JP2003508050A - スピノシン生合成の酵素活性をコードする核酸 - Google Patents

スピノシン生合成の酵素活性をコードする核酸

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、スピノシン生合成の酵素活性をコードする核酸に関する。本発明は相当する酵素自体にも関する。さらに本発明は、スピノシン誘導体およびスピノシン前駆体の製造方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、スピノシン生合成の酵素活性をコードする核酸および関係する酵素
自体に関する。
【0002】 スピノシンは、放線菌サッカロポリスポラ・スピノサ(Saccharopolyspora spi
nosa) から単離されたマクロライド化合物の新規の群を表す(Mertz and Yao, 19
90) 。これらは昆虫類の防除に使用される(WO97/00265号、WO94/20518号、WO93
/09126号、米国特許(US)第5670364 号、米国特許(US)第5362634 号、米国特許(U
S)第5227295 号、米国特許(US)第5202242 号) 。スピノシンは、強い殺虫活性を
示すがしかし抗細菌活性は示さず、このために、これらは殺虫活性はないが抗細
菌活性を有する慣用のマクロライド、例えばチロシン、スピラマイシンおよびエ
リスロマイシンと区別できる。
【0003】 スピノシン構造は、12員マクロライド環および5,6,5−シス−アンチ−
トランス−三環およびD−ホロサミン糖部分および2,3,4−トリ−O−メチ
ル−L−ラムノース糖部分を有する四環式ポリケチド骨格(アグリコン)から成
る(Kirst et al., 1991)。20種以上の天然の種々のスピノシン誘導体、「A8
3943」複合体がこれまで記載されている(WO97/00265号、WO94/20518号、WO
93/09126号)。これらの誘導体は、四環骨格上、ホロサミン糖部分上またはトリ
メチルラムノース糖部分の1個または数個のメチル基の置換が異なる。ホロサミ
ン糖部分を欠いた17−シュードアグリコンが、同様にS.スピノサ培養ブロス
から単離された。
【0004】 S.スピノサにより形成されたA83543複合体の主要な成分は、生成物ス
ピノサド(Spinosad)の主要な成分である変種のスピノシンAおよびスピノシンD
である(「農薬マニュアル」(Pesticide Manual, British Crop Protection Cou
ncil, 11th Ed. 1997, page 1272) およびDow Elanco trade magazine Down to
Earth, Vol. 52, No. 1, 1997 、および本明細書中に引用する文献参照)。
【0005】 13C−標識酢酸、プロピオン酸、酪酸またはイソ酪酸の組込みに関する研究に
基づいて、A83543生合成がポリケチド生合成経路に従うことを示すことが
できた(Nakatsukasa et al., 1990)。ポリケチドは、短鎖酸構成ブロック、例え
ば酢酸、プロピオン酸または酪酸から、多機能酵素により合成、すなわち「ポリ
ケチド合成(PKS)」される。これらは、関連する脂肪酸合成酵素(FAS)
と同様に、CoAチオエステルとして活性化された構成ブロックの脱カルボキシ
ル化重縮合工程に触媒作用がある。FASは、それぞれの縮合工程の後に、ケト
還元、脱水およびエノイル還元により、成長中のポリケチド鎖上に中間的に形成
されるβ−オキソエステルの完全な還元に触媒作用をするが、PKSは特定の還
元工程を不要とすることができる。モジュラータイプI PKSは、1個または
それより多い大型多官能性タンパク質の一つから成る。反対に、反復タイプII
PKSは、本質的に単官能性タンパク質からなる複合体である。
【0006】 モジュラータイプI PKSの酵素活性は、「モジュール」に組み合わされる
ことができる。ここで、モジュールは、生合成伸長単位により成長するポリケチ
ド鎖の伸長に導く3個の酵素−触媒活性ドメインの列を有する。該ドメインは、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメイン、アシルトラン
スフェラーゼドメインおよびβ−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメ
インである。モジュールは、ケト還元酵素ドメイン、脱水酵素ドメイン、エノイ
ル還元酵素ドメインおよびチオエステラーゼドメインを有してもよい。生合成開
始における「負荷(loading) 」モジュールは、生合成の開始においては、該ドメ
インからアシルトランスフェラーゼドメインおよびβ−ケトアシル:アシルキャ
リヤータンパク質ドメインおよび同時に酵素的に不活性のβ−ケトアシル:アシ
ルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインのみを有することができる。ポリケチ
ド合成酵素ドメインは該酵素活性のそれぞれ一つを含んでなる。
【0007】 スピノシンの強力な殺虫活性および注目すべき構造のために、これらの生合成
のための遺伝情報の解読に大きい興味を持たれた。
【0008】 本発明は、スピノシンの生合成に関係する酵素活性をコードする少なくとも1
個の領域を含んでなる核酸に関する。
【0009】 本発明は、その翻訳産物がスピノシンの生合成に関係するオープンリーディン
グフレーム(ORF)のクラスターを提供する。これはさらに、スピノシン生合
成クラスターの外側約120kbに位置しそしてその翻訳産物がラムノース糖の
生合成に関係する追加の遺伝子またはORFも提供する。
【0010】 本発明の核酸は、具体的には、一本鎖または二本鎖のデオキシリボ核酸(DN
A)またはリボ核酸(RNA)である。好ましい態様は、ゲノムDNA断片およ
びcDNAである。
【0011】 本明細書中に使用される用語「少なくとも1個の領域」は、本発明の核酸がス
ピノシンの生合成中の工程を遂行する個別の活性それぞれをコードする1種また
はそれ以上の配列を含んでなってもよいことを意味する。従って、スピノシン生
合成中で単一の酵素活性のみをコードする核酸も発明性があると考える。
【0012】 本明細書中に使用される用語「酵素活性」は、本明細書中で研究された核酸か
ら出発して、まだ酵素の触媒性を発揮する完全な酵素の少なくともその部分を発
現可能なものを意味する。
【0013】 本発明の核酸は、具体的には、ポリケチド合成酵素、メチルトランスフェラー
ゼ、エピメラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、アミノトランスフェラーゼ
、ジメチルトランスフェラーゼ、還元酵素、脱水酵素および/または環化酵素の
酵素活性をコードする。
【0014】 本発明の核酸は、好ましくはS.スピノサゲノムDNAに相当するDNA断片
である。
【0015】 本発明の核酸は、特に好ましくは、 (a)配列番号1、2、3、4、5、6、7、9、11、13、15、17、1
9、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、4
3、45、47、49、51、52または54に記載の配列、 (b)(a)項において定義した配列の全長中で少なくとも14塩基対の部分配
列、 (c)(a)項において定義した配列にハイブリダイズする配列、 (d)(a)項において定義した配列に少なくとも70%、好ましくは80%、
特に好ましくは90%一致する配列、 (e)(a)項において定義した配列に相補的である配列、および (f)遺伝暗号の縮重のために、(a)〜(d)項において定義した配列と同じ
アミノ酸配列をコードする配列 から選択された少なくとも1個の配列を含んでなる。
【0016】 本明細書中に使用される用語「ハイブリダイズ」は、一本鎖核酸分子が相補的
鎖と塩基対を形成される過程を表す。この方法で、例えば、系統分類的にS.ス
ピノサと関連しそしてスピノシン生合成が可能である生物体からのゲノムDNA
から出発し、S.スピノサから単離された断片と同じ性質を有するDNA断片を
単離することが可能である。
【0017】 好ましいハイブリダイゼーション条件は下記である:ハイブリダイゼーション
溶液:5xSSC;ブロッキング剤(Roche Diagnostics GmbH, Mannhein, Germa
ny) 1%;N−ラウロイルサルコシン0.1%;SDS(ドデシル硫酸ナトリウ
ム)0.02%;ハイブリダイゼーション温度60℃;第一洗浄工程:2xSS
C、60℃;第二洗浄工程:2xSSC、60℃;好ましい第二洗浄工程:0.
5xSSC、60℃;特に好ましい第二洗浄工程:0.2xSSC、60℃。
【0018】 核酸の一致の程度は、好ましくはGCGプログラムパッケージ(Devereux et a
l., 1984) バージョン9.1からのGAPプログラムの助けをかりて、標準条件
下で決定される。
【0019】 特別の重点は、 (1)ホロサミンおよびトリメチルラムノース生合成中の工程をコードするすべ
ての配列、特には配列番号4および51に記載の配列、または (2)ポリケチド合成工程をコードするすべての配列、特には配列番号5および
6に記載の配列、または (3)ホロサミン、トリメチルラムノースおよびポリケチド合成におけるすべて
の工程をコードするすべての配列、特には配列番号1、2、3および51に記載
の配列 のいずれかを含んでなる核酸に置かれる。
【0020】 従って、スピノシン生合成のためまたは以下に定義する前駆体の合成のために
必要なすべてのDNA配列が、単一ベクター上に位置してもよい。しかし、これ
らの核酸は、2個またはそれ以上のベクター上に存在しそして宿主細胞内で同時
または連続して発現されてもよい。
【0021】 本発明の核酸のすべてのORFは、これら自体のプロモーターによりまたは非
相同プロモーターにより開始されてもよい。
【0022】 本発明は、本発明の核酸の転写を本来的に、すなわち当初の生物体S.スピノ
サ中で制御をする調節領域にも関する。
【0023】 本明細書中に使用される用語「調節領域」は、プロモーター、レプレッサーま
たは活性化因子結合部位、レプレッサーまたは活性化因子配列、およびターミネ
ーターに関連する。この用語は、同様に、本来的に存在する、すなわち当初の生
物体S.スピノサ中に存在する遺伝的可動性因子もさらに含む。このような遺伝
的可動性因子は、転位可能または可動性の因子またはこれらの機能性部分、IS
因子またはその他の挿入因子であってもよい。この用語は、さらに、本来的に、
すなわち当初の生物体S.スピノサ中に存在する増幅可能なDNA因子(DNA
の増幅可能単位、AUD;Fishman and Hershberger, 1983)も含む。本発明は、
これらの調節領域と、相互に、または非相同DNA断片、例えばプロモーター、
レプレッサーまたは活性化因子結合部位、転位可能、可動性または導入可能因子
とのあらゆる組み合わせにも関する。
【0024】 本発明は、さらに、本発明の少なくとも1個の核酸および非相同プロモーター
を含んでなるDNA構築物に関する。
【0025】 本明細書中に使用される用語「非相同プロモーター(heterologous promoter)
」は、当初の生物体内の相当する遺伝子(ORF)の発現を制御しないプロモー
ターに関する。
【0026】 非相同プロモーターの選択は、原核もしくは真核細胞または細胞を含まない系
が発現のために使用されるかどうかに依存する。非相同プロモーターの好ましい
例は、ベクターpIJ702からのmel遺伝子のプロモーターである(The Joh
n Innes Foundatioon, Norwich, UK, 1985) 。非相同発現は、例えば本来的なス
ピノシン産生体と比較して増加したスピノシン産生を達成するために使用しても
よい。
【0027】 本発明は、さらに、少なくとも1個の本発明の核酸を含むベクターに関する。
使用してもよいベクターは、すべてのファージ、プラスミド、ファジェミド(pha
gemid)、ファスミド(phasmid) 、コスミド、YAC、BAC、PAC、人工染色
体または分子生物学研究所で使用される粒子ボンバードメントに適する粒子であ
る。
【0028】 BACベクターが好ましい。BAC(細菌人工染色体)ベクターは、大型DN
A断片のクローニングのために開発された(Shizuya et al., 1992)。これらは因
子F起源の単一コピープラスミドであり、これらは120キロ塩基対(kb)の
平均的大きさのDNA断片を内包することができる。これらは大腸菌(Escherich
ia coli)中で複製できる。BACベクターpBeloBAC11(Kim et al., 1
996)は、クローニング部位に近接するT7およびSP6プロモーターを有しそし
て配列決定プライマーのためおよびRNA転写物を作製するための開始領域とし
て使用できる。
【0029】 特に好ましくは、本発明が関係しそしてドイツ微生物および細胞培養物集積所
有限会社(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(D
SMZ), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Brunswick)) に、ブダペスト条約(Bud
apest Treaty) の要求に従って、1999年8月18日付けで寄託番号(deposit
ion number) DSM13010、DSM13011およびDSM13012とし
て寄託されたBACシャトルベクターである。
【0030】 寄託されたBACシャトルクローンP11/G6、P8/G11およびP11
/B10は、いずれも少なくとも大きさ100kbのS.スピノサDNA断片を
有する。クローンP11/G6およびP11/B10は、いずれも、配列番号4
に記載の核酸配列の一部分および配列番号5および6に記載の隣接する完全核酸
配列および配列番号6に記載のヌクレオチド配列に3’隣接するDNA領域も有
する(図7)。クローンP8/G11は、配列番号6に記載の核酸配列の一部分
、配列番号5および4に記載の完全核酸配列および配列番号4に記載の配列に3
’隣接するDNA領域も有する(図7)。
【0031】 同様にスピノシン産生に適するベクターは、PACベクターおよび大型DNA
断片、特には30kbより大きく、好ましくは40kbより大きく、特に好まし
くは60kbより大きいこれらのDNAの非相同宿主細胞内への転移を可能とし
、ここでの外来DNAの確立を確実にするするすべての他の機能的に等価のベク
ターでもある。シャトルベクターへ変性され、例えば、グラム陰性細菌例えば大
腸菌およびグラム陽性細菌例えばストレプトミセスの両方の内でプラスミド複製
を可能とするこれらのBAC、PACおよび機能性に等価のベクターの使用が好
ましい。このような好ましいシャトルベクターは、慣用のベクター、例えばコス
ミドベクター内にクローンできずそして非相同宿主例えば放線菌類、例えばスト
レプトミセス中に転移できない大きさのDNA断片を有してもよい。後者のベク
ターは、形質転換、接合、エレクトロポレーション、プロトプラスト形質転換に
よりまたはその他の適合する方法の両方により転移されてもよい。これらのシャ
トルベクターを、グラム陰性またはグラム陽性細菌の非相同集団内、グラム陽性
とグラム陰性細菌との間、細菌とアーキアとの間および原核生物と真核生物との
間に接合により転移することも優れた方法で可能である。非相同宿主、例えばス
トレプトミセス内に転移されたBAC、PACまたは機能的に等価のシャトルベ
クターは、自律的に複製または宿主ゲノム内に組み込まれてもよい。後者の組込
みは、相同組換えを介して、ΦC31組込み機構(Hopwood et al., 1985)を介し
て、pSAM2(Smokvina et al., 1990; WO95/16046号) −決定機能に依存する
位置−特異性組換えを介してまたはミニサークル(mini-circle) −媒介機能(Mot
amedi et al., 1995; WO96/00282号) を介して遂行してもよい。
【0032】 このようなシャトルベクターは、一次および二次代謝物の特異性生合成経路の
発現を可能とし、これらは単一組換えベクターを非相同的に特に適合する宿主細
胞内に転移することによる異常に大きいDNA領域により決定される。従って、
放線菌類のような生物体、例えばストレプトミセス内で、単一組換えシャトルベ
クターを転移することにより、スピノシン生合成のために同定されたクラスター
を発現することが可能である。この生合成クラスターの大きさのために、スピノ
シン生合成の該非相同発現は、単一コスミドベクターを用いては不可能である。
本発明の核酸を有する組換えBAC、PACまたは機能的に等価のシャトルベク
ターの転移は、株S.スピノサ中または増加したスピノシン形成を有する誘導変
異体中のスピノシン産生と比較して、著しい増加をもたらすことができる。さら
に、非相同宿主細胞内に転移した後、これらの生合成および改変能力を使用する
目的で、スピノシンまたはスピノシンの生合成前駆体の著しい改変を達成するた
めに、スピノシン生合成をコードするこのようなシャトルベクターの使用が可能
である。これは、単一組換えベクターを非相同宿主細胞内に転移することにより
新規のスピノシン誘導体を産生することも可能とする。
【0033】 さらに、単一組換えシャトルベクターの部分として二次代謝物のクローニング
した生合成経路を遺伝的変性するためのこのようなシャトルベクターの使用が可
能である。このような変性は、例えば大腸菌宿主内で、例えばrecA遺伝子産
物またはrecEおよびrecT遺伝子産物の関与下での組換えイベントを用い
て遂行してもよい(Muyrers et al., 1999)。さらに、生体外の方法、例えば鋳型
作製系(Finnzymes, FIN-02201, Espoo, Finland)またはトランスポゾン系(Epice
ntre Technologies, Biozym Diagnostika GmbH, Oldendorf, Germany) によりこ
のようなベクターを変性することが可能である。変性された生合成経路をコード
するこのようなシャトルベクターは、変性された二次代謝物を産生するために適
合する宿主細胞内に転移してもよい。同様に、該シャトルベクターは、引き続い
て適合する宿主細胞内に転移された後に改変スピノシンの産生のために使用する
ために、本発明の核酸を改変するために使用されてもよい。
【0034】 本発明の核酸の部分は、2個またはそれ以上のベクター、例えば、コスミドベ
クターの成分として、たがいに組み合って、スピノシンまたはスピノシン前駆体
、例えばシュードアグリコン(pseudoaglycone)またはスピノシンアグリコンの生
合成のために適する遺伝情報を決定してもよい。組換えベクターのこのような組
み合わせは、S.スピノサ以外の生物体内でのスピノシン産生を達成するために
使用してもよい。特に適合する宿主内での発現の場合に、これは、S.スピノサ
または誘導された産生促進変異体と比較してスピノシン産生に著しい増加をもた
らしてもよい。さらに該ベクター組み合わせの個別の組換えベクター内の本発明
の核酸を、宿主細胞内のスピノシン誘導体の非相同産生が可能となるように改変
することも可能である。さらに、組換えベクターのこのような組み合わせは、非
相同宿主内へのその転移により、宿主の内在酵素系を使用して新規のスピノシン
誘導体を形成するために適するであろう。
【0035】 本発明は、本発明の少なくとも1種の核酸を含む宿主細胞にも関する。適合す
る宿主細胞は、原核細胞、好ましくは放線菌類、特に好ましくはストレプトミセ
ス、および真核細胞、例えば哺乳類細胞、植物細胞または酵母細胞の両方である
【0036】 特別の方法において、本発明の核酸は、植物細胞内に転移されそしてそこで発
現されることができる。これは、植物−保護性、殺虫性スピノシンまたはその誘
導体を産生するトランスジェニック植物の作製を可能とする。本発明の核酸は、
慣用の方法、なかでも粒子ボンバードメントにより植物細胞または植物細胞培養
物内に転移されてもよい。
【0037】 本発明は、さらに本発明の核酸によりコードされるポリペプチドに関する。本
発明のポリペプチドは、スピノシン生合成工程に触媒作用を有する完全酵素を構
成してもよい。しかし、本発明は、関連酵素の完全アミノ酸配列の一部分のみを
有するポリペプチドも含む。
【0038】 本明細書中に使用される用語「部分配列」は、このように相当する完全酵素の
活性をまだ発揮できるポリペプチドまたは酵素的な活性ドメインのアミノ酸配列
に関する。
【0039】 以下において、本発明の好ましい核酸およびポリペプチドを適当な配列番号を
引用してさらに詳細に性質を説明する。配列番号7および8、ORF1 : 配列番号4のヌクレオチド位置828〜1、275アミノ酸。誘導可能な遺伝子
産物はメチルトランスフェラーゼである。配列番号9および10、ORF2 : 配列番号4のヌクレオチド位置1283〜2455、390アミノ酸。誘導可能
な遺伝子産物はグリコシルトランスフェラーゼである。配列番号11および12、ORF3 : 配列番号4のヌクレオチド位置2495〜3247、250アミノ酸。誘導可能
な遺伝子産物はメチルトランスフェラーゼである。配列番号13および14、ORF4 : 配列番号4のヌクレオチド位置4440〜3253、395アミノ酸。誘導可能
な遺伝子産物はメチルトランスフェラーゼである。配列番号15および16、ORF5 : 配列番号4のヌクレオチド位置4578〜6197、539アミノ酸。誘導可能
な遺伝子産物は、環化反応を行うC−C結合酵素である。配列番号17および18、ORF6 : 配列番号4のヌクレオチド位置6211〜7404、397アミノ酸。誘導可能
な遺伝子産物はメチルトランスフェラーゼである。配列番号19および20、ORF7 : 配列番号4のヌクレオチド位置7401〜8300、299アミノ酸。誘導可能
な遺伝子産物はメチルトランスフェラーゼである。配列番号21および22、ORF8 : 配列番号4のヌクレオチド位置8300〜9466、388アミノ酸。誘導可能
な遺伝子産物は、環化反応に関係する酵素である。配列番号23および24、ORF9 : 配列番号4のヌクレオチド位置10572〜9562、336アミノ酸。誘導可
能な遺伝子産物は2,3−還元酵素である。配列番号25および26、ORF10 : 配列番号4のヌクレオチド位置12029〜10569、486アミノ酸。誘導
可能な遺伝子産物は2,3−脱水酵素である。配列番号27および28、ORF11 : 配列番号4のヌクレオチド位置12549〜12109、146アミノ酸。誘導
可能な遺伝子産物はチオエステラーゼと同族性を有する。配列番号29および30、ORF12 : 配列番号4のヌクレオチド位置13865〜12546、439アミノ酸。誘導
可能な遺伝子産物はグリコシルトランスフェラーゼである。配列番号31および32、ORF13 : 配列番号4のヌクレオチド位置14245〜15633、462アミノ酸。誘導
可能な遺伝子産物は3,4−脱水酵素である。配列番号33および34、ORF14 : 配列番号4のヌクレオチド位置15671〜16828、385アミノ酸。誘導
可能な遺伝子産物は4−アミノトランスフェラーゼである。配列番号35および36、ORF15 : 配列番号4のヌクレオチド位置16831〜17580、249アミノ酸。誘導
可能な遺伝子産物はN−ジメチルトランスフェラーゼである。配列番号37および38、ORF16 : 配列番号4のヌクレオチド位置18930〜18205、241アミノ酸。誘導
可能な遺伝子産物は3,4−還元酵素である。配列番号39および40、ORF17 : 配列番号4のヌクレオチド位置19025〜19861、278アミノ酸。誘導
可能な遺伝子産物は転写調節因子である。配列番号41および42、ORF18配列番号5のヌクレオチド位置116−7903、アミノ酸位置1〜2595 : ヌクレオチド位置128−1402、アミノ酸位置5−429、β−ケトアシル
:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置1691−2656、アミノ酸位置526−847、アシルト
ランスフェラーゼドメインをコードする。 ヌクレオチド位置2798−3052、アミノ酸位置895−979、β−ケト
アシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置3107−4372、アミノ酸位置998−1419、β−ケ
トアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置4688−5662、アミノ酸位置1525−1849、アシ
ルトランスフェラーゼドメインをコードする。 ヌクレオチド位置6587−7138、アミノ酸位置2158−2341、ケト
還元酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置7409−7666、アミノ酸位置2432−2517、β−
ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードする。配列番号43および44、ORF19配列番号5のヌクレオチド位置7921−14379、アミノ酸位置1〜215 : ヌクレオチド位置8029−9318、アミノ酸位置37−466、β−ケトア
シル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置9634−10608、アミノ酸位置572−896、アシル
トランスフェラーゼドメインをコードする。 ヌクレオチド位置10705−11259、アミノ酸位置929−1113、脱
水酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置12043−13080、アミノ酸位置1375−1720、
エノイル還元酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置13093−13635、アミノ酸位置1725−1905、
ケト還元酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置13885−14142、アミノ酸位置1989−2074、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードする。配列番号45および46、ORF20配列番号5のヌクレオチド位置14424−23936、アミノ酸位置1〜31 70 : ヌクレオチド位置14523−15824、アミノ酸位置34−467、β−ケ
トアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置16110−17075、アミノ酸位置563−884、アシ
ルトランスフェラーゼドメインをコードする。 ヌクレオチド位置17997−18536、アミノ酸位置1192−1371、
ケト還元酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置18795−19052、アミノ酸位置1458−1543、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置19107−20389、アミノ酸位置1562−1988、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置20718−21692、アミノ酸位置2099−2423、
アシルトランスフェラーゼドメインをコードする。 ヌクレオチド位置22620−23171、アミノ酸位置2733−2916、
ケト還元酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置23436−23693、アミノ酸位置3005−3090、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードする。配列番号47および48、ORF21配列番号5のヌクレオチド位置23983−38757、アミノ酸位置1〜49 24 : ヌクレオチド位置24082−25392、アミノ酸位置34−470、β−ケ
トアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置25696−26661、アミノ酸位置572−893、アシ
ルトランスフェラーゼドメインをコードする。 ヌクレオチド位置26761−27315、アミノ酸位置927−1111、脱
水酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置28231−28782、アミノ酸位置1417−1600、
ケト還元酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置29035−29265、アミノ酸位置1685−1761、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置29329−30624、アミノ酸位置1783−2214、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置30928−31902、アミノ酸位置2316−2640、
アシルトランスフェラーゼドメインをコードする。 ヌクレオチド位置32827−33378、アミノ酸位置2949−3132、
ケト還元酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置33652−33900、アミノ酸位置3224−3306、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置33952−35262、アミノ酸位置3324−3760、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置35554−36522、アミノ酸位置3858−4180、
アシルトランスフェラーゼドメインをコードする。 ヌクレオチド位置37453−37998、アミノ酸位置4491−4672、
ケト還元酵素ドメインをコードする。 ヌクレオチド位置38254−38511、アミノ酸位置4578−4843、
β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードする。配列番号49および50、ORF22配列番号5のヌクレオチド位置38808−50000および配列番号6のヌク レオチド位置1−5574、アミノ酸位置1〜5588 : 配列番号5のヌクレオチド位置38907−40226、アミノ酸位置34−4
73、β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコード
する。 配列番号5のヌクレオチド位置40494−41453、アミノ酸位置563−
882、アシルトランスフェラーゼドメインをコードする。 配列番号5のヌクレオチド位置41556−42119、アミノ酸位置917−
1104、脱水酵素ドメインをコードする。 配列番号5のヌクレオチド位置43017−43568、アミノ酸位置1404
−1587、ケト還元酵素ドメインをコードする。 配列番号5のヌクレオチド位置43833−44090、アミノ酸位置1676
−1761、β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードす
る。 配列番号5のヌクレオチド位置44151−45473、アミノ酸位置1782
−2222、β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインを
コードする。 配列番号5のヌクレオチド位置45765−46730、アミノ酸位置2320
−2641、アシルトランスフェラーゼドメインをコードする。 配列番号5のヌクレオチド位置46827−47459、アミノ酸位置2674
−2884、脱水酵素ドメインをコードする。 配列番号5のヌクレオチド位置48378−48935、アミノ酸位置3191
−3376、ケト還元酵素ドメインをコードする。 配列番号5のヌクレオチド位置49182−49412、アミノ酸位置3459
−3535、β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードす
る。 配列番号5のヌクレオチド位置49482−50000および配列番号6のヌク
レオチド位置1−759、アミノ酸位置3559−3984、β−ケトアシル:
アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメインをコードする。 配列番号6のヌクレオチド位置1084−2049、アミノ酸位置4093−4
414、アシルトランスフェラーゼドメインをコードする。 配列番号6のヌクレオチド位置2146−2697、アミノ酸位置4447−4
630、脱水酵素ドメインをコードする。 配列番号6のヌクレオチド位置3604−4155、アミノ酸位置4933−5
116、ケト還元酵素ドメインをコードする。 配列番号6のヌクレオチド位置4420−4677、アミノ酸位置5205−5
290、β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメインをコードする。 配列番号6のヌクレオチド位置4864−5538、アミノ酸位置5353−5
577、チオエステラーゼドメインをコードする。配列番号52および53、ORF23 : 配列番号51のヌクレオチド位置344−1333、329アミノ酸。誘導可能
な遺伝子産物はdNDP−グルコース−4,6−脱水酵素である。配列番号54および55、ORF24 : 配列番号51のヌクレオチド位置1330−2247、305アミノ酸。誘導可
能な遺伝子産物はdNDP−4−ケト−6−デオキシグルコース−3,5−エピ
メラーゼである。
【0040】 5,6,5−三環体の環化に関係するORF5(配列番号16)およびORF
8(配列番号22)の産物は、異常な環化反応のために特に重要である。従って
、本発明は、特に相同核酸または相同遺伝子産物も含む。好ましくは、これらの
相同遺伝子産物は、少なくとも50%、好ましくは60%そして特に好ましくは
70%の一致をアミノ酸レベルで示す。
【0041】 さらに、本発明は、上記のポリペプチドに特異的に結合する抗体に関する。こ
のような抗体は、慣用の方法で産生される。これらの抗体は、例えば本発明の核
酸を内包する遺伝子ライブラリーの発現クローンを同定するために使用してもよ
い。
【0042】 本発明は、本発明の核酸を作製するための方法にも関する。本発明の核酸は、
慣用の方法で作製してもよい。例えば、全核酸分子を化学的に合成することが可
能である。本発明の核酸の短い部分を化学的に合成しそしてこのオリゴヌクレオ
チドを放射能または蛍光染料を用いて標識することも可能である。標識したオリ
ゴヌクレオチドは、生物体の遺伝子ライブラリーをスクリーニングするために使
用してもよい。標識したオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするクローンは、
関連DNAを単離するために選択される。単離されたDNAを特性決定した後、
本発明の核酸は、単純な方法で得られる。本発明の核酸は、化学的に合成された
オリゴヌクレオチドを用いるPCR法を用いて作製してもよい。
【0043】 本発明は、さらに本発明のポリペプチドを作製するための方法に関する。本発
明の核酸によりコードされるポリペプチドは、少なくとも1種の本発明の核酸を
含む宿主細胞を適当な条件下で培養して作製してもよい。所望のポリペプチドは
、引き続いて慣用の方法で細胞または培地から単離してもよい。ポリペプチドは
生体外の系内で作製してもよい。
【0044】 単離され特性決定された遺伝子クラスターおよび隣接または関連するDNA領
域は、直接または間接に生合成に関係する遺伝子または調節配列の遺伝子操作、
過剰または過少発現によりスピノシン生合成を増加するための標的である。これ
らの操作は、天然のスピノシン−産生生物体内および遺伝子的に操作されたスピ
ノシン産生生物体内の両方で行ってもよい。従って、例えば、慣用の強力なプロ
モーター、例えばプラスミドpIJ702のmelプロモーター(John Innes Fo
undation, Norwich, UK, 1985)の制御下に選択されたORFを配置することが可
能である。
【0045】 スピノシン生合成の遺伝子をクローニングおよび同定することにより、本発明
は、分子−遺伝子的方法を用いて新規のスピノシン前駆体およびスピノシン誘導
体を作製するための遺伝子的基礎を提供する。
【0046】 本明細書中に使用される用語「スピノシン前駆体」は、検出または仮定できる
すべての生合成スピノシン前駆体に関する。
【0047】 本明細書中に使用される用語「スピノシン誘導体」は、すべてのこれまでに既
知のスピノシンの構造誘導体に関する。
【0048】 従って、本発明は、スピノシン前駆体およびスピノシン誘導体を作製するため
の方法にも関する。
【0049】 例えば、コンビナトリアル(combinatorial) 生合成によりスピノシンアグリコ
ンの改変を有する新規のスピノシン誘導体を作製するために、本発明の核酸を使
用することができる。これは例えば、ORV19によりコードされそして酢酸単
位を組み込んだアシルトランスフェラーゼドメインを、プロピオン酸単位を組み
込んだアシルトランスフェラーゼと交換して達成してもよい。同様に、酢酸単位
を組み込んだORF18アシルトランスフェラーゼドメインは、プロピオン酸単
位を組み込んだアシルトランスフェラーゼドメインと交換することができる。さ
らに、上記の2個のORFによりコードされた両方またはそれぞれのケト還元酵
素について、不活性化されたドメインを、不活性ケト還元酵素ドメインにより置
換するかまたは欠失することが可能であり、そしてその結果、ヒドロキシル基を
巨大環内の適当な位置に生合成的に生成できる。すべてのアシルトランスフェラ
ーゼ、ケト還元酵素、脱水酵素、エノイル還元酵素、β−ケトアシル:アシルキ
ャリヤータンパク質およびチオエステラーゼドメインは、個別またはあらゆる組
み合わせで、適当なポリケチド合成酵素ドメインにより種々の基質特異性または
反応特異性をもって置換されてもよく、あらゆる組み合わせで互いに融合されて
も、個別またはあらゆる組み合わせで突然変異されても、欠失または重複されて
もよい。さらに、モジュールコード化配列を交換することも可能である。従って
、モジュール2−コード化DNA配列(図6)をモジュール1−またはモジュー
ル3、4、5、6、7、8−または9−コード化DNA配列(図6)と置換しそ
してこれらを機能的に発現すことも考えられる。モジュール2コード化DNA配
列またはスピノシンポリケチド合成酵素遺伝子クラスターのあらゆるその他のモ
ジュールコード化DNA配列を、種々の生合成伸長単位を組み込んだスピノシン
ポリケチド合成酵素遺伝子クラスターの種々のモジュール−コード化DNA配列
と交換することも考えられる。さらに、スピノシンポリケチド合成酵素遺伝子ク
ラスターのあらゆるその他のモジュール−コード化DNA配列は、S.スピノサ
またはS.スピノサ以外のあらゆる生物体、例えばサッカロポリスポラ・エリト
ラエ(Saccharopolyspora erythraea) からの種々のポリケチド合成酵素核酸配列
の種々のモジュールコード化DNA配列と交換してもよい。これらの変性は、E
T組換え(WO99/29837 号、Muyrers et al., 1999) またはその他のクローニング
および組換え技術を使用して行ってもよい。
【0050】 従って、本発明は、本来的または遺伝子的に操作されたスピノシンポリケチド
合成の成分であるすべてのモジュール−またはドメイン−コード化核酸にも関す
る。
【0051】 本明細書中に使用される用語「モジュール」は、生合成伸長単位による成長ポ
リケチド鎖の伸長に導く3個の酵素−触媒活性ドメインの組を意味する。これら
のドメインは、β−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質合成酵素ドメイン
、アシルトランスフェラーゼドメインおよびβ−ケトアシル:アシルキャリヤー
タンパク質ドメインである。モジュールは、ケト還元酵素ドメイン、脱水酵素ド
メイン、エノイル還元酵素ドメインおよびチオエステラーゼドメインを有しても
よい。生合成の開始における「負荷」モジュールは、上記のドメインからアシル
トランスフェラーゼおよびβ−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質ドメイ
ン、さらに酵素的に不活性のβ−ケトアシル:アシルキャリヤータンパク質合成
酵素ドメインのみを有することができる。ポリケチド合成酵素ドメインは、これ
らの記載の酵素活性のいずれか一つを含んでなる。
【0052】 さらに、本発明の核酸は、組換えポリケチド合成酵素核酸配列、組換えポリケ
チド合成酵素タンパク質または組換えにより作製したポリケチドのライブラリー
を作製するために、コンビナトリアル生合成の過程の間に、スピノシンポリケチ
ド合成酵素核酸配列の組換えおよび発現によりまたはS.スピノサまたはその他
の生物体、例えばサッカロポリスポラ・エリタエ(Saccharopolyspora erythaea)
からの種々のポリケチド合成酵素コード化核酸配列のポリケチド合成酵素核酸と
の組み合わせおよび発現により、使用されてもよい。これらのポリケチドは、本
発明の核酸を使用して、またはその誘導可能な産物が他の糖類の生合成およびア
グリコンにカプリングに関係する他の核酸を用いてグリコシル化されてもよい。
アグリコングリコシル化は、作用部位における生物学的活性に決定的な役を演じ
ることが知られている。上記の改変は、本来的および遺伝子的の両方で操作され
たスピノシン−産生生物体、特には細菌内で遂行してもよい。さらに、ET組換
え(WO99/29837 号、Muyrers et al., 1999) またはその他のクローニングおよび
組換え技術を利用して該改変を行うことも可能である。
【0053】 本発明の核酸、ベクターおよび調節または遺伝子的な可動性領域も、ポリペプ
チドをコードする遺伝子の発見のために使用してもよく、これらは、機能的に類
似したポリケチド合成または糖類の生合成に関係する機能的に類似した産物をコ
ードする。
【0054】 本発明の核酸は、S.スピノサゲノムの伸長部分を構成しているので、本発明
の核酸は、S.スピノサゲノムの配列決定のための標識として使用してもい。こ
れは、ゲノム配列決定プロジェクトの部分配列の整列を著しく容易にする。
【0055】 従って、本発明の核酸は、増加するスピノシン産生のためのゲノム配列決定プ
ロジェクトおよびこれらに基づく代謝操作の枠組み内で使用できるデータを提供
する。実施例 細菌株およびプラスミド 大腸菌XL1−Blue MRF’およびコスミドベクターSuperCos
1(Stratagene, Europe)およびpOJ446(Biermann et al., 1992) をS.ス
ピノサATCC49460(American Type Culture Collection, U.S.A., 欧州
特許公開(EP-A)第0375316 号) の遺伝子ライブラリー確立に使用した。大腸菌J
M110(Stratagene, Europe)を、形質転換によりストレプトミセスへ転移され
たプラスミドを増殖するように使用した。ストレプトミセス アルブス(Strepto
myces albus)J1074(Chater and Wilde, 1980; John Innes Institute in N
orwich, UK) をスピノシン生合成遺伝子を用いる非相同発現および生体内変換の
ために使用した。
【0056】 プラスミドpBeloBAC11(Kim et al., 1992)およびpOJ446(Bie
rmann et al., 1992) を大腸菌−ストレプトミセスBACシャトルベクターを作
製するために使用した。分子生物学的方法 分子生物学的方法、例えばDNA制限、DNAのアガロースゲル電気泳動、制
限断片の結合、大腸菌の培養および形質転換は、サンブルックら(Sambrook et a
l., 1992) の記載に従って行った。プラスミドをキアジェン・プラスミド・キッ
ト(Qiagen Plamid Kit, Qiagen, Hilden, Germany)を用いて単離した。使用した
酵素は、ロッシェ・ディアグノティクス有限会社(Roche Diagnostics GmbH, Man
nheim, Germany) からのものであった。
【0057】 S.スピノサおよびストレプトミセスのための培養条件および分子−遺伝的方
法は、ホプウッドら(Hopwood et al., 1985)中に記載されたいる。液状培地内の
すべてのS.スピノサおよびストレプトミセス培養は、三角フラスコ中、28℃
で有酸素的に行った。
【0058】 DNA−DNAハイブリダイゼーションは、製造者の情報(Roche Diagnostics
GmbH, Mannheim, Germany) に従ってDIG−ハイ−プライム(DIG-High-Prime)
DNA標識および検出キットを用いて行った。 培地: LB サンブルックら、1989 TS ディフコ注文番号0 370−17−3(Difco Detroit, MI, USA) P5A イリングら(Illing et al., 1985)コスミドS.スピノサ遺伝子ライブラリーの作製 S.スピノサ遺伝子ライブラリーを得るために、染色体S.スピノサATCC
49460 DNAをMboIを用いて部分的に切断し、そしてグルコース密度
勾配中で遠心分離して分別した。コスミドDNA(SuperCos1, Stratagene, Euro
pe) を製造者の情報に従って作製し、35〜45kbのS.スピノサDNA断片
と結合し、そしてジガパック・パッケージングシステム(Gigapack packaging sy
stem, Stratagene, Europe) を用いてファージ粒子内にパッケージした。トラン
スフェクションは、大腸菌XL−1 blue MRF’内で行った。同様に、
この方法を大腸菌−ストレプトミセス シャトルコスミドpOJ446を用いる
第二のS.スピノサ遺伝子ライブラリーの構築の目的に使用した。スピノシン生合成遺伝子クラスターおよびこのクラスターの外部ではあるがしか しその産物はスピノシンの生合成中に関係するDNA断片の配列決定 SuperCos1コスミド16−1−8、16−59−1および16−59
−8の挿入DNAを配列決定した。コスミド16−59−1と16−1−8との
間の約4kbギャップをプライマーウオーキング(primer walking)を用いてコス
ミド16−59−6の相当する部分領域を配列決定して閉じた。
【0059】 SuperCos1コスミド16−2−2上の約2.3kb DNA配列を配
列決定した。スピノシン生合成遺伝子配列を有するS.スピノサBACシャトルベクター遺伝 子ライブラリーからの染色体DNA断片の同定および特性決定 大腸菌内のみでなく放線菌類、例えばストレプトミセス内へ転移および繁殖で
きるBACシャトルベクターを、ベクターpBeloBAC11をXhoIを用
いて線状化しそしてクレノウ(Klenow)ポリメラーゼを適用して平滑化DNA末端
を作製して作製した。プラスミドSCP2* の複製開始点を有するコスミドベク
ターpOJ446の約6kb DraI−EcoRV DNA断片、アプラマイ
シン(apramycin) 耐性遺伝子および接合性転移のためのoriTも線状化BAC
ベクターを用いて結合した。得られたベクターをpEBZ333と名付けた。
【0060】 株S.スピノサATCC49460の部分的にMboI切断したゲノムDNA
およびBamHI−切断ベクターpEBZ333から出発して、BAC遺伝子ラ
イブラリーを確立した。スピノシン生合成に直接または間接的に関係するDNA配列のオープンリーディ ングフレームの分析およびアノテーション 配列番号1〜3に記載の配列から出発して、スピノシンの生合成に直接または
間接的に関係するオープンリーディングフレーム(ORF)を同定した。これら
のORFは、DNA領域1およびDNA領域2(図2および5)と名付けられそ
して配列番号4または5および6に記載の配列を有する2個のDNA領域に分割
された。DNA領域1は、その産物がスピノシンアグリコンの改変および三環形
成に関係するオープンリーディングフレームを有し、一方DNA領域2(図2、
5および6)は、その産物がスピノシンポリケチド合成酵素をコードするオープ
ンリーディングフレームを含んでなる。これらのDNA領域のそれぞれの場合に
最初のヌクレオチド2個は、たがいに直接隣接して位置する(図2、3および5
)。
【0061】 別のDNA領域3(配列番号51)は、DNA領域のこのクラスターの外部に
位置し、そして、その産物が同様にスピノシン糖トリメチルラムノースの生合成
に関係するオープンリーディングフレームを有する。トレーサー(R) (Tracer)からのスピノシンアグリコンおよび17−シュードアグ リコンの作製 市場で入手できる製品のトレーサー(R) 18.7gから出発して、スピノシン
AおよびD8.92gが、凍結乾燥およびシリカゲル上のカラムクロマトグラフ
ィーの後に比率82:18で得られた。
【0062】 アミノ糖ホロサミンを還流しながらエタノール中で2.7N硫酸を用いて加水
分解した。この過程中で、スピノシンA/D 17−シュードアグリコンの大部
分が沈降した。それ以上の17−シュードアグリコンの他に、少量から中程度の
量のスピノシンアグリコンが、反応時間によっては濾液中に見いだされた。
【0063】 アグリコンへの完全な加水分解は、いくらかさらに過激な条件下で達成された
(還流しながらメタノール中、7.2N硫酸)。アグリコン画分はスピノシンA
アグリコンのみを含んでいた。これは、同様の反応条件下でのスピノシンDシュ
ードアグリコンの完全な分解が記載されている文献(Creemer et al., 1998)と良
く一致する。著者らによると、その理由は、スピノシンD中の5,6二重結合が
さらに容易にプロトン化されて第三級炭素カチオンが形成され次いで転位するた
めであろう。
【0064】 従って、市場で入手できるトレーサー(R) 18.7gから出発して、スピノシ
ンAアグリコン3.0gを作製することが可能である。
【0065】
【化1】
【0066】 トレーサー(R) からスピノシンA/Dの製造 トレーサー(R) 18.7gの凍結乾燥は、灰色固体10.0gを生成する。シ
リカゲル800cm3 上のこの固体のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジク
ロロメタン/メタノール95:5)により、純粋のスピノシンA/D8.92g
(82%A、18%D)が得られた。 −DC:Rf (SiO2 、ジクロロメタン/メタノール9:1)=0.46。 − 1H−NMR:CDCl3 、δ=6.77(s,13−H);5.88(d,
スピノシンAの5−H);5.80(m,スピノシンAの6−H);5.49(
m,スピノシンDの5−H);4.87(d,1’−H);4.67(m,21
−H);4.43(d,1”−H);4.31(m,9−H)など。−LC/M
S:エレクトロスプレー法、陽イオン;室温、44.0分のピーク:m/z=7
33(100%)〔M+H〕+ (スピノシンA);室温、44.7分のピーク:
m/z=747(100%)〔M+H〕+ (スピノシンD)。スピノシンA/D 17−シュードアグリコンの作製 スピノシンA/D8.65g(11.81ミリモル)をエタノール61ml中
に溶かしそして水104mlおよび4N H2 SO4 208mlと混合した。還
流しながら3時間加熱した後、沈降した固体(A)を濾過して除きそして濾液(
B)とは別に処理した。固体(A)を1N H2 SO4 を用いて洗浄し、ジクロ
ロメタン140ml中に取り込み、飽和NaHCO3 溶液および飽和NaCl溶
液を用いて順番に洗浄し、Na2 SO4 上で乾燥しそして減圧下で濃縮した。エ
タノールからの再結晶によりスピノシンA/D 17シュードアグリコン3.0
3gおよび母液(C)が得られた。濾液(B)をジクロロメタンを用いて数回抽
出した。抽出液を飽和NaHCO3 溶液および飽和NaCl溶液を用いて順番に
洗浄し、Na2 SO4 上で乾燥しそして減圧下で濃縮した。残留物を母液(C)
と一緒にし、減圧下で濃縮しそして650cm3 シリカゲル上のカラムクロマト
グラフィー(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチル1:1、次いで100%酢酸
エチル)により分別した。追加のスピノシンA/D 17シュードアグリコン1
.76gの他に、スピノシンAアグリコン0.78g(16%)が得られた。ス
ピノシンA/D 17シュードアグリコンの全収量は4.79g(69%)であ
った。−a)スピノシンA/D 17シュードアグリコン(82%A、18%D
);DC:Rf (SiO2 、酢酸エチル)=0.48。− 1H−NMR:CDC
3 、δ=6.78(s,13−H);5.88(d,スピノシンAの5−H)
;5.80(m,スピノシンAの6−H);5.49(m,スピノシンDの5−
H);4.86(d,1’−H);4.70(m,21−H);4.32(m,
9−H)など。−LC/MS:エレクトロスプレー法、陽イオン;室温、40.
7分のピーク:m/z=609(100%)〔M+NH4+ 、m/z=641
(10%)〔M+NH4 +CH3 OH〕+ (スピノシンAシュードアグリコン)
;室温、41.4分のピーク:m/z=623(100%)〔M+NH4+
m/z=655(8%)〔M+NH4 +CH3 OH〕+ (スピノシンDシュード
アグリコン)。−b)スピノシンAアグリコン:DC:Rf (SiO2 、酢酸エ
チル)=0.29。− 1H−NMR:CDCl3 、δ=6.80(s,13−H
);5.89(d,5−H);5.80(m,6−H);4.70(m,21−
H);4.44(m,9−H)など。−LC/MS:エレクトロスプレー法、陽
イオン;室温、36.8分のピーク:m/z=420(100%)〔M+NH4
+ 、m/z=452(10%)〔M+NH4 +CH3 OH〕+スピノシンA/Dアグリコンの作製 スピノシンA/Dシュードアグリコン4.30g(7.29ミリモル)をメタ
ノール190ml中に溶かしそして7.2N H2 SO4 285mlと混合した
。還流しながら3時間加熱した後、冷却した反応混合物を注意して飽和NaHC
3 溶液1700mlに加えた。混合物をジエチルエーテルを用いて抽出し、飽
和NaHCO3 溶液および飽和NaCl溶液を用いて順番に洗浄し、Na2 SO 4 上で乾燥しそして減圧下で濃縮した。650cm3 シリカゲル上でこの固体を
カラムクロマトグラフィー処理(溶離剤:シクロヘキサン/酢酸エチル1:2、
次いで100%酢酸エチル)して、スピノシンAアグリコン1.88g(64%
)が得られた。−DC:Rf (SiO2 、酢酸エチル)=0.29。− 1H−N
MR:CDCl3 、δ=6.80(s,13−H);5.89(d,5−H);
5.80(m,6−H);4.70(m,21−H);4.44(m,9−H)
など。−LC/MS:エレクトロスプレー法、陽イオン;室温、36.6分のピ
ーク:m/z=420(100%)〔M+NH4+ 、m/z=452(14%
)〔M+NH4 +CH3 OH〕+ (スピノシンAアグリコン)。スピノシンアグリコンのホロサミニル化およびスピノシン糖生合成遺伝子を非相 同的に発現する組換えストレプトミセス株を用いる生体内変換によるスピノシン アグリコンへのトリメチルラムノース糖の付加 アプラマイシン5μg/mlを含むR5A培地(Illing et al., 1989) 20m
lに、組換え株S.アルブス(165−1)またはS.アルブス(165−8)
の菌糸体を用いて接種しそして好気的に28℃で24時間インキュベーションし
た。この培養物に、作製したスピノシンアグリコン(メタノール中の1%力価原
液100μl;その作製は、「トレーサー(R) からスピノシンアグリコンおよび
17−シュードアグリコンの製造」、「トレーサー(R) からスピノシンA/Dの
製造」および「スピノシンA/Dアグリコンの作製」の項参照)50μg/ml
を加えそして混合物を好気的に28℃で約120時間インキュベーションした。
対照としてS.アルブス(pEBZ340;約1.8kbを有するベクターpO
J446、コスミド16−1−8からのDNA領域を有するスピノシン−PKS
)を同じ方法で培養しそしてスピノシンアグリコンと混合した。インキュベーシ
ョンの後、培養物を遠心分離して細胞菌糸体を除去し、そして上清(20ml)
をメタノール25mlと混合した。
【0067】 それぞれメタノールと混合した培養物上清35mlを凍結乾燥し、水15ml
中に取り込み、そしてそれぞれ酢酸エチル10mlを用いて2回抽出した。一緒
にした有機相を乾燥するまで蒸発しそしてメタノール350μl中に取り込んだ
。この抽出液の試料を陽イオン化エレクトロスプレーを用いるLC/MSにより
分析した。
【0068】 S.アルブス(165−1)培養物上清は、ホロサミニル化スピノシンAアグ
リコンおよびスピノシンAの分子量を有する化合物を含んでいた。 ピーク1:室温=41.0分:m/z=544(100%)〔M+H〕+ 、m/
z=576(16%)〔M+H+CH3 OH〕+ (ホロサミニル化スピノシンA
アグリコン);LC/MS/MS:m/z=142(38%)(ホロサミン断片
)。
【0069】
【化2】
【0070】 ピーク2:室温=44.2分:m/z=733(100%)〔M+H〕+ (スピ
ノシンA);LC/MS/MS:m/z=142(21%)(ホロサミン断片)
【0071】 S.アルブス(165−8)培養物上清は、ホロサミニル化スピノシンAアグ
リコンの分子量を有する化合物を含んでいた。 ピーク1:室温=40.9分:m/z=544(100%)〔M+H〕+ 、m/
z=576(16%)〔M+H+CH3 OH〕+ (ホロサミニル化スピノシンA
アグリコン);LC/MS/MS:m/z=142(39%)(ホロサミン断片
)。
【0072】 S.アルブス(pEBZ340)培養物上清は、MW543の化合物もスピノ
シンAも含んでいなかった。スピノシン糖生合成遺伝子を非相同的に発現する組換えストレプトミセス株を用 いる生体内転換によるスピノシン17−シュードアグリコンのホロサミニル化 アプラマイシン5μg/mlを含むR5A媒体(Illing et al., 1989) 20m
lを、組換え株S.アルブス(165−1)またはS.アルブス(165−8)
の菌糸体を用いて接種しそして好気的に28℃で24時間インキュベーションし
た。この培養物に、作製したスピノシン17−シュードアグリコン(メタノール
中の1%力価原液100μl;その作製は、「トレーサー(R) からスピノシンア
グリコンおよび17−シュードアグリコンの製造」、「トレーサー(R) からスピ
ノシンA/Dの製造」および「スピノシン17−シュードアグリコンの作製」の
項参照)50μg/mlを加えそして混合物を好気的に28℃で約120時間イ
ンキュベーションした。インキュベーションの後、培養物を遠心分離して細胞菌
糸体を除去し、そして上清(20ml)をメタノール25mlと混合した。
【0073】 メタノールと混合した培養物上清それぞれ35mlを凍結乾燥し、水15ml
中に取り込み、そしてそれぞれ酢酸エチル10mlを用いて2回抽出した。一緒
にした有機相を乾燥するまで蒸発しそしてメタノール350μl中に取り込んだ
。この抽出液の試料を陽イオン化エレクトロスプレーを用いるLC/MSにより
分析した。
【0074】 S.アルブス(165−1)培養物上清は、痕跡量のスピノシンAおよびDを
含んでいた。 ピーク1:室温=44.2分:m/z=733(100%)〔M+H〕+ (スピ
ノシンA);LC/MS/MS:m/z=142(8%)(ホロサミン断片) ピーク2:室温=44.7分:m/z=747(100%)〔M+H〕+ (スピ
ノシンD);LC/MS/MS:m/z=142(37%)(ホロサミン断片)
【0075】 S.アルブス(165−8)培養物上清は、痕跡量のスピノシンAおよびDを
含んでいた。 ピーク1:室温=44.1分:m/z=733(100%)〔M+H〕+ (スピ
ノシンA)。 ピーク2:室温=44.7分:m/z z=747(100%)〔M+H〕+
スピノシンD)。微生物の寄託 下記の微生物およびプラスミドは、ドイツ微生物および細胞培養物集積所有限
会社(Deutsche Sammlung von Mikrooroganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ),
Mascheroder Weg 1b, D-38124 Brunswick) に、ブダペスト条約(Budapest Trea
ty)の要求にしたがって寄託された。 微生物およびプラスミド 寄託日付および番号 大腸菌XL1-Blue MRF' コスミド16-1-8を含む DSM 12961 1999-08-02 大腸菌XL1-Blue MRF' コスミド16-2-2を含む DSM 12962 1999-08-02 大腸菌XL1-Blue MRF' コスミド16-59-1 を含む DSM 12963 1999-08-02 大腸菌XL1-Blue MRF' コスミド16-59-6 を含む DSM 12964 1999-08-02 大腸菌XL1-Blue MRF' コスミド16-59-8 を含む DSM 12965 1999-08-02 大腸菌XL1-Blue MRF' コスミド165-1 を含む DSM 13005 1999-08-18 大腸菌XL1-Blue MRF' コスミド165-8 を含む DSM 13007 1999-08-18 大腸菌DH10B BAC シャトルベクタークローン P8/G11を含む DSM 13012 1999-08-18 大腸菌DH10B BAC シャトルベクタークローン P10/B10 を含む DSM 13011 1999-08-18 大腸菌DH10B BAC シャトルベクタークローン P11/G6を含む DSM 13010 1999-08-18
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 スピノシン糖D−ホロサミンおよび2,3,4−トリ−O−メチル−L−ラム
ノースの生合成のためのモデル。
【図2】 スピノシン生合成に直接または間接に関係するDNA領域1(配列番号4)お
よびDNA領域2(配列番号5および6)の位置。図の下部の黒色棒はたがいに
そしてDNA領域1および2に関係するコスミドDNA挿入物の位置を図示する
。図示したコスミド挿入物は、配列番号1〜3の配列決定に使用された。
【図3】 スピノシンアグリコンおよびスピノシンシュードアグリコンの生体内変換によ
るホロサミン残基またはトリメチルラムノース残基を付加させるために使用され
た該コスミドの挿入DNA(図の下部の黒色棒)の位置の図示。
【図4】 コスミド16−2−2上の配列番号51に相当するDNA領域3のオープンリ
ーディングフレーム(ORF)の図示、
【図5】 DNA領域1および2のオープンリーディングフレーム(ORF)の図示。O
RFは配列番号7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、2
7、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47および49
に相当して1〜22と番号付けしてある。
【図6】 DNA領域2(配列番号5および6)のオープンリーディングフレーム(OR
F)および誘導可能なモジュールおよびドメインの図示。SM:開始モジュール
、M1〜M10 モジュール1〜モジュール10、KS:β−ケトアシル;アシ
ルキャリヤータンパク質合成酵素、AT:アシルトランスフェラーゼ、ACP:
β−ケトアシル;アシルキャリヤータンパク質、KR:ケト還元酵素、DH:脱
水酵素、ER:エノイル還元酵素、TE:チオエステラーゼ。
【図7】 図の下部に黒色棒としてBACシャトルクローン内に挿入されたDNAの位置
の図示。挿入されたDNAの大きさは、少なくとも100kbである。連続棒:
DNA配列がDNA領域1の一部分および全DNA領域2と一致(P11/G6
およびP11/B10)、または全DNA領域1および全DNA領域2の一部分
と一致する(P8/G11)。断続棒:DNA配列の配列決定した領域より外に
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/02 C12N 9/90 4H045 9/10 C12P 19/62 9/90 C12Q 1/68 A C12P 19/62 C12R 1:01 C12Q 1/68 C12N 15/00 A //(C12N 1/21 5/00 C C12R 1:01) (C12P 19/62 C12R 1:01) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 フレデ,リタ ドイツ・デー−40789モンハイム・ヘーア ベーク58 (72)発明者 フエルテン,ロベルト ドイツ・デー−56061ケルン・ハーネンベ ーク2 (72)発明者 サラス,ホセ・エイ スペイン33006オビエド・2−バジヨイス ダ・ギレルモエストラダ Fターム(参考) 4B024 AA01 BA07 BA08 BA10 BA67 DA05 EA03 EA04 FA15 GA11 HA01 4B050 CC03 DD02 LL05 4B063 QA01 QQ43 QR32 QR55 QS34 4B064 AF53 CA03 CA19 CC24 DA02 4B065 AA01X AA01Y AA50X AB01 AC14 BA02 CA34 CA44 CA47 4H045 AA11 CA11 DA75 FA74

Claims (72)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピノシンの生合成に関係する酵素活性をコードする少なく
    とも1個の領域を含んでなる核酸。
  2. 【請求項2】 一本鎖または二本鎖状DNAまたはRNAであることを特徴
    とする、請求項1記載の核酸。
  3. 【請求項3】 DNA断片であることを特徴とする、請求項2記載の核酸。
  4. 【請求項4】 スピノシンの生合成に関係する酵素活性をコードするすべて
    の領域を含んでなることを特徴とする、請求項3記載の核酸。
  5. 【請求項5】 酵素活性がポリケチド合成酵素、メチルトランスフェラーゼ
    、グリコシルトランスフェラーゼ、エピメラーゼ、アミノトランスフェラーゼ、
    ジメチルトランスフェラーゼ、還元酵素、脱水酵素および/または環化酵素のも
    のであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか記載の核酸。
  6. 【請求項6】 サッカロポリスポラ・スピノサ(Saccharopolyspora spinosa
    ) に由来することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか記載の核酸。
  7. 【請求項7】 (a)配列番号1、2、3、4、5、6、7、9、11、1
    3、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、3
    7、39、41、43、45、47、49、51、52または54に記載の配列
    、 (b)(a)項において定義した配列の全長中で少なくとも14塩基対の部分配
    列、 (c)(a)項において定義した配列にハイブリダイズする配列、 (d)(a)項において定義した配列に少なくとも70%一致する配列、 (e)(a)項において定義した配列に相補的である配列、および (g)遺伝暗号の縮重のために、(a)〜(d)項において定義した配列と同じ
    アミノ酸配列をコードする配列 から選択された少なくとも1個の配列を含んでなる、請求項1記載の核酸。
  8. 【請求項8】 配列番号1〜6に記載の配列を含んでなることを特徴とする
    、請求項7記載の核酸。
  9. 【請求項9】 配列番号4に記載の配列を含んでなることを特徴とする、請
    求項7記載の核酸。
  10. 【請求項10】 配列番号5および6に記載の配列を含んでなることを特徴
    とする、請求項7記載の核酸。
  11. 【請求項11】 配列番号7、9、11、13、15、17、19、21、
    23、25、27、29、31、33、35、37または39に記載の少なくと
    も1個の配列を含んでなることを特徴とする、請求項7記載の核酸。
  12. 【請求項12】 配列番号41、43、45、47または49に記載の少な
    くとも1個の配列を含んでなることを特徴とする、請求項7記載の核酸。
  13. 【請求項13】 サッカロポリスポラ・スピノサ中における請求項1から7
    までのいずれか記載の核酸の転写を制御する調節領域。
  14. 【請求項14】 請求項1から12までのいずれかに記載の核酸および少な
    くとも1個の非相同プロモーターを含んでなる、DNA構築物。
  15. 【請求項15】 請求項1から12までのいずれか記載の少なくとも1個の
    核酸、請求項13記載の調節領域または請求項14記載のDNA構築物を含んで
    なるベクター。
  16. 【請求項16】 核酸が、原核または真核細胞内の核酸のコード領域の発現
    を確実にする調節配列に機能的に連結していることを特徴とする、請求項15記
    載のベクター。
  17. 【請求項17】 BACベクター、PACベクターまたはBACまたはPA
    Cベクターに機能的に等価のベクターであることを特徴とする、請求項15また
    は16のいずれか記載のベクター。
  18. 【請求項18】 寄託番号DSM13010、DSM13011またはDS
    M13012を有するBACクローンに相当するベクターであることを特徴とす
    る、請求項17記載のベクター。
  19. 【請求項19】 原核生物および真核生物の両方へ転移できるシャトルベク
    ターであることを特徴とする、請求項15から18までのいずれか記載のベクタ
    ー。
  20. 【請求項20】 グラム陰性およびグラム陽性細菌へおよびアーキア(Arche
    a)への両方に転移できるシャトルベクターであることを特徴とする、請求項15
    から19までのいずれか記載のベクター。
  21. 【請求項21】 大腸菌(Escherichia coli)へおよび放線菌類(Actinomycet
    es) への両方に転移できるシャトルベクターであることを特徴とする、請求項1
    5から19までのいずれか記載のベクター。
  22. 【請求項22】 大腸菌へおよびストレプトミセス(Streptomyces)への両方
    に転移できるシャトルベクターであることを特徴とする、請求項21記載のベク
    ター。
  23. 【請求項23】 原核生物内で自律的に複製できることを特徴とする、請求
    項15から22までのいずれか記載のベクター。
  24. 【請求項24】 ファージΦC31組込み機構、pSAM2組込み機構また
    はミニ−サークル(mini-circle) 組込み機構の関与の下で原核生物のゲノム内に
    組み込むことができることを特徴とする、請求項15から22までのいずれか記
    載のベクター。
  25. 【請求項25】 RecA−媒介組換えにより原核生物のゲノム内に組み込
    むことができることを特徴とする、請求項15から22までのいずれか記載のベ
    クター。
  26. 【請求項26】 RecE−およびRecT−媒介組換えにより原核生物の
    ゲノム内に組み込むことができることを特徴とする、請求項15から22までの
    いずれか記載のベクター。
  27. 【請求項27】 請求項1から12までのいずれか記載の核酸、請求項13
    記載の調節領域、請求項14記載のDNA構築物または請求項15から26まで
    のいずれか記載の少なくとも1個のベクターを含んでなる宿主細胞。
  28. 【請求項28】 原核または真核細胞であることを特徴とする、請求項27
    記載の宿主細胞。
  29. 【請求項29】 原核細胞が、放線菌類の群、好ましくはストレプトミセス
    の群に属することを特徴とする、請求項28記載の宿主細胞。
  30. 【請求項30】 真核細胞が植物細胞であることを特徴とする、請求項28
    記載の宿主細胞。
  31. 【請求項31】 請求項1から7までのいずれか記載の核酸によりコードさ
    れるポリペプチド。
  32. 【請求項32】 メチルトランスフェラーゼ活性を有することを特徴とする
    、請求項31記載のポリペプチド。
  33. 【請求項33】 配列番号8、12、14,18もしくは20記載のアミノ
    酸配列またはこの部分配列を有することを特徴とする、請求項32記載のポリペ
    プチド。
  34. 【請求項34】 グリコシルトランスフェラーゼ活性を有することを特徴と
    する、請求項31記載のポリペプチド。
  35. 【請求項35】 配列番号10もしくは30記載のアミノ酸配列またはこの
    部分配列を有することを特徴とする、請求項34記載のポリペプチド。
  36. 【請求項36】 環化反応を行うC−C結合酵素の活性を有することを特徴
    とする、請求項31記載のポリペプチド。
  37. 【請求項37】 配列番号16記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項36記載のポリペプチド。
  38. 【請求項38】 環化反応に関係する酵素の活性を有することを特徴とする
    、請求項31記載のポリペプチド。
  39. 【請求項39】 配列番号22記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項38記載のポリペプチド。
  40. 【請求項40】 2,3−還元酵素活性を有することを特徴とする、請求項
    31記載のポリペプチド。
  41. 【請求項41】 配列番号24記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項40記載のポリペプチド。
  42. 【請求項42】 2,3−脱水酵素活性を有することを特徴とする、請求項
    31記載のポリペプチド。
  43. 【請求項43】 配列番号26記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項42記載のポリペプチド。
  44. 【請求項44】 チオエステラーゼ活性を有することを特徴とする、請求項
    31記載のポリペプチド。
  45. 【請求項45】 配列番号28記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項44記載のポリペプチド。
  46. 【請求項46】 3,4−脱水酵素活性を有することを特徴とする、請求項
    31記載のポリペプチド。
  47. 【請求項47】 配列番号32記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項46記載のポリペプチド。
  48. 【請求項48】 4−アミノトランスフェラーゼ活性を有することを特徴と
    する、請求項31記載のポリペプチド。
  49. 【請求項49】 配列番号34記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項48記載のポリペプチド。
  50. 【請求項50】 N−ジメチルトランスフェラーゼ活性を有することを特徴
    とする、請求項31記載のポリペプチド。
  51. 【請求項51】 配列番号36記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項50記載のポリペプチド。
  52. 【請求項52】 3,4−還元酵素活性を有することを特徴とする、請求項
    31記載のポリペプチド。
  53. 【請求項53】 配列番号38記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項52記載のポリペプチド。
  54. 【請求項54】 転写調節因子活性を有することを特徴とする、請求項31
    記載のポリペプチド。
  55. 【請求項55】 配列番号40記載のアミノ酸配列またはこの部分配列を有
    することを特徴とする、請求項54記載のポリペプチド。
  56. 【請求項56】 ポリケチド合成酵素活性を有することを特徴とする、請求
    項31記載のポリペプチド。
  57. 【請求項57】 配列番号42、44、46、48もしくは50記載のアミ
    ノ酸配列またはこの部分配列を有することを特徴とする、請求項56記載のポリ
    ペプチド。
  58. 【請求項58】 グルコース脱水酵素活性を有することを特徴とする、請求
    項31記載のポリペプチド。
  59. 【請求項59】 配列番号53記載のアミノ酸配列を有することを特徴とす
    る、請求項58記載のポリペプチド。
  60. 【請求項60】 3,5−エピメラーゼ活性を有することを特徴とする、請
    求項31記載のポリペプチド。
  61. 【請求項61】 配列番号55記載のアミノ酸配列を有することを特徴とす
    る、請求項60記載のポリペプチド。
  62. 【請求項62】 配列番号15もしくは22記載のアミノ酸配列または反応
    の少なくとも一部を行うことがまだ可能なその部分配列を含んでなりまたはアミ
    ノ酸レベルでこれに少なくとも50%一致することを特徴とする、環化反応に関
    係する酵素。
  63. 【請求項63】 請求項31から63までのいずれか記載のポリペプチドと
    特異的に反応する抗体。
  64. 【請求項64】 下記の工程 (a)それ自体公知の方法での完全な化学合成または (b)オリゴヌクレオチドの化学合成、オリゴヌクレオチドの標識付与、S.ス
    ピノサからのゲノムDNAもしくはmRNAから出発して作製されたゲノムもし
    くはcDNAライブラリーのDNAへのオリゴヌクレオチドのハイブリダイジン
    グ、陽性クローンの選択および陽性クローンからハイブリダイズしたDNAの単
    離または (c)オリゴヌクレオチドの化学合成およびPCRを用いる標的DNAの増幅 を含んでなる、請求項1から7までのいずれか記載の核酸を作製するための方法
  65. 【請求項65】 下記の工程 (a)請求項1から7までのいずれか記載の核酸の発現を確実化する条件下で請
    求項27から30までのいずれか記載の宿主細胞を培養し、または (a1)インビトロ系内で請求項1から7までのいずれか記載の核酸を発現し、
    そして (b)細胞、培地もしくは生体外系からポリペプチドを得る、 を含んでなる、請求項31から62までのいずれか記載のポリペプチド作製のた
    めの方法。
  66. 【請求項66】 下記の工程 (a)請求項1から7までのいずれか記載の核酸の発現を確実化する条件下での
    請求項27から30までのいずれか記載の宿主細胞を培養し、そして (b)細胞または培地からスピノシン、スピノシン前駆体またはスピノシン誘導
    体を得る、 を含んでなる、スピノシン、スピノシン前駆体またはスピノシン誘導体を作製す
    るための方法。
  67. 【請求項67】 下記の工程 (a)請求項7記載の少なくとも1個のモジュール−コード化核酸配列を、請求
    項7記載の少なくとも1個の他のモジュール−コード化核酸配列と交換し、また
    は (b)請求項7記載の少なくとも1個のモジュール−コード化核酸配列を、S.
    スピノサからの少なくとも1個の他のモジュール−コード化核酸配列と交換し、
    または (c)請求項7記載の少なくとも1個のモジュール−コード化核酸配列を、S.
    スピノサ以外の生物体からの少なくとも1個の他のモジュール−コード化核酸配
    列と交換し、または (d)請求項7記載の少なくとも1個のドメイン−コード化核酸配列を、請求項
    7記載の少なくとも1個の他のドメイン−コード化核酸配列と交換し、または (e)請求項7記載の少なくとも1個のドメイン−コード化核酸配列を、S.ス
    ピノサからの少なくとも1個の他のドメイン−コード化核酸配列と交換し、また
    は (f)請求項7記載の少なくとも1個のドメイン−コード化核酸配列を、S.ス
    ピノサ以外の生物体からの少なくとも1個の他のドメイン−コード化核酸配列と
    交換し、または (g)請求項7記載の第一のアシルトランスフェラーゼ−コード化核酸配列を、
    請求項7記載の第二のアシルトランスフェラーゼコード化核酸配列と交換し、こ
    こで第二のアシルトランスフェラーゼは第一のアシルトランスフェラーゼのもの
    とは異なる基質特異性を有し、または (h)請求項7記載の第一のアシルトランスフェラーゼ−コード化核酸配列を、
    S.スピノサからの第二のアシルトランスフェラーゼコード化核酸配列と交換し
    、ここで第二のアシルトランスフェラーゼは第一のアシルトランスフェラーゼの
    ものとは異なる基質特異性を有し、または (i)請求項7記載の第一のアシルトランスフェラーゼ−コード化核酸配列を、
    S.スピノサ以外の生物体からの第二のアシルトランスフェラーゼコード化核酸
    配列と交換し、ここで第二のアシルトランスフェラーゼは第一のアシルトランス
    フェラーゼのものとは異なる基質特異性を有し、または (j)請求項7記載の少なくとも1個のドメイン−コード化核酸配列を欠失させ
    、または (k)請求項7記載の少なくとも1個のドメイン−コード化核酸配列を、請求項
    7記載のモジュールコード化核酸配列中に組込み、または (l)請求項7記載の少なくとも1個のドメイン−コード化核酸配列を突然変異
    させ、 そしてスピノシン誘導体またはスピノシン前駆体の合成を可能とする条件下で宿
    主細胞内に組換え核酸配列を発現することを含んでなる、スピノシン前駆体を含
    むスピノシン誘導体を作製するための方法。
  68. 【請求項68】 スピノシン生合成遺伝子を同定、不活性化および/または
    改変するための、請求項1から7までのいずれか記載の核酸の使用。
  69. 【請求項69】 ポリケチド合成酵素のライブラリーを作製するための、請
    求項1から7までのいずれか記載の核酸の使用。
  70. 【請求項70】 下記の工程 (a)配列番号23、25、29、31、33、35および37記載の核酸を、
    スピノシンアグリコンもしくはスピノシン17−シュードアグリコンもしくはポ
    リケチドアグリコンを産生できる宿主細胞内に転移し、または (a1)配列番号23、25、29、31、33、35および37記載の核酸を
    、スピノシンアグリコンもしくはスピノシン17−シュードアグリコンもしくは
    ポリケチドアグリコンを産生できない宿主細胞内に転移しそしてスピノシンアグ
    リコンもしくはスピノシン17−シュードアグリコンもしくはポリケチドアグリ
    コンを培地内に加え、そして (b)宿主細胞を活性細胞代謝に導く条件下で培養する、 を含んでなる、スピノシンアグリコンまたはスピノシン17−シュードアグリコ
    ンまたはポリケチドアグリコンにホロサミン糖残基を付加するための方法。
  71. 【請求項71】 下記の工程 (a)配列番号7、9、11、13、17および/または19記載の核酸を、ス
    ピノシンアグリコンもしくはスピノシン9−シュードアグリコンもしくはポリケ
    チドアグリコンを産生できる宿主細胞内に転移し、または (a1)配列番号7、9、11、13、17および/または19記載の核酸を、
    スピノシンアグリコンもしくはスピノシン9−シュードアグリコンもしくはポリ
    ケチドアグリコンを産生できない宿主細胞内に転移しそしてスピノシンアグリコ
    ンもしくはスピノシン9−シュードアグリコンもしくはポリケチドアグリコンを
    培地内に加え、そして (b)宿主細胞を活性細胞代謝に導く条件下で培養する、 を含んでなる、スピノシンアグリコンまたはスピノシン9−シュードアグリコン
    またはポリケチドアグリコンにトリメチルラムノース糖残基を付加するための方
    法。
  72. 【請求項72】 工程(a)において、配列番号9、11、13および17
    記載の核酸が転移される、請求項71記載の方法。
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