JP2003520310A - 耐焔障壁性紙組成物 - Google Patents

耐焔障壁性紙組成物

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    • C04B2111/28—Fire resistance, i.e. materials resistant to accidental fires or high temperatures

Abstract

(57)【要約】 耐焔障壁組成物として或る割合でメタ−アラミドおよび雲母が使用されているシート組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （本発明の背景） 本発明の分野： 本発明はアラミドと雲母との組成物、並びにこのような組成
物を耐焔障壁として用いる方法に関する。
【０００２】 関連技術の説明： Ｄ．Ｅ．Ｊａｃｋｓｏｎによる１９６３年５月５日出願の
米国特許３，０８０，２７２号に従えば、装飾用パネル、電気絶縁材または成形
品に使用するための、メタ−アラミドのフィブリッド（ｆｉｂｒｉｄ）のような
フィブリッド、および雲母のような薄片状材料を含む材料が記載されている。
【０００３】 Ｓｈｉｎｏｋｉ等の１９９５年２月２８日付けの米国特許５，３９３，８７２
号には、電気絶縁材用のアラミド・フィブリッドと雲母から成るシートの製造法
が記載されている。
【０００４】 （本発明の概要） 本発明はメタ−アラミドのフィブリッドおよび雲母からつくられた耐焔障壁性
紙組成物に関する。この組成物は、下記に説明するように、少なくとも１１５０
℃（２１００°Ｆ）の温度において航空機の断熱材に対するＦＡＡ熔け落ち試験
（ｂｕｒｎｔｈｒｏｕｇｈ ｔｅｓｔ）標準の条件下における熔け落ち時間（ｂ
ｕｒｎｔｈｒｏｕｇｈ ｔｉｍｅ）が少なくとも２４０秒であることにより焔の
前進を遅延させる能力をもっている。
【０００５】 本発明はまた、焔の経路に該組成物を置き、これをそこに保持して該焔からの
熱を吸収し反射させる工程から成る焔の前進を遅延させる方法に関する。
【０００６】 （本発明の詳細な記述） 耐焔障壁組成物は重要であり、精力的に探求がなされている。建築物および乗
り物の業界では居住者および乗客の安全と快適さのために耐焔障壁性組成物が必
要とされる。特に航空機の製造には軽量で可撓性をもった耐焔障壁性組成物が岩
めて必要とされる。本発明によれば、第１に耐焔障壁材料として使用されるこの
ような組成物が提供される。
【０００７】 本発明の耐焔障壁性組成物はメタ−アラミドのフィブリッド、フロックおよび
雲母から成る組み合わせを薄い均一な層から成る可撓性をもった連続シートにし
たものである。メタ−アラミドのフィブリッドは長さおよび幅の寸法が比較的大
きく（典型的には１００〜５００μ）、厚さの寸法が極めて薄い（典型的には０
．１μ）メタ−アラミド材料のフィルム状の粒子である。このフィブリッドは重
合体の溶液を、該重合体溶液の溶媒とは混合するが重合体自身に対する溶媒とは
ならない液体の中に激しく撹拌して導入することによって得られる。フィブリッ
ドおよびその製造法は米国特許２，９９９，７８８号に記載されている。本発明
に使用するフィブリッドのための好適なメタ−アラミドはポリ（ｍ−フェニレン
イソフタルアミド）である。
【０００８】 メタ−アラミドのフロックは連続フィラメントから切断された短い繊維である
。フロックは直系が１０〜１５μ、長さが３〜１５ｍｍである。フロックをつく
るための好適なメタ−アラミドはポリ（ｍ−フェニレンイソフタルアミド）であ
る。
【０００９】 雲母は公知の結晶性鉱物の珪酸塩であり、容易に分離して非常に薄い葉状物ま
たは板にすることができる種々の単斜晶形の形をしている。雲母の例には典型的
な化学式Ｋ2Ａｌ4Ａｌ2Ｓｉ6Ｏ22（ＯＨ）4およびＨ2ＫＡ１3（ＳｉＯ4）3で表
されるＧｒａｎｎｉｔｉｃカリウム雲母がある。第２の例は典型的な理想化学式
Ｋ2Ｍｇ4Ａｌ2Ｓｉ6Ｏ20（ＯＨ）4およびＨ2ＫＭｇ3Ａｌ（ＳｉＯ4）3で表され
るＰｙｒｏｘｅｎｉｃ雲母である。本発明に使用される雲母は１００〜５００μ
の粒径をもち厚さが０．０５〜０．１５μの平らな粒子である。
【００１０】 現在の耐焔障壁性に対する要求は下記の「試験法」の項に記載したように極端
に厳しく、事実耐焔障壁組成物が成功する目安は標準的な耐焔障壁試験に合格す
るか否かにかかっている。
【００１１】 本発明においては、本発明の耐焔障壁組成物は２５〜６０重量％、好ましくは
３５〜４５重量％のメタ−アラミドのフィブリッド、０〜２０重量％、好ましく
は１０〜１５重量％のメタ−アラミドのフロック、および４０〜７０重量％、好
ましくは４５〜５５重量％の雲母を含んでいなければならないことが見出された
。メタ−アラミドのフィブリッドを２５重量％より少なくしか含まない組成物は
必要とされる可撓性および強度に欠け、メタ−アラミドのフィブリッドを６０重
量％より多く含む組成物は焔の中で分解を防ぐためには弱すぎる。或る種のメタ
−アラミドのフロックを含む組成物は改善された強度と可撓性を示すが、フロッ
クを２０重量％よりも多く含んだ組成物は強度および組成物の凝集性が減少する
。雲母を４０重量％より少なくしか含まない組成物は焔の侵入に耐えるために必
要とされる耐熱性に欠けている。他方雲母を７５重量％より多く含んでいる組成
物は硬く且つ脆い。
【００１２】 本発明の耐焔障壁性組成物は一般に製紙機上で紙としてシートの形で製造され
、一般に９０〜２０４ｇ／ｍ2の坪量および０．０７５〜０．３３ｍｍの厚さを
もっている。
【００１３】 任意の重量の組成物でも耐焔障壁として何らかの効果をもってはいるが、耐焔
障壁材料として最も一般的に使用される組成物は高圧，高温のカレンダー掛けを
行い紙を緻密化することによって製造される。カレンダー掛けを行うと雲母の小
板は互いに緊密に接触する。ＦＡＡの焔熔け落ち試験に使用される本発明の耐焔
障壁性組成物は１〜３層の紙から成り、全坪量は１００〜５００ｇ／ｍ2、全体
の厚さは０．１０〜１．００ｍｍである。
【００１４】 耐焔障壁組成物は極端な環境に置かれたりその中で使用されることがあるので
、耐焔障壁組成物の表面に水分阻止材料の層を被覆するのが有利なことが見出さ
れた。好適な水分阻止材料はＥ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ
ａｎｄ ＣｏｍｐａｎｙからＺｏｎｙｌ ７０４０の商品名で市販されているよ
うなフルオロ重合体である。水分阻止材料の層は被覆された組成物の全重量に関
して０．５〜１．０重量％の被覆量をもつ被膜の形であることができる。
【００１５】 さらに別の保護材料が望ましい場合には、全組成物を保護重合体のフィルムの
袋の中に入れることができる。図２はＦＡＡ熔け落ち試験の標準による試験フレ
ームの中における本発明の組成物のアセンブリーを示す。耐焔障壁組成物のユニ
ット２１は巻き枠（ｆｏｒｍｅｒ）１１および梁受（ｓｔｒｉｎｇｅｒ）１２に
よってつくられたキャビティーの中に保持されている。耐焔障壁性組成物２１は
紙２４および袋になったフィルム２５から成っている。紙２４は袋になったフィ
ルム２５に取り付けられていないか、或いはそれに接着されていることができる
。紙２４を袋になったフィルム２５に接着することにより引き裂き耐性が増加す
る。袋になったフィルム２５の中の空間２６は一般に音および熱に対する遮断材
、例えばガラスウール、アラミドのバット等が詰められている。袋になったフィ
ルム２５は任意のフィルム生成重合体材料からつくることができる。ポリエステ
ル、ポリフッ化ビニル、ポリイミド等が好適である。
【００１６】 本発明の耐焔障壁組成物は、この組成物を直接焔の経路の中に置き、その中に
保持して焔からの熱を吸収および反射してこの組成物の反対側にある物体への燃
焼の侵入を防ぐことによって焔の前面の前進を遅延させるのに使用される。
【００１７】 （試験法） ＦＡＡ熔け落ち試験標準： この試験では、強い開放焔に露出した場合航空機
の断熱材料の燃焼抵抗性を評価する。この試験によれば燃焼時間が測定されるが
、この時間はバーナーの焔が試験試料に侵入するのに要する時間（秒）、或いは
試験試料の反対側における熱フラックスが試験フレームのバーナー側から３０ｃ
ｍ（１２インチ）の所において８．６Ｋｃａｌ／ｍ2秒（２．０ＢＴＵ／平方フ
ィート秒）に達すのに要する期間である。
【００１８】 図１Ａを参照すれば、試験フレーム１０は基板１３の上にある鋼製の巻き枠１
１および梁受１２から作られている。試験フレーム１０は航空機の胴体に似せて
作られている。巻き枠１１の間隔は一般に２０ｃｍ（８インチ）であり、梁受の
間隔は一般に５０ｃｍ（２０インチ）である。
【００１９】 この試験のためのバーナーの形を図１Ｂに示す。バーナー１４は銃型のもの、
例えば米国ニュージャージー州、Ａｔｌａｎｔｉｃ Ｃｉｔｙの Ｐａｒｋ’Ｏ
ｉｌ Ｂｕｒｎｅｒ Ｍｆｇ．Ｃｏ．製のＰａｒｋ Ｍｏｄｅｌ ＤＰＬ ３４
００である。バーナーの円錐部１６は高さが１５．３±０．６ｃｍ（６±０．１
２５インチ）、幅２８±０．６ｃｍ（１１±０．１２５インチ）の開口部をもち
、ＡＳＴＭ Ｋ２またはＡＳＴＭ Ｄ２の燃料を０．７１ＭＰａ（１００ポンド
／平方インチ）の圧力下において０．３８リットル／分（６．０ガロン／時間）
の割合で供給してバーナーを燃焼させる。
【００２０】 バーナーの円錐部１６の端が試験フレーム１０から１０ｃｍ（４インチ）の所
にあり、直接巻き枠１１と梁受１２との交差点に向かうようにバーナー１４を配
置する。試験フレーム１０の所における熱フラックスが５８Ｋｃａｌ／ｍ2秒（
１３．５Ｂｔｕ／平方フィート秒）でありフレームの所の温度が１１５０±５６
℃（２０００±１００°Ｆ）になるようにバーナー１４への空気を調節する。
【００２１】 上記のように燃焼の一つの決定値は、試験試料の反対側の熱フラックすが試験
フレームのバーナー側から３０ｃｍ（１２インチ）の所で８．６Ｋｃａｌ／ｍ2
秒（２．０Ｂｔｕ／平方フィート秒）に達する時間である。この決定のために熱
量計１７を配置する。
【００２２】 試験を行うためには、試料の耐焔障壁性組成物２１を試験フレーム１０の巻き
枠１１の間に置き、クリップ１８によって適切な場所に保持する。
【００２３】 試験を行うためにバーナー１４を点火して配置し、試料の耐焔障壁性組成物２
１をバーナー１４からの焔に露出した時間を決定する。試験は少なくとも２４０
秒の間か、或いは燃焼または熱フラックスの限界に達するかのどちらか早い方の
時間の間行う。
【００２４】 （実施例） 実施例１： Ｍｅｅｋｅｒのバーナーを用いて小規模試験を行い、種々の
材料の燃焼抵抗性を評価した。１３×１３ｃｍ（５．２５×５．２５インチ）の
開口部を有する１５×１５×０．３ｃｍ（６×６×１／８インチ）の鋼製のフレ
ームを環状のスタンドの上でバーナーの上方２．５ｃｍ（１インチ）の所に置き
、温度１１５０℃（２１００°Ｆ）、高さ２．５ｃｍ（１インチ）のプロパンの
焔を出させる。壁厚が０．３ｃｍ（１／８インチ）で開いた上部および底部をも
つ別の１５×１５×５ｃｍ（６×６×２インチ）の箱をフレームの頂部に置いて
試験材料を保持した。１５×１５×１．２５ｃｍ（６×６×１／２インチ）のセ
ラミックスの板に取り付けた熱電対をこの箱の頂部に置き、試験材料中の温度上
昇を測定する。初期的な試験（表Ｉ）では、試験したすべてのフィルムおよび試
験したすべてのアラミドだけの紙は１０秒以内で破れて開き、焔に対して殆ど意
味のある保護が行われなかったことが示されている。雲母およびアラミドを組み
合わせてつくられた紙は、高圧カレンダー掛けしたものおよびしなかったものの
両方とも、焔の中で収縮せず、焔の侵入を保護した。厚さが最小０．０７５（３
ミル）のアラミド／雲母の紙は効果的な耐焔障壁材であった。典型的な断熱材（
ガラス繊維のバットおよびアラミドのバット）は、表ＩＩに示すように、ポリイ
ミドに面したフィルムの後方においても性能に殆ど影響はなく、迅速に熔け落ち
てしまった。
【００２５】
【表１】
【００２６】 1アラミド紙は約５５重量％のアラミド・フィブリッドおよび約４５重量％の
ｍ−アラミドのフロックからつくられた材料で、Ｅ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ
Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎｄ ＣｏｍｐａｎｙからＮｏｍｅｘ(R)の商品名で市販
されている。このようなアラミド紙は緻密化しない、即ちカレンダー掛けしない
形、および緻密化した、即ちカレンダー掛けされた形で販売されている。
【００２７】 2Ｓｐｕｎｌａｃｅｄ Ｋｅｖｌａｒ(R)アラミドはｐ−アラミド・ステープル
ファイバーから流体で絡み合わせてシートの形にした材料であり、Ｅ．Ｉ．ｄｕ
Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎｙから商品記号Ｓｔ
ｙｌｅ Ｚ−ｌｌとして販売されている。Ｓｔｙｌｅ Ｚ−ｌｌはすべてのｐ−
アラミド繊維製品を意味する。
【００２８】 3商品名Ｋａｐｔｏｎ(R)のポリイミドフィルムはＥ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄ
ｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎｙから市販されている。
【００２９】 4アラミド／雲母紙は約３７重量％のメタ−アラミド・フィブリッド、約４８
重量％の雲母、および約１５重量％のｍ−アラミドのフロックからつくられた材
料で、Ｅ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎ
ｙからＮｏｍｅｘ(R)Ｍ アラミド／雲母紙の商品名で市販されている。このよ
うなアラミド紙は緻密化しない、即ちカレンダー掛けしない形、および緻密化し
た、即ちカレンダー掛けされた形で販売されている。
【００３０】
【表２】
【００３１】 1アラミドのバットは１００％のメタ−アラミドのステープルファイバーのバ
ットである。
【００３２】 2ガラス繊維のバットはＪｏｈｎ Ｍａｎｓｖｉｌｌｅ Ｃｏｒｐ．から市販
されている樹脂接合剤付きのガラス繊維のバットである。
【００３３】 実施例２： 図１および２を参照し、ＦＡＡ燃焼試験装置１０のための０
．０１２ｍｍ（０．５ミル）のポリエステルフィルムの袋２５を用い、長さが１
２２ｃｍ、幅が４５ｃｍ（長さ４インチ、幅２０インチ）で１２．５ｃｍ（５イ
ンチ）の側方のタブをもった二組の絶縁ブランケット・アセンブリー２１をつく
った。空気速度９４５ｍ／分（３１００フィート／分）、燃料供給速度１８．９
リットル／時間（６ガロン／時間）、１０９４℃（２０００°Ｆ）より高い温度
を用いてオイルバーナー１４を作動させた。アセンブリーの組み立ては表ＩＩＩ
に示されている。燃焼試験を行い、その結果焔の侵入を止める上で本発明の組成
物の有効性が例証された。この結果はまたアラミド／雲母紙を焔と絶縁材との間
に置くとガラスの絶縁材の融解を遅延させることによって熱の侵入を減少させる
上で最も効果があることを示している。
【００３４】
【表３】
【００３５】 1ポリエステルフィルムの袋はＥ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒ
ｓ ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎｙから市販されている商品名Ｍｙｌａｒ(R)のポリエ
ステルフィルムからつくられている。
【００３６】 実施例３： 実施例２と同様に、表ＩＶに示した材料を使用してブランケ
ット・アセンブリーをつくった。試験は実施例２と同様に行い、結果を表ＩＶに
示す。この試験結果は、焔の侵入を遅延させる上での本発明の耐焔障壁性組成物
の効果、および熱の侵入を減少させガラスの絶縁材の融解を遅延させる上で緻密
化されたアラミド／雲母紙の効果を示している。
【００３７】
【表４】
【図面の簡単な説明】
【図１Ａおよび１Ｂ】 上記熔け落ち試験を実施するのに使用される装置の模式図。図１Ａは航空機の
側壁構造の梁受に似せて設計された鋼製のフレームを示す。図１Ｂは試験を行う
ための熱源、試験パネル、および熱量計の相対的な位置を示す。
【図２】 試験形態の断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4L055 AF35 AG04 AG25 AH01 BE14 EA04 EA08 EA13 EA24 FA19 FA30 GA21 GA44 GA50

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ２５〜６０重量％のアラミドのフィブリッドおよび４０〜７
    ０重量％の雲母を含み、全坪量が１００〜５００ｇ／ｍ2であり、少なくとも１
    １５０℃の温度における航空機の断熱に対するＦＡＡ熔け落ち試験標準の条件下
    において少なくとも２４０秒の熔け落ち時間を示すことを特徴とする耐焔障壁性
    紙組成物。
  2. 【請求項２】 また０〜２０重量％のメタ−アラミドのフロックが存在する
    ことを特徴とする請求項１記載の組成物。
  3. 【請求項３】 該紙組成物はポリフッ化ビニル、ポリイミドまたはポリエス
    テルのフィルムから成る外側の水分阻止材料の層をもっていることを特徴とする
    請求項１または２記載の組成物。
  4. 【請求項４】 該紙組成物は重合体フィルムの袋の中に含まれていることを
    特徴とする請求項１または２記載の組成物。
  5. 【請求項５】 重合体フィルムの袋はポリエステル、ポリフッ化ビニル、お
    よびポリイミドから成る群から選ばれることを特徴とする請求項４記載の組成物
    。
  6. 【請求項６】 該袋はまた断熱材料を含んでいることを特徴とする請求項４
    記載の組成物。
  7. 【請求項７】 該断熱材料はガラスウールまたはアラミドのバットであるこ
    とを特徴とする請求項６記載の組成物。
  8. 【請求項８】 （ａ）２５〜６０重量％のアラミドのフィブリッドおよび４
    ０〜７０重量％の雲母の均一な混合物から成り、全坪量が１００〜５００ｇ／ｍ 2 であり、熔け落ち時間が少なくとも２４０秒である耐焔障壁組成物を焔の経路
    中に配置し、（ｂ）該組成物を該経路の中に保持して焔からの熱を吸収し反射さ
    せる工程を含むことを特徴とする焔の前進を遅延させる方法。
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