JP2000515390A - 新規ポリケチド誘導体およびそれを製造するための組換え方法 - Google Patents

新規ポリケチド誘導体およびそれを製造するための組換え方法

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JP2000515390A JP10549352A JP54935298A JP2000515390A JP 2000515390 A JP2000515390 A JP 2000515390A JP 10549352 A JP10549352 A JP 10549352A JP 54935298 A JP54935298 A JP 54935298A JP 2000515390 A JP2000515390 A JP 2000515390A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、マクロラクトン環上のメチル基が−H、−Etおよび/または−OHで置換され、エチル側鎖がヒドロキシメチルまたはジヒドロキシシクロヘキシルメチル側鎖で置き換えられた新規エリスロマイシン誘導体を提供する。また、本発明は、単離されたポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むベクターおよび新規化合物を製法するための該ベクターで形質転換した宿主細胞も提供する。遺伝子工学技術を利用する化合物の製法も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】新規ポリケチド誘導体およびそれを製造するための組換え方法 本出願は1991年1月17日に出願された同時係属米国特許出願第07/6 52,734号の一部継続出願である1997年5月16日に出願された同時係 属米国特許出願第08/858,003号の一部継続出願である。 発明の分野 本発明は、新規ポリヌクレオチド配列、それによりコードされているポリケチ ドの生合成に関与する蛋白質、それらのポリヌクレオチド配列を用いる新規ポリ ケチドの生合成に向けられている方法およびそれから生産される新規ポリケチド 誘導体に関する。特に、本発明は、ポリケチドシンターゼをコードする遺伝子の 操作による新規ポリケチド誘導体の生産に関する。 発明の背景 ポリケチドはエリスロマイシン、テトラサイクリン、アンフォテリシン、ダウ ノルビシン、アベルメクチンおよびラパマイシンのような多くの重要な抗生物質 、抗真菌剤、抗癌剤、抗蠕虫剤および免疫抑制化合物を含む天然物の大きなクラ スである。 それらの合成は、後に成熟ポリケチドに変換される種々の長さおよび置換パター ンの炭素鎖を生じるアシルエステルの順序立てた縮合によって進行する。この工 程は似ているが重要な差異がある脂肪酸生合成として長い間認識されてきた。脂 肪酸シンターゼとは異なり、典型的なポリケチドシンターゼは、炭素鎖組立ての 間に多くの選択をなすようにプログラムされている。例えば、「開始剤」および 「延長剤」ユニットの選択があり、これはポリケチドシンターゼによって規定配 列におけるアセテート、プロピオネートまたはブチレート残基からしばしば選択 される。それを完全に省略するいくつかの縮合工程後における還元−脱水−還元 の全サイクルの使用、または2つの不完全なサイクルのうち1つ(還元のみまた は還元に続いて脱水)の使用の選択がそれ以外にプログラムされており、ケトも しくはビロキシル基のパターンおよび鎖中の異なる点における飽和の程度を決定 する。最後に、炭素原子のうちの多くにおける置換基についての立体化学はポリ ケチドシンターゼによってプログラムされている。 Streptomycesおよび密接に関連するSaccharopolys pora属は非常に多様なポリケチド代謝を 有する生産菌である。これらの化合物の商業的重要性のため、Streptom ycesおよびSaccharopolyspora遺伝学の研究において多大 な努力が費やされてきた。その結果、これらの生物について多くが知られ、それ らの形質転換のためのいくつかのクローニングベクターおよび技術が存在してい る。 多くのポリケチドが同定されてきたが、増強された特性を持つ新規ポリケチド 構造体を得る要望が依然として存在する。このような分子を得るための現在の方 法は、天然単離体のスクリーニングおよび存在するポリケチドの化学的修飾を含 み、その双方はコスト高であって時間を消費する。現在のスクリーニング方法は 、分子の総特性、すなわち、抗菌活性、抗真菌活性等に基づいており、得られた 分子の構造の先験的知識または増強された特性の予備決定は共に実質的に不可能 である。予め存在する構造の化学的修飾は新規ポリケチドを得るためにうまく用 いられているが、得られる化合物のタイプの現実的な制限に悩まされ、修飾を行 うための多段工程による低収率および利用可能な化学に大いに関係している。達 成するのが特に困難な修飾は、炭素側鎖の付加または欠失を含むものである。従 って、こ のような変化が特定でき、コスト的に有利であって高収率で行うことができる分 子を得るというかなりの要望が存在する。 本発明は、化学修飾よりもむしろ、試薬(具体的には、ポリヌクレオチド、該 ポリヌクレオチドを含むベクターおよび該ベクターを含む宿主細胞)およびde novo生合成によって新規ポリケチドを生成する方法を提供することによっ て、これら課題を解決する。 発明の要約 1つの観点において、本発明は、式:[式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、Qから選択され、こ こに、Qは(a)−H、(b)−Me、(c) −Et、および(d)−OHよりなる群から選択され;R7は−Et、−HOM e、および13−3,4−ジヒドロシクロヘキシルメチルよりなる群から選択さ れ;L1およびL2は独立して−Hまたは−OHであり;L3はD−デスオサミン または−OHであり;およびL4はL−ミカロース、L−クラジノースまたは− OHであり、但し、R7が−EtであってR1−R5が−Meである場合、R6は− Hまたは−Me以外である] で示される化合物を提供する。本発明の好ましい化合物は、Qが前記(a)、( b)および(c)または前記(a)、(b)および(d)または前記(a)、( c)および(d)または前記(b)、(c)および(d)または前記(a)およ び(b)または前記(a)および(c)または前記(a)および(d)または前 記(b)および(c)または前記(c)および(d)よりなる群から選択され、 R7が−Etであって、L1、L2、L3およびL4が前記定義のものであるもので ある。他の好ましい化合物はR1、R2、R3、R4、R5およびR6が全て−Hまた は−Etまたは−OHであり、R7が−Etであって、L1、L2、L3およびL4 が前記定義のものを含む。さらに他の好ましい化合物は式Xの化合物のジデスメ チル、トリデスメチル、 テトラデスメチル、ペンタデスメチルおよびヘキサデスメチル誘導体、特にエリ スロマイシンAおよびBのジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−およびヘキサデス メチル誘導体を含む。式Xの他の特に好ましい化合物は、6,10−ジデスメチ ル−6−エチルエリスロマイシンA、10,12−ジデスメチル−12−デオキ シ−12−エチルエリスロマイシンA、10,12−ジデスメチル−12−デオ キシ−10−ヒドロキシエリスロマイシンA、6,10,12−トリデスメチル −6,12−ジエチルエリスロマイシンA、6,10,12−トリデスメチル− 6−デオキシ−6,12−ジエチルエリスロマイシンA、10−ジデスメチルエ リスロノリドB、10−デスメチル−6−ジオキシエリスリノリドB、12−デ スメチルエリスロノリドB、12−デスメチル−6−デオキシエリスリノリドB 、12−デスメチル−12−エチルエリスリノリドB、6−デスメチル−6−デ オキシ−6−エチルエリスリノリドB、10−デスメチルエリスロマイシンA、 10−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンA、10−デスメチル−6 ,12−ジデオキシエリスロマイシンA、12−デスメチルエリスロマイシンA 、12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンA、12 −デスメチル−6,12−ジデオキシエリスロマイシンA、6−デスメチル−6 −エチルエリスロマイシンA、12−デスメチル−12−エチルエリスロマイシ ンA、12−デスメチル−12−デオキシ−12−エチルエリスロマイシンA、 10−デスメチル−10−ヒドロキシエリスロマイシンA−12−デスメチル− 12−エピヒドロキシエリスロマイシンA−10,12−デスメチルエリスロマ イシンA、10,12−ジデスメチル−12−デオキシエリスロマイシンA、1 0,12−ジデスメチル−6,12−ジデオキシエリスロマイシンA、10−デ スメチルエリスリノリドB、10−デスメチル−6−デオキシエリスリノリドB 、12−デスメチルエリスリノリドB、12−デスメチル−6−デオキシエリス リノリドB、10−デスメチルエリスロマイシンA、10−デスメチル−12− デオキシエリスロマイシンA、10−デスメチル−6,12−ジデオキシエリス ロマイシンA、12−デスメチルエリスロマイシンA、12−デスメチル−12 −デオキシエリスロマイシンA、12−デスメチル−6,12−ジデオキシエリ スロマイシンA、10,12−ジデスメチルエリスロマイシンA、10,12− ジデスメチル−12−デオキシエリスロマイシンAおよび10,12 −ジデスメチル−6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを含む。最も好まし い化合物は、10−デスメチルエリスロマイシンA、10−デスメチル−12− デオキシエリスロマイシンA、12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイ シンA、8−デスメチル−8−ヒドロキシエリスロマイシンA、6−デスメチル −6−エピエリスロマイシンA、4−デスメチル−4−ヒドロキシエリスロマイ シンA、2−デスメチル−2−ヒドロキシエリスロマイシンA、13−デスメチ ル−13−ヒドロキシメトールエリスロマイシンA、2,12−ジデスメチル− 2,12−ジヒドロキシエリスロマイシン、4,10−ジデスメチル−4,10 −ジヒドロキシエリスロマイシン、10,12−ジデスメチル−10−ヒドロキ シエリスロマイシン、6,10−ジデスメチル−6−エチル−10−ヒドロキシ エリスロマイシンAおよび13−デスエチル−13−(3’,4’−ジヒドロキ シシクロヘキシル)メチルエリスロマイシンAを含む。 もう1つの観点において、本発明は、Streptomyces hygro scopicus、Streptomyces venezuelaeおよびS treptomyces caelestisから選択されるPKSからの酵素 的に活性 なアシルトランスフェラーゼドメインをコードする単離されたポリヌクレオチド 配列またはその断片を提供する。好ましくは、ポリヌクレオチド配列は配列番号 :1、配列番号:2、配列番号:29または配列番号:30である。もう1つの 好ましい実施態様において、ポリヌクレオチド配列は配列番号:31、配列番号 :32、配列番号:33および配列番号:34よりなる群から選択されるアシル トランスフェラーゼドメインをコードする。 また、本発明は、Streptomycesからの酵素的に活性なアシルトラ ンスフェラーゼドメインをコードするポリヌクレオチド配列またはその断片を含 むベクターを提供する。好ましくは、ポリヌクレオチド配列は前記したものから 選択され、該StreptomycesはStreptomyces hygr oscopicus、Streptomyces venezuelaeまたは Streptomyces caelestisである。特に好ましいベクター はpCSSである。本発明の他のベクターはpUC18/LigAT2、pEr yAT1/LigAT2、pEryAT2/LigAT2、pUC18/ven AT、pEryAT1/venAT、pUC 19/rapAT14、pEryAT1/rapAT14、pEryAT2/r apAT14、pUC/5’−flank/ethAT、pUC/ethAT/ C−6、pEAT4、pUC18/NidAT6、pEryAT2/NidAT 6、pEyAtS/NidAT6およびpEryATs/rapligase3 .0を含む。 もう1つの観点において、本発明は前記したベクターで形質転換した宿主細胞 を提供する。宿主細胞は細菌細胞であって、好ましくは、E.coliおよびB acillus種よりなる群から選択される。代わりに、該宿主細胞はポリケチ ド生産微生物である。好ましいポリケチド−生産宿主細胞はSaccharop olyspora種、Nocardia種、Micromonospora種、 Arthrobacter種、Streptomyces種、Actinoma dura種およびDactylosporangium種よりなる群から選択さ れる。なおより好ましいポリケチド−生産宿主細胞はSaccharopoly spora hirsuta、Micromonospora rosaria 、Micromonospora megalomicea、Streptom yces antibioticus、Streptomyces mycar ofaciens、Streptomyces avermitilis、St reptomyces hygroscopicus、Streptomyce s caelestis、Streptomyces tsukubaensi s、Streptomyces feadiae、Streptomyces platensis、Streptomyces violaceoniger 、Streptomyces ambofaciens、Streptomyc es griseoplanus、およびStreptomyces vene zuelaeよりなる群から選択される。これらの宿主細胞のうち、Sacch aropolysporaerythraea、Streptomyces h ygroscopicus、Streptomyces venezuelae およびStreptomyces caelestisが最も好ましい。 また、本発明は、 (a)第1および第2ゲノムDNAセグメントを単離し、各々はポリケチドシ ンターゼを含み、ここに第1ゲノムDNAセグ メントは第1ポリケチド生産微生物からのものであって第2ゲノムDNAセグメ ントは第1ポリケチド生産微生物または第2ポリケチド生産微生物からのもので あり; (b)第1ゲノムDNAセグメントの1またはそれ以上の異なる断片を同定し 、その各々はアシルトランスフェラーゼドメインをコードし; (c)第2ゲノムDNAセグメントの1またはそれ以上の異なる断片を同定し 、その各々は第1ゲノムDNAセグメントに関連しているドメインをコードし; (d)第1ゲノムDNAセグメントからの断片の1またはそれ以上を工程(c )からの断片の1またはそれ以上で置換することに導く、相同組換え事象の発生 に適した条件下で、工程(c)からの断片の1またはそれ以上で第1ポリケチド 生産微生物の細胞を形質転換する; 工程を含む第1ポリケチド生産微生物においてポリケチドシンターゼの基質特異 性を改変する方法を提供する。1つの実施態様において、第1ポリケチド生産微 生物はSaccharopolyspora eryth、raeaであり、第 2ポリケチド生産微生物はStreptomycesである。好ましい StreptomycesはStreptomyces antibiotic us、Streptomyces mycarofaciens、Strept omyces avermitilis、Streptomyces hygr oscopicus、Streptomyces caelestis、Str eptomyces tsukubaensis、Streptomyces fradiae、Streptomyces platensis、Strep tomyces violaceoniger、Streptomyces a mbofaciensおよびStreptomyces venezuelae よりなる群から選択される。なおさらに好ましいStreptomycesはS treptomyces caelestis、Streptomyces h ygros copicusまたはStreptomyces venezue laeである。第2の実施態様において、第1ポリケチド生産微生物は前記した Streptomycesであって第2ポリケチド生産微生物はStrepto myces erythraeaである。また、好ましい実施態様において、関 連ドメインは配列番号:31、配列番号:32、配列番号:33お よび配列番号:34よりなる群から選択される。 図面の簡単な記載 本発明は添付図面と関連してより容易に理解されるであろう。 図1はSac.erythraeaにおけるエリスロマイシンAの生合成の提 案された代謝経路である。 図2はエリスロマイシンPKSの模式図である。 図3はStreptomyces hygroscopicus(S.hyg roscopicus;LigAT2およびrapAT1−14)、Strep tomyces venezuelae(S.venezuelae;venA T)およびSaccharopolyspora erythraea(Sac .erythraea、eryAT1−6)からのATドメインの発達樹分析で ある。 図4aはSac.erythraeaにおけるEryAT1のLigAT2ま たはvenATでのおよびEryAT2のLigAT2での遺伝子置換の模式図 である。 図4bはSac.erythraeaにおけるEryAT4のエチルAT(N idAT5)での遺伝子置換の模式図である。 図5は相同組換えによる遺伝子置換の図である。 図6はS.hygroscopicus ATCC29253からのリガーゼ −PKSクラスターの遺伝的組織の模式図である。 図7はLigATのヌクレオチド配列(配列番号:1、頂部鎖)および対応す るアミノ酸配列(配列番号:31、底部鎖)、S.hygroscopicus ATCC29253のLigase−PKSクラスターのモジュール2からの マロニルATドメインを表す。 図8はLigAT2ドメインをクローン化するストラテジーの図である。 図9はプラスミドpCS5におけるEryAt1フランキング領域のクローニ ングの系統線図である。 図10はpEryAT1/LigAT2の構築を示す系統線図である。 図11はプラスミドpCS5におけるEryAT2フランキング領域のクロー ニングの系統線図である。 図12はpEryAT2/LigAT2の構築を示す系統線図である。 図13はvenATのヌクレオチド配列(配列番号:2、頂 部鎖)および対応するアミノ酸配列(配列番号:32、底部鎖)、S.vene zuelae ATCC15439からのPKSクラスターからのマロネートA Tドメイン(以後、pven4という)を表す。 図14はvenATドメインをクローン化するストラテジーの図である。 図15はpEryAt1/venATの構築を示す系統線図である。 図16はrapAT14ドメインをクローン化するストラテジーの図である。 図17はpEryAT1/rapAT14の構築を示す系統線図である。 図18はpEryAT2/rapAT14の構築を示す系統線図である。 図19はStreptomyces caelestisNRRL−2821 からのPKSクラスターの遺伝的組織の模式図である。 図20はニッダマイシンのマクロライド環の構造の図である。 図21はNidAT5のヌクレオチド配列(配列番号:29、 頂部鎖)および対応するアミノ酸配列(配列番号:33、底部鎖)、Strep tomyces caelestisNRRL−2821のモジュール5からの エチルATドメインを表す。 図22はpUC/ethAT/C−6の構築を示す系統線図である。 図23はNidAT5の5’末端にAvrII部位を生じるように作成された ヌクレオチド変化を示す図である。 図24は置換プラスミドpEAT4の図である。 図25はNidAT6のヌクレオチド配列(配列番号:30、頂部鎖)および 対応するアミノ酸配列(配列番号:34、底部鎖)、ニッダマイシンPKSクラ スターのモジュール6におけるATドメインを表す。 図26はNidAT6ドメインをクローン化するストラテジーの図表示である 。 図27はpEryAT2/NidAT6の構築を表す図である。 図28はプラスミドpCS5におけるEryATsフランキング領域のクロー ニングを示す系統線図である。 図29はpEryATs/NidAT6の構築を示す系統線 図である。 図30はpEyM1/NidAT6のクローニングを示す系統線図である。 図31はプラスミドpSL1180/ラプリガーゼ3.0の構築を示す系統線 図である。 図32はプラスミドpEryAts/ラプリガーゼ3.0の構築を示す系統線 図である。 発明の詳細な説明 I.定義 ここに開示されクレームされている本発明のために、以下の用語を定義する: 本明細書で用いる「ポリケチド」なる用語は、限定されるものではないが、抗 生物質、抗癌剤、抗蠕虫剤、抗菌類剤、色素および免疫抑制剤化合物を含めた天 然物の大きくて多様なクラスをいう。抗生物質は、限定されるものではないが、 アントラサイクリン、テトラサイクリン、ポリエーテル、ポリエン、アンサミシ ン、およびアベルメクチン、エリスロマイシンおよびニッダマイシンのような種 々のタイプのマクロライドを含む。ポリケチドなる用語は、また、化学合成にお ける中間体として 使用できるこのクラスの化合物をいうことを意図する。例えば、エリスロマイシ ンAは単離され、抗生物質クラリスロマイシンの化学合成で使用されるポリケチ ドである。中間体として使用されるポリケチドはそれ自体必ずしもいずれかの生 物学的もしくは治療活性を有しない。 本明細書で用いる「ポリケチド生産微生物」なる用語は、ポリケチドを産生で きる、Actinomycetales目、Myxococcales目または 他のEubacteriales目からの細菌を含むが、それらの限定されるも のではない。ポリケチドを産生するactinomycetesおよびmyxo bacteriaの例は、限定されるものではないが、Saccharopol yspora erythraea、Saccharopolyspora h irsuta、Micromonospora rosaria、Microm onospora megalomicea、Sorangium cellu losum、Streptomyces antibioticus、Stre ptomyces mycarfaciens、Streptomyces a vermitilis、Streptomyces hygroscop icus、Streptomyces caelestis、Streptom yces tsukubaensis、Streptomyces fradi ae、Streptomyces platensis、Streptomyc es violaceoniger、Streptomyces ambofa ciens、Streptomyces venezuelaeおよびポリケチ ドを産生する種々の他のStreptomyceS、Actinomadura 、DactylosporangiumおよびAmycolotopsis株を 含む。ポリケチドを産生する酵母および菌類も「ポリケチド−産生微生物」と考 えられる。ポリケチドを産生する菌類の例は限定されるものではないがAspe rgillus属を含む。 本明細書で用いる「ポリケチドシンターゼ」(PKS)なる用語はポリケチド の生合成を担う酵素活性の複合体をいう。PKSに含有される酵素活性は、限定 されるものではないが、β−ケトリダクターゼ(KR)、デヒドラターゼ(DH )、エノイルリダクターゼ(ER)、β−ケトアシルACPシンターゼ(KS) 、アシルキャリアー蛋白質(ACP)、アシルトランスフェラーゼ(AT)およ びチオエステラーゼ(TE)を含む。 各酵素活性を担うポリペプチド断片を「ドメイン」をいう。「モジュール」とは ポリケチド形成の工程における1つの縮合工程を行うドメインの群または組をい い、成長するポリケチドにおけるβ−カルボニル基のプロセッシングを行うドメ インを含んでも含まなくてもよい。 本明細書で用いる「タイプI PKS」とは、大きな多機能蛋白質である、P KSをいい、DEBS(後記参照)が例示される。用語「タイプII PKS」 とはいくつかの別々の殆んどが大きな単機能の酵素を有するPKSをいい、アク チノルホジンおよびテトラセノマイシンの生合成を担うPKSが例示される(C .R.HutchinsonおよびI.Fujii,Annu.Rev.Mic robiol.49:201−238(1995年))。 本明細書で用いる「同族ドメイン」なる用語は、天然に生じる単一モジュール を構成するドメインの特定の組のメンバーをいう。 本明細書で用いる「関連ドメイン」または「異種ドメイン」なる用語は、第2 PKSドメインに機能的に似ているPKSドメインをいう。「機能的に似ている 」とは、各ドメインがある 特定のタイプの反応を触媒するが、異なる基質に対して作用することを意味する 。例えば、Sac.erythaeaのモジュール1のATドメイン(eryA T1)およびS.hygroscopicusのモジュール14のATドメイン (rapAT14)は共に対応するACPドメインへの伸長ユニットの移動を触 媒する。しかしながら、Sac.erythraeaの場合、eryAT1は基 質としてメチルマロニルCoAを利用し、S.hygroscopicusにお いてはrapAT14はマロニルCoAを利用する。したがって、eryAT1 およびrapAT14は「関連する」または「異種」ドメインであると考えられ る。 本明細書で用いる「縮合」なる用語は、新生ポリケチド鎖への伸長ユニットの 付加をいい、PKSのKS、ATおよびACPドメインの作用を要する。 本明細書で用いる「開始剤」なる用語は、ポリケチドの第1の構築ブロックと してポリケチドシンターゼによって使用されるカルボン酸の補酵素Aチオエステ ルをいう。 本明細書で用いる「伸長」なる用語は第1位置以外の位置においてポリケチド シンターゼによってポリケチドに一体化され るジカルボン酸の補酵素Aチオエステルをいう。 本明細書で用いる「DEBS」なる用語は、ポリケチド−由来マクロラクトン 6−デオキシエリスロノリドB(6−DEB)を構築するPKS、酵素6−デオ キシエリスロノリドBシンターゼをいう。 本明細書で用いる「eryA」なる用語は、DEBSをコードする遺伝子をい う。 本明細書で用いる「相同組換え」なる用語は、同一配列を含むDNAストラン ド間の交差をいう。 本明細書で用いる「単離された」なる用語は、物質が、その本来の環境(例え ば、物質が天然に生じる天然環境)から取り出されることを意味する。例えば、 生きた動物に存在する天然に生じるポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離 されておらないが、天然系で共存する物質のいくらかまたは全てから分離された 同一ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。このようなポリヌ クレオチドはベクターの一部となりえおよび/またはこのようなポリヌクレオチ ドまたはポリペプチドは組成物の一部となりえ、依然として、ベクターまたは組 成物が天然環境の一部ではない点で単離されている。 本明細書で用いる「制限断片」なる用語は、1またはそれ以上の制限酵素の作 用によって生じたいずれの線状DNAをも表す。 本明細書で用いる「形質転換」なる用語は、微生物に挿入するのに使用される 方法を問わず、DNAの受容体微生物への導入をいう。 本明細書で用いる「レプリコン」なる用語は、細胞内でポリヌクレオチド複製 の自律単位として挙動するプラスミド、染色体またはウイルスのようないずれの 遺伝要素もいう。「ベクター」は、もう1つのポリヌクレオチド断片が付着され て、付着された断片の複製および/または発現を行うレプリコンである。 本明細書で用いる「組換えポリヌクレオチド」または「組換えポリペプチド」 なる用語は、その起源または操作によって、天然で会合しているおよび/または それが天然で連結しているもの以外のポリヌクレオチドまたはポリペプチドに連 結したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの全てまたは一部と会合していない 少なくともポリヌクレオチドまたはポリペプチドを意味する。 本明細書で用いる「宿主細胞」なる用語は、組換えポリヌク レオチドおよびここに提供されるベクターの受容体として使用される原核細胞ま たは真核細胞を共にいう。 本明細書で用いる「オープンリーディングフレーム」または「ORF」なる用 語は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の領域をいい;この領域 はコーディング配列またはの一部または全コーディング配列を表すことができる 。 II.本発明 最も広い意味において、本発明は、治療活性(例えば、抗菌剤、抗癌剤、抗真 菌剤、免疫抑制剤および/または抗蠕虫剤活性)を持つ新規ポリケチドおよびポ リケチドのような中間体化合物を含む。また、本発明は、天然にポリケチドを生 産する生物の遺伝情報を選択的に改変することによってインビボで新規ポリケチ ドを産生する方法を提供する。さらに、本発明は、ポリケチド−産生微生物から のPKSドメイン(すなわち、ポリペプチド)をコードする単離・精製されたポ リヌクレオチド、その断片、それらのポリヌクレオチドを含有するベクター、お よびそれらのベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。これらのポリヌク レオチド、その断片、およびポリヌクレオチドを含むベクターは前記方法におけ る試薬として使用できる。 ここに開示するポリヌクレオチド配列の一部は、DNAの増幅用のプライマーと して、または他のポリケチド−産生微生物からの関連ドメインを同定するための プローブとしても有用である。 III.ポリヌクレオチド 本発明は、PKSドメイン(すなわち、ポリペプチド)をコードする単離・精 製されたポリヌクレオチドおよびポリペプチドの生産に関与するその断片を提供 する。本発明の範囲内に含まれるポリヌクレオチドはRNA、DNA、cDNA 、ゲノミックDNAおよび合成DNAの形態であってよい。DNAは二本鎖また は一本鎖であってよく、一本鎖はコーディング(センス)鎖または非コーディン グ(アンチセンス)鎖であってよい。ポリペプチドをコードするコーディング配 列はここに提供されるコーディング配列と同一であってよく、あるいは遺伝暗号 の重複性または縮重の結果として、ここに提供されるDNAとして同一のポリペ プチドをコードする異なるコーディング配列であってもよい。 ポリヌクレオチドは、特定のポリペプチドについてのまたはここに提供される ポリペプチド配列と機能的に同等であるポリ ペプチドについてのコーディング配列のみを含むことができる。加えて、本発明 は、ポリヌクレオチド欠失、置換または付加のような修飾を含む変異体ポリヌク レオチド、および該変異体ポリヌクレオチド配列に由来するポリペプチド修飾を 含む。また、本発明のポリヌクレオチドは、ここに提供されるコーディング配列 の天然に生じる対立遺伝子変異体であるコーディング配列を有することもできる 。 ここに提供されるポリヌクレオチド配列に従って構築されたプローブおよびプ ライマーも本発明の範囲内にあると意図され、種々のタイプの分析を供する種々 の方法で使用することができる。例えば、特定のドメインをコードするポリヌク レオチド配列に従ってプライマー配列を設計することができ、次いで、これを用 いて、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)およびリガーゼ鎖反応(LCR)のような よく知られた増幅技術を用い、同一または他の関連ドメインのポリヌクレオチド 配列を増幅することができる(PCRは米国特許第4,683,195号および 第4,683,202号に開示され、LCRは1989年6月16日に公開され たK.Backmanに対するEP−A−320308および1991年7月3 1日に公開されたK.Backman らに対するEP−A−439 182に開示されており、その全てをここに出典 明示して本明細書の一部とみなす)。他の増幅技術またはそれらの増幅技術の変 法(例えば、入れ子PCR)で使用されるプライマーの生成も本発明の範囲内に あると意図され、また、日常的な実行者の知識の範囲内にあると考えられる。 プローブおよびプライマーは、注目するポリヌクレオチドの保存されたヌクレ オチド領域から、または注目するポリヌクレオチドの非保存ヌクレオチド領域か ら設計することができる。一般に、核酸プローブは、最大特異性が望まれる場合 は、非保存またはユニーク領域から開発され、多遺伝子ファミリーの関連メンバ ーのヌクレオチド領域につき、または関連種においてアッセイする場合には、保 存領域から開発される。また、プローブは、放射性同位体または組換えライブラ リーのスクリーニング用の他の検出標識で標識することもできる。 プライマーおよびプローブを合成する種々の方法は、標識をプライマーまたは プローブに付着される方法のごとく、当該分野でよく知られている。例えば、慣 用的ヌクレオチドホスホルアミダイト化学およびApplied Biosys tems, Inc.(Foster City,CA)、Dupont(Wilmingt on,DE)またはMil1igen(Bedford,MA)から入手可能な 装置を用いて所望の核酸プライマーまたはプローブを合成するのは日常的事項で ある。本発明のプライマーまたはプローブのようなオリゴヌクレオチドを標識す るための多くの方法が記載されている。商業的に入手可能なプローブ標識キット は、Amersham LifeScience(Arlinton Heig hts,IL)、Promega(Madison,WI)、Enzo Bio chemical(New York,NY)およびC1ontech(Pal o Alto,CA)からのものを含む。 IV.ベクターおよび宿主細胞 本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターおよび本発明のベクター にて遺伝子的工学的に作成した宿主細胞を提供する。 a.ベクターおよび発現系 本発明は前記にて広く記載した1以上の配列を含む組換え構築体を含む。該構 築体は、それに本発明の配列が順方向または逆方向に挿入されたプラスミドもし くはウイルスベクターのよ うなベクターを含む。このようなベクターは原核生物または真核生物源からの染 色体、非染色体および合成配列を含む。非常に多数の適当なプラスミドおよびベ クターが当業者に知られており、商業的に入手できる。中間宿主におけるクロー ニングおよび発現で特に有用なベクターは、限定されるものではないが、(a) 細菌:pBR322(ATCC37017);pGEM(Promega Bi otec,Madison,WI)、pUC、pSPORT1およびpProE xl(Life Technologies,Gaithersburg,MD );pQE70、pQE60、pQE−9(Qiagen);pBs、phag escript、psiX174、pB1uescript SK、pBsKS 、pNH8a、pNH16a、 olla,CA);pTrc99A、pKK223−3、pKK233−3、p DR540、pRIT5およびpGEX4T よび(b)真核生物:pWLneo、pSV2cat、pOG pcDNA3.1(Invitrogen,Carlsbad,CA)を含む。 原核生物および真核生物で使用される他の適当なクローニングおよび発現ベクタ ーはManiatis,Molecular C1oning:A Labor ator Manual ,第2版(Co1d Spring Harbor,P ress,N.Y.,1982年)に記載されており、ここに出典明示して本明 細書の一部とみなす。しかしながら、一般に、宿主中で複製可能であって活性な 限り、いずれのプラスミドまたはベクターを用いることもできる。 もう1つの実施態様において、該構築体は、mRNA合成およびポリペプチド 生産を指令する、注目する配列に作動可能に連結した調節配列も含む発現ベクタ ーである。原核細胞および/または真核細胞で作動することが知られている調節 配列は、mRNA転写を調節するための誘導性および非誘導性ブロモーター、翻 訳開始のためのリボソーム結合部位、翻訳終止のための停止コドンおよび転写タ ーミネーターおよび/またはポリアデニル化シグナルを含む。加えて、発現ベク ターは発現を増幅するための適当な配列を含むことができる。 プロモーター領域はいずれかの所望の遺伝子から選択するこ とができる。特に指名された細菌プロモーターはLacZ、gpt、ラムダPR、 ラムダPL、trc、trp、ermEおよび(ermEとしても知られてい る)ermEP1 TGGのようなその誘導体(Bibb,M.J.ら、Mol ecu1ar Microbiology,14(3):533−545(19 94年))、melCIおよびactII(C.M.Kaoら、Science ,265:509−512(1994年))を含む。真核生物プロモーターはサ イトメガロウイルス(CMV)即初期、単純泡疹ウイルス(HSV)チミジンキ ナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルスからのLTR、マウスメタロ チオネイン−I、プリオン蛋白質およびニューロン特異的エノラーゼ(NSE) を含む。適当なプロモーターの選択は当業者の技量内のものである。加えて、組 換え発現ベクターは、安定に形質転換されたまたはトランスフェクトされた宿主 細胞の選択を可能とする複製起点および(抗生物質(例えば、ネオマイシン、ク ロラムフェニコール、アンピシリンまたはチオストレプトン)に対する耐性を付 与する遺伝子またはレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ)のような)等 の選択マーカーを含むであろう。 いずれかの発現ベクターにおいて、異種構造配列(すなわち、本発明のポリヌ クレオチド)は、翻訳開始および終止配列を用い適当な相で組み立てられる。所 望により、異種配列は、所望の特性、例えば、発現された組換え産物の安定化ま たは単純化された精製を付与するN−末端同定ペプチドを含めた融合蛋白質をコ ードするであろう。 真核生物発現ベクターは、また、一般的に、複製起点、注目する配列に作動可 能に連結された適当なプロモーターならびに必要な翻訳増強配列、ポリアデニル 化部位、転写終止配列、および5’フランキング非転写配列も含む。SV40ウ イルスゲノムに由来するDNA配列、例えば、SV40起源の初期プロモーター 、エンハンサーおよびポリアデニル化部位を用いて、必要な遺伝要素を供するこ とができる。このようなベクターは、また、遺伝子の転写を増加させるエンハン サー配列も含むことができる。エンハンサーは、その転写速度を増大させるよう にプロモーターに対して作用する、通常約10ないし300bpのDNAのシス −作用性要素である。その例は、複製起点の後期部位にあるSV40エンハンサ ー(bp100ないし270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハ ンサー、複製起 点の後期部位にあるポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサ ーを含む。 i.ベクター構築 適当なDNA配列は種々の手順によってベクターに挿入することができる。一 般に、部位特異的DNA切断は、これらの市販の酵素の製造業者によって一般的 に規定される条件下でDNAを適当な制限酵素で切断することによって行われる 。通常、約1マイクログラム(μg)のプラスミドまたはDNA配列は、37℃ での1ないし2時間のイキンキュベーションによって、約20マクイロリットル (μL)緩衝溶液中の1ユニットの酵素によって切断される。制限酵素とのイキ ンキュベーションの後、フェノール/クロロホルム抽出によって蛋白質を除去し 、エタノールでの沈殿によってDNAを回収することができる。切断された断片 は、日常的な実行者によって知られている方法に従い、ポリアクリルアミドまた はアガロースゲルを用いて分離することができる(Maniatisら、前掲) 。 連結は、標準的な緩衝液および温度条件を用い、(T4 DNAリガーゼ)お よびATPにて行われる。粘着末端連結は平滑末端連結よりも必要とするATP およびリガーゼが少ない。ベク ター断片を細菌アルカリ性ホスファターゼ(BAP)または子ウシ腸アルカリ性 ホスファターゼ(CIAP)で処理して、5’−リン酸を除去し、したがって、 ベクターの再連結を防ぐことができる。連結混合物を適当なE.coliのよう なクローニング宿主に形質転換し、成功した形質転換体を抗生物質耐性を含めた 方法によって選択し、次いで、正しい構築体につきスクリーニングすることがで きる。 ii.形質転換/トランスフェクション 宿主が組換えポリペプチドを産生するような、本発明の構築体での適当な宿主 の形質転換またはトランスフェクションは種々の方法で行うこともできる。例え ば、塩化カルシウムまたはポリエチレングリコール形質転換、塩化リチウムまた はリン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トラン スフェクション、またはエレクトロポレーションによって構築体を宿主細胞に導 入することができる。宿主細胞を形質転換/トランスフェクトするためのこれら および他の方法は日常的な実行者によく知られている(例えば、L.Davis ら、「Basic Methods in Molecular Biolog y」、第2版、AppletonおよびLang、 Paramount Publishing,East Norwalk,CT (1994年)およびD.A.Hopwoodら、Genetic Manip ulation of Streptomyces:a laboratory manual,The John Innes Foundation,No rwich,英国(1985年)参照)。 b.宿主細胞 1つの実施態様において、本発明は後記する組換え構築体を含有する宿主細胞 を提供する。1つの観点において、宿主細胞は、(例えば、組換えポリヌクレオ チド配列をクローニングしおよび/または確認する目的で)大規模ベースで本発 明のポリヌクレオチドを生産するのに用いられる、または経時的にこのようなポ リヌクレオチド配列を維持する手段としての(すなわち、維持または貯蔵株とし ての)「中間」宿主であり得る。「産生」宿主は、新規ポリケチドを生産するのに 使用される宿主細胞である。宿主細胞(中間または産生)は、哺乳動物細胞のよ うな高等真核細胞、または酵母細胞のような下等真核細胞、または細菌細胞のよ うな原核細胞であり得る。下等真核細胞は好ましい中間および産生宿主である。 適当な宿主の代表的な例は、E.coli、Bacillussubtili s、Sacharopolyspora erythraea、Strepto myces caelestis、Streptomyces hygrosc opicus、Streptomyces venezuelaeのような細菌 細胞;および属Arthrobacter、Micromonospora、N ocardia、Pseudomonas、Streptomyces、Sta phylococcusおよびSaccharopolyspora内の他の種 を含むが、(真核生物起源の)他のものを用いることもできる。宿主細胞のさら なる代表的例は(前記定義の)ポリケチド−産生微生物である。適当な宿主の選 択は、本明細書で供する教示からして当業者の範囲内にあると思われる。 宿主細胞は、クローニングベクターまたは発現ベクターであり得る本発明のベ クターで遺伝子工学的に作成される(導入し、形質転換し、トランスフェクトし 、結合し、またはエレクトロポレーションに付される)。遺伝子工学作成宿主細 胞は、プロモーターを活性化し、形質転換体を選択しするのに適するように修飾 された、または生合成基質の源としての通常の栄養培地 で培養することができる。温度、pH等のような培養条件は発現につき選択され た宿主細胞で従前に使用されたものであり、当業者に明らかであろう。 v.新規ポリケチドおよび新規ポリケチドを作成する方法 本発明は、新規ポリケチド、その中間体化合物、および新規ポリケチドの生産 方法も提供する。該方法はSac.erythraeaからのポリケチド生合成 遺伝子(すなわち、eryA遺伝子)ならびに他の公知ポリケチド−産生微生物 および/または推定ポリケチド−産生微生物(すなわち、既知のPKS配列にハ イブリダイズするが、そのポリケチド生産は知られていないヌクレオチド配列を 有するもの)からのものを利用する。 eryAおよびそれからのコードされたDEBSの組織化(図1および図2参 照)は1991年1月17日に出願された同時係属米国出願第07/652.7 34号に記載されており、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす。図2が 示すごとく、DEBSはモジュール中に組織化され、各モジュールは、延長ユニ ット、メチルマロニルCoAがまず開始剤ユニット、プロピオニルCoAに添加 され、次いで、順次成長するアシル鎖に添加されるそのモジュール内居住KS、 ATおよびACP ドメインの作用によって1つの縮合工程を担っている。伸長工程の正確な順序は 6つのモジュールの順序によって指令され:モジュール1は第1の縮合を決定し ;モジュール2は第2の縮合を決定し;モジュール3は第3の縮合を決定し;第 6の縮合工程が起こるまで後同様である。加えて、各縮合において成長するポリ ケチド鎖に取り込まれる伸長ユニットの選択は、全体的にまたは部分的には、各 モジュール内のATドメインによって決定される。DEBSの場合、取り込まれ た伸長ユニットは常にメチルマロネートである。したがって、6−デオキシエリ スロノリドBが順次の縮合を通じて成長する時は、2つの炭素が出来たばかりの 鎖に付加され、環中のC−12に対応する炭素で出発する、各他の炭素は側鎖と してメチル基を担う。 図2からも分かるように、各縮合後の成長する炭素鎖のプロセッシングは、各 モジュール内の情報によって決定される。したがって、縮合事象によって生じた β−ケト基のβ−ケト還元は、モジュール3を除く各モジュールにおける活性K Rドメインの存在によって決定して、第3のものを除く各縮合工程後に起こり、 他方、脱水およびエノール還元は、モジュール4におけるDHおよびERドメイ ンの存在によって決定した、第4の 縮合工程の後に起こる。一旦ポリケチド鎖が十分に合成されると、それは、モジ ュール6の端部に存在するTEドメインの作用によりPKSから放出され、環化 して多環ラクトン6−デオキシエリスロノリドBを形成し、引き続いてこれに、 その遺伝子がSac.erythraea染色体のエリスロマイシンクラスター に存在する一連の他の酵素が作用する(図1参照)。図1に示すごとく、エリス ロマイシンは、ポリケチド部位の合成の各工程における伸長ユニットとしてメチ ルマロネートの取り込みにより、2、4、6、8、10および12位にメチル側 鎖を担う。 本発明においては、所望の構造の新規ポリケチド分子は、ポリケチド−産生微 生物のゲノム中のPKS−コーディング配列へ特異的遺伝的改変を導入すること によって生成される。1以上の遺伝子またはその断片の改変は、(S.hygr oscopicusに見られるように)専ら種内にある遺伝子の操作により生じ ることができ(種内改変)、単一PKSクラスター内のみならず単一株内にある 異なるPKSクラスター間の遺伝子の操作を含む。専ら単一PKS内の遺伝子( すなわち、eryA)の操作を示す種内改変のいくつかの例は前記引用の米国特 許第07/624,734号に記載されている。あるいは、遺伝子またはその断 片は、異なるポリケチド−産生微生物のPKSからの1以上の関連ドメインをコ ードする異種遺伝子または遺伝子断片と交換することもできる(種間改変)。異 種遺伝子の交換から生じた新規ポリケチドのいくつかの例をここに提供する。 遺伝子操作が種内または種間で行われようがいずれであっても、PKS配列に 対する3つのタイプの改変を行うことができる:(i)モジュールに影響するが 、鎖成長の阻止を引き起こさないもの(タイプI改変);(ii)モジュール中 の単一機能に影響し、それにより鎖成長の阻止を引き起こすもの(タイプIIの 改変):および(iii)全モジユールに影響するもの(タイプIIIの改変) 。1つの実施態様において、タイプIの改変は、天然ポリケチドにおける特定位 置で見出される官能基および/または酸化の程度を特定するドメインの不活化に よって生じる。このようなドメインは、典型的には、β−ケトレダクターゼ、デ ヒドラターゼおよびエノールレダクターゼを含む。例えば、モジュール5のβ− ケトレダクターゼに対応する対立遺伝子は、β−ケトレダクターゼをコードする DNAの 実質的部分を欠失し(それにより不活性ドメインを生じさせる)ことによって変 異させることができ、これを用いて天然株における野生型対立遺伝子を置き換え ることができる。このような移行の結果、新規ポリケチドの5−オキソ−5,6 −ジデオキシ−3−α−ムカロシルエリスロノリドBが生産される。 別の実施態様において、タイプIの改変は、特定のPKS中の少なくとも1つ のドメインを、同一または第2のPKSからの少なくとも1つのドメインで置き 換えることによって生じる。このような関連ドメインは、(例えば、Sac.e rythraea、S.venezuelae、S.hygroscopicu sおよびS.caelestisのATドメインのような)異なるポリケチド− 産生微生物間に、または(例えば、S.hygroscopicusにおけるL igAT2およびrapAT1のような)単一種内に存在し得る。 ポリケチドシンターゼ、それらのドメインおよびドメインの機能的類似性を同 定する方法は当業者によく知られている。例えば、ポリケチドまたは推定ポリケ チド−産生微生物の染色体のPKS領域は、低または高ストリンジェンシーの条 件下で核酸プローブにハイブリダイズさせることによって同定すること ができる。高ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションは、一般に 、約65℃のインキュベーション温度にて0.15mM塩化ナトリウムおよび1 .5mMクエン酸三ナトリウム(0.1×SSC)よりなる緩衝液中で行われる (例えば、Maniatis、前掲、参照)。より距離が離れた関連PKS遺伝 子を検出するには、ハイブリダイゼーションは、低温インキュベーションおよび /または増大した量の塩化ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムの存在を含む 低ストリンジェンシー条件下で行われる(Maniatis、前掲、参照)。一 旦同定されると、染色体領域を単離し、適当なベクターにクローン化し、Seq uenase(US Biochemicals Corp.,Clevela nd,OH)のような通常の方法または市販の配列決定キットを用い、配列決定 することができる。染色体DNAを単離しクローン化する方法もまた当該分野で よく知られている(Maniatisら、前掲)。次いで、DNA配列およびポ リケチド生合成に関与する1以上のポリペプチドのそれに対する未知のアミノ酸 配列の比較から推定することができる。少なくとも約20%、より好ましくは約 25%同一性を示し、かつ保存された活性部位残基またはモ チーフを有する2つのアミノ酸配列は、機能的に類似のまたは同等のPKSドメ インを特定すると考えられる。このようなドメインを同定した後、モジュールの 数および組成ならびに特定のORF内のモジュールの配置を決定することができ る。 新しく定義されたPKSが既知構造のポリペプチドを生成する場合、β−カル ボニルプロセッシングおよび側鎖部位のタイプならびにポリペプチド骨格上での それらの位置決定をモジュール内の特定ドメインに関連付けることができる。モ ジュールはORF内で線形的に確立されているので、この関連付けは、PKSに おけるモジュール活性の順序(すなわち、どのモジュールが縮合工程を触媒する か)を決定することを可能とする。例えば、β−カルボニルプロセッシングおよ びポリペプチドにおける側鎖部位のタイプは、ORF内のドメインのパターンに 関連付けることができる化学基のパターンを生じる。所与の側鎖部位の特異的タ イプに基づき、次いで、モジュールのATドメインによって利用される特定の基 質を予測することができる。 ポリペプチド構造が未知である場合、理論的には、比較配列分析を単独で用い て、ATドメインの基質特異性を予測することができる。これを行うには、少な くとも2つ、好ましくは3 以上の、既知または特定基質を特定することが予測される配列を比較して、AT のそのファミリーにユニークな1以上の保存されたまたはコンセンサスモチーフ を決定することができる。このようなモチーフを有する未知ATを、次いで、特 定ファミリーに帰属させることができる。 代わりに、一次アミノ酸配列類似性または系統発生的関係に基づいてATドメ インをグループ分けするコンピュータープログラムを用い、比較分析を行うこと ができる。例えば、ラパマシインについてのPKS中の対応するATドメインと のDEBS中のATドメインのアミノ酸配列の比較分析を行って、特定ATドメ インによって使用された伸長ユニット(マロネートまたはメチルマロネート)が これらのドメイン間の配列同一性の程度と相関するか否かを決定する。ラパマシ インは14の縮合事象を介して組み立てられた大きなポリペプチドであり;ラパ マシインPKSは、その配列が既知ヌクレオチド配列から推定された14のAT ドメインを保有する(Aparicioら、Gene169:9−16(199 6年))。ラパマシインPKSの14のATドメインの、相互との、およびDE BSからの6つのATドメインとのアミノ酸配列比較は、ATドメインが、モジ ュー ル1、3、4、6、7、10および13が6つのエリスロマイシンATドメイン とでクラスターを形成し、モジュール2、5、8、9、11、12および14に おけるラパマシインATドメインが別のクラスターを形成した2つの区別される 群に入ることを示した(Haydockら、FEBs LettS.374:2 46−248(1995年))。ラパマシインのポリペプチド構造の調査は、メ チル側鎖が縮合工程1、3、4、6、7、10および13に対応するラクトン環 上の位置にあることを示し、これは、メチルマロネートがアシル鎖のこれらのセ クションの合成の間に伸長ユニットとして使用されたことを示唆する;縮合工程 2、5、8、9、11、12および14に対応するラクトン環の位置におけるプ ロトンは、マロネートがこれらのセクションの合成間に伸長ユニットして利用さ れたことを示唆した。また、ここに記載する2つのさらなるATドメイン、1i gAT2およびvenATは、ラパマシインPKSからの推定マロネートATド メインとクラスターを形成することが判明した(図3)。rapモジュール2、 5、8、9、11、12または14からのATドメイン、ならびにligAT2 およびvenATが伸長ユニットとしてマロネートを特定することを 予測した後、このようなドメインをコードするDNAを単離し、クローン化し、 これを用いて、DEBSのようなPKS中の1以上のATドメインをコードする DNAを置き換えて、新規ポリペプチドを生じさせることができる。 アミノ酸配列の「類似性」を決定するための技術は当該分野でよく知られてい る。一般に、2以上のポリペプチドを相互に整列させたとき、配列類似性とは、 同一であるか、あるいは電荷または疎水性のような類似の化学的および/または 物理的特性を保有する各ポリペプチド配列内の対応する位置におけるアミノ酸を いう。次いで、比較したポリペプチド配列間で、いわゆる「パーセント類似性」 を決定することができる。一般に、「同一性」なる用語は、各々、2つのポリヌ クレオチドまたはポリペプチド配列の所与の位置における正確なヌクレオチド− 対−ヌクレオチドおよびアミノ酸−対−アミノ酸対応をいう。2つのアミノ酸配 列(またその事項では、2以上のポリヌクレオチド配列)は、これらの「パーセ ント同一性」を決定することによって比較することができる。(Genetic s Computer Group(GCG)、Madison,WIから入手 可能な)Wisconsin Sequence Analysis Package,Version8で利用できるプログラム 、例えばGAPプログラムは、2つのポリヌクレオチドの間の同一性および2つ のポリペプチド配列間の同一性および類似性を共に計算することができる。配列 間の類似性を計算し表示するための他のプログラムは当該分野で知られている。 例えば、Grotreeプログラム(GCG,Madison,WI)は、最も 深く関連する配列がクラスターを形成し、最短の線によって結ばれた系統発生樹 を生じる。この樹は、一群の整列された配列内の対の関係を計算するプログラム Distances(GCG、Madison.WI)によって生成されたマト リックスに由来する。 好ましい実施態様において、所望の構造の新規ポリペプチド分子は、Sac. erythraea染色体のDNAの少なくとも1つのATドメインコーディン グ断片を、もう1つのPKSクラスターからのDNAの少なくとも1つの異種A Tドメインコーディング断片で置き換えて、6−デオキシエリスロノリドB、エ リスロノリドB、3−α−L−ミカロシルエリスロノリドB、またはエリスロマ イシンA、B、CおよびDの誘導体である新規ポリケチド化合物を得ることによ って生じる。このよ うな誘導体は、多環ラクトン環の1以上の位置におけるメチル(−Me)側鎖が 、独立して、(a)−H;(b)エチル基(−Et);(c)ヒドロキシル基( −OH)および(d)アリル基(−Al)よりなる群から選択される置換基によ って置き換えられた化合物である。特に好ましい実施態様において、新規化合物 12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンA、10−デスメチルエリ スロマイシンA、10−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンA、また は6−デスメチル−6−エチルエリスロマイシンAを生じることを可能とするエ リスロマイシン−産生微生物の遺伝的修飾方法が提供される。化合物12−デス メチル−12−デオキシエリスロマイシンA、10−デスメチルエリスロマイシ ンA、10−デスメチル−12デオキシエリスロマイシンA、および6−デスメ チル−6−エチルエリスロマイシンAは構造式: によって表される。 このようなポリケチドを生産する一般的反応図式は図4aおよび図4bに概説 されている。好ましい実施態様において、関連ATドメインをコードする異種D NA断片を、遺伝子置換という2−工程によって、Sac.erythraea 染色体に導入する。 遺伝子置換の第1の工程において、置換されるべき居住ポリヌクレオチド配列 と(各側で)すぐに境界を接するものと同一である配列を有するDNAの2つの セグメント間に異種遺伝子またはその断片を入れる多工程クローニングアプロー チにより組込ベクターを構築する。このようなベクターの構築は、当業者に公知 のいずれかの手段によって達成することができる。例えば、置き換えるべき遺伝 子を挟んでそれに近接するヌクレオ チド配列は、鋳型として染色体DNA、および注目するフランキング配列のすぐ に上流および下流の染色体配列にハイブリダイズするプライマーを用いるPCR 増幅によって生じさせることができる。フランキング配列の長さは本発明の実施 に臨界的ではないが、好ましくは、約20−5000塩基対(bp)、より好ま しくは約100−5000bp、なおさらに好ましくは約500−5000bp である。フランキング配列の最も好ましい長さは約750−1500bpである 。そのような増幅で使用されるプライマーは、適当な分取用ベクターへの増幅配 列のクローニングを容易とし、注目する異種配列のフランキング配列間への挿入 を容易としおよび/または配列の全群の(5’−フランキング領域/注目する異 種ポリヌクレオチド配列/フランキング領域−3’)の組込用の適当なベクター へのサブクローニングを容易とする便利な制限部位を含ませることもできる。所 望の異種ポリヌクレオチド配列は同様にして生成させることができる。 組込ベクターは、中問宿主では機能するが、産生宿主では機能しないかほとん ど機能しない少なくとも1つの複製起点を含 有するDNAの断片を含むようにも構築される。該ベクターは、さらに、そのう ち少なくとも1つが中間宿主で機能し、少なくとも1つが産生宿主で機能する、 抗生物質に対する耐性を付与する1以上のDNA断片を含む。好ましい組込ベク ターは、プラスミドpCS5で見出されるごとく、ColE1およびpIJ10 1複製起点を含む(J.Varaら、J.Bactriol.171:5872 −5881(1989年))。特に好ましいベクターは、チオストレプトンおよ びアンピシリンに耐性を付与するDNA断片を担う。しかしながら、当業者なら ば、特定の抗生物質耐性および前記で確認した複製起点は、それらが所望の組換 えプラスミドおよび宿主細胞の生成および選択を可能とする限りにおいて必要な ことを理解するであろう。他のマーカーおよび複製起点を本発明の実施で用いる こともできる。 PKSの居住ドメインが大きな多機能ポリペプチドの機能的構成要素である場 合、異種ATドメインをコードする異種DNA断片が正しい向きで、およびコー ディング配列の開始からの翻訳に際して酵素的に機能する蛋白質が産生されるよ うにリー ディグフレームがそのフランキングDNAに対して位置するように組込みプラス ミドの構築において注意を払わなければならない。正しい位置は宿主PKS遺伝 子および遺伝子置換で用いる異種遺伝子のヌクレオチド配列の知識から直ちに明 らかとなる。 第2の工程において、関連遺伝子またはその断片を担う各組込ベクターは、独 立して、宿主株に導入し、組込プラスミドにおける各ゲノム断片および宿主株染 色体におけるその対応する異種断片の間の組換えが起こることが可能となる。こ の手順の結果、その異種カウンターパートについての染色体における居住AT− コーディングDNAの交換が生じる。異種組換えによる遺伝子置換のための一般 的図式は図5で概説されている。DNAをポリケチド−産生微生物へ導入し、相 同組換えを容易とする手順は本明細書に記載する。しかしながら、当業者になら ば、エレクトロポレーション、形質導入、または接合のような、DNAをポリケ チド−産生微生物に導入する別の手順はよく知られ、それを用いて本発明を実施 できることを理解するであろう。ポリケチド−産生微生物を培養する手順、なら びに修 飾された株から産生された新規ポリケチドを回収し、このような化合物を精製し 、(質量分析またはNMRによるような)それらの化合物の同一性を確認する方 法は当業者によく知られている。 本発明を好ましい実施態様を後の実施例で記載するが、それらは本発明の範囲 を限定するものとみなされるべきではない。以下の記載はエリスロマイシンの新 規誘導体の生成に関与する原理および方法を説明するために供する。以下の実施 例はSac.srythraea AT1、AT2およびAT4−コーディング DNA断片を、マロネートの取込を特定するATドメイン(マロネート−AT) またはエチルマロネートの取込を特定するATドメイン(エチルマロネート−A T)いずれかをコードする異種DNA断片で置き換えることを記載するが、当業 者ならば、マロネート、エチルマロネート、アリルマロネートおよび/またはヒ ドロキシマロネート(タルトロネート)−ATドメインをコードする異種DNA の1以上の断片を用いて、Sac.erythraeaにおけるエリスロマイシ ンPKSの他のAT−コーディングDNA断片に置き換え、その結果、他の新規 エリスロマイシン誘導体を得ることを理解するであろう。例え ば、エリスロマイシンPKS(eryPKS)における居住AT−コーディング DNA断片が独立して伸長ユニットとしてのマロネートおよび/またはエチルマ ロネートを特定する異種DNA断片で置き換えられた場合の新規エリスロマイシ ンを表1に示す。 特に、当業者ならば、eryPKSにおける単一の居住AT−コーディングD NA断片の置換、2つの居住AT−コーディングDNA断片の2工程での異種D NA断片(マロネート、エチルマロネート、アリルマロネート、および/または ヒドロキシマロネート−ATドメインを特定するもの)での置換も可能であって 、その結果、新規ジ置換エリスロマイシンが形成されることを理解するであろう 。同様に、トリ置換エリスロマイシン、テトラ置換エリスロマイシン、ペンタ置 換エリスロマイシンおよびヘキサ置換エリスロマイシンも、各々、eryPKS における3、4、5および6つの居住AT−コーディングDNA断片を、本明細 書に記載された異種AT−コーディングDNA断片で置き換えることによってな すことができる。したがって、eryPKSにおけるAT−コーディングDNA 断片の異種AT−コーディングDNA断片での全ての置換(プロトン、エチル、 アリル、およびヒドロキシ置換エリスロマイシン誘導体の全ての変種を生じるも の)は本発明の範囲内のものである。このような置換によって生じた化合物の例 は以下の表Iに示されるものを含むが、それに限定されるものではない。 Table 1 側鎖位置における変化からの構造 以下の実施例において、S.hygroscopicusATCC29253 、S.venezuelaeATCC15439、およびS.caelesti sNRRL−2821からのAT−コーディングDNA断片を用いて、eryP KSにおける居住AT−コーディングDNA断片を置き換えて、デスメチル、デ スメチルエチルおよびデスメチルヒドロキシエリスロ マイシンを得た。多くのマロネート、エチルマロネートおよびヒドロキシマロネ ートAT−コーディングDNA断片を、ここに記載した異種マロネート、エチル マロネートおよびコーディングマロネート−AT DNA断片の代わりに、また はそれに加えて用いて、同一デスメチル、デスメチルエチル、およびデスメチル ヒドロキシエリスロマイシン化合物を得ることができることが理解される。以下 の実施例で特に記載したものの代わりに、またはそれに加えて使用できるマロネ ート−ATドメインをコードするDNA断片の例は限定されるものではないが、 S.hygrpscopicusからのラパマイシンPKSのモジュール2、5 、8、9、11または12からのATドメイン、S.venezuelaeによ るメチルマイシンまたはピクロマイシンの合成を担うPKSのモジュール2から のATドメイン、S.fradiaeによるチロシンの合成を担うPKSのモジ ュール3および7からのATドメイン、またはS.ambofaciensによ るスピラマイシンの合成を担うPKSのモジュール1、2、3および7からのA TドメインをコードするDNA断片を含む。以下の実施例に特に記載されたもの に代えて、またはそれに加えて使用できるエチルマロネート−AT ドメインをコードするDNA断片の例は限定されるものではないが、S.amb ofaciensからのスピラマイシンPKS遺伝子のモジュール5からのAT ドメイン、S.fradiaeからのチロシンPKS遺伝子のモジュール5から のATドメイン、およびS.hygroscopicusのマリドマイシンPK Sのモジュール5からのATドメインをコードするDNA断片を含む。以下の実 施例に特に記載したものに代えてまたはそれに加えて使用することができるヒド ロキシマロネート−ATドメインをコードするDNA断片の例は、限定されるも のではないか、S.ambofaciensからのスピラマイシンPKS遺伝子 のモジュール6からのATドメイン、S.hygrpscopicusからのマ リドマイシンPKS遺伝子のモジュール6からのATドメイン、およびStre ptoverticillium kitasatoensisからのロイコマ イシンPKS遺伝子のモジュール6からのATドメインをコードするDNA断片 を含む。eryPKS遺伝子におけるメチルマロネート−ATをコードする居住 DNA断片のいずれかを置き換えて、その結果、エリスロマイシンの新規誘導体 を得るための、マロネート、エチルマロネート、およびヒドロキ シマロネート−ATをコードするDNA断片のいずれかのおよび全ての使用は、 したがって、本発明の範囲内であると考えられる。 さらに、eryPKS中の開始剤、モジュール1またはモジュール2のATド メインを置き換えて、各々、エリスロマイシンのポリケチド骨格の14、12お よび10位にヒドロキシル基を導入するのに、本明細書ではNidAT6ドメイ ンを例示したが、NidAT6ドメインを用いて、eryPKSのモジュール3 、4、5または6のATドメインを置き換え、その結果、各々、エリスロマイシ ン誘導体の8、6、4または2位にヒドロキシル基を含むエリスロマイシン誘導 体を生じさせて、対応する位置に通常見られるメチル基を置き換えることもでき ることが理解される。従って、化合物8−デスメチル−8−ヒドロキシエリスロ マイシンA、6−デスメチル−6−エピエリスロマイシンA、4−デスメチル− 4−ヒドロキシエリスロマイシンAおよび2−デスメチル−2−ヒドロキシエリ スロマイシンAまたはそれらの6−デオキシ誘導体を含めた、NidAT6での eryATドメインの置換から生じた全ての化合物およびそれらを生成する対応 する株は本発明の範囲下に含まれる。 さらに、eryPKSにおける単一のATドメインを置き換えて、単一のさら なるヒドロキシ基を含有する誘導体化エリスロマイシンAモジュールを得るのに 本明細書ではNidAT6ドメインを例示したが、当業者ならば、NidAT6 ドメインでeryPKSの2以上のATドメインを独立して置き換えて、2以上 のさらなるヒドロキシ基を持つ誘導体化エリスロマイシンを得ることができるの を理解するであろう。2以上のさらなるヒドロキシ基を含有するエリスロマイシ ン分子の例は、限定されるものではないが、2,12−ジデスメチル−2,12 −ジヒドロキシエリスロマイシン、4,10−ジデスメチル−4,10−ジヒド ロキシエリスロマイシン等を含む。従って、eryPKSの2以上のATドメイ ンをNidAT6で置き換えて生じる全ての化合物およびそれらを製造する対応 する株は本発明の範囲下に含まれる。 また、当業者ならば、eryPKSにおける1を超える位置でのNidAT6 ドメインの置換の結果、NidAT6−コーディング配列の間で起こり得る相同 組換えのためハイブリッドPKS DNAの遺伝子不安定性が生じ得ることを理 解するであろう。この組換え事象を回避するために、当業者ならば、N idAT6 DNA配列の変化を導入して、DNA配列が相互に、かつ天然Ni dAT6 DNAとは異なるが、エリスロマイシン中のヒドロキシル基でメチル 基を置き換えるのに使用できる機能的ドメインを依然としてコードする一連の修 飾されたNidAT6 DNAドメインを作成する必要性を認識するであろう。 NidAT6とのまたは相互との組合せを使用して2以上のAT置換を生じさせ る場合、NidAT6のこのような誘導体は、ハイブリッドPKSを、相同組換 えを介する突然変異に対して安定とするであろう。このような修飾を生じさせる 方法は当業者によく知られている。したがって、ヒドロキシル基をエリスロマイ シンに導入するのに使用できる機能的ドメインをコードするNidAT6の誘導 体の全ては本発明の範囲に含まれる。 また、化学的多様性をエリスロマイシン骨格に導入するのに、NidAT6ド メインを他の異種マロニルATまたはエチルATドメインと組み合わせて使用で きることも理解される。例えば、Streptomyces hygrosco picusからのマロニルATドメインによって置き換えられたeryAt1ド メインをそれ自体が有するSac.erythraea 株ER720 EryAT1/LigAT1におけるeryAT2ドメインを置 き換えて、その結果、化合物10,12−ジデスメチル−10−ヒドロキシエリ スロマイシンを得るのにNidAT6ドメインを用いることができる。同様に、 Nid PKSからのエチルATドメインによって置き換えられたeryAT4 ドメインをそれ自体が有するSac.erythraeanER720 Ery AT4/NidAT5におけるeryAT2ドメインに置き換えて、その結果、 化合物6,10−ジデスメチル−6−エチル−10−ヒドロキシエリスロマイシ ンAを得るのにNidAT6ドメインを使用できる。従って、eryPKSから の2以上のATドメインを、マロニル、エチルまたはヒドロキシルマロニル開始 剤ドメインをコードするATドメインのいずれかの組合せで置き換えて生じた全 ての化合物およびそれらを生成するそれらの対応する株は本発明の範囲下に含ま れる。 さらに、当業者ならば、srmG、tylG、rifPKS DNA、rap PKS DNA、または他のモジュールPKS遺伝子における遺伝子置換でNi dAT6ドメインを使用して、スピラマイシン、チロシン、リファマイシン、ラ パマイシンまたは他 の還元されたポリケチドにヒドロキシル基を導入できるのを理解するであろう。 従って、NidAT6、または例えばカルボマイシンPKS、ミデカマイシンP KSまたはマリドマイシンPKSの第6モジュールからのATドメインのような 、ヒドロキシマロニル開始剤ドメインを特定するいずれかの他のATドメインを 使用して、エリスロマイシン、スピラマイシン、リファマイシン、ラパマイシン またはその組立てにモジュールPKSを使用するいずれかの他のポリケチドのポ リケチド骨格の1以上の位置にヒドロキシル基を導入するのは本発明の範囲下に 含まれる。加えて、LigAT2、またはマロニル開始剤ドメインを特定するい ずれかの他のセグメントと組み合わせて、またはNidAT5、またはエチルマ ロニル開始剤ドメインを特定するいずれかの他のATセグメントと組み合わせて 、NidAT6、またはヒドロキシルマロニル開始剤ドメインを特定するいずれ かの他のATセグメントを使用して、eryA、srmG、tylGまたはいず れかの他のモジュールPKSにおいて2以上の置換を作成し、エリスロマイシン 、スピラマイシン、チロシン、またはそれらの合成にモジュールPKSを使用す る他のポリケチドに化学的多様性を導入するのは本発明の範囲下に含 まれる。 eryPKSのATドメインを置き換えて、化合物13−デスメチル−13− (3’,4’−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチルエリスロマイシンAの生産 をコードするハイブリッドPKSを得るのに、本明細書ではラプリカーゼおよび 隣接ERSドメインをコードするStreptomyces hygrosco picusATCC29253からのrapA遺伝子の3.0kbセグメントを 例示したが、rapA遺伝子のより長いセグメントを用いるいくつかの他の遺伝 子置換を、類似の遺伝子置換実験における3.0kbセグメントの代わりに使用 して、同一生成物を生じる株を創製することができるのが理解される。より長い セグメントの例は、限定されるものではないが、ラプリカーゼ−ERSセグメン トおよびeryPKSのAT−ACPセグメントを置き換えるのに使用できるr apAの隣接ACPドメインを含有するもの、およびラプリカーゼ−ERSセグ メントおよびeryPKSのAT−ACP−KS1セグメントを置き換えるため のrapAの隣接ACP−KS1−コーディングセグメントを含有するものを含 む。したがって、eryAI遺伝子での遺伝子置換で使用して、その結果、13 −デ スエチル−13−(3’,4’−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチルエリスロ マイシンAが合成できるrapAの全てのセグメントは、13−デスエチル−1 3−(3’,4’−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチルエリスロマイシンAを 生じる株と共に、本発明の範囲下に含まれる。 加えて、Sac.erythraea EryT/ラプリカーゼ3.0におけ る13−3,4−ジヒドロキシシクロヘキシルエリスロマイシンAの生産は、化 合物3,4−ジヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸の培地への供給に依存して いたが、当業者ならば、3,4−ジヒドロキシシタロヘキシルカルボン酸の代わ りに3,4−ジヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸の種々の塩およびエステル を使用して13−デスエチル−13−(3’,4’−ジヒドロキシシクロヘキシ ル)メチルエリスロマイシンAを得ることができるのを理解するであろう。さら に、3,4−ジヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸の誘導体またはその対応す る塩もしくはエステルを、3,4−ジヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸また はその塩もしくはエステルの代わりにSac.erythraea EryT/ ラプリカーゼ3.0に供給し、その結果、13−デスエチル−13−(3’, 4’−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチルエリスロマイシンA誘導体が生成さ れる。sac.erythraea EryT/ラプリカーゼ3.0に供給する ことができる3,4−ジヒドロキシシタロヘキシルカルボン酸の誘導体またはそ の塩もしくはエステルの例は、限定されるものではないが、各々、13−デスエ チル−13−(3’−ヒドロキシシクロヘキシル)メチルエリスロマイシンA、 13−デスエチル−13−(4’−ヒドロキシシクロヘキシル)メチルエリスロ マイシンA、13−デスエチル−13−(3’,4’,5’−トリヒドロキシシ クロヘキシル)メチルエリスロマイシンA、13−デスエチル−(3’−メトキ シ−4’−ヒドロキシシクロヘキシル)メチルエリスロマイシンA等を得るため の3−ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸、4−ヒドロキシシクロヘキシルカ ルボン酸、シキミ酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸 等を含む。従って、3,4−ジヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸の誘導体を Sac.erythraea EryT/ラプリカーゼ3.0に供給することに よって生成できる13−デスエチル−13−(3’,4’−ジヒドロキシシクロ ヘキシル)メチルエリスロマイシンAの全ての誘導体は本発明の範 囲内に含まれる。 さらに、当業者ならば、eryPKSにおける居住AT−コーディングDNA 断片の置換につき本明細書に記載した方法に従い、S.hygroscopic us、S.venezuelae、またはS.caelestisにおけるマロ ネート−ATをコードするDNA断片、およびS.caelestisにおける エチルマロネートまたはヒドロキシマロネート−ATを、基質としてメチルマロ ニルCoAを利用するeryPKSからのそれらのAT−コーディングDNA断 片で置き換えることができるのを理解するであろう。このeryPKSに関して は、例えば、13−メチルラパマイシン、15−メチルラパマイシン、33−メ チルラパマイシン、13,15−ジメチルラパマイシン、13,15,33−ト リメチルラパマイシンおよび10−メチルピクロマイシンの生産に導く全ての組 合せが考えられる。 本発明の方法は全てのエリスロマイシン−産生微生物に広く適用でき、その非 限定的リストは、Saccharopolyspora種、Streptomy ces griseoplanus、Nocardia種、Micromono spor a種、Arthrobacter種およびStreptomyces anti bioticusを含む。これらのうち、Sac.erythraeaが最も好 ましい。通常はエリスロマイシンを産生しないが、クローニングによってエリス ロマイシン生合成遺伝子を導入できる他の宿主も使用することができる。このよ うな株は、限定されるものではないが、例えば、Streptomyces c oelicolorおよびStreptomyces lividansまたは Bacillus subtilisを含む。他のエリスロマイシン−産生株の 各々において、エリスロマイシンPKSにおける居住ATドメインの置換は、以 下の実施例で説明するごとく異種ATでの居住ATのスイッチングを行うための 置換すべきATドメインの両側のクローン化eryPKS配列を用いる二重相同 組換えによって行われる。 以下の実施例で説明される方法の多くの他の変法は当業者に起こるであろう。 例えば、LigAT2、venAT、rapAT14、NidAT5またはNi dAT6−コーディングDNA断片のクローニングおよび組込ベクターの構築に 、本発明では、プラスミドpUC18、pUC19、pGEM3Zfお よびpCS5を使用したが、限定されるものではないが、pBR322、pAC YC184、M13mp18、M13mp19、pGEM7Zf等を含めた他の プラスミド、ファージまたはファゲミドをそれらの代わりに使用して同一の構築 をなすのを可能とすることができる。eryPKSの対応する領域で相同組換え が起こるのを可能とする組込ベクターへの異種AT−コーディングDNA断片の クローニングのために、多くの別法ストラテジーによることができる。別法スト ラテジーの例は、ATドメインまたは隣接フランキング配列のクロ−ニングに異 なる制限部位を用い、あるいはメチルマロニルCoAよりもむしろ基質としてマ ロニルCoAを認識するドメインをそれが発現するように居住AT−コーディン グDNA断片の配列を変化させて、ATドメインまたはフランキング配列いずれ かに対応するDNAのより長いまたは短い断片を使用することを含む。全てのこ のような変形は本発明の範囲内のものである。同様に、接合、導入またはエレク トロポレーションのように、遺伝子交換を行って、その結果、新規エリスロマイ シンを得る目的で、Sac.erythraeaまたは他のエリスロマイシン− 産生宿主にDNAを導入する別法ストラテジーを使用することは 本発明の範囲内に含まれる。 また、当業者ならば、エリスロマイシンB、CおよびDはエリスロマイシンの 天然に生じる形態であり、従って、本明細書に開示する修飾によってSac.e rythraeaにおいて新規誘導体として生産されるであろうことも理解する であろう。これらの形態の生産は、さらに、eryKを不活化して(Stass i,D.ら、J.Bacteriology,175:182−189(199 3年))エリスロマイシンB誘導体、eryG(S.F.Haydockら、M ol.Gen.Genet.230:120−128(1991年))を得て、 エリスロマイシンC誘導体およびeryKおよびeryGを得て、エリスロマイ シン誘導体Dを得ることによって増強させることができる。さらに、Sac.e rythraeaにおいて、新規エリスロマイシンA、B、CおよびDの6−デ オキシ形態は、C−6位をヒドロキシル化を担うヒドロキシラーゼをコードする (前記で特定したものに加えて)eryF(J.M.Weberら、Scien ce252:114−117(1991年))の不活化によって生成させること ができる。加えて、新規エリスロマイシンA、B、CおよびDの6−デオキシ形 態からそれ らの対応するエリスロマイシンA、B、CおよびD誘導体への変換は、さらなる コピーをクローニングすることによって、あるいは産生宿主においてeryF遺 伝子を過剰産生させる他の手段を使用することによって達成することができる。 同様に、エリスロマイシンB、CおよびDの新規形態からエリスロマイシンAの 新規形態への変換は、産生宿主においてeryKおよび/またはeryGを発現 または過剰発現させることによって達成することができる。エリスロマイシンB 、CおよびDおよび6−デオキシエリスロマイシンA、B、CおよびDを生成さ せる方法は当業者によく知られている。 当業者ならば、エリスロノリドBおよび3−α−ミカロシルエリスロノリドB はエリスロマイシンの生合成における天然に生じる中間体であって、従って、本 明細書に開示した修飾によってSa.erythraeaにおいて新規中間体と して産生されるであろうことも理解するであろう。これらの形態の産生は、さら に、eryB遺伝子のいずれかを不活化して、エリスロノリドBまたはeryC 遺伝子を得て、3−α−L−ミカロシルエリスロノリドBを得ることによってさ らに増強することができる(Weberら、J.Bacteriol.172: 2372−2383(1990年)およびHaydockら、 Mol.Gen.Genet.230:120−128(1991年))。さら に、これらの新規中間体の6−デオキシ形態は、前記したごとくeryFを不活 化することによって生じさせることができる。エリスロノリドBおよび3−α− ミカロシルエリスロノリドB、ならびにそれらの6−デオキシ誘導体を生じさせ る方法は当業者によく知られている。 細菌株、プラスミドベクターおよび増殖培地 本発明の以下の実施例を実施するのに使用したエリスロマイシン−産生微生物 はSac.erythraeaER720であった(J.P.DeWitt,J .Bacterio1.164:969(1985年))。E.coli由来プ ラスミドの増殖用の宿主株はGIBCO BRL,Gaithersburg, MDからのDH5αであった。Lig−PKSクラスターを担持するS.hyg roscopicus株はAmerican Type Culture Co llection,Bethesda,MDから受託番号ATCC29253下 で入手可能である。本明細書で記載するvenATドメインを担持するS.ve nezuelae株はAmerican Type Culture Coll ection,Bethesda,MDから受託番号ATCC15439下で入 手できる。 pUC18/venATを担持するE.coliは、ブダペスト条約の規定下 、1996年12月23日現在、米国イリノイ州、Peoria、1815N. University StreetのAgricultural Resea rch Culture Collection(NRRL)に寄託されており 、寄託日から30年の期間、または最後の分譲の要求後5年間、または米国特許 の有効期間のいずれか長い間維持されるであろう。ここに記載する寄託およびい ずれかの他の寄託物は便宜のためだけに供し、本明細書で提供する教示の観点か ら本発明を実施するのには必要ではない。全ての寄託物のDNA配列はここに出 典明示により本明細書の一部とみなす。pUC18/venATを担持するE. coli細菌はNRRL受託番号B−21652が付与された。 プラスミドpUC18およびpUC19はGIBCO BRLから得ることが できる。プラスミドpCS5、Sac.erythraeaの組込形質転換用の 多機能ベクターはVaraら、J.bacteriology,171:587 2−5881(1989年)に記載されており、そこではpWHM3と言われる 。コスミドpNJ1はTuanら、Gene,90:21−29(1990年) に記載されている。 Sac.erythraeaのプロトプラスト形成用におよび日常的増殖用に 、適切な場合にはプラスミド選択のために10μgを補足したSGGP培地(Y amamotoら、J.Antibiotic.39:1304(1986年) )の50ml中で培養した。 試薬および一般的方法 酪酸、アンピシリン、チオストレプトン、制限エンドヌクレアーゼ、T4−D NAリガーゼ、および子ウシ腸アルカリ性ホスファターゼを含めた、商業的に入 手可能な試薬を用いて、本発明の化合物、プラスミドおよび遺伝変異体を作成し た。Sac.erythraeaからのeryA遺伝子のヌクレオチド配列は受 託番号M63676およびM63677下でGenBankデータ・ベースに寄 託されており、公に入手可能である。 標準的な分子生物学手順(Maniatisら、前掲)を、置換プラスミドの 構築および特徴付けで使用した。プラスミドDNAは、アルカリ溶解法(H.C .BirnboimおよびJ.Doly,1979年 Nucleic Aci ds Res.7:1513)によって、あるいは製造業者の指示に従ってQI Aprep Spin Plasmidキット(Qiagen,Inc.,Ch atsworth,CA)を用いて 日常的に単離した。制限酵素はPrep−A−Gene(BioRad)を用い て0.8−1%アガロースゲルから回収した。プラスミド構築の各工程用の連結 産物を用いて、中間宿主E.coli DH5α(GIBCO BRL)を形質 転換し、これをアンピシリンの存在下で培養して、組換えプラスミドを運ぶ宿主 細胞につき選択した。X−galでのインサートDNAについての選択を適当な 場合には使用した。典型的には、LBプレートは30mLのLBN寒天を含有す る(Maniatisら、前掲)。プラスミドDNAは、液体培地中で培養して あって、既知の制限部位に関して特徴付けられている個々の形質転換体から単離 した。DNA配列決定は、製造業者の指示に従ってサイクル配列決定(fmol DNA Sequencing System,Promega Corp. ,Madison,WI)によった。 SCM培地は、蒸留水1リットル当たり、20gのSoytone、15gの 可溶性澱粉、10.5gのMOPS、1.5gの酵母エキスおよび0.1gのC aCl2よりなる。SGGP培地は水性溶液1リットル当たり4gのペプトン、 4gの酵母エキス、4gのカザミノ酸、2gのグリシン、0.5gのMgSO4 ・7H2O、10gのグルコース、20mLの500 mM KH2SO4よりなる(Yamamotoら、1986年、J.Antib iotic.39:1304)。PM緩衝液(リットル当たり)は890mLの 水中に200gスクロース、0.25gK2SO4であり、滅菌後に、100mL の0.25M TES、pH7.2、2mLの微量元素溶液(Hopwoodら 、1985年,Genetic Manipulation of Strep tomyces A Laboratory Manial,The John Innes Foundation)、0.08mLの2.5M CaCl2 、10m1の0.5% KH2PO4、2mLの2.5M MgCl2を添加する 。 Sac.erythraeaプロトプラストの組込形質転換、および日常的増 殖および胞子形成は、Donadioら,1991年,Science 115 :97;WeberおよびLosick、1988年、Gene68:173; およびYamamotoら,1986年、J.Antibiotic.39:1 304に記載されている手順に従って行った。 PCR増幅で使用し、以下の実施例に記載したオリゴプライマーは以下の通り である。 質量分析は大気圧化学イオン化源(APCI)を備えたFinnigan−M AT7000マススペクトロメーターで日常的に行った。エレクトロスプレー質 量分析(ESI−MS)はFinnigan大気圧イオン化(API)源を備え たFinnigan−MAT752−7000マススペクトロメーターで行った 。HPLC分離は、Prodigy ODS(2)カラム(5μm、50×2m m)および5mM酢酸アンモニウムおよびメタノールのグラジエント溶出を用い 、Hewlett−Packard1050液体クロマトグラフィーで行った。 流量は0.3mL/分であった。 エリスロマイシン誘導体の大規模調製では、発酵醸造物を、典型的には、NH4 OHでpH9に調整し、対で、等容量のCH2Cl2で2回抽出する。次いで、 プールした抽出物を濃縮して油(発酵醸造物リットル当たりほぼ1g)とする。 濃縮した抽出物をメタノール中に希釈し、同一溶媒にてSephad Uppsala,スェーデン)のカラム上のクロマトグラフィーに付す。画分を Staphylococcus aureusに対する生物活性につきテストし 、活性画分を合わせ、濃縮す る。さらなるカラムクロマトグラフィーが試料重量を減少させるのに所望される 場合、濃縮した試料をn−ヘプタン、クロロホルム、エタノール(10:10: 1、v/v/v)よりなる −20のカラム上のクロマトグラフィーに付す。次いで、δ=5.0(H−13 )、δ=4.9(H−1”)、およびδ=4.4(H−1’)(Everett およびTyler,J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,2 588頁(1985))の周辺の特徴的エリスロマイシン共鳴に焦点を当てる1 H NMRによって分析し、純度に従ってプールする。代わりに、カラムクロマ トグラフィーを抽出系列で置き換えることもできる。この場合、最初にプールし たCH2Cl2抽出物をほぼ400mLまで濃縮する。これをpH4.5−6の間 に選択したpHを持つ等容量の0.05Mリン酸カリウム水溶液で2回抽出する 。次いて、水性相をプールし、pH8−9に調整し、等容量の酢酸エチルで2回 抽出する。最後に、酢酸エチル抽出物をプールし、濃縮する。試料重量のさらな る減少が所望される場合、10−50倍小さい規模で抽出系列を置き換え、典型 的には、約500mgの部分的に精製された物質を得る。 エリスロマイシン誘導体の高分解能分離は、1以上のラウンドの向流クロマト グラフィー(HostettmannおよびMarston,Anal.Chi m.Acta.236:63−76(1990年))によって得られる。カラム クロマトグラフィーまたは抽出系列からの部分的純粋試料の重量が5gであるが 0.5gより大きい場合、それを、6.5−8.0の間の選択されたpHを持つ 、n−ヘキサン、酢酸エチル、0.02Mリン酸カリウム水溶液よりなる溶媒系 (3:7:5,v/v/v)の上相7mL中で消化し、移動相として上相を用い る同一溶媒系にて、慣用的液滴向流クロマトグラフィー(DCCC)装置[10 0の垂直カラム、0.4cm直径×24cm長;Hostettmannおよび Marston,Anal.Chim.Acta.236:63−76(199 0))]上のクロマトグラフィーに付す。ほぼ120−200mL/時間の流量 を使用する。前記したごとく、NMRおよび生物活性によって画分を分析し、純 度に従ってプールする。部分的に純粋な試料の重量がほぼ0.5g以下である場 合、前記使用の6.5−8.0間の選択pHを持つ、n−ヘキサン、酢酸エチル 、0.02Mリン酸カリウム水溶液(3:7:5、v/v/v)よりなる 系、またはEtOAcに対するヘキサンの比および/またはpHを変更した同様 の系を用い、向流クロマトグラフィーをIto多層水平Coil Planet Centrifuge(P.C.Inc.,Potomac,MD)で行う。 クロマトグラフィーはイソクラティック溶媒で展開するか、あるいは例えば6. 5−8.0間のpHを持つn−ヘキサン、酢酸エチル、0.02Mリン酸カリウ ム水溶液(7:3:5:、v/v/v)よりなる溶媒系の上相で開始し、同一p Hのn−ヘキサン、酢酸エチル、0.02Mリン酸カリウム水溶液(1:1:1 、v/v/v)よりなる溶媒系の上相で終わるグラジエントにて展開する。全て の場合、ほぼ120mL/時間の流量を使用する。前記したごとく、画分をNM Rおよび生物活性によって分析し、純度に従ってプールする。一旦十分な純度が 達成されると、1Hおよび13C NMRスペクトルをGeneral Elec tric GN500分光計で測定し、スペクトルの帰属を、補正分光(COS Y)、異核多重量子補正(HMQC)、異核多重結合補正(HMBC)および偏 光移行(DEPT)実験による無乱れ増強の助けにより行う。 前記したものは以下の実施例を参照して良好に理解され、こ れは本発明の実施のために非限定的なものとして供される。 実施例1:Streptomyces hygroscopicus ATCC29253からの LigAT2ドメインのクローニング 組換えDNA技術の標準的な方法を用い、Streptomyces hyg roscopicus ATCC29263DNAのケノムライブラリーを二機 能性コスミドpNJ1(Tuanら、Gene90:21−29(1990年) )中で構築した。略言すると、pNJ1をEcoRIのほぼ5μgで消化し、子 ウシ腸アルカリ性ホスファターゼ(CIAP)で脱リン酸化し、次いで、Bgl IIで消化して1つのアームを生成させ、またPNJ1の5μgをHindII Iで消化し、CIAPで脱リン酸化し、次いでBglIIで消化して他方を生成 させることによってコスミドベクターを調製した。インサートDNAは、ほぼ2 5μgの高分子量S.hygroscopicus染色体DNAをManiat is、前掲に概説されている手順に従ってSauIIIAで部分的に消化するこ とによって調製した。ほぼ35kbのSauIIIA断片は、適当なゲルスライ スを65℃まで融解し、3容量のTE緩衝液を添加し、 フェノールで2回、およびクロロホルムで1回温和に抽出し、水性相をエタノー ル沈殿させることによって、0.5%低融点アガロースゲルから回収した。連結 にて、ほぼ3μgのこの染色体DNAをほぼ0.5μgの各コスミドアームと混 合し、EtOH沈殿させた。沈殿を、2μLの5×連結緩衝液および1μLのT 4 DNAリガーゼを添加した7μLの水に再懸濁した。混合物を16℃で一晩 インキュベートした。製造業者の指示に従って、2μLの連結混合物を充填する のにGigap 細菌はNew England Biolabs(Beverly,MA)から のE.coliER1772であった。制限分析によって26のコロニーを調べ 、インサートDNAを含有することが判明した。個々のコロニーを34の96− ウェルプレートに拾って、該ライブラリーが全てのS.hygroscopic us配列を表した99.99%の確率を得た。さらなる制限分析は平均インサー トサイズが約30kbであることを示した。 エリスロマイシンPKS遺伝子eryAIII(DonadioおよびKat z,1992,Gene,111:51−60) のモジュール5からケトシンターゼ(KS)ドメインを含む1.45kbのSs tI−MScI DNA断片で該ライブラリーをスクリーニングした。Mega primeDNA標識システム(Amersham Life Science ,Arlington Heights,IL)を用い、該DNA断片を32Pで 標識した。コロニー(3600)を96−ウェルプレートからHybond−N ナイロン膜(Amersham Life Science,Arlingto n Heights,IL)に移し、Maniatisら(前掲)に概説されて いる手順に従ってプールした。ハイブリダイゼーションは65℃で行い、ストリ ンジェンシー洗浄は65℃の0.1×SSCで行った。このPKSプローブで最 強のシグナルを与えた約60のコスミドクローン選択した。 また、本発明者らは、この株における潜在的に遺伝的に連結したペプチドシン テターゼを同定するために、第2のプローブでこれらのクローンのサザン消化物 をスクリーニングしようと決定した。該プローブは非リボソームペプチドシンテ ターゼの保存されたモチーフから設計し(Borchertら、1992、FE MS Microbiology Letters,92: 175−180)、2つの縮重35量体、配列番号:3および配列番号:4の混 合物よりなるものであった。DNA5’End Labeling Syste m(Promega Corp.,Madison,WI)を用い、混合したプ ローブを標識した。ハイブリダイゼーションを55℃で一晩行って、ストリンジ ェンシー洗浄を55℃で0.5×SSCで行う以外は、Maniatisら(前 掲)に従って該60のコスミドクローンを消化した。2つのコスミド54および 58はこの第2のプローブを用いて同定した。コスミド58のインサートの左側 からの1kb断片でコスミドライブラリーを再度プローブすることによって13 のさらなるコスミドを引き続いて単離した。これらの13のコスミドのうち2つ (A15およびA16と命名)を、次いで、制限分析およびDNA配列決定によ ってさらに分析した。A16からのDNAの32.8kbの連続的セグメントの 制限および配列分析により、4つのPKS分子を持つタイプI PKSクラスタ ーが明らかとされた。該クラスターの遺伝子地図は図6に示す。異常なCoAリ ガーゼ−ようドメインがORF1で見つかったので(PKS1)、該クラスター を「Lig−PKS」と命名した。 Lig−PKSからのLigAT2ドメインのヌクレオチド配列(頂部鎖)お よびその対応するアミノ酸配列(底部鎖)を図7に示す(各々、配列番号:1お よび配列番号:31)。配列番号:31をラパマイシンPKSにおける14のA Tドメインと比較すると(Growtree Program,GCG,Mad ison,WI)、それはマロネート−特定ラパマイシンドメインとクラスター を形成していることが判明した(図3のグローツリー分析参照)。したがって、 LigAT2は、Lig−PKSによってコードされるポリケチドの合成の間に その同族伸長ユニットとしてのマロネートを特定することが判明した。 実施例2:プラスミドpUC18/LigAT2の構築 Lig−PKSクラスターからのLigAT2ドメインをコードする985b pDNAセグメントをサブクローンし、カセットクローニングのための2つのユ ニーク制限部位AvrIIおよびNsiIを導入するために2つのPCRオリゴ ヌクレオチド(配列番号:5および配列番号:6)を設計した。AT−コーディ ングDNAのカセットクローニングに必要な該ユニーク制限部位AvrIIおよ びNsiIは、LigAT2、ve nAT、rapAT2、rapAT5、rapAT8、rapAT9、rapA T11、rapAT12、rapAT14、eryAT1、eryAT2、er yAT3、eryAT4、eryAT5、eryAT6、およびStrepto mycesglaucescensからの単機能AT(R.G.Summers ら、Biochemistry34:9389−9402(1995年))を比 較するプログラムPILEUPおよびPRETTY(GCG、Madison, WI)を用い、複数配列整列に基づいて選択した。制限部位の選択および位置決 定は、以下の考慮:(i)種々のAT間のアミノ酸配列保存の程度、当該部位は 最大保存の領域外であるがその近くに位置する、(ii)異種AT−コーディン グDNAおよびeryATフランキングDNAからの部位の不存在、および(i ii)異種ATアミノ酸配列上のこれらの部位の翻訳に起因するアミノ酸配列変 化のインパクトに基づくものであった。これは、LigAT2−コーディングD NA配列の末端の始まりおよびそれの近くの図8で太線で示したヌクレオチド変 化を必要とした(図8では、下線を施したヌクレオチドは野生型配列である)。 加えて、PCR−生成産物の便宜なサブクローニングのために、2つの 他の制限部位EcoRIおよびBamHIも、各々、N−末端およびC−末端オ リゴヌクレオチドの5’末端に導入した。ほぼ1kbのLigAT2ドメインを 以下のごとくにコスミド58から増幅した:100μLのPCR反応混合物は1 0μLの10×PCR緩衝液(Bethesda Research Labo ratories)、2μLの10mM dTNP混合物、2−4μLの50m M MgCl2、100pMの各オリゴ、10−50ngの鋳型DNAを含有し 、水で100μLとしたものであった。サイクリング条件は以下の通りであった :96℃/6分、80℃/1分(5UのTaq DNAポリメラーゼをこの1分 の間に添加)および72℃/2分の1サイクル:95℃/1分、65℃/1分お よび72℃/2分の30サイクルで、最後のサイクルでは72℃で5分間延長。 次いで、1%アガロースゲル上で全反応物を泳動させ、Prep−A−Gene (BioRad,Hercules,CA)で所望の断片を単離した。PCR産 物をEcoRIおよびBamHIで消化し、pUC18のEcoRIおよびBa mHI部位にサブクローン化した。連結混合物を製造業者の指示に従ってE.c oliDH5α(GIBCO BRL)に形質転換し、形質転 換体を、150μg/mLアンピシリンおよび青色/白色選択用のX−galの 2%溶液50μLを含有するLBプレート上で選択した。クローンは制限分析で 確認し、インサートの忠実度はDNA配列決定によって確認した。最終のプラス ミド構築体はpUC18/LigAT2と命名した。 実施例3:プラスミドpEryAT1/LigAT2の構築 pEryAT1/LigAT2は図9および10の図式概略に従って組換えD NA技術の標準的な方法を用いて構築した。eryAT1ドメインにつき特異的 な遺伝子−置換ベクターを構築するために、eryAT1−コーディングDNA にすぐ隣接する2つのDNA領域をクローン化し、実施例2に記載したごとくに LigAT2−コーディングDNAに隣接して位置させた。eryAT1の5’ および3’境界は3825および4866と命名し、これは寄託されたeryA I配列(GenBank受託番号M63676)に対応する。Sac.eryt hraea染色体からのeryAT1ドメインコーディング領域の上流のDNA 断片をサブクローンするために、2つのPCRオリゴヌクレオチド(配列番号: 7および配列番号:8)を、EcoRI部位が該領域の5’末端に付加され、か つAvrII −BamHI制限部位が3’末端に導入されるように設計した。鋳型としてプラ スミドpAIEN22 DNAを用い、実施例2に記載されごとくに、5’−フ ランキング領域(約1kb)をPCRで生成させた(このプラスミドは、Eco RIおよびXbaI切断したpUC19にクローン化したeryAIIにおける eryAIないしNheI部位の上流にあるEcoRI部位からのSac.er ythraeaDNAの22kbを含有するpUC19誘導体である)。PCR 産物をpUC19のEcoRIおよびBamHI部位にサブクローン化し、連結 したDNAを製造業者の指示に従ってE.coli DH5α(GIBCO B RL)に形質転換した。150μg/mLアンピリシンおよび50μLの青色/ 白色選択用のX−galの2%溶液を含有するLBプレート上でクローンを選択 した。クローンは制限分析によって確認し、インサートの忠実度はDNA配列決 定によって確認した。得られた構築体はpUC19/AT1/5’−flank と命名した。 Sac.erythraea染色体からのeryAT1の3’−フランキング 領域をサブクローンするために、2つのPCRオリゴヌクレオチド(配列番号: 9および配列番号:10) を、BamHI−NsiI制限部位が該領域の5’末端に導入され、かつHin dIII制限部位が3’末端に付加されるように設計した。また、前記したごと くに鋳型としてpAIEN22を用いるPCRによって3’−フランキング領域 (約1kb)を生じさせた。PCR断片をpUC19のBamHIおよびHin dIII部位にサブクローン化し、連結したDNAを前記したごとくにE.co li DH5αに形質転換した。150μg/mLのアンピシリンおよび50μ Lの青色/白色選択用のX−galの2%溶液を含有するLBプレート上でクロ ーンを選択した。クローンは制限分析によって確認し、インサートの忠実度はD NA配列決定によって確認した。この中間構築体をpUC19/AT1/3’− flankと命名した。2つのフランキング領域を、まず、pUC19/AT1 /3’−flankを単離し、次いで、この断片を、BamHIおよびHind IIIで切断したpUC19/AT1/5’−flankに連結することによっ て、結合させた。連結したDNAをE.coli DH5αに形質転換し、前記 したごとくに単離した。得られたプラスミドをpUC19/AT1−flank と命名した。次いで、pUC19/AT1−flankからの2.1 kbのEcoRIおよびHindIII断片を単離し、同一酵素で切断したpC S5に連結してpCS5/AT1−flankを得た。pEryAT1/Lig AT2の構築における最終工程は、AvrIIおよびNsiI末端を有する1k bのLigAT2断片を同一酵素で切断したpCS5/AT1−flankに連 結させて、遺伝子置換/組込プラスミドpEryAT1/LigAT2を得るこ とであった。全ての連結混合物を中間宿主E.coli DH5αに形質転換し 、前記したごとくにクローンを選択した。 実施例4:Sac.erythraea ER720 EryAT1/LigAT2の構築 Sac.erythraea ER720のエリスロマイシンPKS(Ery AT1)のモジュール1におけるメチルマロニルアシルトランスフェラーゼドメ インをコードするDNA断片を、S.hygroscopicusATCC29 253からのマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン(LigAT2)をコ ードする新しく発見されたDNA断片で置き換えることによって、12−デスメ チル−12−デオキシエリスロマイシンA産生微生物の例を調製した。これは、 実施例3に記載し たごとくに調製した組換えプラスミドpEryAT1/LigAT2で達成され た。Sac.erythraea ER720の形質転換および組込事象の分離 (resolution)は以下の方法に従って行った。Sac.erythr aea ER720細胞を32℃にて3日間、50mLのSGGP培地中で増殖 させ、次いで、10mLの10.3%スクロース中で洗浄した。細胞を1mg/ mLリゾチウムを含有する10mLのPM緩衝液に再懸濁し、菌糸体セグメント のほとんどが球状プロトプラストに変換されるまで30℃で15−30分間イン キュベートした。プロトプラストをPMで1回洗浄し、次いで、−80℃で20 0μLアリコート中にて貯蔵するための10%DMSOを含有する同一緩衝液3 mLに再懸濁した。 形質転換は、プロトプラストのアリコートを素早く解凍し、遠心管中にて15 秒間遠心し、上清をデカントし、プロトプラストを管に残存するPMに再懸濁さ せることによって達成された。10μLのDNA溶液を添加し(7μLのPM緩 衝液中約1μg/μLの実施例3からのpEryAT1/LigTA2DNAの 3μL)、管を穏やかに叩くことによってプロトプラストと混合した。2/10 mLのT緩衝液中25%PEG80 00(Hopwoodら、1985,Genetic Manipulatio n of Streptomyces ALaboratory Manual ,The john Innes Institute)を、次いで、添加し、 溶液を3回ピペッティングすることによって混合し、懸濁液を直ちに乾燥R3M プレート上に伸ばした。プレートを30℃で20時間インキュベートし、100 μL/mLチオストレプトンを含有する2mLの水を重ね、簡単に乾燥し、30 ℃でさらに4日間インキュベートした。 安定な形質転換(組込体)を選択するために、形質転換プレートから生起した コロニーを、チオストレプトン(20μg/mL)を含有するR3Mプレートに 再度画線培養した。2つのコロニーはチオストレプトン耐性であることが判明し 、これらのうちの1つをチオストレプトン(10μg/mL)を含有するSGG Pに接種して、サザン分析用の染色体DNAを単離した。さらに、サザンハイブ リダイゼーションによって、プラスミドDNAのER720染色体への組込を確 認した(データは示さず)。ハイブリダイゼーションは65℃で行い、ストリン ジェンシー洗浄は65℃で0.1×SSCで行った。 確認した組込体を、抗生物質を含まないSGGP中で増殖させ、次いで、胞子 形成のために非選択R3Mプレート上で平板培養した。胞子をR3Mプレート上 で平板培養して個々のコロニーが得られ、次いで、これをチオストレプトンに対 する感受性につきスクリーニングし、染色体からのプラスミド配列の喪失が示さ れた。5つのチオストレプトン感受性コロニーを選択し、それらの染色体DNA をSphIで消化し、サザンハイブリダイゼーションによって分析した。ハイブ リダイゼーションは65℃で行い、ストリンジェンシー洗浄は65℃にて0.1 ×SSCで行った。5つのチオストレプトン感受性コロニーのうち3つにおいて 、pEryAT1/LigTA2からのほぼ3kbEcoRI/HindIII 断片よりなるプローブは、ほぼ3.5および1.6kbの断片とハイブリダイズ し、これはLigAT2がこれらの分離体(resolvant)の染色体にお いてEryAT1を置き換えたことを示す。該株をSac.erythraea ER720 EryAT1/LigAT2と命名した。 実施例5:Sac.erythraea ER720 Ery AT1/LigAT2によって産生された化合物の分析 その構築を実施例4に記載した組換えSac.erythr aea株ER720は、TLC、バイオオートグラフィー、質量分析およびNM R分析によって特徴付けた。 TLC分析では、細胞をSGGPまたはSCM培地いずれか中で30℃にて4 −5日間増殖させた。培養物のアリコート(1.5mL)を遠心管中で1分間遠 心して細胞を除去した。1mLの得られた上清をもう1つの遠心管に取り出し、 6μLのNH4OHの添加によってpHを調整した。次いで、酢酸エチル0.5 mLを添加し、管を10秒間撹拌し、次いで、ほぼ5分間遠心して相分離を達成 した。有機相をもう1つの管に取り出し、水性相を0.5mLの酢酸エチルで再 抽出した。第2の有機相を第1の有機相と合わせ、Speed Vac中で乾燥 した。残渣を10μLの酢酸エチル中に取り、5μLをMerck 60F−2 54シリカゲルTLCプレート上にスポットした。次いで、該プレートをイソプ ロピルエーテル:メタノール:NH4OH(75:35:2)にて展開した。該 プレートにアニスアルデヒド:硫酸:エタノール(1:1:9)をスプレーする ことによって、エリスロマイシン誘導体を可視化した。この試薬を用い、新規化 合物は12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンAであると予測され 、エリスロマイシンAよりもわず かに早く移動する青色スポットとして出現した。 生物学的活性を検出するために、TLC−バイオオートグラフィーアッセイを 行った。このアッセイにおいて、1マイクロリットルの前記からの抽出試料をT LCプレート上にスポットし、これを前記したごとくに展開した。次いで、該プ レートを風乾し、滅菌バイオアッセイ皿(245×245×25mm)に入れた 。次いで、該プレートを、インジケーター株としてStaphylococcu s aureusを含有する100mLの抗生物質培地11(DIFCO−BA CTO)で被覆し、37℃で一晩インキュベートした。陽性対照のように、阻害 の明瞭なゾーンが試料スポットの周りに発生し、新規化合物は生物活性を有する ことが示された。 TLC上に観察された新規スポットが予測された12−デスメチル−12−デ オキシエリスロマイシンAに対応する分子量を有するか否かを判断するために、 酢酸エチル抽出物をさらに質量分析によって分析した。質量分析試料は、プレー トをアニスアルデヒド試薬でスプレーする以外は基本的には前記したごとくにT LCによって単離した。新規スポットの領域は、その代わりに、TLCプレート から掻き取り、シリカ樹脂を酢酸エ チル−メタノール(1:1)で再抽出し、次いで、酢酸エチルで2回再抽出した 。合わせた溶媒相を次いでSpeed Vac中で乾燥した。質量分析により、 新規化合物は、12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンAの分子イ オン+プロトン(M+H+)に対応する704の質量を有することが明らかとさ れた。 NMR分析実行用高度に精製された物質のミリグラム量を獲得するために、培 養物を42リットルのLH Fermentation Series2000 発酵槽中で増殖させた。SCM培地を接種物の増殖および発酵のために使用した 。発酵用の種は2工程で増殖させた。第1の工程では、凍結生長接種物を用いて 、500mLのエルレンマイアーフラスコ中の100mLのSCM培地に接種し た。第2の工程では、600mLのSCM培地を含有する2リットルのエルレン マイアーフラスコに第1継代増殖の5%を接種した。各工程は225rpmで作 動するロータリー振盪機で32℃にて3日間インキュベートした。 30リットルのSCM培地を42リットルの発酵槽中に調製し、121℃およ び15psiにて1時間滅菌した。消泡剤 (XFO−371、Ivanhoe Chemical Co.,Mundel ein,IL)をまず0.01%にて添加し、次いで、要求に応じて使用した。 発酵槽を1.5リットルの第2継代種増殖を用いて接種した。温度は32℃に維 持した。回転速度は260rpmであり、空気速度は1.3容量/容量/分であ った。ヘッド圧は6psiに維持した。発酵の間、pHは5Mプロピオン酸で7 .3に制御した。発酵は111時間に停止し、発酵醸造物をpHに調製した。こ れに続いて、等容量のCH2Cl2で2回抽出した。プールしたCH2Cl2抽出物 を、次いで、ほぼ400mLまで濃縮し、等容量の0.05Mリン酸カリウム水 溶液(pH5.5)で2回抽出した。水性相をプールし、pH8.0に調整し、 次いで、等容量の酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル抽出物をプールし、濃 縮して5mlの油を得た。次いで、前記抽出系列を反復して濃縮後に600mg の油を得た。次に、試料を分割し、各半分を、n−ヘキサン、酢酸エチル、0. 02Mリン酸カリウム水溶液(pH8.0)(1:1:1、v/v/v)よりな る溶媒系の上または下相各2.5ml中にて消化した。次いで、これらを、移動 相として上相を用いるCoil Planet Centrifuge 上のクロマトグラフィーに付した。画分をStaphylococcus au reusに対するバイオアッセイおよび1H NMRによって分析した。2つの マクロライド含有生物活性ピークが両試料で観察され、生物活性のほとんどを含 有した各試料から遅く溶出するピークをプールし、濃縮した。濃縮した物質を、 次いで、n−ヘキサン、酢酸エチル、0.02Mリン酸カリウム水溶液(pH6 .5)(6:4:5、v/v/v)よりなる溶媒系の上または下相各2.5ml 中で消化し、移動相として上相を用いるCoil Planet Centri fuge上のクロマトグラフィーに付した。画分をバイオアッセイおよび1H NMRによって分析した。2つのマクロライド含有生物活性ピークが観察され、 遅く溶出する種は、その1Hおよび13C NMRスペクトルによって12−デス メチル−12−デオキシエリスロマイシンAと容易に特徴付けられた。1H N MRスペクトルからのパラメーターを表2にリストする。帰属決定は、補正スペ クトロスコピー(COSY)、異核多重量子補正(HMQC)、異核多重結合補 正(HMBC)、および偏光移行(DEPT)実験による乱れ増強の助けにより なした。この試料のマススペクトルデータは構造帰属とも一致 した。この試料のエレクトロスプレーイオン化(ESI)により、M/Z704 においいてM+H+イオンが明らかとされ、これはメチル基およびヒドロキシル 基を共に欠くエリスロマイシンAと十分に合致した。 Table2 CDCl3中での12-デスメチル−12-デオキシエリスロマイシンA についての1H NMR化学シフト()帰属 実施例6:プラスミドpEryAT2/LigAT2の構築 組換えDNA技術の標準的方法を用い、pEryAT2/LigAT2を構築 した。eryAT2ドメインにつき特異的な遺伝子−置換ベクターを作成するた めに、eryAT2を挟 み近接する2つのDNA領域をクローン化し、挿入すべきドメインをコードする DNAに隣接して位置させて、相同組換えを行った。AT2ドメインの境界は実 施例2に記載したごとくに選択した。eryAT2の5’および3’境界は、各 々、8255および9282と命名し、これは寄託されたeryAI配列と対応 する(GenBank受託番号M63676)。eryAT2 DNAの上流の DNA断片をサブクローンするために、2つのPCRオリゴヌクレオチド(配列 番号:11および配列番号:12)を、HindIII部位が該領域の5’末端 に付加され、かつAvrII−PstI制限部位が3’末端に導入されるように 設計した。eryTA2の3’−フランキング領域をサブクローンするために、 2つのオリゴヌクレオチド(配列番号:13および配列番号:14)を、PSt I−NsiI制限部位が該領域の5’末端に導入され、EcoRI部位が3’末 端に導入させるように設計した。5’−フランキングおよび3’−フランキング 領域(各々約1kb)を共に実施例3に記載したごとくにPCR生成させた。5 ’−フランキング領域の場合、PCR産物を引き続いてpUC18のHIndI IIおよびPstI部位にサブクローンし、他方、3’−フランキ ング領域のPCR産物はpUC18のPstIおよびEcoRI部位にサブクロ ーンした。選択したクローンの連結、形質転換および確認は実施例3に記載した ごとくに行った。AT25’−フランキング領域を含有する得られた構築体はp UC18/AT2/5’−flankと命名し、AT2 3’−フランキング領 域を含有する構築体はpUC18/AT2/3’−flankと命名した。2つ のフランキング領域を、次いで、ますpUC18/AT2/3’−flankか らPstIおよびEcoRI断片(3’−flank)を単離し、次いでこの断 片を、PStIおよびEcoRIで切断したpUC18/AT2/5’−fla nkに連結することによって結合させた。連結体をE.coli DH5αに形 質転換し、クローンを前記したごとくに単離した。得られたプラスミドをpUC 18/AT2−flankと命名した(図11)。次いで、pUC18/AT2 −flankからの2.2kbのEcoRIおよびHIndIII断片を単離し 、同一酵素で切断したpCS5に連結してpCS5/AT2−flankを得た 。pEryAT2/LigAT2の構築における最終工程は、AvrIIおよび NsiI末端を有するpUC18/LigAT2からのLig AT2コーディングDNA断片(実施例2記載)を、同一酵素で切断したpCS 5/AT2−flankに連結して遺伝子置換組込プラスミドpEryAT2/ LigAT2を得ることであった(図12)。全ての連結体を中間宿主E.co li DH5αに形質転換し、前記したごとくにクローンを選択した。 実施例7:Sac.srythraea ER720 Ery AT2/LigAT2の構築 10−デスメチルエリスロマイシンAおよび10−デスメチル−12−デオキ シエリスロマイシンA産生微生物の例は、Sac.erythraea ER7 20のエリスロマイシンPKS(EryAT2)のモジュール2のメチルマロニ ルアシルトランスフェラーゼドメインを、S.hygroscopicusAT CC29253の新しく発見されたマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン (LigAT2)で置き換えることによって調製した。これは、実施例6に記載 したごとくに調製した組換えプラスミドpEryAT2/LigAT2で達成さ れた。ER720の形質転換および安定な分離体の選択および確認は実質的に実 施例4に記載されたごとくに行った。2つのチオストレプトン感受性コロニーを 選択し、それらの染色体D NAをSphIで切断し、サザンハイブリダイゼーションによって分析した。2 つのチオストレプトン感受性コロニーのうち1つにおいて、ほぼ1kb Lig AT2配列よりなるプローブはほぼ900bpの染色体DNA断片とハイブリダ イズし、これはLigAT2がこの分離体の染色体においてEryAT2を置き 換えたことを示す。該株をSac.erythraeaER720 EryAT 2/LigAT2と命名した。 実施例8:Sac.erythraea ER720 Ery AT2/LigAT2によって産生された化合物の分析 その構築が実施例7に記載された組換えSac.erythraea株ER7 20 EryAT2/LigAT2によって産生された化合物をTLC、バイオ オートグラフィーおよび質量分析によって特徴付けた。 小規模分析では、細胞を30℃にて4−5日間、SGGPまたはSCM培地い ずれか中で増殖させた。実施例5に実質的に記載したごとくに培養物をTLC分 析用に加工した。2つの新規化合物は10−デスメチルエリスロマイシンAおよ び10−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンAであると予測され、エ リスロマイシンAよりもわずかに遅く泳動する下方ス ポットおよびエリスロマイシンAよりもわずかに速く泳動する上方スポットとし て出現した。 生物学的活性を検出するために、実施例5に実質的に記載されているごとくに TLC−バイオオートグラフィーアッセイを行った。このアッセイでは、前記か らの抽出試料の0.2ないし1マイクロリットルをTLCプレート上にスポット し、これを前記したごとくに泳動させた。次いで、プレートを風乾し、滅菌バイ オアッセイ皿(245×245×25mm)に入れた。 次いで、プレートを、インジケーター株としてStaphylococcus aureusを含有する100mLの抗生物質培地11(DIFCO−BACT O)で被覆した。37℃でのプレートの一晩インキュベーションによって阻止ゾ ーンが発生した。陽性対照のように、2つの新規スポット(化合物)の周りに阻 止ゾーンが発生し、これは各々がStaphylococcus aureus に対して生物活性を有することを示している。 TLC上で観察されたスポットが予測された10−デスメチルエリスロマイシ ンAおよび10−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンAに対応する分 子量を有するか否かを判断 するために、酢酸抽出物を、さらに、質量分析によって分析した。プレートをア ニスアルデヒド試薬でスプレーしない以外は前記した方法と同様にTLCによっ て単離した。その代わりに、新規スポットを含有する2つの領域をTLCフレー トから掻き取り、シリカ樹脂を酢酸エチル−メタノール(1:1)で再抽出し、 酢酸エチルで2回再抽出した。次いで、合わせた溶媒相をSpeed Vac中 で乾燥した。前記した試料に加えて、粗製酢酸エチル抽出物をLC−MSによっ ても分析し、そこでは、試料化合物をまず液体クロマトグラフィーによって分離 し、次いで、質量分析によって分析した。質量分析により、2つの新規化合物は 720および704の質量を有することが明らかとなり、これは、各々、10− デスメチルエリスロマイシンAおよび10−デスメチル−12−デオキシエリス ロマイシンAの分子イオン+プロトン(M+H+)に対応する。実施例9:Streptomyces venezuelae からのvenATドメインのクローニング 組換えDNA技術の標準的方法を用い、Streptomyces vene zuelae ATCC15439 DNAのゲノムライブラリーを二機能性コ スミドpNJ1(Tuan ら、Gene80:21−29(1990年))中で構築した。 このライブラリーからのコスミドpVen17をサザン分析によって特徴付け、 ほぼ3.5、3.8および4.0kbのSstI断片は、エリスロマイシンPK S遺伝子eryAIのモジュール2からのケトシンターゼ(KS)を含む1.3 7kb SmaI断片(Donadioら、Science252:675−6 79(1991年))にハイブリダイズすることが判明した。次いで、4.0k b SstI断片をpUC19にサブクローンしてpVen4.0を得た。pV en4.0インサートDNAのヌタレオチド配列は、7−ジアザ−dGTP(U nited States Biohemicals,Cleveland,O H)および5’−[α−32P]または5’−[α−33P]−dCTP(NEN Research Products,Boston,MA)を用いるSequ enaseversion2を用い、M13mp18およびM13mp19(Y anisch−Perronら、Gene,33:103(1985年))サブ クローンから調製した一本鎖DNA鋳型から決定した。pVen4.0は全AT ドメインを含有しなかったので、鋳型としてpVen17DNAを用いてヌクレ オチ ド配列を伸長させた。venATドメインのヌクレオチド配列(配列番号]2) およびその対応するアミノ酸配列(配列番号:32)を図13に示す(各々、頂 部および底部鎖)。 実施例10:プラスミドpEryAT1/venATの構築 図14および15の図式概説に従って、組換えDNA技術の標準的方法を用い 、pEryAT1/venATを構築した。 S.venezuelaePKSクラスターからのvenATドメインをコード する1.03kbDNA断片(図14)をサブクローンし、カセットクローニン グのための2つのユニーク制限部位AvrIIおよびNsiIを導入するように (実施例2記載)、2つのPCRオリゴヌクレオチド(配列番号:15および配 列番号:16)を設計した。これは、ven配列の最初および末端近くにおいて ヌクレオチド変化(図14で太線で示す)を必要とした(下線を施したヌクレオ チドは野生型配列である)。加えて、2つの他の制限部位EcoRIおよびBa mHIも、PCR生成産物のサブクローニングの便宜のために、各々、N−末端 およびC−末端オリゴヌクレオチドの5’末端に導入した。VentR DNA Polymerase(New England Biolabs)を用い、 コスミドp Ven17鋳型DNA(実施例2)からほぼ1kbのvenAT−コーディング DNAをPCR増幅した。典型的なPCR反応は10μL ThermoPol 緩衝液、10μLのホルムアミド、10μLの20%グリセロール、55μLの 水、100ピコモルの各プライマー、およびほぼ0.2μgのDNAを含有する ものであった。試料を99℃まで2分間で加熱し、次いで、2分間で80℃まで 冷却させ、その時点で、dATP、dCTP、dGTPおよびdTTPの1.2 5mM混合物16μLおよび2ユニットのVent DNAポリメラーゼを添加 した。96.5℃の35秒、72℃の2分15秒の温度サイクルを次いで30回 反復し、続いて72℃で3分間インキュベートした。次いで、標準的な手順によ って所望のPCR断片を低融点アガロースから単離した。PCR産物をHinc II消化のpUC18に連結し、製造業者の指示に従ってE.coliDH5α (GIBCO BRL)に形質転換した。150μg/mLのアンピシリンおよ び50μLの青色/白色選択用のX−galの2%溶液を含有するLBプレート 上でクローンを選択した。クローンは制限分析によって確認し、インサートの忠 実度はDNA配列決定によって確認した。最終構築体はpUC 18/venATと命名した。 pEryAT1/venATの構築における最終工程は、 AvrIIおよびNsiI末端を有する1kbのvenAT断片を、同一酵素で 切断したpCS5/AT1−flank(実施例3)に連結して、遺伝子置換/ 組込プラスミドpEryAt1/venAT(図15)を得ることであった。全 ての連結体を中間宿主E.coli DH5αに形質転換し、前記したごとくに クローンを選択した。実施例11:Sac.erythraea ET720 Er yAT1/venATの構築 Sac.erythraea ET720のエリスロマイシンPKSのモジュ ール1のメチルマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン(EryAT1)を 、S.venezuelaeATCC15439からの新しく発見されたマロニ ルアシルトランスフェラーゼドメイン(venAT)で置き換えることによって 、12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンA産生微生物を調製した 。これは、実施例10に記載したごとくに調製した組換えプラスミドpEryA T1/venATで達成された。ER720の形質転換および安定な分離体の選 択および確認は実質的に実施例4に記載されたごとくに行った。 4つのチオストレプトン感受性コロニーが選択され、それらの染色体DNAをP vuIIで切断し、サザンハイブリダイゼーションによって分析した。4つのチ オストレプトン感受性コロニーのうち2つにおいて、venAT配列のプローブ は、ほぼ4.2および2.4kbの染色体DNA断片とハイブリダイズし、これ はvenATがこれらの分離体においてEryAT1を置き換えたことを示す。 該株をSac.erythraeaER720 EryAt1/venATと命 名した。 実施例12:Sac.erythraea ER720 EryAt1/venATによって産生された化合物の分析 その構築が実施例11に記載された組換えSac.erythraea、ER 720 EryAt1/venATによって産生された化合物をTLC、バイオ オートグラフィーおよび質量分析によって特徴付けた。 TLC分析では、細胞を30℃で4−5日間、SGGPまたはSCMのいずれ かの中で増殖させた。培養物は、実質的に実施例5に記載したごとくにTLC用 に加工した。新規化合物は12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシン Aであると 予測され、エリスロマイシンAよりもわずかに速く泳動するスポットとして出現 した。 生物学的活性を検出するには、実質的に実施例5に記載されたごとくにTLC −バイオオートグラフィーアッセイを行った。 陽性対照のように、阻止の明瞭なゾーンが試料スポットの周りに発生し、これは 新規化合物が生物活性であることを示す。 TLC上で観察される新規スポットが予測される12−デスメチル−12−デ オキシエリスロマイシンAに対応する分量を有するか否かを判断するために、酢 酸エチル抽出物をさらに質量分析によって分析した。質量分析試料は、プレート をアニスアルデヒドでスプレーしない以外は実質的に前記したごとくに基本的に はTLCによって単離した。新規スポットの領域は、その代わり、TLCプレー トから掻き取り、シリカ樹脂を酢酸エチル−メタノール(2:1)で再抽出し、 次いで、酢酸エチルで2回再抽出した。合わせた溶媒相を次いでSpeed V ac中で乾燥した。質量分析により、新規化合物が、12−デスメチル−12− デオキシエリスロマイシンAの分子イオン+プロトン(M+H+)に対応する7 04の質量を有することが明らかとなった。実施例13:プラスミドpUC19/rapAT14の構築 ラパマイシン生合成遺伝子クラスターからの1023bprapAT14−コ ーディングDNA断片(GenBank受託番号#:X86780)をサブクロ ーンし、カセットクローニング用の2つの制限部位AvrIIおよびNsiIを 導入するように(実施例2記載)、2つのPCRオリゴヌクレオチド(配列番号 :17および配列番号:18)を設計した。これは、rapAT14配列の最初 および末端近くのヌクレオチド変化(図16に示す)を必要とした(図16にお いて、下線を施したヌクレオチドは野生型配列である)。加えて、2つの他の制 限部位EcoRIおよびHindIIIも、PCR−生成産物の便宜なサブクロ ーニングのために、各々、N−末端およびC−末端オリゴヌクレオチドの5’末 端に導入した。鋳型としてStreptomyces hygrpcsopic usATCC29263からの染色体DNAを用い、ほぼ1kbのrapAT1 4−コーディングDNAをPCRによって増幅した。 PCR条件は以下の通りであった:100μL反応混合物は10μLの10×T hermopol緩衝液(New England Biolabs)、2%グ リセロール、10%ホル ムアミド、100ピコモルの各オリゴ、100−200ngの鋳型DNAを含有 し、水で84μLとした。次いで、2分間で試料を99℃まで加熱し、続いて2 分間で80℃まで冷却させ、その時点で16μLのdNTP溶液(1.25mM dATPおよびdTTP、1.5mM dCTPおよびdGTP)およ gland Biolabs)を添加した。サイクリングは以下の通りであった :96.5℃/35秒、65℃/1分および72℃/1.5分の30サイクル、 続いて72℃の3分間の1サイクルであった。次いで、全反応を1.2%低融点 アガロースゲル上で泳動させ、所望の断片を、65℃で適当なゲルを融解させ、 3容量のTE緩衝液を添加し、フェノールで2回、クロロホルムで1回抽出し、 水性相をエタノール沈殿させることによって、単離した。単離したDNAをHi ncII消化のpUC19に直接連結した。連結混合物を製造業者の指示に従っ てE.coli DH5α(GIBCO BRL)に形質転換し、形質転換体を 、150μg/mLアンピシリンおよび50μLの青色/白色選択用のX−ga lの2%溶液を含有するLBプレート上で選択した。制限分析によってクローン を確 認し、インサートの忠実度はDNA配列決定によって確認した。 最終プラスミド構築体はpUC19/rapAT14と命名した。 実施例14:プラスミドpEryAT1/ rapAT14の構築 実施例16および17の図式概説に従って、組換えDNA技術の標準的方法を 用い、pEryAT1/rapAT14を構築した。eryAT1ドメインにつ き特異的な遺伝子−置換ベクターを作成するために、eryAT1にすぐに隣接 する2つのDNA領域をクローン化し、rapAT14ドメインをコードするD NAに隣接して位置させて、相同組換えを起こさせた。 フランキング領域を含有する中間プラスミドを構築するためのストラテジーおよ びプロトコルは実施例3および図9に記載されている。rapAT14断片をフ ランキング領域間に挿入するために、(実施例13からの)pUC19/rap AT14をNsiIおよびAvrIIで消化し、得られた1kb断片をPrep −A−Geneにて0.8%アガロースゲルから単離した。pCS5/AT1− flankもこれらの酵素で消化し、線状化プラスミドを0.8%アガロースゲ ルから単離した。2 つの断片を連結し、中間宿主E.coli DH5αに形質転換し、アンピシリ ン耐性クローンを前記したごとくに選択した。 eryフランキング領域間へのrapAT14断片の挿入は制限分析によって確 認し、得られたプラスミドをpEryAT1/rapAT14と命名した。 実施例15:Sac.ervthraea ER720 EryAT1/rapAT14の構築 12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンA産生微生物の例は、S ac.erythraea ER720のエリスロマイシンPKSのモジュール 1のメチルマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン(EryAT1)を、S .hygrpcsopicusATCC29253からのラパマイシンPKSの モジュール14からのアシルトランスフェラーゼドメインで置き換えることによ って調製した。これは、実施例14に記載されたごとくに調製した組換えプラス ミドpEryAT1/rapAT14で達成された。Sac.erythrae a ER720の形質転換および安定分離体の選択および確認は実質的に実施例 4に記載されているごとくに行った。6つのチオストレプトン感受性コロニーを 選択し、それらの染色体D NAをStyIで切断し、サザンハイブリダイゼーションによって分析した。6 つのチオストレプトン感受性コロニーのうち1つにおいて、pCS5AT1−f lankからのEcoRI−HindIII断片よりなるプローブはほぼ1.6 kbの染色体DNA断片とハイブリダイズし、これは、rapAT14がこの分 離体の染色体におけるEryAT1を置き換えたことを示す。該株をSac.e rythraea ER720EryAT1/rapAT14と命名した。実施例16:Sac.erythraea ER720 EryAT1/rap AT14によって産生された化合物の分析 その構築を実施例15に記載した組換えSac.erythraea株、ER 720 EryAT1/rapAT14によって産生された化合物をTLCおよ び質量分析によって特徴付けた。TLC分析では、株4−A−1をSCM培地中 で30℃で4日間増殖させた。培養物をTLCのために実質的に実施例5に記載 されているごとくに加工した。新規化合物は12−デスメチル−12−デスオキ シエリスロマイシンAであると予測され、エリスロマイシンAよりもわずかに速 く泳動する青色スポットとして出現した。 TLCで観察された新規スポットが予測される12−デスメチル−12−デス オキシエリスロマイシンAに対応する分子量を有するか否かを判断するために、 酢酸エチル抽出物をさらに質量分析によって分析した。Sac.erythra eaER720 EryAT1/rapAT14をSCM培地中出4日間増殖さ せた。10mLの培養物を遠心して菌糸を除去し、上清のpHをNH4OHで9 に調整した。次いで、上清を酢酸エチルで2回抽出し、有機相をプールし、乾燥 した。この粗製酢酸エチル抽出物の質量分析は、新規スポットの質量が704で あることを示し、これは12−デスメチル−12−デスオキシエリスロマイシン Aの分子イオン+プロトン(M+H+)に対応する。実施例17:プラスミドpEryAT2/ rapAT14の構築 図16および18の図式概説に従って、組換えDNA技術の標準的技術を用い 、pEryAT2/rapAT14を構築した。eryAT2ドメインにつき特 異的な遺伝子置換ベクターを作成するために、eryAT2にすぐに隣接する2 つのDNA領域をクローン化し、rapAT14ドメインをコードするD NAに隣接して位置させて、相同組換えが起こるのを可能とした。フランキング 領域、pCS5/AT2−flankを含有する中間プラスミドを構築するため のストラテジーおよびプロトコルは実施例6および図12に記載されている。p EryAT2/rapAT14の構築における最終工程は、AvrIIおよびN siI末端を有する1kb rapAT14−コーディングDNA断片を、同一 酵素で切断したpCS5/AT2−flank(実施例6)に連結させて遺伝子 置換/組込プラスミドpEryAT2/rapAT14を得ることであった(図 18)。全ての連結体を中間宿主E.coli DH5αに形質転換し、前記し たごとくにクローンを選択した。 実施例18:Sac.erythraea ER720 ErvAT2/rapAT14の構築 Sac.erythraea ER720のエリスロマイシンPKSのモジュ ール2のメチルマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン(EryAT2)を コードするDNA断片を、S.hygrpcsopicusATCC29253 からのマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン(rapAT14)で置き換 えることによって、10−デスメチルエリスロマイシ ンAおよび10−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンA産生微生物を 調製した。これは、実施例17に記載したごとくに調製した組換えプラスミド、 pEryAT2/rapAT14で達成された。ER720の形質転換および安 定分離体の選択および確認は、実質的に実施例4に記載したごとくに行った。4 つのチオストレプトン感受性コロニーを選択し、それらの染色体DNAをBsp EIで切断し、サザンハイブリダイゼーションによって分析した。4つのチオス トレプトン感受性コロニーにうち3つにおいて、eryAT2の5’−フランキ ング領域の断片よりなるプローブは、ほぼ4.3kbの染色体DNA断片とハイ ブリダイズし、これは、rapAT14がこれらの分離体の染色休においてEr yAT2を置き換えたことを示す。該株をSac.erythraea ER7 20EryAT2/rapAT14と命名した。実施例19:Sac.erythraea ER720 Er yAT2/ra pAT14によって産生された化合物の分析 その構築を実施例18に記載した組換えSac.erythraea、ER7 20 EryAT2/rapAT14によって産生された化合物をTLC、バイ オアッセイおよび質量分析 によって特徴付けた。 TLC分析では、細胞ょSGGPまたはSCM培地いずれか中で30℃で4− 5日間増殖させた。培養物をTLCのために実質的に実施例5に記載されたごと くに加工した。2つの新規化合物は10−デスメチルエリスロマイシンAおよび 10−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンAであると予測され、青色 スポットとして出現し、下方スポットはエリスロマイシンAよりもわずかに遅く 泳動し、上方スポットはエリスロマイシンAよりもわずかに速く泳動した。 生物学的活性を検出するために、実質的に実施例5に記載されているごとくに バイオアッセイを行った。陽性対照のように、新規化合物の周りに阻止ゾーンが 発生し、これはそれらが生物活性を有することを示す。 TLCで観察された新規スポットが予測される10−デスメチルエリスロマイ シンAおよび10−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシンAに対応する 分子量を有するか否かを判断するために、もうつ1つの培養物からの酢酸エチル 抽出物を、さらに、質量分析によって分析した。試料は4日間増殖させた20m Lの培養の粗製抽出物であった。質量分析は、2つの新 規化合物が720および704の質量を有することを明らかとし、これは、各々 、10−デスメチルエリスロマイシンAおよび10−デスメチル−12−デオキ シエリスロマイシンAの分子イオン+プロトン(M+H+)に対応する。実施例20:Streptomyces caelestis からのエチルATドメインのクローニング Streptomyces caelestis NRRL−2821(19 65年11月16日に発行された米国特許第3,218,239号)のゲノムラ イブラリーを、二機能性コスミドpNJ1(Tuanら、Gene,90:21 029(1990))において構築した。コスミドベクターは、5μgのpNJ 1をEcoRIで消化し、CIAPで脱リン酸化し、次いで、BglIIで消化 して1つのアームを生成させ、また、5μgのpNJ1をHIndIIIで消化 し、CIAPで脱リン酸化し、次いで、BglIIで消化して他方のアームを生 成させることによって調製した。インサートDNAは、Maniatis(前掲 )に概説された手順に従い、ほぼ5μgの染色体S.caelestisNRR L−2821 DNAをSauIIIAで部分的に消化することによって調製し た。ほぼ4 0kbの断片サイズを生成する消化条件を選択した。連結は、ほぼ1μgの消化 染色体DNAを0.5μgの各コスミドアームと混合することによって行った。 連結体を16℃で一晩インキュベートした。製造業者の指示に従い、2μLの連 結混合物をパッケージングするためにGigapackII XL(S て行った。個々のコロニーを30の96−ウェルプレートに拾って、ライブラリ ーが全てのS.caelestisNRRL−2821ゲノム配列を表す99. 99%の確率を得た。 S.caelestisNRRL−2821 PKS領域につき特異的なプロ ーブを用い、該ライブラリーをスクリーニングした。該プローブは、GenBa nkデータベースにおけるコンセンサスケトシンターゼ(KS)およびアシルト ランスフェラーゼ(AT)配列から設計した縮重プライマーを用い、S.cae lestisNRRL−2821ゲノムDNAのPCR増幅によって生成させた 。KS特異的オリゴ(配列番号:19)およびAT特異的オリゴ(配列番号:2 0)は900bp PCR断片を生成した。PCR反応は、10μLのTher mo Pol緩衝液、2μLのホルムアミド、25μLの20%グリセロール、3μL の50mM MgCl2、45μLの水、50ピコモルの各プライマーおよびほ ぼ0.2μgのDNAを含有するものであった。試料を5分間で99℃まで加熱 し、次いで氷上に置き、その時点で、2μLのdATP、dCTP、dGTPお よびdTTPの10mM混合物、2ユニットのVentDNAポリメラーゼおよ び7μLの水よりなる10μLのカクテルを添加した。次いで、試料をGene Amp 9600サーモサイクラー(Perkin Elmer,Foster City,CA)に移し、95℃の1分、50℃の4分、および72℃の4分 の温度サイクルを30回反復し、続いて、72℃で15分間インキュベートした 。次いで、所望のPCR断片を標準的手順によって1.0%低融点アガロースか ら単離した。 KS/ATプローブは、Megaprime DNA Labeling Sy stem(American Life Science,Arlington Heights,IL)を用い、ほぼ50ngのPCR断片を32Pで標識する ことによって作成した。ライブラリークローン(2,880)を96−ウェルプ レートからHybond−Nナイロンフィルター (Amersham)に移し、Maniatisら(前掲)中の手順に従い、K S/ATプローブでスクリーニングした。ハイブリダイセーションを65℃で行 い、最終洗浄は65℃での0.1×SSCにおけるものであった。クローンのう ち19は該プローブと強くハイブリダイズした。次いで、これらのクローンをS stIで消化し、1.0%アガロースゲル上で泳動させ、KS/ATプローブを 用いるサザン分析のためにHybond−Nナイロンフィルターに移した。pC EL 18h5と命名したコスミドをさらなる分析のために選択した。というの は、それは非常に多数のハイブリダイズする制限断片を含有したからである。 コスミドpCEL 18h5からのSstI断片をpGEM−3zf(pro mega,Madison,WI)にクローン化し、fmoleDNA Cyc le Sequencing System(promega)を用いて配列決 定した。 反応物をSequi−Gen II配列決定装置(Bio−Rad,Hercu les,CA)上で泳動させた。該断片の5’および3’末端にハイブリダイズ するプライマーを用い、コスミドpCEL 18h5を配列決定することによっ て、個々の 断片を相互に対して向かせて、上流および下流配列を生成させた。次いで、これ らの配列を個々の断片からの配列とマッチさせて、それらを適当な順序に置いた 。非常に大きなSstI断片(>10kb)をさらにSmaIで消化して、クロ ーニングおよび配列決定用のより小さい断片を生成させた。 得られた配列に関してGenBankデータベースをサーチすることによって 、ニッダマイシンPKSクラスターに関連する種々の酵素的モチーフを同定し、 タイプI PKS組織化の従前の知識に基づいてこれらのモチーフをモジュール にグループ分けした(図19)。ニッダマイシンマタロラタトン環のC−6位は エチル側鎖に由来するアルデヒドを有する(図20)。 したがって、ニッダマイシンクラスターのモジュール5のATはこのエチル基を 成長しつつある鎖に取り込むことを担うと予測された。加えて、分子のC−7に おける炭素は完全に飽和され、これは、ERおよびDHモチーフもモジュール5 に存在するという予測に導いた。事実、これらのモチーフは配列の予測領域で見 出された。さらに、先行4モジュールについてのモチーフは、予測されるごとく 、モジュール4における不活性ケトリダクターゼモチーフを持ち、これは環のC −9位でケト基を 脱離する。KRの配列決定は、ヌクレオチド結合部位GXGXXG(配列番号: 27)がDXTXXP(配列番号:29)に突然変異したことを示した。モジュ ール5のエチルATのヌクレオチド配列(配列番号:29)および対応するアミ ノ酸配列(配列番号:33)は図21に示す(各々、頂部および底部鎖)。 また、ノックアウト実験をこのクラスターについて行い、DNAのこの配列が ニッダマイシン生合成の経路をコードすることが示された。 実施例21:プラスミドpEAT4の構築 多工程ストラテジーを用いてプラスミドpUC/ethAT/C6(図22) を構築した。これは全てpUC19に含有された、eryAT4コーディング配 列の上流およひ下流のほぼ2.0kb配列によって両側が近接されたNidAT 5ドメインをコードするDNAよりなる。EryAT4フランキングDNAはp AIBX85からサブクローンした。このプラスミドは、エリスロマイシンPK SクラスターのeryAII遺伝子におけるXhoI部位ないしBamHI部位 の8.4kbのSac.erythraeaDNAを含有するpCS5誘導体で ある。これらの部位は、GenBank受託番号M63676 の、各々、塩基23211および31581に対応する。EryAT4 5’− フランキングDNAは、pAIBX85を(各々、ヌクレオチド23,211お よび31,581に対応する)MscIおよびBStEIIで消化することによ って単離した。得られた1800bp DNA断片をDNAポリメラーゼのクレ ノウ断片で処理し、pUC19のSmaI部位に連結し、E.coli DH5 αに形質転換した。150μg/mLのアンピシリンおよび50μLの青色/白 色選択用のX−galの2%溶液を含有するLBプレート上でクローンを選択し た。該クローンを制限分析によって確認し、その結果、中間ベクターpUC/5 ’−flankを得た。NidAT5−コーディング配列の便利なクローニング のために、AvrII部位を5’フランキングDNAの3’末端に作成した。こ れは、2つのオリゴヌタレオチド(配列番号:21および配列番号:22)を用 いる5’フランキングDNAのPmlI部位ないしBStEII部位のPCR増 幅によって達成された。配列番号:22は3’および5’フランキングDNAに AvrIIおよびBamHI部位を取り込む。PCR条件は、以下の変形を施し 、鋳型としてSac.erythraeaDNAを用いる 実施例20に記載されている通りであった:Taqポリメラー ゼの代わりに伴う10×緩衝液と共に使用し、サイクリング条件は25サイクル につき96℃/30秒、55℃/30秒、72℃/30秒であった。次いで、得 られた300bp PCR断片をPmlIおよびBamHIで消化し、Prep −A−Geneにて1.0アガロースゲルから精製し、PmlIおよびBamH Iで消化したpUC/5’−flankに逆連結してpUC/5’−flank −AvrIIを得た。連結体をDH5αに形質転換し、150μg/mLアンピ シリンを含有するLBプレートに平板培養した。クローンは制限分析およびDN A配列決定によって確認した。 5’フランキングDNAの下流のNidAT5−コーディングDNA断片をク ローン化するために、NidAT5−コーディングDNAの5’末端にAvrI I部位も作成した。図23に示すごとく、アミノ酸配列を変化させることなくA vrII部位をNidAT5DNAに作成することもできる。2つのPCRオリ ゴヌクレオチド(配列番号:23および配列番号:24)は、NidAT5−コ ーディングDNAの、各々、5’ 末端にAvrII部位を、3’末端にBamHI部位を生じるように設計した。 便利なFseI部位が天然でNidAT5−コーディング配列の3’末端に生じ 、従って、得られたPCR断片はPCR作成BamHI部位の丁度上流にFse I部位を含有する。配列番号:23および配列番号:24を、鋳型p16−2. 2でのPCR反応で使用した。このプラスミドは、ニッダマイシンPKSクラス ターのモジュール5からの2.2kbkSmaI断片を含有するpUC19であ り(図19)、これはNidAT5をコードする配列を含む。得られた1.0k bPCR断片をAvrIIおよびBamHIで消化し、Prep−A−Gene を用いる1.0%アガロースゲルから精製し、pUC/5’−flank−Av rIIのAvrII/BamHI部位にクローン化した。クローンは制限分析お よびDNA配列決定によって確認し、中間プラスミドpUC/5’−flank /ethATを得た。 EryAT4 3’−フランキングDNAは、eryAIT遺伝子(GenB ank受託番号M63676)からの、各々、ヌクレオチド29,231および 31,209に対応する、PmlIおよびMscIでpAIBX85を消化する ことによっ てサブクローンした。該DNAをPrep−A−Geneを用いる1.0%アガ ロースゲル上でゲル精製し、pUC19のsmaI部位に連結した。連結体をD H5αに形質転換し、前記したごとくに平板培養した。クローンは制限分析によ って確認し、その結果、プラスミドpUC/3’−flankが得られた。 EryAT4 3’−フランキングDNAをNidAT5−コーディング配列 に付着させるのは、プラスミドpUC/3’−flankをFseIおよびBa mHIで消化し、Prep−A−Geneを用いる1.0%アガロースゲル上で 断片をゲル精製し、それを、予めFseIおよびBamHIで消化されているp UC/5’−flank/ethATに連結することによって達成された。前記 したごとくに連結体をDH5αに形質転換し、クローンを制限分析によって分析 し、その結果、中間プラスミドpUC/ethAT/C−6が得られた。最終工 程は、EcoRIおよびHindIIIでpUC/ethAT/C−6からNi dAT5/フランキングDNAインサートを取り出し、それをpCS5のEco RI/HindIII部位に連結し、遺伝子置換/組込プラスミドpEAT4を 得ること であった(図24)。実施例22:Sac.erythraea ER720 EA T4−46の構築 6−デスメチル−6−エチルエリスロマイシンA産生微生物の例は、Sac. erythraeaER720のエリスロマイシンPKSのモジュール4におけ るメチルマロニルアシルトランスフェラーゼドメインをコードするDNA断片( EryAT4)をS.caelestisNRRL−2821からのエチルマロ ニルアシルトランスフェラーゼドメインをコードする新しく発見されたDNA断 片(NidAT5)で置き換えることによって調製した。これは、実施例21に 記載されたごとく調製した組換えプラスミドpEAT4を用いて達成された。 Sac.erythraeaER720の形質転換および安定分離体の選択およ び確認は実質的に実施例4に記載されたごとくに行った。9つのチオストレプト ン感受性コロニーを選択し、それらの染色体DNAをMluIで切断し、サザン ハイブリダイゼーションによって分析した。9つのチオストレプトン感受性コロ ニーのうち3つにおいて、Streptomycescaelestisにおけ るKS/ATドメインにわたるほぼ 900bp断片よりなるプローブはほぼ1.8kbの染色体断片とハイブリダイ ズし、これは、NidAT5がこれらの分離体の染色体においてEryAT4を 置き換えたことを示している。該株をSac.erythraeaER720 EAT4−46と命名した(単に、EAT4−46という)。実施例23:EAT4−46によって産生された化合物の分析 その構築が実施例22に記載された株EAT4−46によって産生された化合 物をTLC、バイオオートグラフィーおよび質量分析によって特徴付けた。 細胞を30mLのSCM中にて30℃で4−5日間増殖させた。培養物を実質 的に実施例5に記載されたごとくにTLC用に加工した。結果は、EAT4−4 6が、かなり低い収率であることを除き、野生型SAc.erythraeaE R720によって産生されたエリスロマイシンAと同一rfで移動する化合物を 産生したことを示した。 該化合物の分子量を測定するために、適量の試薬を用い、前記したEAT4− 46の50mLのSCM培養から酢酸エチル抽出物を調製した。得られた残渣を 50μLの酢酸エチル中に採り、プレートをアニトアルデヒドでスプレーしない 以外は前 記したごとくにTLCプレート上で泳動させた。注目する化合物は、実施例8に 記載ごとくスポットに隣接するシリカ樹脂を掻き採り、該樹脂を抽出することに よって単離した。質量分析により、EAT4−46によって産生された化合物は 734の質量を有することが明らかとされ、これはエリスロマイシンAの分子イ オン+プロトン(M+H+)に対応する。 NidAT5エチルマロニルAT構築用の基質プールを増大させる試みにおい て、50mM酪酸(pH7.0)を含有する100mLのSCM培地中でEAT 4−46株を増殖させた。 培養を30℃で4日問増殖させ、次いで、Sorval GLC−4 Cent rifuge中で10分間遠心して細胞をペレット化した。得られた上清を60 0μLのNH4OHの添加によってpH9.0に調整し、前記したごとくに1/ 2容量の酢酸エチルで2回抽出した。Speed−Vacロータリー濃縮機中で 乾燥した後、抽出された物質を100μLの酢酸エチルに採り、10μLを前記 したごとくにTLC分析で用いた。 SCM培地単独では1つのスポットのみが観察されたのに対し、酪酸供給培養で はeryA近くで泳動する2つのスポットが観察された。2つのスポットの分子 量を測定するために、抽出物 の残りの大部分を再度TLCに付し、プレートのeryA領域中の化合物を前記 したごとくに単離した。質量分析は、2つのスポットが734および748の分 子量を有することを明らかとした。734の分子量はエリスロマイシンAの分子 イオン+プロトン(M+H+)に対応する一方で、分子量748の種はエチルエ リスロマイシンAの分子イオン+プロトン(M+H+)に合致する。実施例24:Streptomyces caelestis NRRL−2821からのNidAT6ドメインの クローニング 実施例20に記載したごとくにStreptomycescaelestis NRRL−2821DNAのゲノミックライブラリーを生成させ、PKS遺伝子 につき特異的なプローブでスクリーニングした。陽性クローンのSstI消化物 のサザン分析から、いくつかのクローンをさらなる分析用に選択した。 これらのクローンをSmaIと消化し、PKS特異的プローブにてサザンハイブ リダイゼーションのために1%アガロース上で泳動させた。該分析は、第2のコ スミドpCEL13f5がpCEL18h5とハイブリダイズする多くのバンド を有する が、1.9kbおよび6.0kbの2つのユニークなバンドも含有することを明 らかとした。このコスミドをさらなる分析用に選択して、ニッダマイシン経路に おける残りのPKS遺伝子の配列を決定した。コスミドpCEL13f5をSs tIで消化し、断片をpUC19に連結した。大きなSstl断片(>10kb )をさらにSmaIで消化し、pUC19に連結した。 連結体をDH5α細胞に形質転換し、150μg/mLのアンピシリンおよび5 0μlの青色/白色選択用のX−galの2%溶液を含有するLBプレート上で クローンを選択した。適当なインサートを含有するクローンからのDNAを、Q IAprep Spin Kit(QIAGEN Inc.,Chatswor th,CA)を用いて単離した。ABI PRISM Dye Termina tor Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(Perkin Elmer)を用いてサブクローンを配列決定し、反応 物を4.75%アクリルアミド、Applied Biosystems 37 3 DNA Sequencing Systemにおける8.3M尿素上で泳 動させた。インサートの順序付けおよびモチーフ同定は実施例20に記載したご とくに 行った。 コスミドpCEL13f5におけるインサートは長さがほぼ25kbであるこ とが判明し、該インサートの5’末端はpCEL18h5におけるインサートの 3’末端と同一の約10kb配列を有した。一緒にすると、2つのコスミドは、 ニッダマイシン経路のPKS遺伝子の全てを含有する(図19)。ニッダマイシ ンの構造に基づくと(図20)、モジュール6に含有されたAT(NidAT6 )は、ニッダマイシンのマクロラクトン環のC−3、C−4およびO−4位の生 合成においてヒドロキシマロネート(タルトロネート)を利用し得る。(S.O muraら(J.Antibiotics 36:611−613(1983) )は、密接に関連した16−員マクロライドであるロイコマイシンのC−3、C −4およびO−4位の生合成においてグリコーレートが取り込まれ得ることを示 唆した)。NidAT6のヌクレオチド配列(頂部鎖、配列番号:30)および その対応するアミノ酸配列(下方鎖、配列番号:34)を図25に示す。 NidAT6のアミノ酸配列とSwissprotデータベースにおける他のA Tとの比較は、NidAT6がメチルマロニルATに似ていることを示す。実施例25:プラスミドpUC18/NidAT6の構築 ニッダマイシンPKSクラスターからのNidAT6ドメインをコードする1 024bpDNA断片をサブクローンし、カセットクローニング用の2つのユニ ーク制限部位AvrIIおよびNsiIを導入するために、2つのPCRオリゴ ヌクレオチド(配列番号:25および配列番号:26)を設計した。これは、N idAT6−コーディングDNA配列の末端の開始および近くの、図26で太線 で示した、ヌクレオチド変化を必要とした。示した該変化は、NidAT6ドメ インのN−末端近くのプロリンコドンのバリンコドンでの置換も引き起こして、 ラパマイシンPKSのATドメインのいくつかにつき天然で見出されるものに対 してドメイン結合配列の類似性を増大させる。 (図26において、下線を施したヌクレオチドは野生型配列である)。加えて、 PCR生成の産物の便利なサブクローニングのために、各々、N−末端およびC −末端オリゴヌクレオチドの5’末端に2つの他の制限部位EcoRIおよびB glIIも導入する。コスミドpCEL13f5からの試薬および一般的方法で 記載された方法を用い、ほぼ1kbのNidAT6ドメインをコードするDNA を増幅する。PCR産物をEcoRI およびBglIIで消化し、pUC18のEcoRIおよびBamHI部位にサ ブクローンする。連結混合物を製造業者の指示に従ってE.coli DH5α (GIBCO BRL)に形質転換し、150μg/mlアンピシリンおよび5 0μLの青色/白色選択用のX−gslの2%溶液を含有するLBプレート上で 形質転換体を選択する。クローンを制限分析によって確認し、インサートの忠実 度をDNA配列決定によって確認する。最終プラスミド構築体をpUC18/N idAT6と命名する。実施例26:プラスミドpEryAT2/NidAT6の構築 図26および27の図式概説に従い、組換えDNA技術の標準的方法を用いて pEryAT2/NidAT6を構築する。 eryAT2ドメインにつき特異的な遺伝子置換ベクターを作成するために、e ryAT2にすぐ隣接する2つのDNA領域をクローン化し、NidAT6ドメ インをコードするDNAに隣接して位置させて、相同組換えが起こることを可能 とする。 フランキング領域、pCA5/AT2−flankを含有する中間プラスミドを 構築するためのストラテジーおよびプロトコルは実施例6および図11に記載す る。pEryAT2/ NidAT6の構築における最終工程は、AvrIIおよびNsiI末端を有す る1kbのNidAT6−コーディングDNA断片を、同一酵素で切断したpC S5/AT2−flank(実施例6)に連結して、遺伝子置換/組込プラスミ ドpEryAT2/NidAT6を得ることである(図27)。全ての連結混合 物を中間宿主E.coli DH5αに形質転換し、クローンを選択し、前記し たごとくに特徴付ける。実施例27:Sac.ervthraeaER720 Ery AT2/HidAT6の構築 Sac.erythraea ER720のエリスロマイシンPKSのモジュ ール2のメチルマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン(EryAT2)を コードするDNA断片を、S.caelestis NRRL−2821からの ヒドロキシマロニルアシルトランスフェラーゼドメシン(NidAT6)をコー ドするDNA断片で置き換えることによって、10−デスメチル−10−ヒドロ キシエリスロマイシンAおよび12−デオキシ−10−デスメチル−10−ヒド ロキシエリスロマイシンA産生微生物を調製する。これは、実施例26に記載さ れた組換えプラスミドpEryAT2/NidAT6で達成さ れる。ER720の形質転換および安定溶解体の選択および確認は実質的に実施 例4に記載されたごとくに行う。次いで、チオストレプトン感受性コロニーを選 択し、これらは、前記した条件を用いるサザンハイブリダイゼーションによって 、NidAT6によって置き換えられたEryAT2を有することが確認される 。該株はSac.erythraea ER720EryAT2/NidAT6 と命名される。実施例28:Sac.erythraea ER720 Er yAT2/Ni dAT6によって産生された化合物の分析 その構築が実施例27に記載された組換えSac.erythraea株、E R720 EryAT2/NidAT6によって産生された化合物をTLC、バ イオアッセイ、および質量分析によって特徴付ける。 TLC分析では、細胞をSGGPまたはSCMいずれか中で30℃にて4−5 日間増殖させる。培養物を実質的に実施例5に記載ごとくにTLC用に加工する 。10−デスメチル−10−ヒドロキシエリスロマイシンAおよび12−デオキ シ−10−デスメチル−10−ヒドロキシエリスロマイシンAであると予測され る2つの新規化合物はエリスロマイシンAよりもわず かに遅く泳動する青色スポットとして出現すると予測される。 TLCで観察される新規スポットが予測された10−デスメチル−10−ヒド ロキシエリスロマイシンAおよび12−デオキシ−10−デスメチル−10−ヒ ドロキシエリスロマイシンAに対応する分子量を有するか否かを判断するために 、残りの抽出物をさらに質量分析によって分析する。2つの新規化合物は736 および720の質量を有すると予測され、これは、各々、10−デスメチル−1 0−ヒドロキシエリスロマイシンAおよび12−デオキシ−10−デスメチル− 10−ヒドロキシエリスロマイシンAの分子イオン+プロトン(M+H+)に対 応する。 実施例29:プラスミドpEryAT/NidAT6の構築 pEryAT/NidAT6は、図28および29の図式概説に従って組換え DNA技術の標準的方法を用いて構築した。 eryATドメインにつき特異的な遺伝子−置換ベクターを構築するために、e ryAT−コーディングDNAにすぐに隣接する2つのDNA領域をクローン化 し、NidAT6をコードするDNAに隣接して位置させた(実施例25)。e ryATの5’および3’境界をヌクレオチド902および1908と 命名し、これは寄託されたeryAI配列(GenBank受託番号M6367 6)に対応する。Sac.erythraea染色体からのeryATドメイン コーディング領域の上流のDNA断片をサブクローンするために、EcoRI部 位が該領域の5’末端に付加され、かつAvrII−BamHI制限部位が3’ 末端に導入されるように2つのPCRオリゴヌクレオチド(配列番号:35およ び配列番号:36)を設計した。実施例2に記載した条件下、プラスミドpAI EN22 DNAを鋳型として用いるPCRによって5’−フランキング領域( 約1.2kb)を生成させた。PCR産物をpUC18のEcoRIおよびBa mHI部位にサブクローンし、製造業者の指示に従って連結したDNAをE.c oli DH5α(GIBCOBRL)に形質転換した。150μg/mLアン ピシリンおよび50μLの青色/白色選択用のX−galの2%溶液を含有する LBプレート上でクローンを選択した。クローンは制限分析によって確認し、イ ンサートの忠実度はDNA配列決定によって確認した。得られた構築体をpUC 18/AT/5’−flankと命名した。 Sac.erythraea染色体からのeryATの3’ −フランキング領域をサブクローンするために、BamHI−NsiI制限部位 を該領域の5’末端に導入し、HindllI制限部位を3’末端に付加するよ うに、2つのPCRオリゴヌクレオチド(配列番号:37および配列番号:38 )を設計した。また、前記したごとく鋳型としてpAIEN22を用いるPCR によって、3’−フランキング領域(約1.2kb)も生成させた。PCR断片 をpUC18のBamHIおよびHindIII部位にサブクローンし、連結し たDNAをE.coli DH5αに前記したごとくに形質転換した。150μ g/mLのアンピシリンおよび50μLの青色/白色選択用のX−galの2% 溶液を含有するLBプレート上でクローンを選択した。クローンは制限分析によ って確認し、インサートの忠実度はDNA配列決定によって確認した。この中間 構築体をpUC18/AT/3’−flankと命名した(図28)。 pUC18/AT/3’−flankから1.2kbのEcoRI/BamHI 5’−フランキング断片を単離し、同一酵素で切断したプラスミドpCS5にサ ブクローンし、pCS5/AT/5’−flankを得た。pUC18/AT/ 3’−flankから1.2kbのBamHTおよびHindIII 3’−フランキング断片を単離し、次いで、同一酵素で切断したpCS5/AT /5’−flankベクターにクローン化し、pCS5/A−flankを得た 。pEryAT/NidAT6の構築における最終工程は、pUC18/Nid AT6(実施例25)から単離したAvrIIおよびNsiI末端を有する1k bのNidAT6断片を、同一酵素で切断したpCS5/AT−flankに連 結して、遺伝子置換/組込プラスミドpEryAT/NidAT6を得ることで あった(図29)。 全ての連結混合物を中間宿主E.coli DH5αに形質転換し、クローンを 前記したごとくに選択した。 実施例30:Sac.erythraea HATSの構築 開始ユニットプロピオニルCoAのロードを指令するSac.erythra ea ER720のエリスロマイシンPKSのアミノ末端の第1ATにおけるア シルトランスフェラーゼドメイン(EryAT)をコードするDNA断片を、S .caelestis NRRL−2821のニッダマイシンPKSの第6モジ ュールからのヒドロキシマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン(NidA T6)をコードするDNAで置き換えることによって、14−ヒドロキシエリス ロマイシンA産生微 生物を調製した。これは、実施例29に記載されたごとくに調製した組換えプラ スミドpEryAT/NidAT6で達成した。ER720の形質転換および安 定分離体の選択および確認は実質的に実施例4に記載されたごとくに行った。チ オストレプトン−感受性コロニーから単離したDNAを、前記したストリンジェ ンシー条件を用いるサザンハイブリダイゼーションで使用して、NidAT6に よって置き換えられたEryATドメインを有するクローンを同定した。このよ うな置換を担持する株をSac.erythraea HATSと命名した。実施例31:Sac.erythraea HATSによって 産生された化合物の分析 0.5%グリシンを補足した30mLのDOM培地(蒸留水1リットル中に1 5.0g可溶性澱粉、22.0g大豆粉、2.0g CaCO3、1.5g醸造 酵母、1.0g MgSO4・7H2O、FeSO4・7H2O、50mL大豆油) 中でSac.erythraeaHATSを30℃で7日間増殖させ、次いで、 診療遠心機中で10分間遠心して細胞を除去した。上清をもう1つの管に取り出 し、NH4OHの添加によってpHを9.0に調整した。上清を15.0mLの ジクロロメタンで 2回抽出し、下方有機相をプールし、乾燥した。残渣をヘプタン:メタノール: 0.05M KH2PO4の10:10:1混合液中に分配し、下方のメタノール /0.05M KH2PO4層を収集した。新鮮な10:1メタノール/0.05 M KH2PO4混合物をヘプタン相に添加し、再度分配した。メタノール/0. 05M KH2PO4相をプールし、乾燥して、メタノールを除去し、残存する水 性相を0.05M KH2PO4、pH8でpH8に調整した。次いで、これを1 /2容量のジクロロメタンで2回抽出し、下方の有機相をプールし、次いで、乾 燥した。残渣を30μLの酢酸エチルに採り、実質的に実施例5に記載されてい るごとくにTLCを行った。エリスロマイシンAであると予測される化合物は、 やはり青色で出現するがエリスロマイシンAスポットのわずかに下方で泳動する 14−ヒドロキシエリスロマイシンAであると予測される化合物と共に、青色ス ポットとして検出された。 Sac.erythraea HATSによって産生された化合物の質量を測 定するために、抽出物の前記試料16μLを質量分析によって分析した。分析は 、エリスロマイシンAの分子イオン+プロトン(M+H+)に対応する質量73 4を持つ 化合物、ならびに14−ヒドロキシエリスロマイシンAの分子イオン+プロトン (M+H+)に合致する質量736を持つ化合物を同定した。 実施例32:プラスミドpEryM1/NidAT6の構築 図9および30の図式概説に従って組換えDNA技術の標準的方法を用いてp EryM1/NidAT6を構築した。eryAT1ドメインにつき特異的な遺 伝子置換ベクターを構築するために、eryAT1コーディングDNAにすぐに 隣接する2つのDNA領域をクローン化し、NidAT6ドメインをコードする DNAに隣接して位置させて、相同組換えが起こることを可能とした。eryA T1フランキング領域、pCS5/AT1−flankを含有する中間プラスミ ドの構築のためのストラテジーおよびプロトコルは実施例2および図9に記載さ れている。pEryM1/nidAT6の構築における最終工程は、まず、pU C18/NidAT6(実施例25)をAvrIIおよびNsiIで消化し、次 いで、生成した1kbのNidAT6断片を同一酵素で切断したpCS5/AT 1−flankに連結して遺伝子置換/組込プラスミドpEryM1/NidA T6を得ることであった(図30)。全ての連結混合 物を中間宿主E.coli DH5αに形質転換し、クローンを選択し、前記し たごとくに特徴付けした。 実施例33:Sac.erythraea HAT1の構築 Sac.erythraea ER720のエリスロマイシンPKSのモジュ ール1のメチルマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン(EryAT1)を コードするDNA断片を、S.caelestis NRRL−2821からの ヒドロキシマロニルアシルトランスフェラーゼドメイン(NidAT6)をコー ドするDNA断片で置き換えることによって、6−デオキシ−12−デスメチル −12−エピエリスロマイシンA−および12−デスメチル−12−エピエリス ロマイシンA−産生微生物を調製した。これは、実施例32に記載されているご とてにくに調製した組換えプラスミドpEryM1/NidAT6で達成された 。Sac.erythraea ER720の形質転換および安定分離体の選択 および確認は実質的に実施例4に記載されているごとくに行った。チオストレプ トン感受性コロニーから単離したDNAを、前記したストリンジェンシー条件下 を用いるサザンハイブリダイゼーションで使用して、NidAT6によって置き 換えられたEryATドメインを有 するクローンを同定した。このような置換を担持する該株をSac.eryth raea HAT1と命名した。実施例34:Sac.ervthraea HAT1によって産生された化合物 の分析 増殖用培地に応じて、異なる化合物をSac.erythraea HAT1 (実施例33)によって産生させた。1つの例において、10mMグリセロール を補足した50mLのSCM培地(蒸留水1リットル当たり20gのSoyto ne、15gの可溶性澱粉、10.5gのMOPS、1.5gの酵母エキスおよ び0.1gのCaCl2)中で、培養を30℃にて5日間増殖させた。次いで、 培養物を実質的に実施例5に記載されているごとくにTLC分析用に加工した。 エリスロマイシンAの領域中で泳動する青色スポットとして出現する化合物を検 出した。16μLの抽出物の試料の質量分析は、エリスロマイシンAの分子イオ ン+プロトン(M+H+)に対応する質量734を持つ化合物、ならびに6−デ オキシ−12−デスメチル−12−エピエリスロマイシンAの分子イオン+プロ トン(M+H+)に合致する質量704を持つ化合物を同定した。 第2の実験において、50mLの以下の培地:蒸留水1リッ トル当たり15gのコーンスターチ、20gの大豆粉、1.5gの乾燥醸造酵母 、10gの大豆油、1gのCaCO3、0.5gのMgSO4・7H2O、0.0 15gのFeSO4および1gのピルビン酸ナトリウム中、Sac.eryth raea HATS1を30℃で4日間増殖させた。増殖後、培養物を前記した ごとくにTLC用に加工した。エリスロマイシンAの領域中で泳動する青色スポ ットとして出現する化合物を検出した。少量の抽出物試料の質量分析は、12− デスメチル−12−エピエリスロマイシンAの分子イオン+プロトン(M+H+ )に合致する質量720を持つ化合物を同定した。実施例35:Streptomyces hyroscopicus ATCC 29253からの断片を含有するrapリガーゼ−PKSのクローニング 実施例1に記載されたPCR条件およびプライマー配列番号:39および配列 番号:40を用い、Streptomyceshygroscopicus A TCC29253から調製したゲノムDNAからのPCRによって、rapP遺 伝子(Schweckeら、Proc.Natl.Acad. Sci.92, 7839−7843[1995])のセクメントをコー ドする0.8kb断片を増幅した。得られた0.8kbDNA断片を、Mega primeDNA標識システム(Amersham Life Science ,Arlington Heights,IL)を用い32Pで標識し、以下のよ うにしてrapPおよび隣接DNAを含有するコスミドを単離するためのプロー ブとして用いた:Streptomyces hygroscopicusAT CC29253ゲノムDNAのライブラリー(実施例1)をLB寒天プレートに 形質転換してほぼ3,000コロニー/プレートを得た。一晩の増殖の後、コロ ニーをプレートからHybond−Nナイロン膜(Amersham Life Science,Arlington Heights,TL)に移し、Ma niatisら(前掲)に概説されている手順に従って標識rapPDMAセグ メントでプローブした。ハイブリダイゼーションは65℃で行い、ストリンジェ ンシー洗浄は65℃にて0.1×SSCで行った。11の陽性コスミドクローン を制限およびPCR分析用に拾った。5つのコスミドが、rapP遺伝子ならび にラパマイシンOKSの一部をコードするrapA遺伝子のセグメントを含有す る隣接DNAを共に含有すると同定された。rapA遺伝子 の5’末端は、ラパマイシン生合成の開始に必要な以後「ラプリガーゼ」と呼ぶ 機能をコードしている。コスミドのうち1つが、ラプリガーゼおよび遺伝子置換 用のDNA源PKSドメインを含有するDNAを構築するためのPCRおよびサ ブクローニング用DNA源として選択された。 実施例36:プラスミドOSL1180/ラプリガーゼ3.0の構築 ラパマイシンの生合成は、開始剤としてジヒドロシクロヘキシルー部位を使用 するラプリガーゼによって開始される。ラプリガーゼドメインに隣接して、エノ イルレダタターセ活性を含有することが提案されているERSと命名されるドメ インがある。図31に概説されているごとく、組換えDNA技術の標準的方法を 用い、ラプリガーゼおよびERSをコードするrapAの3.0kbセグメント をプラスミドpSL1180(Brosius,J.,DNA8,759,19 89)に挿入して、プラスミドpSL1180/ラプリガーゼ3.0を得た。ラ プリガーゼ−ERS−含有セグメントはエリスロマイシンPKSの開始セグメン トを置き換えるのに使用されるべきであり、それにより、引き続いてのカセット クローニングを容易とするた めの、各々、3.0kb断片の5−’および3’−における2つのユニーク制限 部位AvrIIおよびNsiIの置換が必要であったので、図31に示した一連 のクローニング工程を介してラプリカーゼおよびrapERSを含有する3.O kb断片を組み立てる必要があった。 (a)pSL1180/0.11の構築 PCRプライマー配列番号:41および配列番号:42を用いて、DNA鋳型 としてコスミド#2(実施例35)を用い、ラプリガーゼドメインの0.11k bのN−末端断片を増幅した。プライマー配列番号:42を設計して、ラプリガ ーゼドメインをコードする配列の上流のAvrII部位を含有させた(図31) 。PCR反応、サイクリング条件および所望の断片の単離は実施例1に記載され たものであった。次いで、PCR産物をpSL1180のEcoRI/SphI 部位にクローン化してpSL1180/0.11(図31)が得られ、配列忠実 度はヌクレオチド配列決定によって確認した。(b)pLS1180/0.77の構築 PCRプライマー配列番号:43および配列番号:44を用いて、直前に記載 した条件を使用し、DNA鋳型としてコスミ ド#2(実施例35)を用い、rapERSドメインの0.77kbのC−末端 を増幅した。ERSドメインからすぐに上流にNsiI部位を有するようにプラ イマー配列番号:44を設計した。次いで、PCR産物をpSL1180のXh oI/HnidIII部位にクローン化してpSL1180/0.77(図31 )が得られた。配列忠実度はヌクレオチド配列決定によって確認した。 (c)pSL1180/0.11/2.1の構築 コスミド#2(実施例35)から2.1kbのSphI/XhoI制限断片を 単離し、pSL1180/0.11のSphI/XhoI部位にサブクローンし てpSL1180/0.11/2.1を得た(図31)。 (d)pSL1180/ラプリガーゼ3.0の構築 pSL1180/0.77から0.77kbのXhoI/HnidIII断片 を単離し、pSL1180/0.11/2.1のXhoI/HnidIII部位 にサブクローンしてプラスミドpSL1180/ラプリガーゼ3.0(図31) を得た。 実施例37:プラスミドpEryAT/ラプリガーゼ3.0の構築 図32の図式概説に従って組換えDNA技術の標準的な方法 を用いてプラスミドpEryA/ラプリガーゼ3.0を構築した。eryATフ ランキング領域、pCS5/AT−flankを含有するプラスミドカセットを 実施例29に記載したごとくに構築した。図32に概説したごとくに、プラスミ ドpSL1180/ラプリガーゼ3.0(実施例35)から単離された3.0k bのAvrII/NsiI断片をpCS5/AT−flankの同部位にサブク ローンして、遺伝子置換/組込プラスミドpEryAT/ラプリガーゼ3.0( 図32)を得た。実施例38:Sac.erythraea EryAT/ラプリガーゼ3.0の 構築 Sac.erythraea ER720のエリスロマイシンPKSのアミノ 末端におけるアシルトランスフェラーゼドメイン(EryAT)をコードするD NA断片を、S.hygroscopicusATCC29253からのラプリ ガーセ−rapERSドメインをコードするDNA断片(実施例35)で置き換 えることによって、13−デスメチル−13(3’,4’−ジヒドロキシシクロ ヘキシル)メチルエリスロマイシンA産生微生物の例を調製した。これは、実施 例37に記載ごとくに調製した組換えプラスミド、pEryAT/ラプリガーゼ 3.0で達成された。Sac.erythraea ER720の形質転換およ び安定溶解体の選択および確認は実施例4に記載されたごとく行った。4つのチ オストレプトン感受性コロニーを選択し、それらのう1つがサザンハイブリダイ ゼーションによってラプリガーゼ−rapERSによって置き換えられたEry ATを有することが確認された。該株はSac.erythraea EryA T/ラプリガーゼ3.0と命名された。実施例39:Sac.erythraea EryAT/ラプリガーゼによって 産生された化合物の分析 その構築を実施例38に記載したSac.erythraeaEryAT/ラ プリガーゼ50mLの3.0をSCM培地(実施例34)中、30℃で2日間増 殖させ、次いで、1mLの3,4−ジヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸をさ らに3日間毎日補足した。次いで、培養物を実質的に実施例5に記載されたごと くTLC用に加工した。13−デスエチル−13(3’,4’−ジヒドロキシシ クロヘキシル)メチルエリスロマイシンAであると予測される新規化合物はエリ スロマイシンAよりもわずかに遅く泳動する青色スポットとして出現した。 生物学的活性を検出するために、20μLの抽出された試料 を用いる以外は実質的に実施例5に記載されたごとくにTLC−バイオオートグ ラフィーアッセイを行った。陽性対照のように、阻止の小さなゾーンが試料スポ ットの周りに発生し、これは新規化合物が生物活性を有することを示す。 TLCで観察された新規スポットが予測13−デスエチル−13(3’,4’ −ジヒドロキシシクロヘキシル)メチルエリスロマイシンAに対応する分子量を 有するか否かを判断するために、少量の酢酸エチル抽出物試料をさらに質量分析 によって分析した。質量分析は、新規化合物が820の質量を有することを明ら かとし、これは13−デスエチル−13(3’,4’−ジヒドロキシシクロヘキ シル)メチルエリスロマイシンAの予測分子イオン+プロトン(M+H+)に対 応する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:465) (C12N 1/21 C12R 1:01) (C12P 17/08 C12R 1:465) (C12P 17/08 C12R 1:01) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 スタツシー,ダイアン・エル アメリカ合衆国、イリノイ・60035、ハイ ランド・パーク、エルムウツド・ドライ ブ・1883 (72)発明者 サマーズ,リチヤード・ジイ,ジユニア アメリカ合衆国、ウイスコンシン・54911、 アツプルトン、イースト・ハリス・117 (72)発明者 ルーアン,シヤオアン アメリカ合衆国、イリノイ・60044、レイ ク・ブラフ、ノース・エンビロン・サーク ル・29734 (72)発明者 ペレダ―ロペス,アナ アメリカ合衆国、イリノイ・60060、マン デレイン、コンコルド・サークル・1033 (72)発明者 カカフアス,ステイーブン・ジエイ アメリカ合衆国、イリノイ・60089、バツ フアロー・グローブ、ジヨンソン・ドライ ブ・1441、アパートメント・ナンバー・ 1122

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: [式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は独立してQから選択され、ここ に、Qは(a)−H、(b)−Me、(c)−Etおよび(d)−OHよりなる 群から選択され; R7は−Et、−HOMe(ヒドロキシメチル)および3,4−ジヒドロキシ シクロヘキシルメチルよりなる群から選択され; L1およびL2は独立して−Hまたは−OH; L3はD−デスオサミンまたは−OH;および L4はL−ミカロース、L−クラジノースまたは−OHであ る; 但し、R7が−EtであってR1−R5が−Meである場合、R6は−Hまたは− Me以外である] で示される化合物。 2.Qが(a)、(b)および(c)よりなる群から選択され、R7が−Etで あって、L1、L2、L3およびL4が前記定義のものである請求項1記載の化合物 。 3.Qが(a)、(b)および(d)よりなる群から選択され、R7が−Etで あって、L1、L2、L3およびL4が前記定義のものである請求項1記載の化合物 。 4.Qが(a)、(c)および(d)よりなる群から選択され、R7が−Etで あって、L1、L2、L3およびL4が前記定義のものである請求項1記載の化合物 。 5.Qが(b)、(c)および(d)よりなる群から選択され、R7が−Etで あって、L1、L2、L3およびL4が前記定義のものである請求項1記載の化合物 。 6.(a)R6およびR1が−Hであって、R2、R3、R4およびR5が−Meであ り、 (b)R5およびR1が−Hであって、R2、R3、R4およ びR6が−Meであり、 (c)R4およびR1が−Hであって、R2、R3、R5およびR6が−Meであり 、 (d)R6およびR1が−Hであって、R2、R4、R5およびR6が−Meであり 、 (e)R2およびR1が−Hであって、R3、R4、R5およびR6が−Meであり 、 (f)R6およびR2が−Hであって、R1、R3、R4およびR5が−Meであり 、 (g)R5およびR2がHであって、R1、R3、R4およびR6が−Meであり、 (h)R4およびR2が−Hであって、R1、R3、R5およびR6が−Meであり 、 (i)R3およびR2が−Hであって、R1、R4、R5およびR6が−Meであり 、 (j)R6およびR3が−Hであって、R1、R2、R4およびR5が−Meであり 、 (k)R5およびR3が−Hであって、R1、R2、R4およびR6が−Meであり 、 (l)R4およびR3が−Hであって、R1、R2、R5およびR6が−Meであり 、 (m)R6およびR4が−Hであって、R1、R2、R3およびR5が−Meであり 、 (n)R5およびR4が−Hであって、R1、R2、R3およびR6が−Meであり 、または (o)R6およびR5が−Hであって、R1、R2、R3およびR4が−Meであり ; R7が−Etであり;およびL1、L2、L3およびL4が前記定義のものである 請求項1記載の化合物。 7.(a)−(o)およびR7が前記定義のものであり、L1およびL2が−OH であり、L3がD−デスオサミンであってL4がL−クラジノースである請求項6 記載の化合物。 8.(a)R6、R2およびR1が−Hであって、R3、R4およびR5が−Meであ り、 (b)R5、R2およびR1が−Hであって、R3、R4およびR6が−Meであり 、 (c)R4、R2およびR1が−Hであって、R3、R5およびR6が−Meであり 、 (d)R3、R2およびR1が−Hであって、R4、R5およびR6が−Meであり 、 (e)R6、R3およびR1が−Hであって、R2、R4およびR5が−Meであり 、 (f)R5、R3およびR1が−Hであって、R2、R4およびR6が−Meであり 、 (g)R4、R3およびR1が−Hであって、R2、R5およびR6が−Meであり 、 (h)R6、R4およびR1が−Hであって、R2、R3およびR5が−Meであり 、 (i)R5、R4およびR1が−Hであって、R2、R3およびR6が−Meであり 、 (j)R6、R5およびR1が−Hであって、R2、R3およびR4が−Meであり 、 (k)R6、R3およびR2が−Hであって、R1、R4およびR5が−Meであり 、 (l)R5、R3およびR2が−Hであって、R1、R4およびR6が−Meであり 、 (m)R4、R3およびR2が−Hであって、R1、R5およ びR6が−Meであり、 (n)R6、R4およびR2が−Hであって、R1、R3およびR5が−Meであり 、 (o)R5、R4およびR2が−Hであって、R1、R3およびR6が−Meであり 、 (p)R6、R5およびR2が−Hであって、R1、R3およびR4が−Meであり 、 (q)R6、R4およびR3が−Hであって、R1、R2およびR5が−Meであり 、 (r)R5、R4およびR3が−Hであって、R1、R2およびR6が−Meであり 、 (s)R6、R5およびR3が−Hであって、R1、R2およびR4が−Meであり 、または (t)R6、R5およびR4が−Hであって、R1、R2およびR3が−Meであり ; R7が−Etであって、L1、L2、L3およびL4が前記定義のものである請求 項1記載の化合物。 9.(a)−(t)およびR7が前記定義のものであり、L1およびL2が−OH であり、L3がD−デスオサミンであって L4がL−クラジノースである請求項8記載の化合物。 10.(a)R6、R3、R2およびR1が−Hであって、R5およびR4が−Meで あり、 (b)R5、R3、R2およびR1が−Hであって、R6およびR4が−Meであり 、 (c)R4、R3、R2およびR1が−Hであって、R5およびR6が−Meであり 、 (d)R6、R4、R2およびR1が−Hであって、R3およびR5が−Meであり 、 (e)R5、R4、R2およびR1が−Hであって、R3およびR6が−Meであり 、 (f)R6、R5、R2およびR1が−Hであって、R3およびR4が−Meであり 、 (g)R6、R4、R3およびR1が−Hであって、R2およびR5が−Meであり 、 (h)R5、R4、R3およびR1が−Hであって、R2およびR6が−Meであり 、 (i)R6、R5、R4およびR1が−Hであって、R2およびR3が−Meであり 、 (j)R2、R4、R3およびR1が−Hであって、R5およびR6が−Meであり 、 (k)R6、R4、R3およびR2が−Hであって、R1およびR5が−Meであり 、 (l)R5、R4、R3およびR2が−Hであって、R1およびR6が−Meであり 、 (m)R6、R5、R3およびR2が−Hであって、R1およびR4が−Meであり 、または (n)R6、R5、R4およびR3が−Hであって、R1およびR2が−Meであり ; R7が−Etであって、L1、L2、L3およびL4が前記定義のものである請求 項1記載の化合物。 11.(a)−(n)およびR7が前記定義のものであって、L1およびL2が− OHであり、L3がD−デスオサミンであって、L4がL−クラジノースである請 求項10記載の化合物。 12.(a)R5、、R4、R3、R2およびR1が−Hであって、R6が−Meであ り、 (b)R6、R4、R3、R2およびR1が−Hであって、R5が−Meであり、 (c)R6、R5、R3、R2およびR1が−Hであって、R4が−Meであり、 (d)R6、R5、R4、R2およびR1が−Hであって、R3が−Meであり、 (e)R6、R5、R4、R3およびR1が−Hであって、R2が−Meであり、 (f)R6、R5、R4、R3およびR2が−Hであって、R1が−Meであり; R7が−Etであって、L1、L2、L3およびL4が前記定義のものである請求 項1記載の化合物。 13.(a)−(f)およびR7が前記定義のものであり、L1およびL2が−O Hであり、L3がD−デスオサミンであって、L4がL−クラジノースである請求 項12記載の化合物。 14.R1、R2、R3、R4、R5およびR6が−Hであって、R7、L1、L2、L3 およびL4が前記定義のものである請求項1記載の化合物。 15.R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7が前記定義のものであり、L1お よびL2が−OHであり、L3がD−デスオサミンであって、L4がL−クラジノ ースである請求項14 記載の化合物。 16.6,10−ジデスメチル−6−エチルエリスロマイシンA;10,12− ジデスメチル−12−デオキシ−12−エチルエリスロマイシンA;10,12 −ジデスメチル−12−デオキシ−10−ヒドロキシエリスロマイシンA;6, 10,12−トリデスメチル−6,12−ジエチルエリスロマイシンANおよび 6,10,12−トリデスメチル−6−デオキシ−6,12−ジエチルエリスロ マイシンAよりなる群から選択される請求項1記載の化合物。 17.10−デスメチルエリスロノリドB、10−デスメチル−6−デオキシエ リスロノリドB、12−デスメチルエリスロノリドB、12−デスメチル−6− デオキシエリスロノリドB、12−デスメチル−12−エチルエリスロノリドB 、6−デスメチル−6−デオキシ−6−エチルエリスロノリドB、10−デスメ チルエリスロマイシンA、10−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシン A、10−デスメチル−6,12−ジデオキシエリスロマイシンA、12−デス メチルエリスロマイシンA、12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシ ンA、12−デスメチル−6,12−ジデオキシエリスロマイシ ンA、6−デスメチル−6−エチルエリスロマイシンA、12−デスメチル−1 2−エチルエリスロマイシンA、12−デスメチル−12−デオキシ−12−エ チルエリスロマイシンA、10−デスメチル−10−ヒドロキシエリスロマイシ ンA、12−デスメチル−12−エピヒドロキシエリスロマイシンA、10,1 2−ジデスメチルエリスロマイシンA、10,12−ジデスメチル−12−デオ キシエリスロマイシンAおよび10,12−ジデスメチル−6,12−ジデオキ シエリスロマイシンAよりなる群から選択される請求項1記載の化合物。 18.10−デスメチルエリスロノリドB、10−デスメチル−6−デオキシエ リスロノリドB、12−デスメチルエリスロノリドB、12−デスメチル−6− デオキシエリスロノリドB、10−デスメチルエリスロマイシンA、10−デス メチル−12−デオキシエリスロマイシンA、10−デスメチル−6,12−ジ デオキシエリスロマイシンA、12−デスメチルエリスロマイシンA、12−デ スメチル−12−デオキシエリスロマイシンA、12−デスメチル−6,12− ジデオキシエリスロマイシンA、10,12−ジデスメチルエリスロマイシンA 、10,12−ジデスメチル−12−デオキシエリスロマイシン Aおよび10,12−ジデスメチル−6,12−ジデオキシエリスロマイシンA よりなる群から選択される請求項1記載の化合物。 19.10−デスメチルエリスロマイシンA、10−デスメトル−12−デオキ シエリスロマイシンAおよび12−デスメチル−12−デオキシエリスロマイシ ンAよりなる群から選択される化合物。 20.8−デスメチル−8−ヒドロキシエリスロマイシンA、6−デスメチル− 6−エピエリスロマイシンA、4−デスメチル−4−ヒドロキシエリスロマイシ ンA、2−デスメチル−2−ヒドロキシエリスロマイシンAおよび13−デスエ チル−13−ヒドロキシメトールエリスロマイシンAよりなる群から選択される 請求項1記載の化合物。 21.2,12−ジデスメチル−2,12−ジヒドロキシエリスロマイシン、4 ,10−ジデスメチル−4,10−ジヒドロキシエリスロマイシン、10,12 −ジデスメチル−10−ヒドロキシエリスロマイシン、および6,10−ジデス メチル−6−エチル−10−ヒドロキシエリスロマイシンAよりなる群から選択 される請求項1記載の化合物。 22.13−デスエチル−13−(3’,4’−ジヒドロキシシクロヘキシル) メチルエリスロマイシンAである請求項1記載の化合物。 23.Streptomyces hygroscopicus、Strept omyces venezue1aeおよびStreptomyces cae lestisよりなる群から選択されるポリケチド−産生微生物からの酵素的に 活性なアシルトランスフェラーゼドメインをコードする単離されたポリヌクレオ チド配列またはその断片。 24.配列番号:1、配列番号:2、配列番号:29および配列番号:30より なる群から選択される請求項23記載のポリヌクレオチド。 25.該アシルトランスフェラーゼドメインが配列番号:31、配列番号:32 、配列番号:33および配列番号:34よりなる群から選択される請求項23記 載のポリヌクレオチド。 26.Streptomycesからの酵素的に活性なアシルトランスフェラー ゼドメインをコードするポリヌクレオチド配列またはその断片を含むベクター。 27.該StreptomycesがStreptomyce s hygroscopicus、Streptomyces venezue laeおよびStreptomyces caelestisよりなる群から選 択される請求項26記載のベクター。 28.該ポリヌクレオチドが配列番号:1、配列番号:2、配列番号:29およ び配列番号:30よりなる群から選択される請求項26記載のベクター。 29.該アシルトランスフェラーゼドメインが配列番号:31、配列番号:32 、配列番号:33および配列番号:34よりなる群から選択される請求項26記 載のベクター。 30.pUC18/LigAT2、pEryAT1/LigAT2、pEryA T2/LigAT2、pUC18/venAT、pEryAT1/venAT、 pUC19/rapAT14、pEryAT1/rapAT14、pEryAT 2/rapAT14、pUC/5’−flank/ethAT、pUC/eth AT/C−6、pEAT4、pUC18/NidAT6、pEryAT2/Ni dAT6、pEryATs/NidAT6、pEryATs/rapligas e3.0よりなる群から選択されるベクター。 31.請求項32記載のベクターで形質転換した宿主細胞。 32.該細胞が細菌細胞またはポリケチド−産生微生物である請求項31記載の 宿主細胞。 33.該ポリケチド−産生微生物がSaccharopolyspora種およ びStreptomyces種よりなる群から選択される請求項32記載の宿主 細胞。 34.該ポリケチド−産生微生物がSaccharopolyspora er ythraeaである請求項33記載の宿主細胞。 35.(a)第1および第2ゲノムDNAセグメントを単離し、各々はポリケチ ドシンターゼを含み、ここに、該第1ゲノムDNAセグメントは該第1ポリケチ ド−産生微生物からのものであって、該第2ゲノムDNAセグメントは該第1ポ リケチド−産生微生物または第2ポリケチド−産生微生物からのものであり; (b)該第1ゲノムDNAセグメントの1またはそれ以上の異なる断片を同定 し、その各々はアシルトランスフェラーゼドメインをコードし; (c)該第2ゲノムDNAセグメントの1またはそれ以上の 異なる断片を同定し、その各々は該第1ゲノムDNAセグメントの該アシルトラ ンスフェラーゼドメインに対する関連ドメインをコードし;次いで、 (d)該第1ゲノムDNAセグメントからの断片の1またはそれ以上を、工程 (c)からの該断片の1またはそれ以上で置き換えることに導く、相同組換え事 象の発生に適した条件下で、該第1ポリケチド−産生微生物の細胞を工程(c) からの該断片の1またはそれ以上で形質転換する; 工程を含むことを特徴とする第1ポリケチド−産生微生物においてポリケチドシ ンターゼの基質特異性を改変する方法。 36.該第1ポリケチド−産生微生物がSaccharopolyspora erythraeaである請求項35記載の方法。 37.該第2ポリケチド−産生微生物がStreptomycesである請求項 35記載の方法。 38.該第2ポリケチド−産生微生物がSaccharopolyspora erythraeaである請求項35記載の方法。 39.該関連ドメインが配列番号:31、配列番号:32、配 列番号:33および配列番号:34よりなる群から選択される請求項35記載の 方法。
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