JP2003520888A5 - - Google Patents

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【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫黄含有有機不純物を含み、常態で液体のオレフィン類を含む炭化水素類混合物を含む供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する方法であって、
(a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、オレフィン改質触媒と接触させて、供給原料の臭素価よりも低い臭素価を有する生成物を得て、
(b)オレフィン改質反応器からの生成物を分留して、
(i)硫黄含有有機不純物を含み、135℃〜221℃の範囲にある蒸留終点を有する第1の留分と、
(ii)第1の留分よりも高い沸点を有し、硫黄含有有機不純物を含む第2の留分と、を作り、
(c)第1の留分を、第1の水素化脱硫反応域内で、水素の存在下で、水素化脱硫触媒と接触させて、第1の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化する各工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、供給原料はパラフィン類を含み、工程(a)において、パラフィン類の10%以上のクラッキングを生じさせないことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに、第2の留分を、水素の存在下で、第2の水素化脱硫反応域内で、水素化脱硫触媒と接触させて、第2の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、第2の水素化脱硫反応器内の水素化脱硫条件は、第1の水素化脱硫反応器内の条件よりも厳しいことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、さらに、第2の水素化脱硫反応域内の流出物から硫化水素を取り除いて、30重量ppm未満の硫黄を含有する脱硫生成物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、第2の水素化脱硫反応域からの脱硫生成物のオクタンは、オレフィン改質反応域への供給物の少なくとも95%であることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、さらに、第1の水素化脱硫反応域の流出物からの硫化水素を取り除いて、30重量ppm未満の硫黄を含有する脱硫生成物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、脱硫生成物のオクタンは、オレフィン改質反応域への供給原料の少なくとも95%であることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、供給原料は、有機硫黄化合物の形態での硫黄を0.05wt.%〜0.7wt.%含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、供給原料は、塩基性窒素含有不純物を含み、方法はさらに、供給原料がオレフィン改質触媒と接触する前に、供給原料から塩基性窒素含有不純物を取り除く工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、触媒クラッキングプロセスをさらに含み、供給原料は、触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、供給原料は、50ppm以上の塩基性窒素を含まないことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、供給原料は、ガソリン範囲で沸騰する炭化水素類の混合物を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、触媒クラッキングプロセスをさらに含み、供給原料は、触媒クラッキングプロセスによって製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を取り除いて調製された処理ナフサを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、オレフィン改質反応域からの生成物の臭素は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素の80%以下であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、オレフィン改質反応域からの生成物の臭素は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素の70%以下であることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、第1の留分の蒸留終点及び第2の留分の初留点は、150℃〜190℃の範囲にあることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、供給原料は、79℃以下の初留点を有し、蒸留終点は345℃以下であることを特徴とする方法。
【請求項19】
硫黄含有有機不純物を含み、オレフィン類を含む炭化水素の常態で液体の混合物からなる供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する方法であって、
(a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、固体リン酸触媒及び酸性ポリマー性樹脂触媒からなる群より選択されるオレフィン改質触媒と接触させて、供給原料の臭素価よりも低い臭素価を有する生成物を得て、
(b)オレフィン改質反応域からの生成物を分留して、
(i)硫黄含有有機不純物を含み、135℃〜221℃の範囲にある蒸留終点を有する第1の留分と、
(ii)第1の留分よりも高い沸点であり、硫黄含有有機不純物を含む第2の留分と、を生成させ、
(c)第1の留分を、第1の水素化脱硫反応域内で、水素の存在下で、水素化脱硫触媒と接触させて第1の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化する、各工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、さらに、第2の留分を、第2の水素化脱硫反応域内で、水素の存在下で、水素化脱硫触媒と接触させて第2の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、さらに、第2の水素化脱硫反応域の流出物から硫化水素を取り除いて、オレフィン改質反応域への供給原料の少なくとも95%であるオクタンを有する脱硫生成物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、さらに、第1の水素化脱硫反応域の流出物から硫化水素を取り除いて、オレフィン改質反応域への供給原料の少なくとも95%であるオクタンを有する脱硫生成物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であって、オレフィン改質反応域からの生成物の臭素は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素の80%以下であることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、オレフィン改質反応域からの生成物の臭素は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素の70%以下であることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法であって、触媒クラッキングプロセスをさらに含み、供給原料は、触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項19に記載の方法であって、触媒クラッキングプロセスをさらに含み、供給原料は、触媒クラッキングプロセスによって製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を取り除いて調製された処理ナフサを含むことを特徴とする方法。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン含有炭化水素混合物から硫黄含有不純物を取り除く方法に関する。特に、本方法は、供給原料を、臭素が減少した中間生成物に転化させ、中間生成物を異なる沸点の複数の留分に分離し、低沸点留分を水素化脱硫させる各工程を含む。
【0002】
【発明の背景】
媒クラッキングプロセスは、ガソリン及びディーゼル燃料など所望の燃料への石油の転化に現在用いられている主要な精製方法の一つである。このプロセスにおいて、高分子量炭化水素供給原料は、流動状態又は分散状態での熱く微小に分割されている固体触媒粒子との接触によって、より低分子量の生成物に転化される。適切な炭化水素供給原料は、典型的には、約205℃〜約650℃の範囲で沸騰し、通常は、約450℃〜約650℃の範囲の温度で触媒と接触させられる。適切な供給原料は、種々の鉱物油分留物、例えば、シェール油由来の留分などから派生するか、タールサンド処理、又はコール液化などから派生する軽質ガス油(light gas oils)、重質ガス油(heavy gas oils)、ワイドカットガス油(wide-cut gas oils)、真空ガス油(vacuum gas oils)、ケロシン、デカンテッドオイル(decanted oils)、残留分、減少した原油及び循環油などを含む。媒クラッキングプロセスからの生成物は、典型的には、沸点に基づき、軽質ナフサ(沸点:約10℃〜約221℃)、重質ナフサ(沸点:約10℃〜約249℃)、ケロシン(沸点:約180℃〜約300℃)、軽質循環油(沸点:約221℃〜約345℃)及び重質循環油(沸点:約345℃を越える)を含む。
触媒クラッキングプロセスからのナフサは、パラフィン類(アルカン類としても知られている)、環式パラフィン類(シクロアルカン類又はナフテン類としても知られている)、オレフィン類(本明細書において、「オレフィン」とは、少なくとも1個の二重結合を含み、芳香族ではないすべての非環式及び環式炭化水素類を含む)及び芳香族化合物を含む炭化水素類の複合混合物を含む。かような物質は、典型的には、比較的高いオレフィン含有量を有し、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物など相当量の硫黄含有芳香族化合物を不純物として含む。例えば、ガス油由来の石油の媒クラッキングからの軽質ナフサは、約60wt.%以下のオレフィン類と、約0.7wt.%以下の硫黄とを含み、硫黄の大部分はチオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物の形態で存在する。しかし、触媒クラッキングプロセスからの典型的なナフサは、通常は、約5wt.%〜約40wt.%のオレフィン類と、約0.07wt.%〜約0.5wt.%の硫黄とを含むであろう。
媒クラッキングプロセスは米国におけるガソリンのプールの相当部分を提供するばかりでなく、このプールに見られる大きな比率での硫黄も提供する。このプロセスからの液体生成物中の硫黄は、有機硫黄化合物の形態であり、これらの生成物が燃料として利用される際に、硫黄酸化物に転化する望ましくない不純物である。硫黄酸化物は、問題となり得る(objectionable)大気汚染物質である。加えて、硫黄酸化物は、有害な排ガスのより問題の少ないガスへの転化を触媒するために自動車に用いられる触媒コンバーター用に開発されている多くの触媒を不活性化する。したがって、触媒クラッキング生成物の硫黄含有量を可能な限り最低レベルに減少させることが望ましい。
したがって、(1)実施が高価でなく、(2)オクタン損失がたとえあったとしても少ない、オレフィン含有炭化水素液体から硫黄含有不純物の実質的に完全な除去を達成できる方法が必要である。例えば、より高級のオレフィン性で、望ましくない不純物としてメルカプタン、チオフェン化合物、及びベンゾチオフェン化合物などの比較的多量の硫黄含有有機物を含む媒クラッキングプロセスからの生成物などの炭化水素液体から、硫黄含有不純物を取り除くために用いることができるかような方法が必要である。
我々は、かような改良された方法を開示する。この方法は、オレフィン改質工程においてオレフィン改質触媒上で供給原料のオレフィン含有物を改質させ、オレフィン改質工程からの生成物を沸点に基づいて少なくとも2種の留分に分留し、得られる留分の少なくとも沸点の低い留分を水素化脱硫する工程を含む。オレフィン改質工程は、結果的に、臭素で測定したものとして、供給原料のオレフィン不飽和を減少させる。オレフィン改質工程の結果として、オレフィン改質工程への供給原料のオクタン損失と比較して少ないオクタン損失を有する生成物が、続く水素化脱硫工程から得られる。加えて、オレフィン改質工程におけるオレフィン不飽和の減少は、結果的に、水素化脱硫工程における水素の消費量を対応して減少させる。なぜなら、水素添加反応において水素を消費するオレフィン性二重結合の数が減少するからである。
本発明の一実施形態は、硫黄含有有機不純物を含み、オレフィン類を含む炭化水素類の常態で液体の混合物からなる供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する方法であって、
(a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料の臭素よりも低い臭素を有する生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と接触させ、
(b)オレフィン改質反応域からの生成物を分留して
(i)約135℃〜約221℃の範囲にある蒸留終点を有する硫黄含有不純物を含む第1の留分と、
(ii)第1の留分よりも高い沸点であり、硫黄含有有機不純物を含む第2の留分と、を生成させ、
(c)第1の留分を、水素の存在下で、第1の水素化脱硫反応域内で、第1の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる、各工程を含むことを特徴とする方法である。
本発明の別の実施形態は、硫黄含有有機不純物を含み、オレフィン類を含む炭化水素類の常態で液体の混合物を含む供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する方法であって、
(a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料の臭素よりも低い臭素を有する生成物を製造するに有効な条件下で、固体リン酸触媒及び酸性ポリマー性樹脂触媒からなる群より選択されるオレフィン改質触媒と接触させ、
(b)オレフィン改質反応域からの生成物を分留して、
(i)硫黄含有有機不純物を含み、約135℃〜約221℃の範囲にある蒸留終点を有する第1の留分と、
(ii)第1の留分よりも高い沸点で、硫黄含有有機不純物を含む第2の留分と、を生成させ、
(c)第1の留分を、水素の存在下で、第1の水素化脱硫反応域内で、第1の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる、各工程を含むことを特徴とする方法である。
本発明は、供給原料を、反応域内で、臭素で測定した場合に供給原料と比較して減少したオレフィン性不飽和量を有する中間生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と接触させる工程を含む。次いで、中間生成物を、異なる揮発性の留分に分離して、最も高い揮発性の留分(すなわち最も低い沸点の留分)を、水素の存在下で、硫黄含有有機不純物の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる。硫化水素は、慣用の方法で容易に除去可能で、供給原料の硫黄含有量と比較して実質的に硫黄含有量が減少した生成物を提供する。この最も低い沸点の留分の硫黄含有不純物の大部分は、メルカプタンを含むことが多く、非常に緩やかな条件下での水素化脱硫により容易に除去可能である。
本発明で用いる供給原料炭化水素類源として、触媒クラッキング生成物が非常に好ましい。このタイプの物質は、約345℃以下で沸騰する液体、例えば軽質ナフサ、重質ナフサ、軽質サイクルオイルを含む。しかし、触媒クラッキングプロセスからの揮発性生成物の全アウトプットが本発明を実施する際に用いる供給原料炭化水素源として有用であることも理解できるであろう。触媒クラッキング生成物は、望ましい供給原料炭化水素類である。なぜなら、これらは典型的に、比較的高いオレフィン含有量を有し、通常、不純物として多量の有機硫黄化合物を含むからである。例えば、ガス油から誘導された石油の媒クラッキングからの軽質ナフサは、約60wt.%以下のオレフィン類と、約0.7wt.%以下の硫黄と、を含み得る。このとき、大部分の硫黄は、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物の形態である。加えて、硫黄含有不純物は、通常は、メルカプタン及び有機硫化物を含む。本発明を実施する際に用いることが好ましい供給原料は、触媒クラッキング生成物を含み、少なくとも1wt.%のオレフィン類を含むであろう。好ましい供給原料は、触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類を含み、少なくとも10wt.%のオレフィン類を含むであろう。非常に好ましい供給原料は、触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類を含み、少なくとも15wt.%又は20wt.%のオレフィン類を含むであろう。
本発明の実施の際には、供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料中のパラフィン類の有意なクラッキングを生じさせずに、供給原料の臭素よりも低い臭素を有する生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と接触させる。本明細書において「臭素」とは、本明細書に参照としてその全体が組み込まれているthe 1999 Annual Book of ASTM Standards, Section 5, Petroleum Products, Lubricants, and Fossil Fuels, Vol.05.01, page 407に見出すことができるASTM D 1159-98手順により決定されることが好ましい。しかし、臭素の決定に対する他の慣用の分析手順も用いることができる。オレフィン改質反応域からの生成物の臭素は、オレフィン改質反応域への供給原料の80%以下であることが望ましく、供給原料の70%以下であることが好ましく、供給原料の65%以下であることがより好ましい。
オレフィン重合は、オレフィン改質反応域内で生じる臭素の減少を理解するための単純なモデルであるが、他のプロセスもまた重要であると考えられる。例えば、単純オレフィン縮合の初期生成物は、オレフィン改質触媒の存在下で異性化して、高度に枝分かれしたモノ不飽和オレフィン類となり得る。加えて、重合反応が生じて、オレフィン改質触媒の存在下で、実質的に分裂して高度に枝分かれした生成物(初期重合生成物よりも低い分子量を有する)となるポリマーを生じさせてもよい。本発明を制限するものではないが、オレフィン改質反応域内では、以下の変態が生じていると考えられる。(1)供給原料中の低分子量オレフィン類が、高度に枝分かれしたガソリン沸点内の高分子量オレフィン類に転化する。(2)供給原料中の枝分かれしていないか又はわずかに枝分かれしているオレフィン類が、ガソリン沸点内の高度に枝分かれしたオレフィン類に異性化する。
芳香族化合物のアルキル化もまた、オレフィン改質反応域内で生じ得る供給原料の臭素を減少させるように作用する重要な化学プロセスである。1個の二重結合を含むオレフィンによる芳香族有機化合物のアルキル化は、結果的にオレフィンの二重結合を分解し、結果的に物質の芳香族環系上の水素原子をアルキル基で置換する。オレフィンのオレフィン性二重結合の分解は、供給原料の臭素に比較して減少した臭素を有する生成物のオレフィン改質反応域内での形成に寄与する。しかし、芳香族有機化合物は、アルキル化物質としての反応性を広範に変化させる。例えば、固体リン酸触媒上での204℃における1-ヘプタンによるアルキル化に対する幾つかの代表的な芳香族化合物の相対的な反応性をTable Iに示す。ここで、各速度定数は、時間の関数としてのln(1-x)(ここでxは物質濃度である)の形態による実験データをプロットして得られたラインの傾斜から得たものである。
本発明の実施に際して、オレフィン改質反応域内で、臭素により測定されるものとしての供給原料のオレフィン性不飽和の所望の減少を生じさせるに有効な温度及び時間で、供給原料をオレフィン改質触媒と接触させる。接触温度は、約50℃を越えることが望ましく、100℃を越えることが好ましく、125℃を越えることがより好ましい。接触は、一般的に、約50℃〜約350℃、好ましくは約100℃〜約350℃、より好ましくは約125℃〜約250℃の範囲の温度で実施されるであろう。もちろん、最適な温度は、用いられるオレフィン改質触媒、供給原料中のオレフィン濃度、供給原料中に存在するオレフィン類のタイプ、及びアルキル化されるべき供給原料中の芳香族化合物のタイプの関数である。
本発明の一実施形態を図面に概略的に示す。図面を参照すれば、媒クラッキングプロセスからの重質ナフサをライン1を介して前処理容器2に通過させる。重質ナフサ供給原料は、オレフィン類、パラフィン類、ナフテン類、及び芳香族類を含み、オレフィン含有量が約10wt.%〜約30wt.%の範囲にある混合炭化水素類からなる。加えて、重質ナフサ供給原料は、チオフェン、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン及びベンゾチオフェン誘導体、メルカプタン、硫化物及び二硫化物などを含む硫黄含有有機不純物の形態で約0.2wt.%〜約0.5wt.%の硫黄を含む。供給原料はさらに、塩基性窒素含有不純物を約50〜約200重量ppm含む。
前処理容器2からの流出物は、ライン3を通過して、オレフィン改質触媒を含むオレフィン改質反応器4に導入される。反応器4に対する供給物は、反応器を通過して、ここで、ライン3からの供給物の臭素よりも低い臭素数を有する生成物を製造するに有効な反応条件下で、オレフィン改質触媒と接触する。加えて、チオフェン不純物及びベンゾチオフェン不純物の相当量が、供給物中のオレフィン類によるアルキル化によって、より高い沸点の硫黄含有物質に転化する。
【0073】
【実施例】
以下の手順によって、初留点52℃、終留点227℃を有するナフサ供給原料を得た。(1)硫黄含有不純物を含むガス油供給原料の媒クラッキングからの生成物の分留、(2)得られた上述の沸点範囲のナフサ留分をドラムミキサー内で15wt.%硫酸水溶液により洗浄すること(ナフサ留分10部に対して、硫酸水溶液1部の割合)及び(3)水含量が約120重量ppmとなるまで、酸洗浄したナフサ留分を乾燥させること。マルチカラムガスクロマトグラフィーを用いてのナフサ供給原料の分析は、パラフィン類10.09重量%、オレフィン類20.84重量%、飽和ナフテン類7.09重量%、芳香族類55.78重量%、非同定物質6.19重量%を含むことを示した。X線蛍光分光分析により決定したところ、ナフサ供給原料の総硫黄含量は、860重量ppmであり、この硫黄含有量の約95%(すなわち817重量ppm)がチオフェン、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン及びベンゾチオフェン誘導体の形態であった(集合的にチオフェン/ベンゾチオフェン化合物と称す)。チオフェン/ベンゾチオフェン化合物ではなかった硫黄含有化合物(メルカプタン、硫化物及び二硫化物など)の実質的に全部は、177℃以下の沸点を有していた。ナフサ供給原料は、総窒素含有量56重量ppm及び塩基性窒素含有量50重量ppmを有していた。加えて、ナフサ供給原料は、(R+M)/2オクタン85.7を有していた[物質のリサーチオクタン(research octane)とモータオクタン(motor octane)との和を2で割ったものを(R+M)/2と称す]。
ナフサ供給原料を、オレフィン改質反応器内で、温度191℃、圧力200psi(13.6気圧)、液体時間空間速度(liquid hourly space velocity)1.5LHSVで、珪藻土(kieselguhr)上の12〜18メッシュ固体リン酸触媒の固定床(UOPからSPA-2の名称で販売されている)と接触させた。触媒床は、800cm3の容積を有しており、触媒床を内径2.54cmの管状ステンレススチール反応器内で不活性ガラスビーズの2個の床の間に保持した。反応器は、約2000cm3の総内部加熱容積を有しており、反応器を垂直方向に保持した。得られた生成物を分留によって2個の留分に分離した。(1)177℃の蒸留終点を有する低沸点留分として生成物の70wt.%(2)337℃の最終沸点を有する高沸点留分又は底流として生成物の30wt.%、このうち約10vol.%は約227℃以上で沸騰する物質である。これら2つの留分及びナフサ供給原料の硫黄含有量、臭素及び(R+M)/2オクタンをTable IIに示す。これらの結果は、ナフサ供給原料中の硫黄の大部分がオレフィン改質反応器からの高沸点留分中に凝縮されることを示す。加えて、これらの結果は、ナフサ供給原料の臭素に比較して、オレフィン改質反応器生成物の臭素が38〜41%減少することを示す。
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