JP2002524608A - 硫黄除去プロセス - Google Patents

硫黄除去プロセス

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Abstract

(57)【要約】 不都合な不純物として硫黄含有芳香族化合物を含み、炭化水素類の混合物から構成される供給原料から硫黄含有量の少ない生成物を製造する。本プロセスは、供給原料を分別蒸留によって揮発性の高い硫黄含有芳香族不純物を含むより低沸点の画分と、揮発性の低い硫黄含有芳香族不純物を含む少なくとも1つのより高沸点の画分とに分離することを含む。次いでそれぞれの画分を、酸性触媒の存在下、アルキル化剤によるアルキル化によって硫黄含有芳香族不純物の含有量の少なくとも一部をより高沸点の硫黄含有生成物に転換するのに効果的な反応条件に別々にかける。より高沸点の硫黄含有生成物を分別蒸留により除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の属する技術分野 本発明は、供給原料が炭化水素類の混合物から構成され、不都合な不純物とし
て硫黄含有芳香族化合物(例えば、チオフェン性化合物及びベンゾチオフェン性
化合物)を含む供給原料から硫黄含有量の低い生成物を製造するプロセスに関す
る。特に本発明は、供給原料を異なる沸点の画分に分離し、それぞれの画分の硫
黄含有芳香族不純物の少なくとも一部をアルキル化によってより高沸点の生成物
に転換し、次いで分別蒸留によりこれらのより高沸点の生成物を除去することを
含む。
【0002】 発明の背景 流動接触分解プロセス(fluidized catalytic cracking process)は、石油を所
望の燃料(例えば、ガソリン及びディーゼル燃料)に転換するのに常用される主た
る精製プロセスのひとつである。このプロセスでは、高分子量炭化水素供給原料
を流動状態または分散状態で熱微粉砕固体触媒粒子と接触させて低分子量生成物
に転換する。好適な炭化水素供給原料を通常約205℃〜約650℃の範囲で沸騰させ
、約450℃〜約650℃の範囲の温度で触媒と接触させる。好適な供給原料としては
、種々の鉱物油画分[例えば、軽質ガス油、重質ガス油、ワイドカットガス油(wi
de-cut gas oil)、真空ガス油、灯油類、デカント油(decanted oil)、残渣画分
、還元原油及びこれらの任意のものから誘導されるサイクル油(cycle oil)]並び
に、シェール油、オイルサンド(tar sand)処理、及び石炭液化から誘導された画
分が挙げられる。流動接触分解プロセスからの生成物は、通常沸点をベースとし
、軽質ナフサ(約10℃〜約221℃の間で沸騰)、重質ナフサ(約10℃〜約249℃の間
で沸騰)、灯油(約180℃〜約300℃の間で沸騰)、軽質サイクル油(約221℃〜約345
℃の間で沸騰)、及び重質サイクル油(約345℃を超える温度で沸騰)が挙げられる
【0003】 流動接触分解プロセスは合衆国においてガソリン・プールの重要な役割を提供
するだけでなく、このプールで出現する硫黄の大部分も提供する。このプロセス
からの液体生成物中の硫黄は有機硫黄化合物の状態であり、これらの生成物を燃
料として使用する際に硫黄酸化物に転換する不都合な不純物である。これらの硫
黄酸化物は不快な大気汚染物質である。さらに、これらの硫黄酸化物は、有害な
エンジン燃焼放出物をより不快でないガスに転換するのを触媒するために自動車
で用いられる触媒コンバーター用に開発された多くの触媒を失活させてしまう。
従って、接触分解生成物の硫黄含有量をできるだけ低いレベルに減らすことが望
ましい。
【0004】 単に原油を蒸留することによって製造する直留ガソリン中の硫黄含有不純物は
、通常、分解ガソリン中に存在するものとは大きく異なる。直留ガソリン中の硫
黄含有不純物は主としてメルカプタン類及び硫化物を含むのに対し、分解ガソリ
ン中に存在する硫黄含有不純物はチオフェン、ベンゾチオフェンと、チオフェン
及びベンゾチオフェンの誘導体が多い。
【0005】 低硫黄生成物(low sulfur product)は、プロセスの供給原料またはプロセスの
生成物のいずれかを水素化処理する接触分解プロセスから慣用的に得られる。水
素化処理プロセスは触媒の存在下での水素による処理を包含し硫黄含有不純物中
の硫黄を硫化水素に転換し、これを分離して元素硫黄に転換することができる。
あいにく、このタイプの処理には酸素供給源、高圧プロセス装置、高価な水素化
処理触媒、及び得られた硫化水素を元素硫黄に転換するための硫黄回収プラント
が必要なため、通常、非常に高価である。さらに、水素化処理プロセスは、水素
化によってこれらを飽和炭化水素に転換することにより供給原料中のオレフィン
類を分解してしまうので都合が悪い。水素化処理によるオレフィン類の分解は高
価な水素を消費し、オレフィン類はガソリンのハイオクタン成分と同様に貴重な
ので、水素化処理によるオレフィン類の分解は通常望ましくない。例えば、接触
分解プロセス由来のガソリン沸点範囲のナフサは、オレフィン含有量が高いため
比較的オクタン価が高い。このような原料を水素化処理すると所望の脱硫に加え
てオレフィン含有量が減少し、脱硫の程度が増加するに連れて水素化処理生成物
のオクタン価が低下してしまう。
【0006】 米国特許第2,448,211号(Caesarら)は、触媒(例えば、活性天然クレーまたはシ
リカの合成吸着コンポジット)及び少なくとも1種の両性金属酸化物の存在下、
約140℃〜約400℃の温度でオレフィン性炭化水素類との反応によりチオフェン及
びその誘導体をアルキル化することができると開示する。好適な活性天然クレー
触媒としては、その上に塩化亜鉛またはリン酸が沈澱したクレー触媒が挙げられ
る。好適なシリカ-両性金属酸化物触媒としては、シリカと物質(例えば、アルミ
ナ、ジルコニア、セリア、及びトリア)との組合せが挙げられる。米国特許第2,4
69,823号(Hansfordら)は、三フッ化硼素を使用してチオフェン及びアルキルチオ
フェン類をアルキル化剤(例えば、オレフィン性炭化水素類、ハロゲン化アルキ
ル、アルコール及びメルカプタン)でアルキル化するのを触媒することができる
と示唆する。さらに、米国特許第2,921,081号(Zimmerschiedら)は、二酸化ジル
コニウム及びジルコニウムのハロゲン化物からなる群から選択されるジルコニウ
ム化合物と、オルトリン酸、ピロリン酸、及びトリリン酸からなる群から選択さ
れる酸とを混合することにより酸性固体触媒を製造することができると開示する
。Zimmerschiedらの特許は、そのような触媒の存在下、227℃の温度でチオフェ
ンをプロピレンでアルキル化することができるとも示唆する。
【0007】 米国特許第2,563,087号(Vesely)は、チオフェンを選択的にアルキル化し、次
いで得られたチオフェンアルキレートを蒸留分離することにより、芳香族炭化水
素類からチオフェンを除去することができると開示する。選択的アルキル化は、
チオフェン-汚染芳香族炭化水素とアルキル化剤とを混合し、次いで約−20℃〜
約85℃の慎重に制御した温度で該混合物をアルキル化触媒と接触させることによ
り実施する。好適なアルキル化剤としては、オレフィン類、メルカプタン類、鉱
酸エステル類、及びアルコキシ化合物(例えば、脂肪アルコール類、エーテル類
及びカルボン酸のエステル類)が挙げられている。好適なアルキル化触媒として
は、以下の(1)無水形で使用するのが好ましいフリーデル-クラフツハロゲン化金
属;(2)リン酸、好ましくはピロリン酸、またはそのような物質と硫酸との混合
物(硫酸対リン酸の容積比は約4:1未満である);及び(3)リン酸(オルトリン酸ま
たはピロリン酸)と、約400℃〜約500℃の温度でカ焼して、固体リン酸触媒と通
常称されるシリコ-リン酸結合物(silico-phosphoric acid combination)を形成
した珪酸を含む吸着材(例えば、珪藻土または珪酸を含むクレー)との混合物が挙
げられる。
【0008】 米国特許第5,171,916号(Leら)は、(1)結晶質メタロシリケート触媒を使用して
少なくとも1個のオレフィン性二重結合を有する脂肪族炭化水素でサイクル油の
ヘテロ原子含有芳香族成分をアルキル化し;次いで(2)分別蒸留によって高沸点
アルキル化生成物を分離する、ことによる軽質サイクル油の品質向上プロセスに
関する。未転換軽質サイクル油は硫黄及び窒素含有量が少なく、高沸点アルキル
化生成物は合成アルキル化芳香族官能性流体ベースストック(base stock)として
有用であることが開示されている。
【0009】 米国特許第5,599,441号(Collinsら)は、(1)アルキル化領域でナフサと酸触媒
とを接触させてアルキル化剤としてナフサ中に存在するオレフィン類を使用して
チオフェン性化合物をアルキル化し;(2)アルキル化領域から廃液流を取り出し
;次いで(3)分別蒸留によりアルキル化領域廃液流からアルキル化チオフェン性
化合物を分離する、ことにより分解ナフサからチオフェン性硫黄化合物を除去す
るプロセスを開示する。該特許は、さらにオレフィン類を分解ナフサに添加して
プロセス用の追加のアルキル化剤を得ることも開示する。
【0010】 発明の概要 約10℃〜約345℃の広範囲の温度または狭い範囲の温度で沸騰する炭化水素液
体を本明細書中、「炭化水素蒸留液(distillate hydrocarbon liquid)」と呼ぶ
。そのような流体は石油精製並びに、石炭液化及び油頁岩またはオイル・サンド
処理由来の生成物の精製に含まれることが多く、これらの液体は通常、炭化水素
類の複合混合物から構成される。例えば、軽質ナフサ、重質ナフサ、ガソリン、
灯油及び軽質サイクル油は全て炭化水素蒸留液である。
【0011】 精油所の炭化水素蒸留液には不都合な硫黄含有不純物が含まれることが多く、
これらは少なくとも部分的に除去しなければならない。水素化処理方法は効果的
であり、炭化水素蒸留液由来の硫黄含有不純物を除去するのに通常使用される。
あいにく、水素化処理は高価なプロセスであり、高オレフィン性炭化水素蒸留液
で使用するのには通常十分ではない。従って、炭化水素蒸留液から硫黄含有不純
物を効果的に除去するための安価な方法が必要である。高オレフィン性であり、
不都合な不純物としてチオフェン性化合物及びベンゾチオフェン性化合物のいず
れをも含有する、流動床接触分解プロセス由来の生成物などの炭化水素蒸留液か
ら硫黄含有不純物を除去するのに使用できるプロセスも必要である。
【0012】 有機硫黄化合物は、(1)アルキル化により硫黄化合物をより高沸点の生成物に
転換し;次いで(2)分別蒸留によりかかるより高沸点の生成物を除去する、こと
により炭化水素蒸留液から除去することができる。この種の硫黄除去プロセスを
、本明細書中、「アルキル化/分別脱硫プロセス」と呼ぶ。かかるプロセスは非
常に有効であるが、他のものよりも幾つかの供給原料について都合がよい。例え
ば、多量の芳香族炭化水素類(例えば、接触分解プロセス由来のナフサ)を含有す
る供給原料に適用する場合、ナフサ中の芳香族炭化水素のアルキル化は硫黄含有
不純物の所望のアルキル化と競合する反応である。アルキル化芳香族炭化水素生
成物のかなりの部分が都合の悪いことに高沸点であり、高沸点アルキル化硫黄含
有不純物と一緒にプロセスにより除去されるため、芳香族炭化水素類のこの競合
アルキル化は通常望ましくない。幸い、多くの典型的な硫黄含有不純物は芳香族
炭化水素類よりもより迅速にアルキル化される。従って、硫黄含有不純物は限ら
れてはいるが選択的にアルキル化することができる。しかしながら、芳香族炭化
水素類の競合アルキル化のため、かなりの量の芳香族炭化水素類を同時且つ不都
合に取り除くことなく、硫黄含有不純物を実質的に完全除去することは本質的に
不可能である。
【0013】 アルキル化/分別脱硫プロセスの実施においてアルキル化剤としてオレフィン
またはオレフィン類の混合物を使用する場合、硫黄含有不純物の所望のアルキル
化と共に不都合な副反応としてオレフィン重合も競合する。副反応のため、オレ
フィン性アルキル化剤をポリマー副生成物に殆ど転換させずに硫黄含有不純物を
アルキル化生成物に高転換率で転換することは実行できないことが多い。ガソリ
ン沸点範囲のオレフィン性ナフサを脱硫し、得られた生成物をガソリンブレンド
用原料として使用する場合、このようなオレフィン類を失うことは非常に都合が
悪い。この例では、ハイオクタンであり、ガソリン沸点範囲にあるC6〜C10オレ
フィン類を過酷なアルキル化条件下で高沸点ポリマー副生成物に転換し、それか
らガソリン成分として取り除く。
【0014】 本出願人は、分別蒸留により少なくとも2つの画分に供給原料を分け、次いで
それぞれの画分を、酸性触媒の存在下、アルキル化剤とのアルキル化によりその
硫黄含有芳香族不純物の少なくとも一部をより高沸点の硫黄含有生成物に転換す
るのに有効な反応条件にかけることにより、アルキル化/分別脱硫プロセスによ
る硫黄含有芳香族不純物の除去に暴露される供給原料由来の芳香族炭化水素の損
失を最小化し得ることを知見した。それからより高沸点の硫黄含有生成物を分別
蒸留により取り除く。本出願人は、不都合な副反応への転換によるC6〜C10オレ
フィン類の損失はこの種のプロセスを使用することによって最小化し得ることも
知見した。特に、本出願人は、揮発性の高い硫黄含有芳香族不純物は通常揮発性
の低い硫黄含有芳香族不純物よりもアルキル化され易いことを知見した。従って
、沸点をベースとして供給原料をより低沸点の画分と少なくともひとつのより高
沸点の画分とに分別し、画分中の芳香族炭化水素が実質的に影響を受けない十分
に温和なアルキル化条件にこのより低沸点の画分をかけることにより該より低沸
点の画分中のより反応性で揮発性の硫黄含有芳香族不純物をアルキル化すること
ができる。より高沸点の画分中の揮発性が低く、反応性が低いことが多い硫黄含
有芳香族不純物は、このより高沸点の画分をより過酷なアルキル化条件にかける
ことによりアルキル化することができる。次いで、得られたより高沸点の硫黄含
有生成物を分別蒸留により除去する。
【0015】 本発明の一態様は、供給原料から硫黄含有量の低い生成物を製造するプロセス
であって、前記供給原料はオレフィン類を含有する炭化水素類の混合物から構成
され、前記供給原料は不純物として硫黄含有芳香族化合物を含み;前記プロセス
は、 (a)供給原料を分別して、 (i)前記不純物の一部を含み、約5〜約25重量%のオレフィン含有量を有し、約135
℃〜約221℃の範囲の蒸留終点(distillation endpoint)を有する第1の供給原料
画分;及び (ii)第1の供給原料画分よりも沸点が高く、前記不純物の一部を含む第2の供給
原料画分; を製造し; (b)第1の接触段階では、前記不純物のその含有量の少なくとも一部をオレフィ
ン類のアルキル化によってより高沸点の硫黄含有物質に転換するのに有効な条件
下で前記第1の供給原料画分と酸性触媒とを接触させ; (c)前記第2の供給原料画分と、アルコール類及びオレフィン類からなる群から
選択される少なくとも1種の物質から構成され、第2の供給原料画分中に存在す
る任意のオレフィン類に加えて配合する二次アルキル化剤とを混合することによ
り二次プロセス流を製造し; (d)第2の接触段階では、前記不純物のその含有量の少なくとも一部をアルキル
化によってより高沸点の硫黄含有物質に転換するのに有効な条件下で二次プロセ
ス流と酸性触媒とを接触させ;次いで (e)前記第1及び第2の接触段階の生成物を分別蒸留してより高沸点の硫黄含有
物質を除去する ことを含む。
【0016】 本発明の別の態様は、供給原料から硫黄含有量の低い生成物を製造するプロセ
スであって、前記供給原料はオレフィン類を含有する炭化水素類の混合物から構
成され、前記供給原料は不純物としてチオフェン性化合物及びベンゾチオフェン
性化合物を含み;前記プロセスは、 (a)供給原料を分別して、 (i)不純物としてチオフェン性化合物を含み、約5〜約25重量%のオレフィン含有
量を有し、かなりの量のベンゾチオフェン性化合物を蒸留するよりも低い蒸留終
点を有する第1の供給原料画分;及び (ii)第1の供給原料画分よりも沸点が高く、不純物としてベンゾチオフェン性化
合物を含む第2の供給原料画分; を製造し; (b)第1の接触段階では、そのチオフェン性不純物の少なくとも一部をオレフィ
ン類のアルキル化によってより高沸点の硫黄含有物質に転換するのに有効な条件
下で前記第1の供給原料画分と酸性触媒とを接触させ; (c)前記第2の供給原料画分と、アルコール類及びオレフィン類からなる群から
選択される少なくとも1種の物質から構成され、第2の供給原料画分中に存在す
る任意のオレフィン類に加えて配合する二次アルキル化剤とを混合することによ
り二次プロセス流を製造し; (d)第2の接触段階では、そのベンゾチオフェン性不純物の少なくとも一部をア
ルキル化によってより高沸点の硫黄含有物質に転換するのに有効な条件下で二次
プロセス流と酸性触媒とを接触させ;次いで (e)前記第1及び第2の接触段階の生成物を分別蒸留してより高沸点の硫黄含有
物質を除去する ことを含む。
【0017】 本発明の目的は、副生成物の形成を最小化する改良アルキル化/分別脱硫プロ
セスを提供することである。
【0018】 本発明の目的は、オレフィン性アルキル化剤の重合由来の不都合なオリゴマー
類及びポリマー類の形成を最小化する改良アルキル化/分別脱硫プロセスを提供
することである。
【0019】 本発明の目的は、揮発性芳香族炭化水素類を顕著に損失することなく該炭化水
素類を含む供給原料に適用し得る改良アルキル化/分別脱硫プロセスを提供する
ことである。
【0020】 本発明の別の目的は、オレフィン性分解ナフサ由来のチオフェン性不純物及び
ベンゾチオフェン性不純物を効率的に除去する改良法であって、ナフサのオクタ
ンを顕著に減らさない該方法を提供することである。
【0021】 本発明のさらに別の目的は、炭化水素供給原料由来のチオフェン性不純物及び
ベンゾチオフェン性不純物を効率的に除去するための安価な方法を提供すること
である。
【0022】 発明の詳細な説明 本出願人は、炭化水素類の混合物から構成され、不都合な不純物としてチオフ
ェン性化合物及びベンゾチオフェン性化合物などの硫黄含有芳香族化合物を含む
供給原料から硫黄含有量の低い生成物を製造するプロセスを知見した。本発明は
、供給原料を揮発性の異なる画分に分け、酸性触媒の存在下、アルキル化剤との
アルキル化により各画分を別々にその硫黄含有芳香族不純物の少なくとも一部を
より高沸点の硫黄含有生成物に転換するのに有効な反応条件にかけることを含む
。即ち、本発明の実施において硫黄含有芳香族のアルキル化は、揮発性の異なる
供給原料画分を平行処理することにより実施する。それぞれの供給原料画分を別
々の段階でアルキル化するという了解のもとで、便宜上、これを本明細書では多
段アルキル化プロセスを呼ぶことがある。次いでより高沸点の硫黄含有生成物を
分別蒸留により除去する。
【0023】 本明細書中、「硫黄含有芳香族化合物」及び「硫黄含有芳香族不純物」なる用
語は、その芳香族環系に少なくとも1個の硫黄原子を含有する任意の芳香族有機
化合物を指す。かかる物質としては、チオフェン性化合物及びベンゾチオフェン
性化合物が挙げられ、かかる物質の例としては、チオフェン、2-メチルチオフェ
ン、3-メチルチオフェン、2,3-ジメチルチオフェン、2,5-ジメチルチオフェン、
2-エチルチオフェン、3-エチルチオフェン、ベンゾチオフェン、2-メチルベンゾ
チオフェン、2,3-ジメチルベンゾチオフェン、及び3-エチルベンゾチオフェンが
挙げられる。
【0024】 本発明の実施において、供給原料は沸点をベースとして分別し、(1)揮発性で
通常反応性の高い硫黄含有芳香族不純物から構成されるより低沸点の画分と;(2
)揮発性が低く、通常反応性の低い硫黄含有芳香族不純物を含む少なくとも1種
のより高沸点の画分とが得られる。より揮発性で反応性の不純物を分別蒸留によ
り分離できるより高沸点の硫黄含有生成物に転換するのに有効なアルキル化条件
に、このより低沸点の画分を暴露する。これらのより揮発性の不純物としては、
通常、チオフェン及び種々の低分子量アルキル-置換チオフェン類が挙げられる
。アルキル化条件は、これらが芳香族炭化水素類の顕著なアルキル化や不都合な
オレフィン重合を引き起こさずに揮発性硫黄含有不純物の実質的なアルキル化を
実施するのに十分に温和であるように選択することができる。多置換チオフェン
類、ベンゾチオフェン及び置換ベンゾチオフェン類を通常含む、単数または複数
種類のより高沸点の画分中の低揮発性硫黄含有不純物を、分別蒸留により容易に
分離できるより高沸点の硫黄含有生成物にその少なくとも一部を転換するのに有
効なアルキル化条件に暴露する。
【0025】 本発明の段階的なアルキル化は、1つの段階で揮発性のより高い硫黄含有芳香
族不純物を選択的にアルキル化することにより実施し、揮発性のより低い硫黄含
有芳香族不純物は少なくとも1つの追加の段階でアルキル化する。好ましい態様
では、硫黄含有不純物のアルキル化を2つの段階で実施する。本明細書中、より
揮発性の高い不純物に関して使用するアルキル化段階を第1の段階、即ち第一次
段階と呼び、単数または複数の追加のアルキル化段階を第2の段階、即ち第二次
段階と呼ぶ。
【0026】 本発明の第1段階で使用するための低沸点供給原料画分の蒸留終点は、相当量
のベンゾチオフェンを蒸留する温度より低いように選択するのが望ましい。ベン
ゾチオフェンの沸点は221℃であるため、通常この低沸点画分の蒸留終点は約221
℃未満であるように選択する。しかしながら、本出願人は、ベンゾチオフェンは
不純物として通常存在する炭化水素蒸留液の幾つかの成分と低沸点共沸混合物を
形成し得ることを知見した。そのような共沸混合物が形成するため、本発明で使
用する低沸点供給原料画分の蒸留終点は約199℃未満であるのが好ましく、約190
℃未満であるのがより好ましい。ベンゾチオフェン性化合物や、アルキル化する
のが通常難しい特定の2,5-ジアルキルチオフェン類などの数種の多置換チオフェ
ン類を取り除くのに役立つため、低沸点画分に望ましい蒸留終点は約135℃〜約2
21℃の範囲である。低沸点供給原料画分の非常に望ましい蒸留終点は、約150℃
〜約190℃の範囲であろう。
【0027】 本発明の単数または複数の第二次段階で処理する単数または複数種類のより高
沸点の供給原料は、約345℃未満、好ましくは約249℃未満の蒸留終点であるのが
望ましい。例えば、低硫黄生成物をガソリンブレンド用原料として使用するのが
望ましい場合、供給原料は接触分解プロセス由来のナフサであり得、本発明の第
一次段階で処理する低沸点供給原料画分は約150℃〜約190℃の範囲の蒸留終点を
有し得、単数または複数の第二次段階で処理する高沸点供給原料画分は約221℃
の蒸留終点を有し得る。
【0028】 本発明の実施において、硫黄含有芳香族不純物のより高沸点の生成物への転換
の主なメカニズムは、これらの不純物のアルキル化剤によるアルキル化を含む。
例えば、チオフェンなどの硫黄含有芳香族化合物の単純アルキル化によりアルキ
ル-置換チオフェンが得られる。このタイプの反応は、アルキル化剤としてプロ
ペンを使用するチオフェンの2-イソプロピルチオフェンへの転換を示す以下の等
式に説明されている。
【0029】
【化1】
【0030】 むろん、チオフェンのモノアルキル化は硫黄原子に対してαまたはβのいずれか
で起きるが、ポリアルキル化も起きるものと考えられる。アルキル化プロセスに
より硫黄含有出発物質の水素原子をアルキル基と置換し、出発物質の分子量を対
応する分だけ増加させる。かかるアルキル化生成物の高分子量は、出発物質に対
し沸点をより高くするように影響する。
【0031】 本出願人は、揮発性の高い硫黄含有芳香族不純物の多くは、接触分解プロセス
由来のオレフィン性ナフサなどの在来型の精製所プロセス流で知見される揮発性
の低い硫黄含有芳香族不純物の多くと比較して、アルキル化基質としてずっと反
応性であることを知見した。実施例VIに記載するように、本出願人は、固体リン
酸触媒上204℃で1-ヘプテンによる酸触媒化アルキル化に対する相対的反応性が
以下の如く:チオフェン(84℃)>2-メチルチオフェン(113℃)>>ベンゾチオフ
ェン(221℃)>2,5-ジメチルチオフェン(137℃)>トルエン(111℃)>ベンゼン(80
℃)(但し、それぞれの化合物の沸点は丸括弧内に示す)であることを知見した。
チオフェン性化合物のアルキル化は、硫黄に対して直近のチオフェン環位置のひ
とつ(位置2及び5と識別される)で優先的に起きると考えられる。従って、2位置
も5位置も置換されている2,5-ジメチルチオフェンのようなチオフェンは、これ
らの位置の少なくとも一カ所が置換されてないチオフェン類よりも反応性が低い
ものと予測される。しかしながら、2位置または5位置のいずれかが非置換の殆ど
のチオフェン性化合物は、ベンゾチオフェンまたはアルキル-置換ベンゾチオフ
ェン類よりもずっと反応性であると考えられる。従って、本発明の実施における
供給原料画分の段階的なアルキル化は、揮発性の高い硫黄含有芳香族化合物は典
型的により高い反応性であることをうまく利用する。
【0032】 本発明の種々のアルキル化段階でのアルキル化条件は、硫黄含有芳香族不純物
の所望のアルキル化を実施し、芳香族炭化水素類のアルキル化及びオレフィン重
合などの不都合な副反応を最小化するために最適化することができる。非常に好
ましい態様では、この最適化では第一次アルキル化段階での温和なアルキル化と
第二次アルキル化段階でのより強いアルキル化を使用する。アルキル化プロセス
の過酷さ(severity)を制御するために調節し得るパラメーターとしては、温度、
触媒の選択、アルキル化剤のタイプ、及びアルキル化剤の濃度が挙げられるが、
これらに限定されない。
【0033】 例えば、第二次段階での高温に対し第1段階で低温を使用することにより、第
二次段階よりも第一次アルキル化段階で温和なアルキル化条件を実施することが
できる。さらに、第二次アルキル化段階でのアルキル化条件の過酷さを強める非
常に望ましい方法としては、低分子量アルキル化剤を添加することがある。例え
ば、3〜5個の炭素原子を含有するオレフィン類は、添加するアルキル化剤として
使用するのに非常に好ましい。そのような低分子量オレフィンは重合を受けるが
、その重合により生成する副生成物の大部分はガソリン沸点範囲である揮発性オ
リゴマーを含むであろう。即ち、生成物がガソリンブレンド用原料を目的とする
ものである場合、これらのオリゴマーは生成物の所望のハイオクタン成分であり
、これは高沸点硫黄含有アルキル化生成物を分別蒸留により除去する際でも失わ
れないであろう。本発明のこの態様において、第二次段階のアルキル化条件に暴
露されるプロセス流は、3〜5個の炭素原子のオレフィン類からなる群から選択さ
れる少なくとも1種の物質から構成される添加アルキル化剤約1〜約50容積%、好
ましくは約10〜約50容積%を含むのが望ましい。
【0034】 第一次アルキル化段階は揮発性が高く、通常反応性の高い硫黄含有芳香族不純
物をより高沸点の硫黄含有生成物に転換するためのものであるので、この段階で
温和なアルキル化条件を使用することは可能である。これらの温和な反応条件に
より、芳香族炭化水素のアルキル化及びオレフィン重合などの副反応は最小化す
る。従って、供給流中の揮発性芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン
、キシレン、エチルベンゼン及びクメン)はこの第一次段階では殆ど転換しない
。さらに、重合しても、貴重なオレフィン類は比較的殆ど失われない。
【0035】 揮発性芳香族炭化水素類は、本発明の単数または複数の第二次アルキル化段階
のアルキル化条件に暴露される供給原料画分から実質的に除去される。これらの
物質が存在しないため、単数または複数の第二次アルキル化段階に好ましいより
強力なアルキル化段階に暴露されることはない。
【0036】 アルキル化段階からのより高沸点の硫黄含有生成物は、任意の所望の方法によ
り除去することができる。例えば、それぞれのアルキル化段階からの生成物を別
々に分別してその段階で形成したより高沸点の硫黄含有生成物を除去する。或い
は、種々の段階の生成物を混合して、得られた混合物を分別蒸留してひとつの分
別段階でより高沸点の硫黄含有生成物を除去することができる。好ましい態様と
しては、以下の:(1)第1のアルキル化段階からの生成物を硫黄含有量の少ない
より低沸点の第1の生成物画分と、より高沸点の画分とに分離し;(2)前記より
高沸点の画分を第二次段階で処理すべき供給原料画分と混合し、任意の補充のア
ルキル化剤と混合した、得られた混合物を前記第二次段階への供給流として使用
し;次いで(3)第二次アルキル化段階からの生成物をより低沸点の第2の生成物
画分と、より高沸点の硫黄含有生成物を含むより高沸点の画分とに分離する、各
段階を含む。
【0037】 本発明の実施で使用するのに好適なアルキル化剤としては、オレフィン類及び
アルコール類のいずれもが挙げられ、これらのアルキル化剤は3〜約20個の炭素
原子を含むのが好ましい。しかしながら、オレフィン類はアルコール類よりも通
常反応性が高く、より温和な反応条件下で主プロセスで使用することができるた
め、オレフィン類が通常好ましい。エチレン、メタノール及びエタノール等の物
質は、これらの反応性が比較的低いため、本発明の実施でアルキル化剤として大
抵の他のオレフィン類及びアルコール類よりも有用でない。
【0038】 アルキル化剤として使用するのに好適なオレフィン類としては、環式オレフィ
ン類、置換された環式オレフィン類、及び式I(式中、R1はヒドロカルビル基であ
り、R2はそれぞれ独立して、水素及びヒドロカルビル基からなる群から選択され
る)のオレフィン類が挙げられる。好ましくはR1はアルキル基であり、R2はそれ
ぞれ独立して水素及びアルキル基からなる群から選択される。
【0039】
【化2】
【0040】 好適な環式オレフィン類及び置換された環式オレフィン類の例としては、シクロ
ペンテン、1-メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、1-メチルシクロヘキセン
、3-メチルシクロヘキセン、4-メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロ
オクテン、及び4-メチルシクロオクテンが挙げられる。式Iのタイプの好適なオ
レフィン類の例としては、プロペン、2-メチルプロペン、1-ブテン、2-ブテン、
2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、2,3-ジメチル-1-
ブテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-2-ブテン、2-エチル-1-ブテン
、2-エチル-3-メチル-1-ブテン、2,3,3-トリメチル-1-ブテン、1-ペンテン、2-
ペンテン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン
、2,4-ジメチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、1,3-ヘキ
サジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2,4-ヘキサジエン、1-ヘプテ
ン、2-ヘプテン、3-ヘプテン、1-オクテン、2-オクテン、3-オクテン、及び4-オ
クテンが挙げられる。本出願人は、低分子量オレフィン類は、チオフェン性化合
物及びベンゾチオフェン性化合物のアルキル化で使用するのに対し反応性の高い
アルキル化剤である傾向があることを知見した。例えば、約10℃〜約249℃の沸
騰範囲を有する接触分解プロセス由来の重質ナフサにアルキル化/分別脱硫プロ
セスを適用する場合、本出願人は、ナフサの成分として存在するオレフィン類、
低分子量C5及びC6オレフィン類が高分子量C7+オレフィン類よりも反応性である
ことを知見した。本出願人は、3〜5個の炭素原子を含むオレフィン類は、本発明
の単数または複数の第二次段階でアルキル化剤として使用するのに非常に満足で
きるものであることも知見した。これら3〜5個の炭素原子のオレフィン類はアル
キル化剤として非常に反応性であるだけでなく、重合副生成物も与えるが、これ
らは高分子量オレフィン類によってできる副生成物よりも通常それほど不都合で
はない。上述の如く、3〜5個の炭素原子のオレフィン類の重合によりできた副生
成物は、少なくとも一部は6〜10個の炭素原子を含み、ガソリン沸点範囲である
揮発性の二量体及び三量体を含む。従って、生成物をガソリンブレンド用原料と
して使用する場合には、これらの揮発性オリゴマーは生成物の望ましいハイオク
タン成分であり、十分に沸点が低いので高沸点硫黄含有アルキル化生成物を分別
により除去する際に失われない。
【0041】 本発明の第一次アルキル化段階でアルキル化剤として使用するのに好ましいオ
レフィン類としては、約7〜約15個の炭素原子を含むオレフィン類が挙げられる
。上述の如く、これらのオレフィン類は3〜6個の炭素原子を含む低分子量オレフ
ィン類よりも幾分反応性が低いという傾向がある。従って、これらは第1のアル
キル化段階で非常に反応性の高い硫黄含有芳香族不純物と混合して使用するアル
キル化剤として用いるのに非常に適している。さらに、多数の炭素原子を含むア
ルキル化剤は、通常、より少数の炭素原子を含むアルキル化剤よりもより高沸点
のアルキル化生成物を与えるであろう。
【0042】 モノアルキル化チオフェン側鎖のそれぞれの炭素原子毎にチオフェンの沸点84
℃が約25℃高くなると大まかに見積もることができる。例えば、2-オクチルチオ
フェンの沸点は259℃であるが、これは8個の炭素アルキル基のそれぞれの原子に
ついてチオフェンの沸点を23℃上昇させることに相当する。従って、本発明の第
1のアルキル化段階でのC7〜C15オレフィンによるチオフェンのモノアルキル化
により、通常、約210℃の初留点を有する高沸点画分の成分として分別蒸留によ
り容易に除去し得る十分に高い沸点を有する硫黄含有アルキル化生成物が得られ
る。対照的に、4個の炭素のオレフィンである2-メチルプロペンをアルキル化剤
として使用する場合、モノアルキル化によりチオフェンを2-t-ブチルチオフェン
(沸点164℃)に転換し、ジアルキル化によりジ-t-ブチルチオフェン(沸点約224℃
)を与える。従って、4個の炭素原子のオレフィンによるジアルキル化は、約210
℃の初留点を有する高沸点画分の成分として分別蒸留により除去し得る高沸点ア
ルキル化物質にチオフェンを転換するのに必要である。
【0043】 本発明の実施においてアルコールまたはアルコール類の混合物をアルキル化剤
として使用する場合、第2及び第3アルコール類は第1アルコール類よりも通常
より反応性であり、より温和な反応条件で使用することができるため、第1アル
コール類よりも非常に好ましい。3〜5個の炭素原子を含むアルコール類が通常好
ましい。
【0044】 本発明の実施で使用し得る供給原料は、炭化水素類の混合物から構成され、例
えば、チオフェン性化合物及びベンゾチオフェン性化合物などの硫黄含有芳香族
不純物を少量含む。さらに、供給原料は液体から構成され、約345℃以下、好ま
しくは約249℃以下の蒸留終点であるのが望ましい。所望により、供給原料は約2
21℃以下の蒸留終点であってもよい。好ましくは、供給原料は約79℃未満の初留
点を有する。好適な供給原料としては、例えば、天然ガス液体、ナフサ、軽質ガ
ス油、重質ガス油、及びワイド-カットガス油などの石油精製時に通常含まれる
炭化水素類並びに、石炭液化及びオイル・シェールまたはオイル・サンドの処理
から誘導される炭化水素画分の種々の複合混合物のいずれをも含み得る。好まし
い供給原料としては、炭化水素供給原料の接触分解またはコーキングから得られ
るオレイン性ナフサが挙げられる。
【0045】 接触分解生成物は本発明の目的で使用するのに非常に好ましい供給原料である
。この種の好ましい供給原料としては、例えば、軽質ナフサ、重質ナフサ及び軽
質サイクル油などの約345℃未満で沸騰する液体が挙げられる。しかしながら、
接触分解プロセスからの揮発性生成物の全産出分を本発明の供給原料として使用
し得ると考えられる。接触分解生成物はオレフィン含有量が比較的高く、通常、
本発明の第1のアルキル化段階で任意の追加のアルキル化剤を添加する必要がな
いので、望ましい供給原料である。さらに、硫黄含有芳香族化合物(例えば、チ
オフェン性化合物及びベンゾチオフェン性化合物)は接触分解生成物の硫黄含有
不純物の主成分であることが多いので、これらの不純物は本発明の手段により容
易に除去される。例えば、石油から誘導したガス油の流動接触分解からの典型的
な軽質ナフサは約60重量%以下のオレフィン類と約0.5重量%以下の硫黄を含むこ
とができ、大部分の硫黄はチオフェン性化合物及びベンゾチオフェン性化合物の
形態である。本発明の実施で使用するための好ましい供給原料は接触分解生成物
から構成され、さらに少なくとも1重量パーセントのオレフィン類から構成され
る。非常に好ましい供給原料は接触分解生成物から構成され、さらに少なくとも
5重量パーセントのオレフィン類から構成される。かかる供給原料は蒸留により
単離される接触分解プロセス由来の揮発性生成物の一部であってもよい。
【0046】 本発明の実施において、供給原料は不純物として硫黄含有芳香族化合物を含む
。本発明の一態様において、供給原料は不純物としてチオフェン性化合物及びベ
ンゾチオフェン性化合物のいずれをも含む。所望によりこれらの硫黄含有芳香族
化合物の少なくとも約50%以上を本発明の実施においてより高沸点の硫黄含有物
質に転換することができる。本発明の一態様において、供給原料はベンゾチオフ
ェンを含み、ベンゾチオフェンの少なくとも約50%をアルキル化によってより高
沸点の硫黄含有物質に転換し、分別により除去する。
【0047】 オレフィン類またはアルコール類により硫黄含有芳香族化合物のアルキル化を
触媒作用し得る任意の酸性物質を、本発明の実施において触媒として使用するこ
とができる。液体酸(例えば、硫酸)を使用することができるが、固体酸触媒が特
に望ましく、そのような固体酸触媒としては固体支持体上に担持された液体酸が
挙げられる。固体酸触媒は、通常、そのような物質と供給原料とを接触させ易い
ので、液体触媒よりも好ましい。例えば、供給流は、好適な温度で固体粒状酸性
触媒の1つ以上の固定床内を簡単に通過させることができる。所望により異なる
酸性触媒を本発明の種々のアルキル化段階で使用することができる。例えば、ア
ルキル化条件の過酷さは活性のやや弱い触媒を使用することによって第一次アル
キル化段階で加減することができ、活性のやや強い触媒を単数または複数の第二
次段階で使用することもできる。
【0048】 本発明の一態様では、アルキル化段階の少なくともひとつで蒸留カラム反応器
を使用する。例えば、固体酸触媒の1つ以上の粒状固定床を蒸留カラム中のカラ
ムパッキンとして使用することができる。触媒を蒸留カラムに挿入することによ
り、カラムは蒸留カラム反応器になる。結果として、本発明の一段階の酸触媒ア
ルキル化は、蒸留カラム内の好適な反応条件下でその段階の供給流を触媒と接触
させることにより得られた生成物を分別蒸留するのと同時に実施することができ
る。
【0049】 本発明の実施で使用するのが好適な触媒は、酸性ポリマー樹脂、担持された酸
、及び酸性無機酸化物などの物質から構成することができる。好適な酸性ポリマ
ー樹脂の例としては、当業者に公知で市販されているポリマー性スルホン酸樹脂
が挙げられる。Amberlyst(登録商標)35(Rohm and Haas製)はかかる物質の典型例
である。
【0050】 触媒として有用な担持酸としては、固体(例えば、シリカ、アルミナ、シリカ-
アルミナ、酸化ジルコニウムまたはクレー)上に担持されているブロンステッド
酸(例えば、リン酸、硫酸、硼酸、HF、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、及びジヒドロキシフルオロ硼酸)及びルイス酸(例えば、BF3、BCl3 、AlCl3、AlBr3、FeCl2、FeCl3、ZnCl2、SbF5、SbCl5及びAlCl3とHClとの組合
せ)が挙げられるが、これらに限定されない。担持された液体酸を使用する場合
には、担持触媒は、通常、所望の液体酸と所望の担体とを混合し、次いで乾燥す
ることにより製造する。リン酸と担体とを混合することにより製造する担持触媒
が非常に好ましく、本明細書中、固体リン酸触媒と呼ぶ。これらの触媒は非常に
効果的でコストが安いため好ましい。本明細書中、その全体が参照として含まれ
る米国特許第2,921,081号(Zimmerschiedら)は、酸化ジルコニウム及びジルコニ
ウムのハロゲン化物からなる群から選択されるジルコニウム化合物と、オルトリ
ン酸、ピロリン酸及びトリリン酸からなる群から選択される酸とを混合すること
による固体リン酸触媒の製造を開示する。本明細書中、その全体が参照として含
まれる米国特許第2,120,702号(Ipatieffら)は、リン酸と珪酸含有物質とを混合
することによる固体リン酸触媒の製造を開示する。最後に、本明細書中、その全
体が参照として含まれる英国特許第863,539号は、珪藻土(diatomaceous earth
またはkieselguhr)などの固体珪酸含有物質上にリン酸を付着させることによる
固体リン酸触媒の製造も開示する。
【0051】 珪藻土上にリン酸を付着させることによって製造する固体リン酸に関しては、
触媒は(1)珪藻土上に担持された1種以上の遊離リン酸(例えば、オルトリン酸、
ピロリン酸及びトリリン酸)と;(2)単数または複数種類の酸と珪藻土との化学反
応から誘導されるリン酸珪素(silicon phosphate)とを含むものと考えられる。
無水リン酸珪素はアルキル化触媒として不活性であると考えられるが、触媒的に
活性であるオルトリン酸とポリリン酸との混合物を製造するためにこれらを加水
分解することができるとも考えられる。この混合物の詳細な組成は、触媒が暴露
される水の量に依存する。実質的に無水炭化水素供給原料と共に使用する際に固
体リン酸アルキル化触媒を満足できる活性レベルに保持するためには、イソプロ
ピルアルコールなどの少量のアルコールを供給原料に添加して触媒を十分な水和
レベルに保持すると都合がよい。アルコールは触媒との接触により脱水され、生
成した水が触媒を水和すると考えられる。触媒が殆ど水を含まなければ、コーキ
ングの結果直ちに失活してしまうような非常に高い酸性度である傾向があり、さ
らに触媒は良好な物理的結着性を持たないであろう。さらに触媒を水和すると、
その酸性度が低下し、コークス形成により直ちに失活する傾向が減少する。しか
しながら、そのような触媒を過度に水和すると触媒が軟化し、物理的に凝集して
固定床反応器中で大きな圧力低下を引き起こす。従って、固体リン酸触媒には最
適水和レベルがあり、この水和レベルは、反応条件、基質、及びアルキル化剤の
関数である。本発明は固体リン酸触媒に限定されるものではないが、本出願人は
供給原料中の水の濃度が約50〜約1,000ppmの範囲であると通常十分であり、この
水はイソプロピルアルコールなどのアルコールの形態で都合良く提供できること
を知見した。
【0052】 触媒として有用な酸性無機酸化物としては、アルミナ、シリカ-アルミナ、天
然及び合成ピラークレー(pillared clay)、並びに天然及び合成ゼオライト(例え
ば、ファウジャサイト;faujasites、モルデナイト、L、オメガ、X、Y、ベータ
、及びZSMゼオライト)が挙げられるが、これらに限定されない。非常に好適なゼ
オライトとしては、ベータ、Y、ZSM-3、ZSM-4、ZSM-5、ZSM-18及びZSM-20が挙げ
られる。所望によりゼオライトは無機酸化物マトリックス物質(例えば、シリカ-
アルミナ)中に含ませることができる。実際、平衡分解触媒(equilibrium cracki
ng catalyst)は、本発明の実施における酸触媒として使用することができる。
【0053】 触媒は、種々の物質、例えば、ルイス酸(例えば、BF3、BCl3、SbF5及びAlCl3)
、非ゼオライト固体無機酸化物(例えば、シリカ、アルミナ及びシリカ-アルミナ
)、並びに大孔(large pore)結晶質モレキュラーシーブ(例えば、ゼオライト、ピ
ラークレー及びアルミノリン酸塩)の混合物を含むことができる。
【0054】 固体触媒を使用する場合には、使用するプロセス段階で反応体と迅速且つ効果
的に接触できる物理的形態であるのが望ましい。本発明はこれに限定されるもの
ではないが、固体触媒は粒子の最大直径が約0.1mm〜約2cmの範囲の平均値を有す
る粒状形であるのが好ましい。例えば、約0.1mm〜約2cmの平均直径を有する触媒
の実質的に球状ビーズを使用することができる。或いは、触媒は約0.1mm〜約1cm
の範囲の直径及び約0.2mm〜約2cmの範囲の長さを有する棒状で使用することがで
きる。
【0055】 本発明の実施で使用する供給原料は、硫黄含有芳香族不純物に加えて、不純物
として窒素-含有有機化合物を含むことがある。典型的な窒素-含有不純物の多く
は有機塩基であり、場合により本発明の単数または複数種類の酸性触媒を失活さ
せることがある。そのような失活が知見される場合には、酸性触媒と接触する前
に塩基性窒素-含有不純物を除去することによって失活しないようにすることが
できる。これらの塩基性不純物を本発明の実施で使用する前に供給原料から除去
すると最も都合がよい。本発明で使用するのに非常に好ましい供給原料は、接触
分解プロセスにより生成したナフサから塩基性窒素-含有不純物を除去すること
により製造した処理済みナフサから構成される。
【0056】 塩基性窒素-含有不純物は、任意の慣用法により除去することができる。かか
る方法は通常酸性物質との処理を含み、慣用法としては、酸の水溶液による洗浄
及び酸性触媒に先だって配置される保護床の使用などの方法が挙げられる。効果
的な保護床の例としては、A-ゼオライト、Y-ゼオライト、L-ゼオライト、モルデ
ナイト、フッ化アルミナ(fluorided alumina)、新しい分解触媒、平衡分解触媒
及び酸性ポリマー樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。保護床方法を使
用する場合、保護床を再生することができるような方法で2つの保護床を使用す
るのが望ましいが、供給原料を予備加熱し、酸性触媒を保護するために他のもの
も使用される。分解触媒を使用して塩基性窒素-含有不純物を除去する場合、か
かる不純物を除去する触媒能力が失活したら、かかる物質を接触分解装置の再生
装置で再生することができる。酸性洗浄液を使用して塩基性窒素-含有化合物を
除去する場合、供給原料を好適な酸の水溶液で処理する。そのような使用に好適
な酸としては、塩酸、硫酸及び酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。水
溶液中の酸の濃度は重要ではないが、約0.5〜約30重量%の範囲を好都合に選択す
る。例えば、2重量%硫酸水溶液を使用して、接触分解プロセス由来の重質ナフサ
から塩基性窒素含有化合物を除去することができる。
【0057】 本発明の実施において、硫黄含有芳香族不純物をより高沸点の硫黄含有物質へ
所望の転換率で転換するのに効果的な温度及び時間で、それぞれのアルキル化段
階への供給流を酸性触媒と接触させる。しかしながら、本発明の第1の段階のア
ルキル化条件が単数または複数の第二次段階でのアルキル化条件よりも温和であ
り、これによって第1段階でより低い温度及び/またはより短い接触時間を使用
することができるような方法で、温度及び接触時間を選択することができると考
えられる。本発明の特定のアルキル化段階の如何に拘わらず、接触温度は約50℃
を超え、好ましくは100℃を超え、より好ましくは125℃を超える。接触は、約50
℃〜約350℃、好ましくは約100℃〜約350℃、より好ましくは約125℃〜約250℃
の範囲の温度で通常実施する。むろん、最適温度は使用する酸性触媒、選択した
単数または複数種類のアルキル化剤、単数または複数種類のアルキル化剤の濃度
、及び除去すべき硫黄含有芳香族不純物の性質の関数である。
【0058】 プロセスのアルキル化/蒸留段階を蒸留カラム反応器で実施する場合、蒸留カ
ラム反応器を操作する圧力によって、蒸留カラム反応器中で酸性触媒と反応体と
を接触させる温度と蒸留温度のいずれをも制御することができる。圧力が上昇す
るにつれて、蒸留カラム反応器中で分別蒸留を実施するためには高温が必要であ
る。
【0059】 任意の所望量のアルキル化剤を本発明の実施で使用することができる。しかし
ながら、硫黄含有不純物量に対してアルキル化段階で多量のアルキル化剤を使用
すると、アルキル化条件の過酷さを強め、酸性触媒との接触時に硫黄含有芳香族
不純物のより高沸点の硫黄含有生成物へのより迅速且つ完全な転換を促進するこ
とができる。従って、アルキル化剤の濃度は、本発明の種々のアルキル化段階で
のアルキル化条件の過酷さを制御するのに使用し得る変数のひとつである。しか
しながら、任意の特定のアルキル化段階への供給流は、該供給流中の硫黄含有芳
香族不純物の量に対してモルベースで少なくとも等しいアルキル化剤量を含むの
が望ましい。所望により、アルキル化剤対硫黄含有芳香族不純物のモル比は少な
くとも5以上であることができる。例えば、過酷なアルキル化条件が望ましい第
二次段階では、供給流は3〜5個の炭素原子を含むオレフィン類約10〜約50容積%
から構成されていてもよい。好ましい態様では、オレフィン性アルキル化剤を使
用し、第1の段階への供給流中のオレフィン類のモル濃度は単数または複数の第
二次段階への供給流中のオレフィン類のモル濃度よりも少ない。
【0060】 本発明の実施において、アルキル化段階への供給流は任意の好適な圧力で酸性
触媒と接触させることができる。しかしながら、約0.01〜200気圧の範囲の圧力
が望ましく、約1〜約100気圧の範囲の圧力が好ましい。供給流を単に触媒床を通
して流す場合、供給流が液体である圧力を使用するのが通常好ましい。しかしな
がら、アルキル化段階を蒸留カラム反応器で実施する場合、蒸留カラム反応器中
で固体酸触媒と供給流とが接触する温度及び圧力は、(1)問題となるアルキル化
段階に対して過酷さが好適である反応条件を提供するのに温度が十分に高く;且
つ(2)所望の分別蒸留が起きるように選択する。
【0061】 蒸留カラム反応器を本発明のひとつ以上の段階で使用する場合、固体酸触媒は
任意の慣用の方法で蒸留カラム反応器内に設置し、反応器の単数または複数の接
触領域中に配置することができる。例えば、触媒は慣用の蒸留カラムのトレー上
または、蒸留カラム反応器内のひとつの領域から別の領域へ液体流路を提供する
少なくとも1つの水路内に配置することができる。それぞれが接近可能であり、
蒸留カラム反応器を停止することなく酸性固体触媒を置換する仕事を独立して実
施することができるように、所望により蒸留カラム反応器の主構造の外部にその
ような水路を配置することができる。記載の如く、ひとつの水路内で失活即ち消
費された触媒を置換若しくは再生し、また、追加の単数若しくは複数の水路によ
り蒸留カラム反応器の連続操作をすることができるように、触媒を含むそのよう
な水路を少なくとも2つ使用するのが通常望ましい。或いは、水路は、隣接する
トレーに接続し、慣用の蒸留カラム内の液体流路を提供する降水管の形態をとる
ことができる。蒸留カラム反応器内に触媒を保持するための降水管の使用につい
ては、本明細書中、その全体が参照として含まれる米国特許第3,629,478号(Haun
schild)及び同第3,634,534号(Haunschild)に記載されている。好ましい態様では
、固体酸触媒を蒸留カラム用のパッキンとして使用し、分別を触媒の存在下で少
なくとも一部実施する。例えば、固体酸触媒は、ペレット、ロッド、リング、サ
ドル、ボール、不規則片、シート、チューブ、螺旋の形態を取ることができ、バ
ッグ内に包装、または網若しくは金網上に付着させることができる。蒸留カラム
反応器内のパッキン物質としての触媒の使用は、本明細書中、その全体が参照と
して含まれる米国特許第4,232,177号(Smith)、同第4,242,530号(Smith)、同第4,
307,254号(Smith)及び同第4,336,407号(Smith)に記載されている。
【0062】 本発明は、炭化水素供給原料の硫黄含有芳香族不純物を比較的少容積の高沸点
物質に濃縮する方法を示す。濃縮することにより、硫黄をより容易且つ低コスト
で処分することができ、この処分には任意の慣用法を使用することができる。例
えば硫黄含有量があまり望ましくない場合にこの物質を重油にブレンドすること
ができる。あるいは、元の供給原料の容積に対して少ないため、比較的低コスト
で効率的に水素化処理することができる。
【0063】 本発明の非常に好ましい態様は、硫黄含有不純物を含む炭化水素供給原料の流
動接触分解から得られる炭化水素生成物由来の硫黄含有芳香族化合物を除去する
ために使用することを含む。流動接触分解プロセスでは、高分子量炭化水素流体
または蒸気を通常、流動床反応器または長い垂直パイプ(riser)反応器中の熱微
粉砕触媒粒子と接触させて、この触媒-炭化水素混合物を自動車用ガソリン及び
蒸留燃料(distillate fuel)中に通常存在する種類の低分子量炭化水素類への分
解が所望の程度で起きるのに十分な時間及び温度で、流動状態または分散状態で
保持する。
【0064】 流動接触分解プロセスにおける選択炭化水素供給原料の転換は、転換時間をせ
いぜい約10秒間に限定する転換温度及び流動速度で反応領域において分解触媒と
の接触により実施する。転換温度は約430℃〜約700℃が望ましく、約450℃〜約6
50℃が好ましい。次いで、炭素質物質またはコークスの失活量を含む分解触媒と
炭化水素蒸気とを含む、反応領域からの流出液(effluent)を分離領域に移す。炭
化水素蒸気は分離領域で消費された分解触媒から取り出され、沸点をベースとし
てこれらの物質分離用の分離器(fractionator)に運ばれる。これらの揮発性炭化
水素生成物は、通常、約430℃〜約650℃の範囲の温度で分離器に入り、分離に必
要な熱を全て供給する。
【0065】 炭化水素類の接触分解では、非揮発性炭素質物質またはコークスが幾らか触媒
粒子上に付着する。コークスが分解触媒上に蓄積するに連れて、分解触媒の活性
及びガソリンブレンド用原料を製造するための触媒の選択性が低下する。しかし
ながら、触媒からコークスを殆ど除去することによってその元の触媒活性の大部
分を取り戻すことができる。これは、再生領域または再生装置中で空気などの分
子酸素-含有再生ガスで、触媒のコークス付着物を燃焼し尽くすことにより実施
する。
【0066】 広範囲のプロセス条件を流動床接触分解プロセスの実施で使用することができ
る。ガス油供給原料を使用する通常の場合では、処理比(throughput ratio)即ち
、全供給流対新しい供給流の容積比は、約1.0〜約3.0を変動し得る。軽質物質ま
たはコークスの形成により大気圧で約221℃を超える沸点の炭化水素の百分率の
減少として転換率が定義される場合、転換率レベルは約40%〜約100%を変動し得
る。反応器中の触媒対油の重量比は、流動分散液が約15〜約320キログラム/1m3
の範囲の密度を有するように約2〜約20の範囲を変動し得る。流動速度は、約3.0
〜約30メートル/秒の範囲を変動し得る。
【0067】 流動接触分解プロセスで使用するのに好適な炭化水素供給原料は、有機硫黄化
合物の状態で約0.2〜約6.0重量パーセントの硫黄を含むことができる。好適な供
給原料としては、例えば、軽質ガス油、重質ガス油、ワイドカットガス油、真空
ガス油、ナフサ類、デカント油、残渣画分及びこれらの任意のものから誘導され
たサイクル油並びに、合成油、石炭液化、シェール油及びオイルサンド処理から
誘導された硫黄含有炭化水素画分などの硫黄含有石油画分が挙げられるが、これ
らに限定されない。これらの供給原料の任意のものを単独または任意の所望の組
合せで使用することができる。
【0068】 本発明には多くの形態の態様が考えられようが、特定の態様を図1に示す。但
し、この開示は例示される態様に本発明を限定するものではない。
【0069】 図1を参照して、不純物として有機硫黄化合物を含有するガス油を流動接触分
解プロセスで触媒により分解し、このプロセスからの揮発性生成物をライン1か
ら蒸留カラム2へ通す。約60℃〜約177℃の範囲で沸騰する第1の供給原料画分
をライン3を通して蒸留カラム2から回収し、約177℃〜約221℃の範囲で沸騰す
る第2の供給原料画分をライン4から回収する。約60℃未満の沸点を有する低沸
点物質を蒸留カラム2からライン5を通して回収し、約221℃を超える沸点を有
する高沸点物質をライン6を通して回収する。
【0070】 約60℃〜約177℃の範囲で沸騰する第1の供給原料画分は、不純物としてチオ
フェン性化合物を含み、約5〜約25重量%の範囲のオレフィン含有量である。第1
の供給原料画分をライン3に通し、酸性触媒を含むアルキル化反応器7に導入す
る。第1の供給原料画分を反応器7に通し、そこで第1の供給画分はオレフィン
によるアルキル化によってチオフェン性不純物の少なくとも一部をより高沸点の
物質のチオフェン性物質に転換するのに効果的な反応条件下で酸性触媒と接触す
る。アルキル化反応器7からの生成物をライン8を通して排出し、蒸留カラム9
に通してそこで生成物を分別蒸留する。約177℃の初留点を有し、アルキル化反
応器7で生成した高沸点アルキルチオフェン性物質を含む高沸点画分をライン1
0を通して蒸留カラム9から回収する。所望によりこの高沸点物質を次に使用し
たり、処分するためにライン11を通して回収することができる。例えば、この
高沸点物質をその硫黄含有量の少なくとも一部を除去するための水素化処理装置
へ運ぶことができる。第1の供給原料画分の硫黄含有量に対して硫黄含有量が低
く、約177℃の蒸留終点をもつ低沸点画分を蒸留カラム9からライン12を通し
て回収する。所望により、ライン12からの低沸点画分を低硫黄ガソリンブレン
ド用原料として使用することができる。
【0071】 約177℃〜約221℃の範囲で沸騰する第2の供給原料画分は不純物としてチオフ
ェン性化合物及びベンゾチオフェン性化合物のいずれをも含み、約5〜約25重量%
のオレフィン含有量である。第2の供給原料画分をライン4に通し、ライン13
を通して導入される約10〜約50容積%のプロペンと混合する。得られた混合物を
ライン14及び15を通してアルキル化反応器16に導入する。所望により、蒸
留カラム9からの高沸点で高硫黄含有量生成物の幾らかまたは全てをライン10
及び17に通し、この混合物と混合してからライン15を通してアルキル化反応
器16に導入する。
【0072】 アルキル化反応器16は酸性触媒を含み、ライン15からの供給原料としてこ
の反応器に入る混合物は、混合物中のオレフィン類のアルキル化によって混合物
中のチオフェン性不純物及びベンゾチオフェン性不純物の少なくとも一部をより
高沸点の硫黄含有物質に転換するのに有効な反応条件下で酸性触媒と接触する。
アルキル化反応器16からの生成物はライン18を通して排出し、蒸留カラム1
9に通し、そこでこれらの生成物を分別蒸留する。約221℃の初留点を有し、高
沸点アルキル化チオフェン性生成物及びベンゾチオフェン性生成物を含有する高
沸点画分を蒸留カラム19からライン20を通して回収する。所望により、この
高沸点物質をその硫黄含有量の少なくとも一部を除去するための水素化処理装置
に運搬する。ライン15を通して反応器16に導入された混合物の硫黄含有量に
対して硫黄含有量が低い低沸点画分を、ライン21を通して蒸留カラム19から
回収する。ライン21を通して排出された低沸点画分は約221℃の蒸留終点であ
り、過剰のプロペンを除去した後は、約177℃〜約221℃で沸騰する物質から主に
構成され、これはガソリンブレンド用原料として使用することができる。
【0073】 以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するもの
ではない。
【0074】 実施例I 約61℃〜約226℃の範囲で沸騰するナフサ供給原料は、(1)硫黄含有不純物を含
んでいたガス油供給原料の流動接触分解由来の生成物を分別蒸留し;次いで(2)
ドラムミキサー中で流出物を2重量%硫酸水溶液で洗浄する、ことにより得た。マ
ルチカラムガスクロマトグラフィー法を使用してナフサ供給原料を分析すると、
重量ベースでパラフィン類12.67%、オレフィン類20.36%、ナフテン類11.93%、芳
香族成分50.89%、及び未確認のC12+高沸点物質4.14%を含んでいることが判明し
た。蛍光X-線分光学により測定したナフサの全硫黄含有量は1,644ppmであり、こ
の硫黄含有量の約90%(即ち、1,480ppm)はチオフェン、チオフェン誘導体、ベン
ゾチオフェン及びベンゾチオフェン誘導体(集合的にチオフェン性/ベンゾチオフ
ェン性硫黄と言う)の形態であった。チオフェン性/ベンゾチオフェン性でなかっ
た硫黄含有成分(例えば、メルカプタン類、スルフィド類及びジスルフィド類)は
全て177℃未満の沸点であった。ナフサは全窒素含有量が8ppmであり、塩基性窒
素含有量は5ppm未満であった。
【0075】 ナフサ供給原料を、(1)177℃以下で沸騰する第1の画分(供給原料の76重量%)
;及び(2)177℃を超えて沸騰する第2の画分(供給原料の24重量%)の2つの画分
に分別蒸留することにより分離した。本明細書中、第1の画分を「177℃-(−)供
給原料」と呼び、第2の画分を「177℃-(+)供給原料」と呼ぶこととする。これ
ら2つの画分のチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄含有量はそれぞれ、約1,0
60ppm及び2,809ppmであった。
【0076】 第1段階では、177℃-(−)供給原料をイソプロピルアルコール670ppmと混合し
、得られた混合物を温度204℃、圧力34気圧、及び液体の1時間当たりの空間速
度1.0/時間で、珪藻土(UOP製、商品名SPA-2)上の12〜18メッシュの固体リン酸触
媒の固定床と接触させた。少量のイソプロピルアルコールを使用して触媒活性を
保持し、触媒との接触時にアルコールが脱水されて、得られた水200ppmによって
触媒の水和が十分なレベルに保持できた。さらに、イソプロピルアルコールはア
ルキル化剤として177℃-(−)供給原料中のオレフィン類を補った。触媒床は20cm3 の容積であり、1.58cm内径のチューブラステンレススチール製反応器中、不活
性アルミナパッキンの2つの床の間に保持した。反応器の全内部加熱容積は約80
cm3で、縦方向に保持した。得られた生成物をガスクロマトグラフィーにより沸
点をベースとして分別し、硫黄化学ルミネセンス検出器を使用して画分の硫黄含
有量を測定した。この分析方法を使用して、生成物を2つの画分:(1)221℃以下
で沸騰する第1の画分;及び(2)221℃を超えて沸騰する第2の画分、とに分離し
た。本明細書中、第1の画分を「221℃-(−)第1段階の生成物」と呼び、第2の
画分を「221℃-(+)第1段階の生成物」と呼ぶ。177℃-(−)供給原料中のチオフ
ェン性/ベンゾチオフェン性硫黄の約68%が、221℃-(+)第1段階の生成物中に現
れるより高沸点の物質に転換したことが知見された。221℃-(−)第1段階の生成
物は、チオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄をたったの約330ppmしか含んでい
なかった。
【0077】 177℃-(+)供給原料をプロペン10容積%及びイソプロピルアルコール670ppmと
混合し、得られた混合物を第2段階の供給原料として使用した。第2段階では、
第2段階の供給原料を第1段階について上述したのと同一反応条件及び反応器を
使用して、珪藻土(UOP製、商品名SPA-2)上の12〜18メッシュの固体リン酸触媒の
固定床と接触させた。得られた生成物をガスクロマトグラフィーにより沸点をベ
ースとして分別し、硫黄化学ルミネセンス検出器を使用して画分の硫黄含有量を
測定した。この分析法を使用して、生成物を2つの画分:(1)221℃以下で沸騰す
る第1の画分;及び(2)221℃を超えて沸騰する第2の画分、とに分離した。本明
細書中、第1の画分を「221℃-(−)第2段階の生成物」と呼び、第2の画分を「
221℃-(+)第2段階の生成物」と呼ぶ。221℃未満の沸点を有する第2段階の供
給原料中のチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄の約66重量%が、221℃-(+)第
2段階の生成物中にある高沸点物質に転換したことが知見された。221℃-(−)第
2段階の生成物は、チオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄を約840ppm含んでい
た。
【0078】 プロセスからの低硫黄生成物の全体は、221℃-(−)第1段階生成物と221℃-(
−)第2段階生成物との混合物からなっていた。この低硫黄生成物の全体はチオ
フェン性/ベンゾチオフェン性硫黄440ppmを含み、これは元のナフサ供給原料中
のチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄の70%が除去されたことに対応する。さ
らに、低硫黄生成物の全体は元のナフサ供給原料の重量をベースとして95.9%の
収率で得られた。従って、元のナフサ供給原料の4.1重量%が221℃-(+)第1及び
第2段階の生成物の形態で硫黄沸点且つ高硫黄含有量物質に転換した。混合した
221℃-(+)第1及び第2段階の生成物はチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄2
.58重量%を含んでいた。この実施例Iの結果を表Iにまとめた。
【0079】 実施例II 上記実施例Iに記載のナフサ供給原料のサンプルをイソプロピルアルコール670
ppmと混合し、得られた混合物を実施例Iに記載のタイプの反応器中、温度204℃
、圧力34気圧、及び液体の1時間当たりの空間速度1.0/時間で、珪藻土(UOP製、
商品名SPA-2)上の12〜18メッシュの固体リン酸触媒の固定床と接触させた。得ら
れた生成物をガスクロマトグラフィーにより沸点をベースとして分別し、硫黄化
学ルミネセンス検出器を使用して画分の硫黄含有量を測定した。
【0080】
【表1】
【0081】 この分析方法を使用して、生成物を2つの画分:(1)221℃以下で沸騰する第1の
画分;及び(2)221℃を超えて沸騰する第2の画分、とに分離した。本明細書中、
第1の画分を「221℃-(−)生成物」と呼び、第2の画分を「221℃-(+)生成物」
と呼ぶ。ナフサ中のチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄の約66.7重量%が、22
1℃-(+)生成物中に現れる高沸点物質に転換したことが知見された。221℃-(−)
生成物は、チオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄を567ppm含み、221℃-(+)生
成物はチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄を1.75重量%含んでいた。さらに、
低硫黄生成物の全体は元のナフサ供給原料の重量をベースとして94.0%の収率で
得られた。従って、元のナフサ供給原料の6.0重量%は221℃-(+)生成物の状態で
高沸点且つ高硫黄含有量物質に転換した。この実施例IIの結果を表Iにまとめる
【0082】 この実施例IIのアルキル化方法は、ナフサ供給原料のチオフェン性成分及びベ
ンゾチオフェン性成分の単一段階アルキル化を含み、該段階ではアルキル化剤は
ナフサ供給原料中に本質的に存在するオレフィン類からなる。この実施例IIの単
一段階アルキル化方法と実施例Iの2段階アルキル化方法とを比較すると、(1)生
成物はチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄含有量が低いこと;及び(2)ナフサ
出発物質を2段階プロセスにかけると重量損失が非常に少ないため、2段階方法
は非常に満足できるものであることが解る。
【0083】 実施例III 上記実施例Iに記載のナフサ供給原料のサンプルをプロペン10容積%及びイソプ
ロピルアルコール670ppmと混合し、得られた混合物を実施例Iに記載のタイプの
反応器中、温度204℃、圧力34気圧、及び液体の1時間当たりの空間速度1.0/時
間で、珪藻土(UOP製、商品名SPA-2)上の12〜18メッシュの固体リン酸触媒の固定
床と接触させた。得られた生成物をガスクロマトグラフィーにより沸点をベース
として分別し、硫黄化学ルミネセンス検出器を使用して画分の硫黄含有量を測定
した。この分析方法を使用して、生成物を2つの画分:(1)221℃以下で沸騰する
第1の画分;及び(2)221℃を超えて沸騰する第2の画分、とに分離した。本明細
書中、第1の画分を「221℃-(−)生成物」と呼び、第2の画分を「221℃-(+)生
成物」と呼ぶ。ナフサ中のチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄の約70.4重量%
が、221℃-(+)生成物中に現れる高沸点物質に転換したことが知見された。221
℃-(−)生成物は、チオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄を537ppm含み、221℃-
(+)生成物はチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄を1.22重量%含んでいた。22
1℃-(−)生成物は元のナフサ供給原料の重量をベースとして91.0%の収率で得ら
れた。さらに、高沸点且つ高硫黄含有物質の9.0重量%が221℃-(+)生成物の状態
で得られた。この実施例IIIの結果を表Iにまとめる。
【0084】 この実施例IIIのアルキル化方法は、ナフサ供給原料のチオフェン性及びベン
ゾチオフェン性成分の単一段階アルキル化を含み、該段階ではアルキル化剤はナ
フサ供給原料中に本質的に存在するオレフィン類と添加プロペンとからなる。こ
の実施例IIIの単一段階アルキル化方法と実施例Iの2段階アルキル化方法とを比
較すると、(1)生成物はチオフェン性/ベンゾチオフェン性硫黄含有量が低いこと
;及び(2)ナフサ出発物質を2段階プロセスにかけると所望の揮発性生成物の収
量が多いため、2段階方法は非常に満足できるものであることが解る。
【0085】 実施例IV 流動接触分解プロセスにより製造した典型的な重質ナフサ中に知見される種々
の有機化合物の濃度及びタイプの代表例として選択したモデル化合物をブレンド
することにより合成供給原料を製造した。合成供給原料の組成を表IIに示す。
【0086】 合成供給原料をイソプロピルアルコール1,730ppmと混合し、得られた混合物を
実施例Iに記載のタイプの反応器中、温度204℃、圧力54気圧、及び液体の1時間
当たりの空間速度4.0/時間で、珪藻土(UOP製、商品名SPA-2)上の12〜18メッシュ
の固体リン酸触媒の固定床と接触させた。
【0087】
【表2】
【0088】 合成供給原料を使用して較正したキャピラリーガスクロマトグラフィーを使用し
て、得られた生成物を分析した。分析時、ベンゼン、トルエン、チオフェン、エ
チルチオフェン及びベンゾチオフェンが以下の量:ベンゼン(4.49重量%)、トル
エン(0.68重量%)、チオフェン(89.83重量%)、エチルチオフェン(78.37重量%)及
びベンゾチオフェン(34.34重量%)でより高沸点の物質に転換したことが知見され
た。これらの結果を図2に示す。この実施例は、チオフェン及びエチルチオフェ
ンがベンゾチオフェンよりもより容易にオレフィン類によりアルキル化されたこ
とを示す。さらに、この実施例の結果は、チオフェン及びエチルチオフェンは、
ベンゼン及びトルエンのアルキル化が殆ど起きないような十分に温和な条件下で
オレフィン類により高収率でアルキル化され得ることを示す。
【0089】 実施例V 上記実施例VIに記載の合成供給原料をプロペン20容積%及びイソプロピルアル
コール1,730ppmと混合し、得られた混合物を、温度204℃、圧力54気圧、及び液
体の1時間当たりの空間速度4.0/時間で、珪藻土(UOP製、商品名SPA-2)上の12〜
18メッシュの固体リン酸触媒の固定床と接触させた。キャピラリーガスクロマト
グラフィーを使用して得られた生成物を分析すると、ベンゼン、トルエン、チオ
フェン、エチルチオフェン及びベンゾチオフェンが以下の量:ベンゼン(70.31重
量%)、トルエン(61.13重量%)、チオフェン(96.51重量%)、エチルチオフェン(89.
47重量%)及びベンゾチオフェン(84.06重量%)でより高沸点の物質に転換したこと
が知見された。これらの結果を図2に示す。
【0090】 この実施例Vで使用したオレフィンアルキル化剤は高濃度であったため、アル
キル化条件は上記実施例IVで使用したアルキル化条件よりもずっと過酷であった
。この実施例は、実施例Vのより過酷な反応条件下では、ベンゾチオフェンがオ
レフィン類により高収率でアルキル化され得たことを示す。しかしながら、より
過酷なアルキル化条件ではベンゼン及びトルエン(芳香族炭化水素)が高い転換率
でアルキル化生成物になる。
【0091】 実施例VI チオフェン0.499g、2-メチルチオフェン0.522g、2,5-ジメチルチオフェン0.50
1g、ベンゾチオフェン0.518g、ベンゼン0.509g、トルエン0.614g及び1-ヘプテン
10.014gをデカン87.015gに溶解することにより合成供給原料を製造した。合成供
給原料50gを、粉砕して10〜20メッシュサイズにふるった珪藻土(UOP製、商品名S
PA-2)上の固体リン酸触媒25gと混合した。反応混合物のオンラインサンプリング
用のディップレッグ(dip leg)を備えた100cm3撹拌オートクレーブ反応器に得ら
れた混合物を設置し、この混合物を204℃及び54.4気圧、窒素下、500rpmで撹拌
した。定期的に撹拌を停止して、触媒を沈澱させ、液体を約2g取り出すことによ
って、反応混合物をサンプリングした。それぞれのサンプルを種々の反応体の濃
度変化を測定するためにガスクロマトグラフィーにより分析した。得られた分析
データを使用して、供給原料中の種々の芳香族化合物の1-ヘプテンによるアルキ
ル化に関して表IIIに記載したアルキル化速度定数を計算した。これらの速度定
数を計算する際に、アルキル化反応は使用した大過剰のオレフィン性アルキル化
剤のため芳香族基質において疑似-一次であると考えられた。それぞれの速度定
数は、xが基質濃度である場合の時間の関数としてln(1−x)としてプロットした
実験データの直線回帰により適合した直線の傾きから誘導した。合成供給原料の
種々の芳香族成分の沸点を表IIIに示す。これらの結果は、揮発性チオフェン性
化合物(例えば、チオフェン及び2-メチルチオフェン)は揮発性の低いベンゾチオ
フェンよりもずっと反応性であることを示す。
【0092】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一態様の略図である。
【図2】 図2は、プロペンを添加した場合と添加しない場合の両方における、C5〜C8
レフィン類でのアルキル化によるベンゼン、トルエン、チオフェン、エチルチオ
フェン及びベンゾチオフェンのより高沸点の生成物への転換の比較を示す図であ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月1日(2001.2.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 プラドハン,ヴィヴェク・アール アメリカ合衆国イリノイ州60504,オーロ ラ,エイヴォンデイル・レイン 743 (72)発明者 リーガン,ウィリアム・ジェイ アメリカ合衆国イリノイ州60540,ネイパ ーヴィル,アポマトックス・サークル 886 (72)発明者 キャントン,ロジャー・エイチ アメリカ合衆国イリノイ州60540,ネイパ ーヴィル,サウス・ライト・ストリート 856 Fターム(参考) 4H029 DA01 DA03 DA04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給原料から硫黄含有量の低い生成物を製造するプロセスであ
    って、前記供給原料はオレフィン類を含有する炭化水素類の混合物から構成され
    、前記供給原料は不純物として硫黄含有芳香族化合物を含み;前記プロセスは、
    (a)供給原料を分別して、 (i)前記不純物の一部を含み、約5〜約25重量%のオレフィン含有量を有し、約135
    ℃〜約221℃の範囲の蒸留終点を有する第1の供給原料画分;及び (ii)第1の供給原料画分よりも沸点が高く、前記不純物の一部を含む第2の供給
    原料画分; を製造し; (b)第1の接触段階では、前記不純物のその含有量の少なくとも一部をオレフィ
    ン類のアルキル化によってより高沸点の硫黄含有物質に転換するのに有効な条件
    下で前記第1の供給原料画分と酸性触媒とを接触させ; (c)前記第2の供給原料画分と、アルコール類及びオレフィン類からなる群から
    選択される少なくとも1種の物質から構成され、第2の供給原料画分中に存在す
    る任意のオレフィン類に加えて配合する二次アルキル化剤とを混合することによ
    り二次プロセス流を製造し; (d)第2の接触段階では、前記不純物のその含有量の少なくとも一部をアルキル
    化によってより高沸点の硫黄含有物質に転換するのに有効な条件下で二次プロセ
    ス流と酸性触媒とを接触させ;次いで (e)前記第1及び第2の接触段階の生成物を分別蒸留してより高沸点の硫黄含有
    物質を除去する ことを含む、該プロセス。
  2. 【請求項2】 前記供給原料が接触分解プロセスからのナフサから構成される
    、請求項1に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 前記供給原料が接触分解プロセスにより生成したナフサから塩
    基性窒素-含有不純物を除去することにより製造した処理済ナフサから構成され
    る、請求項1に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 前記第1の供給原料画分の蒸留終点と前記第2の供給原料画分
    の初留点が約150℃〜約190℃の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 前記第2の供給原料画分の蒸留終点が約249℃未満である、請
    求項1に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 二次アルキル化剤が3〜5個の炭素原子を含むオレフィン類から
    なる群から選択される少なくとも1種の物質から構成される、請求項1に記載の
    プロセス。
  7. 【請求項7】 前記第1の供給原料画分中のオレフィンモル濃度は前記二次プ
    ロセス流中のモル濃度よりも低い、請求項6に記載のプロセス。
  8. 【請求項8】 二次プロセス流は3〜5個の炭素原子を含むオレフィン類約10〜
    約50容積%から構成される、請求項6に記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 二次アルキル化剤は3〜5個の炭素原子を含むアルコール類から
    なる群から選択される少なくとも1種の物質から構成される、請求項1に記載の
    プロセス。
  10. 【請求項10】 前記第2の接触段階で使用する温度は前記第1の接触段階で
    使用する温度よりも高い、請求項1に記載のプロセス。
  11. 【請求項11】 前記第1の接触段階の酸性触媒は前記第2の接触段階の酸性
    触媒と異なる、請求項1に記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 固体リン酸触媒を前記第1及び第2の接触段階の少なくとも
    ひとつに於ける酸性触媒として使用する、請求項1に記載のプロセス。
  13. 【請求項13】 前記第1及び第2の接触段階の生成物を混合し、混合物を分
    別蒸留してより高沸点の硫黄含有物質を除去する、請求項1に記載のプロセス。
  14. 【請求項14】 前記第1の接触段階の生成物を分別蒸留してより高沸点の画
    分中のより高沸点の硫黄含有物質を除去し、前記第1の供給原料画分の硫黄含有
    量に対して低い硫黄含有量を有するより低沸点の生成物画分を生成する、請求項
    1に記載のプロセス。
  15. 【請求項15】 前記第1の接触段階と第1の接触段階の生成物の前記分別蒸
    留を蒸留カラム反応器で実施する、請求項14に記載のプロセス。
  16. 【請求項16】 前記第2の接触段階の生成物を分別蒸留してより高沸点の硫
    黄含有物質を除去し、前記第2の接触段階と第2の接触段階の生成物の前記分別
    蒸留を蒸留カラム反応器で実施する、請求項14に記載のプロセス。
  17. 【請求項17】 前記二次プロセス流がさらに前記第1の接触段階の生成物の
    分別蒸留からのより高沸点の画分の少なくとも一部を含む、請求項14に記載の
    プロセス。
  18. 【請求項18】 供給原料から硫黄含有量の低い生成物を製造するプロセスで
    あって、前記供給原料はオレフィン類を含有する炭化水素類の混合物から構成さ
    れ、前記供給原料は不純物としてチオフェン性化合物及びベンゾチオフェン性化
    合物を含み;前記プロセスは、 (a)供給原料を分別して、 (i)不純物としてチオフェン性化合物を含み、約5〜約25重量%のオレフィン含有
    量を有し、かなりの量のベンゾチオフェン性化合物を蒸留するよりも低い蒸留終
    点を有する第1の供給原料画分;及び (ii)第1の供給原料画分よりも沸点が高く、不純物としてベンゾチオフェン性化
    合物を含む第2の供給原料画分; を製造し; (b)第1の接触段階では、そのチオフェン性不純物の少なくとも一部をオレフィ
    ン類のアルキル化によってより高沸点の硫黄含有物質に転換するのに有効な条件
    下で前記第1の供給原料画分と酸性触媒とを接触させ; (c)前記第2の供給原料画分と、アルコール類及びオレフィン類からなる群から
    選択される少なくとも1種の物質から構成され、第2の供給原料画分中に存在す
    る任意のオレフィン類に加えて配合する二次アルキル化剤とを混合することによ
    り二次プロセス流を製造し; (d)第2の接触段階では、そのベンゾチオフェン性不純物の少なくとも一部をア
    ルキル化によってより高沸点の硫黄含有物質に転換するのに有効な条件下で二次
    プロセス流と酸性触媒とを接触させ;次いで (e)前記第1及び第2の接触段階の生成物を分別蒸留してより高沸点の硫黄含有
    物質を除去する ことを含む、該プロセス。
  19. 【請求項19】 供給原料が接触分解プロセスにより生成したナフサ由来の塩
    基性窒素-含有不純物を除去することにより得られる処理済ナフサから構成され
    る、請求項18に記載のプロセス。
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