれる少なくとも2個のアミン基を含むか、また
    は上記アミン基(複数)以外の少なくとも1個の官能基を含む、請求項11また
    は12に記載の方法。
  36. 【請求項36】 有機官能性カップリング剤および多官能性ポリアミン含有
    化合物を、少なくとも1種の酸性基含有化合物と混合して、酸化された基材と接
    触させるか、または上記の酸化された基材と接触させ、その後に上記の少なくと
    も1種の酸性基含有化合物と接触させ、そしてアミン対酸性基の比が1より大で
    ある、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  37. 【請求項37】 酸性基含有化合物が無機酸または有機酸を含む群から、好
    ましくはリン酸若しくはスルホン酸、或いはアクリル酸、メタクリル酸、p−ス
    チレンカルボン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、並びにスルホ
    ン酸/スルホネートおよびカルボン酸/カルボキシレートを含んでいる誘導体よ
    り成る群から選ばれる単量体の重合体より成る群から選ばれる、請求項36に記
    載の方法。
  38. 【請求項38】 高分子基材を変性剤に本発明に従って暴露する前に、該基
    材の表面を望ましい酸−塩基特性を示す追加の変性剤と接触させる、請求項1ま
    たは請求項6〜37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 多官能性アミン含有化合物または有機官能性カップリング
    剤より成る群から選ばれる変性剤を、その溶液、蒸気、或いは任意のタイプの純
    粋な化学物質の機械的分散物またはそれら化学物質の適切な溶媒との溶液および
    /または混合物から適用する、請求項1または請求項6〜38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 酸化された基材の表面を、変性剤に、室温から変性剤化合
    物の全てまたはいずれかの沸点まで、およびそれより高い温度までの範囲の温度
    において、0.000001〜30秒という期間暴露する、請求項1または請求
    項6〜39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 基材および/または変性剤を、場合によっては、任意の加
    工処理段階中に、交番物理場および/または熱エネルギーを含めて静的物理場に
    付す、請求項1〜40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 高分子または単量体の形で使用される変性剤が、次の群:
    コロナ放電、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、エキシマーレ
    ーザー処理、ハロゲン化または化学的処理から選ばれる手段によって与えられる
    酸化ゾーンの内部または外部に存在する、請求項1および請求項8〜41に記載
    の方法。
  43. 【請求項43】 高分子物質または単量体物質の形をした表面変性剤を、混
    合物として、処理中に使用される可燃性または非可燃性ガスに送り、そして、火
    炎酸化の場合に、可燃性ガス類の混合物に対して、またはガス−空気若しくはガ
    ス−酸素混合物の任意の成分に対して許容されるスプレイ、懸濁物、エーロゾル
    または蒸気のような任意の機械的分散物の形で、燃焼前、燃焼中または燃焼後に
    使用し、或いは、それに代えて、火炎の中に、またはその付近に送って変性剤お
    よび/またはその液体若しくは他のキャリアーを制御蒸発させる、請求項1およ
    び請求項8〜42に記載の方法。
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