JP2003520888A - 硫黄除去方法 - Google Patents

硫黄除去方法

Info

Publication number
JP2003520888A
JP2003520888A JP2001553895A JP2001553895A JP2003520888A JP 2003520888 A JP2003520888 A JP 2003520888A JP 2001553895 A JP2001553895 A JP 2001553895A JP 2001553895 A JP2001553895 A JP 2001553895A JP 2003520888 A JP2003520888 A JP 2003520888A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfur
feedstock
reaction zone
product
hydrodesulfurization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001553895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5457616B2 (ja
JP2003520888A5 (ja
Inventor
プラドハン,ヴィヴェク・アール
バーネット,プトシア・エイ
ヒュッフ,ジョージ・エイ
Original Assignee
ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド filed Critical ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド
Publication of JP2003520888A publication Critical patent/JP2003520888A/ja
Publication of JP2003520888A5 publication Critical patent/JP2003520888A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5457616B2 publication Critical patent/JP5457616B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G69/00Treatment of hydrocarbon oils by at least one hydrotreatment process and at least one other conversion process

Abstract

(57)【要約】 硫黄含有不純物を含むオレフィン含有炭化水素供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する。供給原料を、反応域内で、供給原料と比較して臭素数で測定したオレフィン性不飽和量が減少した中間生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と接触する。次いで、中間生成物を異なる揮発性の分留に分離して、低沸点分留を、水素の存在下で、硫黄含有不純物の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン含有炭化水素混合物から硫黄含有不純物を取り除く方法
に関する。特に、本方法は、供給原料を、臭素数が減少した中間生成物に転化さ
せ、中間生成物を異なる沸点の複数の分留に分離し、低沸点分留を水素化脱硫さ
せる各工程を含む。
【0002】
【発明の背景】
流動化触媒クラッキングプロセスは、ガソリン及びディーゼル燃料など所望の
燃料への石油の転化に現在用いられている主要な精製方法の一つである。このプ
ロセスにおいて、高分子量炭化水素供給原料は、流動状態又は分散状態での熱く
微小に分割されている固体触媒粒子との接触によって、より低分子量の生成物に
転化される。適切な炭化水素供給原料は、典型的には、約205℃〜約650℃の範囲
で沸騰し、通常は、約450℃〜約650℃の範囲の温度で触媒と接触させられる。適
切な供給原料は、種々の鉱物油分留物、例えば、シェール油由来の留分などから
派生するか、タールサンド処理、又はコール液化などから派生する軽質ガス油(
light gas oils)、重質ガス油(heavy gas oils)、ワイドカットガス油(wide
-cut gas oils)、真空ガス油(vacuum gas oils)、ケロシン、デカンテッドオ
イル(decanted oils)、残留分、減少した原油及び循環油などを含む。流動触
媒クラッキングプロセスからの生成物は、典型的には、沸点に基づき、軽質ナフ
サ(沸点:約10℃〜約221℃)、重質ナフサ(沸点:約10℃〜約249℃)、ケロシ
ン(沸点:約180℃〜約300℃)、軽質循環油(沸点:約221℃〜約345℃)及び重
質循環油(沸点:約345℃を越える)を含む。
【0003】 触媒クラッキングプロセスからのナフサは、パラフィン類(アルカン類として
も知られている)、環式パラフィン類(シクロアルカン類又はナフテン類として
も知られている)、オレフィン類(本明細書において、「オレフィン」とは、少
なくとも1個の二重結合を含み、芳香族ではないすべての非環式及び環式炭化水
素類を含む)及び芳香族化合物を含む炭化水素類の複合混合物を含む。かような
物質は、典型的には、比較的高いオレフィン含有量を有し、チオフェン化合物及
びベンゾチオフェン化合物など相当量の硫黄含有芳香族化合物を不純物として含
む。例えば、ガス油由来の石油の流動触媒クラッキングからの軽質ナフサは、約
60wt.%以下のオレフィン類と、約0.7wt.%以下の硫黄とを含み、硫黄の大部分は
チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物の形態で存在する。しかし、触媒
クラッキングプロセスからの典型的なナフサは、通常は、約5wt.%〜約40wt.%の
オレフィン類と、約0.07wt.%〜約0.5wt.%の硫黄とを含むであろう。
【0004】 流動触媒クラッキングプロセスは米国におけるガソリンのプールの相当部分を
提供するばかりでなく、このプールに見られる大きな比率での硫黄も提供する。
このプロセスからの液体生成物中の硫黄は、有機硫黄化合物の形態であり、これ
らの生成物が燃料として利用される際に、硫黄酸化物に転化する望ましくない不
純物である。硫黄酸化物は、問題となり得る(objectionable)大気汚染物質で
ある。加えて、硫黄酸化物は、有害な排ガスのより問題の少ないガスへの転化を
触媒するために自動車に用いられる触媒コンバーター用に開発されている多くの
触媒を不活性化する。したがって、触媒クラッキング生成物の硫黄含有量を可能
な限り最低レベルに減少させることが望ましい。
【0005】 低硫黄生成物は、慣用的には、プロセスへの供給原料又はプロセスからの生成
物のいずれかを水素処理することによって、触媒クラッキングプロセスから得ら
れる。水素処理は、触媒の存在下で供給原料を水素で処理することを含み、結果
的に、硫黄含有不純物中の硫黄を硫化水素に転化する。この硫化水素は、分離し
て、元素状硫黄に変換することができる。水素処理プロセスは、供給原料中のオ
レフィン類を水素化して飽和炭化水素類に転化することによって、結果的に供給
原料中のオレフィン類を分解する。この水素化によるオレフィン類の分解は、通
常は望ましくない。なぜなら、(1)結果的に高価な水素を消費し、(2)オレフィン
類は通常は、ガソリンの高オクタン成分として価値があるものだからである。例
示として、触媒クラッキングプロセスからの典型的なガソリン沸点範囲内のナフ
サは、オレフィン含有量が多い結果として、比較的高いオクタン価を有する。か
ような材料の水素処理は、所望の脱硫に加えて、オレフィン含有量の減少を引き
起こし、脱硫の程度又は厳密さが増加するにつれて、水素処理生成物のオクタン
価は減少する。
【0006】 米国特許第5,865,988(Collinsら)は、オレフィン分解硫黄含有ナフサ(olef
inic, cracked, sulfur-containing naphtha)からの低硫黄ガソリンの製造に対
する2工程プロセスに関する。このプロセスは、(a)ナフサを、ZSM-5ゼオラ
イトなどの形状選択性酸性触媒上に通過させて、低オクタンパラフィン類を選択
的に分解させて、オレフィン類及びナフサのいくらかを芳香族及び芳香族性側鎖
に転化させて、(2)得られた生成物を、水素の存在下で水素処理触媒上で、水
素化脱硫する工程を含む。形状選択酸性触媒による最初の処理が、さもなければ
水素化脱硫工程において飽和するであろうオレフィン類を取り除くことが開示さ
れている。
【0007】 国際特許出願公開WO98/30655(Huffら)は、炭化水素類の混合物を含み且つ望
ましくない不純物として有機硫黄化合物を含む供給原料から、硫黄含有量が減少
した生成物を製造する方法を開示する。この方法は、酸触媒の存在下で、アルキ
ル化剤で処理することによって、硫黄含有不純物の少なくとも一部をより高い沸
点の硫黄含有生成物に転化する工程と、これらのより高い沸点の生成物の少なく
とも一部を、沸点に基づいて分留することによって、取り除く工程とを含む。
【0008】 米国特許第5,298,150(Fletcherら)、米国特許第5,346,609(Fletcherら)、
米国特許第5,391,288(Collinsら)及び米国特許第5,409,596(Fletcherら)は
すべて、低硫黄ガソリン調製の2工程方法に関する。この方法は、ナフサ供給原
料を水素化脱硫した後、形状選択触媒による処理を行い、水素化脱硫工程中に失
われるオクタンを回復させる。
【0009】 米国特許第5,171,916(Leら)は、軽質サイクルオイルをアップグレードする
方法に関し、この方法は、(1)サイクルオイルのヘテロ原子含有芳香族類を、
結晶性メタロシリケート触媒を用いて、少なくとも1のオレフィン性二重結合を
有する脂肪族炭化水素でアルキル化して、(2)分留によって高沸点アルキル化
生成物を分離する工程を含む。未転化軽質サイクルオイルが減じられた硫黄含有
量及び窒素含有量を有し、高沸点アルキル化生成物が合成アルキル化芳香族官能
基流体ベースストックとして有用であることが開示されている。
【0010】 米国特許第5,599,441(Collinsら)は、クラッキングナフサからチオフェン性
硫黄化合物を取り除く方法を開示する。この方法は、(1)アルキル化域で、ナ
フサを酸触媒と接触させて、アルキル化剤としてナフサ中に存在するオレフィン
類を用いて、チオフェン化合物をアルキル化し、(2)アルキル化域から流出流
を取り除き、(3)分留によって、アルキル化域流出流からアルキル化チオフェ
ン化合物を分離する工程を含む。さらに、分留からの硫黄リッチ高沸点分留を、
慣用の水素処理又は他の脱硫プロセスを用いて、脱硫してもよいことも開示する
【0011】 米国特許第5,863,419(Huff, Jr.ら)は、望ましくない不純物として有機硫黄
化合物を含む炭化水素類の混合物を含む供給原料から、減じられた硫黄含有量の
生成物の製造のための触媒蒸留方法を開示する。この方法は、蒸留塔反応器内で
、以下のプロセスを同時に行うことを含む。(1)酸触媒の存在下で、アルキル
化剤による処理によって、硫黄含有不純物の少なくとも一部を、より高い沸点の
硫黄含有生成物に転化する工程、(2)より高い沸点の生成物の少なくとも一部
を分留によって取り除く工程。さらに、硫黄リッチ高沸点分留を、オリジナルの
供給原料の容積と比較して減じられた容積ゆえに、比較的低コストで、効果的に
水素処理できることも開示されている。
【0012】
【発明の概要】
約10℃〜約345℃の間での広い温度範囲又は狭い温度範囲のいずれかで標準圧
力で沸騰する炭化水素液体を、本明細書において「炭化水素液体」と称す。かよ
うな液体は、石油精製において、さらに石炭液化からの生成物の精製及びオイル
シェール又はタールサンドの処理中にしばしば見られ、これらの液体は典型的に
は、炭化水素類の複合混合物を含み、これらの混合物はパラフィン類、環式パラ
フィン類、オレフィン類及び芳香族類を含む。例えば、軽質ナフサ、重質ナフサ
、ガソリン、ケロシン及び軽質サイクルオイルは、すべて炭化水素液体である。
【0013】 精製所で見られる炭化水素液体は、少なくとも部分的に取り除かれるべき望ま
しくない硫黄含有不純物を含むことが多い。水素処理手順は、硫黄含有不純物を
炭化水素液体から取り除く際に、効果的であり、一般的に用いられる。不幸なこ
とに、慣用の水素処理手順は、通常、より低いオクタンであるパラフィン類へオ
レフィン類を有意に転化してしまうので、より高級のオレフィン性炭化水素液体
と一緒に用いるには通常は不十分である。加えて、オレフィン類の水素添加は、
結果的に高価な水素を消費してしまう。
【0014】 有機硫黄化合物は、さらに、(1)アルキル化によって、硫黄化合物をより高
い沸点の生成物に転化し、(2)より高い沸点の生成物を分留によって取り除く
ことを含む多工程方法によっても炭化水素液体から取り除くことができる。かよ
うな方法は、実施が比較的高価でなく、通常、有意のオクタン損失を生じない。
このタイプの方法は、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物などの芳香
族硫黄含有有機不純物の大部分を取り除くに非常に効果的であるけれども、かよ
うな方法からの生成物は典型的には大幅に減じられてはいるがまだ相当量の硫黄
含有量を含む。加えて、かような方法は、メルカプタンなどの他の一般的なタイ
プの硫黄含有不純物をあまり十分には取り除くことができないことが多い。
【0015】 したがって、(1)実施が高価でなく、(2)オクタン損失がたとえあったと
しても少ない、オレフィン含有炭化水素液体から硫黄含有不純物の実質的に完全
な除去を達成できる方法が必要である。例えば、より高級のオレフィン性で、望
ましくない不純物としてメルカプタン、チオフェン化合物、及びベンゾチオフェ
ン化合物などの比較的多量の硫黄含有有機物を含む流動触媒クラッキングプロセ
スからの生成物などの炭化水素液体から、硫黄含有不純物を取り除くために用い
ることができるかような方法が必要である。
【0016】 我々は、かような改良された方法を開示する。この方法は、オレフィン改質工
程においてオレフィン改質触媒上で供給原料のオレフィン含有物を改質させ、オ
レフィン改質工程からの生成物を沸点に基づいて少なくとも2種の分留に分留し
、得られる分留の少なくとも沸点の低い分留を水素化脱硫する工程を含む。オレ
フィン改質工程は、結果的に、臭素数で測定したものとして、供給原料のオレフ
ィン不飽和を減少させる。オレフィン改質工程の結果として、オレフィン改質工
程への供給原料のオクタン損失と比較して少ないオクタン損失を有する生成物が
、続く水素化脱硫工程から得られる。加えて、オレフィン改質工程におけるオレ
フィン不飽和の減少は、結果的に、水素化脱硫工程における水素の消費量を対応
して減少させる。なぜなら、水素添加反応において水素を消費するオレフィン性
二重結合の数が減少するからである。
【0017】 本発明の一実施形態は、硫黄含有有機不純物を含み、オレフィン類を含む炭化
水素類の常態で液体の混合物からなる供給原料から、硫黄含有量が減少した生成
物を製造する方法であって、 (a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料の臭素数よりも低い臭
素数を有する生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と接触さ
せ、 (b)オレフィン改質反応域からの生成物を分留して (i)約135℃〜約221℃の範囲にある蒸留終点を有する硫黄含有不純物を含む
第1の分留と、 (ii)第1の分留よりも高い沸点であり、硫黄含有有機不純物を含む第2の
分留と、 を生成させ、 (c)第1の分留を、水素の存在下で、第1の水素化脱硫反応域内で、第1の分
留の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条
件下で、水素化脱硫触媒と接触させる、 各工程を含むことを特徴とする方法である。
【0018】 本発明の別の実施形態は、硫黄含有有機不純物を含み、オレフィン類を含む炭
化水素類の常態で液体の混合物を含む供給原料から、硫黄含有量が減少した生成
物を製造する方法であって、 (a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料の臭素数よりも低い臭
素数を有する生成物を製造するに有効な条件下で、固体リン酸触媒及び酸性ポリ
マー性樹脂触媒からなる群より選択されるオレフィン改質触媒と接触させ、 (b)オレフィン改質反応域からの生成物を分留して、 (i)硫黄含有有機不純物を含み、約135℃〜約221℃の範囲にある蒸留終点を
有する第1の分留と、 (ii)第1の分留よりも高い沸点で、硫黄含有有機不純物を含む第2の分留
と、 を生成させ、 (c)第1の分留を、水素の存在下で、第1の水素化脱硫反応域内で、第1の分
留の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条
件下で、水素化脱硫触媒と接触させる、 各工程を含むことを特徴とする方法である。
【0019】 本発明の目的は、相当量のオレフィン含有物を含む炭化水素液体からの硫黄含
有不純物の改良された除去方法を提供することにある。 本発明の別の目的は、オレフィン性クラッキングナフサから、硫黄含有不純物
を効果的に除去する改良された方法を提供することにある。
【0020】 本発明のさらに別の目的は、実質的にオクタンが変動しない生成物を得るオレ
フィン性クラッキングナフサを脱硫する改良された方法を提供することにある。
【0021】
【発明の詳細な記述】 我々は、硫黄含有不純物を含むオレフィン含有蒸留炭化水素液体から、硫黄含
有量が減少した生成物を製造する方法を開示する。本方法は、硫黄含有不純物を
実質的に含まず、オレフィン含有量が減少し、供給原料のオクタンと同様のオク
タンを有する生成物を製造するためにも用いることができる。
【0022】 本発明は、供給原料を、反応域内で、臭素数で測定した場合に供給原料と比較
して減少したオレフィン性不飽和量を有する中間生成物を製造するに有効な条件
下で、オレフィン改質触媒と接触させる工程を含む。次いで、中間生成物を、異
なる揮発性の分留に分離して、最も高い揮発性の分留(すなわち最も低い沸点の
分留)を、水素の存在下で、硫黄含有有機不純物の少なくとも一部を硫化水素に
転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる。硫化水素は、慣用の
方法で容易に除去可能で、供給原料の硫黄含有量と比較して実質的に硫黄含有量
が減少した生成物を提供する。この最も低い沸点の分留の硫黄含有不純物の大部
分は、メルカプタンを含むことが多く、非常に緩やかな条件下での水素化脱硫に
より容易に除去可能である。
【0023】 供給原料中の芳香族硫黄含有不純物、例えば、チオフェン化合物及びベンゾチ
オフェン化合物などは、オレフィン改質反応域内で、少なくとも部分的に、より
高い沸点の硫黄含有生成物に転化する。この転化は、オレフィン改質触媒により
触媒されたオレフィン類による芳香族硫黄含有不純物のアルキル化の結果である
と考えられる。オレフィン改質反応域からの流出物を分留すると、これらの高沸
点硫黄含有物質のほとんどが沸点の高い方の1又は複数の分留中に見られ、沸点
の低い分留は、供給原料に比較して減少した硫黄含有量を有する。
【0024】 非常に好ましい実施形態において、揮発性が低い方の1又は複数の分留(すな
わち沸点が高い方の1又は複数の分留)もまた、水素の存在下で、硫黄含有不純
物の少なくとも一部が硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と
接触する。沸点が高い方の1又は複数の分留の硫黄含有不純物の大部分は、チオ
フェン化合物及びベンゾチオフェン化合物などの芳香族硫黄含有化合物を含むこ
とが多く、これらは水素化脱硫による除去がメルカプタンよりも幾らか困難であ
る。したがって、本発明の好ましい実施形態は、かような沸点の高い1又は複数
の分留について、最も沸点の低い分留に対して用いる水素化脱硫条件よりも強い
水素化脱硫条件を用いる。
【0025】 本発明を実施するために用いることができる供給原料は、オレフィン類を含み
、ASTM D2887-97a手順(ASTM Standards1997年鑑、Section5、Petroleum Produc
ts, Lubricants, and Fossil Fuels, Vol. 05.02, page 200に見ることができ、
この手順は全体として本明細書に参照として組み込まれる)あるいは他の慣用手
順で測定した場合に約10℃〜約345℃の温度範囲で沸騰する常態で液体の炭化水
素混合物からなる。加えて、適切な供給原料は、好ましくは、ガソリン範囲で沸
騰する炭化水素類の混合物を含む。非常に適切な供給原料は、約135℃〜約221℃
の範囲に蒸留終点を有する高揮発性分留を含む。所望であれば、かような供給原
料は、さらに、上記高揮発性分留よりも高い沸点を有する相当量の低揮発性炭化
水素成分を含むものでもよい。供給原料は、約345℃以下、好ましくは249℃以下
の蒸留終点を有する常態で液体の炭化水素類の混合物を含む。好ましくは、供給
原料は、約79℃よりも低い初留点を有し、約345℃よりも高くない蒸留終点を有
する。適切な供給原料は、天然ガス液体、ナフサ、軽質ガス油、重質ガス油、及
びワイドカットガス油などの石油精製の際に通常見られる炭化水素類、並びに石
炭液化及びオイルシェール又はタールサンドの処理から誘導される炭化水素分留
の種々の複合混合物を含む。好ましい供給原料は、炭化水素供給原料の触媒クラ
ッキング又はコーキングから誘導されるオレフィン含有炭炭化水素混合物からな
る。
【0026】 本発明で用いる供給原料炭化水素類源として、触媒クラッキング生成物が非常
に好ましい。このタイプの物質は、約345℃以下で沸騰する液体、例えば軽質ナ
フサ、重質ナフサ、軽質サイクルオイルを含む。しかし、触媒クラッキングプロ
セスからの揮発性生成物の全アウトプットが本発明を実施する際に用いる供給原
料炭化水素源として有用であることも理解できるであろう。触媒クラッキング生
成物は、望ましい供給原料炭化水素類である。なぜなら、これらは典型的に、比
較的高いオレフィン含有量を有し、通常、不純物として多量の有機硫黄化合物を
含むからである。例えば、ガス油から誘導された石油の流動触媒クラッキングか
らの軽質ナフサは、約60wt.%以下のオレフィン類と、約0.7wt.%以下の硫黄と、
を含み得る。このとき、大部分の硫黄は、チオフェン化合物及びベンゾチオフェ
ン化合物の形態である。加えて、硫黄含有不純物は、通常は、メルカプタン及び
有機硫化物を含む。本発明を実施する際に用いることが好ましい供給原料は、触
媒クラッキング生成物を含み、少なくとも1wt.%のオレフィン類を含むであろう
。好ましい供給原料は、触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類を含み、少
なくとも10wt.%のオレフィン類を含むであろう。非常に好ましい供給原料は、触
媒クラッキングプロセスからの炭化水素類を含み、少なくとも15wt.%又は20wt.%
のオレフィン類を含むであろう。
【0027】 本発明の一実施形態において、本発明用の供給原料は、触媒クラッキングプロ
セスからの炭化水素類と共に低分子量オレフィン類の混合物を含むであろう。例
えば、供給原料は、触媒クラッキングプロセスからのナフサに、3〜5炭素原子
を含むオレフィン類を添加することによって調製することができる。
【0028】 本発明の別の実施形態において、本発明用の供給原料は、触媒クラッキングプ
ロセスからのナフサと、ベンゼン及びトルエンなどの揮発性芳香族化合物源との
混合物を含む。例えば、触媒クラッキングプロセスからのナフサと軽質改質油と
を混合することによって、供給原料を調製することができる。典型的な軽質改質
油は、オレフィン類約0〜約2vol.%と、芳香族類約20〜約45vol.%と、を含み、
10%蒸留点(T10)が約160#F(71℃)未満で、50%蒸留点(T50)が約200#F(93
℃)未満で、90%蒸留点(T90)が約250#F(121℃)未満となるような蒸留特性を
有する。これらの蒸留点は、ASTM D86-97手順(ASTM Standards1999年鑑、Secti
on5、Petroleum Products, Lubricants, and Fossil Fuels, Vol. 05.01, page
16に見ることができ、この手順は全体として本明細書に参照として組み込まれる
)又は他の慣用手順により得られる蒸留点を意味することを理解されたい。典型
的な軽質改質油は、約5〜約15vol.%のベンゼンを含む。
【0029】 本発明の別の実施形態は、(1)触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類
と、(2)揮発性芳香族化合物源と、(3)3〜5個の炭素原子を含むオレフィ
ン類源と、の混合物を含む供給原料を用いることを含む。
【0030】 本発明にとって適切な供給原料は、少なくとも1wt.%のオレフィン類、好まし
くは少なくとも10wt.%のオレフィン類、より好ましくは少なくとも約15wt.%又は
20wt.%のオレフィン類を含む。所望であれば、供給原料は、50wt.%以上のオレフ
ィン類を有するものであってもよい。加えて、適切な供給原料は、約0.005wt.%
以上約2.0wt.%以下の硫黄を有機硫黄化合物の形態で含むものでもよい。しかし
、典型的な供給原料は、一般に約0.05wt.%以上約0.7wt.%以下の硫黄を有機硫黄
化合物の形態で含む。
【0031】 触媒クラッキングプロセスからのナフサなどの本発明の実施に有用な供給原料
は、硫黄含有不純物に加えて、時折、不純物として窒素含有有機化合物を含む。
典型的な窒素含有不純物の多くは、有機塩基であり、本発明のオレフィン改質触
媒を比較的迅速に不活性化する場合がある。このような不活性化が観察される場
合には、塩基性窒素含有不純物がオレフィン改質触媒と接触する前に、塩基性窒
素不純物を取り除くことによって、不活性化を防止することができる。したがっ
て、供給原料が塩基性窒素含有不純物を含む場合には、本発明の好ましい実施形
態は、塩基性窒素含有不純物がオレフィン改質触媒と接触する前に、塩基性窒素
含有不純物を供給原料から取り除く工程を含む。本発明の別の実施形態において
、塩基性窒素含有不純物を実質的に含まない供給原料(例えば、かような供給原
料は約50ppm未満の塩基性窒素を含む)を用いる。非常に望ましい供給原料は、
触媒クラッキングプロセスにより製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を
取り除くことにより調製された処理済みナフサを含む。
【0032】 塩基性窒素含有不純物は、供給原料から取り除かれても、あるいは多くの慣用
の方法により供給原料成分として用いられ得る物質から取り除かれてもよい。か
ような方法は、典型的には、酸性物質による処理を含み、慣用の方法は、酸の水
溶液で洗浄するかあるいはガードベッド(guard bed)に物質を通過させる等の
手順を含む。さらに、かような手順の組合せを用いてもよい。ガードベッドは、
制限されるものではないが、A−ゼオライト、Y−ゼオライト、L−ゼオライト
、モルデナイト、フッ化アルミナ、新しいクラッキング触媒、平衡クラッキング
触媒(equilibrium cracking catalyst)及び酸性ポリマー樹脂を含む。ガード
ベッド技術が用いられる場合には、2個のガードベッドを用いることが望ましい
ことが多く、一方のガードベッドの作動中に他方のガードベッドを再生すること
ができる態様で用いることが望ましい。塩基性窒素含有不純物を取り除くために
クラッキング触媒を利用する場合には、かような不純物を取り除く能力が不活性
になってきたときに、かような物質は触媒クラッキングユニットの再生器内で再
生され得る。塩基性窒素含有化合物を取り除くために酸洗浄を用いる場合には、
適切な酸の水溶液で処理が行われるであろう。かような使用に適切な酸は、制限
されるものではないが、塩酸、硫酸及び酢酸を含む。水溶液中の酸濃度は、重要
ではないが、約0.5wt.%〜約30wt.%の範囲になるように選択されることが利便で
ある。例えば、5wt.%硫酸水溶液を用いて、塩基性窒素含有不純物を触媒クラッ
キングプロセスによって製造された重質ナフサから取り除くことができる。
【0033】 本発明のプロセスは、供給原料からすべてのタイプの硫黄含有有機不純物を取
り除くのに非常に効果的である。かような不純物は、典型的には、少なくとも1
個の硫黄原子を含むすべての芳香族有機化合物を含む芳香族硫黄含有有機化合物
を含む。かような物質は、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物を含み、
制限されるものではないが、例えば、チオフェン、2-メチルチオフェン、3-メチ
ルチオフェン、2,3-ジメチルチオフェン、2,5-ジメチルチオフェン、2-エチルチ
オフェン、3-エチルチオフェン、ベンゾチオフェン、2-メチルベンゾチオフェン
、2,3-ジメチルベンゾチオフェン、及び3-エチルベンゾチオフェンを含む。他の
典型的な硫黄含有不純物は、メルカプタン類及び有機物硫化物及び二硫化物を含
む。
【0034】 本発明のオレフィン改質触媒は、オレフィン類のオリゴメリゼーションを触媒
可能な如何なる物質を含むものでもよい。望ましくは、オレフィン改質触媒は、
芳香族有機化合物のオレフィン類によるアルキル化を触媒することもできる物質
を含む。オレフィン改質触媒は、オレフィン類による芳香族有機化合物のアルキ
ル化をも触媒することができる物質を含むであろう。慣用のアルキル化触媒は、
本発明のオレフィン改質触媒として用いることに非常に適している。なぜなら、
これらは、典型的にはオレフィン類のオリゴメゼーション及びオレフィンによる
芳香族有機化合物のアルキル化の両者を触媒することができる能力を有するから
である。硫酸などの液体酸を用いることもできるが、固体酸性触媒が特に望まし
い。かような固体酸性触媒は、固体基体上に担持された液体酸を含む。固体触媒
は、一般に、液体触媒よりも好ましい。なぜなら、かような物質には供給原料が
接触しやすいからである。例えば、適切な温度で、固体粒子触媒の1種以上の固
定床に供給原料を単に通過させるだけでよい。あるいは、固体粒子触媒の流動床
(ebulated bed)に供給原料を通過させてもよい。
【0035】 本発明の実施に際して用いるに適切なオレフィン改質触媒は、酸性ポリマー樹
脂、担持酸、及び酸性無機酸化物などの物質を含むものでもよい。適切な酸性ポ
リマー樹脂は、当該分野において周知で市販されているポリマースルホン酸樹脂
を含む。かような物質の典型例としては、Rohm and Hass Co.,により製造されて
いる製造物Amberlyst 35(登録商標)を挙げることができる。
【0036】 オレフィン改質触媒として有用な担持酸は、制限されるものではないが、シリ
カ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化ジルコニウム又はクレイなどの固体上に
担持されたブロンステッド酸(例として、リン酸、硫酸、ホウ酸、HF、フルオロ
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びジヒドロキシフルオロホウ酸を
挙げることができる)及びルイス酸(例として、BF3、BCl3、AlCl3、AlBr3、FeC
l2、FeCl3、ZnCl2、SbF5、SbCl5及びAlCl3とHClとの組合せを挙げることができ
る)を含む。担持された液体酸を用いる場合には、担持触媒を典型的には所望の
液体酸と所望の担体とを組み合わせて乾燥させることによって調製する。リン酸
と担体との組合せにより調製された担持触媒が非常に好ましく、本明細書におい
て「固体リン酸触媒」と称す。これらの触媒は、非常に効果的で且つコストが低
いので好ましい。本明細書に参照としてその全体が組み込まれている米国特許第
2,921,081(Zimmerschiedら)は、ジルコニウムオキサイド及びジルコニウムハ
ライドからなる群より選択されるジルコニウム化合物と、オルソリン酸、ピロリ
ン酸及びトリリン酸からなる群より選択される酸とを組み合わせることによる固
体リン酸触媒の調製を開示する。本明細書に参照としてその全体が組み込まれて
いる米国特許第2,120,702(Ipatieffら)は、リン酸とシリカ物質とを組み合わ
せることによる固体リン酸触媒の調製を開示する。最後に、本明細書に参照とし
てその全体が組み込まれている英国特許第863,539は、リン酸を珪藻土すなわちk
ieselguhrなどの固体シリカ物質上に堆積させることによる固体リン酸触媒の調
製を開示する。
【0037】 珪藻土上にリン酸を堆積させることにより調製される固体リン酸に関して、触
媒は、(1)珪藻土に担持された1種以上のフリーリン酸(オルソリン酸、ピロ
リン酸及びトリリン酸など)及び(2)珪藻土との酸の化学反応から派生したシ
リコンフォスフェートを含むと考えられる。無水シリコンフォスフェートはオレ
フィン改質触媒としては不活性であると信じられているが、無水シリコンフォス
フェートは加水分解によりオレフィン改質触媒として活性であるオルソリン酸及
びピロリン酸の混合物を得ると考えられる。この混合物の正確な組成は、触媒が
暴露される水の量に依存する。固体リン酸アルカリ化触媒が実質的に無水の供給
原料と一緒にオレフィン改質触媒として用いられる場合には、固体リン酸アルカ
リ化触媒を十分な活性レベルに維持するために、イソプロピルアルコールなどの
アルコールの少量を供給原料に添加して、触媒を十分なレベルの水和物に維持す
ることが一般的に行われている。アルコールが触媒と接触して脱水し、得られる
水が触媒を水和させるために作用すると考えられる。触媒が非常に少量の水を含
む場合には、コーキングの結果として迅速な不活性化を導き得る非常に高い酸性
を有する傾向にあり、加えて、触媒が良好な物理的一体性を失うであろう。触媒
のさらなる水和は、酸性を減少させ、コーキング形成を通じての迅速な不活性化
に向かう傾向を減少させる。しかし、かような触媒の過剰の水和は、触媒を柔軟
にして、物理的凝集を生じさせ、固定床反応器内で大きな圧力降下を引き起こす
。したがって、固体リン酸触媒に対する最適な水和レベルがあり、この水和レベ
ルは反応条件の関数となるであろう。本発明を制限するものではないが、固体リ
ン酸触媒を用いる場合には、一般に、供給原料中の水濃度が約50〜約1,000重量p
pmの範囲にある場合に、触媒水和物の満足するレベルが維持されることを見出し
た。所望であれば、この水を、触媒との接触時に脱水されると考えられるイソプ
ロピルアルコールなどのアルコール形態で具備していてもよい。
【0038】 オレフィン改質触媒として有用な酸性無機酸化物は、制限されるものではない
が、アルミナ、シリカ−アルミナ、天然又は合成の柱状クレイ、ファジャサイト
、モルデナイト、L、ω、X、Y、β及びZSMゼオライトなどの天然又は合成の
ゼオライトを含む。非常に適切なゼオライトは、β、Y、ZSM-3、ZSM-4、ZSM-5
、ZSM-18及びZSM-20を含む。所望であれば、ゼオライトは、シリカ−アルミナな
どの無機酸化物マトリックス物質に組み込まれていてもよい。
【0039】 オレフィン改質触媒は、ルイス酸(例えば、BF3、BCl3、SbF5及びAlCl3を含む
)、非ゼオライト固体無機酸化物(例えば、シリカ、アルミナ及びシリカ−アル
ミナを含む)及び大孔結晶性モレキュラシーブ(例えば、ゼオライト、柱状クレ
イ及びアルミノフォスフェートを含む)などの異なる物質の混合物を含むもので
もよい。
【0040】 固体オレフィン改質触媒を用いる場合には、オレフィン改質反応域内で供給物
と迅速且つ効果的に接触する物理的形態であることが望ましい。本発明を制限す
るものではないが、固体触媒は粒子形態であり、粒子の最も大きな寸法が約0.1m
m〜約2cmの範囲にある平均値を有することが好ましい。例えば、平均寸法が約0.
1mm〜約2cmである実質的に球形のビーズ触媒を用いることができる。あるいは、
約0.1mm〜約1cmの範囲の直径及び約0.2mm〜約2cmの範囲の長さを有するロッド形
態の触媒を用いることもできる。
【0041】 本発明の実施の際には、供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料中
のパラフィン類の有意なクラッキングを生じさせずに、供給原料の臭素数よりも
低い臭素数を有する生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と
接触させる。本明細書において「臭素数」とは、本明細書に参照としてその全体
が組み込まれているthe 1999 Annual Book of ASTM Standards, Section 5, Pet
roleum Products, Lubricants, and Fossil Fuels, Vol.05.01, page 407に見出
すことができるASTM D 1159-98手順により決定されることが好ましい。しかし、
臭素数の決定に対する他の慣用の分析手順も用いることができる。オレフィン改
質反応域からの生成物の臭素数は、オレフィン改質反応域への供給原料の80%以
下であることが望ましく、供給原料の70%以下であることが好ましく、供給原料
の65%以下であることがより好ましい。
【0042】 オレフィン改質反応域内で利用できる条件は、供給原料中のオレフィン類の少
なくとも一部が、ガソリン及びディーゼル燃料等の燃料の成分として有用な適切
な揮発性生成物に変換されるように選択されることがさらに好ましい。
【0043】 本発明を制限するものではないが、オレフィン改質反応域への供給原料中のオ
レフィン類は、オレフィン改質反応域内でのオレフィン改質触媒との供給原料の
接触時に生じる種々の化学反応において少なくとも部分的に消費されると考えら
れる。さらに、特定の化学反応は、供給原料の組成に依存すると考えられる。こ
れらの化学プロセスは、オレフィン重合及びオレフィン類による芳香族化合物の
アルカリ化を含むと考えられる。
【0044】 より高分子量の生成物を形成するためのオレフィン改質触媒上でのオレフィン
又はオレフィン類の混合物の縮合反応を、本明細書において重合プロセスと称し
、生成物は低分子量オリゴマー又は高分子量ポリマーのいずれであってもよい。
オリゴマーは、2、3又は4分子のオレフィン分子相互の縮合により形成され、
一方、ポリマーは5分子以上のオレフィン分子相互の縮合により形成される。本
明細書で用いる「重合」なる用語は、オリゴマー及び/又はポリマーの形成に対
するプロセスを広く称するために用いられる。オレフィン重合は、結果的に、オ
レフィン性不飽和を消費する。例えば、プロパンの2分子の単純な縮合は、結果
的に、ただ1個のオレフィン性二重結合を有する6炭素オレフィンを形成する(
開始物質中の2個の二重結合が生成物中の1個の二重結合に置換される)。同様
に、プロパン3分子の単純縮合は、結果的に、ただ1個のオレフィン性二重結合
を有する9炭素オレフィンを形成する(開始物質中の3個の二重結合が生成物中
の1個の二重結合に置換される)。
【0045】 オレフィン重合は、オレフィン改質反応域内で生じる臭素数の減少を理解する
ための単純なモデルであるが、他のプロセスもまた重要であると考えられる。例
えば、単純オレフィン縮合の初期生成物は、オレフィン改質触媒の存在下で異性
化して、高度に枝分かれしたモノ不飽和オレフィン類となり得る。加えて、重合
反応が生じて、オレフィン改質触媒の存在下で、実質的に分裂して高度に枝分か
れした生成物(初期重合生成物よりも低い分子量を有する)となるポリマーを生
じさせてもよい。本発明を制限するものではないが、オレフィン改質反応域内で
は、以下の変態が生じていると考えられる。(1)供給原料中の低分子量オレフ
ィン類が、高度に枝分かれしたガソリン沸点内の高分子量オレフィン類に転化す
る。(2)供給原料中の枝分かれしていないか又はわずかに枝分かれしているオ
レフィン類が、ガソリン沸点内の高度に枝分かれしたオレフィン類に異性化する
【0046】 芳香族化合物のアルキル化もまた、オレフィン改質反応域内で生じ得る供給原
料の臭素数を減少させるように作用する重要な化学プロセスである。1個の二重
結合を含むオレフィンによる芳香族有機化合物のアルキル化は、結果的にオレフ
ィンの二重結合を分解し、結果的に物質の芳香族環系上の水素原子をアルキル基
で置換する。オレフィンのオレフィン性二重結合の分解は、供給原料の臭素数に
比較して減少した臭素数を有する生成物のオレフィン改質反応域内での形成に寄
与する。しかし、芳香族有機化合物は、アルキル化物質としての反応性を広範に
変化させる。例えば、固体リン酸触媒上での204℃における1-ヘプタンによるア
ルキル化に対する幾つかの代表的な芳香族化合物の相対的な反応性をTable Iに
示す。ここで、各速度定数は、時間の関数としてのln(1-x)(ここでxは物質濃
度である)の形態による実験データをプロットして得られたラインの傾斜から得
たものである。
【0047】 本明細書で用いられる「硫黄含有芳香族化合物」及び「硫黄含有芳香族不純物
」なる用語は、芳香族環系に少なくとも1個の硫黄原子を含むすべての芳香族有
機化合物を意味する。かような物質は、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン
化合物を含む。
【0048】 硫黄含有芳香族化合物は、通常、芳香族炭化水素類よりも迅速にアルキル化さ
れる。したがって、硫黄含有芳香族不純物は、制限された程度まで、オレフィン
改質反応域内で選択的にアルキル化され得る。しかし、所望であれば、オレフィ
ン改質反応域内での反応条件を、芳香族炭化水素類が有意にアルキル化されるよ
うに選択してもよい。本発明のこの実施形態は、供給原料がベンゼンなどの揮発
性芳香族炭化水素類を含み、かような物質を高分子量アルキル化生成物に転化す
ることにより破壊することが望ましい場合には、非常に有用であり得る。この実
施形態は、供給原料が3〜5炭素原子を含むオレフィン類など有意量の低分子量
オレフィン類を含む場合に、特に有用である。かような低分子量オレフィン類に
よるベンゼンのモノアルキル化又はジアルキル化からの生成物は、9〜16炭素原
子を含み、したがってガソリン又はディーゼル燃料の成分として有用であるに十
分な揮発性を有するであろう。
【0049】
【表1】
【0050】 オレフィン改質反応域への供給原料中の硫黄含有芳香族不純物のアルキル化は
、結果的に、より沸点の高い硫黄含有生成物を形成させる。したがって、かよう
な物質は、沸点に基づいて、反応域流出物の分留によって取り除くことができる
。非常に大雑把な近似として、モノアルキル化チオフェンの側鎖中の各炭素原子
は、チオフェンの沸点84℃を約25℃上昇させる。例として、2-オクチルチオフェ
ンは、259℃の沸点を有する。これは、8個の炭素アルキル基内の各炭素原子に
対して、チオフェンの沸点を上回る23℃の沸点上昇に対応する。したがって、オ
レフィン改質反応域内でのC7〜C15を有するチオフェンのモノアルキル化によっ
て、通常、約210℃の初留点を有する高沸点分留の成分として分留によって容易
に除去するに十分に高い沸点を有する硫黄含有アルキル化生成物を得る。
【0051】 オレフィンによる硫黄含有芳香族化合物のアルキル化は、2-イソプロピルチオ
フェン又は3-イソプロピルチオフェンのいずれかを得るためのプロペンによるチ
オフェンのモノアルキル化として説明される。かようなアルキル化生成物のより
高い分子量は、開始物質の沸点に比較してより高い沸点を反映するものである。
本発明の一実施形態において、オレフィン改質反応域内での反応条件は、供給原
料中の硫黄含有芳香族不純物の半分以上がより高い沸点の硫黄含有生成物に転化
するように選択される。
【0052】 メルカプタン類は、石油精製時に一般的に見られる炭化水素液体中の不純物と
してしばしば有意量で含まれる有機硫黄含有化合物の一分類である。例えば、原
油の単純蒸留により調製される直留ガソリン(straight run gasolines)は、し
ばしば、不純物として有意量のメルカプタン及び硫化物を含む。硫黄含有芳香族
化合物とは異なり、メルカプタンは、オレフィン改質反応域内で用いられる反応
条件に対して比較的不活性であると考えられる。加えて、ベンゾチオフェン化合
物及び数種の多重置換チオフェン、例えばある種の2,5-ジアルキルチオフェン類
もまた、オレフィン改質反応域内で用いられる条件下で比較的不反応性であろう
。したがって、供給原料中のメルカプタンの大部分及び有意量のある種の比較的
不反応性の硫黄含有芳香族化合物は、オレフィン改質反応域内での反応条件を変
えることなく残留し得る。
【0053】 本発明の実施に際して、オレフィン改質反応域内で、臭素数により測定される
ものとしての供給原料のオレフィン性不飽和の所望の減少を生じさせるに有効な
温度及び時間で、供給原料をオレフィン改質触媒と接触させる。接触温度は、約
50℃を越えることが望ましく、100℃を越えることが好ましく、125℃を越えるこ
とがより好ましい。接触は、一般的に、約50℃〜約350℃、好ましくは約100℃〜
約350℃、より好ましくは約125℃〜約250℃の範囲の温度で実施されるであろう
。もちろん、最適な温度は、用いられるオレフィン改質触媒、供給原料中のオレ
フィン濃度、供給原料中に存在するオレフィン類のタイプ、及びアルキル化され
るべき供給原料中の芳香族化合物のタイプの関数である。
【0054】 供給原料は、いかなる適切な圧力でも、オレフィン改質反応域内で、オレフィ
ン改質触媒と接触し得る。しかし、約0.01気圧〜約200気圧の範囲の圧力が望ま
しく、約1〜約100気圧の範囲の圧力が好ましい。供給原料が単純に触媒床を通
して流される場合には、供給物が必要とする圧力を用いることが一般的に好まし
い。
【0055】 本発明の非常に好ましい実施形態において、オレフィン改質反応域内で利用さ
れる条件は、供給原料中のパラフィン類の有意なクラッキングが生じないように
選択される。例えば、望ましくは供給原料中のパラフィン類の10%未満、好まし
くはパラフィン類の5%未満、より好ましくはパラフィン類の1%未満が分解す
るであろう。パラフィン類の有意なクラッキングは、結果的に望ましくない副産
物、例えばガソリン容積を損失させる低分子量化合物を形成させると考えられる
【0056】 本発明の実施に際して、オレフィン改質反応域からの流出物は、揮発性に基づ
いて少なくとも2種の分留に分留される。最も低い沸点の分留の蒸留終点は、ベ
ンゾチオフェンの相当量が蒸留される温度未満になるように選択されることが望
ましい。ベンゾチオフェンの沸点は221℃であるから、この低い沸点の分留の蒸
留終点は、典型的には約221℃未満となるように選択される。しかし、ベンゾチ
オフェンは、典型的には不純物として生じる炭化水素液体成分を含む低沸点共沸
混合物を形成し得る。かような共沸混合物の形成ゆえ、最も低い沸点の分留の蒸
留終点は、約199℃未満であることが好ましく、約190℃未満であることがより好
ましい。最も低い沸点の分留に対する望ましい蒸留終点は、約135℃〜約221℃の
範囲にある。なぜなら、これは、通常アルキル化が困難でオレフィン改質反応域
内の反応条件に耐えるであろうベンゾチオフェン化合物、さらにはある種の多重
置換チオフェン、例えば2,5-ジアルキルチオフェンなどを追い出すように作用す
るからである。最も低い沸点の分留に対して非常に望ましい蒸留終点は、約150
℃〜約190℃の範囲にある。
【0057】 オレフィン改質反応域からの流出物の分留からの最も低い沸点の分留を、水素
の存在下で、硫黄含有有機不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化す
るに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる。非常に好ましい実施形態に
おいて、さらに、より高い沸点の1又は複数の分留の少なくとも一部を、水素の
存在下で、硫黄含有有機不純物中の硫黄の少なくとも一部が硫化水素に転化する
に有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる。
【0058】 水素化脱硫触媒は、いかなる慣用の触媒であってもよく、例えば、適切な基体
上に担持されたVI族及び/又はVIII族金属からなる触媒であってもよい。VI族金
属は、典型的にはモリブデン又はタングステンであり、VIII族金属は、典型的に
はニッケル又はコバルトである。典型的な組合せは、ニッケルとモリブデン、コ
バルトとモリブデンである。適切な触媒担体は、制限されるものではないが、ア
ルミナ、シリカ、チタニア、酸化カルシウム、マグネシア、酸化ストロンチウム
、酸化バリウム、炭素、ジルコニア、珪藻土、及びランタニド酸化物を含む。好
ましい触媒担体は、多孔性であり、アルミナ、シリカ及びシリカ−アルミナを含
む。
【0059】 水素化脱硫触媒の粒径及び形状は、典型的には、反応物質は触媒と接触する態
様によって決定される。例えば、触媒を固定床触媒として又は流動床触媒(ebul
ating bed catalyst)として用いることができる。
【0060】 本発明の実施に用いられる水素化脱硫反応条件は、ぴったりの慣用的なもので
ある。例えば、圧力は、約15〜約1500psi(約1.02〜約102.1気圧)の範囲でよく
、温度は約50℃〜約450℃の範囲でよく、液体時間空間速度(liquid hourly spa
ce velocity)は約0.5〜約15LHSVでよい。水素化脱硫反応域内での炭化水素供給
物に対する水素の比率は、典型的には約200〜約500標準立方フィート毎バレル(
standard cubic feet per barrel)である。水素化脱硫の程度は、水素化脱硫触
媒及び選択された反応条件、さらには水素化脱硫反応域への供給物中の硫黄含有
有機不純物の正確な(precise)性質の関数である。しかし、水素化脱硫プロセ
ス条件は、硫黄含有有機不純物の硫黄含有量の少なくとも約50%が硫化水素に転
化するような条件を選択することが望ましく、好ましくは硫化水素への転化が少
なくとも約75%であるような条件に選択される。
【0061】 硫化水素の除去後、オレフィン改質反応域からの最も低い沸点の分留の水素化
脱硫からの生成物は、望ましくは50重量ppm未満、好ましくは30重量ppm未満、よ
り好ましくは20重量ppm未満の硫黄含有量を有する。この水素化脱硫生成物のオ
クタンは、オレフィン改質反応域への供給原料のオクタンの少なくとも93%であ
ることが望ましく、供給原料のオクタンの少なくとも95%であることが好ましく
、供給原料のオクタンの少なくとも97%であることがより好ましい。特にことわ
らない限り、本明細書において「オクタン」なる用語は、(R+M)/2(物質のリ
サーチオクタン(research octane)とモーターオクタン(motor octane)との
和を2で割ったもの)を意味する。
【0062】 より高い沸点の1又は複数の分留もまた水素化脱硫に共されるこれらの実施形
態において、硫化水素の除去後に得られる生成物もまた、望ましくは50重量ppm
未満、好ましくは30重量ppm未満、より好ましくは10重量ppm未満の硫黄含有量を
有する。加えて、かような生成物のオクタンもまた、望ましくはオレフィン改質
反応域への供給原料のオクタンの少なくとも94%、好ましくは供給原料の少なく
とも96%、より好ましくは供給原料の少なくとも98%である。
【0063】 オレフィン改質反応域からの最も低い沸点の分留の水素化脱硫に用いられる反
応条件は、きわめて緩やかでよい。なぜなら、硫黄含有不純物は、典型的に、メ
ルカプタンなどの容易に水素化脱硫される物質からなるからである。オレフィン
改質反応域からの沸点が高い方の分留の水素化脱硫に用いられる反応条件は、幾
らか厳しい反応条件を要求する。なぜなら、硫黄含有不純物が、典型的に、チオ
フェン化合物及びベンゾチオフェン化合物などメルカプタンよりも水素化脱硫が
より困難な物質を含むからである。したがって、本発明の非常に好ましい実施形
態は、オレフィン改質反応域からの沸点が高い方の1又は複数の分留に対しては
、沸点が最も低い分留に対して用いられる水素化脱硫反応条件よりもかなり厳し
い水素化脱硫反応条件を用いる。温度、圧力、水素量及び空間速度は、所定の分
留で実施される水素化脱硫の厳密さを制御するように選択されることが理解され
るであろう。
【0064】 非常に好ましい実施形態において、オレフィン改質反応域からの最も揮発性で
ある分留は、非常に緩やかな水素化脱硫条件、例えば、約100℃〜約300℃の範囲
の温度、約50psi〜約300psi(約3.40気圧〜約20.4気圧)の範囲の圧力、約4LHS
V〜約8LHSVの範囲の液体毎時空間速度に共される。オレフィン改質反応域から
の沸点が高い方の分留は、好ましくは、幾らか厳しい水素化脱硫条件、例えば、
約250℃〜約450℃の範囲の温度、約300psi〜約700psi(約20.4気圧〜約47.6気圧
)の範囲の圧力、約4LHSV〜約8LHSVの範囲の液体毎時空間速度に共される。
【0065】 水素化脱硫プロセスの結果、硫黄含有有機不純物は、水素化脱硫反応域の流出
物から慣用の手順によって容易に取り除かれて硫黄含有量が減少した生成物を得
る硫化水素及び無機ガスに転化する。得られる本発明の水素化脱硫生成物は、オ
レフィン改質反応域への供給原料のオクタンと比較してあまり変わらないオクタ
ンを有する。水素化脱硫反応域への供給物のオレフィン含有量のほとんどの部分
は水素添加されてパラフィン類に転化するが、これはオレフィン改質反応域への
供給原料のオクタン価と比較した場合にオクタン価の大幅な減少を生じさせるも
のではない。本発明を制限するものではないが、供給原料中のわずかな枝分かれ
を有するか又は枝分かれを有していないオレフィン類は、オレフィン改質反応域
内で高度に枝分かれしたオレフィン類に転化すると考えられる。水素化脱硫反応
域内で水素添加される場合に、これらの高度に枝分かれしたオレフィン類は、高
度に枝分かれしたパラフィン類に転化する。このパラフィン類は、多くの場合、
高度に枝分かれしたオレフィン類(このオレフィン類から問題のパラフィン類が
派生する)よりも大きなオクタン価を有するであろう。対比して、わずかに枝分
かれしているか又は枝分かれしていないオレフィン類であって、典型的には触媒
クラッキング生成物中に見出されるオレフィン類の代表であるオレフィン類の水
素添加は、オレフィン類よりも低いオクタンを有するパラフィン類を形成させる
【0066】 本発明の一実施形態を図面に概略的に示す。図面を参照すれば、流動触媒クラ
ッキングプロセスからの重質ナフサをライン1を介して前処理容器2に通過させ
る。重質ナフサ供給原料は、オレフィン類、パラフィン類、ナフテン類、及び芳
香族類を含み、オレフィン含有量が約10wt.%〜約30wt.%の範囲にある混合炭化水
素類からなる。加えて、重質ナフサ供給原料は、チオフェン、チオフェン誘導体
、ベンゾチオフェン及びベンゾチオフェン誘導体、メルカプタン、硫化物及び二
硫化物などを含む硫黄含有有機不純物の形態で約0.2wt.%〜約0.5wt.%の硫黄を含
む。供給原料はさらに、塩基性窒素含有不純物を約50〜約200重量ppm含む。
【0067】 塩基性窒素含有不純物は、供給原料の炭化水素成分の有意な化学改質を生じさ
せない緩やかな接触条件下で、硫酸水溶液等の酸性物質と接触することによって
、前処理容器2内で供給原料から取り除かれる。
【0068】 前処理容器2からの流出物は、ライン3を通過して、オレフィン改質触媒を含
むオレフィン改質反応器4に導入される。反応器4に対する供給物は、反応器を
通過して、ここで、ライン3からの供給物の臭素数よりも低い臭素数を有する生
成物を製造するに有効な反応条件下で、オレフィン改質触媒と接触する。加えて
、チオフェン不純物及びベンゾチオフェン不純物の相当量が、供給物中のオレフ
ィン類によるアルキル化によって、より高い沸点の硫黄含有物質に転化する。
【0069】 オレフィン改質反応器4からの生成物は、ライン5を介して排出され、蒸留塔
6に通過して、ここでこれらの生成物は分留される。約177℃の初留点を有しア
ルキル化硫黄含有不純物を含有する炭化水素混合物を含む高沸点分留は、ライン
7を介して蒸留塔6から抜き出される。元の重質ナフサ供給原料の硫黄含有量に
比較して硫黄含有量が減少しており、且つ約177℃の蒸留終点を有する低沸点分
留は、ライン8を介して蒸留塔6から抜き出される。
【0070】 蒸留塔6からの高沸点分留は、ライン7を通過して、水素化脱硫反応器9に導
入され、水素はライン10を介して水素化脱硫反応器9に導入される。高沸点分
留は、水素化脱硫反応器9内で、水素の存在下、ライン7からの供給物の硫黄含
有不純物中の硫黄の少なくとも一部が硫化水素に転化するに有効な条件下で、水
素化脱硫触媒と接触する。生成物は、ライン11を介して水素化脱硫反応器9か
ら抜き出され、硫化水素の除去後、生成物は、ライン7からの供給物に比較して
減少した硫黄含有量を有する。この生成物の硫黄含有量は、典型的には約30重量
ppm未満であろう。
【0071】 蒸留塔6からの低沸点分留は、ライン8を通過して、水素化脱硫反応器12に
導入され、水素はライン13を介して水素化脱硫反応器12に導入される。低沸
点分留は、水素化脱硫反応器12内で、水素の存在下、ライン8からの供給物の
硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部が硫化水素に転化するに有効な条件下
で、水素化脱硫触媒と接触する。生成物は、水素化脱硫反応器12からライン1
4を介して抜き出され、硫化水素の除去後、生成物は、プロセスへの重質ナフサ
供給原料及びライン8からの供給物の両者に比較して、減少した硫黄含有量を有
する。この生成物の硫黄含有量は、典型的には、約30重量ppm未満であろう。
【0072】 以下の実施例は、本発明を説明するだけのものであり、本発明の範囲を制限す
るものではない。
【0073】
【実施例】
以下の手順によって、初留点52℃、終留点227℃を有するナフサ供給原料を得た
。(1)硫黄含有不純物を含むガス油供給原料の流動触媒クラッキングからの生
成物の分留、(2)得られた上述の沸点範囲のナフサ分留をドラムミキサー内で
15wt.%硫酸水溶液により洗浄すること(ナフサ分留10部に対して、硫酸水溶液1
部の割合)及び(3)水含量が約120重量ppmとなるまで、酸洗浄したナフサ分留
を乾燥させること。マルチカラムガスクロマトグラフィーを用いてのナフサ供給
原料の分析は、パラフィン類10.09重量%、オレフィン類20.84重量%、飽和ナフ
テン類7.09重量%、芳香族類55.78重量%、非同定物質6.19重量%を含むことを
示した。X線蛍光分光分析により決定したところ、ナフサ供給原料の総硫黄含量
は、860重量ppmであり、この硫黄含有量の約95%(すなわち817重量ppm)がチオ
フェン、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン及びベンゾチオフェン誘導体の形
態であった(集合的にチオフェン/ベンゾチオフェン化合物と称す)。チオフェ
ン/ベンゾチオフェン化合物ではなかった硫黄含有化合物(メルカプタン、硫化
物及び二硫化物など)の実質的に全部は、177℃以下の沸点を有していた。ナフ
サ供給原料は、総窒素含有量56重量ppm及び塩基性窒素含有量50重量ppmを有して
いた。加えて、ナフサ供給原料は、(R+M)/2オクタン85.7を有していた[物質
のリサーチオクタン(research octane)とモータオクタン(motor octane)と
の和を2で割ったものを(R+M)/2と称す]。
【0074】 ナフサ供給原料を、オレフィン改質反応器内で、温度191℃、圧力200psi(13.6
気圧)、液体時間空間速度(liquid hourly space velocity)1.5LHSVで、珪藻土
(kieselguhr)上の12〜18メッシュ固体リン酸触媒の固定床(UOPからSPA-2の名
称で販売されている)と接触させた。触媒床は、800cm3の容積を有しており、触
媒床を内径2.54cmの管状ステンレススチール反応器内で不活性ガラスビーズの2
個の床の間に保持した。反応器は、約2000cm3の総内部加熱容積を有しており、
反応器を垂直方向に保持した。得られた生成物を分留によって2個の分留に分離
した。(1)177℃の蒸留終点を有する低沸点分留として生成物の70wt.%(2)3
37℃の最終沸点を有する高沸点分留又は底流として生成物の30wt.%、このうち約
10vol.%は約227℃以上で沸騰する物質である。これら2つの分留及びナフサ供給
原料の硫黄含有量、臭素数及び(R+M)/2オクタンをTable IIに示す。これらの
結果は、ナフサ供給原料中の硫黄の大部分がオレフィン改質反応器からの高沸点
分留中に凝縮されることを示す。加えて、これらの結果は、ナフサ供給原料の臭
素数に比較して、オレフィン改質反応器生成物の臭素数が38〜41%減少すること
を示す。
【0075】
【表2】
【0076】 オレフィン改質反応器からの低沸点分留は、粒子状シリコンカーバイド80cm3
と混合した0.050インチ(0.127cm)CoMo/Al2O3トリローベ(trilobe)水素処理
触媒(Criterionから得た)20cm3が充填されている内径1.3cmの管状固定床反応
器内で、232℃の温度、200psi(13.6気圧)の圧力で、水素化脱硫に共した。反
応器への水素の流を1標準立方フィート毎時(28.3L/hr)に維持した。液体毎時
空間速度(LHSV)4.0及び5.6の2つの異なる実験において、水素化脱硫を評価し
た。硫化水素の除去後、得られた水素化脱硫生成物の特性をTanle IIIに示す。
比較のため、水素化脱硫反応器への低沸点供給物に対する分析データもまたTabl
e IIIに示す。Table IIIの結果は、オレフィン改質反応器からの高沸点分留中の
硫黄の85%以上が、きわめて緩やかな水素処理条件下で、(R+M)/2オクタンの
約1単位の不利益で、除去され得ることを示す。
【0077】
【表3】
【0078】 オレフィン改質反応器からの高沸点分留もまた、粒子状シリコンカーバイド80
cm3と混合した0.050インチ(0.127cm)CoMo/Al2O3トリローベ水素処理触媒(Cri
terionから得た)20cm3が充填されている内径1.3cmの管状固定床反応器内で、水
素化脱硫に共した。上述のように、反応器への水素の流は、1標準立方フィート
毎時(28.3L/hr)に維持した。温度、圧力及び液体毎時空間速度(LHSV)の種々
の組合せを用いる4つの異なる実験において、水素化脱硫を評価した。これらの
組合せの区別は、硫化水素の除去後、得られる水素化脱硫生成物の特性として、
Table IVに示す。Table IVにはさらに、比較のために、反応器への高沸点供給物
の特性も示す。Table IVの結果は、オレフィン改質反応器からの高沸点分留の硫
黄含有量の99%以上が、緩やかな水素処理条件下で、(R+M)/2オクタンにおけ
る有意な損失を引き起こさずに、除去され得ることを示す。
【0079】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施形態の代表概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ヒュッフ,ジョージ・エイ アメリカ合衆国イリノイ州60563,ネイパ ービル,モーヴェン・コート 823 Fターム(参考) 4H029 DA01 DA03 DA04 DA09

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄含有有機不純物を含み、常態で液体のオレフィン類を含む
    炭化水素類混合物を含む供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する
    方法であって、 (a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料の臭素数よりも低い臭
    素数を有する生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と接触さ
    せ、 (b)オレフィン改質反応器からの生成物を分留して、 (i)硫黄含有有機不純物を含み、約135℃〜約221℃の範囲にある蒸留終点を
    有する第1の分留と、 (ii)第1の分留よりも高い沸点を有し、硫黄含有有機不純物を含む第2の
    分留と、 を作り、 (c)第1の分留を、第1の水素化脱硫反応域内で、水素の存在下で、第1の分
    留の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条
    件下で、水素化脱硫触媒と接触させる 各工程を備えることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、供給原料はパラフィン類を含
    み、オレフィン改質反応域内の条件は、パラフィン類の有意なクラッキングを生
    じさせずに、供給原料の臭素数よりも低い臭素数を有する生成物を製造するに有
    効な条件であることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、さらに、第2の分留を、水素
    の存在下で、第2の分留の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素
    に転化するに有効な条件下で、第2の水素化脱硫反応域内で、水素化脱硫触媒と
    接触させる工程を含むことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法であって、第2の水素化脱硫反応器内の
    水素化脱硫条件は、第1の水素化脱硫反応器内の条件よりも厳しいことを特徴と
    する方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の方法であって、さらに、第2の水素化脱硫反
    応域内の流出物から硫化水素を取り除いて、約30重量ppm未満の硫黄を含有する
    脱硫生成物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法であって、第2の水素化脱硫反応域から
    の脱硫生成物のオクタンは、オレフィン改質反応域への供給物の少なくとも95%
    であることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の方法であって、さらに、第1の水素化脱硫反
    応域の流出物からの硫化水素を取り除いて、約30重量ppm未満の硫黄を含有する
    脱硫生成物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法であって、脱硫生成物のオクタンは、オ
    レフィン改質反応域への供給原料の少なくとも95%であることを特徴とする方法
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、有機硫黄化合物
    の形態での硫黄を約0.05wt.%〜約0.7wt.%含むことを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、塩基性窒素含
    有不純物を含み、方法はさらに、供給原料がオレフィン改質触媒と接触する前に
    、供給原料から塩基性窒素含有不純物を取り除く工程を含むことを特徴とする方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の方法であって、供給原料は、触媒クラッ
    キングプロセスからの炭化水素類を含むことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、塩基性窒素含
    有不純物を実質的に含まないことを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、ガソリン範囲
    で沸騰する炭化水素類の混合物を含むことを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、触媒クラッキ
    ングプロセスによって製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を取り除いて
    調製された処理ナフサを含むことを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の方法であって、オレフィン改質反応域から
    の生成物の臭素数は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素数の80%以下で
    あることを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の方法であって、オレフィン改質反応域か
    らの生成物の臭素数は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素数の70%以下
    であることを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の方法であって、第1の分留の蒸留終点及び
    第2の分留の初留点は、約150℃〜約190℃の範囲にあることを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、約79℃以下の
    初留点を有し、蒸留終点は約345℃以下であることを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 硫黄含有有機不純物を含み、オレフィン類を含む炭化水素の
    常態で液体の混合物からなる供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造
    する方法であって、 (a)供給原料を、供給原料の臭素数よりも低い臭素数を有する生成物を製造す
    るに有効な条件下で、オレフィン改質反応域内で、固体リン酸触媒及び酸性ポリ
    マー性樹脂触媒からなる群より選択されるオレフィン改質触媒と接触させ、 (b)オレフィン改質反応域からの生成物を分留して、 (i)硫黄含有有機不純物を含み、約135℃〜約221℃の範囲にある蒸留終点を
    有する第1の分留と、 (ii)第1の分留よりも高い沸点であり、硫黄含有有機不純物を含む第2の
    分留と、 を生成させ、 (c)第1の分留を、第1の分留の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を
    硫化水素に転化するに有効な条件下で、第1の水素化脱硫反応域内で、水素の存
    在下で、水素化脱硫触媒と接触させる、 各工程を備えることを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法であって、さらに、第2の分留を、
    第2の分留の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化するに
    有効な条件下で、第2の水素化脱硫反応域内で、水素の存在下で、水素化脱硫触
    媒と接触させる工程を含むことを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の方法であって、さらに、第2の水素化脱
    硫反応域の流出物から硫化水素を取り除いて、オレフィン改質反応域への供給原
    料の少なくとも95%であるオクタンを有する脱硫生成物を得る工程を含むことを
    特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載の方法であって、さらに、第1の水素化脱
    硫反応域の流出物から硫化水素を取り除いて、オレフィン改質反応域への供給原
    料の少なくとも95%であるオクタンを有する脱硫生成物を得る工程を含むことを
    特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 請求項19に記載の方法であって、オレフィン改質反応域か
    らの生成物の臭素数は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素数の80%以下
    であることを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法であって、オレフィン改質反応域か
    らの生成物の臭素数は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素数の70%以下
    であることを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 請求項19に記載の方法であって、供給原料は、触媒クラッ
    キングプロセスからの炭化水素類を含むことを特徴とする方法。
  26. 【請求項26】 請求項19に記載の方法であって、供給原料は、触媒クラッ
    キングプロセスによって製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を取り除い
    て調製された処理ナフサを含むことを特徴とする方法、
JP2001553895A 2000-01-21 2000-09-19 硫黄除去方法 Expired - Fee Related JP5457616B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/489,392 US6599417B2 (en) 2000-01-21 2000-01-21 Sulfur removal process
US09/489,392 2000-01-21
PCT/US2000/025649 WO2001053432A1 (en) 2000-01-21 2000-09-19 Sulfur removal process

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003520888A true JP2003520888A (ja) 2003-07-08
JP2003520888A5 JP2003520888A5 (ja) 2012-05-17
JP5457616B2 JP5457616B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=23943662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001553895A Expired - Fee Related JP5457616B2 (ja) 2000-01-21 2000-09-19 硫黄除去方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6599417B2 (ja)
EP (1) EP1171550A1 (ja)
JP (1) JP5457616B2 (ja)
AU (1) AU773888B2 (ja)
WO (1) WO2001053432A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2254765T3 (es) * 2001-10-25 2006-06-16 Bp Corporation North America Inc. Procedimiento para la eliminacion de azufre.
AU2003222610B2 (en) 2002-04-17 2008-10-23 IFP Energies Nouvelles Purification process
US20050023191A1 (en) * 2003-08-01 2005-02-03 Shih Stuart S. Process to manufacture low sulfur fuels
WO2005019391A1 (en) * 2003-08-19 2005-03-03 Exxonmobil Research And Engineering Company Naphtha desulfurization with no octane loss and increased olefin retention
FR2858980B1 (fr) * 2003-08-19 2006-02-17 Inst Francais Du Petrole Utilisation d'un catalyseur comprenant un support en carburant de silicium b dans un procede d'hydrodesulfuration selective
US7332003B1 (en) * 2003-09-04 2008-02-19 Aspen Products Group, Inc. Hydrocarbon fuel processing for hydrogen generation
US20060194998A1 (en) * 2005-02-28 2006-08-31 Umansky Benjamin S Process for making high octane gasoline with reduced benzene content
US7731838B2 (en) * 2007-09-11 2010-06-08 Exxonmobil Research And Engineering Company Solid acid assisted deep desulfurization of diesel boiling range feeds
US8395006B2 (en) * 2009-03-13 2013-03-12 Exxonmobil Research And Engineering Company Process for making high octane gasoline with reduced benzene content by benzene alkylation at high benzene conversion
US9453167B2 (en) 2013-08-30 2016-09-27 Uop Llc Methods and apparatuses for processing hydrocarbon streams containing organic nitrogen species
KR20190058382A (ko) 2016-10-07 2019-05-29 할도르 토프쉐 에이/에스 4% 이상의 올레핀을 함유한 연료 가스 스트림의 수소처리 공정

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03503064A (ja) * 1988-03-03 1991-07-11 モービル・オイル・コーポレイション 低級オレフィンの改質
US5599441A (en) * 1995-05-31 1997-02-04 Mobil Oil Corporation Alkylation process for desulfurization of gasoline
JPH09296184A (ja) * 1995-12-21 1997-11-18 Sun Co Inc R & M オレフィン類及び芳香族類を含有する石油留分の改質方法
WO1998030655A1 (en) * 1997-01-14 1998-07-16 Amoco Corporation Sulfur removal process
US5863419A (en) * 1997-01-14 1999-01-26 Amoco Corporation Sulfur removal by catalytic distillation
US5865988A (en) * 1995-07-07 1999-02-02 Mobil Oil Corporation Hydrocarbon upgrading process

Family Cites Families (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2120702A (en) 1936-08-10 1938-06-14 Universal Oil Prod Co Manufacture of catalysts
US2843639A (en) 1954-02-15 1958-07-15 California Research Corp Process for securing and maintaining catalyst activity of phosphoric acid type catalysts
US2921081A (en) 1956-03-15 1960-01-12 Standard Oil Co Catalysis
NL244282A (ja) 1958-10-13 1900-01-01
US2999807A (en) 1959-03-31 1961-09-12 Shell Oil Co Removal of nitrogen compounds from gasoline
US3719587A (en) 1970-06-30 1973-03-06 Exxon Research Engineering Co Purging and washing coal naphtha to remove dihydrogen sulfide and basic nitrogen
US3953323A (en) * 1974-12-23 1976-04-27 Texaco Inc. Process for reduction of olefinic unsaturation of pyrolysis naphtha (dripolene)
US3957625A (en) * 1975-02-07 1976-05-18 Mobil Oil Corporation Method for reducing the sulfur level of gasoline product
US4171260A (en) 1978-08-28 1979-10-16 Mobil Oil Corporation Process for reducing thiophenic sulfur in heavy oil
US4229282A (en) * 1979-04-27 1980-10-21 Mobil Oil Corporation Catalytic dewaxing of hydrocarbon oils
FR2476118B1 (fr) * 1980-02-19 1987-03-20 Inst Francais Du Petrole Procede de desulfuration d'un effluent de craquage catalytique ou de craquage a la vapeur
US4795550A (en) * 1987-04-03 1989-01-03 Uop Inc. Removal of trace olefins from aromatic hydrocarbons
EP0359874B1 (en) 1988-09-20 1992-06-24 Uop A non-oxidative catalytic method of sweetening a sour hydrocarbon fraction
US4990242A (en) * 1989-06-14 1991-02-05 Exxon Research And Engineering Company Enhanced sulfur removal from fuels
US4973790A (en) 1989-11-16 1990-11-27 Mobil Oil Corporation Process for upgrading light olefinic streams
US5120890A (en) 1990-12-31 1992-06-09 Uop Process for reducing benzene content in gasoline
US5171916A (en) 1991-06-14 1992-12-15 Mobil Oil Corp. Light cycle oil conversion
US5346609A (en) 1991-08-15 1994-09-13 Mobil Oil Corporation Hydrocarbon upgrading process
US5391288A (en) 1991-08-15 1995-02-21 Mobil Oil Corporation Gasoline upgrading process
US5298150A (en) 1991-08-15 1994-03-29 Mobil Oil Corporation Gasoline upgrading process
US5409596A (en) 1991-08-15 1995-04-25 Mobil Oil Corporation Hydrocarbon upgrading process
US5414183A (en) * 1992-12-24 1995-05-09 Uop Nitrogen removal from light hydrocarbon feed in olefin isomerization and etherication process
US5336820A (en) 1993-08-11 1994-08-09 Mobil Oil Corporation Process for the alkylation of benzene-rich gasoline
US5510568A (en) 1994-06-17 1996-04-23 Chemical Research & Licensing Company Process for the removal of mercaptans and hydrogen sulfide from hydrocarbon streams
US5525211A (en) 1994-10-06 1996-06-11 Texaco Inc. Selective hydrodesulfurization of naphtha using selectively poisoned hydroprocessing catalyst
US5865987A (en) * 1995-07-07 1999-02-02 Mobil Oil Benzene conversion in an improved gasoline upgrading process
JP3378416B2 (ja) 1995-08-25 2003-02-17 新日本石油株式会社 接触分解ガソリンの脱硫方法
US5597476A (en) 1995-08-28 1997-01-28 Chemical Research & Licensing Company Gasoline desulfurization process
US5837131A (en) 1996-04-05 1998-11-17 University Technologies International Inc. Desulfurization process
FR2753717B1 (fr) * 1996-09-24 1998-10-30 Procede et installation pour la production d'essences de craquage catalytique a faible teneur en soufre
US6167054A (en) * 1997-02-14 2000-12-26 Advanced Micro Devices, Inc. Method and apparatus providing programmable thresholds for full-duplex flow control in a network switch
DK29598A (da) * 1998-03-04 1999-09-05 Haldor Topsoe As Fremgangsmåde til afsvovlning af FCC-tung benzin

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03503064A (ja) * 1988-03-03 1991-07-11 モービル・オイル・コーポレイション 低級オレフィンの改質
US5599441A (en) * 1995-05-31 1997-02-04 Mobil Oil Corporation Alkylation process for desulfurization of gasoline
US5865988A (en) * 1995-07-07 1999-02-02 Mobil Oil Corporation Hydrocarbon upgrading process
JPH09296184A (ja) * 1995-12-21 1997-11-18 Sun Co Inc R & M オレフィン類及び芳香族類を含有する石油留分の改質方法
WO1998030655A1 (en) * 1997-01-14 1998-07-16 Amoco Corporation Sulfur removal process
US5863419A (en) * 1997-01-14 1999-01-26 Amoco Corporation Sulfur removal by catalytic distillation
WO1999009117A1 (en) * 1997-08-18 1999-02-25 Bp Amoco Corporation Sulfur removal by catalytic distillation

Also Published As

Publication number Publication date
JP5457616B2 (ja) 2014-04-02
EP1171550A1 (en) 2002-01-16
US20020121459A1 (en) 2002-09-05
US6599417B2 (en) 2003-07-29
AU7590900A (en) 2001-07-31
AU773888B2 (en) 2004-06-10
WO2001053432A1 (en) 2001-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4414098B2 (ja) 多工程硫黄除去プロセス
JP2008527089A (ja) 輸送燃料の配合用成分からイオウを除去する方法
JP2002524608A (ja) 硫黄除去プロセス
JP4417105B2 (ja) 輸送燃料のブレンド用成分からの硫黄除去のための多重ステージプロセス
JP5457616B2 (ja) 硫黄除去方法
RU2287554C2 (ru) Способ получения продукта с уменьшенным содержанием серы (варианты)
JP2004537613A5 (ja)
AU2002310232A1 (en) Multiple stage process for removal of sulfur from components for blending of transportation fuels
JP5346147B2 (ja) 硫黄除去方法
JP4417104B2 (ja) 輸送燃料のブレンド用成分からの硫黄除去のための多重ステージプロセス
JP2005522530A (ja) 炭化水素のクラッキングまたは水蒸気分解工程からの流出液を脱硫するための統合された方法
JP2004536951A5 (ja)
AU2002303921A1 (en) Multistage process for removal of sulfur from components for blending of transportation fuels
AU2002349893B2 (en) Sulfur removal process
JP3635496B2 (ja) ガソリン留分のアルキル化脱硫方法
AU2002349893A1 (en) Sulfur removal process

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070726

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101026

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101125

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20111212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111220

A524 Written submission of copy of amendment under section 19 (pct)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20120319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131101

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20131114

TRDD Decision of grant or rejection written
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20131114

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees