JP2003507645A - 燃料噴射弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 燃料噴射弁であって、弁本体（１０）と、該弁本体（１０）内に形成された制御圧室（１６）とが設けられており、該制御圧室（１６）は一方の側で、ノズルニードル（１２）のための操作部材（１４）によって閉鎖されていて、前記操作部材（１４）は、制御圧室（１６）において閉鎖位置と開放位置との間で摺動可能であって、制御圧室への供給部（１８）が設けられており、制御圧室からの導出部（２０）が設けられており、該導出部が制御弁（２４）によって制御される形式のものにおいては、ノズルニードルの開放速度が高められるのが望ましい。この目的のために、制御圧室への供給部（１８）の開口部（４０）が、操作部材（１４）が閉鎖位置から開放位置へと移動する際に、前記開口部（４０）が操作部材（１４）によって少なくとも部分的に閉鎖されるように配置されていることが提案されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 背景技術 本発明は、燃料噴射弁であって、弁本体と、該弁本体内に形成された制御圧室
とが設けられており、該制御圧室は一方の側で、ノズルニードルのための操作部
材によって閉鎖されていて、前記操作部材は、制御圧室において閉鎖位置と開放
位置との間で摺動可能であって、制御圧室への供給部が設けられており、制御圧
室からの導出部が設けられており、該導出部が制御弁によって制御される形式の
ものに関する。

【０００２】 このような制御弁は例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第１９７２７８９６
号明細書により公知であり、燃料を内燃機関のシリンダに噴射するために、噴射
弁のノズルニードルを開放するために働く。

【０００３】 ノズルニードルには、ノズルニードルを対応する弁座から持ち上げようとする
開放圧が永続的に負荷される。この開放圧は、制御圧室内で操作部材に加えられ
る閉鎖力に反して作用する。圧力が制御圧室内で高いレベルに維持されている限
り、ここで生じる閉鎖力は、ノズルニードルに作用する開放圧よりも高いので、
操作部材は閉鎖位置に位置し、結果としてノズルニードルは閉鎖されたままであ
る。これに対して制御圧室内の圧力が減じられ、ここで生じる閉鎖力が結果とし
て減じられると、開放力が操作部材を開放位置に移動させ、これによりノズルニ
ードルが弁座から持ち上がる。そして燃料が噴射される。

【０００４】 制御圧室内の圧力は、制御弁によって導出部が開閉されることにより操作され
る。導出部の閉鎖により、制御圧室に供給される媒体、通常は燃料が堰き止めら
れ、制御圧室内では、ノズルニードルを閉鎖状態に維持する高圧が形成される。
これに対して制御弁が導出部を開放すると、制御圧室内の燃料は減じられるので
、ノズルニードルは開放され得る。

【０００５】 発明の効果 請求項１の特徴部に記載の特徴を有する本発明による燃料噴射弁は、開放時の
ノズルニードルの速度が高められるという利点を有している。これは、操作部材
が閉鎖位置から開放位置の方向に運動する際に、供給部の横断面が操作部材によ
って減じられるからである。従って供給部の可変の絞り作用が得られる。この絞
り作用により比較的少ない燃料が流れることになるので、制御弁の開放時におけ
る制御圧室内での減圧が助成される。

【０００６】 本発明の有利な構成によれば、開口部がスリット状の横断面を有している。こ
のような構成は、供給部の減少を、制御圧室内での操作部材の移動に比例して行
うという利点を有している。

【０００７】 実施例の説明 図１には、制御弁（図２参照）を備えた従来の燃料噴射弁が示されている。こ
の燃料噴射弁は弁本体１０を有しており、この弁本体１０内にはノズルニードル
１２が摺動可能に設けられている。このノズルニードル１２は、内燃機関のシリ
ンダ（図示せず）への燃料の噴射を制御する。供給された燃料は、ノズルニード
ル１２ならびに、ノズルニードル１２が支持されている操作部材１４を制御圧室
１６へ向かって動かそうとする開放力をノズルニードル１２へ加える。

【０００８】 制御圧室１６には同様に燃料が供給される。この燃料は、制御圧室１６内に形
成される圧力に基づき操作部材１４に閉鎖力を加える。燃料は供給部１８を介し
て供給される。制御圧室１６からは導出部２０が延びている。この導出部２０は
、制御弁２４の制御室２２に通じている。制御弁２４のために、導出部２０は供
給部でもあり、燃料を制御圧室１６および制御室２２から流出させることのでき
る導出部２６が設けられている。

【０００９】 制御弁２４は制御室２２内に弁ニードル２８を有している。この弁ニードル２
８は弁座３０と協動する。弁ニードル２８が弁座３０に当接する場合、制御弁２
４は閉鎖されるので、供給部１８を介して制御圧室１６に供給される燃料はここ
に堰き止められる。このようにして生ぜしめられた高圧が、操作部材１４に閉鎖
力を加える。この閉鎖力は、ノズルニードル１２に加えられる開放力よりも大き
い。操作部材１４は従って閉鎖位置に位置し、燃料噴射弁は閉鎖されている。こ
れに対し、弁ニードル２８が弁座３０から持ち上げられると、燃料は制御圧室１
６から制御室２２と導出部２６とを介して流出し、これにより制御圧室内の圧力
は減圧される。減じられた閉鎖力により、操作部材は、閉鎖位置から開放位置へ
と移動することができ、ノズルニードルは開放される。そして燃料が噴射される
。

【００１０】 次に図３及び図４に基づき本発明による燃料噴射弁を説明する。公知の燃料噴
射弁とは異なり、本発明による燃料噴射弁では、制御室１６への供給部１８にス
リット状の開口部４０が設けられている。この開口部４０は、操作部材１４が閉
鎖位置から開放位置へと移動する際に、図３で見て操作部材１４の上端部が、開
口部４０を徐々に閉鎖するように配置されている。図３には、閉鎖位置と開放位
置との間にある操作部材１４の中間状態が示されている。この中間状態では開口
部４０はほぼ半分、閉鎖されている。このような構成に基づき、制御弁３０が開
放し、操作部材１４が、制御圧室１６内で生じた減圧に基づきこの制御圧室１６
内で移動すると、制御圧室への供給部１８は絞られる。このことはこの制御圧室
１６における減圧を加速させる。従って操作部材１４の、ひいてはノズルニード
ル１２の迅速な開放運動が行われる。

【００１１】 このことは図５に示したグラフから読みとれる。点線によって、従来の燃料噴
射弁のノズルニードルの行程、即ち噴射の経過が示されている。この場合、ノズ
ルニードルが比較的ゆっくりと開放することがわかる。これに対して実線では、
本発明による燃料噴射弁のノズルニードルの行程、即ち噴射の経過が示されてい
る。この場合、行程が著しく上昇することがわかる。これにより全体としてノズ
ルニードルのより迅速な開放が行われる。ニードル開放の開始時には比較的小さ
なニードル速度によって、前噴射を正確に制御することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 燃料噴射弁を概略的に示した図である。

【図２】 図１の燃料噴射弁の一部を拡大して示した図である。

【図３】 本発明による燃料噴射弁の一部を示す横断面図である。

【図４】 図３のＩＶ−ＩＶ線に沿って断面した図である。

【図５】 従来の燃料噴射弁と本発明による燃料噴射弁のノズルニードルの開放行程を示
すグラフである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料噴射弁であって、弁本体（１０）と、該弁本体（１０）
   内に形成された制御圧室（１６）とが設けられており、該制御圧室（１６）は一
   方の側で、ノズルニードル（１２）のための操作部材（１４）によって閉鎖され
   ていて、前記操作部材（１４）は、制御圧室（１６）において閉鎖位置と開放位
   置との間で摺動可能であって、制御圧室への供給部（１８）が設けられており、
   制御圧室からの導出部（２０）が設けられており、該導出部が制御弁（２４）に
   よって制御される形式のものにおいて、 制御圧室への供給部（１８）の開口部（４０）が、操作部材（１４）が閉鎖位
   置から開放位置へと移動する際に、前記開口部（４０）が操作部材（１４）によ
   って少なくとも部分的に閉鎖されるように配置されていることを特徴とする燃料
   噴射弁。
2. 【請求項２】 前記開口部（４０）が、スリット状の横断面を有している、
   請求項１記載の燃料噴射弁。