JP4113590B2 - 硫黄除去法 - Google Patents
硫黄除去法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4113590B2 JP4113590B2 JP53127298A JP53127298A JP4113590B2 JP 4113590 B2 JP4113590 B2 JP 4113590B2 JP 53127298 A JP53127298 A JP 53127298A JP 53127298 A JP53127298 A JP 53127298A JP 4113590 B2 JP4113590 B2 JP 4113590B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sulfur
- catalyst
- catalytic cracking
- product
- containing impurities
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10G—CRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
- C10G29/00—Refining of hydrocarbon oils, in the absence of hydrogen, with other chemicals
- C10G29/20—Organic compounds not containing metal atoms
- C10G29/205—Organic compounds not containing metal atoms by reaction with hydrocarbons added to the hydrocarbon oil
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
本発明は、炭化水素類の混合物を含み、望ましくない不純物として有機硫黄化合物を含有する液体供給原料から硫黄含量の少ない生成物を製造するための方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、供給原料中の有機硫黄化合物に少なくとも一部をより高沸点を有する生成物へと転化し、これら高沸点生成物を蒸留によって除去することを含む。
発明の背景
接触クラッキングプロセスは、現在、石油を望ましい燃料、例えば、ガソリンおよびディーゼル燃料へと転化するのに使用されている主要な精製操作の1つである。流動接触クラッキングプロセスは、高分子量炭化水素供給原料が流動または分散状態の高温の微細な固体触媒粒子との接触を通して低分子量生成物へと転化されるこのタイプのプロセスの一例である。適した炭化水素供給原料は、典型的には、約205℃〜約650℃の範囲内で沸騰し、それらは、通常、約450℃〜約650℃の範囲の温度で触媒と接触させられる。適した供給原料としては、種々の鉱油留分、例えば、軽質ガス油、重質ガス油、ワイド−カットガス油、真空ガス油、ケロセン類、デカンテーションした油、残留留分、還元した粗製油およびこれらのいずれかから誘導され、また、シェール油、タールサンド処理および石炭液化より誘導される循環油が挙げられる。プロセスからの生成物は、典型的には、沸点に基づき、例えば、軽質ナフサ(約10℃〜約221℃で沸騰)、ケロセン(約180℃〜約300℃で沸騰)、軽質循環油(約221℃〜約345℃で沸騰)および重質循環油(約345℃より高い温度で沸騰)が挙げられる。
接触クラッキングプロセスは、米国内のガソリンプールの有意な部分を提供するのみならず、それは、また、このプールに生ずる大きな比率の硫黄を提供する。このプロセスからの液体生成物中の硫黄は、有機硫黄化合物の形態であり、これら生成物を燃料として利用する時に、硫黄酸化物類へと転化される望ましくない不純物である。これら硫黄酸化物類は、忌み嫌われる大気汚染物質である。また、これらは、エンジン排出物中の有害な放出物のよりましなガス類への転化を触媒するために自動車に搭載されて使用される触媒変換器用に開発された多くの触媒を失活させさえもする。したがって、接触クラッキング生成物の硫黄含量を可能な限り最も低いレベルに少なくすることが望ましい。
直留ガソリンの硫黄含有不純物は、粗製油の単純な蒸留によって製造され、通常、クラッキングされたガソリンのそれと非常に異なる。前者は、大部分、メルカプタン類およびスルフィド類を含有し、他方、後者は、チオフェン誘導体に富む。
低硫黄生成物は、慣用的には、プロセスへの供給原料またはプロセスからの生成物を水素処理する(hydrotreating)ことによって接触クラッキングプロセスから得られる。水素処理プロセスは、触媒の存在中での元素状水素による処理を含み、硫黄含有有機不純物中の硫黄の硫化水素への転化を生じ、これは、分離され、元素状の硫黄へと転化される。残念ながら、このタイプの処理は、それが水素源、高圧処理装置、高価な水素処理触媒、および、生成した硫化水素の元素状の硫黄への転化のための硫黄回収プラントを必要とするので、典型的には、かなり高価である。また、水素処理プロセスは、水素化を経て飽和炭化水素類へと転化することによって、供給原料中のオレフィン類の望ましくない破壊を生じかねない。水素化によるオレフィン類のこの破壊は、それが高価な水素を消費し、オレフィンがガソリンの高オクタン成分として貴重であるので、望ましくない。一例として、接触クラッキングプロセスからのガソリン沸騰範囲のナフサは、オレフィン含量が多く存在する結果として、比較的高いオクタン価を有する。このような物質を水素処理すると、所望される脱硫以外に、オレフィン含量の低下を生じ、脱硫度が大きくなるにつれて、オクタン価が低下する。
精製工業の早期年代においては、硫酸処理が、硫黄を除去し、アスファルト物質を沈殿させ、精製原料の安定性、着色および多様な臭気を改良するために使用される重要なプロセスであった。Petroleum Prpcessing Handbook,W.F.Bland and R.L.Davidson Ed.,McGraw-Hill Book Company,1967のページ3-119において、このプロセスにおいては、強酸とともに低温(−4℃〜10℃)が使用されるが、物質を戻す場合には、より高温(21℃〜54℃)が実用的であるかも知れないことが報告されている。Oil and Gas Journal,November 10,1938のページ45には、ナフサの硫酸処理は、有機硫黄含有不純物、例えば、イソアミルメルカプタン、硫酸ジメチル、メチル−p−トルエンスルホネート、二硫化炭素、n−ブチルスルフィド、n−プロピルジスルフィド、チオフェン、ジフェニルスルホキシドおよびn−ブチルスルホンを除去するのに有効であることが開示されている。ガソリンの硫酸処理に関する化学は、専ら、G.E.Mapstoneによって総説論文Petroleum Refiner,Vol.29,No.11(November,1950)のpp.142-150に考察されている。Mapstoneは、ページ145において、硫酸の存在で、チオフェン類は、オレフィン類によってアルキル化されうることを報告している。彼は、さらに、この同様の反応が硫酸による処理によってクラッキングされたシェルガソリンの脱硫に有意な効果を有することを明らかにし、達成される硫黄減少の大きな比率は、酸処理ガソリンの再蒸留で生じ、数%の硫黄を含有するボトムが再度試みられると述べている。
米国特許No.2,448,211(Caesar et al.)は、チオフェンおよびその誘導体が触媒、例えば、活性化された天然粘土またはシリカの合成吸着体複合物と少なくとも1種の両性金属酸化物との存在中、約140℃〜約400℃の温度でオレフィン性炭化水素類との反応によってアルキル化されうることを開示している。適した活性化天然粘土触媒としては、その上に、塩化亜鉛またはリン酸が沈殿した粘土触媒が挙げられる。適したシリカ−両性金属酸化物触媒としては、シリカのアルミナ、ジルコニア、セリアおよびトリアのような物質との組み合わせが挙げられる。米国特許No.2,469,823(Hansford et al.)は、チオフェンおよびアルキルチオフェン類のアルキル化剤、例えば、オレフィン性炭化水素類、アルキルハライド類、アルコール類およびメルカプタン類によるアルキル化を触媒するためにボロントリフルオライドが使用可能であることを教示している。また、米国特許No.2,921,081(Zimmerschied et al.)は、二酸化ジルコニウムおよびジルコニウムのハライドからなる群より選択されるジルコニウム化合物を、オルトリン酸、ピロリン酸およびトリリン酸からなる群より選択される酸と組み合わせることによって、酸性固体触媒が製造しうることを開示している。それは、さらに、チオフェンが、そのような触媒の存在で、227℃の温度で、プロピレンによりアルキル化されうることを開示している。
米国特許No.2,563,087(Vesely)は、チオフェンがこの物質と芳香族炭化水素類との混合物より、チオフェンの選択的アルキル化および生成するチオフェンアルキレートの蒸留による分離によって除去されうることを開示している。選択的アルキル化は、チオフェン汚染芳香族炭化水素をアルキル化剤と混合し、約−20℃〜約85℃の範囲の温度に注意深く温度を制御して、その混合物をアルキル化触媒と接触させることによって行われる。それは、適したアルキル化剤として、オレフィン類、メルカプタン類、鉱酸エステル類、および、アルコキシ化合物、例えば、脂肪族アルコール類、エーテル類およびカルボン酸のエステル類が挙げられることを開示している。それは、また、適したアルキル化触媒として、以下の:(1)好ましくは、無水の形で使用されるフリーデル−クラフツ金属ハライド;(2)リン酸、好ましくは、ピロリン酸、または、硫酸対リン酸の体積比が約4:1未満である硫酸との混合物;および、(3)リン酸、例えば、オルトリン酸またはピロリン酸の、例えば、キーゼルグアまたはケイ質粘土のような約400℃〜約500℃の温度まで焼成されてシリコ−リン酸組み合わせ物を形成し、一般に、固体リン酸触媒と称される、ケイ質吸着剤との混合物が挙げられる。
米国特許No.2,943,094(Birch et al.)は、主として芳香族炭化水素類からなる蒸留物からアルキルチオフェン類を除去するための方法であり、この方法が、アルキルチオフェン類を沸点の異なる硫黄含有生成物に転化し、それらを分別蒸留によって除去する方法に関する。転化は、500〜650℃の範囲の温度で混合物を触媒と接触させることによって行われ、その触媒は、アルミナにフッ化水素酸の水溶液を含浸させることによって製造される。それは、触媒が、(1)アルキルチオフェン類をより低級のアルキルチオフェン類および/または脱アルキル化による未置換チオフェンヘと転化させ;(2)アルキルチオフェン類の脱アルキル化とアルキル化とを同時に行い;(3)アルキルチオフェン類を芳香族炭化水素へと転化する機能を果たすことを開示している。
米国特許No.2,677,648(Lien et al.)は、高硫黄オレフィン性ナフサを脱硫するための方法であって、ナフサをフッ化水素で処理してラフィネートを得、ラフィネートを脱フッ素化し、ついで、脱フッ素化ラフィネートをHF−活性化されたアルミナと接触させることを含む方法に係る。フッ化水素による処理は、高硫黄含量抽出物として約10〜15%の供給原料の除去を生じ、約30〜40%の供給原料が重合およびアルキル化によってガス油沸騰範囲の物質へと同時に転化される条件下、約−51℃〜−1℃の範囲の温度で行われる。ラフィネートからHFを除去した後、ラフィネートは、約316〜482℃の範囲の温度でHF−活性化されたアルミナと接触され、ガス油沸騰範囲の成分を脱重合および脱アルキル化して、さらなる脱硫を行う。
米国特許No.4,775,462(Imai et al.)は、炭化水素留分中のメルカプタン不純物を生成物中に残留することが許されるより嫌われないチオエーテルへと転化するための方法に係る。この方法は、炭化水素留分を、メルカプタン不純物をチオエーテル類へと転化するのに有効な条件下、酸−タイプの触媒の存在で、不飽和炭化水素と接触させることを含む。それは、適した酸−タイプ触媒として:(1)酸性高分子樹脂、例えば、スルホン酸基を含有する樹脂;(2)酸性内位化合物、例えば、グラファイト中のアンチモンハライド類、グラファイト中のアルミニウムハライド類、および、グラファイト中のジルコニウムハライド類;(3)シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナまたは粘土上に担持されたリン酸、硫酸またはホウ酸;(4)アルミナ、シリカ−アルミナ、天然および合成ピラード(pillared)粘土、および、天然および合成ゼオライト、例えば、フォージャサイト(faujasites)、モルデナイト(mordenite)、L,オメガ、XおよびYゼオライト;(5)アルミニウムハライドまたはボロンハライドを含浸させたアルミナまたはシリカ−アルミナ;および、(6)金属硫酸塩、例えば、硫酸ジルコニウム、硫酸ニッケル、硫酸クロムおよび硫酸コバルトが挙げられる。
発明の概要
水素処理(Hydrotreating)は、炭化水素液体、例えば、石油の精製で遭遇するものおよび石炭液化およびオイルシェルまたはタールサンドの処理より誘導されるものから硫黄含有不純物を除去するための有効な方法である。このタイプの液体は、約10℃〜約345℃の範囲内の広いまたは狭い範囲にわたって沸騰し、本明細書で、“蒸留物炭化水素液体(distillate hydrocarbon liquids)”と称する。例えば、軽質ナフサ、重質ナフサ、ケロセンおよび軽質循環油は、全て、蒸留物炭化水素液体である。残念ながら、水素処理は、高価なプロセスであり、通常、高度にオレフィン性の蒸留物炭化水素液体で使用するには不満足である。したがって、蒸留物炭化水素液体から硫黄含有不純物を除去するための安価なプロセスが必要とされている。また、高度にオレフィン性の蒸留物炭化水素液体から硫黄含有不純物を除去するために使用することのできるこのような方法が必要とされている。
我々は、オレフィン類またはアルコール類の存在で酸触媒で処理することによって、典型的には蒸留物炭化水素液体に見られる硫黄含有不純物の多くが容易に、かつ、選択的に、より高沸点を有する硫黄含有物質へと転化されることを見いだした。我々は、また、生成するより高沸点の硫黄含有物質の大部分が分別蒸留によって除去しうることを見いだした。
本発明の1つの実施態様は、約345℃以下で沸騰する炭化水素類の混合物を含み、少量の有機硫黄化合物を含有する液体供給原料から、硫黄含量の少ない生成物を製造するための方法であって、該方法が:(a)前記供給原料がモル基準で有機硫黄化合物のそれに少なくとも等しい量のアルキル化剤を含有し、前記アルキル化剤がアルコール類およびオレフィン類からなる群より選択される少なくとも1種の物質を含むように前記供給原料の組成を調整し;(b)前記有機硫黄化合物の少なくとも一部をより高沸点の硫黄含有物質に転化するのに有効な接触時間、100℃を上回る温度で酸性固体触媒とその生成した混合物とを接触させ;(c)前記接触工程の生成物を分別蒸留して、高沸点の硫黄含有物質を除去し、前記供給原料のそれと比較して硫黄含量の少ない生成物を生成させることを含む方法である。
本発明のもう1つの実施態様は、硫黄含量の少ない生成物を製造するための方法であって、(a)硫黄含有不純物を含有する炭化水素供給原料を接触クラッキングすることによって、硫黄含有不純物を含む接触クラッキング生成物を生成させ;(b)少なくとも1重量%のオレフィン類を含み、不純物として有機硫黄化合物を含有する接触クラッキング生成物の少なくとも一部を分離し;(c)前記分離した接触クラッキング生成物中の硫黄含有不純物の少なくとも一部をより高沸点を有する硫黄含有物質へと転化するのに有効な時間、50℃を上回る温度で酸性固体触媒と分離した接触クラッキング生成物を接触させ;(d)前記接触工程の生成物を分別蒸留して、高沸点の硫黄含有物質を除去し、前記分離した接触クラッキング生成物のそれと比較して硫黄含量の少ない生成物を生成させることを含む方法である。
本発明のさらなる実施態様は、硫黄含量の少ない生成物を製造するための方法であって、(a)硫黄含有不純物を含有する炭化水素供給原料を接触的にクラッキングすることによって接触クラッキング生成物を生成させ;(b)接触クラッキング生成物を蒸留ユニットに通し、(1)硫黄含有不純物を含有する約345℃以下で沸騰する液体と、(2)より高沸点の物質とを含む少なくとも2つの留分に前記接触クラッキング生成物を分別し;(c)蒸留ユニットからの前記留分(1)の一部を、酸性固体触媒と、前記留分(1)中の硫黄含有不純物の少なくとも一部をより高沸点の硫黄含有物質へと転化するのに有効な時間、50℃を上回る温度で接触させることによって処理液体を生成させ;(d)その処理液体を前記蒸留ユニットに戻し、接触クラッキング生成物と同時にその処理液体を分別し、それによって、処理液体中のより高沸点の硫黄含有物質の少なくとも一部を除去し、硫黄含量の少ない生成物を生成させることを含む方法である。
本発明の目的は、蒸留物炭化水素液体から硫黄含有不純物を除去するための方法であり、水素処理触媒の存在で水素で水素処理することを含まない方法を提供することである。
本発明の目的は、硫黄含量の少ない蒸留物炭化水素液体を製造するための安価な方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、蒸留物炭化水素液体からメルカプタン類、チオフェンおよびチオフェン誘導体を除去するための方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、接触クラッキング生成物から硫黄含有不純物を除去するための改良法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、接触クラッキングプロセスの軽質ナフサ生成物から、そのオクタン価を有意に低下させることなく、硫黄含有不純物を除去するための方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
図面の図1は、C3オレフィンおよびC4オレフィンの混合物とブレンドした安定化された重質ナフサ供給原料中の硫黄含有不純物の沸点を高めるためのキーゼルグア上の固体リン酸触媒の使用を例示する。
図面の図2は、オレフィン含有安定化された重質ナフサ供給原料中の硫黄含有不純物の沸点を高めるためのキーゼルグア上の固体リン酸触媒の使用を例示する。
図面の図3aは、2−プロパンチオール、チオフェン、2−メチルチオフェンおよびイソプロピルスルフィドを不純物として含有する低オレフィン含量合成炭化水素供給原料の沸点の関数として硫黄含量の分布を例示する。図3bは、この合成供給原料中の硫黄含有不純物の沸点を高めるためのキーゼルグア上の固体リン酸触媒の使用を例示する。
図面の図4aは、2−プロパンチオール、チオフェン、2−メチルチオフェンおよびイソプロピルスルフィドを不純物として含有する高オレフィン含量合成炭化水素供給原料の沸点の関数として硫黄含量の分布を例示する。図4bは、この合成供給原料中の硫黄含有不純物の沸点を高めるためのキーゼルグア上の固体リン酸触媒の使用を例示する。
図面の図5は、供給原料をプロペン対合成供給原料の0.25体積比でプロペンとブレンドする前および後の(12.9重量%のC6およびC7オレフィン類を含有した)合成供給原料中の硫黄含有不純物の沸点を高めるための6種の異なる固体酸性触媒の能力を例示する。
発明の詳細な説明
我々は、供給原料が炭化水素類の混合物を含み、望ましくない不純物として有機硫黄化合物を含有する液体供給原料から硫黄含量の少ない生成物を製造するための方法を発見した。この方法は、酸触媒の存在でアルキル化剤で処理することによって、硫黄含有不純物の少なくとも一部をより高沸点の硫黄含有生成物へと転化し、これら高沸点の生成物の少なくとも一部を蒸留によって除去することを含む。
本発明の実施において使用される適当なアルキル化剤としては、アルコール類およびオレフィン類が挙げられる。しかし、オレフィン類は、通常、アルコール類よりもより反応性であり、より温和な条件下で本方法に使用することができるので、概して、好ましい。適当なオレフィン類としては、環状オレフィン類、置換環状オレフィン類、R1がヒドロカルビル基であり、各R2が、独立に、水素およびヒドロカルビル基からなる群より選択される式(I)で表されるオレフィン類が挙げられる。好ましくは、R1は、アルキル基であり、各R2は、独立に、水素およびアルキル基からなる群より選択される。適当な環状オレフィン類および置換環状オレフィン類の例としては、シクロペンテン、1−メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンおよび4−メチルシクロオクテンが挙げられる。式(I)で表されるタイプの適当なオレフィン類の例としては、プロペン、2−メチルプロペン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン、2−エチル−1−ブテン、2−エチル−3−メチル−1−ブテン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、3−オクテンおよび4−オクテンが挙げられる。第2級および第3級のアルコール類は、それらが第1級アルコール類よりもより反応性であり、より温和な反応条件下で使用することができるので、第1級アルコール類よりも非常に好ましい。エチレン、メタノールおよびエタノールのような物質は、それらの反応性が低いので、本発明の実施における大部分のその他のオレフィン類およびアルコール類ほど有用ではない。
好ましいアルキル化剤は、約3個〜約20個の炭素原子を含有し、非常に好ましいアルキル化剤は、約3個〜約10個の炭素原子を含有する。アルキル化剤における炭素原子の最適数は、通常、所望される液体炭化水素生成物の沸点および供給原料中の硫黄含有不純物の沸点によって決定される。先に記載したように、硫黄含有不純物は、本発明のアルキル化剤によって、より高沸点の硫黄含有物質へと転化される。しかし、多数の炭素原子を含有するアルキル化剤は、通常、少数の炭素原子を含有するアルキル化剤よりも沸点がより高く上昇することとなる。したがって、硫黄含有不純物を硫黄含有生成物へと転化し、それらが蒸留によって除去されるほど十分に高い沸点を有するアルキル化剤を選択する必要がある。例えば、プロピレンは、最高沸点150℃を有する硫黄含量の少ない液体炭化水素生成物の製造に使用するのに非常に満足なアルキル化剤でありうるが、最高沸点345℃を有する液体炭化水素生成物については満足しうるものではない。
好ましい実施態様において、アルキル化剤の混合物、例えば、オレフィン類の混合物またはアルコール類の混合物が本発明の実施において使用されるであろう。このような混合物は、純粋なオレフィンまたはアルコールよりも安価であり、および/または容易に入手可能であることが多く、アルキル化剤としての純粋なオレフィンまたはアルコールで達成されると等しく満足な結果を生ずることが多いであろう。しかし、特定の炭化水素液体から特定の硫黄含有不純物の除去を最適化したい時には、(1)それらを分別蒸留によって容易に除去することのできるほど十分に高い沸点を有する生成物に硫黄含有不純物を転化し;(2)未反応のアルキル化剤を除去する必要がある場合には、例えば、この物質を蒸留または水抽出によって容易に除去可能とすべく選択される特定のオレフィンまたはアルコールを使用することが有益であるかも知れない。本発明の多くの精製応用において、硫黄含量の少ない生成する蒸留生成物から未反応のアルキル化剤を除くことが必要ではないであろうことは、当然のことながら、理解されるであろう。
本発明は、かく限定されるべきものではないが、硫黄含有不純物のより高沸点の生成物への転化の主要な機構は、これら不純物のアルキル化剤によるアルキル化を含むと考えられる。例として、芳香族硫黄化合物、例えば、チオフェンの単純なアルキル化は、アルキル置換チオフェンを生成するであろう。このタイプの反応は、チオフェンの2−イソプロピルチオフェンへの転化を、アルキル化剤として、それぞれ、プロペンおよび2−プロパノールを使用して例示する式(II)および式(III)に例示する。チオフェンのモノアルキル化は、硫黄原子のαまたはβ位で生ずることができ、ポリアルキル化もまた生ずることが、当然のことながら、理解されるであろう。メルカプタンのアルキル化は、スルフィドを生成し、このタイプの反応は、n−ブチルメルカプタンのイソプロピル(n−ブチル)スルフィドへの転化を、アルキル化剤として、それぞれ、プロペンおよび2−プロパノールを使用して例示する式(IV)および式(V)で例示する。
アルキル化プロセスは、硫黄含有出発物質の水素原子のアルキル基による置換を生じ、対応して、出発物質の分子量を上回る分子量の増大を生ずる。このようなアルキル化生成物のより高い分子量は、出発物質のそれに比較してより高い沸点によって反映される。例えば、2−メチルプロペンでのアルキル化によるチオフェンの2−t−ブチルチオフェンへの転化は、沸点84℃を有するチオフェンの沸点164℃を有する生成物への転化を生じ、供給原料中のより低沸物質から分別蒸留によって容易に除去することができる。2−メチルプロペンでのジアルキル化によるチオフェンのジ−t−ブチルチオフェンへの転化は、より高沸点約224℃さえ有する生成物を生ずる。炭素原子数の少ないアルキル基よりも炭素原子数の多いアルキル基によるアルキル化は、生成物がより高い分子量を有し、したがって、炭素原子数の少ないアルキル基によるアルキル化を経て得られる生成物よりもより高沸点を有するので、好ましい。
本発明の実施において使用することのできる供給原料としては、1種以上の炭化水素類を含み、有機硫黄化合物、例えば、メルカプタン類または芳香族硫黄化合物を不純物として含有するいずれかの液体が挙げられる。また、液体の主要部分は、約345℃以下、好ましくは、約230℃以下で沸騰する炭化水素類を含む必要がある。適した供給原料としては、石油、例えば、天然ガス液体、ナフサ、軽質ガス油、重質ガス油、および、ワイド−カット(wide-cut)ガス油;および、石炭液化およびオイルシェルまたはタールサンドの処理から誘導される炭化水素の精製で慣用的に遭遇する炭化水素類の種々の複雑な混合物のいずれかが挙げられる。好ましい供給原料としては、接触クラッキングまたは炭化水素供給原料のコーキング(coking)から生ずる不純物としての有機硫黄化合物を含有する液体生成物が挙げられる。
芳香族炭化水素類は、本発明の酸性触媒の存在で、本発明のアルキル化剤でアルキル化することができる。しかし、芳香族硫黄化合物およびその他の典型的な硫黄含有不純物は、芳香族炭化水素類よりもさらにはるかに反応性である。したがって、本発明の実施において、供給原料中に存在するかも知れない芳香族炭化水素類の有意なアルキル化なしで、硫黄含有不純物を選択的にアルキル化することが可能である。しかし、芳香族炭化水素類のいずれの競争アルキル化も供給原料中の芳香族炭化水素類の濃度を低下させることによって少なくすることができる。したがって、本発明の好ましい実施態様において、供給原料は、50重量%未満の芳香族炭化水素類を含有するであろう。所望とあらば、供給原料は、約25重量%未満の芳香族炭化水素類またはそれより少ない量さえ含有してもよい。
接触クラッキング生成物は、本発明で使用される好ましい供給原料である。このタイプの好ましい供給原料としては、約345℃以下で沸騰する液体、例えば、軽質ナフサ、重質ナフサ、蒸留物および軽質循環油が挙げられる。しかし、接触クラッキングプロセスからの揮発性生成物の全アウトプットは、本発明の供給原料として利用できうることも理解されるであろう。接触クラッキング生成物は、それらが、典型的には、比較的高オレフィン含量を含有し、これが追加のアルキル化剤を添加する必要をなくすので、望ましい供給原料である。また、芳香族硫黄化合物は、接触クラッキング生成物中の硫黄含有不純物の主成分であることがしばしばあり、芳香族硫黄化合物は、本発明の手段によって容易に除去される。例えば、石油誘導ガス油の流動接触クラッキングからの典型的な軽質ナフサは、約60重量%以下のオレフィン類および大部分の硫黄が芳香族硫黄化合物の形態である約0.5重量%以下の硫黄を含有してもよい。本発明の実施に使用される好ましい供給原料は、接触クラッキング生成物を含み、さらに、少なくとも1重量%のオレフィン類を含んでもよい。非常に好ましい供給原料は、接触クラッキング生成物を含み、さらに、少なくとも5重量%のオレフィン類を含む。このような供給原料は、蒸留によって分離される接触クラッキングプロセスからの揮発性生成物の一部であってもよい。
本発明の方法によって除去することのできる硫黄含有不純物としては、メルカプタン類および芳香族硫黄化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。芳香族硫黄化合物の例としては、チオフェン、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェンおよびベンゾチオフェン誘導体が挙げられるが、このようなチオフェン誘導体の例としては、2−メチルチオフェン、3−メチルチオフェン、2−エチルチオフェンおよび2,5−ジメチルチオフェンが挙げられる。本発明の好ましい実施態様において、供給原料中の硫黄含有不純物は、芳香族硫黄化合物を含み、酸触媒の存在でのアルキル化剤との接触の際に、少なくとも約20%のこれら芳香族硫黄化合物がより高沸点の硫黄含有物質へと転化される。所望とあらば、これら芳香族硫黄化合物の少なくとも約50%またはそれ以上が本発明の実施においてより高沸点の硫黄含有物質へと転化することができる。
オレフィンまたはアルコールのメルカプタン類、チオフェンおよびチオフェン誘導体との反応を触媒することのできるいずれの酸性物質も、本発明の実施における触媒として使用することができる。固体の酸性触媒は、特に望ましく、このような物質としては、固体支持体上に担持された液体酸が挙げられる。固体の酸性触媒は、硫黄含有供給原料をそのような物質と容易に接触させることができるので、概して、液体触媒よりも好ましい。例えば、供給原料は、適当な温度で、固体酸性の触媒の粒状固定床に簡単に通すことができる。対照的に、大規模スケールでの液体酸の使用は、腐蝕性の液体を取り扱うのに固有な問題;および、供給原料の液体酸触媒との接触の際に発生する生成物から液体酸を分離するのに関わる問題を有するので、より難しいことがしばしばである。
本発明の実施に使用するのに適した触媒は、酸性高分子樹脂、担持酸および酸性無機酸化物のような物質を含む。適した酸性高分子樹脂としては、当分野で周知であり、市販入手可能な高分子スルホン酸樹脂が挙げられ、AmberlystR 35(Rohm and Haas Co.の製品)は、このような物質の典型的な例である。
触媒として有用な担持酸としては、固体、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化ジルコニウムまたは粘土上に担持されている、ブレンシュテッドの酸(例として、リン酸、硫酸、ホウ酸、HF、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびジヒドロキシフルオロホウ酸が挙げられる。)およびルイス酸(例として、BF3、BCl3、AlCl3、AlBr3、FeCl2、FeCl3、ZnCl2、SbF3、SbCl3、および、AlCl3とHClとの組み合わせが挙げられる。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。液体酸を使用する時、担持触媒は、典型的には、所望される液体酸を所望される担体と組み合わせ、乾燥することによって製造される。リン酸を担体と組み合わせることによって製造される担持触媒は、非常に好ましく、本明細書中で、固体リン酸触媒と称する。これら触媒は、それらが非常に有効で、かつ、コストが安価であるので、好ましい。米国特許No.2,921,081(Zimmerschied et al.)は、本明細書で参照することによって組み込むが、酸化ジルコニウムおよびジルコニウムのハライドからなる群より選択されるジルコニウム化合物をオルトリン酸、ピロリン酸およびトリリン酸からなる群より選択される酸と組み合わせることによる固体リン酸触媒の製法を開示している。米国特許No.2,120,702(Ipatieff et al.)は、本明細書で参照することによって組み込むが、リン酸をケイ質物質と組み合わせることによる固体リン酸触媒の製造法を開示している。最後に、英国特許No.863,539も、また、本明細書で参照することによって組み込むが、リン酸を固体のケイ質物質、例えば、珪藻土またはキーゼルグア上に析出させることによる固体リン酸触媒の製法を開示している。
触媒として有用な酸性無機酸化物類としては、アルミナ類、シリカ−アルミナ類、天然および合成ピラード粘土(pillared clay)、および、天然および合成ゼオレイト、例えば、ファージャサイト、モルデナイト,L,オメガ、X、Y、βおよびZSMゼオレイトが挙げられるが、これらに限定されるものではない。非常に適したゼオレイトとしては、β、Y、ZSM−3、ZSM−4、ZSM−5、ZSM−18およびZSM−20が挙げられる。所望とあらば、ゼオライトは、無機酸化物マトリックス物質、例えば、シリカ−アルミナに組み込むことができる。事実、平衡クラッキング触媒は、本発明の実施において酸触媒として使用することができる。
触媒は、異なる物質、例えば、ルイス酸(例としては、BF3、BCl3、SbF3およびAlCl3が挙げられる。)、非ゼオライト固体無機酸化物(例えば、シリカ、アルミナおよびシリカ−アルミナ)および大きな空隙を有する結晶質モレキュラーシーブ(例としては、ゼオライト、ピラード粘土およびアルミノホスフェートが挙げられる。)の混合物を含むことができる。
本発明の実施に使用される供給原料は、場合によっては、硫黄含有不純物に加えて、窒素含有有機化合物を不純物として含有するであろう。多くの典型的な窒素含有不純物は、有機塩基であり、場合によっては、それと反応することによって酸触媒の失活を生じかねない。このような失活が見られる場合には、それは、供給原料を酸触媒と接触させる前に、供給原料から塩基性窒素含有不純物を除去することによって、防止することができる。
塩基性窒素含有不純物は、慣用的な方法、例えば、酸洗浄によるか、または、酸触媒の前に位置決めされた保護床の使用によって、供給原料から除去することができる。有効な保護床の例としては、A−ゼオライト、Y−ゼオライト、L−ゼオライト、モルデナイトおよび酸性高分子樹脂が挙げられる。保護床技術を使用する場合、1つの保護床を再生しつつ、その間に供給原料を前処理して、酸触媒を保護するために他方を使用し続けられるように2つの保護床を使用することが望ましいことが多い。塩基性窒素含有化合物を除去するために酸洗浄を使用する場合、供給原料は、適当な酸の水溶液で処理される。このような使用のための適当な酸としては、塩酸、硫酸および酢酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。水溶液中の酸の濃度は、重要ではないが、便宜上、約0.5〜約30重量%の範囲で選択される。
本発明の実施において、硫黄含有不純物を含有する供給原料は、硫黄含有不純物の少なくとも一部がより高沸点の硫黄含有物質への転化を生ずるために有効な温度および時間、酸触媒と接触させられる。望ましくは、接触温度は、約50℃を上回り、好ましくは、100℃を上回り、さらに好ましくは、125℃を上回る。接触は、概して、約50℃〜約350℃の範囲の温度、好ましくは、約100℃〜約350℃の範囲の温度、さらに好ましくは、約125℃〜約250℃の範囲の温度で行われる。最適な温度は、使用される酸触媒、アルキル化剤または選択される薬剤、および、供給原料から除去されるべき硫黄含有不純物の性質の関数であろうことが当然のことながら理解されるであろう。
硫黄含有不純物は、非常に反応性であり、本発明のアルキル化剤と反応することによって、より高沸点を有する硫黄含有生成物へと選択的に転化させることができる。したがって、供給原料は、大部分の炭化水素類が実質的に影響を受けない程十分に温和な条件下で酸触媒と接触させることができる。例えば、芳香族炭化水素類は、実質的に影響を受けず、有意なオレフィン重合が生じない。接触クラッキングプロセスからのナフサ供給原料の場合には、これは、ナフサのオクタン価に有意な影響を及ぼすことなく、硫黄含有不純物を除去することができることを意味する。しかし、所望とあらば、アルキル化剤の温度および濃度は、芳香族炭化水素類の有意なアルキル化も生じうる点まで上昇させることができる。例えば、供給原料が硫黄含有不純物および極微量のベンゼンを含有する場合、反応条件は、硫黄含有不純物が高沸点生成物へと転化され、ベンゼンの大半がアルキル化生成物へと転化されるように選択することができる。
本発明の実施において、アルキル化剤は、いずれの所望量も使用することができる。しかし、酸触媒と接触させる際、硫黄含有不純物の量と比較して比較的大量のアルキル化剤が不純物のより高沸点の硫黄含有生成物への迅速かつ完全な転化を促進する。供給原料の組成は、望ましくは、酸触媒と接触させる前に、それが、モル基準で、供給原料中の有機硫黄化合物のそれと少なくとも等しい量のアルキル化剤を含有するように調節される。所望とあらば、アルキル化剤対有機硫黄化合物のモル比は、少なくとも5またはそれより多くすることができる。
本発明の実施において、供給原料は、いずれかの適当な圧力で酸触媒と接触させることができる。しかし、約0.01〜約200気圧の範囲の圧力が望ましく、約1〜約100気圧の範囲の圧力が好ましい。本発明の非常に好ましい実施態様において、供給原料が固体酸触媒と接触させられる温度および圧力は、供給原料が液体状態に維持されるように選択される。本発明をかく限定するものではないが、酸触媒と接触させる間、供給原料を液体状態に維持する時、コークスの形成が最小となると考えられる。さらに具体的には、供給原料が液体状態に維持される時、コークス前駆体が溶解され、触媒から除かれると考えられる。対照的に、供給原料を蒸気として固体酸性触媒と接触させる場合、コークス前駆体が触媒上に析出し、それらが結局触媒を失活させうるコークスへと転化されるまで、そこに残ると考えられる。
酸触媒の供給原料および本発明のアルキル化剤との接触は、いずれの慣用的な方法においても行うことができる。例えば、供給原料およびアルキル化剤は、バッチプロセスで酸触媒と接触させることができる。しかし、非常に好ましい実施態様においては、供給原料およびアルキル化剤は、垂直または水平反応ゾーンに置かれた固体酸性触媒の固定床を単に通されるだけである。望ましくは、固体酸性触媒は、物理的な形態、例えば、錠剤、ビーズまたはロッドの形で使用され、これが供給原料およびアルキル化剤と、実質的な量の背圧を生ずることなく、迅速かつ有効に接触することを許すであろう。本発明は、かく限定されるべきものではないが、触媒は、粒子の最大寸法が約0.1mm〜約2cmの範囲内の平均値を有する粒状の形態であるのが好ましい。例えば、平均寸法約0.1mm〜約2cmを有する実質的に球形ビーズの触媒を使用することができる。これとは別に、触媒は、約0.1mm〜約1cmの範囲内の径および約0.2mm〜約2cmの範囲内の長さを有するロッドの形で使用することができる。
本発明は、炭化水素供給原料の硫黄含有不純物を分別蒸留で分離することのできる高沸点留分へと濃縮するための方法を表す。濃縮の結果、硫黄は、さらに容易かつ低コストで処理され、この処理のためには、いずれの慣用的な方法をも使用することができる。例えば、生成する高硫黄含量物質は、硫黄含量がさほど忌み嫌われない重質燃料にブレンドすることができる。これとは別に、この高硫黄含量物質は、本来の供給原料の体積と比較してその体積が減少するので、比較的低コストで効率よく水素処理することができる。
本発明の非常に好ましい実施態様は、硫黄含有不純物を含有する炭化水素供給原料の流動接触クラッキングからの生成物で生ずる炭化水素生成物から硫黄含有不純物を除去するためのその使用を含む。重質鉱油留分の接触クラッキングは、粗製の油を火花点火内燃エンジンに使用される高オクタンガソリンのような望ましい燃料生成物へと転化するのに使用される主要な精製操作の1つである。流動接触クラッキングプロセスにおいては、高分子量の炭化水素液体または蒸気が高温の微細固体触媒粒子と、典型的には、流動床反応器または細長い昇り反応器(elongated riser reactor)内で、接触させられ、触媒−炭化水素混合物は、典型的には自動車用ガソリンおよび蒸留物燃料中に存在する種類の低分子量炭化水素類へと所望される度合いのクラッキングを行うために十分な時間、流動状態または分散された状態で高温に維持される。
流動接触クラッキングプロセス中の選択された炭化水素供給原料の転化は、転化時間を約10秒以内に限定する転化温度および流動速度で反応ゾーン内でクラッキング触媒と接触させることによって行われる。転化温度は、望ましくは、約430℃〜約700℃の範囲内であり、好ましくは、約450℃〜約650℃である。反応ゾーンよりの流出物は、炭化水素蒸気と、失活量の炭質物質またはコークスを含有するクラッキング触媒とを含み、ついで、分離ゾーンへと移される。炭化水素蒸気は、分離ゾーン内の消費クラッキング触媒から分離され、沸点に基づきこれら物質を分離するための分別器へと搬送される。これら炭化水素生成物は、典型的には、約430℃〜約650℃の範囲の温度で分別器に入り、分別するために必要とされる全熱量を供給する。
炭化水素類の接触クラッキングにおいて、若干の不揮発性炭質物質またはコークスが触媒粒子上に析出する。クラッキング触媒上にコークスが形成されるにつれ、クラッキングのための触媒の活性およびガソリンブレンド原料を製造するための触媒の選択性が失われる。しかし、触媒は、それよりコークスの大部分を除去することによってその本来の能力の大半の部分を回復することができる。これは、触媒からのコークス析出物を分子状の酸素含有再生ガス、例えば、空気と再生ゾーンまたは再生器内で燃焼させることによって行われる。
流動接触クラッキングプロセスの実施には、多種多様なプロセス条件を使用することができる。ガス油供給原料が使用される通常の場合には、処理比、または、合計供給対新たな供給の体積比は、約1.0〜約3.0で変化させることができる。転化レベルは、約40%〜約100%で変化させることができ、ここで、転化率は、より軽質の物質またはコークスの形成による大気圧および221℃より上で沸騰する炭化水素類のパーセンテージ減少として定義される。反応器内の触媒対油の重量比は、流動分散が約15〜約320kg/m3の範囲の密度を有するように、約2〜約20の範囲内で変化させることができる。流動速度は、約3.0〜約30m/秒の範囲内であってもよい。
本発明に従う流動接触クラッキングプロセスに使用される適当な炭化水素供給原料は、有機硫黄化合物の形で約0.2〜約6.0重量%の硫黄を含有することができる。適当な供給原料としては、硫黄含有石油留分、例えば、軽質ガス油、重質ガス油、ワイド−カットガス油、真空ガス油、ナフサ、デカンテーションされた油、残留留分およびこれらより誘導される循環油;および、合成油、石炭液化ならびにオイルシェルおよびタールサンドの処理より誘導される硫黄含有炭化水素留分が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら供給原料は、いずれも、単独または所望の組み合わせにおいて使用することができる。
本発明の好ましい実施態様は、硫黄含有供給原料の接触クラッキングよりの揮発性生成物を分別器に通し、そこで、それらを、沸点に基づき:(1)硫黄含有不純物を含有する約345℃以下で沸騰する液体と、(2)より高沸点を有する物質とをを含む少なくとも2つの留分に分離することを含む。ついで、処理液体は、留分(1)と酸性固体触媒とを50℃を上回る温度で留分(1)中の硫黄含有不純物の少なくとも一部をより高沸点を有する硫黄含有物質へと転化するのに有効な時間接触させることによって製造される。生成した処理液体は、ついで、分別器へと戻され、接触クラッキングプロセスよりの本来の揮発性生成物とともに分別される。このように、処理液体中のより高沸点の硫黄含有物質の少なくとも一部は、より高沸点の留分に除去され、硫黄含量の少ない生成物が生成する。この実施態様は、リサイクルプロセスとして考えることができ、分別器からのリサイクル流は、硫黄含有不純物をより高沸点の生成物へと転化し、ついで、それを分別器からのより高沸点の留分に除去することができる。非常に好ましい実施態様においては、留分(1)は、約230℃以下で沸騰する液体であり、留分(2)は、より高沸点を有する物質であろう。
先に記載したリサイクルプロセスの実施態様は、それが非常に少ない資本投下で行なうことができるので、有益である。さらに詳しくは、リサイクル流は、硫黄含有不純物をより高沸点の生成物へと転化するために、本発明の酸性固体触媒とリサイクル流とを接触させるのに使用される好ましい温度とほぼ等しい温度で分別器から取り出すことができる。したがって、リサイクル流を加熱するための炉、熱交換器またはその他の手段は、必要がない。また、別個の分別器も必要がない。本実施態様の実施において、リサイクル流は、好ましくは、分別器よりの上記留分(1)の約5体積%〜約90体積%であろう。
以下の実施例は、本発明を例示するためだけを意図したものであり、本発明について何ら制限を課すつもりのものではない。
実施例 I
高分子スルホン酸樹脂
マクロ網状高分子スルホン酸樹脂は、AmberlystR 35Wetの名称の下に市販されており、Rohm and Haas Companyより入手した。この材料は、0.4〜1.2mm範囲の粒子寸法を有する球形ビーズの形で提供され、以下の性質:(1)5.4ミリ当量に等しい酸部位の濃度;(2)含水率56%;(3)多孔度0.33cc/g;(4)平均孔径300Å;および、表面積44m2/gを有する。樹脂は、買ったまま使用し、本明細書では、触媒Aとして特定する。
実施例 II
キーゼルグア上の固体リン酸アルキル化触媒
キーゼルグア上の固体リン酸触媒は、SPA−2の名称の下に市販されており、UOPから入手した。この材料は、表示径4.75mmを有するシリンダー状の押出物の形で提供され、以下の性質:(1)負荷密度0.93g/cm3;(2)P2O3として計算した遊離リン酸含量16〜20重量%;および、(3)P2O3として計算した表示合計リン酸含量60重量%を有する。触媒は、使用前に、圧潰し、12−20メッシュ寸法(U.S.Sieve Series)とし、本明細書では、触媒Bとして特定する。
実施例 III
ZSM−5ゼオライトの製造
1.70kgの水酸化ナトリウム、26.8kgのテトラプロピルアンモニウムブロマイド、2.14kgのナトリウムアルミネートおよび43.5kgのシリカゾル(Ludox HS-40 manufactured by E.I.duPont de Nemours Co.Inc.)の18.0kg蒸留水溶液をオートクレーブ中で製造した。オートクレーブを密閉し、約149℃の温度、自動加圧およびミキサー速度約60rpmに約120時間維持した。スラリーを濾過し、洗浄し、生成した濾過ケーキをオーブン中121℃で16時間乾燥した。ついで、乾燥した濾過ケーキを538℃で4時間焼成した。焼成した材料は、還流下、約85℃の温度まで1時間加熱し、撹拌しつつ2時間冷却し、濾過し、1リットルの水で洗浄し、再交換することによって、3回、水中硝酸アンモニウムとイオン交換した。生成した固体は、4リットルの水で洗浄し、オーブン中121℃で4時間乾燥し、556℃で4時間焼成すると、ZSM−5ゼオライトを粉末として生成した。
アルミナマトリクッス中にZSM−5ゼオライトを含むアルキル化触媒の製造
上記したZSM−5ゼオライトの166g部分をCatapal SB alumina(Vistaによって製造されているα−Alumina monohydrate)125gと混合した。固体混合物を600gの蒸留水に加え、十分に混合し、オーブン中121℃で16時間乾燥した。ついで、固体を蒸留水で湿潤し、1.6mm径を有するシリンダー状の押出物として押出した。押出物を強制空気オーブン中121℃で16時間乾燥し、538℃で4時間焼成した。得られた材料を圧潰し、12−20メッシュ寸法(U.S.Sieves)とした。この材料は、アルミナマトリックス中にZSM−5ゼオライトを含み、本明細書で触媒Cとして特定する。
実施例 IV
β−ゼオライトの製造
0.15kgの水酸化ナトリウム、22.5kgのテトラエチルアンモニウム、0.90kgのナトリウムアルミネートおよび36.6kgのシリカゾル(E.I.duPont de Nemours Co.Inc.によって製造されているLudox HS-40)の22.5kg蒸留水溶液をオートクレーブ中で製造した。オートクレーブを密閉し、約149℃、自動加圧およびミキサー速度約60rpmに約96時間維持した。スラリーを濾過し、洗浄し、濾過ケーキをオーブン中121℃で16時間乾燥した。生成した固体は、還流下、約60℃の温度に3時間加熱し、撹拌しつつ2時間冷却し、デカンテーションし、再交換することによって、3回、水中硝酸アンモニウムとイオン交換した。オーブン中121℃で4時間乾燥すると、所望されるβ−ゼオライトが粉末として得られた。
アルミナマトリックス中にβ−ゼオライトを含むアルキル化触媒の製造
上記したβ−ゼオライト粉末の89.82g部分をCatapal SB alumina(Vistaによって製造されているα−Alumina monohydrate)40gと混合した。固体混合物を300gの蒸留水に加え、十分に混合し、強制空気オーブン中121℃で16時間乾燥した。ついで、固体を蒸留水で湿潤し、1.6mm径を有するシリンダー状の押出物として押出した。押出物を強制空気オーブン中121℃で16時間乾燥し、538℃で3時間焼成した。得られた材料を圧潰し、12−20メッシュ寸法(U.S.Sieves Series)とした。この材料は、βアルミナマトリックス中に−ゼオライトを含み、本明細書で触媒Dとして特定する。
実施例 V
シリカ−アルミナアルキル化触媒の製造
75.0g部分のテトラエチルオルトシリケートおよび500gのn−ヘキサンを、表面積338m2/gを有し、1.3mmの径を有するシリンダー状の押出物の形にした375gの低シリカアルミナ(Haldor-Topsoeによって製造されている。)と混合した。n−ヘキサンを室温で蒸発させた。生成した材料は、強制空気オーブン中100℃で16時間乾燥し、ついで、510℃で8時間焼成した。焼成した材料は、1000mlの水に150gの硝酸アンモニウムを含有する溶液に含浸し、3日間放置し、強制空気オーブン中100℃で16時間乾燥し、538℃で5時間焼成した。得られた材料は、シリカ−アルミナを含み、本明細書では、触媒Eとして特定する。
実施例 VI
アルミナマトリックス中にY−ゼオライトを含むアルキル化触媒の製造
100.12g部分のLZY−82ゼオライト粉末(LZY−82は、Union Carbideによって製造されている超安定なYゼオライトである。)を553.71gのPHFアルミナゾル(Criterion Catalyst Companyによって製造されている。)に分散させ、分散液を強制空気オーブン中121℃で16時間乾燥した。生成した材料は、蒸留水で湿潤し、ついで、1.6mm径を有するシリンダー状の押出物として押出した。押出物を強制空気オーブン中121℃で16時間乾燥し、ついで、538℃で3時間焼成した。得られた材料を圧潰し、12−20メッシュ寸法(U.S.Sieves Series)とした。この材料は、アルミナマトリックス中にLZY−82ゼオライトを含み、本明細書で触媒Fとして特定する。
実施例 VII
沸点の関数として試料の硫黄含量について以下に記載するデータは、フレームイオン化検出器、広い口径の溶融シリカキャピラリーカラム、ダイレクトインジェクターおよび硫黄化学発光検出器を備えたガスクロマトグラフィーを使用して得られた。分析法は、保持時間対クロマトグラフィーシステムの沸点検量線に基づく。
種々の酸性固体触媒の炭化水素供給原料中の硫黄含有不純物をより高沸点の硫黄含有生成物へ転化する能力を以下の供給原料を使用して評価した:
安定化された重質ナフサ
この材料は、−21℃〜約249℃の範囲にわたって沸騰し、(1)硫黄含有不純物を含有するガス油供給原料からの流動接触クラッキングによって製造されるナフサからC4炭化水素類の一部ストリッピング;および、(2)メルカプタンを除くための苛性アルカリでの処理により得られた。マルチカラムガスクロマトグラフィー技術を使用する安定化された重質ナフサの分析は、それが、重量基準で:4%のパラフィン類、18%のイソパラフィン類、15%のオレフィン類、15%のナフテン類、45%の芳香族類および3%の同定されていないC13+高沸点物質を含有することを示した。X線蛍光分光法によって測定した安定化された重量ナフサの合計硫黄含量は、730ppmであった。この硫黄含量は、沸点の関数として、表Iに記載する。
主要な硫黄含有不純物は、分離したピークの特定によりクロマトグラフィーにより同定し、これら結果は、表IIに記載する。
以下の方法を使用し、安定化された重質ナフサ供給原料での実験を行った。7g部分の選択した触媒を、ステンレススチールにより構成され、垂直方向に保持された9.5mm内径のチューブ状の反応器内に充填した。石英ウール製のプラグでその位置を保持したシリコンカーバイドの床の間の反応器内に触媒床を置いた。運転温度は、93°〜204℃で変化させ、反応器内部の圧力は、75〜85気圧に維持した。反応器の頂部で供給原料を導入し、空間速度1−2LHSVで触媒床を下方向へと通過させた。供給原料を反応器に注入するためには、シリンジポンプを使用した。実験装置は、触媒床が液体で確実に完全に満たされるように、反応器からの下降流であり、触媒床に対して頂部よりもより高い位置に位置決めされた背圧制御器を含んでいた。
合成供給原料
流動接触クラッキングプロセスによって製造される典型的な重質ナフサに見られる有機化合物の主要な群の代わりを務めるために選択されたモデル化合物をブレンドすることによって、1つは低オレフィン含量であり、他方は、高オレフィン含量である、2つの合成供給原料を製造した。高オレフィン含量合成供給原料のこれら主要な群の量比は、流動接触クラッキングプロセスよりの重質ナフサで予想されるものの典型例である。合成供給原料は、低オレフィン含量合成供給原料が極少量のオレフィンを含有する以外は組成が非常に類似している。これら合成供給原料の組成を表IIIに記載する。
以下の方法を使用し、合成供給原料での実験を行った。10cm3体積の選択された触媒を、ステンレススチールで構成され、垂直方向に保持された1.43cm内径のチューブ状反応器内に充填した。石英ウール製のプラグでその位置を保持されたα−アルミナ床の間の反応器内に触媒床を置いた。使用前、反応器内、流速200cm3/分の窒素流中399℃の温度で、1時間、触媒C、D、EおよびFを活性化した。運転温度は、93°〜204℃で変化させ、反応器内部の圧力は、17気圧または54気圧に維持した。反応器の底部で供給原料を導入し、触媒床を上方向に通した。
実験例 VIII
安定化させた重質ナフサ供給原料を混合C3/C4流(重量基準で、55%のプロパン、27%のプロペン、9.5%の2−ブテン、6%の1−ブテンおよび2.5%のメチルプロペンを含有する)と、C3/C4流対ナフサの1.0体積比でブレンドした。得られたブレンドを、上記したように、触媒B(キーゼルグア上の固体リン酸触媒)と、85気圧の圧力、空間速度2LHSV、および、93℃、149℃および204℃の温度で接触させた。供給原料および93℃、149℃および204℃の温度で得られた生成物の沸点の関数としての硫黄含量の分布を図1に記載する(沸点をより高沸点の留分中に存在する合計硫黄含量のパーセンテージの関数としてプロットする。)。これら結果は、149℃または204℃の反応温度で、供給原料中の硫黄含有不純物がより高沸点の硫黄含有生成物へと転化され、沸点におけるこの上昇は、ナフサの全沸騰範囲にわたり約25℃であることを示す。対照的に、93℃の反応温度では、硫黄含有不純物のより高沸点生成物への転化は比較的少ない。
実験例 IX
安定化された重質ナフサを触媒B(キーゼルグア上の固体リン酸触媒)と、75気圧の圧力、204℃の温度および空間速度1LHSVで接触させた。供給原料および生成物の沸点の関数としての硫黄含量の分布を図2に記載する(沸点をより高沸点の留分中に存在する合計硫黄含量のパーセンテージの関数としてプロットする。)。これら結果は、接触クラッキングプロセスからのこの重質ナフサ供給原料のオレフィン含量が硫黄含有不純物のより高沸点の硫黄含有生成物への転化を許すに十分な程高いことを示す。供給原料を実験例VIIIに記載したプロペンおよびブテン類の混合物とブレンドする時得られる生成物の約20%のみとは対照的に、生成物中の硫黄の30%が288℃より上の温度で沸騰することも注意を引く。供給原料中に存在するより高分子量のオレフィンは、実験例VIIIにおけるように、大量のC3およびC4オレフィンを供給原料中に加える時得られる生成物よりも沸点の高い硫黄含有生成物を生成すると考えられる。
実験例 X
表IIIに記載された組成を有する低オレフィン含量合成供給原料を、上記したように、触媒B(キーゼルグア上の固体リン酸触媒)と、54気圧の圧力、204℃の温度および空間速度2LHSVで接触させた。低オレフィン含量供給原料の沸点の関数としての硫黄含量の分布を図3aに記載する(沸点をより高沸点の留分中に存在する合計硫黄含量のパーセンテージの関数としてプロットする。)。図3bは、この供給原料からの生成物の沸点の関数としての硫黄分布を記載する。図3aおよび図3bを比較すると、合成供給原料の硫黄含有成分のより高沸点の硫黄含有生成物への転化が非常に少ないことが示されている。
実験例 XI
表IIIに記載された組成を有する高オレフィン含量合成供給原料を、上記したように、触媒B(キーゼルグア上の固体リン酸触媒)と、54気圧の圧力、204℃の温度および空間速度2LHSVで接触させた。高オレフィン含量供給原料の沸点の関数としての硫黄含量の分布を図4aに記載する(沸点をより高沸点の留分中に存在する合計硫黄含量のパーセンテージの関数としてプロットする。)。図4bは、この供給原料からの生成物の沸点の関数としての硫黄分布を記載する。図4aおよび図4bを比較すると、合成供給原料の硫黄含有成分のより高沸点の硫黄含有生成物への実質的な転化が示されている。オレフィン含量以外は、この実験の高オレフィン含量合成供給原料は、上記実験例Xの低オレフィン含量合成供給原料の組成と非常に類似した組成を有する。本実験例の結果を実験例Xの結果と比較すると、オレフィン類が存在しないと、硫黄含有供給原料成分の転化が非常に少ないことが示されているであろう。
実験例 XII
触媒A、B、C,D、EおよびFは、上記詳細に記載し、それらの性質を表IVにまとめて示すが、各々、上記のように、17気圧、204℃の温度および空間速度2LHSVで、以下の2つの原料:(1)表IIIに記載した組成を有する高オレフィン含量合成供給原料;および、(2)プロペンと、プロペン対合成供給原料の0.25体積比でブレンドした後の同一の高オレフィン含量合成供給原料で試験した。
このような各試験において、チオフェン類(チオフェンおよび2−メチルチオフェン)のその他の物質への転化率は、チオフェンおよびメチルチオフェン含量について得られた生成物の分析から決定した。これら試験の結果は、図5に記載する。これら結果は、添加するプロペンの存在なしでのチオフェンおよび2−メチルチオフェンの転化率が約6Åより大の穴寸法を有する大部分の酸性触媒(触媒B、DおよびF)よりも高いことを示唆する。本発明はかく限定されるべきものではないが、これら結果は、アルキル化生成物の寸法が約6Åより小さな孔寸法を有する触媒(触媒C)の孔において形成されるには大きすぎ、中程度の酸性触媒(触媒AおよびE)の酸度が高オレフィン合成供給原料のC6およびC7オレフィンを十分に活性化するためには不十分であることを示唆する。しかし、合成供給原料にプロペンを加える時、チオフェンおよび2−メチルチオフェンの触媒C(<6Å孔寸法)および中程度の酸性触媒E上での転化率は、ほぼ2倍となる。
実験例 XIII
表IIIに記載した組成を有する高オレフィン含量合成供給原料をプロペンと、プロペン対合成供給原料の0.13体積比でブレンドし、得られたブレンドを触媒B(キーゼルグア上の固体リン酸触媒)と、54気圧の圧力、149℃の温度および空間速度2LHSVで接触させた。ついで、204℃の温度でこの実験を繰り返した。各実験において、チオフェン類(チオフェンおよび2−メチルチオフェン)、ベンゼンおよびトルエンのその他生成物への転化率は、得られた生成物の分析から決定した。149℃で、チオフェン類(チオフェンおよび2−メチルチオフェン)、ベンゼンおよびトルエンの転化率は、それぞれ、54%、15%および7%であった。204℃では、チオフェン類(チオフェンおよび2−メチルチオフェン)、ベンゼンおよびトルエンの転化率は、それぞれ、73%、36%および26%であった。したがって、これら条件下では、芳香族硫黄化合物(チオフェンおよび2−メチルチオフェン)が好ましいように芳香族炭化水素類(ベンゼンおよびトルエン)へと転化される。
実験例 XIV
一連の試験において、混合C3/C4流(重量基準で、55%のプロパン、27%のプロペン、9.5%の2−ブテン、6%の1−ブテン、2.5%の2−メチルプロペンおよび1500ppmの2−プロパノールを含有する)の量を変えながら、安定化された重質ナフサをブレンドし、種々のブレンドを触媒B(キーゼルグア上の固体リン酸触媒)と、82気圧の圧力、204℃の温度および空間速度1LHSVで接触させた。混合C3/C4流対これら試験に使用したナフサの体積比を表Vに記載する。各試験の生成物を、(1)硫黄含有不純物のようにより高沸点の硫黄含有物質への転化率;および、(2)そのベンゼンおよびクメンの含量について分析した。これら分析結果もまた表Vに示す。生成物中のクメン対ベンゼンの比は、ナフサ供給原料中の芳香族炭化水素類が各試験条件下でアルキル化された度合いの指標である(クメンは、ナフサ供給原料中のベンゼンのアルキル化によって混合C3/C4流からのプロペンで形成される。)。
比較のため、供給原料は、クメン対ベンゼンの0.01重量比を有し、その硫黄含量の5重量%は、260℃より上の沸点を有した。結果は、供給原料中にも存在する芳香族炭化水素類の著しいアルキル化を生ずることなく、硫黄含有不純物をより高沸点の硫黄含有物質へと選択的に転化することができることを示唆する。
Claims (12)
- 硫黄含量の少ない生成物を製造するための方法であって、
(a)硫黄含有不純物を含有する炭化水素供給原料を接触クラッキングすることによって接触クラッキング生成物を生成させ;
(b)接触クラッキング生成物を蒸留ユニットに通し、(1)硫黄含有不純物を含有する345℃以下で沸騰する液体と、(2)より高沸点の物質とを含む少なくとも2つの留分に前記接触クラッキング生成物を分別し;
(c)蒸留ユニットからの前記留分(1)の一部を、酸性固体触媒と、前記留分(1)中の硫黄含有不純物の少なくとも一部をより高沸点の硫黄含有物質に転化するのに有効な時間、100℃を上回る温度で接触させることによって処理液体を生成させ;
(d)その処理液体を前記蒸留ユニットに戻し、接触クラッキング生成物と同時にその処理液体を分別し、それによって、処理液体中のより高沸点の硫黄含有物質の少なくとも一部を除去し、硫黄含量の少ない生成物を生成させる;
ことを含む方法。 - 前記蒸留ユニットからの前記留分(1)の5体積%〜90体積%が、前記接触工程(c)で、酸性固体触媒と接触させられる、請求項1に記載の方法。
- 蒸留ユニットからの前記留分(1)が230℃以下で沸騰する液体である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記接触クラッキング生成物がナフサである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記触媒が固体リン酸触媒である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記接触クラッキング生成物が50重量%未満の芳香族炭化水素類を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記接触クラッキング生成物が25重量%未満の芳香族炭化水素類を含有する、請求項6に記載の方法。
- 前記接触工程(c)が125℃を上回る温度で行われる、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 前記接触工程(c)が125℃〜250℃の範囲の温度で行われる、請求項8に記載の方法。
- 前記接触クラッキング生成物が少なくとも1重量%のオレフィンを含有する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記オレフィンが3〜20の炭素原子を有する、請求項10または11に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/783,221 | 1997-01-14 | ||
US08/783,221 US6048451A (en) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | Sulfur removal process |
PCT/US1998/000762 WO1998030655A1 (en) | 1997-01-14 | 1998-01-09 | Sulfur removal process |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000507303A JP2000507303A (ja) | 2000-06-13 |
JP4113590B2 true JP4113590B2 (ja) | 2008-07-09 |
Family
ID=25128549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP53127298A Expired - Fee Related JP4113590B2 (ja) | 1997-01-14 | 1998-01-09 | 硫黄除去法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6048451A (ja) |
EP (1) | EP0902822B1 (ja) |
JP (1) | JP4113590B2 (ja) |
AU (1) | AU6026098A (ja) |
DE (1) | DE69816208T2 (ja) |
ES (1) | ES2203924T3 (ja) |
WO (1) | WO1998030655A1 (ja) |
Families Citing this family (33)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5863419A (en) * | 1997-01-14 | 1999-01-26 | Amoco Corporation | Sulfur removal by catalytic distillation |
JP3794664B2 (ja) * | 1998-07-29 | 2006-07-05 | 信越化学工業株式会社 | 合成石英ガラス部材及びその製造方法、並びにエキシマレーザ用光学部品 |
US6059962A (en) * | 1998-09-09 | 2000-05-09 | Bp Amoco Corporation | Multiple stage sulfur removal process |
US6024865A (en) * | 1998-09-09 | 2000-02-15 | Bp Amoco Corporation | Sulfur removal process |
US6599417B2 (en) * | 2000-01-21 | 2003-07-29 | Bp Corporation North America Inc. | Sulfur removal process |
US6602405B2 (en) * | 2000-01-21 | 2003-08-05 | Bp Corporation North America Inc. | Sulfur removal process |
FR2810671B1 (fr) * | 2000-06-22 | 2003-10-24 | Inst Francais Du Petrole | Procede de desulfuration d'un effluent de craquage |
FR2812654B1 (fr) * | 2000-08-02 | 2003-11-07 | Inst Francais Du Petrole | Procede de desulfuration d'un effluent de craquage, ou steemcraquage ou coking |
FR2810333B1 (fr) * | 2000-06-15 | 2006-10-13 | Inst Francais Du Petrole | Procede de desulfuration d'un effluent de craquage |
WO2001096498A1 (fr) * | 2000-06-13 | 2001-12-20 | Institut Francais Du Petrole | Procede de desulfuration d'un effluent de craquage ou vapocraquage |
FR2810044B1 (fr) * | 2000-06-13 | 2007-08-03 | Inst Francais Du Petrole | Procede de desulfuration d'un effluent de craquage, ou steemcraquage ou coking |
FR2810334B1 (fr) * | 2000-06-19 | 2006-10-13 | Inst Francais Du Petrole | Procede de desulfuration d'un effluent de craquage |
WO2002050217A1 (en) * | 2000-12-21 | 2002-06-27 | Bp Oil International Limited | Dual use hydrocarbon fuel composition |
US20020084223A1 (en) * | 2000-12-28 | 2002-07-04 | Feimer Joseph L. | Removal of sulfur from naphtha streams using high silica zeolites |
US6579444B2 (en) | 2000-12-28 | 2003-06-17 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Removal of sulfur compounds from hydrocarbon feedstreams using cobalt containing adsorbents in the substantial absence of hydrogen |
US6878654B2 (en) * | 2001-07-11 | 2005-04-12 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Reactivation of aromatics alkylation catalysts |
GB0121871D0 (en) * | 2001-09-11 | 2001-10-31 | Bp Plc | Hydrogen production |
WO2003035808A2 (en) | 2001-10-25 | 2003-05-01 | Bp Corporation North America Inc. | Components for blending of transportation fuels |
US7591944B2 (en) * | 2002-01-23 | 2009-09-22 | Johnson Matthey Plc | Sulphided ion exchange resins |
JP2005523370A (ja) * | 2002-04-17 | 2005-08-04 | ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド | 精製方法 |
US7122114B2 (en) * | 2003-07-14 | 2006-10-17 | Christopher Dean | Desulfurization of a naphtha gasoline stream derived from a fluid catalytic cracking unit |
DE102005014271A1 (de) * | 2005-03-24 | 2006-09-28 | Rhein Chemie Rheinau Gmbh | Mikrogele in Kombination mit funktionalen Additiven |
FR2884521B1 (fr) * | 2005-04-19 | 2009-08-21 | Inst Francais Du Petrole | Nouveau procede de desulfuration des essences par alourdissement des composes soufres |
US20080152552A1 (en) * | 2006-12-21 | 2008-06-26 | Hedrick Brian W | System and method of recycling spent catalyst in a fluid catalytic cracking unit |
FR2913692B1 (fr) * | 2007-03-14 | 2010-10-15 | Inst Francais Du Petrole | Procede de desulfuration de fractions hydrocarbonees issues d'effluents de vapocraquage |
US7935245B2 (en) * | 2007-12-21 | 2011-05-03 | Uop Llc | System and method of increasing synthesis gas yield in a fluid catalytic cracking unit |
US7932204B2 (en) * | 2007-12-21 | 2011-04-26 | Uop Llc | Method of regenerating catalyst in a fluidized catalytic cracking unit |
US7767075B2 (en) * | 2007-12-21 | 2010-08-03 | Uop Llc | System and method of producing heat in a fluid catalytic cracking unit |
US7811446B2 (en) * | 2007-12-21 | 2010-10-12 | Uop Llc | Method of recovering energy from a fluid catalytic cracking unit for overall carbon dioxide reduction |
US7699975B2 (en) * | 2007-12-21 | 2010-04-20 | Uop Llc | Method and system of heating a fluid catalytic cracking unit for overall CO2 reduction |
US7699974B2 (en) * | 2007-12-21 | 2010-04-20 | Uop Llc | Method and system of heating a fluid catalytic cracking unit having a regenerator and a reactor |
US9150467B2 (en) | 2013-07-23 | 2015-10-06 | Uop Llc | Processes and apparatuses for preparing aromatic compounds |
US10392319B2 (en) | 2013-12-20 | 2019-08-27 | Dow Global Technologies Llc | Propane dehydrogenation sulfur management |
Family Cites Families (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2448211A (en) * | 1944-02-10 | 1948-08-31 | Socony Vacuum Oil Co Inc | Alkylation of thiophene |
US2429575A (en) * | 1944-09-16 | 1947-10-21 | Shell Dev | Synthesis of branched chain hydrocarbons |
US2469823A (en) * | 1944-11-29 | 1949-05-10 | Socony Vacuum Oil Co Inc | Alkylation of thiophene |
US2529298A (en) * | 1946-02-01 | 1950-11-07 | Texas Co | Sulfuric acid alkylation of thiophene compounds |
US2482084A (en) * | 1946-02-23 | 1949-09-20 | Socony Vacuum Oil Co Inc | Alkylating thiophene with sulfuric acid catalyst |
US2531280A (en) * | 1946-03-21 | 1950-11-21 | Texas Co | Alkylation of thiophene compounds |
US2527794A (en) * | 1946-06-01 | 1950-10-31 | Socony Vacuum Oil Co Inc | Fluoroboric alkylation of thiophene |
US2563087A (en) * | 1946-06-28 | 1951-08-07 | Universal Oil Prod Co | Separation of thiophene by selective alkylation |
US2570542A (en) * | 1947-03-12 | 1951-10-09 | Universal Oil Prod Co | Phosphoric acid catalyzed thiophene alkylation and gravity separation of resultant products |
US2677648A (en) * | 1951-11-17 | 1954-05-04 | Standard Oil Co | Desulfurization of light oils with hydrogen fluoride-activated alumina |
US2921081A (en) * | 1956-03-15 | 1960-01-12 | Standard Oil Co | Catalysis |
US2943094A (en) * | 1957-04-05 | 1960-06-28 | British Petroleum Co | Catalytic conversion process |
NL125714C (ja) * | 1958-10-13 | 1900-01-01 | ||
US4171260A (en) * | 1978-08-28 | 1979-10-16 | Mobil Oil Corporation | Process for reducing thiophenic sulfur in heavy oil |
US4307254A (en) * | 1979-02-21 | 1981-12-22 | Chemical Research & Licensing Company | Catalytic distillation process |
US4775462A (en) * | 1987-06-22 | 1988-10-04 | Uop Inc. | Non-oxidative method of sweetening a sour hydrocarbon fraction |
DE3872392T2 (de) * | 1988-09-20 | 1993-02-04 | Uop Inc | Katalytische nichtoxidatives verfahren fuer das suessen von kohlenwasserstofffraktionen. |
US5120890A (en) * | 1990-12-31 | 1992-06-09 | Uop | Process for reducing benzene content in gasoline |
US5171916A (en) * | 1991-06-14 | 1992-12-15 | Mobil Oil Corp. | Light cycle oil conversion |
US5336820A (en) * | 1993-08-11 | 1994-08-09 | Mobil Oil Corporation | Process for the alkylation of benzene-rich gasoline |
US5599441A (en) * | 1995-05-31 | 1997-02-04 | Mobil Oil Corporation | Alkylation process for desulfurization of gasoline |
US5837131A (en) * | 1996-04-05 | 1998-11-17 | University Technologies International Inc. | Desulfurization process |
-
1997
- 1997-01-14 US US08/783,221 patent/US6048451A/en not_active Expired - Lifetime
-
1998
- 1998-01-09 JP JP53127298A patent/JP4113590B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1998-01-09 DE DE69816208T patent/DE69816208T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1998-01-09 WO PCT/US1998/000762 patent/WO1998030655A1/en active IP Right Grant
- 1998-01-09 EP EP98903505A patent/EP0902822B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1998-01-09 ES ES98903505T patent/ES2203924T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1998-01-09 AU AU60260/98A patent/AU6026098A/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0902822B1 (en) | 2003-07-09 |
AU6026098A (en) | 1998-08-03 |
JP2000507303A (ja) | 2000-06-13 |
ES2203924T3 (es) | 2004-04-16 |
DE69816208T2 (de) | 2004-06-03 |
DE69816208D1 (de) | 2003-08-14 |
EP0902822A1 (en) | 1999-03-24 |
WO1998030655A1 (en) | 1998-07-16 |
US6048451A (en) | 2000-04-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4113590B2 (ja) | 硫黄除去法 | |
EP0938529B1 (en) | Sulfur removal by catalytic distillation | |
EP1029024B1 (en) | Multiple stage sulfur removal process | |
EP1029025B1 (en) | Sulfur removal process | |
EP1412457B1 (en) | Multiple stage process for removal of sulfur from components for blending of transportation fuels | |
AU2002310232A1 (en) | Multiple stage process for removal of sulfur from components for blending of transportation fuels | |
US6599417B2 (en) | Sulfur removal process | |
US6602405B2 (en) | Sulfur removal process | |
CA2581692C (en) | Sulfur removal process | |
CA2248159C (en) | Sulfur removal process |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070206 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20070208 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20070326 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070806 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080401 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080414 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140418 Year of fee payment: 6 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |