JP2003515411A - 改良構造を持つ使い捨ての水蒸気透過性・液体不透過性マットレスカバーアセンブリ - Google Patents

改良構造を持つ使い捨ての水蒸気透過性・液体不透過性マットレスカバーアセンブリ

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、マットレスを完全に包み込むことのできる保護用カバーを形成するための使い捨てマットレスカバーアセンブリに関連する。使い捨てマットレスカバーアセンブリは、保護用マットレスカバーを形成するため協働結合手段により連結される第１および第２層を含む。本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリには、使いやすさとともに水蒸気透過性が液体不透過性と組み合わされることが望ましい多様な用途が見出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （発明の分野） 本発明は、水蒸気透過性かつ液体不透過性であり改良構造を含む保護用使い捨
てマットレスカバーに関する。本発明による保護用マットレスカバーは、水蒸気
透過性と液体不透過性との組合せが望ましい場合において多様な用途を持つ。
【０００２】 （発明の背景） マットレスカバー、特にベッドマットレスカバーは、当該技術では周知である
。このような製品の主な用途は、例えば病院、ホテル、レンタルハウスなど、マ
ットレスが多様なユーザに使用されることが予想される環境において、マットレ
ス、特にベッドマットレスや、枕、クッション、羽毛布団、室内装飾材料を、汚
染物質、例えば埃、液体、体液から保護することである。周知のマットレスカバ
ーは、マットレスを完全に包み込む構造、または、ベッドマットレス、クッショ
ン、枕の上表面に対応する保護すべきマットレスの外表面の少なくとも一部、一
般的には使用時にユーザと直接または間接的に接触することが予想されるマット
レス表面の少なくとも一部を被覆する層のいずれかとして設けられる。このよう
なマットレスカバーは、例えば上述のように実質的には上面に制限されるような
部分的な被覆や、マットレスの完全な被覆が可能な保護被覆材をマットレスに設
けるためにユーザが使用するためのものである。 最近のマットレスカバーはまた、温度と栄養状態の点で望ましい環境条件であ
るマットレスの一般的に上または中の埃に生息するイエダニを制御するための、
アレルゲンバリヤとして作用することが提案されている。
【０００３】 チリダニとしても知られるイエダニが、アレルギーを引き起こすだけでなく喘
息などの病状に悪い影響を与えるハウスダストアレルゲンの原因であることは、
長年にわたって明らかにされている。このような状態を制御するには、アレルゲ
ン制御手段の使用が有効であることも、すでに明らかにされている。アレルゲン
が外に出るのを防止するようにダニを封入するためのアレルゲン不透過性被覆材
は、ベッドマットレス、枕、クッション、羽毛布団、室内装飾材料などのマット
レスに、長年、使用されてきている。そのため、チリダニに対するアレルゲンバ
リヤとして使用されるマットレスカバーは、チリダニと関連アレルゲンからユー
ザを隔離するようにマットレスを完全に包み込まなければならない。 マットレスカバーは人体と直接または間接的に（例えばベッドシートや枕カバ
ーなどの別の中間層を介して）接触し、そのためこのようなカバーが、外部物質
に対する望ましい保護をマットレスに与えるため液体不透過性であることに加え
て、快適性のため水蒸気透過性を持つことが重要である。チリダニに対するバリ
ヤとして使用される時には、アレルゲンバリヤ能力も持たなければならない。 また、マットレスが使い捨てであること、つまり使用後に洗濯せずに廃棄でき
ることが望ましい。
【０００４】 液体不透過性と通気性つまり水蒸気透過性とを同時に備えるか、少なくとも完
全な通気性ではなくてもある程度の空気循環を可能にする使い捨てマットレスカ
バーの例は、当該技術で様々なものが周知である。 例えばＵＳ５７２７２６６には、通気孔を有する液体・水蒸気不透過性材料で
製造され、空気透過性材料の表面層がカバーの上面に設けられた、枕やクッショ
ンを完全に包み込むためのカバーが記載されている。 二層の積層構造で構成された使い捨ての保護用衣類または寝具も、通気性があ
り特に柔軟性を持つと、ＣＡ２０８３６３０に記載されている。 またＦＲ２７４７８９９には、ベッドマットレスの一般的に上面を被覆するた
めのシート形状の、通気性を持つ使い捨て積層ベッドカバーが開示されている。 ＵＳ５９５０２６４には、チリダニと関連アレルゲンに対するバリヤ能力を持
つ寝具のための、通気性と弾性を備えた再使用可能な被覆材が記載されている。
この被覆材は、弾性と通気性を備えるポリマーフィルムに積み重ねられた弾性の
伸縮ニット布で製造された積層構造を含む。
【０００５】 そのため、上述したものなど、先行技術から周知のマットレスカバーは、液体
不透過性かつ水蒸気透過性であり、本質的な相対的弱さから通常はマットレスを
部分的に包み込む、一般的にはマットレスの上面を被覆するための、使い捨てで
軽量かつ安価な構造か、あるいはマットレスを完全に包み込むことのできる構造
のいずれかである。しかし後者の場合、周知のカバーは、上述したＵＳ５７２７
２６６に記載されたように正確には水蒸気透過性を備えないか、ＵＳ５９５０２
６４に記載されたように、予想される用途に耐えるのに十分な強度を持つ一方で
かなり高価で複雑な再使用可能構造を含む。使い捨てでない構造とは、使用期間
中、定期的に洗濯または殺菌される必要があることを意味する。ＵＳ５９５０２
６４に記載されたものなど、マットレスを完全に包み込むためのマットレスカバ
ーも、ベッドマットレスの場合は特に、周知である従来の寸法のマットレスが比
較的大きな寸法であるため、使用が困難である。
【０００６】 そのため、使い捨てであるため安価で簡単な構造であり、液体不透過性かつ水
蒸気透過性を備え、ベッドマットレスなど従来のマットレスのための完全な被覆
材として容易に使用でき、それゆえ、コスト、ユーザー快適性、製造と使用の容
易さといった軽量使い捨て構造の長所を、マットレスを完全に包み込むカバーに
よって得られる保護性の向上と組み合わせたマットレスカバーの必要性が存在す
る。 このような構造は、チリダニと関連アレルゲンに対するバリヤにもなることが
望ましい。 そのため本発明の目的は、改良構造により上述した問題を克服する、マットレ
スを完全に包み込むための使い捨てで液体不透過性かつ水蒸気透過性の保護用マ
ットレスカバーを形成するための使い捨てマットレスカバーアセンブリを提供す
ることである。 本発明の別の目的は、液体不透過性であり、さらに水蒸気透過性が最も望まし
い場合に水蒸気透過性を備える、マットレスを完全に包み込むための使い捨ての
保護用マットレスカバーを形成するための使い捨てマットレスカバーアセンブリ
を提供することである。
【０００７】 （発明の概要） 本発明は、マットレスを完全に包み込む保護用カバーを形成するための使い捨
てマットレスカバーアセンブリに関する。使い捨てマットレスカバーアセンブリ
は、使用まで分離した第１層と第２層とを含み、第１層と第２層とは外周を有す
る。 第１層は、マットレスを完全に包み込むカバーを形成するため、第２層の協働
結合手段と協働するための結合手段を含み、第１層と第２層の少なくとも一方は
水蒸気透過性かつ液体不透過性の材料を含む。 本発明はさらに、マットレスカバーアセンブリを形成する単一の層に関する。 本発明によれば、使用までは分離しているが、二層間に収納されるマットレス
を完全に包み込むための保護カバーを形成するために、ユーザーが連結できる第
１および第２層を含む使い捨てマットレスカバーアセンブリが提供される。二層
のうち少なくとも一方は、水蒸気透過性で液体不透過性の材料を含み、そのため
、結果的に、表面の少なくとも一部に液体不透過性と水蒸気透過性を備えるマッ
トレスカバーが得られる。
【０００８】 「マットレス」の語は、本明細書で使用する時、例えば木綿、毛髪、羽毛、気
泡ゴム、コイルばね装置などの弾性材料が充填された布製ケースを指し、そのた
め特にベッドマットレスを含むが、枕、クッション、掛け布団、羽毛布団、ベッ
ドやソファの安楽部（頭板など）、肘掛椅子も含む。 本発明の文脈では、「アセンブリ」の語は、使用まで分離しており、マットレ
スを完全に包み込むためマットレスカバーを形成するようにユーザーによって組
み立てられる個別要素の集合体を示す。「キット」の語は、本発明の文脈では「
アセンブリ」に代わるものとして使用され、上述したものと同じ意味を持つ。 「使用」の語は、本明細書で使用する時、使い捨てマットレスカバーアセンブ
リ、つまりこのアセンブリを形成する個別要素をユーザーが手に取り、マットレ
スを完全に包み込むためのマットレスカバーを形成するように連結される時間を
指す。
【０００９】 「使用まで分離」という語は、本明細書で使用する時に、個別要素、つまり、
マットレスを完全に包み込むマットレスカバーを形成するように連結されるため
、相互にほぼ独立した位置にある使い捨てマットレスカバーアセンブリの第１お
よび第２層を指す。これは、使用前には別個で独立している二つの層による好ま
しい事例、つまりマットレスカバーを形成するために連結される前の、本発明に
よる使い捨てマットレスカバーアセンブリを含む。 これはまた、マットレスを完全に包み込むマットレスカバーを形成するため、
第１層が最初に表面に載置され、続いて第２層に触れるつまり第２層を移動させ
る必要なく上にマットレスを配置し、最後に第２層をマットレスの上に配置して
、例えば各外周の残る主要部分に沿った協働結合手段により、二つの層を完全に
結合するという方法で、二つの層が使用前に各外周の非主要部分に沿って部分的
に結合されるという事例を含む。例えば、本発明による使い捨てマットレスカバ
ーアセンブリの第１および第２層は、使用前に矩形の一辺に対応する共通の側縁
に沿って結合されたほぼ同一の２枚の矩形平坦層である。第２層が横に開かれた
状態で第１層が表面に載置され、マットレスが第１層に置かれ、最後に第２層が
マットレスの上に折り返されて、外周により形成される矩形の残る３辺に沿って
協働結合手段により第１層に結合される。
【００１０】 これはまた、別個の互いに分離した第１および第２層が一緒にユーザーに提供
され、例えば相互に接触した単一のパッケージで販売される場合を含むが、それ
は、いかなる場合にも、これらの層は後で組み立てられるとマットレスカバーを
形成するように最初は分離されているからである。 「結合された」、「固着された」、「装着された」の語は、本明細書で使用さ
れる時、第１部材が第２部材へ直接に接続される構造と、第１部材を単数または
複数の中間部材に接続し、次に中間部材を第２部材に接続することにより、第１
部材が第２部材へ間接的に接続される構造とを包含する。
【００１１】 図１は、図２のマットレスカバー２４を形成するように連結される前の、本発
明による使い捨てマットレスカバーアセンブリ１０の好ましい実施態様の展開図
である。図１には、本明細中に図示された好ましい実施態様では周知の平行六面
体形状を持つベッドマットレスであり、マットレスカバーアセンブリ１０から形
成されるマットレスカバー２４に完全に包み込まれるためのマットレス１２も示
されている。好ましい実施態様に図示されるベッドマットレスカバーアセンブリ
であるマットレスカバーアセンブリ１０は、使用までは別個で分離した第１層１
４と第２層１６とを含み、両層１４，１６はそれぞれ外周１８ａ，１８ｂを含む
。
【００１２】 原則的に第１および第２層はともに、マットレスを完全に包み込むためのマッ
トレスカバーへとユーザーに連結された時に、固有の可撓性のため適当な三次元
形状を取ることのできる平坦な平面状の層でよいが、好ましくは、層が連結され
た時にマットレスを完全に包み込むマットレスカバーを形成でき、このカバーが
マットレスの特定形状により適切に合致する包括形状を持つように、該第１およ
び該第２層の少なくとも一方が、すでに三次元形状に成形された使い捨てマット
レスカバーアセンブリとして設けられることである。第１層および／または第２
層の該「予備成形された」三次元形状はこのようなものであるが、袋、バッグ、
管と同様の形状を持つ第１および第２層にマットレスが実際に挿入されなければ
ならないことを意味するのではない、つまり好ましい予備成形三次元形状は主要
面または部分を一つ有するだけでよい。
【００１３】 言うまでもなく、当業者には周知のように、本発明による使い捨てマットレス
カバーアセンブリの第１および第２層に関する「三次元形状にすでに成形された
」という表現は、例えば層を形成するシート状材料を当該技術では周知の方法で
適切に接合、縫い綴じ、接着することにより、または例えば平面層の外周の少な
くとも一部に沿って弾性ゴムまたは糸を層に含めることにより、層がこの形状と
なるように予め用意されることを意味しており、一般的にそれ自体は三次元形状
を維持できない可撓性材料で製作されているので、実際に単独でこの形状を持つ
必要はない。
【００１４】 図１に図示された本発明の好ましい実施態様では、第１層１４と第２層１６は
ともに、ベッドマットレス１２の周知の平行六面体形状と類似した平行六面体ボ
ックスを半分にした2つのものの各々にほぼ対応する三次元形状にすでに成形さ
れたものとして、ベッドマットレスカバーアセンブリ１０に設けられ、そのため
ベッドマットレス１２を完全に包み込むのに適している。図１に示すように各層
１４，１６は、ボックスの各主要面に対応する主要部または主要面Ｓ１，Ｓ２と
、主要面に隣接したボックスの四つの非主要面各々の二分の一に各々がほぼ対応
する四つの非主要部ｓとを含み、二つの層が組み立てられると、図２により分か
りやすく図示されているように、平行六面体のボックス形状を持つマットレスカ
バー２４を形成する。
【００１５】 あるいは本発明によれば、使い捨てマットレスカバーアセンブリの第１および
第２層について他の実施態様が可能である。例えば、図１と図２に図示されたも
のと類似した最終的な「ボックス形状」を持つベッドマットレスカバーを形成で
きるベッドマットレスカバーアセンブリにおいては、第１層が実質的にボックス
の一主要面に対応する主要部Ｓ１のみを含み、第２層が実質的にボックスの第２
主要面に対応する主要部Ｓ２と、両主要面に隣接するボックスの四つの非主要面
すべてに対応する四つの非主要部とを含む。言うまでもなく、様々な形状のマッ
トレスをより良好に収納するように、マットレスを完全に包み込むマットレスカ
バーを形成するための使い捨てマットレスカバーアセンブリを設けるために、他
の組合せも可能である。
【００１６】 第１層１４は、図１の好ましい実施態様において、各外周１８ａに沿って設け
られ、図１の好ましい実施態様では第２層１６の各外周１８ｂに沿って設けられ
た第２層１６の協働結合手段２２と協働することを目的とする結合手段２０を含
む。言うまでもなく、それぞれ図１の要素２０と２２を指す「結合手段」と「協
働結合手段」の語は、互換性を持ち、手段２０と２２を集合的に「協働結合手段
」と呼ぶこともできる。 第１層１４の結合手段２０を第２層１６の協働結合手段に結合することにより
、本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリ１０の第１および第２層１
４がユーザーによって連結されると、二つの層は実際には共通の周１８に沿って
接合され、マットレス、例えば図２に示されたベッドマットレス１２を完全に包
み込むカバー２４を形成する。
【００１７】 本発明によれば、マットレス、特に図１と２に図示された実施態様ではベッド
マットレス１２を完全に包み込むカバーを形成するには、ユーザーが使い捨てマ
ットレスカバーアセンブリ１０の第１層１４を手に取り、一般的にはこれを表面
、望ましくは平坦な表面に載置する。マットレスが実際にはベッドマットレスで
ある図１に図示された事例では、この表面はベッドマットレスが配置されるベッ
ド構造、通常はベッドフレームに対応すると好都合であるが、違う種類のマット
レスについては別の表面であってもよい。次にユーザーはベッドマットレス１２
を第１層１４の上に置き、第１層１４の中央に配置し、第１層１４の側面部ｓを
マットレス１２の側面に平行となるように正しく配置する。続いて、各外周１８
ｂに沿った結合手段２２が第１層１４の外周１８ａに沿った協働結合手段２０と
接触するように各側面部ｓが配置された状態で、第２層１６をマットレス１２の
上に置く。最後にユーザーは、協働結合手段２０，２２により第１層１４を第２
層１６に接合し、こうしてベッドマットレス１２を完全に包み込む使い捨てベッ
ドマットレスカバー２４を形成する。
【００１８】 協働結合手段２０，２２は、マットレスを完全に包み込むマットレスカバーを
形成するため第１および第２層を安全かつ効果的に接合できるものであれば、当
該技術で周知の任意の好ましい結合手段でよい。 本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリ１０の第１および第２層１
４，１６の協働結合手段２０，２２は、協働結合手段２０，２２自体、または協
働結合手段が配置された第１および第２層１４，１６の構造を破壊または損壊せ
ずに、協働結合手段２０，２２のシールをはがすことができるという点で、取り
外せることが望ましい。シールがはがされてから同じ第１および第２層１４，１
６の間で再度、シールが構成されるように、あるいは層の一方を交換した後で、
協働結合手段２０，２２が再締結可能であると、さらに好都合である。 協働結合手段２０，２２が密着シールとなるようなものであると、さらにまた
好都合である。
【００１９】 このような協働結合手段２０，２２は、例えば、層の一方の連続的または不連
続的なパターンなどの接着剤範囲と、接着剤が接着する予定の他層の対象区分と
を含む。接着剤の乾燥や対象区分ではない別の表面に前もって接着することを防
止するため、接着範囲は、剥離紙によって使用まで保護することができる。例え
ば感圧接着剤など、当該技術で周知の適当な接着剤や糊であれば、任意のものが
当分野で使用できる。協働結合手段はまた、それ自身のみに接着可能な、第１お
よび第２層上の接着剤の範囲を含み、これにより保護剥離紙の使用を回避する。
あるいはＶＥＬＣＲＯの商標で市販されているようなフックループファスナとい
ったファスナ、スナップまたはホルダ、ボタン、糸、ひもなどの機械的締結手段
が使用できる。また、ＺＩＰＬＯＫの商標で市販されているものなどのプラスチ
ックファスナは、特に好適である。
【００２０】 本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリ１０から形成される使い捨
てマットレスカバー２４に液体不透過性とともに通気性を与えるため、第１層１
４と第２層１６の少なくとも一方は、液体不透過性で水蒸気透過性、望ましくは
空気透過性の材料を含む。使い捨てベッドマットレスアセンブリ１０を形成する
層１４，１６の液体不透過性は、包まれたマットレスを埃、液体、一般的に体液
から保護するので、有益である。この種のマットレスが人体と直接的または間接
的に接触する限り、快適性のために水蒸気透過性は重要である。 本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリの層は、チリダニや関連す
るアレルゲンに対するバリヤとなって、マットレスカバーから外に出るのを防止
するようなものであることが望ましい。この場合、協働結合手段は密着シールと
なることが望ましい。
【００２１】 本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリの層に適当な材料はまた、
さらに感触が良く、柔軟で、たっぷりのひだがあると、好都合である。 本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリ１０の長所は、マットレス
を完全に包み込むマットレスカバー２４を簡単に成形できることで、これは、例
えば図１と図２に図示されたベッドマットレス１２など寸法と重量がかなり大き
いマットレスの場合には、特に有益である。事実、すでに部分的にまたは完全に
成形されたマットレスカバーの開口部からマットレスを挿入する必要はないが、
この挿入作業は、ベッドマットレスなどの大型で重いマットレスの場合は特に困
難で、さらには、いかなる場合でも、この作業で加えられる応力に耐えるため、
カバーを形成する材料がかなり丈夫であることが必要となる。
【００２２】 対照的に、本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリでは、より軽量
で安価な材料をアセンブリの第１および第２層に使用することが可能で、使い捨
てマットレスカバーアセンブリという点では有益である。さらに、本発明による
マットレスカバーアセンブリの第１および第２層の材料は、使用中に必要とされ
る応力が低くてよいため、薄くすることができ、そのため液体不透過性と、望ま
しくはチリダニと関連アレルゲンとに対するバリヤ効果に加えて、良好な水蒸気
透過性を持つ一方で、柔軟でユーザーにとってより快適でもある。使用後のマッ
トレスカバー部品の処分でも、材料の浪費が少ない。
【００２３】 本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリでは、第１および第２層が
異なる材料を含むことが可能である。例えば、使用時にユーザーと直接または間
接的に接触を意図する層のみ、例えば図１と図２の実施態様では第２層１６のみ
が、液体不透過性かつ水蒸気透過性であるのに対して、他の層、つまり図示され
る実施態様では第１層１４が、水蒸気透過性を備えない安価な液体不透過性材料
を含むことが可能である。両層とも一般的に、上述のように薄く柔軟でありなが
ら、必要とされる機能を発揮する。
【００２４】 本発明による使い捨てマットレスカバーの別の長所は、第１および第２層がと
もに使い捨てであり、ゆえに使用後に洗濯したり再び手入れされるのでなく、処
分されることが予想されるが、それでも二層のうちの一方を他方よりも頻繁に交
換できるということである。例えば、ベッドマットレスカバーアセンブリと各ベ
ッドマットレスカバーとに関連する図１と図２に図示された本発明による実施態
様では、一般的に人体と直接または間接的に接触することが予想される第２層１
６を、第１層１４よりも頻繁に処分および交換できる。言うまでもなく、この好
ましい実施態様では、第１層１４と第２層１６との間の接合を安全に破断し、続
いて新しい第２層１６と依然として最初の位置にある第１層１４との間に新たな
接合を形成するため、協働結合手段２０、２２は再締結可能である。これにより
材料の浪費が少なくなるが、これは両層１４、１６が液体不透過性かつ水蒸気透
過性の材料を含む際には特に有益で、使いやすさも向上する。
【００２５】 図１と図２に図示された本発明の好ましい実施態様では、第１および第２層１
４、１６の協働結合手段２０、２２は各外周１８ａ、１８ｂに沿った位置にある
。しかし、カバーがチリダニや関連のアレルゲンに対するバリヤとならなければ
ならない場合には密着シールを備えることが望ましく、マットレスを完全に包み
込むマットレスカバーを成形するように層が結合されるのであれば、これら手段
は別の位置にあってもよい。例えば、図１に図示されるものと類似したベッドマ
ットレスカバーアセンブリの好ましい事例には、第１および第２層の各々は、伸
縮自在の角部を持つ略矩形シートにより構成される周知のベッドマットレスカバ
ーのものと類似した構造を持つ。第１および第２層の各々は、周知の方法でベッ
ドマットレスの各上側および下側主要面に取り付けられ、マットレスの側面と伸
縮自在の角部により反対側の主要面の一部も被覆し、こうして当該技術で周知の
ように、安全で着脱自在にマットレスへ接続される。第１および第２層は、マッ
トレスの側面の少なくとも一部に対応して相互に重複し、ともにマットレスを完
全に包み込む。一方の層の結合手段は、例えば各外周に沿って、または該外周の
若干内側に位置し、他の層の協働結合手段は、層の間を接合してベッドマットレ
スを完全に包み込むベッドマットレスカバーを成形するのに好適な位置に設けら
れる。例えば、協働結合手段は、図２に図示された共通の周１８の位置に対応す
る線に沿って、それぞれ第１および第２層に位置する。
【００２６】 本発明による使い捨てマットレスカバーの第１および第２層１４，１６は、液
体バリヤ、そして望ましくはチリダニと関連アレルゲンに対するバリヤにもなり
、さらに水蒸気透過性、望ましくは空気透過性を備え、柔軟性、厚み、強度に関
して必要な性質を持つ、任意の好ましい周知の材料または構造を含む。このよう
な構造または材料は、単一の層、または複合体を形成するように積み重ねられた
一般的には異なる材料の複数層を含む。一例は、例えば不織層などの繊維層に積
み重ねられた熱可塑性の微小多孔性フィルムである。 特に好ましい材料は、材料内の通気孔または孔から水蒸気を通さず、フィルム
の水蒸気濃度が高い側の水を吸収してフィルムの水蒸気濃度が低い反対側で水を
脱着つまり蒸発させることにより、フィルムを通してかなりの量の水蒸気を透過
させる、「モノリシックフィルム」としても知られる親水性連続フィルムである
。本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリの第１および／または第２
層に含まれる複合構造を形成するため、モノリシックフィルムはこのように、ま
た望ましくは一つ以上の他の水蒸気透過性材料と組み合わされて使用できる。
【００２７】 他の水蒸気透過性材料には、繊維、繊維状のバット、不織布、織布、紙、微小
多孔性または多孔性のフィルム、ポリマーフィルムなどのフィルム、穿孔または
有孔フィルムや紙、巨視的に拡大されたフィルム、布などを含むが、これらに限
定されない。 この他の要素は、非吸収性、吸収性、液体含有性などでもよい。 上述した複合構造は、少なくとも１００ｇ／ｍ2・２４ｈ、より望ましくは少
なくとも３００ｇ／ｍ2・２４ｈ、最も望ましくは少なくとも５００ｇ／ｍ2・２
４ｈの水蒸気透過率を持つことが望ましい。 本発明による使い捨てマットレスカバーの第１および第２層に使用できる周知
の液体不透過性材料、水蒸気透過性材料、複合体の例は、以下に挙げる資料に開
示されているものである。
【００２８】 ＷＯ９５／１６７４６には、ａ）ブロックコポリエーテルエステル、ブロック
コポリエーテルアミド（例えばＰｅｂａｘ（商標））、ポリウレタンおよび、ｂ
）ａと不相液である熱可塑性ポリマーおよび、ｃ）融和剤との混合物から調整さ
れたフィルムが開示されている。フィルムは液体不透過性で、１日あたり約７０
０ｇ／ｍ2の水蒸気透過性を持つ。またＵＳ５，４４７，７８３には、少なくと
も三つの層を持つ、蒸気透過性で耐水性の多成分フィルム構造が開示されている
。外層は、１．３〜７．６マイクロメートルの厚さと４００〜２５００ｇ／ｍ2
・２４ｈのＷＶＴＲとを持つ疎水性のコポリエーテルエステルエラストマであり
、内層は７．６〜１５２マイクロメートルの厚さと少なくとも３５００ｇ／ｍ2
・２４ｈのＷＶＴＲとを持つ親水性コポリエーテルエステルエラストマである。 ＵＳ５，４４５，８７５には、耐水性で血液とウイルスを通さない通気性の積
層体が開示されている。この積層体は、織布／不織布と、約１ミル（２５．４マ
イクロメートル）の厚さを持つＨｙｔｒｅｌ（商標）などの押出し成形フィルム
とを含む。
【００２９】 他の複合積層体は、例えば織布の外層と微小多孔性ポリウレタン膜の内層とを
含む外科手術着用の三層布が開示されたＵＳ５，５９９，６１０に記載されてい
る。微小多孔性フィルムは、１２〜５５マイクロメートルの厚さと、直立状態で
１１００ｇ／ｍ2・２４ｈ、逆向きで５５００ｇ／ｍ2・２４ｈ（ＡＳＴＭ Ｅ９
６−Ｂ）のＭＶＴＲとを持つ。層を結合するには、ポリエーテルポリウレタン接
着剤が使用される。 同様に、ＵＳ５，５３２，０５２には、不織布材に積み重ねることができる水
分透過率の高い医療用フィルムが開示されている。積層フィルムは、ポリエーテ
ルエステルコポリマーの第１層と、特定のポリマー群から選択された第２および
第３層とを含む。フィルムは７５０ｇ／ｍ2・２４ｈより高いＭＶＴＲ（ＡＳＴ
Ｍ Ｆ−１２４９）と、１ミル（２５．４マイクロメートル）未満、望ましくは
０．６ミル〜０．７５ミル（１５〜１９マイクロメートル）の厚さとを持つ。 ＵＳ４，９３８，７５２には、透水性が低く、５００ｇ／ｍ2・２４ｈの水蒸
気透過率（明確に記載された試験で測定）と、５〜３５マイクロメートルの厚さ
とを持つコポリエーテルエステルのフィルムを含む吸収剤が開示されている。支
持基材は開示されていない。
【００３０】 ＵＳ４，４９３，８７０には、少なくとも１０００ｇ／ｍ2・２４ｈのＭＶＴ
Ｒ（ＡＳＴＭ Ｅ９６−６６）を持ち、５〜３５マイクロメートルの厚さを持つ
コポリエーテルエステルのフィルムで被覆された製織材料を含む、可撓性を備え
る層状の耐水性製品が開示されている。 ＧＢ２０２４１００には、水蒸気透過性だが液体に対する耐性を持つ微小多孔
性で疎水性の外層と、１０００ｇ／ｍ2・２４ｈ以上のＭＶＴＲを持つポリエー
テルポリウレタンの親水性内層とを含む、可撓性を備える層状の耐水性品が開示
【００３１】 本発明の使い捨てマットレスカバーアセンブリの第１および第２層１４，１６
に含まれるのに特に好ましい材料は、我々による特許出願ＥＰ９８１１０５９７
．６とＥＰ９８１１０５９６．８とに記載された熱可塑性組成物と、この熱可塑
性組成物を含む、やはり同出願に記載された複合構造とである。
【００３２】 １９９８年６月９日に出願された「水蒸気透過構造のための低粘度・熱可塑性
組成物と、吸収剤での使用」という名称の、我々による特許出願ＥＰ９８１１０
５９７．６では、水蒸気透過性と液体不透過性という好ましい性質を持つ親水性
・水蒸気透過性・液体不透過性の連続層またはフィルム（「モノリシックフィル
ム」）を製造するための、熱可塑性組成物が開示されている。熱可塑性組成物は
、ポリウレタン、ポリ−エーテル−アミドブロックコポリマー、ポリエチレン−
アクリル酸コポリマー、酸化ポリエチレンとそのコポリマー、ポリラクチドとコ
ポリマー、ポリアミド、ポリエステルブロックコポリマー、スルホン化ポリエス
テル、ポリ−エーテル−エステルブロックコポリマー、ポリ−エーテル−エステ
ル−アミドブロックコポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸と誘導体、
イオノマー、ビニルアセテートの含有量が２８質量％を越えるポリエチレン−ビ
ニルアセテート、ポリビニルアルコールとそのコポリマー、ポリビニルエーテル
とそのコポリマー、ポリ−２‐エチル−オキサゾリンと誘導体、ポリビニルピロ
リドンとそのコポリマー、熱可塑性セルロース誘導体、またはこれらの混合物を
含む。
【００３３】 特に好ましい熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリ−エーテル−アミドブロック
コポリマー（例えばＰｅｂａｘ（商標））、熱可塑性ポリ−エーテル−エステル
−アミドブロックコポリマー、熱可塑性ポリエステルブロックコポリマー（例え
ばＨｙｔｒｅｌ（商標））、熱可塑性ポリウレタン（例えばＥｓｔａｎｅ（商標
））、またはこれらの混合物である。 このような熱可塑性ポリマーまたはポリマーの混合物は、一般的に、フィルム
や層を形成する周知のプロセス、例えば高出力スクリュー押出機による押出し成
形プロセスでは一般的であるプロセス条件では、溶融状態で一般的に高い粘度を
持つ。例えば、ＤＳＣ（示差走査熱量測定法）ピーク、または一つ以上のピーク
が見られるポリマーの混合物の事例では最高ＤＳＣピークに対応する温度である
ＤＳＣ溶融点を越える２０℃の温度と、１ラド／秒の頻度では、５０００ポアズ
より高い粘度を持つ。
【００３４】 熱可塑性ポリマーとの融和性を備え、溶融状態で熱可塑性ポリマーまたはポリ
マー混合物の粘度を下げる好適な可塑剤、または可塑剤の混合物を熱可塑性阻止
物に含有させることにより、好適な熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物の粘
度が調整されることが望ましい。 ＥＰ９８１１０５９７．６による、適当な可塑剤または可塑剤の混合物を含む
熱可塑性組成物は、以下の複素粘度（η＊）を持つ。 ２１０℃以下の温度において１ラド／秒の頻度で、５０ポアズ＜η＊＜４００
０ポアズ、望ましくは１００ポアズ＜η＊２０００ポアズ、より望ましくは１０
０ポアズ＜η＊１０００ポアズ、そして２１０℃以下のプロセス温度（Ｔ）にお
いて１０００ラド／秒の頻度では、η＊＜２０００ポアズ、望ましくはη＊＜１
０００ポアズ、より望ましくはη＊＜５００ポアズである。η＊は、熱可塑性ポ
リマー組成物の複素粘度を表す。望ましくは温度Ｔは２００℃以下、より望まし
くは１８０℃以下、最も望ましくは２００℃から５０℃である。
【００３５】 上記の複素粘度を持つ熱可塑性組成物により、親水性の連続水蒸気透過性、液
体不透過性の層またはフィルムを形成するという、好ましい熱可塑性ポリマーの
有益な特徴を維持しながら、必要な厚さを持つ層の低粘度高温溶融組成物を基材
にコーティングするための当該技術で周知の一般的なコーティング条件と装置を
用いて、フィルムまたは層を基材にコーティングすることができる。 このような粘度を持つ熱可塑性組成物はまた、非常に薄いフィルムまたは層を
供給することができる。
【００３６】 このような粘度に調整するために好ましい可塑剤または可塑剤の混合物は、ク
エン酸エステル、酒石酸エステル、グリセロールとそのエステル、アジピン酸塩
、セバシン酸、ソルビトール、エポキシド化植物油、重合植物油、多価アルコー
ル、フタル酸塩、液状ポリエステル、グリコール酸塩、ｐ−トルエンスルホンア
ミドと誘導体、グリコールとポリグリコール、ソルビタンエステル、リン酸塩、
モノカルボキシル脂肪酸（Ｃ8〜Ｃ22）とその誘導体、およびこれらの混合物か
らなる群から選択できる。これにより、水蒸気透過性で液体不透過性のフィルム
または層を形成するため、低粘度高温溶融物を基材に直接コーティングするため
の当該技術で周知の一般的なプロセス条件を、これらの好ましい組成物に使用す
ることができる。
【００３７】 １９９８年６月９日に出願された「水蒸気透過性が向上した構造のための低粘
度熱可塑性組成物と吸収剤における使用」という名称を持つ我々の特許出願ＥＰ
９８１１０５９６．８により、熱可塑性組成物に含まれる可塑剤または可塑剤の
混合物を、酸、エステル、アミド、アルコール、ポリアルコール、またはこれら
の混合物からなる親水性可塑剤の群から選択することにより、同じ熱可塑性ポリ
マーを含むが可塑剤は含まない熱可塑性組成物から形成された対応のフィルムま
たは層と比較すると、結果的にこの熱可塑性組成物から形成される層またはフィ
ルムの水蒸気透過性が向上するという長所が得られることも分かっている。
【００３８】 好ましい親水性可塑剤または親水性可塑剤の混合物はまた、望ましい厚さを持
つ層またはフィルムの基材に熱可塑性組成物をコーティングすることにより処理
可能とするように、熱可塑性組成物の粘度を好ましい値に調整できる。 ＥＰ９８１１０５９６．８による好ましい親水性可塑剤は、クエン酸エステル
、酒石酸エステル、グリセロールとそのエステル、ソルビトール、グリコール酸
塩、およびこれらの混合物である。 ＥＰ９８１１０５９７．６とＥＰ９８１１０５９６．８による熱可塑性組成物
は、熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物を、望ましくは熱可塑性組成物の１
０質量％〜８０質量％、より望ましくは２５質量％〜７０質量％と、好適な可塑
剤または可塑剤の混合物を、熱可塑性組成物の２０質量％〜９０質量％、望まし
くは３０質量％〜７５質量％含む。 ＥＰ９８１１０５９７．６とＥＰ９８１１０５９６．８による熱可塑性組成物
はさらに、組成物の処理可能性と機械的性質、そしてこのような熱可塑性組成物
から形成されるフィルムまたは層の粘着性、光線と酸素による経年変化に対する
耐性、見た目などの他の性質をさらに向上させるために、任意の追加成分を含ん
でもよい。
【００３９】 このような任意の成分は、軟化点が１２５℃以下である粘着樹脂または粘着樹
脂の混合物を含む。ＥＰ９８１１０５９７．６とＥＰ９８１１０５９６．８によ
れば、熱可塑性組成物の５０質量％まで存在してよい好適な樹脂は、ロジンまた
はロジンエステル、炭化水素樹脂、脂肪族樹脂、テルペンとテルペンフェノール
樹脂、芳香族樹脂、合成Ｃ5樹脂、合成Ｃ5〜Ｃ9樹脂の混合物、これらの混合物
から選択される。熱可塑性組成物の他の任意成分は、組成物の１０質量％までの
レベルで組成物中に存在する酸化防止剤、紫外線防止剤、顔料、これらの混合物
を含む。
【００４０】 ＥＰ９８１１０５９７．６またはＥＰ９８１１０５９６．８による熱可塑性組
成物は、熱可塑性ポリマーおよびポリマー混合物と、適当な可塑剤または可塑剤
の混合物とを用意する段階と、これら成分を加熱する段階と、例えば周知の適当
な混合機によりこれらを混合して所望の複素粘度η＊を持つ溶融状態の熱可塑性
組成物を生成する段階とを含むのが一般的である。 ＥＰ９８１１０５９７．６とＥＰ９８１１０５９６．８によれば、水蒸気透過
性かつ液体不透過性の層は、本発明の熱可塑性組成物を基材にコーティングする
ことにより、この熱可塑性組成物から形成できる。熱可塑性組成物から形成され
る本発明によるフィルムまたは層は、少なくとも０．５μｍの厚さでは、少なく
とも１００ｇ／ｍ2・２４ｈ、望ましくは少なくとも３００ｇ／ｍ2・２４ｈ、最
も望ましくは少なくとも５００ｇ／ｍ2・２４ｈの水蒸気透過率を持つことが望
ましい。
【００４１】 ＥＰ９８１１０５９７．６またはＥＰ９８１１０５９６．８による熱可塑性組
成物から層またはフィルムを製造するプロセスは一般的に、この組成物を用意す
る段階と、これを加熱して流動可能とする段階と、所望の厚さを持つ層の基材に
溶融状態の組成物をコーティングする段階とを含む。基材は、後で基材から分離
されてそのようなものとして使用される所望の厚さのフィルムまたは層を形成す
るように熱可塑性組成物がコーティングされる成形基材に過ぎないが、本発明に
よる好ましい実施態様では、熱可塑性組成物と、熱可塑性組成物がコーティング
される基材とを含む、水蒸気透過性で不透水性の組成物が形成され、この基材は
また、水蒸気透過性でもある。
【００４２】 この実施態様では、複合材料の性能に対して本発明による熱可塑性組成物から
形成される層の貢献によって、液体バリヤを設けることのみにある水蒸気透過性
・液体不透過性の複合構造が得られ、それゆえ、できるだけ薄いと好都合である
。残りの性能に関する物理的基準は、用意された基材により得られることが望ま
しく、そのため基材は支持層としても作用することが望ましい。本発明による複
合構造を形成するため適当な基材に形成される熱可塑性組成物の層の一般的な厚
さは、２μｍから２００μｍの範囲である。 基材つまり支持層は、水蒸気透過性でもあることが望ましく、少なくとも１０
０ｇ／ｍ2・２４ｈ、より望ましくは少なくとも３００ｇ／ｍ2・２４ｈ、最も望
ましくは少なくとも５００ｇ／ｍ2・２４ｈの水蒸気透過性を持つ実用的な層で
あればよい。 ここで支持層として使用するのに適当な基材は、二次元の平坦なミクロまたは
マクロ多孔性フィルム、巨視的に拡大されたフィルム、成形穿孔フィルム、不織
層または製織層を含む。ＥＰ９８１１０５９７．６とＥＰ９８１１０５９６．８
によれば、この層の孔はいかなる形状でもよいが、球形または楕円形であること
が望ましく、寸法は異なってもよい。孔は層の全面にわたって均等に分散される
ことが望ましいが、ある表面範囲のみに孔が形成された層も想定される。
【００４３】 好適な二次元多孔性平坦層は、当該技術で周知のいかなる材料でも製造される
が、一般的に入手可能なポリマー材料から製造されることが望ましい。適当な材
料は例えば、いわゆる通気性衣類での用途について当該技術では非常に周知のＧ
ｏｒｅｔｅｘ（商標）またはＳｙｍｐａｔｅｘ（商標）タイプの材料である。他
の適当な材料は、米国ミネソタ州セントポールのＭｉｎｎｅｓｏｔａ Ｍｉｎｉ
ｎｇ ａｎｄ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ ＣｏｍｐａｎｙのＸＭＰ−１００
１とＥｘｘｏｎ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙ製のＥｘｘａｉｒｅ ＸＢ
Ｆ−１０１Ｗとを含む。二次元平坦層という用語は、本明細書で使用する時、奥
行が１ｍｍ未満、望ましくは０．５ｍｍ未満の層を指し、孔は長さ方向に均一な
平均直径を持って、層の平面から突出していない。本発明でバックシートとして
使用するための穿孔材料は、ＥＰＯ２９３４８２と本明細書の引例に記載された
ものなど、当該技術で周知のいずれかの方法を用いて製造される。さらに、この
方法により形成される孔の寸法は、バックシート層の平面にわたって力を印加す
る（つまり層を引き伸ばす）ことにより、増大してもよい。
【００４４】 好適な穿孔成形フィルムは、層の表面に面する衣類の水平面を越えて中心に向
かって延出することにより突起を形成する不連続な孔を持つフィルムを含む。突
起は、終端にオリフィスを持つ。この突起は、ＵＳ３，９２９，１３５に記載さ
れたものと類似した漏斗形状を持つことが望ましい。突起の終端におけるオリフ
ィスの断面寸法つまり断面積が層の表面に面して衣類に設けられた孔の断面寸法
または断面積より小さいとすると、平面に位置する孔と突起の終端に位置するオ
リフィスとは、たいてい円形または非円形となる。穿孔フィルムは、コアに向か
って完全な一方向の流体伝達手段でないにしても、少なくとも実質的には単向性
であることが望ましい。
【００４５】 本明細書で使用される好適な巨視的な拡大されたフィルムは、例えばＵＳ４，
６３７，８１９とＵＳ４，５９１，５２３に記載されたフィルムを含む。 本明細書で使用される好ましい支持層は、製織層と不織層、最も望ましくは疎
水性不織布などの疎水性繊維層を含む。 ＥＰ９８１１０５９７．６とＥＰ９８１１０５９６．８によるこの好ましい実
施態様の組成物は、所望の厚さを持つ層などの支持基材に熱可塑性組成物がコー
ティングされた組成物となることが可能なので、特に好都合である。望ましい厚
さを持つ熱可塑性組成物を用意するには、低粘度高温溶融物を直接コーティング
するための当該技術で周知の一般的コーティング条件と装置を容易に利用できる
。 支持層として作用する基材に熱可塑性組成物をコーティングすることによる複
合積層体を生成するために可能な方法は、ＰＣＴ出願ＷＯ９６／２５９０２に記
載されている。
【００４６】 少なくともコーティング温度では、ＥＰ９８１１０５９７．６またはＥＰ９８
１１０５９６．８による層の形状の好ましい熱可塑性組成物は、熱可塑性組成物
と基材との間に永続的な接合を設けるのに付加的な接着剤が必要ないように好ま
しい組成物を生成するため、支持基材に対する接着性を備えることが望ましい。 ＥＰ９８１１０５９７．６またはＥＰ９８１１０５９６．８による熱可塑性組
成物から形成された水蒸気透過性・液体不透過性の層と組成物は、少なくとも１
００ｇ／ｍ2・２４ｈ、より望ましくは少なくとも３００ｇ／ｍ2・２４ｈ、最も
望ましくは少なくとも５００ｇ／ｍ2・２４ｈの総括水蒸気透過率を持つことが
望ましい。 ＥＰ９８１１０５９７．６またはＥＰ９８１１０５９６．８による熱可塑性組
成物を好適な基材、例えば不織基材にコーティングすることにより形成される水
蒸気透過性で液体不透過性の複合構造は、本発明による使い捨てマットレスカバ
ーアセンブリの第１および第２層を形成するための材料として特に有用である。
本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリの第１および第２層は、形成
される使い捨てマットレスカバーの内向きとなり、そのため間に収納されるマッ
トレスと接触することが予想される熱可塑性組成物を持つ上述した積層構造を含
むことが望ましい。
【００４７】 後者の事例では、好ましい熱可塑性組成物が接触することが予想されるマット
レスの表面との摩擦が増大することも、特に望ましい。本出願（Ｐ＆Ｇ案件ＣＭ
２２５０Ｆ）と同じ日に出願された「安定性を向上するための改良構造を持つ使
い捨ての水蒸気透過性・液体不透過性マットレスカバー」という名称の我々の特
許出願により、熱可塑性組成物に追加される粘着性樹脂または粘着性樹脂の混合
物をさらに適当に選択することで、室温での熱可塑性組成物、つまり本発明によ
るマットレスカバーアセンブリの使用時にマットレスに直接接触することが予想
される第１および／または第２層に含まれる水蒸気透過性・液体不透過性の積層
構造の層を構成する凝固した熱可塑性組成物の残留粘着性を調整することが可能
であることが明らかになっている。一方、これにより、マットレスカバーアセン
ブリから形成されるマットレスカバーが一般的にマットレス自体に対して圧縮を
受けた時、本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリに含まれる熱可塑
性組成物の層とマットレス表面との間に使用状態で発生する摩擦を調整すること
ができる。事実、摩擦が増大すると本発明によるアセンブリから形成される液体
不透過性・水蒸気透過性のマットレスカバーの、マットレスに対する良好な安定
性が得られ、マットレスがベッドマットレスまたは枕でありマットレスカバーが
ベッドマットレスまたは枕カバーである時には、使用時、例えば睡眠中にはユー
ザの動作などにより引き起こされるマットレスカバーとマットレスとの間の相対
移動を、回避または少なくとも減少させる。そのため、使用中にマットレスカバ
ーがずれる恐れが、著しく低下する。これはまた、マットレスカバーを形成する
第１層と第２層とを接続する協働結合手段に使用中に印加される応力を低下させ
る。さらに一方では、本発明によるアセンブリの使い捨てマットレスカバー層に
軽量かつ安価な材料を使用でき、使い捨て構造であるという点から、有益である
。繊維質の基材に層状に重ねられて本発明によるアセンブリのマットレスカバー
アセンブリに含まれる水蒸気透過性・液体不透過性の複合構造を形成する好適な
熱可塑性組成物を含むことが望ましいこの材料は、使用中に、より小さな応力で
よいので、薄く、液体不透過性に加えて良好な水蒸気透過性を持ちながら、柔軟
でユーザーにとって快適なものとなる。また、使用後のマットレスカバー層の処
分では、材料の無駄が少なくなる。
【００４８】 上述した用途にしたがって粘着性樹脂または粘着性樹脂の混合物を適当に選択
することにより、熱可塑性組成物、ゆえに熱可塑性組成物から形成される層の室
温での残留粘着性を、感圧接着剤に一般的な性質を持つまで調整することが可能
である。言い換えると、感圧接着剤のように作用するように調整された熱可塑性
組成物により、マットレスカバー層がマットレスに実際に付着するように、本発
明によるアセンブリのマットレスカバー層に含まれる熱可塑性組成物の層とマッ
トレスとの間の摩擦を増大させることができるのである。摩擦の増大と実際の接
着性との間には滑らかな推移が見られるので、本発明により、室温における熱可
塑性組成物の残留粘着性を好適に調整できる。
【００４９】 本発明による好ましい粘着性樹脂または粘着性樹脂の混合物は、依然として１
２５℃以下の軟化点を持ち、ロジンおよびロジンエステル、テルペン−フェノー
ル樹脂、芳香族樹脂、これらの混合物からなる群から選択される。 上述した用途による熱可塑性組成物は上述した中から選択される粘着性樹脂の
混合物を含むことがより望ましく、さらに、粘着性樹脂の混合物の０質量％〜２
０質量％、望ましくは２質量％〜１５質量％が２５℃未満の軟化点を持つ樹脂ま
たは樹脂の混合物を含み、粘着性樹脂の混合物の８０質量％〜１００質量％、望
ましくは８５質量％〜９８質量％が少なくとも７０℃の軟化点を持つ樹脂または
樹脂混合物を含む。
【００５０】 室温で液状である一つ以上の粘着性樹脂は、結果的に得られる熱可塑性組成物
から形成される層の残留粘着性を調整することに加えて、ＥＰ９８１１０５９７
．６またはＥＰ９８１１０５９６．８に開示されているように、選択された適当
な可塑剤または可塑剤の混合物と組み合わされると、プロセス条件での組成物自
体の粘度を低下させるのに役立つので、このような粘着性樹脂がある程度、粘着
性樹脂の混合物に存在することが望ましい。 そのため、この好ましい粘着性樹脂の混合物は、処理が容易な、本発明による
使い捨ての水蒸気透過性・液体不透過性のマットレスカバーアセンブリの第１お
よび／または第２層に含まれる熱可塑性組成物となる。さらに、粘着性樹脂の好
適な混合物により、結果的に熱可塑性組成物から製造される熱可塑性の層の残留
粘着性を調整することができ、そのため最終的には、使用状態において、つまり
熱可塑性組成物が望ましくは不織基材にコーティングされて、本発明による使い
捨てマットレスカバーアセンブリの第１および／または第２層に含まれる複合構
造を形成する時に、マットレスと直接に接触する熱可塑性組成物の層を備える本
発明によるマットレスカバーアセンブリから形成されるマットレスカバーとマッ
トレスとの間の摩擦を調整できる。上述したように、これは有益である。
【００５１】 特に好ましい粘着性樹脂または粘着性樹脂の混合物は、ＥＰ９８１１０５９７
．６またはＥＰ９８１１０５９６．８による同じ熱可塑性組成物に含まれるが、
粘着性樹脂または粘着性樹脂混合物は、熱可塑性組成物の２質量％〜６０質量％
、望ましくは５質量％〜５０重量％、より望ましくは１０質量％〜４０質量％の
範囲と異なる。 言うまでもなく、本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリの第１お
よび第２層がともに、液体不透過性を備えて望ましくはチリダニと関連アレルゲ
ンとに対するバリヤとなることに加えて、水蒸気透過性を備えることは必要ない
。そのため、層の一方、例えば図１と図２の実施態様では第１層１４が、液体不
透過性のみを備えて水蒸気透過性を備えず、そのため一般的にチリダニと関連ア
レルゲンとに対するバリヤとなることも可能である。液体不透過性のみを備える
層には、例えば熱可塑性フィルムとして知られるものなど、周知の好適な材料が
選択される。あるいは本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブリの第１
または第２層の選択された部分のみが、液体不透過性に加えて水蒸気透過性を持
つ周知の手段を備えてもよい。
【００５２】 本発明によれば、複素粘度η＊は、Ｒｈｅｏｍｅｔｒｉｃｓ Ｃｏ．製のレオ
メータＲＤＡ−ＩＩを用いて測定される。水蒸気透過性は、ＡＳＴＭ Ｅ−９６
「直立カップ」法にしたがって、２３℃における水蒸気透過率（ＷＶＴＲ）とし
て測定される。樹脂の軟化点は、リング・ボールＡＳＴＭ Ｅ２８法にしたがっ
て測定される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 連結されてカバーを形成する前の使い捨てマットレスカバー層と間に収納され
るベッドマットレスとを示す、本発明による使い捨てマットレスカバーアセンブ
リの好ましい実施態様の展開斜視図である。
【図２】 ユーザーに面する側から見た、マットレスカバー形成後の図１の使い捨てマッ
トレスカバーアセンブリを示す斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 マットレスを完全に包み込む保護用カバーを形成するための
    使い捨てマットレスカバーアセンブリであって、前記使い捨てマットレスカバー
    アセンブリが、使用まで分離されている第１層と第２層とを含み、前記第１層と
    前記第２層とが外周を有し、前記第１層が、前記カバーを形成してマットレスを
    完全に包み込むための前記第２層の協働結合手段と協働する結合手段を含み、前
    記第１層と前記第２層のうち少なくとも一方が、水蒸気透過性・液体不透過性材
    料を含む、使い捨てマットレスカバーアセンブリ。
  2. 【請求項２】 前記第１層は、その前記外周に沿って前記結合手段を含む、
    請求項１に記載の使い捨てマットレスカバーアセンブリ。
  3. 【請求項３】 前記第２層は、その前記外周に沿って前記協働結合手段を含
    む、請求項１または２に記載の使い捨てマットレスカバーアセンブリ。
  4. 【請求項４】 前記第１層と前記第２層とが異なる材料を含む、請求項１〜
    ３のいずれかに記載の使い捨てマットレスカバーアセンブリ。
  5. 【請求項５】 前記第１層が水蒸気・液体不透過性材料を含み、前記第２層
    が水蒸気透過性・液体不透過性材料を含む、請求項１〜４のいずれかに記載の使
    い捨てマットレスカバーアセンブリ。
  6. 【請求項６】 前記第１層が、第２層の協働結合手段と協働するための結合
    手段を含み、前記１層が水蒸気透過性・液体不透過性材料を含む、請求項１に記
    載の使い捨てマットレスカバーアセンブリに使用するための使い捨てマットレス
    カバーの第１層。
  7. 【請求項７】 前記第２層が、第１層の協働結合手段と協働するための結合
    手段を含み、前記第２層が水蒸気透過性・液体不透過性材料を含む、請求項１に
    記載の使い捨てマットレスカバーアセンブリに使用するための使い捨てマットレ
    スカバーの第２層。
  8. 【請求項８】 前記水蒸気透過性・液体不透過性材料が、少なくとも３００
    ｇ／ｍ2・２４ｈの水蒸気透過率（ＷＶＴＲ）を持つ、請求項６または７に記載
    の使い捨てマットレスカバーの第１または第２層。
  9. 【請求項９】 請求項１の使い捨てマットレスカバーアセンブリから得られ
    る使い捨てマットレスカバー。
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