JP2003519752A - 制御室内の圧力を上昇させる、内燃機関の燃料噴射システムのインジェクタのための制御弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 内燃機関のための噴射システムのインジェクタのための制御弁（１５）であって、作動部材（４５）の作動距離の一部が、制御室（１１）内の増圧のために利用されるものが提案される。これによりノズルニードル（１９）の閉鎖時間が減じられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の、内燃機関のための燃料噴射シ
ステムのインジェクタのための制御弁ならびに、請求項１５の上位概念に記載の
形式の内燃機関のための燃料噴射システムのインジェクタに関する。

【０００２】 技術的な一連の進歩のなかで、インジェクタの制御弁およびインジェクタ自体
をできるだけコンパクトに形成すると同時に短い閉鎖時間を実現させようという
努力がなされている。欧州特許第０７４００６８号明細書により公知のインジェ
クタでは、制御室がノズルニードルの端面によって制限される。これによりコン
パクトな構成形式が得られる。しかしながらノズルニードルの閉鎖速度はこのよ
うな措置により減じられてしまう。何故ならばノズルニードルの閉鎖運動の方向
では液圧的な力の補償が得られないからである。

【０００３】 本発明の課題は、コンパクトに構成でき、噴射ノズルの閉鎖速度が高いような
、インジェクタのための制御弁を提供することである。

【０００４】 この課題は本発明によれば、内燃機関のための燃料噴射システムのインジェク
タのための制御弁であって、ケーシングを有しており、制御弁が、作動部材を有
していてアクチュエータによって操作され、制御弁によって燃料戻し部とインジ
ェクタの制御室との間が液圧的に接続可能である形式のものにおいて、作動部材
が圧力ピストンと作用結合しており、制御室が制御弁から液圧的に分離される、
制御弁の切替位置に達する前に、圧力ピストンが制御室を制御弁から液圧的に分
離し、前記切替位置に達するまでの制御弁の残された作動距離は、圧力ピストン
による制御室内の増圧のために利用されることにより解決される。

【０００５】 発明の効果 本発明の制御弁の有する利点は、制御弁の作動運動の一部によって、制御室に
おける押しのけ作業が行われ、従って制御室における圧力が作動運動によって高
められることにある。これにより制御弁の閉鎖時における制御室内での急激な圧
力上昇が得られ、従って、ノズルニードルに作用する閉鎖力も急激に増大する。
その結果、閉鎖期間が短縮される。短縮された閉鎖期間により、前噴射量を精密
に調量することができ、主噴射の制御もより正確かつ大きな自由度によって行え
る。

【０００６】 本発明の変化実施例では、作動部材と、ケーシングの孔とが環状室を形成し、
該環状室の第１の端部は、燃料戻し部と液圧的に接続されており、第２の端部は
、制御室と液圧的に接続されていて、作動部材が、第１のガイド孔内にガイドさ
れたプランジャによって軸方向摺動可能であって、環状室を制御室からシールす
るための手段を有している。選択的な構成では、作動部材が、環状室を燃料戻し
部からシールするための手段を有している。これにより、本発明による制御弁は
、２ポート２位置制御弁を基本として、または３ポート２位置制御弁を基本とし
て実現可能である。

【０００７】 本発明の補完的な構成では、圧力ピストンが、作動部材の、プランジャとは反
対側の端部で、作動部材に接続されていて、前記第１のガイド孔に対して同心的
に、環状室の反対側の端部に、制御縁部を備えた第２のガイド孔が設けられてお
り、第２のガイド孔が、最初は制御縁部で圧力ピストンによって閉鎖可能である
。これにより、制御室内の押しのけ作業は、簡単かつ有効に制御弁の作動運動と
連動される。

【０００８】 本発明の別の実施例では、環状室を燃料戻し部からシールするための手段及び
／又は環状室を制御室からシールするための手段が、プランジャの長手方向軸線
に対して同心的に配置された円錐台形状のそれぞれ１つのシール円錐を有してい
る。これにより制御弁の全耐用期間にわたって、良好なシール作用が得られる。

【０００９】 本発明のさらに別の構成では、孔と制御室と燃料戻し部との間にシール面が形
成されており、該シール面は、環状室を制御室からシールするための手段と、及
び／又は環状室を燃料戻し部からシールするための手段と協働する。これにより
シール面を簡単かつ省スペースで配置することができる。

【００１０】 本発明の別の構成では、閉鎖ばねが設けられており、該閉鎖ばねは、アクチュ
エータの操作方向で作動部材に作用する。これにより、システム圧がない場合で
も、制御弁は常に所定の切替位置をとっている。

【００１１】 別の実施例では、ケーシングは２つの部分から形成されているので、製造及び
組み付けが容易である。

【００１２】 本発明の別の構成では、制御弁が２ポート３位置切替弁である。これにより、
極めて小さな噴射量の調量が改善されると同時に大きな主噴射量を得ることがで
きる。

【００１３】 本発明の別の構成では、プランジャの、作動部材とは反対側の端面と、アクチ
ュエータによって操作されるピストンとが、液圧変換器の、液体を充填される圧
力室を制限する。これによりアクチュエータの作動距離および作動力を、本発明
による制御弁もしくはインジェクタにおいて必要な値に適合させることができる
。

【００１４】 本発明の別の構成では、アクチュエータがピエゾアクチュエータであるので、
大きな作動力と迅速な反応が保証されている。

【００１５】 本発明の別の構成では、作動部材が回転対称的であって、特にほぼ円筒状であ
るか、または、作動部材が球状に形成されていて、燃料戻し部から環状室をシー
ルするための手段及び／又は制御室から環状室をシールするための手段が、球表
面上で延びるシールラインである。即ち、適当な運転条件に応じて適当な作動部
材を有することができる。

【００１６】 本発明の別の構成では、燃料噴射システムが、コモンレール噴射システムであ
る。従って、本発明による制御弁の効果は、この噴射システムにおいても有利で
ある。

【００１７】 前述した本発明の課題は、本発明によれば、内燃機関のための燃料噴射システ
ムのためのインジェクタであって、ケーシングが設けられており、アクチュエー
タによって操作される制御弁が設けられており、該制御弁によって燃料戻し部と
、インジェクタの制御室との間の液圧的な接続部が形成可能である形式のものに
おいて、前記制御弁が、請求項１から１４までのいずれか１項記載の制御弁であ
ることによっても解決される。このようなインジェクタは、前述した本発明の利
点を有している。

【００１８】 本発明の別の実施例では、制御室が、ノズルニードルの端面によって制限され
る。これにより本発明のインジェクタを特にコンパクトに形成することができ、
しかも本発明によるインジェクタの閉鎖時間は極めて短くなる。

【００１９】 実施例の説明 図１には本発明によるインジェクタ１が示されている。図示されていない高圧
接続部を介して燃料が、供給通路５を介して噴射ノズル７へ、また供給絞り９を
介して制御室１１へ供給される。制御室１１は略示した流出通路を介して流出絞
り１３に接続されていて、概略的に示した制御弁１５を介して間接的に燃料戻し
部１７に接続されている。

【００２０】 制御室１１はノズルニードル１９によって制限されている。ノズルニードル１
９は、噴射と噴射の間の圧力下にある燃料が燃焼室（図示せず）に流れるのを阻
止する。ノズルニードル１９は大きい直径部２５から小さい直径部２７へと変化
する横断面変更部２３を有している。ノズルニードル１９は大きい直径部２５で
ケーシング２９内にガイドされている。横断面変更部２３は噴射ノズル７の圧力
室３１を制限している。

【００２１】 流出絞り１３が閉鎖されている状態では、ノズルニードル１９の端面３３が、
横断面変更部２３の環状面よりも大きいことにより、ノズルニードル１９の端面
３３に作用する液圧的な力は、横断面変更部２３に作用する液圧的な力よりも大
きい。従って、ノズルニードル１９はノズルニードル座部３５に押し付けられ、
供給通路５を燃焼室（図示せず）に対してシールする。

【００２２】 エンジンが停止していて、燃料噴射システムの高圧ポンプ（図示せず）が駆動
されていない場合は、ノズルばね（図示せず）が、噴射ノズル７もしくはインジ
ェクタ１を閉鎖する。

【００２３】 制御弁１５が開放されると、燃料が制御室１１から燃料戻し部に流れる。これ
により制御室１１内の圧力が低下し、ノズルニードル１９の端面３３に作用する
液圧力が減少する。この液圧力が、横断面変更部２３に作用する液圧力よりも小
さくなるとすぐにノズルニードル１９が開き、燃料が噴射ノズル７の噴射孔（図
示せず）から燃焼室に達する。ノズルニードル１９を迅速に開放させるために必
要な大きな力が制御弁１５によって直接的には得られないので、液圧的な増力シ
ステムを介して行うノズルニードル１９のこのような間接的な制御が必要である
。この場合、燃焼室に噴射される燃料量に加えて付加的に必要ないわゆる「制御
量」が供給絞り９と、制御室１１と、制御弁１５を介して燃料戻し部に到る。

【００２４】 制御量に加えて付加的に、さらにノズルニードルガイドにおいても漏れが生じ
る。制御量および漏れ量は、燃料戻し部１７を介して再び燃料タンク（図示せず
）に戻される。噴射と噴射の間は、制御弁１５が、ひいては噴射ノズル７も閉鎖
される。制御弁１５は概略的に示したアクチュエータ３７によって操作される。
制御弁１５とアクチュエータ３７との間には液圧的な圧力変換機（図示せず）を
設けることができる。

【００２５】 図２には、本発明による制御弁１５の構成が示されている。ケーシング２９に
は孔４１が設けられている。この孔４１に対して同心的に、第１のガイド孔４３
が設けられている。孔４１には作動部材４５が配置されている。この作動部材４
５はフランジ４７と、圧力ピストン４９と、第１のシール円錐５１と、第２のシ
ール円錐５３とを有している。孔４１とフランジ４７とは１つの環状室５４を形
成している。環状室５４は適宜に設計することにより、流出絞りの機能を果たす
。第１のガイド孔４３はプランジャ５５がガイドされている。このプランジャ５
５は作動部材４５と結合されている。圧力ピストン５７は、作動部材４５の、プ
ランジャ５５とは反対の側に配置されている。

【００２６】 環状室５４と、流出絞り１３を備えた流出通路との間に、段付き孔として構成
された第２のガイド孔５９が設けられている。第２のガイド孔５９の段部は、圧
力ピストン４９と協働する制御縁部６１を形成している。圧力ピストン４９が、
比較的大きな直径の部分で制御縁部６１に達する程度に第２のガイド孔５９内へ
と動かされると、制御室１１と燃料戻し部１７との間の液圧的な接続が遮断され
る。

【００２７】 孔４１と第２のガイド孔５９との間では、ケーシング２９に、第１のシール座
部６３が形成されている。このシール座部６３は、第１のシール円錐部５１によ
って環状室５４を制御室１１から液圧的に分離することができる。第２のシール
円錐５３は、孔４１と燃料戻し部１７との間に配置された第２のシール座６５と
協働して、環状室５４を燃料戻し部１７から液圧的に分離する。

【００２８】 制御室１１にはノズルばね６７が設けられていて、このノズルばね６７は、燃
料圧力が欠如している場合でも、噴射ノズル７を閉鎖状態に保つために働く。

【００２９】 制御弁は、プランジャ５５に作用するアクチュエータ（図示せず）によって操
作される。

【００３０】 閉鎖ばね７５は、一方の側ではケーシング２９の段部７７に、他方の側では、
保持リング７９を介してプランジャ５５に支持されている。閉鎖ばね７５によっ
て、作動部材４５は、制御室１１内の圧力が不足している場合でも、第１の切替
位置ａにもたらされる。さらにアクチュエータは、圧力に基づいてしか負荷され
ない。このことは、ピエゾアクチュエータを使用する場合に特に重要である。何
故ならば、このようなアクチュエータは圧力に基づいて極めて確実に作用するか
らである。

【００３１】 本発明による制御弁１５は２ポート２位置切替弁または２ポート３位置切替弁
として使用することができる。次にまず、３つの切替位置を備えた本発明による
制御弁１５の作用形式を説明する。

【００３２】 第１の切替位置ａでは、第２のシール円錐５３が第２のシール座部６５に載置
されていて、燃料戻し部１７は環状室５４から液圧的に分離されている。

【００３３】 第２の切替位置ｂでは、第１のシール円錐５１が第１のシール座部６３に載置
されていて、制御室１１は環状室５４から液圧的に分離されている。

【００３４】 両切替位置ａ，ｂでは制御室１１と燃料戻し部１７とは液圧的に分離されてい
る。即ち、噴射ノズル７は閉鎖されている。

【００３５】 第１の切替位置ａから第２の切替位置ｂへと移行する際に、制御室１１と燃料
戻し部１７とは短時間、液圧的に接続される。即ち、制御室１１内の圧力が少な
くとも部分的になくなり、噴射ノズル７が短時間開く。この短時間の開放は、前
噴射のために使用される。前噴射量と前噴射継続時間とは、アクチュエータおよ
び流出絞り１３を備えた流出通路もしくは環状室５４の設計により、大きな再現
正確性をもって構造的に設定することができる。

【００３６】 第１の切替位置ａから第２の切替位置ｂへの前述したような移行の際に、弁行
程ｃが得られる。この弁行程ｃは、圧力ピストン４９と制御縁部６１とが制御室
１１を燃料戻し部に対して遮断することを特徴とする。切替位置ｂに達するまで
の残された弁行程の間に、圧力ピストン４９は制御室１１に関して、ピストンポ
ンプのピストンのように作用し、制御室１１内の圧力を高める。圧力の上昇によ
り、ノズルニードル１９に作用する閉鎖力も増大する。これにより閉鎖期間が減
じられる。

【００３７】 第３の切替位置ｄでは、作動部材４５が中間位置をとる。この中間位置では第
１のシール円錐５１と第２のシール円錐５３とが、第１のシール座部６３または
第２のシール座部６５に載置されていない。噴射は、制御弁１５が切替位置ｄを
とる時間間隔とほぼ同じ時間行われる。

【００３８】 本発明にによる制御弁１５が２ポート２位置切替弁として運転される場合には
、噴射と噴射との間には、この制御弁は切替位置ｂをとる。短時間、切替位置ｄ
がとられ次いで再び切り替え位置ｂとなることで、前噴射が行われる。主噴射は
、噴射ノズル７の開放時間が長いという相違点はあるが同様に行われる。

【００３９】 このような運転形式では、前噴射の終了後および主噴射の終了後にノズルニー
ドル１９の閉鎖時間が、圧力ピストン４９によって上述した形式で減じられる。

【００４０】 図３には、制御弁１５の切替位置もしくは弁行程と、ノズルニードル１９の行
程８１と、制御室１１の圧力Ｐとの間の関係が示されている。

【００４１】 図３ａには、制御室１１内の圧力Ｐが時間ｔに関して示されている。図３ｂに
はノズルニードル１９の行程８１の時間的な経過が示されていて、図３ｃおよび
図３ｄには、切替弁１５に所属の切替位置が示されている。図３ｃでは制御弁１
５が２ポート３位置弁として運転されていて、図３ｄでは制御弁は２ポート２位
置弁として運転されている。

【００４２】 次にまず最初に２ポート３位置制御弁１５の作用形式を説明する。図３ｃの第
１の切替位置ａから出発して、制御弁１５はアクチュエータによって切替位置ｄ
に動かされる。その結果として制御室１１内の圧力Ｐは、Ｐ_ＨＤから減少する（
図３ａ参照）。圧力Ｐ_０を下回ると、ノズルニードル１９はノズルニードル座部
３５から離れて噴射を始める。このような過程は、図３ａと図３ｂとから明らか
である。

【００４３】 噴射の終了時には、制御弁１５の作動部材４５が、図３ｃにおいてｅで示した
切替位置にもたらされる。この切替位置では、制御室１１から燃料戻し部１７へ
の燃料流が、圧力ピストン４９と制御縁部６１との間で絞られる。これにより制
御室１１内の圧力Ｐは図３ａに示したように上昇する。

【００４４】 制御室１１内における圧力Ｐが十分高いならば、作動部材４５は第２の切替位
置ｂに動かされる。制御弁１５が弁行程ｃに達し、圧力ピストン４９が制御室１
１を制御縁部６１で燃料戻し部１７に対してシールすると、圧力ピストン４９は
ピストンポンプのように制御室１１内の圧力を上昇させるように作用する。切替
位置ｅと弁行程ｃとは互いに極めて近くにあるので、図３ｃで選択された図では
ほぼ同時である。圧力ピストン４９の押しのけ作業は、図３ａの斜線で示した面
８３として示されている。実線８５は、先行技術による制御弁の圧力の経過を示
しており、破線８７では本発明による制御弁１５の圧力の経過を示している。

【００４５】 制御室１１の圧力上昇によるインジェクタの閉鎖期間の短縮は、図３ｂに示さ
れている。実線８９は、先行技術によるインジェクタのノズルニードルの閉鎖運
動を示していて、点線９１は本発明によるインジェクタ１のノズルニードルの閉
鎖運動を示している。制御室の１１の圧力上昇によるインジェクタの閉鎖期間の
短縮分は図３ｂにおいて符号９３で示されている。

【００４６】 両切替位置ａとｂとの間の移行中に、ノズルニードル１９は僅かに開放し、前
噴射量が燃焼室へと噴射される。前噴射量を増大させるためには、制御弁１５は
前噴射中に短時間、切替位置ｄに留まる。

【００４７】 図３に示していない主噴射は、制御弁が第２の切替位置ｂから切替位置ｄへと
制御されることにより行われる。このような切替位置は、所要の噴射量が噴射さ
れるまで保たれる。その後、主噴射は、制御弁が第１の切替位置ａにもたらされ
ることにより終了する。このような経過により本発明による制御弁のさらなる利
点が明らかになる。即ち、アクチュエータは第１の切替位置ａから第２の切替位
置ｂへと移行する際にだけ、制御室１１内の圧力に抗して作業するので、必要な
作業エネルギは極めて僅かである。さらに、この移行中に減少した制御室内の圧
力により所要出力が減じられる。

【００４８】 制御弁１５が２ポート２位置制御弁として運転される場合には、制御弁１５が
図３ｄの切替位置ｂから中間位置ｆへともたらされることにより噴射が行われる
。制御弁１５は弁行程ｃを上回ると開き、制御室１１内の圧力Ｐは減じられる。
制御弁１５が中間位置ｆから再び切り替え位置ｂへと動かされると噴射は終了す
る。切替位置ｃに達すると、圧力ピストン４９が制御室１１を燃料戻し部１７に
対して制御縁部６１でシールし、制御室１１内の圧力が上昇するようにピストン
ポンプのような作用をする。押しのけ作業は、図３ａにおいては斜線で示した面
８３として図示されている。実線８５は、先行技術による制御弁の圧力経過を示
しており、点線は、本発明による制御弁１５の圧力経過を示している。

【００４９】 明細書、請求の範囲、図面に示した全ての特徴は、個々であっても、互いに組
み合わせた状態であっても本発明の本質をなす。

【図面の簡単な説明】

【図１】 インジェクタを概略的に示した図である。

【図２】 本発明による制御弁の実施例を示す断面図である。

【図３】 本発明の２つの実施例による制御室内の圧力経過およびこれに所属の制御弁位
置を示した図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ０２Ｍ 61/20 Ｆ０２Ｍ 61/20 Ｍ Ｎ 63/00 63/00 Ｒ

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のための燃料噴射システムのインジェクタ（１）の
   ための制御弁であって、ケーシングを有しており、制御弁（１５）が、作動部材
   （４５）を有していてアクチュエータによって操作され、制御弁（１５）によっ
   て燃料戻し部（１７）とインジェクタ（１）の制御室（１１）との間が液圧的に
   接続可能である形式のものにおいて、 作動部材（４５）が圧力ピストン（４９）と作用結合しており、制御室（１１
   ）が制御弁（１５）から液圧的に分離されるような、制御弁（１５）の切替位置
   （ｂ）に達する前に、圧力ピストン（４９）が制御室（１１）を制御弁（１５）
   から液圧的に分離し、前記切替位置（ｂ）に達するまでの制御弁（１５）の残さ
   れた作動距離は、圧力ピストン（４９）による制御室（１１）内の増圧のために
   利用されることを特徴とする、内燃機関のための燃料噴射システムのインジェク
   タ（１）のための制御弁。
2. 【請求項２】 作動部材（４５）と、ケーシング（２９）の孔（４１）とが
   環状室（５４）を形成し、該環状室（５４）の第１の端部は、燃料戻し部（１７
   ）と液圧的に接続されており、第２の端部は、制御室（１１）と液圧的に接続さ
   れていて、作動部材（４５）が、第１のガイド孔（４３）内にガイドされたプラ
   ンジャ（５５）によって軸方向摺動可能であって、環状室（５４）を制御室（１
   １）からシールするための手段（５１）を有している、請求項１記載の制御弁。
3. 【請求項３】 作動部材（４５）が、環状室（５４）を燃料戻し部（１７）
   からシールするための手段（５３）を有している、請求項１または２記載の制御
   弁。
4. 【請求項４】 圧力ピストン（４９）が、作動部材（４５）の、プランジャ
   （５５）とは反対側の端部で、作動部材（４５）に接続されていて、前記第１の
   ガイド孔（４３）に対して同心的に、環状室（５４）の反対側の端部に、制御縁
   部（６１）を備えた第２のガイド孔（５９）が設けられており、第２のガイド孔
   （５９）が、最初は制御縁部（６１）で圧力ピストン（４９）によって閉鎖可能
   である、請求項２または３記載の制御弁。
5. 【請求項５】 環状室（５４）を燃料戻し部（１７）からシールするための
   手段（５３，５１）及び／又は環状室（５４）を制御室（１１）からシールする
   ための手段（５１）が、プランジャ（５５）の長手方向軸線に対して同心的に配
   置された円錐台形状のそれぞれ１つのシール円錐（５３，５１）を有している、
   請求項２から４までのいずれか１項記載の制御弁。
6. 【請求項６】 孔（４１）と制御室（１１）と燃料戻し部（１７）との間に
   シール面（６３，６５）が形成されており、該シール面（６３，６５）は、環状
   室（５４）を制御室（１１）からシールするための手段（５１）と、及び／又は
   環状室（５４）を燃料戻し部（１７）からシールするための手段（５３）と協働
   する、請求項２から５までのいずれか１項記載の制御弁。
7. 【請求項７】 閉鎖ばね（７５）が設けられており、該閉鎖ばねは、アクチ
   ュエータ（３７）の操作方向で作動部材（４５）に作用する、請求項１から６ま
   でのいずれか１項記載の制御弁。
8. 【請求項８】 ケーシング（２９）が一体に形成されている、請求項１から
   ７までのいずれか１項記載の制御弁。
9. 【請求項９】 制御弁（１５）が２ポート３位置切替弁である、請求項１か
   ら８までのいずれか１項記載の制御弁。
10. 【請求項１０】 プランジャ（５５）の、作動部材（４５）とは反対側の端
    面と、アクチュエータ（３７）によって操作されるピストンとが、液圧変換器の
    、液体を充填される圧力室を制限する、請求項１から９までのいずれか１項記載
    の制御弁。
11. 【請求項１１】 アクチュエータ（３７）がピエゾアクチュエータである、
    請求項１から１０までのいずれか１項記載の制御弁。
12. 【請求項１２】 作動部材（４５）が回転対称的であって、特にほぼ円筒状
    である、請求項１から１１までのいずれか１項記載の制御弁。
13. 【請求項１３】 作動部材（４５）が球状に形成されていて、燃料戻し部（
    １７）から環状室（５４）をシールするための手段（５３）及び／又は制御室（
    １１）から環状室（５４）をシールするための手段（５１）が、球表面上で延び
    るシールラインである、請求項１から１１までのいずれか１項記載の制御弁。
14. 【請求項１４】 燃料噴射システムが、コモンレール噴射システムである、
    請求項１から１３までのいずれか１項記載の制御弁。
15. 【請求項１５】 内燃機関のための燃料噴射システムのためのインジェクタ
    （１）であって、ケーシング（２９）が設けられており、アクチュエータ（３７
    ）によって操作される制御弁（１５）が設けられており、該制御弁（１５）によ
    って燃料戻し部（１７）と、インジェクタ（１）の制御室（１１）との間の液圧
    的な接続部が形成可能である形式のものにおいて、 前記制御弁（１５）が、請求項１から１４までのいずれか１項記載の制御弁で
    あることを特徴とする、内燃機関のための燃料噴射システムのためのインジェク
    タ。
16. 【請求項１６】 制御室（１１）が、ノズルニードル（１９）の端面（３３
    ）によって制限される、請求項１５記載のインジェクタ（１）。