JP2003517845A - 核酸ワクチン接種の改良 - Google Patents

核酸ワクチン接種の改良

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Abstract

(57)【要約】 MUC1のVNTRモノマー由来の少なくとも5個の連続アミノ酸残基を含有するポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを含んでなる核酸ワクチン構築物であって、1以上の前記アミノ酸がグリコシル化部位であり、前記単離ポリヌクレオチドが哺乳動物細胞中に発現されるときに得られるポリペプチドのグリコシル化が少なくとも1つの前記グリコシル化部位において改変または阻止されることを特徴とする前記核酸ワクチン構築物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、MUC1タンパク質のグリコシル化変異体であるポリペプチドをコード
する単離ポリヌクレオチドを含んでなる核酸ワクチン構築物、前記構築物を含ん
でなるワクチン組成物、および哺乳動物をワクチン接種するための前記構築物ま
たは組成物の使用に関する。
【0002】 発明の背景 上皮細胞ムチンMUC1(エピシアリン(episialin)または多形上皮ムチン、PEM
としても知られる)は多くの上皮細胞上に発現される大分子量の糖タンパク質で
ある。該タンパク質は、細胞質テール、膜通過ドメインおよび可変数の20アミノ
酸モチーフタンデムリピート(本明細書ではVNTRモノマーと呼ぶが、VNTRエピト
ープまたはVNTRリピートとしても知られる)からなり、タンデムリピートは高い
比率のプロリン、セリンおよびトレオニン残基を含有する。反復の数はMUC1遺伝
子座における遺伝的多形によって様々であり、最高の頻度は30-100の範囲内にあ
る(Swallowら, 1987, Nature 328:82-84)。正常の管上皮において、MUC1タン
パク質は細胞の頂上表面にのみ見出され、管腔に曝されている(Grahamら, 1996
, Cancer Immunol Immunother 42:71-80;Barratt-Boyesら, 1996, Cancer Immu
nol Immunother 43:142-151)。MUC1分子の最も著しい特徴は広範なO連結した
グリコシル化である。それぞれのMUC1 VNTRモノマーには利用しうるO連結グリ
コシル化部位が5つある。図1のナンバリングシステムによれば、Thr-6、Ser-7、
Thr-11、Ser-17およびThr-18である。
【0003】 これら上皮細胞の新生物形質転換により生じる悪性癌においては、複数の変化
がMUC1の発現に影響を与える。このタンパク質の分極した発現は失われ、発現が
形質転換した細胞の全表面上に広く見出される。MUC1の全量も増加し、しばしば
10倍以上になる(Strous & Dekker, 1992, Crit Rev Biochem Mol Biol 27:57-9
2)。最も顕著なこととして、O連結炭水化物鎖の量と質が著しく変化する。よ
り少数のセリンとトレオニン残基しかグリコシル化されない。これらの見出され
る炭水化物鎖は異常に短くなり、腫瘍に関連した炭水化物抗原STnを創出する(L
loydら, 1996, J Biol Chem, 271:33325-33334)。これらのグリコシル化変化の
結果、それまで炭水化物鎖によって遮られていたMUC1のペプチド鎖上の様々なエ
ピトープはアクセスが可能になる。このようにしてアクセス可能になるエピトー
プの1つは、各20アミノ酸VNTRモノマーに存在する配列APDTR (図1のAla8-Arg12
)により形成される(Burchellら, 1989, Int J Cancer 44:691-696)。
【0004】 MUC1のこれらの変化は、腫瘍上に発現されるMUC1の型に対して免疫系を活性化
できるワクチンは、上皮細胞腫瘍、そしてさらにT細胞リンパ球などのMUC1が見
出される他の細胞型に対しても有効でありうることを意味するのは明らかである
。異常なタンパク質を発現する細胞を死滅するために免疫系が利用する主なエフ
ェクター機構の1つは、細胞傷害性Tリンパ球(CTLの)免疫応答であり、この応
答は腫瘍を治療するワクチンにおいて抗体応答と同様に所望される。良いワクチ
ンは免疫応答の全てのアームを活性化しうる。しかし、テラトープ(Theratope
)またはBLP25 (Biomira Inc, Edmonton, Canada)などの現在の炭水化物および
ペプチドワクチンは、免疫応答の1つのアーム(それぞれ、体液および細胞応答
)を選択的に活性化する、そこで、よりバランスのとれた応答を産生することを
特徴とするより優れたワクチンの設計が所望される。
【0005】 核酸ワクチンは安価でありかつ大量生産が容易であるので、通常のタンパク質
ワクチンを上回る数多くの利点を与える。核酸ワクチンは小用量であっても強い
免疫応答を誘導しかつ抗体応答のほかに細胞傷害性Tリンパ球免疫応答を誘導で
きると報告されている。しかしMUC1に対する効果的な核酸ワクチンの開発を妨げ
る技術的障害がある。
【0006】 核酸ワクチン接種において、選択した抗原をコードする核酸分子は宿主の正常
細胞中に導入される。もしMUC1ポリペプチドをコードする核酸ワクチンを粒子を
介した遺伝子導入(米国特許第5371015号)により送達すれば、最も高頻度に形
質転換される細胞は恐らく角化細胞または皮膚ランゲルハンス細胞であろう。同
様に、もし核酸を筋内注射により送達すれば、骨格筋細胞および骨髄由来の抗原
提示細胞が主な標的細胞型である。これらの細胞はそれぞれ生理学的に平衡した
グリコシル化酵素を含有するので、ワクチンによりコードされたMUC1遺伝子産物
をグリコシル化し、形質転換した細胞上に見られる異常にグリコシル化した型よ
りもむしろ正常上皮上のMUC1に似せるようにするであろう。実際、MUC1をコード
するポリヌクレオチドを用いてトランスフェクトした細胞のほとんどは、ワクチ
ンによりコードされた遺伝子産物をグリコシル化するであろう。結果として、若
干の結果を得る可能性はあるにしても、ワクチンは腫瘍細胞に対する免疫を最適
に刺激することはできないであろう。
【0007】 従って、本発明は、VNTRモノマーまたはそのリピートもしくは断片を含んでな
るポリペプチドをコードする核酸ワクチン構築物であって、コードされた配列が
正常な細胞機構により完全にグリコシル化されることのないように遺伝子操作さ
れている前記核酸ワクチン構築物を提供する。驚くべきことに、本発明者らはこ
れを達成することを、一態様においては、コードされたポリペプチドに新規のア
ミノ酸置換を遺伝子工学的に操作することによってやり遂げたのである。本発明
者らは、改変ポリペプチドの継続的免疫原性のための必須要件であるMUC1エピト
ープのコンフォメーションを保持しかつグリコシル化が少ないので腫瘍上に発現
するMUC1の形態にさらによく似せることを特徴とするポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを含んでなる核酸ワクチン接種構築物を作ったのである。
【0008】発明の概要 本発明の一実施形態によれば、1以上のグリコシル化部位を有するMUC1のVNTR
モノマー由来の少なくとも5個の連続アミノ酸残基を含有するポリペプチドをコ
ードする単離ポリヌクレオチドを含んでなる核酸ワクチン構築物であって、前記
ポリペプチドが前記グリコシル化部位の少なくとも1つにおけるグリコシル化を
阻止または改変する少なくとも1つのアミノ酸突然変異を含有することを特徴と
する前記核酸ワクチン構築物が提供される。
【0009】 一態様においては、核酸ワクチン構築物によりコードされるポリペプチドは、
MUC1のVNTRモノマーの1コピーからなる。他の態様においては、核酸ワクチン構
築物によりコードされるポリペプチドは、MUC1のVNTRモノマーの断片からなる。
【0010】 本発明のさらなる実施形態においては、本明細書に定義した核酸ワクチン接種
構築物を製薬上許容される担体と一緒に含んでなるワクチン組成物が提供される
【0011】 本発明の他の実施形態においては、腫瘍に対する哺乳動物のワクチン接種に使
用するための本明細書に定義した核酸ワクチン接種構築物またはワクチン組成物
が提供される。
【0012】 本発明のさらに他の実施形態においては、腫瘍に対する哺乳動物のワクチン接
種に使用する薬物を製造するための本明細書に定義した核酸ワクチン接種構築物
またはワクチン組成物の使用が提供される。
【0013】 本発明の他の実施形態においては、腫瘍に対する哺乳動物のワクチン接種の方
法であって、前記哺乳動物に本明細書に定義した核酸ワクチン接種構築物または
ワクチン組成物を投与することを含んでなる前記ワクチン接種の方法が提供され
る。
【0014】図面の説明 本発明は、例示として以下の図を参照して、さらに説明される。
【0015】 (図面の説明については下記参照)発明の詳細な説明 本明細書および添付した請求の範囲を通して、文脈から他の解釈が必要な場合
を除いて、用語「含んでなる(comprise)」および「含む(include)」または
「含んでなる(comprising)」、「含んでなる(comprises)」、「含む(inclu
ding)」、「含む(includes)」などの変化形は、包括的に、すなわちこれらの
用語の使用が具体的に列挙していない整数または要素を包含しうることを意味す
るものとして、解釈されるべきである。
【0016】 本明細書に記載したように、本発明は単離ポリヌクレオチドを含んでなる核酸
ワクチン構築物であって、腫瘍に対するワクチン接種に有用である前記構築物に
関する。本発明の文脈において、用語「単離(isolated)」とは、ポリヌクレオ
チドが、少なくともある程度精製されているか、または例えば遺伝子組換え法ま
たは機械的合成によって合成的に作製されている限り、それは自然の状態のもの
ではないことを表すように意図される。従って、用語「単離」は、ポリヌクレオ
チドが、細胞、細胞もしくは細胞断片の懸濁物、タンパク質、ペプチド、発現ベ
クター、有機もしくは無機溶媒、または適当な他の物質などの他の生物学的また
は非生物学的物質と一緒に存在する可能性を含むが、ポリヌクレオチドが自然状
態で見出される状況は排除される。
【0017】 本発明の核酸ワクチン構築物が含んでなる単離ポリヌクレオチドによりコード
されたポリペプチドは、本明細書および請求の範囲を通じて「コードされたポリ
ペプチド」と呼ばれる。前記コードされたポリペプチドは、MUC1のVNTRモノマー
由来の少なくとも5個の連続アミノ酸残基を含んでなり、前記アミノ酸の1個以上
はグリコシル化部位でありかつグリコシル化が前記グリコシル化部位の少なくと
も1つで阻止または改変されていることを特徴とする。好ましくは、前記コード
されたポリペプチドは、MUC1のVNTRモノマー由来の、少なくとも10個、例えば、
13、15、16、17、18または19個のアミノ酸を含んでなる。特に好ましくは、前記
コードされたポリペプチドはMUC1のVNTRモノマー由来の少なくとも20個のアミノ
酸を含んでなる。連続アミノ酸はその全体が1つのVNTRモノマー由来であってよ
く、または複数のモノマーにまたがっていてもよく、例えば前記連続アミノ酸の
3個は1つのVNTRモノマーのN末端由来でありかつ次の2個のアミノ酸は第2のVNTR
モノマーのC末端由来であってもよい。
【0018】 用語「少なくとも5個の連続アミノ酸」は、前記アミノ酸の1個以上が野生型か
らアミノ酸突然変異により改変されている事例を含む。従って、例えば、野生型
配列による3個のアミノ酸、次いで次の野生型アミノ酸に対するアミノ酸置換、
次いで野生型配列によるさらなる3個のアミノ酸を含有する配列を有するコード
されたポリペプチドは、MUC1 VNTRモノマー由来の少なくとも5つの連続アミノ酸
を有すると考えられる。
【0019】 本発明は、任意に順列したVNTRモノマーまたは少なくとも1つのグリコシル化
部位を含有するモノマー断片のポリペプチドであって、少なくとも1つのグリコ
シル化部位においてグリコシル化が阻止または改変されていることを特徴とする
ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを含んでなる核酸ワクチン構築
物を包含する。一実施形態においては、本発明の核酸ワクチン構築物が含んでな
る単離ポリヌクレオチドは、コードされたポリペプチドがVNTRモノマーの1〜10
コピーからなるようなものである。他の実施形態においては、本発明の核酸ワク
チン構築物が含んでなる単離ポリヌクレオチドは、コードされたポリペプチドが
VNTRモノマーの10以上のコピー、例えばVNTRモノマーの20、30、50、60、75、90
または100以上のコピーからなるようなものである。さらなる実施形態において
は、本発明の核酸ワクチン構築物が含んでなる単離ポリヌクレオチドは、コード
されたポリペプチドがリピートと断片の組合せ、例えば1つのVNTRモノマーと1つ
の断片、1〜10のリピートと1〜10の断片、10以上のリピートと10以上の断片、10
以上のリピートと10以下の断片、または10以上の断片と10以下のリピートからな
るようなものである。さらなる実施形態においては、本発明の核酸ワクチン構築
物が含んでなる単離ポリヌクレオチドは、コードされたポリペプチドが、断片の
組合せ、例えば1断片の複数コピー、または複数の異なる断片からなるようなも
のである。コードされたポリペプチドに1以上の断片が存在するそれぞれの場合
に、断片は同一であっても異なってもよい。
【0020】 好ましい実施形態においては、コードされたポリペプチドは単一のVNTRモノマ
ーからなる。他の好ましい実施形態においては、コードされたポリペプチドはVN
TRモノマーの単一の断片からなり、特に好ましいのは、断片がAPDTRP(図1の残
基8-13)を有し、さらにグリコシル化部位Tが突然変異している場合である。
【0021】 好ましくは、グリコシル化の改変または阻止は、コードされたポリペプチド内
のグリコシル化部位を構成するアミノ酸の突然変異によって達成される。本明細
書および請求の範囲を通じて使用される用語「アミノ酸突然変異」は、コードさ
れたポリペプチドの1以上のアミノ酸が図1に示した野生型MUC1 VNTRモノマー配
列と異なることを意味する。この変化は、例えば、1以上のアミノ酸の欠失、挿
入または置換であってもよい。
【0022】 これらの突然変異は、核酸ワクチン構築物が含んでなる単離ポリヌクレオチド
の配列を、コードされたポリペプチドがグリコシル化部位の1以上の部位におい
てアミノ酸突然変異を有するように設計することによって達成される。所望のア
ミノ酸突然変異が置換であれば、野生型配列中のアミノ酸をコードする3個のヌ
クレオチドを所望のアミノ酸をコードするヌクレオチドに変化させる。所望のア
ミノ酸突然変異が欠失であれば、野生型配列中のアミノ酸をコードする3個のヌ
クレオチドを欠失させる。所望のアミノ酸突然変異が挿入であれば、所望のアミ
ノ酸をコードする3個のヌクレオチドを野生型ヌクレオチド配列中に挿入する。
【0023】 当業者であれば、所望のコードされたポリペプチドに対する遺伝コードを適用
することによって、必要なポリヌクレオチドの配列を容易に決定しうる。必要な
ポリヌクレオチドが決定されると、所望の配列をもつ単離ポリヌクレオチドを含
んでなる核酸ワクチン構築物は、実施例に記載の通り作製することができる。当
業者であれば、プライマーおよびPCR条件などの必要ないずれのパラメーターも
容易に適合させることができる。当業者であれば、遺伝コードの縮重によって、
所望のコードされたポリペプチドを生成するために使用できる単離ポリヌクレオ
チド配列が1種以上存在しうることも理解するであろう。
【0024】 好ましくは、核酸ワクチン構築物は、配列 GC# CC# GA* G(T/U)# CG# CC# (ここで、#はヌクレオチドA、G、CまたはT/Uであり、*はヌクレオチドT/Uまた
はCである)を含有する単離ポリヌクレオチドを含んでなる。表記T/Uの使用は、
その配列がDNAまたはRNAでありうることを示す。配列がDNAであればこの位置の
塩基はTであり、配列がRNAであればこの位置の塩基はUである。
【0025】 あるいは、核酸ワクチン構築物は配列 GC# CC# GA* AT/U@ CG# CC# (ここで、#はヌクレオチドA、G、CまたはT/Uであり、*はヌクレオチドT/Uまた
はCであり、@はヌクレオチドT/U、AまたはCである)を含有するヌクレオチド配
列を含んでなる。表記T/Uは前記のとおりである。
【0026】 特に好ましいのは、核酸ワクチン構築物が図2に示した配列または図3に示し
た配列を含有するヌクレオチド配列を含んでなる場合である。
【0027】 好ましい実施形態においては、単離ポリヌクレオチドの配列は、アミノ酸突然
変異が置換であるようなものである。さらに好ましい実施形態においては、単離
ポリヌクレオチドの配列は、アミノ酸突然変異が、O連結グリコシル化の結合部
位を形成するセリンまたはトレオニン残基の、ヒドロキシル基を欠く他のアミノ
酸による置換であるようなものである。好ましくは、単離ポリヌクレオチドの配
列は、セリンまたはトレオニンがバリン、イソロイシン、アラニン、アスパラギ
ン、フェニルアラニンまたはトリプトファンによって置き換えられるものである
。さらに好ましくは、単離ポリヌクレオチドの配列は、トレオニンまたはセリン
がバリンまたはイソロイシンによって置き換えられるものである。なおさらに好
ましくは、単離ポリヌクレオチドの配列は、トレオニンがバリンまたはイソロイ
シンによって置き換えられるものである。特に好ましい実施形態においては、単
離ポリヌクレオチドの配列は、コードされたポリペプチドのトレオニン11がバリ
ンまたはイソロイシンにより置換されているものであり、そして特別に好ましい
配列をアミノ酸置換を強調した形で図2または図3に示した。好ましくは、単離
ポリヌクレオチドの配列は、コードされたポリペプチドが、ポリペプチドに存在
するグリコシル化部位の少なくとも60%、例えば70%、75%、80%、85%、90%または
100%においてグリコシル化が改変または阻止されるように突然変異しているもの
である。
【0028】 コードされたポリペプチドは、好ましくは、腫瘍上に見出されるMUC1の形態と
の免疫学的類似性を保持する。用語「免疫学的類似性」とは、1以上のアミノ酸
の突然変異にも関わらず、腫瘍上に発現されたMUC1の形態のVNTRモノマーのエピ
トープを認識する抗体がコードされたポリペプチドのエピトープも認識しうる程
度に、コードされたポリペプチドの1以上のエピトープのコンフォメーションが
不変のまま十分に保持されていることを意味するものと意図される。用語「免疫
学的類似性」は、腫瘍上に発現されたMUC1の形態を認識する全ての抗体がコード
されたポリペプチドを認識する状況だけでなく、少なくとも1つの抗MUC1抗体に
対する少なくとも1つのエピトープが不変のまま十分に保持されており、コード
されたポリペプチドを認識する状況も包含する。特に好ましいのは、コードされ
たポリペプチドに対して産生された抗体が、腫瘍細胞上に発現したMUC1の形態と
正常細胞上に発現したMUC1の形態とを、例えば前者とは結合するが後者とは結合
しないことによって、識別できることである。
【0029】 好ましいコードされたポリペプチドは、抗MUC1抗体であるSM3、ATR1、HMFG2ま
たはHMFG1によって認識されうるポリペプチドである。特に好ましいコードされ
たポリペプチドは、抗MUC1抗体SM3によって認識されうるポリペプチドである。
【0030】 本発明の核酸ワクチン接種用構築物はまた、異種ポリペプチド、好ましくは免
疫原性ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドをさらに含んでもよい。
この単離ポリヌクレオチドは、発現時に、発現されたコードされたポリペプチド
と異種ポリペプチドとが連結または融合するように、核酸ワクチン接種用構築物
上に配置される。異種ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドは、コー
ドされたポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドに隣接することが好ま
しい。
【0031】 一実施形態においては、コードされた異種ポリペプチドは、コードされたポリ
ペプチドを標的とする担体としてはたらくものでもよく、例えば異種ポリペプチ
ドは標的細胞上の受容体と結合してもよい。他の実施形態においては、異種ポリ
ペプチドは、免疫原として作用してコードされたポリペプチドにより誘発される
免疫応答を増強してもよい。適当な異種ポリペプチドは、キーホールリンペット
ヘモシアニン、卵白アルブミン、B型肝炎ウイルス表面タンパク質、B型肝炎ウイ
ルスコアタンパク質、破傷風毒素、グルタチオンSトランスフェラーゼまたはハ
ト・シトクロムCが挙げられる。好ましい実施形態においては、異種ポリペプチ
ドは破傷風毒素またはB型肝炎ウイルスコアタンパク質である。これらのポリペ
プチドをコードするヌクレオチド配列は当業者であれば容易に入手しうる。
【0032】 さらに、核酸ワクチン接種用構築物は、適当なイニシエーター、プロモーター
、エンハンサー、および例えば必要でありうるポリアデニル化シグナルなどの他
のエレメントを含んでなり、これらは哺乳動物細胞内でのタンパク質発現を可能
にするため、正しい位置で配置されるであろう。
【0033】 プロモーターは真核生物プロモーター、例えばCD68プロモーター、Gal1、Gal1
0、もしくはNMT1プロモーター、原核生物プロモーター、例えばTac、Trcもしく
はLac、またはウイルスプロモーター、例えばサイトメガロウイルスプロモータ
ー、SV40プロモーター、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターもしくは
呼吸器合胞体ウイルスLTRプロモーターであってもよい。好ましくは、プロモー
ターはウイルスプロモーターである。特に好ましいプロモーターはサイトメガロ
ウイルス極初期プロモーターである。
【0034】 転写調節エレメントは、エンハンサー、例えばB型肝炎表面抗原 3'非翻訳領域
、CMVエンハンサー;イントロン、例えばCD68イントロン、もしくはCMVイントロ
ンA、または調節領域、例えばCMV 5'非翻訳領域を含み得る。
【0035】 核酸ワクチン構築物主鎖は、RNAまたはDNA、例えばプラスミドDNA、ウイルスD
NA、細菌DNA、細菌人工染色体DNA、酵母人工染色体DNA、合成DNAであってもよい
。また核酸ワクチン構築物は人工核酸、例えばホスホロチオエートRNAまたはDNA
であることも可能である。好ましくは構築物はDNAであり、特に好ましいのはプ
ラスミドDNAである場合である。
【0036】 コードされたポリペプチドをコードする核酸ワクチン構築物が含んでなる単離
ポリヌクレオチドは、RNA、例えばmRNAであってもよいし、またはDNA、例えばゲ
ノムDNA、cDNAもしくは合成DNAであってもよい。好ましくは、ポリヌクレオチド
はDNAであり、特に好ましいのはcDNAである。ポリヌクレオチドは、核酸ワクチ
ン構築物上のプロモーターと機能しうる形で連結されていることで、構築物を哺
乳動物細胞中に挿入したとき、ポリヌクレオチドが発現されてコードされたポリ
ペプチドを産生することが好ましい。
【0037】 本発明の核酸ワクチン構築物は、哺乳動物細胞内で発現されるとコードされた
ポリペプチドを産生する。前記哺乳動物細胞はin vitroであって、研究室におけ
る培養の細胞系、例えばHEK293T、CHO、HeLaまたはCOS細胞であってよい。この
場合、発現されたポリペプチドを回収し、それ自体をワクチン接種用に使用して
もよい。さらに好ましくは、前記哺乳動物細胞はin vivoであって、核酸ワクチ
ン構築物を直接、哺乳動物、例えばマウス、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウシ、
ウマもしくはラット、または、特に好ましくはヒトに投与する。
【0038】 本発明はまた、治療上有効な量の本発明の核酸ワクチン構築物を、好ましくは
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、生理食塩水、デキストロース、水、グリセロー
ル、エタノール、またはそれらの組合せなどの製薬上許容される担体と組合せて
含んでなるワクチン組成物も含む。あるいは、ワクチン組成物は、金ビーズ上に
製剤化した治療上有効な量の本発明の核酸ワクチン構築物を含んでなってもよい
。あるいは、該組成物は、リポソームを用いて製剤化した核酸ワクチン構築物を
含んでなってもよい。核酸ワクチン構築物は、哺乳動物に投与すると、ポリペプ
チドがその哺乳動物内で発現されるように構築しうる。次いで発現されたまたは
投与されたポリペプチドは、好ましくは体液性および細胞性免疫の両方に関わる
免疫応答を産生しうる。
【0039】 本発明はまた、予防および治療の両方を目的として腫瘍に対する哺乳動物のワ
クチン接種に使用するための、本明細書に記載された核酸ワクチン構築物または
ワクチン組成物も含む。好ましくは、哺乳動物はヒトである。ワクチン接種は、
MUC1を発現し従ってMUC1 VNTR単量体を認識する抗体に反応し得る、いずれの細
胞型の腫瘍に対してであってもよい。一実施形態においては、腫瘍はTリンパ球
である。好ましくは、ワクチン接種は上皮細胞の腫瘍に対してであり、さらに好
ましくはワクチン接種は乳癌または非小細胞肺癌に対してである。
【0040】 核酸ワクチン構築物およびそれらを含むワクチン組成物は、様々な方法で、例
えば口、鼻、肺、筋内、皮下または皮内経路を経由して投与することができる。
それらは、個人に注射可能な組成物として、例えば好ましくは等張性の無菌水性
分散液として投与してもよい。特に好ましい技術の1つとしては、粒子ボンバー
ドメント(bombardment)(「遺伝子銃」技術としても知られており、米国特許第5
371015号に記載される)が挙げられる。この場合、不活性粒子(金ビーズなどの
)を核酸を用いてコーティングし、例えば放出する装置から高圧下で発射する方
法を使って、受容者(例えば、皮膚)の表面を貫通できるのに十分な速度に加速
する(本発明の核酸ワクチン構築物でコーティングした粒子は、そのような粒子
を充填した装置と同様に本発明の範囲内である)。核酸ワクチン構築物または前
記構築物を含有する組成物を直接、受容者に投与する他の方法としては、超音波
、電気刺激、エレクトロポレーションおよび米国特許第5,697,901号に記載のミ
クロ接種(microseeding)が挙げられる。
【0041】 本発明の核酸ワクチン構築物はまた、遺伝子治療で有用な特殊送達ベクターの
方法を使って投与することができる。遺伝子治療手法は例えば、Verme ら, Natu
re 1997,389:239-242で考察されている。ウイルス系と非ウイルス系の両方を利
用できる。ウイルスに基づく系は、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウ
イルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルスおよびワクシニアウイルスに基
づく系が挙げられる。非ウイルスに基づく系は、核酸の直接投与およびリポソー
ムに基づく系が挙げられる。例えば、ベクターをリポソームによりまたはポリラ
クチドコ-グリコリド(PLG)粒子内に封入してもよい。
【0042】 本発明の核酸ワクチン構築物はまた、形質転換した細胞を使って投与すること
ができる。そのような細胞としては被験者から回収した細胞が挙げられる。核酸
ワクチン構築物をそのような細胞中にin vitroで導入し、その後、形質転換した
細胞を被験者に戻すことができる。本発明の核酸ワクチン構築物を細胞に既に存
在する核酸中に、相同的組換え事象によって組込んでもよい。もし所望であれば
、形質転換した細胞をin vitroで増殖し、得られる細胞の1以上を本発明に使用
してもよい。細胞は、公知の外科または微小外科(microsurgical)技術(例えば
、移植、マイクロインジェクションなど)によって、患者の適当な部位に与える
ことができる。
【0043】 送達される核酸ワクチン構築物またはそれらを含有する組成物の量は、免疫感
作する哺乳動物の種と体重、治療/保護を行う病状の性質、適用するワクチン接
種プロトコル(すなわち、単一投与-対-反復投与)、投与経路および選択される
アジュバント化合物の力価と用量によって著しく変わりうる。これらの変数に基
づいて、医師または獣医は、適当な用量レベルを容易に決定しうるが、その用量
レベルは例えば、核酸ワクチン構築物またはそれらを含有する組成物の0.5〜5μ
g/kgでありうる。特に、用量は投与経路によって変わりうる。例えば、金ビーズ
による皮内投与を利用するときは、全用量は好ましくは1μg〜10ng、特に好まし
くは全用量は10μg〜1ngであろう。核酸ワクチン構築物を直接投与するときは、
全用量は一般的により高く、例えば、50μg〜1mgまたはそれ以上である。上記の
用量は平均事例の例である。勿論、より高いまたはより低い用量範囲が有利であ
る個々の事例がありうるし、それらは本発明の範囲内である。
【0044】 抗原性ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含んでなる核酸ワクチン
構築物または該核酸ワクチン構築物を含んでなる組成物を、1回切りで投与する
こともまたは例えば1〜7回で、好ましくは1〜4回で、約1日〜約18月の間隔で、
好ましくは1月の間隔で反復して投与することも可能である。その後、任意に、1
〜12月の規則的間隔で、患者の生涯の残りの期間を通して投与してもよい。繰り
返し説明するが、この治療体制は、関係する動物のサイズと種、投与する核酸ワ
クチン構築物または組成物の量、投与経路、使用するアジュバント化合物の力価
と用量、および熟達した獣医または医師には明らかであろう他の因子によって著
しく変わりうる。
【0045】 本発明を次に、例として、以下の実験の節において説明する。
【0046】実施例 以下の本発明の実施例を通じて、分子および細胞生物学における様々な周知の
かつ実施されている技術を利用する。これらの実施の詳細は、Sambrookら, 1989
, 「分子クローニング(Molecular Cloning)」, Cold Spring Harbor Pressを
含めて複数の教科書に見出され得る。
【0047】 MUC1 VNTR内の残基の番号は図1に示した配列(scheme)による。
【0048】実施例1:O-結合型グリコシル化部位を欠くMUC1の変異体の抗体結合能力 グリコシル化部位に突然変異を含有する合成ペプチドを設計した。この配列の
トレオニン残基(T11)における置換に特別な注意を払った。以下の表1は設計
したペプチドおよびそれらの突然変異グリコシル化部位を示す。2つの設計したV
NTRの同一コピーを含有するペプチドを、Genemed Synthesis Inc(San Francisco
, CA)にて合成した。次いでこれらのペプチドを、複数の抗MUC1モノクローナル
抗体と結合する能力についてELISAでスクリーニングした。
【0049】
【表1】
【0050】 ペプチドを50mM重炭酸ナトリウムバッファーpH9.6中の水溶液として調製し、N
unc Maxisorpプレート上に4℃で一夜50μg/ml〜25ng/mlの濃度範囲にてコーティ
ングした。TBS-Tween(0.05%のTween20を含有するTris緩衝生理食塩水、pH7.4)
を用いて広範に洗浄した後、プレートをブロッキング溶液(3% w/vのウシ血清ア
ルブミンを含むTBS-Tween)を用いて2時間、室温にてブロッキングした。抗MUC1
抗体であるHMFG1(Novocastra, Newcastle, UK)、HMFG2(Novocastra)、SM3(
Girlingら, 1989, Int J Cancer 43:1072-1076)およびATR1(Bynumら, 1995, H
ybridoma 14:587-591)をブロッキング溶液に希釈し、プレートに加え、室温で1
時間インキュベートした。洗浄後、結合した抗体を、ブロッキングバッファー中
に1/2000で希釈したHRP-コンジュゲート抗マウスIgG(P260, Dako, Denmark)と
ともにインキュベーションすることにより標識した。プレートを再び洗浄し、結
合したコンジュゲートをFast OPD発色試薬(Sigma, Poole, UK)を用いて検出し
た。3M硫酸を加えて反応を停止し、490nmでの吸光度を測定してOPD産物を定量し
た。
【0051】 この実験結果を表2に示す。各抗体とペプチドとの組合せに対するELISAシグ
ナルを半定量的スケールによってランク付けした;ここでは、+++は強い結合を
示し、++はかなりの結合を示し、+は弱い結合を示し、-は有意な結合がないこと
を示す。
【0052】
【表2】
【0053】 複数の抗MUC1抗体の結合の維持により立証されるように、これらのデータは、
この抗原の全体構造を摂動させることなくグリコシル化を阻止する方法でMUC1 V
NTR単量体の全てのO-結合型グリコシル化部位を改変することが可能であること
を示す。特に驚くべきことでありかつ有用な知見は、VNTRのMut5IおよびMut5Vバ
ージョンがSM3抗体との結合を維持することである。臨床サンプルの免疫組織学
的研究に使用すると、SM3は腫瘍細胞上に発現されるMUC1に対して、周囲の正常
組織上に発現されるMUC1とは対照的に強い選択的染色を示す(Girlingら, 1989
)。これらの知見は、MUC1の腫瘍型が形成するエピトープに類似したコンフォメ
ーションを採用するVNTRの変異体を誘導することが可能であることを明らかに示
し、これはワクチン免疫原として強く所望される性質である。
【0054】実施例2:突然変異体ポリペプチドに対する抗体結合曲線 上記の表1に記載のポリペプチドをこの実験に再び使用した。方法論は実施例
1と本質的に類似し、ペプチドをELISAプレート上に3μg/mlの固定濃度でコーテ
ィングして様々な濃度の抗体SM3を適用した点だけが異なった。結果を図4に示
す。Mut5P、Mut5AおよびMut5NはMut5Wと本質的に同じ抗体結合パターンを示す。
【0055】 図4に示されるデータは、先に示したことを確認するだけでなく、Mut5Iおよ
びMut5VにおけるThr-11のIleおよびValへの突然変異は抗体SM3のペプチドに対す
る親和性を少ししか低下しないことを説明し、このことはグリコシル化できない
(non-glycosylatable)突然変異体が実に天然の配列の非常に近い模倣体であるこ
とを示す。
【0056】実施例3:MUC1突然変異体を用いる核酸ワクチン接種 プラスミド調製
【表3】
【0057】pVAC1stcプラスミドの構築 プラスミドpVAC1(Thomsenら, Immunology 95:S1, OP106, 1998)はDNAワクチ
ン接種用に最適化された真核生物発現ベクターである。このプラスミドは、抗原
をコードするインサートをその中に配置しうるマルチクローニング部位に機能し
うる形で連結されたCMVプロモーターを含有する。コザック翻訳開始シグナル、
哺乳動物分泌シグナルおよびクローニング部位を含有するインサートを、PCRに
より鋳型としてプラスミドpMNM1(Ellisら, J. Immunology 156:2700-2709, 199
6)をそしてプライマーとしてSSFおよびSSR(表3)を使用して調製した。PCR断
片をRsrIIおよびXhoIを用いて切断して120bpインサートを作製し、これをpVAC1
のRsrIIとXhol部位中にクローニングしてプラスミドpVac-1ss2を作製した。DNA
配列を、PCR増幅プライマーを配列決定分析プライマーとして使い確認した。第
2ステップは、プライマーSSRがコードするSgrA I部位で融合した「インフレー
ム」破傷風毒素フラグメントC(FrC)遺伝子の導入であって、この部位に「イン
フレーム」で抗原性エピトープを付加させた。このステップは、プラスミドpIC9
Tet15(Clareら, Methods in Molecular Biology 103:193-208, 1998)由来のFr
C遺伝子のPCR増幅により、ペプチドヒンジならびにSgrA IおよびXho Iに対する
制限酵素部位をコードするDNAを用いてタグ付けしたプライマー(それぞれFrCF
およびFrCR)を使用して達成した。1.3kb SgrA I/Xho Iで切断したPCR断片をpVa
c-1ss2のSgrA IおよびXho I部位中にクローニングしてプラスミドpVac-1stcを作
製した。DNA配列を、蛍光配列決定分析によりPCR増幅プライマーおよび内部FrC
由来の配列FrCS1〜FrCS6(表3)を使って確認した。 エピトープ融合部位を示
すFrC融合タンパク質のN末端におけるDNA配列およびアミノ酸配列を図8に示す
【0058】pVAC1ss2 MUC-1 2TRフラグメントCプラスミドの構築 アニーリングと続いてプラスミドpVac-1stc中へのクローニングによってMUC1
VNTRエピトープ(PAHGVTSAPDTRPAPGSTAP)の5コピーの縦列アレイをコードでき
る合成オリゴヌクレオチドのセットを設計した。2つの変異体を設計した:両者
は、それぞれのエピトープのコピーのグリコシル化を受ける4または5個のトレオ
ニンおよびセリン残基を修飾できないアミノ酸により置換された突然変異体バー
ジョンであった:PAHGVVAAPDTRPAPGAVAP、4突然変異(MUT4)およびPAHGVVAAPDN RPAPGAVAP、5突然変異(MUT5N)。全ての事例で、MUC1配列は分泌FrC融合タンパ
ク質の一部分として発現させた。これらのオリゴヌクレオチドを図9および図10
に掲げた(制限酵素SgrA 1およびSal1に下線を引き、小文字は野生型配列から逸
脱した突然変異を示す)。縦列リピートを作製するために使用したストラテジー
(T4ポリヌクレオチドキナーゼによるオリゴヌクレオチドの5'末端のリン酸化処
理後)を図5に示す。このストラテジーを使って、5リピート配列から相同的組
換えと欠失により形成し、「インフレーム」でFrCと融合したMuc-1 MUT5N VNTR
の2縦列アレイを含有するプラスミド(pVAC-lstcMUC-1MUT5N)を作製した。MUT4
VNTRを含有する同様なプラスミドを作製するために図5に記載のストラテジー
を改変して用い、連結段階の後にオリゴヌクレオチドをPCR増幅にかけた。使用
したプライマーは、図9および10にイタリック体で記したDNA配列であり、PCR条
件は、94℃にて45秒間、69〜75℃にて45秒間および72℃にて1分間の25サイクル
とした。次いでPCR反応を図5のように処理したが、最大の純粋な産物(一般的
にサイズが約150〜200bp)だけをゲル精製してクローニングした。この手法を使
って、5リピート配列からPCRを介する鎖ジャンピングおよび欠失により形成し、
「インフレーム」でFrCと融合したMuc-1 MUT4 VNTRの1.5リピートを含有するプ
ラスミド(pVAC-1stcMUC-1MUT4)を作製した。
【0059】 記載した配列を作製する代わりの方法は、上記と類似の消化およびクローニン
グストラテジーによる、VNTRリピートのより少ないコピーを含有するオリゴヌク
レオチドの直接合成であろう。
【0060】pVAC1ss2 HepBコアプラスミドの構築 プラスミドpPA1は、E1ループ領域にユニークなNheI部位をもつHBVコア抗原(A
DW血清型)の遺伝子を含有する(Chambersら, J. Virol 70:4045-4052, 1996)
。このクローニング部位は、外来タンパク質由来の主要なエピトープをコードす
るDNAの小断片の挿入を可能にする。タンパク質のE1ループは発現されるコア抗
原の表面上に曝される。遺伝子操作したHBVコアインサートをPCRによりプライマ
ーHBV1FおよびHBV1R(表3)を使用して増幅し、pCR2.1(Invitrogen)中にTA-
オーバーハング(TA-overhang)法によりクローニングしてpCR2.1-HepBE1を作製し
た。構築物は使用前に配列決定分析を行った。
【0061】 次いでPCRを用いて、pVAC-1stcMUC-1MUT4およびpVAC-1stcMUC-1MUT5Nプラスミ
ドから、MUC1 VNTR単量体の2縦列リピートをコードする断片を増幅した。2縦列
リピートMUT5Nインサートは、PCRによりpVAC-1stcMUC-1MUT5Nを鋳型としてプラ
イマーMUT5NFおよびMUT5NR(表3)を用いて調製した。
【0062】 プラスミドpVAC-1stcMUC-1MUT4は、MUC1 VNTR単量体の1つの完全な縦列リピー
トだけを含有した。このプラスミドを2段階PCRにおいて鋳型として用い、共通フ
ォワードプライマー(MUT4F)と2つの異なるリバースプライマーを使った。最初
の反応で、リバースプライマー(MUT4R1)は、MUC1配列のMUT4バージョンの第2
の完全なリピートを作製するのに必要な追加配列の部分(すなわち、縦列リピー
トの半分)を存在する縦列リピートに加える。次いで得られるPCR産物を第2ラウ
ンドのPCRに対する鋳型として用い、第2のリバースプライマー(MUT4R2)を使っ
てリピートを完全にするために必要な残基を所要のNheIクローニング部位と一緒
に加える。
【0063】 MUT4またはMUT5のPCR産物をNheIを用いて消化し、NheIを用いて切断したベク
ターpCR2.1 HepBE1中にクローニングした。得られるクローンを配向させ、配列
を蛍光ジデオキシ配列決定分析法により確認した。次に、全長HepBコア+MUC-1 T
Rカセット領域をSalIとXhoIを使って切除し、XhoIにより切断したpVAC1ss2中に
クローニングした。最終構築物を全て全長配列決定分析により確認し、pVAC1.ss
2.MUT4.MUC1.HepB(HBVコアタンパク質のE1ループ中のMUC1 VNTR単量体のMUT4変
異体の2コピーをコードする);およびpVAC1.ss2.MUT5N.MUC1.HepB(HBVコアタ
ンパク質のE1ループ中のMUC1 VNTR単量体のMUT5N変異体の2コピーをコードする
)を作製した。
【0064】突然変異体MUC1構築物を用いるDNAワクチン接種 プラスミドDNAを、塩化カルシウムおよびスペルミジンを使って直径2μmの金
ビーズ上に沈降させた。記載(Eisenbraumら, DNA Cell Biology 12:791-797, 1
993;Pertmerら, J. Virol 70:6119-6125, 1996)のように、ローディングした
ビーズをTefzelチュービング上にコーティングした。粒子ボンバードメントを、
Accell遺伝子送達系(PCT WO 95/19799)を使って実施した。それぞれのプラス
ミドについて、5匹の雌C56BI/6マウスを、0、21および42日にプラスミド投与3回
によって免疫感作した。それぞれの投与は、DNA/金を用いるボンバードメント2
回からなり、プラスミドの約2.5μgの全用量を与えた。
【0065】 動物から静脈穿刺により1、20、41および55日に血清サンプルを得て、抗MUCI
抗体の存在をアッセイした。ELISAは、3μg/mlの野生型MUC1配列(2縦列リピー
トに対応する40mer)を用いて一夜、4℃にてコーティングしたNunc Maxisorpプ
レートを使って実施した。TBS-Tween(0.05%のTween20を含有するTris緩衝生理
食塩水、pH7.4)を用いて洗浄した後、プレートを3%のBSAを含むTBS-Tweenバッ
ファーを用いて2時間、室温にてブロッキングした。全ての血清を1:100に希釈し
て1時間室温にてTBS-Tweenバッファー中でインキュベートした。抗体結合は、TB
S-Tweenバッファーに1:2000で希釈したHRP-コンジュゲートウサギ抗マウス免疫
グロブリン(Dako, Denmark)を用いて検出した。プレートを再び洗浄し、結合
したコンジュゲートをFast OPD発色試薬(Sigma, Poole, UK)を用いて検出した
。反応は3M硫酸を加えて停止し、OPD産物を、490nmでの吸光度を測定することに
よって定量した。
【0066】 この分析の結果を図6に示す。この結果は、本発明のグリコシル化突然変異体
配列が野生型MUC1配列を認識する能力のある免疫応答を誘発するワクチンとして
使用し得ることを示す。
【0067】 これらのワクチンにより誘起された抗体が腫瘍細胞を認識する能力のあること
を実証するために、これらのマウスからの抗血清サンプルを用いて様々な腫瘍細
胞系を標識し、標識をフローサイトメトリーにより可視化した。
【0068】 細胞(T67-D、MCF-7、B16F0およびB16F0MUC1;1x106)を5%のFCSを補足したPB
Sバッファーで洗浄し、4℃にて15分間、1:100で希釈したマウス血清とともにイ
ンキュベートした。洗浄後、細胞を二次抗体(ヒツジ抗マウスIgG, Dako, Denma
rk,1:10希釈にて)とともに同じ条件下でインキュベートした。対照細胞は、第2
ステップ試薬を用いて染色するに先立って、第1ステップ抗体の代わりにFACSバ
ッファーを用いてインキュベートした。FACS分析はFACScan(Becton Dikinson)
を使って実施した。1サンプル当たり1000細胞を、FSC(前方角光散乱)、SSC(
積分光散乱)、ならびに緑色(FL1)および赤色(FL3)蛍光(積分蛍光の対数と
して表現)について同時に測定した。記録は赤色蛍光のヨウ化プロピジウム-陰
性(生存)細胞についてだけ行い、FCSが範囲外である凝集物は除外した。デー
タは、腫瘍細胞の表面に結合した様々な型のマウス血清に対して、細胞数(Y軸
)-対-蛍光強度(X軸)としてプロットしたヒストグラムとして表現した。
【0069】 結果は図7において見ることができる。この図は、グリコシル化突然変異体MU
C1構築物を用いて免疫感作したマウス由来の血清は、実に、天然の細胞表面MUC1
を発現するヒトおよびマウス両方の腫瘍細胞と結合できる抗MUC1 IgGを含有する
ことを示す。T47Dはヒト乳癌細胞系である。B16F0は親B16細胞系であり、MUC1発
現を欠くこれらの細胞は標識されない。しかしB16-muc1(Muc1を用いてトランス
フェクトしたB16F0)は標識される。
【0070】 図7の略語一覧: Sec only=二次抗体単独、バックグラウンド蛍光レベルを与えるための対照。
Non imm=非免疫寛作動物からの対照血清。 hepB cont=空ベクター(MUC1 DNAを含まない)を用いて免疫感作した動物から
の対照血清。 hepB2TR mut4およびhepB2TR mut5はこれらの突然変異体MUC1 DNAを用いて免疫感
作した動物からの血清である。
【0071】 これらのデータは、これらの突然変異体VNTR配列の核酸ワクチン接種における
効用を確証する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、1つのMUC1 VNTRモノマーエレメント(本明細書ではVNTRと呼ぶ)の野
生型アミノ酸配列を示す。
【図2】 図2は、本発明の核酸ワクチン接種用構築物が含んでなる好適な単離ポリヌク
レオチドがコードする、Mut5Iと呼ばれる1つのポリペプチドの配列を示す。野生
型配列と比較した突然変異を太字で示した。図2には、このポリペプチドをコー
ドする代表的なヌクレオチド配列も含む。
【図3】 図3は、本発明の核酸ワクチン接種用構築物が含んでなる好適な単離ポリヌク
レオチドがコードするMut5Vと呼ばれる1つのポリペプチドの配列を示す。野生型
配列と比較した突然変異を太字で示した。図3には、このポリペプチドをコード
する代表的なヌクレオチド配列も含む。
【図4】 図4は、野生型MUC1ポリペプチド、および表1に示した突然変異ポリペプチド
に結合する抗体を、抗体濃度の幅にわたって示す。これらの結果は、抗体SM3(
残基8〜13のAPDTRPモチーフを認識する)の非グリコシル化ポリペプチドを認識
する能力を示す。Mut5P、Mut5AおよびMut5NはMut5Wに示したのと実質的に同じ結
果を示した。
【図5】 図5は、Muc1の突然変異形態を含有する核酸ワクチン構築物を作製するために
用いるクローニング方法を示す。
【図6】 MUC1の突然変異形態をコードする核酸ワクチン構築物を用いて免疫感作したマ
ウスから抗体血清を採取した。図6は、血清と、合成ペプチド形態のMUC1野生型
との結合を示す。この図は、本発明のワクチン構築物がMUC1の非突然変異形態を
認識する抗体をin vivoで産生させることを示す。
【図7】 図7は、MUC1の突然変異形態をコードする核酸ワクチン構築物を用いて免疫感
作したマウスからの抗体血清とヒト乳癌細胞との結合のFACS分析を示す。 これらの結果は、本発明の核酸ワクチン構築物が腫瘍上に発現されたMUC1の形
態を認識する抗体をin vivoで産生させることを示す。
【図8】 図8は、実施例3に記載のpVAC1-stcのN末端部の配列を示す。
【図9】 図9は、実施例3に記載のMUT4突然変異MUC1プラスミドを構築するために用い
たオリゴヌクレオチドを示す。全ての配列は5'から3'の方向で記述している。下
線は制限酵素切断部位を、イタリック体は短いPCRプライマーとして用いた配列
を示す。小文字は、所望の突然変異をコードするために必要な野生型配列からの
逸脱を示す。記号「A上段」、「A下段」などの表記は、図5に示された方法を参
照するものである。
【図10】 図10は、実施例3に記載のMUT5N突然変異MUC1プラスミドを構築するために用
いたオリゴヌクレオチドを示す。全ての配列は5'から3'の方向で記述している。
下線は制限酵素切断部位を、イタリック体は短いPCRプライマーとして用いた配
列を示す。小文字は、所望の突然変異をコードするために必要な野生型配列から
の逸脱を示す。記号「A上段」、「A下段」などの表記は、図5に示された方法を
参照するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 39/00 A61K 39/08 39/08 39/29 39/29 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 クロウ,ジェイムス,スコット イギリス国 エスジー1 2エヌワイ ハ ートフォードシアー,スティーヴェネイ ジ,ガンネルズ ウッド ロード,グラク ソ スミス クライン (72)発明者 エリス,ジョナサン,ヘンリー イギリス国 エスジー1 2エヌワイ ハ ートフォードシアー,スティーヴェネイ ジ,ガンネルズ ウッド ロード,グラク ソ スミス クライン Fターム(参考) 4B024 AA01 BA31 BA36 BA80 CA05 CA06 CA07 CA20 DA03 EA04 FA02 GA11 GA25 HA17 4C084 AA13 MA02 NA14 ZB26 4C085 AA03 BA12 BA89 BB22 EE01 EE03 GG10 4H045 AA10 AA30 BA10 BA41 CA40 DA86 EA20 EA22 EA28 EA51 FA74

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MUC1のVNTRモノマー由来の少なくとも5個の連続アミノ酸残
    基を含有するポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを含んでなる核酸
    ワクチン構築物であって、1以上の前記アミノ酸がグリコシル化部位であり、前
    記単離ポリヌクレオチドが哺乳動物細胞中に発現されるときに得られるポリペプ
    チドのグリコシル化が少なくとも1つの前記グリコシル化部位において改変また
    は阻止されることを特徴とする前記核酸ワクチン構築物。
  2. 【請求項2】 MUC1の1つのVNTRモノマーの断片を含んでなるポリペプチド
    をコードする単離ポリヌクレオチドを含んでなる、請求項1に記載の核酸ワクチ
    ン構築物。
  3. 【請求項3】 MUC1のVNTRモノマーの1コピーを含んでなるポリペプチドを
    コードする単離ポリヌクレオチドを含んでなる、請求項1に記載の核酸ワクチン
    構築物
  4. 【請求項4】 前記単離ポリヌクレオチドが改変されていて、得られるポリ
    ペプチドに少なくとも1つのアミノ酸突然変異が起こりグリコシル化の前記改変
    または阻止をもたらすことをさらに特徴とする、請求項1から3のいずれか1項
    に記載の核酸ワクチン構築物。
  5. 【請求項5】 前記突然変異がアミノ酸置換である、請求項5に記載の核酸
    ワクチン構築物。
  6. 【請求項6】 コードされたポリペプチドが発現されると抗体SM3、ATR1、H
    MFG2またはHMFG1と結合することをさらに特徴とする、請求項1から5のいずれ
    か1項に記載の核酸ワクチン構築物。
  7. 【請求項7】 コードされたポリペプチドが発現されるとコードされたポリ
    ペプチドに存在するグリコシル化部位の少なくとも60%においてグリコシル化が
    阻止または改変されていることをさらに特徴とする、請求項1から6のいずれか
    1項に記載の核酸ワクチン構築物。
  8. 【請求項8】 コードされたポリペプチドが発現されると存在するグリコシ
    ル化部位の少なくとも80%においてグリコシル化が阻止または改変されている請
    求項7に記載の核酸ワクチン構築物。
  9. 【請求項9】 コードされたポリペプチドが発現されると存在するグリコシ
    ル化部位の全てにおいてグリコシル化が阻止または改変されている請求項8に記
    載の核酸ワクチン構築物。
  10. 【請求項10】 コードされたポリペプチドが発現されると少なくとも1つ
    のトレオニンまたはセリンがバリン、イソロイシン、アラニン、アスパラギン、
    フェニルアラニンまたはトリプトファンによって置換されている請求項7〜9の
    いずれか1項に記載の核酸ワクチン構築物。
  11. 【請求項11】 配列 GC# CC# GA* GT/U# CG# CC# (ここに#はヌクレオチドA、G、CまたはT/Uであり、*はヌクレオチドT/UまたはC
    である)を含んでなる核酸ワクチン構築物。
  12. 【請求項12】 図3に示す配列を含んでなる、請求項11に記載の核酸ワ
    クチン構築物。
  13. 【請求項13】 配列 GC# CC# GA* AT/U@ CG# CC# (ここに#はヌクレオチドA、G、CまたはT/Uであり、*はヌクレオチドT/UまたはC
    であり、@はヌクレオチドT/U、AまたはCである)を含んでなる核酸ワクチン構築
    物。
  14. 【請求項14】 図2に示す配列を含んでなる、請求項13に記載の核酸ワ
    クチン構築物。
  15. 【請求項15】 異種ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに
    含んでなる、請求項1から14のいずれか1項に記載の核酸ワクチン構築物。
  16. 【請求項16】 異種ポリペプチドが破傷風毒素、B型肝炎ウイルスコアタ
    ンパク質、B型肝炎ウイルス表面タンパク質、卵白アルブミン、グルタチオンSト
    ランスフェラーゼ、キーホールリンペットヘモシアニン、またはハト・シトクロ
    ムCであることを特徴とする、請求項15に記載の核酸ワクチン構築物。
  17. 【請求項17】 請求項1から16のいずれか1項に記載の核酸ワクチン構
    築物を製薬上許容される担体と一緒に含んでなる、ワクチン組成物。
  18. 【請求項18】 腫瘍に対する哺乳動物のワクチン接種に使用するための、
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の核酸ワクチン構築物または請求項17に
    記載の組成物。
  19. 【請求項19】 腫瘍に対する哺乳動物のワクチン接種に使用するための医
    薬品の製造における、請求項1〜16のいずれか1項に記載の核酸ワクチン構築物
    または請求項17に記載の組成物の使用。
  20. 【請求項20】 構築物または組成物を遺伝子銃を使って投与する、請求項
    18または19に記載の使用。
  21. 【請求項21】 腫瘍が上皮細胞腫瘍である、請求項18、19または20に記載
    の使用。
  22. 【請求項22】 腫瘍が乳癌であることを特徴とする、請求項21に記載の使
    用。
  23. 【請求項23】 腫瘍に対して哺乳動物をワクチン接種する方法であって、
    前記哺乳動物に請求項1〜16のいずれか1項に記載の核酸ワクチン構築物または
    請求項17に記載の組成物を投与することを含んでなる前記方法。
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