JP2003510305A - フルオロケミカルオリゴマーおよびその使用 - Google Patents

フルオロケミカルオリゴマーおよびその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なフルオロケミカルオリゴマーと、このフルオロケミカルオリゴマー化合物および熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーを含有するポリマー組成物とを提供する。このポリマー組成物は、所望の撥水撥油性を有する繊維およびフィルムなどの造形品を製造するのに有用である。このフルオロケミカルオリゴマー化合物は、フルオロ脂肪族側基およびフッ素を含有しない脂肪族側基を有するオリゴマー部分と、脂肪族部位と、このオリゴマー部分を脂肪族部位に結合させる結合基とを含み、このフッ素を含有しない脂肪族側基またはこの脂肪族部位は、炭素原子を22個以上有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、フルオロ脂肪族側基およびフッ素を含有しない脂肪族側基を含むオ
リゴマー部分(portion)を有するフルオロケミカル化合物に関する。本
発明はまた、フルオロケミカル組成物を含有するポリマー組成物およびその熱可
塑性組成物から製造された造形品に関する。
【0002】 H.C.Fielding著,「Organofluorine Compo
unds and Their Applications」,R.E.Ban
ks,Ed.,Society of Chemical Industry,
p.214(1979年)によれば、表面活性剤(つまり界面活性剤)および表
面処理剤としての有機フッ素化合物の有用性は、C〜C12フルオロカーボン
基の自由表面エネルギーが非常に低いことによるものである。一般に、上述の有
機フッ素物質は、その基の末端部分がトリフルオロメチルであるパーフルオロア
ルキル基、通常−C2n+1(nは少なくとも3である)、−CFなどの
一価フルオロ脂肪族ラジカルの状態で炭素結合したフッ素を有する物質である。
【0003】 国際公開第98/51723号(Allewaert他)には、式M −Tを有するフルオロケミカルオリゴマーが開示されており、式中M は、フッ化モノマーから誘導されるm単位とフッ素を含有しないモノマー
から誘導されるn単位とを含むフルオロケミカルオリゴマーを表し、mは約2〜
40であり、nは0〜20であり、Tは−OHまたは−NHであり、Q
は共に、Tで官能性を付与される連鎖移動剤から水素原子を除去すること
によって得られる有機残基を表す。
【0004】 欧州特許公開第0670358号には、その分子中にフルオロカーボンセグメ
ントと炭化水素セグメントを有するポリマー界面活性剤が記載されており、ポリ
フルオロアルキル基含有アクリレート(メタクリレート)を、少なくとも8個の
炭素原子を有する長鎖アクリル(メタクリル)アルキルエステルと共重合するこ
とによって製造することができる。そのポリマー界面活性剤は、炭化水素油中フ
ッ素含有油型エマルジョンを製造するのに有用である。
【0005】 J.Polymer Science,Part A 1988年,26,2
991(Chujo等)には、チオリンゴ酸の存在下でパーフルオロアルキルエ
チルアクリレートとメタクリル酸メチルをラジカル共重合することによって生成
されるジカルボキシル末端マクロモノマーが記載されている。コポリマーを得る
ための、かかるマクロモノマーと有機ジカルボン酸および有機ジアミンとの適切
な触媒存在下での反応もまた記載されており、その反応では、マクロモノマーが
ポリアミド鎖上にグラフトされる。
【0006】 いくつかの特許は、特定のフルオロケミカルを熱可塑性物質に添加すると、繊
維などの熱可塑性物品に撥油性および耐汚染性が付与されることを教示している
。例えば、米国特許第5,025,052号(Crater他)には、有機結合
基によりその5位に結合する一価フルオロ脂肪族ラジカルを有する、フルオロ脂
肪族ラジカル含有2−オキサゾリジノン化合物の使用が記載されている。その化
合物は、織物などの繊維材料の表面処理に有用であると言われており、溶融押出
もしくは射出成形によって、繊維、フィルムおよび成形品を製造するのにもまた
有用である。米国特許第5,380,778号(Buckanin)には、例え
ば押出しもしくは成形により溶融および造形して、所望の撥水撥油性を有する繊
維およびフィルムを提供することができる、熱可塑性組成物中でのフルオロケミ
カルアミノアルコールの使用が記載されている。米国特許第5,451,622
号(Boardman他)には、フルオロケミカルピペラジン化合物と熱可塑性
ポリマーとの混合物を溶融押出することによって製造する、繊維およびフィルム
などの造形品が記載されている。米国特許第5,898,046号には、熱可塑
性ポリマーとフルオロカーボン/脂肪族炭化水素モノエステルとの混合物によっ
て生成される撥剤組成物であって、その脂肪族炭化水素部分が炭素原子を約12
〜約76個有することが可能な撥剤組成物が記載されている。国際公開第97/
22576号(Raiford他)には、得られた繊維、織物、不織布、フィル
ムもしくは成形品に低表面張力の液体の撥性を付与する、熱可塑性ポリマー溶融
液に添加されるフルオロケミカルジエステルが記載されている。国際公開第99
/05345号(Gasper他)には、合成有機ポリマーと、ダイマーもしく
はトリマー酸から誘導されるフルオロケミカルエステルまたはアミドである化合
物とを含有する疎水性および疎油性繊維が記載されている。米国特許第第5,4
11,576(Jones他)には、メルトブロ−エレクトレットミクロファイ
バーと、少なくとも約25℃の融点および約500〜2500の分子量を有する
溶融加工可能なフルオロケミカルとを含む油状ミスト耐性エレクトレットフィル
ター媒体であって、そのフルオロケミカルが、フルオロケミカルピペラジン、オ
キサゾリジノンまたは炭素原子15〜50個を有する過フッ化アルカンである、
エレクトレットフィルター媒体が記載されている。米国特許第5,300,58
7号(Macia他)には、パーフルオロポリエーテルおよび熱可塑性ポリマー
をブレンドすることによって製造する撥油剤ポリマー組成物が記載されている。
米国特許第5,336,717号(Rolando他)には、末端オレフィン結
合を有するモノマーを、フルオロ脂肪族基および重合性二重結合を有するフルオ
ロケミカルオレフィンと反応させることによって得られるフルオロケミカルグラ
フト共重合体が記載されている。
【0007】 国際公開第98/15598号(Yamaguchi他)には、熱可塑性樹脂
もしくは熱硬化性樹脂と、パーフルオロアルキル化ポリマーとを含む、例えば台
所用品および浴室用品に有用な撥水撥油剤樹脂組成物が記載されており、かかる
組成物は優れた防汚性および成形性を示す。そのパーフルオロアルキルポリマー
は、炭素原子5〜18個のパーフルオロアルキル基含有アクリル(メタクリル)
酸エステルおよび親水基含有アクリル(メタクリル)酸エステルと、C〜C アクリル(メタクリル)酸アルキルエステル、好ましくはC〜C22アルキ
ルエステルである任意の共重合性コモノマーとのコポリマーであることが可能で
ある。
【0008】 場合によっては、これらのフルオロケミカル溶融液添加剤は、熱可塑性樹脂に
十分な疎水性および/または疎油性を付与するが、それらは通常、当業界でしば
しば遭遇する300℃を超える溶融加工温度での熱安定性が乏しく、また法外に
コストが高いため、工業有用性に制限が加えられる。
【0009】 長年の間、不織繊維フィルターウェブを、Van Wente等著,「Man
ufacture of Super Fine Organic Fiber
s」,Naval Research LaboratoriesレポートNo
.4364(1954年5月25日出版)に記載の型のメルトブロー装置を用い
て、ポリプロピレンから製造している。かかるメルトブローミクロファイバーウ
ェブは、例えばフェースマスクおよび水用フィルターとして微粒子汚染物質を濾
過するのに広く使用され続けており、他の目的では、例えば水から油を除去する
ために使用されている。
【0010】 空気中から微粒子汚染物質を除去するための繊維フィルターもまた、フィブリ
ル化ポリプロピレンフィルムから製造される。エレクトレット濾過は、フィブリ
ル化する前に、フィルムを静電帯電させることによって強化することができる。
ポリエステル、ポリカーボネート等の通常のポリマーを処理して、高帯電エレク
トレットを製造することができるが、これらの帯電は通常、特に湿気のある条件
下では短寿命である。そのエレクトレット構造は、マイクロフォン、ヘッドフォ
ン、およびスピーカーなどの電気音響装置における静電要素として、塵粒制御、
高電圧静電発電機、静電記録器における静電要素としての用途、および他の用途
が見出されるフィルムまたはシートであることが可能である。
【0011】 本発明の概要 本発明は、 (i)フルオロ脂肪族およびフッ素を含有しない脂肪族側基の両方を有するオ
リゴマー部分と、 (ii)脂肪族部位(moiety) と、 (iii)そのオリゴマー部分を脂肪族部位に結合させる結合基とを含むフル
オロケミカルオリゴマーであって、フッ素を含有しない脂肪族基または脂肪族部
位の少なくとも1つが、炭素原子を22個以上有する、フルオロケミカルオリゴ
マーを提供する。
【0012】 本発明はさらに、そのフルオロケミカルオリゴマーと、熱可塑性もしくは熱硬
化性ポリマーとを含有するポリマー組成物を提供する。本発明のポリマー組成物
を溶融するか、または例えば押出しまたは成形によって溶融または造形して、そ
の表面が優れた撥水撥油性を有する繊維、フィルムおよび成形品などの造形品を
製造することが可能である。その撥剤ポリマー組成物は、体液に対する撥性が必
要とされる医療用ガウンおよび覆い布およびマスクに使用される不織布を製造す
るのに特に有用である。本発明の撥剤ポリマー組成物から製造したフィルムは、
例えば防湿性および/または耐脂性パッケージング、剥離ライナー、および多層
構造に有用である。
【0013】 他の態様では、本発明は、そのフッ化化合物が少なくとも25℃の溶融温度を
有する、本発明の撥剤ポリマー組成物から製造したポリプロピレン製エレクトレ
ット繊維を含む油状ミスト耐性エレクトレットフィルター媒体を提供する。その
繊維は、メルトブローミクロファイバー状であることが好ましい。
【0014】 他の態様では、本発明は、油状エーロゾル粒子を含有する空気から微粒子物質
を濾過する方法であり、本発明の撥剤ポリマーから製造したエレクトレットフィ
ルター媒体に、前記空気を通すことを含む方法を提供する。本発明のエレクトレ
ットフィルター媒体は、エレクトレット濾過強化を改善し、油状エーロゾルに曝
露した際のその強化を維持する。本発明のエレクトレットフィルター媒体は、促
進老化条件下にて、機能濾過を向上させる帯電レベルを維持する。
【0015】 現在入手可能な繊維状ポリプロピレン製エレクトレットフィルター、メルトブ
ローポリプロピレン製ミクロファイバーから製造したフィルター、フィブリル化
ポリプロピレン製フィルムから製造した他のフィルターは、熱安定性のエレクト
レット濾過強化を示すことが可能である。残念ながら、メルトブローミクロファ
イバーであろうと、フィブリル化フィルムであろうと、ポリプロピレンから製造
した繊維状エレクトレットフィルターは、油状エーロゾルに曝露した際に、一部
の目的で所望されるよりも速く、エレクトレット強化濾過効率が低減する。エー
ロゾル油存在下での、特にレスピレーターにおける空気フィルターの長時間効率
を向上させる必要がある。
【0016】 本発明の新規な繊維状エレクトレットフィルター媒体は、フェースマスクなど
の呼吸マスクの空気濾過要素として、あるいは加熱、換気、および空気調和など
で特に有用である。呼吸マスクの用途では、新規なエレクトレットフィルター媒
体は、成形または折りたたみハーフフェースマスク、交換カートリッジもしくは
キャニスター、またはプレフィルター形状であることが可能である。かかる用途
では、本発明の空気フィルター要素は、タバコの煙または燃焼機関から生じる煙
霧中に存在するような油状エーロゾルを除去するのに驚くほど有効である。呼吸
マスクなどで空気フィルター媒体として使用する場合には、このエレクトレット
フィルター媒体は、ポリプロピレン100%の繊維から製造した同等のエレクト
レット濾過媒体よりも驚くほど優れた濾過性能を有する。
【0017】 詳細な説明 本発明は、熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーと、式IまたはII、 [(A)−L]R Iと、 (A)[L−R] IIと、 [式中、mは1または2であり、 nは1〜4(1と4を含めて)であり、 Lがそれぞれ独立して、結合基を含有し、 各Rが、飽和または不飽和脂肪族部位であり、 各Aが、式III、
【化2】 III (式中、a+bの合計が、Aがオリゴマーであるような数であり、 Rが、水素、ハロゲン、または炭素原子1〜約4個を含有する直鎖もしくは枝
分れ鎖アルキルであり、 Rがそれぞれ独立して、水素または炭素原子1〜約4個を含有する直鎖もしく
は枝分れ鎖アルキルであり、 QおよびQ’がそれぞれ独立して、共有結合または有機結合基であり、 Rが、完全にフッ素化された末端基を含有する、−(CFCFなどの
フルオロ脂肪族基であり、 Rが、フッ素を含有しない脂肪族基であり、 Xが、水素原子またはラジカル開始剤から誘導される基(例えばt−ブトキシ)
であり、RまたはR基の少なくとも1つが炭素原子を22個以上有する)のフ
ルオロケミカルオリゴマー部分である]で示される少なくとも1種のフルオロケ
ミカルオリゴマー化合物と、を含有するフルオロケミカル組成物を提供する。
【0018】 式IおよびIIを参照すると、mおよびnはどちらも、好ましくは1であり、
式IV、
【化3】 のフッ化化合物が生成される。 a:bの比は、4:1以上であることが好ましい。
【0019】 式IIIおよびIVを参照すると、そのオリゴマーは、フッ化セグメントおよ
びフッ素を含有しないセグメントの不規則な分布、またはそのオリゴマーがフッ
化セグメントおよびフッ素を含有しないセグメントの「ブロック」を含有する連
鎖配列を有することが可能であることが理解されよう。さらに、フッ化モノマー
およびフッ素を含有しないモノマーから誘導される単位の相対位置は、Xおよび
S部位に対して変化することが可能であることを理解されよう。本質的に、以下
の構造は、
【化4】
【0020】 上述のように、かつ式I〜IVでさらに示すように、本発明のフルオロケミカ
ル組成物は、一般に3つの主要部分、フッ化側基とフッ素を含有しない側基とを
有するフルオロケミカルオリゴマー部分「A」、非重合結合基「L」、脂肪族部
位「R」を有するフッ化化合物を含む。オリゴマー部分と有機部位は、結合基L
によって共に結合する。その結合基は共有結合であり、その結果として、アルコ
ール、アミン、もしくはトリオールなどの求核試薬と、カルボン酸、エステル、
ハロゲン化アシル、スルホン酸エステル、ハロゲン化スルホニル、シアナート、
イソシアナートなどの求電子試薬との間の縮合反応が生じるか、あるいは上述の
求核試薬と、脱離基を有する部位との間の求核置換反応、例えばアルコール(ま
たはアルコキシド)とハロゲン化アルキル(そのハロゲン化アルキルのハロゲン
原子は脱離基としての役割を果たす)との間の反応が生じる。
【0021】 適切な結合基Lの例には、共有結合、直鎖、枝分れ鎖、または環状アルキレン
、アリーレン、アラルキレン、オキシ、オキソ、ヒドロキシ、チオ、スルホニル
、スルホキシ、アミノ、イミノ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボニル
オキシ、ウレタニレン、ウレイレン、およびそれらの組み合わせ、例えばスルホ
ンアミドアルキレンが含まれる。
【0022】 オリゴマー部分の突出成分は、本明細書中、Rで示されるフルオロ脂肪族基
である。本発明のフッ化化合物は、互いに近位にある複数のR側基(例えば4
〜約10個)を含有し、その化合物の全重量に対して、フッ素を好ましくは約5
重量%〜約80重量%、さらに好ましくは約10重量%〜約65重量%、最も好
ましくは約12重量%〜約60重量%含有し、そのフッ素は本質的にR基中に
位置する。各Rは安定性、不活性、非極性、好ましくは飽和である、疎油性か
つ疎水性の一価部位である。Rは、好ましくは炭素原子を少なくとも約3個、
さらに好ましくは炭素原子を3〜約20個、最も好ましくは炭素原子を約4〜約
14個含有する。Rは、直鎖、枝分れ鎖もしくは環状フッ化アルキレン基、ま
たはそれらの組み合わせ、あるいは直鎖、枝分れ鎖もしくは環状アルキレン基と
のそれらの組み合わせを含むことが可能である。Rは、重合性オレフィン不飽
和を含有しないことが好ましく、任意に、二価酸素または三価窒素などのカテナ
リーヘテロ原子を含有することが可能である。Rは、好ましくはフッ素を約4
0重量%〜約78重量%含有し、さらに好ましくはフッ素を約50重量%〜約7
8重量%含有する。R基の末端部分は、完全にフッ化された末端基を含有する
。この末端基は、少なくとも7個のフッ素原子を含有することが好ましく、例え
ばCFCFCF−、(CFCF−等である。過フッ化脂肪族基(式
2o+1の基(oが4〜14である))がRの最も好ましい実施形態で
ある。
【0023】 式I〜IVの化合物中、Rで示されるフッ素を含有しない脂肪族部位は、一
価、直鎖もしくは枝分れ鎖、飽和もしくは不飽和、環状もしくは非環式(または
それらのいずれかの組み合わせ)の、炭素原子1〜75個を有するフッ素を含有
しない脂肪族基である。好ましくないが、Rは芳香環を含有することが可能で
ある。有機部位Rに対して企図される構造の範囲は、以下に詳細に説明する反
応スキームの段階で使用するのに適切な化合物を参照すれば、より良く理解され
よう。Rは、構造−C2n+1の直鎖一価アルキル基であることが好まし
く、式中nは1〜75、好ましくは12〜75、最も好ましくは18〜60であ
る。式IIなどにおいて1個を超えるR基が存在する場合、または式Iにおい
てnが1を超える場合、R基中の炭素原子の合計は、100個以下であること
が好ましい。
【0024】 式I〜IVの化合物中、Rで示される有機脂肪族部位は、一価、二価、三価も
しくは四価、直鎖もしくは枝分れ鎖、飽和もしくは不飽和、環状もしくは非環式
(またはそれらのいずれかの組み合わせ)の、炭素原子1〜75個を有する有機
脂肪族基である。Rは、カテナリー酸素原子を含有することが可能である。好ま
しくないが、Rは芳香環を含有することが可能であり、かつフッ化することが可
能である(つまりR=R)。その原子価は、式Iにおけるnの値に等しく、式
IIでは1に等しい。有機部位Rに対して企図される構造の範囲は、以下に詳細
に説明する反応スキームの段階で使用するのに適切な化合物を参照すれば、より
良く理解されよう。Rは、構造−C2n+1の直鎖一価アルキル基であるこ
とが好ましく、式中nは1〜75、好ましくは12〜75、最も好ましくは18
〜60である。式IIなどで複数のR基が存在する場合、または式Iにおいてn
が1を超える場合、R基中の炭素原子の合計は、100個以下であることが好ま
しい。
【0025】 R基またはR基の少なくとも1つは、炭素原子22個以上を有する。かかる
化合物は新規であり、撥油性およびDOP性能を向上させる(濾過用吹込成形ミ
クロファイバーの製造に溶融液添加剤として使用した場合)。
【0026】 フルオロケミカルオリゴマー部分の脂肪族主鎖は、その部分をオリゴマー化す
るのに十分な数の重合単位を含む。その脂肪族主鎖は、フッ化モノマーおよびフ
ッ素を含有しないモノマー(先に定義したように、フッ化脂肪族基Rおよびフ
ッ素を含有しない脂肪族基Rを含有するモノマー)から誘導された5〜約10
個の重合単位(式IVにおいて「a」および「b」)を含有することが好ましく
、その脂肪族主鎖は、さらに好ましくは5〜約8個、最も好ましくは約5個の重
合単位を含む。
【0027】 本発明のフルオロケミカル組成物は一般に、アルキル化フルオロケミカルオリ
ゴマー化合物の混合物を含有する。したがって、時として化合物は、非整数(例
えば「a=4.7」)の特定の置換基を有する化合物を意味する。このような場
合、その数は平均を表し、少数部分の置換基の組み込みを意図するものではない
。本明細書中で使用される「オリゴマー」または「オリゴマーの」という用語は
、ポリマー中に存在する重合単位数よりも少ないが、複数の重合単位を含む化合
物(例えば、重合単位5〜約20個の鎖が「オリゴマー」と見なされる)を意味
する。
【0028】 本明細書中で用いる式中でそれぞれQおよびQ’として示される結合基によっ
て、フルオロ脂肪族基Rおよびフッ素を含有しない脂肪族基はそれぞれ、有機
部分(つまり、オリゴマー主鎖またはモノマーの不飽和部分)に結合する。Qお
よびQ’は独立して、共有結合、二価アルキレンであることが可能である結合基
、またはアルコール、アミン、もしくはチオールなどの求核試薬と、エステル、
酸ハロゲン化物、イソシアナート、ハロゲン化スルホニル、スルホニルエステル
などの求電子試薬との縮合反応から得られる基、または求核試薬と脱離基との間
の置換反応から得られる基である。QおよびQ’はそれぞれ独立して選択され、
炭素原子を1〜約20個含有することが好ましく、任意に、カテナリー酸素、窒
素、硫黄もしくはケイ素含有基、またはそれらの組み合わせを含有することがで
きる。QおよびQ’は、ラジカルオリゴマー化を実質上妨げる官能基(例えば、
重合性オレフィン二重結合、チオール、クミル水素などの容易に引き抜かれる水
素原子、および当業者には既知の他のかかる官能基)を含有しないことが好まし
い。適切な結合基QおよびQ’の例には、直鎖、枝分れ鎖、または環状アルキレ
ン、アリーレン、アラルキレン、オキシ、オキソ、ヒドロキシ、チオ、スルホニ
ル、スルホキシ、アミノ、イミノ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボニ
ルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、およびそれらの組み合わせ、例えばスル
ホンアミドアルキレンが含まれる。結合基Qは、共有結合またはスルホンアミド
アルキレン基であることが好ましい。結合基Q’は、共有結合であることが好ま
しい。
【0029】 適切な結合基QおよびQ’は、共有結合の他に以下の構造を含む。このリスト
では、kはそれぞれ独立して、0〜約20の整数であり、R’は、水素、フェ
ニル、または炭素原子1〜約4個のアルキルであり、R’は、炭素原子1〜約
20個のアルキルである。各構造は、全方向性であり、−(CHC(O)
O−は、−O(O)C(CH−に等しい。
【0030】
【表1】
【0031】 式I〜IVに示す実施形態を参照して、本発明のフッ化化合物およびフルオロ
ケミカル組成物を説明する。かかる実施形態において、結合基Lは、フルオロケ
ミカルオリゴマー部分Aを脂肪族基Rに結合させる。各結合基Lは、共有結合、
二価もしくは多価アルキレン基、またはアルコール、アミン、もしくはチオール
などの求核試薬と、エステル、酸ハロゲン化物、イソシアナート、ハロゲン化ス
ルホニル、スルホニルエステルなどの求電子試薬との縮合反応から得られる基、
または求核試薬と脱離基との間の置換反応から得られる基であることが可能であ
る。Lはそれぞれ独立して選択され、炭素原子1〜約20個を含有することが好
ましく、任意に、カテナリー(つまり鎖の中にある)酸素、窒素、硫黄もしくは
ケイ素含有基、またはそれらの組み合わせを含有することが可能である。Lは、
ラジカルオリゴマー化を実質上妨げる官能基(例えば、重合性オレフィン二重結
合、チオール、クミル水素などの容易に引き抜かれる水素原子、および当業者に
既知のこのように悪影響を及ぼす官能基)を含有しないことが好ましい。適切な
結合基Lの例には、直鎖、枝分れ鎖、または環状アルキレン、アリーレン、アラ
ルキレン、オキシ、オキソ、スルホニル、スルホキシ、アミノ、イミノ、スルホ
ンアミド、カルボキサミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、お
よびそれらの組み合わせ、例えばスルホンアミドアルキレンが含まれる。好まし
いL基は、共有結合またはスルホンアミドアルキレン基であることが好ましい。
結合基Q’は、共有結合と、以下の構造(kがそれぞれ独立して、0〜約20の
整数であり、R’が、水素、フェニル、または炭素原子1〜約4個のアルキル
であり、R’が、炭素原子1〜約20個のアルキルである)とを含む。
【0032】
【表2】
【0033】 ここで、上記の式I〜IVに戻ると、Rは、水素、ハロゲン(例えばフルオ
ロ、クロロ、ブロモ)、または炭素原子1〜約4個の直鎖もしくは枝分れ鎖アル
キル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル
等)である。Rはそれぞれ独立して、水素、または炭素原子1〜約4個の直鎖
もしくは枝分れ鎖アルキルである。
【0034】 Xは、ラジカル開始剤から誘導される基である。本明細書で使用する、「ラジ
カル開始剤」という用語は、ホモリシスすると開始ラジカルを提供する、有機ア
ゾ化合物、有機過酸化物(例えば、過酸化ジアシル、ペルオキシエステル、過酸
化ジアルキル)等の従来の化合物のいずれかを示すものである。「ラジカル開始
剤から誘導される基」という用語は、ラジカル開始剤の均一開裂で形成される開
始ラジカルを意味するものである。
【0035】 適切な基Xには、水素原子、t−ブトキシ(過酸化ジ−t−ブチルから誘導さ
れる)、およびベンゾイルオキシ(過酸化ベンゾイルから誘導される)などの非
反応性基、および−−CCH(CN)CHCHCOH(アゾ−4−シア
ノイソ吉草酸から誘導される)、−−C(CHCN(アゾイソブチロニト
リルから誘導される)などの反応性基、および2,2’−アゾビス[N−(4−
クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]−ジヒドロクロライド;2
,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピオンア
ミジン]ジヒドロクロライド;2,2,−アゾビス[N−(4−アミノフェニル
)−2−メチルプロピオンアミジン]−テトラヒドロクロライド;2,2’−ア
ゾビス[2−メチル−N−2−プロペニルプロピオンアミジン]ジヒドロクロラ
イド;2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピ
オンアミジン]−ジヒドロクロライド;2,2’−アゾビス[2−メチル−N−
(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド];2,2’−アゾビス[2−(
ヒドロキシメチル)プロピオンニトリル];2,2’−アゾビス[2−メチル−
N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオン
アミド];2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシ
メチル)エチル]−プロピオンアミド}など、他の既知の官能性アゾ化合物から
誘導される基が含まれる。好ましい基Xには、先に列挙した基が含まれる。
【0036】 式I、IIおよびIVのフルオロケミカル化合物を、以下のスキームに従って
、ラジカル開始剤および式L(SH)(m=1)の連鎖移動剤の存在下で、不
飽和フッ化化合物(V)をオリゴマー化することによって調製することができる
。 スキームI
【化5】 部位「L」は、式I、IIおよびIVの結合基部位Lに相当する。
【0037】 連鎖移動剤が複数のスルフヒドリル基を含有する場合、複数のオリゴマー基A
が、結合基Lを介して1個または複数の脂肪族R基に結合する。例えば、連鎖移
動剤がスルフヒドリル基を2個含有する場合には、2個のオリゴマー基Aが以下
のようにLに結合する。 スキーム2
【化6】
【0038】 式(V)の化合物およびその製法は既知であり、例えば米国特許第2,803
,615号(Ahlbrecht他)および同第2,841,573号(Ahl
brecht他)に開示されている。かかる化合物の例には、一般的な種類のフ
ルオロケミカルモノマー、例えばアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテ
ル、およびフッ化スルホアミド基を含有するアリル化合物、フルオロケミカルテ
ロマーアルコールから誘導されるアクリレートもしくはメタクリレート、フルオ
ロケミカルチオール等が含まれる。式Vの好ましい化合物には、N−メチルパー
フルオロオクタンスルホンアミドエチルアクリレート、N−メチルパーフルオロ
オクタンスルホンアミドエチルメタクリレート、N−エチルパーフルオロオクタ
ンスルホンアミドエチルアクリレート、N−エチルパーフルオロヘキシルスルホ
ンアミドエチルメタクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートとN−メチ
ルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチルアルコールとの反応生成物、1,
1−ジヒドロパーフルオロオクチルアクリレート、N−メチルパーフルオロオク
タンスルホンアミドエチルビニルエーテル、C17SONHCHCH=
CH、C17SONCHCHCH=CH、およびパーフルオロシ
クロヘキシルアクリレート(c−C11CHOCOCH=CH)、四量
体ヘキサフルオロプロピレンオキシドジヒドロアクリレートなどの他の化合物が
含まれる。
【0039】 式VIの化合物は、アルキルアクリレートエステル、酢酸ビニル、スチレン、
アルキルビニルエーテル、アルキルメタクリレートエステル、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、およびN−ビニルピロリドンから選択することが可能である。本発明
で有用なアルキルアクリレートエステルモノマーには、C〜C50アルキル基
を含有するアルキルエステルの直鎖、環状、および枝分れ鎖異性体が含まれる。
アルキルアクリレートエステルの有用な特定の例には:アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、N−プロピルアクリレート、2−ブチルアクリレート、イソーア
ミルアクリレート、N−ヘキシルアクリレート、アクリル酸ヘプチル、n−オク
チルアクリレート、イソ−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、およびアクリル酸テトラデシルが含まれる
。性能を考慮すると、好ましいアルキルアクリレートエステル(R基)は、そ
の「R」基が22個未満の炭素原子を有する場合に、C22〜C50アルキル基
を有するものである。その逆もまた真である。
【0040】 連鎖移動剤L(SH)が官能基を有する場合には、式VIIの化合物(スキ
ームI)はさらに、官能性脂肪族化合物と反応して、結合基Lを形成し、式I、
IIおよびIVの化合物中にR基が組み込まれる。連鎖移動剤および脂肪族化合
物両方の官能基の性質は、それらが互いに活性であり結合基Lを形成するように
選択される。相互に活性な対の例には、アルコールまたはアミンと反応するアシ
ル基(カルボン酸、ハロゲン化アシルまたはエステル)、ハロゲン化物またはト
シレートなどの「脱離基」と反応するアルコールまたはアミン、およびアルコー
ルまたはアミンと反応するイソシアナートが含まれる。
【0041】 適切な官能性移動連鎖剤L(SH)を使用することによって、式VIIまた
はVIIIの化合物の結合基L(Lは官能基を含有する)上に、(スルフヒドリ
ル基の他に)官能基を提供することができる。連鎖移動剤に含まれるのに適切な
官能基には、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、エポキシ、ハロホルミル、アジリジニ
ル、酸性基およびその塩が含まれ、求電子試薬または求核試薬と反応するか、あ
るいはかかる基にさらに変化することが可能である。官能性連鎖移動剤を使用す
ると、続いて式IおよびIIの「R」基が組み込まれると考えられる。例えば、
連鎖移動剤の「L」基を、求電子性エステル部位で置換することが可能である。
このエステル部位により、求核性ヒドロキシル基を有する脂肪族アルコールとさ
らに反応させることによって、長鎖「R」基を組み込むことが可能となる。2つ
の部位間の反応によって、エステル結合が形成し、それによってフルオロケミカ
ルオリゴマー部位Aが脂肪族部位Rと結合する。あるいは、例えば脂肪族エステ
ルと反応させて、フルオロケミカルオリゴマー部位Aを脂肪族部位Rと結合させ
ることができるヒドロキシル基で、部位Lを置換することが可能である。
【0042】 かかる官能性連鎖移動剤の例には、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢
酸、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト安息香酸、2−メルカ
プトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、3−メルカプト−2
−ブタノール、2−メルカプトスルホン酸、2−メルカプトニコチン酸、4−ヒ
ドロキシチオフェノ3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプ
ト−2−プロパノール、2−メルカプトプロピオン酸、N−(2−メルカプトプ
ロピオニル)グリシン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メル
カプトピリジン、2−メルカプトピリジン−N−オキシド、2−メルカプトピリ
ジノール、メルカプトコハク酸、2,3−メルカプトプロパンスルホン酸、2,
3−ジメルカプトプロパノール、2,3−ジメルカプトコハク酸、シスチン、シ
スチン塩酸塩、シスチンエチルエステルが含まれる。好ましい官能性連鎖移動剤
には、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール
、4−メルカプトブタノール、11−メルカプトウンデカノール、メルカプト酢
酸、3−メルカプトプロピオン酸、12−メルカプトドデカン酸、2−メルカプ
トエチルアミン、1−クロロ−6−メルカプト−4−オキサヘキサン−2−オー
ル、2,3−ジメルカプトコハク酸、2,3−ジメルカプトプロパノール、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−クロロエタンチオール、2−アミ
ノ−3−メルカプトプロピオン酸、および2−メルカプトエチルアミンとカプロ
ラクタムの付加物などの化合物が含まれる。
【0043】 有利なことには、式I、IIおよびIVのR基を、非官能性連鎖移動剤を使用
することによって組み込むことが可能である。非官能性連鎖移動剤は、ラジカル
連鎖反応を停止することが可能な基(例えばスルフヒドリル)を含有するが、求
電子試薬、求核試薬と反応することが可能な、または置換反応を受けることが可
能な官能基をさらに含有しない連鎖移動剤である。かかる場合には、L(SH) の脂肪族部位によって、式IおよびIIの脂肪族基が得られる。かかる化合物
には、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ヘキサンチオール
、N−オクチルチオール、t−ドデシルチオールなどのモノ、ジ、およびポリチ
オール、2−メルカプトエチルエーテル、2−メルカプトイミダゾール、2−メ
ルカプトエチルスルフィド、2−メルカプトイミダゾール、8−メルカプトメン
トン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、o−、m−、およ
びp−チオクレゾール、エチルシクロヘキサンジチオール、p−メタン−2,9
−ジチオール、1,2−エタンジチオール、2−メルカプトピリミジン等が含ま
れる。炭素原子12〜75個を有する長鎖アルキルチオールが好ましい。
【0044】 官能性であろうとなかろうと、連鎖移動剤は、オリゴマー中の重合モノマー単
位の数を調節するのに十分な量で存在する。連鎖移動剤は一般に、組み合わせた
オレフィンモノマーVおよびVI1当量に対して、約0.025〜約0.2当量
の量で使用する。
【0045】 オリゴマー化プロセスには、Xに関して先に定義されるラジカル開始剤もまた
存在する。かかる化合物は当業者には既知であり、過硫酸塩、アゾイソブチロニ
トリル、アゾ−2−吉草酸等のアゾ化合物、クメン、t−ブチル、およびt−ア
ミルヒドロキシペルオキシドなどのヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルおよび
ジクミルペルオキシドなどのジアルキルペルオキシド、過安息香酸t−ブチルお
よびジ−t−ブチルペルオキシフタラートなどのペルオキシエステル、過酸化ベ
ンゾイルおよび過酸化ラウロリルなどのジアシルペルオキシドが含まれる。
【0046】 開始剤により形成された開始ラジカルを、使用する開始剤の種類および量に応
じて異なる程度に、フルオロケミカルオリゴマー中に組み込むことができる。開
始剤の適切な量は、使用する特定の開始剤および他の反応物に応じて異なる。反
応における他のすべての反応物全重量に対して、開始剤を約0.1重量%〜約5
重量%、好ましくは0.1重量%〜約0.8重量%、最も好ましくは約0.2重
量%〜0.5重量%使用することができる。
【0047】 スキーム1および2のオリゴマー化反応を、有機ラジカル反応に適した溶剤中
で行うことができる。その反応物は、適切な濃度で、例えば反応混合物の全重量
に対して約5重量%〜約90重量%で溶剤中に存在することが可能である。適切
な溶剤の例には、脂肪族および脂環式炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン、
シクロヘキサン)、芳香族溶剤(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、エ
ーテル(例えば、ジエチルエーテル、グリム、ジグリム、ジイソプロピルエーテ
ル)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)、アルコール(例えば、エ
タノール、イソプロピルアルコール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホ
キシド)、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド)、メチルクロロホルム、FREON(登録商標)113、トリク
ロロエチレン、α,α,α−トリフルオロトルエンなどのハロゲン化溶剤、COCH等のフッ化エーテル、およびそれらの混合物が含まれる。
【0048】 このオリゴマー化は、有機ラジカル反応を行うのに適した温度で行うことがで
きる。使用する特定の温度および溶剤は、試薬の溶解度、特定の開始剤を使用す
るのに必要な温度等の考察に基づいて、当業者によって容易に選択することがで
きる。すべての開始剤およびすべての溶剤に適した特定の温度を実際には列挙し
ていないが、一般に適切な温度は、約30℃〜約200℃である。
【0049】 本発明は、1種または複数種の式Iおよび/またはIIのフッ素化オリゴマー
と、熱可塑性もしくは熱硬化性有機ポリマーとを含有する合成有機ポリマー組成
物を提供する。そのオリゴマーは、熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーに望まし
い低表面エネルギー特性を付与する、ポリマー溶融液として有用である。
【0050】 有用なポリマーには、熱可塑性および熱硬化性両方のポリマーが含まれ、合成
線状ポリアミド、例えばナイロン−6およびナイロン−66、ポリエステル、例
えばポリエチレンレテフタラート、ポリウレタン、エポキシド、エポキシ樹脂、
アクリレート、ポリスチレンおよびポリオレフィン、例えばポリエチレンおよび
ポリプロピレンが含まれる。ポリオレフィンなどの熱可塑性ポリマーが好ましい
。フルオロケミカルオリゴマーが存在することにより、得られた物品は、向上し
た撥水撥油性、低表面エネルギーおよび耐汚染性を有する。
【0051】 本発明の造形品(例えば、繊維、フィルムおよび成形もしくは押出物品)は、
例えばアルキル化フルオロケミカルオリゴマーとポリマーをブレンドするか、ま
たは均一に混合する、例えばペレット化または粉末状ポリマーをオリゴマーと完
全に混合し、既知の方法によって、その混合物を溶融押出して、ペレット、繊維
、もしくはフィルムなどの造形品に成形することによって製造することができる
。そのオリゴマーは、それ自体をポリマーと混合すること、またはポリマー中の
オリゴマーの「マスターバッチ」(濃厚物)状でポリマーと混合することが可能
である。マスターバッチは通常、フルオロケミカル添加剤を約10重量%〜約2
5重量%含有する。また、オリゴマーの有機溶液は、粉末状またはペレット化ポ
リマーと混合することが可能であり、その混合物を乾燥させて、溶剤を除去し、
次いで溶融および押出して、所望の造形品を形成する。代替方法としては、所望
の造形品に押出成形する直前に、溶融オリゴマー(化合物またはマスターバッチ
として)を溶融ポリマー流れに注入して、ブレンドを形成することができる。
【0052】 エポキシ樹脂、ウレタンおよびアクリレートなどの熱硬化性樹脂を使用する場
合、アルキル化フルオロケミカルオリゴマーをその樹脂と混合し、熱を加えるこ
とによって硬化させることが可能である。かかる熱硬化性樹脂は、米国特許第4
,619,976号(Kotnour)および同第4,843,134号(Ko
tnour)に教示されているような反応性押出成形技術によって加工可能であ
ることが好ましい。
【0053】 本発明のアルキル化フルオロケミカルオリゴマー化合物を含有する熱可塑性組
成物を使用して、繊維に撥水撥油性を付与することができる。そのフルオロケミ
カルオリゴマーは、溶融加工可能である。つまり、繊維を形成するのに用いる溶
融加工条件下で実質上劣化しないということである。そのフルオロケミカルオリ
ゴマーは、好ましくは範囲約1000〜10,000、さらに好ましくは範囲約
1500〜5000の分子量を有する。そのフルオロケミカルオリゴマーは、導
電率を高める、または静電帯電を受け入れて保持する能力を妨げる可能性がある
、可動極性種および/またはイオン種、汚染物質および不純物を実質的に含有し
ないことが好ましい。
【0054】 組成物中のオリゴマーの量は、撥水撥油性および/または耐汚染性の所望の特
性の表面を有する造形品を製造するのに十分な量である。オリゴマーの量は、造
形品の重量に対して、好ましくは約100〜10,000ppmのフッ素、さら
に好ましくは200〜5000ppm、最も好ましくは400〜3000ppm
のフッ素を提供する量である。
【0055】 繊維、フィルムまたは押出成形品を溶融押出した後、撥水撥油性を高めるため
に、アニーリング段階を行うことが可能である。アニーリングによって、明らか
にフルオロケミカルオリゴマーが熱可塑性ポリマーの表面に移動することが可能
となり、その結果、撥性が向上し、表面活性が低減し、耐溶剤性が向上し、剥離
性が向上する。表面におけるフルオロケミカルオリゴマーの量が増大するのに十
分な温度で、十分な時間、その繊維またはフィルムをアニールする。有効時間お
よび温度は、互いに逆の関係を有し、様々な条件が適している。例えばポリプロ
ピレンを用いる場合、約50℃〜120℃未満の溶融温度で、約30秒〜10分
間、アニーリング工程を行うことができる。50℃〜160℃で約1〜30秒間
、エンボスロールなどの熱ロールと接触させることによって、アニーリングを行
うことも可能である。場合によっては、アニール中に水分を存在させることによ
って、例えばオートクレーブを用いてアニールすることによって、フルオロケミ
カルオリゴマーの有効性を高めることができる。そのアニーリング法は、ポリマ
ー表面におけるフッ素含有量を最大化することによって、必要なオリゴマーの量
を低減するのにも役立つ。
【0056】 本発明のポリマー組成物は、繊維の特性を改良するのにそれらを使用すること
に加えて、低表面エネルギー、撥水撥油性および/または耐汚染性を有する不織
布に用いる吹込成形ミクロファイバーを製造するのにもまた有用である。メルト
ブローミクロファイバーを形成するのに使用されるポリプロピレンなどの樹脂は
、導電率を高める、または静電帯電を受け入れ、保持する能力を妨げる可能性が
ある帯電防止剤などの物質を実質上含有しないほうがよい。本発明のフルオロケ
ミカル化合物を、メルトブローミクロファイバーに添加剤として使用する場合に
は、添加剤は、好ましくは約0.2〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5
重量%、最も好ましくは0.5〜2重量%の量で存在する。
【0057】 本明細書中で使用する「繊維」および「繊維状」という用語は、その長さと直
径の比が約10以上である粒状物質、一般に熱可塑性樹脂を意味するものである
。繊維直径は、範囲約0.5ミクロン〜少なくとも1,000ミクロンまでであ
る。各繊維は、様々な断面形状を有し、ソリッドまたは中空であることが可能で
あり、例えば押出成形前に、染料または顔料をポリマー溶融液中に組み込むこと
によって、着色することができる。
【0058】 本発明で使用する熱可塑性オレフィンポリマー繊維の不織ウェブには、不織ウ
ェブを製造する一般に既知の方法のいずれかによって製造される不織ウェブが含
まれる。例えば、繊維状不織ウェブは、スパンボンド技術またはメルトブロー技
術またはその2つの組み合わせによって製造することができる。スパンボンド繊
維は通常、紡糸口金の細く、通常円形の複数の細孔から、溶融した熱可塑性ポリ
マーをフィラメントとして押出すことによって形成される小さな直径の繊維であ
り、その押出された繊維の直径は急速に小さくなる。メルトブロー繊維は通常、
細く、通常円形の複数のダイ孔を通して、溶融熱可塑性材料を溶融スレッドまた
はフィラメントとして、高速の、通常熱ガス(例えば空気)流に押出することに
よって形成される。その熱ガス流によって、溶融熱可塑性材料のフィラメントが
繊細化され、直径が小さくなる。その後、そのメルトブロー繊維を高速ガス流に
よって運び、回収面に付着させて、ランダムに分配されたメルトブロー繊維のウ
ェブを形成する。いずれの不織ウェブでも、熱可塑性オレフィンポリマーの種類
および/または厚さの異なる、1種類の繊維または2種類以上の繊維から製造す
ることが可能である。代替方法としては、各層に異なるポリマー組成物を含有す
るか、または各層に同一のポリマー組成物を含有するが、外面外装層に高価なフ
ルオロケミカル成分が使用されている、外装コア繊維を押出成形することが可能
である。
【0059】 本発明で有用なメルトブローポリプロピレン製ミクロファイバーは、Van
Wente,A.著,「Superfine Themoplastic Fi
bers」,Industrial Engineering Chemist
ry,vol.48,p.1342−1346(1956年)、およびVan
Wente等著,「Manufacture of Super Fine O
rganic Fibers」,Naval Research Labora
toriesレポートNo.4364(1954年5月25日出版)に記載のよ
うに製造するか、あるいは例えば米国特許3,971,373号(Braun)
、同第4,100,324号(Anderson)および同第4,429,00
1号(Kolpin他)に開示されているような、粒状物質を含有するミクロフ
ァイバーウェブから製造することが可能である。不織布の多層構造は、広い工業
的および商業的有用性を有し、医療用ガウンおよび覆い布用の布などの用途が含
まれる。かかる多層構造の構成層の性質は、所望の最終用途特性に応じて変化さ
せることが可能であり、米国特許第5,145,727号および同第5,149
,576号に記載のように有用な組み合わせで、メルトブローウェブおよびスパ
ンボンドウェブの2層以上を含むことが可能である。メルトブロー繊維が、電子
もしくはイオンなどの帯電した粒子を有するオリフィスから出てくる際に衝撃を
受け、それによってその繊維状ウェブがエレクトレットとなる場合には、メルト
ブローミクロファイバーウェブの濾過効率を、2つ以上の要因によって改善する
ことができる。同様に、そのウェブを回収した後に、コロナに曝露することによ
ってエレクトレットにすることができる。メルトブローポリプロピレン製ミクロ
ファイバーが特に有用であるが、メルトブロー可能であり、かつ予想環境条件下
で適切な体積抵抗率を有する、ポリカーボネートおよびポリハロカーボンなどの
他のポリマーもまた使用することが可能である。
【0060】 様々な構造のすべて、特にSMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボン
ド)構造などの多層構造を、上述の繊維および布から製造することが可能であり
、かかる構造は、あるレベルの疎水性、疎油性(または、体液などに対する他の
液体撥性)が必要とされる用途では有用性が見出されるだろう。本発明の合成有
機ポリマー組成物から製造した繊維は、医療用布(覆い布、ガウンおよびマスク
など)、工業用衣類、野外用布(傘、日よけ、テント等)、レインコート、およ
び他の屋外用衣料、ならびにテーブルリネンおよびシャワーカーテンなどの家庭
用室内装備品、および他の種々の関連用途で使用することが可能である。
【0061】 このフィルター媒体は、アニールすることが好ましい。つまりフルオロケミカ
ル添加剤を繊維表面にブルームさせるのに十分な温度で、十分な時間加熱するこ
とが好ましい。一般に約140℃で約1〜10分間加熱すれば十分であるが、そ
れより高い温度で短い時間加熱することが可能であるし、それより低い温度で長
い時間加熱することも可能である。
【0062】 本発明の繊維状エレクトレットフィルターに用いる吹込成形ミクロファイバー
は通常、Davies,C.N.著,「The Separation of
Airborne Dust and Particles」,Institu
tion of Mechanical Engineers,London,
Proceedings 1B,1952年に記載の方法に従って測定した、約
5〜30マイクロメートル、好ましくは約7〜10マイクロメートルの有効な繊
維直径を有する。
【0063】 本発明のエレクトレットフィルター媒体は、好ましくは範囲約10〜500g
/m、さらに好ましくは約10〜100g/mの基本重量を有する。メルト
ブローミクロファイバーウェブを製造する際には、例えばコレクター速度または
ダイ処理量のいずれかを変化させることによって、基本重量を調節することがで
きる。フィルター媒体の厚さは、好ましくは約0.25〜20mm、さらに好ま
しくは約0.5〜2mmである。そのエレクトレットフィルター媒体および媒体
がそれによって製造されるポリウレタン樹脂は、導電率を高める可能性のある不
必要な処理、例えばガンマ線、紫外線照射、熱分解、酸化等に曝露しないほうが
よい。
【0064】 本発明のエレクトレットフィルターのメルトブローミクロファイバーまたはフ
ィブリル化繊維を、再公表米国特許第30,782号(van Turnhou
t)もしくは同第31,285号(van Turnhout)に記載の方法に
よって、またはエレクトレットを帯電または分極させる他の従来の方法によって
、例えば米国特許第4,375,718号(Wadsworth他);同第4,
588,537号(Klasse他);もしくは同第4,592,815号(N
akao)の方法によって静電帯電させることができる。一般に、帯電方法には
、材料をコロナ放電またはパルス高電圧にかけることが含まれる。
【0065】 例えば、耐脂性パッケージング、剥離ライナーおよび微孔性フィルムの用途で
有用である、本発明の組成物から調製されるフィルムを製造することができる。
これらのフィルムを使用して、1層、複数の層、またはすべての層がフルオロケ
ミカルオリゴマー化合物を含有する、多層構造を製造することができる。
【0066】 本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明はそれらに限定されない。
別段の指定がない限り、以下に示す実施例および試験方法で示されるすべてのパ
ーセンテージは、重量%である。
【0067】 用語解説 UNILIN(登録商標)700:Baker Petrolite社(オク
ラホマ州タルサ)から入手可能な、ポリエチレン700アルコール(炭素原子を
約50個有する)。
【0068】 UNILIN(登録商標)700A:機械攪拌機およびDean−Stark
装置を備えた三つ口丸底フラスコに、UNILIN(登録商標)700を200
g(0.231mol)、アクリル酸16.7g(0.231mol)、メタン
スルホン酸2gおよびトルエン400mLを加えた。得られた混合物を加熱して
、約15時間還流し、その間水をDean−Stark装置中に回収した。反応
生成物のIRには、エステル形成が完了していることを示す、−COOHおよび
−OHのピークは表れなかった。この熱いエステル溶液に、攪拌しながらCa(
OH)10gをゆっくりと加えた。次いで、熱いまま濾過した。得られた混合
物を熱いまま濾過し、減圧下で加熱することによって濾過液からトルエンを除去
し、残存する、湿った固体を真空オーブン内で乾燥させた。X−8503(登録
商標)として、Baker Petrolite社(オクラホマ州タルサ)から
も入手可能である。
【0069】 UNILIN(登録商標)425:Baker Petrolite社から入
手可能な、ポリエチレン460アルコール(炭素原子を約32個有する)。
【0070】 UNILIN(登録商標)425A:機械攪拌機およびDean−Stark
装置を備えた三つ口丸底フラスコに、UNILIN(登録商標)425を150
g(0.280mol)、アクリル酸20.2g(0.280mol)、メタン
スルホン酸1.5gおよびトルエン300mLを加えた。得られた混合物を加熱
して、約15時間還流し、その間水をDean−Stark装置中に回収した。
反応生成物の赤外スペクトル(IR)には、エステル形成が完了していることを
示す、−COOHおよび−OHのピークは表れなかった。この熱いエステル溶液
に、攪拌しながらCa(OH)10gをゆっくりと加えた。得られた混合物を
熱いまま濾過し、減圧下で加熱することによって濾過液からトルエンを除去し、
残存する、湿った固体を真空オーブン内で乾燥させた。
【0071】 ステアリルアルコール:Aldrich Chemical社(ウィスコンシ
ン州ミルウォーキー)から入手可能なC1837OH。
【0072】 ベヘニルアルコール(Henkel3302)、Henkel社(オハイオ州
シンシナティ)。
【0073】 ODA:Aldrich Chemical社から入手可能な、アクリル酸オ
クタデシル、C1837OC(O)CH=CH
【0074】 UNICID(登録商標)700:Petrolite社(ミズーリ州セント
ルイス)から入手可能な、ポリエチレン700酸(炭素原子を約50個有する)
【0075】 EMPOL(登録商標)1008:Henkel社/Emeryグループ(オ
ハイオ州シンシナティ)から入手可能な、滴定によって決定された酸当量305
を有する、オレイン酸から調製された蒸留および水素化ダイマー酸。
【0076】 ドデシルメルカプタン:Aldrich Chemical社から入手可能な
、C1225SH。
【0077】 オクタデシルメルカプタン:Aldrich Chemical社から入手可
能な、C1837SH。
【0078】 3‐メルカプトプロピオン酸:Aldrich Chemical社から入手
可能な、HSCHCHCOOH。
【0079】 3‐メルカプトプロピオン酸メチル:Aldrich Chemical社か
ら入手可能な、HSCHCHCOOCH
【0080】 AIBN:VAZO(登録商標)64開始剤としてE.I.duPont d
e Nemours & Co.(以下デュポン社)(デラウェア州ウィルミン
トン)から入手可能な、2,2’‐アゾビスイソブチロニトリル。
【化7】
【0081】 VAZO(登録商標)88:デュポン社から入手可能な、VAZO(登録商標
)88開始剤。
【0082】 MeFOSE:米国特許第2,803,656号の実施例3に記載の一般手順
を用いて調製することができる、C17SON(CH)CHCH
H。
【0083】 MeFOSEA:米国特許第2,803,615号に記載の一般手順を用いて
調製することができる、C17SON(CH)COC(O)CH
=CH
【0084】 MeFBSEA:米国特許第2,803,615号に記載の一般手順を用いて
調製することができる、CSON(CH)CHCHOC(O)C
H=CH
【0085】 MeFBSEMA:米国特許第2,803,615号に記載の一般手順を用い
て調製することができる、CSON(CH)COC(O)C(
CH)=CH
【0086】 FCオキサゾリジノンA:米国特許第5,025,052号(Crater他
)のスキームIに記載の手順と本質的に同一の手順を用いて、C17SO N(CH)CH(OH)CHClをステアリルイソシアナートとモル比1:
1で反応させ、続いて閉環することによって調製されるポリマー溶融液添加剤。
【0087】 FCオキサゾリジノンB:米国特許第5,025,052号(Crater他
)のスキームIに記載の手順と本質的に同一の手順を用いて、C17SO N(Me)CH(OH)CHClをヘキサメチレンジイソシアナートとモル比
2:1で反応させ、続いて閉環することによって調製されるポリマー溶融液添加
剤。
【0088】 (MeFOSE)‐EMPOL(登録商標)1008:オーバーヘッド凝縮
器、温度計および熱テープで覆われたDean−Starkトラップを備えた5
00mL2口丸底フラスコに、Empol(登録商標)1008ダイマー酸57
.8g(0.190eq)、MeFOSE100g(0.185eq)、p‐ト
ルエンスルホン酸1g、およびトルエン50gを装入した。得られた混合物を1
50℃まで加熱された油浴中に置いた。Dean−Starkトラップ中に回収
された水の量を測定することによって、またガスクロマトグラフィーを用いて、
未反応フルオロケミカルアルコールの量を決定することによって、エステル化の
程度をモニターした。反応の18時間後、水を約2.8mL回収し、無視できる
ほどの量のフルオロケミカルアルコールが残り、これによって反応が完了したこ
とが示された。次いで、その反応混合物を100℃に冷却し、水のpH3に脱イ
オン化した水のアリコート120gで2回洗浄した。吸引によって、最終洗浄液
をフラスコから除去し、反応混合物を絶対圧力約90トルで120℃に加熱して
、揮発物を除去した。Hおよび13C NMR分光法と熱重量分析によって、
茶色がかった固体の生成物は、所望の生成物を含有することが特徴づけられた。
【0089】 MeFOSE‐UNICID(登録商標)700:機械攪拌機およびDear
−Stark装置を備えた三つ口丸底フラスコに、MeFOSE135g(0.
242mol)、215.7g(0.242mol)のUNICID(登録商標
)700、メタンスルホン酸3.5gおよびトルエン400mLを加えた。得ら
れた混合物を加熱して、約15時間還流し、その間水をDean−Stark装
置中に回収した。反応生成物のIRスペクトルには、−COOHおよび−OHの
ピークは表れなかった。この熱い混合物に、攪拌しながらCa(OH)10g
をゆっくりと加え、その熱い溶液を濾過した。減圧下で加熱することによって濾
過液からトルエンを除去し、残存する固体を真空オーブン内で乾燥させた。
【0090】 PP3505:Exxon Chemical社(テキサス州ベイタウン)か
ら入手可能な、400メルトインデックス流量を有するESCORENE(登録
商標)PP3505ポリプロピレン。
【0091】 フルオロケミカルオリゴマー化合物および中間体の調製 (MeFOSEA)(ODA)−SCHCHCOOCH:攪拌機、
温度計、還流凝縮器および窒素バブラーを備えた丸底フラスコに、MeFOSE
Aモノマー122.5g(0.2mol)、ODA16.2g(0.05mol
)および酢酸エチル150mLを加えた。攪拌しながら、得られた溶液を中で、
窒素を15分間泡立てた。次いで、3−メルカプトプロピオン酸メチル6.0g
(0.05mol)をこの溶液に加え、窒素をこの溶液中でさらに2分間泡立て
た。AIBN0.5重量%を加え、窒素雰囲気下で得られた混合物を約15時間
、65℃に加熱した。この材料のIRスペクトルに、1637cm−1における
>C=C<のピークは存在せず、これによって、残留モノマーが無いことが示さ
れた。この反応生成物を、メチルアルコールとヘキサンの50:50ブレンド中
に注ぎ、沈殿した白色の粉末を濾過し、真空下にて、50〜60℃で約5〜6時
間乾燥させた。この材料のTGAによって、346℃において空気での熱分解の
開始が示された。ポリマー鎖1本当たりの重合モノマー単位の計算平均数は5で
ある。
【0092】 (MeFOSEA)(UNILIN(登録商標)425A)−SCH
COOCH:攪拌機、温度計、還流凝縮器および窒素バブラーを備えた丸
底フラスコに、MeFOSEAモノマー122.5g(0.2mol)、UNI
LIN(登録商標)425A29.4g(0.05mol)およびメチルイソブ
チルケトン(MIBK)160mLを加えた。90℃で攪拌しながら、得られた
溶液中で窒素を15分間泡立てた。次いで、3−メルカプトプロピオン酸メチル
6.0g(0.05mol)をこの溶液に加え、窒素をこの溶液中でさらに2分
間泡立てた。0.8%(重量)のVAZO(登録商標)88を加え、得られた混
合物を、窒素雰囲気下で約24時間、95〜100℃に加熱した。この材料のI
Rスペクトルには、1637cm−1における>C=C<のピークは存在せず、
これによって、残留モノマーが無いことが示された。MIBKを減圧下で蒸発さ
せた。ポリマー鎖1本当たりの重合モノマー単位の計算平均数は5である。
【0093】 (MeFOSEA)(UNILIN(登録商標)700A)−SCH
COOCH:UNILIN(登録商標)425Aを等モル量のUNILI
N(登録商標)700Aに取り替えたことを除いては、記述した(MeFOSE
A)(UNILIN(登録商標)425A)−SCHCHCOOCH を調製する手順と本質的に同じ手順を用いて、このランダム共重合体を調製した
。ポリマー鎖1本当たりの重合モノマー単位の計算平均数は5である。
【0094】 (MeFBSEA)(UNILIN(登録商標)700A)−S−CH CHCOOCH:UNILIN(登録商標)425Aを等モル量のUNIL
IN(登録商標)700Aに取り替え、MeFOSEAを等モル量のMeFBS
EAに取り替えたことを除いては、記述した(MeFOSEA)(UNILI
N(登録商標)425A)−SCHCHCOOCHを調製する手順と本
質的に同じ手順を用いて、このランダム共重合体を調製した。ポリマー鎖1本当
たりの重合モノマー単位の計算平均数は5である。
【0095】 (MeFBSEMA)(UNILIN(登録商標)700A)−S−CH CHCOOCH:UNILIN(登録商標)425Aを等モル量のUNI
LIN(登録商標)700Aに取り替え、MeFOSEAを等モル量のMeFB
SEAに取り替えたことを除いては、記述した(MeFOSEA)(UNIL
IN(登録商標)425A)−SCHCHCOOCHを調製する手順と
本質的に同じ手順を用いて、このランダム共重合体を調製した。ポリマー鎖1本
当たりの重合モノマー単位の計算平均数は5である。
【0096】 高分子量の(MeFBSEMA)(UNILIN(登録商標)700A) :連鎖移動剤(3−メルカプトプロピオン酸メチル)を使用しないことを除いて
は、記述した(MeFOSEA)(UNILIN(登録商標)700A)
SCHCHCOOCHを調製する手順と本質的に同じ手順を用いて、この
ランダム共重合体を調製した。得られた分子量は測定していないが、連鎖移動剤
を使用した場合よりもかなり高いと考えられる。
【0097】 (MeFOSEA)(ODA)−S−CHCHCOOCH:攪拌機、
温度計、還流凝縮器および窒素バブラーを備えた丸底フラスコに、MeFOSE
A122.5g(0.2mol)、ODA16.2g(0.05mol)および
酢酸エチル150mLを加えた。フラスコの内容物を攪拌して溶液を形成し、こ
の溶液中で窒素を15分間泡立てた。次いで、3−メルカプトプロピオン酸5.
3g(0.05mol)(Aldrich Chemical Co.から入手
可能)をこの溶液に加え、フラスコの内容物中で、窒素をさらに2分間泡立てた
。AIBN0.5重量%を加え、窒素雰囲気下で約15時間、得られた混合物を
65℃に加熱した。この材料のIRスペクトルには、1637cm−1における
>C=C<のピークは存在せず、これによって、残留モノマーが無いことが示さ
れた。そのポリマー溶液をヘキサンに注ぎ、ポリマーを白い粉末として沈殿させ
た。それを濾過によって除去し、真空下において50〜60℃で乾燥させた。
【0098】 (MeFOSEA)(ODA)−S−CHCHCOO−UNILIN
(登録商標)700:機械攪拌機およびDear−Stark装置を備えた三つ
口丸底フラスコに、(MeFOSEA)(ODA)−S−CHCHCO
OH50g(0.0174mol)、UNILIN(登録商標)700アルコー
ル15g(0.0174mol)、メタンスルホン酸1mLおよびトルエン10
0mLを加えた。得られた混合物を加熱して、約15時間還流し、その間水をD
ean−Stark装置中に回収した。反応生成物のIRには、−COOHおよ
び−OHのピークは表れなかった。この熱い混合物に、攪拌しながらCa(OH
5gをゆっくりと加え、得られた熱い溶液を濾過した。減圧下で加熱するこ
とによって濾過液からトルエンを除去し、残存する固体を真空オーブン内で乾燥
させた。
【0099】 (MeFOSEA)(ODA)−S−CHCHCOO−UNILIN
(登録商標)425:UNILIN(登録商標)700アルコールを等モル量の
UNILIN(登録商標)425アルコールに取り替えたことを除いては、記述
した(MeFOSEA)(ODA)−S−CHCHCOO−UNILI
N(登録商標)700を調製する手順と本質的に同じ手順を用いて、このエステ
ルを調製した。
【0100】 (MeFOSEA)(ODA)−S−CHCHCOO−C1837 :UNILIN(登録商標)700アルコールを等モル量のステアリルアルコー
ルに取り替えたことを除いては、記述した(MeFOSEA)(ODA)
S−CHCHCOO−UNILIN(登録商標)700を調製する手順と本
質的に同じ手順を用いて、このエステルを調製した。
【0101】 (MeFOSEA)(ODA)−S−CHCHCOO−C2245 :UNILIN(登録商標)700アルコールを等モル量のベヘニルアルコール
に取り替えたことを除いては、記述した(MeFOSEA)(ODA)−S
−CHCHCOO−UNILIN(登録商標)700を調製する手順と本質
的に同じ手順を用いて、このエステルを調製した。
【0102】 (MeFOSEA)(ODA)−S−CHCHCOO−MeFOSE
:機械攪拌機およびDear−Stark装置を備えた三つ口丸底フラスコに、
(MeFOSEA)(ODA)−S−CHCHCOOH60g(0.0
208mol)、MeFOSE11.6g(0.0208mol)、メタンスル
ホン酸1mLおよびトルエン100mLを加えた。得られた混合物を加熱して、
約15時間還流し、その間水をDean−Stark装置中に回収した。この混
合物のIRには、−COOHおよび−OHのピークは表れなかった。この熱い混
合物に、攪拌しながらCa(OH)5gをゆっくりと加え、その熱い溶液を濾
過した。減圧下で加熱することによって濾過液からトルエンを除去し、残存する
固体を真空オーブン内で乾燥させた。
【0103】 (MeFOSEA)(ODA)−SC1225:攪拌機、温度計、還流
凝縮器および窒素バブラーを備えた丸底フラスコに、MeFOSEA122.5
g(0.2mol)、ODA16.2g(0.05mol)および酢酸エチル1
50mLを加えた。攪拌しながら、得られた溶液中で窒素を15分間泡立てた。
次いで、ドデシルメルカプタン10.1g(0.05mol)をこの溶液に加え
、窒素をこの溶液中でさらに2分間泡立てた。AIBN0.5%(重量)を加え
、窒素雰囲気下で約15時間、得られた混合物を65℃に加熱した。この材料の
IRスペクトルに、1637cm−1における>C=C<のピークは存在せず、
これによって、残留モノマーが無いことが示された。この反応生成物を、メチル
アルコールとヘキサンの50:50ブレンド中に注ぎ、沈殿した白色粉末を濾過
し、真空下にて、50〜60℃で約5〜6時間乾燥させた。ポリマー鎖1本当た
りの重合モノマー単位の計算平均数は5である。
【0104】 (MeFOSEA)(ODA)−SC1837:攪拌機、温度計、還流
凝縮器および窒素バブラーを備えた丸底フラスコに、MeFOSEA122.5
g(0.2mol)、ODA16.2g(0.05mol)および酢酸エチル1
50mLを加えた。攪拌しながら、得られた溶液中で窒素を15分間泡立てた。
次いで、オクタデシルメルカプタン14.3g(0.05mol)をこの溶液に
加え、窒素をこの溶液中でさらに2分間泡立てた。AIBN0.5%(重量)を
加え、窒素雰囲気下で約15時間、得られた混合物を65℃に加熱した。この材
料のIRスペクトルには、1637cm−1における>C=C<のピークは存在
せず、これによって、残留モノマーが無いことが示された。この反応生成物を、
メチルアルコールとヘキサンの50:50ブレンド中に注ぎ、沈殿した白色粉末
を濾過し、真空下にて、50〜60℃で約5〜6時間乾燥させた。ポリマー鎖1
本当たりの重合モノマー単位の計算平均数は5である。
【0105】 (MeFOSEA)(UNILIN(登録商標)700A)−SC18 37 :UNILIN(登録商標)425Aを等モル量のUNILIN(登録商標
)700Aに取り替え、HSCHCHCOCHを等モル量のHSC1837に取り替えたことを除いては、記述した(MeFOSEA)(UNIL
IN(登録商標)425A)−SCHCHCOOCHを調製する手順と
本質的に同じ手順を用いて、このランダム共重合体を調製した。ポリマー鎖1本
当たりの重合モノマー単位の計算平均数は5である。
【0106】 試験方法 メルトブロー押出成形手順:使用するメルトブロー押出成形手順は、米国特許
第5,300,357号、コラム10に記載の手順と同一である。使用する押出
機は、最大押出温度270〜280℃およびコレクターまでの距離12インチ(
30cm)を有する、Brabender42mm円錐二軸スクリュー押出機で
ある。
【0107】 フルオロケミカルおよび熱可塑性ポリマー混合物は、ハンドドリルに取り付け
られたミキサーヘッドを用いて、板紙製容器中で熱可塑性ポリマーとフルオロケ
ミカルポリマー溶融液添加剤(使用する場合には)とを目で見て均一な混合物が
得られるまで約1分間ブレンドすることによって混合する。
【0108】 ミクロファイバーウェブをブロー成形するのに使用するメルトブロー用ダイ構
造、そのウェブの基本重量(55±5g/m)およびミクロファイバー直径(
5〜18マイクロメートル)を含む、それぞれの混合物に対するプロセス条件は
同じである。別段の指定がない限り、押出温度(ダイ温度)は270〜280℃
であり、初期空気温度は270℃であり、圧力は124kPa(18psi)で
あり、エアギャップ幅は0.076cmであり、ポリマー押出量は約180g/
時/cmである。
【0109】 撥水性試験:3M社から提供されている、フルオロカバーに対する3M社撥水
性試験V(1994年2月)を用いて、不織ウェブ試料を撥水性について評価し
た。この試験では、脱イオン水およびイソプロピルアルコール(IPA)のブレ
ンドによる浸透について試料を調べる。以下に示すように、各ブレンドに等級番
号を付けた。
【0110】
【表3】
【0111】 撥水性試験を行う際、不織ウェブ試料を平らな水平面に置く。水または水/I
PA混合物の小さな液滴を5滴、試料上の少なくとも2インチ離れた箇所に静か
に置く。45度で10秒間観察した後、5滴の液滴のうち4滴が、目で見て球形
または半球形である場合には、その不織ウェブ試料は、試験に合格であると見な
される。報告した撥水性等級は、その不織試料が上述の試験に合格した、最も大
きい数の水または水/IPA混合物に相当する。
【0112】 少なくとも撥水性等級4を有することが望ましく、少なくとも等級6を有する
ことが好ましい。
【0113】 撥油性試験:3M社(ミネソタ州セントポール)から提供されている、3M社
撥油性試験III(1994年2月)を用いて、不織ウェブ試料を撥油性につい
て評価した。この試験では、異なる表面張力の油または油混合物による浸透につ
いて試料を調べる。以下に示すように、油および油混合物に等級を付けた。
【0114】
【表4】
【0115】 撥油性試験は、撥水性試験と同じ手法で行い、報告した撥油性等級は、その不
織ウェブ試料が試験に合格した最も番号の大きい油または油混合物に相当する。
【0116】 少なくとも撥油性等級1を有することが望ましく、少なくとも等級3を有する
ことが好ましい。
【0117】 DOP湿潤時間試験:ウェブ上に純粋なジオクチルフタラート(DOP)の小
さな液滴を置き、その液滴がウェブに広がるかまたはウェブを湿潤させる時間(
不合格時間と見なされる)を測定することによって、DOPに対する耐性につい
て不織ウェブを調べた。2日後に湿潤していないウェブを、DOPに対して無期
限に耐性であると見なした。
【0118】 実施例1〜4および比較例C1〜C5 実施例1〜4では、フルオロケミカルオリゴマー部分において、フッ化モノマ
ーおよびフッ素を含有しないモノマーのいくつかの変形形態を有するフッ化化合
物を製造し、ポリマー溶融液添加剤として評価した。すべての場合に、フッ化モ
ノマーとフッ素を含有しないモノマーとのモノマーモル比は、4:1で一定に保
ち(つまり、各フッ化化合物のR/R比を4:1とする)、使用する連鎖移
動剤は一定量のHSCHCHCOOCH(R=C)である。各フッ化化
合物を濃度1%で、ESCORENE(登録商標)PP3505ポリプロピレン
と溶融混合した。上述のメルトブロー押出成形手順に従ってメルトブロー不織ウ
ェブを製造し、撥水性試験および撥油性試験によって、初期にかつウェブを12
0℃で10分間アニールした後に、得られたウェブをそれぞれ撥性について評価
した。アニールした不織ウェブのジオクチルフタラートに対する耐性時間を、D
OP湿潤時間試験を用いて測定した。
【0119】 実施例3および4では、フッ化化合物はそれぞれ、UNILIN(登録商標)
700AとMeFBSEAとのコポリマー、UNILIN(登録商標)700A
とMeFBSEMAとのコポリマーである(それぞれがCのR鎖長を有する
)。この場合には、各フッ化化合物を濃度2%で、PP3505ポリプロピレン
と溶融混合した。
【0120】 比較例C1およびC2においては、高炭素数の脂肪族部位と、非オリゴマー(
単鎖)フルオロケミカル部分ではあるが、結合基を含有するエステル部位とを有
する非オリゴマーフッ化化合物を、PP3505と濃度1%で溶融混合した。上
述のメルトブロー押出成形手順に従って、メルトブロー不織ウェブを製造し、実
施例1〜4に記載のように各ウェブを評価した。これらの非オリゴマーフッ化化
合物は、国際公開第97/22659号および同第99/05345号それぞれ
に記載されている撥剤エステル含有ポリマー溶融液添加剤である。
【0121】 比較例C3およびC4においては、非オリゴマー部分を有するが、有効なポリ
マー溶融液添加剤であることが知られている、米国特許第5,025,052号
に記載の種類のフルオロケミカルオキサゾリジノン2種類を、濃度1%でPP3
505と溶融混合した。上述のメルトブロー押出成形手順に従って、メルトブロ
ー不織ウェブを製造し、変更を加えたPP3505の試験を実施例1〜4に記載
のように行った。
【0122】 比較例C5では、不織ウェブを押出成形する前に、ポリマー溶融液添加剤をP
P3505中に組み込まなかった。
【0123】 結果を表1に示す。
【0124】
【表5】表1
【0125】 表1のデータから、一般にアニールしたウェブについては、本発明の化合物は
、ポリプロピレンに良好ないし優れた耐水性、耐油性およびDOP耐性を付与し
たことが示されている。アニールした後の耐油性は、比較用ポリマー溶融液添加
剤のいずれかによって付与された耐油性よりも優れていた。
【0126】 実施例5〜8 実施例5〜7および比較例C6〜C8では、C〜C50のサイズが異なるア
ルキル鎖長を有する炭化水素連鎖移動剤を用いて、MeFOSEAをODAと共
重合することによって、フルオロケミカルオリゴマー化合物を製造した。この研
究では、MeFOSEAとODAとのモノマーモル比を4:1で一定に保った(
つまり、各フッ化化合物のR/R比を4:1とする)。各フッ化化合物を濃
度1%で、ESCORENE(登録商標)PP3505ポリプロピレンと溶融混
合した。上述のメルトブロー押出成形手順に従って、メルトブロー不織ウェブを
製造し、撥水性試験および撥油性試験によって、初期にかつウェブを120℃で
10分間アニールした後に、得られたウェブを撥性について評価した。アニール
した不織ウェブのジオクチルフタラートに対する耐性時間を、DOP湿潤時間試
験を用いて測定した。
【0127】 実施例8では、炭化水素基と脂肪族部位の鎖長は、実施例7での鎖長と逆だっ
た(つまり、R=C18およびR=C50〜R=C50およびR=C18
。この結果得られたフッ化化合物を、実施例5〜7に記載のように評価した。
【0128】 実施例C9では、フルオロケミカル連鎖移動剤を用いて、MeFOSEAをO
DAと共重合することによって、フッ化化合物を製造した。その結果得られたフ
ッ化化合物を、実施例5〜7に記載のように評価した。結果を表2に示す。
【0129】
【表6】表2
【0130】 実施例5〜7および比較例C6〜C8から得たデータから、アニールしたウェ
ブについては、脂肪族部位(R)のアルキル基鎖長が長くなるのに伴って、撥水
性およびDOPによる湿潤に対する耐性は通常、向上することが示されている。
アニール後の撥油性およびDOP耐性は、最も長い脂肪族部位鎖長(C50、C 32 およびC22)で最も高く、中間の鎖長(C18およびC12)では低下し
、最も短い鎖長(C)では上昇した。
【0131】 実施例5〜7における、RがC22アルキル基からC50アルキル基と異なる
フルオロケミカルオリゴマー化合物によって付与された、全体的な撥剤性能は驚
くべきものであり、Rがフルオロアルキル基である場合(比較例C9)の性能を
上回った。RがC50アルキル基である場合(実施例8)にも同様の優れた性
能が示された。このように大きな親油基を含有する化合物から、かかる撥油性性
能は予想外である。
【0132】 比較例C10および実施例9 比較例C10では、溶剤としてのMIBK中で、MeFBSEMAとUNIL
IN(登録商標)700AとをR/Rモル比4/1で共重合することによっ
て、高分子量のフルオロケミカルポリマー化合物を製造した。得られたフッ化化
合物を濃度2%で、ESCORENE(登録商標)PP3505ポリプロピレン
中で溶融混合した。上述のメルトブロー押出成形手順に従って、メルトブロー不
織ウェブを製造し、撥水性試験および撥油性試験によって、初期にかつウェブを
120℃で10分間アニールした後に、得られたウェブを撥性について評価した
【0133】 表3に示す結果から、フッ化化合物の分子量の関数としての性能が示されてい
る。比較するために、表1からの実施例9、連鎖移動剤としてのHSCHCH COOCHを組み込んでいないが、同じ4/1のモル比でモノマーを共重合
することによって製造したフッ化化合物もまた含まれる。この低分子量フッ化化
合物もまた、濃度2%で溶融混合し、同じ試験手順を用いて評価した。
【0134】
【表7】表3
【0135】 表3のデータから、低分子量フルオロケミカルオリゴマー化合物を用いた場合
、全体的な性能が優れていることが示されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/36 C08K 5/36 C08L 101/00 C08L 101/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4D019 AA02 BA13 BB03 BC01 BC13 CB06 4F071 AA14 AA32 AA42 AA43 AA53 AA54 AC20 AH19 BB06 BC01 4H006 AA01 AA03 AB46 AB72 TA04 TB55 4J002 BB031 BB121 BC031 BG021 CD001 CF061 CK021 CL011 CL031 EV006 GK00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (iv)フルオロ脂肪族側基およびフッ素を含有しない脂肪
    族側基の両方を有するオリゴマー部分と、 (v)脂肪族部位と、 (vi)前記オリゴマー部分を前記脂肪族部位に結合させる結合基と、を含む
    フルオロケミカルオリゴマー化合物であって、前記のフッ素を含有しない脂肪族
    側基または前記脂肪族部位の少なくとも1つが、炭素原子を22個以上有する、
    フルオロケミカルオリゴマー化合物。
  2. 【請求項2】 以下の構造、 【化1】 (式中、a+bの合計が、前記化合物がオリゴマーであるような数であり、 Rが、水素、ハロゲン、または炭素原子1〜約4個を含有する直鎖もしくは枝
    分れ鎖アルキルであり、 Rがそれぞれ独立して、水素または炭素原子1〜約4個を含有する直鎖もしく
    は枝分れ鎖アルキルであり、 QおよびQ’がそれぞれ独立して、共有結合または有機結合基であり、 Rが、完全にフッ素化された末端基を含有するフルオロ脂肪族基であり、 Rが、フッ素を含有しない脂肪族基であり、 Xが、水素原子またはラジカル開始剤から誘導される基であり、 前記RまたはR基の少なくとも1つが炭素原子を22個以上有する)を有する
    、請求項1に記載のフルオロケミカルオリゴマー。
  3. 【請求項3】 Rf基とRh基との比が少なくとも4:1である、請求項3
    に記載のフルオロケミカルオリゴマー。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のフルオロケミカルオリゴマー化合物と、熱
    可塑性もしくは熱硬化性ポリマーと、を含有するポリマー組成物。
  5. 【請求項5】前記熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、アクリル酸樹脂、ポリ
    エステル、ポリウレタン、およびポリオレフィンからなる群から選択され、かつ
    前記熱硬化性ポリマーが、ポリウレタン、エポキシ樹脂、エポキシドおよびアク
    リル酸樹脂から選択される、請求項4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記フッ素化オリゴマー化合物が、前記組成物の0.5〜5
    重量%を構成する、請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の組成物を含有する造形品。
  8. 【請求項8】 前記フッ素化オリゴマー化合物が、フッ素を10〜10,0
    00ppm含有する、請求項7に記載の造形品。
  9. 【請求項9】 フィルム、シートおよび繊維の群から選択される、請求項7
    に記載の造形品。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の組成物を含有するポリプロピレン製エレ
    クトレット繊維を含む、油状ミスト耐性エレクトレットフィルター。
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