JP2003517025A - 近赤外蛍光造影剤及び蛍光イメージング - Google Patents

近赤外蛍光造影剤及び蛍光イメージング

Info

Publication number
JP2003517025A
JP2003517025A JP2001544917A JP2001544917A JP2003517025A JP 2003517025 A JP2003517025 A JP 2003517025A JP 2001544917 A JP2001544917 A JP 2001544917A JP 2001544917 A JP2001544917 A JP 2001544917A JP 2003517025 A JP2003517025 A JP 2003517025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
formula
chemical
contrast agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001544917A
Other languages
English (en)
Inventor
直人 三輪
陸史 稲垣
博明 江口
正文 奥村
由夫 稲垣
徹 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Publication of JP2003517025A publication Critical patent/JP2003517025A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/001Preparation for luminescence or biological staining
    • A61K49/0013Luminescence
    • A61K49/0017Fluorescence in vivo
    • A61K49/0019Fluorescence in vivo characterised by the fluorescent group, e.g. oligomeric, polymeric or dendritic molecules
    • A61K49/0021Fluorescence in vivo characterised by the fluorescent group, e.g. oligomeric, polymeric or dendritic molecules the fluorescent group being a small organic molecule
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/001Preparation for luminescence or biological staining
    • A61K49/0013Luminescence
    • A61K49/0017Fluorescence in vivo
    • A61K49/0019Fluorescence in vivo characterised by the fluorescent group, e.g. oligomeric, polymeric or dendritic molecules
    • A61K49/0021Fluorescence in vivo characterised by the fluorescent group, e.g. oligomeric, polymeric or dendritic molecules the fluorescent group being a small organic molecule
    • A61K49/0032Methine dyes, e.g. cyanine dyes

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 分子中に3個以上のスルホン酸基を有する化合物を含む近赤外蛍光造影剤、並びに本発明の近赤外蛍光造影剤を生体内に導入する工程、生体に励起光を照射する工程、及び上記造影剤からの近赤外蛍光を検出する工程を含む蛍光イメージング法。本発明の近赤外蛍光造影剤は励起光によって励起され近赤外蛍光を放射する。この赤外蛍光は生物組織の透過に優れている。従って、生体の深い部分の病変の検出が可能である。さらに、本発明の造影剤は水溶性及び低毒性の点で優れているため、安全に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は近赤外蛍光造影 (contrast)剤及び当該造影剤を用いた蛍光イメージ
ングに関するものである。
【0002】
【背景技術】
疾病を治療する際に、疾病の初期の段階においてその疾病により生体内に引き
起こされる形態学的及び機能的変化を検出することがきわめて重大である。特に
癌を治療する場合、腫瘍の場所と大きさが効果的な治療計画を立てる上で重要な
決定因子となる。この目的のために既に知られている方法としては穿刺等による
生検、及びX線イメージング、MRI、超音波イメージング等のようなイメージ
ング診断が挙げられる。生検は決定的診断に有効ではあるが、同時に被験者に大
きな負担を強い、また病変の時間経過変化を追跡するには適していない。X線イ
メージング及びMRIは必然的に被験者を放射線及び電磁波にさらすものである
。さらに、上記のような通常のイメージング診断は測定及び診断に複雑な操作と
長い時間を必要とする。この目的に使用される装置の大きさも操作にこれらの方
法を用いることを困難にしている。
【0003】 イメージング診断の1つが蛍光イメージングである(Lipspn R. L. et al., J
. Natl. Cancer Inst., 26, 1-11 (1961))。この方法は造影剤として特定の波
長を有する励起光の照射により蛍光を放射する物質を用いる。たとえば、身体に
外側から励起光を照射し、体内の蛍光造影剤から放射される蛍光が検出される。
【0004】 このような蛍光造影剤は、例えば、腫瘍中に蓄積するポルフィリン化合物であ
り、ヘマトポルフィルンのように光力学的療法 (PDT) に用いられる。他の例と
してはフォトフリン及びベンゾポルフィルンが挙げられる(Lipspn R. L. et al
.,上記; Meng T. S. et al., SPIE, 1641, 90-98 (1992);WO84/04665等を参
照のこと)。これらの化合物は元来PDTに用いられており、光毒性を有するが、
それこそがPDTの要求する性能である。従って、これらは診断薬としては望まし
くない。
【0005】 一方、フルオレセイン、フルオレサミン及びリボフラビンのような既知の蛍光
色素を用いた網膜循環微小血管造影法が知られている(米国特許第4945239号)
。これらの蛍光色素は400-600 nmの可視光領域に蛍光を放射する。この領域では
生体組織を通しての光透過は非常に低いため、身体の奥の部分の病変の検出はほ
とんど不可能である。
【0006】 さらに、肝臓機能や心拍出量を測定するために使用されるインドシアニングリ
ーン(以下 ICG と略す)を含むシアニン化合物の蛍光造影剤としての利用が報
告されている(Haglund M. M. et al., Neurosurgery, 35, 930 (1994)、Li, X.
et al., SPIE, 2389, 789-797 (1995))。シアニン化合物は近赤外光領域 (700
-1300 nm)に吸収を示す。
【0007】 近赤外光は生体組織を通して高い透過性を示し、約 10 cmの頭蓋を透過するこ
とができる。そのため、臨床医学の分野でますます注目を集めつつある。例えば
、媒体の光学透過を用いる光学CT法が新しい科学技術として臨床分野で注目され
ている。これは近赤外光が生体を透過でき、生体内の酸素濃度及びその循環をモ
ニターするのに使用できることによる。
【0008】 シアニン化合物は近赤外領域で蛍光を放射する。この領域の蛍光は生体組織を
透過することができ、蛍光造影剤としての可能性を有する。種々のシアニン化合
物が近年開発され、蛍光造影剤として試されている (WO96/17628、WP97/13490等
)。しかしながら、正常な組織を患部組織と識別する能力(イメージング標的部
位に対する選択性)とともに、十分な水溶性と生体に対する十分な安全性を有す
る造影剤は存在しない。
【0009】
【発明の開示】 従って、本発明の目的は蛍光造影剤を提供することにある。本発明の造影剤は
毒性が低く優れた水溶性を有する。さらに、それは生体組織中を透過できる近赤
外領域蛍光を放射し、腫瘍及び/又は血管の特定のイメージングを可能にする。
【0010】 本発明の別の目的は当該近赤外蛍光造影剤を用いた蛍光イメージング法を提供
することである。
【0011】 本発明はシアニン色素化合物に3個以上のスルホン酸基を導入することにより
高い水溶性を有する蛍光造影剤が提供されるという知見に基づくものである。ま
た、この造影剤を用いて蛍光イメージング法を確立することができることも見出
された。
【0012】 すなわち、本発明は以下を提供するものである。 (1)分子中に3個以上のスルホン酸基を有し、式[I]で表される化合物:
【化15】 {式中、R1及びR2は同一又は異なって、それぞれ置換又は非置換のアルキル基で
あり;Z1及びZ2はそれぞれ置換又は非置換の縮合ベンゾ環又は縮合ナフト環を形
成するのに必要な非金属原子であり;rは0、1又は2であり;L1-L7は同一又は
異なって、それぞれ置換又は非置換のメチン基であるが、但しrが2の場合に2
つずつ存在するL6及びL7は同一又は異なっており; X及びYは同一又は異なって、それぞれ以下の式で表される基である:
【化16】 (式中、R3及びR4は同一又は異なって、それぞれ置換又は非置換のアルキル基で
ある)}又はその医薬上許容される塩を含む近赤外蛍光造影剤。 (2)分子中にカルボン酸基を含まない上記(1)の近赤外蛍光造影剤。 (3)式[I]中、rが1である上記(1)又は(2)の近赤外蛍光造影剤。 (4)分子中に4個以上のスルホン酸基を含む上記(1)から(3)のいずれか
の近赤外蛍光造影剤。 (5)分子中に10個以下のスルホン酸基を含む上記(1)から(4)のいずれか
の近赤外蛍光造影剤。 (6)分子中に8個以下のスルホン酸基を含む上記(1)から(4)のいずれか
の近赤外蛍光造影剤。 (7)医薬上許容される塩がナトリウム塩である上記(1)から(6)のいずれ
かの近赤外蛍光造影剤。 (8)腫瘍イメージング及び/又は血管造影のための上記(1)から(7)のい
ずれかの近赤外蛍光造影剤。 (9)分子中に3個以上のスルホン酸基を有する式[II]の化合物のナトリウム
塩:
【化17】 (式中、R1、R2、L1-L7、X及びYは上記の定義と同義であり、R5からR16は同一又
は異なって、それぞれ水素原子、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アル
キル(スルホアルキル)アミノ基、ビス(スルホアルキル)アミノ基、スルホア
ルコキシ基、(スルホアルキル)スルホニル基又は(スルホアルキル)アミノス
ルホニル基である) 但し、以下の化合物を除く。
【化18】
【化19】 (10)式[II]中において、R1及びR2がそれぞれスルホン酸基で置換された1
から5個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、X及びYが同一又は異なって
、それぞれ以下の式:
【化20】 (式中、R17及びR18は1から5個の炭素原子を有する非置換の低級アルキル基で
ある) で表される基である上記(9)のナトリウム塩。 (11)以下の式で表される、上記(10)のナトリウム塩:
【化21】 (12)分子中に3個以上のスルホン酸基を有する式[III-1]の化合物のナト
リウム塩:
【化22】 (式中、L1-L7は上記の定義と同義であり;R19及びR20は1から5個の炭素原子
を有する低級アルキル基であってスルホン酸基で置換されており;R21-R28は同
一又は異なって、それぞれ水素原子、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、
アルキル(スルホアルキル)アミノ基、ビス(スルホアルキル)アミノ基、スル
ホアルコキシ基、(スルホアルキル)スルホニル基又は(スルホアルキル)アミ
ノスルホニル基であり;X'及びY'は同一又は異なって、それぞれ以下の式:
【化23】 (式中、R17及びR18は上記の定義と同義である) で表される基である) 但し、以下の式で表される化合物を除く:
【化24】
【化25】 (13)式[III-1]中において、L4が1から4個の炭素原子を有するアルキル
基で置換されたメチン基である上記(12)のナトリウム塩。 (14)分子中に3個以上のスルホン酸基を有する式[III-2]の化合物のナト
リウム塩:
【化26】 (式中、R19-R28、X'及びY'は上記の定義と同義であり;Z3は5又は6員環を形
成するのに必要な非金属原子基でありAは水素原子又は一価の基である)である
上記(12)のナトリウム塩。 (15)以下の式:
【化27】 で表される上記(14)のナトリウム塩。 (16)以下の式:
【化28】 で表される上記(12)のナトリウム塩。 (17)分子中に4個以上のスルホン酸基を含む上記(9)、(10)、(12
)、(13)及び(14)のいずれかのナトリウム塩。 (18)分子中に10個以下のスルホン酸基を含む上記(9)、(10)、(1
2)、(13)、(14)及び(17)のいずれかのナトリウム塩。 (19)分子中に8個以下のスルホン酸基を含む上記(9)、(10)、(12
)、(13)、(14)及び(17)のいずれかのナトリウム塩。 (20)上記(9)から(19)のいずれかのナトリウム塩を含む近赤外蛍光造
影剤。 (21)腫瘍イメージング及び/又は血管造影のための上記(20)の近赤外蛍
光造影剤。 (22)上記(1)の近赤外蛍光造影剤を生体内に導入する工程、生体に励起光
を照射する工程、及び上記造影剤からの近赤外蛍光を検出する工程を含む蛍光イ
メージング法。 (23)以下の式の化合物から成る群から選択される少なくとも1個である上記
(9)のナトリウム塩:
【化29】
【化30】
【化31】 (24)以下の式の化合物から成る群から選択される少なくとも1個である上記
(12)のナトリウム塩:
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】 (25)以下の式の化合物から成る群から選択される少なくとも1個の化合物を
含む上記(1)の近赤外蛍光造影剤:
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】 (26)一価の基Aが置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール
基、置換又は非置換のアラルキル基、低級アルコキシ基、置換されていてもよい
置換アミノ基、アルキルカルボニルオキシ基、置換又は非置換のアルキルチオ基
、置換又は非置換のアリールチオ基、シアノ基、ニトロ基又は水素原子である、
上記(14)のナトリウム塩。
【0013】
【発明を実施するための最良の形態】
本明細書中で使用する用語を以下に定義する。 本発明の近赤外蛍光造影剤とは近赤外領域に蛍光を放射する造影剤を意味する
。 本発明でスルホン酸基とは、当該スルホン酸基が内部塩を形成するのに用いら
れる場合にはスルホン酸塩 (-SO3 -)を意味することもある。本発明で好ましいX
及びYは以下の式で示される:
【化53】 (式中、R3及びR4は同一又は異なって、それぞれ置換又は非置換のアルキル基で
ある)。
【0014】 R1、R2、R3及びR4における「置換又は非置換のアルキル基」のアルキル基は好
ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオ
ペンチル基、tert-ペンチル基、2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基
等のような1から5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝の低級アルキル基である
。置換基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基等でもよい。置換
されたアルキル基の例としてはヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-
ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、4-ヒ
ドロキシブチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシブチ
ル基、スルホメチル基、2-スルホエチル基、3-スルホプロピル基、4-スルホブチ
ル基等が挙げられる。好ましいR1及びR2はスルホン酸基で置換された1から5個
の炭素原子を有する低級アルキル基(例えば、2-スルホエチル基、3-スルホプロ
ピル基、4-スルホブチル基等)であり、R3及びR4は1から5個の炭素原子を有す
る非置換の低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)である。
【0015】 R17及びR18における1から5個の炭素原子を有する非置換の低級アルキル基は
例えば上記でR1、R2、R3及びR4における「置換又は非置換のアルキル基」のアル
キル基について述べたものを挙げることができる。
【0016】 R19及びR20におけるスルホン酸基で置換された1から5個の炭素原子を有する
低級アルキル基のアルキル基の例としては、上記でR1、R2、R3及びR4における「
置換又は非置換のアルキル基」のアルキル基について述べたものを挙げることが
でき、1から5個の炭素原子を有する置換された低級アルキル基の例としては2-
スルホエチル基、3-スルホプロピル基及び4-スルホブチル基が挙げられる。
【0017】 R21-R28におけるアルキル(スルホアルキル)アミノ基、ビス(スルホアルキル)
アミノ基、スルホアルコキシ基、(スルホアルキル)スルホニル基及び(スルホア
ルキル)アミノスルホニル基のアルキル部分は好ましくは1から5個の炭素原子
を有する直鎖又は分枝の低級アルキル基であり、例えば上記でR1、R2、R3及びR4 における「置換又は非置換のアルキル基」のアルキル基について述べたものを挙
げることができる。
【0018】 本発明で「置換又は非置換の縮合ベンゾ環又は縮合ナフト環を形成するのに必
要な非金属原子」とは縮合ベンゾ環又は縮合ナフト環を形成するのに必要な結合
基を意味し、以下の式で表される基である:
【化54】
【0019】 上記縮合ベンゾ環又は縮合ナフト環が置換基を有する場合、当該結合基は置換基
を含んでいてもよい。
【0020】 その特定の例としては炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子、イオウ原子
、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)等
が挙げられる。
【0021】 Z1及びZ2における非金属原子により形成される縮合ベンゾ環及び縮合ナフト環
の置換基の例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン原子
(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、シアノ基、置換
アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル4-スルホブチ
ルアミノ基、ジ-(3-スルホプロピル)アミノ基等)及び、上記環に直接又は二価
の結合基により結合している上記で定義したような置換又は非置換のアルキル基
がある。好ましい二価の結合基は、例えば、-O-、-NHCO-、-NHSO2-、-NHCOO-、-
NHCONH-、-COO-、-CO-、SO2-等でもよい。上記環に直接又は二価の結合基により
結合している置換又は非置換のアルキル基のアルキル基の例としては、好ましく
はメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基があり、置換基の例としては好
ましくはスルホン酸基、カルボキシル基及び水酸基がある。
【0022】 L1-L7におけるメチン基の置換基の例としては置換又は非置換のアルキル基(
上記定義)、ハロゲン原子(上記定義)、置換又は非置換のアリール基、低級ア
ルコキシ基等がある。「置換又は非置換のアリール基」のアリール基の例として
は、フェニル基、ナフチル基等があるが、好ましくはフェニル基である。上記置
換基の例としてはハロゲン原子(上記定義、好ましくは塩素原子)等が含まれる
。置換されたアリール基としては、例えば、4-クロロフェニル基が挙げられる。
上記低級アルコキシ基は好ましくは1から6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝
アルコキシ基であり、とりわけメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキ
シ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基等であり、好ましくはメトキシ基及
びエトキシ基である。さらに、L1-L7におけるメチン基の置換基は互いに結合し
て3個のメチン基を含む環を形成してもよく、この環がさらに異なるメチン基を
含む環とともに縮合環を形成してもよい。L1-L7におけるメチン基の置換基の結
合によって形成される3個のメチン基を含む環の例としては4,4-ジメチルシクロ
ヘキセン環等がある。
【0023】 L1-L7の基から成り、環を有する共役メチン鎖は好ましくは式(a)の基である:
【化55】 (式中、Z3は5又は6員環を形成するのに必要な非金属原子を表し、Aは水素原
子又は一価の基である)。
【0024】 「5又は6員環を形成するのに必要な非金属原子」の例としては上記で述べた
ようなものがある。
【0025】 式(a)及び以下で述べる式[III-2]中で、Z3における5又は6員環の例としては
シクロペンテン環、シクロヘキセン環、4,4-ジメチルシクロヘキセン環等があり
、特に好ましいのはシクロペンテン環である。
【0026】 Aで表される一価の基としては、例えば、置換又は非置換のアルキル基(上記
定義)、置換又は非置換のアリール基(上記定義)、置換又は非置換のアラルキ
ル基、低級アルコキシ基(上記定義)、任意で置換された置換アミノ基、アルキ
ルカルボニルオキシ基(例:アセトキシ基)、置換又は非置換のアルキルチオ基
、置換又は非置換のアリールチオ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(上記
定義)等が挙げられる。本明細書中で用いる場合、「置換又は非置換のアラルキ
ル基」のアラルキル基の例としては、ベンジル基、2-フェニルエチル基、1-フェ
ニルエチル基、3-フェニルプロピル基等があり、置換基はスルホン酸基、カルボ
キシル基、水酸基、置換又は非置換のアルキル基(上記定義)、アルコキシ基(
上記定義)、ハロゲン原子(上記定義)等でもよい。「任意で置換された置換ア
ミノ基」の置換アミノ基としては、例えば、アルキルアミノ基(例:メチルアミ
ノ基、エチルアミノ基等)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基等)、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、環状アミノ基(
例えば、モルフォリノ基、イミダゾリジノ基、エトキシカルボニルピペラジノ基
等)等が挙げられる。「任意で置換された置換アミノ基」の任意の置換に関する
置換基としてはスルホン酸基、カルボキシル基等が挙げられる。「置換又は非置
換のアルキルチオ基」のアルキルチオ基は、例えば、メチルチオ基、エチルチオ
基等でもよい。置換基の例としてはスルホン酸基、カルボキシル基等が挙げられ
る。「置換又は非置換のアリールチオ基」のアリールチオ基の例としては、フェ
ニルチオ基、ナフチルチオ基等がある。置換基の例としてはスルホン酸基、カル
ボキシル基等が挙げられる。
【0027】 Aで表される一価の基は、好ましくはフッ素原子、塩素原子、ジアルキルアミ
ノ基(好ましくは6個以下の炭素原子を有し、任意で環を形成するもの)又はモ
ルホリノ基である。この基は、特に好ましくはスルホン酸基を有する。
【0028】 式[I]において、rは好ましくは1である。 医薬上許容しうる塩は式[I]の化合物と非毒性の塩を形成するものである限り
はいかなるものでもよい。それらの例としては、ナトリウム塩、カリウム塩のよ
うなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のようなアルカリ土類金
属塩;アンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリブチルアンモニウム塩
、ピリジニウム塩等のような有機アンモニウム塩;リジン塩、アルギニン塩等の
ようなアミノ酸塩が挙げられる。特に好ましいのは生体内での毒性が低いナトリ
ウム塩である。
【0029】 生体内で使用されることになる蛍光造影剤は特に水溶性であることが必要であ
る。本発明の近赤外蛍光造影剤は上記化合物中に3個以上のスルホン酸基を導入
することにより水溶性が顕著に改善されている。優れた水溶性を得るには、スル
ホン酸基の数は4個以上であることが好ましい。合成を容易にするには、スルホ
ン酸基の数は10個以下、好ましくは8個以下である。水溶性の改善は各化合物の
分配係数の測定、例えば分配係数をブタノール/水の二相系で測定することによ
り調べることができる。より詳しく言えば、3個以上のスルホン酸基の導入によ
りn-ブタノール/水の分配係数log Po/wは -1.00以下となる。
【0030】 スルホン酸基は式[I]のR1、R2、Z1及び/又はZ2、並びに式[II]のR1、R2、R5
、R7、R11及び/又はR13の位置に導入するのが特に好ましい。
【0031】 さらに、これらのスルホン酸基は上記式(a)のAの位置において共役メチン鎖の
L4にアルキレン基のような二価基を介して導入するのが好ましい。
【0032】 分子中に3個以上のスルホン酸基を有する式[II]の化合物のナトリウム塩のう
ち、R1及びR2がスルホン酸基で置換された1から5個の炭素原子を有する低級ア
ルキル基であり;X及びYが同一又は異なって、それぞれ以下の式
【化56】 (式中、R17及びR18は同一又は異なって、それぞれ1から5個の炭素原子を有す
る非置換の低級アルキル基である)の基である化合物のナトリウム塩が好ましく
、当該塩は分子中に3個以上のスルホン酸基を有し、特に好ましいものは以下の
式の化合物である。
【化57】
【0033】 分子中に3個以上のスルホン酸基を有する式[I]の化合物及びその医薬上許容
しうる塩のうち、好ましいのは式[III-1]の化合物のナトリウム塩であり:
【化58】 {式中、L1-L7は上記定義と同義であり;R19及びR20はスルホン酸基で置換され
た1から5個の炭素原子を有する低級アルキル基であり;R21からR28は同一又は
異なって、それぞれ水素原子、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキ
ル(スルホアルキル)アミノ基、ビス(スルホアルキル)アミノ基、スルホアルコキ
シ基、(スルホアルキル)スルホニル基又は(スルホアルキル)アミノ-スルホニル
基であり;X'及びY'は同一又は異なって、それぞれ以下の式
【化59】 (式中、R17及びR18は上記定義と同義である)の基である}、当該塩は分子中に
3個以上のスルホン酸基を有し、特に好ましいものは以下の式の化合物である。
【化60】
【0034】 分子中に3個以上のスルホン酸基を有する式[III-1]の化合物のナトリウム塩
のうち、好ましいのは式[III-2]の化合物のナトリウム塩であり:
【化61】 (式中、R19-R28、X'及びY'は上記定義と同義であり;Z3は5又は6員環を形成
するのに必要な非金属原子であり;Aは水素原子又は一価の基である)、当該塩
は分子中に3個以上のスルホン酸基を有し、特に好ましいものは以下の式の化合
物である。
【化62】
【0035】 本発明の近赤外蛍光造影剤に含まれる化合物は、式中に3個以上、好ましくは
4個以上のスルホン酸基を有するとともに、式[I]又は[II]で表される限りいか
なるものでもよい。これらの化合物は「シアニン染料及び関連化合物」, F.M. H
amer, John Wiley and Sons, New York, 1964; Cytometry, 10, 3-10 (1989);
Cytometry, 11, 418-430 (1990); Cytometry, 12, 723-730 (1990); Bioconjuga
te Chem. 4, 105-111 (1993), Anal. Biochem., 217, 197-204 (1994), Tetrahe
dron, 45, 4845-4866 (1989), EP-A-0591820A1, EP-A-0580145A1等に開示されて
いるシアニン染料化合物の公知の製造方法によって合成することができる。ある
いは、それらは市販のシアニン染料化合物から公知の方法によって半合成するこ
ともできる。特に、それらはジアニル化合物及びヘテロ環化合物四級塩を反応さ
せることによって合成することができる。
【0036】 本発明の式[I]の化合物は、例えば、以下の方法によって合成することができ
る。 (i) r=0の場合、 (a) L1=L5、X=Y、R1=R2及びZ1=Z2 式[IV-1]のヘテロ環四級塩化合物(2モル)
【化63】 (式中、L1、X、Z1及びR1は上記定義と同義である)及び式[V-1]のジアニル化合
物(1モル)
【化64】 (式中、L2、L3及びL4は上記定義と同義である)を塩基及び溶媒の存在下で反応
させて式[VI-1]の化合物
【化65】 (式中、L1、L2、L3、L4、R1、Z1及びXは上記定義と同義である)を得て、この
化合物[VI-1](1モル)及び必要なモル量の式[VII]の化合物 T1-Na [VII] (式中、T1は有機酸残基である)を反応させて上記式[VI-1]の化合物のナトリウム
塩を得る。
【0037】 (b) L1≠L5又はX≠Y又はR1≠R2又はZ1≠Z2 上記式[IV-1]のヘテロ環四級塩化合物(1モル)及び式[V-1]の上記ジアニル
化合物(1モル)を塩基及び溶媒の存在下で反応させて式[VIII-1]の化合物
【化66】 (式中、L1、L2、L3、L4、R1、Z1及びXは上記定義と同義である)を得て、この
化合物[VIII-1](1モル)及び式[XI-1]のヘテロ環四級塩化合物(1モル)
【化67】 (式中、L5、Y、Z2及びR2は上記定義と同義である)を反応させて式[X-1]の化合
【化68】 (式中、L1、L2、L3、L4、L5、R1、R2、Z1、Z2、X及びYは上記定義と同義である
)を得て、この式[X-1]の化合物(1モル)及び必要なモル量の式[VII]の上記化
合物を反応させて、上記式[X-1]の化合物のナトリウム塩を得る。
【0038】 (ii) r=1の場合、 (a) L1=L7、X=Y、R1=R2及びZ1=Z2 式[IV-1]のヘテロ環四塩塩化合物(2モル)
【化69】 (式中、L1、X、Z1及びR1は上記定義と同義である)及び式[V-2]のジアニル化合
物(1モル)
【化70】 (式中、L2、L3、L4、L5及びL6は上記定義と同義である)を塩基及び溶媒の存在
下で反応させて式[VI-2]の化合物
【化71】 (式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、R1、Z1及びXは上記定義と同義である)を得
て、この化合物[VI-2](1モル)及び必要なモル量の式[VII]の化合物 T1-Na [VII] (式中、T1は上記定義と同義である)を反応させて上記式[VI-2]の化合物のナトリ
ウム塩を得る。
【0039】 (b) L1≠L7又はX≠Y又はR1≠R2又はZ1≠Z2 上記式[IV-1]のヘテロ環四級塩化合物(1モル)及び式[V-2]の上記ジアニル
化合物(1モル)を塩基及び溶媒の存在下で反応させて式[VIII-2]の化合物
【化72】 (式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、R1、Z1及びXは上記定義と同義である)を得
て、この化合物[VIII-2](1モル)及び式[IX-2]のヘテロ環四塩塩化合物(1モ
ル)
【化73】 (式中、L7、Y、Z2及びR2は上記定義と同義である)を反応させて式[X-2]の化合
【化74】 (式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、R1、R2、Z1、Z2、X及びYは上記定義と同
義である)を得て、この式[X-2]の化合物(1モル)及び必要なモル量の式[VII]
の上記化合物を反応させて、上記式[X-2]の化合物のナトリウム塩を得る。
【0040】 (iii) r=2の場合、 rが2の場合、式[I]においてL6及びL7が重複する。これを避けるために、重複
するL6及びL7は説明のためにL8及びL9と呼ぶことにする。 (a) L1=L9、X=Y、R1=R2及びZ1=Z2 式[IV-1]のヘテロ環四級塩化合物(2モル)
【化75】 (式中、L1、X、Z1及びR1は上記定義と同義である)及び式[V-3]のジアニル化合
物(1モル)
【化76】 (式中、L2、L3、L4、L5、L6及びL7は上記定義と同義であり、L8は任意で置換さ
れたメチン基である)を塩基及び溶媒の存在下で反応させて式[VI-3]の化合物
【化77】 (式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、R1、Z1及びXは上記定義と同義であ
る)を得て、この化合物[VI-3](1モル)及び必要なモル量の式[VII]の化合物 T1-Na [VII] (式中、T1は上記定義と同義である)を反応させて上記式[VI-3]の化合物のナトリ
ウム塩を得る。
【0041】 (b) L1≠L9又はX≠Y又はR1≠R2又はZ1≠Z2 上記式[IV-1]のヘテロ環四級塩化合物(1モル)及び式[V-3]の上記ジアニル
化合物(1モル)を塩基及び溶媒の存在下で反応させて式[VIII-3]の化合物
【化78】 (式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、R1、Z1及びXは上記定義と同義であ
る)を得て、この化合物[VIII-3](1モル)及び式[IX-3]のヘテロ環四級塩化合
物(1モル)
【化79】 (式中、Y、Z2及びR2は上記定義と同義であり、L9は任意で置換されたメチン基
である)を反応させて式[X-3]の化合物
【化80】 (式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、R1、R2、Z1、Z2、X及びYは上記
定義と同義である)を得て、この式[X-3]の化合物(1モル)及び必要なモル量
の式[VII]の上記化合物を反応させて、上記式[X-3]の化合物のナトリウム塩を得
る。
【0042】 必要なモル量の式[VII]の上記化合物とは、式[I]の化合物の目的のナトリウム
塩1モルに含まれるナトリウム量に等しい量以上のことである。
【0043】 L8及びL9における置換されたメチン基の置換基の例としては、L1からL7におけ
る上記メチン基の置換基に関して記載したものがある。
【0044】 上記(i)、(ii)及び(iii)の合成方法において、化合物[IV-1]及び[V-1]の反応
、化合物[VIII-1]及び[XI-1]の反応、化合物[IV-1]及び[V-2]の反応、化合物[VI
II-2]及び[IX-2]の反応、化合物[IV-1]及び[V-3]の反応、並びに化合物[VIII-3]
及び[IX-3]の反応は-20〜80℃、好ましくは-10〜40℃の温度で、好ましくは無水
酢酸のようなアシル化剤の存在下で行う。
【0045】 上記(i)、(ii)及び(iii)の合成方法において、化合物[IV-1]及び[VII]の反応
、化合物[X-1]及び[VII]の反応、化合物[VI-2]及び[VII]の反応、化合物[X-2]及
び[VII]の反応、化合物[VI-3]及び[VII]の反応、並びに化合物[X-3]及び[VII]の
反応は、好ましくは0〜40℃の温度で、好ましくはアルコール又は水のような溶
媒の存在下で行う。
【0046】 上記(i)、(ii)及び(iii)の合成方法において、使用されるべき塩基は、例えば
トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ジアザビシクロウンデセン、
ソジウムメトキシド等でもよく;使用されるべき溶媒は、例えばN,N-ジメチルア
セトアミド、N-メチルピロリドン及びN,N-ジエチルホルムアミド又はメタノール
のようなアルコール類でもよく;有機酸残基は例えばCH3COO等でもよい。
【0047】 上記式[I]の化合物の医薬上許容しうる種々の塩の製造に関して、式[I]の化合
物のアンモニウム塩及びカリウム塩は、例えば、上記合成方法(i)、(ii)及び(ii
i)で使用される式[VII]の化合物を、ナトリウム原子がアンモニウム基又はカリ
ウム原子に変えられている式[VII]の化合物に置き換えることにより得ることが
でき;上記式[I]の化合物の異なる陽イオン塩は当該アンモニウム塩及びカリウ
ム塩を必要に応じてイオン交換樹脂を用いて異なる陽イオン塩に転化することに
より得ることができる。
【0048】 本発明で使用される式[II]の化合物を含む上記式[I]の化合物の具体例を以下
に示すが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【化81】
【化82】
【化83】
【化84】
【化85】
【化86】
【化87】
【化88】
【化89】
【化90】
【化91】
【化92】
【化93】
【0049】 本発明の近赤外蛍光造影剤に含まれるべき上記化合物は700-1300 nm、特に約7
00-900 nmの近赤外光領域に吸収及び蛍光を示し、100,000以上のモル吸光係数を
有する。
【0050】 本発明の近赤外蛍光造影剤は式[I]又は式[II]の化合物及び/又はそれらの医
薬上許容しうる塩を含み、分子中に3個以上、好ましくは4個以上のスルホン酸
基を有する限りは特に限定されない。この化合物又はその塩は単独で又は組み合
わせて当該造影剤に含まれていてもよい。
【0051】 具体的には、該造影剤は、上記化合物、又は注射用蒸留水、生理食塩水、リン
ゲル液等のような溶媒中に懸濁若しくは溶解した上記化合物を含む。必要に応じ
て、担体、賦形剤等のような薬理上許容しうる添加物を加えてもよい。これらの
添加物としては、薬理上許容しうる電解質、バッファー、洗剤のような物質及び
浸透圧を調整し安定性及び溶解性を改善するための物質(例えば、シクロデキス
トリン、リポソーム等)が挙げられる。関連分野で一般に使用される多様な添加
物が使用できる。本発明の近赤外蛍光造影剤は医薬用の場合は好ましくは滅菌処
理を経て製造される。
【0052】 当該造影剤は、注射、噴射又は塗布、血管内(静脈、動脈)、経口、腹膜内、
経皮、皮下、膀胱内又は気管支内投与によって生体に投与することができる。好
ましくは、本造影剤は血管内に水剤、乳剤又は懸濁剤の形態で投与される。
【0053】 本発明の近赤外蛍光造影剤の用量は、その用量によって最終的に診断すべき部
位の検出が可能である限りは特に限定されず、使用される近赤外蛍光を放射する
化合物の種類、年齢、体重及び投与対象の標的器官などによって適当に調整され
る。典型的には、用量は当該化合物の量として0.1-100 mg/kg体重、好ましくは0
.5-20 mg/kg体重である。
【0054】 本発明の造影剤はヒト以外の多様な動物に適宜使用することができる。投与の
形態、経路及び用量は対象動物の体重及び状態によって適当に決定される。
【0055】 本発明では、さらに、分子中に3個以上、好ましくは4個以上のスルホン酸基
を有する式[I]、特に好ましくは式[II]の上記化合物が腫瘍組織中に顕著に蓄積
される傾向がある。この特性を利用することにより、本発明の蛍光造影剤を用い
て腫瘍組織を特異的にイメージングすることができる。さらに、一連の当該化合
物は血管内に長くとどまることができ、血管造影剤としても良好に機能すること
が期待される。
【0056】 本発明の蛍光イメージング法は本発明の近赤外蛍光造影剤の使用により特徴付
けられる。この方法は公知の方法に準じて実施され、励起波長及び検出すべき蛍
光波長のようなそれぞれのパラメーターは投与される近赤外蛍光造影剤の種類及
び投与対象により最適のイメージング及び評価が行えるように適宜決定される。
本発明の近赤外蛍光造影剤の測定対象への投与から本発明の蛍光イメージング法
による測定開始までにかかる時間は使用される近赤外蛍光造影剤の種類及び投与
対象によって異なる。例えば、腫瘍イメージングを目的として造影剤が式[I]の
化合物を含む場合、消失時間は投与後およそ4-120時間と考えられる。式[II]の
化合物の場合、消失時間は投与後およそ24-120時間と考えられる。消失時間が短
すぎると、蛍光が強すぎて標的部位と他の部位を明確に分けることができない。
長すぎると、当該造影剤が身体から排泄されてしまうことがある。血管造影が求
められる場合には、式[I]又は式[II]の化合物を投与直後又はその約30分以内に
検出する。
【0057】 本方法は典型的には以下の工程を含む。 すなわち、本発明の近赤外蛍光造影剤を検出標的に投与し、検出標的を励起光
源からの励起光に露光する。次いで、近赤外蛍光造影剤から当該励起光により発
生された蛍光を蛍光検出器で検出する。
【0058】 励起波長は使用される近赤外蛍光造影剤によって異なり、当該化合物が近赤外
領域に有効に蛍光を放射する範囲でさえあれば制限されない。好ましくは、優れ
た生物透過能を有する近赤外光が使用される。
【0059】 検出すべき近赤外蛍光の波長も使用される造影剤によって異なる。一般的に言
えば、600-1000 nm、好ましくは700-850 nmの波長を有する励起光を用い、700-1
000 nm、好ましくは750-900 nmの波長領域の近赤外蛍光を検出する。この場合、
励起光の光源は、種々のレーザー(例えば、イオンレーザー、色素レーザー及び
半導体レーザー)、ハロゲン光源、キセノン光源等のような通常の励起光光源で
よい。必要ならば、種々の光学フィルターを使用して最適な励起波長を得ること
もできる。同様に、蛍光は種々の光学フィルターを使用して当該近赤外蛍光造影
剤からの蛍光のみを捕らえて検出することもできる。
【0060】 検出された蛍光を蛍光情報としてデータ処理し、記録可能な蛍光イメージを生
成させるのに用いる。蛍光イメージは標的組織を含む広い領域に照射して、CCD
カメラで蛍光を検出し、得られた蛍光情報をイメージ処理することにより生成さ
せる。或いは、光学CT装置を使用したり、内視鏡を使用したり、眼底カメラを使
用してもよい。
【0061】 本発明の蛍光イメージング法は全身性の疾患、腫瘍、血管などを生体を傷つけ
ることなく可視化させることができる。
【0062】 本発明を実施例及び実験例によってより詳しく説明するが、本発明はそれらに
限定されるものではない。以下の実施例及び実験例中の化合物番号は構造式によ
り説明される化合物の番号に対応している。
【0063】 「カリウム塩」、「カルシウム塩」又は「ピリジニウム塩」を表す記号が化合
物番号の後に示されている化合物(例:化合物(29)K塩)は、対イオンがナトリ
ウム塩の代わりにカリウム塩、カルシウム塩又はピリジニウム塩であることを除
いて化合物番号で表される化合物(ナトリウム塩)と同じ化合物を意味している
。例えば、「化合物(31)K塩」は対イオンがナトリウムの代わりにカリウムであ
ることを除いて化合物(31)と同じ化合物を意味し;「化合物(31)Ca塩」は対イオ
ンがナトリウムの代わりにカルシウムであることを除いて化合物(31)と同じ化合
物を意味し;「化合物(31)ピリジニウム塩」は対イオンがナトリウムの代わりに
ピリジニウムであることを除いて化合物(31)と同じ化合物を意味している。
【0064】 本発明の近赤外蛍光造影剤に活性成分として含まれる化合物の合成方法を実施
例中で説明する。
【0065】 以下の合成方法は大部分が表1に示すヘテロ環四級塩化合物と表2及び3に示
すジアニル化合物との反応からなる。
【表1】
【表2】
【表3】
【0066】
【実施例】
以下の実施例では、化合物を便宜上、表1から3で用いた記号(例:A1、Q1な
ど)で表した。 実施例1:化合物(29)の合成 ヘテロ環四級塩化合物 Q1 (5 g)にメタノール (100 ml)、N,N-ジメチルホルム
アミド (25 ml)、トリエチルアミン (5.6 ml)、ジアニル化合物 A1 (1.83 g)及
び無水酢酸 (3 ml)を加え、この混合液を室温で4時間撹拌した。トリエチルアミ
ン (2.2 ml)及び無水酢酸 (2 ml)を加え、混合液を室温で3時間撹拌した。不溶
物をろ過して除去し、酢酸ナトリウム (2 g)のメタノール (15 ml)溶液を濾液に
加えて室温で1時間撹拌した。生成した結晶をろ過して回収し、少量のメタノー
ルで洗浄した。得られた粗結晶(3.5 g)に水(20 ml)を加えて溶解した。酢酸ナト
リウム (1 g)を加えた後、メタノール (30 ml)を加え、1時間撹拌した。できた
結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄して乾燥させ、3 gの化合物(29
)を得た。得られた化合物(29)は黄色の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):780 nm モル吸光係数(H2O):243,000 最大蛍光放射波長(H2O):802 nm 得られた化合物(29)について赤外吸収スペクトルをフーリエ変換赤外線分光計
(VALOR-III、JASCO製)を用いて臭化カリウムタブレット法により測定した。以
下のピークが検出された。スペクトルは図11に示す。 IR (<max(KBr)):1414, 1086, 1037, 995, 889 cm-1
【0067】 実施例2:化合物(34)の合成 ヘテロ環四級塩化合物 Q2 (2.13 g)にメタノール (20 ml)を加え、この混合液
を10℃に冷却した。ここにジアニル化合物 A2 (0.75 g)、トリエチルアミン (4
ml)及び無水酢酸 (2 ml)を加え、混合液を20分間撹拌した。無水酢酸 (2 ml)を
加え、混合液を10℃で4時間撹拌した。不溶物をろ過して除去し、酢酸ナトリウ
ム (2 g)を少量のメタノール に溶かした溶液を濾液に加えた。得られた結晶を
ろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄した。得られた粗結晶に水(7 ml)を加
えて溶解した。メタノール (7 ml)を加えて結晶を沈殿させた。この結晶をろ過
して回収し、少量のメタノールで洗浄して乾燥させ、1.2 gの化合物(34)を得た
。得られた化合物(34)は黄色の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):794 nm モル吸光係数(H2O):176,000 最大蛍光放射波長(H2O):812 nm
【0068】 実施例3:化合物(6)の合成 ヘテロ環状第四塩化合物 Q3 (9.5 g)にメタノール (50 ml)、トリエチルアミ
ン (7 ml)、ジアニル化合物 A3 (3.1 g)及び無水酢酸 (3.9 ml)を加え、この混
合液を室温で7時間撹拌する。不溶物をろ過して除去し、酢酸ナトリウム (5 g)
を少量のメタノールに溶かした溶液を濾液に加える。混合液を一晩放置する。得
られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄する。この結晶に水(30
ml)を加えて溶解する。酢酸ナトリウム (2 g)を加えた後、メタノール (30 ml)
を加える。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄して乾燥さ
せ、化合物(6)を得る。
【0069】 実施例4:化合物(45)の合成 ヘテロ環四級塩化合物 Q3 (4.8 g)にメタノール (50 ml)、トリエチルアミン
(4 ml)、ジアニル化合物 A4(1.7 g)及び無水酢酸 (2 ml)を加え、この混合液を
室温で3時間撹拌した。不溶物をろ過して除去し、酢酸ナトリウム (4 g)を少量
のメタノールに溶かした溶液を濾液に加えた。得られた結晶をろ過して回収し、
少量のメタノールで洗浄した。結晶に水(10 ml)を加えて溶解した。次いでメタ
ノール (10 ml)を加えた。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで
洗浄して乾燥させ、メチン鎖上の置換基が-SCH2CH2SO3Naの代わりに-Clであるこ
とを除いて化合物(45)と同じ化合物を1.6 g得た。
【0070】 上記の工程を繰り返し、4.2 gの当該化合物を得た。それに水 (30 ml)、トリ
エチルアミン (1.2 ml)及びソジウム2-メルカプトエタンスルホネート(0.8 g)を
加え、この混合液を室温で4時間撹拌した。不溶物をろ過して除去し、酢酸ナト
リウム (2 g)を少量の水に溶かした溶液を濾液に加えた。得られた結晶をろ過し
て回収し、メタノール(20 ml)で洗浄し、風乾して2.3 gの化合物(45)を得た。得
られた化合物(45)は黄色の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):815 nm モル吸光係数(H2O):196,000 最大蛍光放射波長(H2O):827 nm
【0071】 実施例5:化合物(2)の合成 ヘテロ環四級塩化合物 Q3 (4.7 g)にメタノール (25 ml)、トリエチルアミン
(2.8 ml)、ジアニル化合物 A5 (1.5 g)及び無水酢酸 (2.4 ml)を加え、この混合
液を室温で1時間撹拌する。そこにさらにトリエチルアミン (3.5 ml)及び無水酢
酸 (1.5 ml)を加え、この混合液を室温で3.5時間撹拌する。不溶物をろ過して除
去し、酢酸ナトリウム (3 g)を少量のメタノールに溶かした溶液を濾液に加える
。混合液を室温で1時間撹拌する。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタ
ノールで洗浄する。この結晶に水(15 ml)を加えて溶解する。次いでメタノール
(15 ml)を加える。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄し
て乾燥させ、化合物(2)を得る。
【0072】 実施例6:化合物(43)の合成 ヘテロ環四級塩化合物 Q3 (3.75 g)にメタノール (25 ml)、トリエチルアミン
(3.5 ml)、ジアニル化合物 A6 (1.95 g)及び無水酢酸 (2.4 ml)を加え、この混
合液を室温で1時間撹拌した。不溶物をろ過して除去し、酢酸ナトリウム (3.9 g
)を少量のメタノールに溶かした溶液を濾液に加えた。この混合液を室温で1時間
撹拌した。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄した。結晶
に水(10 ml)を加えて溶解した。酢酸ナトリウム (2 g) を加え、次いでメタノー
ル (10 ml)を加えた。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄
して乾燥させ、1.8 gの化合物(43)を得た。得られた化合物(43)は黄色の炎色反
応を示した。 最大吸収波長(H2O):773 nm モル吸光係数(H2O):204,000 最大蛍光放射波長(H2O):789 nm
【0073】 実施例7:化合物(4)の合成 ヘテロ環四級塩化合物 Q3 (3.5 g)にメタノール (20 ml)、トリエチルアミン
(3.5 ml)、ジアニル化合物 A7 (1.2 g)及び無水酢酸 (1.9 ml)を加え、この混合
液を室温で10時間撹拌し、その後一晩放置する。この混合液を50℃に加熱しなが
ら5時間撹拌する。水 (2 ml)を加え、不溶物をろ過して除去する。酢酸ナトリウ
ム (5 g)を少量の水に溶かした溶液を濾液に加える。混合液を室温で30分間撹拌
する。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄して乾燥させ、
化合物(4)を得る。
【0074】 実施例8:化合物(31)の合成 ヘテロ環四級塩化合物 Q4 (3.5 g)にメタノール (35 ml)、トリエチルアミン
(3.5 ml) 及び無水酢酸 (2 ml)を加え、ジアニル化合物 A2 (1.8 g)を数回に分
けて撹拌しながら加えた。この混合液をさらに1時間撹拌した。無水酢酸 (2 ml)
を加え、この混合液を室温で5時間撹拌した。不溶物をろ過して除去し、酢酸ナ
トリウム (4 g)を少量のメタノールに溶かした溶液を濾液に加えた。得られた結
晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄した。結晶に水(10 ml)を加えて
溶解した。次いでメタノール (10 ml)を加え、この混合液を室温で2時間撹拌し
た。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄して乾燥させ、1.
3 gの化合物(31)を得た。得られた化合物(31)は黄色の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):755 nm モル吸光係数(H2O):228,000 最大蛍光放射波長(H2O):774 nm
【0075】 得られた化合物(31)について赤外吸収スペクトルをフーリエ変換赤外線分光計
(VALOR-III、JASCO製)を用いて臭化カリウムタブレット法により測定した。以
下のピークが検出された。スペクトルは図12に示す。 IR (νmax(KBr)):1518, 1183, 1149, 1111, 995 cm-1
【0076】 実施例9:化合物(41)の合成 ヘテロ環四級塩化合物 Q1 (12 g)にメタノール (120 ml)、トリエチルアミン
(13.6 ml) 、ジアニル化合物 A8 (4.4 g)及び無水酢酸 (2.4 ml)を加え、この混
合液を30分間撹拌した。無水酢酸 (2.4 ml)を加え、混合液を1.5時間撹拌し、さ
らに無水酢酸 (2.4 ml)を加え、混合液を室温で6時間撹拌した。ヘテロ環四級塩
化合物 Q1 (1 g)、トリエチルアミン (3 ml) 及び無水酢酸 (3 ml)をさらに加え
、混合液を室温で2時間撹拌し、一晩放置した。酢酸ナトリウム (5 g)を加え、
できた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄した。得られた粗結晶に
水(200 ml)を加えた。不溶物をろ過して除去し、酢酸ナトリウム (10 g)を濾液
に加えた。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄した。この
結晶に水(200 ml)及びトリエチルアミン (10 ml)を加え、酢酸ナトリウム (10 g
)をメタノール(100 ml)に溶かした溶液を加えて結晶を得た。この工程を2回繰り
返した。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄して乾燥させ
、9.7 gの化合物(41)を得た。得られた化合物(41)は黄色の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):811 nm モル吸光係数(H2O):230,000 最大蛍光放射波長(H2O):822 nm
【0077】 実施例10:化合物(3)の合成 実施例5に従って、ヘテロ環四級塩化合物 Q3及び対応のジアニル化合物を用
いて化合物(3)を得る。
【0078】 実施例11 酢酸ナトリウム (2 g)の代わりに酢酸カリウム (2 g)を用いたことを除いて実
施例1での化合物(29)の合成と同様の方法で、対イオンがナトリウムの代わりに
カリウムであることを除いて化合物(29)と同じ化合物を得た。以下、この化合物
を化合物(29)K塩と呼ぶ。得られた化合物(29)K塩は紫色の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):780 nm モル吸光係数(H2O):254,000 最大蛍光放射波長(H2O):800 nm
【0079】 上記の他の化合物についてもこの実施例と同様の方法で処理し、ナトリウムの
代わりにカリウムを対イオンとして有する化合物を得る。
【0080】 カリウムを対イオンとして有するこれらの化合物は対応する化合物番号の後ろ
に「K塩」と記すことにより上記化合物と区別する。
【0081】 実施例12 実施例11と同様の方法で、化合物(6)K塩を得た。得られた化合物(6)K塩は紫色
の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):788 nm モル吸光係数(H2O):226,000 最大蛍光放射波長(H2O):806 nm
【0082】 実施例13 実施例11と同様の方法で、化合物(2)K塩を得た。得られた化合物(2)K塩は紫色
の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):743 nm モル吸光係数(H2O):266,000 最大蛍光放射波長(H2O):762 nm
【0083】 実施例14 実施例11と同様の方法で、化合物(4)K塩を得た。得られた化合物(4)K塩は紫色
の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):753 nm モル吸光係数(H2O):212,000 最大蛍光放射波長(H2O):767 nm
【0084】 実施例15 実施例11と同様の方法で、化合物(3)K塩を得た。得られた化合物(3)K塩は紫色
の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):751 nm モル吸光係数(H2O):241,000 最大蛍光放射波長(H2O):767 nm
【0085】 実施例16 化合物(6)K塩 (50 mg) を少量の水に溶解し、イオン交換樹脂を通して化合物(
6)K塩のカリウムをプロトンに転化した。それに酢酸ナトリウムで飽和したメタ
ノールを加えて結晶を沈殿させた。この処理を2回繰り返した。得られた結晶を
ろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄して乾燥させ 32 mgの化合物(6)を得
た。得られた化合物(6)は黄色の炎色反応を示した。
【0086】 得られた化合物(6)について赤外吸収スペクトルをフーリエ変換赤外線分光計
(VALOR-III、JASCO製)を用いて臭化カリウムタブレット法により測定した。以
下のピークが検出された。スペクトルを図13に示す。 IR (νmax(KBr)):1395, 1372, 1188, 1102, 1020 cm-1
【0087】 実施例17:化合物(54)の合成 ヘテロ環四級塩化合物 Q4 (3.5 g)にメタノール (20 ml)、トリエチルアミン
(3.5 ml) 及び無水酢酸 (2 ml)を加え、ジアニル化合物 A1 (1.4 g)を撹拌しな
がら数回に分けて加えた。この混合液をさらに20分間撹拌した。無水酢酸 (1 ml
)を加え、混合液を室温で1.5時間撹拌した。不溶物をろ過して除去し、酢酸ナト
リウム (4 g)を少量のメタノールに溶かした溶液を濾液に加えた。得られた結晶
をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄した。この結晶を少量の水に溶解し
た。次いで溶液をメタノール (10 ml)で希釈し、混合液を室温で1時間撹拌した
。得られた結晶をろ過して回収し、少量のメタノールで洗浄して乾燥させ、1.5
gの化合物(54)を得た。得られた化合物(54)は黄色の炎色反応を示した。 最大吸収波長(H2O):743 nm モル吸光係数(H2O):244,000 最大蛍光放射波長(H2O):766 nm
【0088】 得られた化合物(54)について赤外吸収スペクトルをフーリエ変換赤外線分光計
(VALOR-III、JASCO製)を用いて臭化カリウムタブレット法により測定した。以
下のピークが検出された。スペクトルを図14に示す。 IR (νmax(KBr)):1511, 1421, 1099, 1004, 926 cm-1
【0089】 実験例1 n-ブタノール/水の分配係数 (log Po/w)を化合物(29)、化合物(43)、化合物(4
5)、化合物(31)、化合物(3)K塩、化合物(11)[NK-3261として日本感光色素研究所
(株)より入手]、化合物(6)K塩、化合物(2)K塩、化合物(4)K塩、化合物(34)及び
化合物(54)について測定した。
【0090】 対照化合物として、分子中にスルホン酸基を2個だけ有するNK-1967(日本感光
色素研究所(株))及びICG(東京化成工業)を使用した。結果を表4に示す。
【表4】
【0091】 実験例2:蛍光イメージング試験(1) マウス結腸癌(結腸26癌)の腫瘍組織断片を BALB/cヌードマウス(5週齢、
クレアジャパン社)の左胸部の皮下に移植した。10日後、腫瘍が直径約 8 mmに
成長した時点で上記マウスを試験に供した。
【0092】 蛍光励起光源としてチタンサファイアレーザーを使用した。照射の分散が10%
以内になるようにリングタイプの光ガイド(住田光学グラス社)を用いて試験用
マウスにレーザー光を均一に照射した。照射出力はマウスの皮膚表面付近で約 4
0μW/cm2 になるように調整した。蛍光は各化合物の最大励起波長で励起させ、
マウスからの蛍光放射をCCDカメラ(C4880,浜松フォトニクス社)を用いて短波
長カットオフフィルター(IR84、IR86、IR88;富士写真フイルム(株))を通して
検出及び撮影した。カットオフフィルターは化合物の励起波長に適合するように
選択した。照射時間は各化合物の蛍光強度によって調整した。
【0093】 使用した試験化合物は本発明の化合物(29)、化合物(31)及び化合物(6)K塩並び
に対照化合物として分子中にスルホン酸基を2個だけ有するNK-1967及びICGであ
る。各試験化合物を蒸留水に溶解し (0.5 mg/ml)、マウスに尾部静脈から投与し
た。用量は化合物(31)、化合物(6)K塩、NK-1967及びICGについては 5.0 mg/kg、
化合物(29)では0.5 mg/kgであった。化合物投与の24時間後にマウスをジエチル
エーテルで麻酔し、マウス全身の蛍光イメージを撮影した。結果を図1から5に
示す。
【0094】 ベンゾトリカルボシアニン構造及び6個のスルホン酸基を有する化合物(29)は
、共にトリカルボシアニン構造及び4個のスルホン酸基を有する化合物(6)K塩及
び化合物(31)と同様に、2個のスルホン酸基を有する対照化合物(ベンゾトリカ
ルボシアニン構造を有するNK-1967及びトリカルボシアニン構造を有するICG)に
比べて、明らかにより鮮明なイメージを生成させた。特に、化合物(29)は低用量
でも腫瘍を鮮明に描写でき、顕著な効果を有していた。
【0095】 実験例3:蛍光イメージング試験(2) ヌードマウスを試験に用いた。本発明の化合物(29)及び対照化合物ICGをセボ
フルラン連続吸入麻酔下でそれぞれ5.0 mg/kgの用量で尾部静脈から静注投与し
た。同時に、蛍光イメージの断続撮影を開始した。蛍光イメージの撮影では、励
起レーザービームへの露光及びフィルターを通した蛍光の抽出を行い、露光時間
は1秒とした。化合物投与の20秒後には、血管が適当にイメージ化された。投与
の5分後まで蛍光イメージを撮影した。図6から9に投与の20秒後及び5分後のマ
ウス全身の蛍光イメージを示す。
【0096】 ICGは5分間では血管をコントラストにより示すことはなかったが、化合物(29)
はICGよりも長時間、血管をイメージ化することができた。
【0097】 実験例4:血管中の滞留 実験例2と同様の方法で、腫瘍組織断片を CDF1マウス(メス、5週齢、日本S
LC社)に移植し、約2週間後、腫瘍が直径約 1 cmに成長した時点で、マウスを試
験に供した。
【0098】 試験化合物は、ベンゾトリカルボシアニン構造及び6個のスルホン酸基を有す
る化合物(29) K塩及び化合物(41) K塩;トリカルボシアニン構造及び4-5個のス
ルホン酸基を有する化合物(6)K塩、化合物(4)K塩、化合物(45)K塩、化合物(31)
、化合物(31)K塩、化合物(3)K塩、化合物(2)K塩、化合物(43)K塩及び化合物(11)
;並びに対照化合物ICG及びNK-1967である。各試験化合物は蒸留水に溶解して(0
.5 mg/ml)用いた。得られた各化合物溶液をマウスの尾部静脈から投与した (5.0
mg/kg)。化合物投与の0.5、1、4及び24時間後にマウスから血液を採取し、遠心
分離して血漿を得た。
【0099】 上記血漿の蛍光強度を分光蛍光計 (RF 5300 PC、島津コーポレーション)によ
り測定した。各化合物の検量線を描き血漿中の化合物濃度を計算した。結果を図
10に示す。 本発明の化合物は長時間血漿内に残留していた。
【0100】 実験例5:急性毒性 スルホン酸基の導入による毒性の低下及びナトリウム塩への転化による毒性の
低下を試験した。
【0101】 試験化合物は表5に示したものである。 各試験化合物を蒸留水に溶解して化合物溶液を調製した。この溶液を覚醒して
いるマウスに尾部静脈から静注した。投与後3日間マウスを観察し、急性毒性 [L
D50 (mg/kg体重)]を評価した。結果を表5に示す。
【表5】 分子中のスルホン酸基の数の増加又はナトリウム塩への転化は急性毒性を著し
く低下させた。
【0102】 本発明の近赤外蛍光造影剤は励起光によって励起され近赤外蛍光を放射する。
この赤外蛍光は生物組織の透過に優れている。従って、生体の深い部分の病変の
検出が可能となった。さらに、本発明の造影剤は水溶性及び低毒性の点で優れて
いるため、安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 化合物の投与24時間後の蛍光イメージングを示す写真である。A:IC
G (5 mg/kg)が投与された。
【図2】 化合物の投与24時間後の蛍光イメージングを示す写真である。B:NK
-1967 (5 mg/kg)が投与された。
【図3】 化合物の投与24時間後の蛍光イメージングを示す写真である。C:化
合物 (29) (0.5 mg/kg)が投与された。
【図4】 化合物の投与24時間後の蛍光イメージングを示す写真である。D:
化合物 (6)カリウム塩 (5 mg/kg)が投与された。
【図5】 化合物の投与24時間後の蛍光イメージングを示す写真である。E:
化合物 (31) (5 mg/kg)が投与された。
【図6】 化合物 (5 mg/kg) の投与20秒後及び5分後の蛍光イメージングを示
す写真である。A:ICG (20秒後)が投与された。
【図7】 化合物 (5 mg/kg) の投与20秒後及び5分後の蛍光イメージングを示
す写真である。B: ICG (5分後)が投与された。
【図8】 化合物 (5 mg/kg) の投与20秒後及び5分後の蛍光イメージングを示
す写真である。C:化合物 (29) (20秒後)が投与された。
【図9】 化合物 (5 mg/kg) の投与20秒後及び5分後の蛍光イメージングを示
す写真である。D: 化合物 (29) (5分後)が投与された。
【図10】 化合物の投与0.5、1、4及び24時間後の血漿中化合物濃度を示す
グラフである。縦軸は各時点における血漿中の化合物の濃度 (μg/ml)を示す。
【図11】 化合物(29)の赤外吸収スペクトルを示すチャートである。
【図12】 化合物(31)の赤外吸収スペクトルを示すチャートである。
【図13】 化合物(6)の赤外吸収スペクトルを示すチャートである。
【図14】 化合物(54)の赤外吸収スペクトルを示すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 奥村 正文 滋賀県大津市千野一丁目4−21 (72)発明者 稲垣 由夫 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 原田 徹 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4C085 HH01 HH11 JJ02 LL18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式の化合物からなる群から選択される少なくとも1個の化
    合物を含む近赤外蛍光造影剤。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】
  2. 【請求項2】 以下の式で表される化合物を含む近赤外蛍光造影剤。 【化8】
  3. 【請求項3】 以下の式で表される化合物を含む近赤外蛍光造影剤。 【化9】
  4. 【請求項4】 以下の式で表される化合物を含む近赤外蛍光造影剤。 【化10】
  5. 【請求項5】 以下の式で表される化合物を含む近赤外蛍光造影剤。 【化11】
  6. 【請求項6】 以下の式で表される化合物を含む近赤外蛍光造影剤。 【化12】
  7. 【請求項7】 以下の式で表される化合物を含む近赤外蛍光造影剤。 【化13】
  8. 【請求項8】 以下の式で表される化合物を含む近赤外蛍光造影剤。 【化14】
JP2001544917A 1999-12-15 1999-12-15 近赤外蛍光造影剤及び蛍光イメージング Pending JP2003517025A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/EP1999/009959 WO2001043781A1 (en) 1999-12-15 1999-12-15 Near infrared fluorescent contrast agent and fluorescence imaging

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003517025A true JP2003517025A (ja) 2003-05-20

Family

ID=8167530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001544917A Pending JP2003517025A (ja) 1999-12-15 1999-12-15 近赤外蛍光造影剤及び蛍光イメージング

Country Status (19)

Country Link
EP (1) EP1237583A1 (ja)
JP (1) JP2003517025A (ja)
KR (1) KR20020082207A (ja)
CN (1) CN1217701C (ja)
AU (1) AU2097500A (ja)
BG (1) BG106822A (ja)
BR (1) BR9917587A (ja)
CA (1) CA2394539C (ja)
EA (1) EA200200635A1 (ja)
EE (1) EE200200321A (ja)
HU (1) HUP0204024A2 (ja)
IL (1) IL149798A0 (ja)
MX (1) MXPA02005806A (ja)
NO (1) NO328630B1 (ja)
PL (1) PL355891A1 (ja)
SK (1) SK8142002A3 (ja)
TR (1) TR200201567T2 (ja)
WO (1) WO2001043781A1 (ja)
YU (1) YU44402A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005220045A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 蛍光造影剤
JPWO2005061456A1 (ja) * 2003-12-19 2007-07-12 コニカミノルタエムジー株式会社 近赤外蛍光造影剤
WO2008088002A1 (ja) * 2007-01-18 2008-07-24 Olympus Corporation 蛍光観察装置および蛍光観察方法

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8344158B2 (en) * 2007-08-15 2013-01-01 Washington University Fluorescent polymethine cyanine dyes
US20090214436A1 (en) 2008-02-18 2009-08-27 Washington University Dichromic fluorescent compounds
US8401618B2 (en) 2009-08-28 2013-03-19 Visen Medical, Inc. Systems and methods for tomographic imaging in diffuse media using a hybrid inversion technique
JP2011046663A (ja) 2009-08-28 2011-03-10 Fujifilm Corp 近赤外蛍光造影剤
US8401619B2 (en) 2009-09-22 2013-03-19 Visen Medical, Inc. Systems and methods for virtual index-matching of diffusive media
WO2011088392A2 (en) * 2010-01-14 2011-07-21 The Regents Of The University Of California Devices, systems and methods to detect and reduce or prevent entry of inflammatory mediators into milk ducts
GB201010878D0 (en) 2010-06-29 2010-08-11 Ge Healthcare As Dye compositiion and dye syntheses
EP3338617B1 (en) 2012-01-23 2020-08-19 Washington University Goggle imaging systems and devices
US10743768B2 (en) 2012-10-15 2020-08-18 Visen Medical, Inc. Systems, methods, and apparatus for imaging of diffuse media featuring cross-modality weighting of fluorescent and bioluminescent sources
US20170232119A1 (en) 2013-03-15 2017-08-17 Purdue Research Foundation Synthesis and composition of amino acid linking groups conjugated to compounds used for the targeted imaging of tumors
CA2903994C (en) 2013-03-15 2017-08-22 Philip S. Low Synthesis and composition of amino acid linking groups conjugated to compounds used for the targeted imaging of tumors
CA2935690A1 (en) 2013-12-31 2015-07-09 Memorial Sloan Kettering Cancer Center Systems, methods, and apparatus for multichannel imaging of fluorescent sources in real-time
CA2970719C (en) 2014-12-15 2023-08-01 Memorial Sloan Kettering Cancer Center Cyclic peptides with enhanced nerve-binding selectivity, nanoparticles bound with said cyclic peptides, and use of same for real-time in vivo nerve tissue imaging
US10806804B2 (en) 2015-05-06 2020-10-20 Washington University Compounds having RD targeting motifs and methods of use thereof
TWI702259B (zh) * 2015-06-03 2020-08-21 法商瑟吉麥博股份公司 螢光綴合物
CN105222828B (zh) * 2015-09-30 2017-05-24 东南大学 一种贴壁射流速度场和浓度场的同步测量装置与方法
AU2016374246A1 (en) 2015-12-15 2018-06-28 Cornell University Imaging systems and methods for tissue differentiation, e.g., for intraoperative visualization
AU2017368005A1 (en) 2016-11-30 2019-06-20 Cornell University Inhibitor-functionalized ultrasmall nanoparticles and methods thereof
CA3095410A1 (en) 2018-03-30 2019-10-03 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Systems and methods for 3d reconstruction of anatomical organs and inclusions using short-wave infrared (swir) projection tomography
US11712482B2 (en) 2019-12-13 2023-08-01 Washington University Near infrared fluorescent dyes, formulations and related methods
US11964965B2 (en) * 2020-05-08 2024-04-23 On Target Laboratories, LLC Methods of manufacture and synthesis of fluorescent dye compounds and uses thereof
EP4015004A1 (en) 2020-12-18 2022-06-22 Phi Pharma SA Proteoglycan specific branched peptides
CN114459862A (zh) * 2022-01-13 2022-05-10 华腾实业(深圳)股份有限公司 一种高识别的真菌荧光染色液

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5403928A (en) * 1990-05-15 1995-04-04 Diatron Corporation Fluorescent marker components and fluorescent probes
US5968479A (en) * 1995-01-30 1999-10-19 Daiichi Pure Chemicals Co., Ltd. Diagnostic marker
JP2000095758A (ja) * 1998-09-18 2000-04-04 Schering Ag 近赤外蛍光造影剤および蛍光造影方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005061456A1 (ja) * 2003-12-19 2007-07-12 コニカミノルタエムジー株式会社 近赤外蛍光造影剤
JP2005220045A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 蛍光造影剤
WO2008088002A1 (ja) * 2007-01-18 2008-07-24 Olympus Corporation 蛍光観察装置および蛍光観察方法
US8049184B2 (en) 2007-01-18 2011-11-01 Olympus Corporation Fluoroscopic device and fluoroscopic method

Also Published As

Publication number Publication date
TR200201567T2 (tr) 2002-11-21
CN1384760A (zh) 2002-12-11
YU44402A (sh) 2005-03-15
EA200200635A1 (ru) 2002-12-26
HUP0204024A2 (en) 2003-04-28
WO2001043781A1 (en) 2001-06-21
EP1237583A1 (en) 2002-09-11
IL149798A0 (en) 2002-11-10
NO20022837D0 (no) 2002-06-14
KR20020082207A (ko) 2002-10-30
NO20022837L (no) 2002-06-14
CA2394539A1 (en) 2001-06-21
AU2097500A (en) 2001-06-25
SK8142002A3 (en) 2002-12-03
BG106822A (bg) 2003-01-31
CN1217701C (zh) 2005-09-07
NO328630B1 (no) 2010-04-12
BR9917587A (pt) 2002-08-06
EE200200321A (et) 2003-10-15
CA2394539C (en) 2009-10-27
PL355891A1 (en) 2004-05-31
MXPA02005806A (es) 2010-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1113822B1 (en) Near infrared fluorescent contrast agent and fluorescence imaging
JP2003517025A (ja) 近赤外蛍光造影剤及び蛍光イメージング
RU2350355C2 (ru) Флюоресцентный контрастирующий агент ближней инфракрасной области спектра и способ флуоресцентной томографии
US7547721B1 (en) Near infrared fluorescent contrast agent and fluorescence imaging
CA2413033A1 (en) Near infrared fluorescent contrast agent and fluorescence imaging
JP3507060B2 (ja) 近赤外蛍光造影剤及び蛍光イメージング
US20030180221A1 (en) Near infrared fluorescent contrast agent and fluorescence imaging
JP2005120026A (ja) 近赤外蛍光造影剤
JP2005145819A (ja) 蛍光造影剤および体外蛍光造影方法
CZ2001987A3 (cs) Fluorescenční kontrastní činidlo vyzařující záření v blízké infračervené oblasti a použití tohoto činidla při fluorescenčním zobrazování
CZ20022092A3 (cs) Fluorescenční kontrastní činidlo vyzařující záření v blízké infračervené oblasti a použití tohoto činidla při fluorescenčním zobrazování
NZ525453A (en) Near infrared fluorescent contrast agent useful for fluorescence imaging of tumour or in angiography