JP2001508829A - 触媒蒸留による硫黄の除去 - Google Patents

触媒蒸留による硫黄の除去

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Abstract

(57)【要約】 炭化水素の混合物から成り、且つ望ましくない不純物として有機硫黄化合物を含む供給原料から、低減硫黄含量の生成物を製造する。本発明方法は、酸性触媒の存在下においてアルキル化剤で処理することによって、より高い沸点を有する硫黄含有生成物へと硫黄含有不純物の少なくとも一部分を転化させる工程、及び分別蒸留によって、これらの高沸点生成物の少なくとも一部分を除去する工程を含む。該方法は、酸触媒反応と分別蒸留とが同時に行われる蒸留塔反応器で行うことができる。適当なアルキル化剤としては、アルコール及びオレフィンが挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】 触媒蒸留による硫黄の除去 発明の分野 本発明は、炭水化物の混合物から成っていて、望ましくない不純物として有機 硫黄化合物を含む液体供給原料から、硫黄含量を減少させた生成物を製造する方 法に関するものである。更に詳しくは前記方法は、供給原料中に存在する有機硫 黄化合物の少なくとも一部分を高沸点生成物へと触媒改質し、分別蒸留によって これらの高沸点生成物を除去する工程を含む。前記方法は、触媒改質と分別蒸留 とが同時に行われる蒸留塔反応器において行うことができる。 発明の背景 接触分解法は、石油を、例えばガソリン及びディーゼル燃料のような望ましい 燃料へと改質するときに現在用いられている主要な精製作業の一つである。流動 接触分解法は、このタイプの方法の一例であり、該方法では、流動状態又は分散 状態において高温微粉砕固体触媒粒子と接触させることによって、高分子量炭化 水素供給原料を、より低分子量の生成物へと転化させる。典型的には、適当な炭 化水素供給原料は、約205℃〜約650℃の温度で沸騰し、通常は約450℃ 〜約650℃の温度で触媒と接触させる。適当な供給原料としては、種々の鉱油 留分、例えば軽油、重油、ワイドカット軽油(wide-cut gas oils)、真空軽油 (vacuum gas oils)、ケロセン、灯油、デカンテッドオイル(decanted oils) 、残留留分、常圧蒸留残油、及びこれらのいずれかから誘導されるサイクルオイ ル(cycle oils)、ならびにシェールオイル、タールサンド加工及び石炭液化か ら誘導される留分が挙げられる。該方法から得られる生成物は、典型的には沸点 に基づくものであり、軽質ナフサ(約10℃〜約221℃で沸騰)、ケロセン( 約180℃〜約300℃で沸騰)、軽質サイクルオイル(約221℃〜約345 ℃で沸騰)、重質サイクルオイル(約345℃を超える温度で沸騰)が挙げられ る。 接触分解法は、米国におけるガソリン供給源の重要な一部であるだけでなく、 この供給源では大きな割合で硫黄が認められる。この方法から得られる液体生成 物中に存在する硫黄は、有機硫黄化合物の形態であり、前記生成物が燃料として 用いられるときに、該硫黄は硫黄酸化物へと転化されるので望ましくない不純物 である。また、これらの硫黄酸化物は好ましくない大気汚染物質である。更に、 自動車で用いて、エンジン排気中にある有毒排気ガスを、より毒性の低いガスへ と転化させる触媒コンバータ用に開発された触媒の多くを失活させ得る。而して 、接触分解生成物の硫黄含量を可能な最低のレベルまで低下させることは望まし い。 通常は、原油を単純に蒸留することによって調製される直留ガソリンの硫黄含 有不純物は、分解ガソリン中に存在する硫黄含有不純物とは極めて異なる。前者 は、たいていメルカプタン及びスルフィドを含み、後者はチオフェン誘導体に富 んでいる。 従来、低硫黄生成物は、プロセスへの供給原料又はプロセスからの生成物を水 素処理することによる接触分解法から得られる。水素処理法は、触媒の存在下で 元素水素による処理を含み、且つ該方法によって、硫黄含有有機不純物中に存在 する硫黄は硫化水素へと転化される。該硫化水素は、分離して、元素硫黄へと転 化させることができる。不都合なことに、このタイプの加工は、典型的には、非 常に高価である。その理由は、該方法が、水素源、高圧プロセス装置、高価な水 素処理触媒、及び得られた硫化水素を元素硫黄へと転化させるための硫黄回収プ ラントを必要とするからである。更に、水素処理法では、水素化によってオレフ ィンが飽和炭化水素へと転化され、それにより、好ましくないことに供給原料中 に存在するオレフィンが分解しでしまうことがある。水素化によるこのオレフィ ンの分解は望ましくない。なぜならば、高価な水素が消費され、またガソリンの 高オクタン成分としてオレフィンは価値があるからである。例として、接触分解 法から得られるガソリン沸点範囲のナフタは、オクタン含量が多いので、比較的 高いオクタン価を有する。前記材料を水素処理すると、望ましい脱硫に加えてオ レフィン分が減少し、オクタン価は脱硫が増加するにつれて減少する。 精製工業の初期の頃には、硫酸処理は、硫黄及び沈降アスファルト材料を除去 するために用いられた、また安定性を向上させるために用いられた重要な方法で あった。petroleum Processing Handbook,W.F.Bland and R.L.Davidson, ED.,McGraw-Hill Book Company,1967,p.3-119においては、この方法では、 強酸と共に低い温度(−4℃〜10℃)が用いられるが、材料を再蒸留しなけれ ばならない場合には、より高い温度(21℃〜54℃)が実用的であるかもしれ ないと報告されている。1938年11月10日発行のOil and Gas Journal,P .45,には、ナフサの硫酸処理が、有機硫黄含有不純物、例えばイソアミルメルカ プトン、ジメチルスルフェート、メチル−p−トルエンスルホネート、二硫化炭 素、n−ブチルスルフィド、n−プロピルジスルフィド、チオフェン、ジフェニ ルスルホキシド、及びn−ブチルスルホンを除去するのに有効であることが開示 されている。ガソリンの硫酸処理に包含される化学は、petroleum Refiner,vol .29,No.11(1950年11月)p.142-150でG.E.Mapstoneによって広範に考察 されている。Mapstoneは、その145ページで、硫酸の存在下でオレフィンによ ってチオフェンをアルキル化することができることを報告している。更に、Maps toneは、この同じ反応は、硫黄分減少の大部分が酸処理ガソリンの再蒸留時に起 こる(再蒸留残液は硫黄を数%含む)という点において、硫酸処理によって分解 シェールガソリンを脱硫するのに有意な効果を有すると考えられるとも述べてい る。 米国特許第2,448,211号(Caesarら)では、例えば活性化された天然 クレー、又はシリカと少なくとも1種類の両性金属酸化物との合成吸着複合材料 のような触媒の存在下、約140℃〜約400℃の温度で、オレフィン系炭化水 素と反応させることによって、チオフェン及びその誘導体をアルキル化できるこ とが開示されている。適当な活性天然クレー触媒としては、その上に塩化亜鉛又 は燐酸を沈殿させたクレー触媒が挙げられる。適当なシリカ・両性金属酸化物触 媒としては、シリカと、例えばアルミナ、ジルコニア、セリア及びトリアのよう な材料との組合わせが挙げられる。米国特許第2,469,823号(Hansford ら)は、例えばオレフィン系炭化水素、ハロゲン化アルキル、アルコール、及び メルカプトンのようなアルキル化剤と共に、三弗化硼素を用いて、チオフェン及 びアルキルチオフェンのアルキル化を触媒できることを教えている。更に、米国 特許第2,921,081号(Zimmerschiedら)では、二酸化ジルコニウム、及 びジルコニウムのハロゲン化物から成る群より選択されるジルコ ニウム化合物を、オルト燐酸、ピロ燐酸及び三燐酸から成る群より選択される酸 と組合わせることによって、酸性固体触媒を調製できることが開示されており、 更に、前記触媒の存在下、227℃の温度で、プロピレンを用いてチオフェンを アルキル化できることも開示されている。 米国特許第2,563,087号(vesely)では、チオフェンの選択的アルキ ル化及び生成したチオフェンアルキレートの蒸留による除去によって、チオフェ ンと芳香族炭化水素との混合物からチオフェンを除去できることが開示されてい る。選択的アルキル化は、チオフェンで汚染された芳香族炭化水素をアルキル化 剤と混合し、その混合物を、約−20℃〜約85℃の範囲で注意深く調節した温 度において、アルキル化触媒と接触させることによって行われる。適当なアルキ ル化剤としては、オレフィン、メルカプトン、鉱酸エステル、及び例えば脂肪族 アルコール、エーテル、及びカルボン酸のエステルのようなアルコキシ化合物が 挙げられることが開示されている。また、適当なアルキル化触媒としては、以下 のものが挙げられる:すなわち、(1)フリーデル・クラフツ金属ハロゲン化物 、該ハロゲン化物は好ましくは無水形態で用いられる;(2)燐酸、好ましくは ピロ燐酸、又は前記物質と硫酸との混合物、該混合物において硫酸対燐酸の体積 比は約4:1未満である;(3)例えばオルト燐酸又はピロ燐酸のような燐酸と 、例えば多孔質珪藻土又は珪酸質粘土のような珪酸質吸着剤との混合物、該混合 物を約400℃〜約500℃までか焼して、固体燐酸触媒と通常呼ばれるシリコ ・燐酸の組合わせを作った。 米国特許第2,943,094号(Birchら)は、主として芳香族炭化水素か ら成る留出物からアルキルチオフェンを除去する方法に関するものであり、該方 法は、分別蒸留によって除去される異なる沸点を有する硫黄含有生成物へとアル キルチオフェンを転化させる工程を含む。転化は、500〜650℃の温度で混 合物を触媒と接触させることによって行われる。触媒は、アルミナに弗化水素酸 水溶液を含浸させることによって調製される。該特許では、触媒は:(1)脱ア ルキル化によってアルキルチオフェンをより低級なアルキルチオフェン及び/又 は未置換チオフェンへと転化させるように;(2)アルキルチオフェンを同時に 脱アルキル化及びアルキル化させるように;及び(3)アルキルチオフェンを 芳香族炭化水素へと転化させるように作用することが開示されている。 米国特許第2,677,648号(Lienら)は、弗化水素でナフサを処理して ラフィネートを得て、そのラフィネートから弗素を除去し、次に脱弗素ラフィネ ートをHFで活性化させたアルミナと接触させる工程を含む高硫黄オレフィン系 ナフサを脱硫する方法に関するものである。弗化水素による処理は、高硫黄含量 抽出物として供給原料の約10〜15%が除去される条件下で、−51℃〜−1 ℃の温度で行われ、供給原料の約30〜40%が、軽油沸点範囲の材料へと、重 合及びアルキル化によって同時に転化される。ラフィネートからHFを除去した ら、316℃〜482℃の温度で、ラフィネートをHF活性化アルミナと接触さ せて、軽油沸点範囲の成分を解重合及び脱アルキル化し、更に脱硫する。 米国特許第4,775,462号(Imaiら)は、炭化水素留分中のメルカプト ン不純物を、生成物中に残留することが許されるより害の少ないチオフェンへと 転化させる方法に関するものである。この方法は、メルカプトン不純物をチオエ ーテルへと転化させる条件下、酸性タイプ触媒の存在下で、炭化水素留分を不飽 和炭化水素と接触させる工程を含む。該特許は、適当な酸性タイプ触媒として: (1)酸性ポリマー樹脂、例えばスルホン酸基を含む樹脂;(2)酸性層間化合 物、例えばグラファイト中ハロゲン化アンチモン、グラファイト中ハロゲン化ア ルミニウム、及びグラファイト中ハロゲン化ジルコニウム;(3)シリカ、アル ミナ、シリカ・アルミナ上又はクレー上で支持された燐酸、硫酸又は硼酸;(4 )アルミナ、シリカ・アルミナ、天然及び合成の柱状クレー(pillared clays) 、天然及び合成のゼオライト、例えばフォージャサイト、モルデン沸石、L、オ メガ、X及びYゼオライト;(5)ハロゲン化アルミニウム又はハロゲン化硼素 で含浸されたアルミナ又はシリカ・アルミナ;及び(6)金属スルフェート、例 えば硫化ジルコニウム、硫化ニッケル、硫化クロム、及び硫化コバルトが挙げら れることを開示している。 米国特許第3,629,478号(Haunschild)では、蒸留塔反応器において アルコールと反応させることによって供給原料中にある第三オレフィンをエーテ ルへと選択的に転化させ、その得られた生成物を蒸留塔反応器において分別する ことによる、第三オレフィンから線状オレフィンを分離する方法が開示されて いる。該反応は、蒸留塔反応器内にある複数のゾーンに配置されている均質触媒 によって触媒される。 米国特許第4,232,177号(Smith)、第4,307,254号(Smith )及び第4,336,407号(Smith)は、触媒化学反応を同時に行い、その 反応生成物を、充填材として触媒の固定床を含む蒸留塔反応器を用いることによ って分離する方法に関するものである。反応体は、反応条件下で触媒と接触させ 、得られた生成物は、それらの生成と同時に、蒸留塔反応器中で分別蒸留によっ て分離する。これらの特許では、このタイプの方法は、有機反応、例えばダイマ ー化、エステル化、異性化、エステル化、塩素化、水和、脱ハロゲン化水素、ア ルキル化及び重合と共に使用できることが広範に開示されている。米国特許第4 ,232,177号は、酸性交換カチオン樹脂上でメチルt−ブチルエーテルを メタノール及びイソブテンへと接触転化させ、同時にその生成物を分別蒸留によ り分離することによってイソブテンを製造する方法を用いることができると教え ている。米国特許第4,307,254号は、該方法を用いてメチルt−ブチル エーテルを製造することができ、その場合、酸性カチオン交換樹脂を、供給原料 としてのメタノール、及びイソブテンとノルマルブテンとの混合物と組合わせて 、触媒として酸性カチオン交換樹脂を用いることを教えている。最後に、米国特 許第4,336,407号は、酸性カチオン交換樹脂上でC4〜C5オレフィンを C1〜C6アルコールと反応させることによってエーテルを製造するために、該方 法を使用できることを教えている。 また、米国特許第4,242,530号(Smith)は、触媒化学反応を同時に 行い、充填材として触媒の固定床を含む蒸留塔反応器を用いることによって、得 られた反応生成物を分離する方法に関するものである。更に詳しくは、この特許 は、オレフィンの混合物を酸性カチオン交換樹脂と接触させて、イソオレフィン を、分別蒸留によって同時に分離されるダイマーへと転化させることにより、対 応するノルマルオレフィンから例えばイソブテンのようなイソオレフィンを分離 するために、該方法を用いることができると教えている。 発明の概要 水素処理は、例えば石油精製において普通に遭遇するような炭化水素液体、及 び石炭液化及びオイルシェール又はタールサンドの加工から誘導される炭化水素 液体から、硫黄含有不純物を除去する効果的な方法である。約10℃〜約345 ℃の広い又は狭い範囲で沸騰するこのタイプの液体は、本明細書では「留出炭化 水素液(distillate hydrocarbon liquids)」と呼ぶ。例えば軽質ナフサ、重質 ナフサ、ケロセン及び軽質サイクルオイルは、全て留出炭化水素液である。残念 なことに、水素処理は、高価な方法であり、通常は、高級オレフィンの留出炭化 水素液に関して用いるには不満足な方法である。而して、留出炭化水素液から硫 黄含有不純物を除去するための安価な方法に関するニーズが存在する。また、高 級オレフィンの留出炭化水素液から硫黄含有不純物を除去するために用いること ができる方法に関するニーズも存在する。 留出炭化水素液で典型的に見出される硫黄含有不純物の多くは、オレフィン又 はアルコールの存在下で、酸触媒で処理することにより、より高沸点の硫黄含有 材料へと容易に且つ選択的に転化できることを発見した。また、得られたより高 沸点の硫黄含有材料の大部分は、分別蒸留によって除去できることも発見した。 これらの高沸点硫黄含有材料の触媒による形成及びそれらの除去は、触媒反応及 び分別蒸留が同時に行われる蒸留塔反応器で都合良く行われる。 本発明の一つの態様は、液体供給原料から低減硫黄含量生成物を製造する方法 であり、該供給原料は、約345℃未満で沸騰し、且つ少量の有機硫黄化合物を 含む炭化水素混合物を含む。該方法は:(a)該供給原料が、モル基準で、有機 硫黄化合物の量と少なくとも等しい量のアルキル化剤を含むように該供給原料の 組成を調整する工程、ここで、該アルキル化剤はアルコール及びオレフィンから 成る群より選択される少なくとも1種類の材料を含む;(b)該混合物を、酸性 固体触媒の少なくとも1つの固定床を含む蒸留塔反応器へ送る工程;(c)該供 給原料中にある硫黄含有不純物の少なくとも一部分を、より高沸点の硫黄含有材 料へと転化させるのに効果的な条件下で、該供給原料を該触媒と接触させる工程 ;(d)該接触によって生じた生成物を、該蒸留塔反応器において分別する工程 ;(e)該蒸留塔反応器からの高沸点留分中に存在するより高沸点の硫黄含有材 料の少なくとも一部分を回収する工程;及び(f)該高沸点留分の沸点に比べて 低い沸点と、該供給原料の硫黄含量に比べて減少した硫黄含量とを有する該蒸留 塔反応器からの留分を回収する工程を含む。 本発明の別の態様は:(a)硫黄含有不純物を含む炭化水素供給原料を接触分 解して、硫黄含有不純物を含む揮発性接触分解生成物を製造する工程;(b)該 揮発性接触分解生成物の少なくとも一部分を含む第二供給原料を調製する工程、 ここで、該第二供給原料は、不純物として有機硫黄化合物と、オレフィンを少な くとも1重量%含む;(c)該第二供給原料を、酸性固体触媒の少なくとも1つ の固定床を含む蒸留塔反応器へ送る工程;(d)該第二供給原料中にある硫黄含 有不純物の少なくとも一部分を、より高沸点の硫黄含有材料へと転化させるのに 効果的な条件下で、該第二供給原料を該触媒と接触させる工程;(e)該接触に よって生じた生成物を、該蒸留塔反応器において分別する工程;(f)蒸留塔反 応器からの高沸点留分中に存在するより高沸点の硫黄含有材料の少なくとも一部 分を回収する工程;及び(g)該高沸点留分の沸点に比べて低い沸点と、該第二 供給原料の硫黄含量に比べて減少した硫黄含量とを有する該蒸留塔反応器からの 留分を回収する工程を含む方法である。 本発明の目的は、水素処理触媒の存在下で、水素で水素処理する工程を含まな い留出炭化水素液から硫黄含有不純物を除去する方法を提供することにある。 本発明の目的は、低減硫黄含量の留出炭化水素液を製造する安価な方法を提供 することにある。 本発明の別の目的は、炭化水素液からメルカプトン、チオフェン及びチオフェ ン誘導体を除去する方法を提供することにある。 本発明の別の目的は、接触分解生成物から硫黄含有不純物を除去する改良方法 を提供することにある。 本発明の更なる目的は、オクタンを有意に減少させずに、接触分解プロセスの 軽質ナフサ生成物から硫黄含有不純物を除去する方法を提供することにある。 本発明の更に別の目的は、留出炭化水素液中にある硫黄含有不純物をより高沸 点の硫黄含有生成物へと転化させる反応を触媒し、それと同時に、これらの生成 物を分別蒸留によって除去する方法を提供することにある。 図面の簡単な説明 図面の図1は、C3オレフィンとC4オレフィンとの混合物と配合された安定重 質ナフサ供給原料中にある硫黄含有不純物の沸点を上昇させるための、多孔質珪 藻土上での固体燐酸触媒の使用を説明している。 図面の図2は、オレフィン含有安定重質ナフサ供給原料中にある硫黄含有不純 物の沸点を上昇させるための、多孔質珪藻土上での固体燐酸触媒の使用を説明し ている。 図面の図3aは、2−プロパンチオール、チオフェン、2−メチルチオフェン 、及び不純物として硫化イソプロピルを含む低オレフィン含量合成炭化水素供給 原料における沸点の関数としての、硫黄含量の分布を説明している。図3bは、 この合成供給原料中にある硫黄含有不純物の沸点を上昇させるための、多孔質珪 藻土上での固体燐酸触媒の使用を説明している。 図面の図4aは、2−プロパンチオール、チオフェン、2−メチルチオフェン 、及び不純物として硫化イソプロピルを含む高オレフィン含量合成炭化水素供給 原料における沸点の関数としての、硫黄含量の分布を説明している。図4bは、 この合成供給原料中にある硫黄含有不純物の沸点を上昇させるための、多孔質珪 藻土上での固体燐酸触媒の使用を説明している。 図面の図5は、合成供給原料を、プロペンの合成供給原料に対する容量比0. 25でプロペンと配合する前及び配合した後における、合成供給原料(C6及び C7オレフィンを12.9重量%含む)中にある硫黄含有不純物の沸点を上昇さ せるための、6種類の異なる固体酸触媒の能力を説明している。 図面の図6は、供給原料から塩基性窒素含有不純物を除去することによって得 ることができる触媒寿命の延長を説明している。 本発明の詳細な説明 炭化水素の混合物を含み、望ましくない不純物として有機硫黄化合物を含む液 体供給原料から、低減硫黄含量の生成物を製造する方法を発見した。この方法は 、酸触媒の存在下でアルキル化剤で処理することによって硫黄含有不純物の少な くとも一部分をより高沸点の硫黄含有生成物へと転化させ、分別蒸留によってよ り高沸点の生成物の少なくとも一部分を除去する工程を含む。より高沸点の生成 物の酸触媒転化及び除去は、酸触媒反応及び分別蒸留が同時に行われる蒸留塔反 応器で都合良く行われる。蒸留塔反応器は、硫黄含有不純物のより高沸点の生成 物 への転化を触媒するために用いられる酸性固体触媒の少なくとも1つの固定床を 含む。これらのより高沸点の生成物の分離は、蒸留塔反応器中で、得られた反応 混合物を分別蒸留することによって行う。 本発明の実施で用いられる適当なアルキル化剤としては、アルコール及びオレ フィンが挙げられるが、オレフィンは通常はアルコールに比べて反応性であり、 より穏やかな反応条件下で、本方法において用いることができるので、オレフィ ンは一般的に好ましい。適当なオレフィンとしては、環状オレフィン、置換環状 オレフィン、及び式Iで表されるオレフィンが挙げられる。式Iにおいて、R1 はヒドロカルビル基であり、各R2は、水素及びヒドロカルビル基から成る群よ り独立に選択される。好ましくは、R1はアルキル基であり、各R2は、水素及び アルキル基から成る群より独立に選択される。 適当な環状オレフィン及び置換環状オレフィンとしては、例えばシクロペンテ ン、1−メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン、 3−メチルシクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シク ロオクテン、及び4−メチルシクロオクテンが挙げられる。式Iのタイプの適当 なオレフィンとしては、例えばプロペン、2−メチルプロペン、1−ブテン、2 −ブテン、2−メチル−1−ブデン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2 −ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、2 ,3−ジメチル−2−ブテン、2−エチル−1−ブテン、2−エチル−3−メチ ル−1−ブテン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、1−ペンテン、2−ペ ンテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル− 1−ペンテン、2,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン 、3−ヘキセン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキ サジエン、2,4−ヘキサジエン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン 、 1−オクテン、2−オクテン、3−オクテン、及び4−オクテンが挙げられる。 第二及び第三アルコールは、第一アルコールに比べて通常は更に反応性であり、 より穏やかな反応条件下で用いることができるので、第一アルコールよりも非常 に好ましい。本発明の実施において、例えばエチレン、メタノール及びエタノー ルのような材料は、反応性が低いので、殆どの他のオレフィン及びアルコールに 比べて有用性が低い。 好ましいアルキル化剤は約3〜約20個の炭素原子を含み、特に好ましいアル キル化剤は約3〜約10個の炭素原子を含む。アルキル化剤における炭素原子の 最適数は、通常は、望ましい液体炭化水素生成物の沸点と、供給原料中にある硫 黄含有不純物の沸点とによって決定される。上記したように、本発明のアルキル 化剤によって、硫黄含有不純物を、より高沸点の硫黄含有材料へと転化させる。 しかしながら、多くの炭素原子を含むアルキル化剤を用いると、通常は、より少 数の炭素原子を含むアルキル化剤を用いた場合に比べて、これらの生成物の沸点 はより大きく上昇する。而して、硫黄含有不純物を、蒸留によって除去できるほ ど充分に高い沸点を有する硫黄含有生成物へと転化させるアルキル化剤を選択し なければならない。例えば、プロピレンは、150℃の最大沸点を有する低減硫 黄含量の液体炭化水素生成物の調製で使用するのに非常に満足の行くアルキル化 剤であることができるが、345℃の最大沸点を有する液体炭化水素生成物の調 製で使用するには不満足であるかもしれない。 好ましい態様では、アルキル化剤の混合物、例えばオレフィンの混合物又はア ルコールの混合物は、本発明の実施で用いられる。前記混合物は、しばしば、純 粋なオレフィン又はアルコールに比べて安価及び/又は容易に入手することがで き、またアルキル化剤として純粋なオレフィン又はアルコールを用いて達成でき るのと等しい満足の行く結果がしばしば得られる。しかしながら、特定の炭化水 素液から特定の硫黄含有不純物を除去することを最適化することが望ましいとき には:(1)硫黄含有不純物を、分別蒸留によって容易に除去できる沸点が充分 に上昇している生成物へと転化させるように;及び(2)アルキル化剤を除去し なければならない場合には、例えば蒸留又は水抽出によって、任意の未反応アル キル化剤の容易な除去を可能にするように選択される特定のオレフィン又はアル コールを用いることは有利であることができる。勿論、本発明の多くの精製用途 では、得られた低減硫黄含量を有する留出生成物から未反応アルキル化剤を除去 する必要がないことが認められる。 本発明を限定するものではないが、硫黄含有不純物を、より高沸点の生成物へ と転化させる主なメカニズムは、アルキル化剤で、これらの不純物をアルキル化 することを含む。例として、例えばチオフェンのような芳香族硫黄化合物の単純 なアルキル化によって、アルキル置換チオフェンが得られると考えられる。この タイプの反応は、化学方程式II及びIIIで説明され、チオフェンの2−イソ プロピルチオフェンへの転化は、アルキル化剤としてプロペン及び2−プロパノ ールをそれぞれ用いて説明される。勿論、チオフェンのモノアルキル化は硫黄原 子に対するα位又はβ位で起こり得ること、及びポリアルキル化も起こり得るこ とが認められる。メルカプトンのアルキル化はスルフィドを生成し、このタイプ の反応は、化学方程式IV及びVで説明され、n−ブチルメルカプトンのイソプ ロピル(n−ブチル)スルフィドへの転化は、アルキル化剤としてプロペン及び 2−プロパノールをそれぞれ用いて説明される。 アルキル化法により、硫黄含有出発原料における水素原子はアルキル基によっ て置換され、それに対応して、出発原料の分子量を超える分子量の増加が起きる 。そのようなアルキル化生成物のより高い分子量は、出発原料の沸点を基準とす るより高い沸点として反映される。例えば、2−メチルプロペンを用いるアルキ ル化によるチオフェンの2−t−ブチルチオフェンへの転化は、84℃の沸点を 有 するチオフェンを、164℃の沸点を有し、且つ分別蒸留によって供給原料中に 存在する低沸点材料から容易に除去することができる生成物へと転化させる。2 −メチルプロペンを用いるジアルキル化によるチオフェンのジ−t−ブチルチオ フェンへの転化では、ずっと高い約224℃の沸点を有する生成物が得られる。 好ましくは、少数ではなく多数の炭素原子を添加するアルキル基によるアルキル 化である。その理由は、得られる生成物がより高い分子量を有するので、通常は 、より低級のアルキル基によるアルキル化によって得られる生成物に比べて、よ り高い沸点を有するからである。 本発明の実施で用いることができる供給原料としては、1種類以上の炭化水素 を含み、不純物として例えばメルカプトン又は芳香族硫黄化合物のような有機硫 黄化合物を含む任意の液体が挙げられる。更に、前記液体の大部分は、約345 ℃未満で、好ましくは約230℃未満で沸騰する炭化水素を含んでいるべきであ る。適当な供給原料としては、例えば天然ガス液体、ナフサ、軽油、重油、及び ワイドカット軽油、並びに石炭液化から及びオイルシェール又はタールサンド加 工から誘導される炭化水素留分のような石油精製で普通に遭遇する炭化水素の種 々の複合混合物のいずれかが挙げられる。好ましい供給原料としては、炭化水素 供給原料の接触分解又はコークス化から生じる不純物として有機硫黄化合物を含 む液体生成物が挙げられる。 芳香族炭化水素は、本発明の酸触媒の存在下で、本発明のアルキル化剤でアル キル化することができるが、芳香族硫黄化合物及び他の典型的な硫黄含有不純物 は、芳香族炭化水素に比べて、よりずっと反応性である。而して、本発明の実施 では、供給原料中に存在しているかもしれない芳香族炭化水素を有意にアルキル 化すること無く、硫黄含有不純物を選択的にアルキル化することができる。しか しながら、芳香族炭化水素の競合アルキル化反応は、供給原料における芳香族炭 化水素の濃度を低下させることによって、減少させることができる。而して、本 発明の好ましい態様では、供給原料は、芳香族炭化水素を50重量%未満含む。 所望ならば、供給原料は、芳香族炭化水素を約25重量%未満又はそれよりもず っと少量含むことができる。 接触分解生成物は、本発明で用いるのに好ましい供給原料である。このタイプ の好ましい供給原料としては、例えばナフサ、重質ナフサ、留出物及び軽質サイ クルオイルのような約345℃未満で沸騰する液体が挙げられる。しかしながら 、接触分解法から得られる揮発性生成物の全生産量を、本発明における供給原料 として用いることができることも評価される。接触分解生成物は、任意の追加の アルキル化剤の添加を不要にする比較的高いオレフィン含量を典型的に含むので 望ましい供給原料である。更に、芳香族硫黄化合物は、しばしば、接触分解生成 物における硫黄含有不純物の主要成分であり、芳香族硫黄化合物は、本発明によ って容易に除去される。例えば、石油から誘導された軽油を流動接触分解して得 られる典型的な軽質ナフサは、オレフィンを約60重量%以下及び硫黄を約0. 5重量%以下含むことができ、硫黄の殆どは、芳香族硫黄の形態である。本発明 の実施で用いるのに好ましい供給原料は、接触分解生成物から成っていて、更に 少なくとも1重量%のオレフィンから成っている。特に好ましい供給原料は、接 触分解生成物から成っていて、更に少なくとも5重量%のオレフィンから成って いる。前記供給原料は、蒸留によって単離される、接触分解法から得られる揮発 生成物の一部であることができる。 本発明の方法によって除去することができる硫黄含有不純物としては、メルカ プトン及び芳香族硫黄化合物が挙げられるが、これらに限定されない。芳香族硫 黄化合物としては、例えばチオフェン、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン、 及びベンゾチオフェン誘導体が挙げられ、該チオフェン誘導体としては、2−メ チルチオフェン、3−メチルチオフェン、2−エチルチオフェン、及び2,5− ジメチルチオフェンが挙げられる。本発明の好ましい態様では、供給原料中に存 在する硫黄含有不純物は、芳香族硫黄化合物から成っていて、これらの芳香族硫 黄化合物の少なくとも約20%は、触媒の存在下でアルキル化剤と接触させると 、より高沸点の硫黄含有材料へと転化される。所望ならば、本発明の実施におい て、これらの芳香族硫黄化合物の少なくとも約50%以上を、より高沸点の硫黄 含有材料へと転化させることができる 本発明の実施では、オレフィン又はアルコールと、メルカプトン、チオフェン 及びチオフェン誘導体との反応を触媒することができる任意の酸性材料を触媒と して用いることができる。固体酸触媒は特に望ましい、該触媒としては、固体支 持体上で支持されている液体酸が挙げられる。固体酸触媒は、蒸留塔反応器にお いて硫黄含有供給原料と容易に接触することができるので、液体触媒に比べて一 般的に好ましい。例えば、前記供給原料は、適当な温度で固体酸触媒の1つ以上 の粒状固定床中に単純に送ることができる。該固定床は、蒸留塔で充填材として 用いられる。蒸留塔中に該触媒を入れることによって、該搭は蒸留塔反応器にな る。結果として、蒸留塔の中で触媒と供給原料を接触させ、得られた生成物を触 媒の存在下で分別することによって、本発明の触媒転化及び分別蒸留は同時に行 うことができる。 本発明の実施で用いるのに適する触媒は、例えば酸性ポリマー樹脂、支持酸( supported acids)及び酸性無機酸化物のような材料を含んでいてよい。適当な 酸性ポリマー樹脂としては、当業において公知であって市販されているポリマー スルホン酸樹脂が挙げられる。Rohm and Haas Co.によって製造されているAmbe rlyst(登録商標)35は、そのような材料の典型的な例である。 触媒として有用な支持酸としては、例えばシリカ、アルミナ、シリカ・アルミ ナ、酸化ジルコニウム又はクレーのような固体上に支持されているブレンステッ ド酸(例えば燐酸、硫酸、硼酸、HF、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタ ンスルホン酸、及びジヒドロキシフルオロ硼酸)及びルイス酸(例えばBF3, BCl3,AlCl3,AlBr3,FeCl2,FeCl3,ZnCl2,SbF5, SbCl5,及びAlCl3とHClとの組合わせ)が挙げられるが、これらに限 定されない。支持された液体酸を用いる場合、該支持触媒は、典型的には、望ま しい液体酸と望ましい支持体とを組合わせ、それを乾燥させることによって調製 する。燐酸と支持体とを組合わせて調製される支持触媒は非常に好ましく、本明 細書ではそれを固体燐酸触媒と呼ぶ。これらの触媒は、非常に効果的で低コスト であるので好ましい。参照として本明細書に取り入れられる米国特許第2,92 1,081号(Zimmerschiedら)では、酸化ジルコニウム、及びジルコニウムの ハロゲン化物から成る群より選択されるジルコニウム化合物と、オルト燐酸、ピ ロ燐酸及びトリ燐酸から成る群より選択される酸とを組合わせることによる固体 燐酸触媒の調製が開示されている。参照として本明細書に取り入れられる米国特 許第2,120,702号(Ipatieffら)では、燐酸を珪質材料と組合わせ ることによる固体燐酸触媒の調製が開示されている。最後に、参照として本明細 書に取り入れられる米国特許第863,539号でも、例えば珪藻土又は多孔質 珪藻土のような固体珪質材料上に燐酸を付着させることによる固体燐酸触媒の調 製が開示されている。 触媒として有用な酸性無機酸化物としては、アルミナ、シリカ・アルミナ、天 然及び合成の柱状クレー、天然及び合成のゼオライト、例えばフォージャサイト 、モルデン沸石、L、オメガ、X,Y、β、及びZSMゼオライトが挙げられる が、これらに限定されない。特に好ましいゼオライトとしては、β,Y,ZSM −3,ZSM−4,ZSM−5,ZSM−18及びZSM−20が挙げられる。 所望ならば、ゼオライトを、例えばシリカ・アルミナのような無機酸化物マトリ ックス材料中に均質混合することができる。実際に、本発明の実施では、平衡分 解触媒を酸触媒として用いることができる。 触媒は、例えばルイス酸(例えばBF3,BCl3,SbF5及びAlCl3)、 非ゼオライト固体無機酸化物(例えばシリカ、アルミナ及びシリカ・アルミナ) 、及び大孔結晶質モレキュラーシーブ(例えばゼオライト、柱状クレー及びアル ミノホスフェート)のような異なる材料の混合物を含むことができる。 本発明の実施で用いられる供給原料は、時に、硫黄含有不純物に加えて、不純 物として窒素含有有機化合物を含む。典型的な窒素含有不純物の多くは、有機ベ ースであり、いくつかの場合では、酸触媒と反応して酸触媒を失活させることが ある。そのような失活が観察される場合には、酸触媒と接触する前に、供給原料 から塩基性窒素含有不純物を除去することによって、失活を防止することができ る。 塩基性窒素含有不純物は、任意の従来の方法によって、供給原料から除去する ことができる。そのような方法は、典型的には、酸性材料による処理を含み、従 来の方法は、例えば酸水溶液による洗浄のような手順と、酸触媒の前に配置され る保護床(guard bed)の使用とを含む。効果的な保護床としては、例えばA− ゼオライト、Y−ゼオライト、L−ゼオライト、モルデン沸石、弗化アルミナ、 新鮮な分解触媒、平衡分解触媒、及び酸性ポリマー樹脂が挙げられるが、これら に限定されない。保護床技術を用いる場合、一方の保護床を用いて供給原料を前 処理し、酸触媒を保護しながら、もう一方の保護床を再生させることができるよ うな様式で2つの保護床を用いることは、しばしば望ましい。酸洗浄を用いて塩 基性窒素含有化合物を除去する場合、適当な酸の水溶液で供給原料を処理する。 そのような使用に適する酸としては、塩酸、硫酸及び酢酸が挙げられるが、これ らに限定されない。水溶液中の酸濃度は重要ではないが、約0.5重量%〜約3 0重量%であるように都合良く選択される。 本発明の実施では、硫黄含有不純物を含む供給原料は、硫黄含有不純物の少な くとも一部分をより高沸点の硫黄含有材料へと転化させるのに効果的な温度及び 時間において、酸触媒と接触させる。接触温度は、望ましくは約50℃超、好ま しくは100℃超、更に好ましくは125℃超である。接触は、一般的には約5 0℃〜約350℃、好ましくは約100℃〜約350℃、更に好ましくは約12 5℃〜約250℃の温度で行う。勿論、最適温度は、用いられる酸触媒、選択さ れるアルキル化剤(1種又は複数種)、及び供給原料から除去しようとする硫黄 含有不純物の性質と相関関係があることが評価される。また、蒸留塔反応器が運 転される圧力を用いて、蒸留温度と、触媒が蒸留塔反応器で供給原料によって接 触される温度とを調節できることも評価される。圧力を増加させると、蒸留塔反 応器において分別蒸留を行うのに、より高い温度が必要となる。 硫黄含有不純物は、非常に反応性であり、本発明のアルキル化剤と反応させる ことによって、より高い沸点を有する硫黄含有生成物へと選択的に転化させるこ とができる。而して、供給原料は、殆どの炭化水素が実質的に影響されない充分 に穏やかな条件下で、酸触媒と接触させることができる。例えば、芳香族炭化水 素は、実質的に影響を受けず、有意なオレフィン重合は起こらない。接触分解法 から得られるナフサ供給原料の場合、それは、ナフサのオクタンに有意に影響を 与えずに、硫黄含有不純物を除去できることを意味している。しかしながら、所 望ならば、温度及びアルキル化剤の濃度を、芳香族炭化水素の有意なアルキル化 も起こり得るところまで増大させることができる。例えば、供給原料が硫黄含有 不純物と、わずかな量のベンゼンとを含む場合、反応条件は、硫黄含有不純物が 高沸点生成物へと転化され、またベンゼンの大部分がアルキル化生成物へと転化 されるように選択することができる。 任意の望ましい量のアルキル化剤は、本発明の実施で用いることができる。し かしながら、硫黄含有不純物の量を基準として比較的大量のアルキル化剤によっ て、該触媒と接触させたときに、より高い沸点の硫黄含有生成物への該不純物の 迅速且つ完全な転化が促進される。酸触媒と接触させる前に、供給原料が、供給 原料中に存在する有機硫黄化合物の量とモル基準で少なくとも等しい量のアルキ ル化剤を含むように、供給原料の組成を望ましく調節する。所望ならば、アルキ ル化剤対有機硫黄化合物のモル比は、少なくとも5以上であることができる。 本発明の実施では、供給原料は、任意の適当な圧力下で酸触媒と接触させるこ とができるが、約0.01atm〜約200atmの圧力が望ましく、約1atm〜約1 00atmの圧力が好ましい。蒸留塔反応器において供給原料を固体酸性触媒と接 触させる温度及び圧力は:(1)供給原料中にある硫黄含有不純物の少なくとも 一部分を、より高沸点の硫黄含有材料へと転化させ;また(2)触媒の存在下で プロセス流を分別蒸留するのに効果的な温度及び圧力を選択する。 酸性固体触媒は、任意の従来の様式で蒸留塔反応器中に配置することができ、 また該反応器中にある1つの接触ゾーン又は複数の接触ゾーン中に配置すること ができる。例えば、該触媒は、従来の蒸留塔のトレー上に、又は蒸留塔反応器中 において1つのゾーンから別のゾーンへの流れのための経路を提供する少なくと も1つの導管中に配置することができる。所望ならば、前記導管は、各導管が接 近可能であり、蒸留塔反応器を運転停止せずに酸性固体触媒を交換するために独 立に停止させることができるように、蒸留塔反応器の主構造の外部に配置するこ とができる。前記のように、追加の導管(単数又は複数の導管)によって蒸留塔 反応器を継続して運転しながら、1つの導管で失活した又は使用済みの触媒を交 換又は再生することができるように、酸性固体触媒を含む少なくとも2つの前記 導管を用いることが通常は望ましい。別法として、導管は、トレーに隣接して接 続する降下管の形態を取り、従来の蒸留塔中において液体流のための経路を提供 することができる。蒸留塔反応器において触媒を保持する降下管の使用は、米国 特許第3,629,478号(Haunschild)及び第3,634,534号(Haun schild)で開示されており、これらの特許は参照として本明細書に取り入れられ る。好ましい態様では、触媒は、蒸留塔のための充填材として用い、分 別は、触媒の存在下で、少なくとも部分的に行う。例えば、固体酸性触媒は、ペ レット、ロッド、リング、サドル、ボール、不規則断片、シート、チューブ及び 螺旋の形態でバッグの中に充填するか、又はグリルもしくはスクリーン上に付着 させることができる。蒸留塔反応器における充填材としての触媒の使用は、米国 特許第4,232,177号(Smith)、第4,242,530号(Smith)、第 4,307,254号(Smith)及び第4,336,407号(Smith)で開示さ れている。これらの特許は参照として本明細書に取り入れられる。 望ましくは、固体酸性触媒は、供給原料及びアルキル化剤と迅速かつ効果的に 接触させることができる物理的形態で用いる。本発明は限定されないが、触媒は 、最大寸法が約0.1mm〜約2cmの平均値を有する粒状であることが好ましい。 例えば、約0.1mm〜約2cmの平均直径を有する実質的に球形の触媒ビーズを用 いることができる。別法として、約0.1mm〜約1cmの直径及び約0.2mm〜約 2cmの長さを有するロッドの形態で用いることができる。 本発明は、炭化水素供給原料の硫黄含有不純物を濃縮して、分別蒸留によって 分離される高沸点留分とする方法を提供する。濃縮の結果として、硫黄を、より 容易に且つ低コストで廃棄することができる。この廃棄のために任意の従来の方 法を用いることができる。例えば、得られる高硫黄含量材料を、硫黄含量がさほ ど問題ではない重質燃料(heavy fuels)中に配合することができる。別法とし て、この高硫黄含量材料は、元の供給原料の体積を基準として体積が減少してい ることから、比較的低コストで効果的に水素処理することができる。 本発明の特に好ましい態様は、硫黄含有不純物を含む炭化水素供給原料の流動 接触分解から得られる生成物で生成する炭化水素生成物から硫黄含有不純物を除 去するための本発明の使用を含む。重質鉱油留分の接触分解は、火花点火内燃機 関で用いられる例えば高オクタンガソリン燃料のような望ましい燃料生成物へと 原油を転化させるときに用いられる主要な精製作業の一つである。流動接触分解 法では、典型的には流動床反応器において又は延長上昇管反応器(elongated ri ser reactor)において、高分子量炭化水素液体又は蒸気を、熱微粉砕固体触媒 粒子と接触させ、その触媒・炭化水素混合物を、自動車用ガソリン及び留出燃料 中に典型的に存在する種類の低分子量炭化水素へと望ましい程度まで分解さ せるのに充分な時間、流動状態又は分散状態で、高温に保つ。 流動接触分解法における選択した炭化水素供給原料の転化は、転化温度におい て、約10秒以下に転化時間を制限する流動速度で、反応ゾーンにおいて、分解 触媒と接触させることによって引き起す。転化温度は、望ましくは約430℃〜 約700℃、好ましくは約450℃〜約650℃である。次に、炭化水素蒸気と 、炭質材料又はコークスの失活量を含む分解触媒とを含む反応ゾーンからの流出 液を分離ゾーンへ送る。分離ゾーンで使用済み分解触媒から炭化水素蒸気を分離 し、沸点に基づいてこれらの材料を分離するための精留塔へと送る。これらの揮 発性炭化水素生成物は、典型的には約430℃〜約650℃の温度で精留塔に入 り、分別のための必要な熱の全てを供給する。 炭化水素の接触分解では、いくつかの不揮発性炭質材料又はコークスが触媒粒 子上に付着する。コークスが分解触媒上に増成すると、分解のための触媒の活性 と、ガソリン配合原料を製造するための触媒の選択性が低下する。しかしながら 、触媒からコークスの殆どを除去することにより、触媒の元の能力の大部分が回 復する。それは、再生ゾーン又は再生器において、例えば空気のような分子酸素 含有再生ガスによって触媒上にあるコークス付着層を燃焼させることによって行 われる。 流動接触分解法の実施では、広範な様々なプロセス条件を用いることができる 。軽油供給原料を用いる通常の場合では、全供給量対新鮮な供給量の処理量比又 は体積比は約1.0:1〜約3.0:1で変化させることができる。転化レベル は、約40%〜約100%で変化させることができ、その場合、転化率は、より 軽質の材料、又はコークスの形成によって、大気圧下で221℃を超えて沸騰す る炭化水素の百分率の減少として規定される。反応器における触媒対オイルの重 量比は、流動分散液が約15kg/m3〜約320kg/m3の密度を有するように、約2 :1〜約20:1で変化させることができる。流動速度は、約3.0m/秒〜約 30m/秒であることができる。 本発明にしたがう流動接触分解法で用いるのに適する炭化水素供給原料は、有 機硫黄化合物の形態で、硫黄を約0.2重量%〜約6.0重量%含むことができ る。適当な供給原料としては、例えば軽油、重油、ワイドカット軽油、真空軽油 (vacuum gas oils)、ナフサ、デカンテッドオイル、残留留分及びこれらのい ずれかから誘導されるサイクルオイルのような硫黄含有石油留分、並びに合成石 油、石炭液化から誘導される、またオイルシェールとタールサンドの加工から誘 導される硫黄含有炭化水素留分が挙げられるが、これらに限定されない。これら の供給原料のいずれかを、単独で又は任意の望ましい組合わせで用いることがで きる。 本発明の一つの態様は、硫黄含有供給原料の接触分解から得られた揮発性生成 物を蒸留塔反応器へ送る工程を含み:(1)該揮発性生成物の硫黄含有不純物の 少なくとも一部分をより高い沸点を有する硫黄含有材料へと転化させるのに効果 的な条件下の該蒸留塔反応器において、揮発性生成物を酸性固体触媒と接触させ ;(2)該触媒との接触から生じる生成物を蒸留塔反応器で分別し;(3)より 高沸点の硫黄含有材料の少なくとも一部分を、蒸留塔反応器からの高沸点留分又 は残液の成分として分離し;及び(4)蒸留塔反応器に対する供給原料の硫黄含 量を基準として減少した硫黄含量を有する生成物を、蒸留塔反応器から、より低 い沸点を有する留分又は塔頂留出物として分離する。 以下に掲げた実施例は本発明を説明することのみを意図しており、本発明を限 定するものと解釈すべきではない。 実施例Iポリマースルホン酸樹脂 Rohm and Haas CompanyからAmberlyst(登録商標)35wetという名称で市販さ れている高度架橋ポリマースルホン酸樹脂を得た。この材料は、0.4mm〜1. 2mmの粒径を有し、且つ次の特性:すなわち、(1)5.4ミリ当量/gに相当 する酸部位濃度;(2)56%の含水率;(3)0.35cc/gの多孔度;(4) 300Åの平均細孔直径;及び44m2/gの表面積を有する球形ビーズの形態で提 供された。該樹脂は、そのままで用いた。本明細書では触媒Aと呼ぶ。 実施例II多孔質珪藻土上の固体燐酸アルキル化触媒 UOPからspA-2という名称で市販されている多孔質珪藻土上固体燐酸触媒 を得た。この材料は、4.75mmの呼称直径を有し、且つ次の特性:すなわち、 (1)0.93g/cm3の充填密度;(2)P25として計算された遊離燐酸含量 16重量%〜20重量%;及び(3)P25として計算された呼称総燐酸含量6 0重量%を有する円筒形押出物の形態で提供された。使用前に、該触媒を粉砕し て12〜20メッシュサイズ(U.S Sieve Series)にした。本明細書では触媒B と呼ぶ。 実施例IIIZSM−5ゼオライトの調製 蒸留水中18.0kg中、水酸化ナトリウム1.70kgと、テトラプロピル臭化 アンモニウム26.8kgと、アルミン酸ナトリウム2.14kgと、シリカゾル( E.I.duPont de Nemours Co.Inc.によつて製造されているLudox HS-40)43. 5kgとの溶液をオートクレーブ中で調製した。そのオートクレーブを密封し、約 149℃の温度、自己圧力、及び約60回転/分のミキサー速度に約120時間 保った。そのスラリーを濾過し、洗浄して、得られた濾過ケークを121℃のオ ーブンで16時間乾燥させた。次にその乾燥させた濾過ケークを538℃で4時 間か焼し、そのか焼した材料を、還流下で約85℃で1時間加熱し、2時間撹拌 しながら冷却し、水ILで洗浄し、再交換させることによって、水中硝酸アンモ ニウムと3回イオン交換させた。得られた固体を水4Lで洗浄し、121℃のオ ーブンで4時間乾燥させ、556℃で4時間か焼して、粉末としてZSM−5ゼ オライトを得た。アルミナマトリックス中ZSM−5ゼオライトから成るアルキル化触媒の調製 上記ZSM−5ゼオライトの166g部を、Catapal SBアルミナ(vistaによ って製造されたアルファ-アルミナ一水和物)125gと混合した。固体の混合 物を蒸留水600gに加え、十分に混合し、121℃のオーブンで16時間乾燥 させた。次にその固体を蒸留水で湿潤させ、直径1.6mmを有する円筒形押出物 として押し出した。その押出物を121℃の強制通風炉で16時間乾燥させ、5 38℃で4時間か焼した。得られた材料を粉砕し、12〜20メッシュサイズ( U.S Sieve Series)にした。アルミナマトリックス中ZSM−5ゼオライトから 成るこの材料を本明細書では触媒Cと呼ぶ。 実施例IVベータゼオライトの調製 蒸留水中22.5kg中、水酸化ナトリウム0.15kgと、テトラエチル水酸化 アルミニウム22.5kgと、アルミン酸ナトリウム0.90kgと、シリカゾル( E.I.duPont de Nemours Co.Inc.によって製造されているLudox Hs-40)36. 6kgとの溶液をオートクレーブ中で調製した。そのオートクレーブを密封し、約 149℃の温度、自己圧力、及び約60回転/分のミキサー速度に約96時間保 った。そのスラリーを濾過し、洗浄し、その濾過ケークを121℃のオーブンで 16時間乾燥させた。得られた固体を、還流下で約60℃で3時間加熱し、2時 間撹拌しながら冷却し、デカントし、そして再交換させることによって、水中硝 酸アンモニウムと3回イオン交換させた。121℃のオーブンで4時間乾燥させ ると、粉末として所望のベータゼオライトが得られた。アルミナマトリックス中ベータゼオライトから成るアルキル化触媒の調製 上記ベータゼオライト粉末の89.82g部を、Catapal SBアルミナ(Vista によって製造されたアルファ-アルミナ一水和物)40gと混合した。固体の混 合物を蒸留水300gに加え、十分に混合し、121℃の強制通風炉で16時間 乾燥させた。次にその固体を蒸留水で湿潤させ、直径1.6mmを有する円筒形押 出物として押し出した。その押出物を121℃の強制通風炉で16時間乾燥させ 、538℃で3時間か焼した。得られた材料を粉砕し、12〜20メッシュサイ ズ(U.S Sieve Series)にした。アルミナマトリックス中ベータゼオライトから 成るこの材料を本明細書では触媒Dと呼ぶ。 実施例Vシリカ・アルミナアルキル化触媒の調製 テトラエチルオルトシリケート75.0g部及びn−ヘキサン500gを、1 .3mmの直径を有する円筒形押出物の形態で338m2/gの表面積を有する(Hald or-Topsoeによって製造された)低シリカ・アルミナ375gと混合した。n− ヘキサンは室温で蒸発させた。得られた材料を100℃の強制通風炉で16時間 乾燥させ、次に8時間510℃でか焼した。か焼した材料を、水1000ml中硝 酸アンモニウム150gを含む溶液で含浸し、3日間静置し、100 ℃の強制通風炉で16時間乾燥させ、538℃で5時間か焼した。シリカ・アル ミナから成る生成した材料を本明細書では触媒Eと呼ぶ。 実施例VIアルミナマトリックス中Yゼオライトから成るアルキル化触媒の調製 LZY−82ゼオライト粉末(LZY−82はUnion Carbideによって製造さ れた超安定Yゼオライトである)100.12g部を、PHFアルミナゾル(Cr iterion Catalyst Companyによって製造された)553.71g中に分散させ、 その分散液を121℃の強制通風炉で16時間乾燥させた。得られた材料を蒸留 水で湿潤させ、次に直径1.6mmを有する円筒形押出物として押し出した。その 押出物を121℃の強制通風炉で16時間乾燥させ、538℃で3時間か焼した 。得られた材料を粉砕し、12〜20メッシュサイズ(U.S Sieve Series)にし た。アルミナマトリックス中LZY−82ゼオライトから成るこの材料を本明細 書では触媒Fと呼ぶ。 実施例VII 水素炎イオン化検出器、大口径(wide bore)石英ガラス毛管カラム、直接イ ンゼクター(direct injector)及び硫黄化学発光分析計を備えているガスクロ マトグラフを用いて、沸点の関数として、サンプルの硫黄含量に関する以下に記 載のデータを得た。分析法は、保持時間対ガスクロマトグラフシステムの沸点較 正に基づいている。 炭化水素供給原料中にある硫黄含有不純物を、より高沸点の硫黄含有生成物へ と転化させる種々の酸性固体触媒の能力は、以下の供給原料を用いて評価した:安定重質ナフサ −21℃〜約249℃で沸騰するこの材料は:(1)硫黄含有不純物を含む軽 油供給原料の流動接触分解によって製造された重質ナフサからC4炭化水素をス トリップし;(2)苛性アルカリで処理してメルカプトンを除去することによっ て得られた。マルチガスクロマトグラフ法を用いて安定重質ナフサを分析すると 、重量を基準として:パラフィン4%、イソパラフィン18%、オレフィン15 %、ナフテン15%、芳香族炭化水素45%、及び未同定C13+高沸点材料を含 んでいることが分かった。X線蛍光分光分析によって測定した場合、安定重質ナ フサ の総硫黄含量は730ppmであった。沸点の関数としてのこの硫黄含量は表Iに 記載してある。クロマトグラフを用いて、主要な硫黄含有不純物を、離散ピーク 確認によって同定した。これらの結果は表IIに示してある。 特に断りがない場合は、安定重質ナフサ供給原料に関する実験は次の手順で行 った。選択した触媒7g部を、ステンレス鋼で作られ、且つ垂直方向に保持され た内径9.5mmの管状反応器中に充填した。石英ウール(quartz wool)のプラ グと共に適所に保持された炭化珪素触媒床の間にある反応器中に、触媒床を配置 した。作業温度は、93℃〜204℃で変化させ、反応器内の圧力は75atm〜 85atmに保った。供給原料を反応器の上部から入れ、1〜2LHsvの空間速度で 触媒床を通して下方に流した。シリンジ・ポンプを用いて反応器中に供給原料を 注入した。実験装置は、確実に触媒床が完全に液体で満たされるために、反応器 の下流にあって且つ触媒床の上部よりも高い位置にある背圧調整器を含んでいた 。 合成供給原料 流動接触分解法によって製造される典型的な重質ナフサで認められる有機化合 物の主要な群の典型を示すために選択されたモデル化合物を配合することによっ て、2つの合成供給原料、すなわち低オレフィン含量を有する合成供給原料及び 高オレフィン含量を有する合成供給原料を調製した。高オレフィン含量合成供給 原料における主要な群の割合は、流動接触分解法から得られる重質ナフサにおい て予期される典型的な割合である。該合成供給原料は、低オレフィン含量合成供 給原料が殆どオレフィンを含んでいないことを除けば、組成は殆ど同じである。 これらの合成供給原料の組成は表IIIに示してある。 合成供給原料に関する実験は、次の手順を用いて行った。選択した触媒10cm3 を、ステンレス鋼で作られ、且つ垂直方向に保持された内径1.43cmの管状 反応器中に充填した。触媒床は、石英ウールのプラグと共に適所に保持したアル ファアルミナ床の間に配置した。使用前に、反応器中において、触媒C,D,E 及びFを、399℃で1時間、200cm3/分の流量の窒素流中で活性化させた。 作業温度は93℃〜204℃で変化させ、反応器内の圧力を17atm又は54atm に保った。供給原料は、反応器の底部から入れ、触媒床を通して上方へと流した 。 実施例V III C3/C4流対ナフサの体積比1.0:1の割合で、安定重質ナフサ供給原料を 混合C3/C4流(重量を基準として、プロパンを55%、プロペンを27%、2 −ブテンを9.5%、1−ブデンを6%、及び2−メチルプロペンを2.5%含 む)と配合した。得られた配合物を、上記のようにして、圧力85atm及び空間 速度2LHSVで触媒B(多孔質珪藻土上の固体燐酸触媒)と接触させた。93℃、 149℃及び204℃で接触させる一連の3つの実験で、温度の効果を評価した 。供給原料における、及び93℃、149℃及び204℃の反応温度で得られた 生成物における、沸点の関数としての硫黄含量の分布を図1(沸点は、高沸点留 分中に存在する総硫黄含量%の関数としてプロットしてある)に示してある。こ れらの結果は、149℃又は204℃の反応温度で、供給原料中に存在する硫黄 含有不純物が、より高い沸点を有する硫黄含有生成物へと転化されること、及び 沸点がナフサの全沸騰範囲よりも約25℃上昇していることを示している。対照 的に、93℃の反応温度では、高沸点生成物への硫黄含有不純物の転化は比較的 殆ど起こらない。 実施例IX 圧力75atm、温度204℃及び空間速度1LHSVで、安定重質ナフサを触媒B (多孔質珪藻土上の固体燐酸触媒)と接触させた。供給原料における及び生成物 における、沸点の関数としての硫黄含量の分布は図2(高沸点留分中に存在する 総硫黄含量%の関数として沸点をプロットしてある)に記載してある。これらの 結果から、接触分解法から得られるこの重質ナフサ供給原料のオレフィン含量は 、高沸点硫黄含有生成物への硫黄含有不純物の転化を可能にするほど充分に高い ことが分かる。また、実施例V IIIに記載したように、供給原料をプロペンとブ テンとの混合物と配合して得られる生成物のように硫黄が約20%のみの場合と は異なり、該生成物中に硫黄が30%存在していると、288℃を超える温度で 沸騰することも注目される。供給原料中に存在する高分子量オレフィンは、実施 例V IIIのように大量のC3及びC4オレフィンを供給原料に加えると得られる生 成物に比べて、沸点がより高い硫黄含有生成物を生じさせると考えられる。 実施例X 表IIIに示してある組成を有する低オレフィン含量合成供給原料を、上記のよ うにして、圧力54atm、温度204℃及び空間速度2LHSVで、触媒B(多孔質 珪藻土上の固体燐酸触媒)と接触させた。低オレフィン含量合成供給原料におけ る沸点の関数としての硫黄含量の分布は、図3a(高沸点留分中に存在する総硫 黄含量%の関数として沸点をプロットしてある)に示してある。図3bには、こ の供給原料から得られる生成物における沸点の関数としての硫黄分布が示してあ る。図3a及び図3bを比較すると、高沸点硫黄含有生成物への、合成供給原料 の硫黄含有成分の転化は、殆ど無かったことが分かる。 実施例XI 表IIIに示してある組成を有する高オレフィン含量合成供給原料を、上記のよ うにして、圧力54atm、温度204℃及び空間速度2LHSVで、触媒B(多孔質 珪藻土上の固体燐酸触媒)と接触させた。高オレフィン含量合成供給原料におけ る沸点の関数としての硫黄含量の分布は、図4a(高沸点留分中に存在する総硫 黄含量%の関数として沸点をプロットしてある)に示してある。図4bには、こ の供給原料から得られる生成物における沸点の関数としての硫黄分布が示してあ る。図4a及び図4bを比較すると、高沸点硫黄含有生成物への、合成供給原料 の硫黄含有成分の実質的な転化があったことが分かる。オレフィン含量を除くと 、この実験の高オレフィン含量合成供給原料は、上記実施例Xの低オレフィン含 量合成供給原料の組成と極めて似ている組成を有する。この実験の結果を実施例 Xと比較すると、オレフィンの非存在下では、硫黄含有供給原料成分の転化は殆 ど認められないことが分かる。 実施例X II 既に詳細に説明し、それらの特性を表IVに要約してある触媒A,B,C,D ,E及びFを、圧力17atm、温度204℃及び空間速度2LHSVにおいて、次の 2種類の供給原料:すなわち、(1)表IIIに示してある組成を有する高オレフ ィン含量合成供給原料;及び(2)プロペン対合成供給原料の体積比が0.25 :1の割合でプロペンを配合した同じ高オレフィン含量合成供給原料を用いて上 記のようにそれぞれ試験した。 各試験では、他の材料へのチオフェン(チオフェン及び2−メチルチオフェン )の転化率を、チオフェン及びメチルチオフェンの含量に関して、得られた生成 物を分析することによって測定した。これらの試験の結果は図5に示してある。 これらの結果は、添加プロペンの非存在下におけるチオフェン及び2−メチルチ オフェンの転化率は、約6Åを超える細孔サイズを有する殆どの酸性触媒(触媒 B,D及びF)を超えて最も高いことを示唆している。本発明を限定するもので はないが、これらの結果は、アルキル化生成物のサイズが非常に大きくて、約6 Åよりも小さい細孔サイズを有する触媒(触媒C)の細孔では形成されないこと 、及び中程度酸性触媒(触媒A及びE)の酸性度は高オレフィン含量合成供給原 料のC6及びC7オレフィンを完全に活性化させるのには不充分であるかもしれな いことを示唆している。しかしながら、合成供給原料にプロペンを添加すると、 触媒C(細孔サイズ<6A)及び中程度に酸性の触媒Eの双方を用いるチオフェ ン及び2−メチルチオフェンの転化率は約2倍である。 実施例X III 表IIIに示してある組成を有する高オレフィン含量合成供給原料を、プロペン 対合成供給原料の体積比が0.13:1の割合でプロペンと配合した。得られた 配合物を、圧力54atm、温度149℃及び空間速度2LHSVにおいて、触 媒B(多孔質珪藻土上の固体燐酸触媒)と接触させた。次に、この実験を温度2 04℃で繰り返した。各実験において、他の材料へのチオフェン(チオフェン及 び2−メチルチオフェン)、ベンゼン及びトルエンの転化率を、得られた生成物 を分析することによって測定した。149℃では、チオフェン(チオフェン及び 2−メチルチオフェン)、ベンゼン及びトルエンの転化率は、それぞれ73%, 36%及び26%であった。而して、これらの条件下では、芳香族硫黄化合物( チオフェン及び2−メチルチオフェン)は、好ましくは芳香族炭化水素(ベンゼ ン及びトルエン)へと転化される。 実施例XIV 一連の試験では、安定重質ナフサを、様々な量の混合C3/C4流(重量を基準 としてプロパンを55%、プロペンを27%、2−ブテンを9.5%、1−ブテ ンを6%、2−メチルプロペンを2.5%、及び2−プロパノールを1500pp m含む)と配合し、その様々な配合物を、圧力82atm、温度204℃及び空間速 度1LHSVで、触媒B(多孔質珪藻土上の固体燐酸触媒)と接触させた。これらの 試験で用いた混合C3/C4流のナフサに対する体積比は表Vに示してある。各試 験の生成物は:(1)高沸点硫黄含有材料への硫黄含有不純物の転化;及び(2 )ベンゼン及びクメンの含量に関して分析した。これらの分析結果も表Vに示し てある。生成物におけるクメンのベンゼンに対する割合は、ナフサ供給原料にお ける芳香族炭化水素が各試験条件下でアルキル化された程度の指標である(ナフ サ供給原料中にあるベンゼンを混合C3/C4流からのプロペンでアルキル化する ことによってクメンは形成される)。比較のために、該供給原料はクメン対ベン ゼンの重量比0.01:1を有し、その硫黄含量5重量%は260℃を超える沸 点を有していた。その結果から、硫黄含有不純物は、これもまた供給原料中に存 在する芳香族炭化水素を有意にアルキル化させない選択的方法で、高沸点硫黄含 有材料へと転化できることを示している。 実施例XIV 硫酸水溶液で洗浄することによる安定重質ナフサ供給原料からの窒素含有不純 物の除去を、水溶液の硫酸濃度を変化させる一連の実験で評価した。各実験では 、小さな分液漏斗において、約80gの硫酸水溶液を約64gの安定重質ナフサ に加え、その得られた混合物を手動で震盪した。次に水性層及び有機層を分離さ せ、下にある水性層を除去した。次に、分液漏斗において、酸水溶液の代わりに 約100gの蒸留水を用いた以外は同じ手順で有機層を3回洗浄した。得られた 炭化水素層を、塩基性窒素含量について分析した。その結果は表VIに示してあ る。 実施例XV 固体吸着剤を用いた処理による、軽質ナフサと重質ナフサとの配合物から成る 供給原料からの窒素含有不純物の除去を、種々の吸着剤を用いた一連の実験で評 価した。該供給原料は、軽質ナフサ(塩基性窒素を<5ppm含み、約−21℃〜 約95℃で沸騰)20体積%と、安定重質ナフサ80体積%との配合物であった 。各実験では、供給原料の100cm3部を、538℃で3時間か焼した固体吸着 剤6.6g部と混合した。その混合物を震盪し、室温で約72時間静置した。処 理した供給原料を塩基性窒素含量について分析した。その結果は表VIIに示し てある。 1.REDUXION分解触媒(Engelhard Corporation製造) 2.OCTICIV分解触媒(Engelhard Corporation製造) 3.クロマトグラフを行えるグレード 実施例XVI 実施例XVの未処理供給原料中にある塩基性窒素不純物を、H2SO4を15重 量%含む硫酸水溶液で該供給原料を洗浄して除去した。分析により、酸で洗浄し た供給原料の塩基性窒素含量は、分析検出限界の5ppm未満であった。この酸洗 浄供給原料を、合成供給原料について実施例VIIで説明した手順にしたがって 、圧力54atm、温度204℃及び空間速度1LHSVにおいて、10cm3の触媒B( 多孔質珪藻土上の固体燐酸触媒)と接触させた。接触は、触媒の同じバッチを用 いて連続して行った。高沸点材料へのチオフェン及びメチルチオフェンの 転化率は、図6に、時間の関数として示してある。次に、この実験を、実施例X Vの未処理供給原料を用いて繰り返した。高沸点材料へのチオフェン及びメチル チオフェンの転化率は、図6に示してある。図6の結果は、酸洗浄供給原料を用 いると、チオフェン及びメチルチオフェンの転化率が実質的に55日にわたって 変化しなかったことを示している。対照的に、未処理供給原料を用いると、チオ フェン及びメチルチオフェンの転化率が13日にわたって約85%から約25% まで低下した。これらの結果から、未処理供給原料を用いると、触媒の比較的迅 速な失活が起こることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 29/70 B01J 29/70 M 31/10 31/10 M C10G 7/00 C10G 7/00 29/20 29/20 55/06 55/06 // B01J 8/04 301 B01J 8/04 301 (72)発明者 アレグザンダー,ブルース・ディー アメリカ合衆国イリノイ州60148,ランバ ード,イースト・サンセット・アベニュー 156 (72)発明者 ランデール,ダグラス・エヌ アメリカ合衆国イリノイ州60137,グレ ン・エリン,コテージ・アベニュー 311 (72)発明者 リーガン,ウィリアム・ジェイ アメリカ合衆国イリノイ州60540,ネイパ ーヴィル,アポマトックス・サークル 886 (72)発明者 ユー,ジン・エス アメリカ合衆国イリノイ州60422,フロス ムーア,マスト・コート 2315

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.液体供給原料から低減硫黄含量生成物を製造する方法であって、該供給原 料が約345℃未満で沸騰し且つ少量の有機硫黄化合物を含む炭化水素混合物を 含み、該方法が以下の工程:すなわち、 (a)該供給原料が、モル基準で、有機硫黄化合物の量と少なくとも等しい 量のアルキル化剤を含むように該供給原料の組成を調整する工程、ここで、該ア ルキル化剤はアルコール及びオレフィンから成る群より選択される少なくとも1 種類の材料を含む; (b)該混合物を、酸性固体触媒の少なくとも1つの固定床を含む蒸留塔反 応器へ送る工程; (c)該供給原料中にある硫黄含有不純物の少なくとも一部分を、より高沸 点の硫黄含有材料へと転化させるのに効果的な条件下で、該供給原料を該触媒と 接触させる工程; (d)該接触によって生じた生成物を、該蒸留塔反応器において分別する工 程; (e)該蒸留塔反応器からの高沸点留分中に存在するより高沸点の硫黄含有 材料の少なくとも一部分を回収する工程;及び (f)該高沸点留分の沸点に比べて低い沸点と、該供給原料の硫黄含量に比 べて減少した硫黄含量とを有する、該蒸留塔反応器からの留分を回収する工程を 含む前記方法。 2.該酸性固体触媒が蒸留塔反応器における充填材であり、該分別の少なくと も一部分を該充填材内で行う請求項1記載の方法。 3.該酸性固体触媒を、該蒸留塔反応器中にある複数の接触ゾーン内に配置す る請求項1記載の方法。 4.該酸性固体触媒の少なくとも一部分を、該蒸留塔反応器中において1つの ゾーンから別のゾーンへの液体流の経路を提供する少なくとも1つの導管内に配 置する請求項1記載の方法。 5.複数の該導管を用いる請求項4記載の方法。 6.該液体供給原料を、該蒸留塔反応器に送る前に、酸性材料で処理して、塩 基性不純物を除去する請求項1記載の方法。 7.該供給原料が、約230℃未満で沸騰する請求項1記載の方法。 8.該供給原料を、約50℃〜約350℃の温度で触媒と接触させる請求項1 記載の方法。 9.以下の工程:すなわち、 (a)硫黄含有不純物を含む炭化水素供給原料を接触分解して、硫黄含有不 純物を含む揮発性接触分解生成物を製造する工程; (b)該揮発性接触分解生成物の少なくとも一部分を含む第二供給原料を調 製する工程、ここで、該第二供給原料は: (i)不純物として有機硫黄化合物、及び (ii)オレフィンを少なくとも1重量% 含む; (c)該第二供給原料を、酸性固体触媒の少なくとも1つの固定床を含む蒸 留塔反応器へ送る工程; (d)該第二供給原料中にある硫黄含有不純物の少なくとも一部分を、より 高沸点の硫黄含有材料へと転化させるのに効果的な条件下で、該第二供給原料を 該触媒と接触させる工程; (e)該接触によって生じた生成物を、該蒸留塔反応器において分別する工 程; (f)該蒸留塔反応器からの高沸点留分中に存在するより高沸点の硫黄含有 材料の少なくとも一部分を回収する工程;及び (g)該高沸点留分の沸点に比べて低い沸点と、該第二供給原料の硫黄含量 に比べて減少した硫黄含量とを有する、該蒸留塔反応器からの留分を回収する工 程 を含む方法。 10.該酸性固体触媒が該蒸留塔反応器における充填材であり、該分別の少な くとも一部分を該充填材内で行う請求項9記載の方法。 11.該酸性固体触媒を、該蒸留塔反応器中にある複数の接触ゾーン内に配置 する請求項9記載の方法。 12.該酸性固体触媒の少なくとも一部分を、該蒸留塔反応器中において1つ のゾーンから別のゾーンへの液体流の経路を提供する少なくとも1つの導管内に 配置する請求項9記載の方法。 13.複数の該導管を用いる請求項12記載の方法。 14.該第二供給原料を、該蒸留塔反応器に送る前に、酸性材料で処理して、 塩基性不純物を除去する請求項9記載の方法。 15.該酸性材料が、固体粒状分解触媒である請求項14記載の方法。 16.該第二供給原料が、約230℃未満で沸騰する請求項9記載の方法。 17.該第二供給原料が、約345℃未満で沸騰する請求項9記載の方法。 18.該第二供給原料を、約50℃〜約350℃の温度で触媒と接触させる請 求項9記載の方法。
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