JP2003510379A - ポリオール中で安定した(コ)ポリマーの分散を調製するプロセス - Google Patents

ポリオール中で安定した(コ)ポリマーの分散を調製するプロセス

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、1つまたはいくつかのアゾカルボン酸エステルの存在下、エチレン型不飽和モノマーの1種のモノマーまたは混合物をインシトゥーに重合することによって、ポリオール中で安定な(コ)ポリマー分散体を調製する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、毒性のある開始剤残渣のない、低粘度で安定したポリオール中の(
コ)ポリマー分散を調製する方法に関する。さらに詳細には、本発明はポリオー
ル中のエチレン型不飽和モノマーまたはモノマーの混合物を、特殊なアゾ開始剤
の存在下でインシトゥーに重合することに関する。
【0002】 ポリオール中のエチレン型不飽和モノマーまたはモノマーの混合物を、フリー
ラジカル開始剤の存在下でインシトゥーに重合することによって調製されたグラ
フトコポリマーの分散は、US 3 652 659、US 3 875 25
8およびUS 3 950 317に提示され、周知である。これらの特許に開
示されているグラフトポリマーの分散を調製する様々な方法の中で、特に好まし
い方法は、モノマーおよびポリオールの中に少量分散した開始剤を、同時に一定
の速度で、ポリオールを含む反応器の中に注入する方法からなる。上述の特許に
よれば、多くの開始剤が適しているが、やはりアゾビス(イソブチロニトリル)
AIBNを使用することが好ましい。
【0003】 AIBNは重合の好ましい開始剤ではあるが、室温で固体であり、およびポリ
オールに非常に貧溶解性であるという欠点を持っており、したがって、反応器に
注入するAIBNの量を長時間一定にするためには、開始剤分散を常に攪拌する
ことが必要となる。さらに、反応中のAIBNの分解によって、テトラメチルス
クシノニトリルなどの副生産物が形成され、これは非常に毒性が高く、これをコ
ポリマー分散から除去することは不可能ではないが極めて難しい。
【0004】 さらに、US特許第4 161 468号は、ポリオール中のエチレン型不飽
和モノマーまたはモノマーの混合物を、半減寿命が55〜100℃で10時間の
、非対称に置換された液体アゾ化合物の存在下でインシトゥーに重合することに
よって、グラフトコポリマーの分散を調製する方法について述べている。前記書
類で定義された液体アゾ化合物は、式(I)で表される。
【0005】
【化2】 式中、Rは炭素原子数1〜6のアルキルラジカルであり、Rは炭素原子数1
〜20のアルキルラジカル、7〜12の炭素原子を含むフェニルアルキルラジカ
ルおよび3〜12の炭素原子を含むシクロアルキルラジカルのグループから選択
され、Rは炭素原子数1〜6のアルキルラジカルまたはフェニルラジカルであ
り、およびZは水素原子またはC≡N基である。
【0006】 出願人は、エチレン型不飽和モノマーまたはモノマーの混合物を、新規なアゾ
開始剤グループの存在下でインシトゥーに重合することによって、ポリオール中
で安定したコポリマーの分散を調製する方法を開発した。
【0007】 この新規なグループは式(II)のアゾカルボン酸エステルによって表される
【0008】
【化3】 式中、R、R、RおよびRは、同一であっても異なってもよく、 1〜9の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を含む、場合によっては水酸
基、C〜Cのアルコキシおよびハロゲン置換基から選択される1つまたは複
数の置換基で置換された、直鎖または分岐アルキルと、 場合によってはC〜Cのアルキル、C〜Cのアルコキシ、水酸基およ
びハロゲン基から選択される1つまたは複数の置換基で置換された、C〜C のシクロアルキルと、 場合によっては1つまたは複数のC〜Cのアルキル、C〜Cのアルコ
キシ、水酸基およびハロゲン基で置換されたアラルキルと、 場合によっては1つまたは複数のC〜Cのアルキル、C〜Cのアルコ
キシ、水酸基およびハロゲン基から選択された置換基で置換されたアリール基と
からなるグループから独立に選択され、 脂肪族環を形成でき得るR−RおよびR−Rの少なくとも1つの組み
合わせを持ち、 R”およびR’は、同一または異なっており、C〜C10、好ましくはC 〜Cの直鎖または分岐した脂肪族ラジカルのグループから独立に選択される。
【0009】 これらのアゾカルボン酸エステルの利点は、溶融点が低いことであって、通常
27℃以下である。好ましいアゾカルボン酸エステルは、R”およびR’がメチ
ルまたはエチルを表し、およびR、R、RおよびRは有利にはC〜C のアルキル基を表す。
【0010】 特に好ましいアゾカルボン酸エステルは、ジエチル2,2’−アゾビスイソブ
チラートであり、すなわちR、R、RおよびRはメチルを表し、R’お
よびR”はエチルを表す。ジエチル2,2’−アゾビスイソブチラート(DEA
B)およびジメチル2,2’−アゾビスイソブチラート(DMAB)の、DEA
Bが好ましくは50質量%以上の混合物は非常に有益な結果をもたらす。DEA
B、DMABおよび2−メチルエチル2’−アゾビスイソブチラートの、好まし
くはCOOMe/COOEtのモル比が≦10である混合物は好適である。
【0011】 式(II)のアゾカルボン酸エステルは、アゾニトリルをHClの存在下、ピ
ナー(Pinner)反応によってアルコールと反応させ、相当する塩酸アゾイ
ミノエーテルに変換させる第1のステップと、このようにして得られた塩化物の
存在下、加水分解する第2のステップを含む、従来の2ステップのプロセスで調
製してもよい。これらはまた、書類DE 2 254 572、EP 80 2
75およびEP 230 586に述べられている改良したプロセスで調製して
もよい。
【0012】 さらに、これらのエステルはアゾニトリルをアルコールおよび塩酸と、アルコ
ールがメタノールの場合はHCl/アゾニトリルのモル比を>2、アルコールが
エタノールまたは高級アルコールの場合は>3のモル比で、芳香族溶媒の中で反
応させて調製してもよい。
【0013】 本発明による方法で用いられるアゾカルボン酸エステルの量は、使用されるエ
チレン型不飽和モノマーの0.1〜6重量%、好ましくは0.5〜4重量%であ
る。
【0014】 本発明による方法において使用してもよいエチレン型不飽和モノマーは、例え
ば、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、
1,7−オクダジエン、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチ
レン、メチルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン等であり、 他の置換されたスチレン、例えば、クロロスチレン、2,5−ジクロロスチレ
ン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロメチルスチレン、ヨード
スチレン、シアノスチレン、ニトロスチレン、N,N−ジメチルアミノスチレン
、アセトキシスチレン、メチル4−ビニルベンゾアート、フェノキシスチレン、
p−ビニルフェニルフェニルサルファイド、p−ビニルフェニルフェニルオキサ
イド等であり、 アクリルおよび置換されたアクリルモノマー、例えば、アクリロニトリル、ア
クリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル
、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸
オクチル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリル酸メチル、α−エトキシア
クリル酸エチル、α−アセトアミノアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸フェニル、α−クロロアクリロニトリル、N,N−ジメチルアクリルアミド
、N,N−ジベンジルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、メタクリル
ホルムアミド等であり、 ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン等、例えば、酢酸ビニル、ク
ロロ酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラート、酢酸イソプロペニル、
ギ酸ビニル、塩化ビニリデン、メトキシ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、塩化ビニ
ル、ヨー化ビニル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、臭化ビニル、フッ化ビ
ニル、臭化ビニリデン、1−クロロ−1−フルオロエチレン、フッ化ビニリデン
、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエー
テル、2−メトキシエチルビニルエーテル、メトキシブタジエン、2−ブトキシ
エチルビニルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2
’−ビニルオキシエチルエチルエーテル、2−エチルメルカプトエチルビニルエ
ーテル、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ホスホン酸ビス(β−クロ
ロエチル)ビニルなどのホスホン酸ビニル、ビニルフェニルケトン、ビニルエチ
ルスルフィド、ビニルエチルスルホン、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、
N−ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ジビニルスルフィド、ジビニルス
ルホキシド、ジビニルスルホン、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン
酸メチル、N−ビニルピロール等であり、 フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸
、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、メタクリル酸t−ブチルアミノエチル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸グリシジル、アリルアルコール
、イタコン酸のグリコールモノエステル、ジクロロブタジエン、ビニルピリジン
等である。重合のためのエチレン型不飽和モノマーの量は、通常ポリオールの5
重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜50重量%である。
【0015】 好ましいエチレン型不飽和モノマーは、ポリオール中に混和できるモノマーま
たはモノマーの混合物である。スチレンおよび置換された、または置換されてい
ないアクリルは特に言及する価値がある。
【0016】 本発明によれば、重合の温度は60〜140℃、好ましくは70〜120℃で
ある。
【0017】 本発明で使用されるポリオールは周知である。それらは、例えば再審査US特
許第28 715号に記載されている、エチレン型不飽和を含まないもの、また
は、例えばUS特許第3 652 659号および再審査US特許第29 01
4号に記載されている、不飽和のものであってもよい。
【0018】 エチレン型不飽和を含まないポリオールは、しばしば、US特許第1 922
451号、US特許第3 190 927号、US特許第3 346 557
号に記載されているように、酸化アルキレンまたは酸化アルキレンの混合物を、
少なくとも2つの活性水素原子を含む有機化合物と同時にまたは連続的に触媒で
縮合して得られる。
【0019】 代表的なポリオールは、特に、ポリヒドロキシル化ポリエステル、ポリアルキ
レンポリエーテルポリオール、いくつかのヒドロキシルラジカル端を含むポリウ
レタン、いくつかのヒドロキシルラジカル端を含むポリカプロラクトンポリエス
テル、ポリヒドロキシル化リン化合物およびアルキレンオキサイドにポリヒドロ
キシル化ポリチオエーテルを付加した付加生成物、ポリアセタール、脂肪族ポリ
オールおよびチオール、アンモニアおよびアミン、特に芳香族、脂肪族または複
素環式のアミン、場合によってはこれらの混合物である。アルキレンオキシドに
上述したグループのラジカルを2つ以上含む化合物を付加した付加生成物もまた
、アミノラジカルおよびヒドロキシルラジカルを含むアミノアルコールと同様、
適している。アルキレンオキシドに、チオールラジカルおよびヒドロキシルラジ
カルを含む化合物を、また同様にアミノラジカルおよびチオールラジカルを含む
化合物を、付加した付加生成物も使用することができる。一般的な法則として、
ポリオールの当量重量は100〜20,000、好ましくは500〜10,00
0およびさらに好ましくは1,000〜3,000である。
【0020】 適当なヒドロキシル化ポリエステル、例えば、ポリカルボン酸およびポリヒド
ロキシル化アルコールから誘導したすべてのものが好適である。適当なポリカル
ボン酸、例えば、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、タプシン酸(Tha
psic acid)、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、α−ヒドロムコ
ン酸、β−ヒドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエ
チル琥珀酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリト酸および1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸のどれでも使用することができる。脂肪族系または芳香族
系のどちらでもよいが、適当なポリヒドロキシル化アルコール、例えば、エチレ
ングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール
、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレ
ングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、
グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロ
ールエタン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、α−メチルグルコシド、ペン
タエリスリトールおよびソルビトールのどれでも使用することができる。「ポリ
ヒドロキシル化アルコール」という表現は、フェノールから誘導される化合物、
例えば、一般的にビスフェノールAとして知られている2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンをも意味している。
【0021】 適当なポリアルキレン−ポリエーテルポリオールのいずれも、例えば、アルキ
レンオキシドの重合生産物またはアルキレンオキシドと2〜6のヒドロキシルラ
ジカルを含むポリヒドロキシル化アルコールとの重合生成物も使用することがで
きる。上述したヒドロキシル化ポリエステルを調製するために、いかなるポリヒ
ドロキシル化アルコールも使用することができる。エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、ブチレンオキシドおよびアミレンオキシドなど、適当なアルキレン
オキシドのいずれも、さらにこれらのオキシドの異性体またはブロックコポリマ
ーも使用することができる。ポリアルキレン−ポリエーテルポリオールは、他の
出発化合物、例えば、テトラヒドロフランおよびアルキレンオキシドとテトラヒ
ドロフランとのコポリマー、エピハロヒドリン、例えばエピクロロヒドリン、お
よびアルキレンオキシド、例えばスチレンオキシドなどの化合物から調製しても
よい。ポリアルキレン−ポリエーテルポリオールは第1または第2ヒドロキシル
ラジカルを含んでもよく、好ましくは、ポリオキシエチレングリコール、ポリオ
キシプロピレングリコールおよびポリオキシブチレングリコールなどの、炭素原
子2〜6のアルキレンオキシドから誘導されるポリエーテルである。ポリアルキ
レン−ポリエーテルポリオールは、周知の方法、例えば、Interscien
ce Publishers Inc.が出版したEncyclopedia
of Chemical Technology,volume7,page2
57〜262(1951年)において1859年、Wurtzが述べた方法、ま
たはUS特許第1 922 459号に記載された方法のいずれで調製してもよ
い。好ましいポリエーテルは、特にアルキレンオキシドとトリメチロールプロパ
ン、グリセロール、ペンタエリスリトール、スクロース、ソルビトール、プロピ
レングリコールおよび2,2−(4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパンとの
付加生成物、およびそれらの混合物であり、その当量重量は100〜5,000
である。
【0022】 アルキレンオキシドと縮合できる適当なポリヒドロキシル化ポリチオエーテル
は、特にチオジグリコールの縮合生成物または上述したヒドロキシル化ポリエス
テルの合成用の1つであるジヒドロキシル化アルコールと、他の適当なチオエー
テルグリコールとが反応した生成物である。
【0023】 ヒドロキシル化ポリエステルは、このポリエステルの調製に使用される薬剤に
、ある量のアミンまたはアミノアルコールを加えることによって得られるポリエ
ステルアミドであってもよい。したがって、ポリエステルアミドは、エタノール
アミンなどのアミノアルコールと上述したポリカルボン酸を縮合することによっ
て得てもよい。または、別法として、エチレンジアミンなどのジアミンによって
その薬剤の一部が形成される、ヒドロキシル化ポリエステルを形成する薬剤と同
じ薬剤を採用して調製してもよい。
【0024】 使用してもよいポリヒドロキシル化リン化合物は特にUS特許第3 639
542号に記載されている化合物である。好ましいポリヒドロキシル化リン化合
物は、アルキレンオキシドから、および、約72%〜95%当量のPを有
するリン酸から得られる。
【0025】 アルキレンオキシドと縮合してもよい好適なポリアセタールは、特にホルムア
ルデヒドまたは他の適切なアルデヒドとジヒドロキシル化アルコールまたは上述
したアルキレンオキシドとの反応生成物である。
【0026】 アルキレンオキシドと縮合させてもよい好適な脂肪族チオ−ルは、特に1,2
−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオー
ルおよび1,6−ヘキサンジチオールなどのチオールラジカルを少なくとも2つ
含むアルカンチオール、およびまた例えば2−ブテン−1,4ジチオールなどの
アルケンチオール、および例えば3−ヘキシン−1,6−ジチオールなどのアル
キンチオールである。
【0027】 アルキレンオキシドと縮合してもよい適切なアミンは、例えばアニリン、o−
クロロアニリン、p−アミノアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、メチレン
ジアニリン、アニリンの縮合生成物およびホルムアルデヒドと2,4−ジアミノ
トルエンの縮合生成物などの芳香族アミン、およびまた、例えばメチルアミン、
トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン
、1,4−ブチレンジアミンおよび1,3−ブチレンジアミンなどの脂肪族アミ
ンである。
【0028】 エステル基を含むポリオールもまた適しているであろう。これらのポリオール
は、アルキレンオキシドをジカルボン酸無水物および活性水素原子を含む化合物
と反応させて調製される。この調製方法の詳細な説明は、US特許第3 585
185号、US特許第3 639 541号およびUS特許第3 639 5
42号から参照できる。
【0029】 本発明において用いることのできる不飽和ポリオールは、上で定義した従来の
ポリオールをエチレン型不飽和物およびヒドロキシル、カルボキシル、エポキシ
ドまたは無水物ラジカルの双方の少なくとも1つを含む有機化合物と反応させる
ことによって調製してもよい。変形としてこのポリオールは、エチレン型不飽和
物およびポリオールの合成に関与した薬剤のヒドロキシル、カルボキシル、無水
物またはエポキシドラジカルの双方の少なくとも1つを含む化合物から調製して
もよい。このような有機化合物の例は、例えばマレイン酸または無水物、フマル
酸または無水物、クロトン酸または無水物、プロペニルコハク酸無水物およびハ
ロゲン化マレイン酸または無水物などの不飽和ポリカルボン酸および無水物、例
えば2−ブテン−1,4−ジオール、アリルグリセリルエーテル、アリルトリメ
チロールプロパンエーテル、アリルペンタエリスリチルエーテル、ビニルペンタ
エリスリチルエーテル、ジアリルペンタエリスリチルエーテルおよび1−ブテン
−3,4−ジオールなどの不飽和ポリヒドロキシル化アルコール、また、例えば
1−ビニルシクロヘキサン3,4−エポキシド、ブタジエンモノオキシド、ビニ
ルグリシジルエーテルまたは1−ビニルオキシ−2,3−エポキシプロパン、メ
タクリル酸グリシジルおよび3−アリルオキシプロピレンオキシドまたはアリル
グリシジルエーテルなどの不飽和エポキシドである。ポリカルボン酸または無水
物を用いて不飽和をポリオールに結合させるには、本発明による用法を適用する
前に、不飽和ポリオールをアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドま
たはプロピレンオキシドと反応させ、カルボキシルラジカルをヒドロキシルラジ
カルと置き換えることが必要である。用いられるアルキレンオキシドの量は、本
質的に不飽和ポリオールの酸の数を約1以下に下げるためである。
【0030】 本発明による方法において用いることのできる不飽和ポリオールを調製するに
は、有機化合物の量は、ポリオール1モルに対して約0.1〜3.0モル、およ
び好ましくは0.30〜1.5モルである。
【0031】 本発明によって使用される不飽和ポリオールの調製は、US特許第3 275
606号およびUS特許第3 280 077号に記載されている従来のプロ
セスによって実施される。一般的な法則として、反応温度は0〜130℃が必要
である。例えばルイス酸などの酸触媒、または例えば水酸化アルカリ金属などの
塩基性触媒のどちらでも適切である。さらに、50〜200℃の温度では、触媒
が無くても反応が進む。
【0032】 さらに、ジエンのフリーラジカル重合によって得られた不飽和ポリオールも好
適であろう。ポリブタジエンまたはイソプレンを、場合によっては1つまたは複
数のエチレン型不飽和モノマーと、例えば過酸化水素などのフリーラジカル開始
剤で重合することによって調製したポリオールは、特に言及する価値がある。
【0033】 本発明の方法は、連鎖移動剤、特に1〜20の炭素原子を含むアルキルラジカ
ルを有するアルキルメルカプタンの存在下で行ってもよい。使用される連鎖移動
剤の量は、通常、重合するエチレン型不飽和モノマーの0重量%〜2重量%であ
る。
【0034】 本発明による方法は、全ての薬剤を反応器に装填し、次いでこれを重合温度ま
で高めることによって実施してもよい。この方法はまた、エチレン型不飽和モノ
マーと液状アゾカルボン酸エステルを同時に一定速度でポリオールに加えること
によって実施してもよい。この方法の好ましい1方式によれば、ポリオールを含
む反応器は最初に窒素中に置かれ、次いで重合温度まで温度を上げ、その後、場
合によっては連鎖移動剤の混合物として、エチレン型不飽和モノマー、および場
合によってはポリオールの一部に溶解した、アゾカルボン酸エステルを同時に一
定の速度で装填する。モノマーを装填し終わった後、モノマー残渣を消費するた
めにアゾカルボン酸エステルを注入してキュア温度まで温度を上げる。操作を通
じ、反応器には窒素を流しておく。
【0035】 この方法の1つの変形によれば、アゾカルボン酸エステルは重合中に半連続的
に加えてもよい。
【0036】 −20〜27℃の温度で液体であるという利点に加え、使用されるカルボン酸
エステルはポリオールおよび他の有機溶媒に非常に良く溶ける。さらに、これは
毒性のある副生成物またはシアノ化合物のどちらも発生しない。
【0037】 このようにして得られたコポリマーの分散は安定で、透明であり、ポリウレタ
ンの製造に使用することができる。
【0038】 実験の部 製品 DEAB:ジエチル2,2’−アゾビスイソブチラート Arcol 1000 P:Lyondellからのポリオキシプロピレンポ
リオールで、0.02m当量/gの不飽和を含み、OH数は110mgKOH/
g。 Arcol ポリオール 1025:Lyondellからのポリオキシプロ
ピレンポリオールで、50m当量/gの不飽和を含み、OH数は28.5mgK
OH/g。 PolyBD R20LM:Elf Atochemからのヒドロキシル化ポ
リブタジエンで、OH数は95mgKOH/g。 PolyBD R45HT:Elf Atochemからのヒドロキシル化ポ
リブタジエンで、OH数は47mgKOH/g。
【0039】 以下の文では特に示さない限り、量は重量部を表す。
【0040】 実施例1 60部のArcol 1000Pを、温度計、攪拌機および窒素源を備える反
応器に装填する。ポリオールを窒素で30分間多孔分散(sparge)してガ
ス抜きをし、次いで反応の間を通じ窒素雰囲気下に置く。反応器の内容物を次い
で80℃にする。10部のスチレン、10部のアクリロニトリルおよび0.04
部のn−ドデシルメルカプタンを、0.3部のDEABを加えた20部のArc
ol 1000P溶液と共に3時間かけて反応器に装填する。モノマーの添加が
終了した後、ポリオールおよび開始剤、0.04部のDEABを反応器に加え、
次いで反応体の温度を100℃に上げ、反応体をこの温度で1時間保持する。次
いで反応器の内容物を冷却し、最終的に取り出す。
【0041】 このようにして得た組成物は25℃でのブルックフィールド粘度が1080m
Pa・s、およびOH数は85mgKOH/gの分散である。
【0042】 実施例2 プロセスはArcol 1000PをPolyBD R20LMに置き換えた
以外は実施例1と同様に実施する。
【0043】 このようにして得た組成物は25℃でのブルックフィールド粘度が3050m
Pa・s、およびOH数は75mgKOH/gの透明で均質な分散である。
【0044】 実施例3 60部のPolyBD R45HTを、温度計、攪拌機および窒素源を備える
反応器に装填する。ポリオールに30分間窒素の微細気泡を通じてガス抜きをし
、次いで反応の間を通じ窒素雰囲気下に置く。反応器の内容物を次いで80℃に
する。10部のスチレン、10部のアクリロニトリルおよび0.04部のn−ド
デシルメルカプタンを、0.4部のDEABを加えた20部のPolyBD R
20LM溶液と共に3時間かけて反応器に装填する。モノマーの添加が終了した
後、ポリオールおよび開始剤、0.08部のDEABを反応器に加え、次いで反
応体の温度を100℃に上げ、反応体をこの温度で1時間保持する。次いで反応
器の内容物を冷却し、取り出す。
【0045】 このようにして得た組成物は25℃でのブルックフィールド粘度が8000m
Pa・s、およびOH数は46mgKOH/gの透明で均質な分散である。
【0046】 実施例4 プロセスは、20部のブチルメタアクリラートおよび0.04部のn−ドデシ
ルメルカプタンを、0.4部のDEABを加えた20部のPolyBd R20
LM溶液と共に3時間かけて反応器に装填し、それ以外は実施例2に記載したと
同様に実施する。
【0047】 このようにして得た組成物は、25℃でのブルックフィールド粘度が7300
mPa・s、およびOH数は75mgKOH/gの透明で均質な分散である。
【0048】 実施例5 プロセスは、Arcol 1000PをArcol Polyol 1025
に置き換え、6部のスチレンおよび14部のアクリロニトリルを含む混合物を、
0.4部のDEABを加えた20部のArcol Polyol 1025溶液
と共に3時間かけて反応器に装填し、それ以外は実施例1に記載したと同様に実
施する。
【0049】 このようにして得た組成物は、25℃でのブルックフィールド粘度が3850
mPa・s、およびOH数は23mgKOH/gの安定した分散である。
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Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開始剤の存在下、エチレン型不飽和モノマーまたはモノマー
    の混合物をインシトゥーに重合することによって、ポリオール中で安定な(コ)
    ポリマーの分散を調製する方法であって、この開始剤が式(II)のアゾカルボ
    ン酸エステルまたは式(II)のアゾカルボン酸エステルの混合物である 【化1】 [式中、R、R、RおよびRは、同一であっても異なってもよく、 1〜9の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を含む、場合によっては水酸
    基、C〜Cのアルコキシおよびハロゲン置換基から選択される1つまたは複
    数の置換基で置換された、直鎖または分岐アルキルと、 場合によってはC〜Cのアルキル、C〜Cのアルコキシ、水酸基およ
    びハロゲン基から選択される1つまたは複数の置換基で置換された、C〜C のシクロアルキルと、 場合によっては1つまたは複数のC〜Cのアルキル、C〜Cのアルコ
    キシ、水酸基およびハロゲン基で置換されたアラルキルと、 場合によっては1つまたは複数のC〜Cのアルキル、C〜Cのアルコ
    キシ、水酸基およびハロゲン基から選択された置換基で置換されたアリール基と
    からなるグループから独立に選択され、 脂肪族環を形成でき得るR−RおよびR−Rの少なくとも1つの組み
    合わせを持ち、 R”およびR’は、同一または異なっており、C〜C10、好ましくはC 〜Cの直鎖または分岐した脂肪族ラジカルのグループから独立に選択される。
    ] ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 アゾカルボン酸エステルにおいて、R”およびR’がメチル
    またはエチルを表し、R、R、RおよびRがC〜Cのアルキルラジ
    カルを表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 R”およびR’がエチルラジカルを表し、R、R、R およびRがメチルラジカルを表すことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 開始剤がジエチル2,2’−アゾビスイソブチラートおよび
    2−メチルエチル2’−アゾビスイソブチラートの混合物であることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 エチレン型不飽和モノマーが、ポリオールに溶解可能なモノ
    マーまたはモノマーノ混合物であることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 開始剤が、DEAB、DMABおよび2−メチルエチル2’
    −アゾビスイソブチラートの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 開始剤が半連続的に装填されることを特徴とする請求項1か
    ら6のいずれか一項に記載の方法。
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