JP2003509395A - カルボン酸アリールエステルの製造 - Google Patents

カルボン酸アリールエステルの製造

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JP2003509395A
JP2003509395A JP2001523352A JP2001523352A JP2003509395A JP 2003509395 A JP2003509395 A JP 2003509395A JP 2001523352 A JP2001523352 A JP 2001523352A JP 2001523352 A JP2001523352 A JP 2001523352A JP 2003509395 A JP2003509395 A JP 2003509395A
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C323/22Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and doubly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton

Abstract

(57)【要約】 トリフルオロ酢酸(TFA)の存在下において、フェノール反応体と、カルボン酸無水物及びカルボン酸ハロゲン化物から選ばれたエステル化剤とを反応させることによるカルボン酸アリールエステルの製造方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、カルボン酸アリールエステル(アリールカルボキシレートエステル
)の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、トリフルオロ酢酸(TFA
)の存在下におけるフェノール反応体とカルボン酸無水物及びカルボン酸ハロゲ
ン化物から選ばれたカルボン酸エステル化剤との反応によるカルボン酸アリール
エステルの製造方法に関する。
【0002】発明の背景 フェノールスルホン酸エステルのようなカルボン酸アリールエステルは、有用
な漂白活性化剤である(Allan H.Gilbert,Detergent
Age,1967,June,18〜20ページ及びAugust,30〜3
3ページ)。カルボン酸アリールエステルは商業的にも重要であり、液晶及びポ
リアリーレート液晶ポリマーの成分として有用である。カルボン酸アリールエス
テルの多くの合成方法が文献に記載されている。これらの公知方法は一般に、比
較的過酷な条件を必要とし、終わりまでゆっくりと進行する。例えば、ホウ酸の
触媒作用によって、水の除去によって進行されるカルボン酸とフェノールとの反
応を行って、アリールカルボキシレートが生成されることが、William
W.LowranceによってTetrahedron Letters,19
71,37,3453及び米国特許第3,772,389号に記載されている。
同様な、ホウ酸によって触媒されるフェノールスルホン酸エステルの合成が米国
特許第4,478,754号に記載されており、これは180℃より高温で長時
間を要する。カルボン酸とアリールエステルとの反応を用いる関連方法(アルコ
ーリシス又はアシドリシスによるエステル交換)が文献に記載されている。米国
特許第4,537,724号及び同第5,534,642号並びに欧州特許公開
第105,672号はこのような方法を開示しているが、これらは過酷な条件、
すなわち、160〜300℃の温度で長時間を必要とする。
【0003】 酸塩化物及び酸無水物のような、より活性なカルボン酸誘導体は、フェノール
スルホン酸のアルカリ金属塩、例えば4−フェノールスルホン酸ナトリウム(S
PS)と比較的緩和な条件下で反応する。これらの反応は、溶媒又は目的エステ
ル生成物に関連したカルボン酸中で80〜200℃の温度で行われる。エステル
化剤としてのカルボン酸無水物の使用は、商業規模の合成に好ましい経路である
【0004】 米国特許第4,587,054号は、80〜120℃の温度において強酸触媒
反応を用いた、又は180〜220℃において塩基触媒反応を用いた、C6〜C1 8 カルボン酸無水物と置換フェノールとの反応を開示している。同様に、米国特
許第4,588,532号及び第4,883,612号は、触媒量のスルホン酸
の存在下、「約100℃より高い」温度において極性で非プロトン性の溶媒中の
7〜C12カルボン酸無水物をSPSと反応させることを記載している。1つの
例は、115〜120℃で6時間プロセスを実施することを説明している。強酸
触媒プロセスの欠点は、フェノールスルホネート反応体の脱スルホンの触媒反応
が同時に起こることであり、これは減量及び比較的濃色に着色した製品の生成を
まねく。米国特許第4,588,532号及び第4,883,612号はまた、
「80℃より高温で」極性で非プロトン性の溶媒を用いる塩基触媒プロセスを開
示している。1つの例は、90℃において3時間実施される塩基触媒反応実験を
記載している。米国特許第5,534,642号は、アミド置換カルボン酸無水
物をフェノールスルホン酸塩と180℃において3時間反応させることを開示し
ている。
【0005】 「インペラー・エステル化」技術を用いたアルカン酸アリールエステルの合成
が知られている。例えば、米国特許第2,082,790号は、アルカン酸とフ
ェノールとの混合物への無水酢酸(Ac2O)の同時添加によるアルカン酸アリ
ールエステルの製造を開示している。フェノールスルホン酸エステルを合成する
ための「Ac2Oインペラー」法が、米国特許第4,735,740号及び第5
,650,527号、ドイツ特許公開DE 3,824,901 A1号並びに
欧州特許公開EP 105,672号に開示されている。これらの特許文献に開
示された各方法においては、Ac2OをSPSの存在下において低揮発性カルボ
ン酸に添加し、比較的高温で長時間、例えば120℃より高温で2〜5時間加熱
し、減圧において酢酸を除去して、SPSのそのカルボン酸エステルへの転化を
進行させる。このように、この方法もまた、許容され得る反応収率を得るために
比較的高温における長時間の処理を必要とする。
【0006】 アルカン酸アリールの合成のための改良されたインペラー法が、E.J.Bo
urne及び共同研究者によってJournal of the Chemic
al Society 1949,2976〜79に紹介された。Bourne
らは、より緩和な条件を用いたアルカン酸アリールエステルの合成にトリフルオ
ロ酢酸無水物(TFAA)を使用することを開示している。フェノールスルホン
酸エステルの合成にTFAAインペラー・エステル化法を使用することは最初に
、Thomas C. BruiceらによってJ.Am.Chem.Soc.
,1968,90,1333〜48に開示された。Bruiceらは、Ac2
インペラー法の場合に報告された条件よりも若干緩和な条件(80℃,5時間)
でデカン酸及びSPSをTFAAで処理することを開示しているが、反応収率は
報告していない。しかし、TFAAは、現在、高価な化学薬品であり、経済的理
由から大規模合成におけるその使用は阻まれている。
【0007】 アリールカルボキシレート液晶の合成にカルボン酸塩化物を使用することは米
国特許第3,923,857号に、そして米国特許第5,332,858号のポ
リアリーレートポリマーの合成に、開示されている。これらの特許は、非常に緩
和な条件(25〜80℃)の使用を開示しているが、生成物の精製を複雑にする
、ピリジンのような試薬又は四塩化錫のような触媒の使用を必要とする。米国特
許第5,069,828号は、80〜200℃の温度で長い反応時間を必要とす
る、酸塩化物を用いたフェノールスルホン酸エステルの合成法を開示している。
このような条件は、生成物中において不所望なカラーボディーの形成を引き起こ
すことが当業界で知られている。フェノールスルホン酸エステルの製造にSch
otten−Baumann条件(pH=9〜10,5〜20℃)を使用するこ
とが米国特許第5,523,434号に記載されているが、これらの条件下では
反応収率は低い。
【0008】 従って、大規模合成に適当な緩和な条件、すなわち80℃未満の温度下でカル
ボン酸アリールエステルを製造するための合成方法が必要とされている。特に、
カラーボディーの生成をできるだけ少なくし且つ生成物の効率のよい精製方法を
提供する、フェノールスルホン酸エステルを合成する高収率の方法が必要とされ
ている。
【0009】発明の要約 本発明者は、カルボン酸無水物及びカルボン酸ハロゲン化物とフェノールとの
反応を、TFAの存在下において実施する場合には、前に報告されたよりも緩和
な条件下でより速い速度で進行することを見出した。従って、本発明の方法は、
フェノールと、合計炭素数が40以下のカルボン酸無水物及び合計炭素数が20
以下のカルボン酸ハロゲン化物から選ばれたエステル化剤とを、最初及びプロセ
スの実施中に存在するTFAの量がTFA:フェノール反応体(モル比)を少な
くとも0.5:1とする量であるTFAの存在下で反応させることによる、カル
ボン酸アリールエステルの製造を含む。本発明の方法は、フェノール反応体、エ
ステル化剤及びTFAを使用し、通常はトリフルオロ酢酸無水物及び他のペルフ
ルオロカルボン酸無水物の存在下で実施する。この方法はまた、カルボン酸無水
物及びハロゲン化物エステル化剤の分解を回避するために実質的に無水の条件下
で行う。
【0010】 本発明の第2の実施態様は、フェノールのエステル化によるカルボン酸アリー
ルエステルの製造にエステル化剤として混合無水物を使用することに関する。そ
のような混合無水物は、TFAと、前記実施態様で使用する合計炭素数が40以
下のカルボン酸無水物及び合計炭素数が20以下のカルボン酸ハロゲン化物との
反応によって生成する。従って、第2の実施態様は、最初及びプロセスの実施の
間に存在するTFAの量がTFA:フェノール反応体(モル比)を少なくとも0
.5:1とする量であるTFAの存在下において、フェノールと、式: R−C(O)−O−C(O)−CF3 (I) (式中、Rは炭素数19以下の脂肪族、脂環式又は芳香族基である) を有する混合無水物とを反応させることによる、カルボン酸アリールエステルの
製造を含んでなる。混合無水物(I)は、TFAとカルボン酸の無水物又はハロ
ゲン化物とを接触させることによってその場で(in situ)形成すること
もできるし、あるいは別個に形成してから、カルボン酸アリールエステルの製造
方法に使用することもできる。
【0011】 TFAは、その溶解性のため、フェノールスルホン酸エステル、特にナトリウ
ムフェノールスルホネートエステル及びカリウムフェノールスルホネートエステ
ルの製造に好ましい溶媒である。フェノールスルホン酸エステルの高濃度溶液、
例えば20〜50重量%溶液を生成できる。TFAは、このような高溶解性と低
沸点(72℃)に基づく効率的溶媒分離のために、フェノールスルホン酸エステ
ルの製造に適しており、他に及ぶものがない。
【0012】 本発明によるTFA中におけるエステル化は極めて緩和な条件下で起こるため
、よく起こる発色の問題が発生しない。さらに、この方法は、カルボキシレート
残基が、カルボキシレート残基が置換されたフェノールエステル、例えばアルカ
ノイルアミド置換カルボキシレート残基を有するフェノールエステルを含む多種
のフェノールエステルの合成に適用できる。本発明の方法は、ポリマー材料の製
造において重要であるジカルボン酸無水物、例えば無水コハク酸と無水フタル酸
及びジカルボン酸二ハロゲン化物、例えばアジピン酸二塩化物並びに/又は芳香
族ジオール、例えばヒドロキノン及びレソルシノールのような二官能価化合物を
用いて使用できる。ほとんどの場合、生成物の単離及び精製は、蒸発及びそれに
続く、メタノール又はアセトンのような第2の溶媒による生成物の洗浄による、
TFAの単純な除去とされる。フェノールスルホン酸エステルの製造において、
TFAは、フェノールスルホン酸エステルに対する溶解性の低い比較的高沸点の
液体、例えばプロピオン酸を用いた溶媒置換法によって除去して、濾過可能な精
製固体生成物を生成できる。前述のように、本発明の方法によって製造できるカ
ルボン酸エステルには、漂白活性化剤として有用なものもあるし、ポリマーの製
造に有用なものもある(特にアリーレンジカルボキシレート及びジカルボン酸ジ
アリール)。またカルボン酸エステルは種々のエステルを製造するためのエステ
ル化剤として有用である。
【0013】詳細な説明 本発明によって提供される方法は、TFAの存在下において、フェノールと、
カルボン酸無水物及びカルボン酸ハロゲン化物から選ばれたエステル化剤とを接
触又は反応させることを含んでなる、カルボン酸アリールエステルの製造方法で
あって、最初及びプロセスの実施中に存在するTFAの量がTFA:フェノール
反応体(モル比)を少なくとも0.5:1にする方法である。エステル化剤はま
た、式: R−C(O)−O−C(O)−CF3 (I) を有する混合無水物とすることができる。
【0014】 フェノール反応体は、未置換のフェノールもしくはナフトール又はヒドロキシ
ベンゼンもしくはヒドロキシナフタレン化合物とすることができ、これは、通常
は2個以下の種々の置換基、例えば炭素数12以下のアルキル、炭素数12以下
のアルコキシ、クロロ及びブロモのようなハロゲン、スルホ、スルホのナトリウ
ム及びカリウム塩のようなスルホのアルカリ金属塩、炭素数12以下のアルカノ
イルアミド、ニトロ、ホルミル、シアノなどで置換することもできる。フェノー
ル反応体はまた、第2のヒドロキシ基で置換されて(すなわち、1,2−、1,
3−及び1,4−ベンゼンジオール)、アリーレンビス(アルカノエート)エス
テルを形成することもできる。使用できる他の芳香族ジオールとしては、1,4
−ナフタレンジオール、4,4’−スルホニルジフェノール及び4,4’−ビフ
ェノールが挙げられる。フェノール反応体は好ましくは、非置換フェノール又は
フェノールスルホン酸アルカリ、特にフェノールスルホン酸ナトリウムである。
本発明に従って製造される非置換フェニルエステルはスルホン化して、漂白活性
化剤として有用なアルカリ金属フェノールスルホネートを製造できる。
【0015】 エステル化剤は、炭素数40以下の非置換もしくは置換脂肪族カルボン酸無水
物又は合計炭素数20以下の非置換もしくは置換脂肪族、脂環式もしくは芳香族
カルボン酸ハロゲン化物とすることができる。非置換脂肪族カルボン酸無水物、
好ましくは非置換アルカン酸無水物は一般に8〜36個、好ましくは12〜32
個の炭素原子を含む。非置換脂肪族カルボン酸ハロゲン化物、例えば、塩化物及
び臭化物、好ましくは非置換アルカン酸ハロゲン化物は一般に4〜18個、好ま
しくは6〜16個の炭素原子を含む。アルカン酸ハロゲン化物及びカルボン酸無
水物のアルカン酸残基、例えば飽和脂肪族カルボン酸無水物又はハロゲン化物は
、1個又はそれ以上の、一般には1個の、炭素数12以下のアルコキシ;クロロ
及びブロモのようなハロゲン;炭素数12以下のアルカノイルアミド;アリール
、例えばフェニル並びにアルキル、アルコキシ及び/又はハロゲンで置換された
フェニルから選ばれた置換基で置換することができる。アルカン酸ハロゲン化物
は、第2のカルボキシル基で置換されて(例えば、アジピン酸二塩化物、アゼラ
イン酸二塩化物)、ジアルカン酸ジアリールエステルを形成することができる。
エステル化剤は、好ましくは無水物の2つのアルカン酸残基がそれぞれ6〜16
個の炭素原子を含み且つ非置換であるか、又は炭素数12以下のアルカノイルア
ミド基で置換されているアルカン酸無水物である。エステル化剤はまた、各カル
ボン酸アシル残基が6〜20個の炭素原子を含む、脂環式及び芳香族の炭素環式
カルボン酸無水物及びハロゲン化物から選択することができる。このような脂環
式及び芳香族、炭素環式カルボン酸無水物及びハロゲン化物の例としては、シク
ロヘキサンカルボン酸塩化物及び臭化物、塩化ベンゾイル、並びにナフタレンカ
ルボン酸ハロゲン化物が挙げられ、これらは非置換であっても多種の、通常は2
個以下の置換基、例えば炭素数12以下のアルキル、炭素数12以下のアルコキ
シ、クロロ及びブロモのようなハロゲン、スルホ、スルホのアルカリ金属塩、例
えばスルホのナトリウム及びカリウム塩、炭素数12以下のアルカノイルアミド
、ニトロ、ホルミル、シアノなどで置換されていてもよい。脂環式及び芳香族、
炭素環式カルボン酸のハロゲン化物はまた、ジカルボン酸二ハロゲン化物、例え
ば1,2−、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸二塩化物、1,
2−、1,3−及び1,4−ベンゼンジカルボン酸二塩化物、1,2−ベンゼン
ジカルボン酸無水物及び多くのナフタレンジカルボン酸ハロゲン化物異性体とす
ることができる。カルボン酸無水物及びフェノールは、0.5:1〜3:1、好
ましくは0.8:1〜1.2:1の範囲の無水物:フェノールのモル比で使用で
きる。
【0016】 前記無水物及び酸塩化物エステル化剤は市販されており、且つ/又は対応する
カルボン酸から公知の方法によって、例えば対応するカルボン酸を(i)無水酢
酸と接触させて無水物エステル化剤と製造するか、又は(ii)三塩化燐又は三
臭化燐と接触させて酸ハロゲン化物エステル化剤を製造することによって製造で
きる。 式: R−C(O)−O−C(O)−CF3 (I) を有する混合無水物のR−基は、ここに記載したカルボン酸の残基である。例え
ばRは非置換であるか、前述のように置換することができる、炭素数19以下の
脂肪族、脂環式又は芳香族基とすることができる。R残基は、好ましくは5〜1
5個の炭素原子を含み、非置換であるか、又は炭素数12以下のアルカノイルア
ミド基で置換される。
【0017】 混合無水物(I)は、(i)トリフルオロ酢酸塩をカルボン酸無水物に添加す
ることによって(Ferrisら,J.Am.Chem.Soc.1952,7
5,232)、(ii)トリフルオロ酢酸無水物(TFAA)をカルボン酸無水
物(TFAA)と反応させることによって(Bourneら,J.Chem.S
oc.1954,2006)、又は(iii)TFAAをカルボン酸と反応させ
ることによって(Emmonsら,J.Am.Chem.Soc.1953,7
5,6047)製造し、蒸留によって精製できる。これらの方法の例をここに示
す。カルボン酸無水物とTFAとの平衡によるTFA混合無水物の生成は、Bo
nnerらによって研究されている(Tetrahedron 1965,21
,463)。このような平衡は、このような混合無水物を低濃度でしか生成でき
ないが、これらの物質は反応性が高いため、カルボン酸アリールエステルの合成
において実用可能である。同様に、カルボン酸ハロゲン化物とTFAとの間にも
平衡が存在できる。さらに、他のカルボン酸誘導体とTFA混合無水物との間に
も、そのカルボン誘導体がTFAを含む溶媒中に溶解する場合には同様な平衡が
存在できる。
【0018】 最初及びプロセスの実施の間に存在するTFA溶媒の量は一般に、TFA:フ
ェノールの反応のモル比で少なくとも0.5:1、好ましくは2:1〜20:1
とする量である。このようなモル比は一般に、存在するフェノール反応体、エス
テル化剤及びTFAの重量に基づき15重量%より多い、好ましい量のTFAを
供給する。存在するTFAの量は好ましくは、存在するフェノール、エステル化
剤及びTFAの重量に基づき30〜80重量%の範囲である。TFAと共に他の
不活性溶媒も使用できる。このような溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、例え
ばジクロロメタン及びジクロロベンゼン;エーテル、例えばジエチルエーテル及
びジグリム;芳香族炭化水素、例えばトルエン;並びに極性で非プロトン性(a
protic)の溶媒、例えばジメチルホルムアミド、アセトニトリル及びスル
ホランが挙げられる。
【0019】 TFAの溶解性は、フェノールスルホン酸エステルの合成において他に及ぶも
のがなく、極めて有利である。一連の溶媒への4−(ノナノイルオキシ)ベンゼ
ンスルホネート(NOBS)の溶解度を示す代表的なデータを表Iに示す。表中
、溶解度は23℃において測定し、溶液100g中に溶解できるNOBSのg数
として表す。NOBSが水よりも溶けやすい唯一の溶媒はTFAであることは注
目に値する。本発明者は、NOBSに関してはTFAよりも優れた溶媒はないこ
とに気づいた。これは意外なことである。まず、表I中の溶媒2〜7の試験は、
溶媒極性によるNOBSの溶解度の妥当な補正を示している。TFAは、酢酸に
近い誘電率を有する非極性溶媒であるが、周囲温度においては酢酸に溶解できる
量の10倍より多くのNOBSを溶解する。TFA中の水素結合はスルホン酸陰
イオンの溶媒和を促進すると考えられるが、このような作用は酢酸でははるかに
劣ることは注目に値する。さらに、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びジメ
チルホルムアミド(DMF)はベンゼンスルホン酸エステルに対して比較的良好
な溶媒であることが当業界で知られているが、それらはTFAよりもはるかに劣
る溶媒であり、また、TFAはこれらの双極性で非プロトン性の溶媒よりもはる
かに低い沸点を有するので、生成物溶液から容易にストリッピングでき、次いで
比較的容易に精製及び再循還できる、ベンゼンスルホン酸エステルに対する唯一
の良好な溶媒である。
【0020】
【表1】
【0021】 表Iにおいて、誘電率及び沸点は、溶媒2〜6及び8〜9に関してはChris
tian Reichardt,Solvent and Solvent E
ffects in Organic Chemistry;VCH:Wein
heim,1988から;TFAに関してはTrifluoroacetic
Acid,John B.Milne,Chemistry of Non−A
queous Solvents,Vol 5B;J.J.Lagowski,
Ed.;Academic Press: New York,1978;pp
1〜52から;ノナン酸に関してはG.Geisler及びE.Manz,M
onat.Chem.1969,100,1133−39から入手した。NMP
はN−メチルピロリジノンである。
【0022】 本発明の重要な利点は、TFA中における速いエステル化速度により、新規エ
ステル化方法を比較的低温で、例えば−10〜80℃、好ましくは0〜50℃の
温度で実施することが可能になり、その結果、カラーボディー形成の回避又は最
小化により、より高品質の目的生成物への選択率が向上する。しかし、所望なら
ば、この方法は、広範囲の温度、例えば−50〜250℃において実施できる。
反応器の寸法をできるだけ小さくする必要のある連続プロセスの設計では、これ
より高い温度のエステル化が好ましい場合がある。圧力は本発明の重要な側面で
はなく、従って、この方法は周囲圧力より適度に高いか低い圧力で実施できる。
【0023】 本発明の別の利点は、カルボン酸の混合物から誘導されるエステル化剤の混合
物に適用できることである。脂肪酸(特に、天然の供給源に由来するもの)は、
カルボン酸の混合物として得られることが多いので、このような混合物をカルボ
ン酸の無水物及びハロゲン化物の混合物を経てベンゼンスルホン酸エステルの対
応する混合物に転化できることは、このような低コスト供給原料を用いたいと望
む製造者にとって非常に有利である。前述のように、TFAは緩和な条件下で蒸
発によって容易に除去されるので、生成物の、高純度の白色粉末への精製は非常
に単純化される。本発明の方法は、ベンゼンスルホン酸エステルの混合物を含む
生成物の製造に容易に適用される。
【0024】 本発明プロセスは、回分法として又は連続もしくは半連続操作方式で、実施で
きる。回分操作は本明細書中の実施例中に示す。この方法の連続操作では、フェ
ノールとTFAの混合物は、エステル化反応器中でエステル化剤で処理し、最初
のスラリーが充分に混合されるように適切に撹拌する。エステル化反応器中で充
分な時間処理することによって、溶液が生成され、これは、例えばベンゼンスル
ホン酸エステルの場合には、噴霧乾燥によってほとんど全ての、例えば90%超
のTFAを除去することができる。固体生成物はさらに、例えば固形生成物中の
残留TFAを2%未満まで著しく減少させることができる流動床乾燥機によって
乾燥させてTFAを除去することができる。このような固体生成物は一般に、非
常に白い(Hunter LabカラースケールでL>90)。本発明の新規方法
においてカルボン酸無水物をエステル化剤として使用する場合には、溶媒置換法
によってプロピオン酸のような比較的沸点の高い貧溶媒を用いてTFAを除去し
て、濾過可能な精製固体生成物を生成できる。この固体生成物は、連続遠心分離
によって単離し、さらに流動床乾燥機によって乾燥させることができる。
【0025】実施例 本発明によって提供される方法をさらに以下の実施例によって説明する。以下
の実施例では次の略語を使用する:TFA=トリフルオロ酢酸、TFAA=トリ
フルオロ酢酸無水物及びSPS=4−フェニルスルホン酸ナトリウム。NMRス
ペクトルは全て、特に断らない限り、d6−DMSO中に溶解させたサンプルを
用いてVarian Gemini 300 NMRスペクトロメーターで取っ
た。ケミカルシフト(δ)は、d6−DMSO中残留プロトン(2.50ppm
)及びDMSOのカーボンシグナル(39.51ppm)を基準とした。操作は
収率に関しては最適化せず、SPSの転化に関して報告する。
【0026】参考例1 ノナン酸無水物(9.78g,0.062モル)及びTFAA(18ml,0
.127モル)並びにジクロロメタン50mlを100mlフラスコ中に入れた
。室温で10分後、このフラスコを加熱して、40℃において揮発分を素早く除
去した。フラスコを氷浴によって冷却し、低沸点物質を減圧下で除去した。次い
で、フラスコを加熱し、沸点50〜55℃(0.5トル)のノナノイル=トリフ
ルオロアセテート12.0g(収率76%に相当)を採取した。 1H NMR
(CDCl3):δ 2.61(t,7.4,2H),1.72(p,7.4,
2H),1.29(m,10H),0.89(t,7.1,3H);13C NM
R(CDCl3):δ 165.7,152.9(q,44.7),114.0
(q,286.3),35.2,31.9,29.22,29.19,28.8
,24.0,22.8,14.2;IRvC=O(シクロヘキサン)=1853,
1786cm-1
【0027】参考例2 当量のヘキサン酸無水物を用いて、参考例1に記載した操作を繰り返して、ト
リフルオロ酢酸ヘキサノイルを生成した:沸点=30〜35℃(1.0mm); 1 H NMR(CDCl3):δ 2.61(t,7.4,2H),1.72(p
,7.4,2H),1.30(m,8H),0.89(t,3H); 13
NMR(CDCl3):δ 165.7,152.9(q,44.7),114
.0(q,286.3),35.2,31.7,28.9,24.0,22.8
,14.2;IRvC=O(シクロヘキサン)=1854,1786cm-1
【0028】参考例3 同量のオクタン酸無水物を用いて、参考例1に記載した操作を繰り返して、ト
リフルオロ酢酸オクタノイルを生成した:沸点=40〜45℃(1.5mm); 1 H NMR(CDCl3):δ 2.61(t,7.4,2H),1.72(p
,7.4,2H),1.30(m,8H),0.89(t,3H); 13
NMR(CDCl3):δ 165.7,152.9(q,44.7),114
.0(q,286.3),35.2,31.7,28.9,24.0,22.7
,14.2;IRvC=O(シクロヘキサン)=1854,1786cm-1
【0029】参考例4 同量のデカン酸無水物を用いて、参考例1に記載した操作を繰り返して、トリ
フルオロ酢酸デカノイルを生成した:沸点=70℃(0.5mm);1H NM
R(CDCl3):δ 2.61(t,7.4,2H),1.72(p,7.4
,2H),1.29(m,10H),0.89(t,3H);13C NMR(C
DCl3):δ 165.7,152.8(q,45.2),113.9(q,
286.3),35.2,32.0,29.47,29.37,29.26,2
8.8,24.0,22.8,14.3;IRvC=O(シクロヘキサン)=18
54,1786cm-1
【0030】実施例1 窒素入り口及びマグネチック・スター・バーを装着した300ml丸底フラス
コを窒素で10分間フラッシした。SPS(34.92g,0.18モル)及び
TFA(158ml,TFA:SPSモル比=7.7:1)をフラスコ中に入れ
、フラスコをセプタム・キャップでシールし、得られたスラリーを、氷水浴で冷
却しながら撹拌した。トリフルオロ酢酸ノナノイル(50.0g,0.18モル
)をシリンジによって1回で速やかに添加した。反応混合物を10分間5℃にし
た後、1H NMRによる分析のためにサンプルを取った。この時点で、SPS
の100%がNOBSに転化されていた。混合物を周囲温度まで加温し、揮発分
を回転蒸発によって除去して、NOBSを白色残渣として得た。
【0031】実施例2 窒素入り口及びマグネチック・スター・バーを装着した300ml丸底フラス
コを窒素で10分間フラッシした。SPS(5.09g,25.9ミリモル)及
びTFA(30ml)をフラスコ中に入れ、フラスコをセプタム・キャップでシ
ールし、得られたスラリーを、氷水浴で冷却しながら撹拌した。ノナン酸無水物
(8.5ml,25.9ミリモル)をシリンジによって1回で速やかに添加した
。1分以内に、スラリーは溶解し、均質溶液が得られた。撹拌を5分間続けた。
揮発分を回転蒸発によって除去して、NOBSを白色残渣として得た。これにア
セトン100mlを添加した。固形分をブフナー漏斗で採取し、減圧下で乾燥さ
せて、4−(ノナノイルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム8.06g(収
率92%)を得た。NMR分析は、SPSがNOBSに完全に転化されたことを
示している。1H NMR(DMSO):δ 7.63,d(8.3,2H);
7.05,d(8.2,2H);2.56,t(7.4,2H);1.63,m
(2H);1.27(10H)及び0.86,t(3H)。SPS:1H NM
R(DMSO):δ 7.38,d(8.0,2H)及び6.65,d(8.8
,2H)。13C NMR(DMSO):δ 171.7,150.4,126.
9,121.0,33.4,31.2,28.7,28.5,28.4,24.
3,22.1及び14.0ppm。
【0032】実施例3及び比較例1〜4 TFAの存在下におけるエステル化方法の実施の利点を証明するために、異な
るカルボン酸を用いて実質的に同一の一連の実験を行った。SPS(0.5g,
2.5ミリモル)及びカルボン酸3.0gを15mlバイアル中に入れた。ノナ
ン酸無水物(1.00ml,3.0ミリモル)をシリンジによって添加し、バイ
アルに蓋をし、50℃の油浴中に5分間入れ、次いで30%アセトニトリル水溶
液10mlで急冷した。この生成物の溶液から揮発材料をストリッピングし、得
られた残渣中におけるSPSの、4−(ノナノイルオキシ)ベンゼンスルホン酸
ナトリウム(NOBS)への転化を、1H NMRの芳香族領域の積分によって
分析した。使用したカルボン酸、それぞれの水溶液のpKa及びTFAによる活
性化を基準としたそれぞれの相対活性を表IIに示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例4及び5並びに比較例5〜8 TFAは少量では本発明に有利ではないことを示すために、種々の量のTFA
をいて、実質的に同一の一連の実験を行った。SPS(0.5g,2.5ミリモ
ル)及びTFAとノナン酸との混合物3.0gを、マグネチック・スター・バー
(オーブン乾燥された)を含む15mlバイアル中に入れた。ノナン酸無水物(
1.00ml,3.0ミリモル)をシリンジによって添加し、バイアルに蓋をし
、50℃の油浴中に5分間入れ、次いで30%アセトニトリル水溶液10mlで
急冷した。この生成物の溶液から揮発材料をストリッピングし、得られた残渣中
におけるSPSの、4−(ノナノイルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(
NOBS)への転化を、1H NMRの芳香族領域の積分によって分析した。実
施例4及び5並びに比較例5〜8のそれぞれに関する、使用したTFAの量(g
)、TFA:SPSのモル比及びSPSのNOBSへの転化率%を表III に示す
。比較例6(C−6)は対照として12時間実施した。
【0035】
【表3】
【0036】実施例6 窒素入り口及びマグネチック・スター・バーを装着した300ml丸底フラス
コを窒素で10分間フラッシした。SPS(34.92g,0.18モル)及び
TFA(158ml)をフラスコ中に入れ、フラスコをセプタム・キャップでシ
ールし、得られたスラリーを、氷水浴で冷却しながら撹拌した。塩化ノナノイル
(31.5g,0.18モル)をシリンジによって1回で速やかに添加した。反
応混合物を10分間5℃にした後、1H NMRによる分析のためにサンプルを
取った。この時点で、SPSの60%がNOBSに転化されていた。混合物を周
囲温度まで加温し、揮発分を回転蒸発によって除去して、NOBSを白色残渣と
して得た。固形分をブフナー漏斗で採取し、減圧下で乾燥させて、4−(ノナノ
イルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム8.06g(収率92%)を得た。
【0037】実施例7 窒素入り口及びマグネチック・スター・バーを装着した100ml丸底フラス
コを窒素で10分間フラッシした。SPS(5.47g,0.027モル)、K 2 CO3(3.72g,0.027モル)及びTFA(34.3ml)をフラスコ
中に入れ、フラスコをセプタム・キャップでシールし、得られたスラリーを、氷
水浴で冷却しながら撹拌した。塩化ノナノイル(4.64g,0.026モル)
をシリンジによって1回で速やかに添加した。反応混合物を15分間5℃にした
後、1H NMRによる分析のためにサンプルを取った。この時点で、SPSの
18%がNOBSに転化されていた。
【0038】比較例9 窒素入り口及びマグネチック・スター・バーを装着した300ml丸底フラス
コを窒素で10分間フラッシした。SPS(9.10g,46.4ミリモル)、
2CO3(6.35g,45.9ミリモル)及びトルエン40mlをフラスコ中
に入れ、フラスコをセプタム・キャップでシールし、得られたスラリーを周囲温
度で撹拌した。塩化ノナノイル(7.92g,44.8ミリモル)をシリンジに
よって1回で速やかに添加した。23℃で20分後、1H NMRによる分析の
ために反応物のサンプルを取った。この時点で、SPSはNOBSに全く転化さ
れていなかった。混合物を53分間加熱還流し(111℃)、第2のサンプルを
分析した。1H NMRは、SPSがNOBSに72%転化されたことを示し、
これは米国特許第5,069,828号において報告された結果と一致していた
。この実施例は、TFAを用いない塩化ノナノイルとSPSとの反応は、溶媒と
してTFAを用いる場合よりも著しく遅いことを示している。
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Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリフルオロ酢酸(TFA)の存在下において、フェノール
    と、合計40個以下の炭素原子を含むカルボン酸無水物及び合計20個以下の炭
    素原子を含むカルボン酸ハロゲン化物から選ばれたエステル化剤とを反応させる
    ことを含んでなり、最初及びプロセスの実施中に存在するTFAの量がTFA:
    フェノール反応体(モル比)を少なくとも0.5:1とする量であるカルボン酸
    アリールエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 最初及びプロセスの実施中に存在するTFAの量がTFA:
    フェノール(モル比)を2:1〜20:1の範囲にする量である請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記エステル化剤が合計12〜32個の炭素原子を含む脂肪
    族カルボン酸無水物であり且つカルボン酸無水物:フェノール(モル比)が0.
    5:1〜3:1である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 トリフルオロ酢酸(TFA)の存在下において、フェノール
    とカルボン酸無水物とを反応させることを含んでなるカルボン酸アリールエステ
    ルの製造方法であって、最初及びプロセスの実施中に存在するTFAの量がTF
    A:フェノール反応体(モル比)を少なくとも0.5:1とする量であり;前記
    フェノール反応体がフェノール、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はヒドロキシ
    ベンゼンスルホン酸アルカリであり;且つ前記カルボン酸無水物反応体がアルカ
    ン酸無水物であって、前記アルカン酸無水物の2つのアルカン酸残基のそれぞれ
    が6〜16個の炭素原子を含み且つ非置換であるか又は炭素数12以下のアルカ
    ノイルアミド基で置換されている方法。
  5. 【請求項5】 前記プロセスを0〜50℃の温度において実施し且つカルボ
    ン酸無水物:フェノール(モル比)が0.5:1〜3:1である請求項4に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記フェノール反応体がフェノール、ヒドロキシベンゼンス
    ルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム又はヒドロキシベンゼンス
    ルホン酸カリウムであり;且つ前記カルボン酸無水物反応体がアルカン酸無水物
    であって、そのアルカン酸無水物の2つのアルカン酸残基のそれぞれが6〜16
    個の炭素原子を含み且つ非置換である請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記フェノール反応体がフェノール、ヒドロキシベンゼンス
    ルホン酸又はヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはヒドロキシベン
    ゼンスルホン酸カリウムであり;且つカルボン酸無水物反応体がアルカン酸無水
    物であって、そのアルカン酸無水物の2つのアルカン酸残基のそれぞれが炭素数
    6〜16であり且つ炭素数12以下のアルカノイルアミド基で置換されている請
    求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 トリフルオロ酢酸(TFA)の存在下において、フェノール
    とカルボン酸塩化物とを反応させることを含んでなるカルボン酸アリールエステ
    ルの製造方法であって、最初及びプロセスの実施中に存在するTFAの量が、T
    FA:フェノール反応体(モル比)を少なくとも0.5:1とする量であり;前
    記フェノール反応体がフェノール、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はヒドロキ
    シベンゼンスルホン酸アルカリであり;且つ前記カルボン酸ハロゲン化物反応体
    がアルカン酸塩化物であって、そのアルカン酸塩化物のアルカン酸残基が6〜1
    6個の炭素原子を含み且つ非置換であるか又は炭素数12以下のアルカノイルア
    ミド基で置換されている方法。
  9. 【請求項9】 前記プロセスを0〜50℃の温度において実施し且つカルボ
    ン酸塩化物:フェノール(モル比)が0.5:1〜3:1である請求項8に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 前記フェノール反応体がフェノール、ヒドロキシベンゼン
    スルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム又はヒドロキシベンゼン
    スルホン酸カリウムであり;且つカルボン酸ハロゲン化物反応体がアルカン酸塩
    化物であって、そのアルカン酸塩化物のアルカン酸残基が炭素数6〜16であり
    且つ非置換である請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記フェノール反応体がフェノール、ヒドロキシベンゼン
    スルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム又はヒドロキシベンゼン
    スルホン酸カリウムであり;且つカルボン酸ハロゲン化物反応体がアルカン酸塩
    化物であって、そのアルカン酸塩化物のアルカン酸残基が炭素数6〜16であり
    且つ炭素数12以下のアルカノイルアミド基で置換されている請求項9に記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 TFAの存在下において、フェノールと、式: R−C(O)−O−C(O)−CF3 (I) (式中、Rは炭素数19以下の脂肪族、脂環式又は芳香族基である) を有する混合無水物とを反応させることを含んでなるカルボン酸アリールエステ
    ルの製造方法であって、最初及びプロセスの実施中に存在するTFAの量がTF
    A:フェノール反応体(モル比)を少なくとも0.5:1とする量である方法。
  13. 【請求項13】 最初及びプロセスの実施中に存在するTFAの量がTFA
    :フェノール(モル比)を2:1〜20:1の範囲にする量である請求項12に
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記Rが炭素数5〜15の脂肪族基であり且つ混合無水物
    :フェノール(モル比)が0.5:1〜3:1である請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 トリフルオロ酢酸(TFA)の存在下において、フェノー
    ルと、式: R−C(O)−O−C(O)−CF3 (I) を有する混合無水物とを反応させることを含んでなる、カルボン酸アリールエス
    テルの製造方法であって、最初及びプロセスの実施中に存在するTFAの量がT
    FA:フェノール反応体(モル比)を少なくとも0.5:1とする量であり;そ
    のフェノール反応体がフェノール、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はヒドロキ
    シベンゼンスルホン酸アルカリであり;且つRが炭素数が5〜15のアルキル基
    であって、非置換か又は炭素数12以下のアルカノイルアミド基で置換されてい
    る方法。
  16. 【請求項16】 前記プロセスを0〜50℃の温度において実施し且つ混合
    無水物:フェノール(モル比)が0.5:1〜3:1である請求項15に記載の
    方法。
  17. 【請求項17】 前記フェノール反応体がフェノール、ヒドロキシベンゼン
    スルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム又はヒドロキシベンゼン
    スルホン酸カリウムであり;且つRが炭素数5〜15のアルキル基であって、非
    置換である請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記フェノール反応体がフェノール、ヒドロキシベンゼン
    スルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム又はヒドロキシベンゼン
    スルホン酸カリウムであり;且つRがアルキル基であり、そのアルキル基が炭素
    数5〜15で且つ炭素数12以下のアルカノイルアミド基で置換されている請求
    項16に記載の方法。
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