JP2003505382A - コモノマー、及び重合の際にこれを用いて安定化されたポリマー - Google Patents

コモノマー、及び重合の際にこれを用いて安定化されたポリマー

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(I)[式中、Xは酸素又は硫黄原子、pは0又は1の整数であり、R3−R11は水素、C1-6アルキルまたは式(II)(式中、n、m、及びoは0乃至4の整数であり、R1及びR2は、水素、C1-6アルキル、またはC1-6アルケンから選択される基であって、芳香環によって置換されていても良い)を有するα-アルケンから選択される基であるか、または、R7とR8は一つの酸素原子を表し、及び/または、R4とR5及び/またはR10とR11は、これらが結合する炭素原子と共にベンゼン環を形成しており、水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基で置換可能である]を有するE-ビタミン誘導体またはその類似化合物に関する。本発明は、式(I)に一致する誘導体の、安定化コモノマーとしての使用、及び安定コポリマーの製造方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前文に定義されるE-ビタミン誘導体またはその類似化
合物、前記誘導体の製造方法、請求項16に定義されるその使用、請求項17の
前文に定義される安定コポリマー、及び請求項24の前文に定義される安定コポ
リマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
先行技術において、明細書FI92212は、ツィーグラー・ナッタタイプの
触媒を使用する安定なα-オレフィンポリマーの製造方法を提示しているが、こ
こでは該α-オレフィンは、周期表のI−IV族の金属と、配位子としてヘテロ
原子によってこれに配位したα-アルケニル置換安定剤とを含む錯体と反応する
。該触媒はマグネシウム担体に結合し、少なくとも炭素5つの鎖が、安定化配位
子の安定化残基と重合官能性不飽和結合との間に必要である。
【0003】 さらにまた、明細書DE1947590には、炭化水素ベースの、立体保護さ
れたヒドロキシル基を含み、少なくとも炭素原子二つ分離れた位置にあるα-ビ
ニル基に結合した成分が、オレフィンの重合条件下、古い型のツィーグラー・ナ
ッタ触媒の存在下において、如何に重合するかが記載されている。問題は低い重
合活性である。
【0004】 一般に知られる実例においては、ツィーグラー・ナッタタイプの触媒を使用し
てポリオレフィンを重合させる。該触媒は有機金属化合物からなり、ここで前触
媒(procatalyst)は、典型的には、少なくとも部分的に還元された、IV、V
、VI、またはVII属の遷移金属の化合物であり、通常は例えば、チタンまた
はジルコニウムなどの化合物であり、その一方では共触媒(cocatalyst)は、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛又はアルミニウムの有機金属化合物、例え
ばトリエチルアルミニウム及びジエチルマグネシウムなどである。こうした触媒
の例は、塩化チタンとトリエチルアルミニウムとのコンビネーションである。上
述の成分が、固定化担体、例えばMgCl2に結合すると、活性が著しく増大す
る。ツィーグラー・ナッタ触媒は、重合の際に当該ポリマーに触媒の粒子形態を
与える性能によって特徴付けられ、こうして0.2乃至5mmのポリマー粒子が製
造される。こうして製造されたポリマー粒子は、多孔性で、安定性を増大させる
添加剤なしには、使用の際に化学的に溶解される。
【0005】 既知の実例では、大きなモル質量を有する安定剤、例えばtert-ブチルフェノ
ール及びペンタエリスリトールの誘導体などを添加剤として使用する。別の既知
の実例では、ポリマーベースのオリゴマー分子を使用する。制限は、しかしなが
ら、ポリマー中での低い溶解性である。置換フェノール及び芳香族アミンは、広
く用いられる抗酸化剤である。通常は、重合反応の後に得られるポリマー生成物
は、いわゆる押出成形段階において溶融され、安定性を向上させる添加剤が当該
溶融生成物に添加され、そこで該生成物が造粒される。
【0006】 さらに、いわゆるメタロセン触媒の使用が、業界では既知である。こうした触
媒は、高分子重合処理において、1990年代初頭以来、ツィーグラー・ナッタ
触媒と共にまたはこれに代えて使用されてきた。メタロセン触媒は、例えばジル
コニウムなどの金属中心が二つのシクロペンタジエニル環の間に位置する、いわ
ゆるサンドウィッチ構造(ビスクロロ-ジルコノセン)、及びかかる構造の誘導
体に基づく。メタロセン触媒は、それまでは共重合が困難であったコモノマーを
用いてさえも、重合活性を増大させた例がある。したがって、メタロセンは、様
々な工業的応用においてますます使用されている。
【0007】 既知の方法の問題は、押出成形段階において安定化添加剤が該生成物に添加さ
れることであるが、これは、安定性の問題のために粒子生成物を製造する触媒及
び重合方法の利用が可能ではなかったためである。
【0008】 更なる問題は、使用の間に、ポリマー生成物中において添加剤が消滅すること
である。この理由の一つは、安定性を向上させる添加剤が生成物の表面へ移動し
、その結果、安定化作用が時間と共に減少して消失し、該添加剤が、例えば食品
などと接触しうることになる。さらに、添加剤にはエステロゲン作用を有するも
のがあることが確認されている。生成物中における添加剤の消失はまた、部分的
には、処理の際に起こる蒸発または洗浄の際に起こる溶解のためである可能性が
ある。
【0009】 別の問題は、ポリマー生成物中における添加剤の不均一な分布である。不均一
な分布は、例えば、高い極性のために、パラフィンタイプの炭化水素ベースのポ
リマーと安定剤が非適合性であることに起因しうる。さらに、ポリオレフィンに
添加される安定剤の量は、安定剤が結晶化しがちであるために制限されている。
【0010】 更なる問題は、ツィーグラー・ナッタ触媒を使用して実行する重合における、
低い生成物収率及び生成物のアタクティシティである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の問題を解消し、安定化作用を有する新たに使用可能な
コモノマーを開示することである。本発明の更なる目的は、重合の際に安定化さ
れたコポリマーを開示することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による、E-ビタミン誘導体またはその類似化合物、その製造方法及び
安定コポリマー、及びその製造方法は、特許請求の範囲の記載によって特徴付け
られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のE-ビタミン誘導体またはその類似化合物、すなわち対応する構造を
有する化合物は、下式(I)を有する。
【化13】 式中、Xは酸素または硫黄原子であり、pは0または1の整数であり、R3
11は、水素、C1-6アルキル、または下式(II):
【化14】 (式中、n、m、及びoは互いに独立に0乃至4の整数であり、R1及びR2は、
水素、C1-6アルキル、またはC1-6アルケンから選択される同一のまたは相違す
る基であって、これらは芳香環、例えばスチレン誘導体によって置換されていて
も良い) を有するα-アルケンから選択される同一のまたは相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
って置換されていても良い。
【0014】 C1-6アルキルまたはC1-6アルケンは、1乃至6の炭素原子を含む分枝状また
は非分枝状の炭化水素基を意味する。
【0015】 本発明の一つの実施態様においては、該誘導体は、下式(III):
【化15】 または下式(IV):
【化16】 [式中、Xは、酸素または硫黄原子であり、R3−R11は水素、C1-6アルキルま
たは式(II)を有するα-アルケンから選択される同一の又は相違する基である]
を有する。
【0016】 本発明の一つの実施態様においては、該誘導体は、下式(V):
【化17】 [式中、R3−R11は水素、C1-6アルキル、または式(II)を有するα-アルケン
から選択される同一の又は相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
って置換されていても良い] を有する。
【0017】 本発明のE-ビタミン誘導体またはその類似化合物は、少なくとも一の縮合ベ
ンゼン環、ヘテロ原子を含む環、及びこれらに結合したα-鎖を含む構造を有す
ることが好ましい。酸素または硫黄原子などのヘテロ原子及びヒドロキシ基が、
複素環のベンゼン環とは逆側に結合しており、結果として該化合物を安定化する
作用が生まれていることが好ましい。
【0018】 本発明によるE-ビタミン誘導体の一群は、式(III)または(IV)と一致する
化合物からなり、ここでは2位の基R3とR4または3位の基R5とR6の一方が水
素またはC1-6アルキルであり、他方は式(II)と一致するα-アルケンであって
、R7−R11は水素またはC1-6アルキルであり、整数m、n、及びoの合計は1
乃至12であり、R1及びR2は上述の通りである。
【0019】 本発明による化合物の好ましい群は、化合物(III)または(IV)であって、
式中、複素環の2位の基R3とR4の一方または複素環3位の基R5とR6の一方が
水素またはC1-6アルキルであり、他方は式(II)と一致するα-アルケンであっ
て、ここではn+m+oが1乃至6の整数であり、R1及びR2は水素であり、R 9 −R11はC1-6アルキルである。一つの実施態様においては、該誘導体は式(II
I)と一致する化合物であり、ここではXは酸素であり、R3とR4の一方の基は
メチル基であり、他方は式(II)と一致するα-アルケンであって、式中、n+
m+oが1または2であり、R1及びR2は水素であり、R5−R8は水素であって
、R9−R11はメチル基である。R3またはR4は、あるいはまた、メチル基の変
わりに水素であっても良い。一つの実施態様においては、該誘導体は、式(IV)
と一致する化合物であり、ここではXは酸素であり、R1−R4は水素であり、R 5 とR6の一方の基は式(II)と一致するα-アルケンであって、式中、n+m+
oが4であり、R9−R11はメチル基である。
【0020】 本発明によるE-ビタミン誘導体の別の群は、化合物(III)または(IV)から
なり、式中、複素環の5、7、及び8位(式III)または4、6、及び7位(式I
V)にあるR9−R11基は、式(II)と一致するα-アルケンであり、該基のうち
2つは水素またはC1-6アルキルであり、m、n、及びoの合計が1乃至12で
あり、R1及びR2は上記の通りである。
【0021】 本発明による好ましい化合物群は、化合物(III)または(IV)からなり、式
中、複素環の5位(式III)または4位にあるR9は式(II)と一致するα-アル
ケンであって、式中、nは0または1、mは0または1、及びoは1乃至4であ
り、R1及びR2は水素またはC1-6アルキルである。R10及びR11は水素または
1-6アルキルである。好ましい場合においては、式(III)と一致する誘導体に
おいて、Xは酸素であり、R1−R4及びR10−R11はメチルであり、R5−R8
水素であり、R9は式(II)と一致するα-アルケンであって、ここでnは0、m
は1、及びoは3である。一つの実施態様において、該誘導体は式(III)と一
致する化合物であり、式中、Xは酸素であり、R3−R4及びR10−R11はメチル
基であり、R5−R8は水素であり、R9は式(II)と一致するα-アルケンであっ
て、ここでmは0であり、n+oは1である。
【0022】 式(III)と一致するE-ビタミン誘導体には、例えば、6-ヒドロキシ-2,5
,7,8-テトラメチル-2-(ブト-3-エニル)-クロマン、6-ヒドロキシ-2,
5,7,8-テトラメチル-2-(プロプ-2-エニル)-クロマン、6-ヒドロキシ-
2,2,7,8-テトラメチル-5-(1,1-ジメチル-ヘクス-5-エニル)-クロ
マン、及び6-ヒドロキシ-2,2,7,8-テトラメチル-5-(プロプ-2-エニ
ル)-クロマンが含まれる。式(IV)と一致するE-ビタミン誘導体には、例えば
、5-ヒドロキシ-4,6,7-トリメチル-3-(ヘクス-5-エニル)-ベンゾフラ
ンが含まれる。
【0023】 本発明の一つの実施態様においては、E-ビタミン誘導体との類似化合物とは
、式(IV)と一致する化合物であって、式中、R9−R11の一つの基は式(II)
と一致するα-アルケンであり、他の基は水素またはC1-6アルキルであって、R 3 −R8は水素またはC1-6アルキルである。あるいはまた、R7とR8は合わせて
一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5は、これらが結合している炭素
原子と共にベンゼン環を形成する。好ましい実施態様においては、R10は式(II
)と一致するα-アルケンであり、ここでnは0または1、mは0または1、及
びoは1乃至4の整数であって、R1及びR2はメチル基であり、R9はC1-6アル
キルであり、R11は水素であって、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、
4とR5は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形成している。
式(V)と一致する化合物とは、例えば、ヒドロキシチオキサントン誘導体など
のチオキサントン誘導体であってよい。
【0024】 本発明による誘導体は、自ずと上述したものに相当するあらゆる種類の構造を
有して良く、例えば下記のものがある。
【化18】
【0025】 式(I)と一致するE-ビタミン誘導体またはその類似化合物は、有機化学の
適切な合成方法を用いて製造される。
【0026】 本発明のE-ビタミン誘導体またはその類似化合物(I)は、例えば、A)ヒ
ドロキノン誘導体を好適な第三級不飽和アルコールまたはチオールと反応させる
ことによって製造可能である。
【0027】 方法A)においては、式(I)と一致する化合物は、ヒドロキノン誘導体、例
えばモノ-、ジ-、またはトリ-アルキルヒドロキノン、例えばジメチルまたはト
リメチルヒドロキノンを、適当な不飽和アルコール、例えばアルカ-ジエノール
、例えば2,7-オクタジエン-1-オールまたは3-メチル-1,6-ヘプタジエン
-3-オール、あるいはチオールと適当な溶媒中にて反応させることによって、直
接製造することができる。任意に、方法A)によれば、第一段階においてヒドロ
キノン誘導体を適当な不飽和アルコール、例えば2-アルキル-アルカ-1,x-ジ
エン-3-オール、例えば3-メチルヘプト-1,6-ジエン-3-オール、または3-
アルキル-x-ハロゲン-アルク-1-エン-3-オール、例えば3-メチル-5-クロル
-ペント-1-エン-3-オール、またはチオールと、適当な溶媒中で適当な触媒の
存在下において反応させることによって、(ハロゲン-アルキル)基または対応
する基を含む中間生成物を調製することができる。第二段階において、式(I)
と一致する化合物は、アルカリの存在下において前記中間生成物中のハロゲンア
ルキル基または同等の基からハロゲン化物または相当する化合物を分離させるこ
とによって調製することができる。好適な触媒は、例えば、ハロゲン化金属、例
えば塩化アルミニウム及び塩化亜鉛である。好適な溶媒は、例えば酸、例えば蟻
酸、硫酸、または等価物、テトラヒドロフラン(THF)及びジクロロメタンで
ある。好適なアルカリは、例えば、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウン
デク-7-エン(DBU)である。
【0028】 本発明により提供されるE-ビタミン誘導体またはその類似化合物(I)は、
例えば、 B)ヒドロキノン誘導体を好適な不飽和アルコールまたはチオールと反応させ、
こうして生成する縮合複素環誘導体にα-アルキレンを添加すること によって製造可能である。
【0029】 方法B)の第一工程において、縮合複素環誘導体は、モノ-、ジ-、またはトリ
-アルキルヒドロキノン等のヒドロキノン誘導体を、3-アルキル-アルク-1-エ
ン-3-オール、例えば3-メチル-ブト-1-エン-3-オール等の適当な第三級不飽
和アルコールまたはチオールと、適当な溶媒中で適当な触媒の存在下において反
応させることによって製造可能である。適当な触媒は、例えば、ハロゲン化金属
、例えば塩化アルミニウム及び塩化亜鉛である。好適な溶媒は、例えばテトラヒ
ドロフラン(THF)及びジクロロメタン及び酸、例えば蟻酸である。該方法の
第二工程においては、式(II)と一致するα-アルケンを、酸性条件下において
複素環誘導体に添加する。
【0030】 本発明のE-ビタミン誘導体またはその類似化合物は、好ましくは安定化コモ
ノマー、すなわち安定剤として、共重合において使用されて安定コポリマーを製
造する。安定剤の機能は、熱、UV光線、酸素及び/またはオゾンの、該コポリ
マーへの有害な作用を防止及び低減することである。
【0031】 該安定コポリマーは、少なくとも一のモノマー種及び安定化コモノマーからな
る。そのモノマーは、α-アルケン鎖を含むオレフィン及び/または環状及び/
または芳香族化合物である。該オレフィンモノマーは、例えばエチレン、プロピ
レン、1-ブテン、イソブテン、及び/または4-メチル-1-ペンテン等またはこ
れらの混合物であってよい。該芳香族化合物は、スチレンであって良い。当然な
がら、該モノマーはあらゆるタイプのものであって良い。該安定化コモノマーは
、式(I)を有するE-ビタミン誘導体またはその類似化合物であって、明白な
安定化作用を有し、通常の重合条件下で重合可能である。安定化コモノマーは、
例えばクロマン-、ベンゾフラン-、またはヒドロキシチオキサントンの誘導体で
あってよい。
【0032】 該コモノマー、すなわち本発明の安定剤は、好ましくはそのα−アルケン鎖に
よってコポリマーに結合している。
【0033】 本発明の一つの実施態様においては、該コポリマーは、オレフィンまたはスチ
レンモノマー種及び、本発明によるE-ビタミン誘導体または式(III)、(IV)
、または(V)を有するその類似化合物を含む。
【0034】 該コポリマーは、好ましくはいわゆる付加ポリマーに属する。付加ポリマーが
生成する際、小分子副生成物複製生物は発生せず、すなわち該ポリマーの構造単
位はモノマー組成を有する。モノマーは直鎖状または分枝状の炭化水素鎖を有し
、これらは、重合反応が起こることを可能にする少なくとも一の二重結合を含む
【0035】 コポリマー中においては、様々なモノマー種が多様な方法で、例えば交互など
のように規則性の方式によって、セグメントとして、またはこのような他の方法
によって整列していて良い。該モノマーはまた、不規則性の方式によって並べら
れても良い。該コポリマーの構造は、モノマーがメタロセンまたはツィーグラー
・ナッタ触媒を使用して重合する場合(立体特異性重合)には典型的なように、
例えばアイソタクチックまたはシンジオタクチックのように主として規則性であ
ることが好ましい。メタロセン触媒を使用する重合を経て得られる特定の生成物
の特徴的特性は、シンジオタクチック形態である。該ポリマーの結晶化特性は、
数ある事項の中でも構造の規則性に依存する。しかしながら、該ポリマーはまた
、アタクチック部分も含んで良く、あるいは完全にアタクチックである。
【0036】 安定コポリマーの製造のための本発明の方法においては、少なくとも一のモノ
マー種と安定化コモノマーとを、触媒の存在下にて、それ自体既知の単一段階ま
たは多数段階の重合方法において、例えば、ここでは詳細に説明しないが、沈殿
、溶解、または気相重合を用いて、共重合させる。
【0037】 一つの実施態様によれば、共重合において使用される触媒は、例えば液体また
は固体のメタロセン触媒またはそれ自体既知のその誘導体であることが好ましく
、これはランタノイドを含む遷移金属の誘導体から形成される。触媒の製造のた
めに最良の遷移金属の中には、3及び4族に属する遷移金属及び、酸化数が+2
、+3、または+4であるランタノイドがある。該メタロセン成分は、π結合を
有する1乃至3のアニオン性または中性の基を含む。触媒の活性を向上させるた
めに、しばしばメチルアルモキサン(MAO)からなるものであるが、共触媒が
一般に使用される。更に好ましくは、MAOは例えばホウ素を含む化合物、例え
ばトリ(ヒドロカルビル)ホウ素及びそのハロゲン化誘導体と置き換え可能であ
る。使用される共触媒は、例えば硼酸テトラフェニルであってよい。本発明の共
重合方法においては、例えば特許出願FI941662に記載されたタイプのメ
タロセン触媒を使用することができる。当然ながら、その共重合方法においては
、この分野において使用されている他の触媒を使用することもまた可能である。
該触媒は、固体担体を含んでいても良い。該担体は、ここでは詳細に説明しない
が、あらゆる担体物質からなるものであって良い。
【0038】 本発明の一つの態様においては、共重合に使用される触媒はπ-シクロ-ペンタ
ジエニル遷移金属化合物及びアルモキサン化合物を含む。別の実施態様において
は、触媒はπ-シクロ-ペンタジエニル遷移金属化合物及びホウ素を含む化合物を
含む。
【0039】 一つの実施態様においては、安定化コモノマーは、例えばそのヘテロ原子によ
って触媒に化学的に錯化しており、例えば触媒のZr原子に化学結合を介して結
合している。該コモノマーは、当然ながら、それ自体使用しても、または例えば
重合の際に重合溶液中において他のモノマーと混合してもよい。
【0040】 重合段階において、安定化コモノマーとモノマー、例えばオレフィン及び/ま
たはスチレンが重合されるが、この方法においては本発明のコモノマーは本質的
に他のモノマーと共に重合化され、同時に該コポリマーに化学結合される。重合
させようとする該モノマーは、活性点、例えば触媒中のZr原子に結合し、より
迅速な重合を引き起こす。該ポリマーは、コポリマーの構造単位が増大するにつ
れ成長する。該コポリマーは、所定の割合にて様々なモノマーを含有する。
【0041】 コポリマーは、例えば、エチレン/-、プロピレン/-、ブチレン/-、または
スチレン/E-ビタミン誘導体コポリマーであってよい。共重合生成物は、当然
ながら、二つより多くのモノマー種からなっても良い。様々な製造方法及び様々
なモノマー割合を用いて、当該コポリマーの特性を調整することが可能である。
【0042】 本発明によって提供されるコポリマーは、それ自体または他のポリマーとの混
合物としてのいずれかで使用可能である。本発明によるコモノマーで安定化され
るコポリマーは、例えば、食品産業における包装材料として使用可能である。
【0043】 本発明のE-ビタミン誘導体またはその類似化合物は、典型的な重合条件にお
いて優れた収率をもって重合させることができ、酸化を抑制する優れた性能を有
してポリマー製造における酸化抑制剤として使用することができるという利点を
有する。さらにまた、該コモノマーは、例えば充填剤に関するポリマーの粘着特
性を改善する。
【0044】 本発明のコポリマーは、安定化コモノマー、すなわち安定剤が重合の際にポリ
マー構造に化学的に結合するが、その意味するところは、ポリマー全体に前記コ
モノマーが均一に分布して前記化学結合が該生成物中における安定剤の喪失を防
止するのであり、換言すれば、使用の際に該生成物の表面に向かって安定剤が移
動することを防止するという利点を有する。このように、該安定剤は、例えばプ
ラスチックで保護された食品に移動することはなく、したがって人に転移するこ
ともない。
【0045】 本発明の共重合方法は、メタロセン触媒の使用を可能にするという利点を有す
る。重合条件において、こうした触媒は、現在知られる他の触媒よりも優れた働
きをする。懸かるメタロセン触媒を使用する場合、シンジオタクチック構造を有
し、よってより高い融点を有するポリマー生成物が製造可能である。
【0046】 本発明による共重合により提供される更なる利点は、重合の際に安定化がおこ
なわれること、換言すれば、本質的に重合の間に安定剤がコモノマーとして重合
生成物に添加されることであり、これによって該生成物は更なる処理に直接利用
可能になり、換言すれば、こうして得られる該生成物は、再度溶融させて押出成
型機に供給する必要がない。したがって、数千万、さらには一億FIMを越えう
る押出成型機の投資費用において、節約をすることもできる。
【0047】 以下に、本発明を、図面を参照し、その実施態様の詳細な例の補助により説明
する。
【0048】
【実施例】
(実施例1:6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(ブト-3-エニ
ル)-クロマンの調製)
【化19】
【0049】 3-メチルヘプト-1,6-ジエン-3-オールの調製: THF中、232g(0.4mol)のビニルマグネシウムクロライドに、150
mlの無水THF中35g(0.36mol)の5-ヘキセン-2-オンからなる溶液を
添加した。反応混合物を室温にて20時間撹拌し、すぐに450mlの冷温の飽和
NH4CL水溶液に注意深く注入した。有機抽出物を濃縮してジクロロメタンで
拡散させ、Na2SO4を用いて乾燥させて濃縮した。残渣を蒸留して、得られた
収量は35.5g(78%)であった。3-メチルヘプト-1,6-ジエン-3-オー
ル;t.p. 45℃/10mmHg。
【0050】 6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(4-クロロ-ブチル)-クロ
マンの調製: 200mlのジクロロメタン中に20g(0.150mol)の無水AlCl3を含
有する懸濁液を0℃にて撹拌する一方で、同時にアルゴンの保護層下にて25.
8g(0.42mol)のCH3NO2を添加した。該混合物を10分間0℃にて撹拌
した後、30.4g(0.2mol)のトリメチルヒドロキノンを各バッチに添加し
た。結果として得られた褐色の懸濁液を−20℃に冷却し、750mlのジクロロ
メタン中3-メチルヘプト-1,6-ジエン-3-オールからなる溶液を、0.5時
間に亘って滴々と添加した。こうして製造された混合物をゆっくりと室温まで冷
却し、一晩撹拌し、その後これを氷/水に注いだ。有機相を回収し、NaHCO 3 溶液で二度洗浄して濃縮した。得られた収量は、微量の不純物を含有する40g
の粗製生成物であった。該粗製生成物を蒸留し、こうして製造された収量は、明
褐色液体形態での6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(4-クロロ
ブチル)-クロマンフラクション15g(25%)、t.p. 180℃/1mmHgであ
り、これを冷却器内で結晶化させた。mp X℃。
【数1】
【0051】 6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(ブト-3-エニル)-クロマ
ンの調製: 14.8g(0.05mol)の6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2
-(4-クロロブチル)-クロマンに、36.3g(0.24mol)の1,8-ジアザ
ビシクロ(5.4.0)ウンデク-7-エン(DBU)を添加し、該溶液を120
℃に加熱して20時間撹拌した。その後、該反応混合物を室温に冷却し、350
mlのジクロロメタンに注入し、希HClを用いて繰り返し洗浄した。有機相を濃
縮し、こうして得られた収量は、DBUを含まない10.2gの粗製生成物であ
った。さらに、該物質を蒸留によって精製したところ、得られた結果は、5g(
38%)の6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(ブト-3-エニル
)-クロマンであり;t.p. 154℃/1mmHgであった。
【0052】 (実施例2:5-ヒドロキシ-4,6,7-トリメチル-3-(ヘクス-5-エニル)-
ベンゾフランの調製)
【化20】
【0053】 トリメチルヒドロキノン(23.7g)と2,7-オクタジエン-1-オール(1
9.7g)とを計量し、反応容器に入れ、50mlの蟻酸を該混合物に添加した。
該混合物の温度を蟻酸の沸点に上昇させ、反応を3時間継続させた。該反応混合
物を150mlの氷−水混合物に注入し、有機相をジエチルエーテル中に回収した
。有機溶媒を蒸発させ、そこで100mlのメタノール及び1mlの塩酸を残渣に添
加した。反応混合物をメタノールの沸点にて30分間加水分解し、その後溶媒を
該混合物から蒸発させた。該混合物をジエチルエーテル中に溶解させ、有機相を
炭酸水素ナトリウムを用いて2度、蒸留水を用いて5度洗浄した。ジエチルエー
テルを蒸発させた。この時点で、収量は48.0gであった。n-ヘキサンを該混
合物に添加し、これをヘキサンの沸点にて30分間撹拌し、そこで該混合物を室
温に冷却した。ヘキサン中に溶解しなかった部分は、主として不活性なトリメチ
ルヒドロキノンと生成物とからなるものであったが、該混合物から濾過によって
分離した。固体部分を少量のエタノール中に溶解させ、該溶液中に少量の水を添
加することによって沈殿させ、そこで生成物(7.5g)を濾過によって分離し
た。その後、マススペクトル(図1)及びNMRスペクトル(図2)分析に基づ
いて、当該生成物を5-ヒドロキシ-4,6,7-トリメチル-3-(ヘクス-5-エ
ニル)-ベンゾフランと同定した。
【0054】 (実施例3:6-ヒドロキシ-2,2,7,8-テトラメチル-5-(1,1-ジメチ
ル-ヘクス-5-エニル)-クロマンの調製)
【化21】
【0055】 ジメチルヒドロキノンと蟻酸とを混合し、3-メチルブテン-3-オールを、1
時間に亘って該反応混合物に少量ずつ添加した。該混合物を蟻酸の沸点にて2時
間反応させ、その後ここに少量の氷−水混合物を添加することによって反応を中
断させた。有機相をジエチルエーテル中に回収し、水で数回洗浄した。有機相を
蒸発させ、75mlのエタノールと1mlの濃塩酸とを残渣に添加し、そこで該混合
物をメタノールの沸点にて30分間加水分解した。メタノールを蒸発させ、残渣
をジエチルエーテル中に溶解させ、これを炭酸水素ナトリウムで2度、水で5度
、交互に洗浄した。ジエチルエーテルを蒸発させて残渣を真空中で蒸留した。中
間生成物(1.25g)、6-ヒドロキシ-2,2,7,8-テトラメチル-クロマ
ンを以下の条件において回収した:p=0.2mbar、及びT=110−120℃
【0056】 6-ヒドロキシ-2,2,7,8-テトラメチルクロマンと7-メチル-1,6-オ
クタジエンとを混合した。反応溶液を加熱し、その後ここに酸触媒を添加した。
該混合物を24時間反応させ、生成物、6-ヒドロキシ-2,2,7,8-テトラ
メチル-5-(1,1-ジメチル-ヘクス-5-エニル)-クロマンを、定法によって
分離し、蒸留によって精製した。
【0057】 (実施例4:6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(ブト-3-エニ
ル)-クロマンの調製)
【化22】
【0058】 1.02gのトリメチルヒドロキノン、0.844gの3-ヒドロキシ-3-メチ
ル-1,6-ヘプタジエン、及び10mlの蟻酸(98%)を、50mlの反応容器に
仕込んだ。温度を蟻酸の沸点にまで上昇させ、この温度で反応を2時間50分間
継続させた。反応を、該混合物を氷−水混合物に注入することによって中断させ
、そこで有機相を回収し、定法にて洗浄した。該生成物からは、まずヘキサンに
溶解しない部分が分離し、そこで該生成物をエタノール中に溶解させ、水で沈殿
させ、ヘキサン及びジエチルエーテルを使用して洗浄した。収量は1.3gであ
った。該生成物を、マススペクトル(図3)及びNMRスペクトル(図4)分析
により、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(ブト-3-エニル)-
クロマンとして同定した。
【0059】 (実施例5:6-ヒドロキシ-2,2,7,8-テトラメチル-5-(プロプ-2-エ
ニル)-クロマンの調製)
【化23】
【0060】 ジメチルヒドロキノンと蟻酸とを混合し、3-メチルブテン-3-オールを、1
時間に亘って該反応混合物に少量ずつ添加した。該混合物を蟻酸の沸点にて2時
間反応させ、その後該混合物に少量の氷−水混合物を添加することによって反応
を中断させた。有機相をジエチルエーテル中に回収し、水で数回洗浄した。有機
相を蒸発させ、75mlのメタノールと1mlの濃塩酸とを残渣に添加し、そこで該
混合物をメタノールの沸点にて30分間加水分解した。メタノールを蒸発させ、
残渣をジエチルエーテル中に溶解させ、これを炭酸水素ナトリウムで2度、水で
5度、交互に洗浄した。ジエチルエーテルを蒸発させて残渣を真空中で蒸留した
。中間生成物(1.25g)、6-ヒドロキシ-2,2,7,8-テトラメチル-ク
ロマンを以下の条件において回収した:p=0.2mbar、及びT=110−12
0℃。
【0061】 中間生成物(0.5g)を10mlのアセトンに溶解させた。K2CO3(0.3
7g)を徐々に添加し、該混合物を30分間撹拌し、そこでC35Br(0.3
3g)を徐々に添加した。該反応中、還流コンデンサーを使用した。該混合物を
48時間加熱することにより、最終生成物、6-ヒドロキシ-2,2,7,8-テ
トラメチル-5-(プロプ-2-エニル)-クロマンが得られた。該生成物を、カラ
ムクロマトグラフィーによって該混合物から分離した。
【0062】 (実施例6:ヒドロキシチオキサントンの調製)
【化24】
【0063】 例えば特許PCT/FI95/00196による方法によって製造可能な6-t
ert-ブチル-(2-(1,1-ジメチルヘプト-6-エニル))-フェノールと、チオ
サリチル酸とから、それ自体既知の方法によってヒドロキシチオキサントン誘導
体を調製した。
【0064】 (実施例7:共重合) メタロセン触媒存在下における6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-
2-(ブト-3-エニル)-クロマンとプロピレンとの共重合の実施のため重合試験
を行った。メタロセン触媒は、π-シクロ-ペンタジエニル遷移金属とアルモキサ
ンとからなるものであった。
【0065】 π-シクロ-ペンタジエニル遷移金属及びアルモキサン並びにコモノマーの処理
を2ppm未満の酸素と5ppm未満の水とを含む窒素キャビネット内で行った。重合
をタービンミキサーを取り付けたオートクレーブ中にて行った。反応温度は、正
確に0.3℃に調整した。
【0066】 乾燥オートクレーブを空け、水で濯いだ。これを3度繰り返した。蒸留トルエ
ンの最初のバッチを窒素過圧を用いて反応器に供給した。5mgのアンサメタロセ
ン触媒を、MAO/トルエン溶液の第二バッチに溶解させ、室温にて5分間互い
に相互作用させることによって予備活性化させた。
【0067】 触媒/活性剤混合物を、反応器に供給した。プロピレンモノマーを添加するこ
とによって予備重合を開始させた。3分間後、トルエンで希釈したコモノマーを
、プロピレンガスを用いて、プロピレンの部分圧が2barに達するまで添加した
。プロピレン消費を測定する一方、反応器中に継続的に気体プロピレンを添加す
ることで一定の全圧を維持することによって、重合活性をモニターした。30分
間後、プロピレンの供給を停止し、100mlのメタノールを添加することによっ
て重合を中断させた。ポリオレフィンを濾過し、該生成物、すなわちコポリマー
を、1-%のメタノール/HCl溶液で処理することによって触媒残渣を除去し
た。該生成物を、エタノールで2度洗浄し、真空中、50℃にて乾燥させて計量
した。得られたコポリマーの量は3gであった。結合した安定剤の濃度を測定す
る前に、該コポリマーを、Soxhlet装置を用いて拡散させた。重合の結果とその
意味するところを、表1にまとめた。
【0068】 表1は、コモノマー含有量が増大するにつれてOIT温度が上昇することを表
し、これは安定剤の効果を示している。さらに、表1からは、より高いコポリマ
ー含有量レベルでは、該生成物の結晶が減少することが読みとれるが、これは該
コモノマーが、該ポリマーの残部に化学的に結合することを示している。
【0069】
【表1】
【0070】 本発明のE-ビタミン誘導体またはその類似化合物は、様々な応用における使
用、例えばあらゆる種類のコポリマーの製造のための使用に好適である。さらに
また、本発明のコポリマーは、あらゆる目的のための様々な応用としての使用に
好適である。
【0071】 本発明の実施態様は、上述の実施例に限定されず、むしろ、請求項の記載の範
疇において変形されても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明によるコモノマー、5-ヒドロキシ-4,6,7
-トリメチル-3-(ヘクス-5-エニル)-ベンゾフランのマススペクトル分析の結
果を表す。
【図2】 図2は、本発明によるコモノマー、5-ヒドロキシ-4,6,7
-トリメチル-3-(ヘクス-5-エニル)-ベンゾフランのNMRスペクトル分析の
結果を表す。
【図3】 図3は、本発明によるコモノマー、6-ヒドロキシ-2,5,7
,8-テトラメチル-2-(ブト-3-エニル)-クロマンのマススペクトル分析の結
果を表す。
【図4】 図4は、本発明によるコモノマー、6-ヒドロキシ-2,5,7
,8-テトラメチル-2-(ブト-3-エニル)-クロマンのNMRスペクトル分析の
結果を表す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年3月1日(2001.3.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図2】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年8月15日(2001.8.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 [式中、Xは酸素または硫黄原子であり、pは0または1の整数であり、R3−R 11 は、水素、C1-6アルキル、または下式(II):
【化2】 (式中、n、m、及びoは互いに独立に0乃至4の整数であり、m+n+oは1 乃至6の整数であり、1及びR2は、水素、C1-6アルキル、またはC1-6アルケ
ンから選択される同一のまたは相違する基であって、これらは芳香環によって置
換されていても良い) を有するα-アルケンから選択される同一のまたは相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
って置換されていても良い] を有するE-ビタミン誘導体またはその類似化合物。
【化3】 または下式(IV):
【化4】 [式中、Xは、酸素または硫黄原子であり、R3−R11は水素、C1-6アルキルま
たは式(II)を有するα-アルケンから選択される同一の又は相違する基である] を有することを特徴とする、請求項1に定義される誘導体。
【化5】 [式中、R3−R11は水素、C1-6アルキル、または式(II)を有するα-アルケン
から選択される同一の又は相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
って置換されていても良い] を有することを特徴とする、請求項1に定義される誘導体。
【化6】 [式中、Xは酸素または硫黄原子であり、pは0または1の整数であり、R3−R 11は、水素、C1-6アルキル、または下式(II):
【化7】 (式中、n、m、及びoは互いに独立に0乃至4の整数であり、R1及びR2は、 水素、C1-6アルキル、またはC1-6アルケンから選択される同一のまたは相違す る基であって、これらは芳香環によって置換されていても良い) を有するα-アルケンから選択される同一のまたは相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5 び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形 成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ って置換されていても良い] を有する E-ビタミン誘導体またはその類似化合物の使用。
【化8】 [式中、Xは酸素または硫黄原子であり、pは0または1の整数であり、R3−R 11 は、水素、C1-6アルキル、または下式(II):
【化9】 (式中、n、m、及びoは互いに独立に0乃至4の整数であり、R1及びR2は、
水素、C1-6アルキル、またはC1-6アルケンから選択される同一のまたは相違す
る基であって、これらは芳香環によって置換されていても良い) を有するα-アルケンから選択される同一のまたは相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
って置換されていても良い] を有することを特徴とするコポリマー。
【化10】 または下式(IV):
【化11】 [式中、Xは、酸素または硫黄原子であり、R3−R11は水素、C1-6アルキル、
または式(II)を有するα-アルケンから選択される同一の又は相違する基であ
る] を有することを特徴とする、請求項17に定義される安定コポリマー。
【化12】 [式中、R3−R11は水素、C1-6アルキル、または式(II)を有するα-アルケン
から選択される同一の又は相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
って置換されていても良い] を有することを特徴とする、請求項17に定義される安定コポリマー。
【化13】 [式中、Xは酸素または硫黄原子であり、pは0または1の整数であり、R3−R 11 は、水素、C1-6アルキル、または下式(II):
【化14】 (式中、n、m、及びoは互いに独立に0乃至4の整数であり、R1及びR2は、
水素、C1-6アルキル、またはC1-6アルケンから選択される同一のまたは相違す
る基であって、これらは芳香環によって置換されていても良い) を有するα-アルケンから選択される同一のまたは相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
って置換されていても良い] を有するE-ビタミン誘導体またはその類似化合物であることを特徴とする方法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 212/08 C08F 212/08 224/00 224/00 228/06 228/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 カール−エリック・ウィレン フィンランド・FIN−20500・アボ・ビ スコプスガタン・(番地なし)・テクニス ク・ポリメルケミ・アボ・アカデミ (72)発明者 ユハ・ストランデン フィンランド・FIN−20500・アボ・ビ スコプスガタン・(番地なし)・テクニス ク・ポリメルケミ・アボ・アカデミ (72)発明者 アリ・ロスリン フィンランド・FIN−20500・アボ・ビ スコプスガタン・(番地なし)・テクニス ク・ポリメルケミ・アボ・アカデミ (72)発明者 ジャン・ナスマン フィンランド・FIN−20700・アボ・ド ラゴンファゲン・58・B・A・6 (72)発明者 ヘンドリク・ルティックヘッド フィンランド・FIN−20700・トゥル ク・シルカランカトゥ・27・A・28 Fターム(参考) 4C062 FF27 4J028 AA01 AB00 AB01 AC01 AC10 AC28 AC49 BA00A BA00B BA01A BB00A BB00B BB01A BC25A CA01A CB50A CB85A DA02 DA09 EA01 EB02 EB04 EB05 EB06 EB08 EB10 EB21 EB26 EC02 FA02 GA18 GA19 GA26 GB02 4J100 AA02P AA03P AA04P AA06P AA07P AA17P AB02P AB07Q AQ01Q AQ28Q BA03Q BA11Q BC43Q BC53Q BC83Q CA04 DA28 FA10 JA59

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(I): 【化1】 [式中、Xは酸素または硫黄原子であり、pは0または1の整数であり、R3−R 11 は、水素、C1-6アルキル、または下式(II): 【化2】 (式中、n、m、及びoは互いに独立に0乃至4の整数であり、R1及びR2は、
    水素、C1-6アルキル、またはC1-6アルケンから選択される同一のまたは相違す
    る基であって、これらは芳香環によって置換されていても良い) を有するα-アルケンから選択される同一のまたは相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
    び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
    成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
    って置換されていても良い] を有するE-ビタミン誘導体またはその類似化合物。
  2. 【請求項2】 下式(III): 【化3】 または下式(IV): 【化4】 [式中、Xは、酸素または硫黄原子であり、R3−R11は水素、C1-6アルキルま
    たは式(II)を有するα-アルケンから選択される同一の又は相違する基である] を有することを特徴とする、請求項1に定義される誘導体。
  3. 【請求項3】 下式(V): 【化5】 [式中、R3−R11は水素、C1-6アルキル、または式(II)を有するα-アルケン
    から選択される同一の又は相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
    び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
    成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
    って置換されていても良い] を有することを特徴とする、請求項1に定義される誘導体。
  4. 【請求項4】 R3とR4の一方またはR5とR6の一方が、水素またはC1-6 アルキルであり、他方が式(II)と一致するα-アルケンであり、R7−R11は水
    素またはC1-6アルキルであることを特徴とする、請求項1または2に定義され
    る誘導体。
  5. 【請求項5】 m+n+oが1乃至6の整数であり、R1及びR2が水素で
    ある、請求項1、2、または4のいずれか一項に定義される誘導体。
  6. 【請求項6】 式(III)を有し、前記式中、Xは酸素であり、R3とR4
    一方の基はメチル基であり、他方は式(II)と一致するα-アルケンであって、
    式中、n+m+oが1または2であり、R1−R2及びR5−R8は水素であって、
    9−R11はメチル基であることを特徴とする、請求項1、2、または4−5の
    いずれか一項に定義される誘導体。
  7. 【請求項7】 式(IV)を有し、前記式中、Xは酸素であり、R1−R4
    水素であり、R5とR6の一方の基は式(II)と一致するα-アルケンであって、
    式中、n+m+oが4であり、R9−R11はメチル基であることを特徴とする、
    請求項1、2、または4−5のいずれか一項に定義される誘導体。
  8. 【請求項8】 R9−R11基のうち一つは式(II)と一致するα-アルケン
    であり、前記の基のうち二つは水素またはC1-6アルキルであり、R3−R8は水
    素またはC1-6アルキルであることを特徴とする、請求項1または2に定義され
    る誘導体。
  9. 【請求項9】 R10とR11とが同種またはC1-6アルキルであり、R9は式
    (II)と一致するα-アルケンであり、式中nは0または1であり、mは0また
    は1、及びoは1乃至4の整数であり、R1−R2は水素またはC1-6アルキルで
    あることを特徴とする、請求項1、2、または8のいずれか一項に定義される誘
    導体。
  10. 【請求項10】 式(III)を有し、Xは酸素であり、R1−R4及びR10
    11はメチル基であり、R5−R8は水素であり、R9は式(II)と一致するα-ア
    ルケンであって、ここでnは0、mは1、及びoは3であることを特徴とする、
    請求項1、2、または8−9のいずれか一項に定義される誘導体。
  11. 【請求項11】 式(III)を有し、Xは酸素であり、R3−R4及びR10
    11はメチル基であり、R5−R8は水素であり、R9は式(II)と一致するα-ア
    ルケンであって、ここでmは0であり、o+nは1であることを特徴とする、請
    求項1、2、または8−9のいずれか一項に定義される誘導体。
  12. 【請求項12】 R9−R11基の一つは式(II)と一致するα-アルケンで
    あって、他の基は水素またはC1-6アルキルであり、R3−R8は水素またはC1-6 アルキルであるか、または、R7とR8とは合わせて一つの酸素原子であり、及び
    /または、R4とR5は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形成
    することを特徴とする、請求項1または3に定義される誘導体。
  13. 【請求項13】 R10は式(II)と一致するα-アルケンであって、ここで
    nは0または1、mは0または1、及びoは1乃至4の整数であり、R1及びR2 はメチル基であり、R9はC1-6アルキルであり、R11は水素であり、もしくはR 7 とR8は合わせて一つの酸素原子であり、R4とR5は、これらが結合している炭
    素原子と共にベンゼン環を形成することを特徴とする、請求項1、3、または1
    2のいずれか一項に定義される誘導体。
  14. 【請求項14】 6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(ブト
    -3-エニル)-クロマン、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(プ
    ロプ-2-エニル)-クロマン、6-ヒドロキシ-2,2,7,8-テトラメチル-5-
    (1,1-ジメチル-ヘクス-5-エニル)-クロマン、6-ヒドロキシ-2,2,7
    ,8-テトラメチル-5-(プロプ-2-エニル)-クロマン、5-ヒドロキシ-4,6
    ,7-トリメチル-3-(ヘクス-5-エニル)-ベンゾフラン、またはヒドロキシチ
    オキサントン誘導体であることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項
    に定義される誘導体。
  15. 【請求項15】 (C)ヒドロキノン誘導体を好適な不飽和アルコールま
    たはチオールと反応させること、または、 (D)ヒドロキノン誘導体を好適な不飽和アルコールまたはチオールと反応させ
    、こうして生成する縮合複素環誘導体にα-アルキレンを添加すること を特徴とする、式(I)を有するE-ビタミン誘導体またはその類似化合物の製
    造方法。
  16. 【請求項16】 安定コポリマーの製造のための安定化コモノマーとして
    の、請求項1に定義されるE-ビタミン誘導体またはその類似化合物の使用。
  17. 【請求項17】 少なくとも一のモノマー種を含み、これがα-アルケン鎖
    を含むオレフィン及び/または環式及び/または芳香族化合物である安定コポリ
    マーであって、前記コモノマーがE-ビタミン誘導体またはその類似化合物であ
    り、下式(I): 【化6】 [式中、Xは酸素または硫黄原子であり、pは0または1の整数であり、R3−R 11 は、水素、C1-6アルキル、または下式(II): 【化7】 (式中、n、m、及びoは互いに独立に0乃至4の整数であり、R1及びR2は、
    水素、C1-6アルキル、またはC1-6アルケンから選択される同一のまたは相違す
    る基であって、これらは芳香環によって置換されていても良い) を有するα-アルケンから選択される同一のまたは相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
    び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
    成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
    って置換されていても良い] を有することを特徴とするコポリマー。
  18. 【請求項18】 前記コモノマーが、下式(III): 【化8】 または下式(IV): 【化9】 [式中、Xは、酸素または硫黄原子であり、R3−R11は水素、C1-6アルキル、
    または式(II)を有するα-アルケンから選択される同一の又は相違する基であ
    る] を有することを特徴とする、請求項17に定義される安定コポリマー。
  19. 【請求項19】 前記コモノマーが、下式(V): 【化10】 [式中、R3−R11は水素、C1-6アルキル、または式(II)を有するα-アルケン
    から選択される同一の又は相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
    び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
    成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
    って置換されていても良い] を有することを特徴とする、請求項17に定義される安定コポリマー。
  20. 【請求項20】 前記オレフィンが、エチレン、プロピレン、ブチレン、
    及び/またはペンテンであることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一
    項に定義される安定コポリマー。
  21. 【請求項21】 前記芳香族化合物が、スチレンであることを特徴とする
    、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の安定コポリマー。
  22. 【請求項22】 前記コポリマーが、式(III)、(IV)、または(V)と
    一致するオレフィンまたはスチレンモノマー及びコモノマーからなることを特徴
    とする、請求項17乃至21のいずれか一項に定義される安定コポリマー。
  23. 【請求項23】 前記コポリマーが、実質的に規則的な構造を有すること
    を特徴とする請求項17乃至22のいずれか一項に定義される安定コポリマー。
  24. 【請求項24】 α-アルケン鎖を含むオレフィン及び/または環式及び/
    または芳香族化合物である少なくとも一のモノマー種と、安定化コモノマーとを
    、触媒の存在下にてそれ自体既知の重合技術によって共重合させる安定コポリマ
    ーの製造方法であって、使用される前記コモノマーが、下式(I): 【化11】 [式中、Xは酸素または硫黄原子であり、pは0または1の整数であり、R3−R 11 は、水素、C1-6アルキル、または下式(II): 【化12】 (式中、n、m、及びoは互いに独立に0乃至4の整数であり、R1及びR2は、
    水素、C1-6アルキル、またはC1-6アルケンから選択される同一のまたは相違す
    る基であって、これらは芳香環によって置換されていても良い) を有するα-アルケンから選択される同一のまたは相違する基であるか、 または、R7とR8は合わせて一つの酸素原子であり、及び/または、R4とR5
    び/またはR10とR11は、これらが結合している炭素原子と共にベンゼン環を形
    成し、これらは水素、C1-6アルキル、またはα-アルケンから選択される基によ
    って置換されていても良い] を有するE-ビタミン誘導体またはその類似化合物であることを特徴とする方法
  25. 【請求項25】 使用される前記コモノマーが、式(III)、(IV)、また
    は(V)と一致するコモノマーであることを特徴とする、請求項24に定義され
    る方法。
  26. 【請求項26】 共重合が、メタロセン触媒またはその誘導体を使用して
    行われることを特徴とする、請求項24または25に定義される方法。
  27. 【請求項27】 共重合において使用される前記触媒が、π-シクロ-ペン
    タジエニル遷移金属化合物及びアルモキサン化合物を含むことを特徴とする、請
    求項24乃至26のいずれか一項に定義される方法。
  28. 【請求項28】 共重合において使用される前記触媒が、π-シクロ-ペン
    タジエニル遷移金属化合物及び臭素を含む化合物を含むことを特徴とする、請求
    項24乃至27のいずれか一項に定義される方法。
  29. 【請求項29】 前記コモノマーが、触媒と錯化していることを特徴とす
    る、請求項24乃至28のいずれか一項に定義される方法。
  30. 【請求項30】 前記オレフィンが、エチレン、プロピレン、ブチレン、
    及び/またはペンテンであることを特徴とする、請求項24乃至29に定義され
    る方法。
  31. 【請求項31】 前記芳香族化合物がスチレンであることを特徴とする、
    請求項24乃至30のいずれか一項に定義される方法。
  32. 【請求項32】 前記方法に供給されるモノマー及び安定化コモノマーの
    量が厳密に決定されていることを特徴とする、請求項24乃至31のいずれか一
    項に定義される方法。
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