JP2003506325A - Gdf−8活性のダウン−レギュレート方法 - Google Patents

Gdf−8活性のダウン−レギュレート方法

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Abstract

(57)【要約】 成長分化因子8(GDF-8、ミオスタチン)に対する免疫化によって、筋肉塊を増大する新規な方法を開示する。免疫化は、同類のGDF-8に対する抗体産生を誘発し得るGDF-8類似体の投与により行うことが好ましい。免疫原として特に好ましいのは、同種GDF-8である。これは、1つ又は数個の外来の免疫優勢かつ乱交雑T-細胞エピトープの導入により修飾され、実質的に同種GDF-8の三次構造を保持する。また、GDF-8に対する核酸ワクチン注射及び生ワクチンを用いるワクチン注射ならびにワクチン注射のための方法と手段が開示される。このような方法と手段には、有用な免疫原性GDF-8類似体の同定方法、類似体及び医薬製剤の調製方法ならびに核酸フラグメント、ベクター、形質転換細胞、ポリペプチドならびに医薬製剤が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 この発明は、一般に、動物及び家禽の管理分野ならびにヒトの医薬に関する。
より詳細には、この発明は、特にと殺用の飼育動物での筋肉の成長の制御及び増
加における改善に関する。つまり、と殺用の動物の筋肉の成長を増大する新規な
方法及び手段が提供される。
【0002】発明の背景 現在、飼育動物の成長速度を増すために、2つの異なる医学的アプローチが用
いられている: 一方は抗生物質もしくは抗生物質-様化合物の飼育動物に対する
投与、他方は成長ホルモンの投与である。 これらの動物の成長速度を促進するための飼育動物(特にブタ)での抗生物質及
び抗生物質-様化合物の投与は、後年、幾つかの問題を引きおこすことが分かっ
ている。これらの化合物の幾つかはヒトの疾患の治療に用いられる抗生物質に化
学的に密接に関連しており、飼育動物でのこのような化合物の大量使用は、ヒト
に病原性となる微生物においてヒト抗生物質に対する交差耐性を誘発するとの論
証が確立されている。さらに、1-3%の成長速度での比較的遅い増加は、これらの
化合物を用いて得られる。 飼育動物における成長ホルモンの使用は高価であり、成長ホルモンの半減期が
比較的短いために、治療はかなり短い間隔で繰り返されなければならない。さら
に、処理動物から生産される肉中に成長ホルモンが残っている可能性があること
は、特に欧州の消費者に幾らかの関心を起こさせている。
【0003】GDF-8 GDF-8つまりミオスタチン(myostatin)は、骨格筋肉成長を選択的にダウン-レ
ギュレートする成長制御因子として1997年5月に発見された(McPherronら、 Natu
re, 387, 83-90, 1997)。GDF-8の発現は、発達中の胚体節の筋板画分に制限され
ているが、成体の動物の体中の種々の筋肉組織でも発現される。 GDF-8ノック-アウトマウスは、強力に増大した骨格筋肉塊を示す。骨格筋肉塊
の増大は、体中に広がり、野生型筋肉の約2-3倍重量のGDF-8陰性マウス由来の単
離された筋肉であると考えられる。ノック-アウトマウスの全体重は野生型マウ
スより約35%高く、GDF-8遺伝子を欠いているマウスは、正常なマウスと比較して
80%以上の筋繊維を有する。しかし、ノック-アウトマウスに見られる広範囲に及
ぶ骨格筋肉の拡大は、単なる筋繊維数の増大によるのみならず、筋繊維の著しい
肥大によっている。GDF-8ノック-アウトマウスの筋肉断面積は、筋肉のタイプに
よって約14〜49%まで増加する。
【0004】 興味深いことに、成体のトランスジェニックマウスでは、成体の非トランスジ
ェニックマウスに比較して筋肉塊の増大に関し速度の上昇も認められる。さらに
、GDF-8陰性マウスは、全て生存能力と繁殖能力があることが分かっている。 1997年11月に、GDF-8を最初に発見した著者らは、強力に増大した筋肉塊で特
徴付けられる畜牛の2つの品種、Belgian BlueとPiedmonteseが、GDF-8コード化
配列に突然変異を有すること、及びこれが筋肉の拡大化の原因となっていること
を発表した(McPherron及びSe-Jin Lee, 1997, PNAS 94, 12457-12461)。この「
二重筋肉化(double muscling)」の現象は過去190年のあいだ多くの品種の畜牛で
認められており、動物は20-25%の筋肉塊を平均的に増大させる。また、それらは
食糧効率の増大を示すが、依然として高品質の肉を生産する。 しかし、GDF-8ノック-アウトマウスと異なって、Belgian Blue畜牛は、大部分
の他の臓器塊の減少も示す。これらの「天然のノック-アウト牛」は、メスの繁
殖力の低下、子孫の生存能力の低下及び性的な成熟の遅延を欠点として有してい
る。
【0005】 「ノック-アウト牛」での筋肉塊の相対的な増加は、ノック-アウトマウスで見
られるほど著しくはない。実際、それは、マウスで見られる筋肉の肥大の程度に
相当している。McPherronらは、正常な畜牛は、選択的な繁殖の発生後の筋肉の
大きさの最大限界にマウスよりも近い(このため、得られる最大の筋繊維数に近
い)ことが、1つの理由である可能性があると推測している。畜牛における肥大に
対する筋繊維数の過形成に関するデータは著者らによって発表されなかったが、
この仮定とノック-アウトマウスで認められる筋肉の肥大に基づけば、例えば畜
牛Belgian Blue で認められる筋肉塊及び成長速度の増大は、大部分は筋肉の肥
大によっており、筋肉の過形成の程度にはあまり依存していない可能性がある。
【0006】GDF-8の生理学的役割 GDF-8の発現は、骨格筋肉にかなり限定されている。脂肪組織での発現は低レ
ベルであるが、心臓筋肉では特に発現がない。GDF-8は骨格筋肉の成長の特異的
な陰性レギュレーターとして機能し得ると考えられるが、成体の個体におけるGD
F-8の生理学的役割は知られていない。作用における重要な機能に対する生理学
的に中心的な役割についての仮説は、筋肉損傷後に筋肉の肥大又は再生を誘発し
た。しかし、GDF-8は脂肪組織の成長も抑制し得る。GDF-8が、動物の成長中に局
部的に又は全身的に作用しているか否かは、知られていない。
【0007】GDF-8の構造 GDF-8は、胚の発達に関与する構造的に関連したタンパク質群を包含するトラ
ンスフォーミング成長因子β(TGF-β)スーパーファミリーに属する。ヒト及びウ
シのGDF-8は、375アミノ酸長の前駆体タンパク質として生産される。他のTGF-β
スーパーファミリーのように、タンパク質GDF-8は、おそらく、約109アミノ酸の
かなり短いC-末端フラグメントにタンパク質分解で処理され、これによりジスル
フィド結合ホモダイマーを形成する。ホモダイマーは、おそらくGDF-8の生物活
性型である。 マウス、ラット、ヒト、ヒヒ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ及び七面鳥のGD
F-8のアミノ酸配列は公知であり、GDF-8分子が高度に保存されている(McPherron
及びSe-Jin Lee, PNAS, 94, 12457-12461, 1997)。マウス、ラット、ヒト、ブタ
、ニワトリ及び七面鳥のGDF-8の配列はC-末端領域で100%同一であり、これはお
そらくGDF-8の生物活性部分を含んでいる。ウシとヒツジのGDF-8は、ともにC-末
端領域においてヒトGDF-8と2つのアミノ酸残基を異にしているにすぎない。ウシ
のGDF-8は-Lys-Glu-の代りに配列 -Glu-Gly- を位置356-357に有し、ヒツジのGD
F-8は2つの保守的な置換を有している(Leu及びLysの代りに、それぞれ位置316で
Val及び位置333でArg)。既知のGDF-8タンパク質はいずれも、活性なC-末端領域
に潜在的なN-グリコシル化部位を含まない。
【0008】発明の目的 この発明の目的は、飼育動物の筋肉の成長速度を増すために、成長分化因子8
(GDF-8) (ミオスタチンとしても公知)をダウン-レギュレートし得る組換え治療
ワクチンを提供することである。さらに、目的は、筋肉の成長速度を増すために
、動物をワクチン注射する方法を提供することである。また、目的は、オートロ
ガスGDF-8に対する自己耐性を破壊し得る種々のGDF-8を提供することである。別
のさらなる目的は、全てがワクチン及びGDF-8変異体の製造に有用な核酸フラグ
メント、ベクター及び形質転換細胞を提供することである。
【0009】発明の要約 トランスジェニックのGDF-8ノック-アウト動物及びBelgian Blueならびに Pie
dmonteseでの上記知見に基づき、本発明者らは、GDF-8に対して有効かつ微調整
された免疫応答を誘発することによって、動物でGDF-8をダウン-レギュレートで
き得るとの理論を明らかにした。つまり、この発明によって基本的に提供される
ものは、動物での筋肉塊を増すためにGDF-8を免疫学的にダウン-レギュレートす
る方法及び手段である。 飼育動物で既知の成長増強手段に対してこの手法が優れている点は、幾つかあ
る。まず最初に、病原性微生物での交差耐性に関する問題は、この方法を用いる
場合には生じないであろう。さらに、この処理に付された動物由来の肉には、外
因的に投与した成長ホルモンが残留している可能性はないであろう。最後に、Be
lgian Blue 及び Piedmonteseのような畜牛(多くの子牛は帝王切開術で誕生し、
他の器官は大きさが小さい)の繁殖と生産に関わる倫理的な問題は、動物でのGDF
-8のダウン-レギュレートを誕生後まで遅らす(例えば生きた成体のみで行う)こ
とによって、完全に回避できる。実際、筋肉塊を増した動物を誕生させる必要は
なく、したがって、この処理は、と殺が予定されるそれらの動物に持ち越すこと
ができる。
【0010】 筋繊維の数とタイプは胚の寿命中に決定されるので、抗-GDF-8ワクチンが成体
の飼育動物で筋繊維の数を増すとはあまり考えられない。したがって、抗-GDF-8
ワクチンがGDF-8ノック-アウト動物で見られるのと同じレベルにGDF-8を抑制で
きるというのは不確実であり、ありそうもないことである。これは、おそらく、
肉の品質、繁殖能力及び肥満の割合に否定的に影響するので、望ましくはないで
あろう。それにもかかわらず、分娩後の筋肉の肥大に起因してワクチン注射した
動物で生じる成長速度の増大及び/又は最大5-25 %の体重増加(形状は非現実的で
はないように思われる範囲である)は、依然としてウシ、ブタ及び家禽由来の肉
の生産に興味を起こさせている。 TGF-βファミリーの他のメンバーに関するGDF-8の配列同一性は、アミノ酸レ
ベルでわずか30-40%である。この配列同一性が低いことは、おそらくGDF-8に対
して誘発される抗体の交差反応性について問題を生じないであろう。
【0011】 したがって、最も広くかつ最も一般的な範囲において、この発明は、 - 成長分化因子8 (GDF-8)ポリペプチド又はそのサブ配列での動物の免疫化でGD
F-8ポリペプチドに対する抗体産生を誘発するように処方された、少なくとも1つ
のGDF-8ポリペプチド又はそのサブ配列、及び/又は - GDF-8アミノ酸配列に少なくとも1つの修飾が導入されている少なくとも1つ
の GDF-8類似体であって、この類似体での動物の免疫化により、結果としてGDF-
8ポリペプチドに対する抗体産生が誘発される、少なくとも1つの GDF-8類似体 の免疫学的に有効な量を、ヒトを含む動物の免疫系に提示することからなる、動
物におけるGDF-8活性をインビボでダウン-レギュレートする方法に関する。
【0012】 所望の効果を得るには、この発明による免疫原性組成物を年間1-4回注射する
ことで十分と予想されるが、成長ホルモン及び抗生物質の投与は、いずれも当該
動物にかなり頻繁に投与する必要がある。 また、この発明は、GDF-8類似体ならびにこれらのサブセットをエンコードす
る核酸フラグメントに関する。類似体又は核酸フラグメントからなる免疫原性組
成物も、この発明の一部である。 この発明は、免疫学的に有効なGDF-8 類似体の同定方法ならびにGDF-8 類似体
からなる組成物の製造方法にも関する。
【0013】図面の説明 図1: GDF-8由来自己ワクチン構築物のモデル。暗灰色で示したストレッチは、
それぞれP2及びP30での置換が生じると思われるストレッチである。 A: P2エピトープインサートを有するモノマー構築物。「1」は109 aa C-末端GD
F-8フラグメントのアミノ酸残基18-32 のP2置換を示し、「2」は109 aa C-末端G
DF-8 フラグメントのアミノ酸残基52-66 のP2置換を示し、かつ「3」は109 aa C
-末端GDF-8フラグメントのアミノ酸残基83-97のP2置換を示す。 B: P30エピトープインサートを有するモノマー構築物。「1」は109 aa C-末端G
DF-8フラグメントのアミノ酸残基21-41 のP30置換を示し、「2」は109 aa C-末
端GDF-8フラグメントのアミノ酸残基49-69 のP30置換を示し、かつ「3」は109 a
a C-末端GDF-8フラグメントのアミノ酸残基79-99 又は84-104のP30置換を示す。
C: 160 aa C-末端GDF-8フラグメントに置換されたP2及びP30を有する、伸長さ
れたモノマー構築物。 D: 109 C-末端 GDF-8フラグメントの2つのコピー間で連続して結合しているP2
及びP30エピトープを有するダイマー構築物。 図2: TGF-βタンパク質について予想される3D構造。モデルは、TGF-βタンパク
質由来の類似体ドメイン(TGJ-1)に基づいている。β-シートを矢印で示し、ヘリ
ックスを円柱で示している。
【0014】発明の詳細な説明 定義 以下に、本発明の境界を明確にするために、本明細書及び請求項において使用
する用語を幾つか定義し、詳細に説明する。 「T-リンパ球」及び「T-細胞」という用語は、様々の細胞介在免疫応答ならび
に体液性免疫応答におけるヘルパー活性の原因となる胸腺由来リンパ球と互換可
能に使用される。同様に、「B-リンパ球」及び「B-細胞」という用語は、抗体産
生リンパ球と互換可能に使用される。
【0015】 「GDF-8ポリペプチド」は、ここで、幾つかの動物由来の上記GDF-8タンパク質
のアミノ酸配列を有するポリペプチド(又は無傷のGDF-8と実質的な量のB-細胞エ
ピトープを共有するその切断型(truncated))を意味し、ならびに他種から単離さ
れるこれらの2つのタンパク質の外来-類似体と同一のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドがこの用語に含まれる。この用語を用いる際は、通常、生物活性型、つ
まりヒトにおいて109アミノ酸長のC-末端ペプチドが意味される。また、原核生
物系で調製される非グリコシル化型GDF-8は、例えば酵母又は他の非哺乳動物の
真核の発現系の使用により様々なO-グリコシル化パターンを有する型のように、
この用語の境界内に含まれる。しかし、「GDF-8ポリペプチド」の用語を用いる
場合、当該ポリペプチドは治療される動物に提示される際に通常非免疫原性であ
ることが意味されることに留意すべきである。言い換えれば、GDF-8ポリペプチ
ドは自己タンパク質であるか、又は当該動物のGDF-8に対する免疫応答を通常は
生じないような自己タンパク質の外来-類似体である。
【0016】 「GDF-8類似体」は、その一次構造において変化が付されているGDF-8ポリペプ
チドである。このような変化は、例えば適当な融合パートナーへのGDF-8ポリペ
プチドの融合形態(つまり、アミノ酸残基のC-及び/又はN-末端付加をもっぱら伴
う一次構造における変化)であってもよく、及び/又はGDF-8ポリペプチドアミノ
酸配列における挿入及び/又は欠失及び/又は置換形態であってもよい。誘導化GD
F-8分子も、用語「GDF-8類似体」に含まれる(GDF-8の修飾に関する以下の論議参
照)。 例えばヒトGDF-8のイヌ科類似体をヒトでワクチンとして使用することは、GDF
-8に対する所望の免疫性を生じるものと想像されることに留意すべきである。免
疫化にこのような外来-類似体を使用することも、上記のように「GDF-8類似体」
であるとみなされる。
【0017】 「ポリペプチド」という用語は、本文において、アミノ酸残基が2〜10の短い
ペプチド、アミノ酸残基が11〜100のオリゴペプチド、ならびにアミノ酸残基が1
00より多いポリペプチドを意味する。さらに、この用語はタンパク質、すなわち
少なくとも1つのポリペプチドからなり、少なくとも2つのポリペプチドからなる
場合には複合体を形成するか、共有結合するか、又は非共有結合する機能的生体
分子をも含む。タンパク質中のポリペプチドはグリコシル化及び/又は脂質化さ
れていてもよく、及び/又は補欠分子団を含んでいてもよい。 「サブ配列」という用語は、それぞれ天然に存在するGDF-8アミノ酸配列又は
核酸配列から直接誘導される、少なくとも3つのアミノ酸、又は関連するときは
少なくとも3つのヌクレオチドのいずれかの連続的なストレッチを意味する。
【0018】 用語「動物」は、本文において一般にホモ・サピエンス、カニス・ドメスティ
カス(Canis domesticus)などの動物種(好ましくは哺乳動物)を意味し、ただ
1種の動物ではない。しかし、この用語は、そのような動物種の個体群も意味す
る。なぜなら、この発明の方法によって免疫化された個体は全て、同じ免疫原で
の動物の免疫化を可能にする、実質的に同一のGDF-8を有することが重要である
からである。例えばGDF-8の遺伝変異型が異なるヒト個体群で存在する場合には
、各群におけるGDF-8に対する自己耐性を破壊できるように、これらの異なる個
体群で異なる免疫原を使用する必要がある。本文における動物が免疫系を有する
生物であることは、当業者には明らかであろう。動物は脊椎動物、例えば哺乳動
物であることが好ましい。 「GDF-8活性のインビボのダウン-レギュレーション」という用語は、ここでは
生きている生物におけるGDF-8とその受容体(又はGDF-8とこの分子に可能性のあ
る他の生物学的に重要な結合パートナー)との相互作用数の低下を意味する。ダ
ウンレギュレーションは、いくつかの機序によって生じることができる。これら
のうち、抗体結合によるGDF-8の活性部位での単純な干渉が最も簡単である。し
かし、抗体結合が、スカベンジャー細胞(例えばマクロファージ及びその他の食
細胞)によるGDF-8の除去をもたらすことも、本発明の範囲内である。
【0019】 「免疫系に…提示する」という表現は、動物の免疫系が制限された方法で免疫
原性の攻撃に付されるとことを意味する。下記の開示から明らかであるように、
このような免疫系の攻撃は多くの方法によって行うことができる。そのなかで最
も重要なものは、「ファーマシン(pharmaccines)」を含有するポリペプチドで
のワクチン注射(すなわち進行中の疾患を治療又は改善するために投与されるワ
クチン)、又は核酸「ファーマシン」のワクチン注射である。達成されるべき重
要な結果は、動物中の免疫受容細胞が免疫学的に有効な方法で抗原と相対するこ
とであって、この結果に達する方法そのものは、この発明の基礎をなす発明的な
思想ほど重要ではない。 「免疫学的に有効な量」という用語は、当該技術において通常の意味を有する
。 つまり、免疫学的特徴を免疫原と共有する発病剤を著しく連動させる免疫応答を
誘発し得る免疫原の量である。
【0020】 GDF-8が「修飾」されたという表現を使用するときは、ここではGDF-8の骨格を
構成するポリペプチドの化学的修飾を意味する。そのような修飾は、例えばGDF-
8配列中のあるアミノ酸残基の誘導 (例えばアルキル化、アシル化、エステル化
等)である。しかし、以下の開示から明らかであるように、好ましい修飾は、GDF
-8アミノ酸配列の一次構造の変更(又は一次構造に対する付加)、つまり一次アミ
ノ酸配列が修飾されているGDF-8類似体が提示される修飾からなる。 「GDF-8に対する自己耐性」を論じるときは、GDF-8がワクチン注射される個体
群で自己タンパク質であるため、個体群の正常な個体がGDF-8に対する免疫応答
を増さないことが理解される。しかし、動物個体群において、例えば自家免疫異
常の一部として、天然のGDF-8に対する抗体を産生できる偶発的な個体があり得
ることは否定できない。いずれにしても、動物は通常、それ自身のGDF-8に対し
てのみ自己耐性であるが、その他の動物種又は表現型が異なるGDF-8を有する個
体群に由来するGDF-8類似体もまた、その動物により耐性であろうことは否定で
きない。
【0021】 「外来T-細胞エピトープ」(又は「外来T-リンパ球エピトープ」)は、MHC分子
に結合でき、かつ動物種でT-細胞を刺激するペプチドである。この発明において
好ましい外来T-細胞エピトープは「乱交雑」エピトープ、すなわち動物種又は個
体群における特定のMHC分子クラスの実質的なフラクションに結合するエピトー
プである。そのような乱交雑T-細胞エピトープは、ごく限られた数しか知られて
いないが、それらについては以下に詳細に論じる。本発明に基づいて使用される
免疫原が動物個体群のできるだけ大きいフラクションで有効となるためには、1)
数個の外来T-細胞エピトープを同一のGDF-8類似体に挿入するか、又は2)それぞ
れに異なる乱交雑エピトープが挿入された数個のGDF-8類似体を製造する必要が
あり得ることは理解されたい。外来T-細胞エピトープの概念が、クリプティック
T-細胞エピトープ、すなわち自己タンパク質に由来するエピトープであって、当
該自己タンパク質の一部ではなく、単離した形態で存在するときにのみ免疫原性
挙動を発揮するエピトープの使用をも包含することは理解されたい。 「外来Tヘルパーリンパ球エピトープ」(外来THエピトープ)は、MHCクラスII分
子に結合し、MHCクラスII分子に結合した抗原提示細胞(APC)の表面に提示され
うる外来T細胞エピトープである。
【0022】 (生体)分子の「機能的部分」とは、本文においては、分子によって発揮され
る生化学的又は生理学的作用の少なくともひとつの原因となる分子の一部を意味
する。多くの酵素及び他のエフェクター分子が、当該分子によって発揮される作
用の原因となる活性部位を有することは、当該技術において周知である。その分
子の他の部分は、安定化又は可溶性の増強目的に役立っている可能性がある。し
たがって、これらの目的が本発明の特定の実施例に関連がない場合は、排除され
得る。例えば、GDF-8において特定の他のサイトカインを修飾部分として使用す
ることができる(下記の詳細な論述を参照)。そのような場合には、GDF-8への結
合は必要な安定性を生ずるので、安定性の問題は無関係であるかもしれない。 「アジュバント」という用語は、ワクチン技術の分野において通常の意味を有
する。つまり、1)それ自体ではワクチンの免疫原に対する免疫応答を増加するこ
とはできないが、2)それにもかかわらず、免疫原に対する免疫応答を高めること
ができる物質又は組成物である。つまり、言い換えれば、アジュバントのみのワ
クチン注射は免疫原に対する免疫応答を生じない。免疫原でのワクチン注射は免
疫原に対する免疫応答を生じさせるかもしれないし、させないかもしれない。し
かし、免疫原とアジュバントとのワクチン注射の組合わせは、免疫原のみで誘発
されるよりもさらに強い免疫原への免疫応答を誘発する。
【0023】 分子の「標的化」とは、本文において、動物に導入される分子が特定組織で優
先的に現れるか、又は特定の細胞又は細胞型に優先的に結合している状態を意味
する。これは、標的化を促進する組成物に分子を処方することを含む多くの方法
、又は標的化を促進する基を分子に導入することによって達成することができる
。これらの問題は以下に詳細に論述する。 「免疫系の刺激」とは、物質又は組成物が一般に非特異免疫刺激作用を示すこ
とを意味する。多くのアジュバント及び推定上のアジュバント(例えば特定のサ
イトカイン)は、免疫系を刺激する能力を共有する。免疫刺激剤を使用すると、
免疫系の「機敏性(alertness)」が増加する。これは免疫源を用いた同時又はそ
の後の免疫化が、免疫原のみの使用と比較して、著しく有効な免疫応答を誘発す
ることを意味する。
【0024】GDF-8活性のダウン-レギュレーションの好ましい実施態様 この発明の方法で免疫原として用いられるGDF-8ポリペプチドは、少なくとも1
つの変更がGDF-8アミノ酸配列に存在する修飾分子であることが好ましい。とい
うのは、GDF-8に対する自己耐性に関して極めて重要な破壊を生じさせる機会は
あのようにかなり容易化されているからである。このことが、GDF-8に対する自
己耐性の破壊をさらに容易にする剤型、例えば以下に詳述するある種のアジュバ
ントを含む剤型でかかる修飾GDF-8を用いる可能性を排除しないことは、留意す
べきである。
【0025】 潜在的に自己反応性のB-リンパ球を認識する自己-タンパク質が正常な個体に
おいて生理学的に存在することが分かっている(Dalum Iら、1996, J. Immunol.
157: 4796-4804)。しかし、これらのB-リンパ球が、関連する自己-タンパク質と
反応性の抗体を実際に産生するよう誘発するためには、サイトカイン産生T-ヘル
パーリンパ球(TH-細胞又はTH-リンパ球)からの補助が必要である。通常、この助
力は、提供されない。なぜなら、T-リンパ球は、一般に、抗原提示細胞(APC)に
よって提示される場合に、自己タンパク質由来のT-細胞エピトープを認識しない
からである。しかし、自己-タンパク質に「外来」要素を生ずることによって(つ
まり、免疫学的に有意な修飾を導入することによって)、外来要素を認識するT-
細胞は、APC(例えば、最初は単核細胞)上で外来エピトープを認識することによ
って活性化される。修飾自己タンパク質で自己エピトープを認識し得るポリクロ
ーナルB-リンパ球(特化されたAPCでもある)も抗原を内在化し、次いでその外来T
-細胞エピトープを提示し、活性化されたT-リンパ球が、その後、これらの自己
反応性ポリクローナルB-リンパ球へのサイトカインの助力を提供する。これらの
ポリクローナルB-リンパ球で産生される抗体は、天然のポリペプチドに存在する
ものも含めて修飾ポリペプチドで種々のエピトープと反応性であるので、非修飾
自己タンパク質との抗体の交差反応が誘発される。結論として、T-リンパ球は、
あたかもポリクローナルB-リンパ球の群が完全に外来抗原を認識するかのように
作用するに至るのであるが、実際は、挿入されたエピトープが宿主に外来である
にすぎない。こうして、非修飾自己抗原と交差反応しうる抗体が誘発される。
【0026】 自己耐性の破壊を生じるためにペプチド自己抗原を修飾する方法は、幾つか当
業者に知られている。つまり、この発明によれば、修飾は、 - 少なくとも1つの外来T-細胞エピトープを導入し、及び/又は - 少なくとも1つの第一部分(first moiety)を導入し、抗原提示細胞(APC)に修
飾分子を標的化し、及び/又は - 少なくとも1つの第二部分を導入し、免疫系を刺激し、及び/又は - 少なくとも1つの第三部分を導入し、免疫系に対して修飾GDF-8ポリペプチド
の提示を最適化する ことを含み得る。 しかし、これらの修飾は、全て活性なGDF-8に本来のB-リンパ球エピトープの
実質的なフラクションを維持しているあいだに行われるべきである。というのは
、天然分子のB-リンパ球の認識は、それにより増強されるからである。
【0027】 ひとつの好ましい具体例において、(外来T-細胞エピトープ又は上記の第一、
第二及び第三部分の形態の)側基(side group)は、共有的又は非共有的に導入さ
れる。これは、GDF-8から誘導されるアミノ酸残基のストレッチが、主たるアミ
ノ酸配列を変更することなく、あるいは少なくとも鎖内の個々のアミノ酸間のペ
プチド結合に変更を加えることなく、誘導されることを意味する。 代替的かつ好ましくは、具体例は、アミノ酸の置換及び/又は欠失及び/又は挿入
及び/又は付加を利用する(組換え手段又はペプチド合成の手法により行っても良
い:長いアミノ酸のストレッチを伴う修飾は、融合ポリペプチドを生じ得る)。
この具体例の特に好ましい変形は、WO 95/05849に記載される技術である。これ
は、多数のアミノ酸配列が免疫優勢の外来T-細胞エピトープからそれぞれなる相
当数のアミノ酸配列で置換されているが、同時に類似体における自己タンパク質
の全体的な三次構造を維持している自己タンパク質類似体での免疫化によって自
己タンパク質をダウン-レギュレートする方法を開示している。しかし、この発
明の目的には、修飾(アミノ酸の挿入、付加、欠失又は置換)により外来のT-細胞
エピトープが生じ、同時にGDF-8において実質的な数のB-細胞エピトープが保持
されれば、十分である。しかし、誘発される免疫応答の効率を最大限にするため
には、GDF-8の全体的な三次構造を修飾分子内で維持することが好ましい。
【0028】 以下の式は、この発明で全体的に包含されるGSF-8構築物を記載している: (MOD1)s1(GDF-8e1)n1(MOD2)s2(GDF-8e2)n2....(MODx)sx(GDF-8ex)nx (I) - ここで、GDF-8e1-GDF-8ex は、xのB-細胞エピトープを含有するGDF-8のサブ
配列で、個々に同一であるか又は非同一であり、外来側基を含んでいてもよく含
まなくてもよい。xは3以上の整数で、n1-nxは0以上のxの整数(少なくとも1つは1
以上)であり、MOD1-MODx は保存されたB-細胞エピトープ間に挿入されたx の修
飾で、かつs1-sx は0以上のxの整数である(側基がGDF-8e配列に導入されないな
らば、少なくとも1つは1以上である)。したがって、全般的な機能が構築物の免
疫原性を制限するので、この発明は本来のGDF-8配列のあらゆる種類の置換及び
それにおけるあらゆる種類の修飾を可能にする。つまり、例えばインビボで副作
用を示すGDF-8配列の一部を省くか、あるいは望ましくない免疫学的反応を生じ
る部分を省くことによって得られる修飾GDF-8は、本発明に含まれる。
【0029】 B-細胞エピトープの実質的なフラクション又は上記の修飾に付されるタンパク
質の全体的な三次構造の維持は、幾通りかの方法によって達成することができる
。ひとつは、単にGDF-8に対するポリクローナル抗血清(例えばウサギで調製した
抗血清)を調製し、その後この抗血清を、製造した修飾タンパク質に対する試験
薬として(例えば競合ELISAで)使用する方法である。GDF-8と同程度まで抗血清と
反応する修飾形(類似体)は、GDF-8と同じ全体的な三次構造を有しているとみな
さなければならない。しかし、そのような抗血清に対して制限された(それでも
依然として有意かつ特異的な)反応性を示す類似体は、本来のB-細胞エピトープ
の実質的なフラクションを維持しているものとみなされる。 あるいは、GDF-8での異なるエピトープと反応性のモノクローナル抗体の選択
は、テストパネルとして用意し、使用することができる。この方法は、1)GDF-8の
エピトープマッピング、及び2)調製した類似体に維持されるエピトープのマッピ
ングを可能にするという利点がある。
【0030】 当然のことながら、第三の方法は、GDF-8又は生物学的に活性な切断型(上記参
照)の三次元構造を解析し、これを、調製した類似体について解析した三次元構
造と比較することである。三次元構造は、X線回折研究及びNMR分光法によって解
析することができる。三次構造に関するさらなる情報は、ある程度までは、純粋
型のポリペプチドを要するという利点があるにすぎない円偏光二色性研究から得
ることができ(X線回折では結晶化ポリペプチドの供給、NMRではポリペプチドの
同位体変異型の供給を要する)、所定の分子の三次構造についての有用な情報が
提供される。しかしながら、最終的には、X線回折及び/又はNMRが確実なデータ
を得るために必要である。なぜなら、円二色性は、二次構造要素の情報を介する
と正確な三次元構造については間接的な証拠しか提供できないからである。
【0031】 この発明の1つの好ましい具体例は、GDF-8のB-リンパ球エピトープ(つまり、
少なくとも1つのB-細胞エピトープが2つの位置に存在する式I)の複数提示を利用
している。このことは、様々な方法、例えば、単に構造(GDF-8)m(式中mは2以上
の整数)からなる融合ポリペプチドを調製し、次いでここに論ずる修飾をGDF-8
配列の少なくとも1つに導入するか、あるいは少なくとも2つのGDF-8アミノ酸配
列間に挿入することによって達成することができる。導入された修飾は、B-リン
パ球エピトープの少なくとも1つの複製及び/又はハプテンの導入を含むことが好
ましい。 上記のように、外来T-細胞エピトープの導入は、少なくとも1つのアミノ酸の
挿入、付加、欠失又は置換の導入によって完成される。当然ながら、正常な状況
は、アミノ酸配列における1以上の変更の導入(例えば、完全なT-細胞エピトープ
の挿入又はそれによる置換)であろうが、達成されるべき重要な目標は、抗原提
示細胞(APC)によって処理される際に、GDF-8類似体が、APC表面にMHCクラスII分
子の状況で提示されるような免疫優勢の外来T-細胞エピトープを生じることであ
る。したがって、適当な位置でのGDF-8アミノ酸配列が外来THエピトープでも見
られるアミノ酸残基を幾つか含むならば、外来THエピトープの導入は、アミノ酸
の挿入、付加、欠失及び置換で外来エピトープの残りのアミノ酸を生じることに
よって達成され得る。言い換えれば、挿入又は置換で完全なTHエピトープを導入
することは、必ずしも必要ではない。
【0032】 アミノ酸の挿入、欠失、置換又は付加の数は、好ましくは少なくとも2、例え
ば3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20及び25
の挿入、置換、付加又は欠失である。アミノ酸の挿入、置換、付加又は欠失の数
は、150を超えないことがさらに好ましく、例えば多くても100、多くても90、多
くても80、ならびに多くても70である。置換、挿入、欠失又は付加の数は、60を
超えないことが特に好ましく、とりわけその数は50又は40を超えるべきではない
。最も好ましいのは、30以下の数である。アミノ酸付加に関して、得られた構築
物が融合ポリペプチドの形態である場合には、これらはしばしば150よりもかな
り多いことに留意すべきである。 本発明の好ましい実施態様は、少なくとも1つの免疫優勢な外来THエピトープ
の導入による修飾を含む。TH-エピトープの免疫優勢の問題が当該の動物種に依
存することは、理解されたい。ここで使用する限り、"免疫優勢"という用語は単
に、ワクチン注射した個体において顕著な免疫応答をもたらすエピトープに関す
る。しかし、一個体において免疫優勢なTH-エピトープが、同一種の別の個体に
おいてMHC-II分子を結合できるからといって、必ずしも後者の個体において免疫
優勢であるとは限らないことは周知の事実である。
【0033】 もう一つの重要な点は、TH -エピトープのMHC制限の問題である。一般に、天
然に存在するTH -エピトープはMHC制限性である。すなわち、TH-エピトープを構
成するあるペプチドのみがMHCクラスII分子のサブセットに効果的に結合する。
これはその結果、多くの場合において、1つの特異的なTH-エピトープの使用が個
体群のフラクションにのみ有効なワクチン成分を生じるという効果を有する。ま
た、フラクションのサイズ次第でより多くのTH-エピトープを同一分子内に必然
的に含めることができ、あるいは導入されたTH-エピトープの性質によって互い
に識別されるGDF-8変異体が成分である多成分ワクチンを調製することができる
。 使用するT-細胞のMHC制限が全く未知である場合(例えばワクチン注射した動
物があまり確定されていないMHC組成を有している場合)、特異的なワクチン組
成によってカバーされる動物個体群のフラクションは以下の式によって決定する
ことができる。
【数1】 [式中、piはワクチン組成中に存在するiの外来T-細胞エピトープに対して応答
する個体群における頻度、nはワクチン組成中の外来T-細胞エピトープの総数で
ある]。このように、個体群において0.8、0.7及び0.6の応答頻度をそれぞれ有す
る3個の外来T-細胞エピトープを含むワクチン組成は 1 - 0.2 × 0.3 × 0.4 = 0.976 となり、すなわち、個体群のうち97.6%がMHC-IIを介したワクチンへの応答を統
計的に高める。
【0034】 上記の式は、使用されるペプチドについて多少とも明確なMHC制限パターンが
知られている場合には適用されない。例えば、あるペプチドのみがHLA-DRアレレ
DR1、DR3、DR5及びDR7によってエンコードされるヒトMHC-II分子に結合する場合
には、このペプチドを、HLA-DRアレレによってエンコードされる残りのMHC-II分
子に結合する別のペプチドとともに使用することにより、当該個体群で100%の
到達範囲が達成される。同様に、第二のペプチドがDR3及びDR5のみに結合する場
合には、このペプチドの付加は到達範囲を全く増加させない。個体群応答の算出
の基礎を完全にワクチン中のT-細胞エピトープのMHC制限におく場合、特異的な
ワクチン組成物でカバーされる個体群のフラクションは以下の式によって決定さ
れる:
【数2】 [式中、φjはワクチン中のT-細胞エピトープのいずれか1つを結合し、かつjの3
つの公知のHLA座(DP、DR及びDQ)に属するMHC分子をエンコードするアレリックハ
プロタイプの個体群における頻度の合計である。実際には、どのMHC分子がワク
チン中の各T-細胞エピトープを認識するかをまず測定し、その後、これらのMHC
分子を型(DP、DR及びDQ)によってリストする。次いで、リストした種々のアレリ
ックハプロタイプの個々の頻度を型ごとに合計し、φ1、φ2及びφ3を得る]。
【0035】 式IIの値piは対応する理論値πiを超えることがあるかもしれない。
【数3】 [式中、νjは ワクチン中のiのT-細胞エピトープを結合し、かつjの3つの公知
のHLA座(DP、DR及びDQ)に属するMHC分子をエンコードするアレリックハプロタイ
プの個体群における頻度の合計である。これは、1-πiの個体群では、応答頻度
はf誤差(residual)_i = (pii)/(1-πi)となることを意味する。したがって、
式IIIを調整して式Vとすることができる:
【数4】 [式中、用語1−f誤差_iは、負のときは0に設定される]。式Vにより、全てのエ
ピトープが同一セットのハプロタイプにハプロタイプマップ(haplotype mapped)
される必要のあることに留意されたい。 したがって、IL5類似体に導入されるT細胞エピトープを選択するときは、エピ
トープに関する利用可能な全ての知識: 1)個体群における各エピトープへの応答
頻度、2)MHC制限データ及び3)関連するハプロタイプ個体群における頻度を含め
ることが重要である。 動物種の個体又は動物個体群の大部分において活性な、天然に存在する“乱交
雑”T-細胞エピトープが多量に存在する。これらは好ましくはワクチンに導入さ
れ、それによって同一ワクチンにおける極めて多量の異なるGDF-8類似体の必要
性を低減する。
【0036】 本発明によれば、乱交雑エピトープは、破傷風トキソイド(例えばP2及びP30エ
ピトープ)、ジフテリアトキソイド、インフルエンザウイルス血球凝集素(HA)及
びピー・ファルシパルム(P.falciparum) CS抗原由来エピトープのような天然に
存在するヒトT-細胞エピトープであってもよい。当然に、ヒト以外の他の動物に
ワクチン注射する際には、当該動物に乱交雑な天然に存在するT-細胞エピトープ
を利用するよう注意が払われるべきである。 長年にわたり、その他の乱交雑T-細胞エピトープが多数同定されている。特に
、異なるHLA-DRアレレによってエンコードされるHLA-DR分子の大部分に結合しう
るペプチドが同定されており、これらは全て本発明にしたがって使用されるGDF-
8類似体に導入される可能性のあるT-細胞エピトープである。すべてここに引用
して組み込まれる以下の文献に記載のエピトープも参照のこと: WO 98/23635 (F
razer IH ら、The University of Queenslandに譲渡); Southwood S ら、1998,
J. Immunol. 160: 3363-3373; Sinigaglia F ら、1988, Nature 336: 778-780;
Chicz RM ら、1993, J. Exp. Med 178: 27-47; Hammer J ら., 1993, Cell 74:
197-203; 及びFalk K ら、1994, Immunogenetics 39: 230-242。最後の文献は、
HLA-DQリガンド及びHLA-DPリガンドについても論じている。これら5文献に挙げ
られるエピトープは、全て本発明で使用される天然エピトープと共通のモチーフ
を共有するため、その候補として適切である。
【0037】 あるいは、エピトープはMHCクラスII分子の大部分を結合しうるいずれかの人
為的なT-細胞エピトープであってもよい。この明細書において、WO 95/07707及
び対応する論文Alexander J ら、1994, Immunity 1: 751-761 (両者ともここに
引用して組み込む)に記載のpan DR エピトープペプチド("PADRE")が、本発明に
したがって使用されるエピトープの候補として興味深い。これらの論文に開示さ
れる最も有効なPADREペプチドは、投与時の安定性を改善するためにC-末端及びN
-末端にD-アミノ酸を担持することに留意されたい。しかしながら、本発明は第
一に、適切なエピトープを修飾GDF-8の一部として組み込むことを目的とする。
これはその後、APCのリソソーム分画内で酵素的に破壊し、続いてMHC-II分子に
関連して提示を行う。したがって、本発明において使用されるエピトープにD-ア
ミノ酸を組み込むことは得策ではない。 特に好ましいPADREペプチドのひとつは、アミノ酸配列AKFVAAWTLKAAA 又は免
疫学的に有効なそのサブ配列を有するペプチドである。これと、同じMHC制限を
欠いている他のエピトープが、本発明の方法で使用されるGDF-8類似体に存在す
べき好ましいT-細胞エピトープである。このような超-乱交雑エピトープは、ワ
クチン注射した動物の免疫系に単一の修飾GDF-8のみを提示する、本発明の最も
簡単な実施態様を可能にする。
【0038】 上記のように、GDF-8の修飾は、修飾GDF-8をAPC又はB-リンパ球に標的化する
第一部分の導入を含んでいてもよい。例えば、第一部分は、B-リンパ球の特異的
な表面抗原又はAPC特異的な表面抗原に特異的な結合パートナーであってもよい
。そのような特異的な表面抗原の多くは、当該技術において公知である。例えば
、部分はB-リンパ球又はAPCに受容体がある炭水化物であってもよい(例えばマン
ナン又はマンノース)。又は、第二部分はハプテンであってもよい。APC又はリン
パ球で表面分子を特異的に認識する抗体フラグメントも、第一部分として使用す
ることができる(表面分子は、例えばFCγRIのようなマクロファージ及び単球のF
Cγ受容体、あるいはCD40又はCTLA-4等のようないずれかの他の特異的な表面マ
ーカーであってもよい)。これら全ての代表的な標的化分子は、アジュバントの
一部としても使用できることは理解されたい(以下を参照のこと)。 免疫応答を増強するために修飾GDF-8ポリペプチドをある細胞型に標的化する
ことの代案又は補足として、免疫系を刺激する上記第二部分を含むことによって
免疫系の応答レベルを増すことができる。このような第二部分の一般的な例は、
サイトカイン、熱ショックタンパク質ならびにそれらの有効な部分である。
【0039】 本発明にしたがって使用される適切なサイトカインは、通常ワクチン組成物に
でアジュバントとしても機能するもの、例えばインターフェロンγ(IFN-γ)、Fl
t3L、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン4
(IL-4)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイ
キン13(IL-13)、インターロイキン15(IL-15)及び顆粒球-マクロファージコロニ
ー刺激因子(GM-CSF)である。あるいは、サイトカイン分子の機能的部分が第二部
分として十分である。このようなサイトカインのアジュバント物質としての使用
に関しては、下記の記載を参照のこと。 本発明によれば、第二部分として使用される適当な熱ショックタンパク質は、
HSP70、HSP90、HSC70、GRP94(gp96としても公知、Wearsch PAら、1998, Biochem
istry 37: 5709-19参照)ならびにCRT(カルレチクリン(calreticulin))であって
もよい。
【0040】 あるいは、第二部分はリステリオリシン(listeriolycin)(LLO)、脂質A及び非
耐熱性エンテロトキシンのような毒素であってもよい。また、MDP(ムラミルジペ
プチド)及びトレハロースジエステルTDM及びTDEなどの多数のマイコバクテリア
誘導体が、興味深い可能性のあるものである。 免疫系への修飾GDF-8の提示を高める第三部分を導入しうることもまた、本発
明の重要な実施態様である。この原理のいくつかの例が当該技術において示され
ている。例えば、Borrelia burgdorferiタンパク質OspAのパルミトイル脂質化ア
ンカーを利用して、自己アジュバント化ポリペプチドを提供できることが知られ
ている(例えばWO 96/40718を参照)。脂質化したタンパク質は、ポリペプチドの
脂質化アンカー部分とそこから突出する残りの分子部分からなる核を有するミセ
ル状構造を形成し、その結果、抗原決定基を多数提示するものと考えられる。し
たがって、これの使用及び異なる脂質化アンカー(例えばミリスチル基、ミリス
チル基、ファルネシル基、ゲラニル-ゲラニル基、GPIアンカー及びN-アシルジグ
リセライド基)を用いた関連の研究は、特に、組換えて製造したタンパク質内の
脂質化アンカーの供給がかなり簡単で、例えば天然に存在するシグナル配列を修
飾GDF-8ポリペプチドの融合パートナーとして使用することを要求するにすぎな
いため、本発明の好ましい実施態様である。もう一つの可能性として、相補因子
C3のC3dフラグメント又はC3自体の使用が挙げられる(Dempsey ら、1996, Scienc
e 271, 348-350及びLou & Kohler, 1998, Nature Biotechnology 16, 458-462参
照)。
【0041】 結果として、GDF-8の重要なエピトープ領域の多数(例えば少なくとも2つ)のコ
ピーを免疫系に好ましく提示する本発明の別の実施態様として、ある担体分子に
対するGDF-8、そのサブ配列又は変異型の共有又は非共有結合がある。例えば、
デキストランのような炭水化物などのポリマーが使用可能である(例えば、Lees
A ら、 1994, Vaccine 12: 1160-1166; Lees A ら、 1990, J Immunol. 145: 35
94-3600を参照のこと)。しかし、マンノースやマンナンも有用な代替手段である
。例えば、大腸菌及び他の細菌からの膜内在性タンパク質も、有用な接合パート
ナーである。キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、破傷風トキソイド、ジ
フテリアトキソイド及びウシ血清アルブミン(BSA)のような従来の担体分子も好
ましく、有用な接合パートナーである。
【0042】 天然のGDF-8のある領域は、修飾を行うのに極めて適していると考えられる。C
-末端のGDF-8の以下のサブ配列の少なくとも1つにおける修飾は、適当な免疫原
性分子を生じるものと予想される:SEQ ID NO:11又は12における残基18-41、49-
69もしくは79-104、又はヒト、ウシ、ブタ、ニワトリもしくは七面鳥と異なる由
来のGDF-8ポリペプチドの相当するサブ配列。これらの選択領域の基礎をなす見
解は、a)B-細胞エピトープの保存、b)二次、三次及び四次構造の保存等である。
いずれにせよ、ここに記載するように、天然のGDF-8に対する抗体との免疫反応
のため一連の修飾GDF-8分子(全て種々の位置でT-細胞エピトープの導入に付され
ている)をスクリーンすることは、極めて容易である。修飾は、外来THエピトー
プを含む長さが同じか異なる少なくとも1つのアミノ酸配列でアミノ酸配列を置
換して行うことが特に好ましい。このような構築物の理論的解釈は、実施例に詳
細に論じる。また、C-末端のGDF-8フラグメントのループ領域又は可変性末端(残
基1-12、18-30、42-51、82-86及び105-109)のいずれか1つへの挿入(又は置換)が
、好ましい。
【0043】GDF-8及び修飾GDF-8ポリペプチドの処方 動物に投与することによってGDF-8ポリペプチド又はGDF-8修飾ポリペプチドを
動物の免疫系に提示するとき、ポリペプチドの処方は、当該技術において一般に
承認されている原理に基づく。 ペプチド配列を有効成分として含有するワクチンの調製法は、ここに引用して
すべて組み込まれる米国特許第4,608,251号;第4,601,903号;第4,599,231号;
第4,599,230号;第4,596,792号及び4,578,770号に例示されるように、一般に当
該技術においてよく理解されている。通常、このようなワクチンは液体溶液又は
懸濁液のいずれかのような注射剤;溶液又は懸濁液に入れるのに適した固体、注
射前の液体として調製されてもよい。製剤は乳化されていてもよい。有効な免疫
原性成分は、しばしば医薬的に受容され有効成分に和合する賦形剤と混合される
。適当な賦形剤は、例えば水、塩水、デキストロース、グリセロール、エタノー
ル等及びそれらの組み合わせである。また、望ましい場合には、ワクチンは少量
の補助物質、例えば湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝薬、又はワクチンの有効性を高め
るアジュバントを含んでいてもよい(アジュバントについての下記の詳細な記述
を参考のこと)。
【0044】 ワクチンは従来、例えば、表皮下、表皮内、真皮内、真皮下又は筋肉内のいず
れかの注射によって非経口的に投与される。他の投与方法に適した追加的な処方
としては坐剤があり、時に経口、口腔内、舌下、腹腔内、鞘膜内、肛門、硬膜外
、脊髄及び頭蓋内処方が含まれる。坐剤については、従来の結合剤及び担体、例
えばポリアルカレングリコール又はトリグリセライドが含まれていてもよい。こ
のような坐剤は有効成分を0.5-10%、好ましくは1-2%の範囲で含有する混合物
から形成してもよい。経口処方は、例えば医薬等級のマンニトール、ラクトース
、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸
マグネシウム等の通常使用される賦形剤を含む。これらの組成物は溶液、懸濁液
、錠剤、丸剤、カプセル剤、持続放出処方又は粉剤の形状をとり、10-95%、好
ましくは25-70%の有効成分を含有する。経口処方については、コレラ毒素が興
味深い処方パートナーである(可能性のある接合パートナーでもある)。 ポリペプチドは、中性又は塩の形態としてワクチンに処方してもよい。医薬的
に受容な塩には、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基で形成される)及び例えば
塩酸又はリン酸のような無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸など
の有機酸で形成される塩が含まれる。遊離カルボキシル基で形成される塩は、例
えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム又は水酸化第二鉄のよう
な無機塩基、ならびにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミ
ノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から誘導されてもよい。
【0045】 ワクチンは、容量処方に適合する方法で、治療的に有効かつ免疫原性となる量
で投与される。投与量は、例えば免疫応答を増加させる個体の免疫系の能力、及
び所望の防御の程度を含めて、治療される被験者に依存する。適当な用量範囲は
、1回のワクチン注射あたりで有効成分が数百μgのオーダーであり、好ましい範
囲は(1-10 mg範囲でのより多い量を考慮しても)約0.1μg〜2,000μgであり、例
えば約0.5μg〜1,000μg、好ましくは1μg〜500μg、特に約10μg〜100μgの範
囲である。初回投与のための適当な養生法及び追加注射も変えられるが、典型的
には初回投与の後に続けて接種するか、又はその他の投与が行われる。 適用方法は、広く異なっていてもよい。いずれの従来のワクチン投与法も適用
可能である。これらは生理的に受容な固体の基剤での経口投与、又は注射等によ
る生理的に受容な分散液の非経口的投与を含む。ワクチンの用量は投与経路に依
存し、ワクチン注射を受ける人の年齢及び抗原処方に応じて変化する。 ワクチンのポリペプチドには、ワクチン内で十分に免疫原性のものもあるが、
その他の幾つかにおいては、ワクチンがアジュバント物質をさらに含む場合に免
疫応答を高める。
【0046】 ワクチンへのアジュバント効果を達成するための様々の方法が公知である。一
般的な原理及び方法は、ともに引用してここに組み込まれる"The Theory and Pr
actical Application of Adjuvants", 1995, Duncan E.S. Stewart-Tull (編集)
, John Wiley & Sons Ltd, ISBN 0-471-95170-6及び"Vaccines: New Generation
n Immunological Adjuvants", 1995, Gregoriadis G ら (編集), Plenum Press,
New York, ISBN 0-306-45283- 9に詳細に述べられている。 自己抗原に対する自己耐性の破壊の促進が立証され得るアジュバントを使用す
ることが特に好ましい。実際、これは、自家ワクチンにおいて非修飾GDF-8を有
効成分として用いる場合に必須である。適当なアジュバントの非制限的な例は、
免疫標識化アジュバント;毒素、サイトカイン及びマイコバクテリア誘導体など
の免疫調節アジュバント;油製剤;ポリマー;ミセル形成アジュバント;サポニ
ン;免疫刺激複合体マトリクス(ISCOMマトリクス);粒子;DDA;アルミニウムア
ジュバント;DNAアジュバント;γ-イヌリン;及びカプセル化アジュバントから
なる群より選択される。一般に、類似体において第一、第二及び第三の部分とし
て有用な化合物及び薬剤に関する上記の開示は、本発明のワクチンのアジュバン
トにおけるそれらの使用にも必要な変更を加えて言及することに留意されたい。
【0047】 アジュバントの投与は、通常緩衝食塩水中0.05〜0.1%溶液として使用される
水酸化アルミニウム又はリン酸アルミニウム(alum)等の薬剤、0.25%溶液として
使用される糖の合成ポリマー(例えばカルボポル(登録商標))との混和物の使
用を含み、70〜101℃の温度範囲でそれぞれ30秒〜2分熱処理することによるワク
チン内でのタンパク質の凝集、ならびに架橋剤による凝集も可能である。ペプシ
ンで処理した抗体(Fabフラグメント)での再活性化によるアルブミンへの凝集、
シー・パルブム(C. parvum)、内毒素又はグラム陰性細菌のリポ多糖類成分など
の細菌細胞との混合、マンニッドモノ-オレエート(Aracel A)のような生理的に
受容な油性ビヒクル中の乳化、又は阻害基体として使用されるパーフルオロカー
ボン(Fluosol-DA)の20%溶液との乳化も、用いることができる。スクアレン及び
IFAなどの油との混和も好ましい。 本発明によれば、DDA (ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)はDNA
やγ-イヌリンと同様、アジュバントの候補として興味深い。しかし、フロイン
ト完全アジュバント及び不完全アジュバント、ならびにQuilA及びQS21のような
キラヤサポニンもまたRIBIであるので興味深い。さらなる可能性としては、モノ
ホスホリルリピドA(MPL)、上記のC3とC3d及びムラミルジペプチド(MDP)がある。
【0048】 リポソーム処方もまたアジュバント効果を与えることが知られている。したが
ってリポソームアジュバントは本発明において好ましい。 免疫刺激複合体マトリクス型(ISCOM(登録商標)マトリクス)アジュバントも
、本発明において好ましい選択肢である。なぜなら特にこの種のアジュバントが
APCによるMHCクラスIIの発現をアップレギュレートできることが分かっているか
らである。ISCOM(登録商標)マトリクスは、キラヤ・サポナリア(Quillaja sap
onaria)由来の(任意に分画した)サポニン(トリテルペノイド)、コレステロール
、及びリン脂質からなる。免疫原性タンパク質と混和した場合、得られる粒状処
方は、サポニンが60-70% w/wを構成し、コレステロール及びリン脂質10-15% w
/w及びタンパク質10-15% w/wのISCOM粒子として既知のものである。免疫刺激複
合体の組成及び使用に関する詳細は例えばアジュバントに関する上記教本にみら
れるが、Morein B ら、1995, Clin. Immunother. 3: 461-475ならびにBarr IG
及び Mitchell GF, 1996, Immunol. and Cell Biol. 74: 8-25 (両者とも引用し
てここに組み込まれる)にも完全な免疫刺激複合体の製法に関する有用な教示が
示されている。
【0049】 アジュバント効果を達成するもう一つの非常に興味深い(ゆえに好ましい)可能
性は、Gosselinら、1992(ここに引用して組み込まれる)に記載の技術を採用する
ことである。要約すると、本発明の抗原のような関連抗原の提示は、単球/マク
ロファージのFcγ受容体に対する抗体(又は抗原結合抗体フラグメント)に抗原を
接合することによって高められる。特に、抗原と抗-FcγRIの接合体がワクチン
注射を目的とした免疫原性を高めることが証明されている。 その他の可能性としては、上記した標的化物質及び免疫調節物質(とりわけサ
イトカイン)を、GDF-8の修飾変異型で第一及び第二の部分の候補物として使用す
ることが含まれる。これに関して、ポリI:Cのようなサイトカインの合成誘導物
質もまた可能性がある。 適切なマイコバクテリア誘導体は、ムラミルジペプチド、完全フロイントアジ
ュバント、RIBI、ならびにTDM及びTDEなどのトレハロースジエステルからなる群
より選択される。 適切な免疫標的化アジュバントは、CD40リガンド及びCD40抗体、又はその特異
的結合フラグメント(上記論述を参照)、マンノース、Fabフラグメント及びCTLA-
4からなる群より選択される。
【0050】 適切なポリマーアジュバントは、デキストラン、PEG、澱粉、マンナン及びマ
ンノース等の炭水化物;プラスチックポリマー自体;及びラテックスビーズ等の
ラテックスからなる群より選択される。 免疫応答を調節するさらに別の興味深い方法は、GDF-8免疫原を(任意にアジュ
バント及び医薬的に受容な担体及びビヒクルとともに)"仮想リンパ節(virtual l
ymph node)" (VLN) (ImmunoTherapy, Inc., 360 Lexington Avenue, New York,
NY 10017-6501により開発された特許医療装置)に含めることである。VLN(細管状
装置)は、リンパ節の構造と機能を模倣している。VLNを皮膚下に挿入することに
より、サイトカイン及びケモカインを増加させた滅菌炎症部位が形成される。T-
細胞及びB-細胞ならびにAPCは、危険信号に迅速に応答し、炎症箇所に戻り、VLN
の多孔質マトリクス内部に蓄積する。抗原に対する免疫応答を増加させるために
要求される必要抗原用量はVLNを使用すると減少すること、VLNを使用したワクチ
ン注射によって付与される免疫防御はRibiをアジュバントとして使用する従来の
免疫化を凌ぐものであることが、分かっている。この技術はとりわけ"From the
Laboratory to the Clinic, Book of Abstracts, October 12th - 15th 1998, S
eascape Resort, Aptos, California"中のGelber C ら、1998, "Elicitation of
Robus T-cellular and Humoral Immune Responses to Small Amounts of Immun
ogens Using a Novel Medical Device Designated the Virtual Lymph Node"に
簡潔に記載されている。
【0051】 ワクチンは少なくとも一年に1回、例えば一年に少なくとも1、2、3、4、5、6
及び12回投与されるべきであると予想される。より具体的には、一年に1-12回、
例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12回、必要に応じて個体に投与
することが期待される。本発明による好ましい自家ワクチンの使用によって誘発
される記憶免疫性が永続的ではないことは、先に示されている。したがって、免
疫系を類似体で定期的に攻撃させる必要がある。 遺伝的変異のため、異なる個体は、同一ポリペプチドに異なる強度の免疫応答
で反応する可能性がある。したがって、本発明のワクチンは、免疫応答を増加す
るために数個の異なるポリペプチドから構成されていてもよい(外来T-細胞エピ
トープ導入の選択に関する上記記載も参照のこと)。ワクチンは、2以上のポリペ
プチドから構成されていてもよい。その場合、全てのポリペプチドは上記で定義
したものである。 したがって、ワクチンは3-20個の異なる修飾又は非修飾ポリペプチド、例えば
、3-10個の異なるポリペプチドで構成されていてもよい。しかしながら、通常は
ポリペプチドの数は最小、例えば1又は2個のペプチドに保たれるべきであろう。
【0052】核酸ワクチン注射 ペプチドベースワクチンの標準的な投与の代替案として、核酸ワクチン注射技
術("核酸免疫化"、"遺伝的免疫化"及び"遺伝子免疫化" としても知られる)は、
多くの興味ある特徴を提供する。 まず、従来のワクチン法と対比して、核酸ワクチン注射は、免疫原性剤の資源
を消費するような大規模製造(例えば、修飾GDF-8を製造する微生物の産業規模の
発酵形態)を必要としない。さらに、装置の清浄化及び免疫原の再生スキームの
必要がない。最後に、核酸ワクチン注射は、ワクチン注射した個体の生化学的器
官に依存して導入した核酸の発現生成物を生ずるため、発現生成物について最適
な翻訳後プロセシングが起こることが期待される。これは、自家ワクチン注射の
場合には特に重要である。なぜなら、上記したように、最初のGDF-8 B-細胞エピ
トープに関し有意なフラクションは修飾分子で保持されるべきであり、B-細胞エ
ピトープは原則としていずれかの(生体)分子の部分(例えば炭水化物、脂質、タ
ンパク質など)によって構成できるからである。したがって、免疫原の天然のグ
リコシル化及び脂質化パターンは免疫原性全体に極めて重要であり、これは宿主
に免疫原を生じさせることによって確実となることが予想される。
【0053】 したがって、本発明の好ましい実施態様は、修飾GDF-8をエンコードする核酸
を動物細胞に導入し、それにより、導入された核酸に関し細胞でインビボ発現を
させることによる、免疫系への修飾GDF-8の提示からなる。 この実施態様において、導入された核酸は、裸のDNA、荷電又は非荷電脂質で
製剤化したDNA、リポソームで製剤化したDNA、ウイルスベクターに含めたDNA、
トランスフェクション促進タンパク質又はポリペプチドで製剤化したDNA、標的
タンパク質又はポリペプチドで製剤化したDNA、カルシウム沈殿剤で製剤化したD
NA、不活性担体分子に結合したDNAならびにアジュバントで製剤化したDNAの形態
になり得るDNAであることが好ましい。本文において、従来のワクチン処方にお
けるアジュバントの使用に関するほとんど全ての考察が、DNAワクチンの処方に
適用されることに留意されたい。したがって、ポリペプチドベースワクチンに関
連したアジュバントの使用に関するここでの全ての開示は、必要な変更を加えて
、核酸ワクチン注射技術におけるその使用に適用される。
【0054】 上記のポリペプチドベースワクチンの投与経路及び投与スキームに関する限り
は、本発明の核酸ワクチンにも適用可能であり、ポリペプチドについての投与経
路及び投与スキームに適する上記の論議は全て、必要な変更を加えて核酸に適用
される。このことに、核酸ワクチンが静脈内及び動脈内で適当に投与され得るこ
とが追記される。さらに、核酸ワクチンがいわゆる遺伝子銃の使用で投与でき、
それ故に、この方法及び等価な投与方法が本発明の一部としてみなされることは
、当該分野で周知である。最後に、核酸の投与でVLNを使用することも良い結果
をもたらすことが報告されており、したがって、この特異的な投与方法が特に好
ましい。 さらに、免疫化剤として使用される核酸は、例えば有用なアジュバントとして
論じたサイトカインのような上記免疫調節物質の形態で、第一、第二及び/又は
第三の部分をエンコードする領域を含むことができる。この実施態様の好ましい
例には、異なるリーディングフレーム中又は少なくとも異なるプロモーターの制
御下で類似体をコードする領域と免疫調節物質をコードする領域を有することが
包含される。これにより、類似体又はエピトープが免疫調節物質に対する融合パ
ートナーとして生じることが回避される。あるいは、2つの異なるヌクレオチド
フラグメントを使用することができるが、これは両方のコード領域が同一分子に
含まれる際に確実に同時発現されるという利点から、あまり好ましくない。
【0055】 したがって、本発明は、 - 本発明の核酸フラグメント又はベクター(後述のベクターの論述参照)、及び
- 上述の、医薬的かつ免疫学的に受容なビヒクル及び/又は担体及び/又はアジ
ュバント からなる、GDF-8に対する抗体の産生を誘発する組成物にも関する。 通常の状況では、GDF-8変異体をエンコードする核酸は、発現がウイルスプロ
モーター制御下にあるベクターの形態で導入される。本発明によるベクター及び
DNAフラグメントについてのさらに詳細な論述については、下記の記載を参照の
こと。また、核酸ワクチンの処方及び使用に関する詳細な記載も利用可能である
:Donnelly JJ ら、 1997, Annu. Rev. Immunol. 15: 617-648及びDonnelly JJ
ら、 1997, Life Sciences 60: 163-172を参照のこと。これらの文献は両者とも
ここに引用して組み込まれる。
【0056】生ワクチン 免疫系への修飾GDF-8の提示をもたらす第三の代替例は、生ワクチン技術の使
用である。生ワクチン注射において、免疫系への提示は、修飾GDF-8をエンコー
ドする核酸フラグメント又はそのような核酸フラグメントを挿入したベクターで
形質転換した非病原性微生物を動物に投与することによって行われる。非病原性
微生物は、いずれかの適当な弱毒化細菌株(継代培養又は組換えDNA技術による病
原性発現生成物の除去によって弱毒化)であってもよく、例えばマイコバクテリ
ウム・ボビスBCG、非病原性ストレプトコッカス種、大腸菌、サルモネラ種、ビ
ブリオ・コレラ、シゲラなどが挙げられる。最先端技術を用いた生ワクチンの調
製法に関する考察は、例えば両者ともここに引用して組み込まれるSaliou P, 19
95, Rev. Prat. 45: 1492-1496 及び Walker PD, 1992, Vaccine 10: 977-990に
見ることができる。このような生ワクチンで使用される核酸フラグメント及びベ
クターの詳細については、以下の記載を参照のこと。
【0057】 細菌性生ワクチンの別の例として、後述する本発明の核酸フラグメントを非毒
性ウイルスワクチンベクター、例えばワクシニア株又はワクチン注射される動物
に感染性であろういずれかの他の適当なポックスウイルスに組み込むことができ
る。 通常、非病原性の微生物又はウイルスは、動物に対して1回だけ投与される。
しかし、ある場合においては、免疫保護を維持するために、微生物を一生のうち
で1回以上投与する必要があるかもしれない。ポリペプチドワクチン注射につい
て上述したような免疫化スキームは、生ワクチン又はウイルスワクチンを使用す
る場合に有用であることさえ予期される。
【0058】 あるいは、生又はウイルスのワクチン注射は、前述あるいは後述のポリペプチ
ド及び/又は核酸のワクチン注射と組合わせられる。例えば、ポリペプチド又は
核酸のアプローチを用いて、生もしくはウイルスのワクチンで一次免疫化し、次
いでブースター免疫化を行うことができる。 微生物又はウイルスは、例えば有用なアジュバントとして記載したサイトカイ
ンなどの上記の免疫調節物質の形態で、第一、第二及び/又は第三の部分をエン
コードする領域を含む核酸で形質転換することができる。この実施態様の好まし
い例は、異なるリーディングフレームにおいて、又は少なくとも異なるプロモー
ターの制御下で、類似体のコード領域と免疫調節物質のコード領域を有すること
を包含する。これにより、類似体又はエピトープが免疫調節物質の融合パートナ
ーとして調製されることが回避される。あるいは、2つの異なるヌクレオチドフ
ラグメントを形質転換剤として使用することができる。当然ながら、本発明の類
似体は、発現生成物として同じリーディングフレーム中に第一及び/又は第二及
び/又は第三の部分を生じることができるので、このような実施態様は、本発明
によれば特に好ましい。
【0059】食肉の製造と疾患治療における本発明の方法の使用 上記から明らかであるように、GDF-8活性をダウン-レギュレートするための本
発明の方法により、動物の骨格筋肉塊の成長を刺激することができる。つまり、
GDF-8活性をダウン-レギュレートするためのこの発明の方法の重要な具体例は、
動物の骨格筋肉塊を増大することからなり、この方法は、筋肉塊が、正常なGDF-
8活性を示す対照動物と比較して(95%の信頼レベルで)統計的に著しく増加し、
少なくとも5%を有するような程度に、GDF-8活性をこの発明の方法にしたがって
ダウン-レギュレートすることからなる。 筋肉の増大はより高く、トランスジェニックマウス及び天然に存在するGDF-8
欠損動物に見られる筋肉塊での増加を参照して、例えば少なくとも10、15、20、
25、30、35、40又は45%高くすらあることが好ましい。
【0060】 筋肉塊は、全体的及び/又は相対的な筋肉塊を評価する当該分野で公知のいず
れかの簡便な方法によって測定することができる。 抗-GDF-8ワクチンは、筋肉の萎縮が著しい現象である、癌性悪液質のようなあ
る種のヒトの疾患の治療にも有用な可能性があり、それは他の筋萎縮性疾患の治
療/緩和に可能な手段でもある。最近のレポートは、GDF-8の抑制は急性及び慢性
の心疾患に罹患している患者に有用であることも示唆している。
【0061】本発明のペプチド、ポリペプチド及び組成物 上記から明らかであるように、本発明は、筋肉成長速度を増すため、GDF-8抗
原に対して個体を免疫化するとの概念に基づいている。このような免疫化を生ず
るのに好ましい方法は、GDF-8の修飾変異型を使用し、それにより当該分野でこ
れまでに開示されていない分子を提供することである。 ここで論じられる修飾GDF-8分子はそれ自体が発明であり、それ故に、本発明
の重要な部分は、修飾が導入された、動物GDF-8由来のGDF-8類似体に関するもの
と考えられる。結果として、類似体での動物の免疫化により非修飾GDF-8ポリペ
プチドと特異的に反応性の抗体の産生が誘発される。好ましくは、修飾の性質は
、修飾GDF-8を用いる際の本発明の方法の種々の実施態様を論じる場合の上記修
飾型に適合している。したがって、修飾GDF-8分子に関してここに示す開示は、
いずれも本発明のGDF-8類似体を記載する目的に関連しており、このような開示
はいずれも、これらの類似体の記載に変更を加えて適用される。
【0062】 好ましい修飾GDF-8分子は、GDF-8又は少なくとも10アミノ酸長のそのサブ配列
と配列が少なくとも70%同一のポリペプチドを生じる修飾を含むことに留意され
たい。配列同一性はより高いことが好ましく、例えば少なくとも75%又は少なく
とも80%もしくは85%でさえある。タンパク質及び核酸の配列同一性は、(Nref-
Ndif)・100/Nref(式中、Ndif は、アラインしている際の2つの配列における非
同一残基総数、Nref は一方の配列における残基数)として計算され得る。従っ
て、DNA配列AGTCAGTCは、配列AATCAATC (Ndif=2及びNref=8)と75%の配列同一性
を有するであろう。 また、本発明は、本発明の方法の実行に有用な組成物に関する。したがって、
本発明は、動物で自己タンパク質であるGDF-8ポリペプチドの免疫学的に有効な量
からなる免疫原性組成物にも関する。このGDF-8ポリペプチドは、GDF-8ポリペプ
チドに対する動物の自己耐性を破壊するように、免疫学的に受容なアジュバント
とともに処方される。組成物は、さらに、医薬的及び免疫学的に受容なビヒクル
及び/又は担体からなる。言い換えれば、本発明のこの一部は、本発明の方法の
実施態様に関連して記載される天然に存在するGDF-8ポリペプチドの処方に関す
る。
【0063】 また、本発明は、免疫学的に有効な量の上記GDF-8類似体からなる免疫原性組
成物に関する。この組成物は、さらに医薬的及び免疫学的に受容な希釈剤及び/
又はビヒクル及び/又は担体及び/又は賦形剤及び任意のアジュバントからなる。
言い換えれば、本発明のこの一部は、本質的に上述するように、修飾GDF-8の処
方に関する。したがって、アジュバント、担体及びビヒクルの選択は、GDF-8を
ダウン-レギュレーションするために発明の方法で用いられる修飾及び非修飾のG
DF-8の処方に言及する際に上述したことと一致する。 ポリペプチドは、当該分野で周知の方法にしたがって調製される。通常は、GD
F-8類似体をエンコードする核酸配列の適当なベクターへの導入、ベクターでの
適当な宿主細胞の形質転換、核酸配列の発現、宿主細胞又はそれらの培養上清か
らの発現生成物の回収、その後の精製及び任意のさらなる修飾、例えば再生又は
誘導化を含む組換え遺伝子技術により、より長いポリペプチドが調製される。 好ましくは、固相又は液相のペプチド合成の周知技術によって、より短いペプ
チドが調製される。しかし、この技術での近年の進歩により、これらの手段によ
る全長ポリペプチド及びタンパク質の生産が可能となっており、したがって、合
成手段による長い構築物の調製も本発明の範囲内である。
【0064】発明の核酸フラグメント及びベクター 修飾GDF-8ポリペプチドが組換え遺伝子技術のみならず化学合成又は半合成に
よっても調製できることが上記の開示から理解できるであろう。この後者2つの
選択肢は、修飾がタンパク質担体(例えばKLH、ジフテリアトキソイド、破傷風
トキソイド及びBSA)及び炭水化物ポリマーのような非タンパク質分子に結合す
ることからなる場合、また、当然のことながら修飾が側鎖又は側基のGDF-8ポリ
ペプチド由来ペプチド鎖への付加からなる場合、特に適切である。 組換遺伝子技術のために、また当然のことながら核酸免疫化のために、修飾GD
-8をエンコードする核酸フラグメントは重要な化学生成物である。従って、発明
の重要な部分は、GDF-8類似体をエンコードする核酸フラグメント、つまり融合
パートナーを加えるか、もしくはこれを挿入した天然のGDF-8配列からなるGDF-8
由来ポリペプチド、好ましくは、挿入及び/又は付加、好ましくは置換及び/又は
欠失によって外来T-細胞エピトープを導入したGDF-8由来ポリペプチドに関する
。発明の核酸フラグメントは、DNA又はRNAフラグメントのいずれかである。
【0065】 本発明の核酸フラグメントは、通常適切なベクターに挿入されて発明の核酸フ
ラグメントを有するクローニング又は発現ベクターを形成する。このような新規
なベクターもまた発明の一部である。本発明のこれらのベクターの構築に関する
詳細は、形質転換細胞及び微生物との関連で下記に記載する。ベクターは用途の
目的及び種類に応じてプラスミド、ファージ、コスミド、ミニ染色体又はウイル
スの形態であってよいが、ある種の細胞で一時的に発現されるにすぎない裸のDN
Aも重要なベクターである。本発明の好ましいクローニング及び発現ベクターは
自律複製でき、続くクローニング用の高レベルの発現又は高レベルの複製のため
に高いコピー数を可能にする。 本発明のベクターの概要は、5’→3’方向及び操作可能な連鎖において次の特
徴を含む:本発明の核酸フラグメントの発現を駆動するプロモーター、ポリペプ
チドフラグメントの(細胞外相又は適用可能な場合には、細菌の細胞周辺腔への)
分泌あるいは膜への組み込みを可能にするリーダーペプチドをエンコードする任
意の核酸配列、本発明の核酸フラグメント、及び任意に転写終結区をエンコード
する核酸配列。産生株あるいは細胞系で発現ベクターを操作する場合、宿主細胞
への導入時にベクターを宿主細胞ゲノムに組み込むことが、形質転換細胞の遺伝
的安定性のために好ましい。一方、動物でのインビボ発現を行うために使用され
るベクターを用いて操作する場合(即ち、DNAワクチン注射にベクターを用いる場
合)は、ベクターが宿主細胞ゲノムに組込まれ得ないことが安全性のため好まし
い。通常、裸のDNA又は非組込み型ウイルスベクターが用いられる。これらの選
択は当業者には周知である。
【0066】 本発明のベクターは、宿主細胞を形質転換し、本発明の修飾GDF-8ポリペプチ
ドを産生するのに用いられる。そのような形質転換細胞も発明の一部であり、本
発明の核酸フラグメント及びベクターの増殖に用いられるか又は本発明の修飾GD
F-8ポリペプチドの組換え産生に用いられる培養細胞あるいは細胞系であっても
よい。あるいは、形質転換細胞は、細菌膜や細胞壁への修飾GDF-8の分泌又は組
込みを行うように核酸フラグメント(単コピーあるいは多コピー)が挿入された適
切な生ワクチン株であってもよい。 発明の好ましい形質転換細胞は、細菌(エシェリキア種(例えば大腸菌)、バチ
ルス(例えば、バチルス・ズブチリス)、サルモネラ菌又はマイコバクテリウム(
好ましくは非病原性のもの例えば.エム・ボビスBCG))、酵母(例えばサッカロマ
イセス・セレビジエ)等の微生物及び原生動物である。あるいは、形質転換細胞
は、真菌、昆虫細胞、植物細胞又は哺乳動物細胞等の多細胞生物由来のものであ
る。最近の結果は、本発明のGDF-8類似体の組換え産生には、市場で入手可能なD
rosophila melanogaster細胞系(Invitrogenより入手可能なSchneider 2 (S2)細
胞系及びべクター系)の使用がかなり有望であることを示しており、したがって
、この発現系がこの発明の目的にも特に好ましい。 クローニング及び/又は最適発現のために、形質転換細胞が本発明の核酸配列
を複製できることが好ましい。核酸フラグメントを発現する細胞は、本発明の好
ましい有用な実施態様である。それらは、修飾GDF-8の小規模あるいは大規模調
製や、非病原性細菌の場合には、生ワクチンのワクチン成分として用いることが
できる。
【0067】 形質転換細胞を用いて本発明の修飾GDF-8を産生する場合、発現生成物を培養
培地に運び出すか形質転換細胞表面に保持することが便利であるが、かならずし
も必須ではない。 有効な産生細胞を同定した際には、それに基づいて、本発明のベクターを担持
し、修飾GDF-8をエンコードする核酸フラグメントを発現する安定な細胞系を確
立することが好ましい。この安定な細胞系は、本発明のGDF-8類似体を分泌ある
いは担持することによってその精製を簡単にするのが好ましい。 一般に、宿主細胞と和合性の種由来のレプリコン及びコントロール配列を含む
プラスミドベクターが、宿主と組み合せて用いられる。ベクターは元来複製部位
と、形質転換細胞に表現型の選択を与えることができるマーキング配列とを有す
る。例えば、大腸菌は、通常大腸菌種由来のプラスミドpBR322を用いて形質転換
される(例えば、Bolivarら、1977参照)。pBR322プラスミドはアンピシリン及
びテトラサイクリン耐性遺伝子を含み、このために形質転換細胞の同定に簡単な
手段を提供している。pBRプラスミド又は他の微生物プラスミドもしくはファー
ジも、発現のために原核微生物によって用いられるプロモーターを含むか、ある
いは含むように修飾する必要がある。
【0068】 組換えDNAの構築に最も一般的に用いられるプロモーターには、β-ラクタマー
ゼ(ペニシリナーゼ)及びラクトースプロモーター系(Changら、1978; Itakuraら
、1977; Goeddelら、1979)及びトリプトファン(trp)プロモーター系が含まれる(
Goeddel ら, 1979; EP-A-0 036 776)。これらが最も普通に用いられる一方、他
の微生物プロモーターが発見され利用されている。それらのヌクレオチド配列に
ついては詳細が公表されており、当業者はそれらをプラスミドベクターと機能的
に結合することができる(Siebwenlistら, 1980)。原核生物由来のある種の遺伝
子は人工的な手段で別のプロモーターを付加する必要がなく、それ自体のプロモ
ーター配列から大腸菌中で効率的に発現され得る。 原核生物に加えて酵母培養物のような真核微生物もまた使用でき、ここでもプ
ロモーターが発現を駆動できるはずである。サッカロマイセス・セレビジエある
いは通常のパン酵母が真核微生物の中で最も普通に用いられるが、いくつかの他
の株も一般に利用可能である。サッカロマイセスでの発現には、例えばプラスミ
ドYRp7が通常用いられる(Stinchcomb ら, 1979; Kingsman ら, 1979; Tschempe
r ら, 1980)。このプラスミドはtrpl遺伝子をすでに含んでおり、これにより例
えばATCC No. 44076あるいはPEP4-1のようなトリプトファン中で成長できる能力
を欠く酵母変異株に選択的なマーカーを提供している(Jones, 1977)。酵母宿主
細胞ゲノムの特徴としてのtrpl欠陥の存在は、次いで、トリプトファン不在下で
の成長によって形質転換を検出する有効な環境となる。
【0069】 酵母ベクター中の適切なプロモーター配列には、3‐ホスホグリセレートキナ
ーゼ(Hitzman ら, 1980)又は他の解糖酵素(Hess ら, 1968; Holland ら, 1978)
、例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ
、ヘキソキナーゼ、ピルべートデカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、
グルコース-6-ホスフェートイソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピ
ルべートキナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイ
ソメラーゼ及びグルコキナーゼのプロモーターが含まれる。適切な発現プラスミ
ドの構築では、mRNAのポリアデニル化と終結を生じるように、これらの遺伝子に
関連する終結配列も発現が望まれる配列の発現ベクター3'に結合される。 成長条件によって転写が制御されるという別の利点を有する他のプロモーター
には、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシトクロームC、酸ホスファターゼ、
窒素代謝関連分解酵素、及び上記のグリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒド
ロゲナーゼ、マルトース及びガラクトース利用を担う酵素のプロモーター領域が
ある。酵母和合性プロモーター、複製起点及び終結配列を含むプラスミドベクタ
ーは、いずれも適切である。
【0070】 微生物に加えて、多細胞生物由来の細胞培養物を宿主として用いてもよい。原
則として、そのような細胞培養物は、脊椎動物の培養物であれ無脊椎動物の培養
物であれ、いずれも使用可能である。しかしながら、脊椎動物細胞に対する関心
が大きく、培養での脊椎動物の増殖(組織培養)は近年常套手段となっている(Tis
sue Culture, 1973)。そのような有益な宿主細胞系の例は、VERO及びHeLa細胞、
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系、及びW138、BHK、COS-7 293、Droso
phila melanogaster及びSpodopetera frugiperda(SF)細胞(Protein Sciences, 1
000 Research Parkway, Meriden, CT 064450, U.S.A.及びInvitrogenから完全な
発現系として市場で入手可能)及びMDCK細胞系である。本発明において、特に好
ましい細胞系はInvitrogen (PO Box 2312, 9704 CH Groningen, オランダ)から
入手可能なS2及びSF21である。 このような細胞用の発現ベクターは、通常(必要であれば)複製起点、発現すべ
き遺伝子の前に位置するプロモーター、いずれかの必要なリボソーム結合部位と
共に、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位及び転移終結配列を含む。
【0071】 哺乳動物細胞で用いるため、コントロール機能がウイルス性の材料によって発
現ベクターにしばしば付与される。例えば、通常使用されるプロモーターは、ポ
リオーマ、アデノウィルス2、最も頻繁にはシミアンウィルス40 (SV40)由来であ
る。SV40ウイルスの初期及び後期プロモーターは、いずれもSV40ウイルスの複製
起点も含むフラグメントとしてウイルスから簡単に得ることができるので、特に
有用である(Fiers ら, 1978)。HindIII部位からウイルスの複製起点に位置するB
glI部位に向かって伸びる約250bpの配列を含む場合には、より小さいかより大き
いSV40フラグメントを使用してもよい。さらに、所望の遺伝子配列と通常結合し
ているプロモーターあるいはコントロール配列を利用することも、そのようなコ
ントロール配列が宿主細胞系と和合性であれば、可能であるし、利用することが
しばしば望ましい。 複製起点は、ベクターを構築して外来の起点、例えばSV40やその他のウイルス
(例えばポリオーマ、アデノ、VSV、BPV)由来であり得る起点を含むように生じて
もよいし、宿主細胞染色体複製機構により生じてもよい。ベクターが宿主細胞染
色体に組み込まれるのであれば、後者で十分であることがよくある。
【0072】有用なGDF-8類似体の同定 天然のGDF-8の変異体又は修飾体の全てが天然型と交差反応性の動物で抗体を
誘発する能力を有しているとは限らないことは、当業者には明らかであろう。し
かし、ここに論じる免疫学的反応性の最小限の要件を満たす修飾GDF-8分子につ
いて有効な標準的なスクリーンを行うことは、難しくはない。つまり、本発明の
別の観点は、非修飾GDF-8ポリペプチドが自己タンパク質の動物種で非修飾GDF-8
に対する抗体を誘発し得る修飾GDF-8ポリペプチドの同定方法に関する。その方
法は、 - 動物種のGDF-8ポリペプチドのアミノ酸配列にアミノ酸が付加され、挿入され
、それから欠失されているか、又は置換されている、相互に異なる修飾GDF-8ポ
リペプチドのセットをペプチド合成又は遺伝子工学的な手段により調製し、それ
により、動物種に外来のT-細胞エピトープからなるセットでアミノ酸配列を生じ
、 - 非修飾GDF-8に対する動物種による抗体産生を誘発する能力について該セット
をのメンバーを試験し、かつ - 動物種における非修飾GDF-8に対する抗体産生を有意に誘発するセットのメン
バーを単離する ことからなる。
【0073】 本文で、「相互に異なる修飾GDF-8ポリペプチドのセット」は、例えば上記の
基準(例えば円二色、NMRスペクトル及び/又はX-線回折パターン研究との組合わ
せ)に基づいて選択される非同一の修飾GDF-8ポリペプチドの集団である。このセ
ットはごくわずかなメンバーからなっていてもよいが、数100のメンバーを含む
ことも考えられる。 セットは、発現生成物が免疫原性であるかどうかを決定するために、ある適用
可能な試験系によりメンバーをエンコードする核酸フラグメントを調製し、次い
でここに記載される核酸免疫化でこれらの核酸フラグメントを使用する限り、イ
ンビボで「調製」することができる。つまり、セットのメンバーの試験はインビ
ボで行うことができるが、数回のインビトロ試験により、本発明の目的に役立つ
と思われる修飾分子数を絞り込むことができる。
【0074】 外来T-細胞エピトープを導入する目的はT-細胞の助力でB-細胞の応答を支持す
ることであるので、T-細胞の増殖が修飾GDF-8によって誘発されることが必須要
件である。T-細胞の増殖は、インビトロで標準的な増殖アッセイによって試験す
ることができる。手短に言えば、T-細胞を増強した試料は被験者から得て、その
後培養して保持される。培養したT-細胞を、修飾分子を予め回収(take up)して
いる被験者のAPCと接触させ、処理して、そのT-細胞エピトープを提示する。T-
細胞の増殖をモニターし、適当な対照(例えば無傷で天然のGDF-8を処理したAPC
と接触した培養中のT-細胞)と比較する。あるいは、増殖は、外来T-細胞の認識
に応じてT-細胞によって放出される関連するサイトカインの濃度を計測して測定
することができる。
【0075】 セットの少なくとも1つの修飾GDF-8がGDF-8に対する抗体産生を誘発できる可
能性はかなり高いので、非修飾GDF-8ポリペプチドが自己タンパク質の動物種に
おいて非修飾GDF-8に対する抗体を誘発できる修飾GDF-8ポリペプチドの少なくと
も1つからなる免疫原性組成物を調製することができる。その方法は、GDF-8と反
応性の動物種における抗体産生を有意に誘発するセットのメンバーを、医薬的及
び免疫学的に受容なアジュバントの少なくとも1つと任意に組合わせて、医薬的
及び免疫学的に受容な担体及び/又はビヒクル及び/又は希釈剤及び/又は賦形剤
と混合することからなる。 本発明の上記の観点は、本発明の相互に異なる核酸配列又はベクターを幾つか
最初に調製し、これらを適当な発現ベクターに挿入し、適当な宿主細胞をベクタ
ーで形質転換し、かつ本発明の核酸配列を発現して簡便に行われる。これらの工
程に続いて、発現生成物の単離を行ってもよい。核酸配列及び/又はベクターは
、PCRのような分子増幅技術の実施からなる方法又は核酸合成の手段により調製
することが好ましい。
【0076】実施例序文 N-末端のHis-tag に融合したGDF-8 の109アミノ酸残基のC-末端領域を大腸菌
で発現させ、精製した融合タンパク質をウサギの免疫化に用いた。GDF-8全長をC
HO細胞で発現させ、それぞれ未処理と処理済のGDF-8のダイマーとして分泌され
ることが分かった(McPherronら、Nature 387, 83-90, 1997)。つまり、後述のGD
F-8自家ワクチン構築物の発現には問題ないと予想される。GDF-8 AutoVac構築物
の製造に用いられる可能性がもっとも高い発現系は、大腸菌、酵母ピー.パスト
リス(P. pastoris)及びCHO細胞ならびに上記のDrosophila細胞のような昆虫細胞
である。
【0077】実施例1 ワクチンのデザイン この発明の背景の理論的根拠は、標的タンパク質のアミノ酸残基のストレッチ
を、外来又は人為的なT-細胞エピトープ、例えば乱交雑破傷風毒素T-細胞エピト
ープP2とP30で置換することである。好ましくは、これらの置換は標的タンパク
質の真性の三次元構造を最小限にしか妨害しないべきである。 ここで、標的タンパク質は、GDF-8の109アミノ酸残基のC-末端領域であり、そ
のホモダイマーはGDF-8の生物活性型であると予想される。GDF-8のこの領域の三
次元構造は、知られてはいないが、同類のTGF-βタンパク質構造に基づいている
。図2に示すモノマーGDF-8のモデルは、実態に合理的に近いものと推測され得る
。野生型GDF-8 (wt)のこのモデルで、α-ヘリックスは筒として示し、β-シート
は矢印で示している。システイン残基と、その結果のジスルフィド結合は、構造
上極めて近く位置している。
【0078】 比較的多数のシステイン(9)、及びその結果のGDF-8 の109アミノ酸残基のC-末
端領域におけるジスルフィド結合の存在は、外来T-細胞エピトープが位置する可
能性がある部位を限定していることに留意されたい。 置換のないGDF-8の109アミノ酸残基C-末端領域(つまり、SEQ ID NOs: 1-10の2
67-375残基)の産生に加えて、以下のGDF-8 AutoVac構築物が提案される。 GDF-8 P2-1 (SEQ ID NO: 15)は、P2で置換されたアミノ酸残基18-32を有するGDF
-8 の109アミノ酸残基C-末端領域である。 GDF-8 P2-2 (SEQ ID NO: 16)は、P2で置換されたアミノ酸残基52-66を有するGDF
-8 の109アミノ酸残基C-末端領域である。 GDF-8 P2-3 (SEQ ID NO: 17)は、P2で置換されたアミノ酸残基83-97を有するGDF
-8 の109アミノ酸残基C-末端領域である。 GDF-8 P30-1 (SEQ ID NO: 18)は、P30で置換されたアミノ酸残基21-41を有するG
DF-8 の109アミノ酸残基C-末端領域である。 GDF-8 P30-2 (SEQ ID NO: 19)は、P30で置換されたアミノ酸残基49-69を有するG
DF-8 の109アミノ酸残基C-末端領域である。 GDF-8 P30-3A (SEQ ID NO: 20)は、P30で置換されたアミノ酸残基79-99を有する
GDF-8 の109アミノ酸残基C-末端領域である。 GDF-8 P30-3B (SEQ ID NO: 21)は、P30で置換されたアミノ酸残基84-104を有す
るGDF-8 の109アミノ酸残基C-末端領域である。
【0079】 GDF-8ダイマー(SEQ ID NO: 22)は、P2及びP30エピトープを介して共有結合したG
DF-8の109アミノ酸残基C-末端領域の2つのコピーである。言い換えれば、分子は
二等分(halve)2つからなる。最初の片方はP2を有するGDF-8の109アミノ酸残基C-
末端領域がそのC-末端に融合しており、第二の片方はP30を有するGDF-7の109ア
ミノ酸残基のC-末端領域がそのN-末端に融合している。 GDF-8 ext (SEQ ID NO: 23)は、P30で置換された16-36残基とP2で置換された37-
51残基を有するGDF-8のC-末端の160アミノ酸残基からなる。この構築物は、P2及
びP30エピトープの双方を含むN-末端伸長を有するGDF-8の109アミノ酸残基C-末
端領域である。 後者の2つを除いた全ての例示構築物において、Cys73をSerで置換した変異体
を調製して、ジスルフィド結合形成を介したダイマー化が避けられると考えられ
る。GDF-8 extでは、相当する位置で同様の置換を行うことが考えられる(つまり
、Cys124 → Ser124)。
【0080】実施例2 インビトロモデル 上記のような精製GDF-8 変異体で最初にマウスを免疫化することが考えられる
。例えば3回免疫化した後に、抗原として非修飾 GDF-8 分子を用いて抗体がELIS
Aで測定されるであろう。これらの初期実験の主な理由は、AutoVac(登録商標)技
術が抗-GDF-8交差反応性自己抗体を生じるのに適用可能であることを確認し、そ
して重要なことには最適な用量と免疫方法を同定するためである。しかし、GDF-
8に対する抗体がこの技術を用いて生じないならば、それは極めて驚くべきこと
である。というのは、そのような反応の基礎的な免疫機序は TNFαについて既に
認められていることと大部分同じであると考えられるからである(WO 98/46642
及び WO 95/05849参照)。
【0081】実施例3 インビボモデル マウスの群を、実施例1に記載する種々の構築物で免疫化する。マウスは、ワ
クチンに応答するように免疫許容性でなければならないので、約4週齢で免疫化
する。フロイント完全アジュバントを用いるが、実験はAdjuphos(登録商標)のよ
うなミョウバンのアジュバントを用いても行われる。これは、以前、TNFα自家
ワクチン構築物との混合物で成功裏に使用された。Adjuphos(登録商標)は、ヒト
と動物双方の使用に許容される。免疫化の全期間中、GDF-8免疫化した全体重な
らびに対照動物を規則的にモニターする。マウスが約16週齢の際に、それらをと
殺し、筋肉塊の大きさを測定する。 マウスが免疫許容性であるが依然として十分には成長しすぎない時間が比較的
限られているために、これらの動物での抗-GDF-8ワクチン注射の作用は測定しに
くい可能性がある。そのような場合に該当することが明らかになれば、代わりに
ラットや大きな動物、例えばブタ、畜牛などを免疫化することが考えられる。 修飾GDF-8分子は、動物の成長速度を著しく増し、かつ/又は最大の筋肉塊を著
しく増し、臨床上の発達に選択される。
【0082】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 GDF-8由来自己ワクチン構築物のモデル。暗灰色で示したストレッチは、それ
ぞれP2及びP30での置換が生じると思われるストレッチである。 A: P2エピトープインサートを有するモノマー構築物。「1」は109 aa C-末端GD
F-8フラグメントのアミノ酸残基18-32 のP2置換を示し、「2」は109 aa C-末端G
DF-8 フラグメントのアミノ酸残基52-66 のP2置換を示し、かつ「3」は109 aa C
-末端GDF-8フラグメントのアミノ酸残基83-97のP2置換を示す。 B: P30エピトープインサートを有するモノマー構築物。「1」は109 aa C-末端G
DF-8フラグメントのアミノ酸残基21-41 のP30置換を示し、「2」は109 aa C-末
端GDF-8フラグメントのアミノ酸残基49-69 のP30置換を示し、かつ「3」は109 a
a C-末端GDF-8フラグメントのアミノ酸残基79-99 又は84-104のP30置換を示す。
C: 160 aa C-末端GDF-8フラグメントに置換されたP2及びP30を有する、伸長さ
れたモノマー構築物。 D: 109 C-末端 GDF-8フラグメントの2つのコピー間で連続して結合しているP2
及びP30エピトープを有するダイマー構築物。
【図2】 TGF-βタンパク質について予想される3D構造。モデルは、TGF-βタンパク質由
来の類似体ドメイン(TGJ-1)に基づいている。β-シートを矢印で示し、ヘリック
スを円柱で示している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年7月27日(2001.7.27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 21/00 A61P 21/00 4C087 43/00 111 43/00 111 4H045 C07K 14/52 C07K 14/52 C12N 1/11 C12N 1/11 1/15 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 5/10 C12Q 1/02 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/02 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 クライスナー,スティーン デンマーク、ディーケー−2970 ホーショ ルム、コグレ アレ 6、シー/オー フ ァーメクサ エイ/エス Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 CA04 CA06 DA02 EA02 EA04 EA06 FA02 GA11 HA17 4B063 QA18 QQ42 QQ79 QR32 QR55 QR77 QS02 QS24 4B065 AA90X AA99Y AB01 BA01 CA24 CA44 4C084 AA13 NA14 ZA962 ZC032 4C085 AA03 BA99 EE01 EE06 FF01 FF02 FF13 FF14 FF20 GG01 4C087 AA01 BC83 NA14 ZA96 ZC03 4H045 AA10 BA10 CA40 DA01 EA28 FA74

Claims (52)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 - 成長分化因子8 (GDF-8)ポリペプチド又はそのサブ配列で
    の動物の免疫化でGDF-8ポリペプチドに対する抗体産生を誘発するように処方さ
    れた、少なくとも1つのGDF-8ポリペプチド又はそのサブ配列、及び/又は - GDF-8アミノ酸配列に少なくとも1つの修飾が導入されている少なくとも1つ
    の GDF-8類似体であって、この類似体での動物の免疫化により、結果としてGDF-
    8ポリペプチドに対する抗体産生が誘発される、少なくとも1つの GDF-8類似体 の免疫学的に有効な量を、ヒトを含む動物の免疫系に提示することからなる、動
    物におけるGDF-8活性をインビボでダウン-レギュレートする方法。
  2. 【請求項2】 GDF-8アミノ酸配列の少なくとも1つの修飾を有するGDF-8類
    似体を提示する請求項1による方法。
  3. 【請求項3】 修飾の結果として、GDF-8 B-細胞エピトープの実質的なフラ
    クションが保存され、 - 少なくとも1つの外来Tヘルパーリンパ球エピトープ(THエピトープ)が導入さ
    れ、及び/又は - 抗原提示細胞(APC)又はB-リンパ球に修飾分子を標的化する少なくとも1つの
    第一部分が導入され、及び/又は - 免疫系を刺激する少なくとも1つの第二部分が導入され、及び/又は - 免疫系への修飾GDF-8ポリペプチドの提示を最適化する少なくとも1つの第三
    部分が導入される請求項2による方法。
  4. 【請求項4】 修飾が、外来THエピトープ及び/又は第一及び/又は第二及び
    /又は第三の部分のGDF-8もしくはそのサブ配列中の適当な化学基への共有又は非
    共有的な結合による側基としての導入を含む請求項3による方法。
  5. 【請求項5】 修飾が、アミノ酸の置換及び/又は欠失及び/又は挿入及び/又
    は付加を含む請求項3又は4による方法。
  6. 【請求項6】 修飾により、融合ポリペプチドが生じる請求項5による方法
  7. 【請求項7】 アミノ酸の置換及び/又は欠失及び/又は挿入及び/又は付加
    の導入により、GDF-8の全体的な三次構造が実質的に保存される請求項5又は6
    による方法。
  8. 【請求項8】 修飾が、少なくとも1つのGDF-8 B-細胞エピトープの複製及
    び/又はハプテンの導入を含む請求項2〜7のいずれか1つによる方法。
  9. 【請求項9】 外来T-細胞エピトープが動物において免疫優勢である請求項
    3〜8のいずれか1つによる方法。
  10. 【請求項10】 外来T-細胞エピトープが乱交雑であり、例えば天然の乱交
    雑T-細胞エピトープ及び人為的なMHC-II結合ペプチド配列である請求項3〜9の
    いずれか1つによる方法。
  11. 【請求項11】 天然のT-細胞エピトープが、P2又はP30のような破傷風ト
    キソイドエピトープ、ジフテリアトキソイドエピトープ、インフルエンザウイル
    ス血球凝集素エピトープ及びピー・ファルシパルムCSエピトープから選択される
    請求項10による方法。
  12. 【請求項12】 第一部分が、B-リンパ球特異的表面抗原又はAPC特異的表
    面抗原に実質的に特異的な結合パートナー、例えばB-リンパ球もしくはAPCに受
    容体があるハプテン又は炭水化物、例えばマンナンもしくはマンノースである請
    求項3〜11のいずれか1つによる方法。
  13. 【請求項13】 第二部分が、サイトカイン、ホルモン及び熱ショックタン
    パク質から選択される請求項3〜12のいずれか1つによる方法。
  14. 【請求項14】 サイトカインが、インターフェロンγ(IFN-γ)、Flt3L
    、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン
    4(IL-4)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン12(IL-12)、イン
    ターロイキン13(IL-13)、インターロイキン15(IL-15)と顆粒球-マクロファ
    ージコロニー刺激因子(GM-CSF)から選択されるか、もしくはその有効部分であ
    り、熱ショックタンパク質が、HSP70、HSP90、HSC70、GRP94とカルレチクリン(
    CRT)からなる群から選択されるか、もしくはその有効部分である請求項13に
    よる方法。
  15. 【請求項15】 第三部分が、パルミトイル基、ミリスチル基、ファルネシ
    ル基、ゲラニル-ゲラニル基、GPI-アンカー及びN-アシルグリセリド基のような
    脂質性である請求項3〜14のいずれか1つによる方法。
  16. 【請求項16】 GDF-8のサブ配列又はGDF-8類似体が、ウシ、ブタ、ヒト、
    ニワトリ、ヒツジあるいは七面鳥のGDF-8のポリペプチド由来のサブ配列もしく
    は類似体のようなC-末端の活性型GDF-8から誘導される前記請求項のいずれかに
    よる方法。
  17. 【請求項17】 GDF-8ポリペプチドが、SEQ ID NO:11又は12中の少なくと
    も1つのアミノ酸配列を、外来THエピトープを含む、長さが同じかもしくは異な
    る少なくとも1つのアミノ酸配列で置換して修飾され、置換されたアミノ酸配列
    はSEQ ID NO:11又は12において残基1-12、18-41、43-48、49-69もしくは79-104
    からなるか、又はGDF-8ポリペプチドが、外来THエピトープを含むアミノ酸配列
    の少なくとも1つを挿入することによって修飾され、挿入はSEQ ID NO:11又は12
    において位置1-12、18-30、42-51、82-86ならびに105-109のいずれかで行われる
    請求項16による方法。
  18. 【請求項18】 免疫系への提示が、抗原決定基の複数のコピーを提示し得
    る担体分子に共有又は非共有結合したGDF-8ポリペプチド、そのサブ配列又は修
    飾GDF-8ポリペプチドの少なくとも2つのコピーを有することによって行われる、
    前記請求項のいずれか1つによる方法。
  19. 【請求項19】 有効量のGDF-8ポリペプチド又はGDF-8類似体が、非経口経
    路、例えば表皮内、表皮下、真皮内、真皮下及び筋肉内経路;腹腔内経路;経口
    経路;口腔経路;舌下経路;硬膜外経路;脊髄経路;肛門経路;及び頭蓋内経路
    から選択される経路を介して動物に投与される前記請求項のいずれか1つによる
    方法。
  20. 【請求項20】 GDF-8ポリペプチド、そのサブ配列又はその類似体の有効
    量が、0.5〜2,000μgである請求項19による方法。
  21. 【請求項21】 GDF-8ポリペプチド又は類似体について1年に少なくとも1
    回の投与、例えば1年に少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なく
    とも6回及び少なくとも12回の投与が含まれる請求項19又は20による方法。
  22. 【請求項22】 GDF-8ポリペプチド、そのサブ配列又は修飾GDF-8ポリペプ
    チドが、医薬的かつ免疫学的に許容される担体及び/又はビヒクルを用いて処方
    され、自己抗原に対する自己耐性の破壊を容易にするアジュバント、例えば免疫
    標識化アジュバント;毒素、サイトカイン及びマイコバクテリア誘導体などの免
    疫調節アジュバント;油製剤;ポリマー;ミセル形成アジュバント;サポニン;
    免疫刺激複合体マトリクス(ISCOMマトリクス);粒子;DDA;アルミニウムアジュ
    バント;DNAアジュバント;γ-イヌリン;及びカプセル化アジュバントからなる
    群から選択されるアジュバントを用いて処方されている請求項19〜21のいず
    れか1つによる方法。
  23. 【請求項23】 GDF-8ポリペプチド又は類似体が、仮想リンパ節(VLN)装置
    に含まれる請求項20〜22のいずれか1つによる方法。
  24. 【請求項24】 免疫系への修飾GDF-8の提示が、動物細胞に修飾GDF-8をエ
    ンコードする核酸を導入し、次いで導入された核酸について細胞によるインビボ
    発現をさせることで行われる請求項1〜18のいずれか1つによる方法。
  25. 【請求項25】 導入された核酸が、裸のDNA、荷電又は非荷電脂質で製剤
    化したDNA、リポソームで製剤化したDNA、ウイルスベクターに含めたDNA、トラ
    ンスフェクション促進タンパク質又はポリペプチドで製剤化したDNA、標的タン
    パク質又はポリペプチドで製剤化したDNA、カルシウム沈殿剤で製剤化したDNA、
    不活性担体分子に結合したDNA、キチン又はキトサンで製剤化したDNA、ならびに
    アジュバントで製剤化したDNAから選択される請求項24による方法。
  26. 【請求項26】 核酸が、動脈内、静脈内又は請求項19に定義する経路で
    投与される請求項24又は25による方法。
  27. 【請求項27】 核酸が、VLN装置に含まれ、及び/又は請求項22に定義さ
    れるように処方される請求項24又は25による方法。
  28. 【請求項28】 核酸について1年に少なくとも1回の投与、例えば1年に少
    なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも6回及び少なくとも12
    回の投与が含まれる請求項25〜27のいずれか1つによる方法。
  29. 【請求項29】 筋肉塊が、正常なGDF-8活性を示す動物と比較して、少な
    くとも5%、例えば少なくとも10、15、20、25、30、35、40及び45%増大するよう
    な程度に請求項1〜28のいずれか1つの方法にしたがってGDF-8活性をダウン-
    レギュレートすることからなる、動物の筋肉塊の増大方法。
  30. 【請求項30】 修飾、例えば請求項1〜18のいずれか1つに定義される
    修飾が導入された結果、類似体での動物の免疫化によりGDF-8ポリペプチドに対
    する抗体産生が誘発される、動物のGDF-8ポリペプチド由来のGDF-8類似体。
  31. 【請求項31】 GDF-8ポリペプチドがGDF-8ポリペプチドに対する動物の自
    己耐性を破壊するように免疫学的に受容なアジュバントとともに処方され、さら
    に医薬的及び免疫学的に受容な担体及び/又はビヒクルを含む、動物において免
    疫学的に有効な量のオートロガスGDF-8ポリペプチドからなる免疫原性組成物。
  32. 【請求項32】 さらに医薬的及び免疫学的に受容な担体及び/又はビヒク
    ル及び任意のアジュバントを含む、請求項29によるGDF-8類似体の免疫学的に
    有効な量からなる免疫原性組成物。
  33. 【請求項33】 アジュバントが、請求項22のアジュバントからなる群か
    ら選択される請求項31又は32による免疫原性組成物。
  34. 【請求項34】 請求項29によるGDF-8類似体をエンコードする核酸フラ
    グメント。
  35. 【請求項35】 自律複製しうるベクターのような、請求項34による核酸
    フラグメントを有するベクター。
  36. 【請求項36】 プラスミド、ファージ、コスミド、ミニ-染色体及びウイ
    ルスからなる群から選択される請求項35によるベクター。
  37. 【請求項37】 5'→3'方向及び操作可能な連鎖において、請求項34によ
    る核酸フラグメントの発現を駆動するプロモーター、ポリペプチドフラグメント
    の分泌又は膜への組み込みを可能にするリーダーペプチドをエンコードする任意
    の核酸配列、請求項34による核酸フラグメント及び任意の転写終結区からなる
    、請求項35又は36によるベクター。
  38. 【請求項38】 宿主細胞に導入する場合に、宿主細胞ゲノムに組みこむこ
    とができるか、又は宿主細胞ゲノムに組み込むことができない請求項41〜44
    のいずれか1つによるベクター。
  39. 【請求項39】 プロモーターが、真核細胞での発現を駆動し、又は原核細
    胞での発現を駆動する請求項37又は38によるベクター。
  40. 【請求項40】 請求項34による核酸フラグメントを複製しうる形質転換
    細胞のような、請求項35〜39のいずれか1つのベクターを有する形質転換細
    胞。
  41. 【請求項41】 微生物が、細菌、例えばエシェリキア(好ましくは大腸菌)
    、バチルス、サルモネラ又はマイコバクテリウム(好ましくはエム・ボビスBCGの
    ような非病原性のマイコバクテリウム細胞)種の細菌、酵母、原生動物、又は真
    菌、S2もしくはSF細胞のような昆虫細胞、植物細胞及び哺乳動物細胞から選択さ
    れる多細胞生物由来細胞から選択される請求項40による形質転換細胞。
  42. 【請求項42】 請求項30によるGDF-8類似体を分泌するかその表面で担
    持する形質転換細胞のような、請求項34による核酸フラグメントを発現する請
    求項40又は41による形質転換細胞。
  43. 【請求項43】 免疫系への提示が、GDF-8ポリペプチド又は類似体をエン
    コードして発現する核酸フラグメントを有する非病原性微生物又はウイルスを投
    与して行われる請求項1〜18のいずれか1つによる方法。
  44. 【請求項44】 ウイルスがワクシニアウイルスのような非毒性ポックスウ
    イルスであるか、又は微生物が請求項41に定義される細菌のような細菌である
    請求項43による方法。
  45. 【請求項45】 非病原性の微生物又はウイルスが、動物に一回投与される
    請求項43又は44による方法。
  46. 【請求項46】 - 請求項34による核酸フラグメント又は請求項35〜
    39のいずれか1つによるベクター、及び - 医薬的及び免疫学的に受容な担体及び/又はビヒクル及び/又はアジュバント
    からなる、GDF-8に対する抗体産生を誘発する組成物。
  47. 【請求項47】 核酸フラグメントが請求項25又は27によって処方され
    る請求項46による組成物。
  48. 【請求項48】 請求項35〜39のいずれか1つによるベクターを有し、
    請求項34による核酸フラグメントを発現し、請求項30によるGDF-8類似体を
    任意に分泌するか、その表面に担持する安定な細胞系。
  49. 【請求項49】 請求項34による核酸フラグメント又は請求項35〜39
    のいずれか1つによるベクターで宿主細胞を形質転換することからなる、請求項
    40〜42のいずれか1つによる細胞の調製方法。
  50. 【請求項50】 - 動物種のGDF-8ポリペプチドのアミノ酸配列にアミノ酸
    が付加され、挿入され、それから欠失されているか、又は置換されている、相互
    に異なる修飾GDF-8ポリペプチドのセットをペプチド合成又は遺伝子工学技術の
    手段により調製し、それにより、 動物種に外来のT-細胞エピトープからなるセ
    ットでアミノ酸配列を生じ、 - 非修飾GDF-8に対する動物種による抗体産生を誘発する能力について該セット
    のメンバーを試験し、かつ - 動物種における非修飾GDF-8に対する抗体産生を有意に誘発するセットのメン
    バーを単離する ことからなる、非修飾GDF-8ポリペプチドが自己タンパク質の動物種で非修飾GDF
    -8に対する抗体を誘発し得る修飾GDF-8ポリペプチドの同定方法。
  51. 【請求項51】 - 動物種のGDF-8ポリペプチドのアミノ酸配列にアミノ酸
    が付加され、挿入され、それから欠失されているか、又は置換されている、相互
    に異なる修飾GDF-8ポリペプチドのセットをペプチド合成又は遺伝子工学技術の
    手段により調製し、それにより、 動物に外来のT-細胞エピトープからなるセッ
    トでアミノ酸配列を生じ、 - 非修飾GDF-8に対する動物種による抗体産生を誘発する能力について該セット
    のメンバーを試験し、かつ - GDF-8と反応性の動物種における抗体産生を有意に誘発するセットのメンバ
    ーを、医薬的及び免疫学的に受容な担体及び/又はビヒクルと混合し、任意に医
    薬的及び免疫学的に受容なアジュバントの少なくとも1つと組合わせる ことからなる、非修飾GDF-8ポリペプチドが自己タンパク質の動物種で非修飾GDF
    -8に対する抗体を誘発し得る少なくとも1つの修飾GDF-8ポリペプチドからなる免
    疫原性組成物の調製方法。
  52. 【請求項52】 セットのメンバーの調製が、各配列が請求項34による核
    酸配列である相互に異なる核酸配列の調製、適当な発現ベクターへの核酸配列の
    挿入、ベクターでの適当な宿主細胞の形質転換と核酸配列の発現、任意にその後
    の発現生成物の単離からなる請求項50又は51による方法。
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