JP2003518122A - ヒダントイン誘導体化合物、医薬合成品およびこれらの使用方法 - Google Patents

ヒダントイン誘導体化合物、医薬合成品およびこれらの使用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般に、新規なヒダントイン誘導体化合物、このような化合物を含む医薬組成物並びに物理的にダメージを受けた神経および神経変性異常を含む神経障害の予防および/または治療、脱毛症の治療および毛髪成長の促進、視力障害の治療および/または視力の改善、記憶障害の治療および/または記憶力の向上、このような化合物を投与することによる感覚神経性難聴の治療にこれらの化合物を用いる方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なヒダントインおよびヒダントイン誘導体化合物、医薬合成品
におけるこれらの含有物、並びに、動物の神経障害の予防および/または治療、
脱毛症の治療および増毛、視覚障害の治療および/または視力の改善、記憶力減
退の治療および/または記憶力の向上、聴力低下の予防および/または治療のた
めのこれらの調合および使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
FK506およびラパマイシンのような免疫抑制剤のピコモル濃度が、PC1
2細胞および知覚神経、すなわち後根神経節細胞(DRGs)における神経突起
の生長を刺激するということがわかっている。LyonsらのProc. Of
Natl. Acad. Sci. 1994, 91, 3191−319
5。動物全般に渡る実験において、FK506は、顔面神経損傷の後で神経の再
生を刺激したり、坐骨神経障害を有する動物の機能回復をもたらしたりすること
が示された。
【0003】 中枢神経系における特定の神経個体群にもたらす神経向性因子のいくつかは同
定されている。例えば、アルツハイマー病は神経生長因子(NGF)の減少また
は損失の結果として起こるとされている。外因性神経治療因子または脳誘導神経
因子(BDNF)、膠誘導神経因子および毛様体神経向因子のような他の神経向
性蛋白質並びに変性神経個体群の生き残りを増加するニューロトロピン−3でア
ルツハイマー病を治療することが提案されてきた。
【0004】 種々の神経疾患状態でのこれらの蛋白質の臨床的応用は、神経系目標への大き
な蛋白質の配達および生物的効用性における困難性によって妨げられている。対
照的に、神経向性活性を有する免疫抑制剤は比較的小さく、優れた生物的効用性
および特異性を示す。しかしながら、長期的に免疫抑制剤を投与する場合、糸球
体濾過の損傷および回復不能の間質性線維症のような腎毒性疾患(Koppらの
1991, J.Am.Soc.Nephrol. 1:162)、不随意震顫
のような神経障害または非局所的頭痛のような脳アンギナ(De Groenら
の1987, N.Engl.J.Med.317:861)およびこれらから
起こる合併症を有する血管性高血圧症(Kahanらの1989, N.Eng
l.J.Med.321:1725)を含む多数の潜在的に重要な副次的影響を
示す。
【0005】 したがって、神経向性の効果および神経変性障害の治療に有益である、非免疫
抑制の低分子化合物に対する要求がある。
【0006】 毛髪の減少は、種々の状況で起こる。これらの状況には、男性型脱毛症、老齢
型脱毛症、円形脱毛症、基本となる皮膚の機能障害または腫瘍並びに栄養障害お
よび内分泌障害のような組織的障害が含まれる。毛髪の減少を引き起こすメカニ
ズムは非常に理解し難いが、いくつかの例においては、老化、遺伝的傾向、男性
ホルモンの活性化、毛髪濾胞への血液の供給低下および頭皮異常にあると考えら
れる。
【0007】 免疫抑制剤であるFK506、ラパマイシンおよびシクロスポリンは、T細胞
の特定の免疫抑制に効果があるとしてよく知られており、器官移植後の拒絶反応
に対して効果的である。FK506(YamamotoらのJ.Invest.
Dermatol.,1994, 104, 523−525)およびシクロス
ポリン(IwabuchiらのJ.Dermatol.Sci. 1995,
9, 64−69)の経口でない局部適用は、服用量に依存して毛髪の生長を刺
激すると報告されている。毛髪減少の一形態である円形脱毛症は自己免疫活性と
関係していることが知られている。したがって、局所的に投与された免疫調整性
化合物が、毛髪減少のうち円形脱毛症の治療の効果を証明することが予想される
。FK506の毛髪生長刺激効果は、FK506および毛髪生長刺激についてそ
れに関連した構造を保護する国際的な特許の対象とされている(Honboらの
FP 0 423 714 A2)。Honboらは、毛髪活性剤のような免疫
抑制効果について知られている比較的大きな三環式化合物の使用を開示する。
【0008】 FK506および関連剤の毛髪生長効果および毛髪活性効果は、多くの米国特
許に開示されている(Gouletらの米国特許第5,258,389号、Lu
lyらの米国特許第5,457,111号、Gouletらの米国特許第5,5
32,248号、Gouletらの米国特許第5,189,042号、Okらの
米国特許第5,208,241号、Rupprechtらの米国特許第5,28
4,840号およびOrganらの米国特許第5,284,877号)。これら
の特許は、FK506に関連した化合物についての権利を要求するものである。
それらは毛髪活性の方法について権利要求していないが、毛髪生長効果について
のFK506の公知の使用を開示する。FK506(およびHonboらの特許
で権利要求されたFK506の変性物)と同様に、これらの特許において権利要
求された化合物は比較的大きい。さらに、引用特許は、自己免疫に関係した疾患
、FK506の効果がよく知られているが、で使用される免疫調節性化合物に関
連する。
【0009】 他の米国特許は、毛髪活性用のシクロスポリンおよび関連化合物の使用を開示
する(Hauerらの米国特許第5,342,625号、Eberleらの米国
特許第5,284,826号、Hewittらの米国特許第4,996,193
号)。これらの特許は自己免疫疾患の治療に有益な化合物にも関連しており、毛
髪生長用のシクロスポリンおよび関連する免疫調整化合物についての公知の使用
を引用する。
【0010】 しかしながら、定義による免疫抑制化合物は免疫系を抑え、他の害のある面の
効果も示す。したがって、毛髪活性化合物のように有益である非免疫抑性の低分
子化合物に対する要求がある。
【0011】 視覚系は、目、目の付属器官および視覚経路から構成される。視覚系の機能障
害は、例えば1以上の目の機能における正常な状態からの逸脱のような永続的ま
たは一時的な視覚の悪化に導くかもしれない。視覚の悪化はそれ自身様々な方法
で現れ、視覚の機能障害および精神的不安の広い範囲を含む。際限なく、これら
の機能障害および精神的不安には、視覚の部分的または全体的な低下、近くのお
よび遠くの物についての鋭敏な視覚の矯正の必要性、視野の低下、複視(二重視
)以外の目の自発運動能力の低下、色覚の異常または低下、光および暗闇に対す
る順応の制限、自動的視力調整機能の低下、変視症的歪み、両眼の視覚の低下、
自動的視力調整の不全麻痺、虹彩麻痺、内反症、外反症、流涙症、兎眼および傷
が含まれる。眼科学のための内科医の机上用参考書(Physiciants′
Desk Reference (PDR))の第16版6:47(1988
)を参照されたい。視覚系は、反対に、様々な眼科的障害、疾病、損傷、並びに
、際限無しに、遺伝的異常、老化または退行性の疾病に関連にした異常、外的因
子から起こる目、頭または身体の他の部分への物理的な損傷に関係した異常、環
境的因子から起こる異常、幅広い範囲の疾病から起こる異常および上記の組み合
わせによって侵されるかもしれない。
【0012】 視覚系は、多くの成分からなる複合系である。視覚の低下には、周囲の状況の
まさにその状態に依存する、視覚系全体、任意の成分または成分の任意の組合せ
が含まれる。目はレンズからなり、レンズはチン(Zinn)の毛様小帯の中に
浮いていて、毛様体によって焦点を合わせる。毛様体は、水性の液も分泌する。
この水性の液は、後室を満たし、瞳を通って前室へ進み、次にシュレム管を経て
主として排出される。虹彩は、中央の開口、すなわち瞳の大きさを調節すること
によって、目に入る光の量を調節する。視覚像は網膜上に焦点を結ぶ。中心窩は
最も鋭い視覚的鋭敏を有する網膜領域である。結膜は粘液性の膜組成であり、ま
ぶたと眼球に沿って位置し、結膜の縁で突然終わり、結膜の端は角膜に重なって
いる。角膜は、透明で薄い、目の前方部分の繊維状の膜である。角膜は光の屈折
において重要であり、角膜の被膜組織とは多くの点で異なる被膜組織で覆われて
いる。
【0013】 網膜は目の最も深い部分であり、光に敏感な部分である。網膜は、明るい光の
中での色覚に責任を負う錐状体と、薄暗い光の中での視覚に極めて重要であるが
色は知覚しない桿状体の2つのタイプの光感覚器官を含む。光は、角膜、レンズ
系および硝子体液を通った後、内側から網膜に入る。すなわち、中枢細胞および
神経線維、内部と外部の網状層、内部と外部の核層並びに内側と外側の境界膜を
通って、最後に網膜の外側近く、最も外側の色素上皮層の少し内側に位置する光
受容体の層に到達する。色素上皮層の細胞は、血状網膜関門を形成し、目の外側
に位置する液体および薬物に対する解剖学的な障壁として振る舞い、そして、光
受容体細胞に栄養物、酸素、ビタミンAのような機能的に有益な物質の源および
分解生成物の食作用を提供する。色素上皮層と光受容体層の間に解剖学的関係は
なく、いくつかの病理学的立場において層の分離を可能にする。
【0014】 桿状体または錐状体が光によって刺激されると、信号が網膜自身の中の連続し
た神経単位を通って視神経線維の中へ入り、最終的に脳皮質へ伝えられる。桿状
体と錐状体は両方ともに光にあたると分解する分子を含み、その課程で目から導
かれる神経線維を刺激する。桿状体の中の分子はロドプシンである。錐状体の中
の3種の光に鋭敏な分子はまとめてアイオドプシンと呼ばれ、ロドプシンとはほ
んのわずかに異なる構造を有しており、それぞれ赤、青または緑の光によって最
も刺激される。
【0015】 桿状体も錐状体も活動電位を発生しない。むしろ、外側で発生した光誘起膜過
分極、すなわち桿状体または錐状体の感光性部分が、電気的電圧の直接的な伝導
、すなわち電気伝導と呼ばれるプロセスによって、内側の部分を通って外側の部
分からシナプス体まで伝えられる。シナプス体で、膜電位は、未知の伝達物質分
子の解離を制御する。弱い光では桿状体および錐状体の細胞膜は脱分極し、伝導
物質の解離速度は最も大きくなる。光誘起過分極は、伝達物質の解離に著しい減
少を引き起こす。
【0016】 桿状体および錐状体の細胞によって解離された伝達物質は、双極の神経単位お
よび同種の細胞の中に信号を誘導する。これらの細胞の中の信号は電気伝導によ
っても伝えられるが、活動電位によっては伝えられない。
【0017】 桿状体の双極神経単位は50個ぐらいの桿状体細胞と結びついている。一方、
小さくて拡散した双極分子は1個または数個の錐状体細胞と結びついている。脱
分極している双極細胞は、それと結びついている桿状体または錐状体が光にあた
ると刺激される。伝達物質分子の放出は脱分極している双極細胞の反応を抑制す
る。したがって、暗闇で桿状体および錐状体が大量の伝達物質分子を分泌すると
、脱分極している双極細胞の反応が抑えられる。光の中では、桿状体および錐状
体からの伝達物質分子の放出の減少は、双極細胞の反応の抑制を弱めて刺激され
るにまかせる。このようにして、正および負の信号は、異なる双極細胞を通って
、桿状体および錐状体からアクマリン細胞およびガングリオン細胞へ伝達される
ことができる。
【0018】 名前が示すように、水平細胞は網膜の中で水平に投影し、そこで桿状体、錐状
体、他の水平細胞または各種細胞との組合せとシナプスを形成する。水平細胞の
機能は明らかでないが、信号を送る光受容体の集合の中のあるメカニズムが仮定
されている。
【0019】 全てのタイプの双極細胞はガングリオン細胞と繋がっており、そのガングリオ
ン細胞には2つの主要なタイプがある。Aタイプのガングリオン細胞は主に桿状
体の双極細胞と繋がっている。一方、Bタイプのガングリオン細胞は主に小さく
て拡散した双極細胞と繋がっている。Aタイプのガングリオン細胞は、コントラ
スト、光の強度および移動に対する知覚に敏感であると考えられている。一方、
Bタイプのガングリオン細胞は、色覚および視覚的な鋭敏さにより関係している
と考えられている。
【0020】 水平細胞のように、アマクリン細胞は、多くの他の細胞、この場合は双極細胞
、ガングリオン細胞および他のアマクリン細胞のいくつかと水平にシナプスを形
成する。アマクリン細胞の機能も明らかではない。
【0021】 ガングリオン細胞のアクソンは、目の神経線維層に信号を運び、そこでアクソ
ンは神経線維の中へ集中し、さらに視神経円板で集中する。そこでは、アクソン
は視神経として目から出る。ガングリオン細胞は、目の神経細胞を通って、活動
電位の形で脳に信号を伝達する。これらの細胞は、刺激されていないときでさえ
、平均で約5s−1のベースライン速度で連続的な神経の刺激を伝達する。視覚
的な信号は、ガングリオン細胞のこのベースラインレベルに重ねられる。それは
、ベースライン速度より大きくなる多くの刺激を有する刺激的な信号、または、
ベースライン速度より小さくなる多くの神経刺激を有する抑制した信号のいずれ
かになることができる。
【0022】 中枢神経系の部分として、目はある意味において脳の延長である。脳は、それ
自体では再生の能力は限られている。この限られた再生の能力は、さらに、視覚
の改善、視覚系の機能不全の解決および/または眼科的異常の治療若しくは予防
に挑戦することを困難にする。多くの他の異常と同様に、網膜の光の影響による
傷害、網膜の虚血性傷害、年齢に関係した黄斑変性およびフリーラジカルに誘引
する眼病のような目の多くの異常が、完全に治療できないと考えられている。他
の眼科的異常、例えば永久的な視覚損傷を引き起こす異常は、眼科装置の使用お
よび/または成功の程度に変動がある外科手術によってのみ治される。
【0023】 免疫抑制剤FK506、ラパマイシンおよびシクロスポリンは、T細胞の特定
の免疫抑制に効果があるとしてよく知られおり、自己免疫性の、移植された器官
または移植片の拒絶反応、炎症、アレルギー反応および他の自己免疫性のまたは
免疫媒介の疾病並びに伝染病に対して効果がある。シクロスポリン、FK−50
6、ラパマイシン、ブスピロン、スピペロンおよび/またはこれらの誘導体の投
与が、これらのタイプの眼科的異常の治療に効果があるということが開示されて
いる。いくつかの眼科的異常または視覚の問題は、自己免疫性および免疫学的に
媒介された活動と関係することが知られている。したがって、免疫抑制の化合物
は、あるタイプの眼科的異常または視覚の問題の治療に効果を示すことが予想さ
れる。
【0024】 眼科的治療の異常におけるFK506、ラパマイシンおよび関連剤の効果は、
いくつかの米国特許に開示されている(Gouletらの米国特許第5,532
,248号、Mochizukiらの米国特許第5,514,686号、Lul
yらの米国特許第5,457,111号、Russoらの米国特許第5,441
,937号、Kulkarniの米国特許第5,387,589号、Asaku
raらの米国特許第5,368,865号、Gouletらの米国特許第5,2
58,389号、Armisteadらの米国特許第5,192,773号、G
ouletらの米国特許第5,189,042号およびFehrの米国特許第5
,011,844号)。これらの特許はFK506またはラパマイシンの関連化
合物を権利要求していて、FK506およびラパマイシンの公知の自己免疫的効
果に関連した眼科的異常の治療におけるFK506またはラパマイシンの関連化
合物の公知の使用を開示する。これらの特許で開示される化合物は比較的大きい
。また、引用した特許は、自己免疫性若しくは関連した異常または自己免疫学的
に媒介した異常、FK506およびラパマイシンの効果がよく知られているが、
を治療するのに限定した自己免疫性化合物に関係する。
【0025】 他の米国特許は、シクロスポリン、スピペロン、ブスピロン、これらの誘導体
および眼科的異常の治療に用いられる他の免疫抑制化合物を開示する(Shar
peらの米国特許第5,703,088号、Sharpeらの米国特許第5,6
93,645号、Sullivanの米国特許第5,688,765号、Sul
livanの米国特許第5,620,921号、Sharpeらの米国特許第5
,574,041号、Eberleの米国特許第5,284,826号、Sha
rpeらの米国特許第5,244,902号、Chiouらの米国特許第5,1
98,454号および第5,194,434号並びにKaswanの米国特許第
4,839,342号)。これらの特許は、自己免疫疾患の治療に有益な化合物
にも関連していて、シクロスポリン、スピペロン、ブスピロン、これらの誘導体
並びに目の炎症および他の免疫学的に媒介した眼科的異常の治療に用いられる他
の免疫抑制化合物についての公知の使用を引用する。
【0026】 従来技術において、免疫抑制化合物が定義によれば免疫系を抑制し、そして他
の有害な面の効果も示すことも開示されている。したがって、視覚の改善、視覚
損傷または視覚系の機能不全の予防、治療および/または回復並びに眼科的異常
の予防、治療および/または解決に有益である、非免疫抑制性の低分子化合物並
びにこのような化合物の合成物およびこのような化合物の使用方法についての要
求がある。
【0027】 (負傷によるものであろうと外科手術によるものであろうと)傷の治療、(緑
内障からしばしば起こる)眼圧の制御、網膜の神経単位へのダメージまたは損傷
、網膜のガングリオン細胞へのダメージまたは損傷および黄斑変性を含む神経変
性の目の異常の抑制、神経突起の生長の抑制、フリーラジカルによって引き起こ
される酸化的ダメージの予防または低減並びに低い血流の結果起こる無駄な生成
物除去の低減だけでなく酸素の低減および栄養の供給による治療を可能にしまた
は促進する使用方法を開示する、非免疫抑制性の化合物に関する多数の特許もあ
る。これらの非免疫抑制性物質は、たんぱく質、糖たんぱく質、ペプチド、ホル
モンおよび成長因子のような自然に存在する分子並びに合成分子という2つの概
略的な範疇の1つに入る。
【0028】 自然に存在する非免疫抑制性分子のグループ内にあるいくつかのホルモン、成
長因子および注目に値する分子を、特定の分子が成長した個体内には自然に存在
しない特定の細胞を対象とする場合と同様に、このような分子の自然に存在する
量に補足して用いることが特許されている。これらの特許は、一般に、眼病の兆
候の低減若しくは予防または失明の進行の停止若しくは回復のための使用方法を
権利要求する。
【0029】 特に、Louisらの米国特許第5,736,516号および第5,641,
749号は、緑内障または他の退行性若しくは外傷性の網膜疾病若しくは外傷に
よって引き起こされる網膜の神経単位(例えば光受容体)および網膜のガングリ
オン細胞の変性の停止または回復にグリア細胞線誘導神経栄養因子(glial
cell line derived neurotrophic fact
or; GDNF)を使用することを開示する。O′Brienらの米国特許第
5,714,459号および第5,700,909号は、神経突起の生長の抑制
およびミエリン形成の増加のために糖たんぱく質、サポシン(Saposin)
およびその誘導体を使用することを開示する。網膜の神経単位の変性の停止また
は回復については、LaVailらの米国特許第5,667,968号が、脳誘
導神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、神経栄養因子−3(neurotrop
hin−3)または神経栄養因子(neurotrophin−4)、酸性また
は塩基性の線維芽細胞成長因子、インターロイキン、腫瘍壊死因子−α(tum
or necrosis factor−α)、インスリン様成長因子−2(o
nsulin−like growth factor−2)および他の成長因
子を含む多くの神経栄養たんぱく質の使用を開示する。Wongらの米国特許第
5,632,984号は、出血を低減させて血管新生を制限することによって黄
斑変性の徴候を治療するために、インターフェロン、特にインターフェロンα−
2a(interferon α−2a)を使用することを開示する。最後に、
Wallaceらの米国特許第5,441,937号は、毛様体神経節および副
交換神経の神経単位細胞の機能性を維持するために肺誘導神経栄養因子(lun
g−derived neurotrophic factor; NTF)の
使用を開示する。
【0030】 特定の細胞線から誘導された因子の重要な特性は、特定の細胞線または組織へ
のそれらの局在化にある。これらの分子を用いての全身治療は、意図しない重大
な危険およびこれらの分子を符号化する遺伝子が不活性であるような細胞線に影
響を与える潜在的な危険を冒すことになる。同様に、ホルモンおよび成長因子は
、多くの細胞線の中の非常に多くの遺伝子をしばしば活性化する。また、一方で
は、これらの分子が特定の場所に集中しないような投与は、不適当で、潜在的に
危ない反応を起こさせるような重大な危険を冒すことになる。
【0031】 合成分子の範疇では、特許された化合物のほとんどは自己免疫性であり、上述
したように、炎症性、自己免疫性およびアレルギー性の反応の治療に用いられる
ことが開示されている。非自己免疫性の他の化合物も少しあり、細胞の変性を治
療する能力、および、ある場合においては、多くは酸化を抑制する特性に関連し
て、細胞の再生を促進する能力を権利要求している。
【0032】 特に、Tsoらの米国特許第5,527,533号は、フリーラジカルの存在
から生じる光受容体のダメージの予防または低減のために、カロチノイドを含む
抗酸化剤であるアスタキサンチン(astaxanthin)を使用することを
開示する。同様に、Babcockらの米国特許第5,252,319号は、酸
化によるダメージに対する抵抗力を増大させることによって目の疾病および傷害
を治療するために酸化を抑制するアミノステロイドを使用することを開示する。
Freemanの米国特許第5,468,752号は、異常に増大した眼球内の
圧力を低減させるために、抗ウイルス性のホスホニルメトキシアルキルシトシン
(phosphonylmethoxyalkylcytosines)を使用
することを開示する。
【0033】 自然に存在するホルモン、成長因子、シトキンおよび注目に値する分子は一般
に多機能であり、異なった細胞線の中の多くの遺伝子を活性化する。この化合物
は、このように、全身の使用についての予想できず、潜在的に危険な副次的影響
を避けられない。同様に、また、この化合物は、自然に存在しない細胞線の特定
分子を他の細胞線に伝えるという潜在的に予測できない面の影響を避ける。
【0034】 内耳のコルチ器官内の上皮有毛細胞は音を神経活動に変換する。そして、音は
8番目の頭蓋神経の蝸牛部分に沿って伝えられる。この神経は、3つのタイプの
神経単位、1)螺旋状のガングリオンの中にあり、蝸牛を脳幹へつなぐ求心性神
経単位、2)上オリーブ核複合体に生じる遠心性オリーブ蝸牛神経単位および3
)頸部交感神経幹から生じ、蝸牛を刺激する内因性のアドレナリン様神経単位の
線維からなる(Spoendllin, H. H., in Friedma
nn, I. Ballantyne, J., eds. ″内耳の超微細構
造環椎(Ultrastructural Atlas of the Inn
er Ear)″, London, Butterworth, pp. 1
33−164,(1984))。人間では、それぞれ約50ラメラからなり、直
径4〜6μmである有髄の軸策を有する、約30,000の求心性の蝸牛神経単
位がある。この微細構造は、重要な機能的特徴である一定の伝導速度の基礎を形
成する。耳の神経の全長を通じて、ねじれたロープ状の形の中で中央に位置する
「先端」線維で包まれた「基底」線維と一緒に求心性線維の栄養配列がある。S
poendlinは、形態上の相違に基いて螺旋状ガングリオンの中の2つのタ
イプの求心性神経単位を同定した(Spoendlin, H. H. in
Naunton, R. F., Fernadex, C. eds., ″
聴覚神経系の中で起きる電気的活動(Evoked Electrical A
ctivity in the Auditory Nervous Syst
em)″, London, Academic Press, pp. 21
−39, (1978))。タイプIの細胞(95%)は双極性であり、内側の
有毛細胞へ突き出る有髄細胞体および軸策を有する。タイプIIの細胞(5%)
は有髄でない軸策を有する単極性であり、コルチ器官の外側の有毛細胞へ突き出
ている。内側の有毛細胞のそれぞれは約20の線維によって刺激され、各細胞は
唯1つの細胞上にシナプスを形成する。これに対して、外側の有毛細胞のそれぞ
れは約6の線維によって刺激され、各線維は約10の細胞を供給するために分か
れている。蝸牛内で、線維は、1)内部有毛細胞に対して主として同じ側に生じ
て求心性神経単位とシナプスを形成する内部螺旋状群、および2)主として反対
側に生じて外部有毛細胞と直接的にシナプスを形成する、より多数の外部ラジカ
ル群に分けられる。ある周波数、これは特徴的なまたは最良の周波数である、で
極小となるしきい値があるが、該しきい値は、このレベルよりも上および下の周
波数では急激に上昇する(Pickles, J.O. in ″聴覚生理学へ
の入門(Introduction to the Physiology o
f Hearing)″, London, Academic Press,
pp. 71−106, (1982))。したがって、1つ1つの聴覚神経
線維が帯域フィルターとしてふるまうことがわかる。基底膜は、その長さに沿っ
て異なる距離で異なる周波数に対して選択的に振動し、各蝸牛神経線維の周波数
選択性は、線維が繋がっている内部有毛細胞のそれに類似する。このように、各
蝸牛神経線維は、異なる範囲の周波数を隣り合う線維でカバーする調律曲線を示
す(Evans, E. F. in Beagley H. A. ed.,
″聴覚研究、科学と技術の基礎(Auditory investigati
on: The Scientific and Technological
basis)″, New York, Oxford Universit
y Pressm (1979))。この機構によって、複雑な音は内耳のフィ
ルターによって周波数成分に分解される(周波数分解能)。
【0035】 外側の聴覚管から中枢神経系への聴覚経路に沿った場所での損傷は、難聴を起
こすことがある。聴覚器官は、外耳、中耳、内耳並びに聴覚神経および中枢聴覚
経路に細分することができる。人間における聴覚情報は、内耳の中の約15,0
00の上皮細胞(有毛細胞)と30,000の1次神経単位(螺旋状ガングリオ
ン細胞)の作用によって、機械的な信号から神経的に伝えられた電気的なインパ
ルスへ変換される。螺旋状のガングリオン神経線維の全中枢線維は、脳橋の脳幹
の蝸牛核の中でシナプスを形成する。聴覚の中に含まれる多数の神経単位は、蝸
牛管から聴性脳幹および聴覚皮質へ劇的に増加する。聴覚情報の全ては、わずか
15,000にすぎない有毛細胞によって変換される。この有毛細胞のうち、い
わゆる内部有毛細胞は3,500を数えるが、30,000の主要な聴覚神経単
位の約90%を有するシナプスからなるので非常に重要である。このように、聴
覚周辺内の相対的に少ない細胞へのダメージは、重大な難聴に至る。したがって
、感覚神経の喪失のほとんどの原因は、内耳内の機能障害に帰することができる
(Nadol, J. B., New England Journal o f Medicine , (1993), 329: 1092−1102)。
【0036】 難聴は、伝達性のレベル、すなわち感覚神経および中枢神経のレベルにある。
伝導難聴は、外耳または中耳に関係する機能障害によって引き起こされ、鼓膜お
よび小骨によって増大した音を内耳流体まで空気によって運ぶ通常の経路の破壊
に帰する。感覚神経性難聴は、中枢聴覚経路の損傷によるものである。これらは
、蝸牛並びに背面オリーブ核複合体、下丘、内側膝状体、側頭葉の中の聴覚皮質
および相互に連絡する求心性と遠心性の線維路からなる(Adams R. D
. and Maurice, V., eds., in ″神経学の原理(
Principles of Neurology)″, (1989), M
cGraw−Hill Information Services Comp
any, pp. 226−246)。
【0037】 聴覚の過剰な刺激による外傷は、難聴の別の原因となる。騒音から外傷までの
影響の受けやすさは個々による。客観的に重要な感覚神経性難聴は、職業安全健
康局(Occupational Safety and Health Ag
ency)によって承認されたレベルの下でさえも、高くて激しい騒音に曝され
た何人かの人々の中で起こり得る(Osguthorpe, J. D., ., Wastington D. C., American Acade
my of Otolaryngology−Head and Neck S
urgery Foundation, (1988))。
【0038】 多発性硬化症のような髄鞘を除去するプロセスは、感覚神経性難聴を引き起こ
すことがある(Noffsinger, D., et al., Acto Otolaryngol. Suppl. (Stockh.) (1972)
303: 1−63)。より最近では、免疫を媒介とした感覚神経性難聴が
認められている(McCabe, B. F., Ann. Otol. Rh inol. Laryngol. (1979)、 88: 585−9)。難
聴はたいてい両側で起こり、(週および月を尺度として)急速に進行する。そし
て、前庭の自覚症状と関係することもあるし関係しないこともある。
【0039】 様々な腫瘍は、最初にできた腫瘍であっても転移した腫瘍であっても、内耳ま
たは聴覚神経に広がることによって、伝導難聴または感覚神経性難聴のいずれか
を生じる(Houck, J. R., et al., Otolaryng
ol. Head Neck Surg. (1992), 106: 92−
7)。原因不明の様々な退行性異常は、感覚神経性難聴を生じる。変動性の感覚
神経性難聴、時折のめまいおよび耳鳴りによって特徴付けられるメニエール氏症
候群(Nadol, J. B., ed., ″メニエール氏病:病原論、病
態生理学、診断および治療(Meniere′s Disease: Path
ogenesis, Pathophysiology, Diagnosis
, And Treatment,)″ Amsterdam: Kugler
& Ghedini (1989))は、病原体は不明であるが、内耳内の流
体ホメオスタシスの異常によって引き起こされることが明らかとなっている。急
な突発性疾患の感覚神経性難聴(Wilson, W. R., et al.Arch. Otolaryngol. (1980), 106: 77
2−6)は、内耳虚血およびウイルス性の内耳炎を含む様々な原因によるのかも
しれない。
【0040】 このような原因にかかわらず、感覚神経性難聴の予防または治療に対する要求
がある。本発明は、このような方法を提供する。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明は、新規なヒダントイン誘導体化合物、それらの調合並びに神経変性異
常の治療、脱毛症および関連した毛髪喪失性の異常の治療、視覚異常の治療およ
び/または視力の回復、記憶障害の治療および/または記憶力の向上、感覚神経
性難聴の治療のための使用に関する。
【0042】 これらの化合物は神経の再生および生長を刺激し、それなりに神経異常および
神経変性異常の治療に有益である。これらの化合物は毛髪の成長も促進し、それ
自体毛髪喪失性の異常を治療するのに有益である。これらの化合物は視覚異常の
治療、視力の向上、記憶障害の治療、記憶力の向上または難聴の治療にも有益で
ある。本発明の化合物の好ましい特徴は、いかなる重要な自己免疫性の活動も行
わない、および/または、非自己免疫性であるということである。
【0043】 本発明の好ましい態様は、式13を有する化合物である。
【0044】
【化13】
【0045】 ここで、XはそれぞれO、SまたはNRである。Rは、シアノ基、ニトロ
基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC〜Cアルコキシ基よりな
る群から選ばれる。Dは、直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはア
ルケニル基である。Rは、水素、フェニル基、ビフェニル基、シクロプロピル基
、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基、インデニル基、アズレ
ニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、イソインドリル基、インドリニル
基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インダゾリル基、ベンズイミダ
ゾリル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピリジル基、ピ
ロリル基、ピロリジニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、プリニル基、キノ
リニル基、イソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、キノリジニル基、フ
リル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基
、ベンズオキサゾリル基、ベンズオキサジニル基、チアゾリル基、イソキサゾリ
ル基、イソトリアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾ
リル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ト
リチアニル基、インドリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジ
ニル基、ベンゾピラニル基、チエニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、シノ
リニル基、フタルアジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ナフチリジ
ニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル
基、フェノキサジニル基およびアダマンチル基よりなる群から選ばれる。ここで
、Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
フェニル基、フェノキシ ここで、XはそれぞれO、SまたはNRである。R は、シアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC
アルコキシ基よりなる群から選ばれる。Dは、直接的な結合またはC〜C アルキル基若しくはアルケニル基である。Rは、水素、フェニル基、ビフェニ
ル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフ
チル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、イ
ンドリル基、イソインドリル基、インドリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチ
オフェニル基、インダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、テトタヒドロフラニル
基、テトラヒドロピラニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピリ
ジニル基、ピリミジニル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、テ
トラヒドロキノリニル基、キノリジニル基、フリル基、チオフェニル基、イミダ
ゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾピラニル基、チアゾリル基、イソトリアゾリ
ル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリダジニル
基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、トリチアニル基、インド
リジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、チエニル基、
テトラヒドロイソキノリニル基、シノリニル基、フタルアジニル基、キナゾリニ
ル基、ナフチリジニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、
フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基およびアダマンチル
基よりなる群から選ばれる。ここで、Rは、場合により、水素、ハロ基、水酸基
、ニトロ基、トリフルオロメチル基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル
基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、
〜Cアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基
およびアミノ基よりなる群から選ばれる1の置換基で置換されていてもよい。
【0046】 式14の化合物は、薬学的に許容できる塩、エステルまたはそれらの溶媒和物
であってもよい。ここで、Rが水素である場合、DはC〜Cアルキル基また
はアルケニル基である。Rがフェニル基である場合、Rはフェニル基、水酸基、
トリフルオロメチル基、C〜Cの直鎖状若しくは分岐状アルキル基またはア
ルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、フェニ
ル基またはベンジルオキシ基で置換されなければならない。Rが4−トリフルオ
ロメチルフェニル基である場合、X置換基は両方ともOでなければならない。
【0047】 本発明の他の好ましい態様は、式14の化合物である。
【0048】
【化14】
【0049】 ここで、XはそれぞれO、SまたはNRである。Rは、シアノ基、ニトロ
基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC〜Cアルコキシ基よりな
る群から選ばれる。Dは、直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはア
ルケニル基である。Rは、水素、フェニル基、ビフェニル基、シクロプロピル基
、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、
シクロオクチル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基、インデニル基、
アズレニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、インドリル基、イソインド
リル基、インドリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インダゾ
リル基、ベンズイミダゾリル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニ
ル基、ピリジル基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピリジニル基、ピリミジニル
基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基
、キノリジニル基、フリル基、チオフェニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル
基、ベンゾピラニル基、チアゾリル基、イソトリアゾリル基、オキサジアゾリル
基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピ
ラジニル基、トリアジニル基、トリチアニル基、インドリジニル基、ピラゾリル
基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、チエニル基、テトラヒドロイソキノリ
ニル基、シノリニル基、フタルアジニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基
、プテリジニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基、フェノ
チアジニル基、フェノキサジニル基およびアダマンチル基よりなる群から選ばれ
る。ここで、Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフル
オロメチル基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖
状または分岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニル
オキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりな
る群から選ばれる1の置換基で置換されてもよい。
【0050】 式14の化合物は、薬学的に許容できる塩、エステルまたはそれらの溶媒和物
であってもよい。ここで、Rが水素である場合、DはC〜Cアルキル基また
はアルケニル基である。Rがフェニル基である場合、RはC〜CまたはC 〜Cの直鎖状若しくは分岐状アルキル基またはアルケニル基、C〜Cアル
コキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジ
ルオキシ基またはアミノ基で置換されなければならない。
【0051】 本発明の他の好ましい態様は、(i)式15の有効量のヒダントン誘導体化合
物、ここで、それぞれXは、独立にO、SまたはNRを表わし、Rは、シア
ノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC〜Cアルコ
キシ基であり、Dは、直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケ
ニル基であり、Rは、水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しく
は三環式、炭素環式若しくは複素環式の環状化合物であり、Rは、場合に応じて
、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、C〜Cの直鎖
状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルケニル基、C 〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキ
シ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選ばれる1の置換基で置
換され、および(ii)薬学的に許容できるキャリアを含む医薬合成品である。
【0052】
【化15】
【0053】 本発明の他の好ましい態様は、(i)式16の有効量のヒダントン誘導体化合
物、ここで、それぞれXは、独立にO、SまたはNRを表わし、Rは、シア
ノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC〜Cアルコ
キシ基であり、Dは、直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケ
ニル基であり、Rは、水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しく
は三環式、炭素環式若しくは複素環式の環状化合物であり、Rは、場合に応じて
、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、C〜Cの直鎖
状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルケニル基、C 〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキ
シ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選ばれる1の置換基で置
換され、および(ii)薬学的に許容できるキャリアを含む医薬合成品である。
【0054】
【化16】
【0055】 本発明の他の好ましい態様は、動物の神経異常を治療する方法であって、ダメ
ージを受けた末梢神経の生長を刺激するためまたは神経の再生を促進するために
、有効量の式15または式16の化合物を動物に投与することを含む。
【0056】 本発明の他の好ましい態様は、ダメージを受けた末梢神経の生長を刺激する方
法であって、ダメージを受けた末梢神経の生長を刺激または促進するために、有
効量の式15または式16の化合物をダメージを受けた末梢神経に投与すること
を含む。
【0057】 本発明の他の好ましい態様は、動物における神経の再生および生長を促進する
方法であって、神経の再生を促進するために、有効量の式15または式16の化
合物を動物に投与することを含む。
【0058】 本発明の他の好ましい態様は、動物における神経変性を予防する方法であって
、有効量の式15または式16の化合物を動物に投与することを含む。本発明の
他の好ましい態様は、動物における視力異常を治療し、視力を回復し、記憶障害
を治療し、記憶力を向上し、または、感覚神経性難聴を治療する方法であって、
有効量の式15または式16の化合物を動物に投与することを含む。
【0059】 本発明は、さらに、中間化合物を酸化することを含む、本発明のヒダントン誘
導体化合物を調整するための工程を意図している。
【0060】 本発明は、さらに、病気の治療に用いるための発明にかかる化合物を意図して
いる。特に、本発明は、本明細書に列挙した異常の治療に用いるための発明にか
かる化合物を意図している。
【0061】 本発明は、さらに、薬剤または薬剤の配合物の調合に用いるための発明にかか
る化合物を意図している。特に、本発明は、本明細書に列挙した異常の治療用の
薬剤または薬剤の配合物の調合に用いるための発明にかかる化合物を意図してい
る。
【0062】 また、本発明は、病気の治療のための発明にかかる化合物の使用も提供する。
特に、本発明は、本明細書に列挙した異常を治療するための発明にかかる化合物
の使用を提供する。
【0063】 また、本発明は、薬剤または薬剤の配合物の製造における発明にかかる化合物
の使用も提供する。特に、本発明は、本明細書に列挙した異常の治療のための薬
剤または薬剤の配合物の製造における発明にかかる化合物の使用を提供する。こ
のような薬剤の配合物は、特有の異常に対して適切なように、局所、全身、経口
または注射による処方を含む。さらに、本発明の化合物は、列挙した異常の治療
のために、有効量の第2の治療剤と一緒に投与されてもよい。様々な薬剤の処方
および異なる配達技術を以下により詳しく述べる。
【0064】
【発明の実施の形態】
定義 「アルケニル基」は、明示した多くの炭素原子からなる、分岐状または非分岐
状の不飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、C〜Cの直鎖状または分岐状ア
ルケニル炭化水素鎖は、少なくとも1つの二重結合を有する2〜6の炭素原子を
含み、以下に限定されるものではないが、エチニル、プロペニル、イソプロペニ
ル、ブテニル、イソブテニル、t−ブテニル、n−ペンテニルおよびn−ヘキセ
ニルなどが挙げられる。本発明の範囲内では、「アルケニル」を不飽和炭化水素
鎖、ここで、前記アルケニルの炭素原子のいくつかは場合に応じてO、NH、S
またはSOで置換される、の意味に用いてもよい。例えば、(2−プロペン)
オキシメチルを形成するために、4−ペンテンの2つの炭素をOで置換すること
ができる。
【0065】 「アルコキシ基」は、本明細書で定義した通り、Rがアルキルである−OR基
を意味する。好ましくは、Rは、1〜6の炭素原子を含む分岐状または非分岐状
の飽和炭化水素鎖である。
【0066】 「アルキル基」は、明示した多数の炭素原子からなる分岐状または非分岐状の
飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、C1〜C6の直鎖状または分岐状のアルキ
ル炭化水素鎖は、1〜6の炭素原子を含み、以下に限定されるものではないが、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基およびn−ヘキシル基などが挙げられる。本発明
の範囲内では、「アルキル」を炭化水素鎖、ここで、前記アルキルの炭素原子の
いくつかは場合に応じてO、NH、SまたはSOで置換される、の意味に用い
てもよい。例えば、プロピルオキシメチルを形成するために、n−ペンチルの2
つの炭素をOで置換することができる。
【0067】 「脱毛症」は、毛髪の生長不足および毛髪の部分的または全体的な喪失をいい
、以下に限定されるものではないが、男性型脱毛症(男性型禿頭)、中毒性脱毛
症、老化による脱毛症、円型脱毛症、体毛(pelada)脱毛症および抜毛癖
が含まれる。脱毛症は、毛髪サイクルが乱された場合に起こる。最も頻繁に見ら
れるのは、細胞の分裂現象の停止による毛髪の生長または生長期段階が短くなる
ことによるものである。これは退行期段階の開始を早める結果となり、したがっ
て、濾胞が真皮の毛乳頭から引き離される際に休止期段階にある多数の毛髪が抜
けることになる。脱毛症には、遺伝的因子、老化、局所的および全身的疾病、熱
病、精神的ストレス、ホルモンの問題および薬による二次的影響を含む多くの原
因論がある。
【0068】 「アラルキル基」は、アリール基、ヘテロアリール基、炭素環若しくは複素環
、または、例えば、「Arで置換されているアルキル基/アルキレン基」若しく
は「アルキル基/アルキレン基で置換されているAr」のようなアルキル基また
はアルケニル基で置換されている1以上のアリール基、ヘテロアリール基、炭素
環若しくは複素環で置換されているアルキルまたはアルキレン(アルケニル基)
鎖をいう。
【0069】 「アリール基」または「芳香族」は、例えばフェニル環のような単環、例えば
ビフェニル基のような多環、例えばナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ
ナフチル基、アンスリル基またはフェナンスリル基のような少なくとも1つの環
が芳香族である多数縮合環を有する芳香族炭素環基または芳香族複素環基をいい
、これは無置換であってもよいし、上記定義のように1以上の他の置換基で置換
されていてもよい。本発明の化合物中におけるアリール基部分であるフェニル環
部に結合した置換基は、オルト、メタ、パラ配向に配置されてもよい。
【0070】 本発明の範囲に含まれる典型的なアリール基部分の例として、これらに限定さ
れるものではないが、以下のものが挙げられる。
【0071】
【化17】
【0072】 「炭素環」または「炭素環式」とは、環状骨格が炭素原子のみからなる有機環
状部分をいう。一方、「複素環」または「複素環式」とは、環状骨格が窒素、酸
素または硫黄から選ばれる1以上のヘテロ原子を含む有機環状部分をいい、炭素
原子を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。このように、「炭素環」と
いう語は、明示した数の炭素原子を含む炭素環式部分をいう。したがって、「C 〜Cシクロアルキル基」とは、3〜8の炭素原子が、例えばシクロプロピル
環、シクロブチル環、シクロペンチル環、シクロヘキシル環、シクロヘプチル環
またはシクロオクチル環を含む、3,4,5,6,7または8を数える環を形成
している有機環状置換基をいう。
【0073】 本明細書で用いるように、「炭素環式」または「複素環式」は、例えば二環式
、三環式若しくは他の同様の架橋環状置換体(例えばアダマンチル基)または多
数結合した環状系を形成するために結合している2以上の環状系もいうことがで
きる。
【0074】 「記憶力の向上」とは、過去の経験、知識、考え、感覚、思考または印象を記
録し、維持しまたは思い出す精神的な能力を改善しまたは向上することをいう。
【0075】 「目」は人間または他の動物における視覚のための解剖学的組織の反応をいい
、以下の解剖学的組織、これらに限定されるものではないが、レンズ、硝子体、
毛様体、後眼房、前眼房、瞳孔、角膜、虹彩、シュレム管、チン小帯、縁、結膜
、脈結膜、網膜、網膜の中央血管、視神経、中心窩、黄斑および強膜を含む。
【0076】 「ハロ基」は、少なくとも1つのフッ素、塩素、臭素またはヨウ素部分を意味
する。
【0077】 「複素環」または「複素環式」は、本明細書で用いられるように、単環、多数
結合した環(例えば、二環式、三環式または他の同様の架橋環状系若しくは置換
体)または多数縮合した環を有し、そして少なくとも1つの環の中に窒素、酸素
または硫黄のような少なくとも1つのヘテロ原子を有する、飽和、不飽和または
芳香族炭素環式基をいう。この語は、少なくとも1つの環が芳香族である複素環
をいう「ヘテロアリール」も含む。いかなる複素環式基またはヘテロアリール基
も無置換であることができるし、または、上記定義の通り、場合に応じて1以上
の基で置換されることもできる。また、二環式ヘテロアリール基部分または三環
式ヘテロアリール部分は、完全に飽和しているかまたは部分的に飽和している少
なくとも1つの環からなっていてもよい。
【0078】 本発明の中で有益な炭素環および複素環としては、例えば、これらに限定され
るものではないが、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、インデニル基、アズ
レニル基、フルオレニル基、アンスラセニル基、インドリル基、イソインドリル
基、インドリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インダゾリル
基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、テトラヒドロフラニル基、テ
トラヒドロピラニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピリジニル
基、ピリミジニル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、テトラヒ
ドロキノリニル基、キノリジニル基、フリル基、チオフェニル基、イミダゾリル
基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基
、イソトリアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル
基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、トリチ
アニル基、インドリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル
基、チエニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、シノリニル基、フタルアジニ
ル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ナフチリジニル基、プテリジニル基
、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フ
ェノキサジニル基およびアダマンチル基を挙げられる。
【0079】 当該技術分野における当業者に明らかなように、このような複素環式部分には
いくつかの異性体が存在する。そして、それらの全てが本発明に含まれる。例え
ば、1,3,5−トリアジン部分は、1,2,4−トリアジン基に対する異性体
である。このような位置異性体は、本発明の範囲内にあると考えられる。同様に
、複素環式基またはヘテロアリール基は、本発明の化合物の中の他の部分に結合
できる。これらの他の部分の結合点は、本発明の範囲上の制限として考えられる
ことはない。したがって、例えば、ピリジニル部分は、ピリジニル基の2−、3
−または4−位を通じて他の基と結合することができる。全てのこのような配置
が、本発明の範囲内として考えられる。
【0080】 本発明の範囲に含まれる複素環式部分またはヘテロアリール部分の例としては
、これらに制限されるものではないが、以下のものが挙げられる。
【0081】
【化18】
【0082】 Gessner G. Hawley(1981)によって改訂された縮合化 学辞典(第10巻) では、「ヒダントイン類」を化学式NHCONHCOCH を有する化合物として定義している。本発明によって考えられた「ヒダントイン
誘導体」は、式7で表される一般式を有する。ここで、描いた五員環は二環式構
造の部分であり、それぞれXは独立にO、SまたはNRになることができる。
特に、本発明によって考えられたヒダントイン誘導体化合物の1の種類は、式1
9で表わされる構造を有する
【0083】
【化19】
【0084】
【化20】
【0085】 本発明によって考えられたヒダントイン誘導体化合物の他の種類は、式21で
表わされる構造を有する。
【0086】
【化21】
【0087】 「異性体」は同じ式を有する異なる化合物であり、(イソ)インドールのよう
な環状異性体および環状部分が他の異性体であるものを含む。「立体異性体」は
、空間内での原子の配列の方法のみ異なる異性体である。「エナンチオマー」は
、互いに重ねることのできない鏡像である1組の立体異性体である。「ジアステ
レオマー」は、互いの鏡像ではない立体異性体である。「ラセミ体」とは、それ
ぞれ異なるエナンチオマーを等しい割合で含む混合物を意味する。「非ラセミ体
」は、それぞれ異なるエナンチオマーまたは立体異性体を等しくない割合で含む
混合物である。
【0088】 「記憶力の減退」とは、過去の経験、知識、考え、感覚、思考または印象を記
憶し、維持しまたは思い出すことについての減退をいう。記憶力の減退は、短い
言葉および長い言葉の情報の記憶、空間的な関係に関する能力、記憶の(繰り返
される)行動並びに言葉の回復および生成に影響する。記憶力が減退する一般的
な原因は、年齢、激しい頭部の外傷、脳の無酸素症および虚血症、アルコール性
栄養疾患並びに薬物中毒である。記憶力の減退の例としては、これらに限られる
ものではないが、良性の健忘症、記憶喪失並びにコルサコフ記憶喪失性精神病、
痴呆および学習障害のような記憶力欠陥の障害が挙げられる。
【0089】 「中耳」とは、鼓膜と内耳の間の空間をいう。この位置は全ての内耳組織に対
して外側にあり、鼓膜を通過できる処方物が投与されるならば、この範囲にアク
セスするために健康な組織を冒す行為が必要とされることはない。もしそうでな
ければ、剤を鼓膜を通して注入することによって内耳に導くか、または、繰り返
し投与する場合には、鼓膜の中に穴を形成することが必要とされる。鼓膜に穴を
開けることはしばしば行われる処置であり、(たいてい子供に見られる)中耳の
伝染病のような場合に、個人病院で投与される主薬について行われる。穴は、一
般に、2、3日後には自然に閉じる。
【0090】 「ネオプシス(neopsis)」とは、視力の喪失の治療、視力の悪化の予
防または視力の復活の促進の課程をいう。
【0091】 本明細書で用いられるように「神経向性」には、これらに限定されるものでは
ないが、神経の再生若しくは生長を刺激する能力、および/または、神経変性を
予防若しくは治療する能力が含まれる。
【0092】 本明細書で用いられる「非自己免疫性」には、FK506またはシクロスポリ
ンAのような抑制力と比較して、本発明の化合物が免疫反応を誘引する効果がな
いことをいう。発見されている免疫抑制についての分析は、当業者の間で周知で
ある。特に、周知である分析についての限定的でない例としてはPMAおよびO
KT3が挙げられ、その中の分裂促進因子は人間の末梢血液リンパ球(PBC)
の分裂増殖を刺激するのに用いられる。そして、その化合物はこのような分裂増
殖を示す能力について評価される。
【0093】 「眼科的」とは、限定するものではないが、目について、または、目に関係す
るものをいう。そして、限定するものではないが、「視覚的」、「眼炎の」、「
眼科学的」およびこのような言葉と交換可能に用いられる。
【0094】 本明細書で用いられる「薬学的に許容できるな基剤」とは、希釈剤、賦形剤、
懸濁剤、潤滑剤、アジュバント、媒介物、デリバリーシステム、乳化剤、錠剤分
解物質、吸収剤、予防薬、肺表面活性物質、着色剤、香味料または甘味料などの
任意の基剤をいう。これらの目的のために、本発明の化合物は、慣用的に非毒性
で薬学的に許容できる基剤、アジュバントおよび媒介物を含む投薬処方において
、吸入スプレーで、局所的に、直腸に、鼻腔内に、口に、膣にまたは移植容器を
介して、経口、非経口的に投与される。本明細書で用いられる非経口的という語
は、皮下、静脈内、筋肉内、腹膜内、胸郭内、心室内、胸骨内および頭蓋内への
注射または点滴技術を含む。
【0095】 本明細書で用いられる「薬学的に許容できる塩」とは、温血動物の治療に有益
である有機塩または無機塩をいう。このような塩は、使用される本発明の化合物
の性質に依存して、酸または塩基の付加塩になることができる。
【0096】 また、本発明の化合物は、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミドおよび
水などの一般的な溶媒から結晶化できる結晶性固体であってもよい。本発明の化
合物の結晶形態は、元の化合物の含溶媒化合物および/または含水化合物やそれ
らの医薬的に認定可能な塩であってもよい。このような形態の全てが本発明の範
囲内のものとして解釈される。
【0097】 「毛髪サイクル」とは、毛胞のライフサイクルをいい、(1)約3年〜5年続
くと考えられる、活発な毛髪の成長段階である成長期、(2)約1週間〜2週間
続くと考えられる、生長が停止して毛胞が退化する退行期、および、(3)約3
ヶ月〜4ヶ月続くと考えられ、毛髪が次第に分かれて最後に抜け落ちる休息段階
である休止期、の3段階が挙げられる。一般に、毛胞の80〜90%は成長期に
あり、1%未満が退行期にあり、残りが休止期にある。休止期においては、毛髪
は、均一な直径であって、わずかに膨らんだ、非着色の根元を有する。これに対
して、退行期においては、毛髪は、根元で大きく着色した毛根を有する。
【0098】 本明細書で用いられる「神経変性の予防」とは、視力に影響する退行性の病気
を有すると新たに診断された患者または視力に影響する新たな退行性の病気を発
病する危険にひんしている患者において視力の退行を予防する能力、および、視
力に影響する退行性の病気に既に苦しんでいるまたはその徴候を有している患者
において視力のさらなる退行を予防する能力を含む。
【0099】 「主要な環状構造」とは、本明細書において式で表わされる5員環または6員
環をいう。このような定義は、本明細書で記載する任意の分子における1つの環
状構造のみに適用され、任意の置換環状構造の数またはコンフォメーションには
関係しない。
【0100】 「毛髪の成長促進」とは、毛髪の発達を維持すること、誘引すること、刺激す
ること、加速することまたは新しい活力を与えることをいう。
【0101】 「視力の再生促進」とは、眼科的な異常、疾病または傷害がある場合またはな
い場合に、視力を改善または向上する方法において、視覚系の回復を維持するこ
と、改善すること、刺激すること若しくは加速すること、または、視覚系の1以
上の成分に新しい活力を与えることをいう。
【0102】 「低分子」という語は、FK506と比べた本発明の化合物の分子量をいう。
このように、「低分子」という語は、約800ダルトン(分子量)よりも小さい
分子量を含み、そして、約100〜約750分子量、約150〜約500分子量
、約150〜約350分子量、約200〜約300分子量、約210〜約280
分子量、約220〜約260分子量および約240分子量の新たな二次的領域ま
たは範囲を含む。「空間的に小さな分子」という語は、FK506に比較して、
FKBP−12の結合穴に完全にまたは概ねフィットできる化合物の能力をいう
【0103】 本明細書で用いる「治療すること」または「治療」とは、動物、特に人間にお
ける疾病(disease)および/または状態condition)のあらゆ
る治療をいい、(i)疾病および/または状態が、疾病および/または状態にか
かりやすくさせる原因、まだ原因を有するとは究明されていないが、から起こら
ないようにすること、(ii)発病の停止などの疾病および/または状態の抑制
、(iii)疾病および/または状態を後退させるなどの疾病および/または状
態の軽減を含む。
【0104】 「脱毛症の治療」は、(i)脱毛症にかかりやすい動物の脱毛症予防、(ii
)脱毛症を抑制すること、遅らすことまたは低減すること、および/または、(
iii)毛髪成長促進、および/または、(iv)毛髪サイクルの成長期の延長
、および/または、(v)軟毛を末端毛として成長するように変化させることを
含む。末端毛は、毛胞の球が真皮深くに位置する、硬くて、色素を有する、長い
毛である。一方、軟毛は、毛球が真皮の表面に位置する、非常に細くて色素のな
い短い毛である。脱毛症が進行すると、毛髪は末端毛から軟毛へ変化する。
【0105】 本明細書で用いられるように、「視力」とは人間や他の動物が像を焼き付ける
能力をいい、限定するものではないが、「見えること」、「見ること」および他
のこのような語と交換可能に用いられる。
【0106】 「視力障害」とは視力に影響を与えるまたは視力に関係するあらゆる障害をい
い、制限するものではないが、視覚損傷、眼窩の異常、涙器の異常、まぶたの異
常、結膜の異常、角膜の異常、白内障、ブドウ結路の異常、視神経または視覚経
路の異常、フリーラジカルに誘引される目の異常および疾病、免疫学的に媒介さ
れる目の異常および疾病、目の傷害並びに目の疾病、目の異常または目の傷害の
徴候および合併症が含まれる。
【0107】 「視覚損傷」とは視覚のあらゆる機能障害をいい、制限するものではないが、
(例えば、両眼の、中枢神経の、末梢の、順暗応の)視覚、すなわち、近くおよ
び遠くのものに対する知覚的鋭敏さ、色覚、光および暗闇に対する順応性、屈折
並びに涙を流すことが妨げられることまたは減退することを含む。眼科学のため
の医者の机上参考書(Physicians′ Desk Reference
(PDR) for Ophthalmology)第16巻6:47(19
88)参照のこと。
【0108】 「温血動物」とは、多くの人間、馬、ブタ、ウシ、ネズミ、イヌまたはネコ種
を含む、哺乳動物をいう。人間の場合、「温血動物」という語は、「患者」とし
ても呼ばれる。また、本明細書で用いられるように、「困った状態にある温血動
物」とは、遺伝的または環境的状態または体質による異常に対して影響を受けや
すい温血動物をいう。この語は、動物が受けるまたは動物がかかりやすい遺伝的
または環境的状態のために、ある程度の傷害またはダメージを既にこうむった温
血動物もいう。環境的状態には、他のタイプの傷害または損傷と同様に、治癒力
のある化合物での治療を含めることができる。
【0109】 また、本発明による教えを通じて用いられるように、式22の表現、ここで、
W若しくはYはHである、または類似の表現は、2つの水素原子が表示した炭
素に結合しており、各水素原子への結合は単結合であるということを示す。
【0110】
【化22】
【0111】 本発明の化合物 本発明は、本発明にかかるヒダントインおよびヒダントイン誘導体化合物が、
神経向性であって、脱毛症を治療することができ、視覚および記憶障害を治療す
ることができ、そして感化神経性難聴を治療することができるという驚くべき発
見に関する。したがって、新規な種類のヒダントイン誘導体化合物が提供される
。本発明の化合物の好ましい特徴は、いかなる重要な免疫抑制性の活動にも働か
ないということである。
【0112】 本発明の神経向性化合物は、神経障害のために、または、神経変性に関係する
様々な末梢神経障害および神経異常のような、神経の再生および生長を刺激する
のが好ましい他の理由のために治療を受ける患者に定期的に投与することができ
る。本発明の化合物は、様々な哺乳類の神経障害の治療のために、人間以外の動
物にも投与することができる。
【0113】 本発明の新規な化合物は、優れた神経向性活性を有する。この活性は、ダメー
ジを受けた神経の刺激、神経再生の促進、神経変性の予防並びに神経変性に関係
することが知られているいくつかの神経障害および末梢神経障害の治療に有益で
ある。治療され得る神経障害には、限定するものではないが、三叉神経痛、舌咽
神経痛、ベル麻痺、重症筋無力症、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、進
行性筋萎縮症、ヘルニア、椎間板または脱出性無脊椎板症候群(rupture
d or prolapsed invertebrate disk syn
dromes)、頸部脊椎症、叢の異常、胸郭出口破壊症候群、鉛、ダプソーン
、ダニ、予防薬またはギラン−バレー症候群によって引き起こされるような末梢
神経障害、多発性硬化症、発作および発作に関係した虚血、神経疾患、他の神経
障害、運動ニューロン疾患、坐骨粉砕、末梢神経障害、糖尿病に関係した特定の
神経障害、脊髄損傷および顔面神経の圧搾、ハンティングトン病、アルツハイマ
ー病並びにパーキンソン病が含まれる。
【0114】 本発明の化合物の有用性および投与に関連する上記議論は、本発明の薬剤組成
物にも適用する。
【0115】 3つの目的のために、本発明の化合物は、慣用的に非毒性で薬学的に許容でき
る基剤、アジュバントおよび媒介物を含む投薬処方において、吸入スプレーで、
局所的に、直腸に、鼻腔内に、口に、膣にまたは移植容器を介して、経口、非経
口的に投与される。本明細書で用いられる非経口的という語は、皮下、静脈内、
筋肉内、腹膜内、胸郭内、心室内、胸骨内および頭蓋内への注射または点滴技術
を含む。
【0116】 経口投与のために、本発明の化合物は、当該技術分野において公知である任意
の適当な投薬形態で供給され得る。例えば、当該技術分野において公知である慣
用の装置および技術を用いて、錠剤、粉末、微粒、溶球、噛み砕ける薬用ドロッ
プ、カプセル、液体、水溶性懸濁液若しくは溶液または類似の投薬形態に混合す
ることができる。錠剤の投薬形態が好ましい。錠剤は、ラクトースおよびコーン
スターチのような基剤および/またはマグネシウムのステアリン酸塩のような潤
滑剤を含有してもよい。カプセルは、ラクトースおよび乾燥コーンスターチを含
む希釈剤を含有してもよい。水溶性懸濁液は、活性な成分と結合する乳化剤およ
び懸濁剤を含有してもよい。
【0117】 本発明の組成物を混合して投薬物を調合する場合、ゼラチン、予めゼラチン化
した澱粉などを含むバインダー、水素化した植物油、ステアリン酸などのような
潤滑油、ラクトース、マンノースおよびスクロースのような希釈剤、カルボキシ
メチルセルロースおよびナトリウムと澱粉のグリコール酸塩のような錠剤分解物
質、ポピドン、ポリビニルアルコールなどのような懸濁剤、二酸化ケイ素のよう
な吸収剤、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびナトリウムベンゾエートの
ような防腐剤、ナトリウムラウリル硫酸塩、ポリソルベート80などのような表
面活性剤、F.D.& C.染料およびレーキのような着色剤、香味料並びに甘
味料のような慣用的な賦形剤と混合してもよい。
【0118】 本発明の組成物および方法には、制御吐出技術を活用してもよい。したがって
、例えば、数日間に渡って制御吐出を行うために、本発明の化合物を疎水性のポ
リマーマトリックスに混合してもよい。このような制御吐出による薄膜は、当該
技術分野において周知である。特に好ましいのは、経皮デリバリーシステムであ
る。本発明でこの目的のために一般に用いられるポリマーの他の例としては、外
的または内的に用いられる非分解性のエチレンとビニルアセテートのコポリマー
および分解性の乳酸とグリコール酸のコポリマーが挙げられる。ポリ(ヒドロキ
シエチルメタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)のようなヒドロゲル
も有益であるが、より短い吐出サイクルには上述したような他のポリマーを用い
るのがよい。
【0119】 中枢神経系を目標として効果的に治療できるようにするためには、本発明の化
合物は、末梢に投与される際に血液脳関門を容易に通過しなければならない。血
液脳関門を通過できない化合物は、脳への投与に適した脳室内のルートまたは他
の適当なデリバリーシステムによって効果的に投与されることができない。
【0120】 本発明の化合物は、殺菌した注入可能な調合薬、例えば、殺菌した注入可能な
水性または油性の懸濁液の形態で投与されてもよい。これらの懸濁液は、適当な
分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いた、当該技術分野で公知の技術により処
方される。殺菌した注入可能な調合薬は、非毒性の、非経口で服用可能な希釈剤
または溶媒、例えば1、3−ブタンジオールのような溶媒、の中に殺菌した注入
可能な溶液または懸濁液を混合してもよい。服用可能な賦形剤と用いられる溶媒
には、水、リンゲル液および生理食塩水が加えられる。さらに、殺菌した固定油
が溶媒または懸濁媒体として慣用的に用いられる。この目的のために、合成され
たモノグリセリドまたはジグリセリドを含んだ任意の刺激の少ない固定油を用い
ることができる。オリーブ油およびカストリウム油、特にそれらのポリオキシエ
チレン化変性物を含むオレイン酸およびそのグリセリド誘導体のような脂肪酸は
、服用可能な調合薬に有益である。これらの油状の溶液または懸濁液は、長鎖ア
ルコールの希釈剤または分散剤を含んでもいてもよい。
【0121】 本発明の化合物は、座薬の形態で直腸に投与されてもよい。これらの組成物は
、室温で固体であるが直腸の温度では液体であり、それ故、直腸で融けて薬を放
出するような適当な非刺激性の賦形剤と薬を混合することによって調整されるこ
とができる。このような材料としては、ココアバター、蜜蝋およびポリエチレン
グリコールが挙げられる。
【0122】 本発明の化合物は、特に、病気が、目、皮膚または下部の腸器官系の神経異常
を含む、局所的な投与によって容易に服用可能な部位または器官に影響する治療
に的が絞られる場合、局所的に投与されてもよい。適切な局所的処方が、これら
の部位の各々について容易に行われる。
【0123】 目への局所的投与または眼炎のために、ベンジルアルコニウムクロライドのよ
うな防腐剤ありまたはなしで、等浸透圧でpH調節された殺菌塩水中の微粒化さ
れた懸濁液、または、好ましくは、等浸透圧でpH調節された殺菌塩水中の溶液
として、化合物を処方することができる。眼炎の使用の場合、代わりに、化合物
をペトロラタムのような軟膏中に処方することができる。
【0124】 皮膚への局所的な投与の場合、例えば、ミネラルオイル、液体ペトロラタム、
白色ペトロラタム、ピロピレングリコール、ポリオキシエチレンとポリオキシプ
ロピレンの化合物、乳化している蜜蝋および水のうち1以上の混合物中で懸濁し
たまたは溶解しない化合物を含有する適当な軟膏中に化合物を処方することがで
きる。代わりに、例えば、ミネラルオイル、ソルビタンモノステアレート、ポリ
ソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オク
チルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水のうち1以上の混合物中で懸濁
したまたは溶解しない活性な化合物を含有する適当なローションまたはクリーム
中に化合物を処方することができる。
【0125】 下部の直腸器官系への局所的投与は、直腸の座薬処方(下記参照)または適当
な浣腸剤処方で行われる。
【0126】 活性な原料化合物について、約0.1mg〜約10,000mgのオーダーの
投薬量、好ましくは約0.1mg〜約1,000mgの投薬量が、上記病気の治
療に有益である。しかしながら、あらゆる個々の患者に対して特効のある服用量
は、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、患者の性別お
よび日常の飲食物、投薬時間、排出速度、薬の組合せ、特定の異常または治療し
ている疾病の激しさ並びに投薬形態を含む様々な因子に依存して変化するであろ
うことが理解される。一般的に、試験管内での投薬効果は、患者への投与に適し
た服用量についての有益なガイダンスを提供する。動物モデル実験も助けとなる
。適切な服用量を決定することは、当該技術分野において周知である。
【0127】 特効のある服用量は、体重、身体の表面積または器官の大きさを考慮すること
によって計算できる。上述した処方の各々に含まれる治療についての適当な投薬
量を決定するのに必要な計算についての改良は、当該技術分野における当業者に
よってルーチンで行われるものであり、特に、本明細書で開示する投薬量につい
ての情報および分析の観点では、ルーチンで行われる仕事の範囲内のものである
。特効のある投薬量は、特効のある服用量の応答データとの関連で確立された分
析値を用いて決定されることができる。当該技術分野における当業者であれば、
標準的に本発明における局所的な投与で用いられる服用量が全身的な注入または
経口投与で用いられる服用量に比べて小さいということが理解されるであろう。
【0128】 効果的に脱毛症を治療するためまたは毛髪の成長を促進するためには、本発明
の方法で用いられる組成物および医薬組成物が容易に目標とする部位に作用しな
ければならない。これらの目的のためには、化合物が皮膚へ局所的に投与される
のが好ましい。
【0129】 前記化合物は、他の毛髪活性剤と一緒に投与することができる。他の毛髪活性
剤についての特効のある服用量は、予め決められた因子および薬の組合せの有効
性に依存する。医薬分野で公知の他の投与方法は、本発明によっても考慮される
【0130】 本発明の化合物の特有の形態を表1および表2に示す。本発明は、動物の神経
異常の予防および/または治療するための組成物および方法の使用、動物の脱毛
症を治療しおよび毛髪の成長を促進するための組成物および方法の使用、視覚異
常を治療し、視力を向上させ、記憶障害を治療し、そして記憶力を向上させるた
めの組成物および方法の使用、動物の感覚神経性難聴を治療するための組成物お
よび方法の使用並びに本明細書で示す他の全ての使用について、表1および表2
の化合物を用いることを意図している。
【0131】
【化23】
【0132】
【表1】
【0133】 表1の好ましい化合物としては、(7aS)−2−(1−ナフチル)パーヒド
ロピロロ[1,2−c]イミダゾール−1,3−ジオン(化合物1)、(7aS)
−2−(2′−フェニル)フェニルパーヒドロピロロ[1,2−c]イミダゾール
−1,3−ジオン(化合物2)、(7aS)−2−(4−(トリフルオロメチル
)フェニル)パーヒドロピロロ[1,2−c]イミダゾール−1,3−ジオン(化
合物3)、2−ベンジル−3−チオキソ−2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ
−2−アザピロリジン−1−オン(化合物4)、2−ヘキシル−2,5,6,7
,7a−ペンタヒドロ−2−アザピロリジン−1,3−ジオン(化合物5)、2
−(2−エチル)フェニル−2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザピ
ロリジン−1,3−ジオン(化合物6)、2−(3−フェニルプロピル)−3−
チオキソ−2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザピロリジン−1−オ
ン(化合物7)、2−(2−フェニルエチル)−3−チオキソ−2,5,6,7
,7a−ペンタヒドロ−2−アザピロリジン−1−オン(化合物8)、(7aS
)−2−シクロヘキシル−3−チオキソパーヒドロピロロ[1,2−c]イミダゾ
ール−1−オン(化合物35)、2−フェニル−2,5,6,7,7a−ペンタ
ヒドロ−2−アザピロリジン−1,3−ジオン(化合物36)および2−フェニ
ル−3−チオキソ−2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザピロリジン
−1−オン(化合物37)が挙げられる。
【0134】
【化24】
【0135】
【表2】
【0136】 表2の好ましい化合物としては、2−ベンジル−2,5,6,7,8,8a−
ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1,3−ジオン(化合物38)、2−ベ
ンジル−3−チオキソ−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザイ
ンドリジン−1−オン(化合物39)、2−(2−フェニルエチル)−3−チオ
キソ−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1−
オン(化合物40)、2−ヘプチル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ
−2−アザインドリジン−1,3−ジオン(化合物41)、2−オクチル−2,
5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1,3−ジオン
(化合物42)、2−(3−フェニルプロピル)−3−チオキソ−2,5,6,
7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1−オン(化合物43)
、2−ヘキシル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリ
ジン−1,3−ジオン(化合物44)、2−シクロヘキシル−2,5,6,7,
8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1,3−ジオン(化合物45
)、2−フェニル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインド
リジン−1,3−ジオン(化合物72)、2−フェニル−3−チオキソ−2,5
,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1−オン(化合物
73)および2−ブチル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザ
インドリジン−1,3−ジオン(化合物74)が挙げられる。
【0137】 本発明の範囲内にあるヒダントイン誘導体化合物である他の化合物としては、
免疫抑制性、非免疫抑制性または異常を治療するのに有益である限りは他の活性
を有する化合物が挙げられる。特に、本発明の範囲内にある他のヒダントイン誘
導体化合物は、物理的にダメージを受けた神経および神経変性異常を含む神経異
常の予防および/または治療、脱毛症の治療および毛髪成長の促進、視覚異常の
治療および/または視力の向上、記憶障害の治療および/または記憶力の向上、
および/または感覚神経性難聴の治療に有益である。
【0138】 本発明の医薬組成物 本発明は、(i)有効量の式3または式4のヒダントイン誘導体化合物および
(ii)医薬的に投与可能なキャリアからなる医薬組成物に関する。
【0139】 また、本発明は、(i)動物の神経変性異常、神経障害および神経のダメージ
の治療または神経の成長促進用の有効量の式15または式16のヒダントイン誘
導体化合物並びに(ii)医薬的に投与可能なキャリアからなる医薬組成物に関
する。
【0140】 また、本発明は、(i)動物の脱毛症治療または毛髪成長促進用の有効量の式
15または式16のヒダントイン誘導体化合物および(ii)医薬的に投与可能
なキャリアからなる医薬組成物に関する。
【0141】 また、本発明は、(i)動物の視覚異常の治療、視力の向上、記憶障害の治療
または記憶力の向上用の有効量の式15または式16のヒダントイン誘導体化合
物および(ii)医薬的に投与可能なキャリアからなる医薬組成物に関する。
【0142】 また、本発明は、(i)動物の感覚神経性難聴の治療用の有効量の式15また
は式16のヒダントイン誘導体化合物および(ii)医薬的に投与可能なキャリ
アからなる医薬組成物に関する。
【0143】 他の好ましい態様においては、本発明の新規な化合物は、神経増殖因子、脳由
来増殖因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの
活性な先端が切断された誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖
因子、血小板由来増殖因子、ニューロトロピン(neurotropin)−3
およびニューロトロピン(neurotropin)4/5のような他の神経栄
養剤を付加的に含有する医薬組成物中に投与されることができる。他の神経栄養
薬の投薬量は、予め決められた因子および薬の組合せによる神経栄養的有効性に
依存するであろう。
【0144】 本発明の方法 本発明は、表3および表4で示した任意の化合物、上述した他の任意の化合物
および本明細書で特に言及または説明しない他の化合物についての病気治療用の
医薬の調合における使用に関する。好ましい使用形態においては、治療される病
気には、物理的傷害または疾病状態によって引き起こされる末梢神経障害、脳へ
の物理的ダメージ、脊髄への物理的ダメージ、脳のダメージに関係した発作、ア
ルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症およびハンティングトン
病が含まれる。
【0145】 また、本発明は、本明細書で説明する病気治療のための任意のヒダントイン誘
導体化合物の使用に関する。特に、治療される病気には、上述した神経障害、神
経異常および神経的ダメージが含まれる。
【0146】 また、本発明は、動物の脱毛症を治療する方法または毛髪成長を促進する方法
に関し、この方法は、有効量のヒダントイン誘導体化合物を前記動物に投与する
ことからなる。また、本発明は、動物の脱毛症治療または毛髪成長促進のための
医薬の調合に本発明にかかる化合物および組成物を使用することに関する。
【0147】 本発明の方法は、特に、男性型脱毛症、老化型脱毛症、円型脱毛症、皮膚の損
傷または腫瘍から起こる脱毛症、化学療法および放射線のような癌治療から起こ
る脱毛症並びに栄養障害および内分泌異常のような全身的異常から起こる脱毛症
の治療に有益である。
【0148】 また、本発明は、動物の視覚異常を治療する方法、視力を向上する方法、記憶
障害を治療する方法または記憶力を向上する方法に関し、これらの方法は、有効
量のヒダントイン誘導体化合物を前記動物に投与することからなる。また、本発
明は、視覚異常の治療、視力の向上、記憶障害の治療または記憶力の向上のため
の医薬の調合において本発明にかかる化合物および組成物を使用することに関す
る。
【0149】 本発明は、特に、限定するものではないが、視覚の障害、疾病、傷害並びに合
併症、遺伝的異常、年齢または退行性の視覚の疾病に関係した異常、外部からの
力により起こる目、頭または身体の他の部位への物理的傷害に関係する視覚異常
、環境的因子から起こる異常、幅広い範囲の疾病から起こる異常および上記の任
意の組合せを含む様々な目の異常の治療に有益である。
【0150】 特に、本発明の組成物および方法は、以下に限定されるものではないが、視力
の向上または永久的および一時的な視覚の損傷を含む、視覚系の視覚の(目の)
損傷または機能障害を調整し、治療し若しくは予防するのに有益である。また、
本発明は、眼科学的疾病および異常の予防および治療、ダメージを受けた目の治
療および傷ついた目の治療、視力の低下、喪失または像を見る若しくは焼き付け
る能力の低下を起こす疾病、異常および傷害並びに同様の結果になる徴候および
合併症の予防および治療に有益である。本発明の組成物および方法によって治療
または予防される目の病気および障害は、前記病気または障害の原因には限定さ
れない。したがって、前記組成物および方法は、任意の他の作用と同様に、遺伝
的または環境的因子によって引き起こされる病気または障害のいずれにも適用可
能である。本発明の組成物および方法は、特に、目に関する問題または限定する
ものではないが、年齢、細胞的若しくは生理的変質、中枢神経系若しくは神経の
異常、血管の傷、筋肉の傷および有害な環境因子若しくは薬物に曝されることの
全てに関係した視力の喪失または低下に有益である。
【0151】 本発明の組成物および方法は、特に、限定するものではないが、視覚の悪化の
調節、治療または改善に有益である。程度が変化する視覚の悪化は、(1)近い
距離のものについての視覚的鋭敏性、(2)視野、および(3)複視を起こさな
い目の自発運動能力を含む、目の1以上の機能が正常な状態から逸脱することに
より起こる。眼科学のための内科医の机上参考書(Physicians′ D
esk Reference(PDR) for Ophthalmology
)、第16巻、6:47(1988)参照のこと。視覚は、3つの機能の全てが
調和して働かなければ不完全である。同上。
【0152】 また、前記組成物および使用方法は、限定するものではないが、色の知覚、光
および暗闇への順応性、自動的視力調整、変視症および両眼視を含む他の目の機
能を調節し、治療しまたは改善するのに有益である。前記組成物および使用方法
は、特に、限定するものではないが、不完全な自動的視力調整、虹彩麻痺、内反
、外反、流涙症、兎眼、傷、硝子体混濁、無反応性の瞳孔、角膜または他の媒体
の光散乱妨害および永久的な目の奇形を含む目の障害の治療、調節または予防に
有益である。
【0153】 また、本発明の組成物および使用方法は、視力の向上および視力喪失の治療に
非常に有益である。わずかな喪失から完全な喪失までに渡る視覚の喪失は、前記
組成物および使用方法を用いて治療または予防することができる。視力は、本発
明の組成物および方法を用いて、異常、疾病および傷害を治療することによって
改善することができる。しかしながら、前記組成物および使用方法を用いた視力
の改善は、そのようなことに限定されるものではなく、任意のこのような異常、
疾病または傷害がなくても起こる。
【0154】 また、本発明は、動物の感覚神経性難聴を治療する方法に関し、有効量のヒダ
ントイン誘導体化合物を前記動物に投与することからなる。また、本発明は、感
覚神経性難聴の治療用の医薬の調合において本発明にかかる化合物および組成物
を使用することに関する。
【0155】 さらに、本発明にかかる化合物の投与は、外傷性のダメージ、例えば、騒音に
よる外傷によって引き起こされるダメージ、軸索から細胞体への神経栄養因子の
伝達妨害から起こる神経栄養因子の欠乏によって生じるダメージのシスプラチン
およびアミノグリコシド抗生物質を用いた激しいまたは長期に渡る治療から有毛
細胞および螺旋状ガングリオン神経を保護することを考慮している。このような
治療は、有毛細胞および/または耳の神経単位が環境的な騒音傷害または内耳神
経毒素の治療のいずれかによる周期的な発作に耐性があるようにし、そして、老
人性難聴(年齢に関係する難聴)、遺伝性の感覚神経性変性および後発性突発性
難聴のような、耳の病気における難聴の原因である耳の神経単位および有毛細胞
の進行性の変性を遅くし、予防しまたは回復させ、並びに内耳の機能的完全性を
維持させることが予想される。また、このような治療は、より優れたそしてより
長い蝸牛移植行為について、耳の神経単位の助けとなるであろう。
【0156】 しかしながら、任意の個々の患者に対する特効のある服用量は、用いる特定の
化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、日常の飲食物、投薬時間
、排出速度、薬の組合せ、治療する個々の疾病または障害の激しさ並びに投薬形
態を含む様々な因子に依存するであろうことが理解される。
【0157】 Ki試験の手順 本発明の方法で用いられる化合物および薬剤組成物についての、FBKP12
への結合性およびペプチジル−プロピル異性化酵素(ロタマーゼ(rotama
se))活性の抑制は、文献に記載された公知の方法によって評価される(Ha
rdingらのNature, 1989, 341: 758−760; H
oltらのJ.Am.Chem.Soc., 115: 9923−9938)
。これらの値は明白なKiとして得られ、典型的な化合物について表3に示す。
【0158】 モデルとなる基質、N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−
ニトロアニリドにおけるアラニン−プロリン結合のシス−トランス異性化は、基
質のトランス体からパラニトロアニリドに戻るのが、キモトリプシン結合分析で
分光光学的にモニターされる。この反応の抑制は異なる濃度の抑制薬を加えるこ
とによって決定され、そしてそのデータは明白なKi値を与える抑制薬の濃度の
関数である一次の速度定数の変化として分析される。
【0159】 プラスチック製のキュベットの中に、氷温の分析用緩衝剤(25mMのHEP
S、pH7.8、100mMのNaCl)を950ml、FKBP(10mMの
トリス−Cl中に2.5mM、pH7.5、100mMのNaCl、1mMのジ
チオスレイトール)を10ml、キモトリプシン(1mMのHCl中に50mg
/ml)を25mlおよびジメチルスルホキシド中の各種濃度の試験用化合物を
10ml加える。反応は、基質(スクシニル−Ala−Phe−Pro−Phe
−p−ニトロアニリド、トリフルオロエタノール中に2.35mMのLiClが
混合した溶液5mg/ml)を5mlを加えることによって開始する。
【0160】 時間に対する390nmでの吸収が分光光度計を用いて90秒間モニターされ
、時間のデータファイルに対する吸収から速度定数が決定される。
【0161】
【表3】 試験管内での試験結果
【0162】 マウスにおけるパーキンソン病のMPTPモデル マウスにおけるドーパミン作動性の神経単位のMPTP機能障害を、パーキン
ソン病の動物モデルとして用いた。生後4週間のオスのCD1白色マウスに、5
日間で30mg/kgのMPTPを腹膜内に投薬した。本発明にかかる化合物(
4mg/kg)または賦形剤を、MPTP治療の停止に続く付加的な5日間と同
様に、5日間MPTPと一緒に皮下に投与した(表4)。また、本発明にかかる
化合物(10mg/kg)または賦形剤を、MPTP治療の停止に続く付加的な
5日間と同様に、5日間MPTPと一緒に経口投与した(表5)。MPTP治療
の後18日目に動物は死に、その線条体を解剖して均質化した。免疫染色は、ド
ーパミン作動性の神経単位が生き残る量または回復する量に対して、抗チロシン
ヒドロキシラーゼIgを用いて、弛んだ(saggital)冠状の脳部分に行
う。MPTPおよび賦形剤で治療した動物では、機能的なドーパミン作動性神経
末端の実質的な欠乏が、組織障害のない動物と比べて観察された。別の実験では
、試験化合物は、MPTP誘導組織障害の後でのみ投与された。このように、動
物は5日間MPTPで治療を受けた後、8日目に経口薬治療を始める前に付加的
な3日間を送った。動物は、全体で5日間に渡って1日に1回、本発明にかかる
化合物(0.4mg/kg)を用いて治療を受けた。18日目に動物は死に、上
記のように分析した。表4および表5は、ヒダントイン誘導体化合物を服用する
動物における最初の(一致した服用の)方法論でのドーパミン作動性の神経単位
についての再生割合を示したものである。
【0163】 以下の表4および表5は、ヘルパーT細胞で着色したドーパミン作動性の神経
単位の著しい再生をもたらすヒダントイン誘導体化合物を服用する動物に組織障
害を与えるということを示すクラスである、これらの化合物の神経栄養能力を例
証する本発明にかかるヒダントイン誘導体化合物の顕著な神経変性効果を示した
ものである。
【0164】
【表4】
【0165】
【表5】
【0166】 線条体の神経分布密度の割合は、機能的なドーパミン作動性の神経単位を表わ
す抗チロシンヒドロキシラーゼ免疫グロブリンを有する脳部分で定量化した。賦
形剤のみで予め治療し、そして治療の間経口的に賦形剤を投与された動物につい
ての23%の線条体の神経分布密度は、通常の組織障害のない線条体組織につい
て示したものである。線条体の神経分布密度は、MPTPで予め治療し、そして
治療の間経口的に賦形剤を投与された動物について5%まで低減し、MPTP誘
導組織障害を示した。驚くべきことに、線条体の神経分布密度は、MPTPで予
め治療し、そして治療の間経口的に0.4mg/kg投与された動物について8
%〜13%まで増加し、MPTP誘導神経障害の後で多くの神経単位の再生が見
られた。
【0167】 本発明の化合物の合成 本発明にかかる方法で使用される化合物および組成物は、以下に記載した一般
的な合成法を活用する有機化学の標準的な技術によって容易に調合される。
【0168】 本発明にかかる化合物の調合においては、当該技術分野における当業者であれ
ば、出発化合物または中間体の様々な反応機能を保護するまたは妨害する一方、
所望の反応は分子の他の部位で行われるようにすることが必要であるということ
が理解されるだろう。所望の反応が終了した後または任意の所望の時間に、通常
このような保護基は、例えば加水分解手段または水素化分解手段によって除去さ
れる。このような保護および脱離段階は、有機化学において慣用されている。当
該技術分野における当業者は、本発明にかかる化合物の調合に有益である保護基
について教授する、「有機化学における保護基」(McOmie,ed.,Pl
enum Press, New York, New York)および「有
機合成における保護基」(Greene,ed., John Wiley &
Sons, New York, N.Y.(1981))を参照されたい。
【0169】 生成物および中間体は、例えば、1以上の簡単な溶媒蒸発、再結晶、蒸留、昇
華、濾過、薄層クロマトグラフィー、HPLC(例えば、逆相HPLC)、カラ
ムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、ラジカルクロマトグラ
フィーを含むクロマトグラフィーおよび粉砕などの1以上の標準的な精製技術を
用いて単離または精製される。
【0170】 本発明の化合物は、式25の一般的方法に示すように、イソシアネートおよび
イソチオシアネートとアミノ酸を反応させることによって調合される。
【0171】
【化25】
【0172】
【実施例】
以下の例は本発明を示すが、これらに限定されるものではない。他に示す場合
を除いて、全ての割合は、最終的な組成物を100重量%としている。
【0173】 実施例1 2−フェニル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジ
ン−1,3−ジオンの合成 L−ピペコリック酸メチルステル(1.0g;3.58mmol)、フェニル
イソシアネート(0.42ml;3.93mmol)および塩化メチレン(15
ml)中のトリエチルアミン(1.64ml;11.8mmol)を、室温で一
晩撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をヘキサン中の50%エチルアセテー
ト50mlに溶解した。そして、有機相を水および塩水で洗い、乾燥し、濃縮し
た。残留物をフラッシュカラムで精製し、ヘキサン中の40%酢酸エチルで抽出
し、白色固体である生成物を得た。この生成物については、H NMR(Me
OH,400MHz): δ1.47−1.57(cm,3H); 1.62(
bd,1h,J=9.99); 2.01(bd,1H,J=10.36);
2.20(bd,1H,J=9.88); 2.96(t,1H,J=9.35
); 4.06−4.17(m,2H); 7.35−7.40(m,3H);
7.45−7.48(m,2H)、分析計算値; C67.81, H6.1
3, N12.17、判明値; C67.93, H6.15, N12.21
、Mp=186.1−186.7℃であった。
【0174】 実施例2 2−(2−フェニルエチル)−3−チオキソ−2,5,6,7,7a−ペンタヒ
ドロ−2−アザピロリジン−1−オンの合成 L−ピロリンメチルステル(1.0g;6.03mmol)、フェネチルイソ
チオシアネート(1.08ml;6.63mmol)および15mlの塩化メチ
レン中のトリエチルアミン(2ml;15.07mmol)を、室温で一晩撹拌
した。反応が前述したように起こり、生成物を精製して白色の固体を得た。この
生成物については、H NMR(CDCl,400MHz): δ1.56
−1.62(m,1H); 2.10−2.26(m,3H); 2.96−3
.01(m,2H); 3.52−3.58(m,1H); 3.92−3.9
9(m,3H); 4.00−4.12(m,1H); 7.19−7.31(
m,5H)、分析計算値; C64.59, H6.19, N10.76,
S12.32、判明値; C64.69, H6.13, N10.71, S
12.44、Mp=61.2−63.5℃であった。
【0175】 実施例3 2−(3−フェニルプロピル)−3−チオキソ−2,5,6,7,7a−ペンタ
ヒドロ−2−アザピロリジン−1−オン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ1.60−1.63(m,1H); 2.00−2.06
(m,2H); 2.12−2.18(m,1H); 2.20−2.26(m
,2H); 2.66(t,2H,J=7.65); 3.51−3.57(m
,1H); 3.80−3.85(m,2H); 3.90−3.97(m,1
H); 4.07−4.12(m,1H); 7.15−7.25(m,5H)
、分析計算値; C65.66, H6.61, N10.21, S11.6
9、判明値; C65.66, H6.56, N10.14, S11.71
【0176】 実施例4 (7aS)−2−シクロヘキシル−3−チオキソパーヒドロピロロ[1,2−c]
イミダゾール−1−オン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ1.12−1.41(m,3H); 1.59−1.65
(m,4H); 1.69−1.81(m,2H); 2.10−2.21(m
,2H); 2.25−2.38(m,3H); 3.61−3.66(m,1
H); 3.90−3.98(m,1H); 4.02−4.13(m,1H)
; 4.44−4.51(m,1H)、C1218OSについての分析計
算値; C60.47, H7.61, N11.75, S13.45、判明
値; C60.52, H7.60, N11.73, S13.27
【0177】 実施例5 (7aS)−2−(2′−フェニル)フェニルパーヒドロピロロ[1,2−c]イ
ミダゾール−1,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ1.00−1.16(m,1H); 1.58−2.25
(cm,3H); 3.12−3.22(m,1H); 3.57−3.72(
m,1H); 3.92−4.04(m,1H); 7.20−7.52(m,
9H)、C1816−0.05EtOAcについての分析計算値;
C73.67, H5.57, N9.44、判明値; C73.50, H5
.87, N9.74
【0178】 (7aS)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)パーヒドロピロロ[
1,2−c]イミダゾール−1,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ1.82−1.99(m,1H); 2.14−2.22
(m,2H); 2.34−2.39(m,1H); 3.34−3.40(m
,1H); 3.77−3.84(m,1H); 4.24−4.29(m,1
H); 7.67(d,2H,J=8.35); 7.72(d,2H,J=8
.60)、C1311Fについての分析計算値; C54.93,
H3.90, N9.86、判明値; C55.45, H4.26, N9.
87
【0179】 実施例7 (7aS)−2−(1−ナフチル)パーヒドロピロロ[1,2−c]イミダゾール
−1,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
300MHz): δ1.94−2.03(m,1H); 2.05−2.33
(m,2H); 2.39−2.51(m,1H); 3.38−3.44(m
,1H); 3.83−4.09(m,1H); 4.41(dt,1H,J=
7.45); 7.38−7.96(m,2H)、C1614につい
ての分析計算値; C72.17, H5.30, N10.52、判明値;
C72.05, H5.32, N10.51
【0180】 実施例8 2−フェニル−2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザピロリジン−1
,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ1.78(m,1H); 2.10(m,2H); 2.
26(m,1H); 3.28(m,1H); 3.73(q,1H); 4.
17(t,2H); 7.31(m,3H); 7.38(m,2H)
【0181】 実施例9 2−ベンジル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジ
ン−1,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(MeOH,4
00MHz): δ1.26−1.39(m,2H); 1.50−1.57(
m,1H); 1.7(bd,1H,J=10.03); 1.95(bd,1
H,J=13.56); 2.13(bd,1H,J=9.57); 2.89
(td,1H,J=9.44,3.52); 3.93(dd,1H,J=12
.07,4.26); 4.04−4.09(m,1H); 4.61(s,2
H); 7.24−7.31(m,5H)、分析計算値; C68.83, H
6.60, N11.47、判明値; C68.90, H6.61, N11
.48
【0182】 実施例10 2−ベンジル−3−チオキソ−2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザ
ピロリジン−1−オン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(MeOH,4
00MHz): δ1.60−1.66(m,1H); 2.20−2.26(
m,3H); 3.50−3.56(m,1H); 3.86−3.93(m,
1H); 4.33−4.37(m,1H); 4.95(d,2H,J=14
.81); 7.20−7.29(m,3H); 7.30−7.37(m,2
H)、分析計算値; C63.39, H5.73, N11.37, S13
.02、判明値; C63.60, H5.90, N11.21, S12.
92
【0183】 実施例11 2−ベンジル−3−チオキソ−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−
アザインドリジン−1−オン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(MeOH,4
00MHz): δ1.30−1.33(m,1H); 1.42−1.45(
m,1H); 1.69(q,1H,J=9.55); 1.82(bd,1H
,J=13.38); 1.95(bd,1H,J=13.55); 2.16
(bd,1H,J=12.91); 3.09,(td,1H,J=3.27,
13.11); 4.07(dd,1H,J=7.18,4.13); 4.7
6(dd,1H,J=9.46,3.46); 4.97(d,2H);7.2
2−7.29(m,3H); 7.36−7.38(m,2H),分析計算値:
C,64.59; H,6.19; N,10.76; S,12.32.判
明値:C,64.49; H,6.22; N,10.83; S,12.32
【0184】 実施例12 2−(2−フェニルエチル)−3−チオキソ−2,5,6,7,8,8a−ヘキ
サヒドロ−2−アザインドリジン−1−オン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ1.22−1.26(m,1H); 1.44−1.49
(m,2H); 1.82(bd,1H,J=10.00); 1.95(bd
,1H,J=11.04); 2.18(bd,1H,J=10.11); 2
.95−3.03(m,3H); 3.76(dd,1H,J=4.34,12
.14); 4.01−4.06(m,2H); 4.83(bd,1H,J=
13.32); 7.19−7.29(m,5H)、0.20%のHOを含有す
る分析計算値; C64.81, H6.67, N10.08, S11.5
3、判明値; C64.64, H6.60, N9.92, S11.57
【0185】 実施例13 2−ヘプチル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジ
ン−1,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(MeOH,4
00MHz): δ0.87−0.91(m,4H); 1.30(bs,9H
); 1.53−1.59(m,3H); 1.73(bd,1H,J=13.
17); 1.94(bd,1H,J=10.43); 2.13(bd,1H
,J=12.69); 2.88(td,1H,J=3.50,9.57);
3.30(s,1H); 3.43−3.47(m,1H); 3.89(dd
,1H,J=4.20,11.94); 4.06(dd,1H,J=3.85
,12.85)、分析計算値; C66.63, H9.59, N11.10
、判明値; C66.37, H9.56, N10.99
【0186】 実施例14 2−オクチル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジ
ン−1,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ0.87(bs,3H); 1.28(bs,11H);
1.36−1.50(m,2H); 1.59(bs,2H); 1.97(
bd,1H,J=11.28); 2.18(bd,1H,J=13.16);
2.22(bd,1H,J=13.12); 2.81(td,1H,J=3
.45,12.86); 3.47(t,2H,J=7.39); 3.72(
dd,1H,J=4.24,11.96); 4.17(dd,1H,J=4.
71,13.31)、分析計算値; C67.63, H9.84, N10.
52、判明値; C67.89, H10.01, N10.42
【0187】 実施例15 2−フェニル−3−チオキソ−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−
アザインドリジン−1−オン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(MeOH,4
00MHz): δ1.54−1.66(m,3H); 1.88(bd,1H
,J=8.49); 1.90−2.08(m,1H); 2.35(bd,1
H,J=11.96); 3.10(td,1H,J=3.68,12.85)
; 4.04(dd,1H,J=4.48,11.67); 4.93(dd,
1H,J=1.95,11.03); 7.30−7.32(m,2H); 7
.41−7.51(m,3H)、分析計算値; C63.39, H5.73,
N11.37, S13.02、判明値; C63.53, H5.82,
N11.32, S13.07
【0188】 実施例16 2−(3−フェニルプロピル)−3−チオキソ−2,5,6,7,8,8a−ヘ
キサヒドロ−2−アザインドリジン−1−オン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ1.23−1.29(m,2H); 1.47−1.54
(m,2H); 1.79(bd,1H,J=10.18); 1.82−2.
08(m,2H); 2.22(bd,1H,J=13.02); 2.67(
t,2H,J=7.61); 2.95(td,1H,J=3.33,9.59
); 3.71(dd,1H,J=4.31,12.14); 3.85−3.
89(m,2H); 4.82(dd,1H,J=4.45,13.18);
7.14−7.28(m,5H)、分析計算値; C66.63, H6.99
, N9.71, S11.12、判明値; C66.75, H7.08,
N9.67, S11.21
【0189】 実施例17 2−ブチル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン
−1,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ0.92(t,3H,J=7.33); 1.24−1.
63(cm,7H); 1.73(bd,1H,J=8.55); 1.98(
bd,1H,J=13.44); 2.21(bd,1H,J=9.90);
2.81(td,1H,J=3.56,12.78); 3.49(t,2H,
J=7.34); 3.72(dd,1H,J=4.26,11.97); 4
.15(dd,1H,J=4.74,13.33)、分析計算値; C62.8
3, H8.63, N13.32、判明値; C62.57, H8.54,
N13.17
【0190】 実施例18 2−ヘキシル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジ
ン−1,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(MeOH,4
00MHz): δ0.88−0.91(m,3H); 1.25−1.34(
bs,8H); 1.50−1.58(m,3H); 1.71−1.75(m
,1H); 1.92−1.96(m,1H); 2.11−2.15(m,1
H); 2.85−2.93(m,1H); 3.43−3.47(m,2H)
; 3.87−3.91(m,1H); 4.04−4.08(m,1H)、0
.1%のEtOAcを含有する分析計算値; C65.12, H9.30,
N11.34、判明値; C64.87, H9.26, N11.54
【0191】 実施例19 2−ヘキシル−2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザピロリジン−1
,3−ジオン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ0.85−0.89(bs,3H); 1.28(bs,
7H); 1.59(m,1H); 1.63−1.73(m,1H); 2.
22−2.24(m,2H); 2.25−2.27(m,1H); 3.21
−3.27(m,1H); 3.43−3.47(m,2H); 3.65−3
.72(m,1H); 4.06(dd,1H,J=1.20,7.22)、分
析計算値; C64.26, H8.99, N12.49、判明値; C64
.02, H9.00, N12.42
【0192】 実施例20 2−フェニル−3−チオキソ−2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザ
ピロリジン−1−オン 本実施例では、前述した方法に従って調合した。H NMR(CDCl
400MHz): δ1.85−1.93(m,1H); 2.21−2.27
(m,1H); 2.31−2.43(m,2H); 3.63−3.69(m
,1H); 4.04−4.11(m,1H); 4.38(dd,1H,J=
6.96,10.39); 7.25−7.32(m,2H); 7.40−7
.51(m,3H)、Mp=187.3−189.7℃、分析計算値; C62
.04, H5.21, N12.06, S13.80、判明値; C61.
85, H5.26, N12.01, S13.97
【0193】 実施例21 以下の組成物からなる外用水薬を調合する。
【0194】
【表6】
【0195】 95%エタノールの中に、ヒダントイン誘導体、α−トコフェロールアセテー
ト、固形ヒマシ油の酸化エチレン(40モル)付加物、香料および染料を加える
。得られる混合物を撹拌して溶解し、精製水を混合物に加えると透明な液状の外
用水薬が得られる。
【0196】 外用水薬5mlを、印を付けた禿または脱毛症のある部分に1日に1回または
2回処方する。
【0197】 実施例22 以下の組成物からなる外用水薬を調合する。
【0198】
【表7】
【0199】 95%エタノールの中に、ヒダントイン誘導体、ヒノキトール、固形ヒマシ油
の酸化エチレン(40モル)付加物、香料および染料を加える。得られる混合物
を撹拌し、精製水を混合物に加えると透明な液状の外用水薬が得られる。
【0200】 外用水薬を、印を付けた禿または脱毛症のある部分に1日に1回〜4回スプレ
ーして処方する。
【0201】 実施例23 以下の組成物を有するA相およびB相から乳状液を調合する。
【0202】
【表8】
【0203】 A相およびB相を加熱して融かし80℃に維持する。次に、両相を混合し、撹
拌しながら標準温度まで冷却すると乳状液が得られる。
【0204】 実施例24 以下の組成物を有するA相およびB相からクリームを調合する。
【0205】
【表9】
【0206】 A相を加熱して融かし、70℃に維持する。B相をA相の中に加え、混合物を
撹拌すると乳状液が得られる。次に、乳状液を冷却するとクリームが得られる。
【0207】 クリームを、印を付けた禿または脱毛症のある部分に1日に1回〜4回処方す
る。
【0208】 実施例25 以下の組成物からなる局所に用いる液体を調合する。
【0209】
【表10】
【0210】 エタノールの中に、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、プロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレン固形ヒマシ油、ヒダントイン誘導体および香料を加え
る。得られる混合物を撹拌し、精製水を混合物に加えると液体が得られる。
【0211】 前記液体を、印を付けた禿または脱毛症のある部分に1日に1回〜4回処方す
る。
【0212】 実施例26 以下の組成物からなる洗髪剤を調合する。
【0213】
【表11】
【0214】 69.7%の精製水の中へ、5.0gのナトリウムラウリル硫酸塩、5.0g
のトリエタノールアミンラウリル硫酸塩、6.0gのベタインラウリルジメチル
アミノアセテートを加える。次に、5.0gのヒダントイン誘導体、5.0gの
ポリエチレングリコールおよび2.0gのエタノールに対して2.0gのエチレ
ングリコールジステアレートを加えることによって得られる混合物を撹拌し、0
.3gの香料を引き続いて加える。得られる混合物を加熱し、その後冷却すると
洗髪剤が得られる。
【0215】 洗髪剤を1日に1回または2回頭皮に使用する。
【0216】 実施例27 患者は、老年性脱毛症で苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物またはヒダ
ントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。毛髪成長の増加が
治療の後で現れると予想される。
【0217】 実施例28 患者は、男性型脱毛症に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物またはヒダ
ントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。毛髪成長の増加が
治療の後で現れると予想される。
【0218】 実施例29 患者は、円型脱毛症に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物またはヒダン
トイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。毛髪成長の増加が治
療の後で現れると予想される。
【0219】 実施例30 患者は、皮膚の組織障害によって起こる毛髪の喪失に苦しんでいる。ヒダント
イン誘導体化合物またはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に
投与する。毛髪成長の増加が治療の後で現れると予想される。
【0220】 実施例31 患者は、腫瘍によって起こる毛髪の喪失に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体
化合物またはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。
毛髪成長の増加が治療の後で現れると予想される。
【0221】 実施例32 患者は、全身的な疾病によって起こる毛髪の喪失に苦しんでいる。ヒダントイ
ン誘導体化合物またはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投
与する。毛髪成長の増加が治療の後で現れると予想される。
【0222】 実施例33 患者は、化学療法によって起こる毛髪の喪失に苦しんでいる。ヒダントイン誘
導体化合物またはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与す
る。毛髪成長の増加が治療の後で現れると予想される。
【0223】 実施例34 患者は、放射線によって起こる毛髪の喪失に苦しんでいる。ヒダントイン誘導
体化合物またはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する
。毛髪成長の増加が治療の後で現れると予想される。
【0224】 実施例35 患者は、神経変性の疾病に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物またはヒ
ダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を投与する。患者の病状が改善する
または回復することが予想される。
【0225】 実施例36 患者は、神経障害に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物またはヒダント
イン誘導体化合物からなる医薬組成物を投与する。患者の病状が改善するまたは
回復することが予想される。
【0226】 実施例37 患者は、発作に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物またはヒダントイン
誘導体化合物からなる医薬組成物を投与する。患者の病状が改善するまたは回復
することが予想される。
【0227】 実施例38 患者は、パーキンソン病に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物またはヒ
ダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を投与する。患者の病状が改善する
または回復することが予想される。
【0228】 実施例39 患者は、アルツハイマー病に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物または
ヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を投与する。患者の病状が改善す
るまたは回復することが予想される。
【0229】 実施例40 患者は、ハンティングトン病に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物また
はヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を投与する。患者の病状が改善
するまたは回復することが予想される。
【0230】 実施例41 患者は、末梢神経障害に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物またはヒダ
ントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を投与する。患者の病状が改善するま
たは回復することが予想される。
【0231】 実施例42 患者は、筋萎縮性側索硬化症に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物また
はヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を投与する。患者の病状が改善
するまたは回復することが予想される。
【0232】 実施例43 患者は、脊髄損傷に苦しんでいる。ヒダントイン誘導体化合物またはヒダント
イン誘導体化合物からなる医薬組成物を投与する。患者の病状が改善するまたは
回復することが予想される。
【0233】 実施例44 患者は、神経変性の疾病または神経障害に苦しむおそれがある。ヒダントイン
誘導体化合物またはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を予防的に投
与する。患者は、疾病または異常の影響のいくつか若しくは全てを回避するか、
または、病状を大きく改善する若しくは予備治療をしない患者よりも回復するこ
とが予想される。
【0234】 実施例45 患者は、黄斑変性に苦しんでいる。上記と同様のヒダントイン誘導体化合物を
単独で若しくは1以上の他のネオサイック(neopsic)な因子との組合せ
でまたはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。視力
喪失の減少、視力悪化の予防および/または視力回復の促進が治療の後に現れる
ことが予想される。
【0235】 実施例46 患者は、視神経円板の窪み形成および神経線維へのダメージを起こす緑内障に
苦しんでいる。上記と同様のヒダントイン誘導体化合物を単独で若しくは1以上
の他のネオサイック(neopsic)な因子との組合せでまたはヒダントイン
誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。視力喪失の減少、視力悪化
の予防および/または視力回復の促進が治療の後に現れることが予想される。
【0236】 実施例47 患者は、外科手術を必要とする白内障に苦しんでいる。外科手術の後に、上記
と同様のヒダントイン誘導体化合物を単独で若しくは1以上の他のネオサイック
(neopsic)な因子との組合せでまたはヒダントイン誘導体化合物からな
る医薬組成物を患者に投与する。視力喪失の減少、視力悪化の予防および/また
は視力回復の促進が治療の後に現れることが予想される。
【0237】 実施例48 患者は、糖尿病網膜症、虚血性視神経障害または網膜動脈若しくは網膜静脈の
閉塞に関連する網膜の血液供給の悪化または閉塞に苦しんでいる。上記と同様の
ヒダントイン誘導体化合物を単独で若しくは1以上の他のネオサイック(neo
psic)な因子との組合せでまたはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組
成物を患者に投与する。視力喪失の減少、視力悪化の予防および/または視力回
復の促進が治療の後に現れることが予想される。
【0238】 実施例49 患者は、網膜剥離に苦しんでいる。上記と同様のヒダントイン誘導体化合物を
単独で若しくは1以上の他のネオサイック(neopsic)な因子との組合せ
でまたはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。視力
喪失の減少、視力悪化の予防および/または視力回復の促進が治療の後に現れる
ことが予想される。
【0239】 実施例50 患者は、ブドウ膜炎または結膜炎に関連にした炎症によって引き起こされる組
織へのダメージに苦しんでいる。上記と同様のヒダントイン誘導体化合物を単独
で若しくは1以上の他のネオサイック(neopsic)な因子との組合せでま
たはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。視力喪失
の減少、視力悪化の予防および/または視力回復の促進が治療の後に現れること
が予想される。
【0240】 実施例51 患者は、慢性的にまたは急激に紫外線に曝されることによって引き起こされる
光受容体へのダメージに苦しんでいる。上記と同様のヒダントイン誘導体化合物
を単独で若しくは1以上の他のネオサイック(neopsic)な因子との組合
せでまたはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。視
力喪失の減少、視力悪化の予防および/または視力回復の促進が治療の後に現れ
ることが予想される。
【0241】 実施例52 患者は、視神経炎に苦しんでいる。上記と同様のヒダントイン誘導体化合物を
単独で若しくは1以上の他のネオサイック(neopsic)な因子との組合せ
でまたはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する。視力
喪失の減少、視力悪化の予防および/または視力回復の促進が治療の後に現れる
ことが予想される。
【0242】 実施例53 患者は、ドライアイ障害に関係した組織へのダメージに苦しんでいる。上記と
同様のヒダントイン誘導体化合物を単独で若しくは1以上の他のネオサイック(
neopsic)な因子との組合せでまたはヒダントイン誘導体化合物からなる
医薬組成物を患者に投与する。視力喪失の減少、視力悪化の予防および/または
視力回復の促進が治療の後に現れることが予想される。
【0243】 実施例54 患者は、感覚神経性難聴に苦しんでいる。上記と同様のヒダントイン誘導体化
合物を単独で若しくは1以上の他のネオサイック(neopsic)な因子との
組合せでまたはヒダントイン誘導体化合物からなる医薬組成物を患者に投与する
。難聴の減少が治療の後に現れることが予想される。
【0244】 上で述べたように本発明は、多くの方法で変化させてもよいことが分かる。こ
のような変化は本発明の主旨および範囲から逸脱するものではなく、このような
変更の全てがクレームの範囲内に含まれることを意図している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 25/28 A61P 17/14 27/02 25/00 43/00 105 25/28 121 27/02 A61K 37/24 43/00 105 37/26 121 37/36 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C050 AA01 BB05 CC04 EE02 FF01 GG03 GG04 GG05 HH01 HH02 HH03 HH04 4C084 AA02 AA19 BA44 DB52 DB54 DB55 DB58 DB59 MA02 NA05 NA14 ZA011 ZA012 ZA021 ZA022 ZA161 ZA162 ZA331 ZA332 ZA891 ZA892 ZB221 ZB222 4C086 AA01 AA02 AA03 CB03 MA01 MA02 MA04 NA05 NA14 ZA01 ZA02 ZA16 ZA33 ZA89 ZB22

Claims (62)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (ここで、XはそれぞれO、SまたはNRであり、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素、フェニル基、ビフェニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、
    シクロペンチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ナフチル基、1,2
    ,3,4−テトラヒドロナフチル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニ
    ル基、アントラセニル基、イソインドリル基、インドリニル基、ベンゾフラニル
    基、ベンゾチオフェニル基、インダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、テトラヒ
    ドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピロリジ
    ニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノ
    リニル基、テトラヒドロキノリニル基、キノリジニル基、フリル基、ベンゾフラ
    ニル基、チオフェニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリ
    ル基、ベンズオキサジニル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソトリアゾ
    リル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリダジニ
    ル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、トリチアニル基、イン
    ドリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、ベンゾピラ
    ニル基、チエニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、シノリニル基、フタルア
    ジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ナフチリジニル基、プテリジニ
    ル基、カルバゾリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニ
    ル基およびアダマンチル基よりなる群から選ばれ、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換されていてもよい) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物 (ここで、Rが水素である場合、DはC〜Cアルキル基またはC〜C
    ルケニル基であり、 Rがフェニル基でありDが結合である場合、Rはフェニル基、水酸基、トリフ
    ルオロメチル基、C〜Cの直鎖状若しくは分岐状アルキル基またはアルケニ
    ル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、フェノキシ基
    またはベンジルオキシ基で置換され、 Rが4−トリフルオロメチルフェニル基である場合、X置換基は両方ともOで
    ある)。
  2. 【請求項2】 (7aS)−2−(1−ナフチル)パーヒドロピロロ[1,
    2−c]イミダゾール−1,3−ジオン、(7aS)−2−(2′−フェニル)
    フェニルパーヒドロピロロ[1,2−c]イミダゾール−1,3−ジオン、(7a
    S)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)パーヒドロピロロ[1,2
    −c]イミダゾール−1,3−ジオン、2−ベンジル−3−チオキソ−2,5,
    6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザピロリジン−1−オン、2−ヘキシル−
    2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザピロリジン−1,3−ジオン、
    2−(2−エチル)フェニル−2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザ
    ピロリジン−1,3−ジオン、2−(3−フェニルプロピル)−3−チオキソ−
    2,5,6,7,7a−ペンタヒドロ−2−アザピロリジン−1−オンおよび2
    −(2−フェニルエチル)−3−チオキソ−2,5,6,7,7a−ペンタヒド
    ロ−2−アザピロリジン−1−オンよりなる群から選ばれる請求項1に記載の化
    合物。
  3. 【請求項3】 一般式 【化2】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量および薬学的に許容できるキャリアを含む薬剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 付加的な神経栄養因子をさらに含む請求項3に記載の薬剤組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖因
    子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な切
    断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増殖
    因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から選
    ばれる請求項4に記載の薬剤組成物。
  6. 【請求項6】 一般式 【化3】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量をダメージを受けた末梢神経の生長を刺激するため
    または神経細胞の再生を促進するために動物に投与することを含む動物の神経学
    的障害を治療する方法。
  7. 【請求項7】 前記神経学的障害が、物理的傷害または疾病状態によって引
    き起こされる末梢神経障害、脳への物理的ダメージ、脊髄への物理的ダメージ、
    脳のダメージに関係した発作および神経変性に関連する神経学的障害よりなる群
    から選ばれる請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記神経学的障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、
    筋萎縮性側索硬化症およびハンティングトン病よりなる群から選ばれる請求項6
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記神経学的障害がアルツハイマー病である請求項6に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 前記神経学的障害がパーキンソン病である請求項6に記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 前記神経学的障害が筋萎縮性側索硬化症である請求項6に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記神経学的障害がハンティングトン病である請求項6に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記化合物が非免疫抑制性である請求項6に記載の方法。
  14. 【請求項14】 付加的な神経栄養因子を投与することをさらに含む請求項
    6に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖
    因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な
    切断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増
    殖因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から
    選ばれる請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 一般式 【化4】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量をダメージを受けた末梢神経の生長を刺激または促
    進するためにダメージを受けた末梢神経に投与することを含むダメージを受けた
    末梢神経の生長を促進する方法。
  17. 【請求項17】 前記化合物が非免疫抑制性である請求項16に記載の方法
  18. 【請求項18】 付加的な神経栄養因子を投与することをさらに含む請求項
    16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖
    因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な
    切断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増
    殖因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から
    選ばれる請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 一般式 【化5】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量を神経細胞の再生を促進するために動物に投与する
    ことを含む動物の神経細胞の再生および生長を促進する方法。
  21. 【請求項21】 前記化合物が非免疫抑制性である請求項20に記載の方法
  22. 【請求項22】 付加的な神経栄養因子を投与することをさらに含む請求項
    20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖
    因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な
    切断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増
    殖因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から
    選ばれる請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 一般式 【化6】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量を神経変性を予防するために動物に投与することを
    含む動物の神経変性を予防する方法。
  25. 【請求項25】 前記神経変性がアルツハイマー病である請求項24に記載
    の方法。
  26. 【請求項26】 前記神経変性がパーキンソン病である請求項24に記載の
    方法。
  27. 【請求項27】 前記神経変性が筋萎縮性側索硬化症である請求項24に記
    載の方法。
  28. 【請求項28】 前記神経変性がハンティングトン病である請求項24に記
    載の方法。
  29. 【請求項29】 前記化合物が非免疫抑制性である請求項24に記載の方法
  30. 【請求項30】 付加的な神経栄養因子を投与することをさらに含む請求項
    24に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖
    因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な
    切断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増
    殖因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から
    選ばれる請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 一般式 【化7】 (ここで、XはそれぞれO、SまたはNRであり、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素、フェニル基、ビフェニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、
    シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
    1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基、インデニル基、アズレニル基、フル
    オレニル基、アントラセニル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリニ
    ル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インダゾリル基、ベンズイミ
    ダゾリル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピリジル基、
    ピロリル基、ピロリジニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、プリニル基、キ
    ノリニル基、イソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、キノリジニル基、
    フリル基、チオフェニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾピラニル
    基、チアゾリル基、イソトリアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基
    、チアジアゾリル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリア
    ジニル基、トリチアニル基、インドリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基
    、ピラゾリジニル基、チエニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、シノリニル
    基、フタルアジニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、プテリジニル基、
    カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェ
    ノキサジニル基およびアダマンチル基よりなる群から選ばれ、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換されてもよい) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物 (ここで、Rが水素である場合、DはC〜Cアルキル基またはアルケニル基
    であり、 Rがフェニル基でありDが結合である場合、RはC〜CまたはC〜C の直鎖状若しくは分岐状アルキル基またはアルケニル基、C〜Cアルコキシ
    基、C〜Cアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキ
    シ基またはアミノ基で置換される)。
  33. 【請求項33】 2−ベンジル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ
    −2−アザインドリジン−1,3−ジオン、2−ベンジル−3−チオキソ−2,
    5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1−オン、2−
    (2−フェニルエチル)−3−チオキソ−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒ
    ドロ−2−アザインドリジン−1−オン、2−ヘプチル−2,5,6,7,8,
    8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1,3−ジオン、2−オクチル−
    2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1,3−ジ
    オン、2−(3−フェニルプロピル)−3−チオキソ−2,5,6,7,8,8
    a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1−オン、2−ヘキシル−2,5,
    6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインドリジン−1,3−ジオン、2
    −シクロヘキシル−2,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−2−アザインド
    リジン−1,3−ジオンよりなる群から選ばれる請求項32に記載の化合物。
  34. 【請求項34】 一般式 【化8】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量および薬学的に許容できるキャリアを含む薬剤組成
    物。
  35. 【請求項35】 付加的な神経栄養因子をさらに含む請求項34に記載の薬
    剤組成物。
  36. 【請求項36】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖
    因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な
    切断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増
    殖因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から
    選ばれる請求項35に記載の薬剤組成物。
  37. 【請求項37】 一般式 【化9】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量をダメージを受けた末梢神経の生長を刺激するため
    または神経細胞の再生を促進するために動物に投与することを含む動物の神経学
    的障害を治療する方法。
  38. 【請求項38】 前記神経学的障害が、物理的傷害または疾病状態によって
    引き起こされる末梢神経障害、脳への物理的ダメージ、脊髄への物理的ダメージ
    、脳のダメージに関係した発作および神経変性に関連する神経学的障害よりなる
    群から選ばれる請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記神経学的障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病
    、筋萎縮性側索硬化症およびハンティングトン病よりなる群から選ばれる請求項
    37に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記神経学的障害がアルツハイマー病である請求項37に
    記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記神経学的障害がパーキンソン病である請求項37に記
    載の方法。
  42. 【請求項42】 前記神経学的障害が筋萎縮性側索硬化症である請求項37
    に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記神経学的障害がハンティングトン病である請求項37
    に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記化合物が非免疫抑制性である請求項37に記載の方法
  45. 【請求項45】 付加的な神経栄養因子を投与することをさらに含む請求項
    37に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖
    因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な
    切断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増
    殖因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から
    選ばれる請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 一般式 【化10】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量をダメージを受けた末梢神経の生長を刺激または促
    進するためにダメージを受けた末梢神経に投与することを含むダメージを受けた
    末梢神経の生長を刺激する方法。
  48. 【請求項48】 前記化合物が非免疫抑制性である請求項47に記載の方法
  49. 【請求項49】 付加的な神経栄養因子を投与することをさらに含む請求項
    47に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖
    因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な
    切断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増
    殖因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から
    選ばれる請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】 一般式 【化11】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量を神経細胞の再生を促進するために動物に投与する
    ことを含む動物の神経細胞の再生および生長を促進する方法。
  52. 【請求項52】 前記化合物が非免疫抑制性である請求項51に記載の方法
  53. 【請求項53】 付加的な神経栄養因子を投与することをさらに含む請求項
    51に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖
    因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な
    切断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増
    殖因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から
    選ばれる請求項53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 一般式 【化12】 (ここで、それぞれXは独立にO、SまたはNRを表わし、 Rはシアノ基、ニトロ基、水素、C〜Cアルキル基、水酸基およびC 〜Cアルコキシ基よりなる群から選ばれ、 Dは直接的な結合またはC〜Cアルキル基若しくはアルケニル基であり、 Rは水素または脂環式若しくは芳香族、単環式、二環式若しくは三環式、炭素
    環式若しくは複素環式の環状化合物であり、 Rは、場合に応じて、水素、ハロ基、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチル
    基、C〜Cの直鎖状または分岐状アルキル基、C〜Cの直鎖状または分
    岐状アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルケニルオキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれる1の置換基で置換される) で表わされる化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩、エステル若しく
    はこれらの溶媒和物の有効量を神経変性を予防するために動物に投与することを
    含む動物の神経変性を予防する方法。
  56. 【請求項56】 前記神経変性がアルツハイマー病である請求項55に記載
    の方法。
  57. 【請求項57】 前記神経変性がパーキンソン病である請求項55に記載の
    方法。
  58. 【請求項58】 前記神経変性が筋萎縮性側索硬化症である請求項55に記
    載の方法。
  59. 【請求項59】 前記神経変性がハンティングトン病である請求項55に記
    載の方法。
  60. 【請求項60】 前記化合物が非免疫抑制性である請求項60に記載の方法
  61. 【請求項61】 付加的な神経栄養因子を投与することをさらに含む請求項
    55に記載の方法。
  62. 【請求項62】 前記付加的な神経栄養因子が、神経増殖因子、脳由来増殖
    因子、膠由来増殖因子、繊毛神経因子、インスリン増殖因子およびそれの活性な
    切断誘導体、酸放出性線維芽細胞増殖因子、基本線維芽増殖因子、血小板由来増
    殖因子、ニューロトロピン−3およびニューロトロピン−4/5よりなる群から
    選ばれる請求項61に記載の方法。
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