JP2003519736A - ビーム、柱、板、およびその他のための外部補強材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ビーム、柱、板、その他のための外部補強材であって、実質的に、繊維と樹脂との組み合わせから成り、繊維の大部分が前記補強材の長さ方向に配置されている外部補強材において、少なくとも、前記外部補強材の明確に定められたいくつかの部分に、繊維によって形成される追加の補強材が備えられ、該繊維が、前記外部補強材の長さ方向とは異なる少なくとも一つの方向に沿って配置されている、ことを特徴とする外部補強材に関する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、ビーム、柱、板、およびその他のための外部補強材（ａｎ ｅｘｔ
ｅｒｎａｌ ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｍｅｎｔ）に関する。より具体的には、木、コ
ンクリート、金属、または他の材料から成る既設のビーム、柱、またはその他の
最大許容荷重の増大を可能にする補強材に関する。

【０００２】 公知のように、既設の構造物の補強のために、たとえば鋼シートから成る外部
補強材が取りつけられる。このとき、この補強材は、接着剤、ボルト、またはそ
の他によって、そのような構造物に取りつけられる。

【０００３】 しかし、そのような公知の外部補強材は、一方では、非常に重く、他方では取
りつけにくいという欠点を有する。

【０００４】 そのような欠点を排除するために、すでに代替外部補強材が提案されている。
この補強材は、樹脂中に埋め込まれた繊維、たとえば、炭素繊維、ガラス繊維、
またはアラミド（ａｒａｍｉｄｅ）繊維、によって形成される板から成る。

【０００５】 これまでのところ、そのような補強材は、連続法たとえば引き抜き成形によっ
て製造されている。

【０００６】 実際、この公知の方法により、明確な組成であって、非常に大きな長さ、一定
の幅と厚さ、および滑らかな表面、を有する外部補強材を実現することができる
。

【０００７】 そのような外部補強材は、かなり重さが小さく、鋼シートから成る外部補強材
に比して、かなり容易に製造することができるが、すべての繊維が板状補強材の
長さ方向に配置され、したがってこの板は長さ方向の力しか支えることができな
いというかなり大きな欠点を有する。

【０００８】 実際、この場合に繊維に作用する力は、樹脂によってのみ、周りの繊維に伝え
られる。

【０００９】 さらに、前記の公知の補強材板には穴を開けることができない。穴を開けるこ
とにより、繊維の一部が局所的に破断し、したがってまた、そのように破断した
繊維に作用する力を周囲の繊維に伝えることができない、からである。

【００１０】 この公知の外部補強材のもう一つの欠点は、補強材板の製造方法のせいで表面
が非常に滑らかであり、そのため、補強すべき構造物に対する接着力がかなり小
さいということである。したがって、そのような接着力を改善するために、一般
に表面を粗くする目的で、この表面を、たとえばサンドブラスト、すり磨き（ｓ
ｃｏｕｒｉｎｇ）、または他の方法で処理するが、これは大変大きな労働力を必
要とする。さらに、そのような処理により、繊維が損傷を受け、その結果、補強
材板の強度が低下するということが起りうる。

【００１１】 したがって、本発明の一つの目的は、公知の追加補強材の前記欠点およびその
他の欠点を排除した外部補強材を提供することであり、本発明のもっとも重要な
目的は、前記外部補強材と補強すべき柱、ビーム、またはその他とのより良い接
着および結合を可能にすることである。

【００１２】 本発明のもう一つの目的は、最大の引っ張り力および／または圧縮力が発生す
る位置では厚くすることのできる外部補強材を提供することである。

【００１３】 この目的は、本発明により、 実質的に、繊維と樹脂との組み合わせから成る外部補強材であって、 このとき、繊維の大部分が前記補強材の長さ方向に配置されており、またこの
とき、少なくとも、前記外部補強材の明確に定められたいくつかの部分に、繊維
によって形成される追加の補強材が備えられ、該繊維が、前記外部補強材の長さ
方向とは異なる少なくとも一つの方向に沿って配置されている、外部補強材、 によって実現される。

【００１４】 以下、本発明の特徴をさらに十分に説明するために、本発明を限定しない一つ
の例として、ビーム、柱、板、およびその他のための、実質的に繊維と樹脂との
組み合わせから成る外部補強材の好ましい実施態様について述べる。

【００１５】 外部補強材の前記繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、または天然
繊維（たとえば大麻繊維、亜麻繊維、ココヤシの繊維）、またはこれらの繊維の
組み合わせとすることができ、また樹脂は、好ましくは、エポキシ樹脂、ビニル
エステル樹脂、ポリエステル樹脂、またはその他の適当な種類の樹脂である。

【００１６】 本発明によれば、 板状の外部補強材であって、繊維の大部分が、該外部補強材の長さ方向であっ
て引っ張り力が前記外部補強材に作用する方向である方向に配置されている外部
補強材において、 さらに、少なくとも、前記外部補強材の明確に定められたいくつかの部分に、
繊維を追加することによって、追加の補強材を備え、前記繊維が、前記外部補強
材の長さ方向とは異なる少なくとも一つの方向に沿って配置されている、板状の
外部補強材、 が実現される。

【００１７】 ある一つの特定実施態様においては、この外部補強材の厚さは長さ方向に変え
ることができ、引っ張り力および／または圧縮力が最大である位置で、たとえば
ビームの外部補強材の場合、ビームの長さ方向の中央で、外部補強材が強化され
るようにすることができる。

【００１８】 前記明確に定められたいくつかの部分の繊維は、互いに交差するように配向さ
れ、したがって、この外部補強材に通し穴が開けられたとき、引っ張り力および
／または圧縮力が他の補強繊維に伝わり、そのため、外部補強材を、ねじ、ボル
ト、その他によって、補強すべき材料に機械的に固定することが可能になる。

【００１９】 さらに、局所的に粗い表面が得られ、これは、接着剤の接着力が増大し、した
がって補強材がより良く力を支えるという重要な利点を与える。

【００２０】 本発明によれば、外部補強材は、補強すべき材料の長さ方向に向いていない力
を支えることができる。

【００２１】 現場で取りつける前に、この外部補強材の片側または両側に、接着力の小さな
織物を付着させておき、該織物が、除去されたとき、外部補強材に圧痕（ａｎ
ｉｍｐｒｅｓｓｉｏｎ）を残すようにすることができる。

【００２２】 外部補強材の取りつけの前にこの織物を除去することにより、やはり粗い表面
が得られ、したがって、補強材の追加処理、たとえばサンドブラスト、またはす
り磨きが不要になる。

【００２３】 接着力の小さい前記織物は、さらに、この外部補強材を、この外部補強材の補
強すべき材料への接着を困難にしうる汚染、たとえば指紋、ほこり、およびその
他に対して保護する。

【００２４】 ある特定の場合、この外部補強材は明確に定められた位置（ｗｅｌｌ−ｄｅｆ
ｉｎｅｄ ｌｏｃａｔｉｏｎｓ）において等方的（ｉｓｏｔｒｏｐｉｃ）とする
ことができる。

【００２５】 本発明に係る外部補強材は、少なくとも、接着剤、ボルト、またはその他によ
ってビーム、柱、またはその他に取りつけられる位置に、前記大部分の繊維の長
さ方向とは異なる方向に向いた追加繊維が備えられるので、前記ボルトを通すた
めにこの補強材に開口を備えても、長さ方向に配向された繊維の引っ張りまたは
圧縮強度に影響が及ばないということになる。

【００２６】 実施においては、前記の開口は、この外部補強材に、あらかじめまたはあとか
ら、備えることができる。たとえば、補強材を製造するとき、より詳しく言えば
、樹脂の硬化に先立って、必要な開口の周囲に配置されるように、繊維を配置す
ることができる。

【００２７】 この外部補強材を付加的に強化するために備えるべき前記繊維は、外部補強材
の長さ方向からずれた少なくとも一つの方向に沿って配置された繊維から成る、
織物、たて編み生地（ｗａｒｐ−ｋｎｉｔ）、マット、フリース（ｆｌｅｅｃｅ
ｓ）、またはその他によって構成されるようにすることができる。

【００２８】 この外部補強材の表面には、さらに、導電性または非導電性のフリース、たと
えばガラス繊維フリース、ポリエステル繊維フリース、またはその他、を備える
ことができる。

【００２９】 本発明はいかなる意味でも前記実施形態に限定されるものではない。すなわち
、ビーム、柱、およびその他のための前記外部補強材は、本発明の範囲を逸脱す
ることなく、いろいろな形態と寸法で具体化することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ビーム、柱、板、およびその他のための外部補強材であって
   、 実質的に、繊維と樹脂との組み合わせから成り、繊維の大部分が前記補強材の
   長さ方向に配置されている外部補強材において、 少なくとも、前記外部補強材の明確に定められたいくつかの部分に、繊維によ
   って形成される追加の補強材が備えられ、該繊維が、前記外部補強材の長さ方向
   とは異なる少なくとも一つの方向に沿って配置されている、 ことを特徴とする外部補強材。
2. 【請求項２】 前記外部補強材の厚さを、該補強材に作用する引っ張り力ま
   たは圧縮力に応じて、局所的に変化させうることを特徴とする請求項１に記載の
   外部補強材。
3. 【請求項３】 前記繊維の少なくとも一部分が、織物、たて編み生地、マッ
   ト、フリース、またはその他から成ることを特徴とする請求項１に記載の外部補
   強材。
4. 【請求項４】 前記繊維が、少なくとも部分的に、ガラス繊維、炭素繊維、
   アラミド繊維、天然もしくは合成繊維、またはこれらの組み合わせ、から成るこ
   とを特徴とする請求項１または３に記載の外部補強材。
5. 【請求項５】 樹脂として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエス
   テル樹脂、フェノール（ｐｈｅｎｏｌｅ）樹脂、鉱物性樹脂、または熱可塑性樹
   脂（ｔｈｅｒｍｏｐｌａｓｔ）、が使用されることを特徴とする請求項１から４
   の中のいずれか１つに記載の外部補強材。
6. 【請求項６】 取りつける前に、片側または両側に、少なくとも局所的に、
   接着性の小さな織物が備えられており、該織物が、除去されたとき、前記外部補
   強材に圧痕を残すことを特徴とする請求項１から５の中のいずれか１つに記載の
   外部補強材。