JP2003510247A - 高純度芳香族ポリカルボン酸及びその誘導体の精製及び製造過程 - Google Patents

高純度芳香族ポリカルボン酸及びその誘導体の精製及び製造過程

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JP2003510247A JP2000583843A JP2000583843A JP2003510247A JP 2003510247 A JP2003510247 A JP 2003510247A JP 2000583843 A JP2000583843 A JP 2000583843A JP 2000583843 A JP2000583843 A JP 2000583843A JP 2003510247 A JP2003510247 A JP 2003510247A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、重合体−級の仕様を満たす又は超える芳香族ポリカルボン酸又はその誘導体に対する溶媒抽出精製方法を提供する。本方法は、塩基性化合物中で粗芳香族ポリカルボン酸又は誘導体の溶解、不純物及び過剰な塩基性化合物の除去、及び精製した生成物を造る間に残留塩基性化合物を除去することを含む。本精製方法は、粗製の酸又は誘導体からの不純物だけでなく、別な方法では生成物に混入するような最終生成物からの残留塩基性化合物も除去する。ケークにおける塩は、酸−置換、熱分解、又は電気分解により、生成物に変換される。本方法は、塩から塩基性化合物及び不純物を抽出するために塩基−抽出溶媒を使用する。回収した生成物における残留塩基性化合物は次に、浸出、ストリッピング、電磁波による熱攪拌、又は熱分解を伴う蒸発によって除去される。本精製方法は結晶化のための晶析器、及び乾燥並びに空気による運搬の装置を除去することを可能とする。最後に、本精製方法は先行技術における酸化及び溶媒の回収と組み合わせて、2組の代わりにただ1組の処理段階を使用し、芳香族ポリカルボン酸、又は誘導体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の技術分野] この発明は芳香族ポリカルボン酸及びその誘導体に係り、特に高純度の芳香族
ポリカルボン酸又はエステルのような誘導体の精製及び製造の改良された過程に
関する。 [発明の背景] 芳香族ポリカルボン酸は、対応するアルキル基の酸素分子による酸化を通じて
製造されてきた。そのような酸の例は、純粋なテレフタル酸(PTA)、イソフ
タル酸(IPA)、トリメリト酸(TMA)、2,6−ナフタレンジカルボン酸
(2,6−NDA)、2,7−ナフタレンジカルボン酸(2,7−NDA)など
である。PTAは最も典型的な過程である為、それを本発明の説明に使用する。
しかしながら、本時点での発明の精製及び製造方法は全ての芳香族ポリカルボン
酸及びその誘導体に適用できる。
【0002】 PTAを造る主な過程は、粗テレフタル酸(CTA)を調製するための以下の
段階から成る。 1)酸化:p−キシレン(PX)と空気との反応を、150−230℃及び15
0−425psiaで、触媒としてコバルト−マンガン−臭素を、溶媒として酢
酸を使用して、液相中で実行する。 2)結晶化:反応装置(reactor)からの流出液を、3乃至5つの大きな晶析器
を通じて減圧及び低温で結晶化し、母液からテレフタル酸を沈殿させる。 3)濾過:粗製の酸を次に、遠心分離/濾過により母液から分離する。母液は、
処理して又は処理せずに酸化の段階に再利用する。 4)乾燥:粗製の酸を、不活性気体を吹き込むことにより乾燥し、不活性気体に
よって運搬される酢酸を次にガス洗浄器によって回収する。乾燥した粗テレフタ
ル酸を空気により、多量の窒素吹き込み(flow)を必要とするサイロ若しくは貯
蔵所、又はいくつかのPTAプラントに対しては空気分離設備、に運搬する。 5)溶媒及び触媒の回収:溶媒及び触媒を様々な過程によって回収する。
【0003】 0.5%の不純物を含むCTAを次に水素化過程によって精製し、約25PP
Mの4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)、150PPMのp−トル
イル酸、及び約0乃至50PPMの安息香酸を含む、重合体−級(polymer-grad
e)PTAを製造する。CTAに類似して、水素化装置からの精製したPTAは
、別の処理段階の組、すなわち上記の結晶化、濾過、及び乾燥、に進行する。こ
のようにして、約0.5%の反応器からの流出物の不純物を除去して、不純物約
0.025%の精製した生成物にするために、主な過程として以下の高価な段階
を使用する。 1)結晶化、遠心分離/濾過、乾燥、及び空気による運搬装置に対する2組の処
理段階の必要性。 2)化学反応による高価な精製過程の使用。水素化装置の比較的高価な資産費用
を無視しても、触媒として高価な貴金属を使用し高温及び高圧の下での操作の為
に、高価な製造費用を必要とする。 3)結晶化に対する長い滞留時間の必要性。母液から生成物を回収するために、
CTAは約3乃至5つ、及びPTAは約5つの大きな晶析器を必要とする。加え
て高い腐食性の臭素−酢酸の環境によって、いくつかの晶析器は、チタンを裏地
とした(titanium-lined)装置のような、高価な耐食材料を使用する必要がある
場合もある。 4)最終生成物を造るための乾燥及び空気による運搬の必要性。 5)重合体−級の仕様を満たすが、生成物はまだ約0.01%の不純物を含んで
いる。
【0004】 高純度のPTA又はその誘導体は、ポリエステルの繊維、フィルム、及び成形
樹脂の製造に適していることが要求される。テレフタル酸は、ほとんどの溶媒に
対する低い溶解度、高い沸騰温度、及び、存在する不純物との物理的並びに化学
的性質の類似性によって、精製することが困難である。
【0005】 他の方法は溶媒抽出による不純物の除去である。溶媒抽出のアプローチは比較
的低費用の為に魅力的である。それは、1953年(米国特許第2,664,4
40号)又はさらにそれ以前にまでさかのぼることができる。早い段階で、提案
された溶媒は、不安定、生成物と反応しうる、毒性がある、又はCTAを所望の
レベルに精製できない。その後、Iwane(米国特許第5,344,969号
)及びHirowatari(米国特許第5,565,609号)がより安定な
溶媒を使用する方法を開示した。以下にこれらの方法を要約する。 1)粗製の酸の溶解:芳香族ポリカルボン酸は多くの塩基性化合物と塩を形成し
、その塩は、高温で水又はアルコールのような溶媒に可溶である。 2)不純物の除去:いくつかの不純物は溶液の前処理によって容易に分離できる
。その酸と近い性質をもつ不純物は、母液において少なくとも30℃に冷却して
結晶化することで分離される。 3)生成物の回収:Hirowatariは、前処理した溶液を、加熱すること
により、又はアルキレングリコールの存在下で蒸気を濃縮した溶液と接触させる
ことにより、熱的に分解する。Iwaneは塩を沈殿及び洗浄し、次に熱分解、
又は塩における生成物の酸を置換する酸−置換溶媒(acid-substitution solven
t)を添加することにより、精製した生成物に変換する。Iwaneはまた、溶
液に酸−置換溶媒を直接加えることにより生成物を回収する。
【0006】 Iwane及びHirowatariの両方が、脂肪族、脂環式、芳香族、又
は複素環式アミンのような、唯一のヘテロ原子として窒素を含むアミン化合物を
使用する。Iwaneは、酸化の後の粗NDAの精製に溶媒としてアルコールを
使用する。Hirowatariは、加水分解したポリエステル樹脂からの芳香
族ジカルボン酸を回収するための溶媒として水を使用する。彼のアプローチにお
いて不純物は単純に、活性炭によって除去することができる添加物、及び着色料
のみから成るので、精製した塩を調製しない。このように、この方法は、容易に
分離できる着色料又は添加物を伴うすでに高度に精製したPTAを含む加水分解
した樹脂を精製するのに適しているが、分離が困難である不純物を含む酸化に由
来する粗芳香族ジカルボン酸には適していない。
【0007】 熱分解に対して、Iwaneは、パラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナ
フタレン、又はアルキルビフェニルに分散してもよい塩に熱を加え、加熱に蒸気
を使用しない。選択した溶媒は高い沸騰温度を有し、最終生成物に混入物として
存在すると考えられる。Hirowatariは、還流する間に前処理した水溶
液を加熱してアミン塩を分解、又は、蒸気と接触させる前に蒸留によって溶液を
濃縮しアミン化合物を分解及び除去する。還流の温度を上げるためにアルキレン
グリコールを使用する。還流は最終生成物中の塩基性化合物の含有量を増加させ
、及び蒸留は水の50%以上を蒸発させなければならずかなりのエネルギーを必
要とする。
【0008】 Iwaneは、2,6−NDAの純度を97.2%から約99.8%まで改善
することを特許請求しており、及びHirowatariは加水分解した樹脂か
ら99.8%のPTAを回収している。Iwaneは、彼の方法を、CTAより
も低い純度レベルの反応器流出物からの粗NDAに適用し、CTAに近いレベル
にのみ精製する。両方のアプローチは生成物の純度を改善するが、それらはまだ
重合体−級のPTA(>99.98%)の仕様から離れている。
【0009】 他のアプローチはLee(米国特許第5767311号)があり、溶媒を使用
せずに140乃至190℃の間でCTAを溶解するN−メチルピロリドン(NM
P)を使用する。溶液を結晶化のために5乃至50℃まで冷却する。沈殿物の濾
過及び洗浄により、塩から生成物を回収する手段を使用せずに重合体−級の仕様
を満たすPTAを製造する。しかしながら、この方法を使用する実験は、変換さ
れない塩が最終生成物に混入することを示す。混入は過程におけるNMP及びP
TAによって形成される塩の存在を認識することの欠除に由来する場合もある。
LeeはPTAのような溶液からの沈殿物を同定するが、それは実際には塩であ
る。その塩は、メタノールのような、彼の洗浄溶媒のいくらかによって洗浄する
間に生成物に変換する。しかしながら、洗浄のみでは全ての塩を生成物に変換す
るには不十分であるので、かなりの塩は変換されない。この方法の溶解の過程及
び溶媒の回収は高価である。アミン化合物又はモルホリンと比較して、NMPは
約2乃至3倍高価であり、粗製の酸を溶解するのに3乃至5倍多く必要とする。
また、この高温で沸騰する溶媒の加熱及び回収により多くの費用がかかる。Le
eは、CTAを非水溶性のモルホリン溶液に溶解させることができると、間違っ
て主張する。水が存在しない限り、溶液の温度に関わらず、その溶解度は無視で
きる。たとえモルホリンがCTAを溶解させることができたとしても、メタノー
ルはモルホリンの塩をPTAに変換することができないので、最終生成物はPT
Aではなく塩である。NMPとモルホリンの塩における違いは、さらに議論され
、本発明によって利用される。本発明は、新規の結晶化過程及び洗浄溶媒を使用
し、この方法の生成物の品質を改良する。
【0010】 有利な点に関わらず、溶媒抽出による精製の商業的な適用は知られていない。
主要な問題は、最終生成物に残留する残留塩基性化合物はそれ自体が混入物にな
るという事実に由来する。全ての提案された有機塩基性化合物は、製造するポリ
エステルに色や他の問題を引き起こす窒素を含み、この問題を議論し最終生成物
から塩基性化合物を除去する方法を示唆する先行技術はない。
【0011】 結晶は、結晶化の間の内包によって常に残留する溶媒を含む。公知の方法を使
用すると、CTAの不純物レベルに近い0.1%以上の残留した塩基性化合物が
含まれる場合がある。ポリエステルの製造に適切であるように、残留塩基性化合
物を、PTAの不純物レベルに近い百万分の数部にまで除去する必要がある。そ
れゆえに、公知の先行技術の溶媒抽出は粗製の酸における不純物を除去するが、
生成物の混入物として、ポリエステルの製造に対して不適切な残留塩基性化合物
を導入する。
【0012】 公知の方法は、最終生成物からの残留塩基性化合物を除去することを試みてい
ない。Iwaneは酸性溶媒の使用を示唆しており、Hirowatariは最
終生成物の濾過ケーク(filter cake)から塩基性化合物を、水を使用して洗浄
することを示唆しており、及びLeeはNMP、p−キシレン、アセトン、メチ
ルエチルケトン、又はメタノールを使用して濾過ケークを洗浄することを示唆し
ている。100:1の割合の水を使用して約10時間ケーク(cake)を洗浄及び
浸出する実験は、まだかなりの量の塩基性化合物を含む精製した生成物を製造す
る。このことは、一度生成物の結晶に含まれると、塩基性化合物を除去すること
は困難であることを示す。この問題は、公開された文献に扱われてこなかったこ
とを知らないか、又はこの技術分野における高度な技術者に知られているかであ
るが、解決されないままである。
【0013】 溶媒抽出精製方法の先行技術は、明確に、又は暗に水素化装置を交換し、Le
e以外の供給材料としてCTAを使用することを提案している。Leeは、高い
割合のCTAを反応器流出物を濾過して結晶化又は他の手段を使用せずに直接回
収できると間違って主張する。大部分のCTAは母液又は反応器流出物に残留す
るのでCTAの沈殿に長い滞留時間を必要とする。それゆえに主要な過程は3乃
至5つの大きな晶析器を使用してCTAを回収する。本時点の発明はフラッシン
グ(flashing)及び蒸発を使用して滞留時間を減少させることを提案する。
【0014】 精製方法それ自体は、結晶化、濾過、乾燥、及び空気による運搬に関する別の
処理段階の組を必要とするため、先行技術はまたPTAを製造するために2組の
処理段階を必要とする。このように芳香族ポリカルボン酸を製造するための溶媒
抽出の公知の方法を使用することは以下の欠点を受ける。 1)最終生成物に混入する塩基性化合物の導入。 2)結晶化、遠心分離/濾過、乾燥、及び空気による運搬装置に関する2組の処
理段階の必要性。 3)精製した生成物に残留するかなりの検出可能な不純物。 4)結晶化のための長い滞留時間、従っていくつかの大きな晶析器の必要性。 5)最終生成物を製造するための乾燥及び空気による運搬の必要性。
【0015】 従って、本発明のいくつかの目的は、 1)重合体−級の芳香族ポリカルボン酸の仕様を満たす又は超えるために粗製の
酸から不純物を除去する溶媒抽出精製方法の提供。 2)ポリエステルの繊維、フィルム、成形樹脂又は他の応用した物の製造に適切
であるように、精製した生成物からの塩基性化合物の除去。 3)実質的に資産及び製造費用を減少させる1組の処理段階のみを要求する、重
合体−級の芳香族ポリカルボン酸を製造する過程の提供。 4)結晶化に必要な晶析器の数の減少、又はそれらの除去。 5)乾燥や空気による運搬の段階を必要とせずにポリエステルを製造するのに直
接使用してもよい芳香族ポリカルボン酸の提供。 である。
【0016】 さらに、目的及び利点は、現在の標準的なHPLC測定で検出できないレベル
まで、予期せぬほど及び驚くほど不純物を除去するような、開示される溶媒抽出
方法から明確になる。 [発明の要約] 本発明は、重合体−級の仕様を満たす又は超える芳香族ポリカルボン酸又はそ
の誘導体に対する溶媒抽出精製方法を提供する。本方法は、塩基性化合物中で粗
芳香族ポリカルボン酸又はメチルエステルのような誘導体の溶解、不純物及び過
剰な塩基性化合物の除去、及び精製した生成物を造る間に残留塩基性化合物を除
去することを含む。本精製方法は、粗製の酸又は誘導体からの不純物だけでなく
、別な方法では生成物に混入するような最終生成物からの残留塩基性化合物も除
去する。ケークにおける塩は、酸−置換、熱分解、又は電気分解により、生成物
に変換される。本方法は、塩から塩基性化合物及び不純物を抽出するために塩基
−抽出溶媒(base-extraction solvent)を使用する。回収した生成物における
残留塩基性化合物は次に、浸出、ストリッピング、電磁波による熱攪拌(therma
l agitating)、又は熱分解を伴う蒸発によって除去される。本精製方法は結晶
化のための晶析器、及び乾燥並びに空気による運搬の装置を除去することを可能
とする。最後に、本精製方法は先行技術における酸化及び溶媒の回収と組み合わ
せて、2組の代わりにただ1組の処理段階を使用し、芳香族ポリカルボン酸、又
は誘導体を製造し、資産及び製造費用を実質的に減少させる。 [発明の詳細な説明] 本発明は、重合体−級の仕様を満たす又は超える芳香族ポリカルボン酸又は
その誘導体に対する溶媒抽出精製方法を提供する。本方法は、PTA、IPA、
TMA、2,6−NDA、2,7−NDAなどのような任意のポリカルボン酸に
適用する。本方法はまた、テレフタル酸ジメチル(DMT)、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸ジメチル(NDC)、加水分解したポリエステルなどのようなエ
ステルを含む酸誘導体にも適用する。本方法は、塩基性化合物中での粗芳香族ポ
リカルボン酸又は誘導体の溶解、不純物及び過剰な塩基性化合物の除去、及び精
製した生成物を造る間に残留塩基性化合物を除去することを含む。好ましい塩基
性化合物は、モルホリン又はNMPのような酸素と窒素の両方をヘテロ原子とし
て含む。追加の塩基性化合物は以下でより詳細に議論される。ケーク中の塩は次
に、酸−置換溶媒、熱分解、又は電気分解によって、生成物に変換される。
【0017】 粗製の酸又は誘導体からの不純物の除去に加えて、本方法は、塩及び回収した
生成物から塩基性化合物及び不純物を抽出するために、塩基−抽出溶媒を使用す
る。回収した生成物における残留塩基性化合物は、浸出、ストリッピング、電磁
波による熱攪拌、又は熱分解を伴う蒸発によって除去される。残留塩基性化合物
は不純物ではなく、精製過程によって導入される混入物である。本方法は結晶化
のための晶析器、及び乾燥並びに空気による運搬の装置を除去することを可能と
し費用を減少させる。最後に、本精製方法は先行技術における酸化及び溶媒の回
収と組み合わせて、2組の代わりに1組のみの処理段階を使用し、芳香族ポリカ
ルボン酸を製造する。
【0018】 溶媒抽出によって精製した芳香族ポリカルボン酸の結晶は、典型的に、結晶の
表面への吸着の機構、亀裂や割れ目並びに集塊(agglomerates)における捕捉及
び液体のポケット(pocket)の内包、を通じて塩基性化合物及び他の溶媒を含む
。結晶中の塩基性化合物は液体としてではなく、生成物の結晶又は酸−置換溶媒
と共に形成される固体の塩として存在する。洗浄又は熱分解で、吸着された物又
は捕捉された物のいくらかを除去する場合もあるが、昇華する温度がおよそ30
0乃至425℃である生成物の結晶で保護される内包の固体は除去されない。こ
のことが生成物の結晶から残留塩基性化合物の除去を極端に困難にしている。
【0019】 先行技術は、不活性な雰囲気の下での処理によって塩基性化合物の酸化を防ぎ
、塩基性酸化物の存在を隠す生成物の色の劣化を防ぐ。不純物を測定するために
使用される標準的なHPLC分析技術は、非−芳香族性の塩基性化合物を検出で
きず、精製した生成物の色の測定もまた、化合物をその存在を示すために故意に
酸化するのでなければ、塩基性化合物を検出できない。残留塩基性化合物の存在
を検出する単純な技術は、最終生成物を空気中で燃焼し長時間高温にして非−白
色にすることである。次に残留塩基性化合物の存在の程度を、水素化によって精
製したPTAと白色性の程度を比較することで、又は色の測定の現存する技術を
使用することで、検出できる。
【0020】 精製した塩において、カルボン酸の官能基に結合していない塩基性化合物は過
剰な塩基性化合物である。塩における過剰な塩基性化合物を除去することは、そ
の化合物がまた塩の成分であるために、塩基性化合物と接触している回収した生
成物を避けることができない。このようにして、回収した生成物の結晶内に含ま
れる残留塩基性化合物を除去するためには追加の過程を必要とし、それは困難で
あり、また明らかではない。
【0021】 本時点での発明は、精製した塩及び回収した生成物から塩基性化合物及び不純
物の両方を抽出する塩基−抽出溶媒を発見する。適切な塩基−抽出溶媒は、標的
とする結晶に対して低い溶解性を有する又は塩を生成物に変換する能力を有する
、塩基性化合物並びに不純物に対する溶解性が高い、及び最終生成物から容易に
分離できる又は分離する必要のない、任意の非−窒素−含有化合物である。その
溶媒は、ヒドロキシル、カルボニル、エーテル、ケトン、エステル、又は他の官
能基を含んでもよい。
【0022】 特に明記しない限り、本溶媒抽出方法は、予め決められた圧力における溶液の
凍結温度から最高の沸騰温度までの、好ましくは冷却した水の温度から最高の沸
騰温度までの、温度範囲で処理される。運転作業圧は特に制限されず、0乃至1
00絶対気圧まで変化してもよく、好ましくは0.001乃至5絶対気圧である
【0023】 不純物及び残留塩基性化合物を除去する精製方法は以下の処理段階から成る。
【0024】 粗製の酸又は誘導体の溶解 粗芳香族ポリカルボン酸又は誘導体は塩を形成することによって塩基性化合物
に溶解する。塩を溶媒に溶解させることができるとすると、溶解度を高め、溶解
の費用を減らすことに使用されると考えられる。これはまた、粗製の酸又は誘導
体を、塩を形成せずに、塩基性化合物中に溶解するような稀な場合も含む。
【0025】 粗芳香族ポリカルボン酸又は誘導体は、任意の種類の不純物を含む任意の源に
由来し得る。それは、テレフタル酸ジメチル(DMT)又は2,6−ナフタレン
ジカルボン酸ジメチル(NDC)、加水分解したポリエステルなどの製造におけ
るような、酸化の反応器、中間又は最終の製造の流れに由来し得る。塩基性化合
物は、酸素を含む塩基性化合物、及び酸素を含まない塩基性化合物を含む。酸素
を含む塩基性化合物は、モルホリン化合物、アミド化合物、無機塩基などのよう
なヘテロ原子として酸素及び窒素を有する任意の化合物を含む。酸素を含まない
塩基性化合物は、アミン化合物又はアンモニアから成る。塩基性化合物は脂肪族
、脂環式、芳香族、及び複素環式化合物を含む。使用する塩基性化合物の量は、
芳香族ポリカルボン酸又は誘導体のカルボキシル官能基又は置換されたカルボキ
シル官能基のモル当たり0.5乃至100モル、好ましくは粗芳香族ポリカルボ
ン酸のカルボキシル官能基のモル当たり1乃至2モルである。溶媒は、水、アル
コール、エーテル、ケトン、及びエステルから成る。溶媒の量は、粗芳香族ポリ
カルボン酸のカルボキシル官能基のモル当たり0乃至100モル、好ましくは1
−10モルで変化してもよい。
【0026】 先行技術は従来の加熱を使用して、引力を克服するように溶媒分子から塩のイ
オンへエネルギーを移動させることによって、粗製の酸を溶解する。従来の加熱
の使用に加えて、本発明では粗製の酸又はエステルを、電磁波による熱攪拌によ
って溶解してもよい。電磁波によりイオン化した溶液の熱攪拌は従来の又はマイ
クロ波加熱とは異なる。その波動は溶媒分子及び塩のイオンの両方に対して熱攪
拌を与える。しかしながら、イオンはかなり多くのエネルギーを受けるので、他
の加熱と逆方向に、イオンが分子を加熱する。このようにして、それは、溶解度
、溶媒の蒸発、及び結晶化のような、他とは全く別な特性を有する。例えば、そ
れは、塩のイオンは溶解のためにより多くのエネルギーを受けるがまた熱的に分
解して酸又はエステルへ戻る場合もあるので異なる溶解度を有し、蒸気のより多
い蒸発並びに結晶化のためのより少ない溶媒のためにより良好な結晶化の効率を
有し、及び高エネルギーのイオンが酸又はエステルを生成する塩の一部を熱分解
することに使用される場合もあるので異なる沈殿の機構を有する。主な利点は溶
解のエネルギー及び時間の著しい節約である。より少ない溶解時間は溶媒の劣化
又は不純物との反応を減少させる。
【0027】 Iwane及びHirowatariは酸素を含まないアミン化合物を使用し
、Leeはピロリドン化合物、カルボニル及びアミン官能基の特性を有する脂環
式アミド化合物を使用する。他の好ましい酸素を含む塩基性化合物は、エーテル
およびアミン官能基の特性を有するモルホリン化合物である。酸素を含む有機塩
基性化合物は、塩基性、比誘電率、双極子モーメント、又は溶媒を伴った吸湿性
の点で、酸素を含まない塩基性化合物とはかなり異なる特性を有する。本発明は
精製した生成物から塩基性化合物及び不純物を除去する特性を利用する。
【0028】 酸素を含む塩を塩基性の塩(basic salt)と呼び、酸素を含まない塩を普通の
塩(normal salt)と呼ぶ。最も普通の塩は、水及びアルコールのような多くの
溶媒に可溶である。エーテル塩基性塩(ether basic salt)と呼ぶエーテル基を
含む塩は水に可溶であるが、多くはアルコールのような他の溶媒に不溶である。
カルボニル基を含む塩は、カルボニル塩基性塩(carbonyl basic salt)と呼び
、水やアルコールを含むほとんどの溶媒に不溶である。塩に対する低い溶解性又
は塩を変換して酸に戻す性質を有するが不純物及び塩基性化合物に対する高い溶
解性をまだ有する溶媒は、塩基−抽出溶媒として塩又は生成物を精製するために
使用される。本発明はカルボニル塩基性塩が弱く結合することを発見する。それ
ゆえに生成する塩を回収し、生成物からその塩基性化合物を除去することがより
容易であるが、塩を形成することはより困難且つ高価である。このようにして塩
基性化合物は粗製の酸から不純物を除去し、塩基−抽出溶媒は精製した塩及び最
終生成物から塩基性化合物及び不純物を除去する。
【0029】 より明確には、芳香族ポリカルボン酸は1つ以上の縮合環を有するものであり
、ここで2つ以上のカルボン酸基は芳香環又は複数の芳香環の任意の位置にあっ
てもよく、任意の水素を任意の他の官能基で置換してもよい。単環の芳香族ジカ
ルボン酸の例は、必ずしも限定しないが、テレフタル酸、イソフタル酸、オルト
フタル酸、トリメリト酸、ヘミメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、及びメ
リト酸を含む。2つの環の芳香族ポリカルボン酸の例は、必ずしも限定しないが
、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,7
−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3,6−ナ
フタレントリカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、及び
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸を含む。3つの縮合環の芳香族ポ
リカルボン酸の例は、必ずしも限定しないが、2,6−アントラセンジカルボン
酸、2,7−アントラセンジカルボン酸、2,8−アントラセンジカルボン酸、
2,9−アントラセンジカルボン酸、1,9−アントラセンジカルボン酸、2,
3,6−アントラセントリカルボン酸、1,4,5,8−アントラセンテトラカ
ルボン酸、及び2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸を含む。芳香族
ポリカルボン酸はまた、例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸、及び2,7−
ナフタレンジカルボン酸のような、任意の割合の、芳香族ポリカルボン酸の混合
物も含む。
【0030】 塩基性化合物に関して、塩基性化合物中の窒素原子は3又は4の原子価を有し
てもよい。その塩基性化合物は、化合物の異なる位置での窒素原子と炭素原子と
の全ての組み合わせたもの、及び1つ以上の水素原子を有し、アルキル、アリー
ル、又はアシル基で置換されたそれらの飽和及び不飽和化合物、又はこのような
化合物から誘導されるアンモニウム塩を含む。塩基性化合物が通常の状態の下で
固体又は気体の状態であるとすると、その水溶液を使用してもよい。塩基性化合
物は任意の割合の混合物とすることができる。無機塩基は水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどであってもよい。
【0031】 モルホリン化合物は、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホ
リン、N−プロピルモルホリン、N−イソプロピルモルホリン、N−メチルモル
ホリンオキシド、N−フェニルモルホリン、4−モルホリンプロピオニトリル、
1−モルホリン−1−シクロヘキサンなどから成る。エーテル基を含む他の塩基
性化合物は、環の中に窒素及び酸素を有し3から8個の原子を含む単環−複素環
式化合物を含み、それは、オキサゾシン、オキサゼピン、オキサジン、オキサゾ
ール、イソオキサゾール、オキサジアゼーテ、oxazirineなどから成る
【0032】 アミド化合物は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エタンアミ
ド、アセトアミド、などのような脂肪族アミドを含む。脂環式アミドは、ピロリ
ドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−アルキル−2−ピロ
リドン、N−メルカプトアルキル−2−ピロリドン、N−メルカプトエチル−2
−ピロリドン、N−アルキル−2−チオピロリドン、N−メチル−2−チオピロ
リドン、N−ヒドロキシアルキル−2−ピロリドン、及びN−ヒドロキシエチル
−2−ピロリドン、ラクタムなどを含む。芳香族アミドは、フェニルアセトアミ
ド、フェニレンテレフタルアミドなどを含む。
【0033】 脂肪族アミンは、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プ
ロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、トリイソプロピルアミン、エチレンジアミン、N−メチルエチレンア
ミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミ
ン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ
メチルエチレンジアミン、1,2−ジアミンプロパン、1,3−ジアミンプロパ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどから成る。脂環式アミンは、メチ
ルシクロヘキシルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル
シクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシ
ルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、イソプロピルシクロヘキシ
ルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルシ
クロヘキシルアミン、エチレンイミン、プロピレンイミンなどから成る。芳香族
アミンは、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ
ブチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチルトルイジンな
どから成る。複素環式アミンは、ピリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン
、N−メチルピロリジンなどを含む。
【0034】 好ましい塩基性化合物はモルホリン、N−メチル−ピロリジン、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、又はトリエタノールアミンである。
【0035】 アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール
、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール
、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアル
コール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニ
ルアルコール、並びにデシルアルコールのような脂肪族一価アルコール、シクロ
ペンチルアルコール並びにシクロヘキシルアルコールのような脂環式一価アルコ
ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、並びにペンタンジオールのような直鎖の脂肪族ジオール、1,2
−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロ
へキサンジオール、1,3−シクロへキサンジオール、1,4−シクロへキサン
ジオールのような脂環式ジオール、及びグリセロール並びにペンタエリトリト−
ルのような脂肪族ポリオールを含む。3個以下の炭素原子を有する脂肪族一価ア
ルコール及び4個以下の炭素原子を有するジオールが好ましい。アルコールは、
任意の割合のこれらの混合物とすることができる。好ましいアルコールは、メタ
ノール、エタノール、又はアルキレングリコールである。
【0036】 エーテルは、ジメチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルエーテル、イソ
プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、クロロジメチ
ルエーテル、フェニルメチルエーテル、ジベンジルエーテル、エチレンオキシド
、ジオキサン、トリオキサン、フラン、テトラヒドロフラン、メチル−テトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロピラン、メチル−テトラヒドロピランなどを含む。ケ
トンは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn
−ブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルアセトン、2−メチルシクロペン
タノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノールなどを含む
。エステルは、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチ
ルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールエチル
エーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエー
テル、エチレングリコールベンジルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、蟻酸アルキル、酢酸アルキル、プロピオン酸アルキル、シュウ
酸エステル(oxalates)、乳酸アルキル、炭酸エステル、安息香酸エステル(be
nzoate)などを含む。
【0037】 不純物及び過剰な塩基性化合物の除去 この段階は、ケークの前処理、沈殿、分離、及び洗浄によって不純物を除去す
る。不純物を、溶液の前処理及び先行技術に示唆された冷却による結晶化によっ
て除去する。加えて本時点での発明は、洗浄したケークから不純物及び過剰な塩
基性化合物の両方を除去する新規の過程を提供する。
【0038】 溶液の前処理は、活性炭により着色料又は添加物を、濾過により不溶性物質を
、又は溢れ出し(overflowing)若しくはくず捨て(scrapping)により浮遊物を
、というように、溶液から容易に分離できる不純物を除去することである。この
種の不純物を分離する過程はすでに良く知られており、本発明は任意の明確なも
のに限定されない。もしも粗製物がこの種の不純物を含んでいない場合は、溶液
の前処理は必要ではない。
【0039】 結晶化は、分離することが困難であり、生成物に近い物理的及び化学的性質を
有する不純物を除去する。不純物の塩の溶解度は、与えられた温度及び溶液組成
で生成物の塩よりも低いか又は高いかである。溶液の温度及び/又は組成の変化
によって、より低い溶解度を有する不純物が最初に沈殿し、他から分離される。
生成物の塩の沈殿は、母液中に不純物を残すことによって、より高い溶解度を有
する不純物から生成物の塩を分離する。
【0040】 先行技術は不純物を分離するために冷却による結晶化を使用し、塩を濾過又は
遠心分離のような通常の過程によって分離する。それは、母液から結晶を成長さ
せるために長い滞留時間を必要とするため、結晶化のためにいくつかの大きな晶
析器を必要とする。他の方法は、必要な滞留時間を減少させるために、冷却での
組成の制御による結晶化である。粗製の酸を完全に溶解した後及び結晶化の前に
、その方法は、蒸発又は蒸留のように予め決められた量の溶液を除去すると、冷
却したスラリー(slurry)はまだ不純物を分離するのに十分な母液を含んでいる
。この方法は結晶化のための滞留時間を減少させるがまだ十分必要とする。両方
の方法は、母液中の不純物を、精製した塩から分離するために、できるだけ多く
保持しようとする。
【0041】 先行技術は通常、濾過した塩を洗浄するために塩基性化合物を使用する。しか
しながら、塩の高い粘度により洗浄の効率は低い。その上、それは塩を過剰な塩
基性化合物で飽和させ、最終生成物にける塩基性化合物の含有量を増加させる。
他の先行技術は脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を洗浄溶媒として使用するこ
とを示唆する。それは単純に結晶中の溶媒を交換し、抽出力(extraction power
)を与えず、最終生成物に混入物として存在してもよい。
【0042】 本時点での発明は、塩から塩基性化合物及び不純物の両方を除去するために塩
基−抽出溶媒を使用する。この新規の過程は、塩基−抽出溶媒での洗浄及び浸出
、塩基−抽出溶媒の存在下における結晶化、塩基−抽出溶媒の存在下における生
成物の沈殿、塩からの直接−抽出を伴う結晶化、及び再塩化(resalting)及び
塩の塩基−置換を伴う結晶化を含む。
【0043】 ほとんどの塩基−抽出溶媒は塩を酸に変換しない。しかしながら、純粋な溶媒
を濾過したカルボニル塩基性塩の洗浄に使用すると、いくらか変換する場合もあ
るが、しかし塩を変換する塩基−抽出溶媒と塩基性化合物を適切な割合で混合す
ると塩の変換は減少する。例えば、メタノールを50%NMPと混合して濾過し
た塩を洗浄すると、著しく塩の変換は減少する。洗浄したケークは塩として保有
するのに好適である。
【0044】 より明確には、塩基−抽出溶媒は、水、過酸化水素、アルコール、エーテル、
フェノール、ケトン、エステルなどである。アルコール、エーテル、ケトン、及
びエステルは以前に定義した。塩基−抽出溶媒は、単独で、又は任意の割合の2
つ以上の混合物で使用してもよく、その溶液は液体又は気体の状態で使用しても
よい。好ましい塩基−抽出溶媒は、水、メタノール、エタノール、アルキレング
リコール、アセトン、テトラヒドロフラン、又はテトラヒドロピランである。こ
の段階で標的とした結晶は精製した塩なので、使用する溶媒は除かれる。次の段
階では、標的とした結晶は、生成物の酸又は誘導体であり、それは使用した溶媒
を含む。
【0045】 ほとんどの不純物の塩の色は非−白色であり、過剰な塩基性化合物の臭気はア
ンモニア臭であり、濾過ケークを洗浄又は浸出するために塩基−抽出溶媒を使用
することは、塩基性化合物や炭化水素のような他の溶媒で洗浄した塩と比較して
色と臭気の両方において塩をかなり改善する。定義によると、浸出は濾過ケーク
の洗浄とは異なる(Perry’s Chemical Engineering Handbook, 6th Edition, P
age 19-48)。洗浄及び浸出の過程は非常に良く知られ、本発明は任意の明確な
ものに限定しない。
【0046】 塩基−抽出溶媒は、また粗製の酸の完全な溶解の後に溶液に加えてもよい。結
晶化の間、塩基−抽出溶媒の存在は、塩基性化合物の内包を減少させると同時に
塩から不純物及び塩基性化合物を抽出する。加えて、溶液における塩基−抽出溶
媒の存在は、形状、大きさ、及び速度のような結晶化の機構を変化させる。例え
ば、メタノール、アセトン、又はテトラヒドロフランの添加は形状を変化させ、
NMP−PTA塩からの結晶の大きさを増加させる。
【0047】 精製した生成物は、塩基−抽出溶媒の存在下で酸−置換溶媒を溶液に加えるこ
とによって沈殿させることができる。塩基−抽出溶媒の存在は沈殿から不純物及
び塩基性化合物を抽出する。本発明は、水は、カルボニル塩基性塩に対して、飽
和溶液から直接生成物を沈殿するので、塩基−抽出及びまた酸−置換溶媒である
が、メタノールのような他の塩基−抽出溶媒はある溶液組成の範囲で塩を沈殿さ
せることを発見する。しかしながら、水中での4−CBA及びNMPの塩の溶解
度はメタノールよりも約10倍低い。先行技術において塩を変換するために洗浄
することと比較して、塩基−抽出溶媒の存在下での沈殿生成物は、温度、攪拌、
組成、及び滞留時間によって塩の変換及び結晶の大きさが、より良好に制御され
る。先行技術においては、塩基−抽出溶媒が存在せずに、生成物を沈殿させるた
めに酸−置換溶媒を加える。しかしながら、ほとんどの不純物は生成物と共に沈
殿するので、生成物の純度は低い。
【0048】 ほとんど又は全ての溶媒を溶液から蒸発又はフラッシングによって除去するこ
とで固体又はスラリーの塩を得る。不純物は通常の操作状況の下では蒸発しない
ので、それら不純物は全て塩と共に残留する。これは、分離のために母液に不純
物を保持する先行技術の結晶化によって避けられる状況である。しかしながら本
発明は、予期せぬことに、また驚くべきことに塩基−抽出溶媒が塩から不純物及
び過剰な塩基性化合物の大部分を抽出できることを発見する。このように、この
結晶化の過程は、結晶化に関する滞留時間の必要性を完全に除去する。生成物の
回収効率は、塩基−抽出溶媒における塩の溶解度及びスラリーに残留する溶媒の
量に依存する。先行技術の結晶化と違って塩からの直接−抽出を伴う結晶化は、
結晶化のために溶液を冷却しない。スラリー中の母液は、塩基−抽出溶媒を添加
する前に、塩から分離してもしなくてもよい。抽出した溶液は、次に通常の分離
過程によって塩から分離される。
【0049】 溶媒中の沈殿又は塩基性化合物を再溶解(redissolving)し、1回以上溶液を
再結晶することで、不純物は現在の標準的なHPLC法で検出できないレベルま
で除去される、又は不純物のより多い粗製の酸に対して重合体−級の仕様を満た
す。このように、再塩化を伴う結晶化は、粗製の酸が溶解した溶液からの塩の結
晶化、塩の分離、洗浄、並びに再溶解、溶液からの塩の再結晶、及び通常の過程
による塩の分離並びに洗浄の段階を含む。好ましくは、再結晶の前に、塩を完全
に溶解する。電磁波の使用、又は塩−変換・塩基−抽出溶媒での洗浄により、洗
浄したケークが生成物の酸を含む場合は、その酸は塩から分離又は再塩化のため
に塩基性化合物で溶解してもしなくてもよい。任意の、以前に議論した結晶化過
程を結晶化及び再沈殿に使用することができる。しかしながら、結晶化及び再結
晶の両方に塩からの直接−抽出を伴う結晶化を使用することが好ましい。塩基−
抽出溶媒の存在下における生成物の沈殿を使用するならば、最後の結晶化の段階
であることが好ましい。再塩化の回数は特に限定しないが、1−2回が好ましい
【0050】 以前に議論した不純物を除去する過程で使用する塩基−抽出溶媒は、同じもの
であってもなくてもよい。使用する量は、カルボキシル官能基のモル当たり0.
1乃至100モル、好ましくは1乃至10モルである。エーテル塩基性塩に対し
て、好ましい塩基−抽出溶媒は、メタノール又はエタノールである。カルボニル
塩基性塩に対してはまた、アルキレングリコール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、又はテトラヒドロピランが好ましい。
【0051】 塩の塩基−置換は、一次の塩の塩基性化合物を他の塩の塩基性化合物で置換す
ることにより、生成物の回収を向上させる方法である。以前に議論したように、
カルボニル塩基性塩は調製がより困難及び高価であるが、回収は容易及び安価で
ある。例えば、NMP−PTAの塩を調製することはモルホリン−PTA塩より
も数倍高価であるが、それは高価でない水によって回収できる。本発明は、塩の
塩基性化合物は、より高い沸騰温度を有する別の塩基性化合物で置換でき、それ
ゆえにエーテル塩基性塩又は通常の塩をカルボニル塩基性塩に変換できることを
発見する。このように、塩をより経済的な塩基性化合物で調製し、より経済的な
生成物の回収のために別の塩に変換することができる。変換される塩を、溶媒の
存在と共に又は無しで、置換する塩基性化合物と混合する。置換される塩基性化
合物及び/又は溶媒は次に、従来の加熱又は電磁波を使用して、蒸発又は蒸留の
ような通常の分離過程で溶液から除去される。置換された塩は、塩基−抽出溶媒
の存在と共に又は無しで溶液から冷却によって沈殿する、又は塩からの直接−抽
出により調製する。水のような溶媒は、一連の段階で次に再利用又は変換される
、変換されていない塩を溶解するのに使用してもよい。塩の塩基−置換はまた、
他の塩基性化合物の存在下で、形状又は大きさのような、塩の結晶の変化を含む
。使用される、置換する塩基性化合物の量は、カルボキシル官能基のモル当たり
0.1乃至100モル、好ましくは1乃至10モルで変化してもよい。
【0052】 非−塩−変換塩基−抽出溶媒(non-salt-converting base-extraction solven
t)で洗浄することに加えて、濾過ケークを塩−変換塩基−抽出溶媒(salt-conv
erting base-extraction solvent)で又は酸−置換溶媒で洗浄することができる
。これは、洗浄と次の段階の酸−置換との組み合わせた段階と考えることができ
、これはLeeのアプローチである。しかしながら、洗浄は塩の変換及び生成物
の性質をほんのわずかしか制御できない。本時点での発明は濾過の前に結晶化の
間に精製した生成物を沈殿させるか塩として沈殿させ次の段階で変換するかのど
ちらかが、両方とも塩の変換の制御、回収した生成物からの塩基性化合物並びに
不純物の抽出、及び生成物の粒子の大きさが良好であるので、好ましい。いくつ
かの塩基性化合物について、生成物の粒子の大きさは、スプレー乾燥、組成、滞
留時間、温度、攪拌の調節などによって制御できる塩の粒子の大きさに影響され
てもよい。
【0053】 このように、不純物を除去する過程は、溶液の前処理、冷却による結晶化、冷
却を伴う組成制御による結晶化、塩基−抽出溶媒の存在下における塩の結晶化、
塩基−抽出溶媒の存在下における生成物の沈殿、塩からの直接−抽出を伴う結晶
化、再塩化を伴う結晶化、塩の塩基−置換、塩基−抽出溶媒での洗浄、塩基−抽
出溶媒での浸出、又はこれらの過程の全ての可能な組み合わせ、から成る。粗製
の酸又は誘導体からの不純物の除去に加えて、過剰な塩基性化合物もまた洗浄し
たケークから除去され、以後の段階で調製される最終生成物における塩基性化合
物の含有量を減少させる。
【0054】 精製した生成物を造る間の残留塩基性化合物の除去 この過程は、洗浄したケークにおける塩から、塩の量が有意である場合に、生
成物を回収し、及び/又は最終生成物を造る前に残留塩基性化合物を除去する。
精製した塩から生成物を回収する過程は、酸の置換、熱分解、又は電気分解から
成る。好ましくは、生成物は塩基−抽出溶媒の存在下で回収される。溶液の組成
並びに温度、攪拌、及び滞留時間は、生成物の粒子の形状及び大きさに影響する
ので、それらは塩基性化合物及び不純物の抽出で好ましく最適化される。
【0055】 酸の置換 塩を生成物に変換するために、酸−置換溶媒を加えて生成物の酸を置換及び沈
殿する。塩は塩基−抽出溶媒と混合してもよい。酸−置換溶媒を添加する前に、
塩基性塩及び通常の塩を完全に溶解することが好ましく、好ましい溶媒は水、メ
タノール、エタノール、アルキレングリコール、又はこれらの混合物である。カ
ルボニル塩基性塩はほとんどの溶媒に不溶であり、水は好ましい酸−置換溶媒で
ある。好ましくは水を、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、又はテトラヒドロピランのような塩基−抽出溶媒の存在下で添加する。酸−
置換は電磁波により処理してもよい。塩基−抽出溶媒を伴う酸の置換は、回収す
る生成物における塩基性化合物及び不純物の内包を減少させる。
【0056】 酸−置換溶媒は脂肪族カルボン酸、無機酸、水などでもよい。脂肪族カルボン
酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石
酸、メソ酒石酸、クエン酸、モノクロロ酢酸、モノブロモ酢酸、モノニトロ酢酸
、トリフルオロ酢酸、及びトリクロロ酢酸であってもよく、無機酸は、硝酸、塩
酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸、及び過塩素酸であってもよい。以前
に議論したように水又は塩基−抽出溶媒は、これらの酸の、任意の割合の混合物
、又はこれらの酸と溶媒若しくは塩基−抽出溶媒との、酸が1重量%以上の割合
の混合物とすることができる。
【0057】 エーテル塩基性塩又は通常の塩に対して、好ましい酸−置換溶媒は、脂肪族カ
ルボン酸であり、最も好ましいのは酢酸である。カルボニル塩基性塩に対しては
、水が好ましい。添加される酸−置換溶媒の量は、芳香族カルボン酸のカルボキ
シル官能基のモル当たり0.5乃至100モルである。通常カルボキシル官能基
のモル部よりもわずかに多い量が添加される。
【0058】 熱分解 精製した塩に塩基性化合物を熱分解するために50乃至350℃の間の温度範
囲で熱を加える。塩は、圧力によってまた調節し得る所望の沸騰温度を有する塩
基−抽出溶媒と混合してもよい。好ましい塩基−抽出化合物は水、蒸気(steam
)、又はアルコールである。熱は、熱伝導のような伝熱、又は加熱媒体と直接的
な接触によって加えてもよい。
【0059】 従来の加熱の過程に加えて、塩は電磁波により熱分解してもよい。好ましくは
、塩は、水、蒸気、又はアルコールのような塩基−抽出溶媒と、塩を溶解又は酸
−置換し分解の援助のために波動を吸収するような任意の割合で、混合される。
この波動は分子を熱的に攪拌し、波動に対して透過性の生成物の結晶からそれら
の分子を分離し、溶液を回収する生成物と変換されない塩との混合物に分解する
。適切な溶媒の濃度及び温度を維持することで溶液が波動によって連続的に分解
することが可能となる。塩基−抽出溶媒をまた、一連の段階において、さらなる
分解のために混合物に添加してもよい。変換されない塩は、ある溶媒に溶解する
ことで、回収される生成物から分離してもよく、濾液は、一連の段階において再
利用又は波動により熱分解される。このように、この過程は一括処理又は連続処
理を使用してもよい。電磁波による熱分解は、従来の過程と比較してほとんどエ
ネルギー及び滞留時間を必要としない。例えば、滞留時間は、従来の過程の約2
乃至12時間と比較して、約0.04乃至0.6時間と見積られる。加えて、内
側から外側へ熱を加えることは、回収する結晶における塩基性化合物の内包の機
会を減少させる。
【0060】 分解した塩基性化合物は、蒸発、真空下の吸引、蒸留、吸着剤、不活性気体、
蒸気、又は溶媒による運搬、などのような通常の過程によって回収される生成物
から分離することが好ましい。
【0061】 カルボニル塩基性塩に対しては、水若しくは蒸気を塩基−抽出溶媒として使用
し、塩の蒸気との直接接触又は電磁波による熱分解が、塩を熱分解し同時に酸−
置換するので、好ましい。次に生成物の粒子の大きさを、容易に制御できる塩の
粒子の大きさによって決める。さらにこれは、以下で議論するアルキレングリコ
ール中で残留する塩及び溶媒を熱分解及び蒸発することによって、濾過の段階、
及び乾燥並びに空気による運搬の段階を除去する。
【0062】 電気分解 塩基−抽出溶媒中に精製した塩を溶解することによって形成した溶液に電流を
適用すると、陰極には塩基性の陽イオンが集結し、一方陽極には酸性の陰イオン
が集結する。生成物の酸は、適用される電流が十分に大きければ、陽極のまわり
に沈殿する。別の方法は、好都合な電極のまわりで酸−置換溶媒を加えて、又は
加熱して、生成物の酸を沈殿させ、同時に塩基性の陽イオンは中程度の電場を受
けて離したままにしておき塩基性化合物の内包を減少させることである。電極は
通常の過程によって離され、他方の電極のまわりでイオンの妨害(disturbance
)を最小にする。電気分解は周知の金属元素の電解生成(electrolytic product
ion)と同様であり、本発明は任意の明確な電気分解の過程に限定しない。使用
する電流の大きさは特に制限しないが、それは所望の生成速度又はイオンを分離
するための電場に依存する。電極は、イオンと反応せずそれ自体が溶液に溶解し
て生成物に混入しない材料、又は分離のために電極上に塩基性陽イオンを析出さ
せることができる材料を使用してもよい。好ましい塩基−抽出溶媒は、メタノー
ル、エタノール、アルキレングリコール又はこれらの混合物である。
【0063】 回収する生成物の結晶は通常の過程で分離してもよく、濾過ケークは塩基−抽
出溶媒、酸−置換溶媒、又は任意の割合でのそれらの溶媒の混合物で洗浄しても
よい。いくつかの回収する生成物は、以下の段階による分離をせずに直接処理し
てもよい。
【0064】 先行技術は、残留塩基性化合物を除去するために、又は塩を生成物に変換する
ために、洗浄のみを使用するが、十分なレベルまで塩基性化合物を除去するには
不十分である。洗浄したケークはかなりの過剰な塩基性化合物を含んでいる、生
成物は結晶から残留塩基性化合物を抽出せずに回収される、過剰な塩基性化合物
を含む精製した溶液は熱分解に直接使用される、塩基性化合物は熱分解した溶液
に還流する、又は変換しない塩を生成物中に残しておくことにより塩を変換する
ための洗浄を使用する、などの理由で最終生成物は高い含有量の残留塩基性化合
物を有する。
【0065】 反対に本発明は、塩から過剰な塩基性化合物を除去すること、及び回収する生
成物からの残留する化合物を抽出することによって、残留塩基性化合物を減少さ
せることを試みる。しかしながら、回収する生成物が塩基性化合物と接触するこ
とは、それが塩の成分であるために、避けられない。このようにこれらの努力は
回収する生成物から残留塩基性化合物を減少させることはできるが、完全に除去
することはできない。塩基性化合物を除去するための前の段階のいくつかは、回
収する生成物に比較的多くの残留塩基性化合物を有するために、除去してもよい
。残留塩基性化合物の除去は困難な過程なので。それゆえに、回収する生成物に
おける残留塩基性化合物を最小とすることが好ましい。
【0066】 本発明は、回収した生成物から残留塩基性化合物を除去するために以下の新規
の過程を提供し、最終生成物をポリエステルの製造に適切なものとする。新規の
過程は、浸出、ストリッピング、電磁波による熱攪拌、熱分解を伴う蒸発、又は
これらの過程の組み合わせ、を含む。
【0067】 回収した生成物は、予め決められた量と温度の塩基−抽出溶媒との混合で浸出
し、1回以上再濾過(re-filtered)してもよい。濾過ケークから追跡される(t
raced)溶媒を浸出又はストリッピングする過程はすでに周知であり、本発明は
任意の明確なものに限定しない。浸出又はストリッピングは吸収された又は捕捉
された塩基性化合物のみ除去するが、内包した塩基性化合物は除去しない。
【0068】 電磁波による熱攪拌は、塩基−抽出溶媒を伴う回収した生成物又は生成物の混
合物に波動を適用する。その過程は、回収した生成物の中に含まれる残留する塩
の除去の向上を伴う電磁波による熱分解と同様である。その波動は、残留塩基性
化合物及び溶媒によって選択的に吸収され、表面で吸収されようと結晶の中に含
まれようと、波動に対して透過な結晶の外で、熱攪拌を誘起してイオンを加熱ま
たは駆動(drive)させる。分解した塩基性化合物や他の溶媒は次に蒸気として
、吸着剤により溶液として、又は結晶を囲む塩基−抽出溶媒による浸出により、
分離される。塩基抽出溶媒は、追跡した塩の分解を援助するために、予め決めた
間隔又は回数についてケークに、連続的に又は厳密に加えても良い。この過程は
残留塩基性化合物を除去し、同時に生成物の結晶を乾燥する。
【0069】 熱分解を伴う蒸発は、水や酢酸のような残留溶媒を蒸発させ、残留塩基性化合
物を50乃至350℃、好ましくは90乃至210℃の間で熱分解する。回収さ
れた生成物はアルキレングリコールのような単量体(monomer)、生成物の酸と
単量体が反応することによって得られるオリゴマー、鎖の長さが1乃至100基
本単位の範囲を有するオリゴマー、上昇した温度における水のような塩基−抽出
溶媒と混合する。アルキレングリコール又はオリゴマーの高い沸騰温度は、残留
する塩の熱分解に、及び残留溶媒を溶液の外に蒸発することに、使用する。加え
て、アルキレングリコールはポリエステルの構造単位であり、溶液又は濾過ケー
クはポリエステルの製造に直接使用できる。これは乾燥及び空気による運搬の段
階を不必要にする。もしポリエステルプラントを精製プラントと統合しない場合
は、この過程はどちらの場所でも処理できる。他の成分の導入を避けるためには
、伝熱又は電磁波による熱攪拌を使用することが好ましい。蒸発した残留溶媒は
、吸引や他の適切な手段によって除去される。好ましい量のアルキレングリコー
ルは、処理した溶液をポリエステルの製造に直接使用できるように、重合に必要
な量である。この段階はまた、乾燥及び空気による運搬の段階を除去するために
、アルキレングリコールで予め乾燥した最終生成物を混合することによって、主
要な過程において使用できる。処理した溶液は、かなりの量の塩基性化合物及び
他の溶媒を含む、生成物の回収において分解した溶液とは異なり、ポリエステル
の製造に適さない。
【0070】 生成物の回収、洗浄、浸出、ストリッピング、電磁波による熱攪拌、又は熱分
解を伴う蒸発に使用する塩基−抽出溶媒は同じでも同じでなくてもよい。使用す
る塩基−抽出溶媒の量は特に制限しないが、カルボキシル官能基のモル当たり0
.5乃至1000モルが好ましい。
【0071】 アルキレングリコールによる熱分解を伴う蒸発を残留塩基性化合物の除去に使
用しない場合、又は、必要とする場合、主要な過程におけるように不活性気体を
吹き込むことによって精製した生成物を乾燥し、残留溶媒を除去する。別の方法
は、前述のように電磁波を使用することによって乾燥することである。
【0072】 溶媒抽出による精製方法は、空気、蒸気、窒素やアルゴンやヘリウムのような
不活性気体、水素や低級の炭過水素気体のような還元性気体の雰囲気下で処理し
てもよい。この方法は一括、準一括、又は連続処理に対して使用できる。
【0073】 再利用は、生成物の回収及び溶媒の使用の効率を改善する。例えば、濾液は、
溶媒の必要量を減少させ生成物の回収を改善するために、前の段階へ再利用又は
洗浄若しくは浸出に使用してもよい。再利用する濾液は処理しても処理しなくて
もよい。濾液は、蒸留、濾過、遠心分離、沈降、蒸発、冷却、溶媒の追加、又は
これらの過程の任意の組み合わせのような任意の適切な過程によって処理しても
よい。効率を改善する再利用の過程はすでに周知であり、本方法では任意の明確
なものに限定しない。
【0074】 開示する方法に由来する不純物は予期せぬことに及び驚くべきことに現在の標
準的なHPLC法では検出されない。先行技術による生成物の純度と比較して、
その違いは約2桁程度である。意図的に燃焼した試料に由来する色は、現在の標
準を満足し、これは塩基性化合物が十分なレベルまで除去されたことを意味する
。不純物の少ないPTAは、重合におけるより大きな分子量、より強く及びより
細い繊維、瓶を通じた酸素のより少ない浸透、繊維製造のためのより速い紡糸速
度、及びさらに発見されるより多くの利点の、多くの潜在的な利点を提供する。
【0075】 高純度芳香族ポリカルボン酸又は誘導体の製造のための好適な過程の記載 上述の精製方法と従来の酸化及び溶媒並びに触媒の回収との新規な組み合わせ
は、実質的にほとんど資産及び製造費用のかからない過程を提供する。その過程
は、対応するアルキル基の酸素分子での酸化を通じて製造される全ての芳香族ポ
リカルボン酸に適用できる。そのような酸の例は、PTA、IPA、TMA、2
,6−NDA、2,7−NDAなどである。PTAは最も典型的な過程であるの
で、説明に使用する。
【0076】 前記の組み合わせは、高純度の芳香族ポリカルボン酸を製造するための2組の
処理段階を減少させる。これは開示される精製方法に発見される以下の特別な特
徴及び利点を利用することによって達成される。 1)CTAに加えて、本精製方法は、CTAを分離せずに反応器流出物を供給材
料としてもよい。流出物は、精製の過程において生成物から分離できる触媒(触
媒促進剤を含む)及び酢酸などの他の物質を含む。これは、主要な過程における
2組の処理段階を一組に減少させ、資産及び製造費用を著しく減少させることを
可能とする。 2)先行技術は、粘度、粒子の大きさ、生成物の回収、塩からの直接−抽出を伴
う提案された結晶化によって取り囲まれる不純物の内包、のような要素を考える
必要がある。加えて塩基−抽出溶媒を、分離及び輸送のためにスラリーの粘度を
調節することに使用できる。 3)精製方法は、主要な過程における水素化の段階(unit)よりも多くの不純物
を除去することができる。これは酸化の反応器を、より低い炭化水素の燃焼及び
触媒の消費などの厳密性のような、より経済的な状況で運転することを可能とす
る。 4)本精製方法は、結晶化のための晶析器を必要としない。 5)本精製方法は、アルキレングリコールによる熱分解を伴う蒸発を使用して、
乾燥及び空気による運搬の段階を除去してもよい。 6)本精製方法は、不純物を除去するために化学反応よりもむしろ物理的分離を
使用し、これは精製のための資産及び製造費用をほとんど必要としない。 7)本精製方法は、生成物の純度を主要な過程よりも著しく高く製造する。これ
は上述のような多くの潜在的な利点を提供する。
【0077】 本発明は、実質的にほとんど資産及び製造費用を必要としない提案されてない
組み合わせを提供するために、これらの協同の利点及び明らかになっていない特
徴を獲得する。その組み合わせは、酸化、粗製の酸の溶解、精製した塩からの不
純物並びに塩基性化合物の除去、塩から精製した生成物の回収の間における残留
塩基性化合物の除去、及び溶媒並びに触媒の回収、から成る。
【0078】 その処理段階は以下のように記載される。
【0079】 酸化 この段階は、対応するアルキル基の酸素分子での酸化を通じて芳香族ポリカル
ボン酸を製造する。芳香族ポリカルボン酸の酸化は、過去50年間に広く研究さ
れてきており、本発明は、任意の以前から知られる先行技術を使用してもよく、
任意の明確なものに限定されない。
【0080】 今世紀半ばまでに発展した過程は、広く採用されている酸化の過程であり、ス
ラリーの混合及び循環を援助するために酢酸を溶媒として、重金属、例えばコバ
ルトやマンガンを触媒として、及び臭素を含む化合物を促進剤として使用する。
反応条件は一般的に175乃至230℃及び1500乃至3000kPaである
【0081】 供給材料は、溶媒中で塩基性化合物と粗製の酸によって形成される塩の溶解の
段階からの触媒を含む再利用物、反応器溶媒、又は中間生成物、精製した塩から
除去する不純物並びに塩基性化合物、及び回収する溶媒並びに触媒、を含む。 粗製の酸又は誘導体の溶解 塩基性化合物中での粗芳香族ポリカルボン酸又は誘導体の溶解はすでに記載し
た。前で議論したように、本精製方法は、主要な過程から反応容器流出物又はC
TAを粗製の酸として取ることができる。それゆえ、粗製の酸の調製のために両
極の間にある多くの代替物がある。例えば、フラッシュ(flash)した反応器流
出物からのスラリーを粗製の酸として使用すると、反応器の溶媒及び触媒は、後
に溶媒及び触媒を回収する段階で回収することができる不純物と共に濾液に存在
する。別の方法は、フラッシング、蒸発、加熱/冷却、結晶化、濾過、遠心分級
機、蒸留、分級カラム(classification column)、流体液体サイクロン(fluid
hydrocyclone)、サイクロン分離機(cyclone separaror)、沈降、母液の水と
の交換、膜(membrane)のような以前に知られている先行技術に示唆される過程
によって粗製の酸から、又は主要な過程におけるCTAの調製の任意の中間段階
から、反応器の溶媒及び触媒を分離することである。分離した母液は反応器へ再
利用するか、又は溶媒及び触媒を回収する段階へ送られる。本時点での発明は、
反応器流出物の分離のために任意の明確な過程に限定しない。しかしながら、好
ましい分離過程の一つは、フラッシュした反応器流出物の外部へ母液の大部分を
蒸発させ、粗製の酸から分離した触媒を含む母液の一部を再利用することである
。蒸発は電磁波で処理してもしなくてもよい。このアプローチは、結晶化を使用
せずに反応器流出物から粗製の酸の大部分を回収する。
【0082】 粗製の酸の他の源は、処理しても処理しなくても、再利用する濾液から、又は
溶媒及び触媒を回収する段階からであってもよい。
【0083】 不純物及び過剰な塩基性化合物の除去 不純物の除去は前述した。以前に議論したように、冷却を伴う組成の制御によ
る結晶化は、晶析器の数を減少させ、塩からの直接−抽出を伴う結晶化は結晶化
のための晶析器を除去する。
【0084】 濾液は、処理しても処理しなくても、他の段階に再利用、又は溶媒及び触媒を
回収する段階に送ることができる。いくらかの不純物は、集積を避けるためにこ
の段階から除去する必要があり、これは任意の適切な過程によって達成できる。
一つの例は、かなりの量の不純物を含む選択した濾液から溶媒を蒸発させること
であり、底部は次に直接再利用、又は再利用の前に生成物の回収段階で処理して
塩を不純物に変換する。
【0085】 精製した生成物の製造の間における残留塩基性化合物の除去 この段階は前述した。アルキレングリコールによる熱分解を伴う蒸発を、残留
塩基性化合物の除去に使用する場合には、技術過程において乾燥及び空気による
運搬の段階が必要であると考えられる。
【0086】 酸の置換から得られる粒子の大きさは一般的に細かいが、存在するPTA過程
から得られるものより均一である。追跡した塩基性化合物を除去するためにアル
キレングリコールを使用すると、混合物をPTAの製造に直接使用できる。しか
しながら必要であれば、再溶解(re-dissolving)及び再結晶でPTAの嵩密度
を調節できる。これは存在する製造プラントで使用される多くの過程によって達
成できる。再結晶したPTAは、嵩密度において現在の商業的なPTAと同様で
あるだけでなく、ほとんど不純物を含まないようにさらに精製する。
【0087】 溶媒及び触媒の回収 反応器の溶媒、水、触媒を回収するために、以前から知られる先行技術を使用
することに加えて、この段階はまた塩基性化合物、塩基−抽出溶媒、生成物の回
収に使用され反応器の溶媒と異なる場合の酸−置換溶媒、及び、水と異なって使
用される場合の溶媒も回収する。その上、残留する不純物及び生成物は、もしか
すると精製段階からの濾液の直接的な再利用から存在するかもしれない。
【0088】 必ずしも全ての成分を純粋な形態で回収する必要はない。いくつかは混合物と
して回収してもよい。例えば、粗製の酸を溶解する段階において、塩基性化合物
と溶媒は混合物として使用できる。さらに混合物はいくつかの酸−置換溶媒を含
む場合は、精製の効率に有意な効果を与えない。
【0089】 溶媒間で、いくつかは共沸混合物を形成してもよい。酸の置換が生成物の回収
に使用される場合には、塩基性化合物及び酸性溶媒は電解質を形成してもよい。
しかしながら、これらの成分を分離するための過程は、蒸留、濾過、遠心分離、
沈降、蒸発、熱分解、冷却、膜、より強い塩基の置換、より強い酸の置換、共沸
混合物を破る(break)他の成分の添加、などのようにすでに周知である。本発
明はまた、蒸発、蒸留、及び熱分解などのために電磁波を使用してもよい。
【0090】 結論 このようにして、本時点の発明の精製方法は、粗芳香族ポリカルボン酸又は誘
導体から不純物を除去するだけでなく、さもなければ最終生成物に混入する、精
製に使用する塩基性化合物を除去する操作も提供する。本発明は未解決又は未知
の問題を解決し、溶媒抽出の実行によって精製する。
【0091】 本精製方法は、結晶化のための晶析器の数を減少させる、又は全体的にそれら
を除去する。残留塩基性化合物を除去するためにアルキレングリコールを使用す
ることで、先行技術では必要な乾燥及び空気による運搬の段階を除去する。
【0092】 先行技術の純度と比較して、生成物の純度の改善は、約2桁程度であり、標準
的なHPLC測定によって不純物を検出できない。これは、より強い及びより細
い新規の繊維の製造、より速い紡糸速度を伴うPET繊維の製造速度の増加、酸
素の浸透速度の減少による新規用途のためのPET瓶の適用、及びさらに発見さ
れるより多くの利点、のような多くの潜在的な利点を提供する。
【0093】 本精製方法において発見されるいくつかの特別な特徴及び利点を利用すること
によって、酸化及び溶媒並びに触媒の回収における本精製方法と先行技術との組
み合わせは、主要な過程における2組の処理段階を1組に減少させる。この提案
されてない組み合わせは実質的に資産及び製造費用を減少させ高純度の芳香族ポ
リカルボン酸を製造する。
【0094】 芳香族ポリカルボン酸に加えて、本精製方法は、近い物理的及び化学的性質を
有する有機酸又は誘導体の精製に使用できる。誘導体は異なる数の酸性の官能基
、他の官能基で置換した酸性の基、異なる位置の酸性の官能基、又は、メチルな
どのような他の官能基によって水素を置換した同じ位置の同じ酸性の基、を有し
てもよい。
【0095】 従って、本発明の範囲は、説明の具体例によってではなく、添付した請求項及
びそれらの法律的に同等なもので決定されるべきある。本発明はさらに以下の例
によって説明される。
【0096】 参照例 表1に示すレベルの不純物を伴うPTA製造からの粗テレフタル酸(CTA)
の試料を実験に使用した。
【0097】
【表1】 ここで、ppmwは百万分の重量部を意味する。
【0098】 比較例1 表1と同様の組成をもつCTAに先行技術で議論されるような従来の水素化に
よる精製方法を適用し、表2に示す純度レベルのPTA生成物を得た。
【0099】
【表2】 同様に、別の源からのPTA生成物は、表3に示すレベルの不純物を含んだ。
【0100】
【表3】 精製した生成物中の純度レベルは、典型的な商業的に利用可能な重合体−級の
テレフタル酸を表す。
【0101】 比較例2(不純物は除去するが塩基性化合物は除去しない) 表1に記載するようなCTAの試料の150グラムを、198グラムのモルホ
リン及び180グラムの水と混合した。溶液を100℃まで上げて、完全にCT
Aを溶解し、次に沈殿のために室温まで冷却した。そのスラリーを濾過して母液
から分離し、引き続き濾過ケークをモルホリンで洗浄し、196グラムの湿った
ケークを得た。回収した固体は、次に84グラムの水及び22グラムのモルホリ
ンと混合した。次に、その溶液の温度を110℃まで上げ、57ccの凝縮液を
蒸発させ、次にその溶液を沈殿のために室温まで冷却した。引き続き濾過ケーク
をモルホリンで洗浄し、145グラムの精製した塩を得た。次に塩235グラム
の酢酸及び14グラムの水と混合し、PTAを沈殿させた。その濾過ケークを約
600グラムの水で洗浄した。次に、その湿ったケークを、約275℃のオーブ
ンで4時間乾燥し、40グラムの乾燥し精製したテレフタル酸を得た。HPLC
による分析結果は、表4における不純物を示した。しかしながら、ケークの色を
表すB−値(B-Value)の測定値は6.5であり、標準値の1.6より4倍高い
。これはPTAがかなりの量のモルホリンを含んでいたことを示す。
【0102】
【表4】 比較例3(酢酸の直接添加による生成物の沈殿) 表1に記載されるような3グラムのCTAの試料を、5.010グラムのトリ
エチルアミン及び9.047グラムのメタノールを含む溶液に室温で全て溶解し
た。次に7.570グラムの酢酸を加えて結晶を沈殿させ、それを次に濾過及び
乾燥させて2.179グラムのテレフタル酸とした。HPLCによる分析結果は
、表5に示すように不純物を含んだ酸を示した。
【0103】
【表5】 例1(浸出を伴う沈殿物からの直接−抽出による結晶化) 表1に記載されるような40グラムのVTAの試料を52グラムのモルホリン
及び48グラムの水と混合した。その溶液を110℃まで加熱してCTAを溶解
し、29グラムの凝縮液を蒸発させ、次に沈殿のために室温まで冷却した。引き
続き濾過ケークをメタノールで洗浄及び浸出し、55グラムの湿ったケークを得
た。次に湿ったケークを30グラムの水と混合し、次に85グラムの酢酸を、テ
レフタル酸を沈殿させるために、その溶液に加えた。湿ったケークを35グラム
のメタノールで洗浄し、35グラムのメタノールで3回浸出し、31.5グラム
の湿ったケークを得た。次に湿ったケークを、約250℃のオーブンで4時間乾
燥し、24グラムの乾燥したケークを得た。ケークのB−値は2.73であって
まだ標準よりも高く、HPLCによる分析結果は、表6における不純物を含むP
TAを示した。
【0104】
【表6】 例2(蒸発及び熱分解を伴う再塩化を伴う結晶化) 表1に記載するような925グラムのCTAの試料は、1103グラムのモル
ホリン及び1205グラムの水に溶解した。溶液を110℃まで加熱し、約40
4c.c.の凝縮液を蒸発し、急激な結晶化(sudden crystallization)の前に
止めた。250グラムのエタノールを加えてスラリーを希釈し、次に濾過ケーク
を、約750グラムのエタノールで洗浄及び浸出し、1455グラムの塩を得た
。1005グラムの塩を465グラムの水に溶解した。溶液を109℃まで加熱
し、約280c.c.の凝縮液を蒸発した後、急激に結晶化した。塩を650グ
ラムのエタノールを浸出し、スラリーを250グラムのエタノールで濾過及び洗
浄して、702グラムの精製した塩を得た。35グラムの塩を40グラムの水及
び40グラムのエタノールで溶解し、次に60グラムの酢酸をその溶液に加えて
、生成物の結晶を沈殿させた。濾過ケークを約200グラムの水で3時間洗浄及
び浸出し、27.5グラムの湿ったケークを得、次にそれを130グラムのEG
と混合した。その溶液を、茶色の液体が濃縮し及び溶液から分離されなくなるま
で、通常の圧力の下で約150乃至165℃に加熱した。次に、熱い溶液をすぐ
に濾過し、約300グラムの水で洗浄及び浸出し、15.4グラムの湿ったケー
クを得た。次にそのケークを、ケークの下に吸収剤をおいて、出力レベルを中央
値に設定したマイクロ波で20分以上乾燥し、次にそのケークを約250℃のオ
ーブンで4時間乾燥し、11.6グラムの乾燥したケークを得た。そのケークの
B値は1.58で標準を満たし、HPLCでの分析結果は、表7における不純物
を含むPTAを示した。
【0105】
【表7】 例3(浸出による反応器流出物の状態のシミュレーション) 表1に記載したような150グラムのCTAの試料を、室温で、フラッシュし
た反応器流出液の組成に近い組成の溶液に溶解した。その溶液は202グラムの
モルホリン、191グラムの水、29グラムの48%臭化水素酸、0.23グラ
ムの酢酸コバルト四水和物、0.3グラムの酢酸マグネシウム四水和物、及び6
0グラムの酢酸を含む。この溶液の温度を110℃まで上げてCTAを溶解し、
79c.c.の凝縮液を蒸発させた。次に、その溶液を沈殿のために室温まで冷
却し、引き続き濾過ケークをメタノールで洗浄及び浸出し、278グラムの湿っ
たケークを得た。次に、その湿ったケークを133グラムの水と混合し、次に溶
液の温度を沈殿のために室温まで冷却した。その濾過ケークをメタノールで洗浄
及び浸出し、160グラムの湿ったケークを得た。その湿ったケークを、160
グラムのメタノールと混合し、次に180グラムの酢酸を、テレフタル酸を沈殿
させるためにその溶液に加えた。その湿ったケークを500グラムの水で洗浄及
び浸出し、35グラムのメタノールで3回浸出して123グラムの湿ったケーク
を得た。その湿ったケークを、そのケークの下に吸収剤をおき、出力レベルを中
央値としたマイクロ波オーブンで20分間乾燥し、次にそのケークを約250℃
のオーブンで約4時間乾燥し、73グラムの乾燥したケークを得た。そのケーク
のB−値は2.22で、全ての金属含有量は標準仕様よりも少なく、HPLCで
の分析結果は、表8に示す不純物を含むPTAを示した。
【0106】
【表8】 例4(電磁波による熱分解) 10.05グラムの例2で精製した塩の試料を、6グラムの水に溶解した。そ
の溶液を600ワットのマイクロ波オーブンで3分加熱し、残留した混合物は約
9.29グラムの固体を含んでいた。次に、その固体を6.27グラムの水に混
合し、オーブンで3分加熱して、8.82グラムの固体を得た。次に、その固体
を6.66グラムの水と混合し、3分間加熱して8.49グラムの固体を得た。
次に、その固体を10.85グラムの水と混合し、4分間オーブンで加熱し、8
.14グラムの固体を得た。次に、その固体を9.59グラムの水と混合し、オ
ーブンで3分間加熱し7.82グラムの固体を得た。各段階で、重量の減少は分
解した塩に由来する。
【0107】 例5(粗NDC) 150グラムの粗2−6及び2−7ジメチルナフタレンジカルボン酸(NDC
)の試料を、161グラムのモルホリン及び180グラムの水と混合した。この
溶液の温度を110℃まで上げて、溶媒を86c.c.だけ蒸発させた。次に、
溶液を冷却して結晶を沈殿させ、次にそれを濾過して母液から分離した。引き続
き濾過ケークを、モルホリン中の10重量%が水である混合物で洗浄し、186
グラムの湿ったケークを得た。次に、その湿ったケークを72グラムの水及び1
8グラムのモルホリンに再び溶解して、次にその溶液を加熱して35c.c.の
凝縮液を蒸発させた。沈殿、濾過、モルホリン中の10重量%が水を含む溶媒の
混合物での洗浄のために溶液を冷却した後、158グラムの湿ったケークを得た
。次に16グラムの水、及び158グラムの酢酸の混合物を精製した塩に加えて
、生成物の酸を沈殿させた。次に、それを濾過し、水で洗浄し、乾燥させて85
グラムの精製した酸を得た。粗NDCを99.993%に精製した。粗製の酸の
キャピラリ電気泳動(Capillary Electro-phoresis)による分析は、時間に対す
る11本のピークと領域(8.86,3.824)、(8.92,2.891)
、(8.92,5.518)、(9.06,10.038)、(9.18,36
.226)、(9.45,18.536)、(9.52,13.944)、(9
.57,8.298)、(11.87,0.106)、(11.99,0.59
8)を示した。精製した塩の電気泳動は時間に対して2本のピークと領域(9.
49,99.993)及び(9.55,0.007)を示した。
【0108】 例6(マイクロ波による溶解及びNMPを使用したエタノール中での結晶化) 12.5グラムの表1に記載したようなCTAの例を、600ワットのマイク
ロ波オーブンで30秒間予め加熱した60グラムのNMPに混合した。そのCT
Aを、3.5分間、低出力レベルのオーブンを使用して完全に溶解した。約60
分間氷浴(ice bath)で溶液を冷却することによる結晶化の間に、13グラムの
エタノールを溶液に加えた。次にその塩を濾過し、50%エタノールと50%N
MPとを混合した溶媒で洗浄し、26.2グラムの塩を得た。その塩を31グラ
ムのNMPと混合し、2.7分間、低出力レベルを使用したマイクロ波オーブン
で再び溶解した。約60分間氷浴で溶液を冷却することによる結晶化の間に、1
5グラムのエタノールを溶液に加えた。次にその塩を濾過し、50%エタノール
と50%NMPとを混合した溶媒で洗浄し、16グラムの精製した塩を得た。3
グラムの精製した塩を、水で殴った(socked)濾紙の積み重ねの間に置いた。マ
イクロ波オーブンを低出力レベルに設定し精製物を重量変化が無くなるまで熱分
解して、1.2グラムのPTAを得た。表9にHPLCで分析した不純物を示す
【0109】
【表9】 前述の例は本発明の過程の理解を容易にするために与えられ、本発明の範囲を
明確な化合物又は処理段階に限定することを意図していない。本発明の範囲は請
求項によって定義される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 63/38 C07C 63/38 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (31)優先権主張番号 09/286,262 (32)優先日 平成11年4月15日(1999.4.15) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/347,486 (32)優先日 平成11年7月2日(1999.7.2) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CN,IN,J P,KR

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製した有機酸又は該精製した有機酸の誘導体を製造する方
    法において、粗製の有機酸又は該粗製の有機酸の誘導体の塩基性化合物中への溶
    解、不純物の除去、及び前記精製した有機酸又は前記精製した有機酸の誘導体を
    回収する間の残留塩基性化合物の除去、を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記粗製の有機酸又は前記粗製の有機酸の誘導体は、電磁波
    による熱攪拌によって溶解する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記粗製の有機酸又は前記粗製の有機酸の誘導体は、粗製の
    芳香族ポリカルボン酸である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記粗製の有機酸又は前記粗製の有機酸の誘導体は、前記塩
    基性化合物及び溶媒中に溶解する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記不純物の除去の間に過剰の塩基性化合物を除去する請求
    項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 精製した有機酸又は該精製した有機酸の誘導体を製造する方
    法において、粗製の有機酸又は該粗製の有機酸の誘導体によって形成される塩、
    並びに塩基性化合物の溶解、前処理、冷却による結晶化、冷却を伴う組成の制御
    による結晶化、塩基−抽出溶媒の存在下における塩の結晶化、塩基−抽出溶媒の
    存在下における生成物の沈殿、塩からの直接−抽出を伴う結晶化、再塩化を伴う
    結晶化、塩の塩基−置換、塩基−抽出溶媒での洗浄、並びに塩基−抽出溶媒での
    浸出とから成るグループから選択される一つ以上の過程を使用して前記粗製の有
    機酸又は前記粗製の有機酸の誘導体からの不純物並びに過剰な塩基性化合物の除
    去、及び前記塩からの前記精製した有機酸又は前記精製した有機酸の誘導体を回
    収する間の残留塩基性化合物の除去、を含む方法。
  7. 【請求項7】 前記粗製の有機酸又は前記粗製の有機酸の誘導体は、粗製の
    芳香族ポリカルボン酸である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記粗製の芳香族ポリカルボン酸は、テレフタル酸又はイソ
    フタル酸である請求項7記載に方法。
  9. 【請求項9】 前記粗製の芳香族ポリカルボン酸は、2,6−ナフタレンジ
    カルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、又はナフタレンカルボン酸の混
    合物である請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記塩は、電磁波による熱攪拌によって溶解する請求項6
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記塩基性化合物は、酸素を含む塩基性化合物である請求
    項6記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記塩は、前記塩基性化合物及び溶媒に溶解する請求項6
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記塩基性化合物は、モルホリンであり、及び前記塩は、
    水に溶解する請求項6記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記塩基性化合物は、トリメチルアミン、トリエチルアミ
    ン、又はトリエタノールアミンであり、及び前記塩は、水又はアルコールに溶解
    する請求項6記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記塩基性化合物は、アミド化合物である請求項6記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 前記アミド化合物は、N−メチル−ピロリドンである請求
    項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記塩基性化合物は、アミド化合物であり、及び前記塩は
    、溶媒に溶解する請求項6記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記不純物は、塩基−抽出溶媒で除去し、及び該塩基−抽
    出溶媒は水、メタノール、エタノール、アルキレングリコール、アセトン、テト
    ラヒドロフラン、又はテトラヒドロピランから成る請求項6記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記塩からの前記精製した有機酸の回収は、塩基−抽出溶
    媒の存在下で酸−置換溶媒を添加することによる請求項7記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記塩からの前記精製した有機酸の回収は、電磁波を使用
    する熱分解による請求項7記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記残留塩基性化合物は、浸出、ストリッピング、電磁波
    による熱攪拌、及び熱分解を伴う蒸発から成るグループから選択される一つ以上
    の過程によって前記精製した有機酸から除去される請求項7記載の方法。
  22. 【請求項22】 精製した有機酸又は該精製した有機酸の誘導体を製造する
    方法において、有機酸又は該有機酸の誘導体によって形成される塩、並びに塩基
    性化合物の溶解、塩からの直接−抽出を伴う結晶化、塩基−抽出溶媒の存在下に
    おける塩の結晶化、塩基−抽出溶媒の存在下における生成物の沈殿、塩基−抽出
    溶媒を使用する再塩化を伴う結晶化、塩の塩基−置換、及び塩基−抽出溶媒での
    浸出から成るグループから選択される一つ以上の過程を使用する前記塩からの不
    純物の除去、を含む方法。
  23. 【請求項23】 前記有機酸又は前記有機酸の誘導体は、粗製の芳香族ポリ
    カルボン酸である請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記塩は、電磁波による熱攪拌によって溶解する請求項2
    2記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記塩は、溶媒に溶解する請求項22記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記塩基性化合物は、酸素を含む塩基性化合物である請求
    項22記載の方法。
  27. 【請求項27】 さらに、酸−置換、熱分解、又は電気分解による前記塩か
    らの前記有機酸又は前記有機酸の誘導体の回収を含む請求項22記載の方法。
  28. 【請求項28】 さらに、浸出、ストリッピング、電磁波による熱攪拌、及
    び熱分解を伴う蒸発から成るグループから選択される一つ以上の過程を使用して
    前記塩から前記精製した有機酸又は前記精製した有機酸の誘導体を回収する間の
    前記残留塩基性化合物の回収を含む請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 ポリエステルを製造するための、芳香族ポリカルボン酸又
    は該芳香族ポリカルボン酸の誘導体、及び単量体又はオリゴマーから成る精製し
    た溶液を調製する方法において、残留する溶媒を含む芳香族ポリカルボン酸又は
    該芳香族ポリカルボン酸の誘導体と単量体又はオリゴマーとの混合、及び温度を
    50℃乃至350℃の間に増加させることによる残留する溶媒の除去、を含む方
    法。
  30. 【請求項30】 前記単量体は、アルキレングリコールである請求項29記
    載の方法。
  31. 【請求項31】 前記残留する溶媒の除去は、電磁波により処理される請求
    項29記載の方法。
  32. 【請求項32】 精製した芳香族ポリカルボン酸又は該精製した芳香族ポリ
    カルボン酸の誘導体を製造する方法において、触媒並びに溶媒の存在下で芳香族
    化合物のアルキル基を酸素分子で酸化して粗芳香族ポリカルボン酸又は該粗芳香
    族ポリカルボン酸の誘導体を調製するステップと、前記粗芳香族ポリカルボン酸
    又は前記粗芳香族ポリカルボン酸の誘導体並びに塩基性化合物によって形成され
    る塩を溶解するステップと、前記粗芳香族ポリカルボン酸又は前記粗芳香族ポリ
    カルボン酸の誘導体の前記塩からの不純物を除去するステップと、前記塩から前
    記精製した芳香族ポリカルボン酸又は前記精製した芳香族ポリカルボン酸の誘導
    体を回収する間に残留塩基性化合物を除去するステップと、及び溶媒並びに触媒
    を回収するステップと、を含む方法。
  33. 【請求項33】 前記塩は、前記塩基性化合物及び溶媒に溶解する請求項3
    2記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記粗芳香族ポリカルボン酸又は前記粗芳香族ポリカルボ
    ン酸の誘導体は、フラッシング及び蒸発によって調製される請求項32記載の方
    法。
  35. 【請求項35】 精製した有機酸又は該精製した有機酸の誘導体を製造する
    方法において、電磁波による熱攪拌による塩基性化合物中で不純物を含む粗製の
    有機酸又は該粗製の有機酸の誘導体の溶解、及び前記不純物の除去を含む方法。
  36. 【請求項36】 前記粗製の有機酸又は前記粗製の有機酸の誘導体は、前記
    塩基性化合物及び溶媒に溶解する請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 さらに、前記精製した有機酸又は前記精製した有機酸の誘
    導体の回収を含む請求項35記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記精製した有機酸又は前記精製した有機酸の誘導体を回
    収する間に残留塩基性化合物を除去する請求項36記載の方法。
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