JP5457616B2 - 硫黄除去方法 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン含有炭化水素混合物から硫黄含有不純物を取り除く方法に関する。特に、本方法は、供給原料を、臭素が減少した中間生成物に転化させ、中間生成物を異なる沸点の複数の留分に分離し、低沸点留分を水素化脱硫させる各工程を含む。
発明の背景
【発明の背景】
媒クラッキングプロセスは、ガソリン及びディーゼル燃料など所望の燃料への石油の転化に現在用いられている主要な精製方法の一つである。このプロセスにおいて、高分子量炭化水素供給原料は、流動状態又は分散状態での熱く微小に分割されている固体触媒粒子との接触によって、より低分子量の生成物に転化される。適切な炭化水素供給原料は、典型的には、約205℃〜約650℃の範囲で沸騰し、通常は、約450℃〜約650℃の範囲の温度で触媒と接触させられる。適切な供給原料は、種々の鉱物油分留物、例えば、シェール油由来の留分などから派生するか、タールサンド処理、又はコール液化などから派生する軽質ガス油(light gas oils)、重質ガス油(heavy gas oils)、ワイドカットガス油(wide-cut gas oils)、真空ガス油(vacuum gas oils)、ケロシン、デカンテッドオイル(decanted oils)、残留分、減少した原油及び循環油などを含む。媒クラッキングプロセスからの生成物は、典型的には、沸点に基づき、軽質ナフサ(沸点:約10℃〜約221℃)、重質ナフサ(沸点:約10℃〜約249℃)、ケロシン(沸点:約180℃〜約300℃)、軽質循環油(沸点:約221℃〜約345℃)及び重質循環油(沸点:約345℃を越える)を含む。
触媒クラッキングプロセスからのナフサは、パラフィン類(アルカン類としても知られている)、環式パラフィン類(シクロアルカン類又はナフテン類としても知られている)、オレフィン類(本明細書において、「オレフィン」とは、少なくとも1個の二重結合を含み、芳香族ではないすべての非環式及び環式炭化水素類を含む)及び芳香族化合物を含む炭化水素類の複合混合物を含む。かような物質は、典型的には、比較的高いオレフィン含有量を有し、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物など相当量の硫黄含有芳香族化合物を不純物として含む。例えば、ガス油由来の石油の媒クラッキングからの軽質ナフサは、約60wt.%以下のオレフィン類と、約0.7wt.%以下の硫黄とを含み、硫黄の大部分はチオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物の形態で存在する。しかし、触媒クラッキングプロセスからの典型的なナフサは、通常は、約5wt.%〜約40wt.%のオレフィン類と、約0.07wt.%〜約0.5wt.%の硫黄とを含むであろう。
媒クラッキングプロセスは米国におけるガソリンのプールの相当部分を提供するばかりでなく、このプールに見られる大きな比率での硫黄も提供する。このプロセスからの液体生成物中の硫黄は、有機硫黄化合物の形態であり、これらの生成物が燃料として利用される際に、硫黄酸化物に転化する望ましくない不純物である。硫黄酸化物は、問題となり得る(objectionable)大気汚染物質である。加えて、硫黄酸化物は、有害な排ガスのより問題の少ないガスへの転化を触媒するために自動車に用いられる触媒コンバーター用に開発されている多くの触媒を不活性化する。したがって、触媒クラッキング生成物の硫黄含有量を可能な限り最低レベルに減少させることが望ましい。
低硫黄生成物は、慣用的には、プロセスへの供給原料又はプロセスからの生成物のいずれかを水素処理することによって、触媒クラッキングプロセスから得られる。水素処理は、触媒の存在下で供給原料を水素で処理することを含み、結果的に、硫黄含有不純物中の硫黄を硫化水素に転化する。この硫化水素は、分離して、元素状硫黄に変換することができる。水素処理プロセスは、供給原料中のオレフィン類を水素化して飽和炭化水素類に転化することによって、結果的に供給原料中のオレフィン類を分解する。この水素化によるオレフィン類の分解は、通常は望ましくない。なぜなら、(1)結果的に高価な水素を消費し、(2)オレフィン類は通常は、ガソリンの高オクタン成分として価値があるものだからである。例示として、触媒クラッキングプロセスからの典型的なガソリン沸点範囲内のナフサは、オレフィン含有量が多い結果として、比較的高いオクタン価を有する。かような材料の水素処理は、所望の脱硫に加えて、オレフィン含有量の減少を引き起こし、脱硫の程度又は厳密さが増加するにつれて、水素処理生成物のオクタン価は減少する。
米国特許第5,865,988(Collinsら)は、オレフィン分解硫黄含有ナフサ(olefinic, cracked, sulfur-containing naphtha)からの低硫黄ガソリンの製造に対する2工程プロセスに関する。このプロセスは、(a)ナフサを、ZSM-5ゼオライトなどの形状選択性酸性触媒上に通過させて、低オクタンパラフィン類を選択的に分解させて、オレフィン類及びナフサのいくらかを芳香族及び芳香族性側鎖に転化させて、(2)得られた生成物を、水素の存在下で水素処理触媒上で、水素化脱硫する工程を含む。形状選択酸性触媒による最初の処理が、さもなければ水素化脱硫工程において飽和するであろうオレフィン類を取り除くことが開示されている。
国際特許出願公開WO98/30655(Huffら)は、炭化水素類の混合物を含み且つ望ましくない不純物として有機硫黄化合物を含む供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する方法を開示する。この方法は、酸触媒の存在下で、アルキル化剤で処理することによって、硫黄含有不純物の少なくとも一部をより高い沸点の硫黄含有生成物に転化する工程と、これらのより高い沸点の生成物の少なくとも一部を、沸点に基づいて分留することによって、取り除く工程とを含む。
米国特許第5,298,150(Fletcherら)、米国特許第5,346,609(Fletcherら)、米国特許第5,391,288(Collinsら)及び米国特許第5,409,596(Fletcherら)はすべて、低硫黄ガソリン調製の2工程方法に関する。この方法は、ナフサ供給原料を水素化脱硫した後、形状選択触媒による処理を行い、水素化脱硫工程中に失われるオクタンを回復させる。
米国特許第5,171,916(Leら)は、軽質サイクルオイルをアップグレードする方法に関し、この方法は、(1)サイクルオイルのヘテロ原子含有芳香族類を、結晶性メタロシリケート触媒を用いて、少なくとも1のオレフィン性二重結合を有する脂肪族炭化水素でアルキル化して、(2)分留によって高沸点アルキル化生成物を分離する工程を含む。末転化軽質サイクルオイルが減じられた硫黄含有量及び窒素含有量を有し、高沸点アルキル化生成物が合成アルキル化芳香族官能基流体ベースストックとして有用であることが開示されている。
米国特許第5,599,441(Collinsら)は、クラッキングナフサからチオフェン性硫黄化合物を取り除く方法を開示する。この方法は、(1)アルキル化域で、ナフサを酸触媒と接触させて、アルキル化剤としてナフサ中に存在するオレフィン類を用いて、チオフェン化合物をアルキル化し、(2)アルキル化域から流出流を取り除き、(3)分留によって、アルキル化域流出流からアルキル化チオフェン化合物を分離する工程を含む。さらに、分留からの硫黄リッチ高沸点留分を、慣用の水素処理又は他の脱硫プロセスを用いて、脱硫してもよいことも開示する。
米国特許第5,863,419(Huff, Jr.ら)は、望ましくない不純物として有機硫黄化合物を含む炭化水素類の混合物を含む供給原料から、減じられた硫黄含有量の生成物の製造のための触媒蒸留方法を開示する。この方法は、蒸留塔反応器内で、以下のプロセスを同時に行うことを含む。(1)酸触媒の存在下で、アルキル化剤による処理によって、硫黄含有不純物の少なくとも一部を、より高い沸点の硫黄含有生成物に転化する工程、(2)より高い沸点の生成物の少なくとも一部を分留によって取り除く工程。さらに、硫黄リッチ高沸点留分を、オリジナルの供給原料の容積と比較して減じられた容積ゆえに、比較的低コストで、効果的に水素処理できることも開示されている。
約10℃〜約345℃の間での広い温度範囲又は狭い温度範囲のいずれかで標準圧力で沸騰する炭化水素液体を、本明細書において「炭化水素液体」と称す。かような液体は、石油精製において、さらに石炭液化からの生成物の精製及びオイルシェール又はタールサンドの処理中にしばしば見られ、これらの液体は典型的には、炭化水素類の複合混合物を含み、これらの混合物はパラフィン類、環式パラフィン類、オレフィン類及び芳香族類を含む。例えば、軽質ナフサ、重質ナフサ、ガソリン、ケロシン及び軽質サイクルオイルは、すべて炭化水素液体である。
精製所で見られる炭化水素液体は、少なくとも部分的に取り除かれるべき望ましくない硫黄含有不純物を含むことが多い。水素処理手順は、硫黄含有不純物を炭化水素液体から取り除く際に、効果的であり、一般的に用いられる。不幸なことに、慣用の水素処理手順は、通常、より低いオクタンであるパラフィン類へオレフィン類を有意に転化してしまうので、より高級のオレフィン性炭化水素液体と一緒に用いるには通常は不十分である。加えて、オレフィン類の水素添加は、結果的に高価な水素を消費してしまう。
有機硫黄化合物は、さらに、(1)アルキル化によって、硫黄化合物をより高い沸点の生成物に転化し、(2)より高い沸点の生成物を分留によって取り除くことを含む多工程方法によっても炭化水素液体から取り除くことができる。かような方法は、実施が比較的高価でなく、通常、有意のオクタン損失を生じない。このタイプの方法は、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物などの芳香族硫黄含有有機不純物の大部分を取り除くに非常に効果的であるけれども、かような方法からの生成物は典型的には大幅に減じられてはいるがまだ相当量の硫黄含有量を含む。加えて、かような方法は、メルカプタンなどの他の一般的なタイプの硫黄含有不純物をあまり十分には取り除くことができないことが多い。
したがって、(1)実施が高価でなく、(2)オクタン損失がたとえあったとしても少ない、オレフィン含有炭化水素液体から硫黄含有不純物の実質的に完全な除去を達成できる方法が必要である。例えば、より高級のオレフィン性で、望ましくない不純物としてメルカプタン、チオフェン化合物、及びベンゾチオフェン化合物などの比較的多量の硫黄含有有機物を含む媒クラッキングプロセスからの生成物などの炭化水素液体から、硫黄含有不純物を取り除くために用いることができるかような方法が必要である。
我々は、かような改良された方法を開示する。この方法は、オレフィン改質工程においてオレフィン改質触媒上で供給原料のオレフィン含有物を改質させ、オレフィン改質工程からの生成物を沸点に基づいて少なくとも2種の留分に分留し、得られる留分の少なくとも沸点の低い留分を水素化脱硫する工程を含む。オレフィン改質工程は、結果的に、臭素で測定したものとして、供給原料のオレフィン不飽和を減少させる。オレフィン改質工程の結果として、オレフィン改質工程への供給原料のオクタン損失と比較して少ないオクタン損失を有する生成物が、続く水素化脱硫工程から得られる。加えて、オレフィン改質工程におけるオレフィン不飽和の減少は、結果的に、水素化脱硫工程における水素の消費量を対応して減少させる。なぜなら、水素添加反応において水素を消費するオレフィン性二重結合の数が減少するからである。
本発明の一実施形態は、硫黄含有有機不純物を含み、オレフィン類を含む炭化水素類の常態で液体の混合物からなる供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する方法であって、
(a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料の臭素よりも低い臭素を有する生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と接触させ、
(b)オレフィン改質反応域からの生成物を分留して
(i)約135℃〜約221℃の範囲にある蒸留終点を有する硫黄含有不純物を含む第1の留分と、
(ii)第1の留分よりも高い沸点であり、硫黄含有有機不純物を含む第2の留分と、を生成させ、
(c)第1の留分を、水素の存在下で、第1の水素化脱硫反応域内で、第1の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる、各工程を含むことを特徴とする方法である。
本発明の別の実施形態は、硫黄含有有機不純物を含み、オレフィン類を含む炭化水素類の常態で液体の混合物を含む供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する方法であって、
(a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料の臭素よりも低い臭素を有する生成物を製造するに有効な条件下で、固体リン酸触媒及び酸性ポリマー性樹脂触媒からなる群より選択されるオレフィン改質触媒と接触させ、
(b)オレフィン改質反応域からの生成物を分留して、
(i)硫黄含有有機不純物を含み、約135℃〜約221℃の範囲にある蒸留終点を有する第1の留分と、
(ii)第1の留分よりも高い沸点で、硫黄含有有機不純物を含む第2の留分と、を生成させ、
(c)第1の留分を、水素の存在下で、第1の水素化脱硫反応域内で、第1の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる、各工程を含むことを特徴とする方法である。
本発明の目的は、相当量のオレフィン含有物を含む炭化水素液体からの硫黄含有不純物の改良された除去方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、オレフィン性クラッキングナフサから、硫黄含有不純物を効果的に除去する改良された方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、実質的にオクタンが変動しない生成物を得るオレフィン性クラッキングナフサを脱硫する改良された方法を提供することにある。
発明の詳細な記述
我々は、硫黄含有不純物を含むオレフィン含有蒸留炭化水素液体から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する方法を開示する。本方法は、硫黄含有不純物を実質的に含まず、オレフィン含有量が減少し、供給原料のオクタンと同様のオクタンを有する生成物を製造するためにも用いることができる。
本発明は、供給原料を、反応域内で、臭素で測定した場合に供給原料と比較して減少したオレフィン性不飽和量を有する中間生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と接触させる工程を含む。次いで、中間生成物を、異なる揮発性の留分に分離して、最も高い揮発性の留分(すなわち最も低い沸点の留分)を、水素の存在下で、硫黄含有有機不純物の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる。硫化水素は、慣用の方法で容易に除去可能で、供給原料の硫黄含有量と比較して実質的に硫黄含有量が減少した生成物を提供する。この最も低い沸点の留分の硫黄含有不純物の大部分は、メルカプタンを含むことが多く、非常に緩やかな条件下での水素化脱硫により容易に除去可能である。
供給原料中の芳香族硫黄含有不純物、例えば、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物などは、オレフィン改質反応域内で、少なくとも部分的に、より高い沸点の硫黄含有生成物に転化する。この転化は、オレフィン改質触媒により触媒されたオレフィン類による芳香族硫黄含有不純物のアルキル化の結果であると考えられる。オレフィン改質反応域からの流出物を分留すると、これらの高沸点硫黄含有物質のほとんどが沸点の高い方の1又は複数の留分中に見られ、沸点の低い留分は、供給原料に比較して減少した硫黄含有量を有する。
非常に好ましい実施形態において、揮発性が低い方の1又は複数の留分(すなわち沸点が高い方の1又は複数の留分)もまた、水素の存在下で、硫黄含有不純物の少なくとも一部が硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触する。沸点が高い方の1又は複数の留分の硫黄含有不純物の大部分は、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物などの芳香族硫黄含有化合物を含むことが多く、これらは水素化脱硫による除去がメルカプタンよりも幾らか困難である。したがって、本発明の好ましい実施形態は、かような沸点の高い1又は複数の留分について、最も沸点の低い留分に対して用いる水素化脱硫条件よりも強い水素化脱硫条件を用いる。
本発明を実施するために用いることができる供給原料は、オレフィン類を含み、ASTM D2887-97a手順(ASTM Standards1997年鑑、Section5、Petroleum Products, Lubricants, and Fossil Fuels, Vol. 05.02, page 200に見ることができ、この手順は全体として本明細書に参照として組み込まれる)あるいは他の慣用手順で測定した場合に約10℃〜約345℃の温度範囲で沸騰する常態で液体の炭化水素混合物からなる。加えて、適切な供給原料は、好ましくは、ガソリン範囲で沸騰する炭化水素類の混合物を含む。非常に適切な供給原料は、約135℃〜約221℃の範囲に蒸留終点を有する高揮発性留分を含む。所望であれば、かような供給原料は、さらに、上記高揮発性留分よりも高い沸点を有する相当量の低揮発性炭化水素成分を含むものでもよい。供給原料は、約345℃以下、好ましくは249℃以下の蒸留終点を有する常態で液体の炭化水素類の混合物を含む。好ましくは、供給原料は、約79℃よりも低い初留点を有し、約345℃よりも高くない蒸留終点を有する。適切な供給原料は、天然ガス液体、ナフサ、軽質ガス油、重質ガス油、及びワイドカットガス油などの石油精製の際に通常見られる炭化水素類、並びに石炭液化及びオイルシェール又はタールサンドの処理から誘導される炭化水素留分の種々の複合混合物を含む。好ましい供給原料は、炭化水素供給原料の触媒クラッキング又はコーキングから誘導されるオレフィン含有炭炭化水素混合物からなる。
本発明で用いる供給原料炭化水素類源として、触媒クラッキング生成物が非常に好ましい。このタイプの物質は、約345℃以下で沸騰する液体、例えば軽質ナフサ、重質ナフサ、軽質サイクルオイルを含む。しかし、触媒クラッキングプロセスからの揮発性生成物の全アウトプットが本発明を実施する際に用いる供給原料炭化水素源として有用であることも理解できるであろう。触媒クラッキング生成物は、望ましい供給原料炭化水素類である。なぜなら、これらは典型的に、比較的高いオレフィン含有量を有し、通常、不純物として多量の有機硫黄化合物を含むからである。例えば、ガス油から誘導された石油の媒クラッキングからの軽質ナフサは、約60wt.%以下のオレフィン類と、約0.7wt.%以下の硫黄と、を含み得る。このとき、大部分の硫黄は、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物の形態である。加えて、硫黄含有不純物は、通常は、メルカプタン及び有機硫化物を含む。本発明を実施する際に用いることが好ましい供給原料は、触媒クラッキング生成物を含み、少なくとも1wt.%のオレフィン類を含むであろう。好ましい供給原料は、触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類を含み、少なくとも10wt.%のオレフィン類を含むであろう。非常に好ましい供給原料は、触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類を含み、少なくとも15wt.%又は20wt.%のオレフィン類を含むであろう。
本発明の一実施形態において、本発明用の供給原料は、触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類と共に低分子量オレフィン類の混合物を含むであろう。例えば、供給原料は、触媒クラッキングプロセスからのナフサに、3〜5炭素原子を含むオレフィン類を添加することによって調製することができる。
本発明の別の実施形態において、本発明用の供給原料は、触媒クラッキングプロセスからのナフサと、ベンゼン及びトルエンなどの揮発性芳香族化合物源との混合物を含む。例えば、触媒クラッキングプロセスからのナフサと軽質改質油とを混合することによって、供給原料を調製することができる。典型的な軽質改質油は、オレフィン類約0〜約2vol.%と、芳香族類約20〜約45vol.%と、を含み、10%蒸留点(T10)が約160#F(71℃)未満で、50%蒸留点(T50)が約200#F(93℃)未満で、90%蒸留点(T90)が約250#F(121℃)未満となるような蒸留特性を有する。これらの蒸留点は、ASTM D86-97手順(ASTM Standards1999年鑑、Section5、Petroleum Products, Lubricants, and Fossil Fuels, Vol. 05.01, page 16に見ることができ、この手順は全体として本明細書に参照として組み込まれる)又は他の慣用手順により得られる蒸留点を意味することを理解されたい。典型的な軽質改質油は、約5〜約15vol.%のベンゼンを含む。
本発明の別の実施形態は、(1)触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類と、(2)揮発性芳香族化合物源と、(3)3〜5個の炭素原子を含むオレフィン類源と、の混合物を含む供給原料を用いることを含む。
本発明にとって適切な供給原料は、少なくとも1wt.%のオレフィン類、好ましくは少なくとも10wt.%のオレフィン類、より好ましくは少なくとも約15wt.%又は20wt.%のオレフィン類を含む。所望であれば、供給原料は、50wt.%以上のオレフィン類を有するものであってもよい。加えて、適切な供給原料は、約0.005wt.%以上約2.0wt.%以下の硫黄を有機硫黄化合物の形態で含むものでもよい。しかし、典型的な供給原料は、一般に約0.05wt.%以上約0.7wt.%以下の硫黄を有機硫黄化合物の形態で含む。
触媒クラッキングプロセスからのナフサなどの本発明の実施に有用な供給原料は、硫黄含有不純物に加えて、時折、不純物として窒素含有有機化合物を含む。典型的な窒素含有不純物の多くは、有機塩基であり、本発明のオレフィン改質触媒を比較的迅速に不活性化する場合がある。このような不活性化が観察される場合には、塩基性窒素含有不純物がオレフィン改質触媒と接触する前に、塩基性窒素不純物を取り除くことによって、不活性化を防止することができる。したがって、供給原料が塩基性窒素含有不純物を含む場合には、本発明の好ましい実施形態は、塩基性窒素含有不純物がオレフィン改質触媒と接触する前に、塩基性窒素含有不純物を供給原料から取り除く工程を含む。本発明の別の実施形態において、塩基性窒素含有不純物を実質的に含まない供給原料(例えば、かような供給原料は約50ppm未満の塩基性窒素を含む)を用いる。非常に望ましい供給原料は、触媒クラッキングプロセスにより製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を取り除くことにより調製された処理済みナフサを含む。
塩基性窒素含有不純物は、供給原料から取り除かれても、あるいは多くの慣用の方法により供給原料成分として用いられ得る物質から取り除かれてもよい。かような方法は、典型的には、酸性物質による処理を含み、慣用の方法は、酸の水溶液で洗浄するかあるいはガードベッド(guard bed)に物質を通過させる等の手順を含む。さらに、かような手順の組合せを用いてもよい。ガードベッドは、制限されるものではないが、A−ゼオライト、Y−ゼオライト、L−ゼオライト、モルデナイト、フッ化アルミナ、新しいクラッキング触媒、平衡クラッキング触媒(equilibrium cracking catalyst)及び酸性ポリマー樹脂を含む。ガードベッド技術が用いられる場合には、2個のガードベッドを用いることが望ましいことが多く、一方のガードベッドの作動中に他方のガードベッドを再生することができる態様で用いることが望ましい。塩基性窒素含有不純物を取り除くためにクラッキング触媒を利用する場合には、かような不純物を取り除く能力が不活性になってきたときに、かような物質は触媒クラッキングユニットの再生器内で再生され得る。塩基性窒素含有化合物を取り除くために酸洗浄を用いる場合には、適切な酸の水溶液で処理が行われるであろう。かような使用に適切な酸は、制限されるものではないが、塩酸、硫酸及び酢酸を含む。水溶液中の酸濃度は、重要ではないが、約0.5wt.%〜約30wt.%の範囲になるように選択されることが利便である。例えば、5wt.%硫酸水溶液を用いて、塩基性窒素含有不純物を触媒クラッキングプロセスによって製造された重質ナフサから取り除くことができる。
本発明のプロセスは、供給原料からすべてのタイプの硫黄含有有機不純物を取り除くのに非常に効果的である。かような不純物は、典型的には、少なくとも1個の硫黄原子を含むすべての芳香族有機化合物を含む芳香族硫黄含有有機化合物を含む。かような物質は、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物を含み、制限されるものではないが、例えば、チオフェン、2-メチルチオフェン、3-メチルチオフェン、2,3-ジメチルチオフェン、2,5-ジメチルチオフェン、2-エチルチオフェン、3-エチルチオフェン、ベンゾチオフェン、2-メチルベンゾチオフェン、2,3-ジメチルベンゾチオフェン、及び3-エチルベンゾチオフェンを含む。他の典型的な硫黄含有不純物は、メルカプタン類及び有機物硫化物及び二硫化物を含む。
本発明のオレフィン改質触媒は、オレフィン類のオリゴメリゼーションを触媒可能な如何なる物質を含むものでもよい。望ましくは、オレフィン改質触媒は、芳香族有機化合物のオレフィン類によるアルキル化を触媒することもできる物質を含む。オレフィン改質触媒は、オレフィン類による芳香族有機化合物のアルキル化をも触媒することができる物質を含むであろう。慣用のアルキル化触媒は、本発明のオレフィン改質触媒として用いることに非常に適している。なぜなら、これらは、典型的にはオレフィン類のオリゴメゼーション及びオレフィンによる芳香族有機化合物のアルキル化の両者を触媒することができる能力を有するからである。硫酸などの液体酸を用いることもできるが、固体酸性触媒が特に望ましい。かような固体酸性触媒は、固体基体上に担持された液体酸を含む。固体触媒は、一般に、液体触媒よりも好ましい。なぜなら、かような物質には供給原料が接触しやすいからである。例えば、適切な温度で、固体粒子触媒の1種以上の固定床に供給原料を単に通過させるだけでよい。あるいは、固体粒子触媒の流動床(ebulated bed)に供給原料を通過させてもよい。
本発明の実施に際して用いるに適切なオレフィン改質触媒は、酸性ポリマー樹脂、担持酸、及び酸性無機酸化物などの物質を含むものでもよい。適切な酸性ポリマー樹脂は、当該分野において周知で市販されているポリマースルホン酸樹脂を含む。かような物質の典型例としては、Rohm and Hass Co.,により製造されている製造物Amberlyst 35(登録商標)を挙げることができる。
オレフィン改質触媒として有用な担持酸は、制限されるものではないが、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化ジルコニウム又はクレイなどの固体上に担持されたブロンステッド酸(例として、リン酸、硫酸、ホウ酸、HF、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びジヒドロキシフルオロホウ酸を挙げることができる)及びルイス酸(例として、BF3、BCl3、AlCl3、AlBr3、FeCl2、FeCl3、ZnCl2、SbF5、SbCl5及びAlCl3とHClとの組合せを挙げることができる)を含む。担持された液体酸を用いる場合には、担持触媒を典型的には所望の液体酸と所望の担体とを組み合わせて乾燥させることによって調製する。リン酸と担体との組合せにより調製された担持触媒が非常に好ましく、本明細書において「固体リン酸触媒」と称す。これらの触媒は、非常に効果的で且つコストが低いので好ましい。本明細書に参照としてその全体が組み込まれている米国特許第2,921,081(Zimmerschiedら)は、ジルコニウムオキサイド及びジルコニウムハライドからなる群より選択されるジルコニウム化合物と、オルソリン酸、ピロリン酸及びトリリン酸からなる群より選択される酸とを組み合わせることによる固体リン酸触媒の調製を開示する。本明細書に参照としてその全体が組み込まれている米国特許第2,120,702(Ipatieffら)は、リン酸とシリカ物質とを組み合わせることによる固体リン酸触媒の調製を開示する。最後に、本明細書に参照としてその全体が組み込まれている英国特許第863,539は、リン酸を珪藻土すなわちkieselguhrなどの固体シリカ物質上に堆積させることによる固体リン酸触媒の調製を開示する。
珪藻土上にリン酸を堆積させることにより調製される固体リン酸に関して、触媒は、(1)珪藻土に担持された1種以上のフリーリン酸(オルソリン酸、ピロリン酸及びトリリン酸など)及び(2)珪藻土との酸の化学反応から派生したシリコンフォスフェートを含むと考えられる。無水シリコンフォスフェートはオレフィン改質触媒としては不活性であると信じられているが、無水シリコンフォスフェートは加水分解によりオレフィン改質触媒として活性であるオルソリン酸及びピロリン酸の混合物を得ると考えられる。この混合物の正確な組成は、触媒が暴露される水の量に依存する。固体リン酸アルカリ化触媒が実質的に無水の供給原料と一緒にオレフィン改質触媒として用いられる場合には、固体リン酸アルカリ化触媒を十分な活性レベルに維持するために、イソプロピルアルコールなどのアルコールの少量を供給原料に添加して、触媒を十分なレベルの水和物に維持することが一般的に行われている。アルコールが触媒と接触して脱水し、得られる水が触媒を水和させるために作用すると考えられる。触媒が非常に少量の水を含む場合には、コーキングの結果として迅速な不活性化を導き得る非常に高い酸性を有する傾向にあり、加えて、触媒が良好な物理的一体性を失うであろう。触媒のさらなる水和は、酸性を減少させ、コーキング形成を通じての迅速な不活性化に向かう傾向を減少させる。しかし、かような触媒の過剰の水和は、触媒を柔軟にして、物理的凝集を生じさせ、固定床反応器内で大きな圧力降下を引き起こす。したがって、固体リン酸触媒に対する最適な水和レベルがあり、この水和レベルは反応条件の関数となるであろう。本発明を制限するものではないが、固体リン酸触媒を用いる場合には、一般に、供給原料中の水濃度が約50〜約1,000重量ppmの範囲にある場合に、触媒水和物の満足するレベルが維持されることを見出した。所望であれば、この水を、触媒との接触時に脱水されると考えられるイソプロピルアルコールなどのアルコール形態で具備していてもよい。
オレフィン改質触媒として有用な酸性無機酸化物は、制限されるものではないが、アルミナ、シリカ−アルミナ、天然又は合成の柱状クレイ、ファジャサイト、モルデナイト、L、ω、X、Y、β及びZSMゼオライトなどの天然又は合成のゼオライトを含む。非常に適切なゼオライトは、β、Y、ZSM-3、ZSM-4、ZSM-5、ZSM-18及びZSM-20を含む。所望であれば、ゼオライトは、シリカ−アルミナなどの無機酸化物マトリックス物質に組み込まれていてもよい。
オレフィン改質触媒は、ルイス酸(例えば、BF3、BCl3、SbF5及びAlCl3を含む)、非ゼオライト固体無機酸化物(例えば、シリカ、アルミナ及びシリカ−アルミナを含む)及び大孔結晶性モレキュラシーブ(例えば、ゼオライト、柱状クレイ及びアルミノフォスフェートを含む)などの異なる物質の混合物を含むものでもよい。
固体オレフィン改質触媒を用いる場合には、オレフィン改質反応域内で供給物と迅速且つ効果的に接触する物理的形態であることが望ましい。本発明を制限するものではないが、固体触媒は粒子形態であり、粒子の最も大きな寸法が約0.1mm〜約2cmの範囲にある平均値を有することが好ましい。例えば、平均寸法が約0.1mm〜約2cmである実質的に球形のビーズ触媒を用いることができる。あるいは、約0.1mm〜約1cmの範囲の直径及び約0.2mm〜約2cmの範囲の長さを有するロッド形態の触媒を用いることもできる。
本発明の実施の際には、供給原料を、オレフィン改質反応域内で、供給原料中のパラフィン類の有意なクラッキングを生じさせずに、供給原料の臭素よりも低い臭素を有する生成物を製造するに有効な条件下で、オレフィン改質触媒と接触させる。本明細書において「臭素」とは、本明細書に参照としてその全体が組み込まれているthe 1999 Annual Book of ASTM Standards, Section 5, Petroleum Products, Lubricants, and Fossil Fuels, Vol.05.01, page 407に見出すことができるASTM D 1159-98手順により決定されることが好ましい。しかし、臭素の決定に対する他の慣用の分析手順も用いることができる。オレフィン改質反応域からの生成物の臭素は、オレフィン改質反応域への供給原料の80%以下であることが望ましく、供給原料の70%以下であることが好ましく、供給原料の65%以下であることがより好ましい。
オレフィン改質反応域内で利用できる条件は、供給原料中のオレフィン類の少なくとも一部が、ガソリン及びディーゼル燃料等の燃料の成分として有用な適切な揮発性生成物に変換されるように選択されることがさらに好ましい。
本発明を制限するものではないが、オレフィン改質反応域への供給原料中のオレフィン類は、オレフィン改質反応域内でのオレフィン改質触媒との供給原料の接触時に生じる種々の化学反応において少なくとも部分的に消費されると考えられる。さらに、特定の化学反応は、供給原料の組成に依存すると考えられる。これらの化学プロセスは、オレフィン重合及びオレフィン類による芳香族化合物のアルカリ化を含むと考えられる。
より高分子量の生成物を形成するためのオレフィン改質触媒上でのオレフィン又はオレフィン類の混合物の縮合反応を、本明細書において重合プロセスと称し、生成物は低分子量オリゴマー又は高分子量ポリマーのいずれであってもよい。オリゴマーは、2、3又は4分子のオレフィン分子相互の縮合により形成され、一方、ポリマーは5分子以上のオレフィン分子相互の縮合により形成される。本明細書で用いる「重合」なる用語は、オリゴマー及び/又はポリマーの形成に対するプロセスを広く称するために用いられる。オレフィン重合は、結果的に、オレフィン性不飽和を消費する。例えば、プロパンの2分子の単純な縮合は、結果的に、ただ1個のオレフィン性二重結合を有する6炭素オレフィンを形成する(開始物質中の2個の二重結合が生成物中の1個の二重結合に置換される)。同様に、プロパン3分子の単純縮合は、結果的に、ただ1個のオレフィン性二重結合を有する9炭素オレフィンを形成する(開始物質中の3個の二重結合が生成物中の1個の二重結合に置換される)。
オレフィン重合は、オレフィン改質反応域内で生じる臭素の減少を理解するための単純なモデルであるが、他のプロセスもまた重要であると考えられる。例えば、単純オレフィン縮合の初期生成物は、オレフィン改質触媒の存在下で異性化して、高度に枝分かれしたモノ不飽和オレフィン類となり得る。加えて、重合反応が生じて、オレフィン改質触媒の存在下で、実質的に分裂して高度に枝分かれした生成物(初期重合生成物よりも低い分子量を有する)となるポリマーを生じさせてもよい。本発明を制限するものではないが、オレフィン改質反応域内では、以下の変態が生じていると考えられる。(1)供給原料中の低分子量オレフィン類が、高度に枝分かれしたガソリン沸点内の高分子量オレフィン類に転化する。(2)供給原料中の枝分かれしていないか又はわずかに枝分かれしているオレフィン類が、ガソリン沸点内の高度に枝分かれしたオレフィン類に異性化する。
芳香族化合物のアルキル化もまた、オレフィン改質反応域内で生じ得る供給原料の臭素を減少させるように作用する重要な化学プロセスである。1個の二重結合を含むオレフィンによる芳香族有機化合物のアルキル化は、結果的にオレフィンの二重結合を分解し、結果的に物質の芳香族環系上の水素原子をアルキル基で置換する。オレフィンのオレフィン性二重結合の分解は、供給原料の臭素に比較して減少した臭素を有する生成物のオレフィン改質反応域内での形成に寄与する。しかし、芳香族有機化合物は、アルキル化物質としての反応性を広範に変化させる。例えば、固体リン酸触媒上での204℃における1-ヘプタンによるアルキル化に対する幾つかの代表的な芳香族化合物の相対的な反応性をTable Iに示す。ここで、各速度定数は、時間の関数としてのln(1-x)(ここでxは物質濃度である)の形態による実験データをプロットして得られたラインの傾斜から得たものである。
本明細書で用いられる「硫黄含有芳香族化合物」及び「硫黄含有芳香族不純物」なる用語は、芳香族環系に少なくとも1個の硫黄原子を含むすべての芳香族有機化合物を意味する。かような物質は、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物を含む。
硫黄含有芳香族化合物は、通常、芳香族炭化水素類よりも迅速にアルキル化される。したがって、硫黄含有芳香族不純物は、制限された程度まで、オレフィン改質反応域内で選択的にアルキル化され得る。しかし、所望であれば、オレフィン改質反応域内での反応条件を、芳香族炭化水素類が有意にアルキル化されるように選択してもよい。本発明のこの実施形態は、供給原料がベンゼンなどの揮発性芳香族炭化水素類を含み、かような物質を高分子量アルキル化生成物に転化することにより破壊することが望ましい場合には、非常に有用であり得る。この実施形態は、供給原料が3〜5炭素原子を含むオレフィン類など有意量の低分子量オレフィン類を含む場合に、特に有用である。かような低分子量オレフィン類によるベンゼンのモノアルキル化又はジアルキル化からの生成物は、9〜16炭素原子を含み、したがってガソリン又はディーゼル燃料の成分として有用であるに十分な揮発性を有するであろう。
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オレフィン改質反応域への供給原料中の硫黄含有芳香族不純物のアルキル化は、結果的に、より沸点の高い硫黄含有生成物を形成させる。したがって、かような物質は、沸点に基づいて、反応域流出物の分留によって取り除くことができる。非常に大雑把な近似として、モノアルキル化チオフェンの側鎖中の各炭素原子は、チオフェンの沸点84℃を約25℃上昇させる。例として、2-オクチルチオフェンは、259℃の沸点を有する。これは、8個の炭素アルキル基内の各炭素原子に対して、チオフェンの沸点を上回る23℃の沸点上昇に対応する。したがって、オレフィン改質反応域内でのC7〜C15を有するチオフェンのモノアルキル化によって、通常、約210℃の初留点を有する高沸点留分の成分として分留によって容易に除去するに十分に高い沸点を有する硫黄含有アルキル化生成物を得る。
オレフィンによる硫黄含有芳香族化合物のアルキル化は、2-イソプロピルチオフェン又は3-イソプロピルチオフェンのいずれかを得るためのプロペンによるチオフェンのモノアルキル化として説明される。かようなアルキル化生成物のより高い分子量は、開始物質の沸点に比較してより高い沸点を反映するものである。本発明の一実施形態において、オレフィン改質反応域内での反応条件は、供給原料中の硫黄含有芳香族不純物の半分以上がより高い沸点の硫黄含有生成物に転化するように選択される。
メルカプタン類は、石油精製時に一般的に見られる炭化水素液体中の不純物としてしばしば有意量で含まれる有機硫黄含有化合物の一分類である。例えば、原油の単純蒸留により調製される直留ガソリン(straight run gasolines)は、しばしば、不純物として有意量のメルカプタン及び硫化物を含む。硫黄含有芳香族化合物とは異なり、メルカプタンは、オレフィン改質反応域内で用いられる反応条件に対して比較的不活性であると考えられる。加えて、ベンゾチオフェン化合物及び数種の多重置換チオフェン、例えばある種の2,5-ジアルキルチオフェン類もまた、オレフィン改質反応域内で用いられる条件下で比較的不反応性であろう。したがって、供給原料中のメルカプタンの大部分及び有意量のある種の比較的不反応性の硫黄含有芳香族化合物は、オレフィン改質反応域内での反応条件を変えることなく残留し得る。
本発明の実施に際して、オレフィン改質反応域内で、臭素により測定されるものとしての供給原料のオレフィン性不飽和の所望の減少を生じさせるに有効な温度及び時間で、供給原料をオレフィン改質触媒と接触させる。接触温度は、約50℃を越えることが望ましく、100℃を越えることが好ましく、125℃を越えることがより好ましい。接触は、一般的に、約50℃〜約350℃、好ましくは約100℃〜約350℃、より好ましくは約125℃〜約250℃の範囲の温度で実施されるであろう。もちろん、最適な温度は、用いられるオレフィン改質触媒、供給原料中のオレフィン濃度、供給原料中に存在するオレフィン類のタイプ、及びアルキル化されるべき供給原料中の芳香族化合物のタイプの関数である。
供給原料は、いかなる適切な圧力でも、オレフィン改質反応域内で、オレフィン改質触媒と接触し得る。しかし、約0.01気圧〜約200気圧の範囲の圧力が望ましく、約1〜約100気圧の範囲の圧力が好ましい。供給原料が単純に触媒床を通して流される場合には、供給物が必要とする圧力を用いることが一般的に好ましい。
本発明の非常に好ましい実施形態において、オレフィン改質反応域内で利用される条件は、供給原料中のパラフィン類の有意なクラッキングが生じないように選択される。例えば、望ましくは供給原料中のパラフィン類の10%未満、好ましくはパラフィン類の5%未満、より好ましくはパラフィン類の1%未満が分解するであろう。パラフィン類の有意なクラッキングは、結果的に望ましくない副産物、例えばガソリン容積を損失させる低分子量化合物を形成させると考えられる。
本発明の実施に際して、オレフィン改質反応域からの流出物は、揮発性に基づいて少なくとも2種の留分に分留される。最も低い沸点の留分の蒸留終点は、ベンゾチオフェンの相当量が蒸留される温度未満になるように選択されることが望ましい。ベンゾチオフェンの沸点は221℃であるから、この低い沸点の留分の蒸留終点は、典型的には約221℃未満となるように選択される。しかし、ベンゾチオフェンは、典型的には不純物として生じる炭化水素液体成分を含む低沸点共沸混合物を形成し得る。かような共沸混合物の形成ゆえ、最も低い沸点の留分の蒸留終点は、約199℃未満であることが好ましく、約190℃未満であることがより好ましい。最も低い沸点の留分に対する望ましい蒸留終点は、約135℃〜約221℃の範囲にある。なぜなら、これは、通常アルキル化が困難でオレフィン改質反応域内の反応条件に耐えるであろうベンゾチオフェン化合物、さらにはある種の多重置換チオフェン、例えば2,5-ジアルキルチオフェンなどを追い出すように作用するからである。最も低い沸点の留分に対して非常に望ましい蒸留終点は、約150℃〜約190℃の範囲にある。
オレフィン改質反応域からの流出物の分留からの最も低い沸点の留分を、水素の存在下で、硫黄含有有機不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる。非常に好ましい実施形態において、さらに、より高い沸点の1又は複数の留分の少なくとも一部を、水素の存在下で、硫黄含有有機不純物中の硫黄の少なくとも一部が硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触させる。
水素化脱硫触媒は、いかなる慣用の触媒であってもよく、例えば、適切な基体上に担持されたVI族及び/又はVIII族金属からなる触媒であってもよい。VI族金属は、典型的にはモリブデン又はタングステンであり、VIII族金属は、典型的にはニッケル又はコバルトである。典型的な組合せは、ニッケルとモリブデン、コバルトとモリブデンである。適切な触媒担体は、制限されるものではないが、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化カルシウム、マグネシア、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、炭素、ジルコニア、珪藻土、及びランタニド酸化物を含む。好ましい触媒担体は、多孔性であり、アルミナ、シリカ及びシリカ−アルミナを含む。
水素化脱硫触媒の粒径及び形状は、典型的には、反応物質は触媒と接触する態様によって決定される。例えば、触媒を固定床触媒として又は流動床触媒(ebulating bed catalyst)として用いることができる。
本発明の実施に用いられる水素化脱硫反応条件は、ぴったりの慣用的なものである。例えば、圧力は、約15〜約1500psi(約1.02〜約102.1気圧)の範囲でよく、温度は約50℃〜約450℃の範囲でよく、液体時間空間速度(liquid hourly space velocity)は約0.5〜約15LHSVでよい。水素化脱硫反応域内での炭化水素供給物に対する水素の比率は、典型的には約200〜約500標準立方フィート毎バレル(standard cubic feet per barrel)である。水素化脱硫の程度は、水素化脱硫触媒及び選択された反応条件、さらには水素化脱硫反応域への供給物中の硫黄含有有機不純物の正確な(precise)性質の関数である。しかし、水素化脱硫プロセス条件は、硫黄含有有機不純物の硫黄含有量の少なくとも約50%が硫化水素に転化するような条件を選択することが望ましく、好ましくは硫化水素への転化が少なくとも約75%であるような条件に選択される。
硫化水素の除去後、オレフィン改質反応域からの最も低い沸点の留分の水素化脱硫からの生成物は、望ましくは50重量ppm未満、好ましくは30重量ppm未満、より好ましくは20重量ppm未満の硫黄含有量を有する。この水素化脱硫生成物のオクタンは、オレフィン改質反応域への供給原料のオクタンの少なくとも93%であることが望ましく、供給原料のオクタンの少なくとも95%であることが好ましく、供給原料のオクタンの少なくとも97%であることがより好ましい。特にことわらない限り、本明細書において「オクタン」なる用語は、(R+M)/2(物質のリサーチオクタン(research octane)とモーターオクタン(motor octane)との和を2で割ったもの)を意味する。
より高い沸点の1又は複数の留分もまた水素化脱硫に共されるこれらの実施形態において、硫化水素の除去後に得られる生成物もまた、望ましくは50重量ppm未満、好ましくは30重量ppm未満、より好ましくは10重量ppm未満の硫黄含有量を有する。加えて、かような生成物のオクタンもまた、望ましくはオレフィン改質反応域への供給原料のオクタンの少なくとも94%、好ましくは供給原料の少なくとも96%、より好ましくは供給原料の少なくとも98%である。
オレフィン改質反応域からの最も低い沸点の留分の水素化脱硫に用いられる反応条件は、きわめて緩やかでよい。なぜなら、硫黄含有不純物は、典型的に、メルカプタンなどの容易に水素化脱硫される物質からなるからである。オレフィン改質反応域からの沸点が高い方の留分の水素化脱硫に用いられる反応条件は、幾らか厳しい反応条件を要求する。なぜなら、硫黄含有不純物が、典型的に、チオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物などメルカプタンよりも水素化脱硫がより困難な物質を含むからである。したがって、本発明の非常に好ましい実施形態は、オレフィン改質反応域からの沸点が高い方の1又は複数の留分に対しては、沸点が最も低い留分に対して用いられる水素化脱硫反応条件よりもかなり厳しい水素化脱硫反応条件を用いる。温度、圧力、水素量及び空間速度は、所定の分留で実施される水素化脱硫の厳密さを制御するように選択されることが理解されるであろう。
非常に好ましい実施形態において、オレフィン改質反応域からの最も揮発性である留分は、非常に緩やかな水素化脱硫条件、例えば、約100℃〜約300℃の範囲の温度、約50psi〜約300psi(約3.40気圧〜約20.4気圧)の範囲の圧力、約4LHSV〜約8LHSVの範囲の液体毎時空間速度に共される。オレフィン改質反応域からの沸点が高い方の留分は、好ましくは、幾らか厳しい水素化脱硫条件、例えば、約250℃〜約450℃の範囲の温度、約300psi〜約700psi(約20.4気圧〜約47.6気圧)の範囲の圧力、約4LHSV〜約8LHSVの範囲の液体毎時空間速度に共される。
水素化脱硫プロセスの結果、硫黄含有有機不純物は、水素化脱硫反応域の流出物から慣用の手順によって容易に取り除かれて硫黄含有量が減少した生成物を得る硫化水素及び無機ガスに転化する。得られる本発明の水素化脱硫生成物は、オレフィン改質反応域への供給原料のオクタンと比較してあまり変わらないオクタンを有する。水素化脱硫反応域への供給物のオレフィン含有量のほとんどの部分は水素添加されてパラフィン類に転化するが、これはオレフィン改質反応域への供給原料のオクタン価と比較した場合にオクタン価の大幅な減少を生じさせるものではない。本発明を制限するものではないが、供給原料中のわずかな枝分かれを有するか又は枝分かれを有していないオレフィン類は、オレフィン改質反応域内で高度に枝分かれしたオレフィン類に転化すると考えられる。水素化脱硫反応域内で水素添加される場合に、これらの高度に枝分かれしたオレフィン類は、高度に枝分かれしたパラフィン類に転化する。このパラフィン類は、多くの場合、高度に枝分かれしたオレフィン類(このオレフィン類から問題のパラフィン類が派生する)よりも大きなオクタン価を有するであろう。対比して、わずかに枝分かれしているか又は枝分かれしていないオレフィン類であって、典型的には触媒クラッキング生成物中に見出されるオレフィン類の代表であるオレフィン類の水素添加は、オレフィン類よりも低いオクタンを有するパラフィン類を形成させる。
本発明の一実施形態を図面に概略的に示す。図面を参照すれば、媒クラッキングプロセスからの重質ナフサをライン1を介して前処理容器2に通過させる。重質ナフサ供給原料は、オレフィン類、パラフィン類、ナフテン類、及び芳香族類を含み、オレフィン含有量が約10wt.%〜約30wt.%の範囲にある混合炭化水素類からなる。加えて、重質ナフサ供給原料は、チオフェン、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン及びベンゾチオフェン誘導体、メルカプタン、硫化物及び二硫化物などを含む硫黄含有有機不純物の形態で約0.2wt.%〜約0.5wt.%の硫黄を含む。供給原料はさらに、塩基性窒素含有不純物を約50〜約200重量ppm含む。
塩基性窒素含有不純物は、供給原料の炭化水素成分の有意な化学改質を生じさせない緩やかな接触条件下で、硫酸水溶液等の酸性物質と接触することによって、前処理容器2内で供給原料から取り除かれる。
前処理容器2からの流出物は、ライン3を通過して、オレフィン改質触媒を含むオレフィン改質反応器4に導入される。反応器4に対する供給物は、反応器を通過して、ここで、ライン3からの供給物の臭素よりも低い臭素数を有する生成物を製造するに有効な反応条件下で、オレフィン改質触媒と接触する。加えて、チオフェン不純物及びベンゾチオフェン不純物の相当量が、供給物中のオレフィン類によるアルキル化によって、より高い沸点の硫黄含有物質に転化する。
オレフィン改質反応器4からの生成物は、ライン5を介して排出され、蒸留塔6に通過して、ここでこれらの生成物は分留される。約177℃の初留点を有しアルキル化硫黄含有不純物を含有する炭化水素混合物を含む高沸点留分は、ライン7を介して蒸留塔6から抜き出される。元の重質ナフサ供給原料の硫黄含有量に比較して硫黄含有量が減少しており、且つ約177℃の蒸留終点を有する低沸点留分は、ライン8を介して蒸留塔6から抜き出される。
蒸留塔6からの高沸点留分は、ライン7を通過して、水素化脱硫反応器9に導入され、水素はライン10を介して水素化脱硫反応器9に導入される。高沸点留分は、水素化脱硫反応器9内で、水素の存在下、ライン7からの供給物の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部が硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触する。生成物は、ライン11を介して水素化脱硫反応器9から抜き出され、硫化水素の除去後、生成物は、ライン7からの供給物に比較して減少した硫黄含有量を有する。この生成物の硫黄含有量は、典型的には約30重量ppm未満であろう。
蒸留塔6からの低沸点留分は、ライン8を通過して、水素化脱硫反応器12に導入され、水素はライン13を介して水素化脱硫反応器12に導入される。低沸点留分は、水素化脱硫反応器12内で、水素の存在下、ライン8からの供給物の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部が硫化水素に転化するに有効な条件下で、水素化脱硫触媒と接触する。生成物は、水素化脱硫反応器12からライン14を介して抜き出され、硫化水素の除去後、生成物は、プロセスへの重質ナフサ供給原料及びライン8からの供給物の両者に比較して、減少した硫黄含有量を有する。この生成物の硫黄含有量は、典型的には、約30重量ppm未満であろう。
以下の実施例は、本発明を説明するだけのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
以下の手順によって、初留点52℃、終留点227℃を有するナフサ供給原料を得た。(1)硫黄含有不純物を含むガス油供給原料の媒クラッキングからの生成物の分留、(2)得られた上述の沸点範囲のナフサ留分をドラムミキサー内で15wt.%硫酸水溶液により洗浄すること(ナフサ留分10部に対して、硫酸水溶液1部の割合)及び(3)水含量が約120重量ppmとなるまで、酸洗浄したナフサ留分を乾燥させること。マルチカラムガスクロマトグラフィーを用いてのナフサ供給原料の分析は、パラフィン類10.09重量%、オレフィン類20.84重量%、飽和ナフテン類7.09重量%、芳香族類55.78重量%、非同定物質6.19重量%を含むことを示した。X線蛍光分光分析により決定したところ、ナフサ供給原料の総硫黄含量は、860重量ppmであり、この硫黄含有量の約95%(すなわち817重量ppm)がチオフェン、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン及びベンゾチオフェン誘導体の形態であった(集合的にチオフェン/ベンゾチオフェン化合物と称す)。チオフェン/ベンゾチオフェン化合物ではなかった硫黄含有化合物(メルカプタン、硫化物及び二硫化物など)の実質的に全部は、177℃以下の沸点を有していた。ナフサ供給原料は、総窒素含有量56重量ppm及び塩基性窒素含有量50重量ppmを有していた。加えて、ナフサ供給原料は、(R+M)/2オクタン85.7を有していた[物質のリサーチオクタン(research octane)とモータオクタン(motor octane)との和を2で割ったものを(R+M)/2と称す]。
ナフサ供給原料を、オレフィン改質反応器内で、温度191℃、圧力200psi(13.6気圧)、液体時間空間速度(liquid hourly space velocity)1.5LHSVで、珪藻土(kieselguhr)上の12〜18メッシュ固体リン酸触媒の固定床(UOPからSPA-2の名称で販売されている)と接触させた。触媒床は、800cm3の容積を有しており、触媒床を内径2.54cmの管状ステンレススチール反応器内で不活性ガラスビーズの2個の床の間に保持した。反応器は、約2000cm3の総内部加熱容積を有しており、反応器を垂直方向に保持した。得られた生成物を分留によって2個の留分に分離した。(1)177℃の蒸留終点を有する低沸点留分として生成物の70wt.%(2)337℃の最終沸点を有する高沸点留分又は底流として生成物の30wt.%、このうち約10vol.%は約227℃以上で沸騰する物質である。これら2つの留分及びナフサ供給原料の硫黄含有量、臭素及び(R+M)/2オクタンをTable IIに示す。これらの結果は、ナフサ供給原料中の硫黄の大部分がオレフィン改質反応器からの高沸点留分中に凝縮されることを示す。加えて、これらの結果は、ナフサ供給原料の臭素に比較して、オレフィン改質反応器生成物の臭素が38〜41%減少することを示す。
Figure 0005457616
オレフィン改質反応器からの低沸点留分は、粒子状シリコンカーバイド80cm3と混合した0.050インチ(0.127cm)CoMo/Al2O3トリローベ(trilobe)水素処理触媒(Criterionから得た)20cm3が充填されている内径1.3cmの管状固定床反応器内で、232℃の温度、200psi(13.6気圧)の圧力で、水素化脱硫に共した。反応器への水素の流を1標準立方フィート毎時(28.3L/hr)に維持した。液体毎時空間速度(LHSV)4.0及び5.6の2つの異なる実験において、水素化脱硫を評価した。硫化水素の除去後、得られた水素化脱硫生成物の特性をTanle IIIに示す。比較のため、水素化脱硫反応器への低沸点供給物に対する分析データもまたTable IIIに示す。Table IIIの結果は、オレフィン改質反応器からの高沸点留分中の硫黄の85%以上が、きわめて緩やかな水素処理条件下で、(R+M)/2オクタンの約1単位の不利益で、除去され得ることを示す。
Figure 0005457616
オレフィン改質反応器からの高沸点留分もまた、粒子状シリコンカーバイド80cm3と混合した0.050インチ(0.127cm)CoMo/Al2O3トリローベ水素処理触媒(Criterionから得た)20cm3が充填されている内径1.3cmの管状固定床反応器内で、水素化脱硫に共した。上述のように、反応器への水素の流は、1標準立方フィート毎時(28.3L/hr)に維持した。温度、圧力及び液体毎時空間速度(LHSV)の種々の組合せを用いる4つの異なる実験において、水素化脱硫を評価した。これらの組合せの区別は、硫化水素の除去後、得られる水素化脱硫生成物の特性として、Table IVに示す。Table IVにはさらに、比較のために、反応器への高沸点供給物の特性も示す。Table IVの結果は、オレフィン改質反応器からの高沸点留分の硫黄含有量の99%以上が、緩やかな水素処理条件下で、(R+M)/2オクタンにおける有意な損失を引き起こさずに、除去され得ることを示す。

Figure 0005457616
図1は、本発明の実施形態の代表概略図である。

Claims (17)

  1. 硫黄含有有機不純物およびパラフィン類を含み、常態で液体のオレフィン類を含む炭化水素類混合物を含む供給原料から、硫黄含有量が減少した生成物を製造する方法であって、
    (a)供給原料を、オレフィン改質反応域内で、固体リン酸触媒及び酸性ポリマー性樹脂触媒からなる群より選択されるオレフィン改質触媒と接触させて、パラフィン類の10%以上のクラッキングを生じさせない条件下で供給原料の臭素価よりも低い臭素価を有する生成物を得て、
    (b)オレフィン改質反応器からの生成物を分留して、
    (i)硫黄含有有機不純物を含み、135℃〜221℃の範囲にある蒸留終点を有する第1の留分と、
    (ii)第1の留分よりも高い沸点を有し、硫黄含有有機不純物を含む第2の留分と、を作り、
    (c)第1の留分を、第1の水素化脱硫反応域内で、水素の存在下で、水素化脱硫触媒と接触させて、第1の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化する各工程を備えることを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、さらに、第2の留分を、水素の存在下で、第2の水素化脱硫反応域内で、水素化脱硫触媒と接触させて、第2の留分の硫黄含有不純物中の硫黄の少なくとも一部を硫化水素に転化する工程を含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、第2の水素化脱硫反応器内の水素化脱硫条件は、第1の水素化脱硫反応器内の条件よりも厳しいことを特徴とする方法。
  4. 請求項2に記載の方法であって、さらに、第2の水素化脱硫反応域内の流出物から硫化水素を取り除いて、30重量ppm未満の硫黄を含有する脱硫生成物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、第2の水素化脱硫反応域からの脱硫生成物のオクタンは、オレフィン改質反応域への供給物の少なくとも95%であることを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、さらに、第1の水素化脱硫反応域の流出物からの硫化水素を取り除いて、30重量ppm未満の硫黄を含有する脱硫生成物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、脱硫生成物のオクタンは、オレフィン改質反応域への供給原料の少なくとも95%であることを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、有機硫黄化合物の形態での硫黄を0.05wt.%〜0.7wt.%含むことを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、塩基性窒素含有不純物を含み、方法はさらに、供給原料がオレフィン改質触媒と接触する前に、供給原料から塩基性窒素含有不純物を取り除く工程を含むことを特徴とする方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、触媒クラッキングプロセスをさらに含み、供給原料は、触媒クラッキングプロセスからの炭化水素類を含むことを特徴とする方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、50ppm以上の塩基性窒素を含まないことを特徴とする方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、ガソリン範囲で沸騰する炭化水素類の混合物を含むことを特徴とする方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、触媒クラッキングプロセスをさらに含み、供給原料は、触媒クラッキングプロセスによって製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を取り除いて調製された処理ナフサを含むことを特徴とする方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、オレフィン改質反応域からの生成物の臭素価は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素価の80%以下であることを特徴とする方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、オレフィン改質反応域からの生成物の臭素価は、オレフィン改質反応域への供給原料の臭素価の70%以下であることを特徴とする方法。
  16. 請求項1に記載の方法であって、第1の留分の蒸留終点及び第2の留分の初留点は、150℃〜190℃の範囲にあることを特徴とする方法。
  17. 請求項1に記載の方法であって、供給原料は、79℃以下の初留点を有し、蒸留終点は345℃以下であることを特徴とする方法。
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