JP2003514349A - 長手方向の電界で駆動される非対称イオン移動度フィルタおよび検出システム - Google Patents

長手方向の電界で駆動される非対称イオン移動度フィルタおよび検出システム

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JP2003514349A JP2001537088A JP2001537088A JP2003514349A JP 2003514349 A JP2003514349 A JP 2003514349A JP 2001537088 A JP2001537088 A JP 2001537088A JP 2001537088 A JP2001537088 A JP 2001537088A JP 2003514349 A JP2003514349 A JP 2003514349A
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filter
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ミラー・ラナン・エー
ザーン・マーカス
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ザ・チャールズ・スターク・ドレイパー・ラボラトリー・インコーポレイテッド
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    • G01N27/624Differential mobility spectrometry [DMS]; Field asymmetric-waveform ion mobility spectrometry [FAIMS]

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Abstract

(57)【要約】 非対称電界イオン移動度分析器10は、サンプル媒体をイオン化してイオンを生成するイオン化源18を備える。イオン・フィルタ24は、イオン化源の下流にある分析ギャップ内に配置され、非対称電界を形成してイオンを濾過する。イオン流れ発生器は、非対称電界を横切る電界を形成し、イオンを、その非対称電界を通過させて検出器32へ推進させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は長手方向の電界で駆動される非対称電界イオン移動度(FAIM)フ
ィルタに関し、さらに詳しくは超小型FAIMフィルタおよび分析計に関する。
【0002】
【発明の背景】
爆薬、麻薬、化学薬剤および生物薬剤、ならびに空気品質を検出および識別す
る能力は、テロリスト、軍事的活動、および環境問題の増加と共に、極めて重要
性が増してきた。以前におけるこのような薬剤の検出は、従来の質量分析計、飛
行時間型イオン移動度分析計、および従来技術で製作されたFAIM分析計を用
いて実行されていた。
【0003】 質量分析計は感度が高く、また極めて分離性が高く、速い応答時間を提供する
。しかし、質量分析計はサイズが大きく、動作するのに膨大なパワーを必要とす
る。質量分析計は、また、高真空度を維持してイオンを中性分子から分離し、選
択イオンの検出を可能にするための強力な真空ポンプを必要とする上に、極めて
高価である。
【0004】 さほど複雑でない別の分析計技術としては、飛行時間型イオン移動度分析計が
あり、この分析計技術は、現在の大部分の携帯用化学兵器と爆薬検出器で実現さ
れている方法である。この検出は、単に分子の質量だけでなく、分子の電荷およ
び断面積にも基づく。しかし、これら種々の特性に基づくため、分子種類の識別
が質量分析計のように確定的かつ高精度ではない。一般に飛行時間型イオン移動
度分析計は、サイズを減少(ドリフト・チューブ長さを2インチ(51mm)未
満に)させようとすると、分解能および感度限界が容認できないものとなる。飛
行時間型イオン移動度では、分解能はドリフト・チューブの長さに比例する。拡
散による側壁でのイオン消失を防止するためにドリフト・チューブの幅が十分な
大きさであると仮定すると、チューブを長くすれば分解能が上がる。したがって
、基本的に、飛行時間型イオン移動度システムを小型化することは、システム性
能の低下をまねくことになる。これら装置は比較的廉価で、かつ信頼性を有する
が、いくつかの制限を受ける。第1に、検出器を通るサンプルの容積が小さいた
め、分析計の感度を上げるには、検出器電子回路が極めて高感度(高価な電子回
路を必要とする)であるか、または濃縮器(システムを複雑にする)を備えるか
のいずれかが必要である。さらに、ゲートおよびゲーティング電子回路が、一般
に、ドリフト・チューブへのイオン注入を制御する必要がある。
【0005】 FAIM分光測定法は、1980年代に以前のソビエト連邦で開発された。F
AIM測定法では、不要なイオンの通過を阻止する一方で、選択イオンをフィル
タに通過させる。従来のFAIM分析計は寸法が大きく、また高価である。例え
ば、装置全体のサイズはほぼ1立方フィート(0.028m3)で、価格は25
,000ドル以上である。これらのシステムは、小型の検出器を必要とする用途
には適さない。これらのシステムは、また、比較的低速であり、サンプル・ガス
の完全なスペクトルを作成するのに1分近くを要し、また製作が困難であり、大
量生産できない。
【0006】 さらに、分析計にサンプル媒体を吸引し、かつキャリヤガスを提供するのに必
要なポンプはやや大きく、膨大なパワーを消費する。また、キャリヤガスは、必
ずイオンと同じ方向に流れなければならず、これらのイオンは、分析ギャップを
イオン化源から分離する構造体物を必要とする。
【0007】
【発明の概要】
以上より、本発明は、従来のFAIM装置に比べて、選択イオンの流れをより
高速、かつ高精度で制御して、サンプルのスペクトルを作成するFAIMフィル
タおよび検出システムを提供することを目的とする。
【0008】 本発明の別の目的は、バイアス電圧の掃引を必要とせずに、複数の所定の選択
イオンを検出できるフィルタおよび検出システムを提供することである。
【0009】 本発明のさらに別の目的は、バイアス電圧なしに、選択イオンを検出できるフ
ィルタおよび検出システムを提供することである。
【0010】 本発明のさらに別の目的は、イオンの軌道に基づいて空間的にイオンを検出す
るフィルタおよび検出システムを提供することである。
【0011】 本発明のさらに別の目的は、極めて高い分解能を有するフィルタおよび検出シ
ステムを提供することである。
【0012】 本発明のさらに別の目的は、従来の検出装置に比べて、選択イオンを高速に検
出できるフィルタおよび検出システムを提供することである。
【0013】 本発明のさらに別の目的は、ppb(十億分の一(1/109))〜ppt(
一兆分の一(1/1012))の感度を有するフィルタおよび検出システムを提供
することである。
【0014】 本発明のさらに別の目的は、単一チップ内に実装できるフィルタおよび検出シ
ステムを提供することである。
【0015】 本発明のさらに別の目的は、実装および製作に対する費用対効果が高いフィル
タおよび検出システムを提供することである。
【0016】 本発明のさらに別の目的は、通常、分析計に結合されている高流量および高パ
ワー消費ポンプを必要としないフィルタおよび検出システムを提供することであ
る。
【0017】 本発明は、イオン流れ発生器が所望のイオン移動路の方向に長手方向の電界を
形成して検出器およびイオン・フィルタの役割をする横方向の非対称電界へイオ
ンを進ませるようにすることにより、FAIM分析計にガスのようなサンプル媒
体を吸引し、かつキャリヤガスの流れを提供するのに使用されるポンプを、より
小さく、またはポンプ群の一部分を削除できることを見出した知見に基づいてい
る。
【0018】 その結果、本発明は、より低コスト、より低い流量およびより小さい、超小型
でさえあるポンプを導入する能力と、パワー使用の減少と、イオン移動の反対方
向に清浄な濾過されたガス(例えば湿気が取り除かれた空気)を流し、イオン・ク
ラスタ化および湿度に対する分析計の感度を除去する能力が得られた。ソース・
ガスおよび清浄な濾過されたガス用の個別の流路は、最早必要としないので、先
行技術が教示する個別の流路を維持するのに必要な構造体物を縮小することがで
きる。さらに、電気スプレー(electrospray)ノズルがイオン化源として使用さ
れる場合、長手方向および横方向の電界を形成する電極が、イオンを運び、かつ
溶媒滴の高密度な噴霧を形成する機能を有しているので、高密度な溶媒滴を形成
する電極を除去できる。
【0019】 必要ならば、分析計を極小にでき、化学および軍事の応用において、質量分析
計用フィルタとして、ガスクロマトグラフ用検知器として、分解能を増大させる
ための飛行時間型イオン移動度分析計の前端部として、またはたわみ板波装置(
flexural plate wave device)用フィルタとして使用できる。
【0020】 本発明はさらに、次の方法により、超小型、高精度、および高速の以下のFA
IMフィルタおよび検出システムを実現できることを見出した知見に基づいてい
る。すなわち、間隔を空けた1対の基板を用いてサンプル入口および出口の間に
流路を形成し、この流路内にフィルタを配置する。前記フィルタは、各電極が各
基板にそれぞれ結合された間隔を空けた1対の電極と、バイアス電圧および非対
称の周期的電圧を前記電極の両端に印加してフィルタを通過するイオン流路を制
御するコントローラとを有する。
【0021】 本発明はさらに、フィルタ・アレイを設け、アレイの各フィルタが異なるバイ
アス電圧に組み合わされることにより、バイアス電圧の掃引なしに、フィルタを
複数の選択イオンの検出に用いることができることを見出した知見に基づいてい
る。
【0022】 本発明はさらに、周期的電圧のデューティ・サイクル(負荷サイクル)を変化
させることにより、バイアス電圧が不要になることを見出した知見に基づいてい
る。
【0023】 本発明はさらに、検出器を分割することにより、イオンがフィルタを出るとき
のイオン軌道に従って空間的にイオンを検出することで、高精度かつ高分解能が
得られるイオン検出を実現できることを見出した知見に基づいている。
【0024】 本発明は、サンプル媒体をイオン化してイオンを生成するイオン化源と、分析
ギャップと、非対称電界を形成してイオンを濾過するイオン化源の下流に位置す
る前記分析ギャップ内に配置されたイオン・フィルタと、前記非対称電界を横切
る長手方向に電界を形成して前記非対称電界を通ってイオンを推進させるイオン
流れ発生器と、イオン・フィルタが濾過しないイオンを感知するイオン検出器と
を備えるイオン移動度分析器を特徴とする。
【0025】 イオン検出器は、一般にイオン流れ発生器に近接して配置される。イオン分析
器は放射線源、紫外線ランプ、コロナ放電装置または電気スプレーノズルであっ
てもよい。
【0026】 好ましくは、イオン・フィルタは電子コントローラに結合され、イオン・フィ
ルタにバイアス電圧および非対称の周期的電圧を印加する。イオン・フィルタは
、一般に、間隔を空けた1対の電極を含み、この電極間に非対称電界を形成する
。イオン流れ発生器は、一般に、間隔を空けた複数の分離している電極を含み、
これらの電極はイオン・フィルタの電極から絶縁されており、非対称電界を通過
させて検出器へイオンを進める方向(長手方向)の電界を形成する。
【0027】 或いは、イオン流れ発生器は、間隔を空けた抵抗層を含み、電圧が各抵抗層に
沿って印加されて長手方向に電界を形成し、この電界が非対称電界を通過させて
検出器へイオンを進める。
【0028】 別の実施形態では、イオン・フィルタは、電子コントローラに電気的に接続さ
れている第1の複数の分離した電極を含んでおり、この電子コントローラが前記
電極に非対称の周期的電圧を印加する。イオン流れ発生器は第2の複数の分離し
た電極を含んでおり、これらの電極は前記第1の複数の電極間に散在し、電圧源
に接続されている。この電圧源が前記第2の複数の電極に沿って電位傾度を与え
る。
【0029】 例えば、分析ギャップは、ハウジングに内包されている。イオン・フィルタは
ハウジングの内部表面上にある電極を含んでおり、イオン流れ発生器は、イオン
・フィルタ電極に対して近接し、かつ絶縁されている電極を含む。イオン検出器
も、ハウジングの内部表面上に位置してイオン・フィルタおよびイオン流れ発生
器に近接する電極を含んでいる。
【0030】 例えば、分析ギャップは、ハウジングに内包され、イオン・フィルタはハウジ
ングの外表面上にある電極を含んでもよく、その場合、イオン流れ発生器はハウ
ジングの内部表面上に抵抗層を含む。電圧は各抵抗層に沿って印加され、長手方
向の電界を形成する。或いは、イオン・フィルタとイオン流れ発生器を組み合わ
せて連続の分離している導電性部材を含んでもよく、電圧源が各導電性部材を相
違する位相で励起する。
【0031】 本発明のその他の目的、特徴および利点は、好ましい実施形態の以下の説
明と添付図面から、当業者には理解されるであろう。
【0032】
【好適な実施形態】
図1のFAIM分析計10は、ポンプ14によって、矢印12で示すように、
入口16からイオン化領域18内にガスを吸引して作動する。イオン化されたガ
スは、イオン・フィルタ24を構成する平行電極プレート20,22の間を通過
し、流路26を流れる。プレート20,22の間を通過する際に、ガス・イオン
は、電極プレート20,22間の電界に曝される。この非対称交番電界は、電子
コントローラ30に応答して電圧発生器28からプレートに印加される電圧によ
って発生する。この電界は、好ましくは非対称であり、時間に応じて振動する。
【0033】 イオンがフィルタ24を通過する際に、一部のイオンはプレート20,22に
より中性化するが、他のイオンは通過して、検出器32により検出される。検出
器32は所定の電位の上側電極33と、通常は接地された下側電極35を有する
。上側電極33はイオンを電極35に向かって下方に偏向させる。しかし、いず
れの電極もイオンおよび電極に印加された電圧に依存してイオンを検出できる。
さらに、上側電極33を第1検出器として使用し、下側電極35を第2検出器と
して使用することにより、複数のイオンを検出できる。電子コントローラ30は
、例えば、増幅器34およびマイクロプロセッサ36を有してもよい。増幅器3
4は電極35で集められた電荷の関数である検出器32の出力を増幅し、この出
力をマイクロプロセッサ36に提供して分析させる。同様に、仮想線で示す増幅
器34'を設けて、電極33を検出器として利用できる。
【0034】 図2に示すように、ガス流れ12を横切る交番非対称電界40を通過する際に
、イオン38は、電界40によって経路42a,42b,42cに沿って「揺れ
動く」。一般に時間変化する電圧Vは直流の±(1000〜2000)ボルトの範
囲にあり、最大電界強度40,000V/cmを有する電界40を形成する。特
定のイオンが取る経路は、そのイオンの質量、サイズ、断面積および電荷の関数
である。イオンが、一旦、電極20または22に達すると、中性化される。第2
の電界である、バイアスすなわち補償電界44は、一般に、直流の±100ボル
トによって±2000V/cmの範囲ななっており、プレート20,22に印加
されたバイアス電圧と、図1のマイクロプロセッサ36に応答する電圧発生器2
8とによって、電極20,22の間に同時に誘導され、所定の選択イオン種をフ
ィルタ24に通過させて検出器32で検出させる。図2の補償電界44は一定バ
イアスであり、交番非対称電界40にオフセットを与えて、イオン38cのよう
な所定の選択イオンを検出器32まで通過させる。したがって、適切なバイアス
電圧により、特定のイオンの種類が経路42cを進行し、一方で不要なイオンが
経路42a,42bを進行してプレート20,22に到達すると中性化する。
【0035】 FAIM分析計10の出力は、所定のバイアス電圧44に対する検出器32で
の電荷量の測定値である。所定の補償バイアス電圧において設定されるフィルタ
24を長くすれば、検出器32に蓄積する電荷は多くなる。しかし、所定の電圧
範囲にわたって補償電圧44を掃引することによって、サンプル・ガス12の完
全なスペクトルが得られる。本発明にかかるFAIM分析計は、所定のガス・サ
ンプルに対する完全なスペクトルを作成するのに、一般に、30秒よりも短く、
1秒のように僅かな時間で済む。
【0036】 ガス・サンプルの完全なスペクトルを提供するために、補償バイアス電圧44
を変化させて、検出される種類を変えることができる。例えば、図3Aに濃度ピ
ーク46で示すように、バイアス電圧−3.5ボルトでアセトンが検出された。
これは、83ppb(十億分の一)のように低い濃度でも検出された。これに対
して、図3Bに示すように、−6.5ボルトのバイアス電圧で、ジエチル・メチ
ル・アミンのピーク48が、280ppbのような低い濃度でも検出された。
【0037】 図4のフィルタ24は、1インチ(25.4mm)サイズのようなフィルタで
ある。分析計10は、間隔の空いた基板52,54および電極20,22を有す
る。これら基板52,54は、例えば、ニューヨーク市コーニング社製のコーニ
ングガラスから入手できるパイレックス(PYREX)(登録商標)のようなガラス
であり、電極20,22は、例えば、金、チタン、またはプラチナであり、基板
52,54にそれぞれ取付けまたは形成されている。基板52,54は、それぞ
れスペーサ56a,56bによって間隔が空けられ、これらスペーサは、シリコ
ンウェーハをエッチングまたはダイシングして形成されている。スペーサ56a
,56bの厚みが、電極20,22間の距離を画定する。さらに、同一の電圧、
一般に直流の±(10〜1000)ボルトをシリコンスペーサ56a,56bに
印加することによって、スペーサ56a,56bは電極となる。これらスペーサ
56a,56bは、閉じ込め電界58を生成し、良好なサンプル・スペクトルを
得るために、イオン流路を図1の流路26の中心に導くかまたは閉じ込める。イ
オンを閉じ込めるために、スペーサ電極56a,56b(図4)を同一電圧とし
て、イオンを流路26の中心に「押す」ことが必要である。これにより、より多
数のイオンが電極33,35に衝突するようにイオンを保って、システムの感度
が向上する。しかし、これは、本発明の必須の制限事項ではない。
【0038】 分析計10の精度と高信頼動作を維持するために、電極プレート20,22に
堆積した中性化イオンを除去する必要がある。これは、流路26を加熱すること
により達成できる。例えば、図1のコントローラ30が仮想線で示す電流源29
を備えることにより、マイクロプロセッサ36に応答して、電極プレート20,
22に電流Iを供給してプレートを加熱し、堆積した中性化分子を除去できる。
同様に、図4のスペーサ電極56a,56bに電流Iを代わりに供給して流路2
6を加熱し、プレート20,22から中性化分子を除去できる。
【0039】 図5のパッケージ化されたFAIM分析計10は、そのサイズを1インチ(2
5.4mm)×1インチ×1インチにまで減少できる。ポンプ14は基板52上
に取り付けられ、ガス・サンプル12を入口16内に吸入する。ガス・サンプル
のイオン化の前後に、再循環ポンプ14aによって清浄な乾燥空気を図1の流路
26内に導入できる。電子コントローラ30を、基板52,54に結合するシリ
コン制御層60にエッチングして、これら基板52,54と共に分析計10のハ
ウジングを形成するようにしてもよい。基板52,54および制御層60を、例
えば陽極接合を使用して一体に結合し、超小型のFAIM分析計を実現できる。
小型ポンプ14,14aは、ガス・サンプル12の分析をさらに促進する大容量
スループットを提供する。ポンプ14,14aは、例えば、小型遠心空気圧縮機
ロータまたは超小型ポンプ(1〜4リットル/分の流量を持つ)が装着された従
来の小型ディスク・ドライブ・モータであってもよい。ポンプ14の一例は、フ
ロリダ州クリアウォータのセンシダイン・インコーポレーテッド(Sensidyne,Inc
.)から市販されている。
【0040】 本発明によるFAIM分析計は特定のガス・サンプルのスペクトルを高速で作
成するが、フィルタ32のアレイを用いてそれに要する時間をさらに短縮できる
。図6のFAIM分析計10は、フィルタ・アレイ62、単一の入口16、およ
び単一の流路26を有してもよい。サンプル・ガス12は、イオン化源18を通
過後、閉じ込め電極56a〜56hによってフィルタ・アレイ62に導かれる。
イオン化源18は、紫外線光源、放射線源、またはコロナ放電装置などである。
フィルタ・アレイ62は、例えば、1対のフィルタ電極20a〜20eおよび2
2a〜22eを有する。各電極対に異なる補償バイアス電圧44(図2)を印加
し、かつ各電極対を異なる電圧範囲に渡って掃引することにより、異なるイオン
種を同時に検出して、掃引時間を大幅に短縮できる。さらに、アレイ62は、分
析計のサイズに依存して任意の数のフィルタを有してもよい。検出器アレイ64
は検出器32a〜32eを有し、複数の選択イオン種を同時に検出し、その結果
、ガス・サンプル12のスペクトルを得るのに要する時間が短縮される。上下の
電極対32a〜32eは同一の非対称の周期的AC電圧40を共有する。
【0041】 清浄乾燥空気を、再循環ポンプ14a(図5)を介して清浄空気入口66から
流路26に導入してもよい。清浄乾燥空気を導入することで、湿度に対するFA
IM分析計の感度を低下させることができる。さらに、清浄乾燥空気を使用せず
に分析計を作動し、かつ既知のガス・サンプルが装置内に導入された場合、得ら
れるスペクトルは水分濃度に応じて所定のサンプルの標準スペクトルから変化す
るため、この装置を湿度センサとしても使用できる。
【0042】 しかし、フィルタ・アレイ62の各フィルタ22a〜22eが同一流路26を
共有する代わりに、図7の個々の流路26a〜26eを設けることにより、各流
路を、例えば入口16a、イオン化領域18a(図8)、閉じ込め電極56a'
、56b'、イオン・フィルタ電極対20a,22a、検出器電極対33a,3
5a、および出口ポート68aと組み合わせることができる。
【0043】 作動中、サンプル・ガス12は、図8のサンプル入口16aから入り、例えば
コロナ放電装置18aによりイオン化される。イオン化されたサンプルは、閉じ
込め電極56a、56bによりイオン・フィルタ24aに向かって導かれる。イ
オンがイオン・フィルタ電極20aと22aとの間を通過するとき、不要なイオ
ンは中性化され、一方、選択イオンはフィルタ24aを通過して、検出器32a
により検出される。
【0044】 図9に示すように、混合物の各成分の識別は明確なベンゼンのピーク50とア
セトンのピーク51により実証されている。
【0045】 また、選択イオンの種類を検出するのに、補償バイアス電圧を必ずしも要しな
いことが判明した。図10のフィルタ24の電極20,22に印加される非対称
の周期的電圧のデューティ・サイクルを変化させることにより、プレート電極2
0,22に一定バイアス電圧を印加する必要がなくなる。電圧発生器28は、制
御電子回路30に応答して、非対称の交流電圧40のデューティ・サイクルを変
化させる。図11に示すように、周期的電圧40のデューティ・サイクルを変化
させることにより、選択イオン32cの経路を制御できる。これに限定されるわ
けではないが、例として、電界40のデューティ・サイクルを、25%の高レベ
ルのピーク70と、75%の低レベルの谷72にすると、イオン38cはプレー
ト20に接近して中性化される。しかし、電圧40aのデューティ・サイクルを
40%のピーク70aにまで変化させることにより、イオン38cは中性化され
ることなくプレート20,22間を通過する。一般に、デューティ・サイクルは
10〜50%の高レベルおよび90〜50%の低レベルの間で変化できる。した
がって、電界40のデューティ・サイクルを変化させることにより、バイアス電
圧を必要とせずに、イオン流路を制御できる。
【0046】 FAIM分析計の分解能をさらに改良するために、図12のように検出器32
を分割してもよい。これにより、イオンがフィルタ電極20,22の間でフィル
タ24を通過する際に、イオンのサイズ、電荷および断面積によって決定される
各軌道42c'〜42c''''を有する各イオン38c'〜38c''''を空間的に検
出できる。このように、検出器分割体32'はあるイオン種の濃度を検出し、検
出器分割体32''は異なるイオン種の濃度を検出するから、各分割体が特定のイ
オン種を検出することでスペクトル分解能が向上する。
【0047】 図13に示すように、先行技術であるイオン移動度分析計200(米国特許5
,420,424号参照)は、長手方向に沿って延びる内側の縦電極204およ
び外側の縦電極206間の空間により画定された分析ギャップ202を含んでい
る。サンプル媒体、またはソース・ガスはポンプ212の作用により入口210
を通って吸引され、イオン化源214によりイオン化される。キャリヤガスはポ
ンプ216により分析ギャップ202へ導入される。イオン化源214によって
生成されたイオンは、検知器224に達するまで、電極220の作用によって、
開口218を通過し分析ギャップ202へ移動する。
【0048】 そのような構造体は2つのポンプ212,216と、ソース・ガスおよびキャ
リア・ガス用の各個別の流路201,203とを必要とする。したがって、先行
技術である移動度分析器200は、小型化できず、ポンプ212,216を作動
するのに十分なパワーを必要とする。
【0049】 本発明では、ポンプ212,216の必要性が無いか、またはそれらを小型化
するかであって、例えば、超小型されたポンプを使用することもできる。さらに
、ソース・ガスおよびキャリア・ガス用の各個別の流路を必要とせず、かつ除湿
空気のような清浄な濾過されたガスを導入してイオン移動の反対方向に流して、
イオン・クラスタ化を除去でき、湿度に対する分析器の感度を改良(低く)できる
【0050】 図14の本発明にかかる非対称電界イオン移動度分析器230は構造体234
内に分析ギャップ232を含んでいる。この構造体234は、円形のチューブ、
または外囲器を画定する壁を備えた小型で平らなハウジングでもよい。イオン化
源236は、ポンプ238の作用によって分析ギャップ232内に送り込まれた
サンプル媒体またはガスをイオン化する。このポンプ238は、超小型ポンプで
あってもよく、その流量が先行技術において一般に要求される毎分1〜4リット
ル以下であり、先行技術の分析器よりも1−5ワットのパワーを節約できる。
【0051】 前述のように、イオン・フィルタ240は、イオン化源236の下流にある分
析ギャップ232内に位置しており、ベクトル242で示されている非対称電界
を形成し、イオン化源236によって生成されたイオンを濾過する。
【0052】 イオン・フィルタ240は、例えば、図1および2が示すように、間隔を空け
た1対の電極248,246を含んでおり、これら電極246,248は、バイ
アス電圧および非対称の周期的電圧を印加する電子コントローラに接続されてい
る。
【0053】 分析器230に特有であるイオン流れ発生器250は、ベクトル252が示す
ように長手方向(縦方向)の電界を形成する。長手方向の電界252の強度は、
時間または空間に対して一定または変化し、イオンを推進して非対称電界242
を通過させる。
【0054】 一実施形態において、イオン流れ発生器250は、別個の電極260,262
,264および266を含んでおり、それらの電極が絶縁媒体268により、イ
オン・フィルタ240の電極246,248から絶縁されている。一例をあげる
と、電極260が1000ボルトであり、電極266が10ボルトであり、電極
262および264がそれぞれ500ボルト、100ボルトであるが、それらの
電圧レベルは、分析器230の具体的な実施化に依存して変化してもよい。電極
261、263、265および267に印加される電圧は、電極260、262
、264および266に印加される電圧とそれぞれほぼ同じである。イオン流れ
発生器250を形成する互いに対向する電極は、4対よりも多くても少なくても
よい。また、それぞれの電極対(260,261),(262,263),(2
64,265)および(266,267)は互いに分離した別個の平面電極だけ
でなく環状電極でもよい。
【0055】 いかなる場合でも、長手方向の電界252の強度により、イオン化源236に
よって生成されたイオンが非対称電界242を通過して検出器270へ向かうよ
うに推進され、その結果、図13の先行技術のポンプ212および216が要求
する流量およびパワーを除去または減少させる。
【0056】 例えば、検出器270はイオン流れ発生器250の近くに配置されている。ま
た、分析ギャップ232に対して、イオン流れ発生器250の電極260,26
2,264,266,261,263,265および267は、好ましくは、イ
オン・フィルタ240の電極246、248とほぼ同一の物理空間を占めている
【0057】 別の実施形態では、図15の分析器300は、流路302およびこの流路30
2との間に開口306を備えた分析ギャップ304を画定する構造体を含む。ソ
ース・ガスがポンプ310によって流路302内に吸引され、イオン化源308
によってイオン化される。イオンは、偏向電極312,313により開口306
を通過し、イオン流れ発生器250の電極およびイオン・フィルタ240が配置
されている分析ギャップ304内へ偏向させられる。前述のように、イオン流れ
発生器250が、イオンをフィルタ240により形成された非対称イオン電界を
通過するよう推進する。この方法では、ポンプ312は、極低流量の除湿空気を
分析ギャップ304内へ供給するだけでよく、先行技術が教示しているようなキ
ャリア・ガス流れは必要としない。
【0058】 さらに別の実施形態では、図16の乾燥剤322がハウジング320内に設け
られている。小型ポンプ324が、唯一のポンプであり、ソース・ガスを小さな
オリフィス326に通過させてハウジング320内へ吸引する。イオン化源32
8がイオンを生成し、このイオンが、検出器330に近接して配置されているイ
オン流れ発生器250によって形成された長手方向の電界によって補助されてフ
ィルタ240を通過移動する。
【0059】 一実施形態では、図14の検出器270は、図17に示す間隔を空けた電極2
72,274を含んでおり、それらの電極は図1の電極33,35と同様な構成
を有している。図17のイオン・フィルタは間隔の開いた電極276,278を
含み、横の電界280を形成する。イオン流れ発生器は、電極282,284お
よび電極286,288に示されるように、間隔の開いた別個の(互いに分離し
た)電極を含む。電極282,284は1000ボルトであってもよく、電極2
86,288は0ボルトであってもよい。絶縁媒体290,292は電極282
,284,286および288を電極276,278に対して絶縁している。電
極対(282,284)ないし(286,288)、またはより多くの電極対は
、環状電極としてもよい。
【0060】 図18の他の実施形態では、イオン・フィルタは間隔の開いた抵抗層300,
302を含み、それら抵抗層が、絶縁媒体290,292によりパイレックス基
板310上にある電極276,278から絶縁されている。絶縁媒体は、例えば
、低温酸化物である。
【0061】 抵抗層300,302は絶縁層290,292上にそれぞれ付着された抵抗セ
ラミック材であってもよい。端子電極312,314,316および318は各
抵抗層に接触していて、この各抵抗層に交差してボルテージ・ドロップを印加し
、長手方向の電界を発生させる。したがって、電極312,316が1000ボ
ルトであってもよく、一方で電極314,318が0ボルトであってもよい。電
極312,316,314および318を環状電極にし、かつ抵抗層300,3
02を開口シリンダにすることにより、この実施形態を円筒体に拡張できる。
【0062】 図19のさらに別の実施形態では、イオン・フィルタは、電子コントローラ(
図1)に接続された複数の高周波、高圧の電極330,332,334および3
36を含んでいて、この電子コントローラにより非対称の周期的電圧を印加され
て、イオン濾過電界を形成する。また、イオン流れ発生器は、図示のように、イ
オン・フィルタの別個の(互いに分離した)電極間に散在し、かつこれらの電極
から絶縁されている第2の複数の別個の電極338,340,342および34
4を含んでいて、当該複数の電極が、これらの電極間に電位傾度を与えて、イオ
ン推進電界を発生させる電圧源に接続されている。このイオン推進電界がイオン
濾過電界を横切る方向に向いている。
【0063】 図20のさらに別の実施形態において、非対称イオン濾過電界を提供する高周
波電極350,352は、分析ギャップ358を確定するパイレックス(PYREX
)のような絶縁材からできている壁354,356の外側上に配置されている。
抵抗層360,362は、絶縁壁354,356の内側上に取付けられたセラミ
ック材であってもよい。各抵抗層に接触する端子電極364,366,368お
よび370は、各抵抗層の両端に表れる電圧降下を与えて長手方向のイオン推進
電界を発生する。したがって、電極364,368がそれぞれ1000ボルトで
あってもよく、一方で電極366,370が0ボルトであってもよい。
【0064】 図21に示されている設計例において、別個の電極380〜386および38
7〜394は、横方向および長手方向の成分を備えた電界を形成してイオンを濾
過し、かつ推進する。Vcos(wt-kz)(k=2π/λが波数である)で表される波形
の移動波電圧は、横方向および長手方向の両成分を備えた対応する電界を有して
いる。扁平方システムでは、対向する電極の連続した組が、電圧源から、固定さ
れた位相差で次々と印加されて励起される。
【0065】 したがって、電極380,387がvcos(wt)で表される電圧により励起され、
一方で、図21に示すように、電極381,388がvcos(wt+120)で表され
る電圧で励起される。移動波電圧は多相電圧励起を必要としており、最も単純な
多相電圧励起は2位相励起である。そこで、2つの導電性リボンが、分析ギャッ
プを画定するダクトに巻かれており、この分析ギャップが、vcos(wt)で励起され
た1つの導電体とvsin(wt)で励起されたもう1つの導電体を備えている。導電性
リボンまたはテープが3つの導電体を有する場合には、3位相励起を導入するこ
とができる。
【0066】 特定の電極が、イオンを検出器電極に向けて移動させる長手方向の電界用の電
源として機能し、かつ溶媒滴の高密度な噴霧を形成してソース・ガスまたはサン
プル媒体をイオン化する電極としても機能するので、設計例は電気スプレーイオ
ン化源ノズルの使用によく適している。
【0067】 したがって、本発明によれば、先行技術を示す図13のポンプ216,212
は除去されるか、または少なくともサイズを減少されるかであり、より小さい流
量およびパワー要求で済む。所望のイオン移動の方向に長手方向の電界を形成す
るイオン流れ発生器の導入によって、イオンは検出器へ推進され、かつイオン・
フィルタの役割として作動する横方向の非対称電界を通過する。好適な実施形態
では、分析のために、イオン化ガス種を分析器のドリフト管に通過させて吸引す
るポンプを必要としない。代わりに、ドリフト管の長さに沿って印加された長手
方向の電界は、ドリフト管下方でイオンをイオン・フィルタに通過させて検出器
へ推進するのに使用できる。先行技術の分析器で使用される高流量(毎分1〜4
リットル)ポンプを除去することにより、パワー消費、サイズおよびコストの相
当な減少が実現でき、単一チップ上で真の極小化された分析器が得られる。
【0068】 この設計の2番目の利点は、清浄な濾過された空気の流れをイオン運動の反対
方向に与えることができる。この方法では、イオン化されなかったサンプル・ガ
ス中のいかなる中性子も偏向させられ、イオン分析領域に入らない。その結果、
イオンのクラスタ化問題およびセンサーの湿度依存性を除去できる。流量が小さ
いので、内蔵極少ポンプを導入することが可能である。
【0069】 イオンのみが分析領域に入ればよいので、イオン・フィルタおよび検出領域内
ではガス流れを必要としない。分子ふるいを分析領域の入口付近に配置して、該
領域中のいかなる中性分子をも吸収し、かつクラスタ化を防止することもできる
。比較的多大なパワー量(1〜5ワット)を消費する高流量ポンプを導入し、か
つ装置のサイズを大きくした先行技術とは異り、ポンプによりイオン・フィルタ
(分析)領域内に送られる空気流れを供給するための分離した空気源は必要とさ
れない。本発明では、中性ガスの流れが、分析されるサンプル・ガスから生成さ
れたイオン種と同じ方向に流れる必要はない。代わりに、イオン流れと反対方向
に流れるフロー・ガスを、イオン・フィルタ領域から不必要な中性子および水分
を除去するのに使用できる。
【0070】 イオン・フィルタ(ドリフト管)を通過するより大きな流量が必要とされない
。代わりに、長手方向軸であるz軸方向の小さい電位傾度により形成された縦方
向(長手方向)の電界により、イオンはz軸に沿ってイオン・フィルタ(ドリフ
ト管)を通過して吸引される。図17に示された設計では、イオンを電極282
,284に近接させるのに、ベクトル252により示される長手方向の電界方向
に沿った小体積の流れのみが要求される。長手方向の電界252により、イオン
・フィルタおよび検出器領域内のガス流れが必要とされない。また、必要な場合
には、清浄な濾過空気の小流量が長手方向の電界と反対方向に供給されて、イオ
ン・フィルタおよび検出器の領域を中性子が存在しない状態に保持する。分圧抵
抗回路が電極282,284間に電位傾度を与える。その結果、例えば、電極2
82,284が1000ボルトであり、一方で電極286,288が0ボルトで
ある。
【0071】 図19に示される設計では、全ての高周波電極330,332等は電気的に結
合しており、他方で、長手方向の電界を形成する電極338,340等は、それ
らの電極間で降下した電位傾度を持つ。一実施形態では、電極に印加される電圧
を交流にでき、その結果、最初に電圧を印加して横方向の電界を発生し、次に電
圧を他の電極に印加して長手方向の電界を発生させる。
【0072】 本発明の特定の構成をいくつかの図面で示し、その他を示していないが、この
理由は、単に便宜的なものであり、各構成を本発明にしたがった他の構成のいず
れかまたはすべてに組み合わせることができる。 他の実施形態も当業者には思い付くであろう。そのような他の実施形態はこの
出願の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による超小型フィルタおよび検出システムの概略ブロック図である。
【図2】 図1のフィルタ電極を通って検出器に向かうイオンを示す説明図である。
【図3A】 アセトンを検出するのに必要なバイアス電圧、および得られた感度を示すグラ
フ図である。
【図3B】 図3Aと同様に、ジエチル・メチル・アミンを検出するのに必要なバイアス電
圧を示すグラフ図である。
【図4】 本発明による、間隔を空けた、超小型フィルタの断面図である。
【図5】 パッケージ化された超小型フィルタおよび検出システムの3次元図であり、こ
のシステムは流体ポンプを有し、実現できる小型サイズを明らかに示す図である
【図6】 本発明にかかる一実施形態の分解図であり、フィルタ・アレイおよび検出器ア
レイが単一流路内に配置されている構成を示す図である。
【図7】 図6と同様に分解図であり、フィルタ・アレイが積層され、1つのフィルタお
よび検出器が単一流路内に組み込まれている構成を示す図である。
【図8】 図7のアレイ・フィルタおよび検出器システムの単一流路の断面図である。
【図9】 ベンゼンおよびアセトンの混合物から各化学成分の識別を示すグラフ図である
【図10】 図1と同様に概略ブロック図であり、フィルタがバイアス電圧により補償され
ておらず、代わりに周期的電圧のデューティ・サイクルを変化させて、フィルタ
を通過するイオン流れを制御する構成を示す図である。
【図11】 変化するデューティ・サイクルを有する非対称周期的電圧のグラフ図であり、
この電圧を図9のフィルタに印加して、バイアス電圧なしに選択イオンをフィル
タする構成を示す図である。
【図12】 フィルタおよび検出器システムの概略図であり、検出器を分割して、イオンが
フィルタを出るときにこのイオンを空間的に検出する構成を示す図である。
【図13】 分析器の典型的な先行技術の概略図である。
【図14】 本発明にかかる長手方向の電界によって駆動されるイオン移動度分析器の概略
図である。
【図15】 本発明にかかる長手方向の電界によって駆動されるイオン移動度分析器の他の
実施形態の概略図である。
【図16】 本発明にかかる長手方向の電界によって駆動されるイオン移動度分析器のさら
に他の実施形態の概略図である。
【図17】 本発明の分析器のイオン・フィルタ、検出器およびイオン流れ発生器を示す概
略図である。
【図18】 本発明の他の実施形態にかかる分析器のイオン・フィルタ、検出器およびイオ
ン流れ発生器を示す概略図である。
【図19】 本発明のさらに他の実施形態にかかる分析器のイオン・フィルタ、検出器およ
びイオン流れ発生器を示す概略図である。
【図20】 本発明のさらに他の実施形態にかかる分析器のイオン・フィルタ、検出器およ
びイオン流れ発生器を示す概略図である。
【図21】 本発明のさらに他の実施形態にかかる分析器のイオン・フィルタ、検出器およ
びイオン流れ発生器を示す概略図である。
【符号の説明】
10…非対称電界イオン移動度フィルタおよび検出システム、14,14a…
ポンプ、16…サンプル入口、18…イオン化源、20(20a〜20e),2
2(22a〜22e)…フィルタ電極、26…流路、30…電子コントローラ、
32…検出器、32'〜32''''…分割体、44…バイアス電圧、52,54…
基板、56a〜56h…閉じ込め電極。
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月14日(2002.5.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ザーン・マーカス アメリカ合衆国,マサチューセッツ州 02420,レキシントン,サマーセット ロ ード 17

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル媒体をイオン化してイオンを生成するイオン化源と
    、 分析ギャップと、 前記イオン化源の下流にある前記分析ギャップ内に配置され、非対称電界を形
    成してイオンを濾過するイオン・フィルタと、 前記非対称電界を横切る電界を形成し、イオンを、その非対称電界を通過させ
    て推進するイオン流れ発生器と、 前記イオン・フィルタによって濾過されなかったイオンを感知するイオン検出
    器と、 を備える非対称電界イオン移動度分析器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記イオン検出器が前記イオン流れ発生
    器に近接している分析器。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記イオン化源が放射線源である分析器
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記イオン化源が紫外線ランプを含む分
    析器。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記イオン化源がコロナ放電装置を含む
    分析器。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記イオン化源が電気スプレーノズルを
    含む分析器。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記イオン化源が電子コントローラに接
    続されて、バイアス電圧および非対称の周期的電圧を前記イオン・フィルタに印
    加する分析器。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記イオン・フィルタが非対称電界を形
    成する1対の間隔の空いた電極を含み、前記イオン流れ発生器が、前記間隔の空
    いた電極対から絶縁されて前記電界を横切る方向に強度変化する電界を形成する
    複数の間隔の空いた別個の電極を含む分析器。
  9. 【請求項9】 請求項1において、前記イオン流れ発生器が間隔の空いた複
    数の抵抗層を含み、各抵抗層に沿って電圧が印加されて長手方向の電界を形成し
    ている分析器。
  10. 【請求項10】 請求項1において、前記イオン流れ発生器が、電子コント
    ローラに電気的に接続された第1の複数の別個の電極を含み、この電子コントロ
    ーラが非対称の周期的電圧を前記第1の複数の別個の電極に印加し、かつ、前記
    イオン流れ発生器が、前記第1の複数の別個の電極間に散在して電圧源に接続さ
    れている第2の複数の別個の電極を含み、前記電圧源が前記第2の複数の別個の
    電極に沿って電位傾度を与えている分析器。
  11. 【請求項11】 請求項1において、前記分析ギャップがハウジングにより
    内包されており、前記イオン・フィルタが、前記ハウジングの内部表面上にある
    電極を含み、前記イオン流れ発生器が、前記イオン・フィルタの電極に対して近
    接しているが絶縁された電極を含んでいる分析器。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記イオン検出器が前記ハウジング
    の内部表面上にある電極を含み、この電極が、前記イオン・フィルタおよびイオ
    ン流れ発生器に近接している分析器。
  13. 【請求項13】 請求項1において、前記分析ギャップがハウジングにより
    内包されて、前記イオン・フィルタが前記ハウジングの外部表面上にある電極を
    含み、前記イオン流れ発生器が前記ハウジングの内部表面上に抵抗層を含み、電
    圧が各抵抗層に沿って印加されて長手方向の電界を形成している分析器。
  14. 【請求項14】 請求項1において、前記イオン・フィルタおよびイオン流
    れ発生器が組み合わされていて、連続する別個の導電性部材を含み、各導電性部
    材が異なった位相で電圧源により励起されている分析器。
JP2001537088A 1999-11-12 2000-11-10 長手方向の電界で駆動される非対称イオン移動度フィルタおよび検出システム Pending JP2003514349A (ja)

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