JP2003510357A - ピルビン酸エステル組成物ならびに虚血および再灌流の事象後の蘇生のための使用法 - Google Patents

ピルビン酸エステル組成物ならびに虚血および再灌流の事象後の蘇生のための使用法

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キサンタス ライフ サイエンシズ,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 2−ケトアルカン酸のアルキル、アラルキル、アルコキシアルキルまたはカルボキシアルキルのエステル、および生理学的pH値で該エステルのエノール共鳴型を誘導および安定化するための成分を含有してなる治療用組成物を開示する。本発明の組成物は、生理学的pH値で該エステルのエノール共鳴型を安定化する薬学的に許容され得る担体ビヒクルをさらに含有している。本発明の組成物を含有してなる配合物は、例えば虚血事象、ショック、臓器復活、蘇生を処置するための2−ケトアルカン酸エステル、例えばピルビン酸エステルの良好な使用、ならびに他に認識されたピルベートが有効な治療を可能にする。本発明の組成物はまた、生体哺乳動物から取り出され、例えば後に臓器レシピエントに移植するための保存を必要とする臓器の一部、臓器または四肢を保存するためのプロセスにおいて有用である。図は、本発明の組成物中の好ましい2−ケトアルカン酸エステルの構造を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願の相互参照 本出願は、1999年10月7日に出願された、発明の名称が「ピルビン酸エ
ステル組成物および虚血および灌流後の蘇生のための使用法」である米国特許仮
出願第60/158,091号の優先権を主張するものであり、その全体は参照
により本明細書に取り込まれる。
【0002】 政府援助による研究または開発に関する記載 本発明に至った研究の一部は、国立衛生研究所(Hational Institutes of Hea
lth )からの助成金第GM37631号のもとで提供された米国政府の援助によ
りなされた。したがって、米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【0003】 発明の背景 本発明は、いくつかの新しいピルベート化合物に関し、例えば、(1)腸間膜
虚血、腸間膜血栓または腸間膜静脈閉塞、(2)大動脈の動脈瘤修復、冠状動脈
バイパスまたは四肢の動脈閉塞の外科的治療、(3)貫通性および鈍器によるも
の(blunt )のいずれかの外傷に起因する出血性ショック、および(4)臓器の
保存および移植の前、その間およびその後において、哺乳動物、特にヒトの蘇生
および復活のための方法に関する。虚血は、本明細書において、血液による臓器
または臓器の一部への酸素供給の中断と定義する。虚血事象の例には、(i)冠
状動脈、大脳動脈または腸間膜動脈の枝の閉塞の後に生じる心筋、大脳または腸
の梗塞形成、および(ii)移植前の臓器の取り出しおよび保存が含まれる。心
筋梗塞の場合、虚血心筋層への血流の迅速な回復、すなわち、冠状動脈再灌流が
治療の重要な構成要素である。これは、死亡率が、虚血事象の重篤度および期間
に関連する梗塞の大きさ(壊死した組織)に直接関連するからである。出血性シ
ョックの結果は虚血性のものと類似するが、原因事象は血流の中断ではなく、む
しろ酸素供給の枯渇を引き起こす大量の血液損失そのものである。
【0004】 正常な血液供給から遮断された臓器に酸素を供給する必要性にもかかわらず、
血流の回復時に再灌流障害が起こり得ることがわかった。これは、反応性酸素種
(ROS)、すなわち過酸化水素、ヒドロキシラジカルおよび超酸化物ラジカル
、なかでも細胞外および細胞内供給源の両方から形成されるものの産生に起因す
る。ROSは、正常な条件下で内性防御機構により捕捉される非常に反応性の高
い種である。しかしながら、虚血後(post-ischemic) 酸化ストレスの条件下では
、ROSは、種々の細胞成分と相互作用し、脂質の過酸化、タンパク質の変性お
よび間隙マトリックスの損傷を引き起こし、膜透過性の増大および組織酵素の放
出をもたらす。
【0005】 虚血、またショックの処置における灌流のこれらの望ましくない副作用を最小
限にする試みにおいて、研究者らは、再灌流プロセスでの種々の抗酸化剤の有用
性を示した。
【0006】 Bandaら(1996)とKuroseら(1997)とを併せると、再灌
流した心筋層を保護するためのROS産生阻害剤の使用、およびROSレベルを
低下させる薬剤および阻害剤の使用が示唆される。同様の情況において、より効
率的な蘇生を提供することを所望して、研究者らは、抗酸化剤および有益な代謝
燃料(metabolic fuel)を再灌流療法に含めるさらなる有用性を示した。Sala
hudeenら(1991)は、過酸化水素誘導性急性腎不全に対する防御のた
めに、ピルベート、ROSスカベンジャーおよび糖新生ための代謝的に重要な前
駆体燃料の溶液を使用した。Cicaleseら(1996)は、管内ピルベー
トでの前治療が虚血後小腸障害を改善することを見出し、Crestanell
oら(1998)、DeBoerら(1993)およびO’Donnell−T
ormeyら(1987)は、再灌流時において内因的に分泌されるピルベート
および外因的に添加される物質の両方の改善効果を調べ、続いて、虚血および刺
激ショックに供した臓器および組織の調製物の機能を調べることによりこの所見
を実証した。Varmaら(1998)は、同様に、培養レンズ系において、フ
リーラジカル酸化剤ストレスに該培養レンズを曝露した後、ピルベートおよびそ
のエステルが一定の細胞保護効果および復活効果を有することを示した。
【0007】 再灌流した心臓組織を保護することに関するさらなる努力において、米国特許
第5,075,210号明細書(参照により本明細書に取り込まれる)は、移植
用心臓の再灌流法を開示している。該特許は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化カルシウム、重炭酸ナトリウム、EDTAナトリウム、塩化マグネシウム、
ピルビン酸ナトリウムおよびタンパク質を含んでなる心停止液を開示している。
【0008】 米国特許第5,294,641号明細書(参照により本明細書に取り込まれる
)は、虚血の有害効果を防ぐためのピルベートの使用に関する。該ピルベートを
、手術手順の前に投与し、患者の心拍出量および心拍動容量を増大させる。該ピ
ルベートは、カルシウム塩またはナトリウム塩として投与される。あるいはまた
、該ピルベートをエチルアミノピルベートなどのピルビン酸のアミドとしうる。
同様に、米国特許第5,508,308号明細書(参照により本明細書に取り込
まれる)は、心筋梗塞後の再灌流障害を治療するためのピルビルグリシンの使用
を開示している。
【0009】 米国特許第4,988,515号明細書および第5,705,210号明細書
(参照により本明細書に取り込まれる)は、移植前の心臓のための心停止液およ
び保存液にピルビン酸塩を用いている。米国特許第4,970,143号明細書
(参照により本明細書に取り込まれる)は、生体組織を保存するために、保存液
へのピルベートの添加を含む、アセトアセテートの使用を開示している。
【0010】 米国特許第5,100,677号明細書(参照により本明細書に取り込まれる
)は、種々の非経口溶液の組成物を開示している。ピルベートアニオン(見かけ
上、金属塩由来)を静脈用溶液に含めるという提案は興味深い。
【0011】 米国特許第5,798,388号明細書(参照により本明細書に取り込まれる
)では、気道の炎症の情況におけるROSの処置のためのピルビン酸塩、および
アミドなどの種々の複合誘導体の有用性をさらに記載している。該特許は、共有
結合で結合したピルボイル−アミノ酸の形態のピルベート化合物を開示している
。このタイプのピルベート送達システムを用いることにより、ピルビン酸塩の負
の効果が回避される。しかしながら、大量のピルベート−アミノ酸の投与は、肝
臓および/または腎臓の病気を有する患者に害を及ぼし得る窒素過負荷をもたら
しうる。
【0012】 同様の情況において、およびピルベート送達の同様の原理に基づいて、米国特
許第5,876,916号明細書は、虚血、糖尿病の影響、コレステロールレベ
ル、傷害された臓器、エタノール中毒後の再灌流障害の治療または予防のため、
または食品材料としてのピルビン酸チオールエステルおよびポリオールエステル
の有用性に関する。米国特許第5,633,285号明細書、第5,648,3
80号明細書、第5,652,274号明細書および第5,658,957号明
細書(それぞれ参照により本明細書に取り込まれる)は、抗炎症剤および免疫刺
激性創傷治癒組成物として、他の抗酸化剤、脂肪酸との混合物のピルビン酸の種
々の組成物、塩、プロドラッグおよび誘導体を開示している。しかしながら、複
合ピルベート−アミノ酸、および抗酸化効果の発現(liberation)前に酵素的加水
分解を必要とする他のプロドラッグ誘導体の大量投与は、窒素および/または他
の生体異物過負荷をもたらし得、それが直接患者に害を及ぼしたり、正常な解毒
プロセスを妨害したり、あるいは限定的な寿命の副生成物による毒性効果を引き
起こしたりしうる。
【0013】 ピルベートが、再灌流溶液または他の種々の用途の有効成分として受け入れら
れているにもかかわらず、ピルビン酸は、強酸で不安定な酸であり、そのままで
は注入できない。溶液にすると、生理学的範囲を含む種々のpH値でのピルビン
酸およびその塩は、いずれも抗酸化剤としてのROSと反応せず、かつ、ともに
代謝燃料としてのピルベートの利用の阻害剤として知られた安定な水和物および
ダイマー(パラ−ピルベート)の両方を形成することが知られており、それによ
り、前述の従来技術に伴うピルベート投与から生じたかもしれない任意の有益な
効果を排除する。
【0014】 さらに、ピルビン酸の塩などの従来の薬理学的ピルベート化合物は、特に生理
学的に安定でないことが認識されている。例えば、これらの化合物は、患者の体
液における高濃度のイオン(例えば、カルシウムまたはナトリウム)の蓄積をも
たらす。同様に、ピルベートを含有するアミノ酸化合物は、過剰な窒素負荷をも
たらしうる。また、そのアミド官能基(function)が血漿および/または組織でお
そらく加水分解され、それによりピルベートを放出するピルビルグリシンを注入
することが提案されている。
【0015】 しかしながら、血漿中1mMピルベートを達成することが必要とされる高速度
でのピルボイルグリシン注入では、グリシン負荷は、肝臓または腎臓の病気に罹
患した患者にとって有害でありうる。また、血漿にグリシンが大量に含まれる(f
lood) と、血管脳関門を通過する数種類のアミノ酸の輸送を妨害しうる。したが
って、臓器の保存に潜在的に好適であるが、これらのピルベート化合物は、イン
ビボでの臓器の治療にはあまり好適でなく、生理学的により許容され得るピルベ
ート輸送化合物を提供する必要性があることが認識されている。
【0016】 また、1)限定的な寿命、2)配合の複雑性、3)賦形剤およびその他の配合
材料との反応性および相互反応性(co-reactivity) 、4)輸送、移動(transloca
tion) および組織への取り込みの際の有害な生化学的反応性、および5)アミダ
ーゼまたはペプチダーゼによる酵素的加水分解による代謝的活性化に対する必要
条件のため、費用効果が高く、簡便で汚染の可能性がないピルベート輸送システ
ムを提供する必要性が認識されている。したがって、代替的な生理学的適合性の
ある治療用ピルベート化合物を利用可能にすることが望ましいであろう。
【0017】 発明の概要 本明細書に記載された本発明は、上に示した用途のための新しい、改良された
、利用しやすい(accessible)組成物を提供する。
【0018】 一局面において、本発明は、2−ケトアルカン酸(2-ketoalkanoic acid )の
アルキル、アラルキル、アルコキシアルキルまたはカルボキシアルキルのエステ
ルおよび該エステルのエノール共鳴型を生理学的pH値で誘導および安定化する
ための成分を含んでなる組成物に関する。本発明の組成物は、薬学的に許容され
得る担体ビヒクルをさらに含有し、該担体ビヒクル内で該エステルのエノール共
鳴型が生理学的pH値で安定化される。
【0019】 好ましくは、本発明の組成物におけるエステルは、2−ケトプロピオン酸(ピ
ルビン酸)のアルキルエステルであり、最も好ましくはエチルエステルであり、
安定化成分は、カチオン性材料、好ましくは2価カチオン、最も好ましくはカル
シウムまたはマグネシウムである。本発明の組成物における薬学的に許容され得
る担体は、哺乳動物に治療剤を投与するのに安全であると一般に認識されている
任意の担体ビヒクル、例えば、注入のためのバッファー溶液、経口投与のための
錠剤、またはオン・サイト(on-site) 送達のためのゲル、ミセルもしくはリポソ
ームの形態であり得る。好ましいバッファー溶液は、等張性または高張性の生理
食塩水、または重炭酸塩、リン酸塩、血漿エキステンダー(plasma extender) 、
マイクロコロイドもしくは微晶質溶液である。特に好ましくは、カリウムイオン
を補充した等張生理食塩水のリンガー溶液である。特に好ましい局面において、
本発明の組成物は、カルシウムイオンと混合したピルビン酸エチルをpHが7〜
8の範囲のリンガー溶液中に含有してなる。
【0020】 他の局面において、本発明の組成物中の2−ケトアルカン酸エステル化合物の
エステル部分は、好ましくは、エチル、プロピル、ブチル、カルボキシメチル、
アセトキシメチル、カルベトキシメチルおよびエトキシメチルのエステルからな
る群より選ばれる。2−ケトアルカン酸部分は、好ましくは2−ケト−ブチレー
ト、2−ケトペンタノエート、2−ケト−3−メチル−ブチレート、2−ケト−
4−メチル−ペンタノエートおよび2−ケト−ヘキサノエートからなる群より選
ばれる。
【0021】 別の局面において、本発明は、虚血事象または再灌流などの事象に関連する傷
害、状態または障害を治療するための方法に関する。本発明の新規な組成物を含
有してなる配合物は、十分高負荷のピルベートを毒性の構成物なしに投与しうる
ため、例えば虚血事象、ショック、臓器復活、蘇生を処置するための2−ケトア
ルカン酸エステル、例えばピルビン酸エステルの良好な使用、ならびに他に認識
されたピルベートが有効な治療を可能にする。さらに、本発明の組成物の使用は
、複数の化合物またはピルベートそのものの分子誘導体からなるものなどの相互
活性(co-active) 成分もしくは複合賦形剤の添加により複雑化されない(uncompl
icated) 従来の乳酸加リンガー溶液での直接置換を提供する。本発明の組成物は
また、生体哺乳動物から取り出され、例えば後に臓器レシピエントに移植するた
めの保存を必要とする臓器の一部、臓器または四肢を保存するためのプロセスに
おいて有用である。かかるプロセスは、当業者に周知であり、例えば、米国特許
第5,066,578号明細書(参照により本明細書に取り込まれる)に記載さ
れている。
【0022】 本発明の方法のさらなる実用的な利点は、活性な2−ケトアルカン酸成分を生
物学的に安全で容易に加水分解されうるエステルとして配合することである。該
エステルは、生理学的pH値において非特異的エステラーゼ、および/またはア
ミノ酸残基などの有機酸または塩基により触媒される非特異的辺縁性(marginall
y)アルカリ加溶媒分解による細胞内加水分解を受ける能力を保持しつつ、対応す
る塩よりも大きい該エステルの親油性のために、膜を介する拡散的プロセスによ
り組織および細胞に取り込まれうる。
【0023】 より重要なことには、本発明の方法は、1を超える反応機構により反応性酸素
種を不活化する安定化エステルの形態の2−ケトアルカン酸、例えばピルビン酸
を提供する。過酸化水素などの反応性で超原子価の酸素とのこの反応生成物は、
それ自身が、潜在的に有害な排出性産物または代謝産物の代わりの代謝燃料であ
る分解生成物を与える。
【0024】 本発明の他の特徴および利点は、添付の図面と併せて、以下の好ましい態様の
記載ならびに特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0025】 発明の詳細な説明 したがって、本発明の主たる目的は、2−ケトアルカン酸エステルを含有して
なる新しくて改良された組成物、ならびにそれらを上述の一定の状態を治療する
ために使用する方法を提供することである。
【0026】 前述の目的を達成するため、および本発明の目的に従って、本明細書に態様を
示し、広く記載するように、本発明の新規な組成物の1つは、生理学的pH値で
該エステルの2−ケト官能基のエノール化を誘導する充分濃度の生物学的に安全
な有機または無機カチオンと混合された、図1に示す分子構造に従う2−ケトア
ルカン酸エステルを含有してなる。好ましい態様において、該組成物は、2−ケ
トプロピオン酸(ピルビン酸)のアルキルエステルを含有してなり、該エステル
は、そのエチル類似体であり、カチオンが2価カチオン、特にカルシウムまたは
マグネシウムのいずれかである。本発明の組成物の特に好ましい配合では、エス
テル化合物が、pHが約7〜8のリンガー溶液中でカルシウムイオンと混合され
たピルビン酸エチルである。
【0027】 本発明の治療用組成物は、薬学的に許容され得る不活性担体物質において、常
套的な方法により、経口的、局所的または非経口的(例えば、鼻腔内、皮下、筋
肉内、静脈内、管内、動脈内、膣内、経尿道的、経直腸的)に投与しうる。例え
ば、本発明の治療用組成物は、生分解性生体適合性ポリマーを用いて徐放性配合
物において、またはミセル、ゲル、リポソームもしくはバッファー溶液を用いて
オン・サイト送達により投与しうる。本発明の組成物における活性エステル薬剤
は、注入物(infusate)として、本明細書に記載のようなバッファー溶液において
、例えば20〜200mMの濃度で、好ましくは10〜100mg/kg/時の
速度で投与しうる。ボーラス形態において、活性エステル薬剤は、例えば10〜
200mg/kgの用量で、1日1〜4回投与しうる。本発明の組成物における
カチオンは、投与される組成物における活性エステル薬剤の量の2−ケト官能基
のエノール化を誘導するのに適切な濃度である。最適な用量および投与様式は、
従来のプロトコルにより容易に決定されうる。
【0028】 ピルベートおよび他の2−ケトアルカン酸は、例えば復活用灌流液により、送
達されたエステルから細胞内に放出されると、NADHトラップおよび再灌流時
に生じるROSのトラップとして作用する。第1の場合において、2−ケトアル
カン酸は反応してラクテートを生じ、過剰のNADHを酸化し、それにより低酸
素により引き起こされる生理学的発作(insult)の間に生じる「還元剤ストレス」
から保護される。後者の場合では、2−ケトアルカン酸は超原子価酸素と反応し
、従来技術で示されるように、自発的に分解して最終的にアセテートおよび二酸
化炭素になる一過性の過酸を形成する。生じるアセテートは老廃物であり、これ
は、アセチルCoAプールに再び入ることにより廃物利用(salvage) され、クレ
ブス回路内の中間代謝もしくは糖新生を介して生化学的に集積されうる。
【0029】 しかしながら、本発明の目的にとってより重要なことに、2−ケトアルカン酸
エステルそのものは、異なる機構、すなわちエノールメチレン基での超原子価酸
素との反応により抗酸化剤として機能する。ROSは、超原子価酸素が、ミクロ
ソームもしくはミトコンドリア内のシトクロムにより媒介されるレドックスカス
ケードにより生じるため、膜関連プロセスである。また、それは、サイトゾルよ
りも、むしろ親油性環境において起こる細胞内プロセスであり、2−ケトアルカ
ン酸エステル熱力学的特性は、親油相におけるレドックス反応に対する反応性が
、おそらくカチオン媒介性ケト−エノール平衡に好都合であるようになっている
。カルシウムの存在下でエノール化しうる代表的な分子としてのピルビン酸エチ
ルに関する初めからの半経験的な熱力学的解析を、以下に、実施例Iの一部とし
てより詳細に記載する。
【0030】 例えば、例示的な2−ケトアルカン酸としてピルベートを用い、中間代謝にお
ける3−ヒドロキシ−ピルベート形成のもの、ならびにホスホエノールピルベー
ト同族物(congener)への炭素付加のものと類似の機構により、一過性エポキシド
の形成、続く転位により、3位の炭素がヒドロキシル化された対応するピルビン
酸エステル(corresponding hydroxylated pyruvate esters at the 3-carbon)が
得られる。α位のケト基へのヒドロキシル化はまた、ステロイド代謝および薬物
のミクロソームヒドロキシル化における認識されたシトクロム媒介プロセスであ
る。次いで、得られたヒドロキシピルベートが、今度は、カルボン酸アニオンに
加溶媒分解されると、もう一度超原子価酸素と反応してヒドロキシ酢酸(グリコ
ール酸)を生じうる。最終的な(net) 結果は、ピルビン酸エステルは最終的に2
当量ROSをクエンチしうるが、ピルベートは熱力学的に限定され、たった1当
量しかクエンチしない。上述のように、ピルビン酸エステル以外の2−ケトアル
カン酸エステルもまた、活性化合物が、ピルビン酸エステルについて上述したよ
うに代謝されうるならば、本発明の組成物における使用に適切である。
【0031】 以下の実施例は、本発明の利点を示すため、および当業者がこれを作製および
使用することを補助するために示される。これらの実施例は、本開示の範囲をな
んら制限することを意図しない。
【0032】 実施例1 ピルビン酸エステルの熱力学的モデリング 半経験的量子化学により、各分子の反応性を決定する特性に関して種々のピル
ベートアナログの比較評価が可能になる。抗酸化剤としてのピルビン酸エチル対
ピルビン酸ナトリウムの生物学的効果における顕著な差異に注目することができ
るため、これらの2つの分子が熱力学的に異なっているという仮説を、分子モデ
リングPro/MOPACソフトウェア(ChemSW, Inc. Fairfield, CA)を使用
して、ヒュッケル分子軌道(HMO)解析および続く差異オーバーラップ解析の
完全無視(Complete Neglect of Differential Overlap Analysis )(CNDO
)により試験しうる。それらのコンホメーションをエネルギー最小化により最適
なコンホメーションに調節した後、図2に示す構造に対して以下の結果を得た。
【0033】
【表1】
【0034】 エネルギー最小化での傾向から、差異は全て1ケタ(an order magnitude)以
内であるが、より低く、したがってより安定な配置は、ピルビン酸エステルに関
連するものである。他方で、エステルは、比較的弱いイオン化ポテンシャルおよ
び解離ポテンシャルを反映する著しく低い双極子モーメントを示し、この事実は
相対親油性の尺度であるLogP値がより高いことによりさらに支持される。ま
た、エステルは、より弱い水素結合受容体およびより良好な水素結合供与体であ
り、それらの双極子特性および親油性特性に一致する。
【0035】 したがって、アブイニシオ熱力学的理論上で、ピルビン酸エチルおよびその推
定のエノール互変異性体は、ピルビン酸ナトリウム塩と同じ次数のコンホメーシ
ョン安定性を保持しながら、極性水相と脂質相との間で分配されやすいと予測さ
れる。さらに、図2で構造6として示されるカルシウム等の二価カチオンを有す
るピルビン酸エノラートエステルの配位錯体は、ピルベートそれ自身の特性にお
いて最も明白な変化を与え、それはピルベートカーボン骨格構造の今まで開発さ
れていない反応の促進剤としてのこれらのカチオン−エノラート−エステル錯体
の有用性を具体化することは注意すべきである。
【0036】 実施例2 ピルビン酸エステルの反応性モデリング ケミカルアブストラクト(Chemical Abstracts)およびISISデータベース
(MDL Information Systems, Inc. )の調査を行なって、ピルベートおよびそれ
らのエノラートの反応性の実例を見出した。ピルビン酸塩の反応に対する多くの
前例が記録されている一方、ピルビン酸エステルと超原子価酸素との間の分子の
相互作用の例は、有機文献および生物学文献にほとんど報告されていない。生理
的pH値でのピルベートの主な反応は、水和物形成(図2、構造2)およびパラ
−ピルベートへの二量化(図2、構造7)である。
【0037】 Margolisら(1986)により報告されるように、1モル/リットル以下の濃度の
ピルビン酸ナトリウムは、種々の量の水和物および線状ダイマーである4−ヒド
ロキシ−4−メチル−2−ケトグルタル酸を形成する。48時間静置すると、水
和物は6〜10%に達し得、ダイマーは20〜25%に達しうる。この反応性パ
ターンは、ピルビン酸ナトリウム含有注入物(infusates )および灌流液の評価
における重要な考慮すべき事柄である。なぜなら、水和物は、超原子価酸素に対
して非反応性であり、ダイマーは、ミトコンドリア呼吸酵素である2−ケトグル
タレートデヒドロゲナーゼの阻害剤、ならびにグルタメートトランスアミナーゼ
および乳酸デヒドロゲナーゼの阻害剤だからである。対照的に、水和物形成もピ
ルビン酸エステルの二量化もないことが、化学文献に報告されている。
【0038】 ピルベートのエノール型が原則として熱力学的に安定である一方、水性媒体中
でのそれらの存在は不利であり、エノレートの半減期は3〜5秒の範囲で測定で
きるのみである(Kuo ら、(1979))。ジメチルスルホキシドまたはジメチルホ
ルムアミドにより提供される溶媒和環境により例示されるように、溶媒の極性が
減少すると、エノールの半減期が少なくとも2ケタ増加する(Chiangら(1993)
;Peliska ら(1991);Sawyerら(1983))。
【0039】 超原子価酸素に対する反応性に関する限り、ピルビン酸塩およびピルビン酸エ
ステルの両方が反応してカルボニル部位で最初ヒドロペルオキシド中間体を形成
し、不均化により転位して酢酸および二酸化炭素またはエトキシカルボン酸を与
え、次に水性加溶媒分解を受け二酸化炭素とエタノールになる(Constantopoulo
s ら(1984);Sawyerら (1983);Starostin ら(1980))。
【0040】 しかしながら、3−炭素でのエノールピルベートC−臭素化(Sekineら(1980
))、アリル型化合物へのキレート化制御付加(Muderawan ら(1998))、およ
びホスホエノールピルベートカルボキシラーゼを介してオキサルアセテートを形
成する二酸化炭素の生物学的付加(Ausenhusら(1992))の場合のように、エノ
ールピルベートは、エキソ−メチレン基の付加を伴う代替的なメカニズムによっ
ても反応しうる。D−環アセチルステロイドにより例証されるように、生物学的
ケトンのエノールは、一般的にシトクロムP−450オキシダーゼシステムを介
して活性化酸素と反応し、一過性のエキソメチレンエポキシド中間体を介してヒ
ドロキシケトンを与える(Yamazakiら(1997))。
【0041】 熱力学的見込みおよび化学的前例を基礎として評価する場合、ピルビン酸塩は
、超原子価酸素と反応して、アセテートおよび二酸化炭素への脱炭酸のみを与え
ることが、REACCSソフトウェアデータベース相関システムを介して予測さ
れる。他方、ピルビン酸エステルは、一対の脱炭酸生成物、アセテートおよびア
ルコールのみではなく、ほとんどはおそらく3−ヒドロキシピルベートである3
−炭素でのヒドロキシル化付加物をも与えることが予測される。これらの後者の
種は、再び超原子価酸素と反応して、グリコール酸および二酸化炭素を与え(Pe
reraら(1997))、それにより2当量の酸化剤を消費する。
【0042】 実施例3 溶液中のピルビン酸エステルの安定性および反応性 前記モデリング課程に基づいて、仮説に基づく以下の実験は、化学的および生
物学的システムにおける実証および本発明の方法の従来技術からのさらなる差異
を提供する。
【0043】 ピルビン酸エチルは、カルシウム塩の存在下(リンガー溶液)で、ピルビン酸
ナトリウムよりもさらに安定な水溶液を提供し、この観察は、水酸化ナトリウム
または他の適切な無機アルカリで生理的pH値に滴定した、ピルベートアナログ
1モル当量あたり少なくとも0.2当量のカルシウムを含むリンガー溶液中にピ
ルベートアナログを溶解することにより、図1に示されるような他のピルベート
アナログの研究に拡大しうる。特に、NMR、安定性および続く生物学的研究に
おける使用のための「ピルビン酸加(pyruvated )」リンガー溶液の好ましい態
様を、表2に示す。当該実施例におけるピルベートアナログは、同種の溶液を得
るのに十分ないずれもの濃度で図1に示されるいずれものアナログと置換しうる
こと、またはピルビン酸、乳酸等の比較を目的とした対照物質により置換しうる
ことが理解すべきである(「乳酸加(lactated)」リンガー溶液および他の対照
標準または不活性ケト酸アナログの場合のように)。また、カルシウムカチオン
は、例えば、マグネシウム、またはカルシウムと置換できかつ水溶液でピルビン
酸エステルエノラートとの一過性の配位錯体の形成を安定化できる任意の他の生
物学的に安全なカチオンと置換できる。
【0044】
【表2】
【0045】 パルス−フーリエ変換モードで操作する400MHzスペクトロメーターでの
走査時間および周波数に関するMargolisら(1986)の解析のための手順推奨に従
って、エノール化可能なカーボンでの各カーボンおよびプロトンクラスターに対
する特徴的な共鳴におけるプロトンおよびカーボンの両シフトを時間の関数とし
てモニターし、より大きな割合のピルビン酸エステルは、リンガー溶液、特にカ
ルシウムまたはマグネシウムを含むものでエノール化する傾向を示す一方で、ピ
ルビン酸アニオンは、同様の条件下で優性な水和および二量化を示すことを証明
した。これらの溶液の紫外線吸収をまた、エノール形成での変化が明白になる2
30〜260nm範囲および300〜340nmスパンにわたり周期的に測定し
、従来技術の種々の方法において適用されるピルビン酸塩と比較して、ピルビン
酸エステルアナログの明瞭に異なる溶媒和特性についての確証する証拠を提供し
た。
【0046】 本発明のピルベート誘導体のより大きな有用性が比較スペクトル実験と同一系
に従うことを確立する実験順序を単に記載した。エノール化および関連する現象
を証明するために使用される試験物質の同一の溶液も、これらの酸化剤への曝露
の関数として特徴的なピルベート共鳴の消失およびアセテートまたは初めの試験
調製物の他の分解産物(degradants)の出現における酸化剤の影響に対する各候
補ピルベートのための基礎値の比較に使用した。
【0047】 例えば、ピルビン酸およびピルビン酸エチルの1ミリモル溶液は、ブランクに
対して修正して、カルシウムの非存在下pH7.2で230〜260nmでそれ
ぞれ0.15および0.2の平均吸光度の値を示し;カルシウムの添加はピルベ
ートに影響を与えず、それは吸光度において0.16への少しの増加のみを示し
、一方、ピルビン酸エチルは15%未満の変化率を有する3反復実験で0.41
へ2倍増加した。300〜340nmで同様の様式で28mM溶液を試験した場
合、ピルベートの吸光度は、カルシウム添加前後で0.03の値で変化しないま
まであった。一方、ピルビン酸エチル溶液は、淡黄色が顕著になり肉眼で見える
ようになり、吸光度において0.07から0.85に上昇した。黄色着色および
紫外線領域での吸光光度分析における増加により、ピルビン酸をエノール化しな
いようである条件下でエチルピルベートのエノール化に起因すると思われる1,
3−共役ケトン系の形成が確認される。
【0048】 したがって、レドックスポテンシャルが、過酸化水素、フェントン試薬、およ
びメタクロロ過安息香酸等のROSのモデルであることが知られている超原子価
酸素模倣物の適用は、1〜50ミリモルの範囲の濃度で試験溶液に分配させ、そ
の分解効果が認められた。ピルビン酸エステルは、関連する遊離酸アナログより
も1モル当量あたりより大きな割合の酸化剤を消費することを示した。
【0049】 実施例4 組織培養におけるピルビン酸エステルの安定性および反応性 ピルビン酸エステル、および特にピルビン酸エチルは、カルシウムイオンの存
在下で十分に親油性であり、細胞調製物灌流液中で等モル量のピルベートよりも
高速で細胞に取り込まれる。その上、本発明の化合物は、細胞内ピルベート送達
のためのプロドラッグとして役に立ち、それゆえに、細胞内で送達されるピルベ
ート部分の直接の脱炭酸化により一部抗酸化剤として利用され、遍在する細胞質
ゾルのカルボキシルエステラーゼによる非特異的エステル加溶媒分解後に生物学
的に利用できるようになる。細胞内加水分解より前に、これらのピルビン酸エス
テルはまた、超原子価酸素および関連する有毒な酸化剤によって媒介されるエノ
ール−媒介性一過性エポキシ化を介して有利に反応し、3−ヒドロピルベートを
形成する。
【0050】 得られたヒドロキシピルビン酸エステルは、特にピルビン酸エチルおよび図1
に示すそのアナログの場合、加溶媒分解、または追加の当量の反応性酸素種によ
りさらに脱炭酸的酸化に供され、対応するヒドロキシアセテート(グリコール酸
)を形成した後、次いでアナプレロティック取り込みにより代謝燃料として吸収
される。したがって、ピルビン酸エステルは、対応する非エステル化ケト酸アニ
オンの非−エノール化型より2倍多くの反応性酸素種を失活(quench)しうる;
すなわち、最初に3−ヒドロキシピルベートの形成により、次にアセテートのよ
うなより小さな代謝物への後者の脱炭酸的分解により、中間代謝に容易に組み込
まれうることがわかる。本発明の化合物が、ROSへの曝露後、より有効な抗酸
化剤ならびに代謝燃料であることを証明するこれらの結果を、例えば、種々の実
験条件下で安定な同位体標識ピルベート[3−13C]種の結末を追跡するNMR
およびスペクトル(UV)解析手順の組み合わせにより説明できる。
【0051】 それゆえに、細胞および組織培養物は、培養物または灌流媒体に分散され、か
つ、次いでリアルタイムにおいてプロトンおよびカーボン磁気共鳴分析に供され
る安定な同位体トレーサーにより、または適切な時間のインキュベーションまた
は灌流後の試験バイオマスの適切な抽出物の質量スペクトル分析により、細胞へ
の取り込みがモニターされる、ピルベートアナログの取り込みの相対速度および
その後の性質を比較するのに有効な手段を提示する。
【0052】 特に、腸虚血は、ピルベートが救助および蘇生を提供することが知られている
より有害な症状の1つであり、腸球(enterocyte)細胞培養物の使用は適切なテ
ストモデルを提供する。このモデルは、対照としてカルシウムおよび3−メチル
位を13Cで全て標識したピルビン酸ナトリウムを含むピルベートの種々の試験組
成を補充したリンガー溶液を含む灌流液に対する種々の酸素欠乏症および次の酸
素過剰症の条件下での基礎期間後の腸球曝露からなる。カーボンMR実験に関し
て、細菌学的ペトリ皿中のポリスチレンマイクロキャリヤービーズの表面上に細
胞を播種し、コンフルエンシーまで3日間増殖させた後採取し、Artemov ら(19
98)の方法、ならびにYuら(1997)およびVogtら(1997)のモデリング部門に従
って分光学分析を行なった。研究期間の間、クレブス回路のカーボン共鳴特性の
得られた結果からバックグラウンドを差し引くために、試験灌流液もモニターし
た。
【0053】 したがって、外因的に添加されたピルベートのカーボン流動の割合は、シトレ
ート(citrate )およびケトグルタレート/グルタミン酸への転換過程中始終追
跡しうる。ピルベート由来のピルベートの3−カーボンおよびアセテートの2−
カーボンは、シトレートおよびケトグルタレートの4位に対して2位で区別でき
る富化を提供することが予測される。シトレートおよびケトグルタレートへのピ
ルベート炭素骨格の直接の取り込みは、後者がより大きなアセテート−アセチル
−CoA貯留により希釈を生じやすいために、4位に対して2位での標識の速い
増加として現れるはずである。
【0054】 ヒドロキシピルベートが反応で形成される場合、メチル基共鳴が直接検出され
うるだけでなく、グリオキシレートへの脱炭酸およびマレートへのホモロゲーシ
ョン(homologation)を介するヒドロキシピルベートの次の利用もまた同一スキ
ームの異なる標識分析により追跡しうる。この性質の実験により、ピルビン酸エ
ステルは炭素源としてピルビン酸塩とは異なる作用をすることが確認される。さ
らに、かかる実験により、ラクテート(lactate )、アセトアセテートおよび関
連するエステルをピルベートエステルの代わりに用いた場合、エノール化を示さ
ず、細胞内に取り込まれないおよび/または本発明の方法で使用されるピルビン
酸エステルと類似の様式で、およびその程度までの酸化性代謝を介して処理され
ないことが確認される。
【0055】 実施例5 虚血救助における本発明の適用 虚血/再灌流粘膜損傷およびバリア機能不全における蘇生流体としてのリンガ
ー溶液注入物におけるピルビン酸エチルの利用性を、上位(superior)腸間膜動
脈閉塞のラットモデルを使用する本実施例の実験で説明する。モデルシステムお
よび計算パラメーターを図3に示す。
【0056】 腹腔内塩酸ケタミンおよびペントバルビタールを用いる全身麻酔の導入後、雄
性Sprague−Dawleyラット(250〜350g)を60分間の上位
腸間膜動脈閉塞、次に60分間の再灌流に供した。心拍数および平均動脈血圧を
右の頸動脈の動脈カテーテルを介して測定した。左の内頸静脈に静脈内注入のた
めにカニューレ挿入した。
【0057】 対照(n=6)に乳酸加リンガー溶液を与えた(ラクテート、28nM、11
1.5ml/kg/hr注入、虚血前の1.5ml/kgボーラスおよび再灌流
前の3.0ml/kgボーラス)。実験群(各n=6)に、表2に示す本発明の
方法に従って調製したピルベートであるNa塩(28mM)またはピルビン酸エ
チルエステル(28mM)を同様の体積(3ml)でかつ10mg/kg/hr
と同等の投与速度で与えた。Wattanasirichaigoon (1999)により以前記載され
た外転した腸嚢技術を用いて、FITC−デキストラン(mw=4kDA)の小
腸粘膜〜漿膜透過性(CMS,nl/分/cm2 )を評価した。ベースライン、虚
血後それぞれ30分および60分(I30およびI60)、ならびに再灌流後そ
れぞれ30分および60分(R30およびR60)で透過性を測定した。ベース
ライン、I60およびR60での組織学的試料を、絨毛高さ(VH、μ)および
粘膜厚さ(MT、μ)に対して評価した。粘膜損傷グレードをChiuら(1970)に
より記載された方法により決定し、以下の表3に記録した。
【0058】
【表3】
【0059】 データを、平均±平均の標準誤差によりまとめた。有意差をスチューデントt
検定を用いて決定した。p<0.05で差を有意であるとみなした。
【0060】 本発明の方法の利用性におけるこれらの実験結果は、遊離酸ならびにエチルエ
ステルのような両方のピルベート組成が、図4に示されるように再灌流の間の粘
膜透過性を有意に減少することを明らかにした。図5にグラフで示したように、
回復不能の組織損傷の徴候であり、粘膜損傷スコアの有意な減少に関する透過性
増加の程度によって判断すると、エステルは、より早くかつより大きな細胞保護
(cytoprotection)をもたらす有意な傾向を示した。表4に示すように、ピルビ
ン酸エチルエステルは、さらに、虚血および再灌流の両期間中の絨毛高さおよび
粘膜厚さを有意に維持した(p<0.01)。
【0061】
【表4】
【0062】 全体として、これらの知見により、付随の反応性酸素損傷を有する、低酸素症
および次の再灌流を生じる虚血および関連する状態の治療のための組成物での本
発明の方法におけるピルビン酸エステルの利用性が確認される。上記モデルシス
テムである上位腸間膜動脈閉塞のラットモデルは、記載したような治療処置の提
供を望む通常の技術を有する者に熟知された標準モデルシステムであり、上記報
告結果は、ヒトへの使用に対して容易に推定できる。
【0063】 したがって、本発明により、低酸素性損傷および続く再灌流から生じる超原子
価酸素の有害な影響を治療する新規な2−ケトアルカン酸エステル化合物および
組成物および方法が提供され、それが上記の目的、意図および有利な点を十分満
足させることは明白である。
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【0065】 本発明をその具体的な態様に関連して記載したが、前記記載に鑑みて、多くの
代替物、変更および変形物が当業者に明白であることは明らかである。したがっ
て、本発明は、特許請求の範囲の精神および広い範疇内にあるようなかかる全て
の代替物、変更および変形物を有することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の組成物中における好ましい2−ケトアルカン酸エステルの構
造を示す。
【図2】 図2は、本発明の組成物中における一定の好ましいエステルの構造、そのエノ
ール共鳴構造ならびに一定の従来技術の化合物の構造を示す。
【図3】 図3は、本発明の方法の実施後の粘膜〜漿膜腸管透過性の測定に用いたシステ
ムおよびコンピューター・パラメータを示す。
【図4】 図4は、本発明の組成物に対して対照組成物で達成された腸管透過性の結果を
示す。
【図5】 図5は、本発明の組成物に対して粘膜損傷スコアについて得られた結果を示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/02 A61P 3/02 7/02 7/02 9/00 9/00 9/10 9/10 9/14 9/14 39/06 39/06 41/00 41/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 アジャミ,アルフレッド,エム. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02445 ブルックリン,グレン ロード ナンバー8 89 (72)発明者 シムズ,キャリー,エイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02114 ボストン,エマーソン プレース ナンバー12シー 10 (72)発明者 フィンク,ミッチェル,ピー. アメリカ合衆国 ペンシルバニア 15238 ピッツバーグ,ロックウッド ドライブ 109 Fターム(参考) 4C076 AA11 BB12 BB17 CC11 CC14 CC16 CC19 DD22Z FF61 FF63 4C206 AA01 AA02 DB02 DB20 MA02 MA05 MA11 MA37 MA85 MA86 NA03 NA14 ZA36 ZA44 ZA51 ZA54 ZA66 ZC02 ZC21

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬学的に許容され得る担体内に2−ケトアルカン酸のアルキ
    ル、アラルキル、アルコキシアルキルまたはカルボキシアルキルのエステルを含
    有してなる組成物であって、前記担体が、生理学的pH値で前記エステルの2−
    ケト官能基のエノール化を誘導および安定化するための生物学的に安全な成分を
    さらに含有し、ここで、前記担体において前記エステルの前記2−ケト官能基の
    エノール型が生理学的pH値で安定化される組成物。
  2. 【請求項2】 前記エステルの2−ケト官能基のエノール化を誘導および安
    定化するための前記成分が無機2価カチオンである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記2価カチオンがカルシウムまたはマグネシウムである請
    求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記エステルの前記2−ケトアルカン酸部分が2−ケトプロ
    ピオン酸である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記2−ケトアルカン酸エステルがエチルエステルである請
    求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記2−ケトアルカン酸エステルがピルビン酸エチルであり
    、前記2価カチオンがカルシウムであり、前記薬学的に許容され得る担体がpH
    が7〜8の範囲のリンガー溶液である請求項2記載の組成物。
  7. 【請求項7】 薬学的に許容され得る担体内に2−ケトアルカン酸のアルキ
    ル、アラルキル、アルコキシアルキルまたはカルボキシアルキルのエステルを含
    有してなる組成物(ここで、前記担体が、生理学的pH値で前記エステルの2−
    ケト官能基のエノール化を誘導および安定化するための生物学的に安全な成分を
    さらに含有する)の治療有効量を哺乳動物の管内または静脈内に投与することを
    含み、ここで、前記エステルが、前記哺乳動物に対して抗酸化剤および細胞内燃
    料(intracellular fuel)として治療に役立つ、治療上有効な化合物を哺乳動物に
    投与するための方法。
  8. 【請求項8】 前記薬学的に許容され得る担体が、カリウムイオンを補充し
    た等張生理食塩水であるリンガー溶液である請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記2−ケトアルカン酸エステルが、ピルビン酸エチル、ピ
    ルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、ピルビン酸カルボキシメチル、ピルビン
    酸アセトキシメチル、ピルビン酸カルベトキシメチルおよびピルビン酸エトキシ
    メチルからなる群より選ばれる請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記2−ケトアルカン酸エステルが、2−ケト−酪酸エチ
    ル、2−ケトペンタン酸エチル、2−ケト−3−メチル−酪酸エチル、2−ケト
    −4−メチル−ペンタン酸エチルおよび2−ケト−ヘキサン酸エチルからなる群
    より選ばれる請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記2−ケトアルカン酸エステルを生理食塩水溶液に混合
    し、前記溶液がカルシウムおよびマグネシウムからなる群より選ばれるカチオン
    を含有してなる請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記2−ケトアルカン酸エステルを生理食塩水溶液に混合
    し、前記溶液がカルシウムおよびマグネシウムからなる群より選ばれるカチオン
    を含有してなる請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記組成物が、腸間膜虚血、腸間膜血栓、腸間膜静脈閉塞
    、大動脈の動脈瘤修復、冠状動脈バイパスまたは四肢の動脈閉塞の外科的治療の
    事象を処置するために投与される請求項7記載の方法。
  14. 【請求項14】 薬学的に許容され得る担体内に2−ケトアルカン酸のアル
    キル、アラルキル、アルコキシアルキルまたはカルボキシアルキルのエステルを
    含有してなる組成物であって、前記担体が、生理学的pH値で前記エステルの2
    −ケト官能基のエノール化を誘導および安定化するための生物学的に安全な成分
    をさらに含有する組成物の有効量を含有してなる溶液で臓器を灌流することを含
    む、生体哺乳動物から取り出した臓器の一部、臓器または四肢の保存方法。
  15. 【請求項15】 前記2−ケトアルカン酸エステルが、ピルビン酸エチル、
    ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、ピルビン酸カルボキシメチル、ピルビ
    ン酸アセトキシメチル、ピルビン酸カルベトキシメチルおよびピルビン酸エトキ
    シメチルからなる群より選ばれる請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記2−ケトアルカン酸エステルが、2−ケト−酪酸エチ
    ル、2−ケトペンタン酸エチル、2−ケト−3−メチル−酪酸エチル、2−ケト
    −4−メチル−ペンタン酸エチルおよび2−ケト−ヘキサン酸エチルからなる群
    より選ばれる請求項14記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記2−ケトアルカン酸エステルを生理食塩水溶液に混合
    し、前記溶液がカルシウムおよびマグネシウムからなる群より選ばれるカチオン
    を含有してなる請求項15記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記2−ケトアルカン酸エステルを生理食塩水溶液に混合
    し、前記溶液がカルシウムおよびマグネシウムからなる群より選ばれるカチオン
    を含有してなる請求項16記載の方法。
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